(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】インテリジェントレーザー切断機器
(51)【国際特許分類】
B23K 26/38 20140101AFI20231201BHJP
B23K 26/70 20140101ALI20231201BHJP
B23K 26/16 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
B23K26/38 Z
B23K26/70
B23K26/16
(21)【出願番号】P 2022159903
(22)【出願日】2022-10-04
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】202210463799.2
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522391383
【氏名又は名称】広東国玉科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】龍 春陽
(72)【発明者】
【氏名】張 洪▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】温 国斌
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-185886(JP,A)
【文献】特開平2-34292(JP,A)
【文献】国際公開第2017/119011(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/077117(WO,A1)
【文献】特開平9-122938(JP,A)
【文献】特開2017-94435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム、レーザー切断機構、原料巻き出し機構、ワーク分離機構、ワーク送出機構及び廃棄物巻き取り機構を備え、ここで、
前記フレームには、水平方向に沿って順に配置された切断ステーションと分離ステーションが設けられ、前記レーザー切断機構は、前記フレームに取り付けられ且つ前記切断ステーションの上方に位置し、前記レーザー切断機構は、前記切断ステーションにある原料を切断してワークを形成し、
前記原料巻き出し機構は、前記フレームの一方の側に取り付けられ且つ前記切断ステーションに隣接して設置され、前記ワーク送出機構及び前記廃棄物巻き取り機構は、前記フレームの他方の側に取り付けられ且つ前記分離ステーションに隣接して設置され、前記ワーク送出機構は、前記廃棄物巻き取り機構の上方に設置され、
前記ワーク分離機構は、前記フレームに取り付けられ且つ前記分離ステーションに位置し、前記ワーク分離機構は、第1の位置と、前記第1の位置の上方にある第2の位置とを有し、前記ワーク分離機構は、前記第1の位置から前記第2の位置へ切り換えられた場合、前記レーザー切断機構が原料を切断して形成したワークと廃棄物を上下方向に分離可能であることを特徴とする、インテリジェントレーザー切断機器。
【請求項2】
前記フレームの前記分離ステーションにある位置部分は、凹設されて収容溝を形成し、前記ワーク分離機構は、前記収容溝内に取り付けられ、第1の位置にある場合、前記収容溝の溝口をカバーし、第2の位置にある場合、前記収容溝の上方に位置することを特徴とする、請求項1に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【請求項3】
前記ワーク分離機構は、パレットと駆動構造とを備え、前記駆動構造は前記収容溝内に取り付けられ、前記パレットは、前記駆動構造に接続され、前記駆動構造の駆動により第1の状態及び第2の状態を有し、
前記パレットは、第1の状態にある場合、前記収容溝の溝口をカバーし、第2の状態にある場合、その一側端が、前記収容溝の溝口の前記切断ステーションに隣接する位置と当接し、その他側端が、上向きに延びて前記切断ステーションから離れた方向に傾斜して設けられることを特徴とする、請求項2に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【請求項4】
前記切断ステーションに隣接する前記パレットの一側端は、前記切断ステーションに隣接する前記収容溝の溝縁と回転可能に接続され、前記駆動構造は、シリンダ、ピストンロッド及び空気ポンプを備え、前記ピストンロッドの一端は前記パレットに回転可能に接続され、前記ピストンロッドの他端は前記シリンダに接続され、前記空気ポンプは前記シリンダと連通することを特徴とする、請求項3に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【請求項5】
第2の状態にある前記パレットと水平面との角度は、15度~30度であることを特徴とする、請求項3に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【請求項6】
前記インテリジェントレーザー切断機器は、コントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記駆動構造に電気的に接続され、前記コントローラは、前記駆動構造を作動させるように制御し、前記パレットを第1の状態と第2の状態との間で周期的に切り換えるように駆動することを特徴とする、請求項3に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【請求項7】
