(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】胃滞在電子機器
(51)【国際特許分類】
A61B 5/07 20060101AFI20231201BHJP
A61J 3/07 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
A61B5/07 100
A61J3/07 A
(21)【出願番号】P 2020546310
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(86)【国際出願番号】 US2018062728
(87)【国際公開番号】W WO2019108580
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-11-11
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(73)【特許権者】
【識別番号】503146324
【氏名又は名称】ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ランガー, ロバート エス.
(72)【発明者】
【氏名】トラベルソ, カルロ ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】コン, ヨン リン
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/145855(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0257491(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0123809(US,A1)
【文献】国際公開第2009/063375(WO,A1)
【文献】特表2005-523101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0137686(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/07
A61J 3/00-3/10
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、
対象に経口的に投与されるように構成されている
可溶性容器と、
前記
可溶性容器内に
カプセル化されている滞在構造
コンポーネントと
を備え、前記滞在構造
コンポーネントは、
電子コンポーネントと、
第1のアームと、
第2のアームと、
弾性コアと
を備え、
前記第1のアーム、前記第2のアーム、および前記電子コンポーネントは、前記弾性コアに結合されており、前記滞在構造
コンポーネントは、
前記滞在構造コンポーネントが胃を通過することができないサイズおよび/または構成を有するように前記電子コンポーネント、前記第1のアーム、および/または、前記第2のアームを拡張することによって、少なくとも24時間の滞在周期にわたって
前記胃内に保定され、前記滞在周期の間、
無線電磁信号を前記電子コンポーネントから前記胃の外部のデバイスに伝送する、および/または前記胃の外部のデバイスから前記電子コンポーネントに伝送される
無線電磁信号を受信するように構成されており、
前記滞在周期の終了時、
前記滞在構造コンポーネントが、前記電子コンポーネントが前記胃から幽門を通過するように
構成を変化させる、物品。
【請求項2】
前記
無線電磁信号は、前記滞在構造
コンポーネントから医薬品を放出するように前記電子コンポーネントをトリガする、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記
無線電磁信号は、前記対象の生理学的条件を前記胃の外部の前記デバイスに提供する、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記
受信された無線電磁信号は、
前記電子コンポーネントを介して、前記滞在構造コンポーネントの前記構成の変化をトリガし、これにより、前記電子コンポーネントが前記胃から前記幽門を通
って退出するようにする、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記滞在構造
コンポーネントは、分解可能コンポーネントを備え、前記分解可能コンポーネントは、
溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または前記電子コンポーネントから前記滞在構造コンポーネントを機械的に分離することによって、前記分解可能コンポーネントが前記対象の前記胃から前記幽門を通した前記電子コンポーネントの退出を媒介するように、前記電子コンポーネント
を前記滞在構造コンポーネントに接続している、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記
受信された無線電磁信号は、前記電子コンポーネントが前記胃から前記幽門を通過するように、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または前記電子コンポーネントから機械的に分離するように前記分解可能コンポーネントをトリガする
ための電圧を印加するように前記電子コンポーネントをトリガする、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記
無線電磁信号は、ある電圧を前記分解可能コンポーネントに印加するように前記電子コンポーネントをトリガする、請求項5に記載の物品。
【請求項8】
滞在構造
物であって、
電子コンポーネント
と、
第1のアームと、
第2のアームと、
弾性コアと
を備え、
前記第1のアーム
、前記第2のアーム、および前記電子コンポーネントは、前記弾性コアに結合されており、
前記電子コンポーネントは、分解可能コンポーネントに連結されており、前記滞在構造
物は、これが対象に経口的に導入され得、胃まで通過する第1の圧縮構成と、前記滞在構造
物が前記胃内に保定され、正常な生理学的条件下で幽門の中に通過しない第2の拡張構成と、前記分解可能コンポーネントが溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または前記電子コンポーネントから機械的に分離し、前記電子コンポーネントが前記胃から前記幽門を通過する第3の構成とを有
し、
前記第2の拡張構成において、前記電子コンポーネント、前記第1のアーム、および/または、前記第2のアームは、前記滞在構造物が前記胃を通過することができないサイズおよび/または構成を有するように、拡張する、滞在構造
物。
【請求項9】
滞在構造
物であって、
弾性コアと、
第1の分解可能連結器を介して前記弾性コアに結合されている第1のアームと、
第2の分解可能連結器を介して前記
弾性コアに結合されている第2のアームと、
前記
弾性コアに結合されている電子コンポーネントと
を備え、
前記第1の分解可能連結器および/または前記第2の分解可能連結器は、電気活性接着剤を含み、
前記滞在構造
物は、少なくとも0.2Nの折畳力を有し、
前記滞在構造
物は、少なくとも2cmの非圧縮断面寸法を有し、
前記滞在構造
物は、これが
対象の内部の場所に保定されるように構成され
、内部の前記場所は、開口部を含み、前記滞在構造物の前記電子コンポーネント、前記第1のアーム、および/または、前記第2のアームは、少なくとも24時間にわたって前記開口部を通過することができないサイズおよび/または構成を有するように、拡張する、滞在構造
物。
【請求項10】
経口投与のために構成されている滞在構造
物であって、
弾性コアと、
前記弾性コアに結合されている2つ以上のポリマーアームと、
前記弾性コアに結合されている電子コンポーネントと
を備え、
前記滞在構造
物は、これが
対象の内部の場所に保定されるように構成され
、内部の前記場所は、開口部を含み、前記滞在構造物の前記2つ以上のポリマーアームおよび前記電子コンポーネントは、少なくとも24時間にわたって前記開口部を通過することができないサイズおよび/または構成を有するように、拡張する、滞在構造
物。
【請求項11】
分解可能連結器が前記弾性コアおよび前記2つ以上のポリマーアームを結合する、請求項10に記載の滞在構造物。
【請求項12】
体外での
無線電磁信号の伝送のために構成されている滞在構造
物であって、
無線送信機を備える電子コンポーネントであって、前記電子コンポーネントは、弾性コアに結合されている、電子コンポーネント
を備え、
前記滞在構造
物は、これが経口的に投与され、
対象の胃内に保定されるように構成され、前記滞在構造物の前記電子コンポーネントは、少なくとも24時間にわたって
前記対象の幽門
を通過することができないサイズおよび/または構成を有するように、拡張し、
前記無線送信機は、
無線電磁信号を前記対象の内部の
場所から前記対象の体外に位置付けられる受信機に伝送するように構成されている、滞在構造
物。
【請求項13】
前記電子コンポーネント
内に配置される医薬品を備える、請求項8~12のいずれかに記載の滞在構造
物。
【請求項14】
前記医薬品の少なくとも一部は、前記電子コンポーネントから受信される
無線電磁信号に応じて、放出されるように構成されている、請求項13に記載の滞在構造
物。
【請求項15】
電子コンポーネントを対象に送達するための物品であって、
対象に経口的に投与されるように構成されている
可溶性容器と、
電子コンポーネントを備える滞在構造
コンポーネントと
を備え、前記滞在構造
コンポーネントは、前記物品が前記対象に投与されると、前記電子コンポーネントが少なくとも24時間にわたって前記対象の内部の場所に保定されるように構成されており、
前記滞在構造コンポーネントは、前記可溶性容器内にカプセル化され、
前記滞在構造
コンポーネントは、弾性コアと、前記弾性コアに結合されている2つ以上のポリマーアームとをさらに備え、前記電子コンポーネントは、前記弾性コアに結合され
、
内部の前記場所は、開口部を含み、前記滞在構造コンポーネントの前記2つ以上のポリマーアームおよび/または前記電子コンポーネントは、前記開口部を通過することができないサイズおよび/または構成を有するように、拡張する、物品。
【請求項16】
前記滞在構造
コンポーネントは、
前記2つ以上のポリマーアームのうちの少なくとも1つおよび前記弾性コアを結合する分解可能連結器を備える、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記分解可能連結器を分解することによって、前記対象の内部の前記場所から前記電子コンポーネントを除去することを含む、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記分解可能連結器を分解することは、前記電子コンポーネントを介して、ある電圧を前記分解可能連結器に印加することを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記分解可能連結器は、複数の炭素質粒子、カーボンナノチューブ、および/または
導電性粒子を含む、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
物品であって、
対象に経口的に投与されるように構成されている
可溶性容器と、
滞在構造
コンポーネントと
を備え、前記滞在構造
コンポーネントは、
弾性コアと、
前記弾性コアに結合されている2つ以上のアームと、
前記2つ以上のアームのうちの少なくとも1つに結合され
、前記弾性コアに結合されている電子コンポーネントと
を備え、前記滞在構造
コンポーネントは、少なくとも24時間にわたって前記対象の内部の場所に保定されるように構成されており、
内部の前記場所は、開口部を含み、前記滞在構造コンポーネントの前記2つ以上のアームおよび前記電子コンポーネントは、前記開口部を通過することができないサイズおよび/または構成を有するように、拡張し、
前記滞在構造
コンポーネントは、前記電子コンポーネントを介して、前記対象の内部の前記場所における前記対象の生理学的条件を決定するように構成されており、
前記滞在構造
コンポーネントは、前記対象の前記生理学的条件を含む
無線電磁信号を、前記電子コンポーネントを介して、体外の受信機に伝送するように構成されており、
前記対象の内部の前記場所は、幽門に近接
し、
前記滞在構造コンポーネントは、前記可溶性容器内にカプセル化されている、物品。
【請求項21】
物品であって、
対象に経口的に投与されるように構成されている可溶性容器と、
滞在構造
コンポーネントと
を備え、前記滞在構造
コンポーネントは、
弾性コアと、
前記弾性コアに結合されている2つ以上のアームと、
前記2つ以上のアームに結合され
、前記弾性コアに結合されている電子コンポーネントと、
前記電子コンポーネントに結合されている医薬品と
を備え、前記滞在構造
コンポーネントは、少なくとも24時間にわたって前記対象の内部の場所に保定されるように構成されており、
前記滞在構造
コンポーネントは、前記電子コンポーネントを介して、前記対象の内部の前記場所における前記対象の生理学的条件を決定するように構成されており、
前記滞在構造
コンポーネントは、特定の生理学的条件において、前記医薬品の少なくとも一部を放出するように構成されており、
前記対象の内部の前記場所は、幽門に近接
し、
前記滞在構造コンポーネントは、前記可溶性容器内にカプセル化され、
内部の前記場所は、開口部を含み、前記滞在構造コンポーネント前記2つ以上のアームおよび前記電子コンポーネントは、前記開口部を通過することができないサイズおよび/または構成を有するように、拡張する、物品。
【請求項22】
前記対象の内部の前記場所は、胃である、請求項9に記載の滞在構造
物。
【請求項23】
前記対象の内部の前記場所は、幽門に近接する、請求項9に記載の滞在構造
物。
【請求項24】
前記分解可能連結器は、複数の炭素質粒子、カーボンナノチューブ、および/または
導電性粒子を含む、請求項
11に記載の滞在構造
物。
【請求項25】
前記電子コンポーネントは、ある電圧を前記分解可能連結器に印加するように構成されている、請求項
11に記載の滞在構造
物。
【請求項26】
前記分解可能連結器は、ある電圧の存在下で分解するように構成されている、請求項
11に記載の滞在構造
物。
【請求項27】
前記分解可能連結器は、発生された温度の増加の存在下で分解するように構成されている、請求項
11に記載の滞在構造
物。
【請求項28】
前記分解可能連結器は、胃環境内で分解、溶解、解離、または機械的に弱化し、これは、滞留形状完全性の喪失および胃腔からの通過をもたらす、請求項
11に記載の滞在構造
物。
【請求項29】
前記
2つ以上のポリマーアームは、前記滞在構造
物の滞在周期の間に構造完全性を維持するように構成されている、請求項10に記載の滞在構造
物。
【請求項30】
請求項8に記載の滞在構造
物と、前記滞在構造
物を含有する
可溶性容器とを備える物品。
【請求項31】
前記滞在構造
物は、前記
可溶性容器内に
カプセル化されるときの第1の構成と、前記
可溶性容器からの放出後の第2の構成とを有するように構築および配列されている、請求項30に記載の物品。
【請求項32】
前記電子コンポーネントは、無線送信機を備える、請求項1に記載の物品。
【請求項33】
前記電子コンポーネントは、前記対象の内部の前記場所における放出のために構成されている医薬品を備える、請求項1に記載の物品。
【請求項34】
前記滞在構造
コンポーネントは、前記
可溶性容器からの放出に応じて、弾性反跳を受けるように構築および配列されており、前記滞在構造
コンポーネントは、前記
可溶性容器内に
カプセル化されるときの第1の構成と、前記
可溶性容器からの放出後の第2の構成とを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項35】
前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの少なくとも一方は、電気活性接着剤によって前記弾性コアに接着されている、請求項1に記載の物品。
【請求項36】
前記分解可能連結器は、電気活性接着剤を備える、請求項
11に記載の滞在構造
物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2017年11月28日に出願され、その内容が、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、同時係属中の米国仮出願第62/591,556号の優先権を第35 U.S.C. §119(e)号に基づいて主張する。
【0002】
本明細書に説明される実施形態は、概して、胃滞在電子機器および関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人体の中への生物医学的電子機器の長期の埋込は、高度な診断および療法機能性を可能にする。しかしながら、殆どの長期滞在電子機器デバイスは、埋込のための侵襲性手技および通信のための特殊化受信機を要求する。摂取可能物の最近の開発は、温度、pH、圧力、または生体分子センサ、無線識別マイクロチップ、ガスセンサ、無線撮像および内視鏡検査のためのカメラ、または薬物送達モジュールを組み込む、無数の機能性に注目している。しかしながら、これらの摂取可能電子機器は、概して、胃内での安定した長い滞在を維持することができない。現在までの殆どの実証は、受動的な制御されない胃滞在に限定され、これは、一時的な診断および療法方略への摂取可能バイオエレクトロニクスの潜在的用途を限定している。
【0004】
故に、改良されたシステムおよび方法が、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
胃滞在電子機器、デバイス、システム、および関連方法が、概して、提供される。
【0006】
一側面では、方法が、提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、対象に、電子コンポーネントを備える滞在構造を経口的に投与し、滞在構造が胃に進入することを可能にするステップと、少なくとも24時間の滞在周期にわたって、胃内に滞在構造を保定し、滞在周期の間、信号を電子コンポーネントから胃の外部のデバイスに伝送する、および/または信号を胃の外部のデバイスから電子コンポーネントに伝送するステップと、滞在周期の終了時、電子コンポーネントが胃から幽門を通して通過することを可能にするステップとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、信号は、滞在構造から医薬品を放出するように電子コンポーネントをトリガする。
【0008】
いくつかの実施形態では、信号は、対象の生理学的条件を胃の外部のデバイスに提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、信号は、胃から幽門を通した電子コンポーネントの退出を媒介する。
【0010】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、分解可能コンポーネントが対象の胃から幽門を通した電子コンポーネントの退出を媒介するように、電子コンポーネントに連結された分解可能コンポーネントを備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、信号は、電子コンポーネントが胃から幽門を通して通過するように、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または電子コンポーネントから機械的に分離するように分解可能コンポーネントをトリガする。
【0012】
いくつかの実施形態では、信号は、ある電圧を分解可能コンポーネントに印加するように電子コンポーネントをトリガする。
【0013】
いくつかの実施形態では、本方法は、電子コンポーネントを対象に送達するステップを含み、電子コンポーネントが少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように、対象に、電子コンポーネントを備える滞在構造を経口的に投与するステップを含み、滞在構造は、弾性コアと、弾性コアと関連付けられる、2つ以上のポリマーアームと、弾性コアと関連付けられる、電子コンポーネントとを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、分解可能連結器を備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、分解可能連結器を分解することによって、対象の内部の場所から電子コンポーネントを除去するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、分解可能連結器を分解するステップは、電子コンポーネントを介して、ある電圧を分解可能連結器に印加するステップを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、分解可能連結器は、複数の炭素質粒子、カーボンナノチューブ、および/または伝導性粒子を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、対象に、2つ以上のアームと、2つ以上のアームと関連付けられる、電子コンポーネントとを備える、滞在構造を経口的に投与するステップであって、滞在構造は、少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように構成される、ステップと、電子コンポーネントを介して、対象の内部の場所における対象の生理学的条件を決定するステップと、対象の生理学的性質を含む信号を、電子コンポーネントを介して、体外の受信機に伝送するステップとを含み、対象の内部の場所は、幽門に近接する。
【0019】
いくつかの実施形態では、本方法は、対象に、2つ以上のアームと、2つ以上のアームと関連付けられる、電子コンポーネントと、電子コンポーネントと関連付けられる、医薬品とを備える、滞在構造を経口的に投与するステップであって、滞在構造は、少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように構成される、ステップと、電子コンポーネントを介して、対象の内部の場所における対象の生理学的条件を決定するステップと、特定の生理学的条件において、医薬品の少なくとも一部を放出するステップとを含み、対象の内部の場所は、幽門に近接する。
【0020】
別の側面では、滞在構造が、提供される。いくつかの実施形態では、滞在構造は、分解可能コンポーネントに連結される、電子コンポーネントを備え、滞在構造は、これが対象に経口的に導入され得、胃まで通過するであろう第1の圧縮構成と、滞在構造が胃内に保定され、正常な生理学的条件下で幽門の中に通過しない第2の拡張構成と、分解可能部分が溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または電子コンポーネントから機械的に分離し、電子コンポーネントが胃から幽門を通して通過する第3の構成とを有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、第1の弾性ポリマーコンポーネントと、第1の弾性ポリマーコンポーネントに結合される、第2のポリマーコンポーネントと、第2のポリマーコンポーネントと関連付けられる、電子コンポーネントとを備え、滞在構造は、少なくとも約0.2Nの折畳力を有し、滞在構造は、少なくとも約2cmの非圧縮断面寸法を有し、滞在構造は、これが少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、弾性コアと、弾性コアと関連付けられる、3つ以上のポリマーアームと、弾性コアおよび3つ以上のポリマーアームのうちの少なくとも2つを結合する、分解可能連結器とを備え、3つ以上のポリマーアームのうちの少なくとも1つは、電子コンポーネントを備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、経口投与のために構成され、弾性コアと、弾性コアと関連付けられる、2つ以上のポリマーアームと、弾性コアと関連付けられる、電子コンポーネントとを備え、滞在構造は、これが少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、体外での信号の伝送のために構成され、無線送信機を備える、電子コンポーネントであって、弾性コアと関連付けられる、電子コンポーネントを備え、滞在構造は、これが経口的に投与され、少なくとも約24時間にわたって対象の幽門に隣接する対象の内部の場所に保定されるように構成され、無線送信機は、信号を対象の内部の場所から対象の体外に位置付けられる受信機に伝送するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、電子コンポーネントと関連付けられる、医薬品を備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、医薬品の少なくとも一部は、電子コンポーネントから受信される信号に応じて、放出されるように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、対象の内部の場所は、胃である。
