(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】容器搬送機構
(51)【国際特許分類】
B65G 19/02 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
B65G19/02 A
(21)【出願番号】P 2020089860
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】391035430
【氏名又は名称】東洋製罐グループエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【氏名又は名称】藤本 信男
(72)【発明者】
【氏名】徳永 康弘
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-072544(JP,A)
【文献】実開昭61-191314(JP,U)
【文献】実開昭54-126391(JP,U)
【文献】特開2011-069435(JP,A)
【文献】特開2005-145478(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061325(WO,A1)
【文献】特開2010-036317(JP,A)
【文献】特開2018-091359(JP,A)
【文献】特開2017-124939(JP,A)
【文献】特開平11-157645(JP,A)
【文献】国際公開第2004/057210(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/00-17/48、19/00-19/30、47/82-47/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンと、前記チェーンが巻き掛けられる複数のスプロケットと、前記チェーンに設けられたチェーンアタッチメントを備え、前記チェーンアタッチメントによって正立状態の筒状の容器を押して前記チェーンの進行方向に搬送可能な容器搬送路とを有する容器搬送機構であって、
前記チェーンは、左右一対の内リンクプレートと前記内リンクプレートのブシュ孔に圧入嵌合されたブシュと前記ブシュに回転自在に嵌挿された連結ピンと前記連結ピンを嵌合するピン孔を備えた左右一対の外リンクプレートとで構成され、前記内リンクプレートと前記外リンクプレートとをチェーン長手方向に交互に連結してなり、
前記チェーンアタッチメントは、前記内リンクプレートから前記スプロケットの回転軸方向且つ前記容器搬送路側へ突出するように設けられ
、
前記スプロケットの回転軸は、前記容器搬送路上で搬送される正立状態の容器の中心軸と直交する向きに設けられ、
前記チェーンアタッチメントは、前記容器搬送路上で搬送される正立状態の容器の幅方向中央よりも前記チェーン側の範囲で接触する形状であることを特徴とする容器搬送機構。
【請求項2】
前記チェーンアタッチメントは、前記容器搬送路上の容器に接触し前記チェーンの進行方向側に押す接触辺を有し、
前記接触辺は、前記チェーンに近づくほど前記チェーンの進行方向側へ傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の容器搬送機構。
【請求項3】
前記チェーンアタッチメントは、前記内リンクプレートに一体形成されていることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の容器搬送機構。
【請求項4】
前記チェーンは、前記容器搬送路と平行するように配置された摺動ガイドに沿って摺動し、
前記摺動ガイドには、1対の前記内リンクプレートの内面側を案内する制限部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至
請求項3のいずれかに記載の容器搬送機構。
【請求項5】
前記内リンクプレートの内面と前記制限部材との間のクリアランスは、0.8mm以下であることを特徴とする請求項
4に記載の容器搬送機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器充填設備で容器を搬送する容器搬送機構に関し、特に、チェーンに設けられたチェーンアタッチメントによって容器を押して搬送する容器搬送機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、容器充填設備で容器を搬送する容器搬送機構として、チェーンに設けられたチェーンアタッチメントによって容器を押して搬送するものは公知である。
