(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成装置システム
(51)【国際特許分類】
B65H 45/00 20060101AFI20231201BHJP
B42D 15/02 20060101ALI20231201BHJP
B42B 4/00 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
B65H45/00
B42D15/02 501B
B42D15/02 501E
B42B4/00
(21)【出願番号】P 2019238221
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】片本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-188471(JP,A)
【文献】特開平10-194574(JP,A)
【文献】特開2008-179022(JP,A)
【文献】特開2013-129477(JP,A)
【文献】特開2009-137728(JP,A)
【文献】特開平06-210984(JP,A)
【文献】特開2010-157131(JP,A)
【文献】特開2008-159037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/70
B42B 2/00-9/06
B42C 1/00-99/00
B42D 15/02
B42D 25/00-25/485
B65H 37/00-37/06
B65H 41/00
B65H 45/00-47/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも宛名情報、送り先情報及び文書情報を、各々、用紙の宛名領域、送り先領域、及び文書領域に印刷する印刷部と、
前記印刷部により印刷された前記用紙を折る折り機構と、を備えた画像形成装置であって、
前記折り機構による前記用紙の折り方を決定する制御部を備え、
前記制御部は、
前記用紙の表面の上側から順番に、前記宛名領域、前記文書領域、前記送り先領域が配置されているとき、前記宛名領域及び送り先領域を外部から視認可能に、且つ、前記文書領域を前記用紙の一部が覆うように、
前記用紙の折り方を、前記用紙の側方から見て英文字Zの形状に折り且つ折った各辺が不等長の不等分Z折りに決定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙を、前記折り機構により折られた状態を保持して綴じる綴じ機構を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記用紙の表面の上側から順番に、前記文書領域、前記宛名領域、前記送り先領域が配置されているとき、前記用紙の折り方を、前記用紙の側方から見て英文字Zの形状に折り且つ折った各辺が等長の等分Z折りに決定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記用紙の表面に前記宛名領域、前記送り先領域が配置され、前記用紙の裏面に前記文書領域が配置されているとき、前記用紙の折り方を二つ折り、三つ折り又は四つ折りに決定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
少なくとも宛名情報、送り先情報及び文書情報を、各々、用紙の宛名領域、送り先領域、及び文書領域に印刷する印刷部と、
前記印刷部により印刷された前記用紙を折る折り機構と、を備えた画像形成装置であって、
前記折り機構による前記用紙の折り方を決定する制御部
と、
前記文書情報の秘匿度を操作者が指定可能な秘匿度指定部とを備え、
前記秘匿度指定部は、秘匿度を少なくとも3つの段階に指定可能であり、
前記制御部は、
前記宛名領域及び送り先領域を外部から視認可能に、且つ、前記文書領域を前記用紙の一部が覆うように、
前記指定された秘匿度にも応じて、前記用紙の折り方を決定
し、
前記文書情報の秘匿度が操作者により前記3つの段階のうち中間値に指定されたとき、
前記用紙の表面に前記宛名領域及び前記送り先領域を配置し、前記用紙の裏面に前記文書領域を配置するよう前記印刷部を制御し、且つ、前記用紙の折り方を三つ折りに決定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記文書情報の秘匿度が操作者により前記中間値よりも高い秘匿度に指定されたとき、
前記用紙の表面に前記宛名領域及び前記送り先領域を配置し、前記用紙の裏面に前記文書領域を配置するよう前記印刷部を制御し、且つ、前記用紙の折り方を四つ折りに決定する
ことを特徴とする請求項
5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記文書情報の秘匿度が操作者により前記中間値よりも低い秘匿度に指定されたとき、
前記用紙の折り方を、
前記用紙の側方から見て英文字Zの形状に折り且つ折った各辺が不等長の不等分Z折り、
前記用紙の側方から見て英文字Zの形状に折り且つ折った各辺が等長の等分Z折り又は二つ折りに決定する
ことを特徴とする請求項
5又は6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記文書情報の情報量を検出し、検出した情報量に応じて前記用紙の折り方を決定する
ことを特徴とする請求項
7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記検出した情報量が前記用紙の表面に印刷可能な情報量を超えるとき、
前記用紙の表面に前記宛名領域及び前記送り先領域を配置し、前記用紙の裏面に前記文書領域を配置するよう前記印刷部を制御し、且つ、前記用紙の折り方を二つ折りに決定する
ことを特徴とする請求項
8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記検出した情報量が前記用紙の表面に印刷可能な最大情報量未満の第1所定量以下のとき、
前記用紙の表面の上側から順番に、前記宛名領域、前記文書領域、前記送り先領域を配置するよう前記印刷部を制御し、且つ、前記用紙の折り方を前記不等分Z折りに決定する
ことを特徴とする請求項
8記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記検出した情報量が前記第1所定量を超え第2所定量(第1所定量<第2所定量<最大情報量)未満のとき、
