IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図1
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図2A
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図2B
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図3
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図4
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図5
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図6
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図7
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図8
  • 特許-粒子分析器のための特性評価および選別 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】粒子分析器のための特性評価および選別
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
G01N15/14 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020559470
(86)(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019028527
(87)【国際公開番号】W WO2019209723
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】62/663,106
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】トロッター,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】パーセル,バークレー
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-505392(JP,A)
【文献】特表2017-535764(JP,A)
【文献】特表2013-529891(JP,A)
【文献】特表2010-528289(JP,A)
【文献】特表2012-507799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0169786(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00-15/14,33/48-33/98
B03C 3/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
1つ以上の処理デバイスの制御下で、
粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、
前記測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、前記ツリーは少なくとも3つのグループを有する、ツリーを生成することと、
前記測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、
前記第1のグループでの前記実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように前記粒子分析器を構成することであって、前記後続の粒子は粒子の前記第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することと
を含む、
コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、前記第1のグループは前記ゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することをさらに含む、
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
教師なし学習をすることであって、前記第1のグループは前記ゲート情報によって定義される、教師なし学習をすることをさらに含む、
請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、前記第1のグループは前記ゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することと、
前記教師なし学習の結果と前記ゲート情報との間の差異が閾値に対応すると決定することと、
前記差異を識別するアラートの表示を引き起こすことと
をさらに含む、
請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記第1のグループに含まれるイベントと前記第2のグループに含まれるイベントとの間のイベント距離の特性評価するための確率密度関数に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のグループと前記第2のグループとの間の前記関連性の尺度を生成することであって、前記確率密度関数は好ましくはユークリッド距離関数またはマハラノビス距離関数を有する、関連性の尺度生成することをさらに含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記第1のグループについての包含閾値を受信することであって、前記包含閾値は前記第1のグループに対して前記第1のグループに未分類粒子を有するための測定値の第1の範囲を識別する、包含閾値を受信することと、
前記第1のグループについての除外閾値を受信することであって、前記除外閾値は前記第2のグループに対して前記未分類粒子を前記第1のグループから除外するための測定値の第2の範囲を識別する、除外閾値を受信することと
をさらに含み、
前記後続の粒子は、前記包含閾値および前記除外閾値に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のグループに分類される、
請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記後続の粒子と、前記第1のグループおよび前記第2のグループの各々との間の関連の可能性に少なくとも部分的に基づいて、共分散行列を生成することをさらに含み、
前記粒子分析器を構成することは、前記共分散行列に少なくとも部分的に基づいて、前記粒子分析器に含まれる選別回路を調整することを含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記選別回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイである、
請求項7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記粒子分析器から受信された前記測定値は、粒子の前記第1の部分によって蛍光発光された光の測定値を有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記関連性の尺度を生成することは、前記ツリーの前記第1および第2のグループに対してのみ実行される、
請求項1~9のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記後続の粒子を収集容器に向けることをさらに含む、
請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
システムであって、
1つ以上の処理デバイスと、
コンピュータ可読記憶媒体とを含んでおり、
前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記1つ以上の処理デバイスによって実行されると、前記システムに、
粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、
前記測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、前記ツリーは少なくとも3つのグループを有する、ツリーを生成することと、
前記測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、
前記第1のグループでの前記実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように前記粒子分析器を構成することであって、前記後続の粒子は粒子の前記第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することと
を実行させる命令を含む、
システム。
【請求項13】
実行されると、請求項1~11に記載の方法のいずれかを実行する命令を自身に記憶するコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
プロセッサを含む装置であって、
前記プロセッサは、請求項1~11に記載の方法のいずれかを実行するように構成されている、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、自動粒子評価の分野に関し、より詳細には、試料分析および粒子特性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フローおよび走査サイトメータなどの粒子分析器は、光散乱および蛍光などの電気光学測定に基づいて粒子の特性評価を可能にする分析ツールである。フローサイトメータにおいて、例えば、流体懸濁液中の分子、分析物結合ビーズ、または個々の細胞などの粒子は、典型的には、1つ以上のレーザからの励起光に粒子が曝露される検出領域を通過し、粒子の光散乱および蛍光特性が測定される。粒子またはその成分は、典型的には、検出を容易にするために蛍光色素で標識される。多数の異なる粒子または成分は、スペクトル的に異なる蛍光色素を使用して、異なる粒子または成分を標識することによって、同時に検出され得る。
【0003】
いくつかの実装形態では、測定される散乱パラメータの各々について1つ、および検出される異なる色素の各々について1つ以上の、多数の光検出器が分析器に含まれる。例えば、いくつかの実施形態は、色素当たり2つ以上のセンサまたは検出器が使用されるスペクトル構成を含む。取得されたデータは、光散乱検出器および蛍光放射の各々について測定された信号を含む。
【0004】
粒子分析器は、測定されたデータを記録し、データを分析するための手段をさらに含み得る。例えば、データ記憶および分析は、検出電子機器に接続されたコンピュータを使用して実行され得る。例えば、データは、表形式で記憶することができ、各行は、1つの粒子に関するデータに対応し、列は、測定された特徴の各々に対応する。粒子分析器からのデータを記憶するための「FCS」ファイル形式などの標準ファイル形式の使用は、別個のプログラムおよび/または機械を使用してデータを分析することを容易にする。現在の分析方法を使用して、データは、視覚化を容易にするために、典型的には、1次元ヒストグラムまたは2次元(2D)プロットで表示されるが、他の方法を使用して、多次元データを視覚化してもよい。
【0005】
例えば、フローサイトメータを使用して測定されるパラメータは、典型的には、前方散乱(FSC)と呼ばれる、ほぼ前方方向に沿った狭い角度で粒子によって散乱された励起波長の光、側方散乱(SSC)と呼ばれる励起レーザに対して直交方向に粒子によって散乱される励起光、およびスペクトル波長の範囲にわたって信号を測定する1つ以上の検出器において蛍光分子から、または特定の検出器または検出器のアレイにおいて主に検出される蛍光色素によって発せられる光を含む。蛍光色素標識抗体または他の蛍光プローブで様々な細胞タンパク質または他の成分を標識することから生じる光散乱特性および蛍光放射によって、異なる細胞タイプを識別することができる。
【0006】
フローサイトメータと走査サイトメータとの両方は、例えば、BD Biosciences(San Jose,Calif.)から市販されている。フローサイトメトリは、例えば、Landy et al.(eds.),Clinical Flow Cytometry,Annals of the New York Academy of Sciences Volume 677(1993);Bauer et al.(eds.),Clinical Flow Cytometry:Principles and Applications,Williams&Wilkins(1993);Ormerod(ed.),Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1994);Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);およびPractical Shapiro,Flow Cytometry,4th ed.,Wiley-Liss(2003)に記載されており、すべて参照により本明細書に組み込まれる。蛍光撮像顕微鏡は、例えば、Pawley(ed.),Handbook of Biological Confocal Microscopy,2nd Edition,Plenum Press(1989)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
マルチカラーフローサイトメトリによる細胞(または他の粒子)の分析から取得されるデータは、多次元であり、各細胞は、測定されたパラメータによって定義される多次元空間内の点に対応する。細胞または粒子の集団は、データ空間内の点のクラスタとして識別される。クラスタの識別、およびそれにより、集団の識別は、データの「散乱プロット」または「ドットプロット」と呼ばれる1つ以上の2次元プロットに表示される集団の周りにゲートを描画することによって手動で実行することができる。代替として、クラスタを識別することができ、集団の制限を定義するゲートを自動的に決定することができる。自動ゲーティングのための方法の例は、例えば、米国特許第4,845,653号、第5,627,040号、第5,739,000号、第5,795,727号、第5,962,238号、第6,014,904号、および第6,944,338号、ならびに米国特許公開第2012/0245889号に記載されており、各々参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
フローサイトメトリは、細胞および構成分子などの生物学的粒子の分析および単離のための貴重な方法である。したがって、これは、広範囲の診断および治療的用途を有する。方法は、流体ストリームを利用して粒子を直線的に分離し、粒子が単一ファイルで検出装置を通過できるようにする。個々の細胞は、流体ストリーム内のそれらの位置および検出可能なマーカーの存在に従って区別することができる。したがって、フローサイトメータを使用して、生物学的粒子の集団の診断プロファイルを特性評価し、生成することができる。
【0009】
生物学的粒子の単離は、フローサイトメータに選別または収集能力を追加することによって達成されている。1つ以上の所望の特性を有するものとして検出された分離されたストリーム内の粒子は、機械的または電気的分離によって試料ストリームから個々に単離される。この流動選別の方法は、異なるタイプの細胞を選別し、動物飼育のためにXおよびYの染色体を持つ精子を分離し、遺伝子解析のために染色体を選別し、特定の生物を複雑な生物集団から単離するために使用されてきた。
【0010】
ゲーティングは、試料から生成される可能性がある大量のデータを分類し、理解することを助けるために使用される。所与の試料について提示される大量のデータを考慮すると、データのグラフィカル表示を効率的に制御する必要がある。
【0011】
蛍光活性化粒子選別または細胞選別は、フローサイトメトリの特殊なタイプである。各細胞の特定の光散乱および蛍光特性に基づいて、粒子の異種混合物を、一度に1細胞ずつ、1つ以上の容器に選別するための方法を提供する。それは、個々の細胞からの蛍光信号を記録し、特に関心がある細胞を物理的に分離する。頭文字FACSは、Becton Dickinsonによって商標登録され、所有されており、蛍光活性化粒子選別または細胞選別を行うためのデバイスを指すために使用され得る。
【0012】
粒子懸濁液は、狭く、急速に流れる液体のストリームの中心付近に配置される。このフローは、粒子が検出領域に確率的に到達するとき(ポアソンプロセス)、平均してその直径に対して粒子間に大きな分離が存在するように配列される。振動機構は、新たに出現した流体ストリームを、検出領域で以前に特性評価された粒子を含む個々の液滴に安定して分離させる。システムは、一般に、2つ以上の粒子が液滴中に存在する確率が低くなるように調整される。粒子が収集されるように分類される場合、電荷がフローセルおよび新たに出現したストリームに、1つ以上の滴下形態の期間中に印加され、ストリームから分離される。次いで、これらの帯電した液滴は、液滴に印加される電荷に基づいて、液滴を標的容器内に迂回させる静電偏向システムを通って移動する。
【0013】
試料は、何百万個でないにしても、何千個もの細胞を含むことができる。細胞は、対象の細胞に試料を精製するために選別され得る。選別プロセスは、一般に、対象の細胞、対象ではない細胞、および識別できない細胞の3つの種類の細胞を識別することができる。高純度(例えば、対象の細胞の高濃度)で細胞を選別するために、所望の細胞が別の望ましくない細胞に近すぎる場合、液滴生成細胞ソータは、典型的には、選別を電子的に中止し、それによって、対象の粒子を含む液滴内に望ましくない粒子の任意の意図しない含有によって、選別された集団の汚染を低減する。
【発明の概要】
【0014】
いくつかの実施形態は、コンピュータ実装方法を含み、コンピュータ実装方法は、1つ以上の処理デバイスの制御下で、粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、ツリーは少なくとも3つのグループを含む、ツリーを生成することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成することであって、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することとを含む。
【0015】