例えば、特許文献1には、缶巻締めラインの巻締ターレットから排出ターレットに受け渡された缶を、ドッグチェーンで拘束して排出コンベヤ上を等速等ピッチで抜き取り位置まで搬送する容器搬送機構が設けられた物品のサンプリング装置が記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載の物品のサンプリング装置のドッグチェーンは、巻締ターレットから缶を受け取る排出ターレットと同じ回転軸を持つ駆動スプロケットと、抜き取り位置に配置された従動側のチェーンスプロケットに掛け回されている。
また、このドッグチェーンは、ドッグチェーンを構成する外リンクプレートおよび内リンクプレートの各プレートから、所定の間隔でスプロケットの回転軸と直交する方向へ突出するように形成されたチェーンアタッチメントであるドッグの間に缶を受け入れることによって、排出コンベア上を等速等ピッチで抜き取り位置まで搬送することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載の物品のサンプリング装置に設けられた容器搬送機構には、未だ改善の余地があった。
すなわち、特許文献1に記載の物品のサンプリング装置に設けられた容器搬送機構は、ドッグチェーンが排出ターレットと同じ回転軸を持つ駆動スプロケットと、抜き取り位置に配置された従動側のチェーンスプロケットに掛け回されているため、排出ターレットと容器搬送機構とを一体に形成する必要があり、ドッグチェーンと排出ターレットとの互いの干渉箇所が多くなり、メンテナンスや調整に時間がかかってしまう虞があった。
また、ドッグチェーンが掛け回されるスプロケットが、排出ターレットの回転軸と同じ方向の回転軸であるため、ドッグチェーンを掛け回すためには横方向に広い空間を確保する必要があり、限られた広さの設備内では配置が困難となる虞があった。
【0006】
そこで、ドッグチェーンが掛け回されるスプロケットを、排出ターレットの回転軸と直交する方向を回転軸として、排出ターレットとは別に設けることも考えられるが、ドッグチェーンを構成する各リンクプレートから突出形成されるチェーンアタッチメントであるドッグをスプロケットの回転軸と同じ方向に形成すると、各リンクプレート間にスプロケットの回転軸方向に遊びとして設けられた微小な隙間の偏りによって、缶をドッグで受け取るタイミングまたは受け渡すタイミングがずれてしまう虞や、缶とドッグとの接点が変化して缶に傷が発生してしまう虞があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、簡単な構成で、リンクプレートからスプロケットの回転軸と同じ方向に突出したチェーンアタッチメントであるドッグでも、容器をチェーンアタッチメントであるドッグで受け取るタイミングまたは受け渡すタイミングのずれを抑制でき、容器搬送位置のばらつきを小さくできるとともに、容器への傷や凹みを防止可能な容器搬送機構を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の容器搬送機構は、チェーンと、前記チェーンが巻き掛けられる複数のスプロケットと、前記チェーンに設けられたチェーンアタッチメントを備え、前記チェーンアタッチメントによって正立状態の筒状の容器を押して前記チェーンの進行方向に搬送可能な容器搬送路とを有する容器搬送機構であって、前記チェーンは、左右一対の内リンクプレートと前記内リンクプレートのブシュ孔に圧入嵌合されたブシュと前記ブシュに回転自在に嵌挿された連結ピンと前記連結ピンを嵌合するピン孔を備えた左右一対の外リンクプレートとで構成され、前記内リンクプレートと前記外リンクプレートとをチェーン長手方向に交互に連結してなり、前記チェーンアタッチメントは、前記内リンクプレートから前記スプロケットの回転軸方向且つ前記容器搬送路側へ突出するように設けられ、前記スプロケットの回転軸は、前記容器搬送路上で搬送される正立状態の容器の中心軸と直交する向きに設けられ、前記チェーンアタッチメントは、前記容器搬送路上で搬送される正立状態の容器の幅方向中央よりも前記チェーン側の範囲で接触する形状であることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る容器搬送機構によれば、チェーンアタッチメントは、内リンクプレートからスプロケットの回転軸方向且つ容器搬送路側へ突出するように設けられているため、内リンクプレートと外リンクプレートとの間にクリアランスとして設けられた微小な隙間の偏りによってチェーンアタッチメントの位置がずれることはなく、チェーンアタッチメントで容器を受け取るタイミングまたは受け渡すタイミングのずれを抑制でき、容器搬送位置のばらつきを小さくできるとともに、容器への傷や凹みを確実に防止できる。
