IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】光フェーズドアレイ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/295 20060101AFI20231201BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20231201BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20231201BHJP
   G02B 6/126 20060101ALI20231201BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20231201BHJP
【FI】
G02F1/295
G02B6/122
G02B6/12 361
G02B6/126
H01S5/022
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019082725
(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公開番号】P2019191582
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】62/663,897
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/359,789
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ウェイド・パケット
(72)【発明者】
【氏名】ニール・エイ・クルエガー
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04940303(US,A)
【文献】中国特許出願公開第103094837(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0039153(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0324162(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107422569(CN,A)
【文献】特開2017-116744(JP,A)
【文献】特表2014-510947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00 - 1/125
G02F 1/21 - 7/00
G02B 6/12 - 6/14
G02B 6/26 - 6/27
G02B 6/30 - 6/34
G02B 6/42 - 6/43
G01S 7/48 - 7/51
G01S 17/00 - 17/95
H01Q 3/00 - 3/46
H01Q 21/00 - 25/04
JSTPlus/JSTChina/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウトであって、
複数のエミッタと、
複数の導波路であって、前記複数のエミッタの各々は前記複数の導波路のうちの対応する1つにそれぞれ結合されている、複数の導波路と、を含み、
前記複数のエミッタは、単一の遠視野ピークを生成するように動作し、
前記複数のエミッタが、第1の半径を有する円形パターンで配置されたエミッタの外側リングと、前記第1の半径より小さい第2の半径を有する円形パターンで配置されたエミッタの少なくとも1つの内側リングと、を含む、少なくとも2つの同心リング内に配置されており、
前記エミッタの外側リングはそれぞれ、前記エミッタの内側リングからオフセットされるように位置付けられ、その結果、前記エミッタの内側リングに結合された前記導波路は、1対の隣接する外側リングエミッタの間にそれぞれ延在している、
エミッタ構成レイアウト。
【請求項2】
光フェーズドアレイであって、
複数のエミッタであって、第1の偏光を有する第1のエミッタのセットと、前記第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する第2のエミッタのセットと、を含む、複数のエミッタと、
複数の導波路であって、前記複数のエミッタの各々は前記複数の導波路のうちの対応する1つにそれぞれ結合されている、複数の導波路と、を含み、
前記第1の偏光を有する前記第1のエミッタのセットが第1の半円形パターンに配置され、前記第2の偏光を有する前記第2のエミッタのセットが、前記第1の半円形パターンに面する第2の半円形パターンに配置されている、
光フェーズドアレイ。
【請求項3】
光フェーズドアレイであって、
円形パターンに配置された複数のエミッタであって、第1の位相勾配を有する第1のエミッタのセットと、前記第1の位相勾配とは異なる第2の位相勾配を有する第2のエミッタのセットと、を含み、前記第1のエミッタの各々は、前記第2のエミッタの各々と交互に配置されている、複数のエミッタと、
複数の導波路であって、前記複数のエミッタの各々は前記複数の導波路のうちの対応する1つにそれぞれ結合されている、複数の導波路と、
を含む、光フェーズドアレイ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いずれの可動部も使用することなく、光のビームの発光方向を操縦することが望ましい、多くの用途が存在する。この目的のために、集積型フォトニクス部品に基づいてチップスケールの光フェーズドアレイを設計する努力がなされてきた。ブレイクスルーは、一次元ビームステアリング及び比較的規模は小さいが二次元ビームステアリングでなされてきたが、これらの技術の改善が依然として必要とされている。
【0002】
例えば、二次元ビームステアリングが現在直面している主な制限は、理想的には半波長(ラムダ/2)であるべきである、アレイ(N×N)の個々のエミッタを互いに十分に近接させることができないことである。これは、エミッタ間を伝搬するための光学的に単離された導波路の要件から得られる。この制限は、限られたステアリング範囲、並びに対象ビームにおける放出ビームの数の増加及び電力レベルの低減につながる。