前記フレームは、前記切断ステーションの表面に、相互に連通する複数の切り屑溝が設けられ、前記フレームは、前記切断ステーションの表面に、前記切り屑溝と連通する吸引孔がさらに設けられ、
前記インテリジェントレーザー切断機器は、前記コントローラに電気的に接続された吸引装置をさらに備え、前記吸引装置は、前記吸引孔管路と連通し、前記コントローラは、前記駆動構造を制御して、前記パレットを第2の状態に切り換えるように駆動するときに、前記吸引装置の作動をさらに制御することを特徴とする、請求項6に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【請求項8】
前記インテリジェントレーザー切断機器は、第1のリミットローラ、第2のリミットローラ及び第3のリミットローラをさらに備え、前記第1のリミットローラは、前記切断ステーションと前記分離ステーションとの接合部に位置し、前記第2のリミットローラは、前記切断ステーションの前記分離ステーションから離れた側に取り付けられ、前記第3のリミットローラは、前記第2のリミットローラの前記第1のリミットローラから離れた側に取り付けられ、前記第1のリミットローラ及び前記第3のリミットローラは、原料の一方の側に位置し、前記第2のリミットローラは、原料の他方の対向側に位置することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【請求項9】
前記ワーク送出機構は、第1の受け板、第2の受け板、2つの駆動ローラ群及び駆動装置を備え、ここで、2つの前記駆動ローラ群は、水平方向に沿って間隔をあけて配置され、2つの前記駆動ローラ群は、上下方向に沿って設けられた2つの駆動ローラを備え、前記駆動ローラ群における2つの駆動ローラは、前記駆動装置に伝動可能に接続され、前記第1の受け板は、2つの前記駆動ローラ群の間に取り付けられ、前記第2の受け板の一端は、2つの前記駆動ローラ群における、前記分離ステーションから離れた駆動ローラ群に隣接して設けられ、前記第2の受け板の他端は、前記分離ステーションから離れた方向に向かって延びて設けられることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【請求項10】
前記インテリジェントレーザー切断機器は、前記第1の受け板の下方に取り付けられた第4のリミットローラ、第5のリミットローラ及び第6のリミットローラをさらに備え、前記第4のリミットローラ及び前記第5のリミットローラは、前記分離ステーションの前記切断ステーションから離れた側に並行に取り付けられ、前記第6のリミットローラは、前記第4のリミットローラと前記第5のリミットローラとの間に取り付けられ、且つ前記第4のリミットローラ及び前記第5のリミットローラの下方に位置し、前記第4のリミットローラ及び前記第5のリミットローラは、廃棄物の一方の側に位置し、前記第6のリミットローラは、廃棄物の他方の対向側に位置することを特徴とする、請求項9に記載のインテリジェントレーザー切断機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリジェント切断機器の技術分野に関し、特にインテリジェントレーザー切断機器に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、工業切断に求められる構成要件もますます高くなっており、既存のレーザー切断機器は、供給・排出が自動化されているが、切断された完成品と廃棄物はいずれも手作業で分離されるため、レーザー切断機器の切断効率は比較的に低くなっている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、既存のインテリジェントレーザー切断機器の切断効率が低いという問題を解決するために、インテリジェントレーザー切断機器を提供することを主な目的とする。
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、インテリジェントレーザー切断機器を提供し、前記インテリジェントレーザー切断機器は、フレーム、レーザー切断機構、原料巻き出し機構、ワーク分離機構、ワーク送出機構、及び廃棄物巻き取り機構を含み、
前記フレームには、水平方向に沿って順に配置された切断ステーションと分離ステーションが設けられ、前記レーザー切断機構は、前記フレームに取り付けられ且つ前記切断ステーションの上方に位置し、前記レーザー切断機構は、前記切断ステーションにある原料を切断してワークを形成し、
前記原料巻き出し機構は、前記フレームの一方の側に取り付けられ且つ前記切断ステーションに隣接して設置され、前記ワーク送出機構及び前記廃棄物巻き取り機構は、前記フレームの他方の側に取り付けられ且つ前記分離ステーションに隣接して設置され、前記ワーク送出機構は、前記廃棄物巻き取り機構の上方に設置され、
前記ワーク分離機構は、前記フレームに取り付けられ且つ前記分離ステーションに位置し、前記ワーク分離機構は、第1の位置と、前記第1の位置の上方にある第2の位置とを有し、前記ワーク分離機構は、前記第1の位置から前記第2の位置へ切り換えられた場合、前記レーザー切断機構が原料を切断して形成したワークと廃棄物を上下方向に分離可能である。
【0005】
本発明のいくつかの実施例において、前記フレームの前記分離ステーションにある位置部分は、凹設されて収容溝を形成し、前記ワーク分離機構は、前記収容溝内に取り付けられ、第1の位置にある場合、前記収容溝の溝口をカバーし、第2の位置にある場合、前記収容溝の上方に位置する。
