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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】衿保形具、並びに、シャツ包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/18 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
B65D85/18 F
B65D85/18 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019222991
(22)【出願日】2019-12-10
(65)【公開番号】P2021091443
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】591160811
【氏名又は名称】山喜株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】山内 知子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 光
(72)【発明者】
【氏名】桑原 雄一
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-085184(JP,U)
【文献】実公昭47-034361(JP,Y1)
【文献】実公昭45-007856(JP,Y1)
【文献】実開昭55-027667(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0047984(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/18
B65D 67/00-79/02
B65D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衿台と衿羽根の間に全体が収容され、且つ、前記衿台に沿って弧状に延びた状態でシャツに装着される衿保形具において、
厚さの異なる厚領域と薄領域を有する帯状の本体部と、保形片部を備え、
前記保形片部は、前記厚領域と隣接する位置であって、厚み方向で前記薄領域の内側となる位置に重ねられ、前記薄領域の湾曲を制限するものであり、
前記本体部の長手方向の両端部分は、一方が第1の厚領域であり、他方が第2の厚領域であり、
第1の厚領域と第2の厚領域の間に前記薄領域が位置していることを特徴とする衿保形具。
【請求項2】
前記保形片部は、前記厚領域から前記本体部の延び方向に張り出し、且つ、前記本体部の幅方向における一端側の張り出し長さが、他端側の張り出し長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の衿保形具。
【請求項3】
前記本体部は、少なくとも第一厚領域形成片と第二厚領域形成片を含む複数の厚領域形成片を有し、複数の前記厚領域形成片が前記本体部の厚さ方向で重なる位置に配されて前記厚領域が形成され、
前記第一厚領域形成片と前記第二厚領域形成片は、前記本体部の幅方向における一端側で連結しており、他端側が離間するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衿保形具。
【請求項4】
前記本体部のうち、厚み方向で外側に位置する面が面一となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の衿保形具。
【請求項5】
前記衿台と衿羽根の間に装着されるものであり、
前記本体部の長手方向における両端部のそれぞれは、前記本体部の幅方向における片側部分が欠落した形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の衿保形具。
【請求項6】
衿台と衿羽根の間に全体が収容され、且つ、衿台に沿って弧状に延びた状態でシャツに装着される衿保形具において、
厚さの異なる厚領域と薄領域を有する帯状の本体部を備え、
前記本体部のうち、厚み方向で外側に位置する面が面一となっており、
前記本体部は、少なくとも第一厚領域形成片と第二厚領域形成片を含む複数の厚領域形成片と、連結部を有し、複数の前記厚領域形成片が前記本体部の厚さ方向で重なる位置に配されて前記厚領域が形成され、
前記第一厚領域形成片と前記第二厚領域形成片は、前記本体部の幅方向における一端側で前記連結部によって連結しており、他端側が離間するものであり、
