(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】光ガイド
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231201BHJP
G02B 6/00 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
F21S2/00 433
F21S2/00 437
G02B6/00 331
(21)【出願番号】P 2019553814
(86)(22)【出願日】2018-03-12
(86)【国際出願番号】 IB2018051629
(87)【国際公開番号】W WO2018178790
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-11
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】エモンズ,ロバート エム.
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン,デイヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ニコラス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ボイド,ゲイリー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ストルバー,トレヴァー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,オーウェン エム.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,グラハム エム.
(72)【発明者】
【氏名】クリスティ,シェリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,エドワード シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジレット,クリスティ エー.
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-292532(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0073087(KR,A)
【文献】特開2014-075309(JP,A)
【文献】特開2017-054827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面の間の厚さtと、を有する光ガイドであって、前記第2の主面が構造化されておらず、前記第1の主面が、
前記光ガイドの視認可能なエリアの全長Lの少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延びる複数の延長特徴部であって、Lは少なくともtの100倍であり、前記延長特徴部は前記視認可能なエリアの10%~60%をカバーする、複数の延長特徴部と、
前記延長特徴部同士の間のスペースに配置された離散特徴部であって、前記光ガイドの前記視認可能なエリアの前記長さLに沿って、及びその幅Wに沿って、間隔を置いて配置された離散特徴部と、
を含み、
前記複数の離散特徴部の各離散特徴部が、楕円体の一部分の形状を有し、
前記第1の主面上の前記延長特徴部同士の間のスペースに配置され
た第2の複数の離散特徴部を更に含み、前記第2の複数の離散特徴部の各離散特徴部が、基部と、前記基部から延びる第1の面と、前記基部から延びる第2の面と、を含み、前記第2の面が前記第1の面と平行でなく、前記第1の面と前記第2の面が前記離散特徴部の縁部で接する、光ガイド。
【請求項2】
前記複数の延長特徴部と前記複数の離散特徴部が、共通の基底面を有する、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項3】
前記第2の複数の離散特徴部の各離散特徴部について、前記第2の面と前記基部との間の角度は1°~20°である、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項4】
前記第1の面及び前記第2の面が矩形形状を有する、請求項3に記載の光ガイド。
【請求項5】
一体型ポリマーフィルムが、前記第1の主面及び前記第2の主面と、前記複数の延長特徴部と、前記複数の離散特徴部と、を含む、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項6】
前記第2の複数の離散特徴部の各離散特徴部について、
前記第1の面と前記第2の面は、互いに隣接する第1の延長特徴部と第2の延長特徴部との間に延び、両者を接続する、
請求項1に記載の光ガイド。
【請求項7】
前記第2の複数の離散特徴部のうちの少なくともいくつかの離散特徴部が、前記複数の延長特徴部の最大高さ以上の高さを有する、請求項6に記載の光ガイド。
【請求項8】
前記第2の複数の離散特徴部のうちの少なくともいくつかの離散特徴部について、前記第1の面が、前記光ガイドの入力縁部により近く、前記第2の面が、前記入力縁部からより遠い、請求項6に記載の光ガイド。
【請求項9】
前記第2の複数の離散特徴部のうちの少なくともいくつかの離散特徴部について、前記第1の面が、前記光ガイドの入力縁部からより遠く、前記第2の面が、前記入力縁部により近い、請求項6に記載の光ガイド。
【請求項10】
前記第2の複数の離散特徴部のうちの少なくとも1つの特徴部が、
前記第2の延長特徴部とそれに隣接する第3の延長特徴部との間に延び、両者を接続する第3の面と、
前記第3の面に隣接し、前記第2の延長特徴部と前記第3の延長特徴部との間に延び、両者を接続する第4の面と、
を更に含む、請求項6に記載の光ガイド。
【請求項11】
前記第2の主面上に配置されたコーティングを更に含み、前記コーティングが耐衝撃性コーティングである、請求項1~10のいずれか一項に記載の光ガイド。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光ガイドは、ディスプレイのバックライトに使用して、光ガイドの縁部付近の光源から光を受け取り、受け取った光のうちの少なくとも一部をディスプレイの出力方向に沿って誘導することができる。
【発明の概要】
【0002】
本発明のいくつかの態様では、互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面と、第1の主面と第2の主面との間の厚さtと、を有する光ガイドが提供される。第1の主面は、複数の延長特徴部と複数の離散特徴部を含む。複数の延長特徴部は、光ガイドの視認可能なエリアの全長Lの少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延び、Lは、少なくともtの100倍であり、延長特徴部は、視認可能なエリアの10%~60%を覆う。複数の離散特徴部は、延長特徴部間のスペースに、光ガイドの視認可能なエリアの長さLと幅Wに沿って、間隔を置いて配置される。
【0003】