方法のいくつかの実施形態は、後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することをさらに含む。
【0016】
方法のいくつかの実施形態は、教師なし学習をすることであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、教師なし学習をすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することと、教師なし学習の結果とゲート情報との間の差異が閾値に対応すると決定することと、差異を識別するアラートの表示を引き起こすこととを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、第1のグループに含まれるイベントと第2のグループに含まれるイベントとの間のイベント距離の特性評価するための確率密度関数に少なくとも部分的に基づいて、第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することを含む。いくつかの実施形態では、確率密度関数は、ユークリッド距離関数を有する。いくつかの実施形態では、確率密度関数は、マハラノビス距離関数を有する。方法のいくつかの実施形態は、第1のグループについての包含閾値を受信することであって、包含閾値は第1のグループに対して第1のグループに未分類粒子を含むための測定値の第1の範囲を識別する、包含閾値を受信することと、第1のグループについての除外閾値を受信することであって、除外閾値は第2のグループに対して未分類粒子を第1のグループから除外するための測定値の第2の範囲を識別する、除外閾値を受信することとを含み、後続の粒子は、包含閾値および除外閾値に少なくとも部分的に基づいて、第1のグループに分類される。
【0018】
方法のいくつかの実施形態は、後続の粒子と、第1のグループおよび第2のグループの各々との間の関連の可能性に少なくとも部分的に基づいて、共分散行列を生成することを含み、粒子分析器を構成することは、共分散行列に少なくとも部分的に基づいて、粒子分析器に含まれる選別回路を調整することを含む。いくつかの実施形態では、選別回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイである。
【0019】
いくつかの実施形態では、粒子分析器から受信された測定値は、粒子の第1の部分によって蛍光発光された光の測定値を有する。いくつかの実施形態では、粒子の第1の部分によって蛍光発光された光は、粒子の第1の部分に結合した抗体によって蛍光発光された光を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、関連性の尺度を生成することは、ツリーの第1および第2のグループに対してのみ実行される。いくつかの実施形態は、後続の粒子を収集容器に向けることを含む。
【0021】
いくつかの実施形態は、システムを含み、システムは、1つ以上の処理デバイスと、コンピュータ可読記憶媒体とを含んでおり、コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上の処理デバイスによって実行されると、システムに、粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、ツリーは少なくとも3つのグループを有する、ツリーを生成することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成することであって、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することとを実行させる命令を含む。
【0022】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示される実施形態のいずれか一つに記載の粒子分析器の計算構成の方法を含む。いくつかの実施形態は、実行されると、本明細書に開示された方法のいずれかを実行する命令を自身に記憶するコンピュータ可読媒体を含む。いくつかの実施形態は、プロセッサを含む装置を含み、プロセッサは、本明細書に開示される方法のいずれかを実行するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、添付の図面と併せて読む場合、以下の詳細な説明から最もよく理解され得る。図面には、以下の図が含まれる。
【0024】
図1】生物学的イベントを分析し、表示するためのグラフィックス制御システムの一例のための機能ブロック図である。
図2A】本明細書に提示される1つ以上の実施形態による細胞ソータシステムの概略図である。
図2B】本明細書に提示される1つ以上の実施形態による粒子ソータシステムの概略図である。
図3】計算に基づく試料分析および粒子特性評価のための粒子分析システムの機能ブロック図である。
図4】記載された実施形態のうちの1つ以上を実装するための例示的な電子構成を示す図である。
図5】計算に基づく試料分析および粒子特性評価の方法の一例を示すプロセスフロー図である。
図6】最小スパンツリーの一例を示す。
図7】B細胞の蛍光測定を示す二軸散乱プロットの一例を示す。
図8】計算に基づく試料分析および粒子特性評価の例示的な方法を示すプロセスフロー図である。
図9】トレーニングセット内の不変ナチュラルキラーT(iNKT)細胞として識別された細胞、および収集容器内のiNKTのプール内に実際に選別された細胞を示す三軸散乱プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書に提供される方法のいくつかの実施形態は、試料分析および粒子特性評価方法に関する。いくつかのそのような実施形態は、粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、特性評価された測定値および特徴に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、ツリーは少なくとも3つのグループを有する、ツリーを生成することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成することであって、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することとを含む。いくつかの実施形態は、後続の粒子を指定された収集位置(例えば、ウェルまたは収集チューブ)に向けることによってなど、後続の粒子を選別することも含む。
【0026】
本明細書で使用される場合、以下に具体的に記載される用語は、以下の定義を有する。このセクションで別段定義されない場合、本明細書で使用されるすべての用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「システム」、「器具」、「装置」、および「デバイス」は、一般に、ハードウェア(例えば、機械的および電子的)、ならびにいくつかの実装形態では、関連するソフトウェア(例えば、グラフィックス制御のための専門的なコンピュータプログラム)構成要素の両方を包含する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「イベント」は、一般に、細胞または合成粒子などの単一の粒子から測定されるデータのパケットを指す。典型的には、単一の粒子から測定されるデータは、1つ以上の光散乱パラメータ、および蛍光の強度など粒子から検出される蛍光から派生した少なくとも1つのパラメータまたは特徴を含むいくつかのパラメータを含む。したがって、各イベントは、測定および特徴のベクトルとして表され、各測定されたパラメータまたは特徴は、データ空間の1つの次元に対応する。いくつかの実施形態では、単一の粒子から測定されるデータは、画像データ、電気データ、時間データ、または音響データを含む。
【0029】
本明細書で使用される場合、細胞または他の粒子など、粒子の「集団」、または「亜集団」は、一般に、測定されたパラメータデータがデータ空間内にクラスタを形成するように、1つ以上の測定されたパラメータに関して特性(例えば、光学特性、インピーダンス特性、時間特性など)を所有する粒子グループを指す。したがって、集団は、データ内のクラスタとして認識される。逆に、各データクラスタは、一般に、典型的にはノイズまたはバックグラウンドに対応するクラスタも観察されるが、特定のタイプの細胞または粒子の集団に対応すると解釈される。クラスタは、例えば、測定されたパラメータのサブセットに関して、細胞または粒子の測定値から抽出された測定されたパラメータまたは特徴のサブセットのみで異なる集団に対応する寸法のサブセットで定義され得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、「ゲート」は、一般に、対象のデータのサブセットを識別する分類器境界を指す。サイトメトリでは、ゲートは、特に関心があるイベント群をバインドし得る。本明細書で使用される場合、「ゲーティング」は、一般に、データの所与のセットについて定義されたゲートを使用してデータを分類するプロセスを指し、ゲートは、ブール論理と組み合わされた1つ以上の対象の領域であり得る。
【0031】
本明細書で使用される場合、「イベント」は、一般に、細胞または合成粒子などの単一の粒子から測定されるデータの組み立てられたパケットを指す。典型的には、単一の粒子から測定されるデータは、1つ以上の光散乱パラメータまたは特徴、および測定された蛍光から派生した少なくとも1つの他のパラメータまたは特徴を含むいくつかのパラメータまたは特徴を含む。したがって、各イベントは、パラメータおよび特徴の測定値のベクトルとして表され、各測定されたパラメータまたは特徴は、データ空間の1つの次元に対応する。
【0032】
本発明がより詳細に記載される前に、本発明は、記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、当然ながら変わり得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0033】
値の範囲が提供される場合、文脈が別段明確に指示しない限り、その範囲の上限および下限と、その記載された範囲内の任意の他の記載された値または介在値との間の、下限の単位の10分の1までの各介在値が本発明の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、記載された範囲内の任意の具体的に除外された制限に従って、より小さい範囲に独立して含まれてよく、本発明内にも包含される。記載された範囲が制限の1つまたは両方を含む場合、それらの含まれる制限のいずれかまたは両方を除く範囲も本発明に含まれる。
【0034】
本明細書では、数値の前に「約」という用語が付けられて、特定の範囲が提示される。本明細書では、「約」という用語は、それが先行する正確な数、ならびにその用語が先行する数に近い、または近似する数について文字通りの支持を提供するために使用される。数が具体的に列挙された数に近いまたは近似しているか否かを決定する際に、近いまたは近似する列挙されない数は、それが提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な等価物を提供する数であり得る。
【0035】
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の任意の方法および材料も、本発明の実施または試験に使用することができるが、代表的な例示的な方法および材料が現在記載されている。
【0036】
本明細書に引用されるすべての公開および特許は、各個々の公開または特許が参照により組み込まれることを具体的かつ個別に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれ、引用される公開に関連した方法および/または材料を開示し、記載するために参照により本明細書に組み込まれる。いずれかの公開の引用は、出願日前のその開示のためであり、本発明が先行発明によってそのような公開に先行する権利がないことを認めるものと解釈されないものとする。さらに、提供された公開日は、独立して確認される必要がある可能性がある実際の公開日とは異なる場合がある。
【0037】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、複数の参照を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、請求項の要素の列挙、または「否定的」な制限の使用に関連して、「単に」、「唯一」などの排他的な用語を使用するための先行詞として機能することが意図されている。
【0038】
本開示を読むと当業者には明らかになるように、本明細書に記載および例示される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはそれらと組み合わされ得る個別の構成要素および特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙されたイベントの順序、または論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。
【0039】
装置および方法は、機能的な説明を伴う文法的流動性のために記載されている、または記載されるが、特許請求の範囲は、35U.S.C.§112下で明示的に策定されない限り、「手段」または「ステップ」制限の構築によって必ずしも制限されるものと解釈されるべきではなく、同等物の司法理論の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味および同等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が35U.S.C.§112下で明示的に策定される場合、35U.S.C.§112下で完全な法定同等物が付与されるべきであることを明示的に理解されたい。
【0040】
試料の粒子を特性評価するためのシステム
上記で要約したように、本開示の態様は、試料の粒子を特性評価するためのシステムを含む。ある特定の実施形態によるシステムは、1つ以上の処理デバイスと、コンピュータ可読記憶媒体とを含んでおり、コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上の処理デバイスによって実行されると、システムに、粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、ツリーは少なくとも3つのグループを有する、ツリーを生成することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成することであって、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することとを実行させる命令を含む。
【0041】
対象の粒子分析器は、フローストリーム内に粒子(例えば細胞)を有する試料を照射するように構成されている光源を含む。実施形態では、光源は、任意の好適な広帯域または狭帯域の光源であってもよい。試料内の成分(例えば、細胞、ビーズ、非細胞粒子など)に応じて、光源は、例えば250nm~1250nm、例えば300nm~1000nm、例えば350nm~900nm、および400nm~800nmを含む、200nm~1500nmの範囲で変わる光の波長を発するように構成され得る。例えば、光源は、200nm~900nmの波長を有する光を発する広帯域光源を含んでよい。他の事例では、光源は、200nm~900nmの範囲の波長を発する狭帯域光源を含む。例えば、光源は、200nm~900nmの範囲の波長を有する光を発する狭帯域LED(1nm~25nm)であってよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、光源は、レーザである。対象のレーザは、パルスレーザまたは連続波レーザを含んでもよい。例えば、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザまたはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザまたはそれらの組み合わせなどのガスレーザ、スチルベン、クマリン、またはロダミンレーザなどの色素レーザ、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザまたは金レーザならびにそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザ、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、トリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザまたはセリウムドープレーザおよびこれらの組み合わせなどの固体レーザ、半導体ダイオードレーザ、光学ポンプ半導体レーザ(OPSL)、または上記レーザのいずれかの周波数2倍型または3倍型の実装であってもよい。
【0043】
他の実施形態では、光源は、これらに限定されないが、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、連続スペクトルを有する広帯域LEDなどの発光ダイオード、超発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED集積を含む、ランプなどの非レーザ光源である。いくつかの事例では、非レーザ光源は、安定化繊維結合広帯域光源、白色光源、とりわけ、他の光源またはそれらの任意の組み合わせである。
【0044】
ある特定の実施形態では、光源は、周波数シフト光の2つ以上のビームを生成するように構成されている光ビーム生成器である。いくつかの事例では、光ビーム生成器は、レーザ、高周波駆動信号を音響光学デバイスに印加して2つ以上の角度偏向レーザビームを生成するように構成されている高周波生成器を含む。これらの実施形態では、レーザは、パルスレーザまたは連続波レーザであってもよい。例えば、対象の光ビーム生成器内のレーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、またはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザまたはそれらの組み合わせなどのガスレーザ、スチルベン、クマリン、またはロダミンレーザなどの色素レーザ、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザまたは金レーザならびにそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザ、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、トリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザまたはセリウムドープレーザおよびこれらの組み合わせであってもよい。
