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特許7394787体外血液処理装置の流体温度制御装置及び体外血液処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】体外血液処理装置の流体温度制御装置及び体外血液処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
A61M1/36 175
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2020564067
(86)(22)【出願日】2019-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2019062094
(87)【国際公開番号】W WO2019219544
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】18172120.0
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】100207354
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 康正
(72)【発明者】
【氏名】ワンゲン, マイケル, ジョン
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0009610(US,A1)
【文献】特開2000-093449(JP,A)
【文献】特表2009-533154(JP,A)
【文献】特表平09-511931(JP,A)
【文献】実開昭61-072545(JP,U)
【文献】特開昭63-104864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外血液処理装置の流体温度制御装置であって、
体外血液処理装置(1)に接続又は接続可能な流体加温バッグ(17)を収容するように配置された加熱台(20)を区切る筐体(26)と、
前記流体加温バッグ(17)を加熱するために、前記加熱台(20)において動作可能なように起動する加熱要素(29、30)と、
前記流体加温バッグ(17)の存在を検出するために、前記加熱台(20)において動作可能なように起動する少なくとも存在検出器(32、33)を含み、
前記存在検出器(32、33)は、信号の送信機(34)と受信機(35)を含み、
前記受信機(35)は、反射後に送信信号を選択的に受信するよう、前記送信機に対して位置し
前記流体加温バッグ(17)は、入口(21)と出口(22)を有する流体経路(23)を区切る主要部(24)を備え、
前記流体加温バッグ(17)は、前記主要部(24)から突き出るタブ(25'、25''、25''')であって、前記流体加温バッグ(17)に非対称形を付与するタブ(25'、25''、25''')を備え、
前記加熱台(20)は、主要台(20)と、前記流体加温バッグ(17)が前記加熱台(20)において収容されている場合のみ前記タブ(25'、25''、25''')を収容するための凹部(31)とを提供し、前記凹部(31)は前記主要台(20)の側に位置し、
前記信号は前記タブ(25'、25''、25''')によって反射される、
ことを特徴とする流体温度制御装置。
【請求項2】
前記受信機(35)は、
前記流体加温バッグ(17)が、前記加熱台(20)において適切に収容されている場合のみ、前記送信機(34)によって発信され、かつ、前記流体加温バッグ(17)によって反射される信号を受信するよう、又は
前記流体加温バッグ(17)が、前記加熱台(20)において位置しており、かつ適切に収容されていない場合のみ、前記送信機(34)によって発信され、かつ、前記流体加温バッグ(17)によって反射される信号を受信するよう、
のいずれかで、前記送信機(34)に対して位置している、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体温度制御装置。
【請求項3】
前記受信機(35)は、反射後の前記送信機(34)によって発信された信号を受信するよう、前記送信機(34)に対して位置し、
少なくとも前記反射される信号の特性は、前記加熱台(20)において前記流体加温バッグ(17)が適切に収容されているか否かに基づいて変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体温度制御装置。
【請求項4】
前記送信機(34)によって発信される前記信号を遮るように配置された受信面(39)を備え、
前記流体加温バッグ(17)が、前記加熱台(20)において収容されていない、又は適切に収容されていない場合、
前記受信面(39)は、前記送信機(34)によって発信される前記信号を少なくとも部分的に吸収するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項5】
前記受信面(39)は、第1の反射経路(42)に沿って前記信号を反射するように構成され、
前記受信機(35)は、前記第1の反射経路(42)から間隔をあけて置かれ、前記第1の反射経路に沿って前記反射される信号は、前記受信機によって捕捉されない、
ことを特徴とする請求項4に記載の流体温度制御装置。
【請求項6】
前記受信面(39)は暗く、及び/又はマット仕上げを提供する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の流体温度制御装置。
【請求項7】
前記筐体(26)は、前記加熱台(20)を区切る2つの反対の面を備え、
前記受信面(39)は、前記2つの反対の面の一方の面の一部であり、前記受信面(39)は、前記一方の面とは異なる他方の面に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項8】
前記受信面(39)によって受信される前記信号は、部分的に反射され、かつ、部分的に吸収される、及び前記反射された部分は前記受信機によって捕捉されない、
ことを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項9】
前記筐体は、実質的に平行でかつ実質的に平らな2つの反対の面を備え、前記2つの反対の面は、前記加熱台を区切り、
前記受信面は、前記2つの反対の面の一方の面の一部であり、前記一方の面とは異なる他方の面に対して傾斜しており、
前記送信機は、前記受信面に対して反対の前記加熱台の側に配置されている、
ことを特徴とする請求項4から8のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項10】
前記流体加温バッグ(17)の外表面(40)は、前記送信機(34)によって発信される前記信号を、少なくとも一部で反射するように構成され、
前記外表面(40)は、第2の反射経路(43)に沿って前記信号を反射するように配置され、
前記加熱台(20)において前記流体加温バッグ(17)が適切に収容されている場合、前記受信機(35)は、前記第2の反射経路(43)を遮るように位置する、
ことを特徴とする請求項4から9のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項11】
前記受信面は、前記流体加温バッグが前記加熱台において適切に収容されている場合、前記流体加温バッグの前記外表面に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項10に記載の流体温度制御装置。
