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  • 特許-通信ケーブルおよびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】通信ケーブルおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 11/06 20060101AFI20231201BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H01B11/06
H01B7/18 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021122274
(22)【出願日】2021-07-27
(65)【公開番号】P2023018272
(43)【公開日】2023-02-08
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000238049
【氏名又は名称】冨士電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】河田 正義
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 英明
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-205828(JP,A)
【文献】特開2006-073534(JP,A)
【文献】特表2012-519939(JP,A)
【文献】実公昭45-023691(JP,Y1)
【文献】実開昭63-171912(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0048961(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 11/06
H01B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル芯と、絶縁層および導電層が積層された遮蔽テープと、を備え、
前記遮蔽テープには、前記導電層を一方の側縁部から他方の側縁部にかけて分断する複数のスリットが当該遮蔽テープの長手方向に垂直に直線状に形成され、
前記スリットの幅が0.01mm以上0.3mm以下であり、
前記スリットが前記遮蔽テープの長手方向に沿って150mm以上300mm以下毎に配置されており、
前記遮蔽テープが前記ケーブル芯の周囲に横巻きされ、その重なり幅が前記遮蔽テープの幅の1/6以上1/3以下である、通信ケーブル。
【請求項2】
ケーブル芯と、絶縁層および導電層が積層された遮蔽テープと、を備える通信ケーブルの製造方法において、
前記遮蔽テープを準備する工程であって、前記導電層を一方の側縁部から他方の側縁部にかけて分断する複数のスリットを、当該遮蔽テープの長手方向に垂直に直線状に形成し、前記スリットの幅を0.01mm以上0.3mm以下とし、前記スリットを前記遮蔽テープの長手方向に沿って150mm以上300mm以下毎に配置する工程と、
前記遮蔽テープを前記ケーブル芯の周囲に横巻きする工程であって、その重なり幅を前記遮蔽テープの幅の1/6以上1/3以下とする工程と、
を有する、通信ケーブルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信ケーブルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(Local Area Network)ケーブルなどの通信ケーブルは、サーバ同士の間やサーバとスイッチとの間、サーバとパーソナルコンピュータとの間など、様々な機器の接続に使用されている。機器同士を接続する際には、複数の通信ケーブルが近接して配置されることがある。しかしながら、複数の通信ケーブルが近接して配置されると、隣接する通信ケーブルによって、エイリアンクロストークと称されるノイズが発生することがある。
【0003】
このようなエイリアンクロストークを抑制する方法として、通信ケーブルのケーブル芯の周囲に、金属層を設置する技術が知られている。例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも称する)フィルムとアルミニウム層とが積層された遮蔽テープを、ケーブル芯の周囲に巻き付けることなどが従来から行われている。
【0004】
しかしながら、ケーブル芯の周囲を、金属層(アルミニウム層)によって一様に覆ってしまうと、遮蔽テープが帯電し、当該遮蔽テープが高周波に対するアンテナとなりやすかった。そして、遮蔽テープがアンテナとなると、通信ケーブルの電気特性に影響が生じるため、このような通信ケーブルでは、片端または両端を接地する必要がある。しかしながら、接地作業はコストが非常に高い。
【0005】