本発明のいくつかの態様では、互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面と、第1の主面と第2の主面との間の厚さtと、を有する光ガイドが提供される。第1の主面は、複数の延長特徴部及び複数の離散特徴部を含む。複数の延長特徴部は、光ガイドの視認可能なエリアの全長Lの少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延び、Lは、少なくともtの100倍である。複数の離散特徴部は、光ガイドの視認可能なエリアの長さLと幅Wに沿って、間隔を置いて配置される。複数の離散特徴部における各離散特徴部は、互いに隣接する第1の延長特徴部と第2の延長特徴部との間に延び、両者を接続する第1の面と、第1の面に隣接し、第1の延長特徴部と第2の延長特徴部の間に延び、両者を接続する第2の面とを含み、第1の面と第2の面は各離散特徴部の縁部で接する。
【0004】
本発明のいくつかの態様では、互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面と、第1の主面と第2の主面との間の厚さtと、を有する光ガイドが提供される。第1の主面は、複数の延長特徴部と複数の離散特徴部を含む。複数の延長特徴部は、光ガイドの視認可能なエリアの全長Lの少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延び、Lは、少なくともtの100倍である。複数の離散特徴部は、光ガイドの視認可能なエリアの長さLと幅Wに沿って、間隔を置いて配置される。一体型のポリマーフィルムが、第1の主面及び第2の主面と、複数の延長特徴部と、複数の離散特徴部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図7】離散特徴部の長さに沿った概略断面図である。
【
図8】延長特徴部の長さに沿った概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明において、本明細書の一部を構成し、さまざまな実施形態が例示として示される添付図面が参照される。図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施可能である点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されないものとする。
【0007】
従来の光ガイドは、光ガイドの一方の側のレンチキュラー要素と、その反対の側の光取り出し特徴部とを含む。本明細書によれば、レンチキュラー要素と光取り出し特徴部の両方を第1の主面上に含む十分に薄い光ガイドが、レンチキュラー要素を一方の側に有し、光取り出し部をその反対の側に有する従来の光ガイドと同様の、光学性能(例えば、光出力の均一性、角度分布、及び光取り出し効率)を実現できることが発見された。そのような光ガイドは、例えば、光ガイドの互いに反対の側にある構造を位置合わせする必要をなくし、機能的コーティング(例えば、ハードコート、耐衝撃性コーティング、及び/又はウェットアウト防止コーティング)を受け入れるために使用可能な、追加の非構造化表面を提供することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、本発明の光ガイドは、互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面を含み、第1の主面は、複数の延長特徴部と複数の離散特徴部を含む。延長特徴部は、例えば、レンチキュラーレンズ又はプリズムであってもよく、離散特徴部は、光取り出し特徴部であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の主面は、非構造化面である。主面は、加工特徴を有さず、かつ、粗さRaが1マイクロメートル未満である場合に、非構造化面と称してもよい。粗さパラメータRaは、表面の粗さ特性を表すための標準的な測定尺度であり、平均表面高さからの表面変位の絶対値の算術平均として与えられる。いくつかの実施形態では、第2の主面の粗さRaは、500nm未満、又は400nm未満、又は200nm未満、又は100nm未満、又は50nm未満である。粗さ100nm以下の非構造化面は、本明細書において、工学的に滑らかと記述される。
【0009】
いくつかの実施形態では、本発明の光ガイドは、一体型である。一体型の光ガイドは、材料からモノリシック構造に一体成形され、例えば、層同士の間に界面を有する層を有しない。いくつかの実施形態では、光ガイドは、一体型ポリマーフィルムである。一体型光学フィルム光ガイドは、例えば、一方のローラが光ガイドの第1の主面に対する所望のパターンのネガを有するニップローラの間に、溶融ポリマーを通し、この溶融ポリマーを冷却して、一体型光ガイドフィルムを形成することによって製作することができる。代替的に、所望のパターンは、一体型フィルムの第1の主面にエンボスすることもできる。他の実施例として、光ガイドは、紫外線(UV)硬化アクリレートなどのUV硬化樹脂を基板上にキャストし、硬化することによって製作することができる。この基板は、一体型光ガイドを形成するために、後に除去される剥離ライナであってもよく、又は、この基板は、例えば、ポリカーボネートポリマー、アクリルポリマー、あるいはシクロオレフィンポリマー(例えば、Zeon Corporation(Japan)社のZEONOR)のフィルムなどの、フィルムであってもよく、これは、光ガイドとともに保持されて、この場合は一体型でなくなる。連続キャスト及び硬化技術は、例えば、米国特許第5,995,690号(Kotzら)に記載されている。使用されるツール(例えば、構造化ニップローラ、又はキャスト及び硬化ツール)は、切削して所望のパターンをツールに与えるために、例えば、ダイヤモンド回転ツールを使用して製作することができる。ダイヤモンド回転技術は、例えば、米国特許第6,322,236号(Campbellら)に記載されている。
【0010】
ニップローラ工程、又はキャスト及び硬化工程は、連続するロールからロールへの工程で実行することができる。次に、光ガイドフィルムは、例えば、ダイス又はレーザによって切断されて、例えば、ディスプレイへの適用のために、所望のサイズにすることができる。連続フィルムから所望の光ガイドに切断した後、光ガイドの縁部は、加工して滑らかにすることができる。
【0011】
特に光ガイドのために使用される特定の材料は変更することができるが、一般的には、この材料は、高い光透過を確保するために、実質的に透明(例えば、可視光(400nm~700nm)について透過率が少なくとも80%)であることが好ましい。この目的のために有用なポリマー材料は、例えば、それぞれ、公称屈折率約1.493及び約1.586のアクリル及びポリカーボネートなど、市販されている(屈折率は、特に断らない限り、波長589nmにおける屈折率を指す)。その他の有用なポリマーには、例えば、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、環状オレフィンコポリマーなどが挙げられる。
【0012】
いくつかの実施形態では、光ガイドは、コーティング(例えば、耐衝撃性コーティング、ハードコート、及び/又はウェットアウト防止コーティング)を含む。このコーティングは、典型的には、光ガイドに塗工される、別個の層である。光ガイドフィルムとコーティングの組み合わせは、一体型の組み合わせとはならない。ただし、光ガイドの互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面、及び複数の延長特徴部と複数の離散特徴部を含む光ガイドフィルムは、一体型のポリマーフィルムとすることができる。
【0013】
図1A及び
