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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】便座装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20231201BHJP
   A47K 13/30 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
E03D9/08 Z
A47K13/30 Z
E03D9/08 L
A47K13/30 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020005310
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021113412
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】小松 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】辻 賢太郎
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-093576(JP,U)
【文献】特開2016-028741(JP,A)
【文献】特開2010-222964(JP,A)
【文献】特開2008-190293(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0319794(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102061736(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
A47K 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能部と、
前記機能部内に設けられ気体が流通するダクトと、
前記ダクトに伸縮自在に収納され前記気体を送風する開口が形成され、前記ダクトに対して伸長状態である場合に前記気体が流通する第1流路が形成されると共に、前記ダクトに対して短縮状態である場合に前記気体が流通する第2流路が形成されるノズルと、を備え、
前記第1流路は、前記気体を前記ノズルの内部を通過させ、前記開口から流出させて前記ダクトの外側に送風させるように形成されて、
前記第2流路は、前記気体を前記ノズルの内部を通過させずに、前記ダクトと前記ノズルとの間に形成された隙間を流通させて、前記ダクトの外側に送風させるように形成されている、
便座装置。
【請求項2】
機能部と、
前記機能部内に設けられ気体が流通するダクトと、
前記ダクトに伸縮自在に収納され前記気体を送風する開口が形成され、前記ダクトに対して伸長状態である場合に前記気体が流通する第1流路が形成されると共に、前記ダクトに対して短縮状態である場合に前記気体が流通する第2流路が形成されるノズルと、を備え、
前記第2流路は、前記気体を前記ダクトと前記ノズルとの間に形成された隙間を流通させて、前記隙間から便器に形成された便鉢に送風させるように形成されている、
便座装置。
【請求項3】
前記第2流路は、前記気体を前記隙間から便器に形成された便鉢に送風させるように形成されている、
請求項1に記載の便座装置。
【請求項4】
前記第1流路は、ヒータ部において生成された温風を流通させるように形成されている、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項5】
前記第2流路は、イオン発生器において生成されたイオンを含む気体を流通させるように形成されている、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項6】
前記ノズルが前記ダクトに対して短縮状態である場合、前記開口から流出する前記気体を前記ダクトに形成された他の開口から送風させる第3流路が形成されている、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項7】
前記第3流路は、前記気体を前記他の開口から前記機能部の内部に流通させるように形成されている、
請求項6に記載の便座装置。
【請求項8】
前記第3流路は、イオン発生器において生成されたイオンを含む気体を流通させるように形成されている、
請求項7に記載の便座装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便座装置は、使用者の洗浄対象部位を洗浄するようにシャワー装置が設けられている。便座装置には、シャワー装置に隣接して洗浄部位を乾燥させるための乾燥装置と、便器表面等を除電処理するためのイオンを発生させるイオン発生器とが設けられている場合がある。イオン発生器は、便器表面に向けてイオンを吹き付けて便鉢、便座の除菌、消臭を行うものである。
