(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】電子機器及びファームウェア選択方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231201BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231201BHJP
G06K 19/073 20060101ALI20231201BHJP
G06F 8/654 20180101ALI20231201BHJP
H04B 5/02 20060101ALI20231201BHJP
H04B 1/59 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H04N1/00 C
B41J29/38 701
G06K19/073 018
G06F8/654
H04B5/02
H04B1/59
(21)【出願番号】P 2020027182
(22)【出願日】2020-02-20
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 啓哉
(72)【発明者】
【氏名】紙丸 眞一郎
(72)【発明者】
【氏名】上田 美穂
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-015684(JP,A)
【文献】特開2018-122476(JP,A)
【文献】特開2005-018244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06K 19/073
G06F 8/654
H04B 5/02
H04B 1/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶する記憶媒体と、
前記複数のファームウェアのうち自機に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取るタグリーダと、
前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択するプロセッサと、
を具備
し、
前記プロセッサは、自機の電源投入が初回の電源投入か否かと、前記ICタグが自機に貼付されているか否かとを判定し、前記電源投入が初回の電源投入であり、かつ、前記ICタグが自機に貼付されているときは、前記タグリーダに前記ICタグから前記ファームウェア情報を読み取らせ、
前記プロセッサは、前記電源投入が初回の電源投入であり、かつ、前記ICタグが自機に貼付されていないときは、前記ICタグを自機に貼付することを促す警告を発する、
電子機器。
【請求項2】
互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶する記憶媒体と、
前記複数のファームウェアのうち自機に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取るタグリーダと、
前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択するプロセッサと、
を具備
し、
前記プロセッサは、自機の電源投入が初回の電源投入か否かと、前記ICタグが自機に貼付されているか否かとを判定し、前記電源投入が初回の電源投入であり、かつ、前記ICタグが自機に貼付されているときは、前記タグリーダに前記ICタグから前記ファームウェア情報を読み取らせ、
前記プロセッサは、前記電源投入が2回目以降の電源投入であり、かつ、前記ICタグが自機に貼付されているときは、前記ICタグを自機から取り外すことを促す警告を発する、
電子機器。
【請求項3】
互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶する記憶媒体と、
前記複数のファームウェアのうち自機に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取るタグリーダと、
前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択するプロセッサと、
を具備
し、
前記タグリーダは、前記ファームウェア情報と、電子機器のモデルを示す情報であるモデル情報とを記憶した前記ICタグから前記ファームウェア情報及び前記モデル情報を読み取り、
前記プロセッサは、前記モデル情報が示すモデルが自機のモデルと一致するときは、前記適用ファームウェアを選択し、
前記プロセッサは、前記モデル情報が示すモデルが自機のモデルと一致しないときは、自機のモデル情報を記憶する適正なICタグを自機に貼付することを促す警告を発する、
電子機器。
【請求項4】
互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶する記憶媒体と、
前記複数のファームウェアのうち自機に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取るタグリーダと、
前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択するプロセッサと、
を具備
し、
