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特許7394716点検予定データ生成装置、点検予定データ生成方法および点検予定データ生成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】点検予定データ生成装置、点検予定データ生成方法および点検予定データ生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231201BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20231201BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/16 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020117995
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2021140717
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】P 2020037208
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 駿
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-051749(JP,A)
【文献】特開2002-251443(JP,A)
【文献】特開2006-244006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備え、物件内の設備の点検を発注先に発注する場合において、前記点検の予定の時期である点検予定時期を含む点検予定データを生成する点検予定データ生成装置であって、
前記制御部は、
前記物件を識別するための物件識別データと前記設備を識別するための設備識別データとを含む設備マスタから、前記点検予定データの生成を指示するための画面において指定された物件識別データと紐付く設備識別データを取得する設備取得手段と、
前記設備識別データと前記点検の内容を識別するための点検内容識別データと明細識別データとを含む前記発注の原価に関する明細のデータである原価明細データから、前記設備取得手段で取得した設備識別データと紐付く点検内容識別データおよび明細識別データを取得する点検内容等取得手段と、
前記明細識別データと前記発注の原価の支払を行う時期である支払時期とを含む前記発注の原価に関する詳細のデータである原価詳細データから、前記点検内容等取得手段で取得した明細識別データと紐付く支払時期を取得する支払時期取得手段と、
前記画面において指定された物件識別データ、前記原価明細データ中の前記設備識別データおよび前記点検内容等取得手段で取得した点検内容識別データの組合せごとに、前記支払時期取得手段で取得した支払時期を前記点検予定時期として含む前記点検予定データを生成する点検予定生成手段と、
を備えること、
を特徴とする点検予定データ生成装置。
【請求項2】
前記支払時期取得手段は、
前記原価詳細データから、前記点検内容等取得手段で取得した明細識別データと紐付き、かつ、前記画面において指定された期間に属する支払時期を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の点検予定データ生成装置。
【請求項3】
前記発注をする者が、依頼主から前記設備の前記点検を委託された元請業者であり、
前記発注先が、前記元請業者から前記設備の前記点検を再委託された下請業者であること、
を特徴とする請求項1または2に記載の点検予定データ生成装置。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置で実行される、物件内の設備の点検を発注先に発注する場合において、前記点検の予定の時期である点検予定時期を含む点検予定データを生成する点検予定データ生成方法であって、
前記制御部で実行される、
前記物件を識別するための物件識別データと前記設備を識別するための設備識別データとを含む設備マスタから、前記点検予定データの生成を指示するための画面において指定された物件識別データと紐付く設備識別データを取得する設備取得ステップと、
前記設備識別データと前記点検の内容を識別するための点検内容識別データと明細識別データとを含む前記発注の原価に関する明細のデータである原価明細データから、前記設備取得ステップで取得した設備識別データと紐付く点検内容識別データおよび明細識別データを取得する点検内容等取得ステップと、
前記明細識別データと前記発注の原価の支払を行う時期である支払時期とを含む前記発注の原価に関する詳細のデータである原価詳細データから、前記点検内容等取得ステップで取得した明細識別データと紐付く支払時期を取得する支払時期取得ステップと、
前記画面において指定された物件識別データ、前記原価明細データ中の前記設備識別データおよび前記点検内容等取得ステップで取得した点検内容識別データの組合せごとに、前記支払時期取得ステップで取得した支払時期を前記点検予定時期として含む前記点検予定データを生成する点検予定生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする点検予定データ生成方法。
