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特許7394511端末装置、センサ情報取得方法およびセンサ情報取得プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】端末装置、センサ情報取得方法およびセンサ情報取得プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231201BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021119098
(22)【出願日】2021-07-19
(65)【公開番号】P2023014894
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】丸山 三喜也
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-020813(JP,A)
【文献】特開2014-025890(JP,A)
【文献】特開2007-120953(JP,A)
【文献】特開2017-26542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって携帯され、1つ以上のセンサを有する端末装置であって、
前記ユーザが将来利用する電車による移送サービスに関するコンテキストが生じたタイミングで、当該コンテキストに対応する前記センサをオンにする制御部と、
前記センサによる検知結果を取得する取得部と、を備え
前記制御部は、前記タイミングとして、前記ユーザによる前記電車の経路検索結果における出発日時よりも所定の時間前で、前記センサをオンにする、端末装置。
【請求項2】
記センサは、前記端末装置の位置、動き、姿勢の少なくともいずれかを検知し
記端末装置は、
前記取得部によって取得された前記センサによる検知結果に基づいて、前記ユーザが前記移送サービスを実際に利用したか否かを推定する推定部を、さらに備える請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記センサは、GPS(Global Positioning System)センサであって、前記端末装置の位置を検知し、
前記推定部は、前記GPSセンサによる検知結果に基づいて、前記ユーザが前記移送サービスを実際に利用したか否かを推定する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記センサは、加速度センサであって、前記端末装置の加速度、速度、変位の少なくともいずれかを検知し、
前記推定部は、前記加速度センサによる検知結果に基づいて、前記ユーザが前記移送サービスを実際に利用したか否かを推定する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
前記センサは、気圧センサであって、前記端末装置の周囲の気圧を検知し、
前記推定部は、前記気圧センサによる検知結果に基づいて、トンネルを通過している電車に前記ユーザが乗っている状況かを推定する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項6】
前記センサは、音センサであって、前記端末装置の周囲の音を検知し、
前記推定部は、前記音センサによる検知結果に基づいて、前記ユーザが電車内にいるかを推定する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項7】
前記センサは、ジャイロセンサであって、前記端末装置の傾きを検知し、
前記推定部は、前記ジャイロセンサによる検知結果に基づいて前記ユーザの進行方向、視線の方向、体の傾きの少なくともいずれかを認識することで、前記ユーザが前記移送サービスを実際に利用したか否かを推定する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項8】
前記センサは、少なくとも、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、磁気センサのいずれかを含み、
前記推定部は、前記センサによる検知結果および歩行者自律航法の測位アルゴリズムに基づいて前記端末装置の位置を測位することで、前記ユーザが前記移送サービスを実際に利用したか否かを推定する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項9】
ユーザによって携帯され、1つ以上のセンサを有する端末装置によるセンサ情報取得方法であって、
前記ユーザが将来利用する電車による移送サービスに関するコンテキストが生じたタイミングで、当該コンテキストに対応する前記センサをオンにする制御ステップと、
前記センサによる検知結果を取得する取得ステップと、を含み、
前記制御ステップは、前記タイミングとして、前記ユーザによる前記電車の経路検索結果における出発日時よりも所定の時間前で、前記センサをオンにする、センサ情報取得方法。
【請求項10】
ユーザによって携帯され、1つ以上のセンサを有する端末装置であるコンピュータに、
前記ユーザが将来利用する電車による移送サービスに関するコンテキストが生じたタイミングで、当該コンテキストに対応する前記センサをオンにする制御部と、
前記センサによる検知結果を取得する取得部と、を実行させ
前記制御部は、前記タイミングとして、前記ユーザによる前記電車の経路検索結果における出発日時よりも所定の時間前で、前記センサをオンにする、センサ情報取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、センサ情報取得方法およびセンサ情報取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザによって携帯される端末装置(例えばスマートフォン等)には、種々のセンサが搭載されている。そして、センサ情報を使えば、例えば、ユーザが所定のサービス(例えば電車による移送サービス)を実際に利用したか否かの推定等を実現できる。
【0003】