【請求項12】
前記流体加温バッグ(17)の前記外表面(40)は、光沢仕上げを提供する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の流体温度制御装置。
【請求項13】
前記流体加温バッグが、前記加熱台に適切に収容されている場合、前記流体加温バッグは、前記送信機と前記受信面との間に位置する、
ことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項14】
前記流体加温バッグが、前記加熱台に適切に収容されている場合、前記流体加温バッグは、前記受信面をカバーする、
ことを特徴とする請求項13に記載の流体温度制御装置。
【請求項15】
前記送信機と前記受信機は、前記加熱台に対して同じ側に位置し、
前記流体加温バッグが、前記加熱台にある場合、前記流体加温バッグに対して同じ側に位置する、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項16】
前記流体加温バッグが、前記加熱台において適切に収容されている場合、前記送信機と前記受信機は、前記流体加温バッグの前記外表面に直交する対称軸に対して対称に配置される、
ことを特徴とする請求項10から11のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項17】
前記流体加温バッグが、前記加熱台において適切に収容されている場合、前記送信機と前記受信機のそれぞれは、前記流体加温バッグの前記外表面に対して30°から60°の角度を有するように配置される、
ことを特徴とする請求項16に記載の流体温度制御装置。
【請求項18】
前記信号は、発信経路に沿って前記送信機によって発信され、前記発信経路及び前記第2の反射経路は、前記流体加温バッグの前記外表面に直交する対称軸に対して対照的に配置される、
ことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項19】
前記発信経路と前記第2の反射経路とがなす角度は、60°から120°である、
ことを特徴とする請求項18に記載の流体温度制御装置。
【請求項20】
前記送信機(34)と前記受信機(35)は、光学装置であり、
前記信号は、電磁放射である、
ことを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項21】
2つの存在検出器(32、33)を備え、
前記2つの存在検出器(32、33)は、流体加温バッグ(17)が存在するか及び、どの種類の流体加温バッグ(17)が、前記流体温度制御装置(18)に挿入されたかを検出するように配置された、
ことを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項22】
2つの存在検出器(32、33)を備え、
前記2つの存在検出器(32、33)は、少なくとも異なる種類の流体加温バッグ(17)の前記存在を検出するよう配置された、
ことを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項23】
少なくとも前記2つの存在検出器に動作可能なように接続された電子制御ユニットを備え、
前記電子制御ユニットは、少なくとも以下の手順を実行するように構成され、
前記手順は、前記存在検出器から信号を受信することと、
前記受信された信号を解析することと、
前記流体加温バッグが存在するか及び、前記解析された受信信号に応じて、どの種類の流体加温バッグが、前記加熱台において適切に収容されているかを検出することを含む、
ことを特徴とする請求項21又は22に記載の流体温度制御装置。
【請求項24】
前記電子制御ユニットは、
警告を提供し、及び/又は前記流体加温バッグが、前記加熱台において適切に収容されていない場合、前記流体温度制御装置の操作を停止し、及び/又は防止する、及び/又は
前記流体加温バッグであるかを示す信号を提供し、及び/又は
どの種類の流体加温バッグが前記加熱台において適切に収容されているかを示す信号を提供するように配置された、
ことを特徴とする請求項23に記載の流体温度制御装置。
【請求項25】
前記流体加温バッグは、実質的に平らである、
ことを特徴とする請求項1から24のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項26】
前記流体温度制御装置は、第1の存在検出器と第2の存在検出器を備え、
前記第1の存在検出器は、第1の種類又は第2の種類の前記流体加温バッグが、前記加熱台において適切に収容されている場合のみ、前記第1の種類又は前記第2の種類の前記流体加温バッグの外表面に前記信号を発信するように配置され、
前記第2の存在検出器は、第1の種類又は第3の種類の前記流体加温バッグが、前記加熱台において適切に収容されている場合のみ、前記第1の種類又は前記第3の種類の前記流体加温バッグの外表面に前記信号を発信するように配置される、
ことを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項27】
前記第1の存在検出器と前記第2の存在検出器は、並行で配置される、
ことを特徴とする請求項26に記載の流体温度制御装置。
【請求項28】
前記第1の種類、第2の種類及び第3の種類の前記流体加温バッグの前記タブは、それぞれの前記主要部に対して形状及び/又は位置で異なる、
ことを特徴とする請求項26に記載の流体温度制御装置。
【請求項29】
前記筐体は、上部と下部を備え、
前記加熱台は、前記上部と前記下部との間で区切られ、
前記少なくとも存在検出器は、前記上部に搭載され、
前記受信面は前記下部に位置し、
記上部と前記下部は、前記加熱台を開放するよう、少なくとも部分的にお互い間隔をあけて配置され、前記上部と前記下部はお互いヒンジである、
ことを特徴とする請求項4から8のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項30】
前記流体加温バッグ(17)は、前記流体温度制御装置に設けられる前記加熱台(20)のスロット(19)を介して挿入可能な実質的に平らで柔らかいバッグである、
ことを特徴とする請求項1から29のいずれか1項に記載の流体温度制御装置。
【請求項31】
体外血液処理装置であって、
血液処理装置(2)と、
前記血液処理装置(2)に接続された体外血液回路(6、7)と、
血液ポンプ(8)を備え、
前記体外血液回路(6、7)のポンプ部は、前記血液ポンプ(8)に接続されるように構成され、
選択的に処理流体回路(12)は、前記体外血液回路(6、7)に及び/又は前記血液処理装置(2)に動作可能なように接続され、
少なくとも流体温度制御装置(18)は、血液を加熱するために前記体外血液回路(6、7)に、及び/又は、処理流体を加熱するために前記処理流体回路(12)に接続又は接続するように構成され、
前記流体温度制御装置(18)は、請求項1から30のいずれか1項記載の流体温度制御装置である、