【請求項5】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための、物件内の設備の点検を発注先に発注する場合において、前記点検の予定の時期である点検予定時期を含む点検予定データを生成する点検予定データ生成プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
前記物件を識別するための物件識別データと前記設備を識別するための設備識別データとを含む設備マスタから、前記点検予定データの生成を指示するための画面において指定された物件識別データと紐付く設備識別データを取得する設備取得ステップと、
前記設備識別データと前記点検の内容を識別するための点検内容識別データと明細識別データとを含む前記発注の原価に関する明細のデータである原価明細データから、前記設備取得ステップで取得した設備識別データと紐付く点検内容識別データおよび明細識別データを取得する点検内容等取得ステップと、
前記明細識別データと前記発注の原価の支払を行う時期である支払時期とを含む前記発注の原価に関する詳細のデータである原価詳細データから、前記点検内容等取得ステップで取得した明細識別データと紐付く支払時期を取得する支払時期取得ステップと、
前記画面において指定された物件識別データ、前記原価明細データ中の前記設備識別データおよび前記点検内容等取得ステップで取得した点検内容識別データの組合せごとに、前記支払時期取得ステップで取得した支払時期を前記点検予定時期として含む前記点検予定データを生成する点検予定生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする点検予定データ生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点検予定データ生成装置、点検予定データ生成方法および点検予定データ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入力をより容易にする設備管理装置が開示されており(特許文献1の0005段落参照)、また、設備情報が、仕様と点検補修履歴とリース期限とから形成されており、当該点検補修履歴が、設備を点検した点検日時、点検結果、点検担当者、点検予定日、補修した補修日時、補修内容、補修担当者を示すことが開示されている(特許文献1の0034段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-338383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術によっては、原価の情報と点検予定の情報とを別々に管理しなければならず、業務が大変煩雑であるという問題があった。具体的には、依頼主からビル等における設備の管理を委託された業者が、元請業者となって、下請業者に前記委託を外注(発注)した場合において、前記元請業者は、前記外注(発注)の原価を管理する必要があるが、当該原価の管理とは別に、設備の点検予定日の管理も行う必要があるため、前記元請業者が行う業務が大変煩雑であった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、発注先への発注の原価情報を利用して、点検予定のデータを生成することができる点検予定データ生成装置、点検予定データ生成方法および点検予定データ生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る点検予定データ生成装置は、制御部を備え、物件内の設備の点検を発注先に発注する場合において、前記点検の予定の時期である点検予定時期を含む点検予定データを生成する点検予定データ生成装置であって、前記制御部が、前記物件を識別するための物件識別データと前記設備を識別するための設備識別データとを含む設備マスタから、前記点検予定データの生成を指示するための画面において指定された物件識別データと紐付く設備識別データを取得する設備取得手段と、前記設備識別データと前記点検の内容を識別するための点検内容識別データと明細識別データとを含む前記発注の原価に関する明細のデータである原価明細データから、前記設備取得手段で取得した設備識別データと紐付く点検内容識別データおよび明細識別データを取得する点検内容等取得手段と、前記明細識別データと前記発注の原価の支払を行う時期である支払時期とを含む前記発注の原価に関する詳細のデータである原価詳細データから、前記点検内容等取得手段で取得した明細識別データと紐付く支払時期を取得する支払時期取得手段と、前記画面において指定された物件識別データ、前記原価明細データ中の前記設備識別データおよび前記点検内容等取得手段で取得した点検内容識別データの組合せごとに、前記支払時期取得手段で取得した支払時期を前記点検予定時期として含む前記点検予定データを生成する点検予定生成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る点検予定データ生成装置は、前記支払時期取得手段が、前記原価詳細データから、前記点検内容等取得手段で取得した明細識別データと紐付き、かつ、前記画面において指定された期間に属する支払時期を取得すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る点検予定データ生成装置は、前記発注をする者が、依頼主から前記設備の前記点検を委託された元請業者であり、前記発注先が、前記元請業者から前記設備の前記点検を再委託された下請業者であること