前記用紙の表面の上側から順番に、前記文書領域、前記宛名領域、前記送り先領域を配置するよう前記印刷部を制御し、前記用紙の折り方を前記等分Z折りに決定する
ことを特徴とする請求項
10記載の画像形成装置。
【請求項12】
少なくとも宛名情報、送り先情報及び文書情報を、各々、用紙の宛名領域、送り先領域、及び文書領域に印刷する印刷部と、
前記印刷部により印刷された前記用紙を折る折り機構と、を備えた画像形成装置であって、
前記折り機構による前記用紙の折り方を決定する制御部
と、
前記用紙の折り方を操作者が指定する折り方指定部とを備え、
前記制御部は、
前記宛名領域及び送り先領域を外部から視認可能に、且つ、前記文書領域を前記用紙の一部が覆うように、
前記指定された折り方に基づいて、前記用紙に配置する前記宛名領域、前記送り先領域及び前記文書領域の位置を決定するよう印刷部を制御し、且つ前記用紙を前記指定された折り方で折るよう前記折り機構を制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記用紙を、前記折り機構により折られた状態を保持して綴じる綴じ機構を備えた
ことを特徴とする請求項
12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記文書情報を2枚目以降の用紙に配置する場合には、該用紙を1枚目の用紙と同一の折り方に決定し、前記1枚目の用紙の裏面側に前記2枚目以降の用紙を重ねて綴じるよう前記綴じ機構を制御する
ことを特徴とする請求項
13の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記綴じ機構は、ステープル留め機構であり、
前記制御部は、
前記決定した折り方に応じて、ステープル位置を決定する
ことを特徴とする請求項
13又は14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記制御部は、
前記ステープル位置を、前記用紙に印刷された前記宛名情報、前記送り先情報及び文書情報に重ならないように調整する
ことを特徴とする請求項
15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記請求項1~
16の何れか1項に記載の画像形成装置を複数備えると共に、
前記複数の画像形成装置に接続される管理サーバーを備え、
前記複数の画像形成装置のうち1台の画像形成装置は、
少なくとも前記宛名情報、前記送り先情報及び前記文書情報を含む出力情報を前記管理サーバーに送信し、
前記管理サーバーは、
前記複数の画像形成装置のうち、前記送り先情報に応じた住所に配置された画像形成装置に対して、少なくとも前記宛名情報、前記送り先情報及び前記文書情報を送信する
ことを特徴とする画像形成装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置、及び、この画像形成装置を複数台と管理サーバーとを備えた画像形成装置システムに関し、特に、秘匿性のある文書情報を印刷する場合の内容の漏洩対策に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、個人情報等に対応した隠蔽式のはがきとして、宛名及び宛先情報記載領域と、見開き状の2つの秘密情報記載領域と、この秘密情報記載領域に続く隠蔽ラベルとを備え、前記2つの秘密情報領域の内面同士を、その間に前記隠蔽ラベルに備える2層の疑似接着フィルムを挟み込ませた状態で作業者が手作業で重ね合わせて、接着することにより、秘密情報の隠蔽処理を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置において、前記隠蔽式のはがきと同様に、宛名情報や宛先情報、及び個人情報等を記載した文書情報を含むデータを記録シート(用紙)に印刷する場合には、その秘密の文書情報が他人に漏洩されることがないように対処することが重要である。
【0005】
そのため、例えば特許文献1の技術を利用して、用紙に印刷された秘密の文書情報を作業者が手作業で隠蔽ラベルを用いて隠蔽することが考えられる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術は、宛名及び宛先情報記載領域、及び2つの秘密情報記載領域の各位置が固定されており、また秘密情報の隠蔽の仕方も、見開き状の2つの秘密情報記載領域同士を重ねて隠蔽するという1つの構成に限定されている。このため、画像形成装置を用いて文書情報等を印刷する場合に、その文書情報や宛名情報、宛先情報の各位置が種々異なるときには、特許文献1の技術では秘密の隠蔽(秘匿)は困難である。
【0007】
更に、特許文献1では、作業者が手作業で2つの秘密情報記載領域同士を重ね合わせる作業を行う必要があるため、隠蔽式のはがきの枚数が多数枚であると、秘密の隠蔽処理に多くの時間を要する欠点がある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑み、画像形成装置の後処理装置等に備える用紙の折り機能やステープル等を用いた綴じ機能を利用して、秘密情報を含む文書情報を秘匿することとし、その目的は、画像形成装置において、用紙に印刷される宛名情報、宛先(送り先)情報、及び文書情報の各位置が種々異なる場合であっても、それらを印刷した用紙における秘密の文書情報を自動的に秘匿して、その秘密情報の漏洩を確実に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる画像形成装置は、少なくとも宛名情報、送り先情報及び文書情報を、各々、用紙の宛名領域、送り先領域、及び文書領域に印刷する印刷部と、前記印刷部により印刷された前記用紙を折る折り機構と、を備えた画像形成装置であって、前記折り機構による前記用紙の折り方を決定する制御部を備え、前記制御部は、前記宛名領域及び送り先領域を外部から視認可能に、且つ、前記文書領域を前記用紙の一部が覆うように、前記用紙の折り方を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷された用紙における宛名領域、送り先領域及び文書領域の各位置に拘わらず、文書領域を用紙の一部が覆うように、折り機構がその用紙を自動的に折るので、秘密の文書情報の漏洩を確実に防止できると共に、その用紙を折る作業やその作業時間を省略することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1の画像形成装置を含む画像形成装置システムの一例を示す図である。
【