図1Bは、互いの反対側にある第1の主面131と第2の主面133と、第1の主面131と第2の主面133との間の厚さtと、を有する光ガイド100の概略上面図及び断面図である。この厚さtは、(x-y平面に平行な光ガイドの主平面に垂直な)z方向の最大厚さであり、例えば、0.1mm~0.4mmとすることができる。第1の主面131は、光ガイドの視認可能なエリア130の全長Lの少なくとも90%にわたって第1面内方向(y方向)に延びる複数の延長特徴部110を含む。図示した実施形態において、複数の延長特徴部110は、第1の主面全体を含む、視認可能なエリア130全体にわたって延びる。他の実施形態においては、光ガイド100は、ディスプレイパネルを通じて光を出力することを目的としない領域であるので、視認可能なエリア130の一部ではない、光ガイドの周囲付近の領域を有してもよい。いくつかの実施形態では、複数の延長特徴部110は、例えば、視認可能なエリア130の縁部からの効果を低減するために、それらの縁部まで完全には延びていなくてもよい。いくつかの実施形態では、視認可能なエリアの長さLは、光ガイドの長さの少なくとも90%であり、視認可能なエリアの幅Wは、光ガイドの幅の少なくとも90%である。
【0014】
いくつかの実施形態では、長さLは、少なくともtの100倍、又は少なくともtの200倍である。いくつかの実施形態では、長さLは、tの10000倍以下、又はtの3000倍以下である。延長特徴部110は、例えば、レンチキュラーレンズ又はプリズムであってもよい。この技術分野において既に知られているように、レンチキュラー特徴部は、交差方向(x方向)における角出力範囲の改善を可能にし、交差ガイド混合を改善するために、光ガイドの表面に含まれることができる。薄い光ガイド(例えば、L/tが少なくとも100)について、延長特徴部110は、視認可能なエリア全体をカバーする必要はないが、離散光取り出し特徴部が含まれ得るスペースを含むことができることが発見された。いくつかの実施形態では、延長特徴部110は、視認可能なエリア130の少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、かつ、視認可能なエリア130の60%以下、又は55%以下、又は50%以下をカバーする。例えば、いくつかの実施形態において、延長特徴部110は、視認可能なエリア130の10%~60%、又は15%~55%、又は20%~50%をカバーする。そのような範囲は、延長特徴部110の光学的有用性の多く、又はほとんどを、可能にするとともに、他の特徴部のためのスペースを残す。他の実施形態では、延長特徴部は、視認可能なエリアの、より大きな割合(例えば、少なくとも80%又は少なくとも90%)、又は、実質的にすべてをカバーし、後者は少なくとも95%を意味するものと理解される(
図2~
図3参照)。複数の離散特徴部120は、延長特徴部110同士の間に間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、離散特徴部120は、光取り出し特徴部である。離散特徴部120は、光ガイド100の視認可能なエリア130の長さL及び幅Wに沿って、間隔を置いて配置される。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数の延長特徴部110と複数の離散特徴部120は、共通の基底面105を有し、離散特徴部120と延長特徴部110は、各々、共通の基底面105に内包される基部を有してもよい。離散特徴部120は、例えば、楕円体あるいは球体の一部の形状を有してもよく、又は、本明細書の他の所に更に記述されるように、複数の異なる面を有してもよい。離散特徴部が複数の異なる面を有する実施形態においては、離散特徴部は、延長特徴部の上に、それらを重なり合って、配置されてもよい。そのとき、延長特徴部は、視認可能なエリアの少なくとも80%あるいは少なくとも90%をカバーしてもよく、又は、視認可能なエリアの全部(100%)をカバーしてもよい。
【0016】
複数の離散特徴部120は、離散特徴部121、123、及び127を含む。離散特徴部123は、高さh1、幅W1、及び長さL1を有する。離散特徴部121は、高さh2を有する。離散特徴部127は、幅W2及び長さL2を有する。図示した実施形態において、各延長特徴部110は、長さL3、幅W3、及び高さh3を有する。いくつかの実施形態では、複数の離散特徴部120のうちの少なくともいくつかの離散特徴部(例えば、離散特徴部123)は、複数の延長特徴部110の最大高さ(例えば、h3)以上の高さ(例えば、h2)を有する。いくつかの実施形態では、複数の離散特徴部120のうちの少なくともいくつかの離散特徴部は、複数の延長特徴部の最大高さ以下の高さを有する。いくつかの実施形態では、複数の延長特徴部は、共通の高さを有し、いくつかの実施形態では、複数の延長特徴部は、異なる高さを有する特徴部を含む。いくつかの実施形態では、光ガイド100の入力縁部140に、より近い複数の離散特徴部120のうちの第1の離散特徴部(例えば、離散特徴部123)は、入力縁部140から、より遠い複数の離散特徴部120のうちの第2の離散特徴部(例えば、離散特徴部127)よりも、小さい高さ、及び/又は、小さい幅を有する。これは、入力縁部からより遠い離散特徴部の相対的光取り出し効率を上げて、光出力がより均一になるようになされるものである。また、光出力の均一性を向上させるために、第1の面内方向に沿って、離散特徴部120の密度を変化させてもよい。いくつかの実施形態では、複数の離散特徴部120の各離散特徴部は、高さ1~12マイクロメートルを有する。いくつかの実施形態では、複数の延長特徴部110の各延長特徴部は、高さ10~20マイクロメートルを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、延長特徴部110の長さL3は、延長特徴部の幅W3の少なくとも500倍、又は少なくとも800倍、又は少なくとも1000倍である。いくつかの実施形態では、延長特徴部110の長さL3は、離散特徴部120の最大横方向寸法(例えばL2)の少なくとも100倍、又は少なくとも500倍、又は少なくとも800倍である。
【0018】
いくつかの実施形態では、複数の離散特徴部120において、複数の離散特徴部120の各離散特徴部、又は、少なくともその大多数の離散特徴部の各離散特徴部は、第1の面内方向(y方向)に沿った長さ、及びそれに直交する第2の面内方向(x方向)に沿った幅を有し、離散特徴部の長さが、離散特徴部の幅の少なくとも1倍、又は少なくとも1.1倍、又は少なくとも1.3倍である。いくつかの実施形態では、離散特徴部の長さは、離散特徴部の幅の50倍以下、又は10倍以下、又は4倍以下、又は3倍以下である。いくつかの実施形態では、複数の離散特徴部120の各離散特徴部、又は、複数の離散特徴部120のうちの少なくとも大多数の離散特徴部の各離散特徴部は、第1の面内方向に沿った長さ、及びそれに直交する第2の面内方向に沿った幅を有し、離散特徴部の長さが、離散特徴部の幅の1~50倍、又は1~20倍、又は1~10倍、又は1~4倍である。他の実施形態では、離散特徴部のうちの少なくともいくつかは、幅の方が長さよりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、幅は、入力縁部140により近いと、長さよりも小さく、入力縁部140からより遠いと、長さよりも大きい。いくつかの実施形態では、複数の離散特徴部120のうちの少なくとも1つの離散特徴部は、第1の面内方向に沿った長さ、及びそれに直交する第2の面内方向に沿った幅を有し、離散特徴部の幅は、離散特徴部の長さの1~50倍、又は1~20倍、又は1~10倍、又は1~4倍である。