なお、ユーザが端末装置のセンサのオン/オフを切り替えるのは、煩わしさや確実性の点で好ましくない。そこで、例えば、センサを常時オンにしておけば、センサ情報を確実に取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-009264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、端末装置のセンサを常時オンにしておくことは、消費電力等の面で好ましくない。
【0006】
そこで、本願は、上記事情に鑑みてなされたものであって、センサを常時オンにしておかなくても所望のセンサ情報を取得することができる端末装置、センサ情報取得方法およびセンサ情報取得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る端末装置は、ユーザによって携帯され、1つ以上のセンサを有する。端末装置は、制御部と、取得部と、を備える。制御部は、前記ユーザが将来利用するサービスに関するコンテキストに応じたタイミングで、当該コンテキストに対応する前記センサをオンにする。取得部は、前記センサによる検知結果を取得する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、センサを常時オンにしておかなくても所望のセンサ情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態の端末装置による処理の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態の情報処理システムの概要構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態における経路検索結果のログの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態の端末装置の機能構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態における予約情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態の端末装置による処理を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態の端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の端末装置、センサ情報取得方法およびセンサ情報取得プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
本実施形態では、端末装置を所有するユーザが利用するサービスとして、電車による移送サービス(電車移送サービス)を例にとる。ただし、本実施形態により、本願の端末装置、センサ情報取得方法およびセンサ情報取得プログラムが限定されるものではない。
【0012】
(実施形態)
〔端末装置による処理の概要〕
図1は、実施形態の端末装置2による処理の概要を示す図である。端末装置2は、例えば、スマートフォンやタブレット型端末である。ユーザUが端末装置2で電車の経路検索を行ったところ、A駅を9月12日8:00に出発し、B駅に同日9:00に到着するという結果が得られたものとする。
【0013】
また、端末装置2における各センサはオフになっているものとする。そして、経路検索結果における出発日時「9/12/8:00」の直前(例えば10分前)になると、端末装置2内のGPSセンサをオンにする(ステップS1)。そうすると、GPSセンサの情報が取得され、端末装置2の位置を特定することができる(ステップS2)。
【0014】
また、端末装置2は、その後、GPSセンサの情報によってユーザUが出発駅に到着したと認識した場合、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、音センサ、磁気センサ等をオンにする。そうすると、各センサ(GPSセンサも含む。)の情報が取得される。
【0015】
そして、例えば、ユーザUはA駅で電車に乗車する。端末装置2は、各センサの情報に基づいて、ユーザUが経路検索結果の電車に実際に乗車したかの推定を行う(ステップS3)。
【0016】
その後、例えば、ユーザUはB駅で電車から降りる。そうすると、端末装置2は、各センサをオフにする。
【0017】
このようにして、端末装置2において、センサを常時オンにしておかなくても所望のセンサ情報を取得することができる。また、取得したセンサ情報に基づいて、ユーザUが経路検索結果の電車に乗車したかを推定することができる。以下、この技術について詳述する。
【0018】
〔情報処理システム〕
〔情報処理システムの構成要素〕
図2は、実施形態の情報処理システム1の概要構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態にかかる情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ装置3とを備える。なお、図2に示す端末装置2の台数などは例示であってこれに限定されるものではない。
【0019】
端末装置2およびサーバ装置3は、ネットワークNを介して無線または有線で互いに通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0020】
サーバ装置3は、端末装置2と情報通信を行う情報処理装置(クラウドシステムでもよい)である。サーバ装置3は、電車の経路検索に関するサービスをユーザU(端末装置2)に対して提供する。
【0021】
例えば、サーバ装置3は、端末装置2から出発駅および到着駅を経路検索の検索クエリとして受付ける。このような場合、サーバ装置3は、出発駅から到着駅までの移動経路、所要時間、到着予測時刻等を検索し、検索結果を端末装置2へと提供する。
【0022】
また、サーバ装置3は、出発日時や到着日時の指定を受付けることができる。例えば、サーバ装置3は、出発日時とともに出発駅と到着駅との指定を受付けた場合は、指定された出発日時よりも後に、指定された出発駅から到着駅に向けて出発した場合における移動経路や、到着予測時刻等を検索する。また、サーバ装置3は、到着日時とともに出発駅と到着駅との指定を受付けた場合は、指定された到着日時よりも前に指定された到着駅に到着するように、移動経路や出発日時を検索する。
