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  • 特許-可聴警告バイメタル要素を含む調理容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】可聴警告バイメタル要素を含む調理容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20231201BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20231201BHJP
   A47J 36/02 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
A47J37/12 301
A47J27/00 101Z
A47J36/02 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020565463
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2019061958
(87)【国際公開番号】W WO2019224011
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】1854446
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローラン ゲガン
(72)【発明者】
【氏名】サッシ ベッツィ
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ ビロー
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン インクレア
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】実公昭52-036779(JP,Y2)
【文献】登録実用新案第3008422(JP,U)
【文献】特開平07-148069(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0095215(US,A1)
【文献】特開2004-020817(JP,A)
【文献】特表2016-534834(JP,A)
【文献】特開2016-220786(JP,A)
【文献】特開2001-321269(JP,A)
【文献】特開2003-332033(JP,A)
【文献】実公昭51-035422(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
A47J 27/00
A47J 36/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理容器(1)であって、底部(3)に備え付けられたキャップ(2)を含み、前記底部(3)が、温度が所定温度よりも低いときに低温の安定な第1のポジションを取り、温度が所定温度よりも高いときに高温の安定な第2のポジションに切り替わり、逆もまた同様である、少なくとも1つのバイメタル要素(30a、30b)を収容するハウジングを含み、前記安定な第1のポジションから前記安定な第2のポジションへの移行が、ユーザーまたは外部デバイスにより感知されるように設計された可聴信号を生成し、バイメタル要素(30a、30b)が前記ハウジング(6)の少なくとも1つの壁(17、25)に衝突して可聴信号を発することを特徴とする、調理容器(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのバイメタル要素(30a、30b)が、ハウジング(6)内を自由に動くことを特徴とする、請求項1に記載の調理容器(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのバイメタル要素(30a、30b)が、球の一部の形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の調理容器(1)。
【請求項4】
前記底部(3)が、少なくとも2つのバイメタル要素(30a、30b)を含み、2つの異なる所定温度で、それらの低温の安定な第1のポジションから高温の安定な第2のポジションに切り替わることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の調理容器(1)。
【請求項5】
前記ハウジング(6)が、プレート(20a,20b、20c、20d)により閉鎖された空洞(10)により形成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の調理容器(1)。
【請求項6】