【0028】
いくつかの実施形態では、対象の内部の場所は、幽門に近接する。
【0029】
いくつかの実施形態では、連結器は、複数の炭素質粒子、カーボンナノチューブ、および/または伝導性粒子を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、ある電圧を連結器に印加するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、連結器は、ある電圧の存在下で分解するように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、連結器は、発生された温度の増加の存在下で分解するように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、連結器は、胃環境内で分解、溶解、解離、または機械的に弱化し、これは、滞留形状完全性の喪失および胃腔からの通過をもたらす。
【0034】
いくつかの実施形態では、ポリマーアームは、滞在構造の滞在周期の間に構造完全性を維持するように構成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、含有構造を備える。
【0036】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、含有構造内に含有されるときの第1の構成と、含有構造からの放出後の第2の構成とを有するように構築および配列される。
【0037】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、無線送信機を備える。
【0038】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、対象の内部の場所における放出のために構成される、医薬品を備える。
【0039】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、含有構造からの放出に応じて、弾性反跳を受けるように構築および配列され、滞在構造は、含有構造内に含有されるときの第1の構成と、含有構造からの放出後の第2の構成とを有する。
【0040】
本発明の他の利点および新規の特徴は、付随の図と併せて考慮されるとき、本発明の種々の非限定的実施形態の以下の詳細な説明から明白となるであろう。参照することによって組み込まれる本明細書および文書が、相反するおよび/または一貫性のない開示を含む場合、本明細書が優先するものとする。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
方法であって、
対象に、電子コンポーネントを備える滞在構造を経口的に投与し、前記滞在構造が胃に進入することを可能にすることと、
少なくとも24時間の滞在周期にわたって、前記胃内に前記滞在構造を保定し、前記滞在周期の間、信号を前記電子コンポーネントから前記胃の外部のデバイスに伝送する、および/または信号を前記胃の外部のデバイスから前記電子コンポーネントに伝送することと、
前記滞在周期の終了時、前記電子コンポーネントが前記胃から幽門を通して通過することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目2)
前記信号は、前記滞在構造から医薬品を放出するように前記電子コンポーネントをトリガする、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記信号は、前記対象の生理学的条件を前記胃の外部の前記デバイスに提供する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記信号は、前記胃から前記幽門を通した前記電子コンポーネントの退出を媒介する、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記滞在構造は、分解可能コンポーネントが前記対象の前記胃から前記幽門を通した前記電子コンポーネントの退出を媒介するように、前記電子コンポーネントに連結された前記分解可能コンポーネントを備える、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記信号は、前記電子コンポーネントが前記胃から前記幽門を通して通過するように、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または前記電子コンポーネントから機械的に分離するように前記分解可能コンポーネントをトリガする、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記信号は、ある電圧を前記分解可能コンポーネントに印加するように前記電子コンポーネントをトリガする、項目5に記載の方法。
(項目8)
電子滞在構造であって、
分解可能コンポーネントに連結される電子コンポーネントであって、前記滞在構造は、これが対象に経口的に導入され得、胃まで通過するであろう第1の圧縮構成と、前記滞在構造が前記胃内に保定され、正常な生理学的条件下で幽門の中に通過しない第2の拡張構成と、前記分解可能部分が溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または前記電子コンポーネントから機械的に分離し、前記電子コンポーネントが前記胃から前記幽門を通して通過する第3の構成とを有する、電子コンポーネント
を備える、電子滞在構造。
(項目9)
滞在構造であって、
第1の弾性ポリマーコンポーネントと、
前記第1の弾性ポリマーコンポーネントに結合される第2のポリマーコンポーネントと、
前記第2のポリマーコンポーネントと関連付けられる電子コンポーネントと
を備え、
前記滞在構造は、少なくとも約0.2Nの折畳力を有し、
前記滞在構造は、少なくとも約2cmの非圧縮断面寸法を有し、
前記滞在構造は、これが少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように構成される、滞在構造。
(項目10)
滞在構造であって、
弾性コアと、
前記弾性コアと関連付けられる3つ以上のポリマーアームと、
前記弾性コアおよび前記3つ以上のポリマーアームのうちの少なくとも2つを結合する分解可能連結器と
を備え、
前記3つ以上のポリマーアームのうちの少なくとも1つは、電子コンポーネントを備える、滞在構造。
(項目11)
経口投与のために構成される滞在構造であって、
弾性コアと、
前記弾性コアと関連付けられる2つ以上のポリマーアームと、
前記弾性コアと関連付けられる電子コンポーネントと
を備え、
前記滞在構造は、これが少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように構成される、滞在構造。
(項目12)
体外での信号の伝送のために構成される滞在構造であって、
無線送信機を備える電子コンポーネントであって、前記電子コンポーネントは、弾性コアと関連付けられる、電子コンポーネント
を備え、
前記滞在構造は、これが経口的に投与され、少なくとも約24時間にわたって対象の幽門に隣接する対象の内部の場所に保定されるように構成され、
前記無線送信機は、信号を前記対象の内部の前記場所から前記対象の体外に位置付けられる受信機に伝送するように構成される、滞在構造。
(項目13)
前記電子コンポーネントと関連付けられる医薬品を備える、項目1-12のいずれかに記載の滞在構造。
(項目14)
前記医薬品の少なくとも一部は、前記電子コンポーネントから受信される信号に応じて、放出されるように構成される、項目13に記載の滞在構造。
(項目15)
電子コンポーネントを対象に送達するための方法であって、
電子コンポーネントが少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように、前記対象に、前記電子コンポーネントを備える滞在構造を経口的に投与すること
を含み、
前記滞在構造は、弾性コアと、前記弾性コアと関連付けられる2つ以上のポリマーアームと、前記弾性コアと関連付けられる前記電子コンポーネントとを備える、方法。
(項目16)
前記滞在構造は、分解可能連結器を備える、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記分解可能連結器を分解することによって、前記対象の内部の前記場所から前記電子コンポーネントを除去することを含む、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記分解可能連結器を分解することは、前記電子コンポーネントを介して、ある電圧を前記分解可能連結器に印加することを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記分解可能連結器は、複数の炭素質粒子、カーボンナノチューブ、および/または伝導性粒子を含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
方法であって、
対象に、滞在構造を経口的に投与することであって、前記滞在構造は、2つ以上のアームと、前記2つ以上のアームと関連付けられる電子コンポーネントとを備え、前記滞在構造は、少なくとも約24時間にわたって前記対象の内部の場所に保定されるように構成される、ことと、
前記電子コンポーネントを介して、前記対象の内部の前記場所における前記対象の生理学的条件を決定することと、
前記対象の生理学的性質を含む信号を、前記電子コンポーネントを介して、体外の受信機に伝送することと
を含み、
前記対象の内部の前記場所は、幽門に近接する、方法。
(項目21)
方法であって、
対象に、滞在構造を経口的に投与することであって、前記滞在構造は、2つ以上のアームと、前記2つ以上のアームと関連付けられる電子コンポーネントと、前記電子コンポーネントと関連付けられる医薬品とを備え、前記滞在構造は、少なくとも約24時間にわたって前記対象の内部の場所に保定されるように構成される、ことと、
前記電子コンポーネントを介して、前記対象の内部の前記場所における前記対象の生理学的条件を決定することと、
特定の生理学的条件において、前記医薬品の少なくとも一部を放出することと
を含み、
前記対象の内部の前記場所は、幽門に近接する、方法。
(項目22)
前記対象の内部の前記場所は、前記胃である、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目23)
前記対象の内部の前記場所は、前記幽門に近接する、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目24)
前記連結器は、複数の炭素質粒子、カーボンナノチューブ、および/または伝導性粒子を含む、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目25)
前記電子コンポーネントは、ある電圧を前記連結器に印加するように構成される、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目26)
前記連結器は、ある電圧の存在下で分解するように構成される、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目27)
前記連結器は、発生された温度の増加の存在下で分解するように構成される、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目28)
前記連結器は、胃環境内で分解、溶解、解離、または機械的に弱化し、これは、滞留形状完全性の喪失および胃腔からの通過をもたらす、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目29)
前記ポリマーアームは、前記滞在構造の滞在周期の間に構造完全性を維持するように構成される、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目30)
含有構造を備える、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目31)
前記滞在構造は、前記含有構造内に含有されるときの第1の構成と、前記含有構造からの放出後の第2の構成とを有するように構築および配列される、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目32)
前記電子コンポーネントは、無線送信機を備える、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目33)
前記電子コンポーネントは、前記対象の内部の前記場所における放出のために構成される、医薬品を備える、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
(項目34)
前記滞在構造は、前記含有構造からの放出に応じて、弾性反跳を受けるように構築および配列され、前記滞在構造は、前記含有構造内に含有されるときの第1の構成と、前記含有構造からの放出後の第2の構成とを有する、前記項目のいずれかに記載の滞在構造または方法。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明の非限定的実施形態が、概略であり、縮尺通りに描かれることを意図していない、付随の図面を参照して、実施例として説明されるであろう。図では、図示される各同じまたはほぼ同じコンポーネントは、典型的には、単一の数字によって表される。明確化を目的として、全てのコンポーネントが、全ての図で標識化されるわけではなく、また、本発明の各実施形態の全てのコンポーネントが、示されるわけでもなく、図示は、当業者が本発明を理解することを可能にするために必要ではない。
【0042】
【
図1A】
図1Aは、実施形態の1つのセットによる、胃滞在構造の概略図である。
【0043】
【
図1B】
図1Bは、実施形態の1つのセットによる、胃滞在構造の概略図である。
【0044】
【
図1C】
図1Cは、実施形態の1つのセットによる、胃滞在構造の概略図である。
【0045】
【
図2】
図2A-2Jは、実施形態の1つのセットによる、生物医学的用途のための3D印刷胃滞在電子機器(GRE)を示す。図示は、以下の3D印刷GRE概念を説明する。(A)GREの患者特有多材料3D印刷。(B)GREは、経口的に送達され(1)数週間にわたって胃内に滞在し、(2)最後に、分解し、(3)幽門を通過し、胃空間から排泄されるように設計される。具体的には、(C)に示されるように、GREは、カプセルサイズ投薬形態に圧縮されることができる。(D)に示されるような本デバイスの拡張は、胃滞在を可能にし、パーソナルデバイスとの長期の遠隔通信を可能にする。(E)最終的に、本デバイスの崩壊は、胃空間からの本デバイスの安全な通過を可能にする。(F)GREは、スマートフォン等のパーソナルデバイスと直接互換性があり、特殊化機器を伴わずに長期滞在構造と通信し、それを制御する能力をユーザに与える。(G)これは、他の無線電子機器周辺機器、ウェアラブルデバイス、および生物医学的インプラントとのシームレスな相互接続を可能にし、リアルタイムのフィードバックベースの自動化治療または応答性の薬物治療を可能にする。パーソナル電子機器を介したデジタルクラウドとのGREの相互接続は、最終的に、次世代のデジタル医療介入を可能にし得る。(H)胃滞在電子機器デバイスのコンピュータ支援設計モデルは、(i)胃滞在アーキテクチャ、(ii)通信および制御のための電子機器および電力システムの統合、(iii)個人化された薬物送達モジュールを示す。挿入画像は、Bluetooth(登録商標)無線マイクロコントローラ、アンテナ、バッテリ、および薬物送達モジュールの統合を実証する設計の断面を示す。(I)光学写真は、加工されたデバイスの寸法を示す。(J)X線画像は、ブタ胃内に展開されたGREを示す。
【0046】
【
図3】
図3A-3Gは、実施形態の1つのセットによる、3D印刷多材料胃滞在アーキテクチャプロトタイプ(GRA)および電子機器(GRE)を示す。(A)3D印刷多材料アーキテクチャのコンピュータ支援設計モデルの概略図。左挿入画像は、3D印刷多材料GRAの光学写真を示し、右挿入画像は、生体内胃滞在研究のGRA内に埋設される金属プローブの相対的場所を示すX線画像である。(B)高速カメラ撮像シリーズが、(i)拡張前、(ii)拡張の間、および(iii)拡張後の3D印刷アーキテクチャの拡張を示す。(C)X線画像は、胃滞在アーキテクチャを伴わない4日の最大胃滞在を実証する、対照群プロトタイプの胃滞在を示す。(D)対照的に、GRAは、X線画像に示されるように、最大24日にわたる胃滞在を可能にする。構造は、続けて、取外によって崩壊するであろう。第1に、GRAアームのうちの1つが、27日目に金属プローブによって示されるように、取り外される。(上部挿入画像は、腸領域に通過している取り外されたアームを示す一方、残りの構造は、胃空間内に留まる。)第2に、30日目に、両方のGRAアームが、取り外され、GRAが31日目と33日目との間に通過することを可能にする。(E)GREは、GRAと類似する崩壊を呈し、24日目に、プロトタイプのうちの1つは、両方の胃滞在アームが取り外される前に、胃滞在構造のうちの1つを喪失し始めた。(F)別のGREでは、36日の最大胃滞在が、達成された。(G)GRAを伴わない構造(対照群)、GRAプロトタイプ、および最終的GREのデバイス滞在周期の統計的比較が、胃滞在を延長させる際のGRAの有効性を実証する。
【0047】
【
図4】
図4A-4Dは、実施形態の1つのセットによる、胃滞在電子機器の無線性能および寿命を示す。(A)スマートフォンを用いて測定された7つのデバイスの平均受信信号強度インジケータ(RSSI)。挿入画像は、3つの主要コンポーネントを伴うGREにおける統合電子機器のX線画像を示す。(B)RSSIは、ブタ胃内のGREから測定された。距離は、ブタの腹部表面に対して測定される。生体内測定が、3つの直交する方向において繰り返される。挿入画像は、固定された場所において測定されたRSSIの安定性を示す。(C)胃空間からのGRE双方向無線通信:ブタ胃に送達されたGREから測定された温度の変化は、胃空間内の本デバイスとスマートフォンとの間の双方向無線Bluetooth(登録商標)相互接続を実施する能力を実証する。(D)GRE寿命の延長:通信プロトコルおよび電源の最適化は、時間単位間隔において温度測定を実施するように構成されるとき、20.1日の最大デバイス寿命を可能にする。挿入画像は、3つの異なる動作モードにおいて維持されるときのGREの平均寿命を実証する棒グラフを示す。グラフは、本デバイスが19.5日にわたって37℃において維持された対流式オーブン内に放置されているときに測定された温度の生体内実験データを示す。
【0048】
【
図5】
図5A-5Dは、実施形態の1つのセットによる、胃滞在電子機器を用いた薬物送達および遠隔感知を示す。(A)錠剤形態における20mgの放出プロファイル(青色の星形および黒色の線)および遅延放出錠剤(紫色の菱形および緑色の線)と比較した、制御放出ポリ(ε-カプロラクトン)マトリクス製剤(赤色の小点および青色の線)におけるドキシサイクリンの累積的放出。(B)1週間にわたる3D印刷製剤からのレボノルゲストレルの累積的放出は、GREを制御された送達プラットフォームと統合する能力を実証する。挿入画像は、画定された薬物ウェルの中へのレボノルゲストレルの3D印刷を示す。(C)GREの生体内長期滞在性能:グラフは、15.3日にわたってケージの壁に取り付けられたタブレットからのブタのブタ胃内に展開されたGREの測定された受信信号強度インジケータ(RSSI)を示す。挿入画像は、本デバイスが展開される日における胃の内側のGRE(黄色で囲まれる)のX線画像を示す。(D)GREを用いた生体内長期滞在生理学的パラメータ感知:17日にわたってケージの壁に取り付けられたタブレットを用いた直接リアルタイムコア温度測定。挿入画像は、15日目のGREの完全性を示し、数週間にわたって好ましくない胃環境に耐えるGREのロバスト性を実証する。
【0049】
【
図6】
図6は、実施形態の1つのセットによる、幽門を通したGRAの通過をシミュレートするために、ロート試験装置を用いて測定される最大折畳力のプロットを示す。測定は、疲労性質を評価するために、10,000サイクルにわたって繰り返された。標準偏差を明確に図示するために、100個の点のうちの1つのみが、本グラフではプロットされることに留意されたい。
【0050】
【
図7】
図7は、実施形態の1つのセットによる、幽門を通したPCL-PLA GRAの通過をシミュレートするために、ロート試験装置を用いて測定される最大折畳力のプロットを示す。測定は、疲労性質を評価するために、6,000サイクルにわたって繰り返された。標準偏差を明確に図示するために、70個の点のうちの1つのみが、本グラフではプロットされることに留意されたい。
【0051】
【
図8】
図8A-8Cは、実施形態の1つのセットによる、トリガ可能なGREデバイス分離の写真を示す。(A)トリガに先立って、GRAは、電気活性接着剤を用いてGRE電子機器の「ヘッド」に接合される。(B)トリガに応じて、GRAは、接着剤が働かなくなるため、分離される。(C)分離された構造のわずかな移動は、GRAが、本デバイスの圧縮システム(埋設ばね)が暴露されるGREの「ヘッド」から取り外されて完成されたことを示す。
【0052】
【
図9】
図9A-9Cは、実施形態の1つのセットによる、薬物リザーバカバーの生体内無線トリガ可能放出の写真を示す。(A)内視鏡画像は、トリガに先立つ電気活性薬物送達モジュール(緑色の破線枠)を示す。胃からの粘液性フィルムが、リザーバを被覆する。(B)薬物リザーバカバー(緑色の矢印)の開放の結果としての薬物の無線トリガ放出は、粘液性被覆によって干渉されなかった。(C)拡張されたシステム(緑色の矢印)を示すために洗浄されたトリガされたリザーバ。
【発明を実施するための形態】
【0053】
胃滞在電子機器、デバイス、システム、および関連方法が、概して、提供される。いくつかの実施形態は、(電子)滞在構造が、対象の内部の場所から退出する前に、特定の時間量(例えば、少なくとも約24時間)にわたって対象の内部の該場所に保定されるように、(電子)滞在構造を対象(例えば、患者)に(例えば、経口的に)投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、滞在構造は、胃滞在電子機器である。すなわち、いくつかの実施形態では、滞在構造は、比較的に長い胃滞在のために構成され、電子コンポーネントを備える。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される構造およびコンポーネントは、対象への活性物質(例えば、医薬品)の送達のために構成される、1つ以上のコンポーネントを備えてもよい。有利なこととして、本明細書に説明される構造は、酸性環境内での安定性、内部開口部(例えば、対象の幽門)に近接する機械的可撓性および強度、対象の内部の所望の場所における滞在までの胃腸管を通した容易な通過、および/または生理学的環境(例えば、胃腸環境)内での制御可能/トリガ可能な溶解/分解を呈する。いくつかの実施形態では、本デバイスは、モジュール設計を有し、電子コンポーネントを、(胃)滞在が失われ、本デバイスが対象の内部の場所から退出する時間を決定するために制御される、および/または調整可能な分解/溶解のために構成される材料と組み合わせる。例えば、いくつかの実施形態では、滞在構造は、電子コンポーネントと、滞在構造が24時間を上回って、またはそれに等しく対象の内部の場所に保定されるように構成されるように電子コンポーネントと関連付けられる、1つ以上の付加的コンポーネントとを備える。
【0054】
有利なこととして、本明細書に説明される構造およびコンポーネントは、外科手術手技(例えば、切開、組織の層内の埋込)の必要性を伴わない対象の内部の場所における電子コンポーネントの胃滞在のために構成される。ある場合には、滞在構造は、対象に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、滞在構造は、経口的に、経直腸的に、経膣的に、経鼻的に、または経尿道的に投与される。いくつかの実施形態では、滞在構造は、下記により詳細に説明されるように、含有構造内に(例えば、投与の間に)含有される。ある実施形態では、対象の内部の(例えば、胃腸管内の)場所に到達することに応じて、含有構造の少なくとも一部は、滞在構造が胃滞在のために構成される構成を取得するように分解する。
【0055】
