(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】ワッシャの歪みを測定するためのアセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
G01L5/00 103E
G01L5/00 103C
(21)【出願番号】P 2021513432
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 NO2019050175
(87)【国際公開番号】W WO2020055261
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-07-13
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】515330535
【氏名又は名称】シンテフ ティーティーオー アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルベルク、シグビョルン
(72)【発明者】
【氏名】ヒエルストゥエン、マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ライネン、トル アルネ
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-039523(JP,A)
【文献】特開2001-304992(JP,A)
【文献】特開平08-029270(JP,A)
【文献】特表2012-522213(JP,A)
【文献】米国特許第09127998(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歪み測定ワッシャアセンブリ(100)であって、
板状のワッシャ本体(110)であって、少なくとも、前記板状のワッシャ本体(110)を通って延びるワッシャ本体の中央開口部(120)、ワッシャ本体の外周面(130)、および前記ワッシャ本体の中央開口部(120)を取り囲む閉じた内部キャビティ(140)が設けられた、板状のワッシャ本体(110)と、
前記ワッシャ本体の外周面(130)に配置され、前記板状のワッシャ本体(110)内に音信号を放出するように構成された音放出手段(150)と、
前記ワッシャ本体の外周面(130)に配置され、前記板状のワッシャ本体(110)からの前記音信号のエコー応答を検出するように構成された音検出手段(160)と、を備える歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項2】
前記板状のワッシャ本体(110)に、前記閉じた内部キャビティ(140)に接続された第2の内部キャビティ(170)がさらに設けられている、請求項1記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記板状のワッシャ本体(110)に、前記板状のワッシャ本体(110)の任意の他の内部キャビティから隔離された内部基準キャビティ(
175)がさらに設けられている、請求項1または2に記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項4】
前記板状のワッシャ本体(110)が、ベースプレート本体(180)および蓋を備え、
前記ベースプレート本体(180)に、少なくとも、前記ベースプレート本体(180)を通って延びるベースプレート本体の中央開口部(200)と、ベースプレート本体の外周面(210)と、前記ベースプレート本体の中央開口部(200)を取り囲み、前記ベースプレート本体の中央開口部(200)およびベースプレート本体の外周によって画定される境界(240)内において延びる、ベースプレート本体の上面(230)の閉じた凹部(220)とが設けられ、
前記蓋(190)が、前記ベースプレート本体の上面(230)に融合するように構成され、1つの一体化した板状のワッシャ本体(110,250)を形成し、前記ベースプレート本体(180)の前記凹部が前記板状のワッシャ本体(110)に前記閉じた内部キャビティ(140)を形成する、請求項1記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記板状のワッシャ本体(110)に、前記閉じた内部キャビティ(140)に接続された第2の内部キャビティ(170)がさらに設けられており、
前記ベースプレート本体(180)に、前記ベースプレート本体の中央開口部(200)および前記ベースプレート本体の外周によって画定される境界(240)内において延びる第2の凹部(260)が前記ベースプレート本体の上面(230)にさらに設けられ、
前記第2の凹部(260)は、前記蓋(190)が前記ベースプレート本体の上面(230)に融合されるときに、前記板状のワッシャ本体(110)に前記第2の内部キャビティ(170)を形成する、請求
項4に記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記第2の