前記プレート(20a、20b、20c、20d)が、前記底部の下側(7)に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の調理容器(1)。
【請求項7】
前記プレート(20a)が、プレート(20a)に対して垂直に伸びる周縁部(22)を有し、前記周縁部(22)が、アンダーカット形状を含む空洞(10)の領域(12)と係合することを意図されたフック部(13)を有することを特徴とする、請求項5または6に記載の調理容器(1)。
【請求項8】
プレート(20b)が穿孔(24)を有し、および底部(3)がスタッド(15)を有し、前記穿孔(24)がプレス操作により前記スタッド(15)に取り付けられて、プレート(20b)が前記底部(3)に固定されることが意図されることを特徴とする、請求項5または6に記載の調理容器(1)。
【請求項9】
プレート(20c)が、溶接操作により底部(3)に固定されることを特徴とする、請求項5または6に記載の調理容器(1)。
【請求項10】
プレート(20d)が、フック穿孔(16)を前記底部(3)の材料で満たすようなプレス操作によって底部(3)に埋め込まれることを意図されているために、フック穿孔(16)を有することを特徴とする、請求項5または6に記載の調理容器(1)。
【請求項11】
前記調理容器(1)が、フライパン、ソースパン、ソテー鍋、シチュー鍋、または圧力鍋であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の調理容器(1)。
【請求項12】
前記外部デバイスが、スマートフォンであることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の調理容器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品調理用のホットプレート、バーナー、または同様の機器に配置することを意図した調理容器、特にフライパン、ソースパン、ソテーパン、シチュー鍋または圧力鍋に関し、より具体的には、センサー、特に温度センサーを含むキャップを備えた調理容器に関する。
【背景技術】
【0002】
予熱中に所定温度に達したときに音を発する、調理容器の底部に取り付けられる温度警告デバイスは、特許第3201143号公報(特許文献1)から知られている。デバイスは、温度が所定温度より低いときに第1の安定した低温ポジションを取り、温度が所定温度を上回ったときに第2の安定した高温ポジションに切り替わるバイメタル要素からなる。バイメタル要素が切り替かわると、ベルを叩くハンマーが解放され、ユーザーが知覚できるように設計された可聴信号が発信される。
【0003】
しかし、警告デバイスが適切に機能するには、調理容器の底における熱交換の質、特に底の均一性に依存する。
【0004】
さらに、ユーザーが食品、例えば脂肪を調理容器に入れると、食品が調理容器の底とデバイスの支持面との間に留まり、したがってバイメタル要素の切り替えを妨害する可能性がある。
【0005】
また、警告デバイスが複雑な構造を有することが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3201143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の欠点を改善し、長期間にわたって信頼でき、反復する稼働を有する、所定温度の達成を警告するデバイスを備えた調理容器を提案することである。
【0008】
本発明のまた別の目的は、取り付けるのに経済的である単純な構造を有する、所定温度達成を警告するデバイスを含む調理容器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的は、端壁を備えたキャップを含む調理容器により達成され、温度が所定温度よりも低いときに低温の安定な第1のポジションを取り、温度が所定温度よりも高いときに高温の安定な第2のポジションに切り替わり、逆もまた同様である、少なくとも1つのバイメタル要素を収容するハウジングを含む底部を特徴とし、第1の安定ポジションから第2の安定ポジションへの移行は、ユーザーまたは外部デバイスにより感知されるように設計された可聴信号を生成する。
【0010】
少なくとも1つのバイメタル要素が調理容器の底部に組み込まれ、所定温度に到達したときに可聴警告を発するデバイスが形成される。したがって、可聴警告デバイスは調理容器から取り外すことができず、紛失したり置き忘れたりすることがない。可聴警告デバイスは、ユーザーの介入なしに、自律的に機能する。
【0011】
さらに、少なくとも1つのバイメタル要素が、底部の大部分の温度を最も代表する場所に、取り付けられる。
【0012】