前記タグリーダは、前記ファームウェア情報と、前記ファームウェア情報の使用可能回数を示す情報である回数情報とを記憶した前記ICタグから前記ファームウェア情報及び前記回数情報を読み取り、
前記プロセッサは、前記回数情報が示す前記使用可能回数が1回以上であるときは、前記適用ファームウェアを選択する、
電子機器。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記回数情報が示す前記使用可能回数が0回であるときは、1回以上の前記使用可能回数を前記回数情報として記憶する適正なICタグを自機に貼付することを促す警告を発する、
請求項
4に記載の電子機器。
【請求項6】
互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶する記憶媒体と、
前記複数のファームウェアのうち自機に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取るタグリーダと、
前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択するプロセッサと、
を具備
し、
前記プロセッサは、前記適用ファームウェアの選択後、前記ICタグを自機から取り外すことを促す警告を発する、
電子機器。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記適用ファームウェアの選択後、前記ICタグに記憶されている前記回数情報における前記使用可能回数を1回減じ、1回減じた後の前記使用可能回数が0回であるときは、前記ICタグに記憶されている前記ファームウェア情報を無効にする、
請求項
4に記載の電子機器。
【請求項8】
電子機器におけるファームウェア選択方法であって、
前記電子機器が具備する記憶媒体が、互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶し、
前記電子機器が具備するタグリーダが、前記複数のファームウェアのうち前記電子機器に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取り、
前記電子機器が有するプロセッサが、前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択
し、
前記プロセッサが、自機の電源投入が初回の電源投入か否かと、前記ICタグが自機に貼付されているか否かとを判定し、前記電源投入が初回の電源投入であり、かつ、前記ICタグが自機に貼付されているときは、前記タグリーダに前記ICタグから前記ファームウェア情報を読み取らせ、
前記プロセッサが、前記電源投入が初回の電源投入であり、かつ、前記ICタグが自機に貼付されていないときは、前記ICタグを自機に貼付することを促す警告を発する、
ファームウェア選択方法。
【請求項9】
電子機器におけるファームウェア選択方法であって、
前記電子機器が具備する記憶媒体が、互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶し、
前記電子機器が具備するタグリーダが、前記複数のファームウェアのうち前記電子機器に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取り、
前記電子機器が有するプロセッサが、前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択
し、
前記プロセッサが、自機の電源投入が初回の電源投入か否かと、前記ICタグが自機に貼付されているか否かとを判定し、前記電源投入が初回の電源投入であり、かつ、前記ICタグが自機に貼付されているときは、前記タグリーダに前記ICタグから前記ファームウェア情報を読み取らせ、
前記プロセッサが、前記電源投入が2回目以降の電源投入であり、かつ、前記ICタグが自機に貼付されているときは、前記ICタグを自機から取り外すことを促す警告を発する、
ファームウェア選択方法。
【請求項10】
電子機器におけるファームウェア選択方法であって、
前記電子機器が具備する記憶媒体が、互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶し、
前記電子機器が具備するタグリーダが、前記複数のファームウェアのうち前記電子機器に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取り、
前記電子機器が有するプロセッサが、前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択
し、
前記タグリーダが、前記ファームウェア情報と、電子機器のモデルを示す情報であるモデル情報とを記憶した前記ICタグから前記ファームウェア情報及び前記モデル情報を読み取り、
前記プロセッサが、前記モデル情報が示すモデルが自機のモデルと一致するときは、前記適用ファームウェアを選択し、
前記プロセッサが、前記モデル情報が示すモデルが自機のモデルと一致しないときは、自機のモデル情報を記憶する適正なICタグを自機に貼付することを促す警告を発する、
ファームウェア選択方法。
【請求項11】
電子機器におけるファームウェア選択方法であって、
前記電子機器が具備する記憶媒体が、互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶し、