また、スプロケットの回転軸は、容器搬送路上で搬送される正立状態の容器の中心軸と直交する向きに設けられ、チェーンアタッチメントは、容器搬送路上で搬送される正立状態の容器の幅方向中央よりもチェーン側の範囲で接触する形状のため、排出ターレット等の回転運動している装置から容器を受け取る際、チェーンアタッチメントが確実に容器のチェーン側に接触し、容器を容器搬送路のチェーンと反対側に沿わせながら搬送することで、容器の搬送位置のずれを抑制でき、生産装置との容器の受け渡しまたは受け取りを安定化させることができる。
【0010】
請求項2に記載の構成によれば、チェーンアタッチメントに設けられた接触辺は、チェーンに近づくほどチェーンの進行方向側へ傾斜しているため、容器の側面にチェーンアタッチメントの接触辺が線状に接触可能となり、容器の側面に点接触する場合に比べて、容器に局所的に力が与えられることがなく、容器の側面の凹みや傷の発生をより一層防止できる。
【0011】
請求項3に記載の構成によれば、チェーンアタッチメントは、内リンクプレートに一体形成されているため、内リンクプレートとチェーンアタッチメントとが別体で形成されている場合に比べて、内リンクプレートとチェーンアタッチメントとの位置のずれを考慮する必要がない。
また、成形型の数や、内リンクプレートとチェーンアタッチメントとを接続する部材を削減できるため、コストアップを抑制することもできる。
請求項4に記載の構成によれば、チェーンは、容器搬送路と平行するように配置された摺動ガイドに沿って摺動し、摺動ガイドには、1対の内リンクプレートの内面側を案内する制限部材が設けられているため、スプロケットの回転軸方向への内リンクプレートの位置ずれを、制限部材と内リンクプレートとが摺動可能な範囲で設けられたごく微小なずれに抑えることができる。
【0012】
請求項5に記載の構成によれば、内リンクプレートの内面と制限部材との間のクリアランスは、0.8mm以下であるため、制限部材と内リンクプレートとが十分に摺動可能な状態を維持できるとともに、スプロケットの回転軸方向への内リンクプレートの位置ずれを確実にごく微小なものに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100を備えた容器充填設備Sの一例を示す概略図。
【
図2】本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100を備えた容器充填設備Sの一例の、容器搬送機構100の近傍を示す概略図。
【
図3】本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100のチェーン110を示す斜視図。
【
図4】本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100のチェーン110を示す上面図。
【
図5】本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100のチェーン110を示すA-A’断面図。
【
図6】本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100のチェーン110による、容器Cの搬送状態を示す概略図。
【
図7】本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100のチェーン110による、容器Cの搬送状態を示す拡大図。
【
図8】参考例のチェーン210による容器Cの搬送状態を示す概略図。
【
図9】参考例のチェーン210を示すB-B’断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100について、図面に基づいて説明する。
【0015】
容器搬送機構100は、容器充填設備Sで容器Cを搬送するものであって、
図1、
図2および
図7に示すように、摺動ガイド(図示しない)上を摺動するチェーン110と、チェーン110が巻き掛けられる駆動スプロケット119および従動スプロケット(図示しない)と、チェーン110に設けられたチェーンアタッチメント113によって正立状態の容器Cを押してチェーン110の進行方向に搬送可能な容器搬送路Rとを有している。
【0016】
チェーン110は、
図3乃至
図5に示すように、左右一対の内リンクプレート111と、左右一対の外リンクプレート115とを有し、内リンクプレート111には、ブシュ117が圧入嵌合可能なブシュ孔112が2つ設けられ、外リンクプレート115には連結ピン118が嵌合可能なピン孔116が2つ設けられている。
また、チェーン110は、摺動ガイド(図示しない)上に配置された制限部材として機能するガイドレール120を左右一対の内リンクプレート111で挟むように摺動する。
