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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】充電方法及び電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20231201BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231201BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20231201BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20231201BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20231201BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20231201BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231201BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H02J7/04 L
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/62
B60L58/12
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H02J7/04 F
H02J7/10 B
H02J7/10 L
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021574313
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2021074175
(87)【国際公開番号】W WO2022160186
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2021-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 占良
(72)【発明者】
【氏名】但 志▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】▲顔▼ ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲衛▼平
(72)【発明者】
【氏名】熊 淑云
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-525326(JP,A)
【文献】特開2008-113550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電方法であって、
電力変換装置はバッテリー温度を含む駆動用バッテリーの状態パラメータを取得するステップと、
前記バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、前記電力変換装置は充電モードをパルス充電モードに設定するステップと、
パルス電圧又はパルス電流を出力する充電モードである前記パルス充電モードにおいて、前記電力変換装置は充電パイルの充電電力を変換して前記駆動用バッテリーを充電するステップと、を含み、
前記状態パラメータはバッテリー荷電状態をさらに含み、前記電力変換装置が充電モードをパルス充電モードに設定するステップは、
前記電力変換装置は前記充電パイルに、パルス充電情報に基づいて前記電力変換装置によって決定される第1直流充電情報を送信するステップであって、前記パルス充電情報は、パルス電流情報、パルス電圧情報、パルス方向情報、パルス周波数情報及びパルス時間情報のうちの少なくとも1つを含み、前記パルス充電情報は前記バッテリー温度及び前記バッテリー荷電状態に基づいて前記電力変換装置によって決定されるステップを含み、
前記パルス充電モードにおいて、前記電力変換装置が充電パイルの充電電力を変換して前記駆動用バッテリーを充電する前記ステップは、
前記電力変換装置は前記駆動用バッテリーに、前記パルス充電情報に基づいて直流電流を変換して生成されるパルス電流を出力するステップであって、前記直流電流は前記充電パイルが前記第1直流充電情報に基づいて前記電力変換装置に出力した直流電流であるステップを含むことを特徴とする充電方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記バッテリー温度が前記第1予め設定された閾値以上である場合、前記電力変換装置は前記充電モードを前記パルス充電モードから直流充電モードに切り替えるステップと、 定電圧又は定電流を出力する充電モードである前記直流充電モードにおいて、前記電力変換装置は前記充電パイルの充電電力を前記駆動用バッテリーに伝送して前記駆動用バッテリーを充電するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、
前記バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、前記電力変換装置が充電モードをパルス充電モードに設定する前記ステップは、
前記バッテリー温度が前記第1予め設定された閾値よりも低く、且つ前記バッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、前記電力変換装置は前記充電モードを前記パルス充電モードに設定するステップを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、
前記バッテリー温度が前記第1予め設定された閾値以上である場合、前記電力変換装置が前記充電モードを前記パルス充電モードから直流充電モードに切り替えるステップは、
前記バッテリー温度が前記第1予め設定された閾値以上であり、又は前記バッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、前記電力変換装置は前記充電モードを前記パルス充電モードから前記直流充電モードに切り替えるステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記電力変換装置は充電モードをパルス充電モードに設定する前に、前記方法は、
前記電力変換装置は前記充電パイルに、前記電力変換装置への直流電流の出力を停止するように前記充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記電力変換装置は前記充電パイルに充電禁止メッセージを送信した後に、前記方法は、
前記電力変換装置は予備充電を行うステップをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記電力変換装置が予備充電を行うステップは、
前記電力変換装置はその入力端子と出力端子との電圧差を取得するステップと、
前記電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、前記電力変換装置は予備充電を行うステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記電力変換装置が前記充電モードを前記パルス充電モードから直流充電モードに切り替えるステップは、
前記電力変換装置は前記駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止するステップと、
前記電力変換装置は前記駆動用バッテリーの第2直流充電情報を取得して前記充電パイルに送信するステップと、を含み、
前記電力変換装置が前記充電パイルの充電電力を前記駆動用バッテリーに伝送して前記駆動用バッテリーを充電するステップは、
前記電力変換装置は前記充電パイルが前記第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を前記駆動用バッテリーに出力して前記駆動用バッテリーを充電するステップを含むことを特徴とする請求項2又は4に記載の方法。
【請求項9】
前記電力変換装置は前記駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止する前に、前記方法は、
前記電力変換装置は前記充電パイルに、前記電力変換装置への直流電流の出力を停止するように前記充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記電力変換装置は前記充電パイルが前記第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を前記駆動用バッテリーに出力して前記駆動用バッテリーを充電するステップは、
前記電力変換装置はその入力端子と出力端子との電圧差を取得するステップと、
前記電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、前記電力変換装置は前記充電パイルが前記第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を前記駆動用バッテリーに出力して前記駆動用バッテリーを充電するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記電力変換装置が駆動用バッテリーの状態パラメータを取得するステップは、
前記電力変換装置は前記駆動用バッテリーのバッテリー管理システムによって送信された前記駆動用バッテリーの状態パラメータを受信するステップを含むことを特徴とする請求項1~1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
電力変換装置であって、
制御ユニットと、電力ユニットとを備え、
前記制御ユニットは駆動用バッテリーのバッテリー温度を含む駆動用バッテリーの状態パラメータを取得することに用いられ、
前記バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、前記制御ユニットは前記電力ユニットの充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられ、パルス電圧又はパルス電流を用いる充電モードである前記パルス充電モードにおいて、前記電力ユニットは充電パイルの充電電力を変換して前記駆動用バッテリーを充電し、
前記状態パラメータはバッテリー荷電状態をさらに含み、前記制御ユニットは前記バッテリー温度及び前記バッテリー荷電状態に基づいてパルス充電情報を決定して前記電力ユニットに送信することに用いられ、前記パルス充電情報は、パルス電流、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数及びパルス時間のうちの少なくとも1つを含み、
前記電力ユニットは前記パルス充電情報に基づいて前記パルス充電情報に対応する第1直流充電情報を決定して前記制御ユニットに送信することに用いられ、
前記制御ユニットは前記充電パイルに前記第1直流充電情報を送信し、且つ前記電力ユニットを制御して前記駆動用バッテリーにパルス電流を出力することに用いられ、前記パルス電流は前記パルス充電情報に基づいて直流電流を変換して生成され、前記直流電流は前記充電パイルが前記第1直流充電情報に基づいて前記電力ユニットに出力した直流電流であることを特徴とする電力変換装置。
【請求項13】
前記バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、前記制御ユニットはさらに、前記電力ユニットの前記充電モードを前記パルス充電モードから直流充電モードに切り替えることに用いられ、
定電圧又は定電流を用いる充電モードである前記直流充電モードにおいて、前記電力ユニットは前記充電パイルの充電電力を前記駆動用バッテリーに伝送して前記駆動用バッテリーを充電することに用いられることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、
前記バッテリー温度が前記第1予め設定された閾値よりも低く、且つ前記バッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、前記制御ユニットは前記電力ユニットの前記充電モードを前記パルス充電モードに設定することに用いられることを特徴とする請求項12又は13に記載の電力変換装置。