ことを特徴とする体外血液処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体外血液処理装置の流体温度制御装置(例えば、加温装置)に関するものであり、流体温度制御装置(例えば、加温装置)を含むか又は流体温度制御装置(例えば、加温装置)に結合するように配置された体外血液処理装置に関するものである。本発明は、血液(血液加温/冷却装置)を加熱又は冷却するために、体外血液処理装置の体外血液回路に結合するように結合又は配置された流体加温又は冷却装置に関する。本発明は、加熱/冷却処理流体(処理流体加温/冷却装置)に体外血液処理装置の処理流体回路に結合するように結合又は配置された流体加温/冷却装置に関する。特に、本発明は、流体加温装置における使い捨て流体加温/冷却バッグの存在の検出に関する。体外血液処理は、患者から血液を取り出すことと、患者への血液を外部処理することと、処理血液を患者に戻すことを含む。体外血液処理は、典型的には、患者の血液から望ましくない物質又は分子を抽出し、血液に望ましい物質又は分子を加えるために用いられる。
【0002】
体外血液処理は、患者が一時的又は永続的な腎不全を患った場合など、血液から物質を効果的に除去することができない患者に用いられる。これらの患者及び他の患者は、彼らの血液に物質を添加又は除去し、酸/塩基平衡を維持し、又は過剰な体液を除去し、又は例えば体外ガス交換プロセスを行うために、体外血液処理を受けることができる。体外血液処理は、典型的には、血液が過去の半透膜を流れることが許容される処理ユニット(例えば、透析器又は血液ろ過器)の、血液チャンバーとも呼ばれるプライマリチャンバーに血液を導入する、例えば、連続的なフローにおいて患者から血液を除去することによって達成される。半透膜は、血液中の物質がプライマリチャンバーからセカンダリチャンバーへ膜を通過することを選択的に可能にし、処理の種類に応じ、セカンダリチャンバー内の物質がプライマリチャンバー内の血液へ膜を通過することを選択的に可能にする。体外血液治療療法の間、患者は、拡散又は対流による流体交換によって、及び大気に失われた熱によって、かなりの熱量を開放することができる。
【0003】
体外血液処理は、数時間から最大で数日間続き、予防手段がとられない場合、患者は低体温症のリスクにさらされる。このリスクは、例えば慢性血液透析(HD)のように、高容量の交換を有する比較的短い処理の場合、及び持続的腎代替療法(CRRT)のように、低容量ではあるが持続的な治療の場合の両方に存在する。さらに、低体温症のリスクは、子供のような低体重患者に適用される処理の場合、より一層問題となる。流体交換(透析液、輸液、又は両方)による又はガス交換プロセス中の水の蒸発による血液冷却は、通常、完全体外血液回路における大気への熱損失よりも、もっと重要である。体外血液処理中の低体温症を防止するために、血液回路又は処理ユニット内でそれらの輸液より前の処理流体を加熱するために、血液ライン上で作用し、血液を直接加温できる血液加温器及び処理流体回路上で作用する処理流体加温器が使用されてきた。
【背景技術】
【0004】
独国特許出願公開第102013221804号明細書は、流体加熱バッグの中で液体を加熱するためのバッグ加温器に関するものである。バッグ加温器は、透析や他の持続的な治療で使用される。バッグ加温器は、流体加熱バッグがそれの所定の動作位置で適切に配置されているかを検出するために使用される電気スイッチが設けられている。電気スイッチは、液体加熱バッグによって直接起動又は作動させられ得る、押しボタンである。米国特許第6535689号明細書は、存在検出器を含む着脱可能な熱交換器を備える静脈流体加温システムに関するものである。システムは、流体を加温するための加温ユニットと、カセットとして具現化される熱交換器を受け入れるための入口スロットを含む。熱交換器存在検出器は、加温システムの一部である。存在検出器は、それが加温ユニットの第1及び第2加熱プレートとの間に受け取られる場合、熱交換器の存在を検出する。
【0005】
一実施形態では、熱交換器存在検出器の一部は、第1加熱プレートの上又は中に位置する磁石と、第2加熱プレートのスロット内に位置するセンサとを含む。米国特許第6535689号明細書は、カセットの存在が、例えば、カセットが光ビームを中断するか、又はカセットの穴が光ビームを通すことを可能にする光学スイッチ、それが加温ユニットに適切に挿入されると、カセットがヒットして起動する機械的スイッチ、又は他のタイプの電気的、磁気的、光学的、及び/又は機械的スイッチなどの他のタイプのスイッチによって検知され得ることを開示する。引用された先行技術の存在検出器のほとんどの欠点は、信頼性の欠如及びかさ高さに関する。実際、独国特許出願公開第102013221804号明細書のように、可動部を有する機械的スイッチを採用する存在検出器は、可動部の機械的障害及び/又はロックを受ける可能性がある。米国特許第6535689号明細書に開示されている一つのように、バッグの下の送信機及び送信機と受信機の間の直線経路上の受信機を採用する存在検出器は、アラインメントを失い、特に、加温器が、それを清掃するため及び/又はメンテナンスのために、開閉される場合、誤った信号を提供する可能性がある。
【0006】
実際、ペア(送信機及び受信機)のアライメントにおけるばらつきにより、加温器の開閉間にばらつきが観察された。さらに、独国特許出願公開第102013221804号明細書のような可動部、及び米国特許第6535689号明細書のようなバッグを受け入れるためのスロットの両側の検出器要素の存在は、空間を必要とし、加温装置の高さ及び/又はかさ高さを増大させ得る。
【発明の概要】
【0007】
上記の観点から、使い捨て加温バッグを使用する体外血液処理装置の流体加温装置の信頼性を向上させ、前記流体加温装置を使用する体外血液処理装置の信頼性を向上させることは、本発明による実施形態の目的である。特に、流体加温バッグの存在を検出する信頼性が改善される流体加温装置を提供することが目的である。さらには、前記流体加温バッグを収容するためのシート内部の流体加温バッグの正しい位置を検知する信頼性を向上させることが目的である。さらには、信頼性、正確及びコンパクトである流体加温/冷却装置内の存在検知器を提供することが目的である。上記対象の少なくとも1つは、加温シート中のそれの存在及び/又は向きを監視するために、流体加温バッグの反射特性を利用することによって、実質的に達成される。特に、上記の対象の少なくとも1つは、添付の請求項の1つ以上に従って、流体温度制御(例えば、加温/冷却)装置によって実質的に達成される。
【0008】
本発明の態様は、以下に開示される。加温流体への一般的な言及がなされるが、開示された装置は、流体の加温又は冷却のような流体の温度制御について意図されている。第1の独立した態様に従って、体外血液処理装置の流体温度制御(例えば、加温/冷却)装置であって、体外血液処理装置に接続又は接続可能な流体加温バッグを収容するように配置された加熱シートを区切る筐体と、前記流体加温バッグを加熱するために、前記加熱シートにおいて動作可能なように起動する加熱要素と、前記流体加温バッグの存在を検出するために、前記加熱シートにおいて動作可能なように起動する少なくとも存在検出器を含み、前記存在検出器は、信号の送信機と受信機を含み、前記受信機は、反射後に送信信号を選択的に受信するよう、前記送信機に対して位置している、前記受信機は、前記流体加温バッグが、前記加熱シートにおいて適切に収容されている場合のみ、前記送信機によって発信され、かつ、前記流体加温バッグによって反射される信号を受信するよう、又は前記流体加温バッグが、前記加熱シートにおいて適切に収容されていない場合のみ、前記送信機によって発信され、かつ、前記流体加温バッグによって反射される信号を受信するよう、又は、反射後の前記送信機によって発信された信号を受信するよう、前記送信機に対して位置し、少なくとも前記反射信号の特性(例えば、強度)は、前記加熱シートにおいて前記流体加温バッグが適切に収容されているか否かに基づいて変化するか、のいずれかで、前記送信機に対して位置している、ことを特徴とする流体温度制御装置。