本明細書に使用されるような語句「対象の内部の場所」は、概して、対象の内部空洞(例えば、口、食道、小腸、結腸、十二指腸、回腸、空腸、胃、または直腸)を指す。いくつかの実施形態では、対象の内部の場所は、幽門等の胃開口部に近接する(例えば、隣接する、直接隣接する)。いくつかの実施形態では、滞在構造は、幽門等の胃開口部に隣接して滞在するように構成される(例えば、滞在構造は、幽門を通した通過を可能にしない最大断面積を有する)。当業者は、本明細書の教示に基づいて、滞在構造が、滞在構造の物理的、化学的、または機械的変化の不在下でこれが該場所から実質的に移行しないとき、対象の内部の場所に保定されることを理解するであろう。実施例として、そのようなものの文字通りの解釈によって拘束されるわけではないが、滞在構造は、これが滞在時間周期の持続時間(例えば、24時間を上回る、またはそれに等しい)にわたってその場所に実質的に近接したままである(例えば、隣接する、それと接触する)とき、対象の内部の場所に保定される。対照的に、比較実施例として、そのようなものの文字通りの解釈によって拘束されるわけではないが、滞在構造は、これが胃腸管を移行する(例えば、これが胃腸管を通して移動するように胃腸力および/または運動によって駆動される)際、対象の内部の場所に保定されると見なされない。例えば、対象の内部に留まるが、例えば、24時間を上回って、またはそれに等しく胃腸管を移行するデバイスは、対象の内部にあるにもかかわらず、該24時間を上回って、またはそれに等しく対象の内部の場所に保定されるデバイスであることを意図していない。実施例として、例えば、24時間を上回って、またはそれに等しく対象の幽門に近接したままである滞在構造は、該24時間を上回って、またはそれに等しく対象の内部の場所に保定される滞在構造であると見なされることを意図している。他の滞在時間周期もまた、可能性として考えられ、下記により詳細に説明される。
【0056】
当業者は、本明細書の教示に基づいて、滞在構造が、対象の内部の場所に保定されている間に(例えば、胃腸力/運動の結果として)移動し得るように、滞在が、対象の内部の場所に対して幾何学的に画定されたものへの厳密な順守を要求しないことを理解するであろう。実施例として、そのようなものの文字通りの解釈によって拘束されるわけではないが、滞在構造は、例えば、構造が胃内に留まり、所望の滞在時間周期の間に(例えば、幽門を介して)胃から退出しない限り、対象の胃内に保定されていると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される構造は、滞在構造が対象の内部の場所から退出する(例えば、幽門を通過する)ように、変化(例えば、機械的変化)を受けるコンポーネントを備える。
【0057】
いくつかの実施形態によると、滞在構造の少なくとも一部は、(例えば、所望の時間周期後に)胃腸管を通過することが可能な1つ以上の形態に分解する、溶解する、および/または解離するように構成される。いくつかの実施形態では、滞在構造のアームおよび/またはコアは、各アームおよび/またはコアが、特定の滞在時間周期後に(および/または電子コンポーネントからのトリガに応じて)、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または電子コンポーネントから機械的に分離するように選択されてもよい。滞在時間周期という用語は、概して、その間に本明細書に説明される滞在構造が、対象の内部の場所に最初に存在する時間から、滞在構造が、例えば、分解、溶解、および/または対象の内部の場所からの滞在構造の少なくとも一部の退出に起因して、対象の内部の場所にもはや滞在しなくなる時間まで測定されるような、対象の内部の場所に滞在される時間の長さを指す。例証的実施形態では、滞在構造は、滞在構造が小腸等の対象の内部の場所に滞在し、(例えば、アームおよび/またはコア等の滞在構造の少なくとも一部の分解後に)小腸から退出するように、経口的に投与されてもよく、滞在時間周期は、滞在構造が最初に小腸内に滞在するときと滞在構造が小腸から退出するときとの間の時間の長さとして測定される。
【0058】
いくつかの実施形態では、滞在構造のアームは、分解可能材料を含んでもよい。ある場合には、アーム、コア、および/または連結器は、例えば、滞在時間周期にわたる医薬品の送達後(例えば、24時間を上回る、またはそれに等しい時間後)の滞在構造の分解、および対象の下部腸管を通した安全な通過を媒介するように構成されてもよい。小腸等の場所からの退出は、小腸を通した通過に抵抗する能力が損なわれるように、(例えば、生分解を介した)各アームの機械的性質の変化を通して達成されてもよい。
【0059】
本明細書に使用されるような用語「対象」は、ヒトまたは動物等の個々の有機体を指す。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類、または非ヒト哺乳動物)、脊椎動物、実験動物、家畜化動物、農業用動物、または伴侶動物である。対象の非限定的実施例は、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、またはマウス、ラット、ハムスター等の齧歯動物、鳥、魚、またはモルモットを含む。概して、本発明は、ヒトでの使用を対象とする。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、滞在構造の投与に応じて、健康上の利益を実証し得る。いくつかの実施形態では、滞在構造は、対象に経口的に投与される。
【0060】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、電子コンポーネントを備える。実施形態の例示的セットでは、電子コンポーネントを備える滞在構造は、滞在構造が対象の胃に進入し、ある滞在周期にわたって(例えば、24時間を上回って、またはそれに等しく)胃内に保定されるように投与される。電子コンポーネントは、信号を電子コンポーネントから胃の外部の(例えば、体外の)デバイスに伝送するように構成される、および/または信号を胃の外部の(例えば、体外の)デバイスから受信するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、例えば、温度(例えば、胃の内部温度)、pH、圧力、または他の生物物理学的特性等の対象についての生理学的条件を伝送および/または受信するように構成されてもよい。例えば、電子コンポーネントは、対象についての1つ以上の生理学的条件を決定するように構成される、1つ以上のセンサを備えてもよい(および/またはそれと電子通信する)。いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、1つ以上のセンサ(例えば、生体分子センサ、ガスセンサ、温度センサ、圧力センサ、運動センサ、加速度計、pHセンサ、生化学センサ)、無線識別マイクロチップ、および/または撮像システム(例えば、カメラ)を備える。いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、信号(例えば、無線信号)を発生させる、および/または受信するように構成される。いくつかの実施形態では、信号は、滞在構造から医薬品を放出するように電子コンポーネントをトリガする。いくつかの実施形態では、信号は、対象の生理学的条件を胃の外部のデバイスに提供する。いくつかの実施形態では、信号は、本明細書に説明されるように、胃からの幽門を通した電子コンポーネントの退出を媒介する。
【0061】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、1つ以上の薬物送達モジュールを備える。例えば、いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、対象の内部の場所における滞在に応じて、1つ以上の生物物理学的条件を検出する、および/または対象の内部の場所に1つ以上の医薬品を送達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、対象の生理学的条件、電子コンポーネント上のセンサからの信号、および/または対象の外部のデバイスから受信される信号に応答して、1つ以上の医薬品を送達(例えば、放出)するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、滞在周期の終了時、電子コンポーネントおよび/または滞在構造は、対象の内部の場所から通過するように構成される(例えば、幽門を通して胃から退出する)。例えば、
図1Aに図示されるように、滞在構造100は、第2のコンポーネント130および2つ以上のアーム120に連結される、電子コンポーネント110を備える。いくつかの実施形態では、滞在構造100は、第1の構成100A(例えば、圧縮構成)を有する。いくつかの実施形態では、第1の構成は、滞在構造が、対象に投与され得(例えば、経口的に導入され)、対象の内部の場所(例えば、胃、幽門に近接する)に到達するまで、胃腸管を通して移行するであろうようなものである。いくつかの実施形態では、滞在構造100は、滞在構造が対象の内部の場所に保定され、正常な生理学的条件下でいかなる内部開口部も通過しない(例えば、胃内に保定され、幽門の中に通過しない)、第2の構成100B(例えば、拡張構成)を取得する。構成100Bでは、アーム120および/または電子コンポーネント110は、滞在構造100が保定されるように拡張する。いくつかの実施形態では、滞在構造100は、滞在構造の分解可能部分(例えば、コンポーネント130、アーム120)が溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または電子コンポーネントから機械的に分離する、第3の構成を取得する。いくつかのそのような実施形態では、電子コンポーネントおよび/または滞在構造は、対象の内部の場所から通過する(例えば、幽門を通して胃から退出する)。本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態では、滞在構造100は、所望の滞在時間周期にわたって構成100Bを取得する。
【0063】
例えば、いくつかの実施形態では、滞在構造は、弛緩状態における特定のサイズおよび/または形状を含む第2の構成(例えば、構成100B)を有する。ある実施形態では、滞在構造は、第2の構成から第1の折畳構成(構成100A)に折畳されてもよい。例えば、ある場合には、折畳/圧縮された滞在構造は、滞在構造が(例えば、経口的に)投与され得るように、第1の構成においてカプセルまたは他の封じ込め構造内に挿入されてもよい。カプセルまたは他の封じ込め構造は、ある場合には、滞在構造が対象の内部の特定の場所において放出され、それによって、放出に応じて、これが第2の構成に(例えば、弾性反跳によって)可逆的に戻り得るように、溶解するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、滞在構造は、所望の時間まで(例えば、滞在構造のマイクロニードルおよび/またはアームの溶解に応じて)体(例えば、胃、小腸)腔内でのさらなる移行を緩慢にする、または防止する生体内の形状および/またはサイズを採用するように構成される。いくつかの実施形態では、滞在構造は、カプセル/容器および/または保定構造/要素からの放出に応じた長期の滞留(例えば、胃滞在)のために構成される形状および/またはサイズを採用する。いくつかの実施形態では、滞在構造は、滞在時間周期にわたる(そのカプセル化/折畳形状および/またはサイズにおいて保管された後の)胃展開のために構成される形状および/またはサイズを採用するために構成される。いくつかの実施形態では、滞在時間周期は、24時間を上回る、またはそれに等しい、48時間を上回る、またはそれに等しい、3日を上回る、またはそれに等しい、7日である、1カ月を上回る、またはそれに等しい、6カ月を上回る、またはそれに等しい、または1年を上回る、またはそれに等しい。ある実施形態では、滞在時間周期は、2年を下回る、またはそれに等しい、1年を下回る、またはそれに等しい、6カ月を下回る、またはそれに等しい、1カ月を下回る、またはそれに等しい、7日を下回る、またはそれに等しい、3日を下回る、またはそれに等しい、または48時間を下回る、またはそれに等しい。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、24時間を上回る、またはそれに等しく、かつ2年を下回る、またはそれに等しい、24時間を上回る、またはそれに等しく、かつ1年を下回る、またはそれに等しい、48時間を上回る、またはそれに等しく、かつ7日を下回る、またはそれに等しい、3日を上回る、またはそれに等しく、かつ1カ月を下回る、またはそれに等しい、7日を上回る、またはそれに等しく、かつ6カ月を下回る、またはそれに等しい、1カ月を上回る、またはそれに等しく、かつ1年を下回る、またはそれに等しい)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0064】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、医薬品が、上記に列挙される範囲のうちの1つ以上のものにおける(例えば、24時間を上回る、またはそれに等しく、かつ2年を下回る、またはそれに等しい)滞在時間周期の少なくとも一部にわたって滞在物から放出されるように構成および設計される。
【0065】
ここで
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、滞在構造102は、第2のコンポーネント130および2つ以上のアーム120と関連付けられる(例えば、それに接続される)、電子コンポーネント110を備える。いくつかの実施形態では、第2のコンポーネント130は、弾性コンポーネント(例えば、弾性コア)である。弾性コンポーネントは、下記により詳細に説明される。いくつかの実施形態では、第2のコンポーネント130およびアーム120は、同一の材料を含む。ある実施形態では、第2のコンポーネント130およびアーム120は、異なる材料を含む。実施形態の例示的セットでは、第2のコンポーネント130は、熱可塑性ポリウレタンを含み、アーム120は、ポリ乳酸を含む。他の材料もまた、可能性として考えられ、下記により詳細に説明される。
【0066】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、分解可能コンポーネントが対象の胃から幽門を通した電子コンポーネントの退出を媒介するように、電子コンポーネントに連結される分解可能コンポーネントを備える。例えば、いくつかの実施形態では、第2のコンポーネント130の少なくとも一部は、電子コンポーネントが対象の内部の場所から退出する(例えば、胃から幽門を通して通過する)ように、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または電子コンポーネントから機械的に分離するように構成される。いくつかの実施形態では、各アーム120の少なくとも一部は、電子コンポーネントが対象の内部の場所から退出する(例えば、胃から幽門を通して通過する)ように、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または第2のコンポーネントから機械的に分離するように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、(例えば、電子コンポーネントからの、外部デバイスからの電子コンポーネントによって受信される)信号が、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または電子コンポーネントから機械的に分離するように分解可能コンポーネントをトリガする。いくつかの実施形態では、
図1Cに例証的に示されるように、滞在構造104は、電子コンポーネント110と、2つ以上のアーム120と、第2のコンポーネント130(例えば、弾性コンポーネント)と、連結器140とを備える。いくつかの実施形態では、連結器140は、電子コンポーネントが対象の内部の場所から退出する(例えば、胃から幽門を通して通過する)ように、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または電子コンポーネントから機械的に分離するように構成される、分解可能連結器である。2つの連結器140が
図1Cに示されるが、当業者は、付加的(またはより少ない)連結器が、可能性として考えられ、(例えば、連結器が溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または機械的に分離すると、電子コンポーネントが対象の内部の場所から退出するように)滞在構造内の他の場所に位置付けられ得ることを理解するであろう。
【0068】
例えば、いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、電子コンポーネントが少なくとも約24時間にわたって対象の内部の場所に保定されるように、電子コンポーネントを備える滞在構造を対象に経口的に投与することによって対象に送達され、滞在構造は、弾性コア(例えば、第2のコンポーネント)と、弾性コアと関連付けられる、2つ以上のポリマーアームと、弾性コアと関連付けられる、電子コンポーネントとを備える。
【0069】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、分解可能連結器および/または1つ以上の付加的分解可能コンポーネントを分解することによって、対象の内部の場所から除去される。
【0070】
いくつかの実施形態では、分解可能コンポーネント(またはアーム)は、ある電圧を分解可能コンポーネントに印加することによって、溶解される、分解される、機械的に弱化される、および/または電子コンポーネントから機械的に分離されてもよい。いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、下記により詳細に説明されるように、電圧を分解可能コンポーネントに印加するように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、分解可能コンポーネントは、例えば、電圧が印加されると、分解可能コンポーネントが溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または機械的に分離するように、複数の炭素質粒子、カーボンナノチューブ、および/または伝導性粒子を含む。理論によって拘束されるわけではないが、複数の炭素質粒子、カーボンナノチューブ、および/または伝導性粒子は、分解可能コンポーネントが機械的に弱化する(例えば、熱可塑性弱化を受ける)ように、印加される電圧の存在下で熱を発生させ得る。いくつかの実施形態では、分解可能コンポーネントは、電気活性接着剤(例えば、低融解温度ポリマーと導電性ナノ物質との混合物)を備える。例示的実施形態では、電気活性接着剤は、ポリ(カプロラクトン)と、複数のカーボンナノチューブとを含む。いくつかの実施形態では、分解可能コンポーネントは、グラフェンおよび/またはニッケルを含む複数の粒子を含む。炭素質/伝導性粒子は、任意の好適な平均断面寸法(例えば、直径)を有し得る。いくつかの実施形態では、分解可能コンポーネントは、0.1ミクロンを上回る、またはそれに等しい、0.2ミクロンを上回る、またはそれに等しい、0.5ミクロンを上回る、またはそれに等しい、1ミクロンを上回る、またはそれに等しい、2ミクロンを上回る、またはそれに等しい、5ミクロンを上回る、またはそれに等しい、10ミクロンを上回る、またはそれに等しい、20ミクロンを上回る、またはそれに等しい、50ミクロンを上回る、またはそれに等しい、100ミクロンを上回る、またはそれに等しい、200ミクロンを上回る、またはそれに等しい、500ミクロンを上回る、またはそれに等しい、または750ミクロンを上回る、またはそれに等しい平均断面寸法を有する複数の粒子(例えば、炭素質粒子、伝導性粒子)を含む。いくつかの実施形態では、平均断面寸法は、1,000ミクロンを下回る、またはそれに等しい、750ミクロンを下回る、またはそれに等しい、500ミクロンを下回る、またはそれに等しい、200ミクロンを下回る、またはそれに等しい、50ミクロンを下回る、またはそれに等しい、20ミクロンを下回る、またはそれに等しい、10ミクロンを下回る、またはそれに等しい、5ミクロンを下回る、またはそれに等しい、2ミクロンを下回る、またはそれに等しい、1ミクロンを下回る、またはそれに等しい、0.5ミクロンを下回る、またはそれに等しい、または0.2ミクロンを下回る、またはそれに等しい。上記に言及される範囲の組み合わせも、可能性として考えられる(例えば、0.1ミクロンを上回る、またはそれに等しく、かつ1,000ミクロンを下回る、またはそれに等しい)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0072】
本明細書に使用されるように、用語「ナノチューブ」は、当技術分野におけるその通常の意味を与えられ、主として6員芳香環の融合ネットワークを含む略円筒形分子またはナノ構造を指す。ある場合には、ナノチューブは、シームレスな円筒形構造に形成される黒鉛のシートに類似し得る。ナノチューブはまた、6員環以外の環または格子構造を含み得ることを理解されたい。ナノチューブは、約数ナノメートルの直径および約数ミリメートル、または約10分の1ミクロンの長さを有し、100、1,000、10,000、またはそれを上回る縦横比をもたらし得る。ある場合には、ナノチューブは、カーボンナノチューブ(CNT)である。用語「カーボンナノチューブ」は、主として、炭素原子を含むナノチューブを指し、単層ナノチューブ(SWNT)、2層ナノチューブ(DWNT)、多層ナノチューブ(MWNT)(例えば、同心カーボンナノチューブ)、それらの無機誘導体、および同等物を含む。いくつかの実施形態では、カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブである。ある場合には、カーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブ(例えば、2層カーボンナノチューブ)である。ある場合には、ナノチューブは、1μmを下回る、100nmを下回る、50nmを下回る、25nmを下回る、10nmを下回る、またはある場合には、1nmを下回る(または0.5nmを上回る、またはそれに等しい、1nmを上回る、またはそれに等しい、10nmを上回る、またはそれに等しい、25nmを上回る、またはそれに等しい、50nmを上回る、またはそれに等しい、または100nmを上回る、またはそれに等しい)直径を有し得る。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、1ミクロンを下回り、かつ0.5nmを上回る、またはそれに等しい)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0073】
上記に説明されるように、いくつかの実施形態では、滞在構造は、弛緩状態における特定のサイズおよび/または形状(例えば、多アーム付き星形)を含む特定の構成を有する。ある実施形態では、滞在構造は、これが第2の圧縮構成を取得するように折畳されてもよい。例えば、ある場合には、滞在構造は、滞在構造が経口的に送達され得るように、第2の構成においてカプセル内に折畳されてもよい。カプセルは、ある場合には、滞在構造が対象の内部の(例えば、胃内の)特定の場所において放出され、第1の構成を可逆的に取得する(すなわち、反跳する)ように、溶解してもよい。いくつかの実施形態では、本デバイスは、胃腔内でのさらなる移行(例えば、胃の本体から幽門を通した通過)を緩慢にする、または防止する形状および/またはサイズを採用するように構成される。いくつかの実施形態では、本デバイスは、可溶性容器および/または可溶性保定要素からの放出に応じた滞留(例えば、胃滞在)が可能な形状および/またはサイズを採用する。いくつかの実施形態では、本デバイスは、最大約1年を含む、24時間を上回る持続時間にわたってそのカプセル化形状および/またはサイズにおいて保管された後の胃滞在が可能な形状および/またはサイズを採用することが可能である。いくつかの実施形態では、本デバイスの機械的性質は、最大約1年を含む、24時間を上回る持続時間にわたる胃腔等の内部開口部内での安全な一時的滞留のために最適化される。
【0074】
