(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】相冗長電圧レギュレータ装置内でのレギュレータ相の再割り当て
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
H02M3/155 C
H02M3/155 W
(21)【出願番号】P 2021553841
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(86)【国際出願番号】 IB2020052381
(87)【国際公開番号】W WO2020194120
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-08-24
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、マイケル、リー
(72)【発明者】
【氏名】スウェンソン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】イーガン、パトリック
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-055590(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0081438(US,A1)
【文献】米国特許第06301133(US,B1)
【文献】特開2014-204572(JP,A)
【文献】米国特許第06031743(US,A)
【文献】特開2007-288846(JP,A)
【文献】特開平04-017520(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0328400(US,A1)
【文献】特開2014-176242(JP,A)
【文献】特開2016-127725(JP,A)
【文献】特開2012-074084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがレギュレータ入力で入力電圧を受け取り、レギュレータ出力でそれぞれの出力電圧を提供するように電気的に結合されたレギュレータを含む、複数のレギュレータ相と、
第1および第2の相グループを含む、前記複数のレギュレータ相の相グループのセットであって、各相グループが、
前記相グループのレギュレータのレギュレータ入力に電気的に相互接続された共通レギュレータ入力、
前記相グループのレギュレータのレギュレータ出力に電気的に相互接続された共通レギュレータ出力、
少なくとも1つの冗長レギュレータ相、
前記複数のレギュレータ相のうちの少なくとも1つの専用レギュレータ相、
予備レギュレータ相のセットのうちの少なくとも1つの予備レギュレータ相、
前記相グループの各専用レギュレータ相に電気的に結合された多相コントローラ(MPC)であり、制御ロジックに、相障害信号と、それぞれの相グループの各専用レギュレータ相から受信したパルス幅変調(PWM)相制御信号および共有電流(ISHARE)相制御信号のうちの1つと、を転送するように構成された、前記多相コントローラ(MPC)、
を含む、前記相グループのセットと、
第1および第2の予備レギュレータ相を含む、前記複数のレギュレータ相の前記予備レギュレータ相のセットであって、各予備レギュレータ相が、
前記予備レギュレータ相の二次出力への電流の流れを制限するように電気的に結合および構成された二次出力論理和デバイス、
第1の相イネーブル信号に応答して、前記予備レギュレータ相の前記レギュレータ出力を第1の共通レギュレータ出力に電気的に結合するように構成された第1の出力スイッチング・デバイス、および
第2の相イネーブル信号に応答して、前記予備レギュレータ相の前記レギュレータ出力を第2の共通レギュレータ出力に電気的に結合するように構成された第2の出力スイッチング・デバイス、
を含む、前記予備レギュレータ相のセットと、
制御ロジックであって、
前記相グループのセットの各相グループのMPCに電気的に接続され、前記MPCから前記相制御信号を受信し、前記MPCと相障害信号を交換するように構成され、
前記予備レギュレータ相のセットの予備レギュレータ相に電気的に接続され、相イネーブル信号をアサートして、前記相制御信号を前記予備レギュレータ相に転送し、前記予備レギュレータ相から相障害信号を受信するように構成され、
MPCからの相障害信号の受信に応答して、予備レギュレータ相を故障したレギュレータ相を含む相グループに電気的に相互接続するように構成されている、
前記制御ロジックと、
を備える、相冗長電圧レギュレータ装置。
【請求項2】
前記複数のレギュレータ相の各専用レギュレータ相が、
前記レギュレータ入力の電流を監視するように構成され、前記レギュレータ出力の電流および電圧を監視するようにさらに構成された相冗長コントローラ(PRC)と、
それぞれの専用レギュレータ相の一次出力への電流の流れを制限するように構成された出力論理和デバイスと、
前記PRCからの制御信号に応答して、入力過電流保護および出力過電圧保護を前記それぞれの専用レギュレータ相に提供するように構成された入力保護デバイスと、
をさらに含む、請求項1に記載の相冗長電圧レギュレータ装置。
【請求項3】
各相グループの前記MPCが、
フィードバック出力電圧を受信し、前記相グループの各専用レギュレータ相からそれぞれの検出された電流信号を受信し、
相間の制御された電流共有を管理するPWM制御信号またはISHARE制御信号を生成して、前記相グループの各専用レギュレータ相を所定の期間順次アクティブ化し、
前記相グループの1つまたは複数のレギュレータ相の故障に続いて、前記相グループのすべてのアクティブなレギュレータ相間の電流共有を維持する、
ようにさらに構成されている、請求項1に記載の相冗長電圧レギュレータ装置。
【請求項4】
各PWM制御信号またはISHARE制御信号が、少なくとも1つのレギュレータ相のデューティ・サイクル/アクティブ化時間を一連のパルス幅によって表すデジタル信号である、請求項1に記載の相冗長電圧レギュレータ装置。
【請求項5】
前記出力論理和デバイスおよび前記二次出力論理和デバイスがそれぞれ、Nチャネル電界効果トランジスタ(NFET)、Pチャネル電界効果トランジスタ(PFET)、NPNトランジスタ、およびPNPトランジスタからなる群から選択される、請求項
2に記載の相冗長電圧レギュレータ装置。
【請求項6】
MPCのレギュレータ・シリアル・インターフェースが、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェース、電力管理バス(PMBus)インターフェース、および集積回路間(I2C)インターフェースからなる群から選択されるシリアル制御バスを介してシステム制御機能に結合されている、請求項1に記載の相冗長電圧レギュレータ装置。
【請求項7】
前記相グループのセットの前記第1の相グループが、電流共有を維持するように構成されている、請求項1に記載の相冗長電圧レギュレータ装置。
【請求項8】
電圧レギュレータ相の相グループ間で予備電圧レギュレータ相のセットを再割り当てするための方法であって、制御ロジックを使用して、
前記予備電圧レギュレータ相のセットの第1の部分と「割り当てられた」状態との間の関連付けを、前記制御ロジック内の不揮発性メモリに記憶し、
前記制御ロジックを用いて、前記制御ロジック内の前記不揮発性メモリに、前記予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分と「未割り当て」状態との間の関連付けを記憶し、
前記制御ロジックを用いて、前記相グループの第1の機能障害のある相グループからの相障害信号を検出し、
前記相障害信号の検出に応答して、前記予備電圧レギュレータ相のセットの前記第2の部分の少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を、前記第1の機能障害のある相グループに転送する、
ことを含む方法。
【請求項9】
前記相障害信号が、相単一障害信号、相二重障害信号、および予備相障害信号からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相が、システム制御機能から受信したコマンドに応答して再割り当てされる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相の前記第1の機能障害のある相グループへの前記転送が、少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を第2の機能障害のある相グループに転送することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記予備電圧レギュレータ相のセットが、システム・スロットル動作に応答して予備電圧レギュレータ相として指定された電圧レギュレータ相を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記予備電圧レギュレータ相のセットが、システム・スロットル動作に応答して予備電圧レギュレータ相として指定される電圧レギュレータ相を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記予備電圧レギュレータ相のセットが、電圧レギュレータ相に必要とされるとして指定された電圧レギュレータ相の数を超える電圧レギュレータ相を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
電圧レギュレータ相の相グループ間で予備電圧レギュレータ相のセットを再割り当てするための方法であって、システム制御機能に応答し、前記相グループから受信した監視された相障害信号に応答する制御ロジックを使用して、
前記予備電圧レギュレータ相のセットの第1の部分と「割り当てられた」状態との間の関連付けを、前記制御ロジック内の不揮発性メモリに記憶し、
前記制御ロジックを用いて、前記制御ロジック内の前記不揮発性メモリに、前記予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分と「未割り当て」状態との間の関連付けを記憶し、
前記制御ロジックを用いて、前記相グループの第1の機能障害のある相グループからの
相障害信号を検出し、
前記相障害信号の検出に応答して、前記予備電圧レギュレータ相のセットの前記第2の部分の少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を、前記第1の機能障害のある相グループに転送する、
ことを含む方法。
【請求項16】
前記相障害信号が、相単一障害信号、相二重障害信号、および予備相障害信号からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相が、システム制御機能から受信したコマンドに応答して再割り当てされる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相の前記第1の機能障害のある相グループへの前記転送が、少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を第2の機能障害のある相グループに転送することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記予備電圧レギュレータ相のセットが、システム・スロットル動作に応答して予備電圧レギュレータ相として指定された電圧レギュレータ相を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記予備電圧レギュレータ相のセットが、システム・スロットル動作に応答して予備電圧レギュレータ相として指定される電圧レギュレータ相を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電圧レギュレータ回路に関する。詳細には、本開示は、相冗長電圧レギュレータ回路内での共有冗長レギュレータ相の再割り当てに関する。
【背景技術】
【0002】
