(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20231201BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20231201BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20231201BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20231201BHJP
H01L 23/14 20060101ALI20231201BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20231201BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20231201BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G09F9/33
H01L25/08 B
H01L23/14 S
H01L33/62
G02F1/13357
G09F9/30 338
(21)【出願番号】P 2019056742
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2022-03-04
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201810579946.6
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510134581
【氏名又は名称】群創光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Innolux Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100106404
【氏名又は名称】江森 健二
(72)【発明者】
【氏名】柯 宏浜
(72)【発明者】
【氏名】陳 建志
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107742636(CN,A)
【文献】国際公開第2017/094461(WO,A1)
【文献】特開2008-129043(JP,A)
【文献】実開平01-100176(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0345801(US,A1)
【文献】国際公開第2008/062783(WO,A1)
【文献】特開2017-054120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0323873(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H01L33/00
33/48-33/64
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に設置される複数の能動素子と、
これら前記能動素子に設置されると共に複数の開口部を含む共通電極と、
前記共通電極に設置され、同じ側に位置される第一パッド及び第二パッドを各々具備する複数の発光素子と、
これら前記開口部のうちの1つに設置される導電性バンプと、前記共通電極と前記導電性バンプとの間に設置される絶縁層と、を備え、
前記
前記共通電極と、前記導電性バンプとが、隙間によって隔てられており、
前記共通電極と、前記導電性バンプと、前記絶縁層とを、鉛直方向に沿った平面で切断した断面において、前記絶縁層の一部分が、前記隙間内に設けられており、前記絶縁層の別の一部分が、前記共通電極及び前記導電性バンプ上に設けられており、前記絶縁層の一部分と、前記絶縁層の別の一部分とが、繋がっており、
前記第一パッドは、これら前記開口部の1つに対応するように設置されると共に、前記導電性バンプを介してこれら前記能動素子の1つに電気的に接続され、且つ前記第二パッドは前記共通電極に電気的に接続されていることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記導電性バンプと前記共通電極との間の
前記隙間の距離は、2μm以上100μm以下
であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記絶縁層を第二絶縁層とした場合に、前記能動素子と、前記共通電極と、の間に設置される第一絶縁層を更に備え、前記第一絶縁層は、スルーホールを含み、前記電子装置は、前記スルーホール中に設置される導電ユニットを更に具備し、前記導電性バンプは、前記導電ユニットを介してこれら前記能動素子のうちの1つに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記共通電極に設置される光吸収層を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記光吸収層の材料として黒色金属層を含むことを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記光吸収層の材料として黒色樹脂層を含むことを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項7】
各発光素子の前記第一パッドは前記共通電極の各開口部に対応するように設置されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
少なくとも2つのこれら前記発光素子の前記第一パッドは前記共通電極のこれら前記開口部のうちの1つに対応するように設置されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
前記共通電極の厚さは0.02μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項10】