前記電子機器が具備するタグリーダが、前記複数のファームウェアのうち前記電子機器に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取り、
前記電子機器が有するプロセッサが、前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択
し、
前記タグリーダが、前記ファームウェア情報と、前記ファームウェア情報の使用可能回数を示す情報である回数情報とを記憶した前記ICタグから前記ファームウェア情報及び前記回数情報を読み取り、
前記プロセッサが、前記回数情報が示す前記使用可能回数が1回以上であるときは、前記適用ファームウェアを選択する、
ファームウェア選択方法。
【請求項12】
電子機器におけるファームウェア選択方法であって、
前記電子機器が具備する記憶媒体が、互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶し、
前記電子機器が具備するタグリーダが、前記複数のファームウェアのうち前記電子機器に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグから前記ファームウェア情報を読み取り、
前記電子機器が有するプロセッサが、前記タグリーダによって読み取られた前記ファームウェア情報に従って、前記記憶媒体に記憶された前記複数のファームウェアの中から前記適用ファームウェアを選択
し、
前記プロセッサが、前記適用ファームウェアの選択後、前記ICタグを自機から取り外すことを促す警告を発する、
ファームウェア選択方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器及びファームウェア選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファームウェアが内蔵されている電子機器がある。ファームウェアが内蔵されている電子機器の一例として、スキャナやプリンタ等の画像処理装置が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-216450号公報
【文献】特開2006-085637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子機器の多機能化に伴い、互いに機能が異なる複数のファームウェアが電子機器に内蔵されることがある。また、同一モデルの電子機器でも、電子機器ごとに、要求される機能が異なる場合がある。例えば、電子機器の仕向先に応じて、無線通信機能の要否や、音声入力機能の要否が異なる場合がある。
【0005】
このような場合に、製造工場での電子機器の製造時に製造作業員がそれぞれの機能の要否に応じて各電子機器に一台ずつ手作業でファームウェアを設定したのでは、電子機器の製造コストが増加する。
【0006】
そこで、本開示では、それぞれの電子機器に応じた適切なファームウェアを自動的に電子機器に設定できる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の電子機器は、記憶媒体と、タグリーダと、プロセッサとを有する。記憶媒体は、互いに異なる機能を有する複数のファームウェアを予め記憶する。タグリーダは、記憶媒体に記憶された複数のファームウェアのうち自機に適用されるファームウェアである適用ファームウェアを示す情報であるファームウェア情報を記憶したICタグからファームウェア情報を読み取る。プロセッサは、タグリーダによって読み取られたファームウェア情報に従って、記憶媒体に記憶された複数のファームウェアの中から適用ファームウェアを選択する。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、それぞれの電子機器に応じた適切なファームウェアを自動的に電子機器に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施例1のICタグの取付例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例1のICタグに記憶される情報の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施例1の電子機器の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例1の電子機器の記憶状態の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例1の管理情報の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施例1の電子機器における処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の実施例1の電子機器の動作例の説明に供する図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施例1の電子機器の動作例の説明に供する図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施例1の電子機器の動作例の説明に供する図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施例1の電子機器の動作例の説明に供する図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施例1の電子機器の動作例の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施例は本開示の技術を限定するものではない。また、以下の実施例において同一の構成には同一の符号を付す。
