IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TOWA株式会社の特許一覧

特許7394732樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置
<>
  • 特許-樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置 図1
  • 特許-樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置 図2
  • 特許-樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置 図3
  • 特許-樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置 図4
  • 特許-樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置 図5
  • 特許-樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置 図6
  • 特許-樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/34 20060101AFI20231201BHJP
   B29C 43/18 20060101ALI20231201BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
B29C43/34
B29C43/18
H01L21/56 R
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020175595
(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公開番号】P2022066964
(43)【公開日】2022-05-02
【審査請求日】2022-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】潮 知華
(72)【発明者】
【氏名】片山 雅之
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-126075(JP,A)
【文献】特開2018-24140(JP,A)
【文献】特開2018-94797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/34
B29C 43/18
H01L 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給対象への一回の樹脂供給に必要な目標供給量未満の残量になった第一のカートリッジに収容された液状樹脂を、前記供給対象に供給する第一次樹脂供給ステップと、
前記第一次樹脂供給ステップの後で、前記第一のカートリッジと、捨て打ちが行われた後の第二のカートリッジとを交換するカートリッジ交換ステップと、
前記カートリッジ交換ステップの後で、前記第二のカートリッジに収容された液状樹脂を前記供給対象に供給する第二次樹脂供給ステップと、
を含む、樹脂供給方法。
【請求項2】
前記第二次樹脂供給ステップでは、前記第一次樹脂供給ステップで前記第一のカートリッジからの液状樹脂の供給が停止された際の停止位置に基づいて決定された開始位置から、液状樹脂の供給が開始される、
請求項1に記載の樹脂供給方法。
【請求項3】
前記停止位置及び前記開始位置は、水平面上において互いに直交する2方向の座標を用いて規定される、
請求項2に記載の樹脂供給方法。
【請求項4】
前記第一次樹脂供給ステップでは、前記第一のカートリッジに収容された液状樹脂を押し出して供給する供給部材の位置に基づいて、前記第一のカートリッジからの液状樹脂の供給を停止する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の樹脂供給方法。
【請求項5】
前記第一次樹脂供給ステップの前に、前記第一のカートリッジに収容された液状樹脂の残量を計測する樹脂残量計測ステップをさらに含む、
請求項1から請求項4までのいずれか一項記載の樹脂供給方法。
【請求項6】
前記樹脂残量計測ステップでは、前記第一のカートリッジに収容された液状樹脂を押し出して供給する供給部材の位置に基づいて、前記第一のカートリッジに収容された液状樹脂の残量を計測することが可能である、
請求項5に記載の樹脂供給方法。
【請求項7】
前記樹脂残量計測ステップの後、かつ前記第一次樹脂供給ステップの前に、前記供給対象への液状樹脂の供給を行う液状樹脂供給機構に取り付けられた前記第一のカートリッジと、前記第二のカートリッジとを交換し、前記液状樹脂供給機構を用いて前記第二のカートリッジの捨て打ちを行い、前記液状樹脂供給機構に取り付けられた前記第二のカートリッジと、前記第一のカートリッジとを再度交換する捨て打ちステップをさらに含む、
請求項5又は請求項6に記載の樹脂供給方法。
【請求項8】
前記捨て打ちステップでは、捨て打ちを行った前記第二のカートリッジに収容された液状樹脂が正常に前記液状樹脂供給機構から供給可能か否かの確認が行われる、
請求項7に記載の樹脂供給方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載された樹脂供給方法により供給された液状樹脂を用いて樹脂成形品を製造する、樹脂成形品の製造方法。