電圧レギュレータは、入力電圧を受け取り、1つまたは複数の出力端子で一定の電圧レベルを自動的に維持するように設計された電子デバイスまたはシステムである。設計に応じて、1つまたは複数の交流(AC)または直流(DC)電圧を調節するために電圧レギュレータを使用することができる。電圧レギュレータは、コンピュータ電源などの電子デバイスに含めることができ、電圧レギュレータを使用して、プロセッサ、メモリ・デバイス、他のタイプの集積回路(IC)などの電子部品に電力を供給するために使用されるDC電圧を安定化することができる。電圧レギュレータ回路は、電圧レギュレータが電力を供給する電子部品に隣接して配置された感知点から受け取ったフィードバック電圧を受け取ることができる。このフィードバック電圧を使用して、電圧レギュレータの出力電圧を変調することができる。この変調された出力電圧により、供給された電子部品が受け取る電圧を、これらの部品の電流引き込み、または電圧レギュレータをこれらの部品に相互接続する導体両端間の電圧降下に関係なく、安定した値に維持することができる。
【0003】
電界効果トランジスタ(FET)は、電界を使用して、半導体材料内の1つのタイプの電荷キャリアのチャネルの形状、したがって導電率を制御するトランジスタである。FETは、シングル・キャリア・タイプの動作を含むことができるため、ユニポーラ・トランジスタとすることができる。FETは、電流が主に多数キャリアによって運ばれる多数電荷キャリア・デバイス、または電流が主に少数キャリアの流れに起因する少数電荷キャリア・デバイスとすることができる。FETデバイスは、電荷キャリアである電子または正孔がソースからドレインに流れる能動チャネルで構成することができる。ソース端子およびドレイン端子の導体は、オーミック・コンタクトを介して半導体に接続することができる。チャネルの導電率は、ゲート端子とソース端子との間に印加される電位の関数とすることができる。
【発明の概要】
【0004】
実施形態は、相冗長電圧レギュレータ装置を対象とすることができる。相冗長電圧レギュレータ装置は、それぞれが、レギュレータ入力で入力電圧を受け取り、レギュレータ出力でそれぞれの出力電圧を提供するように電気的に結合されたレギュレータを含む、複数のレギュレータ相を含むことができる。相冗長電圧レギュレータ装置は、第1および第2の相グループを含む、複数のレギュレータ相の相グループのセットを含むことができる。各相グループは、相グループのレギュレータのレギュレータ入力に電気的に相互接続された共通レギュレータ入力と、相グループのレギュレータのレギュレータ出力に電気的に相互接続された共通レギュレータ出力と、少なくとも1つの冗長レギュレータ相と、を含むことができる。各相グループはまた、複数のレギュレータ相のうちの少なくとも1つの専用レギュレータ相、および予備レギュレータ相のセットのうちの少なくとも1つの予備レギュレータ相を含むことができる。各相グループはまた、相グループの各専用レギュレータ相に電気的に結合された多相コントローラ(MPC)であって、制御ロジックに、相障害信号と、それぞれの相グループの各専用レギュレータ相から受信したパルス幅変調(PWM)相制御信号および共有電流(ISHARE)相制御信号のうちの1つと、を転送するように構成された、多相コントローラ(MPC)を含むことができる。相冗長電圧レギュレータ装置はまた、第1および第2の予備レギュレータ相を含む、複数のレギュレータ相の予備レギュレータ相のセットを含むことができる。各予備レギュレータ相は、予備レギュレータ相の二次出力への電流の流れを制限するように電気的に結合および構成された二次出力論理和デバイスと、第1の相イネーブル信号に応答して、予備レギュレータ相のレギュレータ出力を第1の共通レギュレータ出力に電気的に結合するように構成された第1の出力スイッチング・デバイスを含むことができる。各予備レギュレータ相は、第2の相イネーブル信号に応答して、予備レギュレータ相のレギュレータ出力を第2の共通レギュレータ出力および制御ロジックに電気的に結合するように構成された第2の出力スイッチング・デバイスを含むことができる。制御ロジックは、相グループのセットの各相グループのMPCに電気的に接続され、MPCから相制御信号を受信し、MPCと相障害信号を交換するように構成されている。制御ロジックは、予備レギュレータ相のセットの予備レギュレータ相にも電気的に接続されている。制御ロジックは、相イネーブル信号をアサートして、予備レギュレータ相に相制御信号を転送し、予備レギュレータ相から相障害信号を受信するようにも構成されている。制御ロジックは、MPCからの相障害信号の受信に応答して、予備レギュレータ相を故障したレギュレータ相を含む相グループに電気的に相互接続するようにも構成されている。
【0005】
実施形態はまた、電圧レギュレータ相の相グループ間で予備電圧レギュレータ相のセットを再割り当てするための方法を対象とすることができる。本方法は、システム制御機能に応答し、相グループから受信した監視された相障害信号に応答する制御ロジックを使用することを含む。本方法は、制御ロジック内の不揮発性メモリに、予備電圧レギュレータ相のセットの第1の部分と「割り当てられた」状態との間の関連付けを記憶するために制御ロジックを使用することを含む。本方法はまた、制御ロジックを用いて制御ロジック内の不揮発性メモリに、予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分と「未割り当て」状態との間の関連付けを記憶するために制御ロジックを使用することを含む。本方法はまた、制御ロジックを用いて相グループの第1の機能障害のある(compromised)相グループからの相障害信号を検出するために制御ロジックを使用することを含む。本方法はまた、相障害信号の検出に応答して、予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分の少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を第1の機能障害のある相グループに転送するために制御ロジックを使用することを含む。
【0006】
実施形態はまた、電圧レギュレータ相の相グループ間で予備電圧レギュレータ相のセットを再割り当てするための方法を対象とすることができ、本方法は、システム制御機能に応答し、相グループから受信した監視された相障害信号に応答する制御ロジックを使用することを含む。本方法は、制御ロジック内の不揮発性メモリに、予備電圧レギュレータ相のセットの第1の部分と「割り当てられた」状態との間の関連付けを記憶するために制御ロジックを使用することを含む。本方法は、制御ロジックを用いて制御ロジック内の不揮発性メモリに、予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分と「未割り当て」状態との間の関連付けを記憶するために制御ロジックを使用することを含む。本方法は、制御ロジックを用いて相グループの第1の機能障害のある相グループからの相障害信号を検出するために制御ロジックを使用することを含む。本方法は、相障害信号の検出に応答して、予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分の少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を第1の機能障害のある相グループに転送するために制御ロジックを使用することを含む。
【0007】
上記の概要は、本開示の例示されたそれぞれの実施形態またはすべての実施態様を説明することを意図したものではない。
【0008】
本出願に含まれる図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を形成する。これらの図面は、本開示の実施形態を例示し、説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。図面は、特定の実施形態の例示に過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態による、相冗長電圧レギュレータ装置を示すブロック図である。
【
図2】図と一致する実施形態による、電圧レギュレータ相および予備電圧レギュレータ相を示す2つの図である。
【
図3】図と一致する実施形態による、割り当て可能な共有冗長予備を有する相冗長電圧レギュレータ装置を示すブロック図である。
【
図4】図と一致する実施形態による、電圧レギュレータの相グループ間で割り当て可能な予備レギュレータ相を転送するための方法を示す流れ図である。
【
図5】図と一致する実施形態による、レギュレータの相グループ間でレギュレータ相を再割り当てするための方法を示す流れ図である。
【
図6】図と一致する実施形態による、レギュレータの相グループ間でレギュレータ相を再割り当てするための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、様々な修正形態および代替の形態を受け入れることができるが、その詳細は、図面において例として示され、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、本発明を記載された特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。それどころか、その意図は、本発明の思想および範囲内にあるすべての修正形態、均等形態、および代替形態を包含することである。
【0011】
図面および詳細な説明において、同様の番号は、概して、同様の構成要素、部品、ステップ、およびプロセスを指す。
【0012】
本開示の特定の実施形態は、相冗長電圧レギュレータ回路内で共有冗長レギュレータ相を再割り当てするという文脈で理解することができる。このような共有冗長レギュレータ相を再割り当てすることは、コストおよび設計の複雑さを軽減し、相の冗長性および堅牢な電力供給を実現するのに役立つことができる。電圧レギュレータ回路内で共有冗長レギュレータ相を再割り当てすることで、電子システムへの電力供給の信頼性を高めることができる。
【0013】
実施形態は、ネットワークを介してサーバに接続されたクライアントにデータを提供するために使用することができるサーバなどの電子機器に、共有冗長レギュレータ相の再割り当てを提供することができる。このようなサーバは、ウェブ・サーバ、アプリケーション・サーバ、メール・サーバ、仮想サーバを含むことができるが、これらに限定されない。必ずしも限定されるわけではないが、本文脈で論じられる実施形態は、本開示の様々な態様の理解を容易にすることができる。特定の実施形態はまた、他の機器および関連する用途、例えば、多種多様な計算およびデータ処理用途で使用することができるコンピューティング・システムなどの電子機器に、共有冗長レギュレータ相の再割り当てを提供することなどを対象とすることができる。このようなコンピューティング・システムは、スーパコンピュータ、高性能コンピューティング(HPC)システム、および他のタイプの専用コンピュータを含むことができるが、これらに限定されない。実施形態はまた、電気通信、航空機、および自動車用途などで使用される機器のための共有冗長レギュレータ相の再割り当てを対象とすることができる。
【0014】
頭字語「FET」は、本明細書では、電圧レギュレータの設計内で、2つの回路ノードを、このノード間に比較的低インピーダンスの電気的接続を提供することによって相互接続するのに役立つことができる電界効果トランジスタに関して使用される。実施形態では、電圧レギュレータの設計者が、特定の電圧レギュレータ設計の電気的性能基準を満たすために、様々なタイプのFETを選択することができることを理解することができる。このようなFETタイプは、エンハンスメント・モード、デプレッション・モード、Nチャネル電界効果トランジスタ(NFET)、およびPチャネル電界効果トランジスタ(PFET)デバイスを含むことができるが、これらに限定されない。このようなFETは、意味を失うことなく、「パワーFET」および「パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ」(MOSFET)と呼ぶこともできる。一部の実施形態では、FETの代わりに様々な他のタイプの電子デバイスを使用することができることも理解することができる。このような電子デバイスは、限定されることなく、NPNおよびPNPトランジスタなどのバイポーラ・デバイス、および他の半導体技術で製造されたトランジスタを含むことができる。