【0023】
なお、上述した処理以外にも、サーバ装置3は、任意の経路検索を実現可能である。また、サーバ装置3は、ユーザUによる経路検索の履歴をログとして保持する。例えば、サーバ装置3は、端末装置2から受付けた出発駅、到着駅、出発日時、到着日時等といった検索クエリと、その検索クエリに対する経路検索の結果とを対応付けたログを保持する。
【0024】
ここで、図3は、実施形態における経路検索結果のログの一例を示す図である。ログは、「ログID」、「出発日時」、「出発駅」、「到着日時」、「到着駅」、「ユーザID」、「検索日時」、といった項目を有する。なお、その他の項目があってもよい。
【0025】
「ログID」は、経路検索結果のログの識別情報である。また、「出発日時」は、経路検索結果において出発日時とされた日時である。また、「出発駅」は、経路検索結果においてユーザUが指定した出発駅である。また、「到着日時」は、経路検索結果において到着日時とされた日時である。また、「到着駅」は、経路検索結果においてユーザUが指定した到着駅である。また、「ユーザID」は、経路検索を行ったユーザUの識別情報である。また、「検索日時」は、経路検索が行われた日時を示す情報である。
【0026】
例えば、図3に示す例では、1段目に、ログID「Q1」、出発日時「9/12/8:00」、出発駅「A駅」、到着日時「9/12/9:00」、到着駅「B駅」、ユーザID「U1」、検索日時「8/31/10:00」という情報が登録されている。このような情報は、検索日時「8/31/10:00」において、ユーザID「U1」に対応するユーザUが、出発駅「A駅」から到着駅「B駅」までの経路検索を行い、この経路検索結果における出発日時が「9/12/8:00」であり、到着日時が「9/12/9:00」である旨を示す。
【0027】
〔端末装置の機能構成〕
図4は、実施形態の端末装置2の機能構成例を示す図である。端末装置2は、ユーザによって携帯される装置であり、通信部21と、表示部22と、入力部23と、検知部24(1つ以上のセンサ)と、処理部25と、記憶部26とを備える。
【0028】
通信部21は、ネットワークNと有線または無線で接続され、サーバ装置3との間で情報通信を行う。例えば、通信部21は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0029】
表示部22は、各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイである。また、表示部22は、例えばタッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0030】
入力部23は、ユーザUから各種操作を受け付ける入力デバイスである。入力部23は、例えば、文字や数字などを入力するためのボタン等を有する。また、表示部22がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部22の一部が入力部23として機能する。
【0031】
検知部24は、端末装置2に関する各種の状態を検知(算出、取得等)する。具体的には、検知部24は、端末装置2の物理的な状態や周囲の状態などを検知する。検知部24は、端末装置2の位置、動き、姿勢の少なくともいずれかを検知するセンサを含む。
【0032】
検知部24は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、測位センサ、気圧センサ、磁気センサ、画像センサ、音センサなどである。なお、検知部24は、端末装置2に搭載されていてもよいし、あるいは、端末装置2に接続(有線接続、無線接続)されることで端末装置2と連携する装置(例えば、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ等)やワイヤレスデバイス等)のセンサであってもよい。
【0033】
加速度センサは、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置2の移動の方向、速度、加速度等の端末装置2の物理的な動きを検知する。
【0034】
ジャイロセンサは、端末装置2の回転運動の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置2の物理的な動きを検知する。
【0035】
測位センサは、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいて端末装置2の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度および経度)を取得する。以下では、測位センサをGPSセンサとも称する。
【0036】
気圧センサは、端末装置2の周囲の気圧を検知する。
磁気センサは、端末装置2の周囲の地磁気を検知する。
【0037】
画像センサは、端末装置2の周囲の画像を撮像する。
音センサは、端末装置2の周囲の音を検知する。
【0038】
端末装置2は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、磁気センサなどを利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)による測位アルゴリズム等の技術を用いて端末装置2の位置を測位することができる。これにより、測位センサによる測位が困難な場所での位置情報を取得することができる。
【0039】
また、端末装置2は、加速度センサを利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、端末装置2は、ジャイロセンサを利用して、ユーザUの進行方向や視線の方向、体の傾き等を認識することができる。また、気圧センサで検知した気圧から、ユーザUの端末装置2が存在する高度やフロアの階数や、あるいは、ユーザUが乗車している電車がトンネル内を走行中か否か等を知ることができる。
【0040】
