(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】加熱調理装置
(51)【国際特許分類】
F24C 7/02 20060101AFI20231201BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20231201BHJP
【FI】
F24C7/02 531D
F24C7/02 531B
F24C7/04 A
(21)【出願番号】P 2019236386
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】末永 浩己
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-159903(JP,U)
【文献】実開昭60-030908(JP,U)
【文献】特開昭61-284090(JP,A)
【文献】実開昭59-175905(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第03351856(EP,A1)
【文献】実公昭48-034606(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/00- 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天壁を有し、被加熱物を収容する加熱調理室と、
前記被加熱物を加熱するヒーターと、
前記天壁に配置されており、前記ヒーターの一部を支持する支持部と
を備え、
前記加熱調理室は、第1側壁と、前記第1側壁に対向する第2側壁とを更に有し、
前記ヒーターは、前記第1側壁から前記第2側壁に向かって延びており、前記第2側壁の側から折り返して前記第1側壁まで延びており、
前記ヒーターは、互いに離隔する第1基端部分と第2基端部分とを有し、
前記第1基端部分と前記第2基端部分とは、前記第1側壁に配置され、
前記第1基端部分の鉛直方向に沿った位置と、前記第2基端部分の前記鉛直方向に沿った位置とは、異なり
、
前記ヒーターは、ねじられた状態で前記支持部に支持される、加熱調理装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記鉛直方向に沿って互いに対向する第1支持部と第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部とを接続する接続部とを有し、
前記ヒーターの前記一部は、前記ヒーターのねじれによる付勢力によって、前記第1支持部と前記第2支持部とに当接する、請求項1に記載の加熱調理装置。
【請求項3】
前記ヒーターの前記一部は、前記ヒーターの折り返し部分である、請求項1又は請求項2に記載の加熱調理装置。
【請求項4】
前記第1側壁に沿って配置され、前記第1基端部分と前記第2基端部分とを保持する保持部と、
前記保持部を前記第1側壁に固定する固定部と
を更に備え、
前記第1基端部分は、第1被保持部と、第1挿通部とを有し、
前記第2基端部分は、第2被保持部と、第2挿通部とを有し、
前記保持部は、
前記第1被保持部を保持する第1保持部と、
前記第2被保持部を保持する第2保持部と
を有し、
前記第1側壁は、
前記第1挿通部が挿通される第1貫通孔と、
前記第2挿通部が挿通される第2貫通孔と
を有し、
前記固定部は、
第1固定位置において、前記保持部を前記第1側壁に固定する第1固定部材と、
第2固定位置において、前記保持部を前記第1側壁に固定する第2固定部材と、
第3固定位置において、前記保持部を前記第1側壁に固定する第3固定部材と
を更に有し、
前記第3固定位置は、前記第1側壁の所定領域内の位置を示し、
前記所定領域の外縁は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とを通り、
前記第1固定位置は、前記第1貫通孔に対して、前記第3固定位置の反対側の位置を示し、
前記第2固定位置は、前記第2貫通孔に対して、前記第3固定位置の反対側の位置を示す、請求項3に記載の加熱調理装置。
【請求項5】
前記第3固定位置は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間に位置する、請求項4に記載の加熱調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の高周波加熱装置は、加熱室と、高周波電源と、シーズヒーターとを備える。加熱室は、被加熱物を収容する。高周波電源は、加熱室に高周波を供給する。シーズヒーターは、加熱室内の上部に配置される。シーズヒーターは、端部が加熱室の外部に導出され、端部が制御装置に結合される。シーズヒーターは、板状取付金具によって、加熱室の複数の側壁のうちの1つの側壁に取付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の高周波加熱装置のような加熱調理装置のシーズヒーターは、一方の端部が板状取付金具によって固定されるが、他方の端部は固定されない。したがって、シーズヒーターは揺動しやすい。シーズヒーターが揺動することによって、シーズヒーターの耐久性が低減する。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ヒーターが揺動することを抑制できる加熱調理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、加熱調理装置は、加熱調理室と、ヒーターと、支持部とを備える。前記加熱調理室は、天壁を有し、被加熱物を収容する。前記ヒーターは、前記被加熱物を加熱する。前記支持部は、前記天壁に配置されており、前記ヒーターの一部を支持する。