内部キャビティ(170)が、長方形のボックス(270)または球体(370)として形成される、請求項2または5に記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記板状のワッシャ本体(110)内の内部キャビティのいずれかに流体(290)が充填される、請求項1~6のいずれか1項に記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記板状のワッシャ本体(110)に、前記ワッシャ本体の外周面(130)に流体注入口(300)が設けられ、前記流体注入口(300)が、前記板状のワッシャ本体(110)を通って前記閉じた内部キャビティ(140)内に入る密封可能な通路(310)を備える、請求項7記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項9】
前記音放出手段(150)および前記音検出手段(160)が、互いに隣接して配置される、請求項1~8のいずれか1項に記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項10】
前記音放出手段(150)および前記音検出手段(160)が、1つのユニットを構成する、請求項1~9のいずれか1項に記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項11】
前記板状のワッシャ本体(110)が、その中心主軸に平行な長さで延びる環状体である、請求項1~10のいずれか1項に記載の歪み測定ワッシャアセンブリ(100)。
【請求項12】
ワッシャ歪み測定方法であって、
板状のワッシャ本体(110)を提供する工程であって、前記板状のワッシャ本体(110)に、少なくとも、前記板状のワッシャ本体(110)を通って延びるワッシャ本体の中央開口部(120)と、ワッシャ本体の外周面(130)と、前記ワッシャ本体の中央開口部(120)を取り囲む閉じた内部キャビティ(140)とが設けられた、工程と、
前記ワッシャ本体の外周面(130)に音放出手段(150)を提供する工程と、
前記ワッシャ本体の外周面(130)に音検出手段(160)を提供する工程と、
前記音放出手段(150)によって前記板状のワッシャ本体(110)内に音信号を放出する工程と、
前記音検出手段(160)によって前記板状のワッシャ本体(110)からの前記音信号の音エコー応答を検出する工程と、
少なくとも前記音エコー応答に基づいて前記板状のワッシャ本体(110)の歪みを計算する工程と、を含む、ワッシャ歪み測定方法。
【請求項13】
前記板状のワッシャ本体(110)に、前記閉じた内部キャビティ(140)に接続された第2の内部キャビティ(170)がさらに設けられる、請求項1
2に記載のワッシャ歪み測定方法。
【請求項14】
前記板状のワッシャ本体(110)に、前記板状のワッシャ本体(110)の任意の他の内部キャビティから隔離された内部基準キャビティ(
175)がさらに設けられる、請求項12記載のワッシャ歪み測定方法。
【請求項15】
放出された音信号が音パルス(340)である、請求項12~14のいずれか1項に記載のワッシャ歪み測定方法。
【請求項16】
前記音エコー応答が、前記板状のワッシャ本体(110)の内部キャビティのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの内面で反射する前記音パルス(340)のエコー応答を含み、
少なくとも前記音エコー応答に基づいて前記板状のワッシャ本体(110)の歪みを計算する請求項1~11のいずれか1項に記載の歪み測定ワッシャアセンブリの歪みの計算が、前記音パルス(340)の放出と前記音エコー応答の検出との間の時間遅延に基づく、請求項15記載のワッシャ歪み測定方法。
【請求項17】
前記放出された音信号が連続的な音信号(350)である、請求項12~14のいずれか1項に記載のワッシャ歪み測定方法。
【請求項18】
前記連続的な音信号(350)が、1MHzから10MHzの範囲内の音周波数を含む、請求項17記載のワッシャ歪み測定方法。
【請求項19】
前記音エコー応答が、前記板状のワッシャ本体(110)の内部キャビティのうちの少なくとも1つにおいて共振する前記音信号のエコー応答を含み、
少なくとも前記音エコー応答に基づいて前記板状のワッシャ本体(110)の歪みを計算する請求項1~11のいずれか1項に記載の歪み測定ワッシャアセンブリの歪みの計算が、前記板状のワッシャ本体(110)における内部キャビティのうちの少なくとも1つの共振周波数に基づく、請求項17または18に記載のワッシャ歪み測定方法。
【請求項20】
前記板状のワッシャ本体(110)に、前記板状のワッシャ本体(110)の任意の他の内部キャビティから隔離された内部基準キャビティ(175)がさらに設けられ、
前記エコー応答が、前記内部基準キャビティからの基準エコー応答を含み、前記ワッシャ歪み測定方法が、
少なくとも前記基準エコー応答に基づいて前記板状のワッシャ本体(110)の基準歪みを計算する工程と、
少なくとも計算された歪みおよび計算された基準歪みに基づいて前記板状のワッシャ本体(110)の真の歪みを推定する工程と、をさらに含む、請求項