【請求項15】
前記状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、
前記バッテリー温度が前記第1予め設定された閾値以上であり、又は前記バッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、前記制御ユニットは前記電力ユニットの前記充電モードを前記パルス充電モードから前記直流充電モードに切り替えることに用いられることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項16】
前記制御ユニットは前記電力ユニットの充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられる前に、前記制御ユニットはさらに、
前記充電パイルに、前記電力ユニットへの直流電流の出力を停止するように前記充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信することに用いられることを特徴とする請求項1~1のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項17】
前記制御ユニットは前記充電パイルに充電禁止メッセージを送信することに用いられた後に、
前記制御ユニットはさらに、前記電力ユニットに予備充電命令を送信することに用いられ、
前記電力ユニットは前記予備充電命令に基づいて予備充電を行うことに用いられることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項18】
前記制御ユニットは前記電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差を取得することに用いられ、
前記電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、前記制御ユニットは前記電力ユニットに予備充電命令を送信することに用いられることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項19】
前記制御ユニットはさらに、前記駆動用バッテリーの第2直流充電情報を取得することに用いられ、
前記制御ユニットは前記電力ユニットを制御してパルス電流の出力を停止することに用いられ、
前記制御ユニットは前記電力ユニットを制御して、前記充電パイルが前記第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を、前記駆動用バッテリーに出力することに用いられることを特徴とする請求項1又は1に記載の電力変換装置。
【請求項20】
前記制御ユニットは前記電力ユニットを制御してパルス電流の出力を停止することに用いられる前に、前記制御ユニットはさらに、
前記充電パイルに、前記電力ユニットへの直流電流の出力を停止するように前記充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信することに用いられることを特徴とする請求項19に記載の電力変換装置。
【請求項21】
前記制御ユニットは前記電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差を取得することに用いられ、
前記電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、前記制御ユニットは前記電力ユニットを制御して、前記充電パイルが前記第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を、前記駆動用バッテリーに出力することに用いられることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項22】
前記制御ユニットは前記駆動用バッテリーのバッテリー管理システムによって送信された前記駆動用バッテリーの状態パラメータを受信することに用いられることを特徴とする請求項1~2のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項23】
電力変換装置であって、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを呼び出して、請求項1~1のいずれか1項に記載の充電方法を実行することに用いられることを特徴とする電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は駆動用バッテリーの分野に関し、より具体的には、充電方法及び電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
時代の発展に伴って、電気自動車は、高い環境保護性、低ノイズ、低使用コストなどの利点により、大きな市場の将来性を持ち、且つ省エネ及び排出削減を効果的に促進でき、社会の発展と進歩に貢献している。
【0003】
電気自動車の場合、駆動用バッテリー技術はその発展に関連する重要な要素である。駆動用バッテリーの電気化学的特性により、低温環境で、直流充電は駆動用バッテリーの性能に大きく影響して、顧客の車の経験に影響している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、駆動用バッテリーのバッテリー性能を如何に確保するかは、解決すべき技術的課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、充電方法及び電力変換装置を提供し、駆動用バッテリーのバッテリー性能を確保することができる。
【0006】
第1態様は充電方法を提供し、該方法は、電力変換装置はバッテリー温度を含む駆動用バッテリーの状態パラメータを取得するステップと、該バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、該電力変換装置は充電モードをパルス充電モードに設定するステップと、パルス電圧又はパルス電流を出力する充電モードである該パルス充電モードにおいて、該電力変換装置は充電パイルの充電電力を変換して該駆動用バッテリーを充電するステップと、を含む。
【0007】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を取得し、該バッテリー温度が低く、例えば第1予め設定された閾値よりも低い場合、その充電モードをパルス充電モードに設定し、該パルス充電モードにおいて、電力変換装置は充電パイルが出力した充電電力を変換し、パルス電流を出力して駆動用バッテリーを充電し、低温下で充電パイルが駆動用バッテリーを直接充電するため、駆動用バッテリーの性能に影響することを防止し、これにより駆動用バッテリーの性能を確保することができる。また、本願の実施例の技術案によれば、駆動用バッテリーに対して熱管理システムを配置する必要がなく、駆動用バッテリーの全体コストを削減することを基に、低温下での駆動用バッテリーの加熱時間を節約し、充電効率を向上させる。
【0008】
可能な実現形態では、該方法は、該バッテリー温度が該第1予め設定された閾値以上である場合、該電力変換装置は該充電モードを該パルス充電モードから直流充電モードに切り替えるステップと、定電圧又は定電流を出力する充電モードである該直流充電モードにおいて、該電力変換装置は該充電パイルの充電電力を該駆動用バッテリーに伝送して該駆動用バッテリーを充電するステップと、をさらに含む。
【0009】
本願の実施例の技術案によれば、該電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を継続的に取得し、該バッテリー温度が高く、例えば第1予め設定された閾値以上である場合、その充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替え、さらに電力変換装置は充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに直接伝送して駆動用バッテリーを充電し、非低温下での駆動用バッテリーの充電効率を向上させ、従って、本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は、駆動用バッテリーのバッテリー温度に基づいてその充電モードを柔軟に設定し、駆動用バッテリーの性能を確保することを前提に、充電過程全体の充電効率を向上させることができる。
【0010】
可能な実現形態では、該状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、該バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、該電力変換装置が充電モードをパルス充電モードに設定する該ステップは、該バッテリー温度が該第1予め設定された閾値よりも低く、且つ該バッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、該電力変換装置は該充電モードを該パルス充電モードに設定するステップを含む。
【0011】
本願の実施例の技術案では、電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を取得することに加えて、駆動用バッテリーのバッテリー電圧も取得し、バッテリー温度とバッテリー電圧の両方の情報を組み合わせてその充電モードをパルス充電モードに設定し、低温下で、駆動用バッテリーが低電圧の充電待機状態にあるかどうかをさらに判断し、充電の安全性をさらに確保することができる。
【0012】
可能な実現形態では、該状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、該バッテリー温度が該第1予め設定された閾値以上である場合、該電力変換装置が該充電モードを該パルス充電モードから直流充電モードに切り替えるステップは、該バッテリー温度が該第1予め設定された閾値以上であり、又は該バッテリー電圧が該第2予め設定された閾値以上である場合、該電力変換装置は該充電モードを該パルス充電モードから該直流充電モードに切り替えるステップを含む。
【0013】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度及びバッテリー電圧を継続的に取得し、バッテリー温度とバッテリー電圧の両方の情報を組み合わせてその充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替え、バッテリーの非低温又は非低電圧状態で、直流電流を直接使用して充電バッテリーを充電し、さらに充電効率を向上させることができる。
【0014】
可能な実現形態では、該状態パラメータはバッテリー荷電状態をさらに含み、該電力変換装置が充電モードをパルス充電モードに設定するステップは、該電力変換装置は該充電パイルに、パルス充電情報に基づいて該電力変換装置によって決定される第1直流充電情報を送信するステップを含み、該パルス充電情報は、パルス電流情報、パルス電圧情報、パルス方向情報、パルス周波数情報及びパルス時間情報のうちの少なくとも1つを含み、該パルス充電情報は該バッテリー温度及び該バッテリー荷電状態に基づいて該電力変換装置によって決定され、該パルス充電モードにおいて、該電力変換装置が充電パイルの充電電力を変換して該駆動用バッテリーを充電する該ステップは、該電力変換装置は該駆動用バッテリーに、該パルス充電情報に基づいて直流電流を変換して生成されるパルス電流を出力するステップを含み、該直流電流は該充電パイルが該第1直流充電情報に基づいて該電力変換装置に出力した直流電流である。
【0015】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は、取得した駆動用バッテリーの状態パラメータに基づいて、対応するパルス充電情報を決定し、該パルス充電情報に基づいて異なるパルス電流を変換して取得することができ、これにより駆動用バッテリーの異なる状況での異なる充電要求に適応し、高い柔軟性及び適応性を有する。
【0016】
可能な実現形態では、該電力変換装置は充電モードをパルス充電モードに設定する前に、該方法は、該電力変換装置は該充電パイルに、該電力変換装置への直流電流の出力を停止するように該充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信するステップをさらに含む。