【0045】
音響光学デバイスは、適用された音波を使用してレーザ光を周波数シフトするように構成されている任意の便利な音響光学プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、音響光学デバイスは、音響光学デフレクタである。対象システム内の音響光学デバイスは、レーザからの光および印加された高周波駆動信号から角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。高周波駆動信号は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)、任意の波形生成器(AWG)、または電気パルス生成器など、任意の好適な高周波駆動信号源を有する音響光学デバイスに印加され得る。
【0046】
実施形態では、コントローラは、例えば4個以上の高周波駆動信号、例えば5個以上の高周波駆動信号、例えば6個以上の高周波駆動信号、例えば7個以上の高周波駆動信号、例えば8個以上の高周波駆動信号、例えば9個以上の高周波駆動信号、例えば10個以上の高周波駆動信号、例えば15個以上の高周波駆動信号、例えば25個以上の高周波駆動信号、例えば50個以上の高周波駆動信号、および100個以上の高周波駆動信号を印加するように構成されていることを含む、例えば3個以上の高周波駆動信号を印加するように構成されているなど、高周波駆動信号を音響光学デバイスに印加して、出力レーザビーム内に所望の数の角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。
【0047】
いくつかの事例では、出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームの強度プロファイルを生成するために、コントローラは、例えば約0.005V~約400V、例えば約0.01V~約300V、例えば約0.05V~約200V、例えば約0.1V~約100V、例えば約0.5V~約75V、例えば約1V~50V、例えば約2V~40V、例えば3V~約30V、および約5V~約25Vを含む、約0.001V~約500Vで変わる振幅を有する高周波駆動信号を印加するように構成されている。印加された各高周波駆動信号は、いくつかの実施形態では、例えば約0.005MHz~約400MHz、例えば約0.01MHz~約300MHz、例えば約0.05MHz~約200MHz、例えば約0.1MHz~約100MHz、例えば約0.5MHz~約90MHz、例えば約1MHz~約75MHz、例えば約2MHz~約70MHz、例えば約3MHz~約65MHz、例えば約4MHz~約60MHz、および約5MHz~約50MHzを含む、約0.001MHz~約500MHzの周波数を有する。
【0048】
ある特定の実施形態では、コントローラは、メモリが自身に記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、所望の強度プロファイルを有する角度偏向レーザビームを有する出力レーザビームを生成させる。例えば、メモリは、同じ強度、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば10個以上、例えば25個以上、例えば50個以上を有する2つ以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含んでよく、メモリを含むことは、同じ強度を有する100個以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含んでよい。他の実施形態では、メモリは、異なる強度、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば10個以上、例えば25個以上、例えば50個以上を有する2つ以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含んでよく、メモリを含むことは、異なる強度を有する100個以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含んでよい。
【0049】
ある特定の実施形態では、コントローラは、メモリが自身に記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿って出力レーザビームの端から中心に増加する強度を有する出力レーザビームを生成させる。これらの事例では、出力ビームの中心における角度偏向レーザビームの強度は、例えば0.5%~約95%、例えば1%~約90%、例えば約2%~約85%、例えば約3%~約80%、例えば約4%~約75%、例えば約5%~約70%、例えば約6%~約65%、例えば約7%~約60%、例えば約8%~約55%、および水平軸に沿った出力レーザビームの端における角度偏向レーザビームの強度の約10%~約50%を含む、水平軸に沿った出力レーザビームの端における角度偏向レーザビームの強度の0.1%~約99%の範囲であり得る。他の実施形態では、コントローラは、メモリが自身に記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿って出力レーザビームの端から中心に増加する強度を有する出力レーザビームを生成させる。これらの事例では、出力ビームの端における角度偏向レーザビームの強度は、例えば0.5%~約95%、例えば1%~約90%、例えば約2%~約85%、例えば約3%~約80%、例えば約4%~約75%、例えば約5%~約70%、例えば約6%~約65%、例えば約7%~約60%、例えば約8%~約55%、および水平軸に沿った出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の約10%~約50%を含む、水平軸に沿った出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の0.1%~約99%の範囲であり得る。また他の実施形態では、コントローラは、メモリが自身に記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿ったガウス分布を有する強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。さらに他の実施形態では、コントローラは、メモリが自身に記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿ってトップハット強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。
【0050】
実施形態では、対象の光ビーム生成器は、空間的に分離された出力レーザビーム内で角度偏向レーザビームを生成するように構成され得る。出力レーザビームの印加された高周波駆動信号および所望の照射プロファイルに応じて、角度偏向レーザビームは、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上、および5000μm以上を含む、0.001μm以上によって分離され得る。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、出力レーザビームの水平軸に沿った隣接する角度偏向レーザビームと重複する角度偏向レーザビームを出力レーザビームに生成するように構成されている。隣接する角度偏向レーザビーム間の重複(ビームスポットの重複など)は、例えば0.005μm以上の重複、例えば0.01μm以上の重複、例えば0.05μm以上の重複、例えば0.1μm以上の重複、例えば0.5μm以上の重複、例えば1μm以上の重複、例えば5μm以上の重複、例えば10μm以上の重複、および100μm以上の重複を含む、0.001μm以上の重複であり得る。
【0051】
ある特定の事例では、周波数シフト光の2つ以上のビームを生成するように構成されている光ビーム生成器は、米国特許第9,423,353号、第9,784,661号、および第10,006,852号、ならびに米国特許公開第2017/0133857号および第2017/0350803号に記載されるようなレーザ励起モジュールを含み、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
実施形態では、システムは、試料からの光を検出し、測定するための1つ以上の光検出器を有する光検出システムを含む。対象の光検出器は、試料からの光吸収(例えば、明視野光データに関して)、光散乱(例えば、前方または側方散乱光データ)、発光(例えば、蛍光光データ)、またはそれらの組み合わせを測定するように構成され得る。対象の光検出器は、これらに限定されないが、他の光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(CCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体またはフォトダイオード、ならびにこれらの組み合わせなどの光学センサを含み得る。ある特定の実施形態では、試料からの光は、電荷結合デバイス(CCD)、半導体電荷結合デバイス(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補的金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、またはN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。
【0053】
いくつかの実施形態では、対象の光検出システムは、複数の光検出器を含む。いくつかの事例では、光検出システムは、フォトダイオードなどの複数の固体検出器を含む。ある特定の事例では、光検出システムは、フォトダイオードのアレイなどの光検出器アレイを含む。これらの実施形態では、光検出器アレイは、例えば10個以上の光検出器、例えば25個以上の光検出器、例えば50個以上の光検出器、例えば100個以上の光検出器、例えば250個以上の光検出器、例えば500個以上の光検出器、例えば750個以上の光検出器、および1000個以上の光検出器を含む、4個以上の光検出器を含み得る。例えば、検出器は、例えば10個以上のフォトダイオード、例えば25個以上のフォトダイオード、例えば50個以上のフォトダイオード、例えば100個以上のフォトダイオード、例えば250個以上のフォトダイオード、例えば500個以上のフォトダイオード、例えば750個以上のフォトダイオード、および1000個以上のフォトダイオードを含む、4個以上のフォトダイオードを有するフォトダイオードアレイであってよい。
【0054】
光検出器は、必要に応じて任意の幾何学的構成で配置されてもよく、対象の構成は、これらに限定されないが、正方形構成、長方形構成、台形構成、三角形構成、六角形構成、七角形構成、八角形構成、非長方形構成、十角形構成、十二角形構成、円形構成、楕円形構成、ならびに不規則パターン化構成を含む。光検出器アレイ内の光検出器は、(X-Z平面で参照されるように)他方に対して、例えば15°~170°、例えば20°~160°、例えば25°~150°、例えば30°~120°、および45°~90°を含む、10°~180°の範囲の角度で配向され得る。光検出器アレイは、任意の好適な形状であってもよく、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線形状、例えば、円、楕円形などの曲線形状、ならびに、例えば、平面頂部に結合された放物線底部などの不規則形状であってもよい。ある特定の実施形態では、光検出器アレイは、矩形状の活性表面を有する。
【0055】
アレイ内の各光検出器(例えばフォトダイオード)は、例えば10μm~225μm、例えば15μm~200μm、例えば20μm~175μm、例えば25μm~150μm、例えば30μm~125μm、および50μm~100μmを含む、5μm~250μmの範囲の幅を有し、例えば10μm~225μm、例えば15μm~200μm、例えば20μm~175μm、例えば25μm~150μm、例えば30μm~125μm、および50μm~100μmを含む、5μm~250μmの範囲の長さを有する活性表面を有していてよく、アレイ内の各光検出器(例えばフォトダイオード)の表面積は、例えば50μm~9000μm、例えば75μm~8000μm、例えば100μm~7000μm、例えば150μm~6000μm、および200μm~5000μmを含む、25μm~10000μmの範囲である。
【0056】
光検出器アレイのサイズは、光の量および強度、光検出器の数、および所望の感度に応じて変わり得、例えば0.05mm~90mm、例えば0.1mm~80mm、例えば0.5mm~70mm、例えば1mm~60mm、例えば2mm~50mm、例えば3mm~40mm、例えば4mm~30mm、および5mm~25mmを含む、0.01mm~100mmの範囲の長さを有し得る。光検出器アレイの幅はまた、例えば0.05mm~90mm、例えば0.1mm~80mm、例えば0.5mm~70mm、例えば1mm~60mm、例えば2mm~50mm、例えば3mm~40mm、例えば4mm~30mm、および5mm~25mmを含む、0.01mm~100mmの範囲で変わり得る。したがって、光検出器アレイの活性表面は、例えば0.5mm~5000mm、例えば1mm~1000mm、例えば5mm~500mm、および10mm~100mmを含む、0.1mm~10000mmの範囲であり得る。
【0057】
対象の光検出器は、例えば2つ以上の波長、例えば5つ以上の異なる波長、例えば10個以上の異なる波長、例えば25個以上の異なる波長、例えば50個以上の異なる波長、例えば100個以上の異なる波長、例えば200個以上の異なる波長、例えば300個以上の異なる波長、および400個以上の異なる波長でフローストリーム内の試料によって発せられる光を測定することを含む、1つ以上の波長で収集された光を測定するように構成されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、光検出器は、波長の範囲(例えば、200nm~1000nm)にわたって収集された光を測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、対象の光検出器は、ある範囲の波長にわたって光のスペクトルを収集するように構成されている。例えば、システムは、200nm~1000nmの波長範囲のうちの1つ以上にわたって光のスペクトルを収集するように構成されている1つ以上の検出器を含み得る。さらに他の実施形態では、対象の検出器は、1つ以上の特定の波長でフローストリーム内の試料からの光を測定するように構成されている。例えば、システムは、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、およびこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上で光を測定するように構成されている1つ以上の検出器を含んでよい。
【0059】
光検出システムは、連続的に、または別個の間隔で光を測定するように構成されている。いくつかの事例では、対象の光検出器は、収集された光の測定を連続的に行うように構成されている。他の事例では、光検出システムは、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、および1000ミリ秒毎を含む、または何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、個別の間隔で測定するように構成されている。
【0060】
図1は、生物学的イベントを分析し、表示するためのグラフィックス制御システムの一例のための機能ブロック図を示す。グラフィックスコントローラ120は、生物学的イベントのグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実装するように構成され得る。
【0061】
粒子分析器102は、生物学的イベントデータを取得するように構成され得る。例えば、フローサイトメータは、フローサイトメトリイベントデータを生成し得る。粒子分析器102は、グラフィックスコントローラ120に生物学的イベントデータを提供するように構成され得る。データ通信チャネルは、粒子分析器102とグラフィックスコントローラ120との間に含まれ得る。生物学的イベントデータは、データ通信チャネルを介してグラフィックスコントローラ120に提供され得る。
【0062】
グラフィックスコントローラ120は、粒子分析器102から生物学的イベントデータを受信するように構成され得る。粒子分析器102から受信される生物学的イベントデータは、フローサイトメトリイベントデータを含んでよい。グラフィックスコントローラ120は、生物学的イベントデータの第1のプロットを含むグラフィカル表示をディスプレイデバイス106に提供するように構成され得る。グラフィックスコントローラ120は、第1のプロット上に重ねられた、ディスプレイデバイス106によって示される生物学的イベントデータの集団の周りのゲートとして、対象の領域をレンダリングするようにさらに構成され得る。いくつかの実施形態では、ゲートは、単一のパラメータヒストグラムまたは二変量プロットに描画される1つ以上の対象のグラフィカル領域の論理的組み合わせであってもよい。加えて、グラフィックスコントローラ120は、ゲート内のディスプレイデバイス106上の生物学的イベントデータを、ゲートの外側の生物学的イベントデータ内の他のイベントとは異なるように表示するようにさらに構成されてもよい。例えば、グラフィックスコントローラ120は、ゲートの外側の生物学的イベントデータの色とは異なるようにゲート内に含まれる生物学的イベントデータの色をレンダリングするように構成され得る。ディスプレイデバイス106は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、またはグラフィカルインターフェースを提示するように構成されている他の電子デバイスとして実装され得る。
【0063】
グラフィックスコントローラ120は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成され得る。例えば、第1の入力デバイスは、マウス110として実装され得る。マウス110は、ディスプレイデバイス106上に表示される、またはディスプレイデバイス106を介して操作されるゲートを識別するグラフィックスコントローラ120へのゲート選択信号を開始してもよい(例えば、カーソルがそこに配置されるときに所望のゲートをクリックする、または所望のゲート内でクリックすることによって)。