15~18のいずれか1項に記載のワッシャ歪み測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、たとえば、ボルト、ワッシャ、およびナットを備えるボルトアセンブリの一部として取り付けられた場合の、ワッシャへの荷重を測定するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワッシャは、一般的にボルトまたはナットからの荷重を制御し、分散するために使用されるハードウェアの一種である。ワッシャは様々な材料から作られ、環状ワッシャ、歯付きロックワッシャ、タブワッシャ、スプリットワッシャ、ベルビルワッシャなど、様々なタイプおよび形状で存在することができる。
【0003】
多くの用途において、ボルトアセンブリ、すなわち、ボルト、ナット、および随意にワッシャが、所定の閾値内の荷重で固定および維持されることが必要とされる。これを達成するために、ボルトは典型的に、特定のトルクで固定され、たとえば、様々なトルクレンチツールまたは同様のものによって制御される。トルクレンチは、ボルトへの荷重を制御するための安価でシンプルなツールであるが、たとえば、ボルトアセンブリ内の摩擦およびボルトアセンブリとボルトアセンブリが固定されるアプリケーションとの間の摩擦により、精度が低くなる。トルクレンチはまた、すでに取り付けられているボルトアセンブリへの荷重を制御するときに実用的ではなく、荷重を測定するために緩め、およびその後の締め付けという時間のかかる手順を実行しなければならない。
【0004】
ボルトアセンブリの荷重を測定する方法のためのトルクレンチの様々な代替物が、長年にわたって開発されてきた。これには概して、ボルトアセンブリ、たとえばナットまたはワッシャのどこかに取り付けられた圧力計の直接的な使用を介して荷重を測定する方法、またはボルトの膨張から荷重を推定する方法が含まれる。後者は一般的に、ボルトの膨張を判定するために音響パルスの通過時間を利用する超音波測定の使用を介して測定される。
【0005】
しかし、これらの代替方法は、たとえば、実行するのが面倒で、費用がかかり、および/または時間がかかる可能性があるか、またはそれらのボルト荷重の測定において適切な感度を得られないなどの問題がある。ボルトアセンブリのどこかに取り付けられた圧力計の直接的な使用には、たとえば、複雑な組み立て方法および大規模な配線が必要であるため、製造コストが高くなり、寿命が短くなり、荷重測定の実行に関連する困難が生じる。一方、ボルトにおける膨張の超音波測定には、時間の経過とともに弾性変形から塑性変形への遷移を伴うボルトのクリープが原因で信頼性の低下がある。
【0006】
本発明の目的は、ボルトアセンブリへの荷重を測定する方法について、改善された解決策を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の態様では、本発明は、歪み測定ワッシャアセンブリを提供し、歪み測定ワッシャアセンブリは、板状のワッシャ本体であって、少なくとも、板状のワッシャ本体を通って延びるワッシャ本体の中央開口部、ワッシャ本体の外周面、およびワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティが設けられた、板状のワッシャ本体と、ワッシャ本体の外周面に配置され、板状のワッシャ本体内に音信号を放出するように構成された音放出手段と、ワッシャ本体の外周面に配置され、板状のワッシャ本体からの音信号のエコー応答を検出するように構成された音検出手段と、を備える。板状のワッシャ本体には、閉じた内部キャビティに接続された第2のキャビティがさらに設けられ得る。板状のワッシャ本体には、追加的または代替的に、板状のワッシャ本体の任意の他の内部キャビティから隔離された内部基準キャビティがさらに設けられ得る。
【0008】
歪み測定ワッシャアセンブリの板状のワッシャ本体は、本発明の1つの実施形態によれば、ベースプレート本体および蓋を備え得、ベースプレート本体には、少なくとも、ベースプレート本体を通って延びるベースプレート本体の中央開口部と、ベースプレート本体の外周面と、ベースプレート本体の中央開口部を取り囲み、ベースプレート本体の中央開口部およびベースプレート本体の外周によって画定される境界内において延びるベースプレート本体の上面の閉じた凹部とが設けられ、蓋は、ベースプレート本体の上面に融合するように構成され、1つの一体化した板状のワッシャ本体を形成し、ベースプレート本体の凹部は板状のワッシャ本体に閉じた内部キャビティを形成する。ベースプレート本体には、ベースプレート本体の中央開口部およびベースプレート本体の外周によって画定される境界内において延びるベースプレート本体の上面に第2の凹部がさらに設けられ得、第2の凹部は、蓋がベースプレート本体の上面に融合されるときに、板状のワッシャ本体に第2のキャビティを形成する。
【0009】
本発明の一の実施形態によれば、第2のキャビティは、長方形のボックスまたは球体として形成され得る。
【0010】
板状のワッシャ本体内の任意の上記内部キャビティには、本発明のさらに別の実施形態によれば、流体が充填され得る。板状のワッシャ本体は、ワッシャ本体の外周面上に流体注入口が設けられ得、流体注入口は、板状のワッシャ本体を通って閉じた内部キャビティ内に入る密封可能な通路を備える。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、音放出手段および音検出手段は、互いに隣接して配置され得る。代替的に、音放出手段および音検出手段は、1つのユニットを構成し得る。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態によれば、板状のワッシャ本体は、その中心主軸に平行な長さで延びる環状体であり得る。