前記厚領域は、上端側部分に連結部が位置しており、
前記本体部の長手方向の両端部分は、一方が第1の厚領域であり、他方が第2の厚領域であり、
第1の厚領域と第2の厚領域の間に前記薄領域が位置するように形成されていることを特徴とする衿保形具。
【請求項7】
シャツと、シャツを内部に収容可能な収容部材と、請求項1乃至6のいずれかに記載の衿保形具を有し、前記収容部材に前記衿保形具を装着したシャツを収容して形成されることを特徴とするシャツ包装体。
【請求項8】
シャツは、袖部分の一部を前身頃の前面側に回り込ませ、前記袖部分の一部が前記前身頃と重なる状態となるように折り畳まれており、且つ、前記袖部分の一部が前記前身頃よりも前方外側に位置する重なり部分を形成しており、
環状に連続する帯状の結束部材をさらに有し、
前記結束部材は、前記袖部分の一部を含む重なり部分の外側に巻回され、一部が前記袖部分の一部よりも前方外側に位置することを特徴とする請求項7に記載のシャツ包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャツ(所謂ワイシャツ、ドレスシャツと称されるシャツや所謂ネルシャツと称されるシャツ等)に装着することで衿の型崩れを防止する衿保形具に関する。また、そのような衿保形具を使用したシャツの包装体(シャツ包装体)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイシャツ等を製造場所から輸送したり、保管したり、店頭で陳列する際には、衿の型崩れを防止すべく、衿保形具を取り付けた状態でワイシャツを包装している。例えば、このような衿保形具として、特許文献1に開示された衿保形具が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された衿保形具は、衿(衿羽)と衿台の間に配するものであり、ポリ乳酸系重合体を主成分とする延伸シートから形成されたものとなっている。
また、特許文献1には、ワイシャツの袖の一部を前身頃よりも前方(着用時の前方)に位置させ、袖と前身頃及び後身頃をクリップ留めしてワイシャツを畳むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-192071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、輸送時や保管時等においてワイシャツが大量に重ねられた場合、下側に位置するワイシャツに装着された衿保形具に対し、一定以上の力が掛かってしまう場合がある。
【0006】
のとき、衿保形具が十分な強度を発揮できないと、衿保形具が意図しない形状に変形してしまい、結果、ワイシャツの衿が型崩れするという問題が生じてしまう。
【0007】
すなわち、従来の衿保形具は衿の型崩れをより防止可能な構造にするという点において、改善の余地があった。
【0008】
そこで本発明は、衿の型崩れをより防止可能な衿保形具を提供することを課題とする。また、そのような衿保形具を使用したシャツ包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、衿台と衿羽根の間に全体が収容され、且つ、前記衿台に沿って弧状に延びた状態でシャツに装着される衿保形具において、厚さの異なる厚領域と薄領域を有する帯状の本体部と、保形片部を備え、前記保形片部は、前記厚領域と隣接する位置であって、厚み方向で前記薄領域の内側となる位置に重ねられ、前記薄領域の湾曲を制限するものであり、前記本体部の長手方向の両端部分は、一方が第1の厚領域であり、他方が第2の厚領域であり、第1の厚領域と第2の厚領域の間に前記薄領域が位置していることを特徴とする衿保形具である。
【0010】
本発明の衿保形具は、比較的高い強度を発揮する厚領域と、比較的湾曲させ易い薄領域を有する構造とした上で、保形片部を有する構造としている。加えて、保形片部により、薄領域のうちで厚領域と隣接する部分の湾曲を制限している。すなわち、この部分を湾曲し難い(変形し難い)部分とし、一定以上の強度を発揮する部分としている。
以上のことから、本発明の衿保形具は、衿台に沿って弧状に延びた状態とすることを可能としつつ、高い強度を発揮させることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記保形片部は、前記厚領域から前記本体部の延び方向に張り出し、且つ、前記本体部の幅方向における一端側の張り出し長さが、他端側の張り出し長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の衿保形具である。