【発明の概要】
【0003】
光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウトは、ペリメータの周囲に配置された複数のエミッタと複数の導波路とを含み、導波路のそれぞれは、エミッタのうちの1つにそれぞれ結合される。複数のエミッタは、単一の遠視野ピークを生成するように動作する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明の特徴は、図面を参照する以下の説明から当業者には明らかとなるであろう。図面は典型的な実施形態のみを示し、したがって範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解した上で、本発明を添付の図面を使用して更なる具体性及び詳細と共に説明する。
図1】一実施形態による、光フェーズドアレイ用の円形エミッタ構成レイアウトの概略図である。
図2A図1のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図2B図1のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図2C図1のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図3】別の実施形態による、光フェーズドアレイ用の円形エミッタ構成レイアウトの概略図である。
図4A図3のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図4B図3のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図4C図3のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図5】更なる実施形態による、光フェーズドアレイ用の円形エミッタ構成レイアウトの概略図である。
図6A図5のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図6B図5のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図6C図5のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図7】別の実施形態による、光フェーズドアレイ用の円形エミッタ構成レイアウトの概略図である。
図8A図7のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図8B図7のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図8C図7のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図9】代替の実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウトの概略図である。
図10A図9のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図10B図9のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図10C図9のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図11】別の代替の実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウトの概略図である。
図12A図11のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図12B図11のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図12C図11のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図13】更なる代替の実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウトの概略図である。
図14A図13のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
図14B図13のエミッタ構成レイアウトに対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明において、実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分詳細に説明される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用し得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0006】
光フェーズドアレイ用の様々なエミッタ構成が本明細書に開示される。エミッタ構成は、ペリメータの周囲に配置された複数のエミッタと、それぞれがエミッタのうちの1つにそれぞれ結合されている複数の導波路と、を含む。いくつかの実施形態では、エミッタは、導波路のいずれもがエミッタのいずれの間にも配置されないようにペリメータの周囲に配置され得る。エミッタ構成は、単一の遠視野ピークを生成するように動作する。
【0007】
エミッタは、ペリメータの周囲の様々な幾何学的パターン又は形状で配置され得る。原則として、ペリメータは、様々な異なる形状を包含し得る。いくつかの実施形態では、より高いレベルの放射相称を有するペリメータ形状に対する性能が増強される。例えば、エミッタは、ペリメータの周囲の円形パターン、ペリメータの周囲の楕円形パターン、ペリメータの周囲の半円形パターンなどを形成し得る。
【0008】