【0013】
本発明の第2の態様では、本発明は、ワッシャ歪み測定方法を提供し、当該方法は、板状のワッシャ本体を提供する工程であって、板状のワッシャ本体に、少なくとも、板状のワッシャ本体を通って延びるワッシャ本体の中央開口部と、ワッシャ本体の外周面と、ワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティとが設けられた、工程と、ワッシャ本体の外周面に音放出手段を提供する工程と、ワッシャ本体の外周面に音検出手段を提供する工程と、音放出手段によって板状のワッシャ本体内に音信号を放出する工程と、音検出手段によって板状のワッシャ本体からの音信号の音エコー応答を検出する工程と、少なくとも音エコー応答に基づいて板状のワッシャ本体への歪みを計算する工程と、を含む。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、板状のワッシャ本体には、閉じた内部キャビティに接続された第2の内部キャビティがさらに設けられ得る。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、板状のワッシャ本体には、板状のワッシャ本体の任意の他の内部キャビティから隔離された内部基準キャビティがさらに設けられ得る。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、放出された音信号は音パルスである。音エコー応答は、板状のワッシャ本体の内部キャビティのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの内面で反射する音パルスのエコー応答を含み得、歪み測定ワッシャアセンブリの歪みの計算は、音パルスの放出と音エコー応答の検出との間の時間遅延に基づき得る。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態によれば、放出された音信号は連続的な音信号であり得る。連続的な音信号は、1MHzから10MHzの範囲内の音周波数を含み得る。音エコー応答は、板状のワッシャ本体の内部キャビティのうちの少なくとも1つにおいて共振する音信号のエコー応答を含み得、歪み測定ワッシャアセンブリの歪みの計算は、板状のワッシャ本体における内部キャビティのうちの少なくとも1つの共振周波数に基づき得る。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態によれば、エコー応答は、内部基準キャビティからの基準エコー応答を含み得、ワッシャ歪み測定方法は、少なくとも基準エコー応答に基づいて板状のワッシャ本体の基準歪みを計算する工程、および少なくとも計算された歪みおよび計算された基準歪みに基づいて板状のワッシャ本体の真の歪みを推定する工程をさらに含み得る。
【0019】
他の利点のある特徴は、添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明はより容易に理解することができるように、後続する議論は添付図面を参照する。
【0021】
【
図1a】板状のワッシャ本体、音放出手段、および音検出手段を備える歪み測定ワッシャアセンブリの概略図である。
【
図1b】ワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティが設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図である。
【
図2】異なる形状のワッシャ本体のいくつかの例の概略図である。
【
図3a】ワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティが設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図である。
【
図3b】ワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティが設けられ、閉じた内部キャビティに接続された第2のキャビティが設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図である。
【
図4a】ベースプレート本体および蓋を備える板状のワッシャ本体の概略図であって、ベースプレート本体には、少なくとも、その上面にベースプレート本体の中央開口部を取り囲む閉じた凹部が設けられている。
【
図4b】ベースプレート本体および蓋を備える一体化した板状のワッシャ本体の概略図である。
【
図5a】ベースプレート本体および蓋を備える板状のワッシャ本体の概略図であり、ベースプレート本体には、少なくとも、その上面に、蓋がベースプレート本体に融合されたときに第2のキャビティを形成する凹部が設けられている。
【
図5b】ベースプレート本体および蓋を備える板状のワッシャ本体の概略断面図であり、ベースプレート本体には、少なくとも、その上面に、蓋がベースプレート本体に融合されたときに第2のキャビティを形成する凹部が設けられている。
【