【0012】
かかる構成によると、厚領域と隣接する部分を緩やかに湾曲させることが可能となり、装着時における衿の形状を好ましい形状とすることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記本体部は、少なくとも第一厚領域形成片と第二厚領域形成片を含む複数の厚領域形成片を有し、複数の前記厚領域形成片が前記本体部の厚さ方向で重なる位置に配されて前記厚領域が形成され、前記第一厚領域形成片と前記第二厚領域形成片は、前記本体部の幅方向における一端側で連結しており、他端側が離間するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衿保形具である。
【0014】
かかる構成によると、衿保形具をシャツに装着したとき、上方から力が加わっても衿保形具が潰れ難い状態とすることが可能となり、好ましい。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記本体部のうち、厚み方向で外側に位置する面が面一となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の衿保形具である。
【0016】
かかる構成によると、衿保形具をシャツに装着し、衿に対してアイロンプレスを行っても、シャツに不要な凹凸が形成されず、好ましい。
【0017】
請求項5に記載の発明は、前記衿台と衿羽根の間に装着されるものであり、前記本体部の長手方向における両端部のそれぞれは、前記本体部の幅方向における片側部分が欠落した形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の衿保形具である。
【0018】
かかる構成によると、衿保形具が目立たないようにシャツに装着することが可能となり、好ましい。
【0019】
請求項6に記載の発明は、衿台と衿羽根の間に全体が収容され、且つ、衿台に沿って弧状に延びた状態でシャツに装着される衿保形具において、厚さの異なる厚領域と薄領域を有する帯状の本体部を備え、前記本体部のうち、厚み方向で外側に位置する面が面一となっており、前記本体部は、少なくとも第一厚領域形成片と第二厚領域形成片を含む複数の厚領域形成片と、連結部を有し、複数の前記厚領域形成片が前記本体部の厚さ方向で重なる位置に配されて前記厚領域が形成され、前記第一厚領域形成片と前記第二厚領域形成片は、前記本体部の幅方向における一端側で前記連結部によって連結しており、他端側が離間するものであり、前記厚領域は、上端側部分に連結部が位置しており、前記本体部の長手方向の両端部分は、一方が第1の厚領域であり、他方が第2の厚領域であり、第1の厚領域と第2の厚領域の間に前記薄領域が位置するように形成されていることを特徴とする衿保形具である。
【0020】
本発明の衿保形具においても、上記と同様に、衿保形具をシャツに装着したとき、上方から力が加わっても衿保形具が潰れ難い状態とすることが可能となる。また、衿に装着してアイロンプレスを行っても、シャツに不要な凹凸が形成されず、好ましい。
【0021】
請求項7に記載の発明は、シャツと、シャツを内部に収容可能な収容部材と、請求項1乃至6のいずれかに記載の衿保形具を有し、前記収容部材に前記衿保形具を装着したシャツを収容して形成されることを特徴とするシャツ包装体である。
【0022】
本発明のシャツ包装体は、上記した衿保形具を有しており、衿の型崩れを防ぐことができる。
【0023】
上記したシャツ包装体は、シャツは、袖部分の一部を前身頃の前面側に回り込ませ、前記袖部分の一部が前記前身頃と重なる状態となるように折り畳まれており、且つ、前記袖部分の一部が前記前身頃よりも前方外側に位置する重なり部分を形成しており、環状に連続する帯状の結束部材をさらに有し、前記結束部材は、前記袖部分の一部を含む重なり部分の外側に巻回され、一部が前記袖部分の一部よりも前方外側に位置することが好ましい(請求項8)。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、衿の型崩れをより防止可能な衿保形具、並びに、シャツ包装体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係るシャツ包装体を示す斜視図である。
図2図1のシャツを示す説明図であり、衿保形部材及び補助衿保形部材を取り外して衿周辺を拡大した様子を示す。
図3図1の衿保形部材を示す斜視図である。