【0019】
光ガイド100は、入力縁部140を有し、これは、第1の主面131と第2の主面133の間に延びる。入力縁部140に注入された光は、主として第1の面内方向(y方向)に沿って、光ガイド100に伝播し、そこを通って、光ガイドにおいて、x方向及びz方向にも、一部拡散する。離散特徴部120は、主として負のz方向に光を取り出すように構成された光取り出し特徴部であってもよい。他の実施形態では、離散特徴部は、主として正のz方向に光を取り出すように構成された光取り出し特徴部であってもよい。光ガイド100は、ディスプレイにおいて、構造化表面がディスプレイの光出力方向に向かう、又はそこから離れる方向を向くような方位に位置付けることができ、後部反射部は、後部反射部に向けて取り出された光を光出力方向に向けて反射するように、光ガイド100の背後に位置付けることができる。
【0020】
「上部」及び「後部」を含むがこれらに限定されない空間に関する用語は、ある要素の、別の要素との空間的な関係を記述するための記述の容易さのために用いられる。そのような空間に関する用語は、図に描かれ、本明細書に記述された特定の向きに加えて、使用中又は動作中の物品の異なる向きを包含する。例えば、図に描かれた体が裏返された、又は反転された場合、他の要素の下、又は下方として描かれた部分は、それらの他の要素の上にあることになる。
【0021】
図1Bに図示した実施形態において、コーティング150は、第2の主面133上に配置される。コーティング150は、所与の適用に好適の任意のタイプのコーティングとすることができる。例えば、コーティング150は、耐衝撃性コーティングであってもよく、光ガイド100の本体101の形成に使用される材料のそれよりも、高い靭性及び/又は破壊靭性を有してもよい。好適な耐衝撃性コーティングとしては、例えば、米国特許出願公開第2003/0157344号(Shoupら)に記載のものなどが挙げられる。別の例として、コーティング150は、ハードコートであってもよく、光ガイド100の本体101の形成に使用される材料のそれよりも、高い硬度を有していてもよい。従来の光学フィルムに使用されるハードコートが使用されてもよい。好適なハードコートとしては、例えば、米国特許出願公開第2013/0302594号(Sugiyamaら)に記載のものなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、コーティングは、ハードコートと耐衝撃性コーティングの両方であってもよい。他の例のコーティングとしては、低インデックス接着材である低インデックス層、又はウェットアウト防止コーティングなどが挙げられる。そのようなコーティングは、隣接する層が第2の主面133からの全内部反射(TIR)に干渉することを防止するために用いることができる。
【0022】
ウェットアウト防止コーティングは、例えば、米国特許第6,268,961号(Nevittら)に記載されているように、ポリマー層に粒子を含んでもよく、粒子は、第2の主面133が隣接層と連続的に接触又はウェットアウトすることを妨げる粗さを与え、それにより、光ガイドから光が隣接層へ漏出する可能性が生じることを防ぐ。
【0023】
低屈折率接着材コーティング(589nmで1.45以下の屈折率を有する接着材コーティング)は、光ガイドを隣接層(例えば、後部反射部)に取り付けるために使用することができる。この配置は、低屈折率接着材の屈折率が、光ガイド100の本体101の材料のそれよりも十分に低ければ(例えば、少なくとも0.05又は少なくとも0.1低い)、TIRが第2の主面133に生じることを可能にする。好適な低屈折率接着材としては、例えば、Norland Products Inc.(Cranbury,New Jersey)より販売されているものなどが挙げられる。
【0024】
いくつかの実施形態では、(本体101に対応する)一体型ポリマーフィルムは、第1の主面131及び第2の主面133と、複数の延長特徴部110と、複数の離散特徴部120と、を含む。いくつかの実施形態では、第2の主面133は、非構造化面であり、いくつかの実施形態では、第2の主面133は、光学的に滑らかである。
【0025】
図2は、光ガイド200の一部の斜視図である。光ガイド200は、第1の主面231と、その反対側の第2の主面を有する。第1の主面231は、光ガイド200の視認可能なエリアの全長の少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延びる複数の延長特徴部210を含む。視認可能なエリアの長さは、光ガイドの厚さの少なくとも100倍である。第1の主面231は、光ガイド200の視認可能なエリアの長さと幅に沿って間隔を置いて配置された複数の離散特徴部220を更に含む。光ガイド200の視認可能なエリアの長さ、幅、及び厚さは、光ガイド100について記載したものと同様であってもよい。複数の離散特徴部220の各離散特徴部は、複数の延長特徴部210のうちの互いに隣接する第1の延長特徴部211と第2の延長特徴部212との間に延び、両者を接続する、第1の面226と、第1の面226に隣接し、第1の延長特徴部211と第2の延長特徴部212の間に延び、両者を接続する、第2の面228とを含む。いくつかの実施形態では、第1の面226と第2の面228は、離散特徴部の縁部227で接する。図示した実施形態において、離散特徴部221は、第2の延長特徴部212と、隣接する第3の延長特徴部213との間に延び、両者を接続する、第3の面236と、第3の面236に隣接し、第2の延長特徴部212と第3の延長特徴部213の間に延び、両者を接続する、第4の面238と、を更に含む。図示した実施形態におけるその他の離散特徴部は、そのような第3及び第4の面を含まない。図示した実施形態において、離散特徴部221は、追加の延長特徴部同士の間に延び、両者を接続する追加の面を更に含む。いくつかの実施形態では、離散特徴部の幅が離散特徴部の長さよりも大きくなるように、十分な数の追加面が含まれる。いくつかの実施形態では、長さが幅よりも大きい。
【0026】
図示した実施形態では、第1の面226と第2の面228は、三角形である。三角形の面は、公称三角形であるが、例えば通常の製造における変形のゆえに、完全な三角形から逸脱している面を含むことは理解されるであろう。図示した実施形態において、延長特徴部210は、三角形の横方向断面を有する。三角形の断面は、公称三角形であるが、例えば、通常の製造における変形のゆえに、完全な三角形から逸脱している断面を含むことは理解されるであろう。
【0027】
図2に図示した実施形態では、延長特徴部210は、線形プリズムである。いくつかの実施形態では、プリズムの頂点は、85~115°、又は90~110°の頂角を有する。いくつかの実施形態では、プリズムの頂点は、0.01~20マイクロメートル、又は0.1~15マイクロメートルの曲率半径を有する。いくつかの実施形態では、延長特徴部210は、10~40マイクロメートル、又は15~30マイクロメートル、又は15~20マイクロメートルの幅を有する。プリズムの幅に匹敵するまでにプリズムの曲率半径を大きくすることは、レンチキュラーレンズと記述し得るほど、丸みを帯びた延長特徴部を得ることになる。いくつかの実施形態では、延長特徴部210は、円筒形又は楕円体形状である。いくつかの実施形態では、延長特徴部210は、光ガイド200の視認可能なエリア全体をカバーする。