前記加熱調理室は、第1側壁と、前記第1側壁に対向する第2側壁とを更に有する。前記ヒーターは、前記第1側壁から前記第2側壁に向かって延びており、前記第2側壁の側から折り返して前記第1側壁まで延びている。前記ヒーターは、互いに離隔する第1基端部分と第2基端部分とを有する。前記第1基端部分と前記第2基端部分とは、前記第1側壁に配置される。前記第1基端部分の鉛直方向に沿った位置と、前記第2基端部分の前記鉛直方向に沿った位置とは、異なる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加熱調理装置によれば、ヒーターが揺動することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る引出し式加熱調理器の外観を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る引出し式加熱調理器を示す右側面図である。
【
図3】本実施形態に係る引出し式加熱調理器を示す上面図である。
【
図4】本実施形態に係る加熱調理室の概略縦断面を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る加熱調理室の概略横断面を示す図である。
【
図6A】本実施形態に係るヒーターを底壁側から見た図である。
【
図6B】本実施形態に係るヒーターを扉部側から見た図である。
【
図7】本実施形態に係るヒーターと支持部と示す模式図である。
【
図8】
図6Aに示す領域ARを拡大して示す図である。
【
図9A】
図8に示すIXA-IXA断面を示す図である。
【
図9B】
図8に示すIXB-IXB断面を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る左壁と左壁に配置された貫通孔を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る固定部によって固定された保持部を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る固定部を
図12と異なる側から見た図である。
【
図14】本実施形態に係る引出し式加熱調理器が取付けられるキャビネットの外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1~
図3を参照して、本実施形態に係る引出し式加熱調理器100について説明する。
図1は、本実施形態に係る引出し式加熱調理器100の外観を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る引出し式加熱調理器100を示す右側面図である。詳しくは、
図1と
図2とは、引出し体2を引出した状態の引出し式加熱調理器100を示す。また、
図1は、引出し式加熱調理器100を右斜め前の上方から視た外観を示す。引出し式加熱調理器100は、加熱調理器の一例である。
図3は、本実施形態に係る引出し式加熱調理器100を示す上面図である。
【0011】
引出し式加熱調理器100は、被加熱物Hを加熱調理する。被加熱物Hは、例えば、食品である。
図1に示すように、引出し式加熱調理器100は、加熱庫1と、引出し体2と、操作パネル3とを備える。
【0012】
本実施形態では、引出し式加熱調理器100の操作パネル3が配置される側を引出し式加熱調理器100の前側とし、その反対側を引出し式加熱調理器100の後側と規定する。また、引出し式加熱調理器100を前側から視たときの右側を引出し式加熱調理器100の右側とし、その反対側を引出し式加熱調理器100の左側と規定する。また、引出し式加熱調理器100の前後方向及び左右方向と直交する方向において、操作パネル3が配置される側を引出し式加熱調理器100の上側とし、その反対側を引出し式加熱調理器100の下側と規定する。なお、これらの向きは、本発明の引出し式加熱調理器100の使用時の向きを限定するものではない。
【0013】
図1~
図3に示すように、加熱庫1は、箱状部材である。具体的には、
図2と
図3とに示すように、加熱庫1は、右外壁1G、左外壁1H、天外壁1J、底外壁1F、及び奥外壁1Kを有する。そして、加熱庫1は、その内部に加熱調理室100Aを有する。
【0014】
加熱調理室100Aは、被加熱物Hを収容する収容空間120を有する。収容空間120は、被加熱物Hを収容可能な空間として予め定められた容積を有する。具体的には、加熱調理室100Aは、右壁1A、左壁1B、天壁1C、底壁1D、及び奥壁1Eを有する。加熱調理室100Aの形状は、例えば、略直方体である。右壁1A、左壁1B、天壁1C、底壁1D、及び奥壁1Eの材質は、例えば、金属である。右壁1Aは、「第2側壁」の一例に相当する。左壁1Bは、「第1側壁」の一例に相当する。加熱調理室100Aの前側は、被加熱物Hを出し入れするために開口されている。
【0015】
図2に示すように、加熱庫1は、底壁1Dと底外壁1Fとの間に空間を更に有する。加熱庫1は、天壁1Cと天外壁1Jとの間に空間を更に有する。加熱庫1は、奥壁1Eと奥外壁1Kとの間に空間を更に有する。
図3に示すように、加熱庫1は、右壁1Aと右外壁1Gとの間に空間を更に有する。加熱庫1は、左壁1Bと左外壁1Hとの間に空間を更に有する。
【0016】
操作パネル3は、操作部と、表示部とを有する。操作部は、ユーザーからの操作を受け付ける。操作部は、各種のキーを含む。表示部は、各種の情報を表示する。表示部は、液晶パネルを含む。操作パネル3は、加熱庫1の前面の上部に位置する。
【0017】