図2】同画像形成装置システムにおける画像形成装置の一例を示す斜視図である。
【
図3】同画像形成装置の一例を示すブロック図である。
【
図4】同画像形成装置システムに備える管理サーバーの一例を示すブロック図である。
【
図5】(a)は用紙において宛名領域と送り先領域の間に文書領域が位置する場合の用紙の折り形態(不等分Z折り)を示す図、同図(b)は最初に文書領域が位置する場合の折り形態(当分Z折り)を示す図である。
【
図6】(a)は用紙裏面の文書領域が1枚の用紙の範囲内で且つ秘匿度が低い場合の折り形態(二つ折り)を示す図、同図(b)は同図(a)において文書領域が2枚目以降の用紙に続く場合の折り形態(二つ折り)を示す図である。
【
図7】(a)は用紙裏面の文書領域が1枚の用紙の範囲内で且つ秘匿度が普通の場合の折り形態(三つ折り)を示す図、同図(b)は同図(a)において文書領域が2枚目以降の用紙に続く場合の折り形態(三つ折り)を示す図である。
【
図8】(a)は用紙裏面の文書領域が1枚の用紙の範囲内で且つ秘匿度が高い場合の折り形態(四つ折り)を示す図、同図(b)は同図(a)において文書領域が2枚目以降の用紙に続く場合の折り形態(四つ折り)を示す図である。
【
図9】同画像形成装置に備える後処理装置で行う用紙の折り方の各種形態を示し、同図(a)は不等分Z折り、同図(b)は等分Z折り、同図(c)は二つ折り、同図(d)は三つ折り、同図(e)は四つ折りを各々示す図である。
【
図10】同画像形成装置に備える表示パネルに表示した秘匿度の選択画面を示す図である。
【
図11】同画像形成装置に備える後処理装置で行う用紙の折り方の決定手順の前半部分を示すフローチャート図である。
【
図12】同用紙の折り方の決定手順の後半部分を示すフローチャート図である。
【
図13】実施形態2の画像処理装置に備える表示パネルに表示した用紙の折り方の選択画面を示す図である。
【
図14】実施形態2の画像処理装置に備える後処理装置で行う用紙の折り方の決定手順の前半部分を示すフローチャート図である。
【
図15】同用紙の折り方の決定手順の後半部分を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置システム100の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成装置システム100は、複数の画像形成装置10(1)~10(m)(mは2以上の整数)と、管理サーバー20とを備えている。画像形成装置10(1)~10(m)は、広域な設置場所に設置される。画像形成装置10(1)~10(m)は、全国に設置されることが望ましい。画像形成装置10(1)~10(m)は、例えば、コンビニエンスストアや郵便局といった店舗等の公な設置場所1(1)~1(m)にそれぞれ設置される。尚、1箇所の設置場所に複数の画像形成装置があっても良い。
【0014】
複数の画像形成装置10(1)~10(m)(以下、単に画像形成装置10ということがある)と管理サーバー20とは、ネットワークNTを介して接続されている。
【0015】
(画像形成装置)
画像形成装置10は、例えば、MFP(MultiFunction Peripheral)などの複合機である。
【0016】
図2は、
図1に示す画像形成装置システム100における画像形成装置10の一例を示す斜視図である。
図3は、
図2に示す画像形成装置10の一例を示すブロック図である。
【0017】
画像形成装置10は、画像形成機能(プリンタ機能)、スキャナ機能、コピー機能(原稿複写機能)を有している。画像形成装置10は、画像読取部11と、給紙部12と、画像形成部13と、排紙部14と、操作表示部15と、認証部16と、ネットワーク通信部17と、記憶部18と、制御部19とを備えている。
【0018】
画像読取部11は、原稿の画像を読み取るものであり、原稿搬送部11aと、原稿読取部11bとを備えている。画像読取部11は、原稿搬送部11aにて原稿を搬送しつつ原稿の画像を原稿読取部11bで読み取るか、又は、原稿読取部11bの原稿台上に載置された原稿を原稿読取部11bでスキャンして読み取る。給紙部12は、用紙を画像形成部13に向けて搬送する。画像形成部(印刷部)13は、画像データに基づいて給紙部12から送られてきた用紙に画像を形成(印刷)する。排紙部14は、画像形成部13にて画像形成した用紙を後述の後処理装置30を経て排紙トレイ14aに排紙する。
【0019】
操作表示部15は、使用者の操作を受け付けると共に、表示データに基づいて表示画面に各種情報を表示する。操作表示部15は、ハードウェアーキー15aと、表示装置(表示パネル)15bと、表示パネル15b上に設けられたタッチパネル15cと、情報入出力部15dとを含んでいる。操作表示部15は、表示パネル15bに表示される各種ソフトウェアキーへの使用者のタッチ操作をタッチパネル15cで受け付ける。情報入出力部15dは、接続型のインターフェイスであり、USB(登録商標)メモリーM等の外部記憶装置に記録されている情報を読み取る及び書き出すためのポート(USBポート)を含んでいる。
【0020】
認証部16は、各種のICカードCDのカード情報を読み取るカードリーダで構成されている。ネットワーク通信部17は、ネットワークNTを介して管理サーバー20と通信する。記憶部18は、ROM等の不揮発性メモリー、RAM等の揮発性メモリーを含む。制御部19は、画像形成装置10全体の制御を司る。制御部19は、CPU等のコンピュータからなる。制御部19は、記憶部18のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部18のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。
【0021】
本実施の形態において、画像形成装置10は、コピー(原稿複写)、プリント、ファクシミリ、スキャナなどの通常サービスを利用者に提供するだけでなく、各種のサービス(例えば、出力情報送信サービスや出力情報受信及び印刷サービス)を利用者に提供する。出力情報送信サービス、出力情報受信及び印刷サービスについては後ほど詳述する。
【0022】
(管理サーバー)
管理サーバー20は、ネットワークNTを介して画像形成装置10(1)~10(m)と接続される。管理サーバー20は、画像形成装置システム100の各種のサービスに関する情報を管理する。
【0023】
図4は、
図1に示す画像形成装置システム100における管理サーバー20の一例を示すブロック図である。管理サーバー20は、ネットワーク通信部21と、記憶部22と、制御部23と、位置情報データベースDB1と、送り先情報データベースDB2とを備えている。