そこで、たとえば遮蔽テープのアルミニウム層にスリットを入れるとともに、アルミニウム層で覆われない部分がないように遮蔽テープを重ね巻きする方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-205828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のように、遮蔽テープのアルミニウム層にスリットを入れると、遮蔽テープがアンテナとならず、接地が不要となる。しかしながら、アルミニウム層で覆われない部分がないように遮蔽テープを重ね巻きする作業は非常に煩雑であり(遮蔽テープの重ね巻き量が増えテーピング時間がかかる)、効率的ではなかった。
【0008】
本発明の主な目的は、エイリアンクロストークを抑制可能で接地が不要な通信ケーブルであって、効率よく製造可能である通信ケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明によれば、
ケーブル芯と、絶縁層および導電層が積層された遮蔽テープと、を備え、
前記遮蔽テープには、前記導電層を一方の側縁部から他方の側縁部にかけて分断する複数のスリットが当該遮蔽テープの長手方向に垂直に直線状に形成され、
前記スリットの幅が0.01mm以上0.3mm以下であり、
前記スリットが前記遮蔽テープの長手方向に沿って150mm以上300mm以下毎に配置されており、
前記遮蔽テープが前記ケーブル芯の周囲に横巻きされ、その重なり幅が前記遮蔽テープの幅の1/6以上1/3以下である、通信ケーブルが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エイリアンクロストークを抑制可能で接地が不要であり、遮蔽テープの巻き付け作業が煩雑ではなく効率よく製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態にかかる通信ケーブルの概略断面図である。
図2図2Aは本発明の一実施形態にかかる通信ケーブルの遮蔽テープの平面図であり、図2Bは当該遮蔽テープの側面図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる通信ケーブルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の通信ケーブルは、いわゆるLAN用ツイストペアケーブルとして非常に有用である。ただし、本発明の通信ケーブルの用途は、当該用途に限定されない。また、本発明の通信ケーブルの一実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明の通信ケーブルは当該実施形態に限定されない。
【0013】
本発明の一実施形態にかかる通信ケーブル1の、長さ方向に垂直な断面図を図1に示す。本実施形態の通信ケーブル1は、ケーブル芯10、押巻き20、遮蔽テープ30および外被40から構成されている。
【0014】
上述のように、ケーブル芯を金属層で一様に被覆した通信ケーブルでは、エイリアンクロストークを抑制できたとしても、接地作業が必要であった。一方、遮蔽テープの導体部にスリットを設けつつ、当該導体部で覆われない部分がないように、ケーブル芯を覆う場合、遮蔽テープの巻き付け作業が非常に煩雑となり、製造効率が低いという課題があった。
【0015】
これに対し、本発明者らの検討によれば、絶縁層および導電層を含む遮蔽テープの導電層に、150mm以上300mm以下毎にスリットを設け、これを1/6以上1/3以下の重なり幅で巻き付けると、接地作業が不要になるだけでなく、エイリアンクロストークを十分に抑制できることが見いだされた。その理由は、以下のように考えられる。上記遮蔽テープでは、導電層がスリットを一定間隔で有することから、遮蔽テープに電気が帯電し難く、遮蔽テープが高周波のアンテナとならない。一方で、ケーブル芯の周囲に、上記遮蔽テープを上記の重なり幅で巻き付けると、通信ケーブルの長さ方向に、略一定間隔でスリットが配置される。このとき、スリット同士の間隔が適度な範囲となるため、スリットの存在が通信ケーブルの電気特性に影響を及ぼし難い。その結果、エイリアンクロストークが十分に抑制されると考えられる。
【0016】
なお、当該通信ケーブルは、製造の際に、遮蔽テープを複雑な方法で巻き付ける必要がない。したがって、製造工程が煩雑になり難い、という利点もある。
【0017】
以下、本実施形態の通信ケーブル1のより具体的な構成について説明する。
本実施形態の通信ケーブル1では、ケーブル芯10が、複数対(ここでは4対)の対撚線8と、当該複数の対撚線8を互いに離隔するための十字介在9と、から構成されている。各対撚線8は、導体2が絶縁体4で被覆された絶縁電線6が、2本撚り合わせられた構成を有している。通常、導体2は軟銅線から構成され、絶縁体4はポリエチレン樹脂から構成されている。導体2は単線でもよいし、複数の素線を撚り合わせた撚線であってもよい。導体2の太さ、すなわち長さ方向に垂直な断面の直径は特に制限されず、通信ケーブル1の用途や種類などに応じて適宜選択される。
【0018】