【0028】
図3は、光ガイド300の一部の斜視図である。光ガイド300は、第1の主面331と、その反対側の第2の主面とを有する。第1の主面331は、光ガイド300の視認可能なエリアの全長の少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延びる複数の延長特徴部310を含む。延長特徴部310は、
図4に図示した実施形態において、円筒形のレンチキュラーレンズである。視認可能なエリアの長さは、光ガイドの厚さの少なくとも100倍である。第1の主面331は、光ガイド300の視認可能なエリアの長さと幅に沿って、間隔を置いて配置された、複数の離散特徴部320を更に含む。光ガイド200の視認可能なエリアの長さ、幅、及び厚さは、光ガイド100について記載されたものと同様であってもよい。複数の離散特徴部320の各離散特徴部は、複数の延長特徴部310のうちの互いに隣接する第1の延長特徴部311と第2の延長特徴部312との間に延び、両者を接続する、第1の面326と、第1の面326に隣接し、第1の延長特徴部311と第2の延長特徴部312の間に延び、両者を接続する、第2の面328とを含む。いくつかの実施形態では、第1の面326と第2の面328は、離散特徴部の縁部327で接する。図示した実施形態において、離散特徴部321は、第2の延長特徴部312と、隣接する第3の延長特徴部313との間に延び、両者を接続する、第3の面336と、第3の面336に隣接し、第2の延長特徴部312と第3の延長特徴部313の間に延び、両者を接続する、第4の面338と、を更に含む。図示した実施形態におけるその他の離散特徴部は、そのような第3及び第4の面を含まない。いくつかの実施形態では、延長特徴部310は、光ガイド300の視認可能なエリア全体をカバーする。
【0029】
図4は、縁部427で接する第1の面426と第2の面428とを含む、離散特徴部420の概略斜視図である。離散特徴部420は、離散特徴部420の底部である基部406を有する。面422と面424は、
図2に図示したように、隣接する延長特徴部と重なり合ってもよい。
【0030】
図5は、第1の面526、第2の面528、第3の面536、及び第4の面538を含む、離散特徴部520の概略斜視図である。第1の面526と第2の面528、及び第3の面536と第4の面538は、図示した実施形態において、離散特徴部520の共通縁部527で接する。離散特徴部520は、離散特徴部520の底部縁部を含む基部506を有する。面522、面524、面532、及び面534は、
図2に示すように、隣接する延長特徴部と重なり合ってもよい。
【0031】
面422、面424、面522、面524、面532、又は面534は、
図3に示すように、交互に湾曲していてもよい。
【0032】
光ガイド600は、第1の複数の離散特徴部620aと第2の複数の離散特徴部620bを含む。第1の複数の離散特徴部620aの各特徴部は、複数の異なる面を含み、第2の複数の離散特徴部620bの各特徴部は、楕円体の一部である。そのような光ガイドは、代替的に、複数の離散特徴部を有し、その一部は、楕円体の一部分であり、また一部は、複数の異なる面を含むものと記述することができる。他の実施形態では、光ガイド600の離散特徴部は、各々、離散特徴部621について図示したような、複数の面を有し、他の実施形態では、光ガイド600の離散特徴部は、各々、離散特徴部620bについて図示したような、楕円体の一部の形状を有する。
【0033】
光ガイド600は、互いの反対側にある縁部641と643を含み、それらのいずれか、又は両方は、光入力縁部であり得る。
【0034】
離散特徴部621は、縁部627で接する、第1の面626と第2の面628を含む。離散特徴部621は、図示した実施形態では、基底面605と重なり合う矩形の表面である基部を更に含む。図示した実施形態では、第1の面626と第2の面628は矩形である。矩形面は、公称矩形であるが、例えば、通常の製造における変形のゆえに、完全な矩形から逸脱している面を含むことは理解されるであろう。
【0035】
図7は、例えば、離散特徴部420又は621に対応してもよい離散特徴部720の長さに沿った概略断面図である。離散特徴部720は、光ガイドの主面の隣接する延長特徴部の基底面705から延びる第1の面726と第2の面728を含む。離散特徴部720は、基底面705に重なり合う基部706を含む。基部706は、(例えば、基部406に対応する)離散特徴部720の底部縁部であってもよく、又は、(例えば、離散特徴部621の基部に対応する)離散特徴部720の底部表面であってもよい。第1の面726と基部706との間の角度は、θ1であり、第2の面728と基部706との間の角度は、θ2である。図示した実施形態において、θ1は、離散特徴部720を含む光ガイドの隣接する延長特徴部の第1の面726と基底面705との間の角度でもある。同様に、図示した実施形態において、θ2は、離散特徴部720を含む光ガイドの隣接する延長特徴部の第2の面728と基底面705との間の角度でもある。いくつかの実施形態では、θ1は、5°以上、又は10°以上、かつ、70°以下、又は80°以下である。例えば、いくつかの実施形態では、θ1は、10~70°である。いくつかの実施形態では、θ2は、1°以上、又は2°以上、かつ、20°以下、又は15°以下、又は7°以下である。例えば、いくつかの実施形態では、θ2は、1~20°、又は1~15°、又は1~7°である。
【0036】
図8は、第1の主面831と第2の主面833を有する光ガイドの延長特徴部811の長さに沿った概略断面図である。延長特徴部811は、基底面805から延び、hmin~hmaxの範囲で変化する、基底面805からの高さを有する。いくつかの実施形態では、延長特徴部の高さは、第1の方向(y方向)において、実質的に一定であり、したがって、hminがhmaxに近似する。実質的に一定の高さとは、本明細書においては、平均高さから±5%以内で変化する高さを意味する。いくつかの実施形態では、実質的に一定の高さは、平均高さから±3%の範囲で変化する。いくつかの実施形態では、hminは、hmaxの少なくとも0.5倍、又は少なくとも0.7倍、又は少なくとも0.9倍、又は少なくとも0.95倍である。いくつかのケースでは、hminは、延長特徴部を作る方法に起因して、hmax未満である。例えば、レンチキュラーレンズは、レンチキュラーレンズと光取り出し部の両方を作るために、単一パスで切削されるツールを用いて、製作することができる。このケースでは、レンチキュラーレンズは、光取り出し部と同じ基本的形状を重ね合わせることによって形成することができ、その結果、高さの変化を有するセグメント化されたレンチキュラーレンズが得られる。
【0037】