【0064】
ゲート選択信号を受信した後、グラフィックスコントローラ120は、第2の入力デバイスからトリガイベントを受信するように構成され得る。第2の入力デバイスは、キーボード108として実装され得る。キーボード108は、トリガイベントを識別する信号をグラフィックスコントローラ120に送信することによって、プロット視覚化の変化を制御し得る。例えば、キーボード108上の特定のキーまたはキーのグループのアクティブ化は、特定のトリガイベントを生成し得る。トリガイベントに応答して、グラフィックスコントローラ120は、ゲートを維持し、および/または操作しながらディスプレイデバイス106上に表示される第1のプロットを第2のプロットに置き換え、例えば、ユーザがゲートを維持し、および/または操作しながら生物学的イベントデータの様々なプロットを巡回することを可能にするように構成され得る。
【0065】
第1および第2の入力デバイスは、マウス110、キーボード108、またはタッチスクリーン、スタイラス、光学検出器、または音声認識システムなどのグラフィックスコントローラ120に入力信号を提供するための他の手段のうちの1つ以上として実装され得る。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含んでもよい。そのような実装形態では、入力機能は各々、入力デバイスとみなされ得る。例えば、図1に示されるように、マウス110は、右マウスボタン112および左マウスボタン113を含み、それらの各々は、トリガイベントを生成し得る。
【0066】
トリガイベントは、グラフィックスコントローラ120に、データが表示される方法、またはデータのどの部分がディスプレイデバイス106上に実際に表示されるか、または両方を同時に変更させてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、グラフィックスコントローラ120は、ゲート選択がマウス110によっていつ開始されるかを検出するように構成され得る。グラフィックスコントローラ120は、ゲーティングプロセスを最適に容易にするために、プロットの視覚化を自動的に修正するようにさらに構成され得る。修正は、グラフィックスコントローラ120によって受信された生物学的イベントデータの特定の分布に基づいてもよい。
【0068】
グラフィックスコントローラ120は、記憶デバイス104に接続され得る。記憶デバイス104は、グラフィックスコントローラ120から生物学的イベントデータを受信し、記憶するように構成され得る。記憶デバイス104はまた、グラフィックスコントローラ120からフローサイトメトリイベントデータを受信し、記憶するように構成され得る。記憶デバイス104は、グラフィックスコントローラ120によるフローサイトメトリイベントデータなど、生物学的イベントデータの取り出しを可能にするようにさらに構成されてもよい。
【0069】
ディスプレイデバイス106は、グラフィックスコントローラ120からディスプレイデータを受信するように構成され得る。ディスプレイデータは、生物学的イベントデータのプロットおよびプロットのセクションを概説するゲートを含み得る。ディスプレイデバイス106は、粒子分析器102、記憶デバイス104、キーボード108、および/またはマウス110からの入力と併せて、グラフィックスコントローラ120から受信された入力に従って提示される情報を変更するようにさらに構成され得る。
【0070】
「静電細胞選別」と呼ばれ得る一般的な流動選別技術は、直線的に分離された粒子を含むストリームまたは移動流体カラムが液滴に分解され、対象の粒子を含む液滴が電気的に帯電され、電界を通過することによって収集チューブに偏向される液滴選別を利用する。現在の液滴選別システムは、100マイクロメートル未満の直径を有するノズルを通過する流体ストリームにおいて100,000滴/秒のレートで液滴を形成することができる。液滴選別は、典型的に、液滴がノズル先端から一定の距離でストリームから外れることを必要とする。距離は、通常、ノズル先端から数ミリメートル程度であり、ブレークオフを一定に保持するために、ある振幅の所定の周波数でノズル先端を振動させることによって、非摂動の流体ストリームについて安定させ、維持することができる。例えば、いくつかの実施形態では、所与の周波数で正弦波形状電圧パルスの振幅を調整することは、ブレークオフを安定かつ一定に保持する。
【0071】
典型的には、ストリーム内の直線的に同伴された粒子は、それらがフローセルもしくはキュベット内、またはノズル先端のすぐ下に位置する観測点を通過するときに特性評価される。粒子が1つ以上の所望の基準を満たすと識別されると、粒子が液滴ブレークオフポイントに到達し、液滴中にストリームから離れる時間を予測することができる。理想的には、選択された粒子を含む液滴がストリームから離れる直前に、短い電荷が流体ストリームに印加され、液滴が離れる直後に接地される。選別される液滴は、流体ストリームから離れると電荷を維持し、他の液滴はすべて非荷電のままである。帯電した液滴は、電界によって他の液滴の下向きの軌道から横方向に偏向され、試料チューブ内に収集される。非荷電の液滴は、直接ドレインに落ちる。
【0072】
図2Aは、本明細書に提示される一実施形態による、細胞ソータシステムの概略図である。1で、バーブ内のストリーム充電ワイヤを介して電荷が印加される。2で、試料は、光散乱および蛍光シグナルを生成する。信号が分析される。3で、帯電した液滴が離れる。4で、偏向板は、帯電した液滴を引き付けるか、またははね返して、液滴を宛先の収集容器に向かって誘導する。5で、帯電されていない液滴が廃棄物容器に通過する。6で、対象の粒子を含む帯電した液滴は、1つ以上の対応する収集容器内に収集される。選別電子機器は、測定値の収集を開始し、粒子の蛍光信号を受信し、粒子の選別を引き起こすように偏向板を調整する方法を決定するために含まれ得る。図2Aに示される実施形態の例示的な実装形態としては、Becton,Dickinson and Company of San Jose,Californiaによって商業的に提供されるフローサイトメータのBD FACSAria(商標)ラインが挙げられる。
【0073】
図2Bは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステム200の概略図である。いくつかの実施形態では、粒子ソータシステム200は、細胞ソータシステムである。図2Bに示されるように、液滴形成変換器202(例えば、圧電発振器)は、ノズルなどの流体導管201に結合される。流体導管201内で、シース流体204は、サンプル流体206を移動流体カラム208(例えば、ストリーム)内に流体力学的に集中させる。移動流体カラム208内で、粒子(例えば、細胞)は、監視エリア210(例えば、レーザストリーム交差)を横切るために、単一のファイルに並べられ、照射源212(例えば、レーザ)によって照射される。液滴形成変換器202の振動によって、移動流体カラム208は複数の液滴209になる。
【0074】
動作中、検出ステーション214(例えば、イベント検出器)は、対象の粒子(または対象の細胞)が監視エリア210を横切るときを識別する。検出ステーション214は、タイミング回路228に給電し、次に、タイミング回路228は、フラッシュ充電回路230に給電する。タイミング付き液滴遅延(Δt)によって通知される、液滴ブレークオフポイントで、対象の液滴が電荷を運ぶように、フラッシュ電荷が移動流体カラム208に印加される。対象の液滴は、選別される1つ以上の粒子または細胞を含み得る。次いで、荷電液滴は、偏向板(図示せず)を作動させて、液滴を収集チューブ、またはウェルが特に関心がある液滴に関連付けられ得るマルチウェル試料プレートなどの容器に偏向させることによって選別することができる。しかしながら、図2Bに示されるように、液滴は、ドレイン容器238内に収集される。
【0075】
検出システム216(例えば、液滴境界検出器)は、対象の粒子が監視エリア210を通過するときに、液滴駆動信号の位相を自動的に決定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器は、米国特許第7,679,039号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。検出システム216は、器具が、液滴中の各検出された粒子の場所を正確に計算することを可能にする。検出システム216は、振幅信号220および/または位相信号218に給電し、次に、振幅制御回路226および/または周波数制御回路224に(増幅器222を介して)給電する。振幅制御回路226および/または周波数制御回路224は、次に、液滴形成変換器202を制御する。振幅制御回路226および/または周波数制御回路224は、制御システムに含まれ得る。
【0076】
いくつかの実装形態では、選別電子機器(例えば、検出システム216、検出ステーション214、およびプロセッサ240)は、検出されたイベントを記憶するように構成されているメモリおよびそれに基づいた選別決定と結合され得る。選別決定は、粒子のイベントデータに含まれ得る。いくつかの実装形態では、検出システム216および検出ステーション214は、単一の検出ユニットとして実装され得るか、またはイベント測定値が検出システム216または検出ステーション214のうちの1つによって収集され、非収集要素に提供され得るように通信可能に結合され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、粒子選別システム200について記載される1つ以上の構成要素は、粒子を収集容器に物理的に選別するか否かにかかわらず、粒子を分析し、特性評価するために使用され得る。同様に、粒子分析システム300(図3)について以下に記載される1つ以上の構成要素は、粒子を収集容器に物理的に選別するか否かにかかわらず、粒子を分析し、特性評価するために使用され得る。例えば、粒子は、粒子ソータシステム200または粒子分析システム300の構成要素のうちの1つ以上を使用して、本明細書に記載される少なくとも3つのグループを含むツリーにグループ化または表示され得る。
【0078】
図3は、計算に基づく試料分析および粒子特性評価のための粒子分析システムの機能ブロック図を示す。いくつかの実施形態では、粒子分析システム300は、フローシステムである。図3に示される粒子分析システム300は、本明細書に記載される方法、例えば、図5の方法または図8の方法を全体的または部分的に実行するように構成され得る。粒子分析システム300は、流体システム302を含む。流体システム302は、試料チューブ310および試料の粒子330(例えば、細胞)が共通の試料経路320に沿って移動する試料チューブ内の移動流体カラムを含み得るか、またはそれと結合され得る。
【0079】
粒子分析システム300は、各粒子が共通の試料経路に沿って1つ以上の検出ステーションを通過する際に各粒子から信号を収集するように構成されている検出システム304を含む。検出ステーション308は、一般に、共通の試料経路の監視エリア340を指す。検出は、いくつかの実装形態では、粒子330が監視エリア340を通過する際に、光または粒子330の1つ以上の他の特性を検出することを含んでよい。図3では、1つの監視エリア340を有する1つの検出ステーション308が示されている。粒子分析システム300のいくつかの実装形態は、複数の検出ステーションを含んでもよい。さらに、いくつかの検出ステーションは、2つ以上のエリアを監視し得る。
【0080】
各信号は、粒子ごとにデータポイントを形成するために信号値が割り当てられる。上記で説明したように、このデータは、イベントデータと呼ばれる場合がある。データポイントは、粒子について測定されたそれぞれの特性の値を含む多次元データポイントであってもよい。検出システム304は、第1の時間間隔でそのようなデータポイントの連続を収集するように構成されている。
【0081】
粒子分析システム300はまた、制御システム306を含む。制御システム306は、図2Bに示されるように、1つ以上のプロセッサ、振幅制御回路226、および/または周波数制御回路224を含み得る。示される制御システム306は、流体システム302に動作可能に関連付けられる。制御システム306は、ポアソン分布および第1の時間間隔の間に検出システム804によって収集されたデータポイントの数に基づいて、第1の時間間隔の少なくとも一部について計算された信号周波数を生成するように構成されている。制御システム306は、第1の時間間隔の一部におけるデータポイントの数に基づいて実験信号周波数を生成するようにさらに構成されている。制御システム306は、さらに、実験信号周波数を、計算された信号周波数または所定の信号周波数と比較する。
【0082】
図4は、本明細書に記載された1つ以上の実施形態を実装するための例示的な電子構成を示す図である。例えば、図4の電子機器は、図1に示される粒子分析器102などの粒子分析器に含まれ得る。電子機器は、図5図6、または図8に示されるような計算粒子分析および特性評価のための方法を実装し得る。図4の電子機器は、プロセッサシステムリセット401、AXI相互接続402、マハラノビス距離(CompMd)403を計算するブロック403、AXIブロックランダムアクセスメモリ(BRAM)コントローラ404、ブロックメモリ生成器405、AXI汎用入出力(GPIO)406、およびチップ上のソフトウェアなどのプログラム可能処理システム407を含み、その例は、カリフォルニア州サンノゼのXilinx,Inc.から市販されているZYNQ-7000シリーズである。いくつかの実施形態では、CompMd 403は、粒子分析器によって分析される試料について選別論理を実装するように動的にプログラムされ得る計算エンジンを含む。計算エンジンは、マハラノビス計算エンジンを含んでよい。選別ロジックは、記載された計算分析特徴を使用して定義され得る。いくつかの実装形態では、選別ロジックは、記載されるような所定の数の粒子の測定値を収集し、処理した後に電子機器を構成するために提供され得る。いくつかの実装形態では、選別ロジックは、実験中に、実験に関連付けられた試料からの粒子の測定値の分析に応答して更新され得る。
【0083】
図4に示される例は、全体として、FPGA上に実装するためのマハラノビス距離計算論理ブロックの開発のために使用され得る試験ハーネスを含む。これは、CompMdが距離計算を実行するプログラマブルロジック(PL)と通信するための処理システム(PS)のアドバンストエクステンシブルインターフェース(AXI)相互接続を含む、Xilinx Zynqシステムオンチップ(SoC)の特定の例を示す。この構成の機能は、CompMd論理ブロックの検証を含む。検証されると、CompMdブロックは、フローサイトメータ構成にインポートされてもよく、それに応じて配線され、その結果が選別決定を行うために使用される。図4に示される電子機器は、図2A図2B、または図3に示されるような選別フローサイトメータに含まれ得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、生体試料内の細胞など、試料の構成要素を選別するように構成されている。「選別」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、試料の成分(例えば、細胞などの粒子、生体高分子を含む非細胞粒子)を分離し、いくつかの事例では、分離された成分を1つ以上の試料収集容器に送達することを指す。例えば、主題のシステムは、例えば3つ以上の成分、例えば4つ以上の成分、例えば5つ以上の成分、例えば10個以上の成分、例えば15個以上の成分、および25個以上の成分を有する試料を選別することを含む、2つ以上の成分を有する試料を選別するために構成され得る。試料成分のうちの1つ以上は、試料から分離され、試料収集容器に送達され、例えば2つ以上の試料成分、例えば3つ以上の試料成分、例えば4つ以上の試料成分、例えば5つ以上の試料成分、例えば10個以上の試料成分、および15個以上を含む試料成分は、試料から分離され、試料収集容器に送達され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、試料の細胞を選別するための粒子選別構成要素を含む。ある特定の事例では、粒子選別構成要素は、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号および2018年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/752,793号に記載されるものなど、粒子選別モジュールであり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、粒子選別構成要素は、2017年6月14日に出願された米国特許公開第2018/0095022号に記載されるものなど、1つ以上の液滴デフレクタを含み、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、本明細書に記載の方法を実践する試料内の粒子(例えば、生体試料内の細胞)を分析し、選別するためのフローサイトメトリシステムである。好適なフローサイトメトリシステムは、これらに限定されないが、Ormerod(ed.)、フローサイトメトリ:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press (1997);Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995);Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28;Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11;Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344;and Herbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものを含み、これらの開示が参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の事例では、対象のフローサイトメトリシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortess(商標)X-20フローサイトメータ、およびBD Biosciences FACSCalibur(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSCount(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSLyric(商標)細胞選別機、およびBD Biosciences Via(商標)細胞選別機、BD Biosciences Influx(商標)細胞選別機、BD Biosciences Jazz(商標)細胞選別機、BD Biosciences Aria(商標)細胞選別機、およびBD Biosciences FACSMelody(商標)細胞選別機などを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、主題の粒子選別システムは、例えば、米国特許第10,006,852号、第9,952,076号、第9,933,341号、第9,784,661号、第9,726,527号、第9,453,789号、第9,200,334号、第9,097,640号、第9,095,494号、第9,092,034号、第8,975,595号、第8,753,573号、第8,233,146号、第8,140,300号、第7,544,326号、第7,201,875号、第7,129,505号、第6,821,740号、第6,813,017号、第6,809,804号、第6,372,506号、第5,700,692号、第5,643,796号、第5,627,040号、第5,620,842号、第5,602,039号に記載されるものなど、フローサイトメトリシステムであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