図6a】ワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティが設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図である。
【
図6b】ワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティが設けられ、閉じた内部キャビティに接続された球状の第2のキャビティが設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図である。
【
図7】板状のワッシャ本体を備える歪み測定ワッシャの概略図であって、流体が充填されているワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティが設けられた板状のワッシャ本体の断面図である。
【
図8】板状のワッシャ本体を備える歪み測定ワッシャアセンブリの概略図であって、板状のワッシャ本体の断面図であり、板状のワッシャ本体には、閉じた内部キャビティと、ワッシャ本体の外周面に流体注入口とが設けられている。
【
図9a】ベースプレート本体および蓋を備える板状のワッシャ本体の概略図であり、ベースプレート本体には、少なくとも、ベースプレート本体の上面に第2の凹部と、流体注入口とが設けられている。
【
図9b】ベースプレート本体および蓋を備える一体化した板状のワッシャ本体の概略図であり、ベースプレート本体には、少なくとも、流体注入口が設けられている。
【
図10】ベースプレート本体および蓋を備える板状のワッシャ本体の概略断面図であり、ベースプレート本体には、少なくとも、流体注入口が設けられている。
【
図11】板状のワッシャ本体、音放出手段、および音検出手段を備える歪み測定ワッシャセンブリの概略図であり、音放出手段および音検出手段は1つのユニットを構成する。
【
図12】音放出手段および音検出手段が設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図であり、音放出手段は、板状のワッシャ本体の内部キャビティ内で前後に跳ね返る音パルスを放出する。
【
図13】音放出手段および音検出手段が設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図であり、音放出手段は、板状のワッシャ本体の内部キャビティ内で共振する連続的な音を放出する。
【
図14a】内部基準キャビティが設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図である。
【
図14b】球状の基準キャビティが設けられた板状のワッシャ本体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の一般的な実施形態に加えて特定の例示的な実施形態について説明する。添付の図面に対して参照がなされ、考えられ得る番号が付与される。しかし、図面が例示的な実施形態にすぎず、他の特徴および実施形態が、記載されるように本発明の範囲内に十分に含まれ得ることに留意されたい。
【0023】
本発明は、ボルトアセンブリへの荷重を測定するため音響信号の使用に関する。
【0024】
本発明の第1の態様では、本発明は、板状のワッシャ本体、音放出手段、および音検出手段を備える歪み測定ワッシャセンブリを提供する。
【0025】
板状のワッシャ本体110は、本発明の任意の実施形態によれば、ワッシャとしての使用に適したものにする形状を有し得る。このような形状の例は、
図2に示され、たとえば、ベルビルワッシャ、ウェーブワッシャ、タブワッシャ、スプリットワッシャ、歯付きワッシャなどを含む。板状のワッシャ本体は概して、プレーン/フラットワッシャに類似した形状を有している。プレーン/フラットワッシャは、その中心主軸に平行なゼロでない延在部、ワッシャ本体の中央開口部120、および外周面130を備える環状体330と見なされ得る。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による板状のワッシャ本体110を例示し、板状のワッシャ本体は、少なくとも、ワッシャ本体の上面、ワッシャ本体の下面、およびワッシャ本体の外周面130が設けられている。ワッシャ本体の上面および下面は両方とも、荷重を受けるように構成されており、プレーンワッシャの平面および平行な表面のような、平面および平行な表面を形成し得る。しかし、それらは概していかなる形状および配向をとってもよい。ワッシャ本体の外周面130は、典型的に、ワッシャ本体の上面および下面に対して垂直かつ直角であるが、原理的には、丸みを帯びた形状または傾斜した形状など、いかなる形状もとることができる。
【0027】
板状のワッシャ本体は、本発明によれば、ワッシャを作るのに適した材料、たとえば、任意のタイプの金属または金属合金、ポリマー、複合材料などから作られ得る。材料は、弾性または可塑性のいずれかで変形可能であり得、流体、および/または窒素、アルゴン、クリプトンなどの不活性ガスに対して本質的に不透過性であり得る。
【0028】
板状のワッシャ本体が