【0009】
第2の独立した態様に従って、体外血液処理装置であって、血液処理装置と、前記血液処理装置に接続された体外血液回路と、血液ポンプを備え、前記体外血液回路のポンプ部は、前記血液ポンプに接続されるように構成され、選択的に処理流体回路は、前記体外血液回路に及び/又は前記血液処理装置に動作可能なように接続され、少なくとも流体温度制御(例えば、加熱/冷却)装置は、血液を加熱するために前記体外血液回路に、及び/又は、処理流体を加熱するために前記処理流体回路に接続又は接続するように構成され、前記流体温度制御(例えば、加熱/冷却)装置は、第1の態様により、及び/又は1つ以上の以下の態様を含む、ことを特徴とする体外血液処理装置。
【0010】
送信機及び受信機は、特に、電磁送信機及び電磁受信機である。発信信号は特に、流体加温バッグ(存在する及び加熱シートに置かれている場合)によって、又は流体加温バッグが加熱シートにない場合に送信機の反対側に置かれた筐体の受信面によって、のいずれかで反射される電磁放射線である。加熱シート中の流体加温バッグの存在は、反射経路及び/又は信号強度のような反射信号の特性を変更し、流体加温バッグの有無を判定することを可能にする。第1の実施形態では、流体加温バッグの存在は、電磁送信機からの信号を電磁受信機に向かって直接反射する。このような場合、流体加温バッグが加熱シート内の正しい位置にある時にのみ、送信信号はバッグによって反射され、受信機によって受信される。流体加温バッグが加熱シートから取り外される場合、送信信号は筐体の受信面によって反射され、修正された経路に偏向され、受信機によって受信されることはない。流体加温バッグの存在は、反射信号を受信するときにのみ検出される。
【0011】
代替の実施形態では、流体加温バッグが加熱シート内にない場合、送信信号は筐体の受信面によって反射され、受信機によって受信される。流体加温バッグが加温シートに適切に挿入されている場合、送信信号は反射され、バッグによって修正された経路に偏向され、受信機によって受信されることはない。流体加温バッグの存在は、反射信号を受信できないときに検出される。さらなる実施形態では、発信された信号は、加熱シートへの流体加温バッグの存在とは独立して受信機によって反射され、受信される(すなわち、反射信号は受信機によって常に受信される)が、流体加温バッグの有無は、1つ以上の反射信号特性(例えば、強度、位相、波長など)を変更し、従って、流体加温バッグの有無は、受信された反射信号を精巧にすることによって確認され得る。例えば、流体加温バッグは、高い反射面を有し得る(すなわち、反射信号は、高強度である)のに対し、筐体受信面は、信号の大部分を吸収することができる(すなわち、反射信号は、高く減衰される)。
【0012】
全ての実施形態において、送信機及び受信機は、流体加温/冷却装置の他の部分の動きとは独立して、互い対して静的なままであってもよく、この特徴は、検出の精度及び/又は信頼性を向上させる。特に、発信機と受信機は、信号を発信した後、反射信号を受信する(例えば、発信アンテナが反射信号を受信する)同じ装置、すなわち、発信機自体であってもよい。あるいは、発信機と受信機は、異なる及び別々の装置であってもよい。さらに、発信機と受信機が異なり、別々の装置であっても、それらは実質的に同じ位置に置かれてもよい(例えば、流体加温バッグの上に垂直に置かれる)。さらなる独立の態様では、(記載された態様ごとにより)流体加温/冷却装置及び(記載された態様ごとにより)流体加温/冷却バッグのアセンブリが提供される。
【0013】
第1又は第2の態様による第3の態様では、流体加温/冷却装置は、血液加温/冷却装置であり、血液を加熱するために体外血液回路に結合又は結合されるよう構成される。第1、第2又は第3の態様による第4の態様では、流体加温/冷却装置は、処理流体加温/冷却装置であり、処理流体を加熱するために、処理流体回路に結合又は結合されるように構成される。先行の第1から第4の態様のいずれかによる第5の態様では、流体加温/冷却装置は、前記流体加温バッグが、前記前記加熱シートにおいて収容、又は適切に収容されていない場合、前記送信機によって発信される前記信号を選択的に遮るように配置された受信面を含む。先行の態様による第6の態様では、前記受信面は、前記送信機によって発信される前記信号を少なくとも部分的に吸収するように構成される。
【0014】
先行の第5又は第6の態様による第7の態様では、前記受信面は、前記送信機によって発信される前記信号を少なくとも部分的に反射するように構成される。先行の第5から第7の態様のいずれかによる第8の態様では、前記受信面は、第1の反射経路に沿って前記信号を反射するように構成される。先行の第8の態様による第9態様では、前記受信機は、前記第1の反射経路から間隔をあけて置かれる。先行の第8又は第9の態様による第10の態様では、前記第1の反射経路に沿って前記反射信号は、前記受信機によって捕捉されない。先行の第5から第10の態様のいずれかによる第11の態様では、前記受信面によって受信される前記信号は、部分的に反射され、かつ、部分的に吸収される、及び反射された部分は前記受信機によって捕捉されない。先行の態様による第12の態様では、受信面は暗く、及び/又はマット仕上げを提供する。
【0015】
先行の第5から第12の態様のいずれかによる第13の態様では、前記筐体は、実質的に平行でかつ実質的に平らな2つの反対の面を備え、前記反対の面は、前記加熱/冷却シートを区切る。先行の第13の態様による第14の態様では、前記受信面は、前記反対の面の1つの一部である。先行の第13又は第14の態様による第15の態様では、前記受信面は、前記反対の面の前記1つの前記残りに対して傾斜している。先行の第13から第15の態様のいずれかによる第16の態様では、前記送信機は、前記受信面に対して前記加熱シートの側に配置されている。先行の第1から第16の態様のいずれかによる第17の態様では、前記流体加温バッグの外表面は、前記送信機によって発信される前記信号を、少なくとも一部で反射するように構成される。先行の第17の態様による第18の態様では、外表面は、第2の反射経路に沿って前記信号を反射するように配置される。
【0016】
先行の第18の態様による第19の態様では、前記加熱シートにおいて前記流体加温バッグが適切に収容されている場合、前記受信機は、前記第2の反射経路を遮る。第5から第16の態様による場合、先行の第17から第19の態様のいずれかによる第20の態様では、前記受信面は、前記流体加温バッグが前記加熱シートにおいて適切に収容されている場合、前記流体加温バッグの前記外表面に対して傾斜している。先行の第17から第20の態様のいずれかによる第21の態様では、前記流体加温バッグの外表面は、光沢仕上げを提供する。第17の態様が第5から第16の態様のいずれかによる場合、先行の第5から第16の態様のいずれかによるか、又は第17から第21の態様のいずれかによる第22の態様では、前記流体加温バッグが、前記流体加熱シートに適切に収容されている場合、前記流体加温バッグは、前記送信機と前記受信面との間に位置する。
【0017】