本明細書に説明されるあるデバイス、システム、および方法は、例えば、治療剤、診断薬、および/または強化剤の長い生体内滞在および投与のために、経口投与を介して胃滞在および/または緩慢にされた移行を達成する際に有用であり得る。本明細書に説明されるデバイスおよびシステムは、伝統的な滞在および/または経口的に投与されるデバイスおよびシステムと比較して、例えば、対象によって摂取されるために十分に小さい形状および/またはサイズを採用する能力、胃腔内でのさらなる移行(例えば、胃の本体から幽門を通した通過)を緩慢にする、または防止する形状および/またはサイズを採用する能力、高レベル(例えば、高質量)の治療剤、診断薬、および/または強化剤を装填する能力、バースト放出の潜在性を殆どまたは全く伴わずに治療剤、診断薬、および/または強化剤の放出を制御する能力、長い持続時間にわたって胃環境等の好ましくない環境内で治療剤、診断薬、および/または強化剤の安定性を維持する能力、胃または腸閉塞および/または穿孔の潜在性を殆どまたは全く伴わずに安全性を維持する能力、および/または胃腸管を通過することが可能な1つ以上の形態に分解/溶解/解離する能力を含む、いくつかの利点を提供し得る。ある実施形態では、本明細書に説明されるデバイスおよびシステムは、少なくとも24時間を上回り、最大約1年またはそれを上回って持続する耐久性のある滞在時間とともに構成されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるシステム、デバイス、および方法は、限定ではないが、ヒトおよび非ヒト動物を含む対象と適合する。さらなる実施形態では、本システムおよびデバイスは、多種多様な治療剤、診断薬、および/または強化剤を送達し、したがって、潜在的に、順守率を増加させ、さらには最大限にするように構成されることができる。
【0075】
当業者は、本明細書の教示に基づいて、電子コンポーネント、アーム、および/または弾性コアを形成するための好適な方法を選択することが可能であろう。実施形態の例示的セットでは、滞在構造の少なくとも一部(例えば、電子コンポーネント、アーム、および/または弾性コアの少なくとも一部)は、3D印刷を使用して形成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、他のデバイス/システムとの好適な通信を可能にするための(例えば、電子コンポーネントの側面を制御する、対象の(例えば、対象の内部の場所における)生理学的条件を制御/監視をする等のための)無線能力を備える。無線デバイスは、概して、当技術分野で公知であり、ある場合には、LTE、WiFi、および/またはBluetooth(登録商標)システムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される電子コンポーネントは、そのような無線デバイスを備える。
【0077】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、生理学的および/または外部メトリックに基づいて、種々のパラメータを調節するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、例えば、電子コンポーネントと電気または無線通信する、および/またはそれと関連付けられる(例えば、その中に埋設される)センサからの信号に応答して、電子コンポーネントから放出される(例えば、電子コンポーネントと関連付けられる1つ以上のリザーバ内に保管される)医薬品の速度および/または量を調節するように構成される。いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、ユーザからの入力および/またはセンサからの信号に応答して、電子コンポーネントから放出される医薬品の速度および/または量を調節する。いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、医薬品の放出のために構成される1つ以上のリザーバと関連付けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のリザーバは、電子コンポーネントと電気または無線通信するセンサから受信された信号に応答して、その中に含有される医薬品の一部を放出してもよい。
【0078】
本明細書に説明される構造および方法と併用するための好適なセンサの非限定的実施例は、温度センサ(例えば、内部温度、周囲温度、感熱性ポリマー等の電子コンポーネントと関連付けられるコンポーネントの温度を監視する)、生理学的/バイオメトリックセンサ(例えば、心拍数、電気的活動、神経活動)、加速度計(例えば、呼吸速度、活動レベル、睡眠挙動/パターンを測定するため)、および環境センサ(例えば、pH、生物濃度、化学濃度)を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネントは、電源と関連付けられる、および/またはそれを備える。電源は、1つ以上のバッテリ、光起電力セル等の任意の適切な材料を含んでもよい。好適なバッテリの非限定的実施例は、Liポリマー(例えば、100~1,000mAhのバッテリ寿命を伴う)、Liイオン、ニッケルカドミウム、ニッケル金属水素化物、酸化銀、または同等物を含む。ある場合には、バッテリは、生理学的および/または外部メトリックおよび/または信号(例えば、ユーザによる)に応答して、ある電圧を(例えば、本明細書に説明されるような分解可能材料)に印加してもよい。例えば、電圧は、例えば、ある電圧を本明細書に説明されるような感熱性分解可能コンポーネントに印加することによって、滞在構造の退出をトリガするために使用されてもよい。例えば、分解可能コンポーネントに印加される電圧の平均の大きさは、0.001~0.01V、0.01~0.1V、0.1V~10.0V、1.0V~8.0V、2.0V~5.0V、0.1V~5.0V、0.1V~1.5V、0.1V~1.0V、1.0V~3.0V、3.0V~8.0V、または任意の他の適切な範囲であり得る。
【0080】
任意の電子コンポーネント回路が、任意の好適なタイプのアナログおよび/またはデジタル回路によって実装されてもよい。例えば、電子コンポーネント回路は、ハードウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを使用して実装されてもよい。ソフトウェアを使用して実装されるとき、好適なソフトウェアコードが、任意の好適なプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)またはプロセッサの集合の上で実行されることができる。1つ以上の電子コンポーネントは、専用ハードウェアを用いて、または上記に列挙される機能を実施するようにマイクロコードまたはソフトウェアを使用してプログラムされる汎用ハードウェア(例えば、1つ以上のプロセッサ)を用いて等、多数の方法で実装されることができる。
【0081】
この点で、本明細書に説明される実施形態の1つの実装は、ある場合には、1つ以上のプロセッサ上で実行されると、1つ以上の実施形態の上記に議論される機能を実施する、コンピュータプログラム(すなわち、複数の実行可能命令)を用いてエンコードされる、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、または他の有形非一過性コンピュータ可読記憶媒体)を備え得ることを理解されたい。加えて、実行されると、上記に議論される機能のうちのいずれかを実施するコンピュータプログラムの言及は、ホストコンピュータ上で実行されるアプリケーションプログラムに限定されないことを理解されたい。むしろ、コンピュータプログラムおよびソフトウェアという用語は、本明細書に議論される技法の側面を実装するように1つ以上のプロセッサをプログラムするために採用され得る、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、アプリケーションソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、または任意の他の形態のコンピュータ命令)に言及するために一般的意味において本明細書に使用される。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2のコンポーネント(例えば、弾性コア)は、弾性ポリマーコンポーネントである。ある実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントの使用は、特定の機械的性質を構造に付与し得る。例えば、ある場合には、構造は、構造が対象の内部の場所において(例えば、幽門等の開口部またはその上方で)破断しない、および/または保定されるように、比較的に高い圧縮力(例えば、対象の胃および/または腸内に存在する圧縮力)を受けることが可能であり得る。ある実施形態では、構造は、(例えば、破断することなく)折畳されることが可能であり得る。例えば、弾性ポリマーコンポーネントは、破断することなく、および/または恒久的に有意に変形されることなく、比較的に高いレベルの屈曲応力を受けることが可能であり得る。いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントおよび/または構造は、実質的な反跳が可能であり得る。すなわち、弾性ポリマーコンポーネントおよび/または弾性ポリマーコンポーネントを備える構造を機械的に変形した後、構造は、機械的変形が印加されることに先立つその元々の構成に実質的に戻り得る(例えば、実質的に最小のクリープ変形を有する)。
【0083】
いくつかのスクリーニング試験が、弾性ポリマーコンポーネントとして使用するための好適な材料を決定するために使用されてもよい。例えば、弾性ポリマーコンポーネントは、破断を伴わずに少なくとも約45度、少なくとも約60度、少なくとも約90度、少なくとも約120度、少なくとも約150度、または約180度の機械的屈曲変形を受けることが可能であり得る。ある実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、破断することなく約180度未満、またはそれに等しい、約150度未満、またはそれに等しい、約120度未満、またはそれに等しい、約90度未満、またはそれに等しい、または約60度未満、またはそれに等しい機械的屈曲変形を受けることが可能であり得る。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約45度~約180度、約60度~約180度、約60度~約120度、約90度~約180度)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0084】
ある場合には、弾性ポリマーコンポーネントは、比較的に長期の時間周期にわたって変形構成(例えば、少なくとも約45度の機械的屈曲変形)のままであることが可能であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、変形構成(例えば、少なくとも約45度の機械的屈曲変形)において少なくとも約24時間、少なくとも約1週間、少なくとも約1カ月、少なくとも約1年、または少なくとも約2年の貯蔵寿命を有し、その変形前構成に実質的に戻る(すなわち、反跳する)ことが可能である。ある実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、変形構成において約3年を下回る、またはそれに等しい、約2年未満、またはそれに等しい、約1年未満、またはそれに等しい、約1カ月未満、またはそれに等しい、または約1週間未満、またはそれに等しい貯蔵寿命を有し、その変形前構成に実質的に戻る(すなわち、反跳する)ことが可能である。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約24時間~約3年、約1週間~1年、約1年~3年)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0085】
いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、比較的に可撓性である。ある実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、これが有意な非弾性変形を受けることなく、比較的に長い時間周期にわたって大きい角変形を受けることが可能であるように選択されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、機械的変形の解放後の約30分未満、約10分未満、約5分未満、または約1分未満で弾性ポリマーコンポーネントをその変形前形状に実質的に戻すために十分な反跳強度を有してもよい。当業者は、その変形前形状に戻ることが、形状の数学的定義への絶対的一致を要求しないように理解されるものとし、むしろ、そのような主題に最も密接に関連する当業者によって理解されるであろうように特徴付けられる主題に関して可能な範囲での形状の数学的定義への一致を示すように理解されるものとすることを理解するであろう。
【0086】
いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、特定の弾性率を有する。いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントの弾性率は、約0.1MPa~約30MPaに及ぶ。いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントの弾性率は、少なくとも約0.1MPa、少なくとも約0.2MPa、少なくとも約0.3MPa、少なくとも約0.5MPa、少なくとも約1MPa、少なくとも約2MPa、少なくとも約5MPa、少なくとも約10MPa、少なくとも約20MPa、または少なくとも約25MPaである。ある実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントの弾性率は、約30MPa未満、またはそれに等しい、約25MPa未満、またはそれに等しい、約20MPa未満、またはそれに等しい、約10MPa未満、またはそれに等しい、約5MPa未満、またはそれに等しい、約2MPa未満、またはそれに等しい、約1MPa未満、またはそれに等しい、約0.5MPa未満、またはそれに等しい、約0.3MPa未満、またはそれに等しい、または約0.2MPa未満、またはそれに等しい。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約0.1MPa~約30MPa、約0.3MPa~約10MPa)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。当業者は、例えば、ASTM D638下での引張機械的特性評価および/またはASTM D575下での圧縮機械的特性評価を含む、ポリマーコンポーネントの弾性率を決定するための好適な方法を選択することが可能であろう。
【0087】
いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、機械的変形の間に比較的に少量のクリープを受ける。例えば、ある実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、約0.3mm/mm/時間未満、またはそれに等しい、約0.2mm/mm/時間未満、またはそれに等しい、約0.1mm/mm/時間未満、またはそれに等しい、約0.08mm/mm/時間未満、またはそれに等しい、約0.05mm/mm/時間未満、またはそれに等しい、約0.03mm/mm/時間未満、またはそれに等しい、または約0.02mm/mm/時間未満、またはそれに等しい最小クリープ速度を有する。ある実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、少なくとも約0.01mm/mm/時間、少なくとも約0.02mm/mm/時間、少なくとも約0.03mm/mm/時間、少なくとも約0.05mm/mm/時間、少なくとも約0.08mm/mm/時間、少なくとも約0.1mm/mm/時間、または少なくとも約0.2mm/mm/時間の最小クリープ速度を有する。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約0.01mm/mm/時間~約0.3mm/mm/時間、約0.02mm/mm/時間~約0.1mm/mm/時間、約0.02mm/mm/時間~約0.05mm/mm/時間、約0.05mm/mm/時間~約0.3mm/mm/時間)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。最小クリープ速度は、いくつかの実施形態では、ASTM D-638に従って決定されることができる。簡潔には、下記に説明されるように、弾性ポリマー材料のシートが、調製され、標準ダンベルダイの中に切断される。試料が、Instron試験機械のグリップの中に装填され、ゲージ長が、デジタルマイクロメータを使用して測定されることができる。各材料の極限引張強度の30%に対応する一定の応力が、一定の温度(例えば、室温)において60分にわたって試料に印加され得、クリープ(mm/mm単位)対時間(時間単位)が、プロットされることができる。最小クリープ速度は、二次クリープに先立つクリープ対時間曲線の傾斜である。
【0088】
当業者は、例えば、モノマーおよび/またはポリマー単位のモル比を変動させる(例えば、弾性ポリマーコンポーネントにおいて使用される高分子量ポリカプロラクトンまたは他のポリマーの量を増加させる)ことによって、ポリマー架橋密度を変動させることによって、ポリマーの形成において使用される架橋剤の濃度を変動させることによって、ポリマーの結晶化度を変動させることによって(例えば、ポリマー中の結晶領域と非晶領域との比率を変動させることによって)、および/または付加的または代替材料の使用(例えば、ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン等の材料を組み込む)によって、弾性ポリマーコンポーネントの機械的性質(例えば、弾性率、クリープ挙動)を調整するための好適な方法を決定することが可能であろう。
【0089】
いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、血液、水、胆汁、胃液、および/または同等物等の生物流体の存在下で実質的に膨張しない。いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、乾燥状態における(例えば、大気条件および室温における)弾性ポリマーコンポーネントの体積と比較して、生物流体中で約0.01vol%~約10vol%膨張する。例えば、ある実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、乾燥状態における(例えば、大気条件および室温における)弾性ポリマーコンポーネントの体積と比較して、生物流体中で約10vol%未満、約5vol%未満、約2vol%未満、または約1vol%未満だけ膨張する。当業者は、例えば、大気条件および室温における乾燥状態における弾性ポリマーコンポーネントの体積を測定するステップ、コンポーネントを生物流体(例えば、血液、水、胆汁、胃液、および/または同等物)中に浸漬させるステップ、および約60分後にコンポーネントの体積のパーセント変化を測定するステップを含む、本明細書の教示に基づく弾性ポリマーコンポーネントの膨張の量を決定するための好適な方法を選択することが可能であろう。
【0090】
弾性ポリマーコンポーネントは、概して、生体適合性である。本明細書に使用されるような用語「生体適合性」は、有機体(例えば、哺乳動物)、組織培養物、または細胞の集合体から有害反応(例えば、免疫応答)を引き起こさない、または有害反応が許容可能レベルを超えない場合のポリマーを指す。いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、例えば、限定ではないが、ポリカプロラクトン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(グリセロールセバケート)、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-グリコール酸)、ポリブチレート、およびポリヒドロキシアルカノエートを含む、ポリエステル、限定ではないが、ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)を含む、ポリエーテル、限定ではないが、ポリ(ジメチルシロキサン)を含む、ポリシロキサン、限定ではないが、ポリ(カプロラクタム)を含む、ポリアミド、限定ではないが、ポリエチレンを含む、ポリオレフィン、限定ではないが、ポリ(プロピレンオキシド)を含む、ポリカーボネート、ポリケタール、ポリビニルアルコール、ポリオキセタン、限定ではないが、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ(エチルビニルアセテート)を含む、ポリアクリレート/メタクリレート、ポリ酸無水物、およびポリウレタン(例えば、熱可塑性ポリウレタン)のポリマー、それらのネットワーク、および/またはマルチブロック組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、架橋される。いくつかの実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、2つ以上の化学的に類似するポリマーまたは2つ以上の化学的に明確に異なるポリマーを含む、ポリマー複合体を含む。例示的実施形態では、弾性ポリマーコンポーネントは、ポリカプロラクトン等の低分子量モノマーから発生されるイソシアネート架橋ポリウレタンを含む。いくつかの実施形態では、低分子量モノマーは、1つ以上のヒドロキシル官能基(例えば、ジオール、トリオール)を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、各アームは、アーム材料が脆性破断に抵抗するが、これが内部生理学的圧力に耐える、および/または構造の滞在を維持し得るように十分に堅性であるように特定の機械的性質を有する。いくつかの実施形態では、アームは、例えば、限定ではないが、ポリカプロラクトン、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(グリセロールセバケート)、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-グリコール酸)、ポリブチレート、およびポリヒドロキシアルカノエートを含む、ポリエステル、限定ではないが、ポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)を含む、ポリエーテル、限定ではないが、ポリ(ジメチルシロキサン)を含む、ポリシロキサン、限定ではないが、ポリ(カプロラクタム)を含む、ポリアミド、限定ではないが、ポリエチレンを含む、ポリオレフィン、限定ではないが、ポリ(プロピレンオキシド)を含む、ポリカーボネート、ポリケタール、ポリビニルアルコール、ポリオキセタン、限定ではないが、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ(エチルビニルアセテート)を含む、ポリアクリレート/メタクリレート、ポリ酸無水物、およびポリウレタン(例えば、熱可塑性ポリウレタン)のポリマー、それらのネットワーク、および/またはマルチブロック組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、架橋される。いくつかの実施形態では、アームは、2つ以上の化学的に類似するポリマーまたは2つ以上の化学的に明確に異なるポリマーを含む、ポリマー複合体を含む。例示的実施形態では、アームは、ポリカプロラクトン等の低分子量モノマーから発生されるイソシアネート架橋ポリウレタンを含む。いくつかの実施形態では、低分子量モノマーは、1つ以上のヒドロキシル官能基(例えば、ジオール、トリオール)を含む。
【0092】
いくつかのスクリーニング試験が、アームとして使用するための好適な材料を選択するために使用されてもよい。例えば、アームは、アームが約100MPaを上回る、約120MPaを上回る、約150MPaを上回る、または約200MPaを上回る曲げ弾性率を有するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、アームは、約250MPaを下回る、またはそれに等しい、約200MPaを下回る、またはそれに等しい、約150MPaを下回る、またはそれに等しい、または約120MPaを下回る、またはそれに等しい曲げ弾性率を有する。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約100MPa~約250MPa)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。当業者は、例えば、曲げ応力対歪みをプロットするステップと、曲線の線形部分の傾斜をとるステップとを含む、ポリマーコンポーネントの曲げ弾性率を決定するための好適な方法を選択することが可能であろう。
【0093】