【0011】
[実施例1]
<ICタグの取付>
図1は、本開示の実施例1のICタグの取付例を示す図である。
図1に示すように、ICタグ(Integrated Circuit Tag)20は、電子機器10の筐体の外面に貼付されて使用され、電子機器10への貼付、及び、電子機器10からの取り外しが可能である。
図1には、ICタグ20が電子機器10の上面に貼付される場合を一例として示す。しかし、電子機器10におけるICタグ20の貼付箇所は電子機器10の上面に限定されず、例えば、電子機器10の側面または下面であっても良い。また、ICタグ20は、電池を内蔵していないパッシブ型のICタグ、または、電池を内蔵しているアクティブ型のICタグの何れであっても良い。
【0012】
<ICタグに記憶される情報の構成>
図2は、本開示の実施例1のICタグに記憶される情報の構成例を示す図である。
図2に示すように、ICタグ20に記憶される情報(以下では「タグ情報」と呼ぶことがある)STには、例えば、モデル情報MTと、仕向先情報DTと、ファームウェア情報FTと、回数情報NTとが含まれる。モデル情報MTは、電子機器10のモデルを示す情報である。仕向先情報DTは、電子機器10の仕向先の地域を示す情報である。ファームウェア情報FTは、互いに異なる機能を有する複数のファームウェアのうち電子機器10(つまり、自機)に適用されるファームウェア(以下では「適用ファームウェア」と呼ぶことがある)を示す情報である。回数情報NTは、ファームウェア情報FTの使用可能回数(以下では「情報使用可能回数」と呼ぶことがある)を示す情報である。
【0013】
<電子機器の構成>
図3は、本開示の実施例1の電子機器の構成例を示す図である。
図3において、電子機器10は、タグリーダ11と、プロセッサ12と、記憶媒体13と、電源ボタン14と、ディスプレイ15とを有する。電子機器10の一例として、スキャナやプリンタ等の画像処理装置が挙げられる。プロセッサ12の一例として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。記憶媒体13の一例として、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられる。ディスプレイ15の一例として、液晶ディスプレイが挙げられる。
図3には、一例として、電子機器10の上面にICタグ20が貼付されている場合を示す。
【0014】
<電子機器の記憶状態>
図4は、本開示の実施例1の電子機器の記憶状態の一例を示す図である。
図4に示すように、記憶媒体13には、互いに異なる機能を有する複数のファームウェアと、管理情報XAとが記憶される。
図4には、互いに異なる機能を有する4個のファームウェアFW-A,FW-B,FW-C,FW-Dが製造工場からの電子機器10の出荷時に記憶媒体13に予め記憶されている場合を一例として示す。
【0015】
<管理情報の構成>
図5は、本開示の実施例1の管理情報の構成例を示す図である。
図5に示すように、管理情報XAには、例えば、モデル情報MAと、仕向先情報DAと、適用済ファームウェア情報FAとが含まれる。モデル情報MAは、電子機器10のモデルを示す情報である。仕向先情報DAは、電子機器10の仕向先の地域を示す情報である。適用済ファームウェア情報FAは、電子機器10に適用済みのファームウェア(以下では「適用済ファームウェア」と呼ぶことがある)を示す情報である。
【0016】
<電子機器の処理>
図6は、本開示の実施例1の電子機器における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6のフローチャートに示す処理手順は、梱包された電子機器10が仕向先に到着した後に、ファームウェアの設定作業を行う作業員によって開梱された電子機器10において実行される。
【0017】
図6において、ステップS101では、プロセッサ12は、電源ボタン14が押下されたか否か、つまり、電子機器10の電源が投入されたか否かを監視し、電子機器10の電源が投入されるまで待機する(ステップS101:No)。
【0018】
電源ボタン14が押下されることにより電子機器10の電源が投入されると(ステップS101:Yes)、ステップS103において、プロセッサ12は、記憶媒体13に記憶されている適用済ファームウェア情報FAが“NULL”であるか否かを判定する。適用済ファームウェア情報FAが“NULL”であるときは(ステップS103:Yes)、処理はステップS109へ進む。一方で、適用済ファームウェア情報FAが“NULL”でないとき、つまり、適用済ファームウェア情報FAに適用済ファームウェアの名称が既に設定されているときは(ステップS103:No)、処理はステップS105へ進む。
【0019】
