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特許7394624低モノマージイソシアネート含有量を有する反応性ホットメルトポリウレタン接着剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】低モノマージイソシアネート含有量を有する反応性ホットメルトポリウレタン接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/04 20060101AFI20231201BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20231201BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20231201BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
C09J175/04
C09J201/00
C09J11/06
C09J11/08
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019547349
(86)(22)【出願日】2018-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 US2018021739
(87)【国際公開番号】W WO2018165546
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】62/469,030
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509292766
【氏名又は名称】エイチ.ビー.フラー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スニル・ケー・ピララマーリ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エフ・カウフマン
【審査官】本多 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-248018(JP,A)
【文献】特開昭64-001781(JP,A)
【文献】特開2015-163663(JP,A)
【文献】特開2011-127126(JP,A)
【文献】特表2006-523253(JP,A)
【文献】特表2004-534132(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0259968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性ホットメルト接着剤組成物であって、
2以上の官能価を有する多官能性イソシアネート及びポリオール、
活性水素有機官能性シラン、及び、
活性水素非シランキャッピング剤
から誘導されたプレポリマーであって、有機官能性シラン基及び非シランキャッピング基を有するプレポリマー、
並びに、
熱可塑性ポリマー、
を含み、
前記プレポリマーのイソシアネート基が前記活性水素有機官能性シランと部分的に反応しており、残存するイソシアネート基が前記活性水素非シランキャッピング剤との反応によりキャップされており、
滴定によって測定したときに、0.1重量%未満のイソシアネート含有量を有する、反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項2】
分析前にモノマージイソシアネートを発色団で誘導体化する、UV検出による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定したときに、0.002重量%以下の前記モノマージイソシアネート含有量を有する、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項3】
前記プレポリマー中のシラン反応基対非シラン反応基当量比が、1:5~5:1である、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項4】
粘着付与剤を更に含む、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマーが、ポリエーテルポリエステルブロックコポリマー、ポリウレタン、ビニルポリマー、及びアクリルポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項6】
少なくとも2つの異なる熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項7】
ポリエーテルポリエステルブロックコポリマーとビニルポリマーとを含む、請求項に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項8】
前記粘着付与剤が、芳香族炭化水素樹脂である、請求項に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項9】
可塑剤を更に含む、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項10】
前記プレポリマーが、室温で固体である、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項11】
前記有機官能性シランが、アミノシランである、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項12】