【0024】
ネットワーク通信部21は、ネットワークNTを介して、画像形成装置10(1)~10(m)と通信する通信部21aを備えている。記憶部22は、ROM等の不揮発性メモリー、RAM等の揮発性メモリーを含む。記憶部22は、画像形成装置システム100の各種のサービスに関する情報を記憶する。制御部23は、管理サーバー20全体の制御を司る。制御部23は、CPU等のコンピュータからなる。制御部23は、記憶部22のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部22のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。制御部23は、記憶部22が記憶する情報の登録、削除、変更などの処理を行う。制御部23は、通信部21aからネットワークNTを経由して画像形成装置10(1)~10(m)との間で画像形成装置システム100の各種のサービスに関する情報の送受信を行う。
【0025】
また、位置情報データベースDB1には、複数の画像形成装置10(1)~10(m)に関する画像形成装置情報AID(1)~AID(m)と、複数の画像形成装置10(1)~10(m)を設置した設置場所1(1)~1(m)に対応する設置場所位置情報APS(1)~APS(m)(緯度経度情報)とが予め登録されている。送り先情報データベースDB2には、全国の住所に対応する送り先情報AD(1)~AD(n)(nは2以上の整数)と、全国の送り先情報AD(1)~AD(n)に対応する位置情報PS(1)~PS(n)(緯度経度情報)とが予め登録されている。
【0026】
<出力情報送信サービス>
・画像形成装置
画像形成装置10において、制御部19は、
図3に示すように、第1読取部P1と、受付部P2と、第2読取部P3と、送信部P4と、受信部P5と、出力部P6とを備える。
【0027】
第1読取部P1は、利用者の個人情報IDIを読み取る。詳しくは、送信者SH(送り主)は、ICカードCDを認証部16に近接又は接触させる。第1読取部P1は、認証部16にてICカードCDの個人情報IDIを読み取る。尚、送信者SHは、送り主自身であっても良いし、送り主から依頼を受けた代理人(例えばコンビニエンスストアの店員や郵便局の局員)であっても良い。
【0028】
受付部P2は、送信先である受信者RH(受取人)の名前や名称(以下、宛名という)に関する宛名情報NM(j)、及び受取人の住所(以下、送り先という)に関する送り先情報AD(j)(jは1からnまでの整数)と、送信する内容を記載した情報(以下、文書情報DOという)を含む出力情報PIを送信者SHの入力操作により受け付ける。前記文書情報DOは、文字等のほか、図表や二次元コード等の各種情報を含む。前記出力情報PIには、少なくとも前記3つの宛名、送り先及び文書の各情報NM(j)、AD(j)、DOを含み、他の情報を含んでいても良い。
【0029】
第2読取部P3は、出力情報PI(宛名情報NM(j)、送り先情報AD(j))、及び文書情報DO)を読み取る。第2読取部P3は、具体的には、例えば、光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)機能によりイメージデータからテキスト文字情報を認識する文字認識制御を行い、住所及び/又は郵便番号により送り先情報を判定する住所判定制御を行う。尚、この文字認識制御及び/又は住所判定制御は、送信側の画像形成装置10で行っても良いし、管理サーバー20で行っても良い。
【0030】
送信部P4は、ネットワーク通信部17を介して出力情報PIを管理サーバー20に送信する。
【0031】
・管理サーバー
管理サーバー20において、制御部23は、特定部Q1と、選択部Q2と、送信部Q3とを備える。
【0032】
特定部Q1は、送り先情報データベースDB2を用いて出力情報PIの送り先情報AD(j)から出力情報PIの送り先の位置情報PS(j)を特定する。
【0033】
選択部Q2は、位置情報データベースDB1を用いて送り先の位置情報PS(j)から所定の設置場所位置情報APS(i)(iは1からmまでの整数)に対応する所定の設置場所1(i)の画像形成装置情報AID(i)を選択する。この例では、選択部Q2は、位置情報データベースDB1を用いて送り先の位置情報PS(j)に一番近い設置場所位置情報APS(i)に対応する設置場所1(i)の画像形成装置情報AID(i)を選択する。
【0034】
送信部Q3は、得られた画像形成装置情報AID(i)に対応する受信側の画像形成装置10(i)に出力情報PIを送信する。
<出力情報受信及び印刷サービス>
・画像形成装置
受信側の画像形成装置10(i)において、受信部P5は、管理サーバー20から出力情報PIを受信する。出力部P6は、受信した出力情報PIを出力する。
【0035】
具体的に、受信側の画像形成装置10(i)は、管理サーバー20から出力情報PIを受信し、受信した出力情報PIを等倍印刷及び拡大印刷可能な画像形成部13で用紙に印刷し、その印刷した用紙に前記後処理装置(折り機構及び綴じ機構)30を用いて所定の折りを施した後に、更にステープルを用いて綴じ処理を行って、その用紙を封書化する。以下、このような封書化のサービスを封書サービスと言う。
【0036】
受信側の画像形成装置10(i)の記憶部18には、前記受信した出力情報PIを用紙に印刷する際の複数のフォーマットが記憶されている。この複数のフォーマットは、出力情報PIに含まれる宛名情報NM(j)(以下、単にNMと記すことがある)、送り先情報AD(j)(以下、単にADと記すことがある)、及び文書情報DOを用紙のどの位置に配置するかの形態、及び用紙の折り方の形態である。
【0037】
<宛名情報、送り先情報及び文書情報の各位置、並びに用紙の折り方>
図5~
図8は、受信側の画像形成装置10(i)で画像形成(印刷)される用紙において、宛名領域、送り先領域及び文書領域の各位置と、それらの位置に応じた用紙の折り方の説明図を示す。
【0038】