ステップS105では、プロセッサ12は、電子機器10にICタグ20が貼付されているか否かを判定する。例えば、プロセッサ12は、所定の要求コマンドをタグリーダ11を用いて送信し、送信した要求コマンドに対する所定の応答コマンドがICタグ20から受信されたときに電子機器10にICタグ20が貼付されていると判定する一方で、送信した要求コマンドに対する所定の応答コマンドが受信されないときに電子機器10にICタグ20が貼付されていないと判定する。電子機器10にICタグ20が貼付されているときは(ステップS105:Yes)、処理はステップS107へ進み、電子機器10にICタグ20が貼付されていないときは(ステップS105:No)、ステップS107の処理が行われることなく、処理はステップS137へ進む。
【0020】
ステップS107では、プロセッサ12は、警告WAをディスプレイ15に表示させる。ステップS107の処理後、処理はステップS137へ進む。
【0021】
ステップS109では、ステップS105と同様に、プロセッサ12は、電子機器10にICタグ20が貼付されているか否かを判定する。電子機器10にICタグ20が貼付されているときは(ステップS109:Yes)、処理はステップS113へ進み、電子機器10にICタグ20が貼付されていないときは(ステップS109:No)、処理はステップS111へ進む。
【0022】
ステップS111では、プロセッサ12は、警告WBをディスプレイ15に表示させる。ステップS111の処理後、処理はステップS137へ進む。
【0023】
ステップS113では、プロセッサ12は、読取指示をタグリーダ11へ出力することにより、タグリーダ11にICタグ20からタグ情報STを読み取らせる。タグリーダ11は、プロセッサ12からの読取指示に応じて、ICタグ20からタグ情報STを読み取り、読み取ったタグ情報STをプロセッサ12へ出力する。このようにして、プロセッサ12は、ICタグ20からタグ情報STを取得する。上記のように、タグ情報STには、モデル情報MTと、仕向先情報DTと、ファームウェア情報FTと、回数情報NTとが含まれる。
【0024】
次いで、ステップS115では、プロセッサ12は、ステップS113で取得したモデル情報MTと、記憶媒体13に記憶されているモデル情報MAとが一致するか否かを判定する。モデル情報MTとモデル情報MAとが一致するときは(ステップS115:Yes)、処理はステップS117へ進み、モデル情報MTとモデル情報MAとが一致しないときは(ステップS115:No)、処理はステップS119へ進む。
【0025】
ステップS119では、プロセッサ12は、警告WCをディスプレイ15に表示させる。ステップS119の処理後、処理はステップS137へ進む。
【0026】
ステップS117では、プロセッサ12は、ステップS113で取得した回数情報NTに設定されている情報使用可能回数nが“1”以上であるか否かを判定する。情報使用可能回数nが“1”以上であるときは(ステップS117:Yes)、処理はステップS121へ進み、情報使用可能回数nが“1”未満であるとき、つまり、情報使用可能回数nが“0”になっているときは(ステップS117:No)、処理はステップS120へ進む。
【0027】
ステップS120では、プロセッサ12は、警告WDをディスプレイ15に表示させる。ステップS120の処理後、処理はステップS137へ進む。
【0028】
ステップS121では、プロセッサ12は、ステップS113で取得した仕向先情報DTを記憶媒体13に記憶されている管理情報XAにおける仕向先情報DAに設定するとともに、ステップS113で取得したファームウェア情報FTを記憶媒体13に記憶されている適用済ファームウェア情報FAに設定する。
【0029】
次いで、ステップS123では、プロセッサ12は、ステップS113で取得したファームウェア情報FTに従って、記憶媒体13に記憶された複数のファームウェアの中から適用ファームウェアを選択する。
【0030】
次いで、ステップS125では、プロセッサ12は、記憶媒体13に記憶された複数のファームウェアのうち、適用ファームウェア以外のファームウェア(以下では「非適用ファームウェア」と呼ぶことがある)を記憶媒体13から削除する。
【0031】
次いで、ステップS127では、プロセッサ12は、記憶媒体13において非適用ファームウェアの削除により生じた空き領域をユーザ領域に設定する。
【0032】
次いで、ステップS129では、プロセッサ12は、ステップS113で取得した回数情報NTに設定されている情報使用可能回数nをデクリメントする。そして、プロセッサ12は、タグリーダ11を介して、デクリメント後の情報使用可能回数nによって、ICタグ20に記憶されている回数情報NTに設定されている情報使用可能回数nを更新する。つまり、ステップS129では、プロセッサ12は、タグリーダ11を介して、ICタグ20に記憶されている情報使用可能回数nをデクリメントする。
【0033】
次いで、ステップS131では、プロセッサ12は、ステップS129でのデクリメント後の情報使用可能回数nが“0”であるか否かを判定する。デクリメント後の情報使用可能回数nが“0”であるときは(ステップS131:Yes)、処理はステップS133へ進み、デクリメント後の情報使用可能回数nが“0”でないときは(ステップS131:No)、ステップS133の処理が行われることなく、処理はステップS135へ進む。
【0034】
ステップS133では、プロセッサ12は、タグリーダ11を介して、ICタグ20に記憶されているタグ情報STを無効化する。