図4図3の衿保形部材の組み立て手順を示す説明図であり、(a)、(b)の順に組み立てる。
図5図3の衿保形部材を直線状に伸ばした状態を示す平面図であり、(a)は内側からみた様子を示し、(b)は外側からみた様子を示す。
図6】(a)は、図3の衿保形部材の厚領域の周辺を拡大して示す斜視図であり、(b)は、(a)の厚領域をA方向からみた端面図である。(c)は、(a)の第一厚領域形成部と第二厚領域形成部を閉じた状態とし、上方からみた様子を示す平面図である。
図7図1のシャツを収容部材に収容する前に畳む様子を示す説明図であり、(a)、(b)の順に畳む。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下さらに本発明の実施形態に係るシャツ包装体1について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。また、シャツ包装体1については、特に説明の無い限り、図1の手前側を表側とし、その反対となる奥側を裏側として説明する。
【0027】
シャツ包装体1は、図1で示されるように、包装材2(収容部材)と、シャツ3と、衿保形部材4(衿保形具)と、補助衿保形部材5と、留め帯部材6(結束部材)を有している。このシャツ包装体1は、シャツ3を包装材2の内部に収容して形成されるものである。すなわち、シャツ3は、衿保形部材4、補助衿保形部材5、留め帯部材6が取り付けられ、且つ、畳まれた状態で包装材2に収容されている。
【0028】
包装材2は、透明な袋状の部材であるナイロン袋やビニール袋等を好適に採用できる。
【0029】
シャツ3は、裁断された布地を縫製して形成される長袖シャツであり、衿10と、前身頃11と、後身頃12(図1では図示しない、図7参照)と、肩ヨーク13と、袖部分14と、前立て15を有する。
【0030】
衿10は、着用者の首回りに位置する部分であり、衿台20(図2参照)と衿羽根21によって形成されている。
衿台20は、襟台、台襟、立ち代とも称される部分であり、衿羽根21を支えている帯状の部分であって、内側面が着用者の首と触れる部分となる。
衿羽根21は、衿10の外側に位置する反り返った部分である。
【0031】
袖部分14は、本体となる袖24(図1では図示しない、図7参照)と、袖口25を有する。袖24は、着用者の腕を覆う筒状に延びた部分である。袖口25は、袖24の先端部分に設けられ、環状に延びる帯状の部分であり、適宜の部分にボタン25aと、ボタンホールが設けられている。
【0032】
補助衿保形部材5は、図1で示されるように、衿台20(図2参照)の内側に装着される帯状の部材であり、長手方向の一端側に係合突起5aを有し、他端側に複数の係合孔5bを有する。そして、係合突起5aを複数の係合孔5bから選択される一つの孔に挿入させ、環状に連続させた状態でシャツ3に装着する。
【0033】
衿保形部材4は、本実施形態の特徴的な部材であり、図1で示されるように、弧状に延びた状態で衿台20(図2参照)と衿羽根21の間に装着される部材である。すなわち、補助衿保形部材5とは別部材で構成された帯状の部材である。この衿保形部材4は、図3で示されるように、本体部30と、保形片部31を有しており、これらが一体に形成されたものである。
【0034】
本体部30の長手方向における両端部分は、他部よりも厚みのある厚領域35となっている。つまり、本体部30は、厚さの異なる厚領域35と薄領域36を有している。
保形片部31は、主面の形状が略三角形となる薄板状部分である。
【0035】
具体的に説明すると、衿保形部材4は、図4で示されるように、原料となるシート部材を所定形状に切り抜き、その一部を折り曲げて形成したものである。なお、本実施形態では、シート部材に厚紙を採用している。
【0036】
ここで、図4(a)で示されるように、衿保形部材4を展開して一枚のシート状(薄板状)の状態とする。このとき、展開した衿保形部材4は、薄領域形成部40と、第一厚領域形成片41(厚領域形成片)と、第一補助形成片42と、第二厚領域形成片43(厚領域形成片)と、第二補助形成片44(厚領域形成片)と、連結部45から構成される各部を有する。
【0037】
薄領域形成部40は、上記した薄領域36を形成する帯状の部分であり、平面視形状が略横長長方形状となる薄板状部分である。
なお、薄領域形成部40の長手方向(図4の左右方向)、厚み方向(図4の奥行方向)、幅方向(図4の上下方向)は、それぞれ衿保形部材4全体の長手方向、厚み方向、幅方向と同方向となる。
【0038】