図5は、文書領域が小さく、文書情報DOの秘匿度が低い場合の折り方を例示している。同図(a)では、印刷された用紙の表面において、宛名領域NAが上側に、送り先領域AAが下側に、文書領域DAが前記宛名領域NAと送り先領域AAの間に配置されている。送り先領域AAは宛名領域NAよりも若干広く設定され、文書領域DAは用紙の表面において前記宛名領域NAと送り先領域AAとの合計領域を除く領域であって、文書情報DOが配置され、その文書情報DOの情報量は、用紙の表面に印刷可能な最大情報量IfMよりも少ない第1所定量If1(If1<IfM)である。これら領域の位置関係では、文書領域DAの上下方向の中間辺りを谷折りにし、文書領域DAと送り先領域AAとの境界部位を山折りにして、用紙をその側方から見て英文字のZの形状に折る。この折り方では、Z形状の各辺が、宛名領域NAと文書領域DAの上半分域、文書領域DAの下半分域、送り先領域AAとなり、各辺が不等長となる。以下、この折り方を「不等分Z折り」と称する。この「不等分Z折り」では、宛名領域NAと送り先領域AAが外部から視認可能であり、且つ、送り先領域AAの紙面下方に2つ折りの文書領域DAが位置して、該文書領域DAを用紙の一部(送り先領域AA)で覆って該文書領域DAが外部から視認できない状態となっている。この「不等分Z折り」では、送り先領域AAの左右側部にて各々1カ所ずつ合計2カ所がステープル25で綴じ処理(以下、単にステープル処理という)されて、用紙が封書化される。
【0039】
図5(b)では、印刷された用紙の表面において、文書領域DAが上側に、宛名領域NAと送り先領域AAが下側に配置されている。この例では、宛名領域NAと送り先領域AAの合計領域が用紙の1/3程度、文書領域DAの面積が残りの2/3程度であり、この文書領域DAに印刷可能な文書情報DOの情報量は、第2所定量If2(第1所定量If1<第2所定量If2<最大情報量IfM)である。この位置関係では、文書領域DAの上下方向中間辺りを谷折りにし、文書領域DAと宛名領域NAとの境界部位を山折りにして、用紙をZ形状に折る。この折り方では、Z形状の各辺が等長となり、以下、この折り方を「等分Z折り」と称する。この「等分Z折り」では、宛名領域NAと送り先領域AAが外部から視認可能であり、且つ、この両領域の紙面下方に2つ折りの文書領域DAが位置して、該文書領域DAを用紙の一部(宛名領域NAと送り先領域AA)で覆って該文書領域DAが外部から視認できない状態となっている。この「等分Z折り」では、宛名領域NAと送り先領域AAとの境界部位辺りにおいて、その左右側部に各々1カ所ずつ合計2カ所がステープル処理されて、用紙が封書化される。
【0040】
図6は、宛名領域NA及び送り先領域AAが用紙の表面の上側に配置され、文書領域DAが裏面に配置され、文書情報DOの秘匿度が低い場合を例示している。同図(a)では、文書情報DOが用紙の裏面内に収まる場合を例示している。この場合には、用紙の表面側から見て用紙の上下方向の中間部位を山折り(すなわち、用紙の裏面側から見ると谷折り)に折って、用紙を「二つ折り」に折る。この「二つ折り」では、表面の宛名領域NA及び送り先領域AAが外部から視認可能であり、且つ、裏面の文書領域DAは二つ折りの内側に位置して、該文書領域DAを用紙の一部(表面の宛名領域NA及び送り先領域AA以外の空白領域)で覆って該文書領域DAが外部から視認できない状態となっている。この「二つ折り」でも、用紙の上部の左右側部において合計2カ所がステープル処理されて、用紙が封書化される。同図(b)は、同図(a)よりも、文書領域DAが用紙の裏面を越える場合を例示している。この場合には、2枚目以降の用紙の表面及び裏面に文書情報DOが両面印刷されるが、これらの用紙も「二つ折り」に折られて、全用紙を重ねた状態で
図6(a)と同様に用紙の左右側部において合計2カ所がステープル処理されて、用紙が封書化される。
【0041】
図7は、
図6と同様に、宛名領域NA及び送り先領域AAが用紙の表面の上側に配置され、文書領域DAが裏面に配置されるが、文書情報DOの秘匿度が普通(中程度)の場合を例示している。同図(a)では、用紙の表面側から見て用紙の上下方向の1/3及び2/3の各部位を山折り(すなわち、用紙の裏面側から見ると谷折り)に折って、用紙を「三つ折り」にしている。この「三つ折り」では、用紙の上側1/3の範囲に宛名領域NA及び送り先領域AAが位置して外部から視認可能である一方、裏面の文書領域DAはその1/3の範囲同士が内側に重なって、該文書領域DAを用紙の一部(表面の宛名領域NA及び送り先領域AA以外の空白領域)で覆って該文書領域DAが外部から視認できない状態となっている。この「三つ折り」でも、
図6と同様に、用紙の上部の左右側部において合計2カ所がステープル処理されて、用紙が封書化される。同図(b)は、同図(a)よりも、文書領域DAが用紙の裏面を越える場合を例示している。この場合には、2枚目以降の用紙の表面及び裏面に文書領域DAが配置されて、文書情報DOが両面印刷されるが、これらの用紙も「三つ折り」に折られて、全用紙を重ねた状態で同図(a)と同様に、用紙の左右側部において合計2カ所がステープル処理されて、用紙が封書化される。
【0042】
図8は、
図6と同様に、宛名領域NA及び送り先領域AAが用紙の表面の上側に配置され、文書領域DAが裏面に配置されるが、文書情報DOの秘匿度が高い場合を例示している。同図(a)では、用紙の表面側から見て用紙の上下方向の1/4及び3/4の各部位を谷折りに折り、2/4の部位を山折りに折って、用紙を「四つ折り」にしている。この「四つ折り」では、用紙の上側1/4の範囲に宛名領域NA及び送り先領域AAが位置して外部から視認可能である一方、裏面の文書領域DAはその1/4の範囲同士が内側に重なって、該文書領域DAを用紙の一部(表面の宛名領域NA及び送り先領域AA以外の空白領域)で覆って該文書領域DAが外部から視認できない状態となっている。この「四つ折り」でも、
図6と同様に、用紙の上部の左右側部において合計2カ所がステープル処理されて、用紙が封書化される。同図(b)は、同図(a)よりも、文書領域DAが用紙の裏面全体を越える場合を例示している。この場合には、2枚目以降の用紙に文書領域DAが配置されて、文書情報DOが両面印刷されるが、これらの用紙も「四つ折り」に折られて、全用紙を重ねた状態で同図(a)と同様に、用紙の左右側部において合計2カ所がステープル処理されて、用紙が封書化される。
【0043】
図9は、受信側の画像形成装置10(i)において後処理装置(折り機構)30で行う用紙の折り方の形態として、5種の形態を示している。同図(a)は前記「不等分Z折り」を、同図(b)は前記「等分Z折り」を、同図(c)は前記「二つ折り」を、同図(d)は前記「三つ折り」を、同図(e)は前記「四つ折り」を各々示す。後処理装置(折り機構)30は、前記画像形成部13にて印刷した用紙を前記5種のうち特定された折り方で折ると共に、その折られた用紙の状態を保持するようにステープル処理を行う。後処理装置30は、前記封書化された用紙を印刷物RPとして、排紙トレイ14aや後処理装置30の下部に設けた折りトレイ30aに排紙する。