【0035】
ステップS135では、プロセッサ12は、警告WEをディスプレイ15に表示させる。ステップS135の処理後、処理はステップS137へ進む。
【0036】
ステップS137では、プロセッサ12は、電子機器10の電源をオフにする。ステップS137の処理をもって、
図6に示すフローチャートは終了する。
【0037】
<電子機器の動作>
図7~
図11は、本開示の実施例1の電子機器の動作例の説明に供する図である。
【0038】
図7に、タグ情報STの設定例を示す。以下では、
図7に示すように、タグ情報STにおいて、例えば、モデル情報MTには“PF6800X”というモデル名が設定され、仕向先情報DTには“北米”という地域が設定され、ファームウェア情報FTには“FW-A”及び“FW-B”という互いに異なる2個のファームウェアの名称が設定され、回数情報NTには“n(回)”という情報使用可能回数が設定される場合を一例に挙げて電子機器10の動作例を説明する。情報使用可能回数“n”は、例えば、電子機器10の仕向先への1ロット分の出荷数と同数に設定される。
【0039】
タグ情報STへのモデル情報MT、仕向先情報DT、ファームウェア情報FT及び回数情報NTの設定は、タグライターを用いて行われ、電子機器10の製造工場または電子機器10の仕向先の何れにおいて行われても良い。
【0040】
タグ情報STの設定が電子機器10の製造工場で行われる場合、タグ情報STが設定されたICタグ20が電子機器10の製造時に貼付され、ICタグ20が貼付済みの電子機器10が製造工場から仕向先へ出荷される。なお、タグ情報STの設定は、電子機器10へのICタグ20の貼付前または貼付後の何れにおいて行われても良い。また、タグ情報STの設定が電子機器10へのICタグ20の貼付後に行われる場合、タグ情報STの設定は、段ボール箱への電子機器10の梱包前または梱包後の何れにおいて行われても良い。
【0041】
また、タグ情報STの設定が電子機器10の仕向先で行われる場合、製造工場から仕向先への電子機器10の出荷時には電子機器10にICタグ20が貼付されておらず、電子機器10が仕向先に到着した後、仕向先において、タグ情報STが設定されたICタグ20が、ファームウェアの設定作業を行う作業員によって電子機器10に貼付される。
【0042】
図8に、管理情報XAの設定例を示す。以下では、
図8に示すように、電子機器10の出荷時には、管理情報XAにおいて、例えば、モデル情報MAには“PF6800X”というモデル名が設定され、仕向先情報DA及び適用済ファームウェア情報FAには“NULL”が設定される場合を一例に挙げて電子機器10の動作例を説明する。
【0043】
ここで、電子機器10の電源が投入されたときには(ステップS101:Yes)、管理情報XAにおける適用済ファームウェア情報FAが“NULL”であるか否かが判定される(ステップS103)。一方で、ステップS121では、タグ情報STにおける仕向先情報DTが管理情報XAにおける仕向先情報DAに設定され、タグ情報STにおけるファームウェア情報FTが管理情報XAにおける適用済ファームウェア情報FAに設定される。すなわち、ステップS121では、
図9に示すように、管理情報XAにおいて、仕向先情報DAが“NULL”(
図8)から“北米”(
図9)に更新され、適用済ファームウェア情報FAが“NULL”(
図8)から“FW-A”及び“FW-B”(
図9)に更新される。また、ステップS121の処理は、管理情報XAにおける適用済ファームウェア情報FAが“NULL”であるときにだけ行われるため(ステップS103:Yes)、1つの電子機器10に対して一度だけ行われる処理である。よって、ステップS103で適用済ファームウェア情報FAが“NULL”であると判定されるときは、ステップS101での電源投入が電子機器10に対する初回の電源投入であるときに相当し、ステップS103で適用済ファームウェア情報FAが“NULL”でないと判定されるときは、ステップS101での電源投入が電子機器10に対する2回目以降の電源投入であるときに相当する。つまり、ステップS103では、プロセッサ12は、適用済ファームウェア情報FAが“NULL”であるか否かを判定することにより、電子機器10の電源投入が初回の電源投入であるか否かを判定している。
【0044】
そして、プロセッサ12は、電子機器10の電源投入が初回の電源投入であり(ステップS103:Yes)、かつ、ICタグ20が電子機器10に貼付されているときは(ステップS109:Yes)、タグリーダ11にICタグ20からファームウェア情報FTを含むタグ情報STを読み取らせる(ステップS113)。
【0045】
また、プロセッサ12は、電子機器10の電源投入が初回の電源投入であり(ステップS103:Yes)、かつ、ICタグ20が電子機器10に貼付されていないときは(ステップS109:No)、ディスプレイ15の表示を用いて、警告WBとして、ICタグ20を電子機器10に貼付することを促す警告を発する(ステップS111)。
【0046】
また、プロセッサ12は、電子機器10の電源投入が2回目以降の電源投入であり(ステップS103:No)、かつ、ICタグ20が電子機器10に貼付されているときは(ステップS105:Yes)、ディスプレイ15の表示を用いて、警告WAとして、ICタグ20を電子機器10から取り外すことを促す警告を発する(ステップS107)。