引出し体2は、加熱調理室100Aに対して引出し自在である。詳細には、引出し体2は、加熱庫1に対して引出し可能で、かつ引込み可能である。具体的には、引出し体2は、扉部21と、載置部22と、支持部23とを有する。扉部21は、加熱調理室100Aの前側の開口を開閉可能である。扉部21は、略矩形の板状部材である。扉部21は、前面21A及び後面21Bを有する。扉部21は、引出し体2が加熱調理室100Aから引出された状態において、加熱調理室100Aの前側の開口を開いている。扉部21は、引出し体2が加熱調理室100Aに引込まれた状態において、加熱調理室100Aの前側の開口を閉じている。
【0018】
載置部22には、被加熱物Hが載置される。載置部22は、例えば、セラミックス製又はガラス製の板状部材である。支持部23は、扉部21の後面21Bに固定され、載置部22が水平に維持されるように、載置部22の周縁部を支持する。支持部23の材質は、金属を含む。そして、引出し体2が引出されることにより、載置部22及び支持部23は加熱調理室100A内から外へ引出される。引出し体2が引込まれた状態において、載置部22及び支持部23は加熱調理室100A内に収容される。
【0019】
また、引出し体2は、扉部21と、支持部23と、載置部22とに加えて、一対のスライド部材24と、支持部材25とを更に有する。
【0020】
一対のスライド部材24は、前後方向に移動する。一対のスライド部材24は、扉部21の後面21Bに固定されている。具体的には、一対のスライド部材24の一端部は、扉部21の後面21Bの縁部に取り付けられている。
【0021】
一方、加熱庫1は、一対のスライドレール11を更に有する。一対のスライドレール11のうちの一方は、右壁1Aと右外壁1Gとの間の空間内で固定されている。一対のスライドレール11のうちの他方は、左壁1Bと左外壁1Hとの間の空間内で固定されている。一対のスライド部材24は、一対のスライドレール11にスライド可能に支持される。
【0022】
更に、支持部材25は、扉部21を支持する。詳細には、支持部材25は、引出し体2の移動方向を前後方向に規制する。支持部材25の一端部は、扉部21の後面21Bの左右方向の中央部で、かつ載置部22よりも下側に取り付けられている。支持部材25は、前後方向を長手方向とする部材である。
【0023】
一方、
図2に示すように、加熱庫1は、駆動機構4を更に有する。駆動機構4は、底壁1Dと底外壁1Fとの間の空間内に収容されている。例えば、駆動機構4は、駆動モーター41と、駆動レール42とを有する。駆動レール42は、底壁1Dと底外壁1Fとの間の空間内で固定されている。駆動レール42は、前後方向を長手方向とする部材である。支持部材25は、駆動レール42にスライド可能に支持され、支持部材25が前後方向に移動する。支持部材25が前後方向に移動するとともに、一対のスライド部材24も前後方向に移動する。その結果、引出し体2は開状態又は閉状態になる。なお、駆動機構4は、支持部材25と右側スライド部材241と左側スライド部材242との内の少なくともいずれか一方を駆動してもよい。そして、右側スライド部材241と左側スライド部材242とを駆動する場合、駆動機構4は、加熱調理室100Aの側方に位置してもよい。
【0024】
次に、
図1~
図4を参照して、本実施形態に係る加熱調理室100Aについて更に説明する。
図4は、本実施形態に係る加熱調理室100Aの概略縦断面を示す図である。詳しくは、
図4は、上下方向に加熱調理室100Aを切断したときの加熱調理室100Aの断面を示す。
【0025】
図4に示すように、引出し式加熱調理器100は、マイクロ波供給部15と、仕切り部材15Bとを更に備える。マイクロ波供給部15は、マイクロ波を加熱調理室100A内に供給する。
【0026】
マイクロ波供給部15は、底壁1Dに対して加熱調理室100Aの外側に位置する。マイクロ波供給部15は、放射室15Aと、マグネトロン151と、導波管152と、回転アンテナ153と、アンテナモーター154とを有する。マグネトロン151はマイクロ波を発生する。マグネトロン151は、マイクロ波発生部の一例である。
【0027】
放射室15Aは、マイクロ波を加熱調理室100A内に放射するための放射口15Cを有する。そして、放射口15Cは、加熱調理室100Aの下方に位置する。具体的には、放射口15Cは、底壁1Dの略中央部に位置する。放射口15Cは、仕切り部材15Bに覆われている。回転アンテナ153は、放射室15A内に収容されている。アンテナモーター154は、回転アンテナ153を駆動する。回転アンテナ153は、マイクロ波を撹拌し、放射口15C及び仕切り部材15Bを通して加熱調理室100A内にマイクロ波を供給する。
【0028】
導波管152は、マイクロ波をマグネトロン151から放射口15Cまで導波させる。そして、導波管152は、加熱調理室100Aの下方に位置する。
【0029】
次に、
図4~
図6Bを参照して、本実施形態に係るグリル部16について説明する。
図5は、本実施形態に係る加熱調理室100Aの概略横断面を示す図である。詳しくは、
図5は、左右方向に加熱調理室100Aを切断したときの加熱調理室100Aの断面を示す。
図6Aは、本実施形態に係るヒーター161を底壁1Dの側から見た図である。
図6Bは、本実施形態に係るヒーター161を扉部21の側から見た図である。
【0030】
図6Aに示すように、引出し式加熱調理器100は、グリル部16と支持部170と保持部180と固定部190とを更に備える。グリル部16は、ヒーター161と、一対の通電部162とを有する。
【0031】
ヒーター161は、加熱調理室100A内に位置して、被加熱物Hを加熱する。詳細には、ヒーター161は、加熱調理室100A内の上部に位置する。
図6Aに示すように、ヒーター161は、左壁1Bから右壁1Aに向かって延びており、右壁1Aの側から折り返して左壁1Bまで延びている。ヒーター161は、上側から下側に視た場合、略U字状である。本実施形態では、3つのグリル部16が配置されている(