【請求項10】
上型と、前記上型に対向する下型と、を含む成形型と、
前記成形型を型締めする型締め機構と、
前記成形型で用いられる液状樹脂を供給する液状樹脂供給機構と、を備え、
前記液状樹脂供給機構は、供給対象への一回の樹脂供給に必要な目標供給量未満の残量になった第一のカートリッジに収容された液状樹脂を前記供給対象に供給し、前記第一のカートリッジと、捨て打ちが行われた後の第二のカートリッジとを交換し、前記第二のカートリッジに収容された液状樹脂を前記供給対象に供給する、
樹脂成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体チップがキャリアプレート上に保持されたワークに液状樹脂を供給する液状樹脂供給装置が開示されている。この液状樹脂供給装置では、シリンジに充填された液状樹脂をワークに吐出して供給するディスペンスユニットに、交換用のシリンジを保持したシリンジ供給部が設けられている。ディスペンスユニットは、シリンジの液状樹脂の残量が少なくなると、シリンジ供給部から交換用のシリンジを受け取って、液状吐出位置に保持されたワークに液状樹脂を所定量吐出して供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-126075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、一つのワークに対する樹脂供給の途中でシリンジの残量を使い切った場合に、シリンジを交換して樹脂供給を継続するための具体的な方法が記載されていない。すなわち、このような場合にシリンジを交換して樹脂供給を行うための具体的な技術が提案されていないのが現状である。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、適切にカートリッジを交換することにより、適切に樹脂供給を行うことが可能な樹脂供給方法、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、この課題を解決するため、本発明に係る樹脂供給方法は、供給対象への一回の樹脂供給に必要な目標供給量未満の残量になった第一のカートリッジに収容された液状樹脂を、前記供給対象に供給する第一次樹脂供給ステップと、前記第一次樹脂供給ステップの後で、前記第一のカートリッジと、捨て打ちが行われた後の第二のカートリッジとを交換するカートリッジ交換ステップと、前記カートリッジ交換ステップの後で、前記第二のカートリッジに収容された液状樹脂を前記供給対象に供給する第二次樹脂供給ステップと、を含むものである。
【0007】
また、本発明に係る樹脂成形品の製造方法は、前記樹脂供給方法により供給された液状樹脂を用いて樹脂成形品を製造するものである。
【0008】
また、本発明に係る樹脂成形装置は、上型と、前記上型に対向する下型と、を含む成形型と、前記成形型を型締めする型締め機構と、前記成形型で用いられる液状樹脂を供給する液状樹脂供給機構と、を備え、前記液状樹脂供給機構は、供給対象への一回の樹脂供給に必要な目標供給量未満の残量になった第一のカートリッジに収容された液状樹脂を前記供給対象に供給し、前記第一のカートリッジと、捨て打ちが行われた後の第二のカートリッジとを交換し、前記第二のカートリッジに収容された液状樹脂を前記供給対象に供給するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、適切にカートリッジを交換することにより、適切に樹脂供給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る樹脂成形装置の全体的な構成を示す平面模式図。
図2】(a)樹脂供給モジュールの一部の概略構成を示す側面図。(b)樹脂面検出センサによる検出の様子を示す側面図。
図3】樹脂成形モジュールの概略構成を示す側面図。
図4】液状樹脂吐出機構による樹脂供給の様子を示した平面模式図。
図5】本発明の一実施形態に係る樹脂供給方法を示すフローチャート。
図6図5の続きを示すフローチャート。
図7】液状樹脂吐出機構による充填動作の様子を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一の符号を付してその説明は繰り返さない。なお、本出願書類においては、液状樹脂の「液状」という用語は常温において液状であって、流動性を有することを意味している。また、以下の説明では、水平面上において互いに直交する2方向をそれぞれX方向及びY方向、鉛直方向をZ方向、Z方向に平行な回転軸を中心とする回転方向をθ方向と、それぞれ定義して説明を行う(図1参照)。
【0012】
<樹脂成形装置1の全体構成>
本実施形態の樹脂成形装置1の構成について、図1~3を参照して説明する。図1に示される樹脂成形装置1は、圧縮成形法により樹脂成形を行う樹脂成形装置1である。
【0013】
図1に示すように、実施形態の樹脂成形装置1は、同図右側から、離型フィルム切断モジュール10、樹脂供給モジュール20、樹脂成形モジュール30及び搬送モジュール40を備えている。各モジュールは、それぞれ別に分かれているが、隣接するモジュールに対して互いに着脱可能、かつ増減可能である。例えば、樹脂供給モジュール20と搬送モジュール40との間に、樹脂成形モジュール30を2つ又は3つ配置した構成とすることができる。
【0014】