【0006】
本発明のいくつかの実施例において、前記ワーク分離機構は、パレットと駆動構造とを備え、前記駆動構造は前記収容溝内に取り付けられ、前記パレットは、前記駆動構造に接続され、前記駆動構造の駆動により第1の状態及び第2の状態を有し、
前記パレットは、第1の状態にある場合、前記収容溝の溝口をカバーし、第2の状態にある場合、その一側端が、前記収容溝の溝口の前記切断ステーションに隣接する位置と当接し、その他側端が、上向きに延びて前記切断ステーションから離れた方向に傾斜して設けられる。
【0007】
本発明のいくつかの実施例において、前記切断ステーションに隣接する前記パレットの一側端は、前記切断ステーションに隣接する前記収容溝の溝縁と回転可能に接続され、前記駆動構造は、シリンダ、ピストンロッド及び空気ポンプを備え、前記ピストンロッドの一端は前記パレットに回転可能に接続され、前記ピストンロッドの他端は前記シリンダに接続され、前記空気ポンプは前記シリンダと連通する。
【0008】
本発明のいくつかの実施例において、第2の状態にある前記パレットと水平面との角度は、15度~30度である。
【0009】
本発明のいくつかの実施例において、前記インテリジェントレーザー切断機器は、コントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記駆動構造に電気的に接続され、前記コントローラは、前記駆動構造を作動させるように制御し、前記パレットを第1の状態と第2の状態との間で周期的に切り換えるように駆動する。
【0010】
本発明のいくつかの実施例において、前記フレームは、前記切断ステーションの表面に、相互に連通する複数の切り屑溝が設けられ、前記フレームは、前記切断ステーションの表面に、前記切り屑溝と連通する吸引孔がさらに設けられ、前記インテリジェントレーザー切断機器は、前記コントローラに電気的に接続された吸引装置をさらに備え、前記吸引装置は、前記吸引孔管路と連通し、前記コントローラは、前記パレットを第2の状態に切り換えるように前記駆動構造を制御した場合、前記吸引装置の作動をさらに制御する。
【0011】
本発明のいくつかの実施例において、前記インテリジェントレーザー切断機器は、第1のリミットローラ、第2のリミットローラ及び第3のリミットローラをさらに備え、前記第1のリミットローラは、前記切断ステーションと前記分離ステーションとの接合部に位置し、前記第2のリミットローラは、前記切断ステーションの前記分離ステーションから離れた側に取り付けられ、前記第3のリミットローラは、前記第2のリミットローラの前記第1のリミットローラから離れた側に取り付けられ、前記第1のリミットローラ及び前記第3のリミットローラは、原料の一方の側に位置し、前記第2のリミットローラは、原料の他方の対向側に位置する。
【0012】
本発明のいくつかの実施例において、前記ワーク送出機構は、第1の受け板、第2の受け板、2つの駆動ローラ群及び駆動装置を備え、ここで、2つの前記駆動ローラ群は、水平方向に沿って間隔をあけて配置され、2つの前記駆動ローラ群は、上下方向に沿って設けられた2つの駆動ローラを備え、前記駆動ローラ群における2つの駆動ローラは、前記駆動装置に伝動可能に接続され、前記第1の受け板は、2つの前記駆動ローラ群の間に取り付けられ、前記第2の受け板の一端は、2つの前記駆動ローラ群における、前記分離ステーションから離れた駆動ローラ群に隣接して設けられ、前記第2の受け板の他端は、前記分離ステーションから離れた方向に向かって延びて設けられる。
【0013】
本発明のいくつかの実施例において、前記インテリジェントレーザー切断機器は、前記第1の受け板の下方に取り付けられた第4のリミットローラ、第5のリミットローラ及び第6のリミットローラをさらに備え、前記第4のリミットローラ及び前記第5のリミットローラは、前記分離ステーションの前記切断ステーションから離れた側に平行に取り付けられ、前記第6のリミットローラは、前記第4のリミットローラと前記第5のリミットローラとの間に取り付けられ、且つ前記第4のリミットローラ及び前記第5のリミットローラの下方に位置し、前記第4のリミットローラ及び前記第5のリミットローラは、廃棄物の一方の側に位置し、前記第6のリミットローラは、廃棄物の他方の対向側に位置する。
【0014】
本発明に係るインテリジェントレーザー切断機器は、原料を加工するとき、原料巻き出し機構と廃棄物巻き取り機構の相互協働によって、原料を連続的に供給し、廃棄物を連続的に送出して回収するという効果が達成され、これによって、レーザー切断機構が原料を連続的に切断加工すると共に、ワーク分離機構でワークと廃棄物を分離することで、ワークをワーク送出機構で送出しながら、廃棄物巻き取り機構で廃棄物を回収し、このように、ワークと廃棄物を別々に容易に回収することができる。インテリジェントレーザー切断機器による原料搬送、ワークと廃棄物の分離、及び廃棄物の回収はいずれも自動化構造によって実現されるため、当該インテリジェントレーザー切断機器は、原料の連続切断を可能にし、当該インテリジェントレーザー切断機器の切断効率を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例または従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例または従来技術の説明で使用される図面を以下に簡単に紹介し、当然のことながら、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなく、これらの図面に示す構造に基づく他の図面を得ることができる。