図5)。ヒーター161は、例えば、シーズヒーターである。
【0032】
ヒーター161は、第1基端部分163と第2基端部分164とを有する。第1基端部分163は、左壁1Bに配置される。具体的には、第1基端部分163は、第2基端部分164と離隔して左壁1Bに配置される。換言すると、第1基端部分163と第2基端部分164とは、互いに離隔する。第1基端部分163は、加熱調理室100Aの内部側から左外壁1H側へ向かって、左壁1Bを貫通する。第1基端部分163のうちの一部は、加熱調理室100Aに位置する。そして、第1基端部分163のうちの他の一部は、左壁1Bと左外壁1Hとの間に位置する。第1基端部分163には、通電部162が接続される。
【0033】
第2基端部分164は、左壁1Bに配置される。第2基端部分164は、加熱調理室100Aの内側から左外壁1H側へ向かって、左壁1Bを貫通する。第2基端部分164のうちの一部は、加熱調理室100Aに位置する。そして、第2基端部分164のうちの他の一部は、左壁1Bと左外壁1Hとの間に位置する。第2基端部分164には、通電部162が接続される。
【0034】
通電部162は、左壁1Bの外側に位置する。通電部162はヒーター161に通電する。通電されたヒーター161は、発熱する。
【0035】
図6A及び
図6Bに示すように、支持部170は、ヒーター161の一部161Aを支持する。支持部170は、天壁1Cに配置される。支持部170は、例えば、セラミックである。支持部170は、固定孔175を有する。
【0036】
図6Bに示すように、固定孔175には、ボルト176が挿通される。ボルト176は、天壁1Cに取付けられる。つまり、固定孔175にボルト176を挿通し、ボルト176を天壁1Cに取付けることで、支持部170は天壁1Cに固定される。
【0037】
保持部180は、ヒーター161を保持する。保持部180については、
図8を参照して、後述する。
【0038】
固定部190は、保持部180を左壁1Bに固定する。固定部190については、
図8を参照して後述する。
【0039】
次に、
図6A~
図7を参照して、ヒーター161について更に詳しく説明する。
図7は、本実施形態に係るヒーター161と支持部170とを示す模式図である。
図7では、ヒーター161を
図6A及び
図6Bに示す方向Aから見ている。方向Aは、支持部170から左壁1Bへ向かう方向である。
図7には、基準線SLが示される。基準線SLは、水平方向に沿う線である。また、
図7に示すように、ヒーター161の一部161Aは、第1端部E1と第2端部E2とを有する。第1端部E1は、ヒーター161の一部161Aのうちの第1基端部分163側の端部である。第2端部E2は、ヒーター161の一部161Aのうちの第2基端部分164側の端部である。
【0040】
図7に示すように、第1基端部分163は、左壁1Bの位置P1に配置される。第1基端部分163の中心は、位置P1と一致する。位置P1は、基準線SLから鉛直方向D1に高さH1だけ離れた位置を示す。鉛直方向D1は、基準線SLに直交する方向である。つまり、基準線SLから鉛直方向D1に高さH1だけ離れた位置に、第1基端部分163が配置される。換言すれば、基準線SLから鉛直方向D1に高さH1だけ離れた位置は、左壁1Bにおける鉛直方向D1に沿った第1基端部分163の位置である。
【0041】
第2基端部分164は、左壁1Bの位置P2に配置される。第2基端部分164の中心は、位置P2と一致する。位置P2は、基準線SLから鉛直方向D1に高さH2だけ離れた位置を示す。つまり、基準線SLから鉛直方向D1に高さH2だけ離れた位置に、第2基端部分164が配置される。換言すれば、基準線SLから鉛直方向D1に高さH2だけ離れた位置は、左壁1Bにおける鉛直方向D1に沿った第2基端部分164の位置P2である。
【0042】
高さH2は、高さH1より高い。つまり、第2基端部分164の中心と一致する位置P2は、第1基端部分163の中心と一致する位置P1よりも高い位置に配置される。
【0043】
また、
図7には、仮想線LAと仮想線LBとが示される。仮想線LAは、位置P1と位置P2とを結ぶ仮想線である。仮想線LBは、第1端部E1と第2端部E2との間に位置する仮想線である。
図7に示すように、正面方向から見た仮想線LBと仮想線LAとは、一致しない。正面方向は、方向Aである。つまり、仮想線LBは、仮想線LAに対して所定角度θ1だけ傾斜する。よって、ヒーター161の一部161Aは、仮想線LAに対して所定角度θ1だけ傾斜した状態で左壁1Bに固定される。所定角度θ1は、例えば「3度」である。換言すれば、ヒーター161は、ねじられた状態で支持部170に支持される。
【0044】
また、ヒーター161の一部161Aは、支持部170に支持される。そして、第1基端部分163の鉛直方向D1に沿った位置P1と、第2基端部分164の鉛直方向D1に沿った位置P2とは、異なる。ヒーター161の一部161Aを支持部170が支持することで、ヒーター161の揺動を抑制できる。更に、第1基端部分163の位置P1と第2基端部分164の位置P2とが異なるため、ヒーター161の一部161Aは、ねじられた状態で支持部170に支持される。したがって、ねじられた状態から復帰する際にヒーター161に付勢力が発生し、支持部170とヒーター161とが当接する。この結果、ヒーター161の揺動を抑制できる。そして、ヒーター161の揺動によって、ヒーター161の耐久性が低減することを抑制できる。
【0045】
また、