前記活性水素非シランキャッピング剤が、ヒドロキシル官能性オキサゾリジン、二級アミノ官能性アルカン、モノアルコール、ジオール、トリオール、チオール、非フェノール性ヒドロキシル基含有粘着付与剤、及びフェノール変性粘着付与剤からなる群から選択される、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項13】
前記活性水素非シランキャッピング剤が、2~12個の炭素の鎖長を有する、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項14】
触媒を更に含む、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来の反応性ポリウレタンホットメルト接着剤は、多種多様な接着剤用途のために過去に使用されてきた。
【0002】
従来の反応性ポリウレタンホットメルト接着剤は、室温で固体であり、溶融物として高温で塗布される湿分架橋接着剤である。溶融物の冷却は、最初にホットメルト接着剤の物理的硬化でもたらされ、続いて、依然として存在するイソシアネート基の環境からの水分との化学反応が生じて、架橋接着剤を形成する。
【0003】
従来の反応性ポリウレタンホットメルト接着剤は、生強度及び耐熱性を含む多くの利点を有するが、多くの場合、相当量の未反応のモノマージイソシアネートを含有する。これは、接着剤が高温で塗布され、モノマージイソシアネートの蒸気が形成される際に問題を引き起こす可能性がある。蒸気は、有毒で刺激性であり、増感効果を有する可能性がある。
【0004】
シラン末端反応性ポリウレタンホットメルト接着剤は、この問題に対処することができるが、ロールコーティング用途に必要な熱安定性を欠く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2016/355713号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/180155号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/207895号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、反応性ポリウレタンホットメルト接着剤が、モノマージイソシアネートの存在を排除し、初期(すなわち、生)強度及び耐熱性などの望ましい特性を維持し、かつロールコーティング用途に必要な熱安定性を有するような方法で配合され得ることを見出した。
【0007】
一態様では、本発明は、約2以上の官能価を有する多官能性イソシアネート及びポリオールから誘導されたイソシアネート官能性プレポリマーと、活性水素有機官能性シランと、活性水素非シランキャッピング剤と、熱可塑性ポリマーと、を含む反応性ホットメルト接着剤組成物を特徴とする。
【0008】
別の実施形態では、反応性ホットメルト接着剤組成物は、滴定によって測定したときに、0.1重量%未満のイソシアネート含有量を有する。一実施形態では、反応性ホットメルト接着剤組成物は、分析前にモノマージイソシアネートを発色団で誘導体化する、UV検出による高速液体クロマトグラフィー(High-Performance Liquid Chromatography、HPLC)によって測定したときに、0.002重量%以下のモノマージイソシアネート含有量を有する。異なる実施形態では、プレポリマー中のシラン反応基対非シラン反応基の当量比は、1:5~5:1である。
【0009】
一実施形態では、反応性ホットメルト接着剤組成物は、粘着付与剤を更に含む。別の実施形態では、粘着付与剤は、芳香族炭化水素樹脂、フェノール変性樹脂、ロジンエステル樹脂、及びシラン変性芳香族樹脂からなる群から選択される。
【0010】
更に別の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポリエーテルポリエステルブロックコポリマー、ポリウレタン、及びビニルポリマーからなる群から選択される。異なる実施形態では、反応性ホットメルト接着剤組成物は、少なくとも2つの異なる熱可塑性ポリマーを含む。別の実施形態では、反応性ホットメルト接着剤組成物は、ポリエーテルエステルブロックコポリマーとビニルポリマーとを含む。一実施形態では、ホットメルト接着剤組成物は、可塑剤を更に含む。
【0011】
一実施形態では、プレポリマーは、室温で固体である。別の実施形態では、有機官能性シランは、アミノシランである。
【0012】
異なる実施形態では、活性水素非シランキャッピング剤は、ヒドロキシル官能性オキサゾリジン、二級アミノ官能性アルカン、モノアルコール及びモノチオールからなる群から選択される。別の実施形態では、活性水素非シランキャッピング剤は、2~12個の炭素の鎖長を有する。
【0013】
別の実施形態では、反応性ホットメルト接着剤組成物は、触媒を更に含む。異なる実施形態では、ホットメルト接着剤組成物は、約50,000cP以下の、162.7℃におけるブルックフィールド粘度を有する。
【0014】
一態様では、本発明は、約2以上の官能価を有する多官能性イソシアネート及びポリオールから誘導されたイソシアネート官能性プレポリマーと、活性水素有機官能性シランと、ヒドロキシル官能性オキサゾリジン及び二級アミノ官能性アルカンからなる群から選択される活性水素非シランキャッピング剤と、ポリエーテルポリエステルブロックコポリマー及びビニルポリマーからなる群から選択される熱可塑性ポリマーと、を含み、分析前にモノマージイソシアネートを発色団で誘導体化する、UV検出による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定したときに、0.002重量%以下のモノマージイソシアネート含有量を有する、反応性ホットメルト接着剤組成物を特徴とする。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、少なくとも2つの基材を接合する方法を特徴とし、この方法は、少なくとも第1の基材の表面上に反応性ホットメルト接着剤組成物をロールコーティングすることと、次いでロールコーティングされた接着剤組成物を第2の基材と接触させることと、を含む。異なる実施形態では、本発明は、本方法によって作製される物品を特徴とする。一実施形態では、物品は、ドア、建築用パネル、プロファイルラップボード、フローリング積層体、及び織物積層体からなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