【0015】
議論および図示を容易にするために、「論理和デバイス(ORing device)」および「論理和FET(ORing FET)」という用語は、意味を失うことなく、電圧レギュレータの相出力への電流の流れを防止するように構成された半導体デバイスを指すために区別なく使用することができる。FET記号、例えば、
図2の244は、そのようなデバイスを表すために使用されているが、これは限定的なものとして解釈されるべきではなく、上述したような他のタイプのデバイスも同様の目的のために使用することができる。
【0016】
本明細書で、例えば、「論理和デバイス」、「論理和FET」、および「論理和レギュレータ」に関連して使用される記述子「論理和」は、デバイス、例えばFETまたは電圧レギュレータの論理和機能および出力保護機能を指すものと理解することができる。このようなデバイスおよび電圧レギュレータは、出力保護ダイオードと同じように動作するように構成されたFETによって、デバイス出力への逆電流から保護される。
【0017】
「相」および「レギュレータ相」という用語は、電圧レギュレータ装置内で使用される冗長電圧レギュレータに関して、本明細書では区別なく使用される。電圧レギュレータ相は、一般に、他の電圧レギュレータのアクティブ化時間とは異なる時間に多相コントローラ(MPC)によってアクティブ化される。これは、通常、他の電圧レギュレータと「相がずれて」アクティブ化されると呼ばれる。
【0018】
様々な電子システムは、電圧レギュレータを用いて、システム内の電子部品に安定した電圧で電力を供給する。このような電子システムは、コンピュータ、コンピューティング機器、サーバ、ならびに電気通信、航空機、および自動車用途で使用される機器を含むことができるが、これらに限定されない。システム内の構成要素は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、他の集積回路(IC)タイプ、ハード・ディスク・ドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、メモリ、ならびに他のタイプの電子部品およびデバイスを含むことができるが、これらに限定されない。
【0019】
電圧レギュレータは、電源と、電源によって供給される電圧よりも低い電圧を受け取るように指定された構成要素との間に電気的に接続することができる。例えば、電源は、様々な電圧、例えば、12V、24V、または48VDCを電圧レギュレータに供給することができる。電圧レギュレータの出力電圧は、例えば、3.3V、2.5V、1.8V、1.0V、0.7V、または電力供給される電子部品およびシステムに適していると指定された任意の他の電圧を含むことができる。
【0020】
並列接続された相冗長レギュレータを含む電圧レギュレータは、電圧レギュレータが電力を供給する様々な電子システムに多くの利点を提供することができる。例えば、このような電圧レギュレータは、電圧レギュレータ装置が、故障または障害が発生したレギュレータ相を冗長な予備のまたは「バックアップ」の相に動的かつ自動的に置き換えることができることから生じる、システムの信頼性および堅牢性を向上させることができる。レギュレータ相は、レギュレータ相内のコンデンサ、FET、増幅器、またはドライバ回路などの1つまたは複数の構成要素の故障、例えば短絡に起因して故障する可能性がある。
【0021】
電子システムの信頼性は、相冗長電圧レギュレータ設計内のデカップリング・コンデンサの数を減らすことによっても高めることができる。このコンデンサ数の減少は、結果として電圧レギュレータの実効故障率の低下をもたらすことができる。電圧レギュレータの設計に1つまたは複数の冗長相または予備相を追加することは、電圧レギュレータ内に含まれる複数の冗長相のそれぞれに課される全体的な電流需要を下げることによって、設計の信頼性を高めることもできる。
【0022】
時間的に互い違いにアクティブ化される相を有する相冗長電圧レギュレータを使用することにより、出力電圧リップルが減少し、各相に課される電流負荷の変動に対する過渡応答が向上する可能性もある。複数の冗長レギュレータ相は、電圧レギュレータ・システム全体のコストを管理するのに特に役立つことができる。実施形態によると、複数のより小さな冗長レギュレータ相を使用する電圧レギュレータのコストは、それぞれがより大きな電流出力を有する、より少ない、より大きなレギュレータ相を使用するレギュレータのコストよりも大幅に低くなる可能性がある。
【0023】
特定のタイプの電子システムは、相冗長電圧レギュレータを使用して、特定のサブシステムおよび電子部品に電力を供給することができる。1つまたは複数の電圧レギュレータが故障した場合にシステムの信頼性の高い動作を保証するために、1つまたは複数の電圧レギュレータ相の故障から生じるレギュレータ電流供給能力を回復するために、追加の冗長電圧レギュレータ相を個々の電圧ドメインまたは出力レベルごとに追加することができる。電圧レギュレータの相故障に加えて、特定の電圧ドメインの電流供給ニーズは、システム構成の変化、または負荷回路、例えばCPU、GPU、メモリ回路のスロットル化、あるいはその両方の結果として経時的に変化する可能性がある。
【0024】
しかしながら、各電圧レベルに冗長電圧レギュレータを追加する方法は、特に効率または費用対効果が高くない場合がある。この方法を使用することにより、過剰で不要なコスト、消費電力、システムのスペース/面積、および設計の複雑さが生じる可能性がある。より効率的な電圧レギュレータの設計方法、すなわち、使用する構成要素の数、コスト、消費電力、システム面積、および設計の複雑さを軽減するものが望ましい。
【0025】
実施形態によると、冗長予備電圧レギュレータを、例えば、相グループ内または外のいずれかで電圧レギュレータの設計に追加することができ、「必要に応じて」様々な電圧ドメイン間で割り当てまたは共有することができる。制御ロジックは、電圧レギュレータの故障について電圧源回路を監視することができ、レギュレータの故障、システム負荷、およびシステム構成の変化に応じて、すべての電圧レベル/ドメインで、堅牢で中断のない電力供給を提供するために、必要に応じて予備電圧レギュレータ相の再割り当てを監視することができる。
【0026】
本明細書の図は、本開示の実施形態を実施するために使用される特定の例示的な回路、機能、電気的相互接続、および構成要素の相互作用を示す。これらは、例として提供されており、限定的なものとして解釈されるべきではない。実施形態は、本開示の思想および範囲内で、本明細書に記載または図示されていない回路、機能、電気的相互作用、および構成要素の相互作用を含むこともできる。
【0027】
説明および議論を容易にするために、本明細書では、限られた数のレギュレータ相、レギュレータ相グループ、および予備レギュレータ相が示され、論じられる。例えば、それぞれが2つのレギュレータ相および1つの予備レギュレータ相を含む2つのレギュレータ相グループを、相グループから独立した2つの予備レギュレータ相と共に使用して、本開示の実施形態を説明することができる。しかしながら、これは限定的なものとして解釈されるべきではなく、実施形態内では、任意の他の数のレギュレータ相、レギュレータ相グループ、および予備レギュレータ相を使用することができる。実施形態および設計慣行によると、電子システム内の電圧ドメインの電流要件を満たすために使用されるレギュレータ相の数「N」は、1または2などの比較的小さい数とすることができ、または20以上などのはるかに大きい数とすることができる。電子システム内で任意の数のレギュレータ相グループを使用して、特定の固有の電圧ドメインのニーズを満たすことができる。予備レギュレータ相の数は、レギュレータ相の予想平均故障率、ならびに他の設計基準に基づいて、電力システムの設計者によって選択することができる。
【0028】
本開示の実施形態は、調節された電圧レベルを提供するために割り当て可能な共有冗長レギュレータ相を使用しない電圧レギュレータと比較して、電圧レギュレータのパッケージ・サイズおよびコストを低減するのに役立つことができる。本開示の実施形態に従って構成された電子システムは、信頼性を高め、含まれる電圧レギュレータのコスト、複雑さ、部品数、および実装面積を低減することができる。
【0029】
特定の実施形態に従って設計された、割り当て可能な共有冗長レギュレータ相を有する相冗長電圧レギュレータ装置は、既存の実績のある電子システムと互換性を有することができ、電子システムに電力供給する電圧源に、割り当て可能な共有冗長レギュレータ相を追加するための有用で費用対効果の高い仕方となる可能性がある。本開示の実施形態に従って構築された相冗長電圧レギュレータ装置は、既存の電子システム内に設置することができる。
【0030】
本開示の実施形態は、既存の実績のあるICおよびプリント回路板(PCB)製造技術および材料セット、電子設計方法、設計ツール、ならびに製造プロセスを使用することによって、電子システム内で使用するための割り当て可能な共有冗長レギュレータ相を有する相冗長電圧レギュレータを実装するのに役立つことができる。
【0031】
図1は、複数の冗長電圧レギュレータ相126A、126B、および126Cを含む相冗長電圧レギュレータ装置100を示すブロック図である。複数の冗長レギュレータ相126A、126B、および126Cは、共通レギュレータ入力V
INと共通レギュレータ出力V
OUTとの間に電気的に並列に接続され、各レギュレータ相は、V
IN入力136で入力電圧を受け取り、V
OUT出力148に出力電圧を提供する。
【0032】
「N+1」または「N+2」個の電圧レギュレータ相を電気的に並列に接続することができ、ここで、「N」は指定された電流を供給するために必要な最小の相数を表し、追加の1つまたは2つの相は、1つまたは2つの故障した電圧レギュレータ相を置き換えるのに役立つことができる。1つまたは複数の冗長相の故障または「障害」が発生した場合、残りのアクティブな相間で電流負荷を共有し、したがって中断のない電力供給を確保するために、障害のある冗長相を無効にすることができる。冗長相は、「マスクされた冗長性」を実施するために使用することもでき、これは、ある相が故障した場合、その障害がシステム制御機能108に報告されないことを意味する。その場合、冗長相を、冗長相として使用する代わりに、信頼性の高いレギュレータを生成するために使用することができる。このレギュレータ相の交換は、MPC122によって制御することができる。
【0033】
レギュレータ相126A、126B、および126Cのそれぞれは、降圧レギュレータ116、入力保護デバイス114、論理和デバイス118、および相冗長コントローラ106を含む。相冗長コントローラ106は、入力保護デバイス114と共に、故障した降圧レギュレータ116の入力を装置100の他の相から絶縁するのに役立つことができる。相冗長コントローラ106は、レギュレータ相、例えば126Aの入力電流および出力電流、ならびに出力電圧を監視することができ、例えば、相内の異常な電流または電圧に応答して、入力保護デバイス114を制御することができる。このような異常な電流または電圧は、降圧レギュレータ116内のコンデンサまたはFETなどの構成要素の故障、例えば、短絡から生じる可能性がある。
【0034】
入力保護デバイス114は、それぞれのレギュレータ相、例えば、レギュレータ相1の126Aに入力過電流保護および出力過電圧保護を提供するために使用することができる。入力保護デバイス114は、相冗長コントローラ106によって生成された信号に応答して、共通レギュレータ入力VINを降圧レギュレータ116から電気的に絶縁、すなわち切断することによって、レギュレータ相1の126Aを保護することができる。レギュレータ相126A、126B、および126Cのそれぞれはまた、レギュレータ相のVOUT出力148への逆電流の流れを制限または防止するために使用することができる論理和デバイス118を含む。このような逆電流は、レギュレータ相内のFETまたはコンデンサの短絡または故障から生じる可能性がある。