図6Aに示すように、ヒーター161の一部161Aは、ヒーター161の折り返し部分である。したがって、ヒーター161の折り返し部分を支持部170が支持することで、ヒーター161の揺動を抑制できる。この結果、ヒーター161が揺動することで発生する異音を抑制できる。例えば、右壁1Aの側に位置するヒーター161の一部161A(折り返し部分)の揺動の振幅は、第1基端部分163の揺動の振幅、及び、第2基端部分164の揺動の振幅と比較して大きい。つまり、ヒーター161の折り返し部分を支持部170が支持できるため、ヒーター161の折り返し部分の揺動を抑制できる。
【0046】
引き続き、
図6A~
図7を参照して、支持部170を更に詳しく説明する。支持部170は、第1支持部171と、第2支持部172と、接続部174とを更に有する。
【0047】
図7に示すように、第1支持部171は、ヒーター161の一部161Aと当接する。第1支持部171は、鉛直方向D1に沿って第2支持部172と対向する。第1支持部171は、基準線SLに沿って延びる。
【0048】
第2支持部172は、ヒーター161の一部161Aと当接する。第2支持部172は、鉛直方向D1に沿って第1支持部171と対向する。換言すると、第1支持部171と第2支持部172とは、鉛直方向D1に沿って互いに対向する。第2支持部172は、基準線SLに沿って延びる。
【0049】
接続部174は、第1支持部171と第2支持部172とを接続する。接続部174は、第1支持部171と第2支持部172との間に位置する。接続部174によって接続された第1支持部171と第2支持部172との間には、空間173が位置する。空間173には、ヒーター161の一部161Aが位置する。
【0050】
図7に示すように、ヒーター161の一部161Aは、ヒーター161のねじれによる付勢力によって、第1支持部171と第2支持部172とに当接する。つまり、ねじられたヒーター161は、ねじられる前の状態に戻る付勢力が発生し、弾性復帰しようとする。一方、ヒーター161に発生した付勢力に対向するように、第1支持部171はヒーター161に当接する。更に、ヒーター161に発生した付勢力に対向するように、第2支持部172はヒーター161に当接する。したがって、ヒーター161と支持部170との接触箇所を増加する。この結果、ヒーター161の揺動を抑制し、ヒーター161の揺動によって発生する異音を抑制できる。
【0051】
次に、
図3と
図6Aと
図6Bと
図8と
図9Aと
図9Bとを参照して、ヒーター161を更に詳しく説明する。
図8は、
図6Aに示す領域ARを拡大して示す図である。
図8に示すように、
図6に示す領域ARには、第1基端部分163と第2基端部分164とが拡大して示される。
図9Aは、
図8に示すIXA-IXA断面を示す図である。
図9Aには、本実施形態に係る第1基端部分163を模式的に示している。また、理解を容易にするために第1基端部分163の断面には、ハッチングを付していない。
図9Bは、
図8に示すIXB-IXB断面を示す図である。
図9Bは、本実施形態に係る第2基端部分164を模式的に示している。また、理解を容易にするために第2基端部分164の断面には、ハッチングを付していない。
【0052】
図9Aに示すように、第1基端部分163は、第1被保持部163Aと、第1挿通部163Bとを有する。
【0053】
第1被保持部163Aは、第1基端部分163のうちの保持部180に保持される部分である。なお、第1被保持部163Aは、位置ズレしないように、保持部180に固定されてもよい。
【0054】
第1挿通部163Bは、第1基端部分163のうちの左壁1Bに挿通される部分である。
図3に示すように、左壁1Bに挿通された第1挿通部163Bは、左壁1Bから左外壁1Hに向かって突出する。第1挿通部163Bの端部には、通電部162が接続される。なお、
図9Aに示すように、第1挿通部163Bは、左壁1Bと接触しない。
【0055】
図9Bに示すように、第2基端部分164は、第2被保持部164Aと、第2挿通部164Bとを有する。
【0056】
第2基端部分164は、第2基端部分164のうちの保持部180に保持される部分である。なお、第2基端部分164は、位置ズレしないように、保持部180に固定されてもよい。
【0057】
第2挿通部164Bは、第2基端部分164のうちの左壁1Bに挿通される部分である。
図3に示すように、左壁1Bに挿通された第2挿通部164Bは、左壁1Bから左外壁1Hに向かって突出する。第2挿通部164Bの端部には、通電部162が接続される。なお、
図9Bに示すように、第2挿通部164Bは、左壁1Bと接触しない。
【0058】
次に、
図9Aと
図9Bと
図10とを参照して、本実施形態に係る左壁1Bを詳しく説明する。
図10は、本実施形態に係る左壁1Bと左壁1Bに配置された貫通孔を示す図である。
図10では、理解を容易にするため、左壁1Bの一部を示している。また、
図10では、左壁1Bに第1基端部分163と第2基端部分164とが取り付けられたときの、第1挿通部163Bの位置と第2挿通部164Bの位置とを示している。
【0059】
図10に示すように、左壁1Bは、第1貫通孔51と、第2貫通孔52と、第3貫通孔53と、第4貫通孔54と、第5貫通孔55とを有する。
【0060】
第1貫通孔51は、第1基端部分163が挿通される。具体的には、
図9Aに示すように、第1貫通孔51は、第1挿通部163Bが挿通される。第1貫通孔51の内径51Aは、第1挿通部163Bの外径163Cより大きい。また、
図9Aと
図9Bと
図10とに示すように、第1貫通孔51に第1挿通部163Bが当接しないように、左壁1Bに第1基端部分163が取り付けられる。
【0061】
第1貫通孔51は、位置P3に配置される。第1貫通孔51の中心は、位置P3と一致する。位置P3は、基準線SLから鉛直方向D1に高さH3だけ離れた位置を示す。つまり、基準線SLから鉛直方向D1に高さH3だけ離れた位置に、第1貫通孔51が配置される。第1貫通孔51は、第3貫通孔53と第5貫通孔55との間に位置する。