反応性ホットメルト接着剤組成物
本発明は、約2以上の官能価を有する多官能イソシアネート及びポリオールから誘導されたイソシアネート官能性プレポリマーと、活性水素有機官能性シランと、活性水素非シランキャッピング剤と、熱可塑性ポリマーと、を含む反応性ホットメルト組成物を含む。
【0017】
イソシアネート官能性プレポリマーのイソシアネート基は、有機官能性シランの活性水素と部分的にのみ反応する。残りの基は、キャップされている(すなわち、活性水素非シランキャッピング剤と反応する)。一実施形態では、残りのイソシアネート基の本質的に全てがキャップされる。
【0018】
シラン反応基対非シラン反応基の当量比は、約1:5~5:1、約1:3~約3:1、又は更には約1:2~約2:1である。
【0019】
硬化前に、接着剤は、約162.7℃(325°F)の温度で、約50,000センチポアズ(centipoise、cP)以下、約35,000cP以下、約20,000cP以下、約500cP~約35,000cP、又は更には約1,500cP~約20,000cPの溶融粘度を示す。
【0020】
反応性ホットメルト接着剤組成物は、滴定によって測定したときに、1.0重量%未満、0.5重量%未満、又は更には0.1重量%未満のイソシアネート含有量を有することができる。
【0021】
反応性ホットメルト接着剤組成物は、分析前にモノマージイソシアネートを発色団で誘導体化する、UV検出による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定したときに、0.002重量%以下、又は更には0.001重量%以下のモノマージイソシアネート含有量を有することができる。
【0022】
反応性ホットメルト接着剤組成物は、少なくとも500キロパスカル(kilopascal、kPa)、又は更には少なくとも600kPaの室温初期重なり剪断によって証明されるように、良好な生強度を有する。
【0023】
反応性ホットメルト接着剤組成物は、接着剤が162.7℃(325°F)の空気中で、少なくとも1時間ゲルを含まないままでいることができること(熱安定性試験)から証明されるように、良好なロールコータ安定性を有する。
【0024】
イソシアネート官能性プレポリマー
イソシアネート官能性プレポリマーは、約2以上の官能価を有する多官能イソシアネート及びポリオールから誘導される。
【0025】
別の実施形態では、イソシアネート官能性プレポリマーは、約2以上の官能価を有する多官能性イソシアネート、ポリオール、及び活性水素含有熱可塑性ポリマー(例えば、OH基を含む熱可塑性ポリマー)から誘導される。
【0026】
一実施形態では、イソシアネート官能性プレポリマーは、室温で固体である。
【0027】
イソシアネート官能性プレポリマーは、約10重量%~約50重量%、又は更には約20重量%~約40重量%で組成物中に存在する。
【0028】
多官能性イソシアネート
多官能性イソシアネートは、約2以上の官能価を有する。一実施形態では、官能価は2であり得る。イソシアネートは、芳香族又は脂肪族であってもよい。芳香族イソシアネートの代表的な例としては、ジフェニルメチレンジイソシアネート(methylene diisocyanate、MDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートの代表的な例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加MDI、ドデカンジイソシアネート、及びポリマーイソシアネートが挙げられる。実施形態では、イソシアネートとしては、MDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、又はこれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、イソシアネートは、MDIである。
【0029】
ポリオール
ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ダイマー酸系ポリオール、又はこれらの混合物を含むことができる。一実施形態では、ポリオールは固体である。別の実施形態では、ポリオールのうちの少なくとも1つはポリエステルである。ポリオールは、2以上、又は更には約2~約4の官能価を有し得る。
【0030】
ポリエーテルポリオールは、ポリオキシアルキレンポリオールを含むことができ、アルキレンは、C2~9である。代表的なポリオキシアルキレンポリオールとしては、アルキレンがC2~9であるポリ(アルキレンオキシド)グリコール、例えばポリ(1,2-及び1,3-プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ペンタメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘプタメチレンオキシド)グリコール、ポリ(オクタメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ノナノメチレンオキシド)グリコール、及びポリ(1,2-ブチレンオキシド)グリコール;エチレンオキシドと1,2-プロピレンオキシドとのランダムコポリマー又はブロックコポリマー(グリコール中の炭素対酸素のモル比が2.5を超えるような割合で使用される)、及びホルムアルデヒドをグリコール、例えばペンタメチレングリコール、又はグリコールの混合物、例えばテトラメチレンとペンタメチレングリコールとの混合物と反応させることによって調製されるポリ配合物を挙げることができる。更に、当業者には既知であるように、長鎖ポリオールをその場で形成するためにポリオキシアルキレンポリオールのジカルボキシメチル酸を使用することができる。