【0003】
便座装置の構成を簡略化するため、乾燥装置とイオン発生器とで送風に用いられる流路を共通化することが検討されている。特許文献1には、乾燥装置と、乾燥装置と送風用のダクトを共通化したイオン発生器を備える便座装置が記載されている。特許文献1に記載されたダクトは、ダクトに伸縮自在に収納されたノズルを備えている。ノズルには、開口が形成されており、ダクト及びノズルを流通した気体が開口から送風される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-028741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乾燥装置の気体の送風先と、イオン発生器の気体の送風先はそれぞれ異なる。特許文献1に記載された便座装置によれば、乾燥時にノズルをダクトに対して伸長させる途中でノズルを隠蔽していた開閉自在のシャッタを押し開け、伸長後に開口から温風を送風している。この便座装置は、イオン発生器を稼働する場合、開口がシャッタにより覆われる位置までノズルを短縮させ、開口から送風される気体の方向をシャッタにより変更している。
【0006】
特許文献1に記載された便座装置によれば、ノズルを伸長させ、シャッタを開く必要がある。特許文献1に記載された便座装置は、ダクト及びノズルの形状、ノズルの制御を簡略化するために改良する余地がある。
【0007】
本開示は、乾燥装置とイオン発生器との流路を共通化しつつ装置構成を簡略化できる便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示は、機能部と、前記機能部内に設けられ気体が流通するダクトと、前記ダクトに伸縮自在に収納され前記に気体を送風する開口が形成され、前記ダクトに対して伸長状態である場合に前記気体が流通する第1流路が形成されると共に、前記ダクトに対して短縮状態である場合前記気体が流通する第2流路が形成されるノズルと、を備ええ、前記第1流路は、前記気体を前記ノズルの内部を通過させ、前記開口から流出させて前記ダクトの外側に送風させるように形成されて、前記第2流路は、前記気体を前記ノズルの内部を通過させずに、前記ダクトと前記ノズルとの間に形成された隙間を流通させて、前記ダクトの外側に送風させるように形成されている、便座装置である。
上記目的を達成するため、本開示は、機能部と、前記機能部内に設けられ気体が流通するダクトと、前記ダクトに伸縮自在に収納され前記気体を送風する開口が形成され、前記ダクトに対して伸長状態である場合に前記気体が流通する第1流路が形成されると共に、前記ダクトに対して短縮状態である場合に前記気体が流通する第2流路が形成されるノズルと、を備え、前記第2流路は、前記気体を前記ダクトと前記ノズルとの間に形成された隙間を流通させて、前記隙間から便器に形成された便鉢に送風させるように形成されている、便座装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の便座装置が載置された便器本体を示す図である。
図2】便座装置に設けられる乾燥装置の一状態の構成を示す平面図である。
図3】乾燥装置の他の状態の構成を示す平面図である。
図4】乾燥装置の一状態の構成を示す側面断面図である。
図5】乾燥装置の他の状態の構成を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示されるように、便座装置10は、便器本体1に載置されている。以下、便器本体1の便座に着座した使用者の前方である側を前側、その反対側を後側とし、前側と後側とを結ぶ方向を前後方向X1と呼ぶ。前後方向と直交する水平方向を左右方向X2とし、左右方向の右側および左側は、便座に着座し前側を向く使用者の右側および左側と同じ側と呼ぶ。前後方向、左右方向と直交する上下に向かった方向を上下方向X3と呼ぶ。
【0011】
便器本体1は、下方に窪んだ空間が形成された便鉢2を備える。便器本体1の上面は便鉢2に連通する略円形の開口が形成されている。便器本体1の上面において、開口の後方には便座装置10が載置されている。
【0012】
便座装置10は、各種装置を収容する機能部11と、機能部11に回転自在に取り付けられた便座12と、便座12上において機能部11に回転自在に取り付けられた便蓋13とを備える。
【0013】
機能部11は、使用者の洗浄対象部位を洗浄するシャワー装置(不図示)や後述の乾燥装置等の装置が収納されている。機能部11の前側において便器本体1の上面に便座12が取り付けられている。便座12は、便器本体1の開口2Aに連通する開口が形成された略円環状に形成されている。便座12の後端は、ヒンジ構造が設けられており、機能部11に取り付けられている。便座12の上方には、便座12を覆うように便蓋13が設けられている。