可能な実現形態では、該電力変換装置は該充電パイルに充電禁止メッセージを送信した後に、該方法は、該電力変換装置は予備充電を行うステップをさらに含む。
【0017】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は該充電パイルに充電禁止メッセージを送信した後に、電力変換装置内のコンデンサに対して予備充電を行う。このように、後続の駆動用バッテリーの充電過程において、該コンデンサはパルス大電流を生成せず、これにより充電過程の正常な進行と充電安全を確保することができる。
【0018】
可能な実現形態では、該電力変換装置が予備充電を行うステップは、該電力変換装置はその入力端子と出力端子との電圧差を取得するステップと、該電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、該電力変換装置は予備充電を行うステップと、を含む。
【0019】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置内のリレーを保護し及び電力変換装置の性能を確保するために、リレーの開閉を制御して電力変換装置に対して予備充電を行う前に、電力変換装置はさらに、その入力端子と出力端子との電圧差を取得し、該電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断することができ、該電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置は予備充電を行う。
【0020】
可能な実現形態では、該電力変換装置が該充電モードを該パルス充電モードから直流充電モードに切り替えるステップは、該電力変換装置は該駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止するステップと、該電力変換装置は該駆動用バッテリーの第2直流充電情報を取得して該充電パイルに送信するステップと、を含み、該電力変換装置が該充電パイルの充電電力を該駆動用バッテリーに伝送して該駆動用バッテリーを充電するステップは、該電力変換装置は該充電パイルが該第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を該駆動用バッテリーに出力して該駆動用バッテリーを充電するステップを含む。
【0021】
可能な実現形態では、該電力変換装置は該駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止する前に、該方法は、該電力変換装置は該充電パイルに、該電力変換装置への直流電流の出力を停止するように該充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信するステップをさらに含む。
【0022】
可能な実現形態では、該電力変換装置は該充電パイルが該第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を該駆動用バッテリーに出力して該駆動用バッテリーを充電するステップは、該電力変換装置はその入力端子と出力端子との電圧差を取得するステップと、該電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、該電力変換装置は該充電パイルが該第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を該駆動用バッテリーに出力して該駆動用バッテリーを充電するステップと、を含む。
【0023】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置内のリレーを保護し及び電力変換装置の性能を確保するために、リレーの開閉を制御して充電パイルから出力された直流電流を駆動用バッテリーに出力する前に、電力変換装置はさらに、その入力端子と出力端子との電圧差を取得し、該電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断することができ、該電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置は充電パイルが出力した直流電流を駆動用バッテリーに出力して該駆動用バッテリーを充電する。
【0024】
可能な実現形態では、電力変換装置が駆動用バッテリーの状態パラメータを取得するステップは、電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー管理システムによって送信された駆動用バッテリーの状態パラメータを受信するステップを含む。
【0025】
第2様態は電力変換装置を提供し、制御ユニットと、電力ユニットとを備え、該制御ユニットは該駆動用バッテリーのバッテリー温度を含む該駆動用バッテリーの状態パラメータを取得することに用いられ、該バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、該制御ユニットは該電力ユニットの充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられ、パルス電圧又はパルス電流を用いる充電モードである該パルス充電モードにおいて、該電力ユニットは充電パイルの充電電力を変換して該駆動用バッテリーを充電する。
【0026】
可能な実現形態では、該バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、該制御ユニットはさらに、該電力ユニットの該充電モードを該パルス充電モードから直流充電モードに切り替えることに用いられ、定電圧又は定電流を用いる充電モードである該直流充電モードにおいて、該電力ユニットは該充電パイルの充電電力を該駆動用バッテリーに伝送して該駆動用バッテリーを充電することに用いられる。
【0027】
可能な実現形態では、該状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、該バッテリー温度が該第1予め設定された閾値よりも低く、且つ該バッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、該制御ユニットは該電力ユニットの該充電モードを該パルス充電モードに設定することに用いられる。
【0028】
可能な実現形態では、該状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、該バッテリー温度が該第1予め設定された閾値以上であり、又は該バッテリー電圧が該第2予め設定された閾値以上である場合、該制御ユニットは該電力ユニットの該充電モードを該パルス充電モードから該直流充電モードに切り替えることに用いられる。
【0029】
可能な実現形態では、該状態パラメータはバッテリー荷電状態をさらに含み、該制御ユニットは該バッテリー温度及び該バッテリー荷電状態に基づいてパルス充電情報を決定して該電力ユニットに送信することに用いられ、該パルス充電情報は、パルス電流、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数及びパルス時間のうちの少なくとも1つを含み、該電力ユニットは該パルス充電情報に基づいて該パルス充電情報に対応する第1直流充電情報を決定して該制御ユニットに送信することに用いられ、該制御ユニットは該充電パイルに該第1直流充電情報を送信し、且つ該電力ユニットを制御して該駆動用バッテリーにパルス電流を出力することに用いられ、該パルス電流は該パルス充電情報に基づいて直流電流を変換して生成され、該直流電流は該充電パイルが該第1直流充電情報に基づいて該電力ユニットに出力した直流電流である。
【0030】
可能な実現形態では、該制御ユニットは該電力ユニットの充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられる前に、該制御ユニットはさらに、該充電パイルに、該電力ユニットへの直流電流の出力を停止するように該充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信することに用いられる。
【0031】
可能な実現形態では、該制御ユニットは該充電パイルに充電禁止メッセージを送信することに用いられた後に、該制御ユニットはさらに該電力ユニットに予備充電命令を送信することに用いられ、該電力ユニットは該予備充電命令に基づいて予備充電を行うことに用いられる。
【0032】
可能な実現形態では、該制御ユニットは該電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差を取得することに用いられ、該電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、該制御ユニットは該電力ユニットに予備充電命令を送信することに用いられる。
【0033】
可能な実現形態では、該制御ユニットはさらに該駆動用バッテリーの第2直流充電情報を取得することに用いられ、該制御ユニットは該電力ユニットを制御してパルス電流の出力を停止することに用いられ、該制御ユニットは該電力ユニットを制御して、該充電パイルが該第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を、該駆動用バッテリーに出力することに用いられる。
【0034】
可能な実現形態では、該制御ユニットは該電力ユニットを制御してパルス電流の出力を停止することに用いられる前に、該制御ユニットはさらに、該充電パイルに、該電力ユニットへの直流電流の出力を停止するように該充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信することに用いられる。
【0035】
可能な実現形態では、該制御ユニットは該電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差を取得することに用いられ、該電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、該制御ユニットは該電力ユニットを制御して、該充電パイルが該第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を、該駆動用バッテリーに出力することに用いられる。
【0036】
可能な実現形態では、該制御ユニットは該駆動用バッテリーのバッテリー管理システムによって送信された駆動用バッテリーの状態パラメータを受信することに用いられる。
【0037】
第3態様は電力変換装置を提供し、プロセッサと、メモリとを備え、該メモリはコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、該プロセッサは該コンピュータプログラムを呼び出して、上記第1態様及び第1態様の任意の可能な実現形態における方法を実行することに用いられる。
【0038】
第4態様はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムを記憶することに用いられ、該コンピュータプログラムは上記第1態様及び第1態様の任意の可能な実現形態における方法を実行することに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、本願の実施例で使用される図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者が、創造的な労働を要することなく、図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本願の一実施例に開示されている充電システムの模式図である。
図2】本願の一実施例に開示されている充電システムのアプリケーションアーキテクチャの模式図である。
図3】本願の一実施例に開示されている充電方法の模式的なフローチャートである。
図4】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的なフローチャートである。
図5】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的なフローチャートである。