離型フィルム切断モジュール10は、図1に示すように、主に、ロール状離型フィルム11と、フィルム載置台13と、フィルムグリッパ14とを備えている。フィルムグリッパ14によりロール状離型フィルム11から長尺の離型フィルムを引き出し、その一部をフィルム載置台13を覆うようにして配置する。これをカッターにより円形に切断することによって円形状の離型フィルム12とすることができる。フィルム載置台13は、X、Y、Z方向に移動することができ、離型フィルム切断モジュール10と樹脂供給モジュール20の間を移動することができる。なお、離型フィルム12の形状は、円形状に特に限定されず、例えば、矩形状であってもよい。
【0015】
樹脂供給モジュール20は、図1に示すように、主に、樹脂搬送機構21と、フィルム回収機構22と、液状樹脂吐出機構23と、フィルム吸着台24と、制御部CTRとを備えている。樹脂搬送機構21とフィルム回収機構22とは、一体化されて構成されており、離型フィルム切断モジュール10と後述する樹脂成形モジュール30との間を移動することができる。樹脂搬送機構21は、液状樹脂70が供給された離型フィルム12を後述する成形型31に搬送することができる。フィルム回収機構22は、使用済みの離型フィルム12を成形型31内から回収することができる。液状樹脂吐出機構23は、図2に示すように、ノズルNから離型フィルム12上に液状樹脂70を供給することができる。フィルム吸着台24は、切断された離型フィルム12を吸着して保持することができる。フィルム吸着台24の下方には、計量器25が備えられており、計量器25は、離型フィルム12上に吐出された液状樹脂70の重量を計量することができる。制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23の各部の動作を制御することができる。
【0016】
液状樹脂吐出機構23は、カートリッジCに収容された液状樹脂70を吐出することができる。具体的には、液状樹脂吐出機構23は、ノズルNを下に向けた状態で、カートリッジCを保持することができる。液状樹脂吐出機構23は、モータ23aからの駆動力によって昇降可能なロッド23bを用いて、カートリッジCに収容された液状樹脂70を上方から押し出すことで、液状樹脂70をノズルNから下方へと吐出することができる。液状樹脂吐出機構23は、移動機構23cによって水平方向(X方向及びY方向)及び鉛直方向(Z方向)に移動することができる。液状樹脂吐出機構23は、ロッド23bの駆動と移動機構23cによる移動を組み合わせることで、任意の位置に液状樹脂70を吐出することや、液状樹脂70を吐出しながら移動することができる。なお、本実施形態に係る液状樹脂吐出機構23及びロッド23bは、それぞれ本発明に係る液状樹脂供給機構及び供給部材の実施の一形態である。
【0017】
また液状樹脂吐出機構23には、カートリッジCに収容された液状樹脂70の残量を検出するためのセンサとして、樹脂面検出センサ23d及びロッド位置検出センサ23eが設けられる。
【0018】
図2(b)に示す樹脂面検出センサ23dは、液状樹脂吐出機構23によって保持されたカートリッジCの上方から、カートリッジCに収容された液状樹脂70の上端面までの距離を検出することができる。樹脂面検出センサ23dとしては、例えば、光学式、超音波式、電波式等、各種の距離センサを用いることができる。樹脂面検出センサ23dによって検出された液状樹脂70の上端面までの距離(上端面の位置)、カートリッジCの断面積、液状樹脂70の比重から、カートリッジCに収容された液状樹脂70の量(残量)を算出することができる。
【0019】
また図2(a)に示すロッド位置検出センサ23eは、ロッド23bの位置を検出することができる。ロッド位置検出センサ23eとしては、例えばポテンショメータ式、光学式、磁気式等、各種の位置センサを用いることができる。樹脂面検出センサ23dによって検出された初期の樹脂残量、及び、ロッド位置検出センサ23eによって検出されたロッド23bの位置に基づいて、カートリッジCに収容された液状樹脂70の量(残量)を算出することができる。
【0020】
本実施形態では、ロッド23bによって液状樹脂70が押し出される前のカートリッジC(すなわち、新品のカートリッジC)に収容された液状樹脂70の残量(初期の樹脂残量)を、樹脂面検出センサ23dによって検出している。また本実施形態では、ロッド23bによって液状樹脂70が押し出され始めた後のカートリッジCに収容された液状樹脂70の残量を、ロッド位置検出センサ23eによって検出している。
【0021】
樹脂成形モジュール30は、図1及び図3に示すように、主に、成形型31と、型締め機構35とを備えている。成形型31は、上型34と上型34に対向する下型32とを備えている。下型32は、キャビティ33側面を構成する側面部材32aとキャビティ33底面を構成する底面部材32bとから構成されている。側面部材32aと底面部材32bとにより液状樹脂70が収容される凹部状のキャビティ33が形成される。また、側面部材32aと底面部材32bとは、離型フィルム12吸着するための吸着溝(不図示)を備えている。樹脂供給モジュール20から樹脂搬送機構21により液状樹脂70が供給された離型フィルム12が成形型31に搬送され、下型32のキャビティ33上に配置される。樹脂成形モジュール30では、型締め機構35により成形型31を型締めすることで、成形対象物であるチップが搭載された成形前基板5の樹脂成形を行い、チップが樹脂封止された成形済基板6を形成することができる。基板としては、シリコンウェーハ等の半導体基板、リードフレーム、プリント配線基板、金属製基板、樹脂製基板、ガラス製基板、セラミック製基板等を挙げることができる。また、基板は、FOWLP(Fan Out Wafer Level Packaging)、FOPLP(Fan Out Panel Level Packaging)に用いられるキャリアであってもよい。さらにいえば、配線がすでに施されているものでもよいし、未配線のものでも構わない。