先行の第22の態様による第23の態様では、前記流体加温バッグが、前記流体加熱シートに適切に収容されている場合、前記流体加温バッグは、前記受信面をカバーする。先行の第1から第23の態様のいずれかによる第24の態様では、前記送信機と前記受信機は、前記加熱シートに対して同じ側に位置し、前記流体加温バッグが、前記加熱シート内にある場合、前記流体加温バッグに対して同じ側に位置する。第17から第21の態様のいずれかによる場合、先行の第17から第21の態様のいずれかによるか、又は、先行の第22及び第24の態様のいずれかによる第25の態様では、前記流体加温バッグが、前記加熱シートにおいて適切に収容されている場合、前記送信機と前記受信機は、前記流体加温バッグの前記外表面に直交する対称軸に対して対称に配置される。先行の第25の態様による第26の態様では、前記流体加温バッグが、前記加熱シートにおいて適切に収容されている場合、前記送信機と前記受信機のそれぞれは、30°から60°の間、選択的に45°の角度で、前記流体加温バッグの前記外表面に対して配置される。
【0018】
第18又は第19の態様による場合、先行の第18又は第19の態様、又は、第24又は第25の態様による第27の態様では、前記信号は、発信経路に沿って前記送信機によって発信される。先行の第27による第28の態様では、前記発信経路及び前記第2の反射経路は、前記流体加温バッグの前記外表面に直交する対称軸に対して対照的に配置される。先行の第28の態様による第29の態様では、前記発信経路と前記第2の反射経路は、それらの間を、60°から120°の間、選択的に90°の角度で区切る。先行の第1から第29の態様のいずれかによる第30の態様では、前記流体バッグは実質的に平らである。先行の第1から第30の態様のいずれかによる第31の態様では、前記流体加温バッグは、入口と出口を有する流体経路を区切る主要部を備える。先行の第31の態様による第32の態様では、前記流体加温バッグは、前記主要部から突き出るタブを備える。先行の第31の態様による第33の態様では、前記タブは前記流体加温バッグに非対称形を付与する。
【0019】
先行の第32又は第33の態様による第34の態様では、前記加熱シートは、前記流体加温バッグが前記加熱シートにおいて適切に収容されている場合のみ、前記タブを収容するための主要シートと凹部を提供し、選択的に、前記凹部は前記主要シートの側に位置する。先行の第32から第34の態様のいずれかによる第35の態様では、前記信号は、前記タブによって反射される。第31の態様が第17から第21の態様のいずれかによる場合、先行の第32から第35の態様のいずれかによる第36の態様では、前記タブは前記流体加温バッグの前記外表面を担う。第31の態様が第22又は第23の態様のいずれかによる場合、先行の第32から第36の態様のいずれかによる第37の態様では、前記タブは、前記送信機と前記受信面との間に位置するか、又は前記受信面をカバーする。
【0020】
第31の態様が第5から第16の態様のいずれかによる場合、第34の態様による第38の態様では、前記凹部は前記受信面を含む。先行の第1から第38の態様のいずれかによる第39の態様では、前記流体加温/冷却装置は、2つの存在検出器を備え、前記2つの存在検出器は前記少なくとも2つの異なる種類の流体加温バッグ、選択的に3種類の流体加温バッグを検出するように構成される。先行の第1から第39の態様のいずれかによる第40の態様では、前記流体加熱装置は、第1の存在検出器と第2の存在検出器を備える。先行の第40の態様による第41の態様では、前記第1の存在検出器は、第1の種類又は第2の種類の前記流体加温バッグが、前記加熱シートにおいて適切に収容されている場合のみ、前記第1の種類又は前記第2の種類の前記流体加温バッグの外表面に前記信号を発信するように配置される。先行の第40又は第41の態様のいずれかによる第42の態様では、前記第2の存在検出器は、第1の種類又は第3の種類の前記流体加温バッグが、前記加熱シートにおいて適切に収容されている場合のみ、前記第1の種類又は前記第3の種類の前記流体加温バッグの外表面に前記信号を発信するように構成される。
【0021】
先行の第40から第42までの態様のいずれかによる第43の態様では、前記第1の存在検出器と前記第2の存在検出器は、並行で配置される。第40の態様が第32から第38の態様のいずれかによる場合、先行の第41から第43の態様のいずれかによる第44の態様では、前記第1、第2及び第3の前記流体加温/冷却バッグの前記タブは、前記それぞれの主要部に対して形状及び/又は位置で異なる。先行の第1から第44の態様のいずれかによる第45の態様では、前記筐体は、上部と下部を備え、前記加熱シートは、前記上部と前記下部との間で区切られる。先行の第45の態様による第46の態様では、前記上部と前記下部は、前記加熱シートを開放するよう、少なくとも部分的にお互い間隔をあけて配置され、例えば前記上部と下部はお互いヒンジであり得る。先行の第45又は第46による第47の態様では、前記少なくとも存在検出器は、前記上部に搭載される。
【0022】
第45の態様が第5から第16の態様のいずれかによる場合、先行の第45又は第46又は第47による第48の態様では、前記受信面は前記下部に位置する。先行の第1から第48の態様のいずれかによる第49の態様では、前記送信機と前記受信機は、光学装置である。先行の第1から第49の態様のいずれかによる第50の態様では、前記信号は光である。先行の第1から第50の態様のいずれかによる第51の態様では、前記送信機は発光ダイオード(LED)であり、前記受信機はフォトダイオードである。フォトダイオード上の反射光の存在は、バッグの検出を可能にするフォトダイオードのアノード上の電圧を示す。先行の第51の態様による第52の態様では、放射光の波長は465nmから475nmの間であり、選択的に470nmである。先行の第1から第52の態様のいずれかによる第53の態様では、先行の第1から第52の態様のいずれかによる第53の態様では、前記流体加温/冷却装置及び/又は体外血治療装置は、前記少なくとも存在検出器に動作可能なように接続された電子制御ユニットを備える。
【0023】
先行の第53の態様による第54の態様では、電子制御ユニットは、手順を実行するように構成され、前記手順は、前記存在検出器から信号(特に、反射信号を受信する受信機)を受信することと、前記受信された信号を解析することと、前記流体加温バッグが存在するか及び、どの種類の流体加温バッグが、前記解析された受信信号に応じて、前記加熱シートにおいて適切に収容されているかを検出することを含む。先行の第54の態様による第55の態様では、前記電子制御ユニットは、警告を提供し、及び/又は前記流体加温バッグが、前記加熱シートにおいて適切に収容されていない場合、前記流体加温/冷却装置の操作を停止し、及び/又は防止するように構成される。先行の第54又は第55の態様による第56の態様では、前記電子制御ユニットは、前記流体加温バッグが存在するか及び/又はどの種類の流体加温バッグが前記加熱シートにおいて適切に収容されているかを示す信号を提供するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の態様に関連する以下の図は、非限定的な例によって提供される。
図1】本発明による流体加温/冷却装置で提供される体外血液処理装置の模式図を示す。
図2図1の流体加温/冷却装置の概略斜視図を示す。
図3】開放構成における図1の流体加温/冷却装置を示す。
図4図2及び3の流体加温/冷却装置と共に使用される使い捨て流体加温バッグである。
図5A】異なる種類の流体加温バッグを有する図2及び図3の流体加温/冷却装置の下部の上面図を示す。