図6】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的なフローチャートである。
図7】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的な相互作用フローチャートである。
図8】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的な相互作用フローチャートである。
図9】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的な相互作用フローチャートである。
図10】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的な相互作用フローチャートである。
図11】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的なフローチャートである。
図12】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的な相互作用フローチャートである。
図13】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的な相互作用フローチャートである。
図14】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的な相互作用フローチャートである。
図15】本願の別の実施例に開示されている充電方法の模式的な相互作用フローチャートである。
図16】本願の一実施例に開示されている電力変換装置の模式的なブロック図である。
図17】本願の別の実施例に開示されている電力変換装置の模式的なブロック図である。
図18】本願の別の実施例に開示されている電力変換装置の模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は、本願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本願の範囲を限定するものではなく、すなわち本願は説明される実施例に限定されない。
【0041】
本願の説明では、説明する必要があるように、特に説明されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者が理解できる通常の意味を有し、本願の明細書で使用される用語は、本願を限定するためのものではなく、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における用語「第1」、「第2」などは、特定の順序又は主従関係を説明するためのものではなく、異なる対象を区別するためのものである。
【0042】
本願で言及されている「実施例」は、実施例を組み合わせて説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の様々な位置に現れる該語句は必ずしも同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互に排他的な独立又は代替の実施例でもない。当業者は、本願で説明される実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明確、かつ暗黙的に理解できる。
【0043】
本願の説明では、説明する必要があるように、特に明確に規定及び限定されない限り、「装着」、「接続」、「連結」、「取り付け」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよく、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0044】
新エネルギーの分野では、駆動用バッテリーは、例えば自動車、船舶又は宇宙機などの電力消費装置の主な動力源として、その重要性が自明である。駆動用バッテリーの温度はその性能、寿命、安全性に大きく影響する。現在、市販されている駆動用バッテリーのほとんどは充電可能な蓄電池であり、一般的にはリチウムイオンバッテリー又はリチウムイオンポリマーバッテリーである。低温下で、リチウムイオンバッテリーは、内部抵抗が大きくなり、容量が小さくなるという現象が発生し、極端な場合には、電解液が凍結してバッテリーが放電できなくなるなどの状況をもたらし、バッテリーシステムの低温性能に大きく影響して、電気自動車の動力出力性能を低下させ及び航続距離を短縮させる。さらに、低温下でリチウムイオンバッテリーを直流充電すると、リチウム析出現象をもたらす。リチウム析出はリチウムバッテリーの性能を低下させ、サイクル寿命を大幅に短縮するだけでなく、バッテリーの急速充電容量を制限し、且つ燃焼、爆発などの壊滅的な結果を引き起こす可能性がある。
【0045】
低温環境での電気自動車の充電の問題を解決するために、現在、市場に出回っている電気自動車の駆動用バッテリーのほとんどは、熱管理システムが配置される。駆動用バッテリーの温度が低すぎると、熱管理システムは電気エネルギーの一部を熱エネルギーに変換し、これによりバッテリーパック全体を加熱することができる。このような予熱方式は、駆動用バッテリーを適切な温度に保ち、これに基づいて駆動用バッテリーを充電することができる。しかしながら、このような予熱方式は、駆動用バッテリーの温度を上げて充電する方式であり、その加熱効率の向上が限られ、加熱時間を節約できないため、低温環境での電気自動車の充電時間が長すぎるという問題を根本的に解決することができない。また、駆動用バッテリーに熱管理システムを配置すると、駆動用バッテリーの重量が増加するだけでなく、駆動用バッテリーのコストも増加する。
【0046】
これに鑑みて、従来技術と比較して、本願は、熱管理システムを使用して駆動用バッテリーを予熱することなく、上記低温環境での電気自動車の充電の問題を解決できる新たな充電システム及びその充電方法を提案する。
【0047】
図1は本願の実施例に適用される充電システムを示す。該充電システムは様々なタイプの電力消費装置に適用でき、該電力消費装置は電気自動車などを含むがこれに限定されない。
【0048】
図1は本願の充電システム10の模式図を示す。図1に示されるように、該充電システム10は、電力変換装置110と、充電パイル120と、電気自動車130とを備えてもよい。
【0049】
具体的には、充電パイル120は電気自動車130(純粋な電気自動車及びプラグインハイブリッド電気自動車を含む)に電気エネルギーを補給する装置であり、交流充電パイルと直流充電パイルの2種類に分けられ、直流充電パイルは、調整可能な直流電流を出力することにより、電気自動車の駆動用バッテリーを直接充電し、出力された電圧と電流を広範囲に調整できるため、急速充電の要求を実現することができる。交流充電パイルは、電力出力のみを提供し、充電機能がなく、後続の整流と直流-直流(DC-DC)変換はいずれも車載充電器によって完了し、充電パイルは電源コントローラとして機能するために使用される。以下の本願の実施例では、充電パイルが直流充電パイルであることを例として本願の充電方法を説明し、車載充電器の関連する充電方法については、以下の実施例の関連する説明を参照すればよい。
【0050】
具体的には、電気自動車130は、バッテリーシステムを備えてもよく、該バッテリーシステムは、少なくとも1つのバッテリーパック(battery pack)を設けて電気自動車にエネルギー及び動力を提供することができ、該少なくとも1つのバッテリーパックは駆動用バッテリーと総称され得る。バッテリーの種類に関しては、該駆動用バッテリーは、リチウムイオンバッテリー、リチウム金属バッテリー、鉛酸バッテリー、ニッケルカドミウムバッテリー、ニッケル水素バッテリー、リチウム硫黄バッテリー、リチウム空気バッテリー又はナトリウムイオンバッテリーなどであってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。バッテリーの規模に関しては、本願の実施例における駆動用バッテリーは、セル/バッテリーセルであってもよく、バッテリーモジュール又はバッテリーパックであってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0051】
また、該駆動用バッテリーをインテリジェントに管理して保守し、バッテリーの過充電及び過放電を防止し、バッテリーの使用寿命を延ばすために、バッテリーシステムには一般的にバッテリー管理システム(BMS:battery management system)が設けられ、駆動用バッテリーの状態を監視することに用いられる。選択肢として、該BMSは、駆動用バッテリーとともに同一機器/装置に統合して設けられてもよく、又は、該BMSは、独立した機器/装置として駆動用バッテリーの外部に設けられてもよい。
【0052】
従来技術と比較して、充電システム10には電力変換装置110が増設され、具体的には、該電力変換装置110は充電パイル120に電気的に接続され、且つ電気自動車130のバッテリーシステムに電気的に接続され、該電力変換装置110は充電パイル120と電気自動車130のバッテリーシステムとの間の電力転送装置として使用することができ、具体的には、該電力変換装置110は充電パイル120と電気自動車130の駆動用バッテリーとの間の電力転送装置として使用することができる。
【0053】
具体的には、本願では、電力変換装置110は、充電パイル120によって伝送された第1電力タイプの第1電気エネルギーを受信して、第1電力タイプとは異なる第2電力タイプの第2電気エネルギーに変換し、次に第2電気エネルギーを電気自動車130の駆動用バッテリーに伝送して、電力の変換を実現することに用いられる。一例として、充電パイル120によって伝送された第1電力タイプの第1電気エネルギーは直流電流であり、該直流電流は定電圧の直流電流又は定電流の直流電流であってもよく、電力変換装置110は、該直流電流を電圧変化、電流変化、電力状態変化、電流、電圧、電力タイミング変化などの他の電力タイプの第2電気エネルギーに変換して、電気自動車130の駆動用バッテリーに伝送して該駆動用バッテリーを充電することができる。
【0054】
選択肢として、図1に示されるように、該電力変換装置110は、独立した電力転送装置として、充電パイル120及び電気自動車130の外部に設けられ、選択可能な電気的接続方式として、充電パイル120には第1充電ガンヘッドが設けられ、電力変換装置110には該第1充電ガンヘッドに対応する第1充電コンセントが設けられ、充電パイル120から伝送された電気エネルギーを受信する。また、電力変換装置110にも第2充電ガンヘッドが同時に設けられ、該第2充電ガンヘッドは電気自動車110の第2充電コンセントに電気的に接続されて、電力変換装置110が電気自動車に電気エネルギーを伝送することを実現することに用いられる。
【0055】
既存の充電パイル120と電気自動車130のバッテリーシステムとの間の電気的接続に適合するために、選択肢として、電力変換装置110の第2充電ガンヘッドの具体的なタイプ及び構造は充電パイル120の第1充電ガンヘッドの具体的なタイプ及び構造と同じであってもよく、それに応じて、電力変換装置110の第1充電コンセントの具体的なタイプ及び構造は電気自動車の第2充電コンセントの具体的なタイプ及び構造と同じであってもよい。もちろん、電力変換装置110の第2充電ガンヘッド及び第1充電コンセントは、充電パイル120の第1充電ガンヘッド及び電気自動車の第2充電コンセントとは異なってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定せず、充電ガンヘッドが対応する充電コンセントに電気的に接続されることを実現すればよい。
【0056】
選択肢として、該電力変換装置110は、独立した電力転送装置として設計できることに加えて、該電力変換装置110は、充電パイル120に統合して設けられてもよく、又は電気自動車130に統合して設けられてもよく、さらに又は、電力変換装置110の一部の機能モジュールは充電パイル120に設けられ、残りの部分の機能モジュールは電気自動車130に設けられ、本願の実施例は、該電力変換装置110の具体的な設置方式を具体的に限定せず、充電パイル120と電気自動車130のバッテリーシステムとの間に電気的にして、電力変換の機能を実現すればよい。
【0057】
図2は本願の実施例に係る上記充電システム10のアプリケーションアーキテクチャの模式図である。
【0058】