【0016】
【
図1】本発明に係るインテリジェントレーザー切断機器の一実施例の構造を示す模式図である。
【
図2】
図1のインテリジェントレーザー切断機器の断面図である。
【
図3】
図1のワーク分離機構の一実施例の構造を示す模式図である。
【
図4】切断ステーションにある
図1のフレームの平面図である。
【0017】
【0018】
本発明の目的の達成、機能的特徴及び利点を実施例と併せて、図面を参照しながらさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明するが、当然ながら、記載された実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的労働を要することなく得られた他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0020】
なお、本発明の実施例における全ての方向指示(例えば、上、下、左、右、前、後など)は、特定の姿勢(図示のように)での各部品間の相対位置関係や並進状況などを説明するためにのみ使用され、その特定姿勢が変化すれば、それに応じて方向指示も変化する。
【0021】
また、本発明において「第1」、「第2」などに言及する記述は、目的を説明するためのものに過ぎず、相対的な重要度を指示や示唆するもの、或いは指示される技術的特徴の数を暗示的に表示するものとして理解してはならない。そこで、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を含むことを明示又は暗示することが可能である。さらに、各実施例の技術的解決手段は互いに組み合わせることができるが、当業者が実現可能なものを前提とする必要があり、技術的解決手段の組み合わせが矛盾しているか実現不可能である場合には、そのような技術的解決手段の組み合わせは存在せず、本発明が主張する保護範囲内にも属しないと認められるべきである。
【0022】
本発明に係るインテリジェントレーザー切断機器は、原料の切断に使用され、原料を連続的に切断できるだけでなく、切断によって形成されたワークと廃棄物を分離し、ワークと廃棄物の回収を容易にすることもでき、これによって、該インテリジェントレーザー切断機器は、高効率で原料を切断することができる。
【0023】
図1及び
図2を参照し、このインテリジェントレーザー切断機器1000は、フレーム100、レーザー切断機構200、原料巻き出し機構300、ワーク分離機構400、ワーク送出機構500及び廃棄物巻き取り機構600を備え、ここで、レーザー切断機構200、原料巻き出し機構300、ワーク分離機構400、ワーク送出機構500及び廃棄物巻き取り機構600は、いずれもフレーム100に取り付けられている。
【0024】
フレーム100には様々な種類があり、フレーム100は、鉄骨と鋼板を溶接して形成してもよいし、コンクリート構造物と鉄骨構造物で形成してもよいし、さらに鉄骨構造物と木杭構造物を組み合わせて形成してもよく、ここではフレーム100の形成方法について特に限定されない。
【0025】
フレーム100の外部輪郭形状には様々な種類があり、例えば、フレーム100の外部輪郭を矩形にしたり、円弧状にしたり、またはL字状にしたりしてもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0026】
フレーム100には、水平方向に沿って順に配置された切断ステーションと分離ステーションが設けられ、ここでの切断ステーション及び分離ステーションはフレーム100上の2つの空間位置を指し、当該切断ステーション及び分離ステーションは、同じ水平面に配置されてもよく、上下方向に段差があるように配置されてもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0027】
レーザー切断機構200は、フレーム100に取り付けられ且つ切断ステーションの上方に位置し、フレーム100には通常レーザー切断機構200を取り付けるためのブラケットが設けられ、レーザー切断機構200は通常X軸サーボモジュール、Z軸サーボモジュール、レーザー切断ヘッドを備え、X軸サーボモジュールはフレーム100に接続され、Z軸サーボモジュールはX軸サーボモジュールに接続され、レーザー切断ヘッドはZ軸サーボモジュールに取り付けられる。
【0028】
レレーザー切断ヘッドが原料を切断するときに切り屑が発生することを考慮すると、レーザー切断ヘッドには、通常、吸引装置と連通する吸引ヘッドが設けられ、当該吸引ヘッドは、レーザー切断ヘッドの一側に設けられ、且つその吸引方向がレーザー切断ヘッドのレーザー放射方向と反対し、これにより、レーザー切断ヘッドが原料を切断するときに発生した切り屑が吸い出されるようになり、切り屑がレーザー切断ヘッドによる原料の切断に干渉するのを回避することができる。
【0029】
ワーク分離機構400は、フレーム100に取り付けられ、且つ分離ステーションに位置し、当該ワーク分離機構400は、フレーム100の上方に設置されてもよく、フレーム100の内部に設置されてもよく、その一部がフレーム100の外部に設置されて他の一部がフレーム100の内部に設置されてもよく、ここでは具体的に限定されないが、ワークと廃棄物を分離できるワーク分離機構400であればよい。
【0030】