【0047】
また、プロセッサ12は、ステップS113で取得したファームウェア情報FTが“FW-A”及び“FW-B”であるため(
図7)、ステップS123では、電子機器10の出荷時に記憶媒体13に記憶されている4個のファームウェアFW-A,FW-B,FW-C,FW-Dのうち、ファームウェアFW-A,FW-Bの2個のファームウェアを適用ファームウェアとして選択する。また、プロセッサ12は、
図10に示すように、ステップS125において、非適用ファームウェアであるファームウェアFW-C,FW-Dの2個のファームウェアを記憶媒体13から削除するとともに、ステップS127において、ファームウェアFW-C,FW-Dの削除により生じた空き領域をユーザ領域に設定する。
【0048】
また、ここでは、タグ情報STにおけるモデル情報MT(
図7)と、管理情報XAにおけるモデル情報MA(
図8,
図9)とが互いに“PF6800X”で一致しするため(ステップS115:Yes)、ステップS123における適用ファームウェアの選択が行われる。但し、一例として、ステップS123における適用ファームウェアの選択が行われるのは、ステップS113で取得される回数情報NTが示す情報使用可能回数nが1回以上のときである(ステップS117:Yes)。
【0049】
また仮に、例えば、タグ情報STにおけるモデル情報MTが、管理情報XAにおけるモデル情報MAである“PF6800X”に一致しないとき、つまり、モデル情報MTが示すモデルが電子機器10のモデルと一致しないときは(ステップS115:No)、プロセッサ12は、ディスプレイ15の表示を用いて、警告WCとして、モデル情報MTとして“PF6800X”をタグ情報STに記憶する適正なICタグ20を自機に貼付することを促す警告を発する(ステップS119)。
【0050】
また、情報使用可能回数nがステップS129でデクリメントされた結果、ステップS113で取得される回数情報NTが示す情報使用可能回数nが0回になっているときは(ステップS117:No)、プロセッサ12は、ディスプレイ15の表示を用いて、警告WDとして、回数情報NTとして“1”以上の情報使用可能回数nをタグ情報STに記憶する適正なICタグ20を自機に貼付することを促す警告を発する(ステップS120)。
【0051】
また、プロセッサ12は、ステップS123における適用ファームウェアの選択後、ディスプレイ15の表示を用いて、警告WEとして、ICタグ20を電子機器10から取り外すことを促す警告を発する(ステップS135)。
【0052】
また、プロセッサ12は、ステップS123における適用ファームウェアの選択後、ICタグ20に記憶されている回数情報NTにおける情報使用可能回数nを1回減じる(ステップS129)。そして、プロセッサ12は、1回減じた後の情報使用可能回数nが0回であるときは(ステップS131:Yes)、タグリーダ11を介して、
図11に示すように、ICタグ20に記憶されているタグ情報STに含まれるモデル情報MT、仕向先情報DT、ファームウェア情報FT及び回数情報NTのすべてを“NULL”に更新することにより無効にする。なお、プロセッサ12は、“NULL”に設定されている情報は無効な情報であると認識する。
【0053】
以上、実施例1について説明した。
【0054】
[実施例2]
電子機器10での上記説明における各処理の全部または一部は、各処理に対応するプログラムをプロセッサ12に実行させることによって実現しても良い。例えば、上記説明における各処理に対応するプログラムが記憶媒体13に記憶され、プログラムがプロセッサ12によって記憶媒体13から読み出されて実行されても良い。また、プログラムは、任意のネットワークを介して電子機器10に接続されたプログラムサーバに記憶され、そのプログラムサーバから電子機器10にダウンロードされて実行されたり、電子機器10が読み取り可能な記録媒体に記憶され、その記録媒体から読み出されて実行されても良い。電子機器10が読み取り可能な記録媒体には、例えば、メモリカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク等の可搬の記憶媒体が含まれる。また、プログラムは、任意の言語や任意の記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。また、プログラムは必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールや複数のライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものも含む。
【0055】
以上、実施例2について説明した。
【0056】
以上のように、本開示の電子機器(実施例1の電子機器10)は、記憶媒体(実施例1の記憶媒体13)と、タグリーダ(実施例1のタグリーダ11)と、プロセッサ(実施例1のプロセッサ12)とを有する。記憶媒体は、互いに異なる機能を有する複数のファームウェア(実施例1のファームウェアFW-A,FW-B,FW-C,FW-D)を予め記憶する。タグリーダは、複数のファームウェアのうち自機(実施例1の電子機器10)に適用されるファームウェアである適用ファームウェア(実施例1のファームウェアFW-A,FW-B)を示す情報であるファームウェア情報(実施例1のファームウェア情報FT)を記憶したICタグ(実施例1のICタグ20)からファームウェア情報を読み取る。プロセッサは、タグリーダによって読み取られたファームウェア情報に従って、記憶媒体に記憶された複数のファームウェアの中から適用ファームウェアを選択する。