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る点検予定データ生成方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される、物件内の設備の点検を発注先に発注する場合において、前記点検の予定の時期である点検予定時期を含む点検予定データを生成する点検予定データ生成方法であって、前記制御部で実行される、前記物件を識別するための物件識別データと前記設備を識別するための設備識別データとを含む設備マスタから、前記点検予定データの生成を指示するための画面において指定された物件識別データと紐付く設備識別データを取得する設備取得ステップと、前記設備識別データと前記点検の内容を識別するための点検内容識別データと明細識別データとを含む前記発注の原価に関する明細のデータである原価明細データから、前記設備取得ステップで取得した設備識別データと紐付く点検内容識別データおよび明細識別データを取得する点検内容等取得ステップと、前記明細識別データと前記発注の原価の支払を行う時期である支払時期とを含む前記発注の原価に関する詳細のデータである原価詳細データから、前記点検内容等取得ステップで取得した明細識別データと紐付く支払時期を取得する支払時期取得ステップと、前記画面において指定された物件識別データ、前記原価明細データ中の前記設備識別データおよび前記点検内容等取得ステップで取得した点検内容識別データの組合せごとに、前記支払時期取得ステップで取得した支払時期を前記点検予定時期として含む前記点検予定データを生成する点検予定生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る点検予定データ生成プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための、物件内の設備の点検を発注先に発注する場合において、前記点検の予定の時期である点検予定時期を含む点検予定データを生成する点検予定データ生成プログラムであって、前記制御部に実行させるための、前記物件を識別するための物件識別データと前記設備を識別するための設備識別データとを含む設備マスタから、前記点検予定データの生成を指示するための画面において指定された物件識別データと紐付く設備識別データを取得する設備取得ステップと、前記設備識別データと前記点検の内容を識別するための点検内容識別データと明細識別データとを含む前記発注の原価に関する明細のデータである原価明細データから、前記設備取得ステップで取得した設備識別データと紐付く点検内容識別データおよび明細識別データを取得する点検内容等取得ステップと、前記明細識別データと前記発注の原価の支払を行う時期である支払時期とを含む前記発注の原価に関する詳細のデータである原価詳細データから、前記点検内容等取得ステップで取得した明細識別データと紐付く支払時期を取得する支払時期取得ステップと、前記画面において指定された物件識別データ、前記原価明細データ中の前記設備識別データおよび前記点検内容等取得ステップで取得した点検内容識別データの組合せごとに、前記支払時期取得ステップで取得した支払時期を前記点検予定時期として含む前記点検予定データを生成する点検予定生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発注先への発注の原価情報を利用して、点検予定のデータを生成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、点検予定データ生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、設備マスタの一例を示す図である。
図3図3は、物件マスタの一例を示す図である。
図4図4は、契約基本情報データ、契約原価明細データおよび契約原価詳細データの一例を示す図である。
図5図5は、契約基本情報データを生成するための入力画面の一例を示す図である。
図6図6は、契約原価明細データを生成するための入力画面の一例を示す図である。
図7図7は、契約原価詳細データを生成するための入力画面の一例を示す図である。
図8図8は、契約原価詳細データを生成するための入力画面の一例を示す図である。
図9図9は、設備検索画面の一例を示す図である。
図10図10は、設備点検予定データの一例を示す図である。
図11図11は、設備点検予定データの出力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る点検予定データ生成装置、点検予定データ生成方法および点検予定データ生成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0014】
[1.構成]
本実施形態に係る点検予定データ生成装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、点検予定データ生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
点検予定データ生成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、点検予定データ生成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0016】