当該ワーク分離機構400には様々な種類があり、例えば、当該ワーク分離機構400は、廃棄物またはワークの一方に当接されて廃棄物とワークを分離する伸縮可能なロボットアームであってもよいし、廃棄物またはワークの一方に空気を吹き付けて廃棄物とワークを分離する吹付け装置であってもよく、ワーク分離機構400の種類はここで詳しく列挙されない。
【0031】
当該ワーク分離機構400は、第1の位置と、第1の位置の上方にある第2の位置とを有し、当該ワーク分離機構400がフレーム100に対して直線移動可能な場合、第1の位置及び第2の位置は、ワーク分離機構400の直線移動経路における2つの位置にあってもよく、当該ワーク分離機構400がフレーム100に対して回転移動可能な場合、第1の位置及び第2の位置は、ワーク分離機構400の回転経路における2つの位置にあってもよく、ここでは詳しく列挙されない。
【0032】
原料巻き出し機構300は、フレーム100の一方の側に取り付けられ、且つ切断ステーションに隣接して設置され、すなわち、当該原料巻き出し機構300は、切断ステーションの供給端に設置され、当該原料巻き出し機構300は、巻き出しローラ及び巻き出しモータを備え、当該巻き出しローラはフレーム100に回転可能に取り付けられ、当該巻き出しモータは、フレーム100に取り付けられ、且つその出力軸が巻き出しローラに固定的に接続され、これによって、当該巻き出しモータは、巻き出しローラを回転させるように駆動し、原料の放出を実現する。
【0033】
当該原料巻き出し機構300には、通常、巻き出しブレーキレバーがさらに設置され、当該巻き出しブレーキレバーの一端はフレーム100に回転可能に接続され、その他端にはブレーキノッチが設けられ、当該巻き出しブレーキレバーがフレーム100に対して一定の角度回転すると、当該巻き出しブレーキレバー上のブレーキノッチは、巻き出しローラ及びフレーム100に回転可能に接続された回転軸と係合することができ、それによって、巻き出しローラのブレーキを実現する。
【0034】
廃棄物巻き取り機構600は、フレーム100の他方の側に取り付けられ、且つ分離ステーションに隣接して設置され、すなわち、当該廃棄物巻き取り機構600は、分離ステーションの排出端に取り付けられ、当該廃棄物巻き取り機構600は主に、廃棄物を集めて筒状に巻き取るために使用され、当該廃棄物巻き取り機構600は通常、巻き取りローラ及び巻き取りモータを備え、当該巻き取りローラはフレーム100に回転可能に取り付けられ、当該巻き取りモータは、フレーム100に取り付けられ、且つその出力軸が巻き取りローラに固定的に接続され、これによって、当該巻き取りモータは、巻き取りローラを回転させるように駆動し、廃棄物の回収を実現する。
【0035】
廃棄物巻き取り機構600には、通常、巻き取りブレーキレバーがさらに設置され、当該巻き取りブレーキレバーの一端はフレーム100に回転可能に接続され、その他端にはブレーキノッチが設置され、当該巻き取りブレーキレバーがフレーム100に対して一定の角度回転すると、当該巻き取りブレーキレバー上のブレーキノッチは、当該巻き取りローラ及びフレーム100に回転可能に接続された回転軸と係合することができ、それによって、巻き取りローラのブレーキを実現する。
【0036】
ワーク送出機構500は、フレーム100の一側で分離ステーションに隣接して設置され、すなわち、当該ワーク送出機構500は、分離ステーションの排出端に設置され、当該ワーク送出機構500はさらに廃棄物巻き取り機構600の上方に設置される。
【0037】
ワーク送出機構500には様々な種類があり、当該ワーク送出機構500は、コンベヤベルトによって形成されてもよいし、水平方向に配置された複数のローラによって形成されてもよいし、さらに、搬送機能を有する他の構造要素によって形成されてもよく、ここでは詳しく列挙されない。
【0038】
インテリジェントレーザー切断機器1000が作動するとき、原料は、原料巻き出し機構300に置かれ、原料巻き出し機構300の駆動により回転して解放されるため、解放する原料を十分に長くし、原料は順にフレーム100の切断ステーションと分離ステーションを通過して廃棄物巻き取り機構600に巻き付けることができ、これにより、原料巻き出し機構300が一定長さの原料を解放すると、廃棄物巻き取り機構600は対応する長さの廃棄物を巻き付けることができ、原料は、切断ステーションを通過するときにレーザー切断機構200によって切断されて対応するワーク及び廃棄物を形成し、ワーク及び廃棄物は共に分離ステーションを通過するときにワーク分離機構400の作用により分離され、最終的に、ワークはワーク送出機構500を介して送り出され、廃棄物は廃棄物巻き取り機構600を介して回収される。インテリジェントレーザー切断機器1000による原料搬送、ワークと廃棄物の分離、及び廃棄物の回収はいずれも自動化構造によって実現されるため、当該インテリジェントレーザー切断機器1000は、原料の連続切断を可能にし、当該インテリジェントレーザー切断機器1000の切断効率を効果的に向上させることができる。
【0039】
本発明におけるインテリジェントレーザー切断機器1000のワーク送出機構500は、廃棄物巻き取り機構600の上方に位置し、ワーク分離機構400でワークを上方に突き上げて廃棄物から分離するが、インテリジェントレーザー切断機器1000のワーク送出機構500は廃棄物巻き取り機構600の下方に設置され、ワークをその自重により廃棄物から分離するという従来技術の技術的解決手段と比較して、本発明におけるワークと廃棄物の分離方法は、原料が軽いためワークが自重によって廃棄物から分離できないという問題を効果的に解決することができる。
【0040】