【0031】
実施形態では、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(polytetramethylene ether glocol、PTMEG)を、ポリイソシアネートプレポリマー中で使用することができる。PTMEGは、商標名TERATHANE(登録商標)で、Invista(Wichita,KS)から市販されている。他の実施形態では、例えば、Covestro,LLC(Pittsburgh,Pennsylvania)から市販されているポリプロピレンオキシド系トリオールARCOL LHT-240などのトリオールもまた使用することができる。
【0032】
プレポリマー中での使用が企図されるポリエステルポリオールは、様々なポリオールの芳香族又は脂肪族ジカルボン酸との反応生成物であるもの、及びラクトンのポリマー(例えば、ポリカプロラクトン)を含むことができる。使用されてもよい芳香族酸の代表的な例としては、テレフタル酸(teraphthalic acid)、イソフタル酸、及び無水フタル酸が挙げられる。脂肪酸の代表的な例としては、ドデカンニ酸、セバシン酸、アジピン酸、及びグルタル酸が挙げられる。ポリオールの代表的な例としては、エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールが挙げられる。使用することができる市販されているポリエステルポリオールは、Evonik Degussa GmbH(Essen,Germany)から商品名DYNACOLL(商標)及びStepan Company(Northfield,IL)からSTEPANPOL(登録商標)で入手することができる。
【0033】
ダイマー酸系ポリオールとしては、例えば、Croda Inc.&Sederma,Inc.(Edison,New Jersey)から市販されているPRIPLASTシリーズのポリオールなどのバイオ系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0034】
活性水素有機官能性シラン
ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応性である少なくとも1つの官能基(例えば、水素)を含み、かつ少なくとも1つのシリル基を有する、任意の活性水素有機官能性シランを使用することができる。有用なシリル基の例としては、アルコキシシリル、アリールオキシシリル、アルキルオキシイミノシリル、オキシムシリル、及びアミノシリルが挙げられる。好ましい活性水素有機官能性シランとしては、例えば、二級アミノ-アルコキシシラン(例えば、メトキシアミノシラン)及びメルカプト-アルコキシシランが挙げられる。
【0035】
好適なアミノシランの例としては、フェニルアミノシラン(例えば、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン)、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、n-ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、t-ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルマレエートアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルマレエート置換4-アミノ3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン及びそれらの混合物が挙げられ、具体例としては、N-メチル-3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、N-エチル-3-アミノ-2-メチルプロピルジエトキシシラン、N-エチル-3-アミノ-2-メチルプロピルトリエトキシシラン、N-エチル-3-アミノ-2-メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N-ブチル-3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、3-(N-メチル-3-アミノ-1-メチル-1-エトキシ)プロピルトリメトキシシラン、N-エチル-4-アミノ-3,3-ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、N-エチル-4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、ビス-(3-トリメトキシシリル-2-メチルプロピル)アミン、N-(3’-トリメトキシシリルプロピル)-3-アミノ-2-メチルプロピルトリメトキシシラン、N,N-ビス[(3-トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N-ビス[(3-トリプロポキシ-シリル)プロピル]アミン、N-(3-トリメトキシシリル)プロピル-3-[N-(3-トリメトキシシリル)-プロピルアミノ]プロピオンアミド、N-(3-トリエトキシシリル)プロピル-3-[N-3-トリエトキシシリル)-プロピル-アミノ]プロピオンアミド、N-(3-トリメトキシシリル)プロピル-3-[N-3-トリエトキシシリル)-プロピルアミノ]プロピオンアミド、3-[N-(3-トリメトキシシリル)-プロピルアミノ]-2-メチルプロピオン酸3-トリメトキシシリルプロピル、3-[トリエトキシシリルプロピル]3-[N-(3-トリエトキシシリル)-プロピルアミノ]-2-メチルプロピオネート、3-[トリメトキシシリルプロピル3-[N-(3-トリエトキシシリル)-プロピルアミノ]-2-プロピオン酸メチル、ガンマ-メルカプトプロピル-トリメトキシシラン、及びN,N’-ビス((3-トリメトキシシリル)プロピル)アミンが挙げられる。