少なくとも1つのこれら前記発光素子は多色発光ダイオードを備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
少なくとも1つのこれら前記能動素子は薄膜トランジスタを備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項12】
互いに対応し合う2面の第一面及び第二面と、前記第一面及び前記第二面に連接される側面と、を含む基板載置部を更に備え、前記基板は前記第一面、前記第二面、及び前記側面にそれぞれ設置される少なくとも3つの部分で構成されることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関し、更に詳しくは、共通電極設計の電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置関連技術は日々進歩を続け、表示装置の多くは能動型に向けて発展している。発光ダイオードを発光素子とし、液晶表示装置のバックライトモジュールに応用される以外、直接的に表示装置として公共情報表示器(Public Information Display、PID)、照明、装飾等にも応用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、すなわち、従来の接合型電子装置の多くは受動型電子装置を使用しており、受動型電子装置は大量の集積回路(IC)素子が必要であるほか、コストが高すぎる、消費電力が多い等の欠点が存在する。能動型電子装置に変更して接合するには、能動型電子装置中の発光ダイオードの接合時に発生する熱や応力により回路が圧潰や破壊されやすく、実現が困難であった。
【0004】
そこで、本発明者は、上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、発光ダイオードの接合時に下方の回路及び電子素子の圧潰や破壊を回避することを見出した。
【0005】
本発明は、こうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子装置を提供することにある。
すなわち、共通電極の設計と合わせて前記共通電極が各発光素子のパッドに電気的に接続されることにより、発光素子の接合時の圧力や熱が平均的に分散され、回路の圧潰や破壊を回避させ、プロセスの歩留まり及び信頼性を高めることができる電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電子装置は、基板と、前記基板に設置される複数の能動素子と、これら前記能動素子に設置されると共に複数の開口部を含む共通電極と、前記共通電極に設置され、同じ側に位置される第一パッド及び第二パッドを各々具備する複数の発光素子と、を備え、前記第一パッドはこれら前記開口部の1つに対応するように設置されると共にこれら前記能動素子の1つに電気的に接続され、且つ前記第二パッドは前記共通電極に電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る部分の電子装置を示す断面図であり、
図1(B)は、
図1(A)の点線に沿う概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る部分の電子装置を示す断面図である。
【
図3】
図3(A)は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図であり、
図3(B)は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図である。
【
図4】
図4(A)は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図であり、
図4(B)は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図である。
【
図7】
図7(A)は、本発明の一実施形態に係る電子装置を示す俯瞰図であり、
図7(B)は、本発明の一実施形態に係る電子装置を示す俯瞰図であり、
図7(C)は、本発明の一実施形態に係る電子装置を示す俯瞰図であり、
図7(D)は、本発明の一実施形態に係る電子装置を示す俯瞰図である。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
また、明細書及び特許請求の範囲において使用される”第一”、”第二”、”第三”等の順序数は、請求する部材を修飾する用語にすぎず、これは前記請求部材のいかなる前の順序数を表すものではなく、特定の請求部材と他の請求部材の順序を表すものでもなく、製造方法上の順序を表すものでもない。これら前記順序数は命名されたある請求部材と同じ名前の別を請求部材とを明確に区別するために使用されるにすぎない。
さらに、本明細書及び特許請求の範囲において述べる”の上”、”上”または”上方”という位置の用語は、2つの部材が直接的に接触または非直接的に接触していることを指す用語である。
【0009】
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る部分の電子装置を示す断面図であり、
図1(B)は、
図1(A)に示される点線に沿ってなる概略図である。
図1に示されるように、本発明の電子装置は、基板1と、能動層2と、絶縁層3と、導電ユニット4と、共通電極5と、導電性バンプ7と、複数の発光素子6と、を備える。
前記共通電極5は、複数の開口部53を有し、各発光素子6は、第一パッド61及び第二パッド62を含む。
前記第一パッド61は、これら前記開口部53のうちの1つの中にある前記導電性バンプ7を貫通させ、且つ前記絶縁層3の前記導電ユニット4を貫通させ、前記能動層2に電気的に接続される。
また、前記第二パッド62は前記共通電極5に電気的に接続される。
【0010】