本手法は、ペリメータの周囲にエミッタを再配置することによって、従来のエミッタアレイの問題を解決する。例えば、N×Nアレイ構成にエミッタを位置付ける代わりに、本発明のエミッタは、所与の半径を有する円形配置など、ペリメータに沿って等距離に離間配置され得る。このような実施形態では、導波路がエミッタ間を通過する必要はなく、そのため、エミッタは、従来の光フェーズドアレイよりもはるかに近接して配置され得る。
【0009】
本発明のエミッタ構成に基づく光フェーズドアレイは、標準的な製造プロセスを介して、集積型光導波路を使用して製造され得る。例えば、導波路設計は、1×Nスプリッタ、N位相変調器(多数のエフェクトのうちの1つに基づいて動作し得る)、及びグレーティング支援型エミッタの構成を含み得る。製造には、移相器の電極を駆動することが含まれ得る。
【0010】
本エミッタ構成を有する光フェーズドアレイデバイスを操作するために、レーザー光線が入力導波路ファセット内に入射される。N個の導波路アームの位相は、発光されたビームの発光方向を制御するように制御される。
【0011】
シミュレーションにより、様々な円形エミッタ構成が、発光されたビームの改善されたステアリング範囲、並びに対象となる単一ビームへのより良好な光出力の伝達をもたらすことが検証されてきた。
【0012】
本エミッタ構成は、様々な集積型フォトニクスアプリケーション、ライダー(LiDAR)システム、自由空間光学通信システムなどに実装することができる。
【0013】
以下、図面を参照して、様々な実施形態の更なる詳細を説明する。
【0014】
図1は、一実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウト100を示している。エミッタ構成レイアウト100は、ペリメータの周囲に所与の半径(R)を有する円形パターンで配置された、それぞれ所与のエミッタスポットサイズを有する複数のエミッタ110を含む。エミッタ110はそれぞれ、対応の導波路120に結合される。この実施形態では、低減されたピッチを提供するエミッタ110のそれぞれの間に導波路は存在しない。
【0015】
図2A図2Cは、エミッタ構成レイアウト100に対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。図2Aは、13.5μmの半径(R)を有する円形構成の36個のエミッタの近視野発光プロファイル200である。図2Bは、中央ローブのステアリングなしで36個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル210であり、図2Cは、中央ローブのステアリングを用いて36個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル220である。図2B及び図2Cに示すように、単一のピーク(中央ローブ)は、円形構成によって遠視野で生成される。
【0016】
図3は、別の実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウト300を示している。エミッタ構成レイアウト300は、ペリメータの周囲に所与の半径(R)を有する円形パターンで配置された複数のエミッタ310を含む。エミッタ構成レイアウト300は、図1の実施形態と比較して、低減された数のエミッタを有する。エミッタ310はそれぞれ、対応の導波路320に結合される。図3に示すように、エミッタ310のそれぞれの間に導波路は存在しない。
【0017】
図4A図4Cは、エミッタ構成レイアウト300に対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。図4Aは、13.5μmの半径を有する円形構成の25個のエミッタの近視野発光プロファイル400である。図4Bは、中央ローブのステアリングなしで25個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル410であり、図4Cは、中央ローブのステアリングを用いて25個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル420である。この低減された数のエミッタでは、中央ローブと十分に異なる発光角度での遠視野発光の品質は低下することに留意されたい。
【0018】
図5は、更なる実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウト500を示している。エミッタ構成レイアウト500は、ペリメータの周囲に所与の半径(R)を有する円形パターンで配置された複数のエミッタ510を含む。エミッタ構成レイアウト500は、図1の実施形態のエミッタスポットサイズと比較して、低減されたエミッタスポットサイズを有する。エミッタ510はそれぞれ、対応の導波路520に結合される。図5に示すように、エミッタ510のそれぞれの間に導波路は存在しない。エミッタスポットサイズを低減することにより、より広いステアリング範囲が得られる。
【0019】
図6A図6Cは、エミッタ構成レイアウト500に対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。図6Aは、13.5μmの半径を有する円形構成の36個のエミッタの近視野発光プロファイル600である。図6Bは、中央ローブのステアリングなしで36個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル610であり、図6Cは、中央ローブのステアリングを用いて36個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル620である。
【0020】
図7は、別の実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウト700を示す。エミッタ構成レイアウト700は、ペリメータの周囲に、所与の半径(R)を有する円形パターンで配置された複数のエミッタ710を含む。エミッタ構成レイアウト700は、図1の実施形態と比較して、増加された構成半径を有する。エミッタ710はそれぞれ、対応の導波路720に結合される。図7に示すように、エミッタ710のそれぞれの間に導波路は存在しない。