ここで、第一厚領域形成片41、第一補助形成片42、第二厚領域形成片43、第二補助形成片44、連結部45によって構成される部分は、薄領域形成部40の長手方向の両端側にそれぞれ設けられている。この長手方向の一方側の部分と他方側の部分とは、平面視において線対称となる部分であるので、一方のみを詳細に説明し、他方の詳細な説明を省略する。また、これらの説明において、上下方向と左右方向は、図4の状態を基準とする。
【0039】
第一厚領域形成片41は、薄領域形成部40の長手方向の端部から外側に向かって延設された部分であり、主面の形状が略台形となる薄板状部分である。この第一厚領域形成片41は、左右方向の長さが下方に向かうにつれて短くなる。すなわち、平面視において左右方向の外側に位置する辺(台形の脚となる辺)は、斜めに延びた辺となる。
なお、第一厚領域形成片41の下端は、薄領域形成部40の下端よりも下方に位置する。その一方で、第一厚領域形成片41の上端は、薄領域形成部40の上端と上下方向の位置が同一となっている。
【0040】
第一補助形成片42は、第一厚領域形成片41の幅方向の一端側から外側(下端から下側)に延設された部分であり、第一厚領域形成片41の下側に位置する。この第一補助形成片42は、厚領域形成片部42a(厚領域形成片)と、保形片形成部42bとが一体に形成された一枚の薄板状部分であり、主面の形状が略台形となる。
厚領域形成片部42aは、上記した第一厚領域形成片41を上下反転させた形状と略同一の形状となる部分である。保形片形成部42bは、上記した保形片部31(図3参照)を形成する部分である。
【0041】
第二厚領域形成片43、第二補助形成片44、連結部45は、第一厚領域形成片41の幅方向の他端側から外側(上端から上側)に延設された部分であり、第一厚領域形成片41の上側に位置する。これらは、下側から上側に向かって連結部45、第二厚領域形成片43、第二補助形成片44の順で連続するように形成されている。
第二厚領域形成片43は、第一厚領域形成片41を上下反転させたものと略同一の形状となる薄板状部分であり、第二補助形成片44は、第一厚領域形成片41と略同一の形状となる薄板状部分である。そして、連結部45は、第一厚領域形成片41と第二厚領域形成片43の間で左右方向に細長く伸びる部分となっている。
【0042】
衿保形部材4を組み立てる際には、図4(a)、図4(b)で示されるように、第一補助形成片42、第二補助形成片44のそれぞれを折り返す。
このことにより、第一補助形成片42、第二補助形成片44は、上下反転した姿勢となり、第一厚領域形成片41、第二厚領域形成片43のそれぞれと重なる状態となる。
【0043】
このとき、第一補助形成片42と第二補助形成片44の折り返し方向は同方向であり、いずれも衿保形部材4の厚さ方向における一方側(図4の手前側)に向かって折り返されている。つまり、衿保形部材4の厚さ方向における一方側(図4の手前側)を内側とし、他方側(図4の奥側)を外側とすると、第一補助形成片42と第二補助形成片44のそれぞれは、いずれも内側に向かって折り返され、折り返し前と比べてより内側に位置する。
また、折り返しの前後で、外側を向いていた面が内側を向いた状態となる。
【0044】
続いて、図4(b)で示されるように、第二厚領域形成片43、第二補助形成片44が重なって形成される重なり部分をさらに折り返す。この折り返し方向もまた、上記した折り返し方向と同方向としている。つまり、形成片の重なり部分は、衿保形部材4の厚さ方向における一方側(図4の手前側)に向かって折り返す。
【0045】
上記したように各部を折り返すことで、衿保形部材4が形成される(図5参照)。
つまり、衿保形部材4の厚領域35は、図4図6で示されるように、第一厚領域形成片41、厚領域形成片部42a、第二厚領域形成片43、第二補助形成片44からなる複数の厚領域形成片が厚さ方向で重なって形成される重畳部分である。
なお、図4で示されるように、保形片形成部42bを有する第一補助形成片42は、薄領域形成部40から延設される第一厚領域形成片41と隣り合う位置に配された状態となる。すなわち、シャツ3への装着時に第一厚領域形成片41の内側(図4の手前側)に隣接する位置である。
【0046】
ここで、厚領域35は、図6(a)、図6(b)で示されるように、第一厚領域形成片41、厚領域形成片部42aが重なって形成される第一厚領域形成部50と、第二厚領域形成片43、第二補助形成片44が重なって形成される第二厚領域形成部51を有する。