図2に示されるように、バッテリーシステムは上記充電システム10における電気自動車130のバッテリーシステムであってもよく、該バッテリーシステムは駆動用バッテリー131と、バッテリー管理システムBMS 132とを備える。
【0059】
選択肢として、電力変換装置110は、電力ユニット111と、制御ユニット112とを備えてもよく、該電力ユニット111は充電パイル120が出力した電力タイプを駆動用バッテリー131に必要な電力タイプに変換することに用いられる。一例として、該電力ユニット111は電力変換モジュールを備えてもよく、該電力変換モジュールは、パルス電流を生成して駆動用バッテリー131に提供するためのパルス生成回路を備えてもよく、また、該電力変換モジュールは、駆動回路、通信回路、処理回路などの他の機能回路をさらに備えてもよい。制御ユニット112は、コントローラ及び/又はプロセッサを備え、充電パイル120及びBMS 130の充電過程における状態を検出し、且つ電力ユニット111及び電力変換装置の他の電気部品の実行を制御することを担うことができる。
【0060】
具体的には、該電力ユニット111は、高電圧線150を介してそれぞれ充電パイル120及び駆動用バッテリー131に接続され、充電パイル120が高電圧線150を介して出力した充電電力を変換して駆動用バッテリー131に出力して駆動用バッテリー131を充電する。一例として、図2に示されるように、電力ユニット111の電力変換モジュールは高電圧線150を介してそれぞれ充電パイルの正極出力ポート(例えば、直流正極出力ポートDC+)及び負極出力ポート(例えば、直流負極出力ポートDC-)に接続され、駆動用バッテリーの正極出力ポート及び負極出力ポートに接続される。
【0061】
選択肢として、電力ユニット111は、電力変換モジュールに加えて、少なくとも1つのリレーをさらに備え、例えば、図2に示されるように、第1リレーK1、第2リレーK2及び第3リレーK3を備える。電力変換モジュールは、第2リレーK2及び第3リレーK3を介してそれぞれ充電パイル120及び駆動用バッテリー131に接続され、該第2リレーK2及び第3リレーK3を制御することにより、電力変換モジュールが充電パイル120及び駆動用バッテリー131に接続されるかどうかを制御することができる。
【0062】
また、充電パイル120と駆動用バッテリー131との間は第1リレーK1を介して相互に接続され、言い換えると、第2リレーK2と第3リレーK3がいずれもオフになり、第1リレーK1がオンになる場合、充電パイル120が出力した充電電力は、電力変換モジュールによる変換を必要とせず、駆動用バッテリー131に直接伝送することができる。
【0063】
説明する必要があるように、図2における第1リレーK1、第2リレーK2及び第3リレーK3は模式的に説明される回路構造に過ぎず、他の機能回路に置き換えて実現でき、電力変換モジュールが充電パイル120と駆動用バッテリー131との間に選択可能に接続されることを実現すればよい。
理解できるように、第1リレーK1、第2リレーK2及び第3リレーK3は電力変換装置110の制御ユニット112によって制御され得る。
【0064】
さらに理解できるように、電力ユニット111は、第1リレーK1、第2リレーK2及び第3リレーK3を備えず、直接にソフトウェアによって電力変換モジュールの実行状態を制御してもよく、電力変換モジュールが充電パイル120と駆動用バッテリー131との間に選択可能に接続されることを実現でき、これにより電力変換装置110は異なる充電モードになる。
【0065】
さらに図2を参照して、充電パイル120及びBMS 132はさらに、それぞれ通信線140を介して電力変換装置110に接続され、充電パイル120、BMS 132及び電力変換装置110の三者の間の情報交換を実現することができる。具体的には、制御ユニット112は、それぞれ通信線140を介して充電パイル120及びBMS 130に接続されて、充電パイル120及びBMS 130との情報交換をそれぞれ行う。また、制御ユニット112はさらに、通信線140を介して電力ユニット111に接続されて、電力ユニット111との情報交換を行い、且つ電力ユニット111を制御して電力変換を行う。
【0066】
一例として、該通信線140は、コントローラローカルエリアネットワーク(CAN:control area network)通信バス又はデイジーチェーン(daisy chain)通信バスを含むがこれらに限定されない。選択肢として、充電パイル120、BMS 132、電力変換装置110の三者の間は、CAN通信プロトコル又はデイジーチェーン通信プロトコルの通信物理層、データリンク層及びアプリケーション層の関連するプロトコル規定に従って通信することができる。
【0067】
具体的には、市場に出回っている通常の充電システムでは、充電パイル120とBMS 132との間は通信プロトコルを介して直接情報交換を行い、本願の実施例では、電力変換装置110は充電パイル120とBMS 132との間でパケット及びメッセージを送受信することができ、現在の充電パイル120及びBMS 132を両立させる通信プロトコルで、充電パイル120とBMS 132との間の電力変換を実現する。
【0068】
図3は本願の実施例に係る充電方法200の模式的なフローチャートを示す。該方法200は電力変換装置に適用される。例えば、該電力変換装置は以上の図1及び図2における電力変換装置110であってもよい。
【0069】
図3に示されるように、該充電方法200は以下のステップを含んでもよい。
ステップ210において、電力変換装置はバッテリー温度を含む駆動用バッテリーの状態パラメータを取得する。
【0070】
選択肢として、本ステップにおいて、駆動用バッテリーは以上の図2に示される駆動用バッテリー131であってもよく、該駆動用バッテリーは一般的に少なくとも1つのバッテリーパックを備え、各バッテリーパックは直列及び並列に接続された複数のバッテリーセルを備えてもよい。該駆動用バッテリーのバッテリー温度は各バッテリーセルの温度を含むがこれに限定されず、関連する技術では、該バッテリーセルはセルとも呼ばれ得る。
【0071】
選択肢として、いくつかの実施形態では、駆動用バッテリーのBMS、例えば図2に示されるBMS 132は、該駆動用バッテリーの状態パラメータ、例えば駆動用バッテリーのバッテリー温度を検出し、電力変換装置に伝送することに用いられ、これにより該電力変換装置は該駆動用バッテリーの状態パラメータを取得する。一例として、BMSと電力変換装置との間は、CANに基づいて通信を実現することができる。該例では、駆動用バッテリーのバッテリー温度はBMSによって送信された動力蓄電池状態パケット(BSM:battery state message)うちの最も低い動力蓄電池温度であってもよい。別のいくつかの例では、BMSと電力変換装置との間はさらに、通信プロトコルに基づいて通信することができ、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0072】
もちろん、別のいくつかの実施形態では、電力変換装置はさらに他の方式によって駆動用バッテリーの状態パラメータを取得することができ、一例として、動力自動車のBMS以外の他の制御ユニットは駆動用バッテリーの状態パラメータを取得することに用いられ、次に該制御ユニットは電力変換装置に伝送し、又は、別の例として、動力自動車のBMS又は他の制御ユニットは該駆動用バッテリーの状態パラメータを記憶ユニット又はクラウドに記憶し、電力変換装置は記憶ユニット又はクラウドからバッテリー状態パラメータを取得し、本願の実施例は、電力変換装置が駆動用バッテリーの状態パラメータを取得する具体的な方式を限定しない。
【0073】
ステップ220において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置は充電モードをパルス充電モードに設定する。
具体的には、本ステップにおいて、パルス充電モードはパルス電圧又はパルス電流を用いる充電モードであり、言い換えると、パルス充電モードにおいて、電力変換装置はパルス電圧又はパルス電流を生成することができる。
【0074】
選択肢として、電力変換装置のソフトウェアプログラム及び/又はハードウェア回路を制御することにより、電力変換装置の各機能モジュールの実行状態を制御することができ、これにより電力変換装置は充電パイルから受信した直流電流をパルス電流に変換することができる。
【0075】
一例として、図2に示される電力変換装置110では、第2リレーK2及び第3リレーK3がオンになるように制御して、電力変換モジュールが充電パイル120と駆動用バッテリー131との間に接続されることを実現でき、これにより電力変換装置110は充電パイル120から受信した直流電流をパルス電流に変換することができる。
【0076】
選択肢として、上記第1予め設定された閾値は予め設定された任意の値であってもよく、駆動用バッテリーが低温状態にあることを示し、該第1予め設定された閾値は、駆動用バッテリーが位置する地理位置、そのバッテリータイプ、属性パラメータ、及び駆動用バッテリーが位置するシステムアーキテクチャなどの関連する要素に応じて設定することができ、本願の実施例はその具体的な値を限定しない。一例として、該第1予め設定された閾値は摂氏10度(℃)未満の任意の値であってもよく、例えば、該第1予め設定された閾値は5℃であってもよい。
【0077】
ステップ230において、パルス充電モードにおいて、電力変換装置は充電パイルの充電電力を変換して駆動用バッテリーを充電する。
【0078】
具体的には、本ステップにおいて、電力変換装置は、充電パイルの充電電力の変換を実現し、且つ変換後の充電電力を駆動用バッテリーに出力して駆動用バッテリーを充電することに用いられる。パルス充電モードにおいて、電力変換装置によって変換された充電電力はパルス充電電圧又はパルス充電電流である。
【0079】
以上により、本願の実施例の技術案によれば、該電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を取得し、該バッテリー温度が低く、例えば第1予め設定された閾値よりも低い場合、その充電モードをパルス充電モードに設定し、該パルス充電モードにおいて、電力変換装置は充電パイルが出力した充電電力を変換し、パルス電流を出力して駆動用バッテリーを充電し、低温下で駆動用バッテリーを直接充電するため、駆動用バッテリーの性能に影響することを防止し、これにより駆動用バッテリーの性能を確保する。また、本願の実施例の技術案によれば、駆動用バッテリーに対して熱管理システムを配置する必要がなく、駆動用バッテリーの全体コストを削減することを基に、低温下での駆動用バッテリーの加熱時間を節約し、充電効率を向上させる。
【0080】
図4は本願の実施例に係る別の充電方法300の模式的なフローチャートを示す。図4に示されるように、該充電方法300は以下のステップを含んでもよい。
【0081】
ステップ310において、電力変換装置はバッテリー温度及びバッテリー電圧を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを取得する。
【0082】
ステップ320において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置は充電モードをパルス充電モードに設定する。
【0083】
ステップ330において、パルス充電モードにおいて、電力変換装置は充電パイルの充電電力を変換して駆動用バッテリーを充電する。
【0084】
本願の実施例では、ステップ310は以上のステップ210と比較し、電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を取得することに加えて、駆動用バッテリーのバッテリー電圧も取得する。
具体的には、駆動用バッテリーは、充放電過程において、バッテリー温度の影響が大きいことに加えて、その電圧を同時に検出すると、現在の駆動用バッテリーの充放電状態をより良好に反映し、過充電又は過放電の発生による駆動用バッテリーの永久的な損傷を防止することができる。従って、本願の実施例では、電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を取得することに加えて、駆動用バッテリーのバッテリー電圧も取得し、さまざまな情報を組み合わせて後続の充電モード設定段階を実行し、充電の安全性を向上させる。具体的には、該駆動用バッテリーのバッテリー電圧は駆動用バッテリーの各バッテリーセルの電圧及び/又は駆動用バッテリー全体の総電圧を含むがこれらに限定されない。