発光素子の接合時に発生する熱や応力により回路が容易に圧潰されたり、破壊されたりするため、本発明では共通電極の設計により発光素子の接合時の圧力や熱を平均的に分散させ、下方の回路の圧潰や破壊を回避させ、プロセスの歩留まり及び信頼性を高める。
【0011】
具体的には、
図2は、本発明の一実施形態に係る部分の電子装置を示す断面図である。
まず、基板1が提供され、次に、前記基板1に複数の能動素子TFTを備える能動層2が形成される。
これら前記能動素子TFTは、半導体層21と、前記半導体層21に設置されるゲート絶縁層22と、前記ゲート絶縁層22に設置されるゲート23と、前記ゲート23に設置される第三絶縁層24と、前記第三絶縁層24に設置される第一電極25及び第二電極26と、を含む。
これら前記能動素子TFTは、本発明の実施形態においては薄膜トランジスタであり、第一電極25及び第二電極26はそれぞれドレイン極またはソース極である。
【0012】
次いで、前記能動層2に第一絶縁層31が形成され、その後に導電ユニット4が形成される。
前記第一絶縁層は、スルーホール311を備え、前記導電ユニット4は前記スルーホール311中に設置されると共に前記第一電極25に電気的に接続される。
【0013】
前記導電ユニット4には、第四絶縁層32が形成される。
リソグラフィプロセスにより、前記第四絶縁層32に第一パターン化金属層(51、71を含む)が形成される。
次いで、前記第一パターン化金属層(51、71を含む)に第五絶縁層33が形成され、且つ前記第五絶縁層33は、前記第一パターン化金属層(51、71を含む)に対応する第二開口部331を備える。
スパッタリングプロセスにより、前記第一パターン化金属層(51、71を含む)箇所に第二パターン化金属層(52、72を含む)が堆積し、これにより本実施形態の表示パネルが形成される。
最後に、表面実装技術(surface mount technique、SMT)により発光素子6が表示パネルに接合され、本実施形態の電子装置が形成される。
ちなみに、前述の各層は実施形態の例示にすぎず、本発明をこれに制限するものではない。
【0014】
ここで、前記基板1は、石英基板、ガラス基板、ウェハー、サファイア基板、または他の硬質基板である。
前記基板1は、フレキシブル基板または薄膜であり、その材料としてポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、或いは他のプラスチック材料を含む。
前記ゲート23は、単層または多層構造であり、且つ材料として銅(Cu)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)等の金属が使用され、金属合金または導電材料で製造されるが、本発明はこれに限られない。
前記ゲート絶縁層22、前記第一絶縁層31、前記第三絶縁層24、前記第四絶縁層32、及び前記第五絶縁層33の材料として、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ポリマー、フォトレジスト、またはそれらの混合物を含み、且つ互いに同じまたは異なる材料で構成されるが、但し、本発明はこの限りではない。
前記第一電極25、第二電極26、前記導電ユニット4の材料として銅(Cu)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、または導電材料等の金属材料が使用されるが、本発明はこれに限定されない。
前記第一パターン化金属層51、71及び前記第二パターン化金属層52、72は、単層または多層構造であり、且つその材料として銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au) 、銀(Ag)、金属合金、または導電材料等の金属材料が使用されて製造されるが、本発明はこれに制限されない。
ここでは、前記発光素子6は発光ダイオードであるが、本発明はこの限りではない。
【0015】
前述のプロセスを経て完成した本実施形態の電子装置は、基板1と、前記基板1に設置される複数の能動素子TFTと、これら前記能動素子TFTに設置されると共に複数の開口部53を含む共通電極5と、前記共通電極5に設置される複数の発光素子6と、を備える。
各発光素子6は、同じ側に位置される第一パッド61及び第二パッド62を含む。
前記第一パッド61は、これら前記開口部53のうちの1つに対応するように設置され、且つこれら前記能動素子TFTのうちの1つに電気的に接続され、前記第二パッド62は前記共通電極5に電気的に接続される。
【0016】
前記共通電極5の設計により、前記発光素子6の接合時に、前記共通電極5によって接合時の圧力及び熱が平均的に分散されることにより、下方の回路が損壊を免れる。
また、共通電極5により光線が遮蔽されるため、放熱面積が増加し、これにより光線による漏電が減少し、或いは高熱による漏電が減少する。
【0017】
本実施形態では、前記共通電極5は、第一共通電極層51(第一パターン化金属層と称する場合もある。)及び第二共通電極層52(第二パターン化金属層と称する場合もある。)を備えている。
そして、前記共通電極5の厚さT1は、0.02μm以上100μm以下である。
また、他の実施可能な厚さの範囲として、0.2μm以上10μm以下でもよく、また他の実施可能な厚さの範囲は、2μm以上5μm以下でもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0018】
本実施形態では、前記電子装置は、これら前記開口部53のうちの1つの中に設置される導電性バンプ7を更に備える。
前記導電性バンプ7は、これら前記開口部53のうちの1つを貫通させ、且つ前記第一パッド61は前記導電性バンプ7を介してこれら前記能動素子TFTのうちの1つに電気的に接続される。
ここで、前記導電性バンプ7は、第一金属層71(第一パターン化金属層と称する場合もある。)及び第二金属層72(第二パターン化金属層と称する場合もある。)を含んでいる。