【0057】
こうすることで、それぞれの電子機器に応じた適切なファームウェアを自動的に電子機器に設定できるため、ファームウェアの設定に要する工数を削減することができる。
【0058】
また、本開示のICタグは、自機への貼付、及び、自機からの取り外しが可能なICタグである。
【0059】
こうすることで、複数の電子機器に対して同一のファームウェアの設定を1個のICタグを用いて行うことができる。
【0060】
また、本開示のプロセッサは、自機の電源投入が初回の電源投入か否かと、ICタグが自機に貼付されているか否かとを判定し、電源投入が初回の電源投入であり、かつ、ICタグが自機に貼付されているときは、タグリーダにICタグからファームウェア情報を読み取らせる。
【0061】
こうすることで、タグリーダによるICタグからのファームウェア情報の読取に失敗することを防止できる。
【0062】
また、本開示のプロセッサは、自機の電源投入が初回の電源投入であり、かつ、ICタグが自機に貼付されていないときは、ICタグを自機に貼付することを促す警告(実施例1の警告WB)を発する。
【0063】
こうすることで、ICタグからのファームウェア情報の読取時にICタグが電子機器に貼付されていないことを防止できる。
【0064】
また、本開示のプロセッサは、自機の電源投入が2回目以降の電源投入であり、かつ、ICタグが自機に貼付されているときは、ICタグを自機から取り外すことを促す警告(実施例1の警告WA)を発する。
【0065】
こうすることで、既にファームウェアの設定が済んだ電子機器にICタグが貼付されたままになることを防止できる。
【0066】
また、本開示のプロセッサは、記憶媒体に記憶された複数のファームウェアのうち、適用ファームウェア以外のファームウェアである非適用ファームウェア(実施例1のファームウェアFW-C,FW-D)を記憶媒体から削除する。
【0067】
こうすることで、不要なファームウェアが削除されて記憶媒体に空き領域を設けることができる。
【0068】
また、本開示のプロセッサは、記憶媒体において非適用ファームウェアの削除により生じた空き領域をユーザ領域に設定する。
【0069】
こうすることで、記憶媒体の空き領域をユーザ領域として有効に活用することができる。
【0070】
また、本開示のタグリーダは、ファームウェア情報と、電子機器のモデルを示す情報であるモデル情報(実施例1のモデル情報MT)とを記憶したICタグからファームウェア情報及びモデル情報を読み取る。また、本開示のプロセッサは、モデル情報が示すモデルが自機のモデル(実施例1の“PF6800X”)と一致するときは、適用ファームウェアを選択する。
【0071】
こうすることで、異なるモデルの電子機器に適用されるファームウェアが誤って自機に設定されてしまうことを防止できる。
【0072】
また、本開示のプロセッサは、モデル情報が示すモデルが自機のモデルと一致しないときは、自機のモデル情報を記憶する適正なICタグを自機に貼付することを促す警告(実施例1の警告WC)を発する。
【0073】
こうすることで、不正なICタグにより中断したファームウェアの設定を適正なICタグを用いてやり直すことができる。
【0074】
また、本開示のタグリーダは、ファームウェア情報と、ファームウェア情報の使用可能回数(実施例1の情報使用可能回数n)を示す情報である回数情報(実施例1の回数情報NT)とを記憶したICタグからファームウェア情報及び回数情報を読み取る。また、本開示のプロセッサは、回数情報が示す使用可能回数が1回以上であるときは(つまり、実施例1でn≧1のときは)、適用ファームウェアを選択する。
【0075】
こうすることで、ファームウェアの設定が行われる電子機器の台数を所望の台数に制限することができる。
【0076】
また、本開示のプロセッサは、回数情報が示す使用可能回数が0回であるときは(つまり、実施例1でn=0のときは)、1回以上の使用可能回数を回数情報として記憶する適正なICタグを自機に貼付することを促す警告(実施例1の警告WD)を発する。
【0077】
こうすることで、不正なICタグにより中断したファームウェアの設定を適正なICタグを用いてやり直すことができる。
【0078】
また、本開示のプロセッサは、適用ファームウェアの選択後、ICタグを自機から取り外すことを促す警告(実施例1の警告WE)を発する。
【0079】
こうすることで、ファームウェアの設定が済んだ電子機器からのICタグの取り外しの失念を防止できる。
【0080】
また、本開示のプロセッサは、適用ファームウェアの選択後、ICタグに記憶されている回数情報における使用可能回数を1回減じ、1回減じた後の使用可能回数が0回であるときは(つまり、実施例1でnのデクリメント後にn=0のときは)、ICタグに記憶されているファームウェア情報を無効にする。
【0081】
こうすることで、使用済みのICタグの不正利用を防止できる。
【符号の説明】
【0082】
10 電子機器
11 タグリーダ
12 プロセッサ
13 記憶媒体
14 電源ボタン
15 ディスプレイ
20 ICタグ