【0044】
<折り方の決定>
次に、前記用紙の5種の折り方、すなわち、「不等分Z折り」、「等分Z折り」、「二つ折り」、「三つ折り」、「四つ折り」のうち何れの折りに決定するかの具体例を説明する。
【0045】
この決定は、具体的には、用紙に印刷された文書情報DOの秘匿度の高低と、その文書情報DOの情報量との2要素に基づいて行う。前記秘匿度の高低は、前記操作表示部15の表示パネル15b上でのタッチパネル15cのタッチ操作により操作者(すなわち、出力情報PIの送信者)が指定する。一方、文書情報DOの情報量は、管理サーバー20から送信された出力情報PIに含まれる文書情報DOから収集可能である。制御部19は、内蔵する第2読取部P3により前記出力情報PIに含まれる文書情報DOを読み取って検出し、この検出した文書情報DOの情報量と、その文書情報DOの秘匿度の高低とに基づいて、用紙の折り方を決定する。
【0046】
図10は、前記表示パネル15bを示し、印刷された用紙に所定の折りとステープル処理を施して封書化する「封書サービス」の操作画面を例示している。この画面では、文書情報DOの秘匿度を、3段階の「低」、「中」、「高」のタッチパネル15cL、15cM、15cHのタッチ操作、及びその後の「決定」のタッチパネル15dによって操作者が指定可能である。この画面では、秘匿度が前記3段階のうち中間値の「中」よりも低い秘匿度「低」の場合には、用紙の折り方として、「不等分Z折り」、「等分Z折り」、「二つ折り」の何れかが選択され、秘匿度が中間値の「中」の場合には「三つ折り」が選択され、秘匿度が中間値の「中」よりも高い秘匿度「高」の場合には「四つ折り」が選択されることを明示している。また、この画面では『封書の秘匿度を選択してください』との文言と、『秘匿度によって、用紙の折り方と、宛名、送り先、文書レイアウトが変わります。』との文言が表記されている。前記表示パネル(秘匿度指定部)15b上の3個のタッチパネル15cH~15cLのタッチ操作によって指定された文書情報DOの秘匿度情報COは、前記出力情報PIと共に管理サーバー20に送信される。
【0047】
前記3段階の秘匿度「低」、「中」、「高」の指定は、操作者の感覚又は裁量によって任意に選択して行われるが、秘匿度「高」は例えば信書や手紙、又は個人情報を含んだ文書について指定され、秘匿度「中」は例えば秘密性が小さい一般文書について指定され、秘匿度「低」は例えば秘密性が全くないパンフレットや説明書などの文書について指定される。
【0048】
尚、前記表示パネル15bでは、文書情報DOの秘匿度を3段階の「低」、「中」、「高」に指定可能としたが、この3段階に限らず、例えば、秘匿度「高」よりも高い秘匿度「最高」を指定可能としたり、秘匿度「低」よりも低い秘匿度「最低」を指定可能とするなど、4段階以上の秘匿度を指定可能としてもよい。
【0049】
図11及び
図12は、受信側の画像形成装置10(i)の制御部19が前記5種の折り方のうち何れの折り方に決定するかの手順を示すフローチャートであり、同図(a)は前半部分を、同図(b)は後半部分を示す。同フローチャートでは、前記操作者が指定した封書の秘匿度(文書情報DOの秘匿度情報CO)と、文書情報DOの情報量(すなわち、文書領域DAの広さ)とに応じて、用紙の折り方を決定している。具体的には、
図11において、スタートして、ステップS1において受信側の画像形成装置10(i)が受信した出力情報PIの印刷を操作者(受取人又は、受取人から依頼を受けた代理人(例えばコンビニエンスストアの店員や郵便局の局員)が指示をしたことを確認して、ステップS2において印刷書面ははがきか封書かを判断し、はがきの場合には、ステップS3において指定のはがき用紙に宛名情報NM(j)、送り先情報AD(j)及び文書情報DOを印刷して、終了する。
【0050】
一方、封書の場合には、ステップS4において、操作者が送信側の画像形成装置10(j)の表示パネル15bで指定した秘匿度の高低を前記受信した出力情報PIに含まれる秘匿度情報COから判断し、秘匿度が低い場合には、ステップS5において、更に前記受信した出力情報PIに含まれる文書情報DOの情報量を検出し、第1所定量以下の場合には、ステップS6において
図5(a)の通り用紙の表面の上側から順に宛名領域NA、文書領域DA、送り先領域AAを配置して、宛名情報NM、文書情報DO及び送り先情報ADを用紙に印刷した後、ステップS7において前記印刷した用紙を「不等分Z折り」して、ステープル処理をする。
【0051】
一方、文書情報DOの情報量が第1所定量を超え且つ第2所定量以下の場合には、ステップS8において
図5(b)の通り用紙の表面の上側から文書領域DA、宛名領域NA、送り先領域AAの順で文書情報DO、宛名情報NM及び送り先情報ADを用紙に印刷した後、ステップS9において前記印刷した用紙を「等分Z折り」して、ステープル処理をする。
【0052】
また、文書情報DOの情報量が第2所定量を超える場合には、ステップS10において、文書情報DOの情報量が用紙の1枚分(即ち、裏面全体)を超えるか否かを判定し、超えない場合には、ステップS11において、
図6(a)の通り用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AAを配置し、裏面に文書領域DAを配置して、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS11において前記印刷した用紙を「二つ折り」して、ステープル処理をする。
【0053】
一方、文書情報DOの情報量が用紙の1枚分を超える場合には、ステップS13において、
図6(b)の通り、用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AA、裏面及び2枚目以降の用紙に文書領域DAを配置して、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS14において前記印刷した複数枚の用紙を「二つ折り」にし、これらの用紙を重ねて、ステープル処理をする。
【0054】
更に、前記ステップS4において文書情報DOの秘匿度が中(普通)の場合には、
図12のステップS15において文書情報DOの情報量を判定し、用紙1枚分(裏面)を超えない場合には、ステップS16において
図7(a)の通り、用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AA、裏面に文書領域DAを配置して、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS17において前記印刷した用紙を「三つ折り」にして、ステープル処理をする。