駆動スプロケット119および従動スプロケット(図示しない)は水平方向に回転軸を設けており、チェーン110を上下方向に巻き掛けている。
【0017】
左右一対の内リンクプレート111は、ブシュ孔112に圧入嵌合したブシュ117を介して互いの相対位置が変わらないように接続され、左右一対の外リンクプレート115は、ブシュ117に回転自在に嵌挿された連結ピン118をピン孔116に嵌合することで互いの相対位置が変わらないように接続されている。
また、隣接する内リンクプレート111と外リンクプレート115との間は、所定のクリアランスtLが設けられており、左右1対の内リンクプレート111と左右一対の外リンクプレート115とは、ブシュ117と連結ピン118との相対回転によって互いに回転可能に構成されている。
【0018】
左右一対の内リンクプレート111のうち、容器搬送路R側の内リンクプレート111上面には、容器搬送路R側に突出するチェーンアタッチメント113が形成されている。
チェーンアタッチメント113は、容器搬送路R上で搬送される容器Cと接触して搬送方向へ押す接触辺114を有しており、接触辺114は、容器搬送路R上で搬送される正立状態の容器Cの幅方向中央よりもチェーン110側に接触するように設けられるとともに、チェーン110に近づくほどチェーン110の進行方向側へ傾斜している。
【0019】
なお、容器搬送路Rのチェーン110側と反対側の側方には、容器Cの容器搬送路Rからの脱落を防ぐ搬送ガイド(図示しない)が設けられている。
また、ガイドレール120の上面にはブシュ117が摺接し、ガイドレール120の側面に左右一対の内リンクプレート111の内面側を摺接させることで進路を案内している。
【0020】
次に、本発明の一実施形態である容器搬送機構100による容器Cの搬送方法について、
図6および
図7を基に説明する。
【0021】
まず、容器Cは充填機など前工程での処理を受けた後に、缶蓋巻締機などの生産装置Mに向かって容器搬送路R(図示しない)上を進む。
このとき、チェーン110は生産装置Mと同期して動作しているため、チェーンアタッチメント113は容器Cが容器搬送路Rから生産装置M上に乗り移る受け渡しポイントに到達する一定のタイミングで、容器Cを受け渡しに適した位置に移動させることができるものである。
【0022】
チェーンアタッチメント113は、接触辺114で容器Cの側面を押すことで容器Cを搬送しているが、接触辺114は容器Cの幅方向中央よりもチェーン110側に接触するため、生産装置Mから受け取った容器Cを、搬送ガイド(図示しない)に沿わせながら搬送することで、容器Cの搬送位置のずれを抑制でき、生産装置Mとの容器Cの受け渡しまたは受け取りを安定化させることができる。
また、接触辺114は、チェーン110に近づくほどチェーン110の進行方向側へ傾斜しているため、容器Cの側面に接触辺114が接触可能な箇所が線状に展開されることで、容器Cの側面に接触辺114が瞬間的に強く接触しても容器Cが一時的にわずかに変形して接触辺114に線状に広い範囲で接触するため、局所的に大きな力が容器Cの側面に与えられることがなく、容器Cの側面の凹みや傷の発生を防止できる。
【0023】
ここで、接触辺114がチェーン110に近づくほどチェーン110の進行方向側へ傾斜しているため、チェーン110の幅方向にチェーンアタッチメント113が位置ずれしてしまうと、容器Cと接触辺114との接触位置が変わってしまう。
これによって、生産装置Mとチェーンアタッチメント113との間の容器Cの受け渡しまたは受け取りのタイミングにずれが発生してしまい、容器Cとチェーンアタッチメント113との接触時に異音が発生する虞や、容器Cを接触辺114で押す方向が変化することで、搬送ガイド(図示しない)へ容器Cを過度に押し付けて傷や凹みが発生してしまう虞がある。
さらに、生産装置Mとチェーンアタッチメント113との間の容器Cの受け渡し時または受け取り時にチェーンアタッチメント113と生産装置Mのポケット(図示しない)との間で容器Cを挟み込んで傷や凹みが発生してしまう虞もあるため、チェーンアタッチメント113のチェーン110の幅方向への位置ずれを抑制することが、安定した容器Cの搬送には重要である。
【0024】
例えば、チェーンアタッチメントのチェーンの幅方向への位置ずれが発生する主な要因として、チェーンの内リンクプレートと外リンクプレートとの間に設けられた所定のクリアランスtLの偏りがある。
図8および
図9に示す参考例のチェーン210は、外リンクプレート215にチェーンアタッチメント213が設けられている。
内リンクプレート211は、摺動ガイド(図示しない)上に設けられたガイドレール220が、左右一対の内リンクプレート211の内面側に摺接するため、内リンクプレート211のチェーン210の幅方向への位置ずれはクリアランスtGの範囲となる。