【0035】
MPC122は、検出された電流出力102および制御信号124を介して、レギュレータ相126A、126B、および126Cのそれぞれに電気的に結合されている。MPC122のマスタ・コントローラ112は、制御信号124を生成して、レギュレータ相126A、126B、および126Cのそれぞれを所定の期間にわたって、周期的にかつ順次アクティブ化する。一部の用途では、このアクティブ化を使用して、例えば、相間の制御された電流共有を生成することができる。MPC122は、冗長性を可能にするために設けられた1つまたは複数の相を有するレギュレータ相のうちの1つまたは複数の故障もしくは障害に続いて、アクティブなレギュレータ相間の電流共有を維持するために使用することができる。電流共有は、相のいずれも以前に故障していない場合は、複数のアクティブなレギュレータ相間で実施することもできる。
【0036】
MPC122の冗長障害報告回路104は、それぞれのレギュレータ相からの検出された電流出力102A、102B、および102Cに提示された複数の検出された電流信号に基づいて、相の障害/故障を収集および報告することができる。検出された電流信号は、1つまたは複数の特定のレギュレータ相の故障を示すために使用され、解釈され得る。一部の用途では、MPC122は、それぞれのVOUT出力148を互いに相がずれるように互い違いにすることによって、冗長レギュレータ相からのリップルおよび過渡応答時間を低減することができる。MPC122はまた、フィードバック入力101で受信される、共通レギュレータ出力VOUTからのフィードバック出力電圧に応答して制御信号124を調整するように構成されている。
【0037】
シリアル制御バス120は、MPC122のレギュレータ・シリアル・インターフェース110をシステム制御機能108に相互接続するために使用することができる。レギュレータ・シリアル・インターフェース110は、制御および監視信号をシステム制御機能108に送受信することができ、システム制御機能108は、電子システム内の1つまたは複数の相冗長レギュレータ装置100を制御することができる。アプリケーションでは、システム制御機能108は、システムのハードウェア機能の様々な態様を監視および制御するために、コンピュータまたはサーバなどの電子システムで使用することができるハードウェア・ユニットまたはソフトウェア・ユニットあるいはその両方を表すことができる。システム制御機能108は、例えば、電源および電圧レギュレータ機能、システム・クロック周波数、冷却などの機能を監視および制御するために電子システム内で使用することができる。
【0038】
一部の用途では、シリアル制御バス120は、例えば、シリアル周辺インターフェース(SPI)バス、電力管理バス(PMBus)、または集積回路間(I2C)インターフェースとすることができる。シリアル制御バス120は、例えば、どのレギュレータ相に故障または障害が発生したかを示す監視データをシステム制御機能108に送信するために使用することができ、システム制御機能108からコマンドおよびコントロールを受信することもできる。
【0039】
図2は、図と一致する実施形態による、電圧レギュレータ相126を示す図と、予備電圧レギュレータ相227を示す図と、を含む2つのブロック図を含む。
図2に示されている様々な回路、機能、および機能ブロックは、
図1に示され、
図1を参照して説明されたものと概ね一致している。
図2は、これらの機能の、拡張された、より詳細な描写を提供するのに、ならびに予備電圧レギュレータ相227を形成するために、レギュレータ相、例えば
図1の126Aにスイッチ・デバイス217および219、ならびに論理和デバイス118および118Aの追加を描写するのに役立つことができる。
図126は、単一のレギュレータ相、例えば、
図1のレギュレータ相1である126Aに対応していることを理解することができる。複数のスイッチ・デバイス217および219、ならびに論理和デバイス118および118Aの追加は、降圧レギュレータ116のレギュレータ出力242を2つ以上の出力、例えば、予備電圧レギュレータ相227の一次出力204および二次出力206に選択的に電気的に接続することを可能にするのに特に役立つことができる。
【0040】
電圧レギュレータ相126は、レギュレータ入力240で入力電圧を受け取り、出力電圧をレギュレータ出力242に駆動することができる降圧レギュレータ116を含む。ドライバM1は、制御入力250で受信された制御信号、例えば、
図1の124に応答して、降圧レギュレータ116内のFETを有効および無効にするように構成されている。実施形態によると、制御信号124は、0Vおよび3.3Vの、論理「0」レベルおよび論理「1」レベルをそれぞれ有するデジタル信号とすることができる。一部の実施形態では、他の電圧レベルを使用することができる。
【0041】
電圧レギュレータ相126はまた、入力保護デバイス114、論理和デバイス118、および相冗長コントローラ106を含む。相冗長コントローラ106は、電流検出回路234、出力過電圧保護回路232、および入力過電流保護回路230を含む。入力過電流保護回路230は、VIN入力136で受信される電流を監視するように電気的に接続および構成され、一方、出力過電圧保護回路232は、レギュレータ出力242の出力電圧を監視することができる。ラッチ228は、出力過電圧保護回路232に電気的に接続された入力過電流保護回路230の一部である。電流検出回路234は、レギュレータ出力242の出力電流を監視するために使用することができる。
【0042】
相冗長コントローラ106は、電圧レギュレータ相126の入力電流および出力電流ならびに出力電圧を監視するのに役立つことができ、これに応じて、電圧レギュレータ相126の入力過電流保護および出力過電圧保護を提供するために使用することができる入力保護デバイス114を制御することができる。
【0043】
相冗長コントローラ106は、入力過電流保護回路230のラッチ228のQ出力をアサートすることによって入力保護デバイス114を制御することができる。ラッチ228のQ出力は、入力保護FET238のゲート入力Gの入力を制御するために使用される。入力保護FET238は、VIN入力136に結合されたドレイン入力Dと、レギュレータ入力240に結合されたソース入力Sと、を有する。入力保護FET238のゲート入力Gに印加される制御信号は、入力保護FET238をアクティブまたは非アクティブにすることができ、これにより、VIN入力136と降圧レギュレータ116のレギュレータ入力240をそれぞれ電気的に接続または切断する。相冗長コントローラ106による入力保護デバイス114の制御は、降圧レギュレータ116に障害または故障が発生したときに、レギュレータ入力240を電圧レギュレータ装置内の他の相から電気的に絶縁することによって、電圧レギュレータ相126に入力過電流保護および出力過電圧保護を提供するのに役立つことができる。
【0044】
一部の用途では、電流検出回路234は、検出された電流出力202に、電圧レギュレータ相126のVOUT出力148から流出する検出された電流のレベルを比例的に表す0V~3.3Vのアナログ電圧レベルを有する信号を提供することができる。一部の用途では、他のアナログ電圧のレベル/範囲が使用されてもよい。実施形態では、検出された電流信号は、特定のレギュレータ相の故障を示すのに役立つことができる。
【0045】
論理和デバイス118は、電圧レギュレータ相126のVOUT出力148への逆電流の流れを制限または防止するために使用することができ、したがって、レギュレータ出力242への逆電流の流れも調節することができる。このような逆電流の流れは、降圧レギュレータ116内のFETまたはコンデンサの短絡または故障から生じる可能性がある。コンパレータ246は、出力論理和FET244のソース端子Sおよびドレイン端子Dに電気的に接続された入力を有する。コンパレータ246の出力は、出力論理和FET244のゲート端子Gに電気的に接続されている。コンパレータ246は、出力論理和FET244と共に、レギュレータ出力242の電圧よりも大きいVOUT出力148の電圧に応答して、レギュレータ出力242への電流の流れを制限するように構成および接続されている。VOUT出力148の電圧がレギュレータ出力242の電圧よりも大きく、逆電流の流れを示す場合、コンパレータ246は、出力論理和FET244のゲートGに低電圧を出力し、したがって、出力論理和FET244を無効にし、さらなる逆電流の流れを防止する。
【0046】
予備電圧レギュレータ相227の相冗長コントローラ106、入力保護デバイス114、および降圧レギュレータ116は、電気的相互接続および機能に関して、電圧レギュレータ相126と概ね一致している。予備電圧レギュレータ相227はまた、出力スイッチング・デバイス217および219を含み、これらは、説明および議論を容易にするために、意味を失うことなく、本明細書では「FET217」および「FET219」として示され、参照される。実施形態では、スイッチ・デバイス217および219はまた、それぞれ、NFET、PFET、NPNトランジスタ、PNPトランジスタ、または他の適切なタイプのトランジスタもしくは半導体デバイスとすることができる。
【0047】
FET217およびFET219は、それぞれ、イネーブル入力216およびイネーブル入力218にそれぞれ電気的に接続されたゲート入力Gを有する。これらの相互接続により、相冗長コントローラ106のそれぞれのイネーブル入力216および218で受信された相イネーブル信号に応答して、FET217およびFET219をアクティブ化すること、すなわち、ドレインD端子とソースS端子との間の導電性経路を有効にすることができる。このアクティブ化を使用して、降圧レギュレータ116のレギュレータ出力242を、論理和デバイス118および二次論理和デバイス118Aをそれぞれ介して、一次出力204または二次出力206のいずれかに電気的に接続することができる。実施形態では、一次出力204および二次出力206は、相グループの共通レギュレータ出力に電気的に接続することができる(
図3参照)。
【0048】
予備電圧レギュレータ相227の論理和デバイス118ならびに二次論理和デバイス118Aの電気的構成および機能は、電圧レギュレータ相126の論理和デバイス118の構成および機能と一致している。電圧レギュレータ相126の論理和デバイス118と同様に、予備電圧レギュレータ相227の論理和デバイス118および二次論理和デバイス118Aは、予備電圧レギュレータ相227の一次出力204および二次出力206それぞれへの逆電流の流れを制限または防止するために使用することができ、したがって、レギュレータ出力242への逆電流の流れも調節することができる。
【0049】
図3は、図と概ね一致する実施形態による、共有冗長予備を有する相冗長電圧レギュレータ装置300を示すブロック図である。
図3は、相グループ374および376に電気的に割り当て可能な共有予備電圧レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dを含む、
図1および
図2と一致する相冗長電圧レギュレータ装置を示すのに特に役立つ。
【0050】
図3に示す実施形態の多くの態様は、
図1および
図2に示され、関連付けられた本文に記載されたものと特に一致しており、本明細書ではこれ以上説明しない。これらの態様は、回路、論理および制御機能、機能間の相互作用、電気的相互接続、信号の使用法、ならびに信号の電圧範囲を含む。
【0051】
制御ロジック366、MPC122、電圧レギュレータ相、例えば126A、および予備電圧レギュレータ相、例えば227Aを含む相冗長電圧レギュレータ装置300の各要素は、電気的に相互接続され、それによって、様々なタイプの信号の使用を介して通信する。これらのタイプには、相障害信号、相イネーブル信号、共有電流(ISHARE)相制御信号、およびPWM相制御信号が含まれる。これらの信号タイプは、制御ロジック366によるレギュレータ相の機能および障害の監視と、レギュレータ相の制御および再割り当てとの両方を可能にするのに役立つことができる。