図9は、互いの反対側にある主面937と939、及び入力縁部940を有する光ガイド900と、入力縁部940に隣接する光源945と、後部反射部960と、1つ以上の層970と、視聴者980に面するように構成された出力面975を有するディスプレイパネル972とを含む、ディスプレイ9000の概略図である。いくつかの実施形態では、主面939は、延長特徴部と離散特徴部を含む、光ガイド900の第1の主面であり、主面937は、光ガイド900の非構造化面である第2の主面である。他の実施形態では、主面937は、延長特徴部と離散特徴部を含む、光ガイド900の第1の主面であり、主面939は、光ガイド900の非構造化面である第2の主面である。いくつかの実施形態では、後部反射部960は、例えば、ウェットアウト防止コーティングであってもよいコーティング961を含む。ウェットアウト防止コーティングは、例えば、主面939が非構造化面であるとき、後部反射部960に適用されてもよい。代替的に、又は追加として、ウェットアウト防止コーティングは、本明細書の他の箇所に記載したように、主面939が非構造化面であるとき、それに適用してもよい。いくつかの実施形態では、主面939が構造化面である場合、後部反射部960と光ガイド900の間のウェットアウト防止コーティングは、排除される。いくつかの実施形態では、コーティングは、ウェットアウト防止コーティング、かつ/又はハードコート、かつ/又は耐衝撃性コーティングであってもよく、1つ以上の層970とのウェットアウトを防止するため、及び/又は、1つ以上の層970による潜在的損害から、光ガイド900を保護するために、主面937に適用される。
【0038】
光ガイド200、300、600、及び900は、光ガイド100について記載したものと同じ範囲に、長さの程度(例えば、長さ、幅、厚さ)を有してもよい。光ガイドの延長特徴部と離散特徴部は、例えば、光ガイド100について記載したような高さ及び幅を有してもよい。
【0039】
以下は、本明細書の例示的な実施形態の列挙である。
【0040】
実施形態1は、互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面と、第1の主面と第2の主面との間の厚さtと、を有する光ガイドであり、第1の主面は、
光ガイドの視認可能なエリアの全長Lの少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延びる複数の延長特徴部であって、Lは、少なくともtの100倍であり、延長特徴部は視認可能なエリアの10%~60%をカバーする、複数の延長特徴部と、
延長特徴部同士の間のスペースに配置された離散特徴部と、を含み、離散特徴部は、光ガイドの視認可能なエリアの長さLに沿って、及びその幅Wに沿って、間隔を置いて配置される。
【0041】
実施形態2は、延長特徴部が視認可能なエリアの15%~55%をカバーする実施形態1の光ガイドである。
【0042】
実施形態3は、延長特徴部が視認可能なエリアの20%~50%をカバーする実施形態1の光ガイドである。
【0043】
実施形態4は、複数の延長特徴部と複数の離散特徴部が共通の基底面を有する、実施形態1の光ガイドである。
【0044】
実施形態5は、複数の離散特徴部の各離散特徴部が、基部と、基部から延びる第1の面と、基部から延びる第2の面とを含み、第2の面が第1の面と平行ではなく、第1の面と第2の面が離散特徴部の縁部で接し、第2の面と基部との間の角度が1~20°である、実施形態1の光ガイドである。
【0045】
実施形態6は、第2の面と基部との間の角度が、1~15°である、実施形態5の光ガイドである。
【0046】
実施形態7は、第2の面と基部との間の角度が、1~7°である、実施形態5の光ガイドである。
【0047】
実施形態8は、第1の面及び第2の面が矩形形状である、実施形態5の光ガイドである。
【0048】
実施形態9は、複数の離散特徴部の各離散特徴部が、楕円体の一部形状を有する、実施形態1の光ガイドである。
【0049】
実施形態10は、第1の主面上の延長特徴部同士の間のスペースに配置された第2の複数の離散特徴部を更に含む実施形態9の光ガイドであって、第2の複数の離散特徴部の各離散特徴部が、基部と、基部から延びる第1の面と、基部から延びる第2の面とを含み、第2の面は第1の面と平行ではなく、第1の面と第2の面が離散特徴部の縁部で接する。
【0050】
実施形態11は、一体型ポリマーフィルムが、第1の主面及び第2の主面と、複数の延長特徴部と、複数の離散特徴部と、を含む、実施形態1の光ガイドである。
【0051】
実施形態12は、複数の離散特徴部の各離散特徴部が1~12マイクロメートルの範囲の高さを有する、実施形態1の光ガイドである。
【0052】
実施形態13は、複数の離散特徴部のうち、光ガイドの入力縁部により近い第1の離散特徴部が、複数の離散特徴部のうち、入力縁部からより遠い第2の離散特徴部よりも、小さい高さを有する、実施形態1の光ガイドである。
【0053】
実施形態14は、複数の延長特徴部の各延長特徴部が10~20マイクロメートルの高さを有する、実施形態1の光ガイドである。
【0054】
実施形態15は、互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面と、第1の主面と第2の主面との間の厚さtと、を有する光ガイドであり、第1の主面は、
光ガイドの視認可能なエリアの全長Lの少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延びる複数の延長特徴部であって、Lは少なくともtの100倍である、複数の延長特徴部と、
光ガイドの視認可能なエリアの長さLに沿って、及びその幅Wに沿って、間隔を置いて配置された複数の離散特徴部と、を含み、複数の離散特徴部の各離散特徴部は、
互いに隣接する第1の延長特徴部と第2の延長特徴部との間に延び、両者を接続する第1の面と、
第1の面に隣接し、第1の延長特徴部と第2の延長特徴部との間に延び、両者を接続する第2の面とを含み、第1の面と第2の面は、離散特徴部の縁部で接する。
【0055】
実施形態16は、複数の離散特徴部のうちの少なくともいくつかの離散特徴部が、複数の延長特徴部のうちの最大高さ以上の高さを有する、実施形態15の光ガイドである。
【0056】
実施形態17は、複数の離散特徴部のうちの少なくともいくつかの離散特徴部について、第1の面が、光ガイドの入力縁部により近く、第2の面が、入力縁部からより遠い、実施形態15の光ガイドである。
【0057】
実施形態18は、複数の離散特徴部のうちの少なくともいくつかについて、第1の面が、光ガイドの入力縁部からより遠く、第2の面が、入力縁部により近い、実施形態15の光ガイドである。
【0058】
実施形態19は、複数の延長特徴部と複数の離散特徴部が、共通の基底面から延びる、実施形態15の光ガイドである。
【0059】
実施形態20は、実施形態15の光ガイドであって、複数の延長特徴部のうちの少なくとも1つの延長特徴部が、
第2の延長特徴部とそれに隣接する第3の延長特徴部の間に延び、両者を接続する第3の面と、
第3の面に隣接し、第2と第3の延長特徴部の間に延び、両者を接続する第4の面と、を更に含む。
【0060】
実施形態21は、第2の面と、第1の延長特徴部と第2の延長特徴部の基底面との間の角度が、1~20°である、実施形態15の光ガイドである。
【0061】
実施形態22は、第2の面と基底面との間の角度が1~15°である、実施形態21の光ガイドである。
【0062】
実施形態23は、第2の面と基底面との間の角度が1~7°である、実施形態21の光ガイドである。
【0063】
実施形態24は、第1の面と、第1の延長特徴部及び第2の延長特徴部の基底面との間の角度が10~70°である、実施形態15の光ガイドである。
【0064】
実施形態25は、第1の面及び第2の面が各々矩形である、実施形態15の光ガイドである。
【0065】
実施形態26は、第1の面と第2の面が離散特徴部の縁部で接する、実施形態15の光ガイドである。
【0066】
実施形態27は、一体型ポリマーフィルムが、第1の主面及び第2の主面と、複数の延長特徴部と、複数の離散特徴部と、を含む、実施形態15の光ガイドである。
【0067】