図1に例示され、本発明によれば、ワッシャ本体に、少なくとも、ワッシャ本体の中央開口部120および閉じた内部キャビティが設けられている。板状のワッシャ本体の内部キャビティは、板状のワッシャ本体によって完全に埋め込まれ/囲まれ、ワッシャ本体の中央開口部120を取り囲む。内部キャビティは、たとえば環やトーラスなど、ワッシャ本体の中央開口部120の中心周りの形状が対称であるように成形され得る。ワッシャ本体の中央開口部120は、板状のワッシャ本体を通って伸長し、概して、従来のボルトが案内され得るような本質的に円形であり得る。それは、代替的に、クラッチ、クロス、ダブルスクエア、フィアソン、モルトルク、ペンタロープ、フィリップス、トルクス、モルトルクなどの、任意のタイプの多角形または任意のスクリュードライバーヘッドの断面形状として形成され得る。様々なワッシャ本体の形状およびワッシャ本体の中央開口部の形状のいくつかの例は、
図2に示される。
【0029】
板状のワッシャ本体には、
図3および6に例示されるように、閉じた内部キャビティ140に接続された第2の内部キャビティ170がさらに設けられ得る。したがって、2つのキャビティは、板状のワッシャ本体内に1つの連続的なキャビティを形成する。第2の内部キャビティは、音響共振器として機能するように構成され得、様々な幾何学的形状、たとえば、長方形のボックス270、球体370、立方体、ヘルムホルツ共鳴器などをとり得る。
【0030】
板状のワッシャ本体には、
図14に例示されるように、板状のワッシャ本体の任意の他の内部キャビティから隔離された内部基準キャビティ175がさらに設けられ得る。第2の内部キャビティは、音響共振器として機能することができ、様々な幾何学的形状、たとえば、長方形のボックス270、球体175、立方体、ヘルムホルツ共鳴器などをとり得る。内部基準キャビティは、本発明の本実施形態によれば、板状のワッシャ本体に荷重がかかったときに、さらされる圧力ができるだけ少なくなるように形成され得る。
【0031】
板状のワッシャ本体における任意のキャビティは、
図7に例示されるように、流体290で充填され得る。流体は、たとえば、圧縮可能であり、および/または、たとえば、希ガスのような様々な不活性ガス、またはDBグレードのひまし油のような液体油のように、圧力に依存した音速を有し得る。代替的に、流体は、非圧縮性であり得、および/または本質的にゼロの熱膨張係数を有し得る。
【0032】
図8は、板状のワッシャ本体に、ワッシャ本体の外周面130上に配置された流体注入口300が設けられている、本発明の一実施形態による例示的な図を示している。流体注入口300は、板状のワッシャ本体の任意の内部キャビティを流体290で充填するために利用されるように構成されている。これは、たとえば、真空圧力を利用して内部キャビティを流体290で充填する前に、最初に内部キャビティ内に真空を作り出すことによって実施することができる。流体注入口は、
図10に示されるように、板状のワッシャ本体を通って閉じた内部キャビティ140に入る密閉可能な通路310を備える。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による音測定ワッシャセンブリを示し、ワッシャ本体の外周面130上に音放出手段150および音検出手段160が配置されている。音放出手段150は、少なくとも、板状のワッシャ本体110内に音を放出するように構成され、一方で、音検出手段160は、少なくとも、板状のワッシャ本体110から来る音を検出するように構成されている。音放出手段150によって放出される音は、典型的に、板状のワッシャ本体ワッシャ本体を通って伝播し、板状のワッシャ本体から逃げるか吸収されるまで、内部表面によって反射および透過される。放出された音のうち、板状のワッシャ本体から逃げる部分は、本明細書ではエコー信号として、または代替的にエコー応答として定義され得る。これらの用語は、本明細書で交換可能に使用され、様々な音反射および/または共鳴信号を包含し得る。エコー信号は、板状のワッシャ本体に関連する様々な情報を引き出すためにさらに使用される。そのような情報は、たとえば、ワッシャ内の音速、板状のワッシャ本体における任意のキャビティ内の音速、および板状のワッシャ本体の変形のレベルを含む群から選択される1つまたは複数の数量を含み得る。
【0034】
歪み測定ワッシャセンブリ100の板状のワッシャ本体110は、
図4、
図5および
図9に例示されるように、ベースプレート本体180および蓋を備え得る。ベースプレートおよび蓋190は、本質的に類似した外形を有し得、一体化した板状のワッシャ本体110を形成するために一緒に融合されるように構成され得る。ベースプレート本体180には、少なくとも、ベースプレート本体180を通って延びるベースプレート本体の中央開口部200、ベースプレート本体の外周面210、およびベースプレート本体の上面230上の閉じた凹部220が設けられている。閉じた凹部220は、ベースプレート本体の中央開口部200を取り囲み、ベースプレート本体の中央開口部200およびベースプレート本体の外周面によって画定された境界240内において延びる。したがって、閉じた凹部20は、蓋190がベースプレート本体の上面230に融合されたときに、板状のワッシャ本体110に閉じた内部キャビティを形成するように形成される。
【0035】
ベースプレート本体180には、