少なくとも1つのバイメタル要素が低温の安定な第1のポジションから高温の安定な第2のポジションに切り替わるという事実から、ポジションの変化が短時間のうちに急に起こることが理解される。したがって、可聴信号は、短いが大きい。
【0013】
移行中、バイメタル要素がレシーバーハウジングの少なくとも1つの壁に衝突し、可聴信号を発する。
【0014】
有利には、少なくとも1つのバイメタル要素は、65~75dB、好ましくは69dBの音圧レベルで可聴信号を発する。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つのバイメタル要素が低温の安定な第1のポジションから高温の安定な第2のポジションに切り替わる所定温度は、220~260℃に収まり、好ましくは230℃である。
【0016】
前記所定温度は、食品の焦げのリスク、および、特に底部に付着防止のPTFE型コーティングを有する場合に、調理容器の過熱のリスクにつながる、調理される食品の加熱しすぎの温度に対応する。
【0017】
有利には、少なくとも1つのバイメタル要素は、ハウジング内を自由に動く。
【0018】
したがって、低温の安定な第1のポジションから高温の安定な第2のポジションへの移行中に、バイメタル要素がハウジングの壁に衝突し、可聴信号を発する。
【0019】
少なくとも1つのバイメタル要素は、好ましくは、球の一部の形状を有する。
【0020】
この形状を得るために、直径Dのディスクが、異なる膨張係数を有する2つの材料の2つの層からなるシートから切り出され、ディスクは、少なくとも1つのバイメタル要素が高さHの球の一部の形状をとるようにプレスされる。
【0021】
したがって、低温の安定な第1のポジションにおいて、少なくとも1つのバイメタル要素は、一方向に湾曲した球の一部の形状をとり、高温の安定な第2のポジションにおいて、少なくとも1つのバイメタル要素は、反対方向に湾曲した球の一部の形状をとる。
【0022】
本出願人は、バイメタル要素のそのような形状により、低温の安定な第1のポジションから高温の安定な第2のポジションへの切り替えが、非常に短時間に、急に起こることを明らかにした。
【0023】
有利には、底部は少なくとも2つのバイメタル要素を含み、2つの異なる所定温度で、それらの低温の安定な第1のポジションからそれらの高温の安定な第2のポジションに切り替わる。
【0024】
したがって、可聴警告デバイスは、第1のバイメタル要素が切り替わる第1の所定温度に達したとき、次に第2のバイメタル要素が切り替わる第2の所定温度に達したときに、2つの連続した可聴信号を発することができる。
【0025】
有利には、第1のバイメタル要素が切り替わる第1の所定温度は、220~240℃に収まり、好ましくは230℃であり、第2のバイメタル要素が切り替わる第2の所定温度は、240~260℃に収まり、好ましくは250℃である。
【0026】
少なくとも2つのバイメタル要素は、好ましくは、同じハウジング内に取り付けられる。
【0027】
有利には、ハウジングは、プレートで覆われた空洞により形成される。
【0028】
この配置により、共鳴チャンバとして機能する閉鎖された空洞を作り出すことが可能となる。
【0029】
有利には、プレートは、0.5~2mmの厚さを有する。
【0030】
本出願人は、そのような厚さが、バイメタル要素の切り替えにより生成される可聴信号の増幅を可能にすることを明らかにした。
【0031】
有利には、プレートは、アルミニウムで作られている。
【0032】
プレートは、好ましくは、底部の下側に取り付けられる。
【0033】
したがって、プレートは、食品を受け入れることを意図された底部の上面が均一で滑らかなままであるように、固定デバイスで下面に取り付けられる。
【0034】
有利には、プレートは、プレートに対して垂直に延びる周縁部を有し、周縁部は、アンダーカット形状を含む空洞の領域と係合することを意図されたフックを有する。
【0035】
したがって、プレートの組み立ては、単純な切り抜き操作によって行われる。
【0036】
好ましくは、プレートは、溶接手段により底部に固定される。
【0037】
そのような配置は、プレートを底の下面または底の上面、特に付着防止コーティングの層の下にプレートを取り付けることを可能にする。
【0038】
有利には、プレートは穿孔を有し、および底部はスタッドを有する。穿孔の目的は、プレス操作によってプレートを底部に固定するために、それらをスタッドに取り付けることである。
【0039】
スタッドは、ハウジングを変形させないような十分に小さいトン数を提供するプレスを使用してプレスすることにより、有孔プレートを底に圧着することを可能にする。
【0040】