【0062】
第2貫通孔52は、第2基端部分164が挿通される。具体的には、
図9Bに示すように、第2貫通孔52は、第2挿通部164Bが挿通される。第2貫通孔52の内径52Aは、第2挿通部164Bの外径164Cより大きい。また、
図9と
図10とに示すように、第2貫通孔52に第2挿通部164Bが当接しないように、左壁1Bに第2基端部分164が取り付けられる。
【0063】
第2貫通孔52は、位置P4に配置される。第2貫通孔52の中心は、位置P4と一致する。位置P4は、基準線SLから鉛直方向D1に高さH4だけ離れた位置を示す。つまり、基準線SLから鉛直方向D1に高さH4だけ離れた位置に、第2貫通孔52が配置される。第2貫通孔52は、第4貫通孔54と第5貫通孔55との間に位置する。高さH4は、高さH3と同じ高さである。
【0064】
第3貫通孔53は、収容空間120と、左壁1Bと左外壁1Hとの間の空間とをつなぐ。第3貫通孔53は、位置P5に配置される。第3貫通孔53の中心は、位置P5と一致する。位置P5は、基準線SLから鉛直方向D1に高さH5だけ離れた位置を示す。つまり、基準線SLから鉛直方向D1に高さH5だけ離れた位置に、第3貫通孔53が配置される。第3貫通孔53は、第1貫通孔51に対して、第5貫通孔55の反対側に位置する。高さH5は、高さH3、及び、高さH4より低い。
【0065】
第4貫通孔54は、収容空間120と、左壁1Bと左外壁1Hとの間の空間とをつなぐ。第4貫通孔54は、位置P6に配置される。第4貫通孔54の中心は、位置P6と一致する。位置P6は、基準線SLから鉛直方向D1に高さH6だけ離れた位置を示す。つまり、基準線SLから鉛直方向D1に高さH6だけ離れた位置に、第4貫通孔54が配置される。第4貫通孔54は、第2貫通孔52に対して、第5貫通孔55の反対側に位置する。高さH6は、高さH5より高い。また、高さH6は、高さH3、及び、高さH4より高い。
【0066】
第5貫通孔55は、収容空間120と、左壁1Bと左外壁1Hとの間の空間とをつなぐ。第5貫通孔55は、位置P7に配置される。第5貫通孔55の中心は、位置P7と一致する。位置P7は、基準線SLから鉛直方向D1に高さH7だけ離れた位置を示す。つまり、基準線SLから鉛直方向D1に高さH7だけ離れた位置に、第5貫通孔55が配置される。第5貫通孔55は、第1貫通孔51と第2貫通孔52との間に位置する。第5貫通孔55の位置P7は、第1貫通孔51の位置P3と第2貫通孔52の位置P4とを結ぶ線分の中点に位置する。また、第5貫通孔55は、第3貫通孔53と第4貫通孔54との間に位置する。高さH7は、高さH5より高い。また、高さH7は、高さH6より低い。また、高さH7は、高さH3、及び、高さH4と略一致する。
【0067】
次に、
図8~
図11を参照して、本実施形態に係る保持部180を詳しく説明する。
図11は、本実施形態に係る保持部180を示す図である。
図11では、左壁1Bの第1貫通孔51~第5貫通孔55に対応するように、保持部180を左壁1Bに配置している。また、
図11では、理解を容易にするために、第1基端部分163の第1被保持部163Aと第2基端部分164の第2被保持部164Aとを示す。
【0068】
図8に示すように、保持部180は、第1基端部分163と第2基端部分164とを保持する。保持部180は、左壁1Bに沿って配置される。
【0069】
図11に示すように、保持部180は、本体部185を有する。本体部185は、平板状である。保持部180は、第1保持部185Aと、第2保持部185Bと、第3保持部181Aと、第4保持部181Bと、第5保持部181Cとを有する。
【0070】
第1保持部185Aは、第1基端部分163を保持する。具体的には、第1保持部185Aは、第1被保持部163Aを保持する。第1保持部185Aは、貫通孔である。第1保持部185Aの内径は、第1被保持部163Aの外径163Cより大きい。第1保持部185Aの内径は、
図10に示す第1貫通孔51の内径より小さい。
【0071】
保持部180が固定部190によって左壁1Bに固定される場合、
図10に示すように、第1保持部185Aは第1貫通孔51の内側に位置する。第1保持部185Aは、第3保持部181Aと第5保持部181Cとの間に位置する。
【0072】
第2保持部185Bは、第2基端部分164を保持する。具体的には、
図9Bに示すように、第2保持部185Bは、第2被保持部164Aを保持する。第2保持部185Bは、貫通孔である。第2保持部185Bの内径は、第2被保持部164Aの外径164Cより大きい。
図11に示す第2保持部185Bの内径は、
図10に示す第2貫通孔52の内径より小さい。
【0073】
保持部180が固定部190によって左壁1Bに固定される場合、
図10に示すように、第2保持部185Bは第2貫通孔52の内側に位置する。また、第2保持部185Bは、第3保持部181Aと第5保持部181Cとの間に位置する。
【0074】
第3保持部181Aは、貫通孔である。第3保持部181Aである貫通孔の大きさは、第3貫通孔53の大きさと略一致する。保持部180が固定部190によって左壁1Bに固定される場合、第3保持部181Aの位置P15は、第3貫通孔53の位置P5と同じ位置となる。第3保持部181Aは、第1保持部185Aに対して、第5保持部181Cの反対側に位置する。
【0075】
第4保持部181Bは、貫通孔である。第4保持部181Bである貫通孔の大きさは、第4貫通孔54の大きさと略一致する。保持部180が固定部190によって左壁1Bに固定される場合、第4保持部181Bの位置P16は、第4貫通孔54の位置P6と同じ位置となる。第4保持部181Bは、第2保持部185Bに対して、第5保持部181Cの反対側に位置する。