【0021】
図8A図8Cは、エミッタ構成レイアウト700に対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。図8Aは、27μmの半径を有する円形構成の64個のエミッタの近視野発光プロファイル800である。図8Bは、中央ローブのステアリングなしで64個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル810であり、図8Cは、中央ローブのステアリングを用いて64個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル820である。図8B及び図8Cに示すように、構成半径を増加させることにより、中央スポットサイズが減少し、遠視野における中央ローブの周囲の縞の間隔が縮小される。
【0022】
図9は、更なる実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウト900を示している。エミッタ構成レイアウト900は、第1の半径(R)を有する円形パターンで配置されたエミッタ910aの外側リングと、第1の半径より小さい第2の半径(R)を有する円形パターンで配置されたエミッタ910bの内側リングと、を含む、二重リング構成の複数のエミッタを含む。エミッタ910aはそれぞれ、対応の導波路920aに結合され、エミッタ910bはそれぞれ、対応の導波路920bに結合される。エミッタ910aの外側リングはそれぞれ、エミッタ910bの内側リングからオフセットされるように位置付けられ、その結果、エミッタ910bの内側リングに結合された導波路920bは、隣接する1対の外側リングエミッタ910aの間にそれぞれ延在する。
【0023】
図10A図10Cは、エミッタ構成レイアウト900に対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。図10Aは、10.8μmの内径(R)を有する、二重リング構成の72個のエミッタの近視野発光プロファイル1000である。図10Bは、中央ローブのステアリングなしで72個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル1010であり、図10Cは、中央ローブのステアリングを用いて72個のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイル1020である。図10B及び図10Cに示すように、二重リング構成は、遠視野における中央ローブの周囲の縞を抑制する。
【0024】
図9の実施形態では、エミッタの2つの同心リングが示されているが、代替の実施形態では、エミッタの3つ以上の同心リングを使用して、更なる縞抑制を提供し得ることを理解されたい。
【0025】
図11は、代替の実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウト1100を示している。エミッタ構成レイアウト1100は、第1の偏光を有する第1のエミッタのセット1110aと、第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する第2のエミッタのセット1110b、を含む、2つの独立した偏光を有するように配置された複数のエミッタを含む。一実施形態では、第1のエミッタのセット1110aは、第1の半円形パターンに配置され、第2のエミッタのセット1110bは、第1の半円形パターンに面する第2の半円形パターンに配置される。エミッタ1110aはそれぞれ、対応の導波路1120aに結合され、エミッタ1110bはそれぞれ、対応の導波路1120bに結合される。
【0026】
図12A図12Cは、エミッタ構成レイアウト1100に対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。図12Aは、13.5μmの半径を有する36エミッタ構成の半分の近視野発光プロファイル1210であり、エミッタは第1の偏光を有する。図12Bは、36エミッタ構成のもう半分の近視野発光プロファイル1220であり、エミッタは、第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する。図12Cは、第1の偏光を有するエミッタ(図12A)によって生成された第1のローブ1240と、第2の偏光を有するエミッタ(図12B)によって生成された第2のローブ1250と、を含む、36エミッタ構成によって生成された光の遠視野発光放プロファイル1230である。
【0027】
第1のローブ1240及び第2のローブ1250に対応する2つのビームは、直交した偏光状態を有する別個のビームであるが、これらの2つのビームは、ビームが遠視野で重なるように、互いを追跡するように作製され得る。直交した偏光状態は、2つのビーム間の干渉を防止する。これにより、2つのビームは、データストリーム間のクロストークを最小限に抑えながら、偏光多重化データなどの別個のデータストリームを含有し、送信することが可能になる。
【0028】
図13は、更なる代替の実施形態による、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウト1300を示している。エミッタ構成レイアウト1300は、円形パターンで2つの独立した位相勾配を有するように配置された複数のエミッタを含む。第1のエミッタのセット1310aは、第1の位相勾配を有し、第1の位相勾配とは異なる第2の位相勾配を有する第2のエミッタのセット1310bと交互に配置される。エミッタ1310aはそれぞれ、対応の導波路1320aに結合され、エミッタ1310bはそれぞれ、対応の導波路1320bに結合される。
【0029】