図5に例示されるように、ベースプレート本体の上面230上に第2の凹部260がさらに設けられ得る。第2の凹部260は、本発明の本実施形態によれば、ベースプレート本体の中央開口部200およびベースプレート本体の外周によって画定される境界240内において延びる。その結果、第2の凹部260は、蓋190がベースプレート本体の上面230に融合されるときに、板状のワッシャ本体に第2の内部キャビティ170を形成する。
【0036】
音放出手段および音検出手段は、本発明によれば、電気音響変換器または電磁音響変換器であり得る。変換器は、可動磁石変換器、可動コイルベースの変換器、圧電結晶ベースの変換器、および磁歪変換器を含む群からの変換器であり得る。音信号は、1MHzから10MHzの間の範囲の周波数を有し得る。代替的に、周波数は、10MHzより高く、または1MHzより低くなり得る。
【0037】
音放出手段および音検出手段160は、
図1に示されるように、たとえば、水平または垂直に整列して、互いに隣接して配置され得る。音放出手段150および音検出手段160は、
図11に示すように、代替的に1つのユニット320を構成し得、これは、音放出手段150が、受音手段と同じ手段であることを意味している。
【0038】
本発明の第2の態様では、本発明は、ワッシャ歪み測定方法を提供する。当該方法は、板状のワッシャ本体を提供する工程と、板状のワッシャ本体の外周面に音放出手段を提供する工程と、音放出手段によって板状のワッシャ本体内に音信号を放出する工程と、音検出手段によって板状のワッシャ本体からの音信号の音エコー応答を検出する工程と、少なくとも音エコー応答に基づいて板状のワッシャ本体の歪みを計算する工程と、を含む。板状のワッシャ本体には、少なくとも、板状のワッシャ本体を通って延びるワッシャ本体の中央開口部、ワッシャ本体の外周面、およびワッシャ本体の中央開口部を取り囲む閉じた内部キャビティが設けられている。板状のワッシャ本体には、閉じた内部キャビティに接続された第2の内部キャビティがさらに設けられてもよい。代替的または追加的に、板状のワッシャ本体には、板状のワッシャ本体の任意の他の内部キャビティから隔離された内部基準キャビティがさらに設けられてもよい。ワッシャ歪み測定方法の実行は、板状のワッシャ本体に音放出手段および音検出手段を恒久的に取り付けることを伴い得る。したがって、この種の配置は、板状のワッシャ本体の歪みを定期的に調べ、結果としてボルトアセンブリを定期的に調べるために使用され得る。代替的に、ワッシャの歪み測定方法は、ワッシャ本体の歪みの1回の測定を実施するように、板状のワッシャ本体に音放出手段と音検出手段を一時的に設けることによって実行されてもよい。後者の方法は、アプリケーションに取り付けられたワッシャ本体にオンデマンドで提供することができる、内蔵の音放出手段および音検出手段を有する任意の形態の工具の設計を可能にする。
【0039】
放出された音信号は、本発明の一実施形態によれば、音パルス340である。音パルス340は、板状のワッシャ本体の任意の外部または内部界面と衝突して、反射および透過のプロセスを介して2つの部分的な音パルスに分割させられるまで、
図12に示されるように、ワッシャ本体を通って伝播し得る。様々な部分的な音響パルス自体は、続く反射および透過のプロセスを受け、結果として、一連の部分的な音パルスは、板状のワッシャ本体の内部で前後に跳ね返り得る。板状のワッシャ本体の外面に当たると、任意の部分的な音パルスは、部分的にワッシャ本体から逃げ、したがって音検出手段によって検出可能になる。板状のワッシャ本体から逃げるすべての部分的な音パルスの合計は、本発明のこの実施形態によれば、エコー信号を構成し得る。音パルスは一時的な音信号と見なされ得る。パルスは急峻であり得るか、または広範囲であり得る。
【0040】
図12に示されるように、音パルス340は、板状のワッシャ本体の内部キャビティの界面と衝突すると、部分的な反射および伝達プロセスを受け得る。したがって、音パルスの一部は界面で反射され、別の部分は内部キャビティに送られる。送られた部分は、続いて、内部キャビティを横断し、内部キャビティの反対側の界面と衝突し、そこで別の反射および透過プロセスを受けて、第2の反射および送られた音の部分を作成する。続いて、第2の反射された音部分は内部キャビティ内に留まり、そのプロセスを繰り返し、結果として、音パルスは周期的に内部キャビティから逃げ、その結果、板状のワッシャ本体から逃げる。内部キャビティから逃げる2つの連続的な音パルス間の時間は、すなわち、内部キャビティの形状およびサイズ、ならびに内部キャビティにおける媒体内の音速によって判定される。したがって、内部キャビティの形状、および内部キャビティ/ワッシャ本体から逃げる2つの連続的な音パルス間の時間を知ることで、内部キャビティにおける媒体内の音速の計算が可能になる。したがって、信号の放出とキャビティ/ワッシャ本体から逃げる様々な音パルスの検出との間の時間は、キャビティにおける媒体内の音速を計算するために使用され得る。
【0041】
放出された音信号は、本発明の一実施形態では、典型的にはマイクロ秒領域で、制限された時間延長を有することを特徴とする音パルスであり得る。音エコー応答は、板状のワッシャ本体の内部キャビティの少なくとも1つの内面で反射する音パルスの少なくとも1つのエコー応答を含む。結果として、板状のワッシャ本体の歪みの計算は、音パルスの放出と音エコー応答の検出との間の時間遅延に基づき得る。歪みの計算は、ワッシャ本体からの任意の検出された音パルス間の時間遅延の差に基づき得る。