【0014】
便蓋13は、後端にヒンジ構造が設けられており、機能部11に取り付けられている。便座12及び便蓋13は、ヒンジ構造がモータ等により駆動され、便器本体1に対して開閉する。ヒンジ構造は、操作部30(図4参照)等からの操作信号に基づいて開閉される。便座12及び便蓋13は、機能部11に取り付けられた人感センサ(不図示)等の検出信号に基づいて自動的に開閉する。
【0015】
図2及び図3に示されるように、便座装置10は、機能部11に設けられた乾燥装置20及びイオン発生器60を備えている。機能部11に取り付けられた乾燥装置20は、空気(気体)を送風するファン21と、ファン21に接続されたヒータ部22と、ヒータ部22に接続されたダクト23と、ダクト23に伸縮自在に収納されたノズル24とを備える。乾燥装置20は、使用者の洗浄対象部位を洗浄後に乾燥させるため、温風を生成する装置である。
【0016】
ヒータ部22に隣接して、例えば、イオン発生器60が設けられている。イオン発生器60は、気体を電離しイオンを発生させ、ファン21から送風された気体と共に便鉢2に送風し、除菌、消臭を行う装置である。
【0017】
ファン21は、例えば、シロッコファンである。ファン21は、モータ(不図示)により回転駆動される回転羽(不図示)と、回転羽を覆うファンシュラウド21Aとを備える。回転羽は、円板の周辺から回転軸方向に突出した多数のブレードを備える。ブレードは、円板の周方向に対して角度が付けられている。回転羽は、回転駆動されると遠心力により空気を径方向の外方に向かって排出するように形成されている。
【0018】
ファンシュラウド21Aは、回転羽を覆う円筒状の周壁を備える。周壁の両端には、周壁の外周に沿って開口が形成された円環状の側板が形成されている。ファンシュラウド21Aの一部には開口(不図示)が形成されている。ファン21において回転羽が回転すると、空気が回転羽の外方に向かって排出される。排出された空気は、ファンシュラウド21Aにより受け止められてファンシュラウド21Aに形成された開口から排出される。開口の下流側には、ヒータ部22が接続されている。
【0019】
ヒータ部22は、ファン21から流通された空気を熱源により流通して加熱し、温風を生成する。ヒータ部22は、内部に電力により発熱する熱源を備える。熱源は、例えば、ニクロム線やセラミックヒーター等の発熱体が用いられる。ヒータ部22は、熱源により生成された温風を下流側に流通させる。ヒータ部22は、熱源を収容するハウジング22Aを備える。ハウジング22A内は、空気が流通する流路22Bが形成されている。ヒータ部22は、流路22B内の温度を検出するセンサ22Dが設けられている。センサ22Dは、例えば、温度センサである。
【0020】
流路22Bの上流側は、ファンシュラウド21Aの開口が接続されている。ファンシュラウド21Aとハウジング22Aは、装置のレイアウトの関係により、それぞれの流路の軸線方向に角度が付けられて配置されている。流路22Bの途中には、熱源22Cが配置されている。流路22Bの下流側には、ダクト23が接続されている。ヒータ部22において、上流側から流入した空気は熱源22Cにより加熱され、下流側において温風が生成されてダクト23に排出される。
【0021】
ハウジング22Aには、イオン発生器60が取り付けられている。イオン発生器60は、気体を電離するイオン発生装置61を備える。イオン発生器60は、熱源22Cが停止している状態においてイオン発生装置61を稼働し、ファン21から送風された気体と共に電離した気体をダクト23に流通させる。イオン発生器60とヒータ部22との間には、例えば、イオン発生装置61とヒータ部22内の流路22Bとを接続する流路62が形成されている。イオン発生器60の取り付け位置、流路62の位置は上記例に限らず他の位置であってもよい。
【0022】
ダクト23は、基端23Kがヒータ部22に接続されている。ダクト23は、先端23Sの上面に矩形の開口23Hが形成されている。ダクト23は、例えば、内部に温風を流通させる流路23Aがヒータ部22から延出するように形成されている。
【0023】
ダクト23は、流路23Aの軸線(流線)方向が所定方向(例えば、上下方向X3)から見て前後方向X1に対して角度が付けられた斜め方向に配置されている。ダクト23は、左右方向X2からみて、流路23Aの軸線方向が前後方向X1に対して下向きに角度が付けられた斜め方向に配置されている(図4図5参照)。
【0024】