つまり、第一厚領域形成部50は、第一厚領域形成片41を含む複数(本実施形態では2つ)の厚領域形成片が本体部30の厚さ方向で重なって形成される部分である。同様に、第二厚領域形成部51は、第二厚領域形成片43を含む複数の厚領域形成片が本体部30の厚さ方向で重なって形成される部分である。
【0047】
ところで、本実施形態の衿保形部材4は、上記したように厚紙を折り曲げて形成しており、原料となる厚紙は、人の手で折り曲げて折り目を付けても、折り目の両側が自然状態(外力が加わらない状態)で開く(元に戻ろうとする)性質を有するものとなっている。
【0048】
したがって、第一厚領域形成部50と第二厚領域形成部51は、図6(a)、図6(b)で示されるように、衿保形部材4の幅方向における一端側(上側)で連続する一方で、他端側(下側)の端部同士が、自然状態で離間した状態となる。言い換えると、第二厚領域形成部51は上側から片持ち状に延びており、自然状態において、その自由端側が第一厚領域形成部50の下端部分と離れた位置に配される。
【0049】
このことから、衿保形部材4をシャツ3に装着すると(図1参照)、第一厚領域形成部50と第二厚領域形成部51の下端部分同士が離れる方向に移動しようとすることで、衿台20と衿羽根21を離れる方向に広げることとなる。このことから、包装材2に収容したとき、シャツ3の衿10が適度に膨らんだ見栄えのよい状態となる。
【0050】
さらに、図6(a)、図6(b)で示されるように、厚領域35は、上端側部分に連結部45が位置している。また、第一厚領域形成部50の下端側部分に、第一厚領域形成片41と厚領域形成片部42aの折り返し部分が位置しており、第二厚領域形成部51の下端部分に、第二厚領域形成片43、第二補助形成片44の折り返し部分が位置している。加えて、上記したように、第一厚領域形成部50と第二厚領域形成部51の下端部分同士が開いた状態となっている。
【0051】
以上のことから、連結部45が上側を向く姿勢で衿保形部材4をシャツ3に装着する(図1図6(a)参照)と、シャツ包装体1に対して上方から衿10を潰す方向に力が加わっても、衿保形部材4が潰れにくく、衿10の型崩れを防止できる。
すなわち、輸送時等に多数のシャツ包装体1が重ねられ、衿保形部材4を装着した衿10に上方から力が加わっても、厚領域35が力を分散することで、衿保形部材4を潰れ難くすることができる。
【0052】
また、衿保形部材4では、図6(a)等で示すように、保形片部31が厚領域35と隣接する部分に設けられている。この保形片部31は、図5(a)で示されるように、厚領域35から張り出した部分であり、衿保形部材4の長手方向における端部側から中心側に向かって張り出した部分である。
【0053】
そして、保形片部31は、上記したように主面の形状が略三角形となっており、詳細には、上側に底辺部分を有する略直角三角形状となっている。つまり、保形片部31は、下方側から上方側に向かうにつれて、張り出し長さが長くなる。
なお、上端部分の張り出し長さ(最大張り出し長さ)は、本体部30の幅方向長さ(図5の上下方向長さ)よりも短い。また、図5(a)で示されるように、衿保形部材4を直線状に伸ばした状態としたとき、内側(シャツ3への装着時における内側であり、図5(a)の手前側)からみた平面視において、保形片部31は、張り出し方向における先端側の辺が斜めに延びた辺となる。
【0054】
ここで、厚さの異なる部分の境界となる厚領域35と薄領域36の境界部分は、不意に力が加わった際に折れ曲がり易い部分となる。しかしながら、本実施形態では、薄領域36のうち、厚領域35と隣接する部分の内側に保形片部31を配することで、この部分を折れ曲がり難くしている。すなわち、厚領域35と薄領域36の境界部分及びその周辺に折り目が付き難い状態としている。
【0055】
その一方で、図1で示されるように、衿保形部材4は、全体を弧状に延びた状態とし、シャツ3の首回りに装着する。このとき、衿10を好ましい形状に維持するという観点から、薄領域36の厚領域35と隣接する部分を緩やかに湾曲させたいという欲求がある。例えば、図1で示されるように、衿10を三角環状(丸みのある三角環状)に延びた姿勢で収容する場合、薄領域36の厚領域35と隣接する部分を緩やかに湾曲させる必要がある。言い換えると、衿保形部材4の長手方向における端部側部分を、やや捻るように湾曲させつつ延びた状態とする必要がある。
そこで、本実施形態では、上記したように、保形片部31の張り出し長さを上側に向かうにつれて長くなる構造とし(図5(a)参照)、厚領域35と隣接する部分の強度を向上させつつ(折れ曲がり難くしつつ)、この部分の緩やかな湾曲を可能にしている。
【0056】