【0085】
以上のステップ210において電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を取得すると同様に、いくつかの実施形態では、駆動用バッテリーのBMSは該駆動用バッテリーのバッテリー電圧を検出して、電力変換装置に伝送することに用いられ、これにより電力変換装置は該駆動用バッテリーのバッテリー電圧を取得する。該実施形態では、駆動用バッテリーのバッテリー電圧はバッテリー充電状態パケット(BCS:battery charge state)を介して電力変換装置に伝送され得る。
【0086】
ステップ320において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置は充電モードをパルス充電モードに設定する。選択肢として、該第2予め設定された閾値は予め設定された任意の値であってもよく、駆動用バッテリーが低電圧の充電待機状態にあることを示し、該第2予め設定された閾値は異なる駆動用バッテリーのタイプ及び構造に基づいて異なる値に設定される可能性があり、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0087】
具体的には、本願の実施例におけるステップ330の関連する技術案は以上のステップ230の関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0088】
本願の実施例の技術案では、電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を取得することに加えて、駆動用バッテリーのバッテリー電圧も取得し、バッテリー温度とバッテリー電圧の両方の情報を組み合わせてその充電モードをパルス充電モードに設定し、低温下で、駆動用バッテリーが低電圧の充電待機状態にあるかどうかをさらに判断し、充電の安全性をさらに確保することができる。
説明する必要があるように、本願の実施例では、電力変換装置は、駆動用バッテリーのバッテリー温度及びバッテリー電圧を取得できることに加えて、駆動用バッテリーの他の状態パラメータも取得でき、且つさらに該他の状態パラメータに基づいてその充電モードをパルス充電モードに設定する。具体的には、該駆動用バッテリーの他の状態パラメータは、バッテリー電流、バッテリーの荷電状態(SOC:state of charge)、推定残存充電時間などの関連するパラメータを含むがこれらに限定されない。SOCは熱力学的量と見なすことができ、これを使用してバッテリーの潜在的な電気エネルギーを評価することができる。
【0089】
以上の図3及び図4に記載の充電方法では、電力変換装置はその充電モードをパルス充電モードに設定し、且つ充電パイルの出力電力を変換して駆動用バッテリーに出力する。さらに、これに基づき、電力変換装置はさらにその充電モードを直流充電モードに切り替え、且つ充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに直接伝送することができる。
【0090】
図5は本願の実施例に係る別の充電方法200の模式的なフローチャートを示す。図5に示されるように、上記充電方法200は以下のステップをさらに含んでもよい。
【0091】
ステップ240において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置は充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替える。
ステップ250において、直流充電モードにおいて、電力変換装置は充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに伝送する。
【0092】
具体的には、本願の実施例では、上記ステップ240及び250は図3におけるステップ230の後に行われ、電力変換装置が現在の状態で取得したバッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、現在の駆動用バッテリーが非低温状態にあることが示され、電力変換装置の充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることができ、直流充電モードにおいて、電力変換装置は充電パイルが出力した充電電力を駆動用バッテリーに直接伝送して駆動用バッテリーを充電し、直流充電モードは定電圧又は定電流を出力する充電モードであり、言い換えると、充電パイルの充電電力は定電圧又は定電流である。
【0093】
一例として、電力変換装置のソフトウェアプログラム及び/又はハードウェア回路を制御することにより、電力変換装置の各機能モジュールの実行状態を制御することができ、これにより電力変換装置は充電パイルから受信した直流電流を駆動用バッテリーに直接出力することができる。
【0094】
例えば、図2に示される電力変換装置110では、第2リレーK2及び第3リレーK3がオフになるように制御し、第1リレーK1がオンになるように制御して、充電パイル120と駆動用バッテリー131との間の直接電気的接続を実現し、これにより電力変換装置110は充電パイル120から受信した直流電流を駆動用バッテリー131に直接出力することができる。
【0095】
さらに、図2に示される電力変換装置110では、さらに電力変換モジュールを制御して実行を停止することにより、充電モードの切り替え過程における信頼性及び柔軟性をさらに強化することができる。
【0096】
本願の実施例の技術案によれば、該電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度を継続的に取得し、該バッテリー温度が高く、例えば第1予め設定された閾値以上である場合、その充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替え、さらに電力変換装置は充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに直接伝送して駆動用バッテリーを充電し、非低温下での駆動用バッテリーの充電効率を向上させ、従って、本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は、駆動用バッテリーのバッテリー温度に基づいてその充電モードを柔軟に設定し、駆動用バッテリーの性能を確保することを前提に、充電過程全体の充電効率を向上させることができる。
【0097】
同様に、図6は本願の実施例に係る別の充電方法300の模式的なフローチャートを示す。図6に示されるように、上記充電方法300は以下ステップをさらに含んでもよい。
【0098】
ステップ340において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上であり、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置は充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替える。
【0099】
ステップ350において、直流充電モードにおいて、電力変換装置は充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに伝送する。
【0100】
本願の実施例では、該ステップ340及び350は上記図4におけるステップ330の後に行われ、電力変換装置が現在の状態で取得したバッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、現在の駆動用バッテリーが非低温状態にあることが示され、又は、電力変換装置が現在の状態で取得したバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、現在の駆動用バッテリーが充電待機状態になく、又は高電圧の充電待機状態にあることが示され、電力変換装置の充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることができ、直流充電モードにおいて、充電パイルは電力変換装置を介して駆動用バッテリーを充電する。
【0101】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は駆動用バッテリーのバッテリー温度及びバッテリー電圧を継続的に取得し、バッテリー温度とバッテリー電圧の両方の情報を組み合わせてその充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替え、バッテリーの非低温又は非低電圧状態で、直流電流を直接使用して充電バッテリーを充電し、さらに充電効率を向上させることができる。
【0102】
説明する必要があるように、上記本願の実施例では、電力変換装置がパルス充電モードにあるとき、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上であり、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上であると検出した場合、電力変換装置はその充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替える必要がある。他の本願の実施例では、電力変換装置の初期状態、すなわち電力変換装置に充電モードが設定されていないとき、このとき、電力変換装置が取得した駆動用バッテリーのバッテリー温度が第1予め設定された閾値以上であり、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置はその充電モードを直流充電モードに直接設定することができる。
【0103】
また、説明する必要があるように、上記ステップ220及びステップ320において、ある場合には、電力変換装置が初期状態にあり、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、又はバッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置はその充電モードをパルス充電モードに直接設定する。別の場合には、電力変換装置が直流充電モードにあり、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、又はバッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置は充電モードを直流充電モードからパルス充電モードに切り替えることができる。
【0104】
以上により、本願の実施例の技術案によれば、充電過程全体において、電力変換装置は駆動用バッテリーの状態パラメータに基づいてその充電モードを随時に調整できるという技術案を実現できる。具体的には、低温下で駆動用バッテリーをパルス充電し、非低温下で駆動用バッテリーを直流充電することを実現し、異なる充電環境に柔軟に適応し、充電効率を向上させることができる。
【0105】
図7は本願の別の実施例に係る充電方法400の模式的なフローチャートを示す。図7に示されるように、該充電方法400は以下のステップを含んでもよい。
【0106】
ステップ410において、バッテリー管理システムBMSは電力変換装置に、バッテリー温度及びバッテリー荷電状態を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを送信する。
【0107】
具体的には、該ステップにおいて、バッテリー管理システムBMSは、電力変換装置に駆動用バッテリーのバッテリー温度を送信することに加えて、駆動用バッテリーのバッテリー荷電状態SOCも送信し、該SOCは駆動用バッテリーの残量を正確に反映することができる。選択肢として、バッテリー管理システムBMSはさらに電力変換装置に駆動用バッテリーのバッテリー電圧などの他のパラメータを送信することができる。
【0108】
選択肢として、本願の実施例では、駆動用バッテリーのバッテリー温度は動力蓄電池状態パケット(BSM)を介して電力変換装置に送信することができ、駆動用バッテリーのバッテリー荷電状態SOC、バッテリー電圧などのパラメータはバッテリー充電状態パケット(BCS)を介して電力変換装置に送信することができる。
【0109】