ダクト23には、ノズル24が伸縮自在に収納されている。ノズル24は、通常状態においてダクト23に短縮状態に収納されている。ノズル24は、例えば、乾燥装置20が稼働する際に伸長する。ノズル24は、例えば、イオン発生器60が稼働する際に短縮する。
【0025】
ノズル24は、管状に形成されている。ノズル24の内部には、流路24Pが形成されている。ノズル24は、例えば、側板24Cに設けられたラックギヤGに噛合するピニオンギヤTがモータMに回転駆動されることによりダクト23内の流路23Aに沿って移動する。
【0026】
モータMは、制御装置(不図示)により制御される。制御装置は、操作部(不図示)において受け付けられた操作に基づいてモータMを制御する。制御装置は、ヒータ部22の稼働を開始する操作が受け付けられた場合、モータMを制御してノズル24をダクト23に対して伸長させる。制御装置は、ヒータ部22の稼働を停止する操作が受け付けられた場合、モータMを制御してノズル24をダクト23に対して短縮させる。
【0027】
ノズル24は、短縮状態においてダクト23内に収納されている。この時、ノズル24は、便座装置10の機能部11に設けられた開口(不図示)より内側に配置される。この開口は、機能部11に設けられた開閉自在なシャッタSにより塞がれる。シャッタSは、機能部11の上側に回転軸が設けられており、機能部11に開閉自在に取り付けられている。シャッタSは、バネ等の弾性部材により開口を閉じる方向にバネ力が与えられている。シャッタSは、重力により開口を閉じるものであってもよい。
【0028】
ノズル24は、短縮状態においてシャッタSにより機能部11内に隠蔽されている。ノズル24は、伸長時にシャッタSの内側を押圧してシャッタSを回転させて開ける。ノズル24は、伸長状態において機能部11から前方に突出する。ノズル24は、伸長状態において温風を排出する開口24Hが形成された送風部として構成される。
【0029】
ノズル24は、伸長状態において流路24Pの軸線Lがダクト23の流路23Aの軸線方向と略一致するように配置されている。ノズル24は、上下方向X3から見て伸長状態において軸線Lが前後方向X1に対して角度が付けられた斜め方向に配置されている。ノズル24は、左右方向X2から見て伸長状態において軸線Lが前後方向X1に対して下向きに角度が付けられた斜め方向に配置されている(図4図5参照)。
【0030】
図4には、ノズル24がダクト23に対して伸長した一状態である場合が示されている。ダクト23は、機能部11に収納されている。ダクト23は、左右方向X2から見て流路23Aの上面23Tが軸線L方向に略平行に形成されている。ダクト23は、左右方向X2から見て上面23T及び下面23Uとの間に流路23Aが形成されている。ダクト23は、上面23Tが軸線L方向に略平行に形成されている。ダクト23は、下面23Uが軸線L方向に対して下方に膨出するように膨出部23Vが形成されている。ダクト23は、基端23Kの断面積が先端23Sの断面積に比して大きくなるように形成されている。
【0031】
ダクト23の上面23Tにおいて、軸線L方向に沿って先端23Sに向かう途中には、断面積が減少するように段差部23Dが形成されている。ダクト23は、下面23Uにおいて、段差部23Dに対応する位置から先端23Sまで切欠き部23Xが形成されている。
【0032】
ノズル24は、基端24Kにおいて上面の上方に突出した突出部24Lが形成されている。突出部24Lは、ノズル24がダクト23に対して伸長状態である場合、ダクト23の段差部23Dに引っ掛かる。突出部24Lは、ノズル24の伸長を規制するストッパである。ノズル24は、基端24Kにおいて下面の下方に下流側に向かって断面が漸次拡大するように拡大部24Mが形成されている。
【0033】
拡大部24Mは、ノズル24がダクト23に対して伸長状態である場合、ダクト23の切欠き部23Xの後端に当接する。この状態においてノズル24の下面24Uは、切欠き部23Xを覆うように形成されている。ノズル24がダクト23に対して伸長状態である場合、ノズル24の上面24Tは、ダクト23の開口23Hを覆うように形成されている。ノズル24がダクト23に対して伸長状態である場合、気体が流通する第1流路が形成される。
【0034】
第1流路は、ダクト23の流路23Aとノズル24の流路24Aとが連結されて形成されている。第1流路は、気体をダクト23とノズル24の内部を流通させ、開口24Hから送風させるように形成されている。第1流路は、気体を開口24Hから目標領域に送風するように形成されている。第1流路は、ヒータ部22において生成された温風を流通させるように形成されている。
【0035】
図5には、ノズル24がダクト23に対して短縮した他の状態が示されている。ノズル24がダクト23に対して短縮した他の状態である場合、気体が流通する第2流路R2が形成される。第2流路R2は、気体をダクト23とノズル24との間に形成された隙間を流通させるように形成されている。第2流路R2は、ノズル24の下面24Uとダクト23の下面23Uとの間に生じる隙間と、切欠き部23Xにおいてノズル24の下面24Uと機能部11の下面11Uとの間の隙間とが接続されて形成されている。