【0052】
相障害信号は、実施形態では、電圧レギュレータ装置300内の特定のレギュレータ相の障害または故障を示すために使用される。相障害信号は、電圧レギュレータ相、例えば126Aの個々の相冗長コントローラ(PRC)106から受信した検出された電流出力102に応答して、冗長障害報告回路104によって生成することができる。例えば、冗長障害報告回路104によって受信された検出された電流出力102が、他の検出された電流出力102よりも著しく高いか、または低い場合、結果として、冗長障害報告回路104は、対応する相のそれぞれの相障害信号を生成することができる。相障害信号は、予備レギュレータ相、例えば227A、227B、227C、および227DのPRC106によって直接生成することもできる。
【0053】
相障害信号には、信号302AのV1障害、信号302BのV2障害、V1N-1障害信号308A、V1N-2障害信号310A、V2N-1障害信号308B、V2N-2障害信号310B、S1障害信号312A、S2障害信号312B、S3障害信号312C、およびS4障害信号312Dが含まれる。
【0054】
上記のような相障害信号の命名規則は、関連付けられた共通レギュレータ出力電圧、例えば「V1」または「V2」、予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dにそれぞれ対応する予備レギュレータ・インジケータ、例えば「S1」、「S2」、「S3」、または「S4」、および障害「レベル」インジケータ、例えば「N-1」または「N-2」を含む。「N-1」の障害レベル・インジケータは、障害信号が「単一障害」タイプであること、すなわち、障害信号の発生元である特定の相グループには、その相グループ内の電圧レギュレータの中で、報告された障害が1つだけあることを示す。同様に、「N-2」の障害レベル・インジケータは、障害信号が「二重障害」タイプであること、すなわち、障害信号の発生元の特定の相グループには、その相グループ内の電圧レギュレータの中で、報告された障害が2つあることを示す。「予備障害」信号、例えば、S1障害信号312Aは、予備レギュレータ相、例えば、227Aの故障を示すために使用することができる。様々な相障害信号は、1つまたは複数の相故障の場合に継続的で堅牢な電圧レギュレータ性能を提供するために予備電圧レギュレータ相をどのように再割り当てするかを決定する際に制御ロジック366によって使用することができる障害の表示を提供するのに役立つことができる。
【0055】
相イネーブル信号は、実施形態では、予備レギュレータ相、例えば227Aの出力をイネーブルにして、共通レギュレータ出力、例えば、V1に選択的に相互接続するために使用される。実施形態では、相イネーブル信号は、制御ロジック366によって生成される。相イネーブル信号には、S1イネーブルV1信号316A、S1イネーブルV2信号318A、S2イネーブルV1信号316B、S2イネーブルV2信号318B、S3イネーブルV1信号316C、S3イネーブルV2信号318C、S4イネーブルV1信号316D、およびS4イネーブルV2信号318Dが含まれる。上記のような相障害信号の命名規則は、関連付けられた共通レギュレータ出力電圧、例えば、「V1」または「V2」、および関連付けられた予備レギュレータ・インジケータ、例えば、「S1」、「S2」、「S3」、または「S4」を含む。
【0056】
PWM相制御信号は、少なくとも1つのレギュレータ相のデューティ・サイクルまたはアクティブ化時間を、一連の可変幅パルスの繰り返しによって表すデジタル信号である。PWM相制御信号は、例えば、相グループ、例えば374のMPC122によって、相グループ内の電圧レギュレータの相対的なアクティブ化時間の指標として生成することができる。相対的なデューティ・サイクルまたはアクティブ化時間は、電圧レギュレータの出力を変調して特定の動的電流負荷を供給するために、経時的に変化する場合がある。
【0057】
予備電圧レギュレータ相を相グループ内のアクティブな電圧レギュレータ相と同様に動作させるために、PWM相制御信号を受信および使用して、予備電圧レギュレータ相を変調することもできる。したがって、PWM相制御信号は、相イネーブル信号と共に、故障した電圧レギュレータ相をアクティブな予備電圧レギュレータ相と置き換えるのに特に役立つことができる。PWM相制御信号には、V1PWMS1信号304A、V1PWMS2信号306A、V2PWMS1信号304B、V2PWMS2信号306B、S1PWM信号314A、S2PWM信号314B、S3PWM信号314C、およびS4PWM信号314Dが含まれる。
【0058】
実施形態では、ISHARE相制御信号は、アナログ電圧を介して、相グループ内の各レギュレータ相によって提供される電流量を表す信号である。実施形態では、電流「ISHARE」=ITOTAL/Nであり、ここで、=ITOTALは、相グループの総電流出力であり、「N」は、相グループの相の数である。一部の実施形態では、ISHARE信号は、それぞれ0V~3.3Vの範囲のアナログ電圧とすることができる。例として、0VのISHARE信号電圧は、0Aのレギュレータ相電流出力を表すことができ、3.3VのISHARE信号電圧は、全定格、例えば最大のレギュレータ相出力電流を表すことができる。したがって、0V~3.3VのISHARE電圧は、0Aと全定格レギュレータ相出力電流との間で、それぞれのISHARE電圧に線形に比例するレギュレータ相出力電流を表すことができる。一部の実施形態では、他のスケーリング/制御スキームまたは電圧範囲あるいはその両方を使用することができる。
【0059】
ISHARE相制御信号は、例えば、相グループ内の各電圧レギュレータから要求される電流出力の指標として、相グループ、例えば374のMPC122によって生成することができる。ISHARE相制御信号は、電圧レギュレータの出力を変調して特定の動的電流負荷を供給するために、経時的に変化する場合がある。予備電圧レギュレータ相を相グループ内のアクティブな電圧レギュレータ相と同様に動作させるために、ISHARE相制御信号を受信および使用して、予備電圧レギュレータ相を変調するともできる。したがって、ISHARE相制御信号は、相イネーブル信号と共に、故障した電圧レギュレータ相をアクティブな予備電圧レギュレータ相と置き換えるのに特に役立つことができる。ISHARE相制御信号には、V1ISHARES1信号304A、V1ISHARES2信号306A、V2ISHARES1信号304B、V2ISHARES2信号306B、S1ISHARE信号314A、およびS2ISHARE信号314B、S3ISHARE信号314C、およびS4ISHARE信号314Dが含まれる。
【0060】
実施形態によると、相障害信号、相イネーブル信号、I
SHARE相制御信号およびPWM相制御信号はすべて、0Vおよび3.3Vの、論理「0」レベルおよび論理「1」レベルをそれぞれ有するデジタル信号とすることができる。一部の実施形態では、他の電圧レベルを使用することができる。
図3は、上述した信号を矢印付き線として示しており、矢印の付いた信号線の端部が特定の信号の送信先を示し、反対側の端部が信号の送信元を示していることを理解することができる。
【0061】
相冗長電圧レギュレータ装置300は、それぞれが、複数の電圧レギュレータ相および相互接続されたMPC122も含む、相グループ374ならびに376を含む。相グループ374は、電圧レギュレータ相126Aおよび126B、ならびに予備レギュレータ相227Cを含む。相グループ376は、電圧レギュレータ相126Aおよび126B、ならびに予備レギュレータ相227Dを含む。電圧レギュレータ装置300はまた、予備レギュレータ相227Aおよび227Bを含む。予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dのそれぞれは、出力スイッチング・デバイス217および219、ならびに論理和デバイス118および118Aを含む。不揮発性メモリ368およびレギュレータ・シリアル・インターフェース110を含む制御ロジック366は、電圧レギュレータ相、予備電圧レギュレータ相、およびMPCのそれぞれに電気的に接続されている。
【0062】
図1と一致して、各相グループ374および376は、複数の冗長電圧レギュレータ相126A、126B、ならびに予備レギュレータ相227Cおよび227Dをそれぞれ含み、これらの相は、共通レギュレータ出力V
1およびV
2への電力の供給において相冗長性をそれぞれ提供するのに役立つことができる。相グループ内の各電圧レギュレータ相のV
OUT出力148は、共通レギュレータ出力、例えばV
1に接続されている。各相グループのレギュレータ相126A、126BのV
OUT出力148は、それぞれ、1つの共通レギュレータ出力のみに、すなわち、V
1またはV
2のいずれかに配線されていることを理解することができる。したがって、レギュレータ相126A、126Bは、V
OUT出力148を別の共通レギュレータ出力に接続するように再構成することができないため、本明細書では「専用」電圧レギュレータ相と呼ばれる。対照的に、予備レギュレータ相、例えば、227A、227B、227C、および227Dは、予備レギュレータ相のいずれの降圧レギュレータ116のレギュレータ出力242も共通レギュレータ出力V
1またはV
2のいずれかに接続するように、制御ロジック366によって動的に再構成または再割り当てすることができる
。
【0063】
説明および議論を容易にするために、相冗長電圧レギュレータ装置300は、2つの出力電圧レベル、すなわち共通レギュレータ出力V1およびV2、および4つの予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dを含む。しかしながら、実施形態では、特定の電子システムに対して、任意の数の電圧レベルおよび予備レギュレータ相の数を指定することができる。
【0064】
各相グループのMPC122は、相グループの各専用レギュレータ相、例えば126A、126Bに電気的に結合されている。MPC122は、相障害信号と、それぞれの相グループの各専用レギュレータ相から受信したISHARE相制御信号またはパルス幅変調(PWM)相制御信号と、を制御ロジック366に転送するように構成されている。MPC122はまた、所定の期間、相グループの各専用レギュレータ相を順次アクティブ化するために使用することができるPWM制御信号を生成するように構成されており、これは、相グループ内で相間の制御された電流共有を管理するのに役立つことができる。
【0065】
各予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dは、出力スイッチング・デバイス217および219、ならびに論理和デバイス118および118Aを含み、これらは、予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dを共通レギュレータ出力V
1またはV
2あるいはその両方に相互接続するのに特に役立つことができる。実施形態によると、出力スイッチング・デバイス217および219をアクティブ化することができ、したがって、降圧レギュレータ116のレギュレータ出力242を、予備レギュレータ相、例えば227Aの一次出力204または二次出力206に接続することができる。このアクティブ化は、例えば、予備レギュレータ相227Aに対して、相S1イネーブルV
1信号316AまたはS1イネーブルV
2信号318Aをそれぞれ受信することに応答して生じ得る。予備レギュレータ相227B、227C、および227Dも、対応するイネーブル信号を使用することによって同様にアクティブ化され得る。これらの相イネーブル信号は、相冗長コントローラ106によって受信され、出力スイッチング・デバイス217および219にそれぞれ供給される(詳細は
図2参照)。
【0066】