ある特定の事例では、主題のシステムは、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されるもの、ならびに米国特許第9,423,353号、第9,784,661号、および第10,006,852号、ならびに米国特許公開第2017/0133857号および第2017/0350803号に記載されるものなど、高周波タグ付き発光(FIRE)を使用して蛍光撮像によって、フローストリーム内の粒子を撮像するように構成されているフローサイトメトリシステムであり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
試料の粒子を特性評価するための方法
上記で要約したように、本開示の態様は、粒子分析器からの粒子を特性評価するための方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、1つ以上の処理デバイスの制御下で、粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、ツリーは少なくとも3つのグループを有する、ツリーを生成することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成することであって、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することとを含む。
【0090】
ある特定の実施形態による方法を実践する際に、粒子を有する試料が光源で照射され、検出された光の測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成するために、試料からの光が検出される。いくつかの事例では、試料は、生体試料である。「生体試料」という用語は、その従来の意味で、全生物、植物、真菌、または、ある特定の事例において、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄、羊水、羊髄血、尿、膣液、および精液中に見られ得る動物組織、細胞、または成分部分のサブセットを指すために使用される。したがって、「生体試料」は、天然生物またはその組織のサブセットの両方、ならびに、これらに限定されないが、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の切片、呼吸器、胃腸、心血管、および泌尿器管、涙液、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含む、生物またはその組織のサブセットから調製されるホモジネート、溶解物、または抽出物を指す。生物学的試料は、健康組織と疾患組織(例えば、がん性、悪性、壊死性など)との両方を含む、任意のタイプの生物組織であってもよい。ある特定の実施形態では、生体試料は、血液またはその誘導体、例えば、血漿、涙液、尿、精液などの液体試料であり、いくつかの事例では、試料は、静脈穿刺または指先から取得された血液など、全血を含む血液試料である(血液は、防腐剤、抗凝固剤などのアッセイの前に任意の試薬と組み合わされてもよく、組み合わされなくてもよい)。
【0091】
ある特定の実施形態では、試料のソースは、「哺乳類」または「哺乳類の動物」であり、これらの用語は、肉食類(例えば、イヌおよびネコ)、げっ歯類(例えば、マウス、モルモット、およびラット)、および霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、およびサル)を含む、哺乳類内の生物を記載するために広く使用される。いくつかの事例では、対象は、ヒトである。方法は、両方の性別のヒト対象から取得された試料に、および発達の任意の段階(すなわち、新生児、乳幼児、少年、思春期、成人)に適用されてもよく、ある特定の実施形態では、ヒト対象は、少年、思春期、または成人である。本発明は、ヒト対象からの試料に適用され得るが、これらに限定されないが、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、およびウマなど他の動物対象(すなわち、「非ヒト対象」において)からの試料に対しても実施され得ることを理解されたい。
【0092】
主題の方法を実践する際に、粒子を有する試料(例えば、フローサイトメータのフローストリーム内)は、光源からの光で照射される。いくつかの実施形態では、光源は、例えば100nm以上、例えば150nm以上、例えば200nm以上、例えば250nm以上、例えば300nm以上、例えば350nm以上、例えば400nm、および500nm以上を含む、例えば50nm以上など、広範囲の波長を有する光を発する広帯域光源である。例えば、1つの好適な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を発する。好適な広帯域光源の別の例は、400nm~1000nmの波長を有する光を発する光源を含む。方法が広帯域光源で照射することを含む場合、対象の広帯域光源プロトコルは、これらに限定されないが、他の広帯域光源またはそれらの任意の組み合わせの中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化繊維結合広帯域光源、連続スペクトルの広帯域LED、超発光ダイオード、半導体発光ダイオード、ワイドスペクトルLED白色光源、マルチLED一体型白色光源を含み得る。
【0093】
他の実施形態では、方法は、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば25nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下、例えば10nm以下、例えば5nm以下、例えば2nm以下、および特定の光の波長(すなわち、単色光)を発する光源を含む、50nm以下の範囲のような狭波長範囲の光を発する光源など、特定の波長または狭い範囲の波長を発する狭帯域光源で照射することを含む。方法が、狭帯域光源で照射することを含む場合、対象の狭帯域光源プロトコルは、これらに限定されないが、狭波長LED、レーザダイオード、または1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、またはこれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源を含んでもよい。
【0094】
ある特定の実施形態では、方法は、フローストリームを1つ以上のレーザで照射することを含む。上述したように、レーザのタイプおよび数は、試料ならびに収集される所望の光に応じて変わり、パルスレーザまたは連続波レーザであり得る。例えば、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザまたはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザまたはそれらの組み合わせなどのガスレーザ、スチルベン、クマリン、またはロダミンレーザなどの色素レーザ、ヘリウムカドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザまたは金レーザならびにそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザ、例えば、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、トリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザまたはセリウムドープレーザおよびこれらの組み合わせなどの固体レーザ、半導体ダイオードレーザ、光学ポンプ半導体レーザ(OPSL)、または上記レーザのいずれかの周波数2倍型または3倍型の実装であってもよい。
【0095】
試料は、例えば2つ以上の光源、例えば3つ以上の光源、例えば4つ以上の光源、例えば5つ以上の光源、および10個以上の光源を含む、上記の光源のうちの1つ以上で照射され得る。光源は、任意のタイプの光源の組み合わせを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、および1つ以上の固体レーザを有するアレイなどのレーザのアレイでフローストリーム内の試料を照射することを含む。
【0096】
試料は、例えば250nm~1250nm、例えば300nm~1000nm、例えば350nm~900nm、および400nm~800nmを含む、200nm~1500nmの範囲の波長で照射され得る。例えば、光源が広帯域光源である場合、試料は、200nm~900nmの波長で照射され得る。他の事例では、光源が複数の狭帯域光源を含む場合、試料は、200nm~900nmの範囲の特定の波長で照射されてもよい。例えば、光源は、200nm~900nmの波長の範囲を有する光を各々独立して発する複数の狭帯域LED(1nm~25nm)であってよい。他の実施形態では、狭帯域光源は、1つ以上のレーザ(レーザアレイなど)を含み、試料は、上述のように、ガスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、および固体レーザを有するレーザアレイでなど、200nm~700nmの範囲の特定の波長で照射される。
【0097】
2つ以上の光源が採用される場合、試料は、光源で同時にもしくは順次、またはそれらの組み合わせで照射され得る。例えば、試料は、光源の各々で同時に照射され得る。他の実施形態では、フローストリームは、光源の各々で順次照射される。試料を順次照射するために2つ以上の光源が採用される場合、各光源が試料を照射する時間は、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、および60マイクロ秒以上を含む、単独で0.001マイクロ秒以上であってもよい。例えば、方法は、例えば0.01マイクロ秒~75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、および5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~100マイクロ秒の範囲の期間、試料を光源(例えば、レーザ)で照射することを含み得る。試料が2つ以上の光源で順次照射される実施形態では、持続時間試料が各光源によって照射されるのは、同じであっても異なってもよい。
【0098】
各光源による照射間の期間もまた、必要に応じて、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、および60マイクロ秒以上を含む、0.001マイクロ秒以上の遅延によって個別に分離して、変わり得る。例えば、各光源による照射間の期間は、例えば0.01マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、および5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~60マイクロ秒の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、各光源による照射間の期間は、10マイクロ秒である。試料が2つを超える(すなわち、3つ以上の)光源によって順次照射される実施形態では、各光源による照射間の遅延は、同じであっても異なっていてもよい。
【0099】
試料は、連続的に、または個別の間隔で照射され得る。いくつかの事例では、方法は、試料内の試料を光源で連続的に照射することを含む。他の事例では、試料は、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、および1000ミリ秒毎、または何らかの他の間隔を含む、個別の間隔で光源で照射される。
【0100】
光源に応じて、試料は、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上、および50mm以上を含む、変わる距離から照射されてもよい。また、角度または照射はまた、例えば90°の角度で、例えば15°~85°、例えば20°~80°、例えば25°~75°、および30°~60°を含む、10°~90°の範囲で変わり得る。
【0101】
主題の方法を実践する際に、照射された試料からの光は、例えば、波長の範囲(例えば、200nm~1000nm)にわたって試料からの光を収集することによって測定される。実施形態では、方法は、試料による光吸収の測定(例えば、明視野光データ)、光散乱の測定(例えば、前方散乱光データまたは側方散乱光データ)、および試料による光発光の測定(例えば、蛍光光データ)のうちの1つ以上を含み得る。
【0102】
試料からの光は、例えば5つ以上の異なる波長、例えば10個以上の異なる波長、例えば25個以上の異なる波長、例えば50個以上の異なる波長、例えば100個以上の異なる波長、例えば200個以上の異なる波長、例えば300個以上の異なる波長、および収集された光を400個以上の異なる波長で測定することを含む、1つ以上の波長で測定されてもよい。
【0103】
光は、200nm~1200nmの波長範囲のうちの1つ以上にわたって収集され得る。いくつかの事例では、方法は、例えば200nm~1200nm、例えば300nm~1100nm、例えば400nm~1000nm、例えば500nm~900nm、および600nm~800nmを含む、波長の範囲にわたって試料からの光を測定することを含む。他の事例では、方法は、1つ以上の特定の波長で収集された光を測定することを含む。例えば、収集された光は、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、およびこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上で測定され得る。ある特定の実施形態では、方法は、特定のフルオロフォアの蛍光ピーク波長に対応する光の波長を測定することを含む。
【0104】
収集された光は、連続的に、または個別の間隔で測定され得る。いくつかの事例では、方法は、光の測定を連続的に行うことを含む。他の事例では、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、および1000ミリ秒毎を含む、または何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、光は個別の間隔で測定される。
【0105】
収集された光の測定は、例えば2回以上、例えば3回以上、例えば5回以上、および10回以上を含む、主題の方法中に1回以上行われ得る。ある特定の実施形態では、試料からの光は2回以上測定され、ある特定の事例では、データが平均化される。
【0106】
いくつかの実施形態では、方法は、光を検出する前に、試料からの光をさらに調整することを含む。例えば、試料源からの光は、1つ以上のレンズ、鏡、ピンホール、スリット、格子、光屈折器、およびそれらの任意の組み合わせを通過し得る。いくつかの事例では、収集された光は、光のプロファイルを低減するように、1つ以上の集束レンズを通過する。他の事例では、試料から発せられた光は、光ビーム発散を低減するために1つ以上のコリメータを通過する。
【0107】
ある特定の実施形態では、方法は、試料に周波数シフト光の2つ以上のビームを照射することを含む。上述のように、レーザおよびレーザ光の周波数シフトのための音響光学デバイスを有する光ビーム生成器構成要素が採用され得る。これらの実施形態では、方法は、音響光学デバイスをレーザで照射することを含む。出力レーザビームで生成される光の所望の波長に応じて(例えば、フローストリーム内の試料を照射する際に使用するために)、レーザは、例えば250nm~1250nm、例えば300nm~1000nm、例えば350nm~900nm、および400nm~800nmを含む、200nm~1500nmの間で変わる特定の波長を有し得る。音響光学デバイスは、例えば2つ以上のレーザ、例えば3つ以上のレーザ、例えば4つ以上のレーザ、例えば5つ以上のレーザ、および10個以上のレーザを含む、1つ以上のレーザで照射され得る。レーザは、いくつかのタイプのレーザの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、音響光学デバイスを、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、および1つ以上の固体レーザを有するアレイなどのレーザのアレイで照射することを含む。
【0108】
2つ以上のレーザが採用される場合、音響光学デバイスは、同時にもしくは順次、またはそれらの組み合わせでレーザで照射され得る。例えば、音響光学デバイスは、レーザの各々で同時に照射され得る。他の実施形態では、音響光学デバイスは、レーザの各々で順次照射される。音響光学デバイスを順次照射するために2つ以上のレーザが採用される場合、各レーザが音響光学デバイスを照射する時間は、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、および60マイクロ秒以上を含む、単独で0.001マイクロ秒以上であってもよい。例えば、方法は、例えば0.01マイクロ秒~75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、および5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~100マイクロ秒の範囲の持続時間、音響光学デバイスをレーザで照射することを含み得る。音響光学デバイスが2つ以上のレーザで順次照射される実施形態では、音響光学デバイスが各レーザによって照射される持続時間は、同じであっても異なってもよい。