【0055】
一方、文書情報DOの情報量が用紙1枚分(裏面)を超える場合には、ステップS18において、
図7(b)の通り、用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AA、裏面及び2枚目以降の用紙に文書領域DAを配置して、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS19において前記印刷した複数枚の用紙を「三つ折り」にし、これらの用紙を重ねて、ステープル処理をする。
【0056】
加えて、前記ステップS4において文書情報DOの秘匿度が高い場合には、
図12のステップS20において文書情報DOの情報量を判定し、用紙1枚分(裏面)を超えない場合には、ステップS21において
図8(a)の通り、用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AA、裏面に文書領域DAを配置して、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS22において前記印刷した用紙を「四つ折り」にして、ステープル処理をする。
【0057】
一方、文書情報DOの情報量が用紙1枚分(裏面)を超える場合には、ステップS23において、
図8(b)の通り、用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AA、裏面及び2枚目以降の用紙に文書領域DAを配置して、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS24において前記印刷した複数枚の用紙を「四つ折り」にし、これらの用紙を重ねて、ステープル処理をする。
【0058】
前記後処理装置(綴じ機構)30は、ステープル25を用いて用紙を綴じるステープル留め機構である。このステープル留め機構30による用紙上のステープル位置は、用紙の折り方に応じて決定され、
図5(a)の「不等分Z折り」では送り先領域AAの左右側部に決定され、同図(b)の「等分Z折り」では宛名領域NAと送り先領域AAとの境界部位の左右側部に決定され、
図6(a)及び(b)の「二つ折り」、
図7(a)及び(b)の「三つ折り」、及び
図8(a)及び(b)の「四つ折り」では、宛名領域NAの左右側部に決定される。このステープル25の位置の特定によって、秘匿性のある文書情報DOを用紙の内面に確実に位置させた状態で用紙を封書化することが可能である。
【0059】
また、前記制御部19は、前記宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOの用紙上の印刷位置を把握し、その等の印刷位置にステープル25が重ならないようにステープル位置を調整する。これにより、宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを読み易くできると共に、例えば文書情報DOに含まれる二次元コードにステープル25が重ならないようにして、二次元コードの読み取りエラーを生じることを確実に防止することが可能である。
【0060】
従って、本実施形態では、送信側の画像形成装置10(h)(hはi以外の1からmまでの整数)から出力情報PIが管理サーバー20に送信されると、その出力情報PIに含まれる送り先情報AD(i)に応じた受信側の画像形成装置10(i)に前記出力情報PIが送信されて、この出力情報PIが受信側の画像形成装置10(i)にて用紙に印刷される。従って、実際の印刷物を送り主から受取人まで送り届けることを不要にして、発送に要する手間及び時間が大幅に軽減される。
【0061】
その際、受信側の画像形成装置10(i)にて印刷された用紙(印刷物)には、秘匿性のある文書情報DOが含まれる場合があるが、その用紙は、制御部19及び後処理装置30によって、印刷された宛名情報NM(j)、送り先情報AD(j))、及び文書情報DOの用紙上の位置に応じた折りが自動的に施されて、その折られた用紙の表面に宛名情報NMと送り先情報ADが位置し、文書情報DOは前記折られた用紙の内面側に位置して用紙の一部で覆われ、外部から視認できない封書となる。従って、印刷された用紙に秘匿性のある文書情報DOが含まれていても、秘匿度の高い印刷物を得ることが可能である。よって、受信側の画像形成装置10(i)にて印刷された用紙を受取人以外の者、例えば店舗のスタッフや配達員が封書化する場合のように、秘匿性のある文書情報DOが漏洩することを確実に防止できると共に、封書処理の手間を省略することが可能である。
【0062】
また、前記折りが施された用紙は、後処理装置30によってステープル処理が施されるので、文書情報DOの秘匿度を高く保持することが可能である。
【0063】
しかも、送信者が指定した秘匿度情報COに応じて、その秘匿度が高くなるほど用紙の折りは折り数が「二つ折り」よりも増えて、「三つ折り」や「四つ折り」が採用されるので、より一層に文書情報DOの秘匿度を高く保持することが可能である。
【0064】
更に、文書情報DOの情報量が少ない場合には、宛名情報NM(j)、送り先情報AD(j))及び文書情報DOの全てが1枚の用紙の表面のみに片面印刷され、その印刷された用紙に「不等分Z折り」又は「等分Z折り」が施されるので、簡易な印刷としながら、秘匿度の高い封書を得ることができる。
【0065】
尚、本実施形態では、
図10に示したように表示パネル15bにおいて秘匿性の高低を操作者が選択する構成を例示したが、その他、例えば表示パネル15bに例えば「信書」、「手紙」、「個人情報」、「一般文書」、「パンフレット」、「説明書」等の名称を文字表記した複数のタッチパネルを設け、その何れかを選択することによって、「信書」、「手紙」、「個人情報」等の選択時には秘匿度「高」の指定と判断し、「一般文書」等の選択時には秘匿度「中」の指定と判断し、「パンフレット」、「説明書」等の選択時には秘匿度「低」の指定と判断する構成を採用しても良い。
【0066】
(実施形態2)
図13は本発明の実施形態2の画像形成装置において、操作表示部15の表示パネル15bの表示画面を示す。
【0067】