実施形態28は、互いの反対側にある第1の主面及び第2の主面と、第1の主面と第2の主面との間の厚さtと、を有する光ガイドであり、第1の主面は、
光ガイドの視認可能なエリアの全長Lの少なくとも90%にわたって第1の面内方向に延びる複数の延長特徴部であって、Lは少なくともtの100倍である、複数の延長特徴部と、
光ガイドの視認可能なエリアの長さLに沿って、及びその幅Lに沿って、間隔を置いて配置された複数の離散特徴部とを含み、
一体型ポリマーフィルムが、第1の主面及び第2の主面と、複数の延長特徴部と、複数の離散特徴部と、を含む。
【0068】
実施形態29は、実施形態28の光ガイドであって、複数の離散特徴部の各離散特徴部が、
複数の延長特徴部のうちの第1の延長特徴部の主面の一部分と重なり合う第1の面と、
複数の延長特徴部のうちの第2の延長特徴部の主面の一部分と重なり合う第2の面とを含み、第2の延長特徴部は第1の延長特徴部に隣接する。
【0069】
実施形態30は、複数の離散特徴部の各離散特徴部が、複数の延長特徴部のうちの隣接する延長特徴部同士の間のスペースに配置された、実施形態28の光ガイドである。
【0070】
実施形態31は、複数の延長特徴部が複数のレンチキュラーレンズを含む、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0071】
実施形態32は、複数の延長特徴部の各特徴部が、三角形の横方向断面を有する、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0072】
実施形態33は、第1の主面に配置され、第1の面内方向に延びる第2の複数の延長特徴部を更に含み、第2の複数の延長特徴部が複数のレンチキュラーレンズを含む、実施形態32の光ガイドである。
【0073】
実施形態34は、複数の延長特徴部の各特徴部が第1の面内方向に沿って変化する高さを有する、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0074】
実施形態35は、複数の延長特徴部の各特徴部が第1の面内方向に沿って実質的に一定の高さを有する、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0075】
実施形態36は、Lがtの200倍~tの10000倍の範囲である、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0076】
実施形態37は、Lがtの200倍~tの3000倍の範囲である、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0077】
実施形態38は、複数の離散特徴部のうちの少なくとも大多数の離散特徴部の各々が、第1の面内方向に沿って長さを、それに直交する第2の面内方向に沿って幅を有し、離散特徴部の長さは離散特徴部の幅の1~50倍である、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0078】
実施形態39は、離散特徴部の長さが離散特徴部の幅の1.1~35倍である、実施形態38の光ガイドである。
【0079】
実施形態40は、離散特徴部の長さが離散特徴部の幅の1.1~10倍である、実施形態38の光ガイドである。
【0080】
実施形態41は、離散特徴部の長さが離散特徴部の幅の1.1~3倍である、実施形態38の光ガイドである。
【0081】
実施形態42は、離散特徴部の長さが離散特徴部の幅の少なくとも1.3倍である、実施形態38~41のいずれか1つの光ガイドである。
【0082】
実施形態43は、複数の離散特徴部のうちの少なくとも1つの離散特徴部が、第1の面内方向に沿って長さを、それに直交する第2の面内方向に沿って幅を有し、離散特徴部の幅は、離散特徴部の長さの1~50倍である、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0083】
実施形態44は、離散特徴部が光取り出し特徴部である、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0084】
実施形態45は、延長特徴部が光ガイドの視認可能なエリアの全長にわたって延びる、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0085】
実施形態46は、視認可能なエリアの長さLが光ガイドの長さの少なくとも90%であり、視認可能なエリアの幅Wが光ガイドの幅の少なくとも90%である、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0086】
実施形態47は、複数の延長特徴部の各延長特徴部が第1の面内方向に沿って長さを、それに直交する面内方向に沿って幅を有し、延長特徴部の長さが延長特徴部の幅の少なくとも800倍である、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0087】
実施形態48は、一体型である実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0088】
実施形態49は、一体型ポリマーフィルムである、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0089】
実施形態50は、厚さtが0.1mm~0.4mmの範囲にある、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0090】
実施形態51は、第2の主面が非構造化面である、実施形態1~30のいずれか1つの光ガイドである。
【0091】
実施形態52は、第2の主面が光学的に滑らかである、実施形態51の光ガイドである。
【0092】
実施形態53は、第2の主面上に配置されたコーティングを更に含む実施形態1~52のいずれか1つの光ガイドである。
【0093】
実施形態54は、コーティングが耐衝撃性コーティングである、実施形態53の光ガイドである。
【0094】
実施形態55は、コーティングがハードコートである、実施形態53の光ガイドである。
【0095】
実施形態56は、コーティングが低屈折率接着材である、実施形態53の光ガイドである。
【0096】
実施形態57は、コーティングがウェットアウト防止コーティングである、実施形態53の光ガイドである。
【0097】
実施形態58は、実施形態1~57のいずれか1つの光ガイドを含むディスプレイである。
【0098】
実施形態59は、視聴者に面するように構成された出力面を含む実施形態58のディスプレイであって、光ガイドは、第1の主面が出力面から離れる方を向くように配置される。
【0099】
実施形態60は、視聴者に面するように構成された出力面を含む実施形態58のディスプレイであって、光ガイドは、第1の主面が出力面の方を向くように配置される。
【0100】
実施形態61は、光を、主として第1の面内方向に沿って、光ガイドの入力縁部に注入するように配置された1つ以上の光源を更に含む実施形態58~60のいずれか1つのディスプレイである。
【0101】
実施形態62は、第2の主面上に配置された1つ以上の光学フィルムを更に含む実施形態58~60のいずれか1つのディスプレイである。
【0102】
実施形態63は、光ガイドの第2の主面上に配置されたウェットアウト防止コーティングを更に含む実施形態58~60のいずれか1つのディスプレイである。
【0103】