有利には、プレートは、フック穿孔が底部材料で満たされるような打撃作用によりプレートを底部に埋め込むことができるように、傾斜した内縁を備えたフック穿孔を有する。
【0041】
この構成により、1回のプレス操作でプレートを底部に取り付けることができる。
【0042】
空洞は、好ましくは、雌ねじを備えた壁を有し、壁は、雄ねじのエッジを有し、プレートは、ねじ込みにより空洞に取り付けられる。
【0043】
有利には、調理容器は、フライパン、ソースパン、ソテーパン、シチュー鍋、または圧力鍋である。
【0044】
好ましい外部デバイスはスマートフォンである。
【0045】
したがって、スマートフォンは、バイメタル要素の切り替えにより生じる可聴信号を捕捉して、さらなる信号の情報をユーザーに提供する専用のアプリケーションを含む。
【0046】
本発明は、例示的な実施形態の研究からよりよく理解されるが、これはあらゆる制限なく受け取られるべきであり、添付の図に示される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による調理容器の斜視図を示す。
図2a図2aは、図1の調理容器の線II-IIに沿った詳細な断面図を示し、バイメタル要素は低温の安定な第1のポジションにある。
図2b図2bは、図1の調理容器の線II-IIに沿った詳細な断面図を示し、バイメタル要素は高温の安定な第2のポジションにある。
図3図3は、図1の調理容器のプレートの斜視図を示す。
図4図4は、図1の調理容器の線II-IIに沿った詳細な断面図を示し、調理容器は、2つのバイメタル要素を含む。
図5図5は、本発明の第2の実施形態による、図1の調理容器の詳細な断面図を示す。
図6図6は、本発明の第3の実施形態による、図1の調理容器の詳細な断面図を示す。
図7図7は、本発明の第4の実施形態による、図1の調理容器の詳細な断面図および斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
この文書において、調理容器を説明するために使用される「水平」、「垂直」、「下部」、「上部」、「縦」、「横」、「上」、「下」という用語は、水平面に置いたときの使用中の調理容器を参照することに注意すべきである。
【0049】
図1から図7に見られるように、調理容器1は、底部3および側壁4を含むキャップ2を有する。キャップ2は、例えばディスクをプレス加工することにより、または鋳造により、アルミニウムから作られる。底部3は、底部3に打ちつけることによって取り付けられた有孔金属プレート5を含む。金属プレート5は、誘導加熱との適合性を確保するために、強磁性ステンレス鋼で作られる。調理容器1は、長手方向にキャップ2まで半径方向に延びるハンドル(図示せず)を有する。ハンドルは、留め具によりキャップ2の側壁4に取り付けられている。
【0050】
底部3は厚さEを有し、ハウジング6はバイメタル要素30a、30bを収容するためにそこに配置される。ハウジング6は、底部3の中央、底部3の下側7に配置される。ハウジング6は、有孔金属板5の円形の隙間9の内側に配置される。ハウジング6は、プレート20a、20b、20c、20dにより閉じられた、深さPを有する円筒形の空洞10を含む。ハウジング6は、上壁17およびプレート20a、20b、20c、20dに属する下壁25を有する。有利には、空洞10の深さPと底部3の厚さEとの比は0.5未満である。一例として、空洞は1.5mmに等しい深さPを有し、底部3は3.5~10mmまで変化し得る厚さを有する。
【0051】
バイメタル要素30a、30bは、温度が所定温度より低いとき、低温の安定な第1のポジション(図2a)を取り、温度が所定温度を越えたときに高温の安定な第2のポジション(図2b)に切り替わり、逆もまた同様である。第1の安定なポジションから第2の安定なポジションへの移行は、可聴音を生成し、その周波数および可聴レベルは、ユーザーまたは外部デバイスによって感知されるように設計される。バイメタル要素30a、30bは、ハウジング6の上壁17および下壁25に衝突して、可聴信号を発する。有利には、バイメタル要素30aは、所定の切り替わり温度が、食品の焦げ、および、特に底部がPTFE型の付着防止コーティングを有する場合、調理容器の過熱につながるおそれのある、調理物の加熱しすぎの温度に対応するように調整される。
【0052】
図示された実施形態において、バイメタル要素30a、30bは、低温の安定な第1のポジションでは球の下方に湾曲した部分の形状を有し(図2a)、バイメタル要素30a、30bは、高温の安定な第2のポジションでは球の上方に湾曲した部分の形状を有する。この形状を得るために、直径Dのディスクが、異なる膨張係数を有する2つの材料の2つの層からなるシートから切り出される。好ましくは、ディスクの直径は20~40mmであり、ディスクの厚さは0.2~0.35mmであるべきである。次に、ディスクは、バイメタル要素30a、30bが高さHを有する球の一部として形作られるように、プレスされる。