【0109】
各レーザによる照射間の期間もまた、必要に応じて、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、および60マイクロ秒以上を含む、0.001マイクロ秒以上の遅延によって個別に分離して、変わり得る。例えば、各光源による照射間の期間は、例えば0.01マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、および5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~60マイクロ秒の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、各レーザによる照射間の期間は、10マイクロ秒である。音響光学デバイスが2つを超える(すなわち、3つ以上の)レーザによって順次照射される実施形態では、各レーザによる照射間の遅延は、同じであっても異なっていてもよい。
【0110】
音響光学デバイスは、連続的に、または個別の間隔で照射され得る。いくつかの事例では、方法は、音響光学デバイスをレーザで連続的に照射することを含む。他の事例では、音響光学デバイスは、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、および1000ミリ秒毎、または何らかの他の間隔を含む、個別の間隔でレーザで照射される。
【0111】
レーザに応じて、音響光学デバイスは、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上、および50mm以上を含む、変わる距離から照射されてもよい。また、角度または照射はまた、例えば90°の角度で、例えば15°~85°、例えば20°~80°、例えば25°~75°、および30°~60°を含む、10°~90°の範囲で変わり得る。
【0112】
実施形態では、方法は、角度偏向レーザビームを生成するために、高周波駆動信号を音響光学デバイスに印加することを含む。2つ以上の高周波駆動信号は、例えば3つ以上の高周波駆動信号、例えば4つ以上の高周波駆動信号、例えば5つ以上の高周波駆動信号、例えば6つ以上の高周波駆動信号、例えば7つ以上の高周波動信号、例えば8つ以上の高周波駆動信号、例えば9つ以上の高周波駆動信号、例えば10個以上の高周波駆動信号、例えば15個以上の高周波駆動信号、例えば25個以上の高周波駆動信号、例えば50個以上の高周波駆動信号、および100個以上の高周波駆動信号を含む、音響光学デバイスに印加されて、所望の数の角度偏向レーザビームを有する出力レーザビームを生成し得る。
【0113】
高周波駆動信号によって生成される角度偏向レーザビームは、各々、印加された高周波駆動信号の振幅に基づいて強度を有する。いくつかの実施形態では、方法は、所望の強度で角度偏向レーザビームを生成するために十分な振幅を有する高周波駆動信号を印加することを含む。いくつかの事例では、印加された各高周波駆動信号は、例えば約0.005V~約400V、例えば約0.01V~約300V、例えば約0.05V~約200V、例えば約0.1V~約100V、例えば約0.5V~約75V、例えば約1V~50V、例えば約2V~40V、例えば3V~約30V、および約5V~約25Vを含む、単独で、約0.001V~約500Vの振幅を有する。印加された各高周波駆動信号は、いくつかの実施形態では、例えば約0.005MHz~約400MHz、例えば約0.01MHz~約300MHz、例えば約0.05MHz~約200MHz、例えば約0.1MHz~約100MHz、例えば約0.5MHz~約90MHz、例えば約1MHz~約75MHz、例えば約2MHz~約70MHz、例えば約3MHz~約65MHz、例えば約4MHz~約60MHz、および約5MHz~約50MHzを含む、約0.001MHz~約500MHzの周波数を有する。
【0114】
これらの実施形態では、出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームは、空間的に分離される。出力レーザビームの印加された高周波駆動信号および所望の照射プロファイルに応じて、角度偏向レーザビームは、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上、および5000μm以上を含む、0.001μm以上によって分離され得る。いくつかの実施形態では、角度偏向レーザビームは、例えば、出力レーザビームの水平軸に沿った隣接する角度偏向レーザビームと重複する。隣接する角度偏向レーザビーム間の重複(ビームスポットの重複など)は、例えば0.005μm以上の重複、例えば0.01μm以上の重複、例えば0.05μm以上の重複、例えば0.1μm以上の重複、例えば0.5μm以上の重複、例えば1μm以上の重複、例えば5μm以上の重複、例えば10μm以上の重複、および100μm以上の重複を含む、0.001μm以上の重複であり得る。
【0115】
ある特定の事例では、フローストリームを複数の周波数シフト光のビームで照射し、フローストリーム内の細胞が、高周波タグ付き発光(FIRE)を使用して蛍光撮像によって撮像されて、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されるもの、ならびに米国特許第9,423,353号、第9,784,661号および第10,006,852号、ならびに米国特許公開第2017/0133857号および第2017/0350803号に記載されるものなど、周波数符号化画像を生成し、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
実施形態では、方法は、検出された光の測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することを含む。関連する粒子のグループを表すツリーは、検出された光吸収、検出された光散乱、検出された光放射、またはそれらの任意の組み合わせから生成され得る。いくつかの事例では、検出された光の測定値は、例えば、明視野光検出器からなど、試料による光吸収からである。他の事例では、検出された光の測定値は、側方散乱検出器、前方散乱検出器、または側方散乱検出器と前方散乱検出器との組み合わせなど、試料から検出される光散乱から生成される。さらに他の事例では、検出された光の測定値は、試料に追加されたフルオロフォアからの光など、試料から発せられた光から生成される。さらに他の事例では、検出された光の測定値は、検出された光吸収、検出された光散乱、および検出された光発光の組み合わせから生成される。
【0117】
方法のいくつかの実施形態は、後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することをさらに含む。
【0118】
方法のいくつかの実施形態は、教師なし学習をすることであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、教師なし学習をすることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することと、教師なし学習の結果とゲート情報との間の差が閾値に対応すると決定することと、差異を識別するアラートの表示を引き起こすこととを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、方法は、第1のグループに含まれるイベントと第2のグループに含まれるイベントとの間のイベント距離の特性評価するための確率密度関数に少なくとも部分的に基づいて、第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することを含む。いくつかの実施形態では、確率密度関数は、ユークリッド距離関数を有する。いくつかの実施形態では、確率密度関数は、マハラノビス距離関数を有する。方法のいくつかの実施形態は、第1のグループについての包含閾値を受信することであって、包含閾値は第1のグループに対して第1のグループに未分類粒子を含むための測定値の第1の範囲を識別する、包含閾値を受信することと、第1のグループについての除外閾値を受信することであって、除外閾値は第2のグループに対して未分類粒子を第1のグループから除外するための測定値の第2の範囲を識別する、除外閾値を受信することとを含み、後続の粒子は、包含閾値および除外閾値に少なくとも部分的に基づいて、第1のグループに分類される。
【0120】
方法のいくつかの実施形態は、後続の粒子と、第1のグループおよび第2のグループの各々との間の関連の可能性に少なくとも部分的に基づいて、共分散行列を生成することを含み、粒子分析器を構成することは、共分散行列に少なくとも部分的に基づいて、粒子分析器に含まれる選別回路を調整することを含む。いくつかの実施形態では、選別回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイである。
【0121】
いくつかの実施形態では、粒子分析器から受信された測定値は、粒子の第1の部分によって蛍光発光された光の測定値を含む。いくつかの実施形態では、粒子の第1の部分によって蛍光発光された光は、粒子の第1の部分に結合した抗体によって蛍光発光された光を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、関連性の尺度を生成することは、ツリーの第1および第2のグループに対してのみ実行される。いくつかの実施形態は、後続の粒子を収集容器に向けることを含む。
【0123】
図5は、方法の一例を示すプロセスフロー図である。方法500は、計算に基づく試料分析および粒子特性評価を可能にする。いくつかの実施形態では、方法500は、コンピュータ実装される。いくつかの実施形態では、方法500は、1つ以上の処理デバイスの制御下にある。方法500は、図1~4に示されるものなど、示されるデバイスのうちの1つ以上を使用して実装され得る制御デバイスを使用して、全体的または部分的に実装され得る。
【0124】
ブロック501で、制御デバイスは、粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信し得る。測定値は、光、音、または画像測定値のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、光は、1つ以上の粒子によって散乱または蛍光される光を含む。例えば、光は、側方散乱または前方散乱レーザ光を含んでもよい。いくつかの実施形態では、粒子分析器から受信された測定値は、粒子の第1の部分によって蛍光発光された光の測定値を含む。いくつかの実施形態では、測定値は、1つ以上の粒子のサイズまたは複雑さに関する。
【0125】
粒子の第1の部分は、閾値測定計数に基づいて識別され得る。例えば、粒子の第1の部分は、試料について収集された第1の50,000個の測定値に対応し得る。いくつかの実施形態では、粒子は、1つ以上の細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、生存細胞を含む。細胞は、真核細胞、原核細胞、または古い細胞であり得る。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳類細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、造血細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、B細胞または免疫細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞のうちの1つ以上は、抗体または他の受容体によって認識され得るマーカーを表示する。いくつかの実施形態では、細胞は、1つ以上の細胞のマーカーを認識する蛍光標識抗体によって染色される。いくつかの実施形態では、測定値は、染色細胞によって発せられる光蛍光の量に関する。
【0126】
いくつかの実施形態は、後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することを含む。いくつかの実施形態では、ゲート情報は、グラフィカルユーザインターフェース上に描画されるポリゴンなどのユーザ選択によって少なくとも部分的に定義される。いくつかの実施形態では、ゲート情報は、教師なし学習によって定義される。例えば、方法500は、ゲート情報を定義するための教師なし学習を含んでもよい。いくつかの実施形態は、教師なし学習をすることであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、教師なし学習をすることを含む。いくつかの実施形態は、後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することと、教師なし学習の結果とゲート情報との間の差異が閾値に対応すると決定することと、差異を識別するアラートの表示を引き起こすこととを含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、粒子の第1の部分は、粒子の訓練セットを含む。例えば、訓練セットは、1つ以上の後続粒子を分類または選別する際に使用するためのゲートまたは他の情報を生成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、粒子の第1の部分は、数千、数万、数十万、または数百万個の粒子を含む。いくつかの実施形態では、数千、数万(例えば、50,000個)、数十万、または数百万個の後続の粒子が分類される。これらの粒子の各々は、その分類に基づいて選別されてもよい。
【0128】
ブロック502で、制御デバイスは、測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを識別し得る。関連する粒子を識別することは、測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することを含み得、ツリーは、少なくとも3つのグループを含む。いくつかの実施形態は、粒子のグループと、測定値に少なくとも部分的に基づく互いにそれらの関係とを表すツリーを生成することを含み、ツリーは、少なくとも3つのグループを含む。グループはまた、「ノード」または「クラスタ」とも呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、ツリーは、4個以上のグループ、例えば、4個、9個、10個、11個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個以上のグループを含む。説明は、粒子のグループ間の関係を表すための構造としてツリーを指し得るが、代替または追加の構造は、ベクトル、階層、参照セットなどの関係を表すために使用され得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、ツリーを生成することは、手動ゲーティング、クラスタリング、または選択された監督された方法および監督されていない方法の組み合わせによって集団を定義すること、ゲートおよびまたは派生したクラスタ内の集団イベントをサンプリングして共分散(CoV)行列を作成すること、行列関数距離メトリックを使用して、類似性を評価して、ノード類似性距離(例えば、各セットから他のすべてのセットへのマハラノビス距離)の対称隣接行列を生成すること、ノード類似性距離がエッジ重みとなる集団ノードの加重された非指向性グラフを作成すること、ならびに、最小スパニングツリーが、可能な限り小さいエッジ重みの合計を表す非指向性グラフ内の接続されたノード頂点のエッジのサブセットを表すように、加重された非指向性グラフ内のノードの力指向最小スパニングツリーを生成することのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、力指向最小スパニングツリーは、実験を含む粒子のデータ駆動特性評価を表す。特性評価は、粒子の初期部分に基づいて、特定の試料内に存在することが予想される粒子のグループを要約し得る。
【0130】
ノード類似距離は、例えば、マハラノビス距離またはユークリッド距離などの関連性の尺度を示し得る。いくつかの実施形態では、ツリーはグラフィカルに表示される。いくつかの実施形態では、ノード類似度距離は、ディスプレイ上の線の色、長さ、または厚さによって動的にグラフィカルに表される。例えば、2つの密接に関連するノード間の線は、緑など1つの色であってもよく、および/または、例えば赤色、15~20画素長、および/または1つもしくは2つの画素幅であってもよい、関連性が低いノード間の線よりも短い(例えば、約5~10画素長)または厚い(例えば、3または4の画素幅)場合がある。いくつかの実施形態では、ノード当たりのイベントの数は、ノードのサイズによって、またはノードの着色もしくは陰によってグラフィカルに表される。いくつかの実施形態では、特定の(例えば、特定の波長で蛍光標識粒子によって発せられる側方散乱光の量などの)測定値は、ノードの着色もしくは陰によって、またはノードのサイズによってグラフィカルに表される。
【0131】
ブロック503で、制御デバイスは、測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成し得る。いくつかの実施形態は、第1のグループと第2のグループとの間の相関性の尺度を生成するために、第1のグループと第2のグループとのイベントのイベント距離に基づいて確率密度関数を使用することを含む。相関性の尺度は、例えば、マハラノビス距離またはユークリッド距離を含み得る。
【0132】