実施形態64は、光ガイドに隣接して、出力面の反対側に後部反射部を更に含む実施形態59~60のいずれか1つのディスプレイである。
【0104】
実施形態65は、後部反射部上にウェットアウト防止コーティングを更に含む実施形態64のディスプレイである。
【実施例】
【0105】
実施例1
長さ対幅のアスペクト比2:1、及び長さ対厚さの比500:1を有する光ガイドが、モデル化された。光ガイドの1つの主面が構造化され、反対側の主面及び縁部は、光学的に滑らかにされた。光学的に滑らかな主面は、光出力面とされた。光ガイドは、ポリカーボネートとしてモデル化された。光ガイドの視認可能領域は、光ガイドの前側(出力側)の95%超をカバーする矩形領域としてモデル化された。効率は、光源から発射された元の光に対する、視認可能なエリアにおいて光ガイドから出る出力の割合として決定された。リサイクルの可能性を考慮して、後部反射部は、光ガイドの背後に置かれ、フレームは、光ガイドの縁部とフレームの間の距離が光ガイドの厚さの45%となるように、光ガイドの周囲に配置された。フレームは、黒(0%反射率)又は白(85%反射率)としてモデル化された。均一性は、視認可能なエリアの各線形寸法の1/6~5/6をカバーするエリアにわたる照度分布の最小値対最大値の比として決定された。光源は、主として、光ガイドの長さ方向に沿って光を注入する、光ガイドの入力縁部に沿った発光ダイオード(LED)の配列としてモデル化された。LEDは、ランバート出力を有すると仮定された。
【0106】
効率は、6角形パターンで表面に配置された楕円体形状の光取り出し部のさまざまな(光ガイドの長さ方向に沿った光取り出し部の寸法を、光ガイドの幅方向に沿った光取り出し部の寸法で除した)アスペクト比について決定された。この特定の計算にはレンチキュラーレンズはまったく含まれなかった。黒フレーム(0%反射率)を用いた、さまざまな光取り出し部アスペクト比を有する光ガイドの効率を、下の表に示す。
【0107】
【0108】
次に、レンチキュラーレンズが、カバーエリア割合(「レンチキュラー・デューティサイクル」)0~0.66(66%)で、付加された。レンチキュラーレンズは、円形断面を有し、高さ対基部幅のアスペクト比が0.2であった。光取り出し部は、レンチキュラーレンズ同士の間に配置され、平面外の軸と、光ガイドの幅に沿った軸の1.5倍の、光ガイドの長さ方向の軸を有する楕円体の一部分の形状を有するものであった。0%反射率フレームと85%反射率フレームを用いた、さまざまなレンチキュラー・デューティサイクルを有する光ガイドの効率を、下の表に示す。
【0109】
【0110】
次に、上述の光取り出し部を有し、セグメント化されたレンチキュラーレンズを有する光ガイドが、モデル化された。セグメント化されたレンチキュラーレンズは、単一パスで、光取り出し部といっしょに、切削されてツールとされ得るレンチキュラーレンズとしてモデル化された。したがって、セグメント化されたレンチキュラーレンズは、レンチキュラースレッドピッチ乗数によって特性づけられる異なるダウンガイドピッチで、レンチキュラーレンズを形成するように、光取り出し部と同じ基本形状を重ね合わせることによって製作された。
図10は、セグメント化されたレンチキュラーレンズ1010と光取り出し部1020を備える、モデル化された光ガイド1000を図示する。セグメント化されたレンチキュラーレンズ1010は、レンチキュラースレッドピッチ乗数4を有する。レンチキュラースレッドピッチ乗数が大きいほど、滑らかなセグメント化されたレンチキュラーレンズとなるが、光ガイド製作のためのツールを切削するために、より多くのパスを要する。レンチキュラーレンズの断面は、長軸が短軸の1.5倍であり、長軸が面外にある楕円の一部分の形状を有する。0%反射率フレームを用いた効率と均一性を、下の表に報告する。
【0111】
【0112】
次に、上述の光取り出し部を有するとともに、レンチキュラーレンズの断面が、長軸が短軸の1.5倍であり、長軸が面外にある楕円の一部分の形状を有する、光ガイドがモデル化された。0%反射率フレームを用いた効率と均一性を、下の表に報告する。
【0113】
【0114】
実施例2
長さ190mm、幅70mm、及び厚さ0.65mmを有する光ガイドがモデル化された。光ガイドの1つの主面は、構造化され、その反対側の主面及び縁部は、光学的に滑らかにされた。光学的に滑らかな主面は、光出力面とされた。光ガイドは、ポリカーボネートとしてモデル化された。後部反射部は、光ガイドの背後に置かれ、フレームは用いられなかった。基部幅20マイクロメートル及び先端角度99.6°を有し、先端の曲率半径がさまざまである、レンチキュラーレンズがモデル化された。先端の曲率半径が0であるレンチキュラーレンズはプリズムであり、一方、曲率半径15マイクロメートルを用いたレンチキュラーレンズは丸みを帯びたレンズであった。離散特徴部620aに類似した矩形の光取り出し部は、対をなすレンチキュラーレンズ同士の間に配置された。光取り出し部の長さに沿った断面は、
図7に示すものと同様の幾何形状を有し、θ1は45.8°であり、θ2は4.8°であった。光取り出し部は、ピッチ40マイクロメートルの正方形の格子上に配置された。光出力は、x’、y’、z’座標系に対する球体座標のための標準的な方法(すなわち、θは、半径方向ベクトルとz’-軸との間の角度であり、φは、半径方向ベクトルのx’-y’平面への投射とx’-軸との間の角度である)で定義される、極及び方位角、θ及びφ、の関数として決定され、ここで、z’-軸はy-軸に平行であり、y’-軸はz-軸に平行であり、x’-軸は-x-軸に平行であり、x-軸、y-軸、及びz-軸は、例えば、
図1に示すとおりとされた。光源は、ランバート出力を有するものとしてモデル化され、主としてz’方向に沿って光を注入するために、光ガイドの縁部に配置された複数のLEDであった。出力強度が最大であった場合の光出力の角θ
m及びφ
m、並びに、それらの角度と、出力強度が最大値の半分であった場合の角度の差±θ、±φを下の表に報告する。
【0115】
【0116】
比較のために、レンチキュラーのない光ガイドについては、θm=67°、+θ=16°、-θ=5°、φm=9°、+φ=32°、及び-φ=34°であった。
【0117】
実施例3
光ガイドは、実施例2と同様にモデル化されたが、レンチキュラーレンズが光取り出し部のためのスペースを含まず、光取り出し部の外観が
図2のとおりである点が異なる。光取り出し部の長さに沿った断面は、実施例2に記載したとおりであった。光取り出し部の最大長さは、109.9マイクロメートルであった。出力強度が最大の場合の光出力の角度θ
m及びφ
m、並びに、それらの角度と、出力強度が最大の半分である場合の角度(例えば、θ
m+(+θ)と、θ
m-(-θ)で、出力強度が、最大値の半分であった)の差±θ、±φを、下の表に報告する。
【0118】
【0119】
図中の要素の説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。具体的な実施形態を本明細書において例示し記述したが、さまざまな代替及び/又は同等の実施により、図示及び記載した具体的な実施形態を、本開示の範囲を逸脱することなく置き換え可能であることが、当業者には理解されるであろう。本出願は、本明細書において説明した具体的な実施形態のあらゆる適合例又は変形例を包含することを意図する。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定されるものとする。