制御ロジック366は、相グループ374および376のそれぞれのMPC122に電気的に接続されている。制御ロジック366は、MPC122からISHARE相制御信号またはPWM相制御信号を受信し、MPC122と相障害信号を交換するように構成されている。制御ロジック366はまた、予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dに電気的に接続され、相イネーブル信号をアサートして、予備レギュレータ相にPWM相制御信号またはISHARE相制御信号を転送し、予備レギュレータ相から相障害信号を受信するように構成されている。例えば、S1イネーブルV2信号318Aは、制御ロジック366によってアサートされて、予備レギュレータ相227Aの二次出力206(V2出力)をイネーブルにすることができる。制御ロジック366はまた、PWM相制御信号またはISHARE相制御信号、例えば、V1PWMS1(もしくはV1ISHARES1)信号304AまたはV1PWMS2(もしくはV1ISHARES2)信号306Aを、それぞれ、接続380または接続382を介して、S1PWMまたはS1ISHARE信号314Aに転送することができる。制御ロジック366はまた、予備レギュレータ相から、相障害信号、例えばV1N-2障害信号310Aを受信することができる。
【0067】
制御ロジック366は、電圧レギュレータ相の障害を監視し、障害のあるレギュレータ相の検出に応答して、様々な相を有効または無効にし、アクティブ化された相にPWM制御信号またはI
SHARE制御信号を供給するのに特に役立つことができる。実施形態によると
、相グループから受信した制御信号は、制御ロジック366によって予備レギュレータ相に転送することができ、これは、予備レギュレータ相を相グループのアクティブなレギュレータ相と一致するレベルで駆動させるのに役立つことができる。制御ロジック366によって実行される機能のさらなる例は、
図4および関連付けられた本文においてさらに詳述される。
【0068】
実施形態では、制御ロジック366は、不揮発性メモリ368を含むことができ、この不揮発性メモリは、アクティブ化された予備レギュレータ相と、1つまたは複数の障害のあるレギュレータ相を有する相グループとの間の関連付けを記憶するために使用することができる。実施形態によると、制御ロジック366は、マイクロコントローラ、カスタム集積回路(IC)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)などとすることができる。不揮発性メモリ368は、フラッシュメモリ、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、または電源電圧が取り外されたときにデータを失わない他のタイプのメモリ・デバイスとすることができる。
【0069】
実施形態は、特定の電圧出力専用のレギュレータ相を使用する電圧レギュレータ装置と比較して、電圧レギュレータのパッケージ・サイズおよびコストを低減するのに役立つことができ、同時に信頼性が高く、堅牢な電力供給を提供する。これらの有効性は、特定の電圧レベル専用の冗長電圧レギュレータ相の代わりに、共有予備電圧レギュレータ相を使用することによって得られる。
【0070】
一部の実施形態では、
図3に示すような共通レギュレータ入力V
INは、すべての相グループ374および376のV
IN入力136、ならびにすべての予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227DのV
IN入力136に接続することができる。一部の実施形態では、異なる共通レギュレータ入力をV
IN入力136に接続して、各相グループおよび予備レギュレータ相に固有の電圧を供給するために使用することができる。実施形態によると、相グループ、例えば374内のレギュレータ相126A、126BのそれぞれのV
OUT出力148はすべて、同じ共通レギュレータ出力、例えばV
1に接続されている。実施形態では、予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dのそれぞれの一次出力204および二次出力206は、制御ロジック366によって予備レギュレータ相227A、227B、227C、および227Dにアサートされるイネーブル信号、例えば、S1イネーブルV
1信号316AまたはS1イネーブルV
2信号318Aに応答して、共通レギュレータ出力V
1または共通レギュレータ出力V
2のいずれかに選択的に接続することができる。
【0071】
実施形態によると、「N+1」または「N+2」個の電圧レギュレータ相を電気的に並列に接続することができ、ここで、「N」は、指定された電流を供給するために必要な最小限の相数であり、追加の1つまたは2つの相は、1つまたは2つの故障したレギュレータ相を置き換えるのに役立つことができる。1つまたは複数の冗長相の故障または「障害」が発生した場合、電流負荷を共有し、電力供給が確実に中断されないようにするために、障害のある冗長相を無効にすることができる。
【0072】
図3は、電圧レギュレータ相126Aと126Bとの間に電流共有回路を有さない相冗長電圧レギュレータを示す。しかしながら、電流共有が電圧レギュレータ相126Aと、126Bとの間で維持される実施形態が企図される。一部のそのような実施形態では、独立した電流スロットル点を各レギュレータ相126Aおよび126B内に実装して、ある電圧レギュレータ相がその電流出力限界で動作する一方で、1つまたは複数の他の電圧レギュレータ相が総電流負荷を満たすために必要な追加の電流を提供することができるようにする。本実施形態は、簡略化された電流共有を可能にすることができ、これにより、特定の電圧レギュレータ相を全電流負荷で動作させることができ、一方で、追加の電圧レギュレータ相をより低い電流レベルで動作させることができる。一部の実施形態では、受動または「垂下」共有を実施することができ、電流共有は、相冗長レギュレータ出力電圧が指定された基準電圧よりも下に垂下することから生じ、それに応答して、その出力に電気的に接続されている様々なレギュレータ相がそれぞれの電流出力をブーストすることができる。これにより、レギュレータ間で負荷の共有が可能になる。一部の実施形態では、能動または「強制」電流共有を、追加された電流監視、制御、およびフィードバック・ループを使用することによって実施することができる。
【0073】
図4~
図6を参照して論じられる動作は、一部の実施形態によると、図に示され、関連付けられた本文で論じられる順序とは多少異なる順序で実行することができることが、電圧レギュレータおよび電子システム設計の当業者には理解することができる。例えば、相イネーブル信号をアサートし、PWM相制御信号またはI
SHARE相制御信号を送信する順序は、一部の実施形態では、本開示の思想および範囲内で、
図5および
図6に示される順序とは逆であってもよい。
図4~
図6を参照して論じられる動作は、安定した電力供給を維持し、スパイクおよびリップルなどの電圧過渡現象を最小限に抑えるために、同時に、または非常に高速なシーケンスで実行することができることも理解することができる。例えば、本開示の実施において、1つの動作が完了してから次の動作が完了するまでの時間は、5ミリ秒以下であってもよい。
【0074】
図4は、図と一致する実施形態による、相冗長電圧レギュレータ装置内で、レギュレータの相グループ間で予備レギュレータ相を転送するためのプロセス400を示す流れ図である。相冗長電圧レギュレータ装置は、複数の予備レギュレータ相、例えば
図3の227Aと、複数の専用レギュレータ相、例えば
図3の126Aと、を含む。相冗長電圧レギュレータ装置は、
図1~
図3を参照して示されおよび説明された相冗長電圧レギュレータおよび装置と一致している。プロセス400は、概して、
図3の制御ロジック366を使用することによって実行され、この制御ロジックは、相グループ、例えば
図3の相グループ374および376から受信した相障害信号を監視するように電気的に接続および構成されている。
【0075】
図3の制御ロジック366によって実行されるプロセス400の特定の動作は、
図1のシステム制御機能108によって電圧レギュレータ装置の外部で開始されてもよい。例えば、
図4の動作404における相転送の開始、または
図5および
図6に詳述されるような、電流負荷の監視、システム機能のスロットリングなどの他の「より高レベル」の動作はすべて、
図1のシステム制御機能108によって開始または実行あるいはその両方が行われてもよい。
【0076】
図4は、相グループ間で予備レギュレータ相を転送するプロセス400を示すのに特に役立つことができる。このプロセス400は、
図5および
図6の両方ならびに関連付けられた説明において、単一の動作としてさらに参照され、したがって、
図5および
図6の両方に示される方法の説明および議論を簡略化している。ブロック402は、
図5および
図6に示される方法からの入口または移行点を表すことができることを理解することができる。
【0077】
プロセス400の実行は、制御ロジックによって制御され割り当てられた共有冗長レギュレータ相の使用によって、電子システムへの電力供給の信頼性を高めることができる。電子システムの相冗長電圧レギュレータ装置と共に使用される場合、プロセス400は、割り当て可能な共有冗長レギュレータ相の使用によって、電圧レギュレータのコスト、パッキング面積、設計の複雑さ、および故障率を実質的に減少させることもできる。プロセス400の実行はまた、ある相グループから別の相グループへの予備レギュレータ相の迅速でシームレスな転送/再割り当てをもたらすことができる。このシームレスな転送により、中断および過渡現象のない、電子システムのための安定した電力供給をもたらすことができる。
図4を参照して示され説明されるプロセスは、
図1~
図3を参照して示され説明された相冗長電圧レギュレータ、および共有冗長予備を有する装置と概ね一致している。プロセス400は、実行されると、電圧レギュレータ相の第1のまたは「現在の」相グループから第2のまたは「新しい」相グループへの電気的転送をもたらす一連の動作を詳述していることを理解することができる。このプロセスを実行して完了した結果は、本明細書では、
図5および
図6において「相転送」と呼ばれる場合がある。
【0078】
ブロック402は、
図5および
図6に示される方法からの入口または移行点を表すことができることを理解することができる。プロセス400は、開始402から動作404に進む。
【0079】
動作404は、概して、相転送の開始を指す。実施形態によると、相転送は、様々な信号または条件あるいはその両方に応じて開始することができる。例えば、故障/障害が発生した相によって生成された障害信号は、PWM相制御信号またはI
SHARE相制御信号、相イネーブル信号、および相障害信号を使用して相転送を開始する
図3の制御ロジック366によって応答することができる。相転送は、システム構成、すなわち特定の電圧ドメインで必要とされる相数の変化によって、または電圧ドメイン内の少なくとも1つのスロットルされた電子デバイスのスロットリングから生じる電流負荷の変化の結果として開始することもできる。システム構成の変化または電流負荷の変化は、システム制御機能108によって、または相転送を開始することができる
図3の制御ロジック366によって検出することができる。相転送が開始されると、プロセス400は、動作406に進む。
【0080】
動作406は、概して、利用可能な予備レギュレータ相の出力を「新しい」相グループの共通レギュレータ出力に電気的に結合する相イネーブル信号をアサートすることを指す。利用可能な予備レギュレータを新しい相グループに結合する前に、利用可能な予備レギュレータが現在、別の「現在の」相グループの出力に結合されている場合、実施形態によると、この出力は、最初に、この出力を現在の相グループに結合している相イネーブル信号をデアサートすることによって現在の相グループから切断または結合解除される。可能な切断に続いて、利用可能な予備レギュレータは、次いで、それぞれのイネーブル信号のアサートを介して、新しい相グループに結合される。この結合解除/結合プロセスにより、利用可能な予備レギュレータの出力が、共通レギュレータ出力において新しい相グループのアクティブなレギュレータの出力に電気的に接続される。例として、現在の相グループが374であり、新しい相グループが376であり、利用可能な予備レギュレータが予備レギュレータ相227Cである場合、それぞれのイネーブル信号は、S3イネーブルV1信号316CおよびS3イネーブルV2信号318Cである。それぞれの共通レギュレータ出力は、V1およびV2である。相イネーブル信号がアサートされると、プロセス400は、動作408に進む。