点検予定データ生成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。点検予定データ生成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0017】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、点検予定データ生成装置100ネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、点検予定データ生成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0018】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0019】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0020】
記憶部106は、例えば、設備マスタ106aと、物件マスタ106bと、契約基本情報データ106cと、原価明細データとしての契約原価明細データ106dと、原価詳細データとしての契約原価詳細データ106eと、点検予定データとしての設備点検予定データ106fと、を備えている。
【0021】
本実施形態に係る点検予定データ生成装置100によれば、物件内の設備の点検を発注先に発注する場合において、前記点検の予定の時期である点検予定時期を含む設備点検予定データ106fを生成することができる。具体的な場面としては、例えば、依頼主から前記設備の前記点検を委託された業者(例えば、ビルメンテナンス業者)が元請業者となり、当該元請業者が、発注先たる下請業者に前記設備の前記点検を再委託する場面等を想定している。このため、本実施形態に係る点検予定データ生成装置100の使用者は、例えば、前記元請業者(例えば、ビルメンテナンス業者)である。
【0022】
設備マスタ106aは、図2に示すように、例えば、前記物件を識別するための物件識別データ(物件CD)と、前記設備を識別するための設備識別データ(設備CDおよび設備名)と、前記設備の種類を識別するための設備種類識別データ(設備種類)と、前記点検に関する前記設備ごとの周期である点検周期(点検期限)と、等を含む。
【0023】
ここで、前記設備識別データ(設備CDおよび設備名)は、図9に示す設備検索画面から前記物件識別データ(物件CD)を指定することで、検索して表示することが可能である。なお、図9に示す設備検索画面においては、後述する契約基本情報データ106cで選択された物件に紐付く設備のみを表示するようにすることも可能である。
【0024】
物件マスタ106bは、図3に示すように、例えば、前記物件識別データ(物件CDおよび物件名)等を含む。
【0025】
契約基本情報データ106cは、図4に示すように、例えば、前記依頼主と前記元請業者の間での契約を識別するための契約識別データ(契約NO)と、前記契約内でのプロジェクトを識別するためのプロジェクト識別データ(プロジェクト名)と、前記依頼主たる契約先を識別するための契約先識別データ(契約先)と、前記物件識別データ(物件)と、契約期間と、等を含む。契約基本情報データ106cは、例えば、図5に示す契約入力画面から、契約の期間、物件および契約等を入力することにより生成することができる。
【0026】
契約原価明細データ106dは、前記発注の原価に関する明細のデータである。契約原価明細データ106dは、図4に示すように、例えば、前記契約識別データ(契約NO)と、明細識別データ(行)と、前記発注先を識別するための発注先識別データ(発注先)と、発注期間と、前記点検の内容を識別するための点検内容識別データ(業務)と、発注額と、前記設備識別データ(設備CD)と、等を含む。契約原価明細データ106dは、例えば、図6に示す契約入力画面から、契約の発注先、業務、月額および対象設備等を入力することにより生成することができる。本実施形態においては、契約原価明細データ106dに前記設備識別データ(設備CD)を保持させることが特徴である。
【0027】
契約原価詳細データ106eは、前記発注の原価に関する詳細のデータである。契約原価詳細データ106eは、図4に示すように、例えば、前記契約識別データ(契約NO)と、前記明細識別データ(行)と、前記発注の原価の支払を行う時期である支払時期(作業月)と、前記発注額(支払額)と、等を含む。契約原価詳細データ106eは、例えば、図7および図8に示す契約入力画面から、月々の支払額等を入力することにより生成することができる。
【0028】
契約原価詳細データ106eの参照の仕方を説明する。図4に示す契約原価詳細データ106eにおいては、例えば、行「2」については、作業月2019/04~2020/03に支払額35,000円が設定されている。ここで、行「2」は、図4の契約原価明細データ106dを参照すると、前記設備識別データ(設備CD)は「SB002:貯水槽3(型:C000-1)」であり、前記点検内容識別データ(業務)は「貯水槽点検」であるため、貯水槽3(型:C000-1)についての貯水槽点検の作業月および原価が、それぞれ、2019/04~2020/03の各月および月々35,000円であることを意味する。
【0029】
設備点検予定データ106fは、本実施形態において最終的に生成したいデータであり、前記点検の予定の時期である点検予定時期を含む。設備点検予定データ106fは、図10に示すように、例えば、前記物件識別データ(物件)と、前記設備識別データ(設備)と、前記点検内容識別データ(内容)と、前記点検予定時期と、等を含む。