グループ間の関連性の尺度を生成することは、粒子ごとの別々の蛍光インジケータなど別々のパラメータの測定値内で各グループを定義するパラメータまたはゲートの範囲を定義することを含み得る。例えば、実験は、いくつかのフルオロフォアまたは蛍光標識抗体によって標識された粒子を含み得、粒子のグループは、1つ以上の蛍光測定に対応する閾値またはゲートによって定義され得る。例では、第1のグループは、第1のフルオロフォアについてのある範囲の光散乱によって定義され、第2のグループは、第2のフルオロフォアについてのある範囲の光散乱によって定義され得る。第1および第2のフルオロフォアがそれぞれx軸およびy軸上に表される場合、ゲートは、情報がグラフィカルに表示される場合、粒子の各グループの周りにボックスとして表示され得る。そのような場合、関連性の尺度は、第1のグループの周りのゲートボックスの中心から第2のグループの周りのゲートボックスの中心までの距離に基づいてもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、ツリーおよび/またはノード間の関連性の尺度は、ユーザ指向の確認または修正ステップでユーザによって確認または修正される。例えば、ツリーのノード、またはツリーを作成するために使用される任意のゲートが正しいか否かを確認するためにアラートがユーザに表示され得る。アラートは、制御デバイスが関連性の程度を生成した後に生成され得る。確認は、ボタンをクリックすること、またはユーザディスプレイ上で選択することを含んでもよい。加えて、ユーザは、ツリーのノードまたはツリーを生成するために使用されるゲートを修正し得る。いくつかの実施形態では、分析は、粒子または細胞の訓練セット上で実行され、アラートまたはグラフィックディスプレイは、結果をユーザに通知する。アラートは、視覚ディスプレイ、音、または振動を含んでもよい。グラフィックディスプレイは、個々のまたは代表的なイベントを示す従来のドットプロット、またはツリーのグラフィックディスプレイを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ指向の確認または修正ステップの後、ツリーまたはツリーを生成するために使用される任意のゲートは、ユーザの入力に基づいて修正され、新しいツリーが生成され得る。プロセスは、複数回繰り返され得る。次いで、ツリーが正しいまたはユーザのニーズに十分であることをユーザが確認した後、ツリーを使用して、追加の粒子を分類し得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、関連性の尺度を生成することは、ツリーの第1および第2のグループに対してのみ実行される。例えば、いくつかの実施形態では、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することは、第1のグループと第3のグループとの間、または第2のグループと第3のグループとの間の関連性の尺度を生成しないことを含むか、または第3のグループを関連性の尺度から除外するステップを含む。いくつかの実施形態では、ツリーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50以上のグループまたはノードを含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、方法500は、グループまたはノードのすべてまたは単なる一部の間の関連性の尺度を生成することを含む。例えば、制御デバイスがグループ間の関連性の尺度を生成するとき、1つ以上のグループは除外され得る。いくつかの実施形態では、ツリーがいくつかのノードを含むとき、すべてのノードについてのリアルタイムイベント(または後続の粒子)データをノード距離メトリックと比較するために計算効率が悪く、計算処理を遅くし得る。したがって、最小スパニングツリー(MST)を有することは、どのノードが非常に類似しているかを識別し、イベント距離がリアルタイムイベント(または後続の粒子)と関連するノードとの間で計算されることを保証し、除外されたノードに属するイベントがターゲット集団または可能性がある「汚染」として分類される可能性がほとんどないほど本質的に異なるノードを除外することに役立ち得る。したがって、いくつかの実施形態では、すべてのノード距離が、リアルタイムイベントまたは後続の粒子と、MST上のすべてのノードとの間で計算されるわけではなく、代わりに、重要なノード距離のみが計算されるため、計算時間および電力を節約する。
【0136】
ブロック504で、制御デバイスは、第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成してもよく、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない。後続の粒子を分類することは、n次元空間内の標的集団までのイベント距離に基づいて確率密度関数アプローチを使用することを含んでもよい。確率密度関数の例としては、ユークリッド距離(グループ間の線形関係を想定)、マハラノビス距離(線形関係を想定しない)、または所望の選別ターゲットを計算するために(ゲートまたはクラスタから)1つ以上の訓練セットを使用することが挙げられる。
【0137】
ユークリッド距離の例示的な式が式(1)に示される。
【0138】
【数1】
【0139】
式中、dは点pとqとの間の距離であり、
nは、データセット内の次元の数である。
【0140】
マハラノビス距離の例示的な式が式(2)に示される。
【0141】
【数2】
【0142】
式中、Sは、標的分布の共分散行列であり、
xは、分布を有するイベント観察の第1のベクトルを表し、
μは、分布を有する標的セット観察の第2のベクトルを表す。
【0143】
訓練セットの使用の一例は、平均ベクトルを生成し、訓練セットの共分散行列を生成し、次いで訓練セットの共分散行列を使用して標的セットを生成することを含む。訓練セットの使用は、(1)各列の平均が列内の各行要素から減算される、訓練セットから中心値の行列を生成することと、(2)n-1によって正規化された中心値行列の正方形共分散行列を生成することであって、nは訓練セット内のイベントの数である、正方形共分散行列生成することと、(3)共分散行列演算においてnが1である場合、イベントごとに、訓練セット列平均に対して中心とされるその値の正方形共分散行列を生成することと、および/または(4)イベント中心平均の訓練セット中心平均への転置平均差(x-μ)×訓練セットの逆共分散S-1×平均差の行列(x-μ)を使用することによって、訓練(例えば、標的)セットに対する各イベントについてのマハラノビス距離を計算することと(いくつかの実施形態では、これは、訓練(例えば、標的)セットまでの各イベントの二乗マハラノビス距離Dである)を含み得る。いくつかの実施形態では、D距離は、次元(列)の数を自由度とするカイ二乗分布に続き、これは、確率p、およびデータ内の次元(列)の数に等しい自由度について反転したカイ二乗分布を使用することによって、イベントが標的セットに属する確率を決定するために重要なカイ二乗値を使用することを可能にし得る。
【0144】
いくつかの実施形態は、第1のグループについての包含閾値を受信することであって、包含閾値は第1のグループに対して第1のグループに未分類粒子を含むための測定値の第1の範囲を識別する、包含閾値を受信することと、第1のグループについての除外閾値を受信することであって、除外閾値は第2のグループに対して未分類粒子を第1のグループから除外するための測定値の第2の範囲を識別する、除外閾値を受信することとを含み、後続の粒子は、記第1のグループに分類され、または包含閾値および除外閾値に基づかない。いくつかの実施形態は、後続の粒子と、第1のグループおよび第2のグループの各々との間の関連の可能性に少なくとも部分的に基づいて、共分散行列を生成することを含み、粒子分析器を構成することは、共分散行列に少なくとも部分的に基づいて、粒子分析器に含まれる選別回路を調整することを含む。
【0145】
グラフィカルに表示される最小スパニングツリーの一例を図6に示す。図6に示す例では、ノードサイズは、各ノード内のイベントの数に比例し、各ノードの陰は、蛍光マーカーによって示され、特定の波長で散乱レーザ光として測定されるCD19(遺伝子分子マーカー)の発現を表す。図6において、ノード8および15は、類似の特徴を有する隣接B細胞集団である。ノード22は、本明細書に記載された方法によって識別された不変のナチュラルキラーT(iNKT)細胞集団であり、ノード7はその最も近い隣接ノードである。
【0146】
いくつかの実施形態では、データ駆動足場マップは、ユーザがそうでなければ無視する細胞集団を検出することを可能にし得る。例えば、図7で円で囲まれたイベントは、標準的なゲーティング方法を使用するときに、そうでなければユーザが無視し得るiNKT細胞の集団を表す。しかしながら、通常の方法によって無視されていた可能性がある、図7で円で囲まれたiNKT細胞の同じ集団は、本明細書に記載のデータ駆動足場マップを生成することによって識別され、図6にノード22として表される。図6および図7の例について、生データが補償され、変換され(ロジクルまたは二指数変換)、X-Shift(Github,Nikolay Samusik-G Nolab Lab Stanfordから入手可能なVortexアプリケーションを使用したknnクラスタリング)を使用してクラスタリングされた。iNKT細胞は、図6の集団クラスタ22である。図7で、クラスタ22内のイベントは、散布図内で円で囲まれている。次いで、クラスタ22は、訓練セットとして使用され得る。
【0147】
図8は、計算ベースの試料分析および粒子特性評価の例示的な方法を示すプロセスフロー図である。図5に示される方法500は、図8に示される方法と同様である。いくつかの実施形態では、方法500は、コンピュータ実装される。いくつかの実施形態では、方法500は、1つ以上の処理デバイスの制御下にある。方法500は、図1~4に示されるものなど、示されるデバイスのうちの1つ以上を使用して実装され得る制御デバイスを使用して、全体的または部分的に実装され得る。
【0148】
方法800は、粒子の訓練セットの情報または測定値を受信することと、訓練セットの情報または測定値の中心平均ベクトルを生成することと、中心平均ベクトルに基づいて共分散行列を生成することと、共分散行列を使用して、情報の標的セットを生成することとを含む。標的セットは、その平均および共分散によって生成され、各新しいイベントについてマハラノビス距離メトリックで使用され得る。訓練セット平均のベクトルおよび(訓練セットの確率分布を含む)共分散行列は、粒子分析器に含まれるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)に提供され得る。いくつかの場合には、標的セットは、FPGAに提供され得る。図4は、ターゲットセット情報を受信し、使用し得る例示的なFPGAを含む。いくつかの実施形態では、CompMdは、標的セット情報を受信し、マハラノビス距離を計算する。いくつかの実施形態では、後続の粒子に関する情報が受信され、中心平均ベクトルを生成するために使用され、後続の粒子に関する情報を含む共分散行列が生成され、後続の粒子と2つ以上のノードとの間のマハラノビス距離が計算され、後続の粒子が、後続の粒子に関する情報に対する最短のマハラノビス距離を有するノードによって表されるグループに分類される。
【0149】
例えば、後続の粒子に関する情報は、粒子分析器によって測定され得る。後続の粒子が(例えば、図2Bの208に示されるように)移動流体カラムまたはストリームを下方に移動すると、FPGA(または他のプロセッサ)は、ストリーム中に後続の粒子をリアルタイムに分類し、次いで選別することを可能にする超高速レートで行列およびベクトル数学を実行する。いくつかの実施形態では、行列およびベクトル数学の超高速レートは、後続の粒子についての測定値と、後続の粒子が予測される場所に近いノードとの間のマハラノビス距離(または他の関連性測定値)を比較し、他のノード計算を省略することによって有効にされる。例えば、ユーザは、後続の粒子が近くにあるまたは類似している可能性が高い2つのノードを指示し得、次いで、FPGAは、後続の粒子と比較した場合にのみ、行列およびベクトル数学を処理し、比較し、他のノードを省略する。いくつかの実施形態では、後続の粒子のリアルタイム分類および選別は、FPGA技術によって部分的に有効にされる。いくつかの実施形態では、リアルタイム選別の不在下で後続の粒子を分類することは、他のノードを省略することによって(または言い換えると、後続の粒子が物理的に選別されずに分類されているとき)高速化される。例えば、いくつかの実施形態では、ツリーの第1のグループと第3のグループとの間の関連性の尺度は生成されない。
【0150】
いくつかの実施形態は、後続の粒子を容器または収集容器に選別することを含む。容器または収集容器の例は、チューブ、ウェル、および他の容器を含む。いくつかの実施形態では、容器は、ガラスまたはプラスチックを含む。いくつかの実施形態では、収集容器は、水、緩衝溶液または培養基を含む。いくつかの実施形態では、容器は、第2のグループの粒子から物理的に分離される第1のグループの粒子を含む。例えば、第2のグループの粒子は、第1のグループから別々の収集容器内に収集されてもよく、またはドレイン容器内に収集されるか、または廃棄されてもよい。いくつかの実施形態では、後続の粒子は、偏向を通じて物理的に選別される。例えば、粒子は、図2Bに示されるシステムによって帯電され、静電気的に偏向される流体の液滴に含まれ得る。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の収集容器が含まれる。いくつかまたは多数の収集容器が含まれてもよく、後続の粒子は、そのいずれか一個に選別されてもよい。例えば、後続の粒子は、96ウェルプレートまたは365ウェルプレートの任意の1つのウェルに物理的に選別され得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、ユーザが、標準ゲーティング技術によって識別されるよりも多い細胞を、より正確に、集団内で識別することを可能にする。例えば、マハラノビス距離閾値を95パーセンタイルに設定した共分散行列を使用することによって、100,000個の生のイベントのうち965個の細胞が調節性T細胞(Treg;CD4、CD25、CD127)として分類され、818個のTregのみが手動ゲーティングによって識別された。マハラノビス距離閾値が95パーセンタイルの代わりに96パーセンタイルに設定されたとき、1300Tregが識別された。例では、X-Shift knnクラスタリングが使用され、16個のクラスタが定義され、5つの因子(CD4、CD25、CD127、SSC、およびFSC)のインデックスが使用された。
【0152】
システムはまた、自己補正であってもよい。例えば、粒子の訓練セットが偽陽性を呈する場合、偽陽性は、後続の粒子が分析または分類されるときに明らかにされ、訂正され得る。単一のiNKT細胞のマハラノビス距離分類を使用して、7個の免疫蛍光次元(CD45RA、CD38、CD57、CD3、Va24、CD11c、およびCD314マーカー)のiNKT細胞を一度に識別した1つのケースでは、訓練セットは、図9に示される白丸内の細胞を含んだ。しかしながら、これらの円内の細胞は、より多くのイベントが収集されるにつれて発生したデータの補正に基づいて実際に選別されなかった。
【0153】
記載された特徴は、それらのメンバーシップに基づいて粒子をターゲットクラスタに選別し得る。マハラノビス距離は、既知のクラスタへの粒子の距離を測定するために使用され得る。粒子の選別決定は、粒子が最も近いクラスタに基づいてもよい。いくつかの試料について、汚染クラスタに近い粒子は、除外され得るか、または代替の収集容器に迂回され得る。近接性を決定するための基準は、誤差の最小確率に基づいてもよい。確率は、構成を使用して定義され得るか、または試料の実験セットアップの一部として指定され得る。既知のクラスタは、訓練セットによって識別され得る。訓練セットは、クラスタに属する粒子の測定値のサブセットを含んでもよい。訓練セットの平均および共分散は、クラスタのメトリック表現として生成され得る。次いで、このメトリックは、粒子を特定の収集容器に誘導するために選別決定を時間内に生成するために測定値を分析することができるハードウェアを使用して評価され得るマハラノビス距離方程式の係数として機能し得る。
【0154】
本明細書で使用される場合、「決定する」または「決定すること」という用語は、多種多様な動作を包含する。例えば、「決定すること」は、計算すること、演算すること、処理すること、導出すること、調査すること、ルックアップすること(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造においてルックアップすること)、確認することなどを含み得る。また、「決定すること」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含んでよい。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選択すること、確立することなどを含み得る。
【0155】
本明細書で使用される場合、「提供する」または「提供すること」という用語は、多種多様な動作を包含する。例えば、「提供すること」は、その後取り出すために、ある場所に値を記憶すること、値を受信側に直接送信すること、値への参照を送信または記憶することなどを含み得る。「提供すること」はまた、符号化、復号、暗号化、解読、妥当性検査、検証などを含み得る。
【0156】
本明細書で使用される場合、「選択的に」または「選択的」という用語は、多種多様な動作を包含し得る。例えば、「選択的」プロセスは、複数のオプションから1つのオプションを決定することを含み得る。「選択的」プロセスは、動的に決定された入力、事前構成された入力、または決定を行うためにユーザが開始した入力のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実装形態では、選択的機能を提供するために、n入力スイッチが含まれ得、nは、選択を行うために使用される入力の数である。
【0157】
本明細書で使用される場合、「メッセージ」という用語は、情報を伝える(例えば、送信または受信)するための多種多様な形式を包含する。メッセージは、XML文書、固定フィールドメッセージ、カンマ区切りメッセージなどの情報のマシン可読集約を含んでもよい。メッセージは、いくつかの実装形態では、情報の1つ以上の表現を送信するために利用される信号を含んでもよい。単数形で列挙されるが、メッセージは、複数の部分で構成され、送信され、記憶され、受信され得ることが理解される。
【0158】
本明細書で使用される場合、アイテムのリストの「うちの少なくとも1つ」を指す語句は、単一のメンバーを含む、それらのアイテムの任意の組み合わせを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-cを包含することが意図されている。
【0159】