【0022】
搬送モジュール40は、図1に示すように、主に、基板ローダ41と、吸着ハンド42と、吸着ハンド移動機構43と、成形前基板収納部45と、成形済基板収納部46とを備えている。基板ローダ41は、基板を保持して、樹脂成形モジュール30と搬送モジュール40との間を移動することができる。吸着ハンド42は、吸着ハンド移動機構43に備えられており、吸着ハンド移動機構43は、吸着ハンド42をX、Y、Z方向に移動させること及びθ方向に回転させることができる。回転については、吸着ハンド42を水平方向に回転させることもできるし、鉛直方向に回転させて反転させることもできる。吸着ハンド42は、成形前基板収納部45に収納された成形前基板5を吸着保持することができ、吸着ハンド移動機構43により基板ローダ41へ搬送することができる。また、吸着ハンド42は、基板ローダ41に保持された成形済基板6を吸着保持することができ、吸着ハンド移動機構43により成形済基板収納部46に収納することができる。
【0023】
<樹脂成形装置1を用いた樹脂成形品の製造方法>
次に、本実施形態の樹脂成形装置1を用いた本実施形態の樹脂成形品の製造方法の一例について図1~4を参照して説明する。本実施形態では、チップを搭載する基板として円形状のウエハを用いて説明するが、特にウエハには限定されず、矩形状であってもよい。
【0024】
まず、図1に示すように成形前基板収納部45に収容されているチップが搭載された成形前基板5の下側に吸着ハンド42を挿入し、成形前基板5を吸着した後、成形前基板収納部45から成形前基板5を取り出す。ここで、成形前基板5は、チップの搭載側を上側として成形前基板収納部45から取り出される。
【0025】
次に、吸着ハンド42に吸着された基板を反転させて基板のチップの搭載側を下側とする。そして、吸着ハンド移動機構43によって吸着ハンド42を移動させ、吸着ハンド42に吸着された基板のチップの搭載面を下側として成形前基板5を基板ローダ41上に受け渡す。
【0026】
このとき、離型フィルム切断モジュール10では、離型フィルム12の切断が行われている。フィルムグリッパ14によりロール状離型フィルム11をフィルム載置台13上に引き出し、カッター(不図示)により前記離型フィルム11を切断して円形状の離型フィルム12を形成する。
【0027】
離型フィルム12を吸着保持したフィルム載置台13は、樹脂搬送機構21の前方まで移動する。樹脂搬送機構21は、フィルム載置台13の上方に移動し、離型フィルム12を受け取り樹脂供給モジュール20のフィルム吸着台24まで搬送する。樹脂搬送機構21は、フィルム吸着台24の上方に離型フィルム12が位置する状態となる。フィルム吸着台24は、樹脂搬送機構21から離型フィルム12を受け取った後、離型フィルム12を吸着保持する。
【0028】
離型フィルム12がフィルム吸着台24に吸着保持された後、液状樹脂吐出機構23は液状樹脂70を離型フィルム12上に吐出する。液状樹脂吐出機構23は、図4に示すように、予め定められた経路に沿って水平方向(X方向及びY方向)に移動しながら液状樹脂70を吐出する。本実施形態では、液状樹脂吐出機構23はらせん状の経路に沿って移動することで、離型フィルム12上にらせん状に液状樹脂70を供給する。離型フィルム12上に供給された液状樹脂70の重量は、図2に示す計量器25により計量される。なお、本実施形態に係る離型フィルム12は、本発明に係る供給対象の実施の一形態である。また、液状樹脂吐出機構23による液状樹脂70の供給方法については、後で詳しく説明する。
【0029】
目標供給量(目標重量)の液状樹脂70が供給された離型フィルム12は、成形型31に搬送される。離型フィルム12は、樹脂搬送機構21により樹脂成形モジュール30の上型34と下型32との間に搬送される。なお、離型フィルム12を成形型31に配置する前に、成形前基板5を保持した基板ローダ41を上型34と下型32との間に移動させ、チップの搭載側が下側となるように成形前基板5を上型34に配置する。
【0030】
樹脂搬送機構21により上型34と下型32との間に搬送された離型フィルム12は、図3に示すように、下型32の側面部材32aと底面部材32bとからなるキャビティ33内に配置される。キャビティ33に離型フィルム12を配置した後、側面部材32a及び底面部材32bの吸着溝(不図示)により離型フィルム12を吸着する。
【0031】
図3に示すように、キャビティ33により離型フィルム12を吸着保持した後、離型フィルム12が搬送された成形型31を型締めして樹脂成形を行う。具体的には、型締め機構35により、下型32を上昇させる。これにより、上型34と下型32とが互いに近づけられて型締めされ、成形前基板5下面に取付けられたチップがキャビティ33内の液状樹脂70に浸漬される。この状態で液状樹脂70が加熱され硬化することで、成形前基板5を樹脂成形することができ、チップが樹脂封止された成形済基板6を製造することができる。樹脂成形後は、型締め機構35により下型32を下降させる。これにより、上型34と下型32とが互いに離されて型開きされる。