図5B】異なる種類の流体加温バッグを有する図2及び図3の流体加温/冷却装置の下部の上面図を示す。
図5C】異なる種類の流体加温バッグを有する図2及び図3の流体加温/冷却装置の下部の上面図を示す。
図6図2及び図3の流体加温/冷却装置下部の一部の拡大図を示す。
図7図2及び3の流体加温/冷却装置の一部の断面及び拡大図である。
図7A図5Aから図5Cの異なる種類の流体加温バッグを有する図7の部分を示す。
図7B図5Aから図5Cの異なる種類の流体加温バッグを有する図7の部分を示す。
図7C図5Aから図5Cの異なる種類の流体加温バッグを有する図7の部分を示す。
図8A】存在検出器の追加の実施形態を含む流体加温/冷却装置の部分の断面及び拡大図を示す。
図8B】存在検出器の追加の実施形態を含む流体加温/冷却装置の部分の断面及び拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付図面を参照して、図1は、体外血液処理装置1の模式図を示す。装置1は、1つの血液処理装置2、例えば、血液ろ過器、血液透析ろ過器、血漿ろ過器、透析フィルタ、吸収器、又は患者Pから採取した血液を処理するために適した他のユニットを備える。血液処理装置2は、第1の区画又は血液チャンバー3と、半透膜5によって互いに隔てられた第2の区画又は流体チャンバー4を有する。血液引き込みライン6は、血液チャンバー3の入口ポート3aに接続され、患者Pへの接続の動作条件において、例えば患者P上の瘻孔内に挿入された血管アクセス装置から血液を除去するように構成されている。血液チャンバー3の出口ポート3bに接続された血液リターンライン7は、処理ユニット2から治療血液を受け取り、処理血液を、例えば、患者Pの瘻孔にも接続されたさらなる血管アクセスに戻るように構成されている。血管アクセス装置のための様々な構成が想定されることに留意されたい、例えば、典型的なアクセス装置は、瘻孔、グラフト又は中心(例えば、頸静脈)又は末梢静脈(大腿静脈)などであり得る血管アクセスに挿入された針又はカテーテルを含む。
【0026】
血液引き込みライン6と血液リターンライン7は、装置1の体外血液回路の一部である。体外血液回路6、7及び処理ユニット2は、通常、不図示の血液処理装置のフレーム上に収容される、使い捨ての部分である。図1に示すように、装置1は、患者Pから取り除かれた血液を、患者Pに接続された引き込みライン6の第1端から血液チャンバー3へ移動させるように、本具体例の血液ポンプ8において、前記機械の一部であり、血液引き込みライン6で動作する、少なくとも第1のアクチュエータを含む。血液ポンプ8は、例えば、図1に示すように引き込みライン6のそれぞれのポンプ部に作用する、蠕動ポンプである。本記載及び添付クレームの目的のために、「上流」及び「下流」の用語が、体外血液回路に属する又は動作する構成要素によって取られる相対位置を参照して使用され得ることに留意すべきである。これらの用語は、患者Pに接続された血液引き込みライン6の第1端部から血液チャンバー3に向かって、次に、血液チャンバー3から患者Pの血管アクセスに接続された血液リターンライン7の第2端部に向かって、血液フロー方向を参照して理解される。
【0027】
装置1は、さらに、血液リターンライン7上で動作する空気トラッピング装置9を備えることができる(空気トラッピング装置9は静脈脱気チャンバーであってもよい)。空気トラッピング装置9は、血液リターンライン7にオンラインで配置される。血液リターンライン7の第1のセクションは、血液チャンバー3の出口ポート3bと空気トラッピング装置9が通信する流体の中に入り、血液リターンライン7の第2のセクションは、空気トラッピング装置9と患者Pが通信する流体の中に入る。処理装置2の血液チャンバー3から来る血液は、患者Pに到達する前に空気トラッピング装置9に入って出る。図1の装置1は、さらに、半透膜5を通って濾過された廃液を受け取るように、流体チャンバー4の出口ポート4bと接続された1つの流体排出ライン10を備える。流体排出ライン10は、例えば、使用された透析液及び/又は膜5を介して限外ろ過された液体を含む、処理装置2の流体チャンバー4から来る、そのようなろ過された廃液を受け取る。流体排出ライン10は、例えば、収集バッグ又は廃液のための排水管を有する、不図示の受取要素につながる。不図示の1つ以上の透析液ポンプが、流体排出ライン10上で動作することができる。
【0028】
図1の実施例において、透析ライン11は、流体チャンバー4の入口部4aに新鮮な処理流体を供給するためにも存在する。この透析ライン11の存在は、透析ライン11の非存在において、装置1は、限外ろ過、血液ろ過又は血漿ろ過などの処理を依然として行うことができるため、厳密には必要ではない。透析ライン11が存在する場合、不図示の流体フロー妨害装置は、拡散効果による浄化が処理装置2の内部で実施されるか否かに応じて、透析ライン11を介して液体の通過を選択的に許容又は阻害するために、使用されてもよい。透析ライン11は、存在する場合、典型的には、透析ポンプを備えており、例えば透析流体のバッグ又はオンライン調製セクションなどの不図示のモジュールから新鮮な流体を受け取ることができ、そのような流体を流体チャンバー4の入口ポート4aに送ることができる。
【0029】
流体排出ライン10、透析ライン11及び流体チャンバー4は、処理流体回路12の一部である。図1に示す装置1は、さらに1以上の交換流体の注入ラインを含む、注入回路を含む。図1の実施形態によれば、注入前ライン13は、血液ポンプ8から血液チャンバー3の入口ポート3aまでの間の血液引き込みライン6に接続されている。プレポンプ注入ライン14は、前記血液ポンプ8から患者Pの瘻孔に挿入された血管アクセス装置までの間にある、血液ポンプ8の上流の血液引き込みライン6に接続されている。HF又はHDF処理を行うために、注入後ライン15、つまり16は血液リターンライン7に接続される。HF又はHDF処理を行うために、注入後ライン15と16は、血液リターンライン7に接続される。一般的には、1又は2の注入後ラインは、空気トラッピング装置9の上流又はそれに接続して使用される。図1は、注入後ラインが第1と第2のブランチ15、16を備えることを示す。注入前及び/又は注入後ライン13、14、15、16のそれぞれは、不図示の各ポンプを備えている。注入前及び/又は注入後ライン13、14、15、16は、バッグから来る流体によって、又はオンラインで調製された注入液によって直接供給され得る。注入前及び/又は注入後ライン13、14、15、16のそれぞれは、処理流体回路12の一部である。注入前及び注入後の回路の具体的な構成は、もちろん図1に示されているそれらと異なっていてよい。
【0030】
血液リターンライン7は、例えば、注入後ラインの第1及び第2のブランチ15、16の間に挿入された、加熱/冷却された部分を提供する。前記加熱/冷却された部分の血液は、患者Pの血液循環系に流入する前に、加温/冷却される。加熱/冷却された部分は、血液温度制御(例えば、加温/冷却)装置18に挿入される使い捨て血液加温/冷却バッグ17の一部である。血液加温/冷却装置18は、体外血液処理装置1に接続されているか、又はその一部である。以下では、血液を加熱するための加温装置と加温バッグへの言及が行われる。しかしながら、記載された実施形態は、例えば加温又は冷却のような流体(例えば、血液)の温度制御のための装置をカバーすることを一般的に意図している。添付の図に示す血液加温バッグ17は、血液加温装置18に設けられた加熱シート20のスロット19を介して挿入可能な実質的に平らで柔らかいバッグである(図2及び図3)。血液加温バッグ17の厚さは、1.5mmから3mmであってよい。平面図では、バッグ17は、長さ約200mm、幅約100mmの実質的に略矩形形状である。