【0076】
第5保持部181Cは、貫通孔である。第5保持部181Cである貫通孔の大きさは、第5貫通孔55の大きさと略一致する。保持部180が固定部190によって左壁1Bに固定される場合、第5保持部181Cの位置P17は、第5貫通孔55の位置P7と同じ位置となる。第5保持部181Cは、第1保持部185Aと第2保持部185Bとの間に位置する。また、第5保持部181Cは、第3保持部181Aと第4保持部181Bとの間に位置する。
【0077】
また、
図11には、線分LCが示される。線分LCは、第3保持部181Aの中心と、第4保持部181Bの中心とを結ぶ線分である。線分LCの角度は、仮想線LAの角度と一致する。線分LC上には、第1保持部185Aの中心と、第2保持部185Bの中心と、第3保持部181Aの中心と、第4保持部181Bの中心と、第5保持部181Cの中心とが位置する。なお、左壁1Bに取付けられる前の保持部180は、傾斜しない。
図10に示すように、互いに高さが異なる第3貫通孔53の位置P5と第4貫通孔54の位置P6とに、
図11に示すように、第3保持部181Aと第4保持部181Bとを一致させることで、保持部180が傾斜した状態で固定される。そして、保持部180に保持されたヒーター161も傾斜する。
【0078】
次に、
図8と
図10~
図13を参照して、本実施形態に係る固定部190を更に詳しく説明する。
図12は、本実施形態に係る固定部190によって固定された保持部180を示す図である。
図13は、本実施形態に係る固定部190を
図12と異なる側から見た図である。
図12と
図13に示すように、固定部190は、第3貫通孔53~第5貫通孔55と第3保持部181A~第5保持部181Cとを一致させて、左壁1Bに保持部180を固定している。
【0079】
図8に示すように、固定部190は、第1基端部分163と第2基端部分164とを保持した保持部180を左壁1Bに固定する。つまり、固定部190によって、ヒーター161は左壁1Bに固定される。固定部190は、例えば、ボルト191と、ナット192である。ボルト191とナット192とは、保持部180と左壁1Bとを締め付ける。ボルト191は、加熱調理室100Aの内側から左外壁1Hに向けて挿通される。ナット192は、左壁1Bと左外壁1Hとの間に位置する。したがって、固定部190は、第1基端部分163と第2基端部分164とを保持した保持部180を左壁1Bに固定できる。
【0080】
固定部190は、第1固定部材190Aと、第2固定部材190Bと、第3固定部材190Cとを含む。
【0081】
第1固定部材190Aは、保持部180を左壁1Bに固定する。具体的には、
図13に示すように、第1固定部材190Aは、第1固定位置FP1において、保持部180を左壁1Bに固定する。第1固定部材190Aは、第3固定部材190Cに対して、第2固定部材190Bの反対側に位置する。
【0082】
第2固定部材190Bは、保持部180を左壁1Bに固定する。具体的には、
図13に示すように、第2固定部材190Bは、第2固定位置FP2において、保持部180を左壁1Bに固定する。第2固定部材190Bは、第3固定部材190Cに対して、第1固定部材190Aの反対側に位置する。
【0083】
第3固定部材190Cは、保持部180を左壁1Bに固定する。具体的には、
図13に示すように、第3固定部材190Cは、第3固定位置FP3において、保持部180を左壁1Bに固定する。第3固定部材190Cは、第1固定部材190Aと第2固定部材190Bとの間に位置する。
【0084】
第3固定位置FP3は、
図13に示すように、左壁1Bの所定領域PAと接する位置を示す。所定領域PAの外縁PAEは、第1貫通孔51と第2貫通孔52とを通る。具体的には、所定領域PAの外縁PAEは、第1貫通孔51の中心と第2貫通孔52の中心とを通る。また、第3固定位置FP3は、例えば、所定領域PAの外縁PAEと接する位置であってもよい。外縁PAEと接する位置は、例えば、外縁PAE上に位置である。また、外縁PAEと接する位置は、例えば、所定領域PAの外側であって、外縁PAEと接する位置であってもよい。また、第3固定位置FP3は、
図10に示す第5貫通孔55の位置P7と同じ位置である。第3固定位置FP3に基づいて、第5貫通孔55の位置P7が決定される。
【0085】
第1固定位置FP1は、
図13に示す第1貫通孔51に対して、第3固定位置FP3の反対側の位置を示す。第1固定位置FP1は、
図10に示す第3貫通孔53の位置P5と同じ位置である。つまり、第1固定位置FP1に対応する位置に、第3貫通孔53が配置される。
【0086】
第2固定位置FP2は、
図13に示す第2貫通孔52に対して、第3固定位置FP3の反対側の位置を示す。第2固定位置FP2は、
図10に示す第4貫通孔54の位置P6と同じ位置である。つまり、第2固定位置FP2に対応する位置に、第4貫通孔54が配置される。
【0087】
第1固定位置FP1~第3固定位置FP3のそれぞれで、固定部190が左壁1Bに対して保持部180を固定する。したがって、左壁1Bに対して、保持部180が浮き上がることを抑制できる。この結果、左壁1Bに対して、保持部180が浮き上がって、第1貫通孔51と第2貫通孔52とからマイクロ波が漏洩することを抑制できる。
【0088】
また、第3固定位置FP3は、第1貫通孔51と第2貫通孔52との間に位置する。したがって、左壁1Bに対して、保持部180が浮き上がることをより抑制できる。この結果、左壁1Bに対して、保持部180が浮き上がって、第1貫通孔51と第2貫通孔52とからマイクロ波が漏洩することを更に抑制できる。
【0089】