具体的に説明すると、衿10を図1で示される形状に保形する場合、衿保形部材4の長手方向の端部側部分は、装着時に首の側方側から首の前側に湾曲しつつ回りこむ姿勢とする。すなわち、図1の下方に向かう方向であって、前立て15側に向かう方向に湾曲しつつ回り込む姿勢である。
そこで、本実施形態では、保形片部31を上記した形状としている(図5(a)参照)。このことから、薄領域36のうちで厚領域35と隣接する部分は、上側部分では、厚領域35と薄領域36の境界から一定以上離れた位置まで湾曲し難くなっている一方で、下側部分境界の周辺のみが湾曲し難くなる。そして、図1のように湾曲させたとき、この部分が自然に緩やかに湾曲する一方で、湾曲が制限され、折り目の付き難い状態となる。
【0057】
ところで、図6(c)で示されるように、第一厚領域形成部50と第二厚領域形成部51を閉じた状態(図6(b)における下方側端部同士を接触させた状態)としたとき、厚領域35は、薄領域36と保形片部31の重なり部分よりも厚い部分となる。
【0058】
すなわち、この状態の厚領域35の厚さ方向の長さ(図6(c)の上下方向の長さ)を厚領域35の厚さとしたとき、厚領域35の厚さは、薄領域36と保形片部31の重なり部分の厚さよりも厚い。当然のことながら、薄領域36と保形片部31の重なり部分の厚さは、薄領域36の厚さよりも厚くなる。
【0059】
このことから、この状態では、衿保形部材4の内側(シャツ3への装着時における内側であり、図6(c)の下側)には、厚領域35と隣接する位置に凹凸部分(段状の部分)が形成される。すなわち、厚領域35と、薄領域36と保形片部31の重なり部分との境界となる位置に、段状の部分が形成される。同様に、薄領域36と保形片部31の重なり部分と、この重なり部分に隣接する薄領域36の一部(図6(c)で右側に隣接する部分)との境界となる位置にも、段状の部分が形成される。
【0060】
その一方で、図5(b)、図6(c)で示されるように、衿保形部材4の外側に位置する保形具外側面55は、面一の面となる。
【0061】
この保形具外側面55は、衿保形部材4(本体部30)のうち、厚み方向で外側に位置する面であり、シャツ3への装着時において(図1参照)、衿羽根21に対して内側から接触する部分である。
【0062】
すなわち、衿保形部材4は、上記したようにシート状の部材(本実施形態では厚紙)を折り曲げて形成している(図4参照)ので、シート状の部材の一主面の一部がそのまま保形具外側面55となる。したがって、保形具外側面55は、巨視的に凹凸形状を有さず、算術平均粗さが原料となるシート状の部材の一主面と同一となる面一の面となる。
このように、保形具外側面55を面一の面とすると、シャツ3に衿保形部材4を取り付けてアイロンプレスを行う際、衿10に凹凸が形成されず(衿保形部材4の形が写らず)、好ましい。
【0063】
具体的に説明すると、工場等でシャツ包装体1を製造する際には、シャツ3の包装前にネックプレス機を使用し、衿10のアイロンプレスを行っている。ネックプレス機は、詳細な説明を省略するが、湾曲面を有する載置台と、載置台に沿う形状の湾曲面を有するプレス体を備えたものであり、プレス体が載置台に対して近接、離反する。そして、載置台の上に衿10を載置し、プレス体を載置台に近接させ、載置台とプレス体で衿10を挟みこんだ状態で、アイロンプレス行う。このとき、衿10の一部であり、着用時に首の後方側と側方側に位置する部分が、プレス体と載置台に挟みこまれた状態となる。
ここで、仮に保形具外側面55に凹凸部分が形成されていた場合、アイロンプレスを行うことで、衿10に同様の凹凸部分が形成されるおそれがある。すなわち、保形具外側面55の凹凸部分が押し当てられることで、押し当てられた凹凸部分に沿う凹凸部分が衿10に形成されることが考えられる。そこで、本実施形態では、保形具外側面55を面一の面とし、アイロンプレス時において衿10に意図しない凹凸が形成されないものとしている。
【0064】
また、本実施形態の本体部30は、図5で示されるように、長手方向の両端側部分のそれぞれが、下側の角部分を斜めに切り落としたような形状となっている。すなわち、長手方向の両端側部分は、下側の一部が欠落した形状となっている。言い換えると、本体部30の幅方向における片側部分が欠落した形状となっている。
具体的には、本体部30の長手方向における端部(厚領域35)は、衿保形部材4を直線状に伸ばした状態とし、内側(シャツ3への装着時における内側)からみた平面視において、略台形状となっている。そして、この略台形状の部分のうちで、長手方向における端部側に位置する部分は、同平面視おいて、上側に底辺部分を有する略直角三角形状の部分となっている。