【0031】
血液加温バッグ17は、体外血液回路に接続された入口21と出口22を提供する。例えば、血液加温バッグ17は、バッグを形成し、バッグの内側に、前記2枚のシートによって及び結合ラインによって区切られた血液経路23を形成するために重ねて結合された2枚のプラスチック(例えば、ポリウレタン又はポリ塩化ビニル)を備える。図4に示すように、血液加温バッグ17は、血液経路23を入口21と出口22で区切る主要部24と、入口21と出口22の反対側の主要部24の側で主要部23から突出するタブ25’、25’’、25’’’から構成される。血液加温バッグ17を平面図で見ると、タブ25’、25’’、25’’’は、血液加温バッグ17が非対称な形状を有するように、入口22から出口22までの間に介在する軸に対して、離れて位置する。
【0032】
図5A、5B及び5Cは、3つの異なる種類の血液加温バッグ17を示している。3つの異なる種類の主要部24の平面図は同じである。3つの種類は、例えば主要部24に含まれる液体の体積及び/又は血液経路23の形状/寸法及び/又はバッグの厚さなど、他の特徴について異なってよい。図5Aに示される第1の種類の血液加温バッグ17は、主要部24に対して左側に位置する第1の種類のタブ25’を有する。図5Bに示されている第2の種類の血液加温バッグ17は、主要部24に対して左側に位置し、第1の種類のタブ25よりも幅が小さい、第2の種類のタブ25’’を有する。図5Cに示されている第3の種類の血液加温バッグ17は、第2の種類のタブ25''に対して右側にずれ、かつ前記第2の種類のタブ25’’と同じ幅を有する、第3の種類のタブ25’’’を有する。血液加温装置18は、血液加温バッグ17を収容するように配置された加熱シート20を区切る筐体26を含む。筐体26は、動作構成(図2に示す)からメンテナンス構成(図3に示す)までの間で連結され、かつ移動可能な上部27と下部28とを備える。図2及び図3の上部27及び下部28は、言及した構成間を移動するためにヒンジで取り付けられる。
【0033】
筐体26が図2の動作構成にあるとき、上部28及び下部28は並置され、スロット19を通って外側に開く加熱シート20を筐体26の内側で区切る。加熱シート20及びスロット19は、バッグが収縮したときに、スロット19を通ってバッグを挿入することができるように、血液加温バッグの厚さよりもわずかに大きい高さを有する。加熱シート20の高さと、スロット19の高さは、1.3mmから3.2mmとすることができる。筐体26が図3のメンテナンス構成にあるとき、上部27は、加熱シート20を開放し、メンテナンス動作及び/又はクリーニングを可能にするために、下部28に対して回転され上昇される。下部28の上面は、加熱シートの下部を区切り、血液加温バッグ17を収容するように形成される中空部を有する。中空部は、前記第1の表面又はプレートの下に配置された第1の加熱要素29によって加熱された第1の平らな表面又はプレートを提供する。
【0034】
上部28の下面は、前記第2の表面又はプレートの下に置かれた第2の加熱要素30によって加熱された第2の平らな表面又はプレートを有する。第2の平らな表面又はプレートは、加熱シート20の上部を区切る。第1の平らな表面及び第2の平らな表面は、加熱シート20を区切る反対及び平行な面である。第1及び第2の加熱要素29、30は、電源によって給電され、血液加温バッグを加熱するために、不図示の電子制御ユニットによって制御される電気抵抗器であってもよく、又はそれに接続されてもよい。加熱シート20は、血液加温バッグ17の主要部24と、タブ25’、25’’、25’’’を収容するための凹部31を収容するように配置された主要シートを提供する。第1及び第2の平らな表面は、主要部24を区切る。図3、5A~5C及び6に示すように、凹部31は、下部28において様式化されており、それは、スロット19と反対の主要シート20の側に位置している。
【0035】
流体加温装置18は、血液加温バッグ17の存在及び種類を検出するために、加熱シート20内で動作可能なように起動する、第1の存在検出器32及び第2の存在検出器33を備える。第1の存在検出器32及び第2の存在検出器33は、筐体26の上部27に取り付けられ、並行で配置され、筐体26が図2の動作構成にある場合、前記第1の存在検出器32及び第2の存在検出器33は、凹部31に対し対向する。第1の存在検出器32及び第2の存在検出器33は同じ種類である。従って、第1の存在検知器32の構造のみをここで説明する。第1の存在検出器32は、電磁送信機34と電磁受信機35と、不図示の支持回路を備える。電磁送信機34は発光ダイオード(LED)であり、電磁受信機35はフォトダイオードである。発光ダイオードは、波長470nmの光を放射する。発光ダイオード(LED)とフォトダイオードは同じ種類である。電磁送信機34及び電磁受信機35は、電子制御ユニットに接続されている。
【0036】
図7に示すように、電磁送信機34は筐体26の上部27に形成された第1の通路36に収容され、電磁受信機35は筐体26の上部27に形成された第2の通路37に収容される。これらの第1及び第2経路36、37は収束し、上部27の下面に置かれた開口部38に合流する。前記開口部38は、上部26が下部28に並置される場合、下部28の凹部31に向かって対向する。これらの第1と第2の通路36、37との間の角度は90°であり、各通路は上部27の下面を45°の角度で区切る。電磁送信機34及び電磁受信機35は、上部27の下面に直交する対称軸に対して対称に配置されている。凹部31は、前記凹部31の底部に配置された受信面39を含む。前記受信面39は、図7に示すように開口部38と前記開口38の面から間隔をあけて配置される。開口部38から受信面39までの間の距離は、加熱シート20の厚さよりも大きい。
【0037】
血液加温バッグ17が加熱シート20内に適切に収容され、タブ25’、25’’、25’’’が凹部31内にある場合、前記タブ25’、25’’、25’’’が受信面39より上にあり、図7に示すように受信面39から間隔をあけて配置される。タブ25’、25’’、25’’’は、第1の存在検出器32から受信面39までの間に位置する。第1の存在検出器32に対して、タブ25’、25’’、25’’’が受信面39をカバーし、タブ25’、25’’、25’’’が開口部38を閉じる。受信面39は、主要シート24の第1の平坦面に対して、また、上部27の下面に対して傾斜している。第1の平坦面から受信面39までの間の角度「β」は、10°であってよい。血液加温バッグ17が、凹部31内にタブ25’、25’’、25’’’を有し加熱シート20内に適切に収容される場合、前記角度「β」はまた、受信面39からタブ25’、25’’、25’’’までの間にある(図7)。受信面39は暗く、及び/又はマット仕上げを提供する。
【0038】