ステップ421において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置は状態パラメータに基づいてパルス充電情報を決定する。
【0110】
具体的には、該ステップにおいて、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置がバッテリー温度及びSOCに基づいて共同で決定したパルス充電情報は、駆動用バッテリーの現在の温度に適応できるだけでなく、駆動用バッテリーのSOCにも適応できる。
【0111】
又は、該ステップの別の実施形態では、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置はバッテリー温度及びSOCに基づいてパルス充電情報を共同で決定する。
【0112】
選択肢として、バッテリー温度及びSOCに基づいてパルス充電情報を決定することは、複数の実現方式があり、一例として、バッテリー温度、SOC及びパルス充電情報のマッピング関係を決定し、該マッピング関係に基づいて、具体的なパルス充電情報を決定することができ、該マッピング関係は、大量の実験データをフィッティングして得られたマッピング関係であってもよく、信頼度及び正確性が高く、具体的には、該マッピング関係はマッピングテーブル、マッピング図又はマッピング式などであってもよい。また、他の例では、さらに大量の実験データに基づいて専用のニューラルネットワークモデルをトレーニングすることができ、該ニューラルネットワークモデルは入力されたバッテリー温度及びSOCに基づいてパルス充電情報を出力することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、上記パルス充電情報は、パルス電流の実効値、パルス電流のピーク値、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数、パルス間隔及びパルス持続時間を含むがこれらに限定されない。
【0114】
ステップ422において、電力変換装置はパルス充電情報に基づいて第1直流充電情報を決定する。
【0115】
具体的には、電力変換装置はパルス充電情報に基づいて該パルス充電情報に対応する第1直流充電情報を計算することができ、該第1直流充電情報は、充電要求電圧、充電要求電流及び充電要求モードのうちの少なくとも1つを含んでもよい。充電要求モードは定電流モード又は定電圧モードであってもよい。
【0116】
ステップ423において、電力変換装置は充電パイルに第1直流充電情報を送信する。
【0117】
選択肢として、いくつかの実施形態では、第1直流充電情報はBMSの充電要求として充電パイルに送信することができる。選択肢として、該電力変換装置はバッテリー充電要求(BCL)パケットを介して該第1直流充電情報を送信することができる。又は、他の実施形態では、該第1直流充電情報はさらに他のパケットを介して充電パイルに送信することができ、本願の実施例は該パケットのタイプ及び送信方式を具体的に限定しない。
【0118】
選択肢として、上記ステップ421~ステップ423は以上の図3におけるステップ220に含まれる実施形態であってもよい。
【0119】
ステップ431において、充電パイルは電力変換装置に直流電流を出力する。
【0120】
ステップ432において、電力変換装置は直流電流を変換してパルス電流を生成する。
【0121】
ステップ433において、電力変換装置は駆動用バッテリーにパルス電流を出力する。
選択肢として、上記ステップ431~ステップ433は以上の図3におけるステップ230に含まれる実現形態であってもよい。
【0122】
具体的には、上記ステップにおいて、充電パイルは電力変換装置に直流電流を出力し、該電力変換装置は、直流電流を変換してパルス電流を生成して、駆動用バッテリーに出力し、駆動用バッテリーのパルス充電を実現することに用いられ、該パルス電流は上記パルス充電情報に基づいて直流電流を変換して生成されるパルス電流である。該直流電流は充電パイルが上記第1直流充電情報に基づいて電力変換装置に出力した直流電流である。
【0123】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は、取得した駆動用バッテリーの状態パラメータに基づいて、対応するパルス充電情報を決定し、該パルス充電情報に基づいて異なるパルス電流を変換して取得することができ、これにより駆動用バッテリーの異なる状況での異なる充電要求に適応し、高い柔軟性及び適応性を有する。
【0124】
理解できるように、以上の図7に記載の充電方法400は、電力変換装置が初期段階、すなわち充電モードが設定されていない場合、その充電モードをパルス充電モードに設定する方法の模式的なフローチャートであってもよい。
【0125】
電力変換装置はその充電モードを直流充電モードからパルス充電モードに切り替える場合、又は他の充電モードからパルス充電モードに切り替える場合、図8は本願の別の実施例に係る充電方法500の模式的なフローチャートを示す。
【0126】
図8に示されるように、充電方法500は以下のステップを含んでもよい。
【0127】
ステップ510において、バッテリー管理システムBMSは電力変換装置に、バッテリー温度及びバッテリー荷電状態を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを送信する。
【0128】
選択肢として、該バッテリー管理システムBMSはさらに電力変換装置に駆動用バッテリーのバッテリー電圧などの他のパラメータを送信することができる。
【0129】
選択肢として、該ステップ510の関連する技術案は以上の図7におけるステップ410の関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0130】
ステップ521において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置は充電パイルに充電禁止メッセージを送信する。
【0131】
具体的には、該ステップにおいて、充電禁止メッセージは、電力変換装置への直流電流の出力を停止するように充電パイルに指示することに用いられる。
【0132】
選択肢として、該ステップの他の実施形態では、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、電力変換装置は充電パイルに充電禁止メッセージを送信する。
【0133】
選択肢として、該ステップ521の前に、電力変換装置は充電パイルにバッテリー充電要求パケット(BCL)を送信することができ、具体的には、該要求パケットにおいて、要求電圧は駆動用バッテリーの総電圧であってもよく、要求電流は充電パイルの出力可能な最小電流、例えば10Aの電流値に設定される。
【0134】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は充電パイルに充電禁止メッセージを送信する前に、先ず充電パイルに小さな要求電流を送信し、次に、充電パイルの出力を禁止し、充電パイルに充電禁止メッセージを直接送信することを防止し、充電パイルが電流を出力することを急速に禁止でき、充電システム全体に小さく影響する。
【0135】
ステップ522において、電力変換装置は入力端子と出力端子との電圧差を取得し、電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断する。
【0136】
選択肢として、本ステップにおいて、電力変換装置はその充電モードを直流充電モードからパルス充電モードに切り替えることを実現する過程において、リレーの開閉制御に関し、電力変換装置の入力端子と出力端子との圧力差が大きすぎると、リレーが損傷しやすくなり、電力変換装置の通常の動作に影響する。従って、リレーを保護し及び電力変換装置の性能を確保するために、リレーの開閉を制御する前に、電力変換装置はさらにその入力端子と出力端子との電圧差を取得し、該電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断することができ、該電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置は後続の動作を実行する。該電圧差が第3予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置は出力を停止し、又は、電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さくなるまで所定期間待機することができる。一例として、該第3予め設定された閾値は10Vを含むがこれに限定されない。
【0137】
選択肢として、いくつかの実施形態では、電力変換装置はその入力端子と出力端子との電圧差を直接検出することができ、又は、別のいくつかの実施形態では、電力変換装置は駆動用バッテリーによって送信された電圧値及び充電パイルによって送信された電圧値を受信し、該駆動用バッテリーによって送信された電圧値をその出力端子の電圧として、該充電パイルによって送信された電圧値をその入力端子の電圧とすることができる。
【0138】
具体的には、電力変換装置の充電モードを直流充電モードからパルス充電モードに切り替える場合には、電力変換装置の入力端子と出力端子との電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置のリレーの状態が変化し、例えば、図2における第2リレーK2及び第3リレーK3がオンになり、次に、以下の予備充電ステップを行う。
【0139】
ステップ523において、電力変換装置は予備充電を行う。
【0140】
具体的には、電力変換装置の電力変換モジュールでは、その入力端子と出力端子の充電高電圧回路に大容量のコンデンサが存在し、電力変換モジュールが高電圧回路に接続される瞬間に、充電高電圧回路の高電圧が該大容量のコンデンサを充電し、パルス大電流を生成する。パルス大電流は、高電圧接触器などの電力変換装置又は駆動用バッテリーのデバイスを損傷する可能性がある。
【0141】
従って、電力変換装置は直流充電モードからパルス充電モードに切り替えられる過程において、電力変換装置は該充電パイルに充電禁止メッセージを送信した後に、先ず電力変換装置のコンデンサに対して予備充電を行う必要がある。選択肢として、駆動用バッテリーのバッテリー電圧を使用して該コンデンサに対して予備充電を行うことができ、このように、後続の駆動用バッテリーの充電過程において、該コンデンサはパルス大電流を生成せず、これにより充電過程の正常な進行と充電安全を確保することができる。
【0142】
さらに、予備充電が成功した場合、図2における第1リレーK1がオフになり、充電パイルと駆動用バッテリーとの間の直流接続を切断する。
【0143】
ステップ524において、電力変換装置は状態パラメータに基づいてパルス充電情報を決定する。
【0144】
ステップ525において、電力変換装置はパルス充電情報に基づいて第1直流充電情報を決定する。
【0145】
ステップ526において、電力変換装置は充電パイルに第1直流充電情報及び充電許可メッセージを送信する。
【0146】
具体的には、本ステップ526において、電力変換装置は充電パイルに第1直流充電情報を送信することに加えて、充電パイルに充電許可メッセージも送信し、該充電許可メッセージは、直流電流を出力できるように充電パイルに指示することに用いられる。
選択肢として、上記ステップ524~ステップ526の他の関連する技術案は以上の図7におけるステップ421~ステップ423の関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0147】
ステップ531において、充電パイルは電力変換装置に直流電流を出力する。
【0148】
ステップ532において、電力変換装置は直流電流を変換してパルス充電電流を生成する。
【0149】
ステップ533において、電力変換装置は駆動用バッテリーにパルス充電電流を出力する。
【0150】
選択肢として、上記ステップ531~ステップ533は以上の図7におけるステップ431~ステップ433の関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0151】