【0032】
成形済基板6は、基板ローダ41により上型34から取り出され、チップの搭載側を下側として保持される。その後、基板ローダ41は、樹脂成形モジュール30から搬送モジュール40に移動する。ここで、キャビティ33に残った離型フィルム12は、フィルム回収機構22により回収され、不要フィルムボックス(不図示)に廃棄される。
【0033】
基板ローダ41に保持された成形済基板6は、搬送モジュール40に搬送された後、吸着ハンド42によりチップの搭載側を下側として、吸着ハンド42によって吸着保持される。その後、吸着ハンド42に吸着された成形済基板6を反転させて成形済基板6のチップの搭載側を上側とし、吸着ハンド移動機構43によって吸着ハンド42を移動させる。そして、吸着ハンド42は、チップの搭載側を上側とした状態で成形済基板6を成形済基板収納部46に収容する。
【0034】
<液状樹脂吐出機構23による樹脂供給方法>
以下では、液状樹脂吐出機構23による液状樹脂70の供給方法(樹脂供給方法)について具体的に説明する。
【0035】
図5に示すステップS101において、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23に保持されているカートリッジCに収容されている液状樹脂70の量を検出する。具体的には、制御部CTRは、樹脂面検出センサ23d又はロッド位置検出センサ23eを用いて、カートリッジCの液状樹脂70の量を検出することができる。この際、液状樹脂吐出機構23が新品のカートリッジCを保持した直後(ロッド23bがカートリッジC上にセットされるより前)であれば、制御部CTRは樹脂面検出センサ23dを用いて液状樹脂70の量を検出する(図2(b)参照)。また、液状樹脂吐出機構23が使用途中のカートリッジCを保持した状態(ロッド23bがカートリッジC上にセットされている状態)であれば、制御部CTRはロッド位置検出センサ23eを用いて液状樹脂70の量を検出する(図2(a)参照)。
【0036】
制御部CTRは、ステップS101の処理を行った後、ステップS102の処理に移行する。
【0037】
ステップS102において、制御部CTRは、ステップS101において検出したカートリッジCの液状樹脂70の量(残量)が、離型フィルム12への一回の樹脂供給に必要な目標供給量以上残っているか否かを判定する。なお本実施形態においては、目標供給量とは、一枚の離型フィルム12に対して供給すべき液状樹脂70の量であり、また、樹脂成形モジュール30による一回の樹脂成形に必要な液状樹脂70の量である。
【0038】
制御部CTRは、カートリッジCの液状樹脂70の量(残量)が、目標供給量以上残っていると判定した場合(ステップS102でYES)、ステップS106に移行する。一方、制御部CTRは、カートリッジCの液状樹脂70の量(残量)が、目標供給量未満である(不足している)と判定した場合(ステップS102でNO)、ステップS103に移行する。
【0039】
ステップS103において、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23に保持されているカートリッジC(便宜上、このカートリッジCを「旧カートリッジC1」とも称する)を、一旦、新品のカートリッジC(便宜上、このカートリッジCを「新カートリッジC2」とも称する)と交換する。交換用の新カートリッジC2は、例えばフィルム吸着台24の近傍のカートリッジ設置部26に予め配置されている(図1参照)。制御部CTRは、旧カートリッジC1をカートリッジ設置部26に置いて、代わりに新カートリッジC2を液状樹脂吐出機構23に保持させる。なお、旧カートリッジC1及び新カートリッジC2は、それぞれ本発明に係る第一のカートリッジ及び第二のカートリッジの実施の一形態である。
【0040】
制御部CTRは、ステップS103の処理を行った後、ステップS104の処理に移行する。
【0041】
ステップS104において、制御部CTRは、新カートリッジC2のノズルNに液状樹脂70を充填する。具体的には、制御部CTRは、図7に示すように、適宜の搬送装置を用いてフィルム吸着台24の上に容器Uを配置する。その後、ロッド23bを駆動させて新カートリッジC2に収容された液状樹脂70を下方に押して、ノズルNから下方の容器Uへと液状樹脂70を少量だけ吐出する(捨て打ちする)。これによって、新カートリッジC2の先端(ノズルN)に液状樹脂70を充填させることができる。
【0042】
またステップS104において、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23による液状樹脂70の吐出が正常に行われているかどうかの確認を行う。具体的には、制御部CTRは、予め定められた規定量だけ、新カートリッジC2から液状樹脂70を吐出する。また制御部CTRは、吐出された液状樹脂70の重量を計量器25によって計量する。制御部CTRは、規定量と実際に計量された重量を比較することによって、液状樹脂吐出機構23から正常に液状樹脂70が吐出されているかどうかの確認(動作確認及び精度確認)を行う。
【0043】
なお、この確認によって異常が発見された場合、制御部CTRは適宜の手段(例えば、画面表示や音声による報知)を用いて、異常がある旨を利用者に知らせることができる。