そして、前記導電性バンプ7の厚さT2は、0.02μm以上100μm以下であり、他の実施可能な厚さの範囲としては、0.2μm以上10μm以下でもよく、また他の実施可能な厚さの範囲としては、2μm 以上5μm以下でもよいが、本発明はこの限りではない。
図2に示されるように、前記導電性バンプ7と前記共通電極5との間は、距離D1で隔てられ、且つ前記距離D1は、2μm以上100μm以下であり、例えば、2μm以上10μm以下であるが、本発明はこれに制限されない。
本実施形態では、前記第一金属層71及び前記第二金属層72はカソード(Cathode)またはアノード(Anode)である。
【0019】
本実施形態では、前記電子装置は、これら前記能動素子TFTと前記共通電極5との間に設置される第一絶縁層31を更に備え、前記第一絶縁層31は、スルーホール311を含む。
前記電子装置は、前記スルーホール311中に設置される導電ユニット4を更に備え、前記導電性バンプ7は、前記導電ユニット4を介してこれら前記能動素子TFTのうちの1つに電気的に接続される。
本実施形態では、前記第一絶縁層31は、多層構造を選択的に有してもよく、例えば、前記第一絶縁層31がパッシベーション層312及び前記パッシベーション層312に設置される平面層313を具備してもよく、本発明はこれに限定されない。
前記パッシベーション層312及び前記平面層313の材料として、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ポリマー、フォトレジスト、或いはそれらの混合物を含むが、本発明はこれらに限られない。
【0020】
また、一つの実施形態では、
図1(A)に示されるように、互いに対応し合う2面の第一面101及び第二面102と、前記第一面101及び前記第二面102に連接される側面103と、を含む前記電子装置が基板載置部10を更に備える。
前記基板1は、前記第一面101、前記第二面102、及び前記側面103にそれぞれ設置される少なくとも3つの部分で構成される。
ここでは、前記基板載置部10は石英基板、ガラス基板、ウェハー、サファイア基板、硬軟混合板、または他の硬質基板である。
前記基板載置部10は、フレキシブル基板または薄膜であり、その材料としてポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、或いは他のプラスチック材料を含むが、本発明はこれらに限定されない。
【0021】
また、一つの実施形態においては、
図1(A)に示されるように、前記電子装置は、前記第二面102に対応するように設置されると共に前記能動層2に接合される駆動ユニット11を更に備える。
ここで、前記「接合」とは、2つの部材間が電気的に接続される、或いは2つの部材間が他の部材を介して電気的に接続されることを指す。
また、ここでは、前記駆動ユニット11は、集積回路であるが、本発明はこれに限られない。
【0022】
本実施形態では、これら前記開口部53の形状に特別制限はなく、前記導電性バンプ7がこれら前記開口部53のうちの1つを貫通させ、且つ前記第一パッド61が前記導電性バンプ7を介してこれら前記能動素子TFTのうちの1つに電気的に接続されるものであればよい。
例えば、これら前記開口部53が、円形、楕円形、矩形、または不規則形状を呈してもよく、本発明はこれらに限定されない。
なお、
図3(A)は本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図である。
図3(A)の電子装置は、これら前記開口部53が矩形である点以外は
図1(A)、
図1(B)、または
図2に相似する。
【0023】
図3(B)は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図である。
図3(B)の電子装置は、後述の差異以外は
図3(A)に相似する。
図3(A)に示されるように、前記電子装置の前記共通電極5は、複数の開口部53を有し、各開口部53は、発光素子6に対応するように設置される。
具体的には、各発光素子6の前記第一パッド61は、前記共通電極5の各開口部53に対応するように設置される。
【0024】
本実施形態の電子装置において、
図3(B)に示されるように、前記共通電極5は複数の開口部53を有し、各開口部53は複数の発光素子6に対応するように設置される。
具体的には、少なくとも2つのこれら前記発光素子6の前記第一パッド(図示省略)が、前記共通電極5のこれら前記開口部53のうちの1つに対応するように設置される。
本実施形態では、3つの発光素子6の第一パッドが前記共通電極5のうちの1つの開口部53に対応するように設置される。
【0025】
図4(A)と
図4(B)は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図である。
図4(A)及び
図4(B)の電子装置は、
図3(A)及び
図3(B)の電子装置に相似するが、差異としては、
図3(A)及び
図3(B)の電子装置のこれら前記発光素子6が単色発光ダイオードであるのに対し、本実施形態で使用されるこれら前記発光素子6は多色発光ダイオードである点である。
但し、本発明はこの限りではない。発光素子のパッドが共通電極に電気的に接続され、前記共通電極により接合時の圧力及び熱が平均的に分散されるのもであれば本発明の効果を達成可能である。
各発光素子は各々異なる色の光を発し、例えば赤色、青色、緑色、白色の光を発するが、本発明はこれらに限定されない。
【0026】
図5は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す断面図である。
図5の電子装置は、
図2のものと相似し、その違いは前記電子装置が前記共通電極5に設置される光吸収層8を更に備える点である。
具体的には、前記共通電極5は第一領域R1及び第二領域R2を含み、前記第一領域R1は基板1の法線方向でこれら前記発光素子6と重畳し、前記第二領域R2は基板1の法線方向でこれら前記発光素子6と重畳せず、前記光吸収層8が前記第二領域R2に設置される。