【0065】
つまり、本体部30では、長手方向における端部の上側部分が、同端部の下側部分よりも長手方向でより外側まで延びた状態となっている。言い換えると、本体部30は、長手方向における全体長さが、上方から下方に向かうにつれて短くなっている。なお、特に限定されるものではないが、厚領域35は、衿保形部材4の長手方向の長さ(図5の左右方向の長さ)が、衿保形部材4の同方向に全体長さの20パーセント以下となるように形成することが好ましい。
【0066】
ここで、本実施形態の衿保形部材4の長さ(長手方向の長さ)は、図1で示されるように、衿羽根21の首回りの長さ(衿羽根21の展開時の長手方向の長さ)よりも短くなっている。そして、衿保形部材4は、厚領域35が衿羽根21の衿先側端部21aよりも奥まった位置となり、連結部45(図6(a)参照)が衿10の上側を向くように、シャツ3に装着している。加えて、衿保形部材4は、上記したように、長手方向における端部の下側部分を欠落させた形状している(図5参照)。
以上のことから、本実施形態のシャツ包装体1は、人がシャツ包装体1を表側からみたとき、衿保形部材4が目立ち難いものとなっている
【0067】
具体的に説明すると、シャツ3は、人が衿10の周辺を衿10の前側(着用時における首の前側となる位置)からみたとき、衿台20と衿羽根21の間の空間は、上側部分が衿羽根21に隠れて見え難い部分となり、下側部分が比較的見え易い部分となる。また、本実施形態の衿保形部材4は、上記したように、衿保形部材4が衿台20と衿羽根21を離れる方向に広げるため、その傾向がより顕著となる。したがって、本実施形態では、上記したように、衿保形部材4の長手方向における端部の下側部分を欠落させることで、衿保形部材4が外部から視認され難くなっている。
【0068】
留め帯部材6は、図1で示されるように、細長く伸びた帯状の部分であり、一部が袖部分14と前身頃11が重なる重なり部分の外側で延びている。この留め帯部材6は、扁平な形状で延びる部材であり、外側面に広告分や、商品の紹介文、装飾のための絵柄、図柄等、適宜な内容を印刷してもよい。
【0069】
具体的に説明すると、本実施形態で包装材2に収容されるシャツ3は、図7で示されるように、片側の袖部分14が後身頃12の後側で畳まれた状態となっている(図7(a)参照)。また、この片側の袖部分14の後方に、シャツ3の他方側の袖部分14の一部が畳まれた状態で配されている(図7(b)参照)。
さらに、図7(b)で示される状態から、他方側の袖部分14の一部を前身頃11の前側に回り込ませた状態とし、前身頃11及び後身頃12の下側部分である身頃下側部60を、その上方に位置する身頃上側部61の後方側に折り返している。なお、身頃上側部61は、前身頃11及び後身頃12の上側部分である。
【0070】
留め帯部材6は、環状に連続する紙製の部材(詳細な図示を省略する)となっており、身頃上側部61と袖部分14の重なり部分に対して巻回されている。
すなわち、留め帯部材6は、後側部分が畳まれた身頃下側部60と身頃上側部61の間で延びており、前側部分が、図1で示されるように、前身頃11の前方に位置する袖口25のさらに前方で延びている。
【0071】
このとき、留め帯部材6の一部は、袖口25に設けられたボタン25aや、袖口25の重なり部分(手首回りに周方向に延びる袖口25の延び方向両端が重なる部分)に形成される段差部25bと隣接する位置に配することが好ましい。このことにより、留め帯部材6の位置ずれを防止できる。
【0072】
なお、シャツ3は、長袖シャツに限らず、半袖シャツ等であってもかまわない。すなわち、袖部分14は、袖口25を有さないものでもよい。この場合、半袖シャツの袖の一部分を前身頃の前方に位置させ、その袖の一部分のさらに前方に、留め帯部材6の一部を配してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 シャツ包装体
2 包装材(収容部材)
3 シャツ
4 衿保形部材(衿保形具)
6 留め帯部材(結束部材)
11 前身頃
14 袖部分
20 衿台
30 本体部
31 保形片部
35 厚領域
36 薄領域
41 第一厚領域形成片(厚領域形成片)
42a 厚領域形成片部(厚領域形成片)
43 第二厚領域形成片(厚領域形成片)
44 第二補助形成片(厚領域形成片)
45 連結部
55 保形具外側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7