【0030】
設備点検予定データ106fの参照の仕方を説明する。設備点検予定データ106fにおいて、「○」が付されている月が、点検予定時期である。例えば、図10に示す設備点検予定データ106fによると、物件「○○○ビル」の設備「貯水槽3(型:C000-1)」についての「貯水槽点検」の点検予定時期は、2019年4月~2020年3月の各月である。また、図10に示す設備点検予定データ106fによると、物件「○○○ビル」の設備「エレベータ1号機」および「エレベータ2号機」についての「エレベータ有人点検」の点検予定時期は、2019年4月および2019年10月である。
【0031】
制御部102は、点検予定データ生成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0032】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記物件を識別するための物件識別データと前記設備を識別するための設備識別データとを含む設備マスタから、前記点検予定データの生成を指示するための画面において指定された物件識別データと紐付く設備識別データを取得する設備取得手段としての設備取得部102aと、(2)前記設備識別データと前記点検の内容を識別するための点検内容識別データと明細識別データとを含む前記発注の原価に関する明細のデータである原価明細データから、前記設備取得手段で取得した設備識別データと紐付く点検内容識別データおよび明細識別データを取得する点検内容等取得手段としての点検内容等取得部102bと、(3)前記明細識別データと前記発注の原価の支払を行う時期である支払時期とを含む前記発注の原価に関する詳細のデータである原価詳細データから、前記点検内容等取得手段で取得した明細識別データと紐付く支払時期を取得する支払時期取得手段としての支払時期取得部102cと、(4)前記画面において指定された物件識別データ、前記原価明細データ中の前記設備識別データおよび前記点検内容等取得手段で取得した点検内容識別データの組合せごとに、前記支払時期取得手段で取得した支払時期を前記点検予定時期として含む前記点検予定データを生成する点検予定生成手段としての点検予定生成部102dと、を備えている。
【0033】
設備取得部102aは、前記物件識別データ(物件CD)と前記設備識別データ(設備CD)とを含む設備マスタ106a(図2参照)から、設備点検予定データ106fの生成を指示するための画面(図11参照)において指定された物件識別データ(物件CD)と紐付く設備識別データ(設備CD)を取得する。
【0034】
点検内容等取得部102bは、前記設備識別データ(設備CD)と前記点検内容識別データ(業務)と前記明細識別データ(行)とを含む契約原価明細データ106d(図4参照)から、設備取得部102aで取得した設備識別データ(設備CD)と紐付く点検内容識別データ(業務)および明細識別データ(行)を取得する。
【0035】
支払時期取得部102cは、前記明細識別データ(行)と前記支払時期(作業月)とを含む契約原価詳細データ106e(図4参照)から、点検内容等取得部102bで取得した明細識別データ(行)と紐付く支払時期(作業月)を取得する。支払時期取得部102cは、契約原価詳細データ106e(図4参照)から、点検内容等取得部102bで取得した明細識別データ(行)と紐付き、かつ、前記画面(図11参照)において指定された期間に属する支払時期を取得してもよい。
【0036】
点検予定生成部102dは、前記画面(図11参照)において指定された物件識別データ(物件CD)、契約原価明細データ106d(図4参照)中の前記設備識別データ(設備CD)および点検内容等取得部102bで取得した点検内容識別データ(業務)の組合せごとに、支払時期取得部102cで取得した支払時期を前記点検予定時期として含む設備点検予定データ106f(図10参照)を生成する。
【0037】
[2.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。本項目では、設備マスタ106aは図2に示す内容で、契約基本情報データ106c、契約原価明細データ106dおよび契約原価詳細データ106eは図4に示す内容で予め登録されているという前提のもとで、設備点検予定データ106fがどのように生成されるかを具体的に説明する。
【0038】
[2-1.設備取得処理]
まず、設備点検予定データ106fの出力画面(図11参照)において、オペレータによって、年度として「2019」が指定され、物件として「BK001:○○○ビル」が指定されたとする。
【0039】
この場合、設備取得部102aは、図2の設備マスタ106aから、「BK001:○○○ビル」と紐付く設備として、「SB001:浄化槽1(型:A000-1)」、「SB002:貯水槽3(型:C000-1)」、「SB003:消火器」、「SB004:エレベータ1号機」および「SB005:エレベータ2号機」を取得する。
【0040】
[2-2.点検内容等取得処理]
次に、点検内容等取得部102bは、図4の契約原価明細データ106dから、設備取得部102aで取得した「SB002:貯水槽3(型:C000-1)」と紐付く情報として、業務「貯水槽点検」および行「2」を取得し、また、設備取得部102aで取得した「SB004:エレベータ1号機」および「SB005:エレベータ2号機」と紐付く情報として、業務「エレベータ有人点検」および行「3」を取得する。
【0041】
[2-3.支払時期取得処理]