図14A図14Bは、エミッタ構成レイアウト1300に対応する数値的に生成されたシミュレーションからの発光プロファイルである。図14Aは、13.5μmの半径を有する36エミッタ構成の近視野発光プロファイル1410であり、エミッタは、交互に独立した位相勾配を有する。図14Bは、第1のローブ1430及び第2のローブ1440を含む、36エミッタ構成によって生成された光の遠視野発光プロファイル1420である。この実装では、第1のローブ1430及び第2のローブ1440に対応するビームは、独立して操縦及び制御され得る2つの別個のビームである。
【0030】
実施形態の例
実施例1は、ペリメータの周囲に配置された複数のエミッタと、複数の導波路であって、導波路のそれぞれはエミッタのうちの1つにそれぞれ結合されている複数の導波路と、を含む、光フェーズドアレイ用のエミッタ構成レイアウトを含み、複数のエミッタは、単一の遠視野ピークを生成するように動作する。
【0031】
実施例2は、複数のエミッタがペリメータの周囲に円形パターンで配置されている、実施例1のエミッタ構成レイアウトを含む。
【0032】
実施例3は、複数のエミッタがペリメータの周囲に楕円形パターンで配置されている、実施例1のエミッタ構成レイアウトを含む。
【0033】
実施例4は、複数のエミッタがペリメータの周囲に半円形パターンで配置されている、実施例1のエミッタ構成レイアウトを含む。
【0034】
実施例5は、複数のエミッタが、導波路のいずれもがエミッタのいずれの間にも配置されないようにペリメータの周囲に配置されている、実施例1~4のいずれかのエミッタ構成レイアウトを含む。
【0035】
実施例6は、複数のエミッタが、第1の半径を有する円形パターンで配置されたエミッタの外側リングと、第1の半径より小さい第2の半径を有する円形パターンで配置されたエミッタの少なくとも1つの内側リングと、を含む、少なくとも2つの同心リング内に配置されている、実施例1~2のいずれかのエミッタ構成レイアウトを含む。
【0036】
実施例7は、エミッタの外側リングがそれぞれ、エミッタの内側リングからオフセットされるように位置付けられ、その結果、エミッタの内側リングに結合された導波路は、隣接する1対の外側リングエミッタの間にそれぞれに延在する、実施例6のエミッタ構成レイアウトを含む。
【0037】
実施例8は、少なくとも2つの同心リング内に配置された複数のエミッタが、遠視野における中央ローブの周囲の縞を抑制する、実施例6~7のいずれかのエミッタ構成レイアウトを含む。
【0038】
実施例9は、複数のエミッタが、集積型フォトニクスアプリケーション、ライダー(LiDAR)システム又は自由空間光学通信システムに実装されている、実施例1~8のいずれかのエミッタ構成レイアウトを含む。
【0039】
実施例10は、ペリメータの周囲に配置された複数のエミッタであって、複数のエミッタは、第1の偏光を有する第1のエミッタのセットと、第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する第2のエミッタのセットと、を含む、複数のエミッタと、複数の導波路であって、導波路のそれぞれはエミッタのうちの1つにそれぞれ結合されている、複数の導波路と、を含む、光フェーズドアレイを含む。
【0040】
実施例11は、複数のエミッタがペリメータの周囲に円形パターンで配置されている、実施例10の光フェーズドアレイを含む。
【0041】
実施例12は、第1のエミッタのセットが第1の半円形パターンに配置され、第2のエミッタのセットが、第1の半円形パターンに面する第2の半円形パターンに配置されている、実施例11の光フェーズドアレイを含む。
【0042】
実施例13は、複数のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイルが、第1の偏光を有する第1のエミッタのセットによって生成される第1のローブと、第2の偏光を有する第2のエミッタのセットによって生成される第2のローブと、を含む、実施例10~12のいずれかの光フェーズドアレイを含む。
【0043】
実施例14は、第1のローブ及び第2のローブに対応するそれぞれのビームが、直行した偏光状態を有する別個のビームであり、それぞれのビームは、ビームが遠視野で重なるように、他方のビームを追跡するように構成可能である、実施例13の光フェーズドアレイを含む。
【0044】
実施例15は、直交した偏光状態がビーム間の干渉を防止する、実施例14の光学フェーズドアレイを含む。
【0045】
実施例16は、ペリメータの周囲に配置された複数のエミッタであって、複数のエミッタは、第1の位相勾配を有する第1のエミッタのセットと、第1の位相勾配とは異なる第2の位相勾配を有する第2のエミッタのセットと、を含み、第1のエミッタのセットはペリメータの周囲で第2のエミッタのセットと交互に配置されている、複数のエミッタと、複数の導波路であって、導波路のそれぞれはエミッタのうちの1つにそれぞれ結合されている、複数の導波路と、を含む、光フェーズドアレイを含む。
【0046】
実施例17は、複数のエミッタがペリメータの周囲に円形パターンで配置されている、実施例16の光フェーズドアレイを含む。
【0047】
実施例18は、複数のエミッタによって生成された光の遠視野発光プロファイルが、第1の位相勾配を有する第1のエミッタのセットによって生成される第1のローブと、第2の位相勾配を有する第2のエミッタのセットによって生成される第2のローブと、を含む、実施例16~17のいずれかの光フェーズドアレイを含む。
【0048】
実施例19は、第1のローブ及び第2のローブに対応するそれぞれのビームが、独立して操縦可能かつ制御可能な別個のビームである、実施例18の光学フェーズドアレイを含む。
【0049】
本発明は、その本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよい。記載された実施形態は、全ての点において、例示的なものに過ぎず、限定的ではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味及び等価範囲内にある全ての変更は、それらの範囲内に包含されるものとする。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B