【0044】
制御部CTRは、ステップS104の処理を行った後、ステップS105の処理の移行する。
【0045】
ステップS105において、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23に保持されている新カートリッジC2を、再び旧カートリッジC1と交換する。すなわち制御部CTRは、捨て打ちを行った新カートリッジC2をカートリッジ設置部26において、代わりに旧カートリッジC1を液状樹脂吐出機構23に保持させる。
【0046】
制御部CTRは、ステップS105の処理を行った後、ステップS106の処理に移行する。
【0047】
ステップS106において、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23による離型フィルム12への液状樹脂70の供給(樹脂撒き)を開始する。具体的には、制御部CTRは、図4に示すように、液状樹脂吐出機構23を水平方向(X方向及びY方向)に移動させながら液状樹脂70を吐出させ、離型フィルム12上にらせん状に液状樹脂70を供給する。
【0048】
ここで、ステップS103~ステップS105の処理を介してステップS106に移行した場合には、制御部CTRは、新カートリッジC2の準備(捨て打ち)を先に行った状態で、旧カートリッジC1から樹脂供給を行うことになる。
【0049】
制御部CTRは、ステップS106の処理を行った後、ステップS107の処理に移行する。
【0050】
図6に示すステップS107において、制御部CTRはロッド位置検出センサ23eを用いて、液状樹脂吐出機構23のロッド23bが、カートリッジCに対して最下位置(エンド位置)に達したか否かを判定する。なお、エンド位置とは、カートリッジCに対するロッド23bの可動範囲のうち、最も下方の位置である。すなわち、ロッド23bがエンド位置に達した状態とは、カートリッジCから液状樹脂70が可能な限り吐出された状態を意味する。エンド位置は予め任意に設定されている。またエンド位置は、カートリッジCの種類に応じて適宜変更することも可能である。
【0051】
制御部CTRは、ロッド23bがカートリッジCのエンド位置に達したと判定した場合(ステップS107でYES)、ステップS108に移行する。一方、制御部CTRは、ロッド23bがカートリッジCのエンド位置に達していないと判定した場合(ステップS107でNO)、ステップS111に移行する。
【0052】
ステップS108において、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23による離型フィルム12への液状樹脂70の供給(樹脂撒き)を一時停止する。具体的には、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23の水平方向(X方向及びY方向)への移動を停止させると共に、液状樹脂70の吐出(ロッド23bの下降)を停止させる。この際、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23が停止した位置を、水平方向における座標(X方向及びY方向の座標)を用いて記憶する。
【0053】
なお、制御部CTRは、液状樹脂70の吐出を停止させた後、カートリッジCを上下方向に複数回往復移動(液切れ動作)させる。これによって、カートリッジC(ノズルN)に付着した液状樹脂70を離型フィルム12上に落下させることができる。
【0054】
制御部CTRは、ステップS108の処理を行った後、ステップS109の処理に移行する。
【0055】
ステップS109において、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23に保持されている旧カートリッジC1を、ステップS104においてノズルNの充填(捨て打ち)を行った新カートリッジC2と交換する。
【0056】
制御部CTRは、ステップS109の処理を行った後、ステップS110の処理に移行する。
【0057】
ステップS110において、制御部CTRは、ステップS108において記憶した位置(一時停止した位置)から、液状樹脂吐出機構23による液状樹脂70の供給を再開する。具体的には、制御部CTRは、新カートリッジC2を保持した液状樹脂吐出機構23を、ステップS108で一時停止した位置に移動させる。制御部CTRは、その場から再度らせん状の経路に沿って水平方向に液状樹脂吐出機構23を移動させると共に、液状樹脂70を吐出させる。すなわち、本実施形態においては、ステップS108において液状樹脂70の供給が停止される位置(停止位置)と、ステップS110において液状樹脂70の供給が再開される位置(開始位置)は同一となっている。
【0058】
このように、停止位置と同じ位置(開始位置)から引き続きらせん状の経路に沿って樹脂供給を再開することで、同じ経路上に重複して液状樹脂70が供給されるのを防止することができ、ひいては液状樹脂70の均一化を図ることができる。
【0059】
なお、ステップS110において、必ずしもステップS108の停止位置から液状樹脂70の吐出を再開させる必要はない。例えば、停止位置を基準にして若干ずれた位置(例えば、らせん状の経路に沿う若干下流側)を開始位置として、この開始位置から液状樹脂70の吐出を再開してもよい。これによって、停止位置に重複して液状樹脂70が供給されるのを防止して、離型フィルム12上の液状樹脂70の均一化をより効果的に図ることができる。