但し、本発明はこれに限られず、例えば、前記光吸収層8が前記導電性バンプ7に設置され、発光素子の対比効果を更に強めて表示品質を向上させてもよい。
或いは、前記光吸収層8が前記第一領域R1に設置されてもよく、但し、光吸収層8が絶縁材料である場合は発光素子6のパッドに対応する開口部を有し、発光素子6と能動素子TFTとの電気的接続が維持される。
前記光吸収層8は黒色インク層、黒色樹脂層、粘着テープ、抗反射材料、黒色金属層、または吸光材料であるが、本発明はこれらに制限されず、前記光吸収層8が反射光を減らせ、発光素子の対比効果を増強可能な材料であればよい。
【0027】
図6は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す概略図である。
図6の電子装置は、
図5のものと相似し、その差異は、前記光吸収層8が黒色金属層である点である。
具体的には、前記黒色金属層は、前記共通電極5に設置され、前記黒色金属層により前記共通電極5の全表面が覆われるが、本発明はこれに限られず、前記黒色金属層が前記発光素子6と重畳しない領域(例えば、
図5の第二領域R2)にのみ設置されてもよく、或いは、前記黒色金属層が前記導電性バンプ7に設置されてもよい。
前記光吸収層8が黒色金属層である場合、これら前記発光素子6の再加工時に前記光吸収層8が損壊を免れる。
【0028】
本実施形態では、前記黒色金属層の材料は酸化モリブデン、酸化銅、またはそれらの組み合わせであるが、本発明はこれらに制限されない。
前記黒色金属層の厚さは100A以上5μm以下であるが、本発明はこの限りではない。
【0029】
図7(A)~
図7(D)は、本発明の一つの実施形態に係る電子装置を示す俯瞰図である。
図7(A)は、
図3(A)の俯瞰図である。
また、
図7(C)は、
図4(A)の俯瞰図である。
さらにまた、
図7(B)は、
図6の俯瞰図である。
前記電子装置は、光吸収層8とする黒色金属層を備える。
俯瞰方向から見ると、発光素子6と重畳しない共通電極5に前記黒色金属層が設置され、前記共通電極5による発光素子6の光の反射を低減させ、発光素子6の対比効果を増強させ、表示品質を高めている。
図7(D)の電子装置は、
図7(B)のものと相似し、その差異は、本実施形態では前記発光素子6が多色発光ダイオードである点であるが、本発明はこの限りではない。
【0030】
図8は、本発明の他の実施形態に係る部分の電子装置を示す断面図である。
図8の電子装置は、
図1~
図6のものと相似し、その差異は、前記電子装置が前記共通電極5と前記導電性バンプ7との間に設置される第二絶縁層9を更に備える点である。
具体的には、前記第二絶縁層9は、これら前記開口部53中に設置されると共に前記第五絶縁層33に対応するように設置され、且つ少なくとも一部分の前記第二絶縁層9が前記共通電極5または前記導電性バンプ7に設置され、前記共通電極5及び前記導電性バンプ7にショートが発生しなくなる。
【0031】
他の実施形態では、前述の
図1~
図8に掲示の電子装置は、例えば、接合電子装置、表示装置、アンテナ装置、検知(または感知)装置、或いはバックライト装置等を備え、但し、本発明はこれらに制限されない。
【0032】
総合すると、本発明の電子装置は、共通電極の設計により、発光素子の接合時に生じる圧力及び熱を平均的に分散させることで下方の回路の損壊を回避させ、プロセスの歩留まり及び信頼性を高める。
【0033】
本発明の電子装置は、各種表示装置に応用され、例えば、液晶(liquid-crystal、LC)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、 OLED)、量子ドット(quantum dot、 QD)、蛍光(fluorescence)材料、燐光(phosphor)材料、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)、マイクロ発光ダイオード(micro light-emitting diode or mini light-emitting diode)、または他の表示媒体による表示装置に応用されるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の実施形態において、発光ダイオードのチップサイズは約300μm乃至10mmであり、ミニ発光ダイオード(mini LED)のチップサイズは約100μm乃至300μmであり、マイクロ発光ダイオード(micro LED)のチップサイズは約1μm乃至100μmであるが、本発明はこれらに限られない。本発明の実施形態において、表示装置は、例えば、フレキシブルディスプレイ(flexible display)、タッチパネル(touch display)、曲面ディスプレイ(curved display)、またはタイル型ディスプレイ(tiled display)であるが、本発明はこれらに限られない。
【0034】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0035】
1 基板
2 能動層
21 半導体層
22 ゲート絶縁層
23 ゲート
24 第三絶縁層
25 第一電極
26 電二電極
3 絶縁層
31 第一絶縁層
311 スルーホール
312 パッシベーション層
313 平面層
32 第四絶縁層
33 第五絶縁層
331 第二開口部
4 導電ユニット
5 共通電極
51 第一共通電極層(第一パターン化金属層)
52 第二共通電極層(第二パターン化金属層)
53 開口部
6 発光素子
61 第一パッド
62 第二パッド
7 導電性バンプ
71 第一金属層(第一パターン化金属層)
72 第二金属層(第二パターン化金属層)
8 光吸収層
9 第二絶縁層
TFT 能動素子
10 基板載置部
101 第一面
102 第二面
103 側面
11 駆動ユニット
D1 距離
R1 第一領域
R2 第二領域
T1 厚さ
T2 厚さ