本発明におけるワーク分離機構400は、第1の位置と第2の位置との間で切り換え可能であり、当該ワーク分離機構400は必要に応じて位置を調整することができ、例えば、当該インテリジェントレーザー切断機器1000が原料を連続的に切断するものである場合、ワーク分離機構400を第2の位置に長時間保持でき、さらに、当該インテリジェントレーザー切断機器1000が原料を断続的に切断するものである場合、ワーク分離機構400が廃棄物の回収に妨げないように、ワーク分離機構400を第1の位置と第2の位置との間で切り換えるように制御することができる。
【0041】
なお、ワーク分離機構400がフレーム100の外部に設置される場合、フレーム100全体の体積または高さが大きすぎるようになり、これに鑑み、本発明のいくつかの実施例において、
図2を参照し、当該フレーム100の分離ステーションにある位置部分は、凹設されて収容溝110を形成し、当該ワーク分離機構400は、当該収容溝110内に取り付けられ、第1の位置にある場合、収容溝110の溝口をカバーするように配置され、第2の位置にある場合、収容溝110の上方へ移動し且つ収容溝110の上方に配置される。
【0042】
さらに、当該ワーク分離機構400は、パレット410と駆動構造420とを備え、当該駆動構造420は収容溝110内に取り付けられ、当該パレット410は駆動構造420に接続され、当該パレット410は駆動構造420の駆動により第1の状態及び第2の状態を有する。当該パレット410は、第1の状態にある場合、収容溝110の溝口をカバーし、これにより、外的要因が収容溝110内の駆動構造420に干渉しないことが確保される。当該パレット410は、第2の状態にある場合、その一側端が、収容溝110の溝口の切断ステーションに隣接する位置と当接し、その他側端が、上向きに延びて切断ステーションから離れた方向に傾斜して設けられ、これにより、当該パレット410の傾斜方向に沿ったワークの移動が容易になり、さらにワークと廃棄物との分離が容易になる。
【0043】
上記パレット410は第2の状態にある場合、所定の方向に沿って傾斜して設けられ、パレット410が駆動構造420によって突き上げられるときに所定の方向に沿って傾斜するようにするために、本発明のいくつかの実施例において、パレット410の切断ステーションに隣接する一側端は、収容溝110の切断ステーションに隣接する溝縁に回転可能に接続され、両者は、回転軸と軸受によって、または回転軸とスリーブによって、またはここで詳しく列挙されない他の方法によって回転可能に接続することができ、このように、駆動構造420を上方へ伸ばしてパレット410を当接するように制御するだけで、パレット410を所定の傾斜角度になるまで駆動することができ、さらに、ワークと廃棄物との分離に寄与する。
【0044】
上記の駆動構造420には様々な種類があり、さらに
図3を参照し、例えば、当該駆動構造420は、シリンダ421、ピストンロッド422及び空気ポンプ(図示せず)を備え、当該ピストンロッド422の一端はパレット410に回転可能に接続され、当該ピストンロッド422の他端はシリンダ421に移動可能に接続され、当該空気ポンプはシリンダ421と空気圧で連通し、当該空気ポンプは、シリンダ421内に空気を供給すると、ピストンロッド422をシリンダ421から伸び出すように駆動し、パレット410をフレーム100に対して所定の角度になるまで回転させるように駆動することができ、当該空気ポンプがシリンダ421内の空気を抜いた場合、当該ピストンロッド422はシリンダ421に後退し、パレット410をフレーム100に対して回転させて収容溝110の溝口をカバーするように駆動する。
【0045】
例えば、当該ワークの重量が比較的軽く、当該パレット410の重量も比較的軽い場合、当該駆動構造420は、空気ポンプとエアノズルで構成されてもよく、当該空気ポンプの空気排出端はエアノズルと連通し、当該空気ポンプは、空気を圧縮してエアノズルによってパレット410に噴射し、パレット410をフレーム100に対して一定の角度回転させ、当該空気ポンプの作動を停止し、当該パレット410は自重によりフレーム100に対して回転して収容溝110の溝口をカバーする。
【0046】
例えば、当該ワークの重量が比較的軽く、当該パレット410の重量も比較的軽い場合、当該駆動構造420は、収容溝110内に取り付けられた電磁石と、パレット410に取り付けられた磁石で構成されてもよく、当該電磁石が通電すると、磁石と相互に反発する磁力が発生し、パレット410をフレーム100に対して所定の角度回転させるように駆動し、当該電磁石の電源が切られると、当該パレット410は自重によりフレーム100に対して回転して収容溝110の溝口をカバーする。
【0047】
注意されるように、当該パレット410は、ワークの移動経路に位置し、当該パレット410が第2の状態にあるとき、水平面との間の角度を大きすぎないようにし、大きすぎるとワークの移動を妨害する障害物となり、当該パレット410が第2の状態にあるとき、水平面との間の角度を小さすぎないようにし、小さすぎると、ワークと廃棄物を分離することができなくなり、これに鑑み、本発明のいくつかの実施例において、第2の状態にあるときの当該パレット410と水平面との角度は15度~30度であり、すなわち、第2の状態にあるときの当該パレット410と水平面との角度は、15度、16度、17度、18度、19度、20度、21度、22度、23度、24度、25度、26度、27度、28度、29度、30度及びその範囲にある他の角度である。
【0048】