【0036】
機能部11の下面11Uは、切欠き部23Xの位置において下方に垂れ下がるように湾曲して形成された湾曲部を有している。第2流路R2の出口は、機能部11とシャッタSの下方の間に形成されている開口11Sに形成されている。第2流路R2は、気体を便器に形成された便鉢に送風させるように形成されている。第2流路R2は、イオン発生器60において生成されたイオンを含む気体を流通させるように形成されている。
【0037】
ノズル24がダクト23に対して短縮状態である場合、開口24Hから流出する気体をダクト23の先端に形成された他の開口23Hから送風させる第3流路R3が形成されている。第3流路R3は、気体を開口23Hから機能部11の内部に流通させるように形成されている。第3流路R3は、イオン発生器60において生成されたイオンを含む気体を流通させるように形成されている。
【0038】
次に、便座装置10の動作について説明する。ノズル24がダクト23に対して収納されている短縮状態において、制御装置は、所定のタイミングにおいてファン21及びイオン発生器60を制御してイオンを含む気体を送風する。所定のタイミングは、定期的な時刻であってもよいし、使用者の操作に基づくタイミングであってもよい。イオンを含む気体は、第2流路R2を流通し、開口11Sから便鉢内に送風される。イオンを含む気体は、第3流路R3から機能部11の内部にも流通する。イオンを含む気体は、機能部11の内部において、特にシャワー装置などの水がかかる部分に送風されることが好ましい。イオンを含む気体の流通により除菌、消臭が行われる。
【0039】
制御装置は、乾燥装置20を稼働させる操作を受け付けると、モータMを制御してノズル24をダクト23に対して伸長状態にさせる。制御装置は、ファン21、ヒータ部22を稼働させ、温風を発生させる。温風は、第1流路R1を流通し、開口24Hから目標領域に送風される。制御装置は、乾燥装置20を停止させる操作を受け付けると、ヒータ部22停止させる。制御装置は、適宜、ファン21を所定の制御方法により制御してヒータ部22の余熱を除去する。制御装置は、モータMを制御してノズル24をダクト23に対して短縮させ、ノズル24を収容する。
【0040】
上述したように便座装置10によれば、ヒータ部22のダクト23及びノズル24をイオン発生器60と共用することができ、装置構成を簡略化できる。便座装置10によれば、ノズル24がダクト23に対して伸長状態である場合、第1流路R1が形成され、目標領域に温風を送風できる。便座装置10によれば、ノズル24がダクト23に対して短縮状態である場合、第2流路R2が形成され、便鉢内にイオン発生器60から発生したイオンを含む気体を送風できる。便座装置10によれば、ノズル24がダクト23に対して短縮状態である場合、第3流路R3が形成され、機能部11の内部にイオン発生器60から発生したイオンを含む気体を送風できる。
【0041】
本開示は上記の一実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第2流路R2及び第3流路R3には、ヒータ部22を稼働後に余熱を除去する際に余熱を含む気体を流通させてもよい。これにより、ヒータ部22の稼働停止操作を行った後にも、使用者に温風が当たることが防止され、使用者の違和感を低減できる。ダクト23の開口23Hは、無くてもよく、イオンを含む気体を必ずしも機能部11の内部に流通させなくてもよい。第1流路R1、第2流路R2、第3流路R3には、温風やイオンを含む気体だけでなく、香料を含む気体等他の気体を流通させてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 便器本体、2 便鉢、2A 開口、10 便座装置、11 機能部、11S 開口、11U 下面、12 便座、13 便蓋、20 乾燥装置、21 ファン、21A ファンシュラウド、22 ヒータ部、22A ハウジング、22B 流路、22C 熱源、22D センサ、23 ダクト、23A 流路、23D 段差部、23H 開口、23K 基端、23S 先端、23T 上面、23U 下面、23V 膨出部、23X 切欠き部、24 ノズル、24A 流路、24C 側板、24H 開口、24K 基端、24L 突出部、24M 拡大部、24P 流路、24T 上面、24U 下面、30 操作部、60 イオン発生器、61 イオン発生装置、62 流路、G ラックギヤ、L 軸線、M モータ、R1 第1流路、R2 第2流路、R3 第3流路、S シャッタ、T ピニオンギヤ
図1
図2
図3
図4
図5