血液加温バッグ17の外表面40は、血液加温バッグ17が加熱シート20において適切に収容されている場合にのみ、電磁送信機34によって放射される電磁放射線を少なくとも部分的に反射するように構成される。添付の図に示される実施形態では、外表面40は、タブ25’、25’’、25’’’の一部である。タブ25’、25’’、25’’’の外表面は、グロス仕上げを提供する。血液加温バッグ17が、凹部31内のタブ25’、25’’、25’’’と共に加熱シート20内に適切に収容される場合、外表面40は、タブ25’、25’’、25’’’の上面である。電磁受信機35は、電磁送信機34によって放射され、血液加温バッグ17のタブ25’、25’’、25’’’によって少なくとも部分的に反射される電磁放射を受信するように、電磁送信機34に対して位置する。実際、血液加温バッグ17が加熱シート20内に適切に収容される場合、電磁送信機34及び電磁受信機35は、タブ25’、25’’、25’’’の上面に直交する対称軸に関して対称に配置される。
【0039】
血液加温バッグ17が加熱シート20内に適切に収容されず、タブ25’、25’’、25’’’が凹部31内にない場合、受信面39は、電磁送信機34によって放射される電磁放射を妨害する。電磁送信機34によって放射され、受信面39によって受信される電磁放射の一部は、部分的に反射され、かつ、部分的に吸収される、及び反射された部分は、電磁受信機35によって捕捉されない。電磁送信機34は、発信経路41に沿って電磁放射を発信する。言い換えると、タブ25’、25’’、25’’’が凹部31にない場合、傾斜する受信面39は、第1の反射経路42に沿って電磁放射を反射する。第1の反射経路42に沿って反射された電磁放射は、電磁受信機35が前記第1の反射経路41から間隔をあけているため、電磁受信機34によって捕捉されない。
【0040】
タブ25’、25’’、25’’’が凹部31内にあるとき、タブ25’、25’’、25’’’の外表面40は、第2の反射経路43に沿って電磁放射を反射し、電磁受信機は、前記第2の反射経路43を妨害する。発信経路41及び第2の反射経路43は、タブ25’、25’’、25’’’の外表面40に直交する対称軸に関して対称であり、それらの間を角度90°で区切る。図7は、血液加温バッグ17が加熱シート20中にないため、又は血液加温バッグ17が前記加熱シート20の中に完全に挿入されていないため、タブ25’、25’’、25’’’が、凹部31の中に収容されていない場合の、第1の存在検出器32と第2の存在検出器33の両方の発信経路41と第1の反射経路42を示す。第1の存在検出器32の両方の第1の反射経路42は、それぞれの電磁受信機35に到達しない。
【0041】
図7Aは、図5Aのように、第1の種類の血液加温バッグ17の第1の種類のタブ25’が凹部31に収容される場合、第1の存在検出器32及び第2の存在検出器33の両方の発信経路41及び第2の反射経路43を示す。第1の存在検出器32の両方の第2の反射経路43は、それぞれの電磁受信機35に到達する。第1の種類の血液加温バッグ17は、加熱シート20において適切に収容されている。図7Bは、図5Bのように、第2の種類の血液加温バッグ17の第2の種類のタブ25’’が凹部31に収容される場合、第1の存在検出器32の発信経路41及び第2の反射経路43、及び第2の存在検出器33の発信経路41及び第1の反射経路42を示す。第1の存在検出器32の第2の反射経路43は、それぞれの電磁受信機35に到達する。第2の存在検出器33の第1の反射経路42は、それぞれの電磁受信機35に到達しない。第2の種類の血液加温バッグ17は、加熱シート20に適切に収容されている。
【0042】
図7Cは、図5Cのように、第3の種類の血液加温バッグ17の第3の種類のタブ25’’’が凹部31に収容される場合、第2の存在検出器33の発信経路41及び第2の反射経路43、及び第1の存在検出器32の発信経路41及び第1の反射経路42を示す。第1の存在検出器32の第1の反射経路42は、それぞれの電磁受信機35に到達しない。第2の存在検出器33の第2の反射経路43は、それぞれの電磁受信機35に到達する。第3の種類の血液加温バッグ17は、加熱シート20に適切に収容されている。電子制御ユニットは、以下の表1に従い、第1の存在検出器32及び第2の存在検出器33の電磁受信機35から信号を受信し、どの種類の血液加温バッグ17が血液加温装置18に挿入されたかを検出するために、読取りを分析する。
【0043】
【表1】
【0044】
電子制御ユニットは、さらに、警告を提供し、及び/又は血液加温バッグ17が加熱シート20に適切に収容されていない場合、血液加温装置18の動作を停止する、及び/又は防止するように構成されてもよい。存在検出器の追加の実施形態を、図8A及び8Bに示す。図8Aの実施形態は、第1の存在検出器32及び第2の存在検出器33のそれぞれの発信機34及び受信機35が、実質的に同じ位置に配置される(例えば、流体加温バッグ17の上に垂直に配置される)ことを示す。各存在検出器32、33の発信機34及び受信機35は、共通の経路内に収容され、主要シート24の第1の平坦面に対して垂直に向けられる。図8Aは、図5Cのように、凹部31に収容された第3の種類の血液加温バッグ17の第3の種類のタブ25’’’を示す。第1の存在検出器32の第1の反射経路42は、受信面39によって反射され、それぞれの電磁受信機35に到達しない。第2の存在検出器33の第2の反射経路43は、血液加温バッグ17の第3の種類のタブ25’’’の外表面40によって反射され、それぞれの電磁受信機35に到達する。
【0045】
発信機34は、発信信号が、とにかく血液加温バッグ17の外表面40と90°の異なる形成角度で区切るように、わずかに傾斜しているか、又は不図示の偏向要素を備えていてもよい。そうでない場合、発信信号が、第3の種類のタブ25’’’の表面40に対して実質的に垂直であっても、受信機35は、発信機34に非常に近いので、流体加温バッグ17による信号は、受信機35によって捕捉される。図8Bの実施形態は、第1の存在検出器32及び第2の存在検出器33のそれぞれの発信機34及び受信機35が,同じ装置であることを示す。発信機自体は、信号を発信した後、反射信号を受信する(例えば、発信アンテナが反射信号を受信する)。各発信機/受信機34、35は、主要シート24の第1の平坦面に対して、垂直に向けられた経路内に収容される。
【0046】
添付図面に不図示の他の実施形態では、発信信号は、加熱シート31内への流体加温バッグ17の存在とは独立して(すなわち、反射信号は常に受信機によって受信される)、受信機35によって反射され、受信される。しかしながら、流体加温バッグ17の有無は、1つ以上の反射信号特性(例えば、強度、位相、波長など)を変更する、従って、流体加温バッグ17の有無が、受信された反射信号を精巧にすることによって確認され得る。例えば、流体加温バッグ17は、高い反射面を有し得る(すなわち、反射信号は、高強度である)のに対し、筐体受信面は、信号の大部分を吸収することができる(すなわち、反射信号は、高く減衰される)。ここに開示された本発明による流体加温装置1は、処理流体を加熱するために、処理流体回路に結合又はそれに結合されるように構成するよう、設計されてもよい。
【0047】
1つ以上の処理流体加温装置1が、1つ以上の注入前及び/又は注入後ライン13、14、15、16、又は透析ライン11に結合されてよい。本発明は、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられているものに関連して記載されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、添付された特許請求の範囲内に含まれる種々の変形及び同等の構成を含むことが意図されていると理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B