図13において、送信側の画像形成装置10(h)の表示パネル(折り方指定部)15bには、封書サービスにおいて、操作者が希望する封書フォーマット(用紙の折り方)として、「不等分Z折り」、「等分Z折り」、「二つ折り」、「三つ折り」、「四つ折り」の5種の折り方の表記が図柄と共に5個のタッチパネル15c1~15c5に表示されている。操作者は何れかのタッチパネル15c1~15c5をタッチ操作した後、「決定」のタッチパネル15dを操作して、その希望する用紙の折り方を封書フォーマットとして選択し、指定する。この指定された封書フォーマットは、出力情報PIに含められて、制御部19の出力部P6から管理サーバー20に送信される。
【0068】
図14及び
図15は、受信側の画像形成装置10(i)の制御部19による封書サービスの手順を示すフローチャート図であり、
図14はその前半部分を、
図15はその後半部分を示す。
図14において、スタートして、ステップS1~S3では、前記
図11のステップS1~S3と同様に、受信側の画像形成装置10(i)が受信した出力情報PIの印刷指示を受けたことを確認した後、はがきか封書かを判断し、はがきの場合には、指定のはがき用紙に宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷して、終了する。
【0069】
一方、封書の場合には、ステップS4において、受信した出力情報PIに含まれる封書フォーマット、すなわち、送信側の画像形成装置10(h)にて操作者が指定した封書フォーマットを判別する。その結果、「不等分Z折り」の場合には、ステップS5において、
図5(a)の通り、用紙の表面の上側から順に宛名領域NA、文書領域DA、送り先領域AAを配置し、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS6において前記印刷した用紙を「不等分Z折り」して、ステープル処理をする。
【0070】
また、操作者が指定した封書フォーマットが「等分Z折り」の場合には、ステップS7において、
図5(b)の通り、用紙の表面の上側から順に文書領域DA、宛名領域NA、送り先領域AAを配置し、それら領域に各々文書情報DO、宛名情報NM及び送り先情報ADを印刷した後、ステップS8において前記印刷した用紙を「等分Z折り」して、ステープル処理をする。
【0071】
更に、「二つ折り」の場合には、
図15のステップS9において、
図6(a)及び(b)の通り、用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AAを配置し、裏面(又は裏面及び2枚目以降の用紙)に文書領域DAを配置し、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS10において前記印刷した1枚又は複数枚の用紙を「二つ折り」し(及び重ねて)、ステープル処理をする。
【0072】
加えて、「三つ折り」の場合には、
図15のステップS11において、
図7(a)及び(b)の通り、用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AAを配置し、裏面(及び2枚目以降の用紙)に文書領域DAを配置し、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS12において前記印刷した用紙を「三つ折り」し(及び重ねて)、ステープル処理をする。
【0073】
また、「四つ折り」の場合には、
図15のステップS13において、
図8(a)及び(b)の通り、用紙の表面に宛名領域NAと送り先領域AAを配置し、裏面(及び2枚目以降の用紙)に文書領域DAを配置し、それら領域に各々宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを印刷した後、ステップS14において前記印刷した用紙を「四つ折り」し(及び重ねて)、ステープル処理をする。
【0074】
従って、本実施形態では、出力情報PIの送信者が予め送信側の画像形成装置10(h)の表示パネル15b中の5個のタッチパネル15c1~15c5の何れかをタッチ操作して、用紙の折り方を指定しておくだけで、受信側の画像形成装置10(i)にて印刷された用紙は、その用紙中の文書情報DOを自動的にその用紙の内面側に位置させて用紙の一部で覆うように折りが施されて、外部から視認できないように封書化できるので、文書情報DOの秘匿度を高く保持することが可能である。
【0075】
尚、以上の説明では、文書情報DOの情報量が少ない場合には、用紙の表面のみに片面印刷して「不等分Z折り」又は「等分Z折り」を施したが、この2つの折り形態を採用せず、文書情報DOの情報量が少ない場合であっても、用紙の表面に宛名情報NM(j)及び送り先情報AD(j))を配置し、裏面に文書情報DOを配置した両面印刷を採用して、「二つ折り」としても良い。
【0076】
また、以上で説明した用紙の折り方は全て例示であって、他の折り方を採用しても良いのは勿論である。
【0077】
更に、以上の説明では、送信側の画像形成装置10(h)の第2読取部P3は出力情報PIを光学文字認識(OCR)機能等により読み取ったが、USBメモリー等の外部記憶装置に記憶した出力情報PIのファイルデータを読み取っても良い。この場合には、前記ファイルデータに文書情報DOの秘匿度情報COを含ませておけばよい。
【0078】
加えて、以上の説明では、管理サーバー20から受信側の画像形成装置10(i)に送信した出力情報PIを受信側の画像形成装置10(i)にて用紙に印刷する場合を例示したが、この場合に限らず、本発明は、画像形成装置10で少なくとも宛名情報NM、送り先情報AD及び文書情報DOを用紙に印刷する場合に適用可能である。
【0079】
本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他の種々な形で実施することができる。そのため、上述の実施形態は例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、用紙に印刷(画像形成)される宛名情報、送り先情報及び文書情報の各位置が種々異なる場合であっても、秘匿性のある文書情報を自動的に秘匿するよう封書にできるので、画像形成装置に適用して、有用である。
【符号の説明】
【0081】
10 画像形成装置
100 画像形成装置システム
13 画像形成部(印刷部)
15 操作表示部
15b 表示パネル(秘匿度指定部、折り方指定部)
15cL、15cM、15cH タッチパネル
19 制御部
20 管理サーバー
25 ステープル
30 後処理装置(折り機構
及び綴じ機構(ステープル留め機構))
PI 出力情報
NA 宛名領域
AA 送り先領域
DA 文書領域
CO 秘匿度情報