ある実施形態では、アームは、少なくとも約10MPaの曲げ強度を有するように選択されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アームは、少なくとも約10MPa、少なくとも約15MPa、少なくとも約20MPa、少なくとも約30MPa、または少なくとも約40MPaの曲げ強度を有する。ある実施形態では、アームは、約50MPa未満、またはそれに等しい、約40MPa未満、またはそれに等しい、約30MPa未満、またはそれに等しい、約20MPa未満、またはそれに等しい、または約15MPa未満、またはそれに等しい曲げ強度を有する。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約10MPa~約50MPa)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。当業者は、例えば、ポリマー材料の破壊時の曲げ応力を決定するステップを含む、アームの曲げ強度を決定するための好適な方法を選択することが可能であろう。
【0094】
アーム材料は、それらが滞在時間周期にわたって(例えば、活性物質の放出の間および/または開口部内での滞在の間)それらの機械的性質を維持するように選択されてもよい。滞在時間周期は、下記により詳細に説明される。いくつかの実施形態では、アーム材料は、本デバイスが、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも1週間、少なくとも1カ月、または少なくとも1年にわたって対象の内部に位置する開口部(例えば、胃開口部)内に保定され得るように選択される。ある実施形態では、アーム材料は、本デバイスが、約2年未満、またはそれに等しく、約1年未満、またはそれに等しく、約1カ月未満、またはそれに等しく、約1週間未満、またはそれに等しく、または約48時間未満、またはそれに等しく対象の内部の開口部場所内に保定され得るように選択される。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約24時間~約2年、約48時間~約2年、約1週間~約1年)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0095】
上記に説明されるように、いくつかの実施形態では、2つ以上のアームのうちの少なくとも1つは、電子コンポーネントが、所望の滞在時間後(および/または電子コンポーネントからのトリガに応じて)、胃から幽門を通して通過するように、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/または電子コンポーネントから機械的に分離するように構成されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネント、第2のコンポーネント、1つ以上のアーム、および/または連結器は、腸溶性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、腸溶性ポリマーは、限定ではないが、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒプロメロース(INN)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、およびEUDRAGIT(登録商標)(Evonik Industries AG(Essen, Germany)から入手可能)を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、腸溶性ポリマーの溶解は、例えば、アルカリ溶液の摂取によってトリガされることができる。いくつかの実施形態では、腸溶性ポリマーは、pH4~8の溶解に関する能力を有する。いくつかの実施形態によると、腸溶性ポリマーは、腸溶性ポリマーが、酸性の胃環境(すなわち、pH1~pH4を有する)内で安定するが、幽門の遠位の胃腸管のよりアルカリ性の領域(すなわち、5.5を上回るpHを有する)において溶解し、連結器としての役割を果たし得るように選択される。
【0098】
例えば、ある実施形態では、腸溶性ポリマーは、約1~約5に及ぶpHにおいて実質的に分解しない。いくつかの実施形態では、腸溶性ポリマーは、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、または少なくとも約4.5のpHにおいて実質的に分解しない。ある実施形態では、腸溶性ポリマーは、約5未満、またはそれに等しい、約4.5未満、またはそれに等しい、約4未満、またはそれに等しい、約3未満、またはそれに等しい、または約2未満、またはそれに等しいpHにおいて実質的に分解しない。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約1~約4.5、約1~約5、約1~4)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0099】
ある実施形態では、腸溶性ポリマーは、約4~約8に及ぶpHにおいて実質的に分解する。いくつかの実施形態では、腸溶性ポリマーは、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約6.5、少なくとも約7、または少なくとも約7.5のpHにおいて実質的に分解する。ある実施形態では、腸溶性ポリマーは、約8未満、またはそれに等しい、約7.5未満、またはそれに等しい、約7未満、またはそれに等しい、約6.5未満、またはそれに等しい、約6未満、またはそれに等しい、または約5未満、またはそれに等しいpHにおいて実質的に分解する。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約4~約8、約5~約8、約6.5~約7.5)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0100】
当業者は、約4~約40日の時間周期にわたって体温(例えば、約35℃~約38℃)において測定される、約3を下回るpHを有する水性溶液中の腸溶性ポリマーの可溶性を決定するステップおよび/または約6を上回る、またはそれに等しいpHを有する水性溶液中に腸溶性ポリマーを溶解させるステップを含む、本明細書の教示に基づいて腸溶性ポリマーの分解を決定するための好適な方法を選択することが可能であろう。
【0101】
いくつかの実施形態では、腸溶性ポリマーは、腸溶性エラストマである。ある実施形態では、腸溶性エラストマは、その初期長さの50%~1,500%から延伸されると、可逆的な伸長を呈する。例えば、いくつかの実施形態では、腸溶性エラストマは、その初期長さの少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約1,000%、少なくとも約1,200%、または少なくとも約1,400%から延伸されると、可逆的な伸長を呈する。すなわち、いくつかの実施形態では、腸溶性エラストマは、変形後対変形前(例えば、延伸)の平均長さにおいて約10%未満、約5%未満、約2%未満、または約1%未満の差異を有する。ある実施形態では、腸溶性エラストマは、その初期長さの約1,500%未満、またはそれに等しいもの、約1,400%未満、またはそれに等しいもの、約1,200%未満、またはそれに等しいもの、約1,000%未満、またはそれに等しいもの、約500%未満、またはそれに等しいもの、約400%未満、またはそれに等しいもの、約200%未満、またはそれに等しいもの、または約100%未満、またはそれに等しいものから延伸されると、可逆的な伸長を呈する。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約50%~約1,500%、約100%~約1,500%、約200%~約1,000%、約500%~約1,400%)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0102】
ある実施形態では、腸溶性エラストマは、約0.1MPa~約100MPaに及ぶ弾性率を有する。いくつかの実施形態では、腸溶性エラストマの弾性率は、少なくとも約0.1MPa、少なくとも約0.2MPa、少なくとも約0.3MPa、少なくとも約0.5MPa、少なくとも約1MPa、少なくとも約2MPa、少なくとも約5MPa、少なくとも約10MPa、少なくとも約25MPa、または少なくとも約50MPaである。ある実施形態では、腸溶性エラストマの弾性率は、約100MPa未満、またはそれに等しい、約50MPa未満、またはそれに等しい、約25MPa未満、またはそれに等しい、約10MPa未満、またはそれに等しい、約5MPa未満、またはそれに等しい、約2MPa未満、またはそれに等しい、約1MPa未満、またはそれに等しい、約0.5MPa未満、またはそれに等しい、約0.3MPa未満、またはそれに等しい、または約0.2MPa未満、またはそれに等しい。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約0.1MPa~約100MPa、約0.3MPa~約10MPa)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。当業者は、例えば、ASTM D638下での引張機械的特性評価および/またはASTM D575下での圧縮機械的特性評価を含む、腸溶性エラストマの弾性率を決定するための好適な方法を選択することが可能であろう。
【0103】
ある実施形態では、腸溶性エラストマは、様々な比率のポリ(アクリロイル-6-アミノカプロン酸)およびポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)を含む。いくつかの実施形態では、腸溶性エラストマは、40%以下の水含有量を伴うポリマーゲルである。
【0104】
いくつかの実施形態では、腸溶性エラストマは、(メタ)アクリロイルアミノアルキレン酸モノマーまたはその塩のポリマーを含む。ある実施形態では、(メタ)アクリロイルアミノアルキレン酸モノマーは、アクリロイル-5-アミノペンタン酸、アクリロイル-6-アミノカプロン酸、アクリロイル-7-アミノヘプタン酸、アクリロイル-8-アミノオクタン酸、アクリロイル-9-アミノノナン酸、アクリロイル-10-アミノデカン酸、アクリロイル-11-アミノウンデカン酸、アクリロイル-12-アミノドデカン酸、メタクリロイル-5-アミノペンタン酸、メタクリロイル-6-アミノカプロン酸、メタクリロイル-7-アミノヘプタン酸、メタクリロイル-8-アミノオクタン酸、メタクリロイル-9-アミノノナン酸、メタクリロイル-10-アミノデカン酸、メタクリロイル-11-アミノウンデカン酸、メタクリロイル-12-アミノドデカン酸、それらの塩、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0105】
ある実施形態では、腸溶性エラストマは、アクリロイル-6-アミノカプロン酸またはその塩のホモポリマーを含む。いくつかの実施形態では、腸溶性エラストマは、アクリロイル-6-アミノカプロン酸またはその塩のコポリマーを含む。ある実施形態では、腸溶性エラストマは、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)またはその塩を含む。ある場合には、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル)は、約1:1のメタクリル酸モノマー単位とアクリル酸エチルモノマー単位とのモル比を有する。
【0106】
いくつかの実施形態では、腸溶性エラストマは、配合物である。例えば、ある実施形態では、腸溶性エラストマは、第1の腸溶性ポリマー(例えば、ポリ(アクリロイル-6-アミノカプロン酸))と、第2の腸溶性ポリマー(例えば、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル))とを含む。いくつかのそのような実施形態では、第1の腸溶性ポリマーと第2の腸溶性ポリマーとの重量比は、約1:0から約1:3(例えば、約1:0~約1:3)に及ぶ。
【0107】
いくつかの実施形態では、滞在構造(例えば、電子コンポーネント)は、治療剤、診断薬、および/または強化剤等の活性物質を事前装填される。他の実施形態では、滞在構造(例えば、電子コンポーネント)は、これがすでに胃腔等の対象の内部の場所に保定された後に治療剤、診断薬、および/または強化剤を装填される。いくつかの実施形態では、滞在構造(例えば、電子コンポーネント)は、長い持続時間にわたって好ましくない生理学的環境(例えば、胃環境)内で治療剤、診断薬、および/または強化剤の安定性を維持するように構成される。さらなる実施形態では、滞在構造(例えば、電子コンポーネント)は、治療剤、診断薬、および/または強化剤の放出を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、滞在構造(例えば、電子コンポーネント)は、活性物質の組み合わせを事前装填および/または装填される。例えば、ある実施形態では、滞在構造(例えば、電子コンポーネント)は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つ以上の活性物質を(例えば、電子コンポーネントと関連付けられる1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つ以上のリザーバ内に)備える。
【0108】
作用物質は、限定ではないが、対象(すなわち、ヒトまたは非ヒト動物)に投与されると、局所および/または全身作用による所望の薬理、免疫原性、および/または生理学的効果を誘発する、任意の合成または自然発生の生物活性化合物または組成物を含むことができる。例えば、本開示は、限定ではないが、疾患または病気の医療または獣医学治療、予防、診断、および/または緩和(例えば、ロスバスタチンのようなスタチン、メロキシカムのような非ステロイド性抗炎症薬、エスシタロプラムのような選択的セロトニン再取り込み阻害薬、クロピドグレルのような血液希釈剤、プレドニゾンのようなステロイド、アリピプラゾールおよびリスペリドンのような抗精神病薬、ブプレノルフィンのような鎮痛薬、ナロキソン、モンテルカスト、およびメマンチンのような拮抗薬、ジゴキシンのような強心配糖体、タムスロシンのようなアルファブロッカ、エゼチミブのようなコレステロール吸収阻害薬、コルヒチンのような代謝物、ロラタジンおよびセチリジンのような抗ヒスタミン薬、ロペラミドのようなオピオイド、オメプラゾールのようなプロトンポンプ阻害薬、エンテカビルのような抗ウイルス剤、ドキシサイクリン、シプロフロキサシン、およびアジスロマイシンのような抗生物質、抗マラリア剤、およびシントロイド/レボチロキシン)、物質乱用治療(例えば、メタドンおよびバレニクリン)、家族計画(例えば、ホルモン不妊法)、性能強化(例えば、カフェインのような興奮剤)、および栄養摂取およびサプリメント(例えば、タンパク質、葉酸、カルシウム、ヨウ素、鉄、亜鉛、チアミン、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンD、および他のビタミンまたはミネラルサプリメント)を含む、治療、診断、および/または強化分野において使用するための、タンパク質、ペプチド、ホルモン、核酸、遺伝子構築物等の分子を含む、薬物、ワクチン、および生物製剤と伝統的に見なされる化合物または化学物質と適合する。
【0109】
いくつかの実施形態では、活性物質は、炭化タングステンまたは硫酸バリウム等の放射線不透過性物質である。
【0110】
ある実施形態では、活性物質は、治療剤である。本明細書に使用されるように、用語「治療剤」または「薬物」とも称される用語は、疾患、障害、または他の臨床的に認識される病状を治療するために、または予防目的のために対象に投与される作用物質を指し、疾患、障害、または病状を処理および/または予防するために、対象の身体に臨床的に有意な影響を及ぼす。治療剤は、限定ではないが、米国薬局方(USP)、Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill, 2001; Katzung, B. (ed.) Basic and Clinical Pharmacology, McGraw-Hill/Appleton & Lange; 8th edition (September 21, 2000); Physician’s Desk Reference (Thomson Publishing)、および/またはThe Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 17th ed. (1999)またはその出版後の18th ed (2006), Mark H. Beers and Robert Berkow (eds.), Merck Publishing Group、または動物の場合、The Merck Veterinary Manual, 9th ed., Kahn, C.A. (ed.), Merck Publishing Group, 2005に列挙される作用物質を含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、米国食品医薬品局(F.D.A.)によって公開される「Approved Drug Products with Therapeutic Equivalence and Evaluations」(「Orange Book」)から選択されてもよい。ある場合には、治療剤は、適切な政府機関または規制機関によってヒトまたは動物における使用に関して安全かつ効果的とすでに見なされているものである。例えば、ヒトでの使用に関して承認された薬物が、FDAによって21 C.F.R. §§ 330.5, 331-361および440-460(参照することによって本明細書に組み込まれる)に基づいて列挙され、獣医学的使用のための薬物が、FDAによって21 C.F.R. §§500-589(参照することによって本明細書に組み込まれる)に基づいて列挙される。全ての列挙される薬物は、本発明による使用のために許容可能であると見なされる。ある実施形態では、治療剤は、小分子である。作用物質の例示的クラスは、限定ではないが、鎮痛薬、抗鎮痛薬、抗炎症薬、解熱剤、抗うつ剤、抗てんかん薬、統合失調症治療薬、神経保護薬、抗癌剤等の抗増殖薬(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル等のタキサン、シスプラチン、ドキソルビシン、メトトレキサート等)、抗ヒスタミン薬、抗片頭痛薬、ホルモン、プロスタグランジン、抗菌薬(抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗寄生虫薬を含む)、抗ムスカリン薬、抗不安薬、静菌剤、免疫抑制剤、鎮静剤、催眠薬、抗精神病薬、気管支拡張剤、抗喘息薬、心血管治療薬、麻酔剤、抗凝血剤、酵素阻害剤、ステロイド剤、ステロイド系または非ステロイド系抗炎症剤、コルチコステロイド、ドーパミン作動薬、電解質、胃腸薬、筋弛緩薬、栄養剤、ビタミン、副交感神経刺激薬、刺激剤、食欲低下薬、および抗催眠剤を含む。栄養補助食品もまた、組み込まれることができる。これらは、ビタミン、カルシウムまたはビオチン等のサプリメント、または植物抽出物または植物ホルモン等の天然成分であってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、治療剤は、1つ以上の抗マラリア薬である。例示的抗マラリア薬は、キニーネ、ルメファントリン、クロロキン、アモジアキン、ピリメタミン、プログアニル、クロルプログアニルダプソン、スルファドキシンおよびスルファメトキシピリダジン等のスルホンアミド、メフロキン、アトバクオン、プリマキン、ハロファントリン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、アルテミシニン、およびアルテミシニン誘導体を含む。いくつかの実施形態では、抗マラリア薬は、アルテミシニンまたはその誘導体である。例示的アルテミシニン誘導体は、アルテメテル、ジヒドロアルテミシニン、アルテテル、およびアルテスナートを含む。ある実施形態では、アルテミシニン誘導体は、アルテスナートである。
【0112】
別の実施形態では、治療剤は、免疫抑制剤である。例示的免疫抑制剤は、グルココルチコイド、細胞分裂阻害薬(アルキル化剤、代謝拮抗剤、および細胞障害抗体等)、抗体(T細胞受容体またはIl-2受容体に対して指向されるもの等)、イムノフィリンに作用する薬物(シクロスポリン、タクロリムス、およびシロリムス等)、および他の薬物(インターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、ミコフェノール酸、およびフィンゴリモド等の他の小分子等)を含む。
【0113】
さらなる実施形態では、活性物質は、薬物溶出ステントにおける再狭窄を防止するために使用される。例示的作用物質は、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、ゾタロリムス、ビオリムスA9、シクロスポリン、トラニラスト、パクリタキセル、およびドセタキセルを含む。
【0114】
さらなる実施形態では、活性物質は、抗菌剤である。例示的抗菌薬は、アミノグリコシド、セファロスポリン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、エリスロマイシン、フルオロキノロン、フィダキソマイシンおよびリファキシミン等のリファマイシンを含むマクロライド、アゾリド、メトロニダゾール、ペニシリン、テトラサイクリン、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、リネゾリド等のオキサゾリジノン、およびバンコマイシン等の糖ペプチド等の抗生物質を含む。他の抗菌剤は、ナイスタチン、アンフォテリシン、カンジシジン、およびナタマイシン等の抗真菌ポリエン、抗真菌アゾール、アリルアミン抗真菌薬、およびミカファンギン、カスポファンギン、およびアニデュラファンギン等のエキノカンディンを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、治療剤は、約2,500ダルトン未満、約2,000ダルトン未満、約1,500ダルトン未満、約1,000ダルトン未満、約750ダルトン未満、約500ダルトン未満、約400ダルトン未満の分子量を有する小分子薬物である。ある場合には、治療剤は、200ダルトン~400ダルトン、400ダルトン~1,000ダルトン、または500ダルトン~2,500ダルトンの分子量を有する小分子薬物である。
【0116】
いくつかの実施形態では、活性物質の0.05vol%~99vol%が、24時間~1年で放出される。いくつかの実施形態では、活性物質の約0.05vol%~約99.0vol%が、ある時間量後に電子コンポーネント(および/または電子コンポーネントと関連付けられる1つ以上のリザーバ)から放出される。いくつかの実施形態では、電子コンポーネント(および/または電子コンポーネントと関連付けられる1つ以上のリザーバ)と関連付けられる活性物質の少なくとも約0.05vol%、少なくとも約0.1vol%、少なくとも約0.5vol%、少なくとも約1vol%、少なくとも約5vol%、少なくとも約10vol%、少なくとも約20vol%、少なくとも約50vol%、少なくとも約75vol%、少なくとも約90vol%、少なくとも約95vol%、または少なくとも約98vol%が、約24時間後、約32時間後、約72時間後、約96時間後、または約192時間後にコンポーネントから放出される。ある実施形態では、ポリマーコンポーネントと関連付けられる活性物質の少なくとも約0.05vol%、少なくとも約0.1vol%、少なくとも約0.5vol%、少なくとも約1vol%、少なくとも約5vol%、少なくとも約10vol%、少なくとも約20vol%、少なくとも約50vol%、少なくとも約75vol%、少なくとも約90vol%、少なくとも約95vol%、または少なくとも約98vol%が、約1日後、約5日後、約30日後、約60日後、約120日後、または約365日後にコンポーネントから放出される。例えば、ある場合には、電子コンポーネントと関連付けられる活性物質の少なくとも約90vol%が、約120日後にコンポーネントから放出される。
【0117】
いくつかの実施形態では、活性物質は、放出(例えば、内部開口部等の対象の内部の所望の場所における活性物質の放出)の最初の24時間によって決定されるような特定の初期平均速度において電子コンポーネント(および/または電子コンポーネントと関連付けられる1つ以上のリザーバ)から放出される。ある実施形態では、活性物質は、放出の最初の24時間後に24時間周期にわたる初期平均速度の少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%の平均速度において放出される。いくつかの実施形態では、活性物質は、放出の最初の24時間後に24時間周期にわたる初期平均速度の約99%未満、またはそれに等しい、約98%未満、またはそれに等しい、約95%未満、またはそれに等しい、約90%未満、またはそれに等しい、約80%未満、またはそれに等しい、約75%未満、またはそれに等しい、約50%未満、またはそれに等しい、約%40未満、またはそれに等しい、約30%未満、またはそれに等しい、約20%未満、またはそれに等しい、約10%未満、またはそれに等しい、約5%未満、またはそれに等しい、または約2%未満、またはそれに等しい平均速度において放出される。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約1%~約99%、約1%~約98%、約2%~約95%、約10%~約30%、約20%~約50%、約30%~約80%、約50%~約99%)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0118】