【0081】
動作408は、概して、新しい相グループからのPWM相制御信号またはISHARE相制御信号を利用可能な予備レギュレータ相に転送することを指す。新しい相グループからのPWM相制御信号またはISHARE相制御信号を利用可能な予備レギュレータ相に転送する前に、現在の相グループからのPWM相制御信号またはISHARE相制御信号が利用可能な予備レギュレータ相に転送されている場合、この接続は、制御ロジック366によって最初に無効にされなければならない。この接続が無効になると、PWM制御信号またはISHARE制御信号に対して、新しい相グループと利用可能な予備レギュレータ相との間の接続を制御ロジック366によって確立することができる。この切断/接続プロセスにより、利用可能な予備レギュレータ相が、接続された新しい相グループからのPWM制御信号またはISHARE制御信号を受信することになり、これにより、この予備レギュレータ相を新しい相グループ内の他のアクティブな相と同様に駆動することが可能になる。
【0082】
現在の相グループが374であり、新しい相グループが376であり、利用可能な予備レギュレータが予備レギュレータ相227Cである上記の例に従うと、現在の相グループからのPWM制御信号またはISHARE制御信号は、V1PWMS1またはV1ISHARES1信号304Aであり、新しい相グループからのPWM制御信号またはISHARE制御信号は、V2PWMS1またはV2ISHARES1信号304Bであり、制御ロジック366は、信号304Aと信号314Cとの間の既存の接続を解除した後、304BとS3PWMまたはISHARE信号314Cとの間の新しい接続を確立する。新しい相グループからのPWM相制御信号またはISHARE相制御信号が利用可能な予備レギュレータ相に転送されると、プロセス400は、動作410に進む。
【0083】
動作410は、概して、利用可能な予備レギュレータからの相障害信号を新しい相グループのMPCに電気的に接続することを指す。本例では、S3障害信号312Cは、制御ロジック366によって、相グループ376のMPC122の信号302BのV2障害に電気的に接続される。このMPC122は、割り当てられた予備電圧レギュレータ相227Cの障害を監視し、障害を制御ロジック366に伝達することができる。相障害信号が接続されると、プロセス400は、動作412に進む。
【0084】
動作412は、概して、第1の使用された予備レギュレータ相と第1の相グループの共通レギュレータ出力との間の関連付けを、制御ロジック内の不揮発性メモリ、例えば
図3の368に記憶することを指す。本例では、関連付けは、相グループ、すなわち「相グループ374」または共通レギュレータ出力V
1、および予備、すなわち予備レギュレータ相227Aに関する情報を含む。この情報は、不揮発性メモリ368に記憶され、電源故障が発生した場合に、予備レギュレータ相227Aの共通レギュレータ出力V
1へのリンクを維持するのに役立つことができる。電源故障に続く電圧レギュレータの再起動時に、制御ロジック366は、予備レギュレータ相227Aの共通レギュレータ出力V
1への電気的な接続を再初期化することができる。関連付けが記憶されると、プロセス400は、ブロック414で終了する。ブロック414は、
図5および
図6に示される方法に戻るための出口または移行点を表すことができることを理解することができる。
【0085】
図5は、図と一致する実施形態による、レギュレータの相グループ間でレギュレータ相を再割り当てするためのプロセスを示す流れ
図500である。相冗長電圧レギュレータ装置は、複数の予備レギュレータ相、例えば
図3の227Aと、複数の専用レギュレータ相、例えば
図3の126Aと、複数の相グループ、例えば
図3の374および376と、を含む。相冗長電圧レギュレータ装置は、
図1~
図3を参照して示されおよび説明された相冗長電圧レギュレータおよび装置と一致している。プロセス500は、概して、相障害信号を監視するように電気的に接続および構成された
図3の制御ロジック366を使用して実行される。制御ロジック366は、
図1のシステム制御機能108と、相グループ、例えば
図3の相グループ374および376から受信した監視された相障害信号と、に応答する。
【0086】
図5は、レギュレータの相グループ間でレギュレータ相を再割り当てするためのプロセス500を示す。しかしながら、
図5に示されるプロセスは、本開示の思想および範囲に従って、レギュレータの複数の相グループ間で複数のレギュレータ相を再割り当てすることを含むように拡張することができることを理解することができる。
【0087】
開始502におけるシステムの動作状態は、電圧レギュレータの相障害を含まず、
図3の相グループ374および376は両方とも、正常に動作しており、「N」個の相が
図3の共通レギュレータ出力V
1およびV
2にそれぞれ取り付けられた負荷に電流を供給するために使用されている。
【0088】
プロセス500は、開始502から判定504に進む。動作504において、特定の「評価された」相グループ内で電力を供給するために、以前に指定された数「N」よりも少ない電圧レギュレータ相が現在必要とされているかどうかに関する判定がシステム制御機能108によって行われる。この判定は、例えば、システム制御機能108が、数Nを、評価された相グループの電流負荷を満たすために現在必要とされている、評価された相グループの現在の電流負荷に従って計算された相数と比較することによって行うことができる。評価された相グループの電流ニーズを満たすためにN個よりも少ない電圧レギュレータ相が現在必要とされている場合は、プロセスは、動作510に進む。評価された相グループの電流ニーズを満たすためにN個以上の電圧レギュレータ相が現在必要とされている場合は、プロセスは、動作506に進む。
【0089】
動作506において、評価された相グループ以外の1つまたは複数の相グループに、引き続き転送または再割り当てすることができる1つまたは複数の予備相を解放するために、電子システム内のデバイスまたはサブシステムをスロットルするか否かに関する判定が、システム制御機能108によって行われる。
【0090】
電子システムまたはシステム構成要素あるいはその両方の「スロットリング」とは、システムまたは構成要素の性能を低下させ、それに応じてその電力消費を低減させるプロセスを指すと理解することができる。スロットリングは、電子システム全体の電力管理に特に有用な技法である可能性がある。スロットリングは、電子システムの様々な構成要素およびサブシステムの電力消費を能動的に監視および管理/制御することができるシステム制御機能、例えば
図1の108によって開始または制御することができる。
【0091】
例えば、システム制御機能108は、コンピュータ・システムまたはサーバ内の1つまたは複数のCPUの電力消費を監視し、引き続き、それらのCPUのクロック周波数を低減するように制御をかけることができ、それによってそれらの消費電流を制限することができる。このようなクロック周波数の低減は、例えば、プロセッサまたは他のシステム構成要素が比較的軽いまたは重要ではないあるいはその両方の作業負荷を実行しているときに実行することができる。スロットリング動作またはプロセスは、現在使用されていないシステム構成要素の選択的かつ慎重なパワーダウンを含むこともできる。このような構成要素には、ネットワークおよびワイヤレス・インターフェース、I/Oポート、ならびにデータ記憶装置が含まれるが、これらに限定されない。
【0092】
本開示の文脈において、構成要素またはサブシステム、例えば、プロセッサ、プロセッサ・カード、またはプロセッサ・クラスタにスロットリングを適用して、その構成要素またはサブシステムの電力を供給する評価された電圧レギュレータ相グループに対する、その構成要素またはサブシステムの電力要求を低減することができる。これは、予備電圧レギュレータ相を解放するのに役立つことができ、この予備電圧レギュレータ相は、引き続き別の相グループにおいてすぐに使用することができ、または必要が生じたときに、別の相グループにおいて将来割り当てて使用するために「未割り当て」としてマークすることができる。実施形態によると、電子システムをスロットルするか否かに関する判定は、システム制御機能108によって実行されるプログラム命令にコード化することができ、またはシステム制御機能108とシステム・ユーザもしくは管理者との対話によって導き出されてもよく、あるいはその両方で行われてもよい。電子システムの一部または全部をスロットルするという判定が行われた場合、プロセスは、動作508に進む。電子システムの一部または全部をスロットルしないという判定が行われた場合、プロセスは、動作504に戻る。
【0093】
動作508は、概して、電子システムの一部または全部をスロットルすることを指す。上述したように、電子システムの一部または全部をスロットルすることは、システム制御機能108によって開始および管理することができる。関連付けが不揮発性メモリに記憶されると、プロセス500は、動作504に戻る。
【0094】
動作510において、利用可能な予備相を評価された相グループ以外の相グループに割り当てるか否かに関する判定が、システム制御機能108によって行われる。実施形態によると、利用可能な予備相を割り当てるか否かに関する判定は、システム制御機能108によって実行されるプログラム命令にコード化することができ、またはシステム制御機能108とシステム・ユーザもしくは管理者との対話によって導き出されてもよく、あるいはその両方で行われてもよい。
【0095】
実施形態によると、システム制御機能108から受信したコマンドに応答して少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を再割り当てすることができる。予備電圧レギュレータ相のセットは、システムのスロットル動作に応答して予備電圧レギュレータ相として指定された電圧レギュレータ相を含むことができる。実施形態によると、予備電圧レギュレータ相のセットはまた、電圧レギュレータ相に必要とされるとして指定された電圧レギュレータ相の数を超える電圧レギュレータ相を含むことができる。利用可能な予備相を割り当てないと判定された場合、プロセスは、動作512に進む。利用可能な予備相を割り当てると判定された場合、プロセスは、動作514に進む。
【0096】
動作512は、概して、評価された相グループで使用するために、予備相を「割り当てられた」として「マーキング」することを指す。予備相のそのようなマーキングは、予備電圧レギュレータ相のセットの第1の部分と「割り当てられた」状態との間の関連付けを、制御ロジック366内の不揮発性メモリ368に記憶することを含むことができることを理解することができる。予備相のこのマーキングは、評価された相グループで使用するためにこれらのレギュレータ相を予約するのに特に役立つことができる。関連付けが不揮発性メモリに記憶されると、プロセス500は、動作504に戻る。
【0097】
動作514は、概して、評価された相グループで使用するために、予備相を「未割り当て」として「マーキング」することを指す。予備相のそのようなマーキングは、予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分と「未割り当て」状態との間の関連付けを、制御ロジック366内の不揮発性メモリ368に記憶することを含むことができることを理解することができる。予備相のこのマーキングは、例えば、その相グループ内の1つまたは複数の電圧レギュレータ相の故障に続いて、これらのレギュレータ相を他の相グループと共に使用できるようにするのに特に役立つことができる。関連付けが不揮発性メモリに記憶されると、プロセス500は、動作516に進む。
【0098】