【0036】
活性水素有機官能性シランは、組成物中に約3重量%~約25重量%、又は更には約5重量%~約20重量%で存在する。
【0037】
有用な市販のアミノシランとしては、例えば、MomentiveからのSILQUEST A-1170、SILQUEST A-1110、SILQUEST Y-9669及びSILQUEST A-15を含むSILQUESTシリーズの商品名で市販されている、例えば、両方ともDegussa Corporation(Naperville,Ill.)から入手可能な、DYNASYLAN 1189 N-(n-ブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン及びDYNASYLAN MTMO 3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを含むDYNASYLANシリーズの商品名で市販されているアミノシラン、及びMomentiveからA-189ガンマ-メルカプトプロピルトリメトキシシランの商品名で市販されているアミノシランが挙げられる。
【0038】
活性水素非シランキャッピング剤
活性水素非シランキャッピング剤は、ヒドロキシル、アミン、チオール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される活性水素反応性基を含む、シランを含まない成分である。
【0039】
活性水素非シランキャッピング剤は、1つのイソシアネート基のみと反応することができる。あるいは、活性水素非シランキャッピング剤は、2つ以上のイソシアネート基と反応することができる。活性水素非シランキャッピング剤は、室温で液体又は固体であり得る。
【0040】
活性水素非シランキャッピング剤は、ヒドロキシル官能性オキサゾリジン、二級アミノ官能性アルカン、モノアルコール、モノチオール、ジオール、トリオールなどからなる群から選択することができる。活性水素非シランキャッピング剤の鎖長は、100個以下の炭素原子、40個以下の炭素原子、20個以下の炭素原子、8個以下の炭素原子、2~100個の炭素原子、又は更には2~20個の炭素原子であり得る。
【0041】
一実施形態では、活性水素非シランキャッピング剤は、結晶性である一官能性、二官能性、又は三官能性アルコール(例えば、20~100個、又は30~60個、若しくは40~50個の炭素原子を有するアルキルアルコール)を含むことができる。有用な結晶性アルコールは、約70℃~約100℃、又は約80℃~約100℃の融点を有する。
【0042】
異なる実施形態では、活性水素非シランキャッピング剤は、非フェノール性ヒドロキシル基(例えば、残留ヒドロキシル及び酸官能基を有するロジンエステル)又はフェノール基(例えば、テルペンフェノール樹脂)を含む粘着付与剤を含むことができる。更に別の実施形態では、活性水素非シランキャッピング剤は、フェノキシ樹脂、例えば、カプロラクトン-グラフトフェノキシ樹脂を含むことができる。
【0043】
非シランキャッピング剤は、組成物中に、約1重量%~約15重量%、約1重量%~約7重量%、又は更には約2重量%~約6重量%で存在する。
【0044】
有用な市販の非シランキャッピング剤としては、ジブチルアミン、1-オクタノール、1-オクタンメルカプタン(n-オクタンチオール)、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ARNOX 3、Arnette Polymersから市販されているヒドロキシルエチルオキサゾリジン、LLC(Richmond,Missouri)、WESTREZ 5101、DRT(Cedex,France)から市販されているロジンのペンタエリスリトールエステル、UNILINシリーズの商品名で市販されているアルコール、例えば、UNILIN 350、425、550及び700、SYLVARES TP 2040、Kraton Corporation (Savannah,Georgia)から市販されているフェノール変性テルペン樹脂、Baker Petrolite(Sugar Land,TX)から市販されている結晶性の単官能性アルコール、並びにPKCP-80、Gabriel Performance Products(Akron,Ohio)から入手可能な中低Tgカプロラクトングラフト化フェノキシ樹脂が挙げられる。
【0045】
熱可塑性ポリマー
反応性ホットメルト接着剤組成物は、熱可塑性ポリマーを含む。熱可塑性ポリマーとしては、活性水素基を含まないポリマー、及び個々の成分として熱可塑性であるが熱可塑性ポリマーをウレタンプレポリマーと反応させることを可能にする活性水素基を含むポリマーが挙げられる。
【0046】
熱可塑性ポリマーが活性水素基を含む場合、熱可塑性ポリマーをポリオール及びポリイソシアネートと共に添加して、イソシアネートプレポリマーを形成することができる。
【0047】
熱可塑性ポリマーは、溶融物から冷却する際に、製品初期(すなわち、生)強度を与えるのに役立つ。いくつかの実施形態では、反応性ホットメルト接着剤組成物は、少なくとも2つの異なる熱可塑性ポリマーを含む。
【0048】