十字介在9は対撚線8同士を互いに隔離しこれらが接触しないように分離するための部材であり、通信ケーブル1の長さ方向に延在している。十字介在9は、複数の対撚線8を隔離可能であれば、その形状は特に制限されない。十字介在9は、ポリエチレン樹脂から構成されている。
【0019】
十字介在9は通信ケーブル1の長さ方向に沿って撚られており、それに伴い対撚線8同士も十字介在9に分離されながら撚られている。
【0020】
ケーブル芯10の周囲には、押巻き20が設置されている。押巻き20は、ケーブル芯10中の導体2と遮蔽テープ30との距離を一定に保持するための部材である。押巻き20の種類は特に制限されないが、本実施形態では、押巻き20を高密度ポリエチレンテープとすることができる。押巻き20の巻き方は特に制限されず、本実施形態では、ケーブル芯10の長さ方向に沿って横巻きされている。本明細書において「横巻き」とは、長尺なテープを被巻き体の長さ方向に沿ってらせん状に巻き付ける意であって、テープの側縁部を先に巻き付けたテープに重ねながら巻き付ける、という意である。押巻き20の厚さや枚数は、本実施形態の目的および効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
【0021】
押巻き20の周囲には、遮蔽テープ30が設置(横巻き)されている。当該遮蔽テープ30は、絶縁層および導電層を含む。押巻き20の周囲に設置する前の遮蔽テープ30の平面図を図2Aに示し、当該遮蔽テープ30の側面図を図2Bに示す。
図2Bに示すように、本実施形態の遮蔽テープ30は、PETフィルムからなる絶縁層31上に、アルミニウムからなる導電層32が積層されており、これらが接着層33によって接着されている。ただし、絶縁層31および導電層32の種類は、本実施形態の目的および効果を損なわない限り、これらに限定されない。
【0022】
上記遮蔽テープ30における、導電層32の厚みは特に制限されないが、10μm以上50μm以下が好ましく、20μm以上40μm以下がより好ましい。導電層32の厚みが当該範囲であると、十分な遮蔽効果が得られやすくなる。また導電層32の厚みが当該範囲であると、遮蔽テープ30をケーブル芯10や押巻き20の周囲に巻き付けやすくなる。一方、絶縁層31の厚みは特に制限されないが、10μmm以上30μm以下が好ましく、12μm以上25μm以下がより好ましい。絶縁層31の厚みが当該範囲であると、遮蔽テープ30を押巻き20などの周囲に巻き付けやすくなる。
【0023】
当該遮蔽テープ30には、遮蔽テープ30の一方の側縁部から他方の側縁部にかけて、導電層(アルミニウム層)32を電気的に分断する、複数のスリット32aが形成されている。各スリット32aの幅は特に制限されないが、0.01mm以上0.3mm以下が好ましく、0.02mm以上0.25mm以下がより好ましい。本明細書において「スリットの幅」とは、遮蔽テープ30の長さ方向のスリット32aの長さをいう。スリット32aの幅が当該範囲であると、導電層32の帯電を抑制しやすくなる。一方で、導電層32の幅が過度に広いと、例えばエイリアンクロストークなど、通信ケーブルの電気特性が低下することがあるが、上記範囲であれば、通信ケーブルの電気特性を損ない難い。
【0024】
遮蔽テープ30を平面視したときのスリット32aの形状は、遮蔽テープ30の一方の側縁部から他方の側縁部にかけて、連続して形成されていればよく、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。スリット32aは、遮蔽テープ30の長さ方向と垂直に形成されていてもよいが、遮蔽テープ30の長さ方向と垂直以外の任意の角度(ただし、180°以外)をなすように、配置されていてもよい。
【0025】
複数のスリット32aは、遮蔽テープ30の長さ方向に沿って、150mm以上毎、好ましくは150mm以上300mm以下毎に配置され、スリット32a間の距離が当該数値範囲に収まっている。本明細書における「スリット間の距離」とは、遮蔽テープ30を押巻き20などに巻き付けていない状態の、隣り合うスリット32a同士の距離(間隔)をいい、図2AにおいてL1で表される距離である。複数のスリット32aが、上記距離で配置されていると、遮蔽テープ30をケーブル芯10や押巻き20の周囲に巻き付けたときに、スリット32a同士の間隔を適度に保つことができる。したがって、通信ケーブル1の電気特性を良好にできる。
なお、スリット32a間の距離は150mm以上300mm以下であれば、各間隔は一定でなくてもよいが、一定であるほうが、通信ケーブルの電気特性の観点などから好ましい。
【0026】
遮蔽テープ30の幅は特に制限されないが、10mm以上30mm以下が好ましく、15mm以上25mm以下がより好ましい。遮蔽テープ30の幅が狭すぎると、巻き付けに時間がかかる。一方、遮蔽テープ30の幅が広すぎると、取り扱い性が低くなる。
【0027】