動作516において、故障/障害が、評価された相グループ以外の相グループに存在するか否かに関する検出および判定が行われる。
図3を参照して上述したように、制御ロジック366は、電圧レギュレータ装置内の様々な専用および予備の相からの相障害を監視および検出することができる。実施形態によると、第1の機能障害のある相グループ、すなわち、故障または障害が発生した電圧レギュレータ相を有する相グループからの相障害信号は、相単一障害信号、相二重障害信号、または予備相障害信号とすることができる。相障害信号が検出された場合は、プロセスは、動作400に進む。相障害信号が検出されない場合は、プロセスは、動作516に戻る。
【0099】
動作400は、概して、相障害信号の検出に応答して、予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分の少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を第1の機能障害のある相グループに転送することを指す。動作400の詳細は、
図4にさらに示され、関連付けられた本文で説明されている。一部の実施形態では、転送はまた、少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を第2の機能障害のある相グループに転送することを含むことができる。実施形態では、転送は、電子システム内の様々な相グループへの複数の独立した相転送を含むことができる。少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相が転送されると、プロセス500は、動作502に戻る。
【0100】
上記のプロセスは、専用の予備電圧レギュレータ相のセットまたは各相グループを用いなくても、複数の相グループを有する電圧レギュレータ装置内の冗長性を維持するのに特に役立つことができることを理解することができる。本開示の実施形態は、電圧レギュレータ装置内の複数の相グループへの予備レギュレータ相の効率的な使用および再割り当てを可能にすることができる。他の同様の方法は、本開示の思想および範囲内で、様々な数の利用可能な予備電圧レギュレータを有する電圧レギュレータ装置に使用することができる。
【0101】
図6は、図と一致する実施形態による、レギュレータの相グループ間でレギュレータ相を再割り当てするための、
図5に示され、関連付けられた本文で説明されたプロセスと一致するプロセスを示す流れ
図600である。相冗長電圧レギュレータ装置は、
図1~
図3を参照して示されおよび説明された相冗長電圧レギュレータおよび装置と一致している。プロセス600は、概して、相障害信号を監視するように電気的に接続および構成された
図3の制御ロジック366を使用することによって実行される。
【0102】
図6は、レギュレータの相グループ間でレギュレータ相を再割り当てするためのプロセス600を示す。しかしながら、
図6に示されるプロセスは、本開示の思想および範囲に従って、レギュレータの複数の相グループ間で複数のレギュレータ相を再割り当てすることを含むように拡張することができることを理解することができる。
【0103】
開始602におけるシステムの動作状態は、電圧レギュレータの相障害を含まず、
図3の相グループ374および376は両方とも、正常に動作しており、「N」個の相が
図3の共通レギュレータ出力V
1およびV
2にそれぞれ取り付けられた負荷に電流を供給するために使用されている。
【0104】
プロセス600は、開始602から判定604に進む。動作604において、特定の「評価された」相グループ内で電力を供給するために、以前に指定された数「N」よりも少ない電圧レギュレータ相が現在必要とされているかどうかに関する判定がシステム制御機能108によって行われる。この判定は、例えば、システム制御機能108が、数Nを、評価された相グループの電流負荷を満たすために現在必要とされている、評価された相グループの現在の電流負荷に従って計算された相数と比較することによって行うことができる。評価された相グループの電流ニーズを満たすためにN個よりも少ない電圧レギュレータ相が現在必要とされている場合は、プロセスは、動作610に進む。評価された相グループの電流ニーズを満たすためにN個以上の電圧レギュレータ相が現在必要とされている場合は、プロセスは、動作606に進む。
【0105】
動作606において、電子システム内のデバイスまたはサブシステムをスロットルして、1つまたは複数の予備相を解放し、この予備相を、引き続き、評価された相グループ以外の1つまたは複数の相グループに転送または再割り当てすることができるか否かに関する判定がシステム制御機能108によって行われる。
【0106】
本開示の文脈において、構成要素またはサブシステム、例えば、プロセッサ、プロセッサ・カード、またはプロセッサ・クラスタにスロットリングを適用して、その構成要素またはサブシステムの電力を供給する評価された電圧レギュレータ相グループに対する、その構成要素またはサブシステムの電力要求を低減することができる。これは、予備電圧レギュレータ相を解放するのに役立つことができ、この予備電圧レギュレータ相は、引き続き別の相グループにおいてすぐに使用することができ、または必要が生じたときに、別の相グループにおいて将来割り当てて使用するために「未割り当て」としてマークすることができる。実施形態によると、電子システムをスロットルするか否かに関する判定は、システム制御機能108によって実行されるプログラム命令にコード化することができ、またはシステム制御機能108とシステム・ユーザもしくは管理者との対話によって導き出されてもよく、あるいはその両方で行われてもよい。電子システムの一部または全部をスロットルするという判定が行われた場合、プロセスは、動作608に進む。電子システムの一部または全部をスロットルしないという判定が行われた場合、プロセスは、動作604に戻る。
【0107】
動作608は、概して、電子システムの一部または全部をスロットルすることを指す。上述したように、電子システムの一部または全部をスロットルすることは、システム制御機能108によって開始および管理することができる。関連付けが不揮発性メモリに記憶されると、プロセス600は、動作604に戻る。
【0108】
動作610において、利用可能な予備相を評価された相グループ以外の相グループに割り当てるか否かに関する判定がシステム制御機能108によって行われる。実施形態によると、利用可能な予備相を割り当てるか否かに関する判定は、システム制御機能108によって実行されるプログラム命令にコード化することができ、またはシステム制御機能108とシステム・ユーザもしくは管理者との対話によって導き出されてもよく、あるいはその両方で行われてもよい。
【0109】
実施形態によると、システム制御機能108から受信したコマンドに応答して少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を再割り当てすることができる。予備電圧レギュレータ相は、システムのスロットル動作に応答して予備電圧レギュレータ相として指定された電圧レギュレータ相を含むことができる。実施形態によると、予備電圧レギュレータ相のセットはまた、電圧レギュレータ相に必要とされるとして指定された電圧レギュレータ相の数を超える電圧レギュレータ相を含むことができる。利用可能な予備相を割り当てないという判定が行われた場合、プロセスは動作612に進む。利用可能な予備相を割り当てるという判定が行われた場合、プロセスは動作614に進む。
【0110】
動作612は、概して、予備相を、評価された相グループで使用するために「割り当てられた」として「マーキング」することを指す。予備相のそのようなマーキングは、予備電圧レギュレータ相のセットの第1の部分と「割り当てられた」状態との間の関連付けを、制御ロジック366内の不揮発性メモリ368に記憶することを含むことができることを理解することができる。予備相のこのマーキングは、評価された相グループで使用するためにこれらのレギュレータ相を予約するのに特に役立つことができる。関連付けが不揮発性メモリに記憶されると、プロセス600は、動作604に戻る。
【0111】
動作614は、概して、予備相を、評価された相グループで使用するために「未割り当て」として「マーキング」することを指す。予備相のそのようなマーキングは、予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分と「未割り当て」状態との間の関連付けを、制御ロジック366内の不揮発性メモリ368に記憶することを含むことができることを理解することができる。予備相のこのマーキングは、例えば、その相グループ内の1つまたは複数の電圧レギュレータ相の故障に続いて、これらのレギュレータ相を他の相グループと共に使用できるようにするのに特に役立つことができる。関連付けが不揮発性メモリに記憶されると、プロセス600は、動作616に進む。
【0112】
動作616において、電圧レギュレータ負荷と、電圧レギュレータ装置内の様々な相グループ内の電圧レギュレータの総電流容量とを比較する分析が、システム制御機能108によって実行される。この比較の結果に基づいて、1つまたは複数の相グループを、他の相グループと比較して、負荷対容量の不一致が相対的に小さいと識別することができる。実施形態では、これらの相グループを、1つまたは複数の利用可能な予備レギュレータ相の割り当てを受けるための相グループとして指定することができる。これらの相グループが識別されると、プロセス600は、動作400に進む。
【0113】
動作400は、概して、予備電圧レギュレータ相のセットの第2の部分の少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を、動作616で指定された様々な相グループに転送することを指す。動作400の詳細は、
図4にさらに示され、関連付けられた本文で説明されている。一部の実施形態では、転送はまた、少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相を第2の機能障害のある相グループに転送することを含むことができる。実施形態では、転送は、電子システム内の様々な相グループへの複数の独立した相転送を含むことができる。少なくとも1つの予備電圧レギュレータ相が転送されると、プロセス600は、動作602に戻る。
【0114】
上記のプロセスは、専用の予備電圧レギュレータ相のセットまたは各相グループを用いなくても、複数の相グループを有する電圧レギュレータ装置内の冗長性を維持するのに特に役立つことができることを理解することができる。本開示の実施形態は、電圧レギュレータ装置内の複数の相グループへの予備レギュレータ相の効率的な使用および再割り当てを可能にすることができる。他の同様の方法は、本開示の思想および範囲内で、様々な数の利用可能な予備電圧レギュレータを有する電圧レギュレータ装置に使用することができる。
【0115】
実施形態によると、相グループ内の各レギュレータ相の電流供給能力は、相グループ内の1つのレギュレータ相の故障に続いて、相グループの指定された累積出力電流の供給をもたらすように指定することができる。一部の実施形態では、相グループ内の各レギュレータ相の相ごとの電流供給能力は、相グループ内の少なくとも2つのレギュレータ相の故障に続いて、相グループの指定された累積出力電流の供給を可能にすることができる。
【0116】
本開示の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されたが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることを意図するものでもない。記載された実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの修正形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実際の適用または技術的改善を説明するために、または当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することができるようにするために選択された。