なお、第3固定位置FP3は、第1貫通孔51と第2貫通孔52とを結ぶ線分の中点を示す位置であってもよい。したがって、左壁1Bに対して、保持部180が浮き上がることをより効果的に抑制できる。この結果、左壁1Bに対して、保持部180が浮き上がって、第1貫通孔51と第2貫通孔52とからマイクロ波が漏洩することを更に抑制できる。
【0090】
引き続き、
図12と
図13とを参照して、本実施形態に係る固定部190を更に詳しく説明する。
【0091】
第1固定部材190Aは、第1ボルト191Aと、第1ナット192Aとを有する。第1ボルト191Aは、第3保持部181Aに挿通される。第1ボルト191Aは、第3貫通孔53に挿通される。第1ボルト191Aの外径は、第3貫通孔53の内径より小さい。第1ボルト191Aの外径は、第3保持部181Aの内径より小さい。第1ナット192Aは、第1ボルト191Aに取付けられる。
図12に示すように、第1ボルト191Aは、
図10に示す第3貫通孔53と
図11に示す第3保持部181Aとを一致させた状態で、第3貫通孔53と第3保持部181Aとに挿通される。そして、
図13に示すように、第1ボルト191Aに第1ナット192Aが取り付けられる。
【0092】
第2固定部材190Bは、第2ボルト191Bと、第2ナット192Bとを有する。第2ボルト191Bは、第4保持部181Bに挿通される。第2ボルト191Bは、第4貫通孔54に挿通される。第2ボルト191Bの外径は、第4貫通孔54の内径より小さい。第2ボルト191Bの外径は、第4保持部181Bの内径より小さい。第2ナット192Bは、第2ボルト191Bに取付けられる。
図12に示すように、第2ボルト191Bは、
図10に示す第4貫通孔54と
図11に示す第4保持部181Bとを一致させた状態で、第4貫通孔54と第4保持部181Bとに挿通される。そして、
図13に示すように、第2ボルト191Bに第2ナット192Bが取り付けられる。
【0093】
第3固定部材190Cは、第3ボルト191Cと、第3ナット192Cとを有する。第3ボルト191Cは、第5保持部181Cに挿通される。第3ボルト191Cは、第5貫通孔55に挿通される。第3ボルト191Cの外径は、第5貫通孔55の内径より小さい。第3ボルト191Cの外径は、第5保持部181Cの内径より小さい。第3ナット192Cは、第3ボルト191Cに取付けられる。
図12に示すように、第3ボルト191Cは、
図10に示す第5貫通孔55と
図11に示す第5保持部181Cとを一致させた状態で、第5貫通孔55と第5保持部181Cとに挿通される。そして、
図13に示すように、第3ボルト191Cに第3ナット192Cが取り付けられる。
【0094】
第1固定部材190Aと第2固定部材190Bと第3固定部材190Cとは、保持部180を左壁1Bに固定できる。したがって、保持部180と左壁1Bとの間に隙間が発生することを抑制できる。この結果、隙間からマイクロ波が進入し、ヒーター161を介して加熱調理室100Aの外にマイクロ波が漏洩することを抑制できる。
【0095】
次に、
図14を参照して引出し式加熱調理器100が取付けられるキャビネット200について説明する。
図14は、本実施形態に係る引出し式加熱調理器100が取付けられるキャビネット200の外観を示す図である。
【0096】
引出し式加熱調理器100は、キャビネット200内にビルトインされて設置される。
図9に示すように、キャビネット200は、上壁200A、下壁200B、右壁200C、左壁200D、及び後壁200Eを有する。上壁200A、下壁200B、右壁200C、左壁200D及び後壁200Eは、収容部200Fを形成する。収容部200Fは、引出し式加熱調理器100が取付けられる直方体状の空間である。
【0097】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0098】
(1)本実施形態において、保持部180は、加熱調理室100A側に位置したが、これに限らない。
図3に示すように、左壁1Bと左外壁1Hとの間に取付けられてもよい。
【0099】
(2)本実施形態では、互いに高さが異なる第3貫通孔53の位置P5と第4貫通孔54の位置P6とに、第3保持部181Aと第4保持部181Bとを一致させることで、保持部180が傾斜し、保持部180の傾斜に応じてヒーター161が傾斜しているが、これに限らない。例えば、保持部180において、鉛直方向に沿った第1保持部185Aの位置と、鉛直方向に沿った第2保持部185Bの位置とが異なってもよい。つまり、第1保持部185Aの位置と第2保持部185Bの位置とに応じて、ヒーター161が傾斜する。そして、傾斜したヒーター161は、保持部180に保持される。更に、左壁1Bと保持部180とを固定することで、左壁1Bにヒーター161が傾斜した状態で取り付けられる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、加熱調理装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1A :右壁(第2側壁)
1B :左壁(第1側壁)
1C :天壁
51 :第1貫通孔
52 :第2貫通孔
100 :引出し式加熱調理器(加熱調理器)
100A :加熱調理室
161 :ヒーター
161A :ヒーターの一部
163 :第1基端部分
163A :第1被保持部
163B :第1挿通部
164 :第2基端部分
164A :第2被保持部
164B :第2挿通部
170 :支持部
171 :第1支持部
172 :第2支持部
174 :接続部
180 :保持部
185A :第1保持部
185B :第2保持部
190 :固定部
190A :第1固定部材
190B :第2固定部材
190C :第3固定部材
PA :所定領域
PAE :所定領域の外縁
FP1 :第1固定位置
FP2 :第2固定位置
FP3 :第3固定位置
H :被加熱物