本実施形態では、遮蔽テープ30が、ケーブル芯10の長さ方向に沿って横巻きされている。このとき、遮蔽テープ30同士の重なり幅は、遮蔽テープ30の幅の1/3以下が好ましく、1/6以上1/3以下がより好ましい。本明細書における「重なり幅」とは、遮蔽テープ30をケーブル芯10や押巻き20の周囲に巻き付けたときに、先に巻いた遮蔽テープ30と、後に巻いた遮蔽テープ30とが重なる幅をいう。当該重なり幅は、図3においてL2で表される長さである。
【0028】
遮蔽テープ30の外周には、外被40が形成されている。外被40はポリ塩化ビニル樹脂またはポリオレフィン樹脂から構成されている。外被40はいわゆるシースであって、遮蔽テープ30の外周を被覆して通信ケーブル1の最外層を形成している。
【0029】
次に上述の通信ケーブル1の製造方法について説明する。
【0030】
まず、導体2として、軟銅線の単線を準備する。その後、導体2を長さ方向に搬送しながらポリエチレン樹脂を押出機のダイスから押し出し、導体2を絶縁体4で被覆して、絶縁電線6を形成する。続いて、2本の絶縁電線6を撚り合わせ対撚線8を形成し、4対の対撚線8を十字介在9に沿わせてケーブル芯10を構成する。
【0031】
その後、ケーブル芯10を所定のピッチで撚り、押巻き20(高密度ポリエチレンテープ)をケーブル芯10に横巻きする。
【0032】
その後、上述のスリット間の距離を有する遮蔽テープ30(アルミ箔テープ)を準備し、当該遮蔽テープ30を押巻き20の周囲に上述の重なり幅で横巻きする。
なお、スリット32aの形成方法は特に制限されず、たとえば絶縁層31上に接着層33を介して導電層32を積層した後、レーザなどによって、スリット32aを形成してもよい。その後、押巻き20および遮蔽テープ30を巻き付けたケーブル芯10を長さ方向に搬送しながら、ポリ塩化ビニル樹脂を押出機のダイスから押し出し、遮蔽テープ30を外被40で被覆する。これにより、通信ケーブル1が製造される。
【0033】
以上の本実施形態によれば、エイリアンクロストークを抑制可能であり、かつ接地が不要な通信ケーブル1が得られ、遮蔽テープ30の巻き付け作業も煩雑ではなく効率よく製造可能である。
【0034】
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際標である持続可能な開発目標(SDGs)の目標4「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」に貢献することにもつながる。
【実施例
【0035】
(1)比較例1
導体として、外径0.540mmの軟銅線(単線)を準備した。そして、絶縁体の樹脂として高密度ポリエチレンを準備し、これを押出機のダイスから押し出して導体を絶縁体で被覆した。その後、外形1mmの絶縁電線を2本撚り合わせ、外径2mm程度の対撚線を形成した。続いて、長さ5.0mm×厚さ0.75mmの十字介在を準備し、4対の対撚線を十字介在に沿わせてケーブル芯を構成し、当該ケーブル芯をピッチ90mmで撚った。
【0036】
その後、押巻き(高密度ポリエチレンテープ、厚さ0.1mm)を準備し、上記ケーブル芯に横巻きした。さらに、遮蔽テープとして、スリットを有さないAl/PETテープ(アルミニウム:厚さ30μm、PET:厚さ12μm、幅20mm)を準備し、これを押巻きの周囲に横巻きした。このとき、3.3mm(1/6ラップ)ずつ重ねて巻き付けた。その後、外被の樹脂としてポリ塩化ビニルを準備し、これを押出機のダイスから押し出して遮蔽テープを外被(厚さ0.4mm)で被覆し、外径6.9mm程度の通信ケーブルを製造した。
【0037】
(2)実施例1-4
遮蔽テープとして、長手方向に垂直なスリット(幅0.3mm)を、長手方向に沿って150mm毎または300mm毎に有するAl/PETテープ(アルミニウム:厚さ30μm、PET:厚さ12μm、幅20mm)を準備した。そして、当該遮蔽テープを、押巻きの周囲に、3.3mm(1/6ラップ)または6.7mm(1/3ラップ)ずつ重ねて横巻きにした。それ以外は、比較例1と同様に通信ケーブルを製造した。
【0038】
(3)評価
各通信ケーブルのエイリアンクロストーク(PSANEXT)について、汎用のフィールドテスタにて測定した。測定結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1に示すように、実施例1-4では、遮蔽テープに、150mm以上毎に、導電層を分断するスリットを複数設け、当該遮蔽テープを重なり幅が1/3以下となるように押巻きの周囲に横巻きした。その結果、エイリアンクロストークが、スリットを設けない場合(比較例1)と略同等になり、非常に良好であった。また、当該通信ケーブルは、遮蔽テープを一般的な巻き方(横巻き)によって巻きつけることが可能であり、効率よく製造できた。
【符号の説明】
【0041】
1 通信ケーブル
2 導体
4 絶縁体
6 絶縁電線
8 対撚線
9 十字介在
10 ケーブル芯
20 押巻き
30 遮蔽テープ
31 絶縁層
32 導電層
32a スリット
33 接着層
40 外被
図1
図2
図3