活性物質は、初期放出後の48時間~約1年(例えば、48時間~1週間、3日~1カ月、1週間~1カ月、1カ月~6カ月、3カ月から1年、6カ月~2年)、初期平均放出速度(放出の最初の24時間周期の間に測定される)の約1%~約99%の24時間周期にわたる平均速度において放出されてもよい。
【0119】
例えば、ある場合には、活性物質は、放出の2日目、放出の3日目、放出の4日目、放出の5日目、放出の6日目、および/または放出の7日目に初期速度の約1%~約99%の速度において放出されてもよい。
【0120】
ある実施形態では、活性物質は、パルス放出として放出されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、活性物質は、放出の1日目、および3日目、4日目、または5日目の間に開始する等、別の24時間周期で放出されるが、隔日に放出されない場合がある。当業者は、他の日および/またはパルス化および放出の組み合わせもまた可能性として考えられることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、活性物質は、バースト放出において放出される。
【0121】
活性物質は、少なくとも約24時間の時間周期にわたって比較的に一定の平均速度(例えば、実質的にゼロ次平均放出速度)において放出されてもよい。ある実施形態では、活性物質は、少なくとも約24時間の時間周期の一次放出速度(例えば、活性物質の放出の速度は、概して、活性物質の濃度に比例する)において放出される。
【0122】
いくつかの実施形態では、本デバイスの中に装填される活性物質の少なくとも一部は、滞在時間周期にわたって連続的に(例えば、様々な速度において)放出される。滞在時間周期は、下記により詳細に説明される。
【0123】
上記に説明されるように、いくつかの実施形態では、電子コンポーネント、アーム、および/または第2のコンポーネント(例えば、弾性コア)は、結合される。当業者は、結合されるという用語が、概して、2つ以上のコンポーネントを接続する物理的連結を指すことを理解するであろう。いくつかの実施形態では、電子コンポーネントおよび第2のコンポーネントは、接着剤を介して、化学的相互作用によって、および/または相互貫入(例えば、絡み合った)ポリマー鎖によって結合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子コンポーネントの少なくとも一部および第2のポリマーコンポーネントの少なくとも一部は、イオン結合、共有結合、水素結合、ファンデルワールス相互作用、および同等物等の結合を介して結合される。共有結合は、例えば、炭素-炭素、炭素-酸素、酸素-ケイ素、硫黄-硫黄、リン-窒素、炭素-窒素、金属-酸素、または他の共有結合であってもよい。水素結合は、例えば、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、チオール、および/または類似する官能基の間であってもよい。
【0124】
ある実施形態では、電子コンポーネントおよび第2のコンポーネントは、接着剤(例えば、生体適合性接着剤)を介して結合される。好適な接着剤の非限定的実施例は、生体適合性ポリウレタンおよび電気活性接着剤を含む。
【0125】
いくつかの実施形態によると、滞在構造は、胃腸管を通過することが可能な1つ以上の形態に分解、溶解、および/または解離するように構成される。いくつかの実施形態では、滞在構造は、制御された、および/または調整可能な分解のために設計される1つ以上の連結器を備える。いくつかの実施形態によると、1つ以上の連結器は、滞在構造に取り付けられる、および/またはその中に組み込まれ、モジュール方式で、治療剤、診断薬、および/または強化剤を送達する機能を、分解を制御(例えば、トリガ)および/または調整する機能から分離する。
【0126】
ある実施形態では、第2のコンポーネント(例えば、弾性コア)および1つ以上のアームは、連結器を介してともに結合される。
【0127】
滞在構造は、1つ以上、2つ以上、または3つ以上のタイプの連結器を備えてもよい。例えば、例証的実施形態では、滞在構造は、第1の平均分解速度における分解が可能な第1の連結器と、第2の平均分解速度における分解が可能な第2の連結器とを備える。ある実施形態では、連結器分解は、pH依存性である。別の例証的実施形態では、滞在構造は、生理学的条件の第1のセット下で(例えば、胃内等の酸性pHにおいて)分解が可能な第1の連結器と、生理学的条件の第1のセットと異なる生理学的条件の第2のセット下で(例えば、腸内等の比較的に中性のpHにおいて)分解が可能な第2の連結器とを備える。いくつかの実施形態では、第2の連結器は、条件の第2のセット下で実質的な分解が可能ではない。例えば、ある場合には、第2の連結器は、第1の生理学的条件において(例えば、胃内等の酸性pHにおいて)実質的に分解可能ではなく、生理学的条件の第1のセットと異なる第2の生理学的条件において分解が可能である。
【0128】
生理学的条件という用語は、概して、(例えば、実験室条件とは対照的に)有機体または細胞系において起こり得る外部または内部環境の条件のセットを指す。例えば、ある場合には、生理学的条件は、約20℃~約40℃(例えば、約35℃~約38℃)の温度および/または約1atmの大気圧に及ぶ。ある実施形態では、生理学的条件は、胃、腸、膀胱、肺、および/または心臓等の内蔵のものである。
【0129】
連結器は、連結器が、特定の滞在時間周期後に、溶解する、分解する、機械的に弱化する、および/またはコンポーネントのうちの少なくとも1つ(例えば、電子コンポーネント、第2のコンポーネント、アーム)から機械的に分離するように選択されてもよい。
【0130】
例示的実施形態では、1つ以上の連結器は、例えば、滞在時間周期にわたる活性物質の送達後(例えば、約24時間後、約48時間後、約1週間後、約1カ月後)の滞在構造の分解および対象の下部腸管を通した安全な通過を媒介するように選択される。胃腔等の開口部からの退出は、開口部を通した(または幽門を通した)通過に抵抗する能力が、設計された連結器破壊を通した本デバイスの破断を通して損なわれるように、連結器の機械的性質の変化を通して(例えば、生分解を介して)達成されてもよい。
【0131】
いくつかのスクリーニング試験が、限定ではないが、1つ以上のコンポーネントの少なくとも表面と界面接触する(例えば、結合する)能力、カプセル化に耐えるために十分な機械的強度、および胃環境等の生理学的環境内に存在する圧縮力を受けるために十分な機械的強度を含む、連結器として使用するために好適な材料を決定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、連結器は、少なくとも約24時間、少なくとも約48時間、少なくとも約1週間、少なくとも約1カ月、または少なくとも約1年の時間周期(例えば、滞在時間周期)にわたって胃環境等の生理学的環境内で安定する。
【0132】
ある実施形態では、連結器は、(例えば、十二指腸内のもの等の)比較的に中性のpH生理学的条件下で、連結器が、該中性pH生理学的条件下で、約96時間未満、またはそれに等しい、約48時間未満、またはそれに等しい、または約24時間未満、またはそれに等しい時間後、約2N未満、またはそれに等しい引張力によって機械的に破断(すなわち、機械的破壊)され得るような材料を含む。いくつかの実施形態では、機械的破壊は、連結器と1つ以上のポリマーコンポーネントとの間の界面においてではなく、連結器材料自体の中で起こる。
【0133】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、1つ以上の構成を備える。例えば、ある実施形態では、滞在構造は、定義された形状、サイズ、配向、および/または体積等の特定の構成を有する。滞在構造は、任意の好適な構成を備えてもよい。いくつかの実施形態では、滞在構造は、滞在構造の断面積によって定義されるような特定の形状を有する。好適な断面形状の非限定的実施例は、正方形、円形、長円形、多角形(例えば、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十二角形、または同等物)、管、リング、星形または星様(例えば、3アーム付き星形、4アーム付き星形、5アーム付き星形、6アーム付き星形、7アーム付き星形、8アーム付き星形)、または同等物を含む。当業者は、用途(例えば、胃滞留滞在構造のための星様形状)に応じて、かつ本明細書の教示に基づいて、好適な形状を選択することが可能であろう。
【0134】
滞在構造は、ある場合には、滞在構造が、元々の構成と異なる新しい構成を取得するように、修正(例えば、変形)され得る元々の構成を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、滞在構造は、第1の構成と、第1の構成と異なる第2の構成とを有する。
【0135】
ある実施形態では、滞在構造の構成は、最大断面寸法によって特徴付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1の構成の最大断面寸法は、第2の構成の最大断面寸法の少なくとも約10%未満、少なくとも約20%未満、少なくとも約40%未満、少なくとも約60%未満、または少なくとも約80%未満であってもよい。ある実施形態では、第2の構成の最大断面寸法は、第1の構成の最大断面寸法の少なくとも約10%未満、少なくとも約20%未満、少なくとも約40%未満、少なくとも約60%未満、または少なくとも約80%未満であってもよい。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約10%~約80%、約10%~約40%、約20%~約60%、約40%~約80%)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0136】
いくつかの実施形態では、滞在構造の構成は、滞在構造の凸多面体体積によって特徴付けられてもよい。凸多面体体積という用語は、当技術分野で公知であり、概して、表面が特定の体積を定義するように3D物体の周辺によって定義される表面のセットを指す。いくつかの実施形態では、第1の構成の凸多面体体積は、第2の構成の凸多面体体積の少なくとも約10%未満、少なくとも約20%未満、少なくとも約40%未満、少なくとも約60%未満、または少なくとも約80%未満であってもよい。ある実施形態では、第2の構成の凸多面体体積は、第1の構成の凸多面体体積の少なくとも約10%未満、少なくとも約20%未満、少なくとも約40%未満、少なくとも約60%未満、または少なくとも約80%未満であってもよい。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約10%~約80%、約10%~約40%、約20%~約60%、約40%~約80%)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0137】
当業者は、第1の構成と第2の構成との間の差異が(例えば、溶媒の存在下の)滞在構造の膨張または収縮を指さず、代わりに、(例えば、熱等の刺激の存在下の)滞在構造の少なくとも一部の形状および/または配向の変化を指すが、ある程度の膨張または収縮が2つの構成の間で起こり得ることを理解するであろう。
【0138】
いくつかの実施形態では、第1の構成は、滞在構造が対象の内部の場所に保定されるように構築および配列され、第2の構成は、滞在構造が(例えば、カプセル内での滞在構造の経口送達のために)カプセル化され得るように構築および配列される。ある場合には、第1の構成は、滞在構造が対象の内部の場所に保定されるように十分に大きく、第2の構成は、滞在構造が対象への経口送達のために好適な特定のサイズのカプセル内に嵌合し得るように十分に小さい。
【0139】
ある実施形態では、滞在構造は、第1の構成において重合、印刷(例えば、3D印刷)、および/または鋳造され、滞在構造が第2の構成を取得するように機械的に変形され、カプセル内に設置されてもよい。滞在構造は、例えば、滞在構造の屈曲、捩り、折畳、成形(例えば、材料を新しい形状を有する金型の中に圧入する)、拡張(例えば、引張力を材料に印加する)、圧縮、および/または皺付けを含む、任意の好適な方法を使用して機械的に変形されてもよい。滞在構造は、任意の好適な持続時間にわたって第2の構成を維持してもよい。有利なこととして、本明細書に説明される滞在構造は、滞在構造が、1つ以上のコンポーネントおよび/または1つ以上の連結器の機械的性質の有意な劣化を伴わずに長い時間周期にわたって保管され得るように、第1および/または第2の構成において比較的に安定し得る。いくつかの実施形態では、滞在構造は、少なくとも約1日、少なくとも約3日、少なくとも約7日、少なくとも約2週間、少なくとも約1カ月、少なくとも約2カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約1年、または少なくとも約2年にわたって周囲条件(例えば、室温、大気圧、および相対湿度)および/または生理学的条件(例えば、生理学的流体中で37℃または約37℃)下で安定し得る。ある実施形態では、滞在構造は、約3年未満、またはそれに等しい、約2年未満、またはそれに等しい、約1年未満、またはそれに等しい、約1カ月未満、またはそれに等しい、約1週間未満、またはそれに等しい、または約3日未満、またはそれに等しい貯蔵寿命を有する。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約24時間~約3年、約1週間~1年、約1年~3年)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。
【0140】
いくつかの実施形態では、第2の構成における滞在構造は、滞在構造が第1の構成に戻るように反跳し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2の構成における滞在構造は、カプセル内に含有され、対象に経口的に送達される。いくつかのそのような実施形態では、滞在構造は、胃まで進行し得、カプセルは、滞在構造を放出し得、それに応じて、滞在構造は、第1の構成を取得する。
【0141】
本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態では、滞在構造は、滞在構造が機械的に変形された後に実質的に反跳するであろうように、特定の機械的性質を伴う1つ以上のコンポーネント(例えば、弾性コア)を備えてもよい。滞在構造は、ある場合には、折畳力によって特徴付けられてもよい。折畳力という用語は、概して、(例えば、幽門等の)約2cm未満の断面積を有する空洞の中に滞在構造を圧縮するために要求される力を指す。いくつかの実施形態では、滞在構造の折畳力は、少なくとも約0.2N、少なくとも約0.5N、少なくとも約0.7N、少なくとも約1N、少なくとも約1.5N、少なくとも約2N、少なくとも約2.5N、または少なくとも約3Nである。ある実施形態では、滞在構造の折畳力は、約5N未満、またはそれに等しい、約3N未満、またはそれに等しい、約2.5N未満、またはそれに等しい、約2N未満、またはそれに等しい、約1.5N未満、またはそれに等しい、約1N未満、またはそれに等しい、約0.7N未満、またはそれに等しい、または約0.5N未満、またはそれに等しい。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約0.2N~約3N、約0.2N~約2.5N、約0.5N~約1.5N、約1N~約3N)。他の範囲もまた、可能性として考えられる。折畳力は、例えば、20cm上側直径および2cm下側直径を有する漏斗内に滞在構造を設置し(例えば、幽門括約筋をシミュレートし)、2cm下側直径を通して滞在構造を移動させるために要求された力を測定することによって決定されてもよい。プランジャが、引張荷重機械の張力クロスヘッドに取り付けられ、漏斗がクランプに取り付けられ、滞在構造が、例えば、10mm/分の速度において漏斗を通して押動され得、これは、力および変位を測定する。折畳力は、概して、滞在構造が折畳し、2cm下側直径管に進入する力を測定することによって決定される。
【0142】
ある実施形態では、第1の構成における滞在構造は、最小非圧縮断面寸法を有する。最小非圧縮断面寸法は、概して、滞在構造が、生理学的圧縮力(例えば、消化管内のもの等)下でも比較的に長い時間周期(例えば、少なくとも約24時間)にわたって対象の内部の場所に保定されるように選択される。
【0143】
いくつかの実施形態では、第1の構成の最小非圧縮断面寸法は、少なくとも約2cm、少なくとも約4cm、少なくとも約5cm、または少なくとも約10cmである。ある実施形態では、第1の構成の最小非圧縮断面寸法は、約15cm未満、またはそれに等しい、約10cm未満、またはそれに等しい、約5cm未満、またはそれに等しい、または約4cm未満、またはそれに等しい。上記に言及される範囲の組み合わせもまた、可能性として考えられる(例えば、約2cm~約15cm)。当業者は、滞在構造が保定されるように、対象の具体的開口部に関して、本明細書の教示に基づいて滞在構造のための好適な最小非圧縮断面寸法を選択することが可能であろう。
【0144】
本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態では、滞在構造の1つ以上のコンポーネントは、特定の形状、サイズ、および/または体積を有するように鋳造、成形、3D印刷、および/または切断されてもよい。
【0145】
例示的実施形態では、胃滞在等の滞在(例えば、対象の内部の特定の場所における開口部内に保定されること)が可能な形状は、複数の突出部(すなわち、アーム)を有する3次元構造を備える。いくつかの実施形態では、突出部を伴う構造は、弾性(非塑性)変形が可能な可撓性材料を含む。突出部自体は、コアへの可撓性接続を伴う可撓性または剛性であってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の制御された分解連結器(例えば、腸溶性エラストマ)が、例えば、1つ以上の突出部に沿って、好ましくは、コアへの接続またはその近傍において、構造に取り付けられる、および/またはその中に組み込まれる。いくつかの実施形態では、各突出部は、非カプセル化最終形態が可溶性容器長さのほぼ2倍に等しい直径を有するように、可溶性容器の長さをわずかに下回るものに等しい長さを有する。いくつかの実施形態では、突出部は、それぞれ、(滞在構造が、少なくとも約2cmの最小非圧縮断面寸法を有するように)約0.5cm~約2.5cmの長さを有する。
【0146】
ある実施形態では、突出部は、いくつかの(N)半径方向スポークまたはペタルが中心連結コアから突出する、生体模倣の花芽設計に基づいて配列される。いくつかの実施形態では、これらの半径方向突出部は、それぞれ、約360°/Nの内部セクタ角度を有し、Nは、半径方向突出部の合計数である。ある場合には、これは、カプセル化構造の充塞体積を最大限にし、したがって、薬物搬送能力を最大限にする。いくつかの実施形態では、突出部は、本明細書に説明されるように、圧縮への抵抗および胃滞在の持続時間を増加させるために、比較的に高い弾性率を伴う材料から形成される。
【0147】
いくつかの実施形態によると、胃滞在等の滞在(例えば、対象の内部の特定の場所における開口部内に保定されること)が可能な形状は、例えば、平坦面上に突出されるとき、3、4、6、8、10、12、14、16、18、または20個の辺を伴う多角形輪郭を形成する3次元構造を備える。いくつかの実施形態では、各辺は、可溶性容器の長さをわずかに下回るものに等しい長さを有する。いくつかの実施形態では、構造は、構造がその頂点において屈曲し、可溶性容器の中に充塞することが可能であるように、弾性(非塑性)変形が可能な可撓性材料を含む。低弾性率を伴い、低クリープ変形および/または良好な反跳を伴い、大きい弾性変形が可能な材料が、安定した充塞を促進するために頂点において使用されてもよい。いくつかの実施形態では、個々の辺は、それぞれ、最大充塞を取得するために、約360°/Nの内部セクタ角度を有し、Nは、辺の合計数である。
【0148】
本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態では、滞在構造は、対象への経口投与および/またはそれによる摂取と適合する形状および/またはサイズを採用するように構成される。いくつかの実施形態では、滞在構造は、安定したカプセル化形態の中に折畳および/または充塞するための能力を伴う形状を有する。例えば、いくつかの実施形態では、滞在構造は、カプセルまたは他の可溶性容器(例えば、含有構造)を最大限に充塞および充填するように設計される。いくつかの実施形態では、滞在構造は、カプセルまたは他の可溶性容器の中に最大限に充填および/または充塞する形状を有する。
【0149】
いくつかの実施形態では、本システムは、滞在構造と、含有構造とを備える。用途に基づいて、カプセルは、限定ではないが、000、00、0、1、2、3、4、および5、およびより大きい獣医学的カプセルSu07、7、10、12el、11、12、13、110ml、90ml、および36mlを含む、特定の仕様または標準サイズに製造されてもよい。いくつかの実施形態では、滞在構造は、コーティングされた、またはコーティングされていないカプセル内に提供されてもよい。カプセル材料は、硬質または軟質のいずれかでもよく、当業者によって理解されるであろうように、典型的には、ゼラチン、デンプン、またはセルロース材料等の味のない容易に投与される水溶性化合物を含む。
【0150】
他の実施形態では、滞在構造は、バンドまたは外科手術用糸等の可溶性保定要素によって充塞形状において保定される。いくつかの実施形態では、滞在構造は、高弾性率および低弾性率を伴う材料の最適な組み合わせを含み、滞在構造に、いったん可溶性容器および/または可溶性保定要素が除去されると、その形状および/またはサイズを改変する能力を与える。
【0151】
いくつかの実施形態では、滞在構造は、2017年11月28日に出願された、米国仮出願第62/591,556号(その内容が、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される、1つ以上の特徴を備える。
【0152】
別様に定義または示されない限り、例えば、1つ以上の物品、組成物、構造、材料、および/またはそれらのサブコンポーネント、および/またはそれらの組み合わせ、および/またはそのような用語による特徴付けに適した上記に列挙されない任意の他の有形または無形要素の、またはそれらの間の形状、配向、整合、および/または幾何学的関係に関連する本明細書に使用されるようないかなる用語も、そのような用語の数学的定義への絶対的一致を要求しないように理解されるものとし、むしろ、そのような主題に最も密接に関連する当業者によって理解されるであろうように特徴付けられる主題に関して可能な範囲でのそのような用語の数学的定義への一致を示すように理解されるものとする。形状、配向、および/または幾何学的関係に関連するそのような用語の実施例は、限定ではないが、丸形、正方形、円形の/円形、長方形の/長方形、三角形の/三角形、円筒形の/円筒形、楕円形の/楕円形、(n)多角形の/(n)多角形等の形状、垂直、直交、平行、縦、水平、共線等の角度配向、平面/平面の、共平面、半球状、半半球状、線/線形、双曲線、放物線、平坦、曲線、直線、弓形、正弦、接線/接線の等の輪郭および/または軌跡、平滑、反射、透明、クリア、不透明、剛性、不透過性、均一(均一に)、不活性、非湿潤性、不溶性、定常、不変、一定、均質等の表面および/またはバルク材料性質および/または空間/時間分解能および/または分布、および当業者に明白であろう多くのその他を説明する用語を含む。一実施例として、「正方形」であるとして本明細書に説明されるであろう加工された物品は、そのような物品が、完全に平面または線形であり、厳密に90度の角度で交差する面または辺を有することを要求せず(実際には、そのような物品は、数学的抽象概念としてのみ存在することができる)、むしろ、そのような物品の形状は、当業者によって理解されるであろうように、または具体的に説明されるように、列挙される加工技法に関して典型的に達成可能であり、達成される範囲で、数学的に定義されるような「正方形」に近似するものとして解釈されるべきである。
(実施例)
【0153】
以下の実施例は、本発明のある実施形態を例証することを意図し、本発明の全範囲を例示しない。
【0154】