熱可塑性ポリマーとしては、ビニルポリマー、ポリエーテルポリエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、ポリエステル、アクリルポリマー、例えば、A-B、A-B-A、A-(B-A)n-B、(A-B)n-Yを含むスチレンブロックコポリマー、それらのラジアルブロックコポリマー及びそれらのグラフト型を挙げることができ、式中、Aブロック(複数可)がポリビニル芳香族ブロック(例えば、スチレン)であり、そしてBブロックはゴム状中ブロック(例えば、イソプレン、ブタジエン、エチレン-ブチレン、及びエチレン-プロピレン)(例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体)、ポリウレタン、全ての上記のシラン末端型、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0049】
ビニルポリマーとしては、例えば、酢酸ビニル-エチレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、例えば、エチレンアクリレートコポリマー、エチレンメタクリレート、及びエチレンブチルアクリレートを含む、エチレンアクリル化合物を挙げることができる。本明細書で使用されるビニルポリマーとしては、高酢酸ビニル含有エチレン-酢酸ビニルコポリマーを挙げることができる。実施形態では、エチレン-酢酸ビニルコポリマーは、30重量%~60重量%の酢酸ビニル、又は更には40重量%~60重量%の酢酸ビニルを含むことができる。
【0050】
アクリル系ポリマーとしては、例えば、メタクリレートコポリマー、例えばメタクリレート/n-ブチルメタクリレートコポリマーを挙げることができる。
【0051】
熱可塑性ポリマーは、約25,000~約350,000、又は更には約50,000~約300,000ポリスチレン標準に対するポリマーのTHF(テトラヒドロフラン)可溶性部分のGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により決定される重量平均分子量(Mw)を有することができる。
【0052】
熱可塑性ポリマーは、接着剤中に、約5重量%~約40重量%、約7重量%~約25重量%、又は更には約10重量%~約~約20重量%の量で存在することができる。
【0053】
有用な市販の熱可塑性ポリマーとしては、例えば、Lanxess Corporation(Pittsburgh,PA)からエチレン-酢酸ビニルコポリマーのLEVAMELT系列として市販されているビニルポリマー、E.I.DuPont de Nemours(Delaware)からHYTREL 3078、HYTREL 4053、及びHYTREL 4056の商品名で市販されているポリエステルポリエーテルコポリマー、Kraton Polymers(Houston,Texas)から、例えば、KRATON G-1652及びG-1657を含むKRATON Gシリーズの商品名で市販されているスチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロックコポリマー、Kraton Polymersから、例えば、KRATON D-1111を含む、KRATON Dシリーズの商品名で市販されているスチレン-ブタジエン-スチレン及びスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、Dexco Polymers(Houston,Texas)から、例えば、VECTOR 4114及び4411を含む、VECTORシリーズの商品名で市販されているスチレン-ブタジエン-スチレン及びスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、Mitsubishi Rayon Co.LTD(Tokyo,Japan)の一部門であるLucite Internationalからの、ELVACITE(例えば、ELVACITE 2016)シリーズの商品名で市販されているアクリル及びメタクリルポリマー、Arkema(Kyoto,Japan)からの、商品名NANOSTRENGTHで市販されているアクリルブロックコポリマー、並びに熱可塑性ポリウレタン、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.(Cleveland,Ohio)から市販されているESTANE AG 8451 TPU及びPEARLBOND 501が挙げられる。
【0054】
粘着付与剤
反応性ホットメルト接着剤組成物は、残留ヒドロキシル又は酸官能基を有さない粘着付与剤を含むことができる。
【0055】
粘着付与剤は、残留ヒドロキシル及び酸官能基を有さない芳香族炭化水素樹脂及びロジンエステルからなる群から選択することができる。
【0056】
芳香族炭化水素樹脂は、芳香族又は芳香族-脂肪族粘着付与樹脂であり得る。
【0057】
有用な芳香族炭化水素樹脂は、芳香族部分及び重合化可能なエチレン性不飽和基を含有する任意のモノマーから調製することができ、又は由来する可能性がある。芳香族モノマーの典型的な例としては、スチレン、アルファ-メチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、三級ブチルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系モノマー;インデン、メチルインデン、クマロンインデンなどのインデンモノマー、及びこれらの混合物を挙げることができる。芳香族-脂肪族粘着付与樹脂は、1つ以上の芳香族単量体と組み合わせた1つ以上の脂肪族単量体の混合物を含む重合する供給流によって調製することができる。典型的には芳香族-脂肪族樹脂は、上記の代表的な芳香族単量体と、C4+単量体を含む不飽和石油フィードストックとから形成することができる。例示的な混合した芳香族-脂肪族樹脂は、共役ジ-不飽和(di-unsaturation)を伴うC4~6単量体を含むことができる。脂肪族炭化水素樹脂を構成する典型的な単量体は、例えば、1,3-ブタジエン、シス-1,3-ペンタジエン、トランス-1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-2-ブテン、シクロペンタジエン、及びジシクロペンタジエンを含むことができる。