当業者は、情報、メッセージ、および信号が、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを理解する。例えば、上述の説明全体を通じて参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは粒子、光学場もしくは粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0160】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装され得ることを、当業者はさらに理解する。ハードウェアおよびソフトウェアのこの相互変換性を明確に例示するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、一般にそれらの機能の観点から上記に記載されている。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約に依存する。当業者は、各特定のアプリケーションについて様々な方法で記載した機能を実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲から逸脱を引き起こすと解釈されないものとする。
【0161】
本明細書に記載される技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。そのような技術は、特にプログラムされたイベント処理コンピュータ、無線通信デバイス、または集積回路デバイスなどの様々なデバイスのいずれかで実装され得る。モジュールまたは構成要素として記載された任意の特徴は、統合された論理デバイス内で一緒に実装され得るか、または個別でありながら相互運用可能な論理デバイスとして別々に実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、これらの技術は、実行されると、上述の方法のうちの1つ以上を実行する命令を含むプログラムコードを含むコンピュータ可読データ記憶媒体によって少なくとも部分的に実現され得る。コンピュータ可読データ記憶媒体は、パッキング材料を含み得るコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体は、同期動的ランダムアクセスメモリ(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データ記憶媒体などのメモリまたはデータ記憶媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的記憶媒体であり得る。これらの技術は、追加的に、または代替として、少なくとも部分的に、命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを運ぶか、または通信し、伝播信号または波などのコンピューティングデバイスによってアクセス、読み取り、および/または実行することができるコンピュータ可読通信媒体によって実現され得る。
【0162】
プログラムコードは、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、構成可能マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他の等価な集積または離散論理回路などの1つ以上のプロセッサを含み得る、具体的にプログラムされたグラフィックスプロセッサによって実行され得る。そのようなグラフィックスプロセッサは、本開示に記載される技術のいずれかを実行するように特別に構成され得る。コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せて1つ以上のマイクロプロセッサ、または少なくとも部分的なデータ接続における任意の他のそのような構成は、記載する特徴のうちの1つ以上を実装し得る。したがって、「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用される場合、前述の構造のいずれか、前述の構造の任意の組み合わせ、または本明細書に記載の技術の実装に好適な任意の他の構造もしくは装置を指し得る。加えて、いくつかの態様では、本明細書に記載される機能は、符号化および復号のために構成されている専用ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュール内に提供され得るか、または専用のグラフィック制御カードに組み込まれ得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される1つ以上のコンピュータ実装方法を実行するようにプログラムされた集積回路デバイスを提供する。いくつかの事例では、主題の集積回路デバイスは、粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、ツリーは少なくとも3つのグループを含む、ツリーを生成することと、測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成することであって、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することとを行うようにプログラムされている。
【0164】
いくつかの実施形態では、対象の集積回路デバイスは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。他の実施形態では、集積回路デバイスは、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。さらに他の実施形態では、集積回路デバイスは、複合プログラム可能論理デバイス(CPLD)を含む。
【0165】
ある特定の実施形態では、本開示の方法は、生体試料の細胞など、試料の粒子を選別することも含む。「選別」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、試料の成分(例えば、細胞を含む液滴、生体高分子などの非細胞粒子を含む液滴)を分離し、いくつかの事例では、分離された成分を1つ以上の試料収集容器に送達することを指すために使用される。例えば、方法は、例えば3つ以上の成分、例えば4つ以上の成分、例えば5つ以上の成分、例えば10個以上の成分、例えば15個以上の成分、および試料の25個以上の成分を含む、試料の2つ以上の成分を選別することを含み得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、試料の成分を選別するための方法は、例えば、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載される、デフレクタプレートを有する粒子選別モジュールを用いて粒子(例えば、生体試料内の細胞)を選別することを含み、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、試料の細胞は、2019年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/803,264号に記載されているものなど、複数の選別決定ユニットを有する選別決定モジュールを使用して選別され、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0167】
本明細書に開示される方法は、記載された方法を達成するための1つ以上のステップまたは動作を含む。方法ステップおよび/または動作は、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換することができる。言い換えれば、ステップまたは動作の特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0168】
本発明の様々な実施形態が記載されている。これらおよび他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
【0169】
キット
本開示の態様は、キットをさらに含み、キットは、本明細書に記載される集積回路デバイスのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、キットは、コンピュータ可読媒体(例えば、フラッシュドライブ、USBストレージ、コンパクトディスク、DVD、ブルーレイディスクなど)の形態、またはインターネットウェブプロトコルもしくはクラウドサーバからプログラミングをダウンロードするための命令など、主題のシステムのためのプログラミングをさらに含んでもよい。キットは、主題の方法を実践するための命令をさらに含み得る。これらの命令は、様々な形態で対象キット中に存在し得、そのうちの1つ以上は、キット中に存在し得る。これらの命令が存在し得る1つの形態は、好適な媒体または基板、例えば、情報が印刷される1枚以上の紙、キットのパッケージ、添付文書などに印刷される情報としてである。これらの命令のさらに別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得るこれらの命令のさらに別の形態は、削除されたサイトで情報にアクセスするためにインターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0170】
ユーティリティ
主題のシステム、方法、および集積回路は、生体試料など、流体媒体中の試料内の粒子成分を分析し、選別することが望ましい、様々な用途での使用を見出す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、蛍光タグで標識された生体試料のフローサイトメトリ特徴付けでの使用を見出す。他の実施形態では、システムおよび方法は、発せられた光の分光法での使用を見出す。本開示の実施形態は、改善された細胞選別精度、強化された粒子収集、粒子充電効率、より正確な粒子充電、および細胞選別中の強化された粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい使用を見出す。
【0171】
本開示の実施形態はまた、生物学的試料から調製された細胞が研究、実験室試験、または治療で使用するために望まれ得る用途での使用も見出す。いくつかの実施形態では、主題の方法およびデバイスは、目的の流体または組織生体試料から調製された個々の細胞の取得を促進し得る。例えば、主題の方法およびシステムは、がんなどの疾患の研究または診断標本として使用される流体または組織試料から細胞を取得することを容易にする。同様に、主題の方法およびシステムは、治療で使用される流体または組織試料から細胞を取得することを容易にし得る。本開示の方法およびデバイスは、従来のフローサイトメトリシステムと比較して、効率が向上し、コストが低い生体試料(例えば、臓器、組織、組織断片、流体)から細胞を分離し、収集することを可能にする。
【0172】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示はまた、以下の付記によって定義される。
【0173】
1.コンピュータ実装方法であって、
1つ以上の処理デバイスの制御下で、
粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、
測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、ツリーは少なくとも3つのグループを有する、ツリーを生成することと、
測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、
第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成することであって、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することとを含む、コンピュータ実装方法。
2.後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することをさらに含む、付記1に記載のコンピュータ実装方法。
3.教師なし学習をすることであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、教師なし学習をすることをさらに含む、付記1または2に記載のコンピュータ実装方法。
4.後続の粒子を分類するための測定値の範囲を識別するゲート情報を受信することであって、第1のグループはゲート情報によって定義される、ゲート情報を受信することと、
教師なし学習の結果とゲート情報との間の差異が閾値に対応すると決定することと、
差異を識別するアラートの表示を引き起こすことと
をさらに含む、付記3に記載のコンピュータ実装方法。
5.第1のグループに含まれるイベントと第2のグループに含まれるイベントとの間のイベント距離の特性評価するための確率密度関数に少なくとも部分的に基づいて、第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することをさらに含む、付記1~4のいずれか一つに記載のコンピュータ実装方法。
【0174】
6.確率密度関数は、ユークリッド距離関数を有する、付記5に記載のコンピュータ実装方法。
7.確率密度関数は、マハラノビス距離関数を有する、付記5に記載のコンピュータ実装方法。
8.第1のグループについての包含閾値を受信することであって、包含閾値は第1のグループに対して第1のグループに未分類粒子を有するための測定値の第1の範囲を識別する、包含閾値を受信することと、
第1のグループについての除外閾値を受信することであって、除外閾値は第2のグループに対して未分類粒子を第1のグループから除外するための測定値の第2の範囲を識別する、除外閾値を受信することと
をさらに含み、
後続の粒子は、包含閾値および除外閾値に少なくとも部分的に基づいて、第1のグループに分類される、付記5~7のいずれか一つに記載のコンピュータ実装方法。
9.後続の粒子と、第1のグループおよび第2のグループの各々との間の関連の可能性に少なくとも部分的に基づいて、共分散行列を生成することをさらに含み、
粒子分析器を構成することは、共分散行列に少なくとも部分的に基づいて、粒子分析器に含まれる選別回路を調整することを含む、付記1~8のいずれか一つに記載のコンピュータ実装方法。
10.選別回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイである、付記9に記載のコンピュータ実装方法。
【0175】
11.粒子分析器から受信された測定値は、粒子の第1の部分によって蛍光発光された光の測定値を有する、付記1~10のいずれか一つに記載のコンピュータ実装方法。
12.粒子の第1の部分によって蛍光発光された光は、粒子の第1の部分に結合した抗体によって蛍光発光された光を有する、付記11に記載のコンピュータ実装方法。
13.関連性の尺度を生成することは、ツリーの第1および第2のグループに対してのみ実行される、付記1~12のいずれか一つに記載のコンピュータ実装方法。
14.後続の粒子を収集容器に向けることをさらに含む、付記13に記載のコンピュータ実装方法。
【0176】
15.システムであって、
1つ以上の処理デバイスと、
コンピュータ可読記憶媒体とを含んでおり、
コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上の処理デバイスによって実行されると、システムに、
粒子分析器から、実験に関連付けられた粒子の第1の部分の測定値を受信することと、
測定値に少なくとも部分的に基づいて、関連する粒子のグループを表すツリーを生成することであって、ツリーは少なくとも3つのグループを有する、ツリーを生成することと、
測定値に少なくとも部分的に基づいて、ツリーの第1のグループと第2のグループとの間の関連性の尺度を生成することと、
第1のグループでの実験に関連付けられた後続の粒子を分類するように粒子分析器を構成することであって、後続の粒子は粒子の第1の部分に含まれない、粒子分析器を構成することと
を実行させる命令を含む、システム。
16.本明細書に開示される実施形態のいずれか一つに記載の粒子分析器の計算構成の方法。
17.実行されると、付記1~14または16に記載の方法のいずれかを実行する命令を自身に記憶するコンピュータ可読媒体。
18.プロセッサを含む装置であって、プロセッサは、付記1~14または16に記載の方法のいずれかを実行するように構成されている、装置。
【0177】
上記の発明は、明確な理解のために例示および例としてある程度詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明の教示に照らして、ある特定の変更および修正が行われてもよいことは、当業者には容易に明らかである。
【0178】
したがって、前述したことは、本発明の原理を例示するにすぎない。当業者であれば、本明細書に明示的に記載または示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨および範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解される。さらに、本明細書に列挙されるすべての例および条件付き言語は、主に、読者が本発明の原理および当該技術をさらに進めるために発明者が寄与する概念を理解することを助ける点を意図しており、そのような具体的に列挙される例および条件に限定されないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態を列挙する本明細書におけるすべての記述、ならびにその具体例は、その構造的および機能的等価物の両方を包含することが意図される。加えて、そのような等価物は、構造に関係なく、現在知られている等価物と将来開発される等価物との両方、すなわち、同じ機能を実行するように開発された任意の要素を含むことが意図される。さらに、本明細書に開示されるものは、そのような開示が特許請求の範囲において明示的に列挙されるか否かにかかわらず、公衆専用であることが意図されるものではない。
【0179】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、記載される例示的な実施形態に限定されることを意図しない。むしろ、本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、35U.S.C.§112(f)または35U.S.C.§112(6)は、特許請求の範囲におけるそのような制限の開始時に正確な語句「のための手段」または正確な語句「のためのステップ」が列挙されるときにのみ、特許請求の範囲における制限のために呼び出されるものとして明示的に定義され、そのような正確な語句が特許請求の範囲における制限で使用されない場合、35U.S.C.§112(f)または35U.S.C.§112(6)は呼び出されない。
【0180】
関連出願の相互参照
35U.S.C.§119(e)に従って、本出願は、2018年4月26日に出願された米国仮特許出願第62/663,106号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9