【0025】
一方で、内リンクプレート211と外リンクプレート215とは、互いに相対回転可能にするための所定のクリアランスtLが設けられているが、チェーン210が摺動ガイド(図示しない)上を摺動する間に、左右一対の内リンクプレート211と左右一対の外リンクプレート215とのチェーン210の幅方向への相対位置がずれて、片側にクリアランスtLが偏ることがある。
【0026】
このとき、クリアランスtLが偏っていない状態での容器Cの中心からチェーンアタッチメント213との最短距離をdsとすると、チェーンアタッチメント213が容器搬送路Rから離れる方向にクリアランスtLが偏った場合の容器Cの中心からチェーンアタッチメント213との最短距離dnはdsよりも短くなり、チェーンアタッチメント213が容器搬送路Rに近づく方向にクリアランスtLが偏った場合の容器Cの中心からチェーンアタッチメント213との最短距離dwはdsよりも長くなる。
このdsとdnとの差、および、dsとdwとの差が、それぞれクリアランスtLが偏っていない状態での生産装置Mとチェーンアタッチメント213との間の容器Cの受け渡しまたは受け取りのタイミングのずれが発生する要因である。
【0027】
本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100のチェーン110は、内リンクプレート111にチェーンアタッチメント113を設けているため、外リンクプレート115と内リンクプレート111との間のクリアランスtLが偏っても、チェーンアタッチメント113のチェーン110の幅方向への位置ずれはクリアランスtGの範囲に収めることができ、容器Cと接触辺114との接触位置や接触タイミングの変化を最小限に留めることができる。
すなわち、生産装置Mとチェーンアタッチメント113との間の容器Cの受け渡しまたは受け取りを安定して実施することができる。
【0028】
なお、本発明の一実施形態に係る容器搬送機構100のチェーン110は、チェーンアタッチメント113が内リンクプレート111に一体形成されているため、チェーンアタッチメント113が内リンクプレート111と別体で形成されている場合に比べて、チェーンアタッチメント113を内リンクプレート111に接続する部品を用意する必要がなく、軽量化できると共に脱落の心配も無用であり、さらにはコストアップを抑制することもできる。
また、チェーンアタッチメント113と内リンクプレート111との接続時の位置ずれによる生産装置Mとチェーンアタッチメント113との間の容器Cの受け取りまたは受け渡しまたは受け取りのタイミングへの悪影響を考慮する必要がない。
また、クリアランスtGは、最大0.8mm以下に収めることがより好適であり、これによって容器Cと接触辺114との接触位置や接触タイミングの変化を確実に最小限に留めることができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0030】
なお、上述した実施形態では、チェーンアタッチメントは容器搬送路側の内リンクプレートに一体に形成されているものとして説明したが、チェーンアタッチメントの構成はこれに限定されず、例えば、内リンクプレートと別体で形成してもよく、左右一対の内リンクプレートの両方に接続されていてもよい。
また、上述した実施形態では、摺動ガイドには、内リンクプレートの内面側と摺接する制限部材としてガイドレールが設けられているものとして説明したが、制限部材の構成はこれに限定されず、例えば、内リンクプレートの外周縁を外リンクプレートの外周縁よりも大きく形成して、制限部材を内リンクプレートが摺動可能な溝状に形成してもよい。
【0031】
また、上述した実施形態では、容器搬送機構は、充填機と缶巻締機との間に配置されているものとして説明したが、容器搬送機構の配置はこれに限定されず、例えば、容器洗浄装置と容器乾燥装置との間に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
100、200 ・・・ 容器搬送機構
110、210 ・・・ チェーン
111、211 ・・・ 内リンクプレート
112 ・・・ ブシュ孔
113、213 ・・・ チェーンアタッチメント
114、214 ・・・ 接触辺
115、215 ・・・ 外リンクプレート
116 ・・・ ピン孔
117、217 ・・・ ブシュ
118、218 ・・・ 連結ピン
119 ・・・ 駆動スプロケット
120、220 ・・・ ガイドレール(制限部材)
M ・・・ 生産装置
S ・・・ 容器充填設備
C ・・・ 容器
tL ・・・ 内リンクプレートと外リンクプレートとの間のクリアランス
tG ・・・ 内リンクプレートとガイドレールとの間のクリアランス
R ・・・ 容器搬送路