なお、上記した各センサは、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、検知部24は、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、近接センサなどのその他のセンサを備えてもよい。
【0041】
記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子等の記憶装置によって実現され、各種情報を記憶する。記憶部26は、端末装置2の動作プログラム、各種データ、各種パラメータ、各種演算結果等を記憶する。また、記憶部26は、予約情報261を記憶する。サーバ装置3は、例えば、この予約情報261を作成して、1日に1回、端末装置2に対して送信する。
【0042】
ここで、図5は、実施形態における予約情報261の一例を示す図である。予約情報261は、「コンテキスト」、「センサ」、「使用内容」といった項目を有している。
【0043】
「コンテキスト」は、ユーザUが利用する電車移送サービスに関する時間や空間の状況を含む概念である。例えば、コンテキストとして、「出発日時直前」、「出発駅到着」などが挙げられる。ほかに、「到着駅到着」などがあってもよい。
【0044】
「センサ」は、「コンテキスト」ごとに対応づけられたセンサを示す。例えば、「コンテキスト」の「出発日時直前」には、GPSセンサが対応づけられている。また、「コンテキスト」の「出発駅到着」には、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、音センサ、磁気センサが対応づけられている。
【0045】
「使用内容」は、「センサ」ごとの使用内容(動作頻度、動作時間帯、動作仕様等)を示す(詳細は後述)。
【0046】
図4に戻って、処理部25は、例えば、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、処理部25は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。処理部25は、取得部251と、制御部252と、推定部253と、を備える。
【0047】
取得部251は、各種情報を取得する。取得部251は、例えば、検知部24による検知結果を取得する。
【0048】
制御部252は、ユーザが将来利用するサービスに関するコンテキストに応じたタイミングで、当該コンテキストに対応するセンサをオンにする。制御部252は、例えば、ユーザによる電車の経路検索結果に関するコンテキストに応じたタイミングで(図5参照)、当該コンテキストに対応するセンサをオンにする。
【0049】
推定部253は、取得部251によって取得された検知部24による検知結果に基づいて、ユーザUが電車移送サービスを実際に利用したか否かを推定する。
【0050】
また、推定部253が、検知部24による検知結果に基づいて、ユーザUが電車移送サービスを実際に利用した後に利用終了したと推定した(センサオフ条件を満たした)場合に、制御部252は、検知部24をオフにする。
【0051】
〔処理フロー〕
図6は、実施形態の端末装置2による処理を示すフローチャートである。まず、ステップS11において、制御部252は、電車の経路検索結果に関するコンテキストに応じたタイミングになったか否かを判定し、Yesの場合はステップS12に進み、Noの場合はステップS11に戻る。
【0052】
ステップS12において、制御部252は、コンテキストに対応するセンサをオンにする。
【0053】
次に、ステップS13において、取得部251は、オンになっているセンサの情報を取得する。
【0054】
次に、ステップS14において、推定部253は、ユーザUが経路検索結果の電車に実際に乗車したかの推定を行う。
【0055】
次に、ステップS15において、制御部252は、所定のセンサオフ条件を満たしたか否かを判定し、Yesの場合はステップS16に進み、Noの場合はステップS11に戻る。
【0056】
ステップS16において、制御部252は、オンになっているセンサをオフにする。
【0057】
ステップS11~S16の具体例について説明する。まず、経路検索結果における出発日時「9/12/8:00」の直前(例えば10分前)になると、ステップS11でYesとなり、ステップS12でGPSセンサをオンにする(図5)。そうすると、ステップS13でGPSセンサの情報が取得される。
【0058】
また、制御部252がGPSセンサの情報によってユーザUは出発駅に到着したと認識した場合、ステップS11でYesとなり、ステップS12で加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、音センサ、磁気センサをオンにする(図5)。そうすると、ステップS13で各センサ(GPSセンサも含む。)の情報が取得される。
【0059】
そして、ステップS14で、推定部253は、各センサの情報に基づいて、ユーザUが経路検索結果の電車に実際に乗車したかの推定を行う。例えば、GPSセンサによって得られる位置情報や、加速度センサによって得られる加速度、速度、変位の情報に基づいて、当該推定を行う。
【0060】
また、例えば、一般に、電車がトンネルを通過するときには気圧が下がるので、気圧センサによって得られる気圧の情報に基づいて、トンネルを通過している電車にユーザUが乗っている状況かを推定できる。
【0061】
また、例えば、電車内では、車内放送による音声や、ガタンゴトンといういわゆるジョイント音が発生するので、音センサによって得られる音の情報に基づいて、ユーザUが電車内にいるかを推定できる。その場合、例えば、音センサで取得する音の周波数などを指定してもよい。
【0062】
〔効果〕
端末装置2は、ユーザによって携帯され、1つ以上のセンサを有する。端末装置2は、ユーザが将来利用するサービスに関するコンテキストに応じたタイミングで、当該コンテキストに対応するセンサをオンにする制御部252と、センサによる検知結果を取得する取得部251と、を備える。
【0063】
これにより、センサを常時オンにしておかなくても、必要なときにだけセンサをオンにして、所望のセンサ情報を取得することができる。
【0064】