【0060】
制御部CTRは、ステップS110の処理を行った後、ステップS111の処理に移行する。
【0061】
ステップS111において、制御部CTRは、計量器25を用いて、離型フィルム12上に吐出された液状樹脂70の重量が、目標供給量に達したか否かを判定する。制御部CTRは、液状樹脂70の重量が目標供給量に達したと判定した場合(ステップS111でYES)、ステップS112に移行する。一方、制御部CTRは、液状樹脂70の重量が目標供給量に達していないと判定した場合(ステップS111でNO)、ステップS107に再度移行し、液状樹脂70の重量が目標供給量に達するまでステップS107以降の処理を繰り返す。
【0062】
ステップS112において、制御部CTRは、液状樹脂吐出機構23による離型フィルム12への液状樹脂70の供給(樹脂撒き)を停止させ、終了する。また制御部CTRは、ステップS108と同様に、カートリッジCの液切れ動作を行う。この時点で液状樹脂吐出機構23が保持しているカートリッジCに残った液状樹脂70は、次の離型フィルム12への液状樹脂70の供給に用いられる。
【0063】
このようにして目標供給量の液状樹脂70が供給された離型フィルム12は、前述のように成形型31に搬送され、樹脂成形が行われる。
【0064】
このように、旧カートリッジC1の液状樹脂70の残量が目標供給量未満である場合(ステップS102でNO)、予め新カートリッジC2の充填動作が行われ(ステップS104)、旧カートリッジC1から液状樹脂70の吐出が開始される(ステップS106)。そして、旧カートリッジC1の残量が無くなった時点で(ステップS107でYES)、樹脂供給が一時停止され(ステップS108)、新カートリッジC2への交換が行われる(ステップS109)。このように一回の樹脂供給(一枚の離型フィルム12に対する樹脂供給)の途中でカートリッジCの交換を行うことで、残量が目標供給量未満となった旧カートリッジC1の液状樹脂70を廃棄することなく、可能な限り使い切ることができるため、製造コストの低減を図ることができる。また、予め捨て打ちが行われた新カートリッジC2に交換することで、交換時間の短縮を図ることができ、樹脂供給を速やかに再開することができる。このため、離型フィルム12に供給された液状樹脂70の状態が、交換の際の時間経過に伴って変化するのを抑制することができ、ひいては適切な樹脂供給を行うことができる。
【0065】
以上の如く、本実施形態に係る樹脂供給方法は、
離型フィルム12(供給対象)への一回の樹脂供給に必要な目標供給量未満の残量になった旧カートリッジC1(第一のカートリッジ)に収容された液状樹脂70を、前記離型フィルム12に供給する第一次樹脂供給ステップ(ステップS106)と、
前記第一次樹脂供給ステップの後で、前記旧カートリッジC1と、捨て打ちが行われた後の新カートリッジC2(第二のカートリッジ)とを交換するカートリッジ交換ステップ(ステップS109)と、
前記カートリッジ交換ステップの後で、前記新カートリッジC2に収容された液状樹脂70を前記離型フィルム12に供給する第二次樹脂供給ステップ(ステップS110)と、
を含むものである。
このように構成することで、適切にカートリッジCを交換することにより、適切に樹脂供給を行うことができる。また、旧カートリッジC1の液状樹脂70を極力使用することができ、液状樹脂70の廃棄量を削減(製造コストを低減)することができる。
【0066】
また、前記第二次樹脂供給ステップ(ステップS110)では、前記第一次樹脂供給ステップ(ステップS106)で前記旧カートリッジC1からの液状樹脂70の供給が停止された際の停止位置に基づいて決定された開始位置から、液状樹脂70の供給が開始されるものである。
このように構成することにより、離型フィルム12に供給される液状樹脂70の均一化を図ることができる。すなわち、停止位置に基づいて適切な位置を開始位置とすることで、例えば重複する位置への液状樹脂70の供給を防止することができ、ひいては液状樹脂70の均一化を図ることができる。
【0067】
また、前記停止位置及び前記開始位置は、水平面上において互いに直交する2方向(X方向及びY方向)の座標を用いて規定されるものである。
このように構成することにより、停止位置及び開始位置を容易に管理することができる。すなわち、単純な2方向の座標を用いて停止位置等を管理することができるため、容易に位置の管理を行うことができる。
【0068】
また、前記第一次樹脂供給ステップ(ステップS106)では、前記旧カートリッジC1に収容された液状樹脂70を押し出して供給するロッド23b(供給部材)の位置に基づいて、前記旧カートリッジC1からの液状樹脂70の供給を停止するものである。
このように構成することにより、液状樹脂70の供給を停止する際の液状樹脂70の残量を容易に検出することができる。すなわち、ロッド位置検出センサ23eを用いてロッド23bの位置を検出することで、外部から視認困難な旧カートリッジC1に収容された液状樹脂70の残量を容易に検出することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る樹脂供給方法は、前記第一次樹脂供給ステップ(ステップS106)の前に、前記旧カートリッジC1に収容された液状樹脂70の残量を計測する樹脂残量計測ステップ(ステップS101)をさらに含むものである。