【0058】
有用な樹脂は、C4~6ジエンモノマー、スチレンモノマー、インデンモノマー、ジシクロペンタジエンモノマー、及びこれらの組み合わせに由来する可能性がある。代表的な粘着付与樹脂は、スチレン単量体、α-メチルスチレン(methylsytrene)単量体、ビニルトルエン単量体、メトキシスチレン単量体、第三級ブチルスチレン単量体、及び、これらの組み合わせにも由来する可能性がある。
【0059】
有用なロジンエステル樹脂としては、例えば、ピールのグリセロールエステル、木材ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、及び水素化ロジンのペンタエリスリトールエステルが挙げられる。
【0060】
粘着付与剤は、組成物中に、約5重量%~約60重量%、約10重量%~約50重量%、又は更には約25重量%~約50重量%で存在することができる。
【0061】
有用な市販の粘着付与剤としては、Eastman Chemical Co.(Kingsport,TN)からのKRISTALEX炭化水素樹脂、PLASTOLYN炭化水素樹脂、及びENDEX樹脂、並びにKolonから市販されているHIKOTACK P-110Sが挙げられる。
【0062】
可塑剤
接着剤は、可塑剤を含んでもよい。可塑剤は、室温で固体又は液体であり得る。
【0063】
好適な可塑剤としては、例えば、フタレート、ベンゾエート、スルホンアミド、エポキシ化大豆油、及びこれらの混合物が挙げられる。ジイソデシルフタレートの有用な供給源としては、Exxon Chemicalから商品名JAYFLEX DIDPで入手可能なものが挙げられる。有用なジベンゾエートは、Eastman Chemical Coから商品名BENZOFLEX 9-88、BENZOFLEX 50、BENZOFLEX 352で入手可能であり、またEmerald Kalama Chemical(Kalama,WA)から商品名K-FLEXでも入手可能である。
【0064】
可塑剤は、約15重量%以下、又は更には約5重量%~約15重量%の量で存在してもよい。
【0065】
触媒
接着剤は、触媒を含んでもよい。好適な触媒は、ポリオールとポリイソシアネートとの間の反応、加水分解、及び/又はシラン基、イソシアネート基、又はこれらの組み合わせの後続の架橋反応を促進する。有用な触媒としては、例えば、例えば、2-2-ジモルホリノジエチルエーテル(dimorpholinodiethylether、DMDEE)、例えば、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N-ジメチル-シクロヘキサミン-ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-エチルモルホリン、N,N,N’,N’,N”-ペンタメチル-ジエチレントリアミン、及び1-2(ヒドロキシプロピル)イミダゾールを含む三級アミン、並びに、例えば、スズ(例えば、ジアルキルスズジカルボキシレート、例えば、ジブチルスズジラウレート及びジブチルスズジアセテート、カルボン酸第一スズ塩、例えばオクタン酸第一スズ及び酢酸第一スズ、テトラブチルジオルトジスタンノキサン)、チタン化合物、カルボン酸ビスマス、チタン酸有機ケイ素、チタン酸アルキル、及びこれらの組み合わせを含む金属触媒が挙げられる。反応性ホットメルト接着剤組成物は、2つ以上の触媒を含むことができる。
【0066】
他の成分
接着剤は、任意選択的に、例えば、酸化防止剤、接着促進剤、紫外線安定剤、触媒、レオロジー変性剤、殺生物剤、腐食防止剤、脱水剤、有機溶媒、着色剤(例えば、顔料及び染料)、充填剤、界面活性剤、難燃剤、ワックス、シラン変性粘着付与剤、及びこれらの混合物が挙げられる他の成分を含むことができる。
【0067】
作製方法及び使用方法
開示された接着剤組成物と共に使用するために適切な基材は、例えばガラス、金属、ポリカーボネート、アクリル、ABS、PVC、ビニル、木材、その他を含むことができる。開示された接着剤組成物は、有利にも、積層された物品の製作にも使用することができる。
【0068】
積層物品は、ロールコーティングによって形成することができる。本発明は、少なくとも2つの基材を接合する方法を更に含み、この方法は、少なくとも第1の基材の表面上に本発明の接着剤組成物をロールコーティングすることと、次いでロールコーティングされた接着剤組成物を第2の基材と接触させることと、を含む。
【0069】
本発明は、上記の方法によって形成された物品を更に特徴とする。
【0070】
物品は、ドア、建築用パネル、プロファイルラップボード、フローリング積層体、及び織物積層体からなる群から選択することができる。
【0071】
有利にも、開示された接着剤組成物を使用して製作することができる、特定のタイプの積層された物品の一例は、ドアである。積層ドアは、3つの基本的な構成部品、外装、心材、及び戸枠/レール、を含むことができる。外装を作製するために使用することができる例示的な材料としては、例えばベニヤ板、木材、鋼、ファイバーグラス強化プラスチック(fiberglass reinforced plastic、FRP)、板状成形化合物(sheet molded compound、SMC)、及びそれ自体が無数の材料から作製され可能性がある高圧積層体(high pressure laminate、HPL)が挙げられる。心材を作製するために使用することができる例示的な材料としては、例えば、発泡スチロール(expanded polystyrene、EPS)、ポリイソシアヌレート、押出成形ポリスチレン(extruded polystyrene、XPS)、紙とアルミニウムとで作製されたハニカム構造、パーティクルボード(particle board、PB)、中密度繊維板(medium density fiberboard、MDF)、農業繊維(農業/生物系製品から生成された任意の繊維材料)、及び石膏などの鉱物が挙げられる。