【0042】
放出された音信号は、
図13に例示されるように、連続的な音信号350であり得る。連続的な音信号350は、本発明によれば、ゼロでない持続時間を有すると見なすことができ、スペクトル分布を有し得、たとえば、与えられた周波数範囲でスペクトル的に平坦であり得、ホワイトノイズなどを含む。連続的な音信号350は、音パルスと同じ反射および透過を受けるが、音パルスとは異なり、一定の信号が板状のワッシャ本体から逃げる結果となる。板状のワッシャ本体から逃げるこの一定の信号は、板状のワッシャ本体に吸収されるか、または散乱によって失われる周波数を除く、放出された連続的な音信号に含まれていたのと同じすべての周波数を含む。板状のワッシャ本体から逃げる一定の信号は、本発明の本実施形態では、エコー信号を構成する。
【0043】
板状のワッシャ本体の内部キャビティは、
図13に例示されるように、内部共振周波数を有するように構築され得、これは、内部キャビティのサイズと形状だけでなく、内部キャビティに含まれる媒体にも依存し得る。これらの内部共振周波数はいずれも、音放出手段150によって放出された連続的な音信号350に含まれる周波数と一致し得る。内部キャビティは、連続的な信号350にさらされると、周波数がそれ自体の共振周波数と一致する音波を増幅させ、その結果、これらの周波数でのエコー信号において特徴的な振幅が増大する。
【0044】
板状のワッシャ本体をボルトアセンブリに取り付けると、板状のワッシャ本体は、ボルトアセンブリに加えられた荷重に応じて圧縮力を受ける。この圧縮力は、板状のワッシャ本体への歪みを引き起こし、その結果、板状のワッシャ本体の任意の内部キャビティは、たとえば、加圧、圧縮、および/または変形される。任意の内部キャビティの加圧、圧縮、または変形は、内部キャビティとそれに含まれる流体の両方の音響特性の変化を引き起こす。そのような音響特性は、たとえば、流体の音速、内部キャビティの特徴的な共振周波数などであり得る。
【0045】
内部キャビティの加圧、圧縮、または変形、および結果としてワッシャ本体への荷重を推定するために、ワッシャ本体の内部キャビティ、またはワッシャ本体の内部キャビティに含まれる流体の音響特性の変化が使用され得る。推定は、たとえば、加圧、圧縮、または変形に応じて内部キャビティの音響挙動の物理シミュレーションを介して、または基準測定値の利用を介して実施され得る。後者の場合には、たとえば、ワッシャ本体の既知の荷重に応じてワッシャ本体の内部キャビティの共振周波数を測定することが伴い得る。代替的に、基準測定値は、ワッシャ本体への既知の荷重に応じたワッシャ本体の内部キャビティに含まれる媒体の音速の測定値を含み得る。
【0046】
放出された音信号は、本発明の一実施形態によれば、ゼロでない持続時間での連続的な音信号であり得る。持続期間は典型的にミリ秒より長くなり得る。連続的な信号は、たとえば1MHzから10MHzの範囲の周波数範囲全体にわたるスペクトル分布を有し得る。それは、所与の周波数範囲でスペクトル的に平坦であり得、随意にホワイトノイズを含み得る。対応する音エコー応答は、本発明の本実施形態では、板状のワッシャ本体の内部キャビティの少なくとも1つにおいて共振する音信号の少なくともエコー応答を含む。したがって、板状のワッシャへの歪みの計算は、板状のワッシャ本体の内部キャビティのうちの少なくとも1つの共振周波数に基づき得る。
【0047】
音エコー応答は、本発明の別の実施形態によれば、内部基準キャビティからの基準エコー応答を含み得る。この基準エコー応答は、たとえば、温度効果に対する測定された歪みを補正し、結果として板状のワッシャ本体への真の歪みを得るために使用され得る。温度効果は、たとえば、温度の変化によって引き起こされる、板状のワッシャ本体の任意のキャビティまたは任意のキャビティを充填する任意の流体の圧力または体積の変化であり得る。本発明の本実施形態によれば、ワッシャ歪み測定方法は、少なくとも基準エコー応答に基づいて、板状のワッシャ本体での基準歪みを計算する工程と、少なくとも計算された歪みおよび計算された基準歪みに基づいて、板状のワッシャでの真の歪みを推定する工程とをさらに含み得る。
【0048】
他の利点のある特徴は、添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0049】
100 歪み測定ワッシャアセンブリ
110 板状のワッシャ本体
120 ワッシャ本体の外周面
140 閉じた内部キャビティ
150 音放出手段
160 音検出手段
170 第2の内部キャビティ
175 内部基準キャビティ
176 球状の内部基準キャビティ
180 ベースプレート本体
190 蓋
200 ベースプレート本体の中央開口部
210 ベースプレート本体の外周面
220 閉じた凹部
230 ベースプレート本体の上面
240 ベースプレート本体の境界
250 一体化した板状のワッシャ本体
260 第2の凹部
270 長方形のボックスとして形成された第2のキャビティ
370 球体として形成された第2のキャビティ
290 流体
300 流体充填ポート
310 密封可能な通路
320 音放出手段と音検出手段の組み合わせ
330 環状体
340 音パルス
350 連続的な信号