人体の中への生物医学的電子機器の長期の埋込は、概して、高度な診断および療法機能性を可能にする。しかしながら、殆どの長期滞在電子機器デバイスは、埋込のための侵襲性手技および通信のための特殊化受信機を要求する。ここでは、胃環境によって提供される解剖学的空間を活用し、人体内でのそのようなデバイスの経口送達されたプラットフォームの滞在を可能にする、胃滞在電子(GRE)システム(すなわち、電子コンポーネントを備える滞在構造)が、提示される。GREは、広く採用される無線プロトコルであるBluetooth(登録商標)を通して、ポータブル消費者用パーソナル電子機器と直接インターフェースをとることが可能である。従来の摂取可能電子機器を用いて達成される受動的な1日を通して続く胃滞在と対照的に、多材料プロトタイプの進歩は、ブタモデルでの研究によって証明されるように、GREが、例えば、36日にわたって好ましくない胃環境内に滞在し、例えば、約15日にわたって無線電子機器通信を維持することを可能にする。実際には、再構成可能胃滞在構造、薬物放出モジュール、および無線電子機器の相乗的統合は、最終的に、次世代遠隔診断および自動化療法方略を可能にし得る。
【0155】
電子機器の人体との統合は、新規の個人化診断および治療方略に対して有意な影響を及ぼす潜在性を有する。例えば、ウェアラブル電子機器の作成は、心拍数、呼吸数、酸素飽和度、血圧、およびグルコースレベル等の生理学的パラメータを測定するための身体とデジタルデバイスのリアルタイムインターフェースを可能にしている。埋込可能電子機器は、心臓、胃腸管、および脳を含むいくつかの器官の電気刺激、および心臓および胃腸を含む生理学的パラメータの監視を含む能力の幅広いセットを可能にしている。さらに、外部から制御可能なマイクロチップの形態における薬物放出を可能にするシステムおよびポンプシステムを含む、いくつかの技術が、種々の開発段階にある。全てのこれらのシステムは、概して、針ベースのアクセスから外科手術埋込に及ぶ範囲の有意な介入を要求する。さらに、長期的に外科手術的に設置される医療インプラントは、異物免疫応答の惹起と関連付けられる。加えて、埋込されたデバイスは、即時の手術介入を要求し得る、感染症の病巣としての役割を果たし得る。
【0156】
経口送達は、依然として薬物送達のための望ましいルートであり、直感的であり、魅力的であるが、長期滞在電子機器を一時的に埋め込むには比較的に未開拓の方法である。経口送達は、胃腸管内で利用可能な有意な空間および免疫寛容環境を活用し、より侵襲性のデバイス設置の必要性を回避することができる。本方法は、一意の設計、材料の最適化されたセット、およびマクロ構造を制御する能力と相まって、多くの場合、外科手術埋込と関連付けられる潜在的健康リスクを予防し得る。胃は、概して、有意な膨満を伴わずに約1.5リットルの保持容積を伴う身体内の免疫特権部位を表す。胃は、大量の食物を消化するように進化した器官であり、したがって、これは、異物に対して比較的に高い耐性を有する。滞在物に対する胃の耐性の病態生理学的実施例が、ベゾアールの形態において数世紀にわたって記録されている。これらの集合体は、多くの物質から形成され、概して、それらが約50gを超える質量に到達すると、胃腸出口閉塞症状として現れ得る。長期(>1週間)のより大きいデバイスが、肥満介入のために胃に正常に適用されている。摂取可能な形式における胃滞在システムが、前臨床および臨床開発の種々の段階にあり、長期の時間周期にわたって広範囲の材料、さらには薬物を持続させるために、本環境の能力を支援する薬物送達のために適用されている。
【0157】
摂取を通した電子機器の送達は、1957年以来探求されている刺激的な概念である。摂取可能物の最近の開発は、温度、pH、圧力、または生体分子センサ、無線識別マイクロチップ、ガスセンサ、無線撮像および内視鏡検査のためのカメラ、または薬物送達モジュールを組み込む、無数の機能性に注目している。それにもかかわらず、これらの摂取可能電子機器は、胃内での安定した長い滞在を維持することができない。現在までの殆どの実証は、1週間未満の周期での受動的な制御されない胃移行に限定され、これは、一時的な診断および療法方略への摂取可能バイオエレクトロニクスの潜在的用途を限定している。
【0158】
本明細書に説明される無線胃滞在電子(GRE)デバイス(すなわち、電子滞在構造)の設計および製造は、最大36日(およびそれを含む)にわたるブタ胃内の生体内胃滞在を達成し、最大15.3日(およびそれを含む)にわたる生体内無線通信を維持し得る。制御放出薬物製剤(抗菌剤およびホルモン剤)が、合成され、薬物送達モジュール内に共同統合され、薬物の同時制御放出を可能にすることができる。胃滞在アーキテクチャのカスタマイズされた多材料3D印刷が、
図2Aに示されるように、無線電子機器、変形可能多材料構造、および薬物送達リザーバのシームレスな統合を可能にする。GREは、胃の中に経口的に送達され(1)胃内に滞在し、(2)幽門を通過し、(3)身体から排泄されるように設計される。本デバイスは、
図2Cに説明されるように、口腔管を介した送達のために摂取可能な投薬形態に折畳されることができる。胃への到達に応じて、本システムは、幽門(1.9cmの測定された最大直径)よりも大きい有効直径を伴う幾何学形状に拡張し、
図2Dに示されるような胃空間内での本デバイスの滞在を可能にする。これは、中心可撓性要素の機械的性質(
図6参照)と相まって、胃滞在を可能にし、パーソナルデバイスとの長期の遠隔通信を可能にする。
【0159】
最終的に、本デバイスの受動的崩壊または潜在的にトリガされる崩壊は、
図2Eに図示されるような胃腔からの本デバイスの通過を可能にする。胃電子機器の拡張された滞在性質は、潜在的に、次世代のデジタル診断および治療方略を実現することに役立つことができる。例えば、
図2Fに説明されるように、GREは、スマートフォン等のパーソナル電子機器と互換性があり、ユーザおよび医療提供者が、特殊化機器を伴わずにBluetooth(登録商標)接続を通してGREと直接通信し、それを制御することを可能にすることができる。本互換性はまた、他の無線電子機器周辺機器、ウェアラブルデバイス、および生物医学的インプラントとのシームレスな相互接続を可能にし、リアルタイムのフィードバックベースの自動化治療または応答性の薬物治療を促進する。さらに、
図2Gに図示されるように、パーソナル電子機器を介したデジタルクラウドとのGREの相互接続は、最終的に、遠隔健康管理および監視、および臨床研究のための個人化された大規模人口データ収集を可能にし得る。
【0160】
いくつかの基本的課題が、GREを実現する前に克服される必要性があった。第1に、本デバイスは、胃の中へ進入するとすぐに、摂取可能な投薬形態から拡張構成に変形することが可能であり得る。第2に、GREは、機械的かつ化学的に好ましくない胃環境内でその胃滞在性質を維持し、サブコンポーネントに分解するようにトリガされ、有害反応の場合に胃腸移行を可能にする能力を有することが可能であり得る。第3に、GREは、広く採用される無線通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標))と互換性があり、パーソナル電子機器デバイスとの長期の(1日を超える)通信を維持することが可能であり得る。実際には、そのようなレベルの統合は、部分的に、成形等の従来の製造方法の設計および統合の多用途性の限界に起因して、従来の摂取可能デバイスを用いて実証されていない。
【0161】
これらの課題は、概して、多材料付加製造によって可能にされる一意の3次元異種設計によって克服された。具体的には、無線遠隔制御薬物放出モジュールが、設計され、圧縮投薬形態と拡張形態(
図2H)との間で変形し得る2アーム付き胃滞在アーキテクチャと統合された。本デバイスのロバスト性は、動的胃環境での規定された胃滞在を達成するために調整される。本ハイブリッド統合アプローチは、付加製造設計方法論の多用途性を活用し、胃滞在アーキテクチャの、個人化された薬物送達モジュール、無線電子機器、アンテナ、および電力システム等のアクティブモジュールとのシームレスな組み込みを可能にし、長期の生体内通信および薬物送達を達成する。
【0162】
従来の成功した胃滞在アーキテクチャは、概して、エラストマコンポーネントと堅性コンポーネントとの間に強力な界面強度を維持するために、類似する化学的基礎を伴う合成材料に依拠している。ここでは、そうでなければ、動的に好ましくない胃環境内で脆弱であろう、2つの異なるクラスの材料の間の接着強度を有意に増幅するためのエラストマポリマーおよび堅性ポリマーの層毎の3D印刷が、選定された。商業的に入手可能な無線電子コンポーネントを適応させるために、3アーム付きベースのシステムが、胃滞在のために開発された。商業的に入手可能な熱可塑性フィラメントに基づく熱溶解積層法(FDM)を用いたロバストな変形可能アーキテクチャプロトタイプの自由形状加工が、最初に調査された(
図3A参照)。具体的には、例示的胃滞在アーキテクチャが、生体適合性ポリ-L-乳酸(PLA)および熱可塑性ポリウレタン(NinjaTek NinjaFlex 85A)を用いて作成される。胃滞在アーキテクチャプロトタイプは、000サイズカプセルの中に嵌合する最大圧縮厚さを伴って設計される(以降でGRAと称される)。
【0163】
再構成可能構造(すなわち、GRA)は、概して、胃内での摂取可能形態から拡張形態への変形を可能にした。構造は、胃酸中で溶解し得るゼラチンカプセルの中に折畳されることができる。溶解に応じて、これは、幽門の直径よりも大きい有効直径まで拡張し、これは、多層可撓性中心の機械的性質と相まって、胃滞在を可能にする(
図6参照)。
図3Bに示されるように、拡張は、本デバイスの配向に関係なく、シミュレートされた胃液中での完全浸漬に応じて急速であった(50秒以内)。次に、GRAは、胃腔の内側の印刷されたデバイスのX線可視化を可能にするために、ステンレス鋼撮像プローブ(1mmのビーズ)を埋設された(
図3Aの挿入画像参照)。具体的には、3つの金属フィデューシャルが、潜在的電子機器チップセット(以降、「ヘッド」と称される)の場所を示すために挿入され、2つの金属フィデューシャルが、胃滞在アーキテクチャを支持する2つのより薄い「アーム」(以降、「アーム」と称される)を示すために挿入された。これは、内視鏡検査手技を伴わずに、潜在的電子機器部位(ヘッド)および印刷された多材料プロトタイプの構造完全性を監視することによって、胃滞在周期の測定を可能にした。この場合における胃滞在周期は、「ヘッド」がX線で検出される最大時間であった。承認された動物プロトコル下での最大可能X線周波数の限界に起因して、研究のいくつかにおいて撮像ギャップが存在することが留意された。
【0164】
対照実験が、胃滞在アーキテクチャを伴わない電子機器「ヘッド」の胃滞在周期の評価を通して実行された。これは、ブタモデルのより緩慢な胃運動性を考慮するための重要な考慮事項である。
図3Cに示されるように、GRAを伴わずに達成される最大胃滞在周期は、3日であることに留意されたい。対照的に、GRAは、胃滞在を有意に延長させた。GRAは、
図3D(左)に示されるように、胃環境内で24日後に無傷のままであった。次に、プロトタイプの崩壊が、評価された。4つのサンプルのうちの2つでは、最終的に、胃空間からのGRAの通過を引き起こす、「アーム」のプロトタイプ取外を示す、破壊の画像が、捕捉された。
図3D(中心)に示されるように、GRA構造は、27日目に金属プローブによって示されるように、2つのアームのうちの1つの初期取外を介して崩壊した。30日目(
図3D右)に、両方のGRAアームが、取り外されており、これは、最終的に、GRAを34日以内に胃空間から通過させた。
【0165】
4つの研究のうちの1つでは、GRAの早期の通過が、崩壊を伴わずに7日目に観察された。4つのサンプルの破壊機構のうちの1つは、動物プロトコルによって限定される撮像周波数に起因して捕捉されなかった。それにもかかわらず、いかなる臨床的合併症(腸閉塞等)も、実験において観察されず、GRAが安全に通過されたことを示した。これは、潜在的に、ポリウレタンフォームの閉鎖マクロ構造で観察された従来の臨床的合併症と対照的に、腸閉塞の可能性を低減させるGRAの有窓開放マクロ構造に起因し得る。
【0166】
最初に、水溶性ポリビニルアルコール(PVA)ポリマーを共印刷し、続けて、PVAを熱硬化性エラストマポリマーと置換することによって、熱硬化性ポリマーを組み込むアプローチもまた、実証された。概念証明として、PCL-PLAベースのGRAが、作成され、これは、熱硬化性ポリマーを組み込むための将来の作業の潜在性を実証する(
図7参照)。小腸および大腸の中性pH環境内で溶解し得る、pH応答性腸溶性エラストマもまた、可能性として考えられる。
【0167】
加えて、対象がデバイスに対して有害反応を起こす場合に、マクロ構造溶解が要求され得る場合、連結器区画の溶解の外部トリガのプロトタイプモードが、開発された(
図8A-8C参照)。
【0168】
GRAを用いて実行される生体内実験に基づいて、寸法が、
図2Iに示されるように増加された。GREのヘッドの最小サイズは、回路基板コンポーネントの統合を伴わずに可能な電子機器チップセット設計の最小サイズを適応させるために、GRAと比較して大きいことに留意されたい。実際には、電子プロトタイプ基板は、チップセット再パッケージによって容易に小型化されることができる。GRAを用いたアプローチと同様に、ステンレス鋼フィデューシャルが、電子デバイスにおけるアームの完全性を可視化するために、アーム(アームあたり1~2つ)内に埋設された。電子機器の完全性は、X線撮像を使用して直接観察された。統合された胃GREは、全体的により長い胃滞在周期を呈することが観察され、これは、サイズの増加に起因すると仮定される。GREの崩壊は、GRAのものと類似した。本デバイスの2つのアームは、24日目および31日目に取り外され、本デバイスは、41日以内に胃腸管から通過した。3つのサンプルのうち、達成されたGREの最大胃滞在周期は、36日であったことに留意されたい。
【0169】
ブタモデルを用いた生体内実験は、大型動物モデル内の機械的応力に耐えるプロトタイプの能力を実証する。サンプルの間の胃滞在時間周期の変動は、固有の動物間変動に起因する可能性が高いことに留意されたい。一般に、GRAおよびGREの両方は、
図3Gに示されるように、電子機器と比較して、胃滞在周期の有意な増加を実証する。胃滞在の最大周期は、胃滞在アーキテクチャを伴わない構造に関する3日の最大滞在と比較して、それぞれ、30日および36日である。
【0170】
3アーム付き胃滞在アーキテクチャを用いて1カ月を通して続く滞在を達成する能力は、アクティブモジュールの組み込みを可能にし、これは、胃滞在システムにおいて以前に実証されていない。例えば、
図2Hに図示されるように、無線Bluetooth(登録商標)無線周波数チップセット、アンテナ、バッテリ、および薬物送達モジュールが、ハイブリッド統合アプローチを介して本デバイスに統合されることができる。機能する電子機器は、標準の広く採用される2.4GHz Bluetooth(登録商標)無線周波数プロトコルを介して、無線接続を容易に確立することが可能である。信号強度は、
図4Aに示されるように生体内で特性評価され、デバイスは、電力増幅を伴わず(+0dBM)、30cmにおいて-45dBMの平均信号強度を呈した。信号強度は、次いで、
図4Bの生体内実験に示されるように、本デバイスが胃内に滞在する間に評価された。信号強度の方向性を評価するために、距離が、3つの方向におけるブタの胃の表面に対して測定された。生体内の異なる角度における信号強度の変化は、器官の非対称性質に起因すると予期される。それにもかかわらず、大型動物(35~58kgヨークシャーブタ)の胃腔を囲繞する組織および脂肪によって引き起こされる2.4GHz伝送周波数における減衰にもかかわらず、付加的ハードウェア強化を伴わない既製のパーソナル電子デバイス(電子機器タブレットおよびスマートフォン)との安定した相互接続を維持する能力が、示された(
図4Bの挿入画像)。ユーザのデバイスとシームレスに相互接続し、同時に信号強度を腕の長さ以内に制限する(例えば、45cmにおいて-80dBM~-90dBM)能力が、実証された。限定された接続範囲は、望ましいセキュリティ強化である。ユーザの物理的空間内の無線信号強度の自己隔離は、本デバイスを不要な接続から保護し、付加的セキュリティおよびプライバシー保護のための物理的隔離を提供し得る。GREからアドバタイズされたパケットを受信する能力を検証した後、GREとの双方向Bluetooth(登録商標)接続を形成する能力を検証するための生体内実験が、次いで、実施された。これは、スマートフォンを用いて、直接接続し、温度測定動作を要求し、ヨークシャーブタの胃内に滞在するGREから温度感知データを受信することによって実証される。
図4Cは、室温からブタの深部体温への温度の増加を示す。
【0171】
GREの感知要素との統合は、長期滞在診断プラットフォームの作成を可能にし得る。ブタ内のGREとの相互接続を確立する能力を検証した後、数週間を通して続く無線機能性を達成するためのデバイス寿命の延長が、次に対処された。例えば、通信プロトコルが、GRE通信寿命を延長するために最適化された。目標は、パーソナル電子機器との無線相互接続を確立および維持する本デバイスの能力を損なうことなく、電力消費を削減することによってGRE寿命を最大限にすることである。
図4Dの挿入画像に示されるように、最小機能通信周波数を用いた「接続」および「アドバタイズメント」モード下でのGREの寿命が、比較された。例えば、アドバタイズメント間隔を10秒に構成することは、生体内条件下で平均で22.8日のGREブロードキャスト寿命を可能にした。10秒を超えるアドバタイズメント間隔のさらなる増加は、安定したBluetooth(登録商標)接続を確立することの困難をもたらすであろう。逆に、間隔の低減は、デバイス寿命の増加をもたらし得る。実験結果に基づいて、Android通信プロトコルが、(1)本デバイスの一意の識別子(メディアアクセス制御アドレス、MACアドレス)に基づいて、GREのアドバタイズメント信号をシークし、(2)Bluetooth(登録商標)接続を確立し、(3)GREに温度測定を要求し、(4)温度データを入手し、Androidプラットフォーム内に記憶し、(5)GREを接続解除するように設計された。本サイクルは、次いで、規定された測定間隔において繰り返される。これは、GREが、必要に応じてのみ接続を確立することを可能にし、次の測定点まで低電力アドバタイズメントモードを再開することによって全体的電力消費を削減する。概念証明として、生体外設定における3つのGREデバイスに関して測定を20.1日の平均寿命に延長する能力が、
図4Dに実証される。通信寿命のわずかな低減が、本デバイスが温度測定を実施するように構成されたときに観察された。これは、
図4Dの挿入画像に示されるように、接続を確立する際に消費された付加的エネルギーに起因すると予期される。
【0172】
GREアーキテクチャは、薬物送達モジュールの統合を可能にし、電子感知および動作の間の薬物の同時制御放出を可能にする。抗生物質(ドキシサイクリン)の制御放出製剤を統合する能力が、
図5Aに示される。ドキシサイクリンの本持続的放出製剤からの薬物放出が、試験され、これを即時放出および遅延放出錠剤と比較した。シミュレートされた胃液中の即時放出錠剤からの薬物放出は、急速であった。含有量の殆ど全てが、30分未満で放出された。遅延放出錠剤からの薬物放出は、より長く持続し、薬物の有意な部分(約80%)が、24時間以内に放出された。1~2日にわたって胃腸管内に保定される錠剤と対照的に、GREは、数週間にわたって胃内に保定される。したがって、GREからの薬物放出は、延長されることが意図される。これを達成するために、ドキシサイクリンが、PCLから作製された疎水性生分解性マトリクス内に装填された。PCLマトリクスからの薬物放出は、漸進的であった。最初の0.5時間での約10%の初期バースト後、薬物は、ほぼ一定の速度で放出された。25ミリグラムの薬物が、1週間にわたって放出された。本投薬量は、臨床的に有効な用量を下回るが、これは、GREデバイスを使用する持続的薬物放出のための概念証明としての役割を果たす。
【0173】
また、薬物送達デバイス加工プロセス全体が、デスクトップ3D印刷プロセスと適合することに留意されたい。概念証明として、印刷可能レボノルゲストレル放出シリコーンマトリクス[ポリ(ジメチルシロキサン)](PDMS)が、GRE構造の中に3D印刷された。制御放出製剤の統合により、レボノルゲストレルは、1日あたり平均で106μgが6日の経過時間にわたって放出されることが実証された。
図5Bは、シミュレートされた胃液中の平均累積的薬物放出プロファイルを示す。
図5Bの挿入画像は、3D印刷された薬物ウェルの中への調合された薬物の3D印刷を示す。ホルモンのそのような長期滞在放出は、長期滞在ホルモン療法プラットフォームとして機能する、または摂取可能な避妊用プラットフォームとして機能し得る。
【0174】
GREの無線コネクティビティは、種々の電気的にアクティブ化されるモジュールを組み込むために活用されることができる。GREは、広い範囲の作動原理と適合し、利用可能な電力システムに基づいて設計されることができる。実際には、そのようなプラットフォームは、前述で実証された薬物放出プロファイルの範囲を達成するためにポリマーマトリクスを調整することに加えて、電気的に変調された薬物送達を達成するように設計されることができる。例えば、金の膜を伴うトリガ可能な薬物送達が、達成可能である。
【0175】
別の実施例では、電気活性接着剤の実装を通した電気的にアクティブ化されるモジュールが、潜在的に、低融解温度ポリマーを導電性ナノ物質とマイクロコンパウンディングすることによって薬物送達を達成するために開発されることができる。(
図9A-9C、および詳細な電気活性接着剤の合成参照)。成形と異なり、3D印刷は、明確に異なるプログラム可能な放出プロファイルを用いて調合される薬物の共同統合を可能にする。これは、長期滞在薬物送達デバイスのシームレスなデジタル製造方法論を可能にする。そのような急速プロトタイピングアプローチは、医師および薬剤師による地方の医療施設での薬物送達GREデバイスの要求に応じたデジタル定義作成を可能にし、次世代の個人化治療方略を可能にし得ることが想定される。
【0176】
実際には、GREは、広く採用されるBluetooth(登録商標)通信プロトコルを用いて設計され、他の臨床機器、ウェアラブル、または埋込可能センサと相互接続することができる。電気的に変調される薬物放出およびデバイス相互接続の相乗的統合は、デジタルベースの生物医学的診断および介入を達成する刺激的な手段を提供する。薬物送達モジュールの、身体上、または埋込バイオセンサの進歩との結合は、最終的に、迅速、自動化、または要求に応じた薬物介入がそれらの成長および拡散に先立って日和見感染を排除すること、および閉ループシステムが臨床転帰に対する介入の有効性を最大限にすることに役立ち得る他の用途を可能にし得ることが予測される。
【0177】
概念証明として、GREプラットフォームを介したパーソナル電子機器互換システムを用いて、深部体温測定等の数週間を通して続く生理学的監視が、実証された。これは、前述で説明される3つの核となる進歩を統合することによって達成される。第1に、1カ月にわたって胃空間内に滞在する本デバイスの能力(
図3A-3G)。第2に、商業的に入手可能なパーソナル電子機器と大型動物の胃の内側に滞在するGREとの間に直接双方向Bluetooth(登録商標)通信を確立する能力(
図4B-4C)。第3に、GRE無線電子機器を数週間に延長する能力(
図4D)。これらの核となる開発の統合は、最終的に、
図5Cおよび5Dに示されるように、ブタモデルの数週間を通して続く深部温度測定の実証を実現する。記録されるデータギャップは、ブタモデルのケージに取り付けられるパーソナル電子機器(Androidタブレット)の間の要求される物理的遊隙に起因することが留意された。これは、ブタ対象がケージの周囲を自由に移動し得るとき、GREを接続範囲外(75cmよりも大きい)にする。具体的には、Androidタブレットは、1.52m×1.52mの面積を伴うケージの壁に取り付けられ、タブレットは、地面から1.49m上方に設置される。その距離は、動物の日課の途絶を最小限にし、タブレット動作の途絶を防止するために必要である。接続の確立は、
図4Bに示されるようにより弱い範囲(-100dBm~-80dBm)に低下する距離にもかかわらず、GREを用いて成功したことが留意された。そのような制約は、概して、パーソナル電子機器が動作範囲内で使用されるヒトユーザにおいて適用可能ではないであろう。
【0178】
GREは、ブタ胃の内側で15.3日の動作寿命を実証した(
図5D)。バッテリは、胃腸管との接触に応じた、腐食作用または電撃熱傷のいずれかに起因する傷害の潜在的リスクを排除するために、生体適合性ポリマーであるポリ(乳酸)(PLA)を用いて本デバイス内にカプセル化されたことに留意されたい。さらに、一般的に使用されるより高い最大電流を伴うリチウムイオンベースのバッテリと異なり、小型(直径が4.8mm)酸化銀バッテリは、概して、有意により低い滞在の可能性を有する。加えて、これは、短絡事象の間に内部抵抗を急速に発現させ、これは、可能性が低い胃腸管とのバッテリの接触の発生においてその最大出力電流を自己制限する。単一のコインセル短絡電流は、22mA未満の短絡漏洩電流の過渡的(約4秒)スパイクに限定される。実証された寿命は、限定されたサイズにおけるバッテリによって収容され得る限定されたエネルギー容量に起因して、