【0053】
閉鎖プレート20a、20b、20c、20dは、バイメタル要素30a、30bを構成するディスクの直径Dよりわずかに大きい直径を有する円形中央部21を有する。プレート20a、20b、20c、20dは、好ましくは、0.5~2mmの厚さのアルミニウムで作られる。
【0054】
図1図4に示される第1の実施形態において、閉鎖プレート20aは、プレート20aに垂直に延びる周縁部22を有する。空洞10は、溝12が作られる側壁11を有する。周縁部22は、溝12と係合することが意図された外部放射状突起13により形成されたフック部を有する。プレート20aは、外部放射状突起が溝12に固定されるまでプレート20aを押し込むことによって、空洞10に圧入される。
【0055】
図4に示されるように、ハウジング6は、第1および第2の所定温度で、それぞれの低温の安定な第1のポジションから高温の安定な第2のポジションに切り替わる、第1のバイメタル要素30aおよび第2のバイメタル要素30bを収容する。有利には、第1のバイメタル要素30aが切り替わる第1の所定温度は、第2のバイメタル要素30bが切り替わる第2の所定温度よりもわずかに低く、例えば、第1の所定温度は220~240℃に収まり、好ましくは230℃であり、第2の所定温度は240~260℃に収まり、好ましくは250℃である。第2の所定温度は、特に底部の上側に配置された付着防止コーティングを維持するために超えてはならない最高温度に対応する。
【0056】
したがって、調理容器1を予熱すると、食品の投入に対応する、第1の所定温度に到達したことを示す第1の可聴信号が第1のバイメタル要素30aによって出され(図4)、ユーザーが第1の信号を聞いていない場合、第2の所定温度に到達したことを示す第2の可聴信号が第2のバイメタル要素30bにより放出され、ユーザーに火力を下げるようにうながす。
【0057】
図5に示される第2の実施形態において、プレート20bは、穿孔24を備えた外縁部23を有し、底部3はスタッド15を有する。穿孔24は、スタッド15に取り付けられることを意図されている(図5)。スタッド15を変形させるためのプレス操作は、プレート20bを底部3に圧着することを可能にする。
【0058】
キャップ2がアルミニウムディスクのプレス加工により作られる場合、空洞10およびスタッド15は、プレス操作によって得ることができる。キャップ2が鋳造操作により作られる場合、空洞10とスタッド15は金型で直接作成することができる。
【0059】
図6に示される第3の実施形態において、空洞10は、ディスクの形態のプレート20cを受け入れることを意図された肩部14を有する。プレート20cは、レーザー溶接操作、TIG(タングステンイナートガス)溶接操作、またはMIG(金属イナートガス)溶接操作を含む溶接操作により、底部3に取り付けられる。溶接操作は、底部3とプレート20cとの間に溶接ビード18を形成する。
【0060】
第4の実施形態において、プレート20dは、16個のフック穿孔を有する。プレート20dは、フック穿孔16が底部3からの材料で満たされるように、プレス操作によって底部3に埋め込まれることを意図されている。有利には、フック穿孔16は、傾斜した内縁を含む。
【0061】
実施形態の一変形形態において、ユーザーは、調理容器の外部のデバイス、例えばスマートフォンにより支援される。ユーザーはスマートフォンで専用のアプリケーションを起動でき、これはコンロの近くに置いておく必要がある。底部が所定温度に達すると、バイメタル要素は、スマートフォンにより感知される可聴信号を発する。次に、スマートフォンは、ユーザーが非アクティブ化する必要がある警告を介して、この情報を中継する。したがって、可聴信号が発せられたときにユーザーが一時的に不在だった場合でも、この警告は、温度が超えていることをユーザーに警告する。
【0062】
正しく理解される場合、これらの実施形態は単に例として提供されたものであるため、本発明は決して説明および図示された実施形態に限定されない。特に、様々な要素が構成される方法に関して、または同等の技術を代替することに関して、本発明の範囲内にとどまるという条件で、修正を行うことは依然として可能である。
【0063】
したがって、一実施形態の変形例において、空洞は、雌ねじを備えた壁を有し、壁は、雄ねじのエッジを有し、プレートは、ねじ込みにより空洞に取り付けられる。
【0064】
また別の実施形態の変形例において、調理容器は、電気炊飯器の取り外し可能なボウルにより作製される。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7