次に、支払時期取得部102cは、図4の契約原価詳細データ106eから、点検内容等取得部102bで取得した行「2」と紐付き、かつ、図11の出力画面において指定された2019年度に属する支払時期として、2019/04~2020/03の各月を取得する。また、支払時期取得部102cは、図4の契約原価詳細データ106eから、点検内容等取得部102bで取得した行「3」と紐付き、かつ、図11の出力画面において指定された2019年度に属する支払時期として、2019/04および2019/10を取得する。
【0042】
[2-4.点検予定生成処理]
最後に、点検予定生成部102dは、図11の出力画面において指定された物件「BK001:○○○ビル」、図4の契約原価明細データ106d中の設備「SB002:貯水槽3(型:C000-1)」および点検内容等取得部102bで取得した業務「貯水槽点検」の組合せについては、支払時期取得部102cで取得した支払時期2019/04~2020/03の各月を点検予定時期として含み、また、図11の出力画面において指定された物件「BK001:○○○ビル」、図4の契約原価明細データ106d中の設備「SB004:エレベータ1号機、SB005:エレベータ2号機」および点検内容等取得部102bで取得した業務「エレベータ有人点検」の組合せについては、支払時期取得部102cで取得した支払時期2019/04および2019/10を点検予定時期として含む設備点検予定データ106f(図10参照)を生成する。
【0043】
[3.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る点検予定データ生成装置100によれば、発注先(具体的には、元請業者から見た場合の下請業者)への発注の原価情報(具体的には、契約原価詳細データ106e等)を利用して、点検予定のデータ(具体的には、設備点検予定データ106f)を生成することができる。
【0044】
ここで、従来においては、システム上に物件設備毎の点検修繕作業予定を管理する場合、設備管理業務の委託契約情報とは別のシステム管理しており、年間の点検修繕作業予定の入力と委託契約にもとづいた原価計上予定の入力とをそれぞれ別に行っていることが一般的であった。このため、設備の年間点検計画を作成する際に、委託契約情報を参照しながら作成するケースが多かった。
【0045】
そこで、本実施形態においては、例えば、以下の1~3を可能とした。
1.点検修繕作業履歴を管理する際、委託契約情報と合わせて処理できるようにした。
2.物件設備情報、作業管理および委託情報管理の3点を紐付けて管理できるようにした。
3.原価情報(委託契約情報)に紐づけて設備情報を付与することで、年間の設備点検予定を自動作成できるようにした。
【0046】
これにより、本実施形態においては、例えば、委託契約情報と設備点検予定の管理を一緒に行えるようになった。
【0047】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0048】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0049】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0050】
また、点検予定データ生成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0051】
例えば、点検予定データ生成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて点検予定データ生成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0052】
また、このコンピュータプログラムは、点検予定データ生成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0053】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0054】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0055】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0056】
また、点検予定データ生成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、点検予定データ生成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0057】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、あらゆる業界において有用であるが、特に、ビルメンテナンス業界において極めて有用である。
【符号の説明】
【0059】
100 点検予定データ生成装置
102 制御部
102a 設備取得部
102b 点検内容等取得部
102c 支払時期取得部
102d 点検予定生成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 設備マスタ
106b 物件マスタ
106c 契約基本情報データ
106d 契約原価明細データ
106e 契約原価詳細データ
106f 設備点検予定データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11