指摘されるように、当該パレット410は、常に第2の状態にあってもよく、すなわち、常に水平面と所定の角度をなすように設置されてもよく、第1の状態と第2の状態を周期的に切り換えてもよく、レーザー切断機構200が原料上の離間した領域を切断するものである場合、当該パレット410が常に第2の状態にあると、原料のレーザー切断機構200によって切断されていない部分の通過に影響を与え、これに鑑み、本発明のいくつかの実施例において、当該インテリジェントレーザー切断機器1000はコントローラ(図示せず)をさらに備え、当該コントローラは駆動構造420に電気的に接続され、当該コントローラは、駆動構造420を作動させるように制御し、当該パレット410を第1の状態と第2の状態との間で周期的に切り換えるように駆動する。
【0049】
コントローラは、レーザー切断機構200が原料を切断するとき、パレット410を第2の状態から第1の状態に切り換えるように駆動構造420を制御し、それによって、パレット410が分離ステーションからの廃棄物の通過に影響を与えることを回避し、さらに廃棄物の回収に寄与し、当該コントローラは、ワークが切断ステーションから分離ステーションに移動するとき、パレット410を第1の状態から第2の状態に切り換えるように駆動構造420を制御し、この時、移動中のワークは、パレット410の支持及び案内により、ワーク送出機構500までに移動し、ワークと廃棄物の分離を実現する。このように配置すれば、駆動構造420の作業時間を短縮してエネルギーの消費を削減する一方で、パレット410が廃棄物の回収に妨げることも回避される。
【0050】
レーザー切断機構200が原料を切断する時に切り屑が発生することを考慮すると、切り屑がフレーム100の切断ステーションに堆積し、原料を平らにせず、さらに原料の切断精度に影響を与え、これに鑑み、本発明のいくつかの実施例において、
図4を併せて参照し、当該フレーム100は、切断ステーションの表面に、相互に連通する複数の切り屑溝120が設けられ、当該フレーム100は、切断ステーションの表面に、切り屑溝120と連通する吸引孔130がさらに設けられ、当該インテリジェントレーザー切断機器1000は、コントローラに電気的に接続された吸引装置(図示せず)をさらに備え、当該吸引装置は、吸引孔130の管路と連通し、コントローラは、パレット410を第2の状態に切り換えるように駆動構造420を制御した場合、吸引装置の作動をさらに制御する。
【0051】
当該パレット410を第1の状態から第2の状態に切り換えると、当該ワークの分離ステーションに隣接する一端は、先にパレット410によって持ち上げられ、当該ワークの分離ステーションから離れた一端は、切断ステーションのフレーム100にある位置と当接し、当該吸引装置が作動すると、吸引孔130に空気を送り込むように駆動し、吸引孔130が一定の吸引力を持つようにすることができ、ワークの下方の切り屑溝120に落下した切り屑は、この時、空気と共に流れて吸引孔130に入り、最終的に、吸引装置の通気性袋に集めて回収することができ、このように、回収した切り屑を再利用して資源の浪費を避けることができるだけでなく、インテリジェントレーザー切断機器1000全体の切断精度を確保することもできる。
【0052】
さらに注意されるように、当該フレーム100の切断ステーションには、原料を位置決めするための位置決め装置が設置され、当該位置決め装置は、ワークの形状に応じた専用治具であってもよく、真空引き装置であってもよいが、当該インテリジェントレーザー切断機器1000が原料を異なる形状のワークに切断する必要があることを考慮すると、当該位置決め装置は好ましくは真空引き装置である。
【0053】
当該真空引き装置はコントローラに電気的に接続され、当該コントローラは、レーザー切断機構200によって取得された切断ステーションの画面に応じて真空引き装置の作動を制御し、すなわち、当該レーザー切断機構200は、原料が切断ステーションをカバーする画面を取得し、取得された画面をコントローラに送信する場合、コントローラは、原料を切断ステーションに位置決めするために、真空引き装置の真空引きを制御し、このように、レーザー切断機構200は原料を容易に切断し、コントローラは、レーザー切断機構200が切断を完了した後、真空引き装置の作動を停止して原料を解放し、その後のワークと廃棄物の分離を容易にする。
【0054】
フレーム100上の原料のスムーズで円滑な移送を容易にするために、本発明のいくつかの実施例において、当該インテリジェントレーザー切断機器1000は、第1のリミットローラ650、第2のリミットローラ700及び第3のリミットローラ750をさらに備え、第1のリミットローラ650は、切断ステーションと分離ステーションとの接合部に位置し、第2のリミットローラ700は、切断ステーションの分離ステーションから離れた側に取り付けられ、第3のリミットローラ750は、第2のリミットローラ700の第1のリミットローラ650から離れた側に取り付けられ、第1のリミットローラ650及び第3のリミットローラ750は、原料の一方の側に位置し、第2のリミットローラ700は、原料の他方の対向側に位置する。このように配置すれば、原料を効果的に制限することができ、さらに、原料を所定の方向に所定の空間内で搬送することが確保される。
【0055】
ワークのスムーズで円滑な移送を容易にするために、本発明のいくつかの実施例において、