戸枠/レールを作製するために使用することができる例示的な材料としては、例えば単板積層材(laminated veneer lumber、LVL)、フィンガージョイント(finger joint、FJ)、堅木(例えばオークなど)、及び、おが屑とポリエチレンとから作製することができる複合体が挙げられる。具体的な市販の高密度鉱物複合材料は、Warm Springs Composite Products(Warm Springs,OR)からのTECTONITE(商標)であり、TECTONITE(商標)は、板状、予め切断された戸枠/レール、バンド状鉱物ドア心材、未加工の鉱物ドア心材、及び隠し縦ロッド戸枠(concealed vertical rod stile、CVR)として入手することができる。
【実施例
【0072】
試験方法
粘度
粘度を、Thermosel(商標)試料ヒーターを備えるブルックフィールドDV-II+粘度計で決定した。#27スピンドルを、速度の20~80%の目盛りであった読みを与えるように設定された速度で使用した。接着剤試料を、小さな金属缶内に密閉されたオーブン内で、必要な温度まで加熱した。スピンドル及び接着剤チャンバを、Thermosel(商標)中で必要な温度まで予熱した。適切な量の溶融接着剤を、チャンバに添加した。スピンドルを粘度計に取り付け、作動させた。15~20分後、粘度の読み取りを行った。
【0073】
熱安定性試験
200~500グラムの接着剤をオーブン内で必要な温度まで予熱した。次いで、接着剤をUnion Toolの幅66cmの加熱されたロールコータ上に置き、特定の温度で走行させ、温度制御された建物内で周囲空気に1時間曝した。1時間の終了時に、接着剤の試料をロールコータから取り出し、その粘度を測定した。エージングさせた試料も、ゲルについて評価した。
【0074】
初期生強度
最初の生強度は、第1の2.54cm(1インチ)の立方体のオーク木材キューブの1つの面に0.1ミリリットル(ml)の溶融接着剤を塗布し、同じサイズの第2の立方体の1つの面を第1のキューブに押し付けることによって決定した。このキューブを、手圧力を30秒間適用することによって一緒に保持した。次いで、試料を室温で10分間エージングした。
【0075】
次に、試料を、Dillon Quality制御力ゲージBFG 1000Nを使用して、50.8cm(20インチ)/分の速度で、引張モードで引き離した。キューブを引き離すために必要なピーク力を測定した。報告された値は、3つの試料の平均である。
(比較実施例2-121℃(250°F)で適用し、比較例1及び全ての実施例-162.7℃(325℃)で適用した)
【0076】
重なり剪断結合調製
接着剤を一定温度オーブン内で予熱した。次いで、接着剤をロールコータに注ぎ、135℃の温度で3.81cm(1.5インチ)×12.7cm(5.0インチ)×1.91cm(0.75インチ)の松材片に10~12.5グラム/平方フィート(gsf)のコーティング量でコーティングした。6.35cm(2.5インチ)×2.54cm(1インチ)×0.318cm(0.125インチ)の大きさを有する火炎処理された繊維強化プラスチック(FRP)基材を、コーティングした松材の上に押圧して2.54cmのオーバーラップ接合を形成した。接着剤をコーティングした30秒後に、接合した基材を60psiニップローラーに3回通過させた。
(比較例2-121℃(250°F)で予熱し、比較例1及び全ての実施例を162.7℃(325°F)で予熱しで予熱した)
【0077】
室温初期重なり剪断強度
重なり剪断結合調製試験方法に従って、結合部を調製した。10分間エージングした後、重なり剪断を、力計に取り付けられた剪断モジュールに挿入された1インチのFRPと共にImada引張試験機に配置し、ピン基材をバイスにクランプした。接着破壊のピーク荷重を記録した。記録された値は、3つの結合の平均である。
【0078】
高温エージングオーバーラップ剪断強度
重なり剪断結合調製試験方法に従って、結合部を調製した。結合部を25℃及び相対湿度50%で4週間硬化させた。金属クリップを使用して、500グラムの荷重をFRP基材に取り付けた。取り付けられた荷重を有する試験片を100℃に設定したオーブンに装填し、接着結合破壊までの時間を記録した。記録された値は、1つの結合部の結果である。
【0079】
サンプル調製(実施例1~3及び比較例1)
工程1:ポリウレタンプレポリマーの調製
全ての実施例におけるポリウレタンプレポリマーは、ポリオールとMODAFLOW RESINモダプラウ樹脂とを、120℃の温度で1時間、真空下で混合することによって調製した。次いで、70℃で溶融MDIを加え、真空下で1~3時間混合した。
【0080】
工程2:最終接着剤の調製
熱可塑性ポリマー(複数可)、可塑剤、及び粘着付与剤を、177℃の温度で均一になるまで溶融状態でブレンドした。次に、120℃で予熱した工程1からのポリウレタンプレポリマーを添加し、全混合物の温度を120℃に下げながら、真空下で混合を1~3時間続けた。次いで、触媒及び任意の追加の材料、例えば、二級アミノシラン、ジボタルアミン、ヒドロキシエチルオキサゾリジンを添加し、接着剤を更に30分間~1時間混合した。
【0081】
試料調製(比較例2)
上記の方法に従って製造した予熱したポリウレタンプレポリマーに、触媒(JEFFCAT DMDEE)、SILQUEST A-15及びジブチルアミンを添加し、120℃で1~3時間混合した。
【0082】
接着剤組成物を、試験法に準拠して試験を行い、結果を表1に列記する。
【0083】
【表1】
【0084】
他の実施形態は、請求項内にある。