図3Gに示されるように、胃滞在周期よりも短いことに留意されたい。統合のさらなる進歩により、GREは、好ましくない生体内胃環境内でデバイス機能性を安全に延長するために、胃液、生分解性バッテリシステム、および/または無線給電機構から回収される化学エネルギーによって給電され得ることが予測される。
【0179】
要約すれば、身体の中への無線胃滞在電子デバイスの非外科手術かつ針なしの一時的埋込は、遠隔の直接診断および療法用介入を提供する能力を有する。広く採用される無線プロトコルを通してスマートフォン、タブレット、およびデバイス等のポータブル消費者用パーソナル電子機器と直接インターフェースをとる能力は、外科手術手技または他の特殊化機器を伴わずに長期滞在胃デバイスと直接通信し、それを制御する能力をユーザに与える。これはまた、他の無線電子機器周辺機器、ウェアラブルデバイス、および生物医学的インプラントとのシームレスな相互接続を可能にし、リアルタイムのフィードバックベースの自動化治療または応答性の薬物治療を可能にする。実際には、パーソナル電子機器を介したデジタルクラウドとの摂取可能胃滞在電子機器の相互接続は、遠隔健康管理および監視、および臨床研究のためのデータ収集を可能にし得る。最終的に、摂取可能胃滞在電子機器は、針および外科手術のないアプローチを提供し、生物医学的電子デバイス、人体、およびデジタル領域を相乗的に統合し、次世代の遠隔診断および自動化療法方略を実現する。
【0180】
胃滞在アーキテクチャプロトタイプ(GRA)加工:
図3Aに示されるようなGRAの3Dコンピュータ支援設計(CAD)モデルが、最初に、Solidworks 2016(Dassault Systemes)を用いて作成された。ステレオリソグラフィ(STL)ファイルが、次いで、デジタル的にスライスされ、Gコードにおける印刷パスに変換された(3D Slicer)。変換および最適化されたGコードが、次いで、多材料熱溶解積層法(FDM)3Dプリンタ(System 30M, Hyrel 3D)を用いて3D印刷された。1.75mmの直径を伴うPLAおよび熱可塑性ポリウレタンフィラメント(NinjaTek NinjaFlex 85A)が、それぞれ、堅性コンポーネントおよびエラストマコンポーネントを作成するために使用された。3D印刷されたGRAは、胃腔の内側の印刷されたデバイスのX線可視化を可能にするために、ステンレス鋼撮像プローブ(1mmのビーズ)を埋設された(
図3Aの挿入画像参照)。
【0181】
制御デバイス加工:
図3Cの制御デバイス(「ヘッド」)が、胃滞在アーキテクチャ(「アーム」)が除去されるが、GRAと同一の手順(前述に説明される)を用いて3D印刷された。変換および最適化されたGコードが、次いで、多材料熱溶解積層法(FDM)3Dプリンタ(System 30M, Hyrel 3D)を用いて3D印刷された。1.75mmの直径を伴うPLAが、構造を作成するために使用された。全ての制御デバイスは、次いで、胃腔の内側の印刷されたデバイスのX線可視化を可能にするために、約4mm離間される、1列における3つのステンレス鋼撮像プローブ(1mmのビーズ)を埋設された(
図3Cの挿入画像参照)。
【0182】
胃滞在電子機器(GRE)加工:GREが、
図2Hに示されるように、CADモデルが電子機器およびバッテリと統合されるが、GRAと同一の手順(前述で説明される)を用いて3D印刷された。2.4GHz Bluetooth(登録商標)無線電子機器基板(Texas Instruments)およびコインセルバッテリが、組み立てられ、3D印刷されたGRA構造と統合された。エポキシ(3M United States)および伝導性トレースが、特注の3Dプリンタ(AGS 15000, Aerotech Inc.)を用いて3D印刷された。3Dプリンタの分注は、デジタル空気圧調整器(Ultimus V High Precision Dispenser, EFD)を用いて変調された。局部加熱が、3D印刷された部分の残りの間隙をシールするために、はんだごてを用いて3D印刷されたPLAに印加された。
【0183】
生体内実験:生体内ブタ研究が、生後4~8カ月であり、体重が約35~58kgである雌のヨークシャーブタにおいて実施された。生体内実験は、盲検化または無作為化されなかった。内視鏡検査またはプロトタイプの投与に先立って、動物は、手技の直前まで1晩中絶食させられた。内視鏡特性評価および展開研究に関する手技の日に、動物は、テラゾール(チレタミン/ゾラゼパム、5mg/kg)、キシラジン(2mg/kg)、およびアトロピン(0.04mg/kg)の筋肉内注射により麻酔され、ブタは、挿管され、吸入イソフルラン(1~3%)で維持された。食道は、食道オーバーチューブ(US Endoscopy)を挿管された。プロトタイプは、プロトタイプを通過させるために、内視鏡を使用して、オーバーチューブを通して胃に直接送達された。動物は、プロトタイプ場所を評価するために、周期的にX線撮影された。合計で10個の胃堆積デバイスが、10回の別個のブタ実験(対照群に関して3回、GRAに関して4回、およびGREに関して3回)において評価された(
図2G参照)。動物は、糞排泄、腹部膨満、嗜眠、食欲不振、および不快感のいずれかの兆候の変化に関して1日2回監視された。本デバイスを投与された動物のうちのいずれにおいても、異常な臨床所見は全く存在しなかった。
【0184】
無線性能:無線電子機器性能を特性評価するために、7つのデバイスのRSSI強度が、最初に、スマートフォンを用いて210cmの範囲内の周囲条件において測定された。生体内の本デバイスのRSSI強度を特性評価するために、本デバイスは、前述の手技に説明されるようなヨークシャーブタ(51kg)の胃に送達された。RSSIは、Androidタブレットを用いて、3つの直交する方向においてブタの腹部表面に対して測定された。同様に、本デバイスは、生体内温度測定を実施することによって、双方向通信の性能を評価するために、前述で説明されるようなブタの胃に送達される(
図4C)。
【0185】
寿命最適化および特性評価:GREの寿命を特性評価するために、本デバイスは、通信プロトコル(アドバタイズメント、接続)に構成され、Androidプラットフォーム(Android 5.0, Google)によって要求される温度測定を実施するように構成された。最大動作寿命は、アドバタイズメントおよび接続実験に関して収集されたパケットから決定された。具体的には、接続試験に関して、GREは、以下の接続パラメータ、すなわち、240ミリ秒の「接続間隔」、49の「スレーブ遅延」設定を伴う中央デバイスから1.2mの距離においてBluetooth(登録商標)接続を維持するように構成される。アドバタイズメント試験に関して、GREは、10秒間隔においてアドバタイズするように構成され、パケットが、それに応じて、寿命を決定するために測定される。温度測定試験に関して、カスタマイズされたAndroidプログラムが、構築され(Android Studio, Google)、GREの規定されたMACアドレスに基づいて、接続をシークおよび確立し、GREにおいて温度測定コマンドを開始し、温度データを伝送および記憶し、規定された測定間隔においてサイクルを繰り返す前に本デバイスを接続解除する。長期生体内温度測定(
図4D)が、1時間の測定間隔で、37℃および100RPMにおける培養器内で実施された。最大動作寿命は、収集された温度読取値の時点から計算された。
【0186】
ドキシサイクリン制御放出製剤:ドキシサイクリンの持続的放出製剤を調製するために、
ドキシサイクリン塩酸塩(20重量%)およびポリ(ε-カプロラクトン)(37k Da)(80重量%)が、ガラスバイアル内で計量された。ガラスバイアルは、次いで、対流式オーブン内に設置され、ポリマーを融解するために90℃に加熱された。いったんポリマーが融解すると、バイアルの内容物は、薬物粉末を均一に分散させるように激しく混合された。混合物は、再びオーブン内に設置され、融解に応じて、薬物リザーバの中に移送された。薬物リザーバは、製剤を充填する前および充填後、装填された薬物の量を取得するために計量された。
【0187】
ドキシサイクリンの生体外薬物放出:持続的放出ドキシサイクリン製剤からの薬物放出を分析するために、上記で合成された製剤が、攪拌培養器(37℃および100RPM)内の25mLのシミュレートされた胃液(SGF)中に設置された。種々の時間に、放出媒体の一部が、一定分量にされ、さらなる特性評価まで-20℃に凍結された。残りの放出媒体は、廃棄され、新鮮な媒体と交換された。研究は、1週間にわたって実行された。研究の完了に応じて、種々の時間に一定分量にされた放出媒体中の薬物濃度が、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用して決定された。HPLCは、Agilent 1260 Infinity HPLCシステム上で実施された。クロマトグラフィ分離は、55℃において設置されたAdvanceBio RP-mAb SB-C8カラム(4.6×100mm、3.5m粒子サイズ)上で実行された。移動相は、20mMリン酸カリウム緩衝液(pH6)(60%)およびアセトニトリル(40%)の混合物から成っていた。移動相は、4分のHPLC実行時間にわたって0.85mL/分において流動された。分析毎に、5μLのサンプルが、カラム上に注入され、UV吸光度が、λmax=350nmにおいて監視された。
【0188】
3D印刷可能レボノルゲストレル制御放出製剤:レボノルゲストレル放出製剤は、均質な粘性懸濁液中で質量単位で30%のレボノルゲストレル(Astatech)を70%のPDMS(Dow Corning)と組み合わせた。混合物は、3D印刷された薬物リザーバの中に印刷され、対流式オーブン内で1晩中固化された。
【0189】
レボノルゲストレルの生体外薬物放出:レボノルゲストレルの3D印刷製剤からの薬物放出が、37℃および100RPMにおける攪拌培養器内で25mLのSGH中で試験された。残りの分析ステップは、ドキシサイクリンに関して説明されるものと同じ方法によって実施された。レボノルゲストレルのHPLC分析に関して、Poroshell 120(EC-C18、2.7μm粒子サイズを伴う4.6×50mmカラム)が、使用された。カラムは、50℃に維持された。勾配方法が、開発され、移動相は、水とアセトニトリルとから成っていた。移動相は、時間ゼロにおいて100%水性として開始され、2分にわたって100%有機相に線形に変化した。組成物は、次の2.5分にわたって100%有機相において保持され、次いで、次の0.1分にわたって100%水相に戻るように変化した。これは、4.6分の合計実行時間を与え、1.25分のポスト時間が続いた。検出は、250nmにおいて実行された。
【0190】
生体内長期温度監視:生体内実験が、前述で説明される手技に従って実行された。長期温度監視に関して、ブタが、1.52m×1.52mの面積を伴う囲いの中で自由に動き回るままにされた。Androidタブレットが、途絶を防止するために、地面から1.49m上方に設置された。本デバイスは、8秒アドバタイズメント間隔においてアドバタイズするように構成された。2つのタブレットが、本デバイスの電子機器寿命を評価するために、アドバタイズされたパケットを収集するように構成された(
図5C)。付加的タブレットが、GREとの双方向接続を確立するための専用とされ、1時間の最小間隔において深部温度を測定した(
図5D)。
GRA折畳力測定:
【0191】
漏斗試験装置が、幽門を通したGRAの通過をシミュレートするために使用された。これらの実験では、GRAプロトタイプが、機械的テスタ(Instron)内でアルミニウムロッドによって13mmの最大変位まで押動され、最大折畳力が、測定された。
図6に示されるように、GRAを用いて評価された折畳力は、平均で7.7N(最初のサイクル時)~7.0N(10,000サイクル後)に及ぶ。GRAはまた、10,000サイクル後に折畳力を維持し、比較的により少ない程度の折畳力の低減を伴った。
【0192】
PCL-PLA GRA:最初にPLAを支持構造としての水溶性ポリビニルアルコール(PVA)と共印刷することによる、PCLベースのポリウレタンを組み込む能力が、実証された。熱可塑性ポリウレタン(
図3Aの橙色領域)の代わりにPVAを共印刷する修正を除いて、
図3Aに示されるようなGRAの3Dコンピュータ支援設計(CAD)モデルが、最初に、前述で説明されるようなSolidworks 2016(Dassault Systemes)を用いて作成された。ステレオリソグラフィ(STL)ファイルが、次いで、デジタル的にスライスされ、Gコードにおける印刷パスに変換された(3D Slicer)。変換および最適化されたGコードが、次いで、多材料熱溶解積層法(FDM)3Dプリンタ(Ultimaker 3, Ultimaker)を用いて3D印刷された。2.85mmの直径を伴うPLAおよびPLAフィラメント(Ultimaker)が、それぞれ、堅性コンポーネントおよび支持コンポーネントを作成するために使用され、PVAが、次いで、水で除去された。PCLエラストマが、最初に、6:1.3:0.027:9.5モル比のPCLジオール(MW, 530, Sigma Aldrich)、PCLトリオール(MW, 900, Sigma Aldrich)、線形PCL(MW, 45,000, Sigma Aldrich)、およびヘキサメチレンジイソシアネート(Sigma Aldrich)の混合によって合成される。プレポリマーが、次いで、PCL-PLAベースのGRA構造を作成するために、ネガティブ型金型上に静止される3D印刷モデルの除去されたPVA構造(
図3Aのコア領域)の中に鋳造される。PCL-PLA GRA構造は、
図7に説明されるように、平均で6.7N(最初のサイクル時)~6.5N(3,000サイクル後)の折畳力を実証する。これは、
図6にGRAに関して説明される折畳力と同一の順序である。折畳力は、3,000サイクル後の6.5Nから5,980サイクル後の3.1Nに減少し、これは、胃滞在アームのうちの1つの弱化、続けて、その破損に起因する。これは、鋳造されたPCLエラストマ中の微視的気泡から伝搬した亀裂に起因する可能性が高い。将来の作業は、例えば、PCLエラストマ3D印刷方略を開発し、鋳造プロセスに取って代わることによって、本デバイスの疲労抵抗を改良するために材料合成プロセスを改良することができる。要約すれば、GRAおよびGREの加工手順は、FDMを通して直接3D印刷されることができない熱硬化性プラスチックを組み込むように修正され得ることが示された。これは、例えば、潜在的に、FDA承認材料および潜在的臨床的合併症をさらに最小限にし得る腸溶性ポリマー等の新規の応答性材料の組み込みを可能にすることができる。
【0193】
遠隔トリガ実証:2つの概念証明実験が、大型動物モデルの胃内のGREを用いて遠隔トリガを達成する能力を実証するために、生体内で実施された。具体的には、電気活性接着剤が、電子機器からのGRA分離および薬物の遠隔送達を達成するために開発された。
【0194】
電気活性接着剤の合成:最初に、低融解温度導電性ナノ複合材料が、合成された。具体的には、ポリ(ε-カプロラクトン)(Sigma Aldrich)および10重量%カーボンナノチューブ(Sigma Aldrich)が、1.75mmの平均直径および100Sm-1の導電率を伴う3D印刷可能フィラメントを作成するために、二軸マイクロコンパウンディング(Xplore Instruments, Netherlands)を用いて混合される。電気活性接着剤は、印刷された伝導性トレースを介してGRE内のマイクロコントローラスイッチに電気的に接続された。電気活性接着剤は、3D印刷されたPLA構造を用いてばねを圧縮するために使用された。Androidタブレットを用いた無線トリガに応じて、ジュール熱が、接着剤強度を弱化させるように複合体マトリクスを融解し、ばね内に貯蔵された弾性エネルギーが構造分離を引き起こすことを可能にするであろう。そのようなトリガは、内視鏡検査画像シーケンスに示されるように、胃腔内で生体内で達成され得ることが示された。
【0195】
(1)生体内でトリガされるGRA分離:デバイス分離を達成する能力を実証するために、GRAが、電気活性接着剤を用いて、3D印刷されたGREの「ヘッド」に接合された。本デバイスは、ブタの胃に送達された。分離プロセスの捕捉に役立てるために、GRAアームは、結束された。
図8Aに説明されるように、本デバイスは、最初に、無傷であった。分離が、次いで、Androidタブレットを介してトリガされ、GRAは、1分後に分離された。分離された構造のわずかな移動は、GRAがGREの「ヘッド」から取り外されて完成されたことを示す。
図8Cは、圧縮システム(埋設ばね)が観察され得る分離されたデバイスを示す。
【0196】
(2)薬物リザーバカバーの生体内無線トリガ可能放出:別様に酸性環境内で不活性である金は、電気化学ポテンシャルを偏移させることによって電気化学的に腐食され得る。薬物放出膜として金を使用すると、摂取可能電子機器は、300nm厚さの金の膜を用いてシールされるリザーバ(2mm×1mm×1.5mm)内のモデル薬物(メチレンブルー)のマイクログラムの放出に給電するように使用され得ることが以前に示された。腐食の間、要求される最大電力消費は、0.8mWであり、これは、明確にGREシステムによって利用可能な最大電力(45mW)以内である。無線大量薬物送達を達成する能力を実証するために、3D印刷されたPLA薬物窓(4mm×4mm×0.5mm)が、電気活性接着剤がばねを圧縮する、3D印刷されたGREの「ヘッド」における3D印刷されたドキシサイクリン粉末リザーバをカプセル化する。
図9Aに示されるように、本デバイスは、前述で説明されるような手技でブタの胃に送達された(実験方法における「生体内実験」参照)。トリガに応じて、電気活性接着剤のジュール熱は、リザーバカバーの放出を引き起こし、胃液の浸潤が、
図9Bに示されるようにカプセル化された薬物を溶解することを可能にする。リザーバカバーのトリガされた開放は、送達部位上の粘液性被覆にもかかわらず、正常であったことに留意されたい。(添付された補足ビデオ参照)。
図9Cは、トリガされたウェルを被覆する粘液が内視鏡を通して水を注入することによって除去された後の圧縮システムを示す。本実験は、2匹の異なるブタを用いて2つの他のデバイスで繰り返され、全て成功した。開放された薬物カバーの中への胃液の浸潤は、水溶性ドキシサイクリンを溶解するであろうと仮定される。ここでは、薬物リザーバカバーの無線放出を達成する能力が、実証された。そのようなシステムは、送達のための摂取可能ピルを保管するために適合するはずである。
【0197】
要約すれば、GREチップセットを用いて要求に応じた機械的および構造的変化を達成する能力が、実証され、これは、生体内での薬物含有リザーバの放出および他の潜在的用途のために使用されることができる。
【0198】
本発明のいくつかの実施形態が、本明細書に説明および例証されたが、当業者は、本明細書に説明される機能を果たす、および/または結果および/または利点のうちの1つ以上のものを取得するための種々の他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変形例および/または修正はそれぞれ、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明の教示が使用される具体的な用途または複数の用途に依存するであろうことを容易に理解するであろう。当業者は、ルーチン実験のみを使用して、本明細書に説明される本発明の具体的実施形態の多くの均等物を認識するであろう、または確認することが可能であろう。したがって、前述の実施形態は、実施例としてのみ提示され、添付される請求項およびその均等物の範囲内で、本発明は、具体的に説明および請求されるものとは別様に実践され得ることを理解されたい。本発明は、本明細書に説明される各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本発明の範囲内に含まれる。
本明細書および請求項において本明細書に使用されるような不定冠詞「a」および「an」は、明確に反対に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0199】
本明細書および請求項において本明細書に使用されるような語句「および/または」は、そのように結合される要素の「いずれか一方または両方」、すなわち、ある場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。明確に反対に示されない限り、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか、または関連しないかどうかにかかわらず、「および/または」の節によって具体的に識別される要素以外の他の要素も、随意に、存在し得る。したがって、非限定的実施例として、「Aおよび/またはB」の言及は、「comprising(~を備える)」等の非制約的言語と併用されるときに、一実施形態では、Bを伴わないA(随意に、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Aを伴わないB(随意に、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(随意に、他の要素を含む)等を指すことができる。
【0200】
本明細書および請求項において本明細書に使用されるように、「または」は、上記で定義されるような「および/または」と同一の意味を有するように理解されるべきである。例えば、リストの中の項目を分離するとき、「または」または「および/または」は、包括的である、すなわち、少なくとも1つの包含であるが、いくつかの要素または要素のリストのうちの1つを上回るもの、随意に、付加的な列挙されていない項目も含むものとして、解釈されるものとする。「~のうちの1つのみ」または「~のうちの厳密に1つ」、または請求項で使用されるときに、「~から成る」等の明確に反対に示される用語のみが、いくつかの要素または要素のリストのうちの厳密に1つの要素の包含を指すであろう。一般に、本明細書に使用されるような用語「または」は、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、または「~のうちの厳密に1つ」等の排他性の用語が先行するときに、排他的代替物(すなわち、「両方ではないが一方または他方」)を示すものとして解釈されるのみとする。「本質的に~から成る」は、請求項で使用されるときに、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有するものとする。
【0201】
本明細書および請求項において本明細書に使用されるように、1つ以上の要素のリストの参照における語句「少なくとも1つ」は、要素のリストの中の要素のうちのいずれか1つ以上のものから選択されるが、要素のリスト内に具体的に列挙されるありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストの中の要素のいかなる組み合わせも除外しない、少なくとも1つの要素を意味するように理解されるべきである。本定義はまた、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか、または関連しないかどうかにかかわらず、語句「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内で具体的に識別される要素以外の要素が、随意に、存在し得ることも可能にする。したがって、非限定的実施例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない(随意に、B以外の要素を含む)、随意に、1つを上回るAを含む、少なくとも1つのA、別の実施形態では、Aが存在しない(随意に、A以外の要素を含む)、随意に、1つを上回るBを含む、少なくとも1つのB、さらに別の実施形態では、随意に、1つを上回るAを含む、少なくとも1つのA、および随意に、1つを上回るBを含む、少なくとも1つのB(随意に、他の要素を含む)等を指すことができる。
【0202】
請求項では、および上記の本明細書では、「comprising(~を備える)」、「including(~を含む)」、「carrying(~を担持する)」、「having(~を有する)」、「containing(~を含有する)」、「involving(~を伴う)」、「holding(~を保持する)」、および同等物等の全ての移行句は、非制約的である、すなわち、「限定ではないが、~を含む」を意味するように理解されるものである。移行句「consisting of (~から成る)」および「consisting essentially of(本質的に~から成る)」のみが、それぞれ、米国特許庁特許審査手順マニュアル第2111.03節に記載されるように、閉鎖的または半閉鎖的移行句であるものとする。