このように構成することにより、事前に旧カートリッジC1の残量を把握することで、新カートリッジC2への交換の必要性、ひいては、充填動作(捨て打ち)の必要性を把握することができる。これによって、交換が不要な場合は充填動作(ステップS104等)の処理を省略することができ、作業工程の簡素化を図ることができる。
【0070】
また、前記樹脂残量計測ステップ(ステップS101)では、前記旧カートリッジC1に収容された液状樹脂70を押し出して供給するロッド23b(供給部材)の位置に基づいて、前記旧カートリッジC1に収容された液状樹脂70の残量を計測することが可能である。
このように構成することにより、液状樹脂70の残量を容易に検出することができる。
【0071】
また、本実施形態に係る樹脂供給方法は、前記樹脂残量計測ステップ(ステップS101)の後、かつ前記第一次樹脂供給ステップ(ステップS106)の前に、前記離型フィルム12への液状樹脂70の供給を行う液状樹脂吐出機構23(液状樹脂供給機構)に取り付けられた前記旧カートリッジC1と、前記新カートリッジC2とを交換し、前記液状樹脂吐出機構23を用いて前記新カートリッジC2の捨て打ちを行い、前記液状樹脂吐出機構23に取り付けられた前記新カートリッジC2と、前記旧カートリッジC1とを再度交換する捨て打ちステップ(ステップS103~ステップS105)をさらに含むものである。
このように構成することにより、装置の簡素化を図ることができる。すなわち、液状樹脂70の供給を行う液状樹脂吐出機構23を用いて捨て打ちを行うことができるため、別途捨て打ちのための機構を準備する必要がなくなるため、装置の簡素化を図ることができる。
【0072】
また、前記捨て打ちステップ(ステップS103~ステップS105)では、捨て打ちを行った前記新カートリッジC2に収容された液状樹脂70が正常に前記液状樹脂吐出機構23から供給可能か否かの確認が行われるものである。
このように構成することにより、捨て打ちと併せて、液状樹脂吐出機構23の動作確認を行うことができる。特に本実施形態では、離型フィルム12に供給された液状樹脂70の重量を計量する計量器25を用いて動作確認等を行うことができ、作業工程の効率化を図ることができる。
【0073】
また、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法は、前記樹脂供給方法により供給された液状樹脂70を用いて樹脂成形品を製造するものである。
このように構成することで、適切にカートリッジCを交換することにより、適切に樹脂供給を行うことができる。
【0074】
また、本実施形態に係る樹脂成形装置1は、
上型34と、前記上型34に対向する下型32と、を含む成形型31と、
前記成形型31を型締めする型締め機構35と、
前記成形型31で用いられる液状樹脂70を供給する液状樹脂吐出機構23(液状樹脂供給機構)と、を備え、
前記液状樹脂吐出機構23は、離型フィルム12(供給対象)への一回の樹脂供給に必要な目標供給量未満の残量になった旧カートリッジC1(第一のカートリッジ)に収容された液状樹脂70を前記離型フィルム12に供給し、前記旧カートリッジC1と、捨て打ちが行われた後の新カートリッジC2(第二のカートリッジ)とを交換し、前記新カートリッジC2に収容された液状樹脂70を前記離型フィルム12に供給するものである。
このように構成することで、適切にカートリッジCを交換することにより、適切に樹脂供給を行うことができる。また、旧カートリッジC1の液状樹脂70を極力使用することができ、液状樹脂70の廃棄量を削減(製造コストを低減)することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。
【0076】
例えば、本実施形態では、液状樹脂吐出機構23がらせん状に移動しながら液状樹脂70を供給する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、液状樹脂吐出機構23の移動経路は任意に変更することが可能である。また、液状樹脂吐出機構23を移動させることなく、離型フィルム12上の一箇所に対して液状樹脂70を供給することも可能である。
【0077】
また、本実施形態では、樹脂面検出センサ23d及びロッド位置検出センサ23eを用いて、カートリッジCの液状樹脂70の量を検出する構成を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば重量センサを用いる等、任意の方法でカートリッジCの液状樹脂70の量を検出することが可能である。
【0078】
また、本実施形態では、フィルム載置台13及びフィルム吸着台24を備える構成としたが、フィルム載置台13とフィルム吸着台24を共通化して、フィルム吸着台24のみとする構成としてもよい。この場合、フィルム吸着台24は、X、Y、Z方向に移動することができ、離型フィルム切断モジュール10と樹脂供給モジュール20の間を移動することができる。離型フィルム12が配置されたフィルム吸着台24を、樹脂供給モジュール20の樹脂吐出部下方まで移動させ、この状態で、離型フィルム11上に液状樹脂70を吐出する。
【符号の説明】
【0079】
1 樹脂成形装置
12 離型フィルム
31 成形型
32 下型
34 上型
35 型締め機構
23 液状樹脂吐出機構
70 液状樹脂
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7