また、サービスは、電車による移送サービスである。センサは、端末装置2の位置、動き、姿勢の少なくともいずれかを検知する。制御部252は、ユーザによる電車の経路検索結果に関するコンテキストに応じたタイミングで、当該コンテキストに対応するセンサをオンにする。また、推定部253は、取得部251によって取得されたセンサによる検知結果に基づいて、ユーザが移送サービスを実際に利用したか否かを推定する。
【0065】
これにより、GPSセンサや加速度センサなどの各種センサの検知結果に基づいて、ユーザが電車移送サービスを実際に利用したか否かを高精度に推定することができる。
【0066】
〔変形例〕
以上では、端末装置2を所有するユーザUが電車移送サービスを利用する場合を例にとったが、ユーザUが利用するサービスはこれに限定されない。
【0067】
例えば、ユーザUがホテルを予約するサービスであってもよい。その場合、例えば、ホテルのチェックインのタイミングをコンテキストとして端末装置2のGPSセンサをオンにする。これにより、GPSセンサの情報に基づいて、ユーザUがホテルにチェックインしたか否かを推定することができる。
【0068】
また、例えば、ユーザUがEC(Electronic Commerce)で商品を購入するサービスであってもよい。その場合、例えば、端末装置2と連携するスマートウォッチを有するユーザUがECでのこぎりを購入すると、のこぎりがユーザUの元に届くタイミングをコンテキストとして、ユーザUの腕に装着されているスマートウォッチの加速度センサをオンにする。これにより、ユーザUがのこぎりを使っているときの腕の動きの加速度の情報を取得することで、のこぎりの切れ味や使い勝手などを推定することができる。この推定結果は、例えば、のこぎりの製造会社が有効活用することができる。
【0069】
また、端末装置2は、スマートフォンやタブレット型端末に限定されず、スマートスピーカーや見守りカメラなどであってもよい。
【0070】
〔ハードウェア構成〕
上述した実施形態における端末装置2は、例えば図7に示すような構成のコンピュータ100がプログラムを実行することによって実現される。
【0071】
図7は、実施形態の端末装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、通信インターフェイス(I/F)105、入出力インターフェイス(I/F)106、およびメディアインターフェイス(I/F)107を備える。なお、端末装置2がスマートフォンの場合、HDD104の代わりに小型のストレージ装置を用いることができる。
【0072】
CPU101は、ROM103またはHDD104に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM103は、コンピュータ100の起動時にCPU101によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0073】
HDD104は、CPU101によって実行されるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス105は、通信部21に対応し、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU101へ送り、CPU101が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0074】
CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU101は、生成したデータを、入出力インターフェイス106を介して出力装置へ出力する。
【0075】
メディアインターフェイス107は、記録媒体108に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM102を介してCPU101に提供する。CPU101は、当該プログラムを、メディアインターフェイス107を介して記録媒体108からRAM102上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体108は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0076】
コンピュータ100が端末装置2として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより、図4に示す取得部251、制御部252、推定部253の各機能を実現する。
【0077】
コンピュータ100のCPU101は、これらのプログラムを、記録媒体108から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0078】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0079】
〔その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0080】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0081】
また、上記実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0082】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部252は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0083】
1…情報処理システム、2…端末装置、3…サーバ装置、21…通信部、22…表示部、23…入力部、24…検知部、25…処理部、26…記憶部、100…コンピュータ、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…HDD、105…通信I/F、106…入出力I/F、107…メディアI/F、108…記録媒体、251…取得部、252…制御部、253…推定部、261…予約情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7