図2を参照し、当該ワーク送出機構500は、第1の受け板510、第2の受け板520、2つの駆動ローラ群530及び駆動装置(図示せず)を備え、2つの駆動ローラ群530は、水平方向に沿って間隔をあけて配置され、2つの駆動ローラ群530はいずれも、上下方向に設けられた駆動ローラ531を備え、駆動ローラ群530における2つの駆動ローラ531は、駆動装置に伝動可能に接続され、当該第1の受け板510は、2つの駆動ローラ群530の間に取り付けられ、第2の受け板520の一端は、2つの駆動ローラ群530における、分離ステーションから離れた駆動ローラ群530に隣接して設けられ、第2の受け板520の他端は、分離ステーションから離れた方向に向かって延びて設けられる。このように配置すれば、ワークの排出を容易にする。
【0056】
さらに、インテリジェントレーザー切断機器1000は、第1の受け板510の下方に取り付けられた第4のリミットローラ800、第5のリミットローラ850及び第6のリミットローラ900をさらに備え、第4のリミットローラ800及び第5のリミットローラ850は、分離ステーションの切断ステーションから離れた側に並行に取り付けられ、第6のリミットローラ900は、第4のリミットローラ800と第5のリミットローラ850との間に取り付けられ、且つ第4のリミットローラ800及び第5のリミットローラ850の下方に位置し、第4のリミットローラ800及び第5のリミットローラ850は、廃棄物の一方の側に位置し、第6のリミットローラ900は、廃棄物の他方の対向側に位置する。このように配置すれば、廃棄物の回収に寄与する一方で、フレーム100上の空間を十分に利用し、当該インテリジェントレーザー切断機器1000の体積を比較的小型化することができる。
【0057】
上記の各実施例に基づいて、当該レーザー切断機構200は、第1の視覚的偏差補正構造をさらに備え、第1の視覚的偏差補正構造は、コントローラに電気的に接続され、レーザー切断ヘッドの中心位置と原料上の加工マーク位置が水平方向において重ね合わせられるか否かを検出するために使用され、レーザー切断ヘッドの中心位置と原料上の加工マーク位置が水平方向において重ね合わせられていない場合、コントローラは、レーザー切断ヘッドの中心位置と原料上の加工マーク位置を水平方向において重ね合わせるように、レーザー切断機構200のX軸サーボモジュールの作動を制御する。
【0058】
例えば、第1の視覚的偏差補正構造は、レーザー切断ヘッドの中心位置と原料上の加工マーク位置との間に1mmのずれを検出した場合、コントローラは、レーザー切断ヘッドの中心位置と原料上の加工マーク位置との間の水平方向における1mmのずれをなくすために、原料上の加工マーク位置に対してレーザー切断ヘッドを水平方向に移動するように、X軸サーボモジュールの作動を制御する。
【0059】
当該レーザー切断機構200は、第2の視覚的偏差補正構造をさらに備え、第2の視覚的偏差補正構造は、原料の屈折角を検出するために使用され、第2の視覚的偏差補正構造はさらにコントローラに電気的に接続され、コントローラは、第2の視覚的偏差補正構造の検出結果に応じて、レーザー切断ヘッドの作動を制御する。
【0060】
具体的には、当該第2の視覚的偏差補正構造は、発光器、受光器及びマイクロプロセッサを備え、発光器及び受光器はそれぞれ、原料の上下両側に配置され、発光器は、下向きに原料に検出光を放射し、受光器は、原料を通過した光を受けるために使用され、マイクロプロセッサは、発光器から放射した光の角度と受光器が受けた光の角度に基づいて、当該原料の屈折角を確定してコントローラに送信し、コントローラは、原料の屈折角に応じてレーザー切断ヘッドから発したレーザーの偏向を制御する。
【0061】
例えば、原料の屈折角が5°であることを基準とすると、第2の視覚的偏差補正構造は、原料の屈折角が4°であることを検出した場合、コントローラは、レーザー切断ヘッドから発したレーザーを反対方向に1°偏向させるように制御し、第2の視覚的偏差補正構造は、原料の屈折角が6°であることを検出した場合、コントローラは、レーザー切断ヘッドから発したレーザーを順方向に1°偏向させるように制御する。
【0062】
当該レーザー切断機構200は、高さ検出構造をさらに備え、当該高さ検出構造は、レーザー切断ヘッドと原料の距離を検出するために使用され、当該高さ検出構造はさらにコントローラに電気的に接続され、コントローラは、高さ検出構造の検出結果に応じてZ軸サーボモジュールの作動を制御し、レーザー切断ヘッドと原料の距離を常に固定値にする。
【0063】
例えば、レーザー切断ヘッドと原料の距離を10cmに維持する必要があり、高さ検出構造は、レーザー切断ヘッドと原料の距離が9cmであることを検出した場合、コントローラは、Z軸サーボモジュールの作動を制御し、レーザー切断ヘッドを上向きに1cm移動させるように駆動し、高さ検出構造は、レーザー切断ヘッドと原料の距離が11cmであることを検出した場合、コントローラは、レーザー切断ヘッドを下向きに1cm移動させるように、Z軸サーボモジュールの作動を制御する。
【0064】
なお、上記第1の視覚的偏差補正構造及び高さ検出構造は、いずれも撮影カメラであり、撮影カメラは、画像を撮影してコントローラに送信し、コントローラは、撮影カメラによって撮影された画像を処理して対応するデータを取得し、コントローラはさらに、画像を処理して得られたデータに基づいて、対応する命令を送信する。
【0065】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の特許範囲を限定するものではなく、本発明の発明概念の下、本発明の明細書及び図面の内容を利用して行われた等価構成変換、または他の関連する技術分野への直接/間接の転用は、いずれも本発明の特許保護範囲に含まれるものとする。