以上は、図8を参照して、本願の実施例では電力変換装置がその充電モードを直流充電モードからパルス充電モードに切り替える関連する技術案を説明している。以下、図9を参照して、本願の実施例では電力変換装置がその充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替える関連する技術案を説明する。
【0152】
図9は本願の別の実施例に係る充電方法600の模式的なフローチャートを示す。図9に示されるように、充電方法600は以下のステップを含んでもよい。
【0153】
ステップ611において、バッテリー管理システムBMSは電力変換装置に駆動用バッテリーの第2直流充電情報を送信する。
【0154】
選択肢として、いくつかの実施形態では、バッテリー管理システムBMSはバッテリー充電要求(BCL)パケットを介して電力変換装置に駆動用バッテリーの第2直流充電情報を送信することができ、該第2直流充電情報は駆動用バッテリーの現在の状態パラメータに基づいてバッテリー管理システムBMSによって決定される充電情報であり、該第2直流充電情報は、充電要求電圧、充電要求電流及び充電要求モードのうちの少なくとも1つを含んでもよい。充電要求モードは定電流モード又は定電圧モードであってもよい。
【0155】
又は、他のいくつかの実施形態では、該第1直流充電情報は他のパケットを介して電力変換装置に送信することもでき、本願の実施例は該パケットのタイプ及び送信方式を具体的に限定しない。
ステップ612において、バッテリー管理システムBMSは電力変換装置に、バッテリー温度及びバッテリー荷電状態を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを送信する。
【0156】
選択肢として、該バッテリー管理システムBMSはさらに電力変換装置に駆動用バッテリーのバッテリー電圧などの他のパラメータを送信することができる。
【0157】
選択肢として、該ステップ612の関連する技術案は以上の図7におけるステップ410の関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0158】
ステップ621において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置は駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止する。
【0159】
具体的には、該ステップにおいて、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、現在の駆動用バッテリーの状態で直流電流を受信でき、直流充電は駆動用バッテリーに影響しないことが示され、このとき、電力変換装置は駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止し、後続のステップにおいて駆動用バッテリーへの直流電流の出力を実現し、これによりバッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、駆動用バッテリーの充電速度及び充電効率を向上させる。
【0160】
選択肢として、該ステップの別の実施形態では、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置は駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止する。
【0161】
理解できるように、本ステップにおいて、通信シグナリング及びソフトウェアプログラムが電力変換装置の機能モジュールの実行状態を制御し、電力変換装置が駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止することを実現できる。
【0162】
さらに理解できるように、本ステップにおいて、さらに電力変換装置のリレーを制御することにより、電力変換装置が駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止することを実現できる。一例として、例えば、図2における第3リレーK3がオフになるように制御して、電力変換装置が駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止することを実現する。さらに、図2における第2リレーK2及び第3リレーK3がいずれもオフになるように制御して、電力変換装置が駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止することを実現できる。
【0163】
ステップ622において、電力変換装置は充電パイルに該第2直流充電情報を送信する。
具体的には、本ステップにおいて、電力変換装置は、上記バッテリー管理システムBMSによって送信された第2直流充電情報を充電パイルに直接転送し、例えば、上記バッテリー充電要求(BCL)パケットを充電パイルに転送する。
【0164】
選択肢として、上記ステップ612及びステップ622は以上の図5におけるステップ240に含まれる実施形態であってもよい。
【0165】
ステップ631において、充電パイルは電力変換装置を介して駆動用バッテリーに直流電流を出力する。
【0166】
具体的には、本ステップにおいて、第1リレーK1がオンになり、第2リレーK2及び第3リレーK3がオフになることにより、充電パイルと駆動用バッテリーとの間の直接電気的接続を実現し、これにより充電パイルが電力変換装置を介して駆動用バッテリーに直流電流を出力することを実現し、言い換えると、電力変換装置が充電パイルの直流電流を駆動用バッテリーに直接伝送することも理解できる。
【0167】
具体的には、本ステップにおいて、充電パイルが出力した直流電流は充電パイルが上記第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流であり、駆動用バッテリーの充電要求を満たすことができる。
選択肢として、上記ステップ631は以上の図5におけるステップ250に含まれる実施形態であってもよい。
【0168】
図10は本願の別の実施例に係る充電方法700の模式的なフローチャートを示す。図10に示されるように、充電方法700は以下のステップを含んでもよい。
【0169】
ステップ711において、バッテリー管理システムBMSは電力変換装置に駆動用バッテリーの第2直流充電情報を送信する。
【0170】
ステップ712において、バッテリー管理システムBMSは電力変換装置に、バッテリー温度及びバッテリー荷電状態を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを送信する。
【0171】
選択肢として、該バッテリー管理システムBMSはさらに電力変換装置に駆動用バッテリーのバッテリー電圧などの他のパラメータを送信することができる。
【0172】
ステップ721において、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置は充電パイルに充電禁止メッセージを送信する。
【0173】
具体的には、該ステップにおいて、充電禁止メッセージは、電力変換装置への直流電流の出力を停止するように充電パイルに指示することに用いられる。
【0174】
選択肢として、該ステップの他の実施形態では、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置は充電パイルに充電禁止メッセージを送信する。
【0175】
選択肢として、該ステップ721の前に、電力変換装置は充電パイルにバッテリー充電要求パケット(BCL)を送信することができ、具体的には、該要求パケットにおいて、要求電圧は駆動用バッテリーの総電圧であってもよく、要求電流は充電パイルの出力可能な最小電流、例えば10Aの電流値に設定される。
【0176】
本願の実施例の技術案によれば、電力変換装置は駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止する前に、先ず充電パイルに小さな要求電流を送信し、次に、充電パイルの出力を禁止し、充電パイルに充電禁止メッセージを直接送信することを防止し、充電パイルが電流を出力することを急速に禁止でき、充電システム全体に小さく影響する。
【0177】
ステップ722において、電力変換装置は駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止する。
具体的には、本ステップにおいて、電力変換装置の機能モジュールを制御して動作を停止し、これにより電力変換装置は駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止することができる。
【0178】
ステップ723において、電力変換装置はその入力端子と出力端子との電圧差を取得し、電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断する。
【0179】
選択肢として、本ステップにおいて、電力変換装置はその充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることを実現する過程において、リレーの開閉制御に関する場合、電力変換装置の入力端子と出力端子との圧力差が大きすぎると、リレーが損傷しやすくなり、電力変換装置の通常の動作に影響する。従って、リレーを保護し及び電力変換装置の性能を確保するために、リレーの開閉を制御する前に、電力変換装置はさらにその入力端子と出力端子との電圧差を取得し、該電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断することができ、該電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置は後続の動作を実行する。該電圧差が第4予め設定された閾値以上である場合、電力変換装置は出力を停止し、又は、電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さくなるまで所定期間待機することができる。一例として、該第4予め設定された閾値は10Vを含むがこれに限定されない。
【0180】
具体的には、電力変換装置の充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替える場合には、電力変換装置の入力端子と出力端子との電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置のリレーの状態が変化し、例えば、図2における第1リレーK1がオンになり、第2リレーK2及び第3リレーK3がオフになる。
【0181】
さらに、電力変換装置の入力端子と出力端子との電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さく、且つ第1リレーK1がオンになる場合、下記ステップ724及びステップ731を実行する。
ステップ724において、電力変換装置は充電パイルに該第2直流充電情報及び充電許可メッセージを送信する。
【0182】
具体的には、本ステップにおいて、電力変換装置は、充電パイルに第2直流充電情報を送信することに加えて、充電パイルに充電許可メッセージも送信し、該充電許可メッセージは、直流電流を出力できるように充電パイルに指示することに用いられる。
ステップ731において、充電パイルは電力変換装置を介して駆動用バッテリーに直流電流を出力する。
【0183】
具体的には、本ステップにおいて、電力変換装置の入力端子と出力端子との電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置は充電パイルが上記第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を駆動用バッテリーに出力して駆動用バッテリーを充電し、駆動用バッテリーの充電要求を満たすことができる。
【0184】
選択肢として、本願の実施例の関連する技術案は以上の図9における関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0185】
以上は、電力変換装置を実行本体として、本願に係る充電方法の複数の実施例を説明し、以下、電力変換装置が制御ユニットと、電力ユニットとを備えることを例として、電力変換装置の充電過程を説明する。例えば、該電力変換装置は、図2における電力変換装置110であってもよく、制御ユニット112と、電力ユニット111とを備える。
【0186】
図11は本願の別の実施例に係る電力変換装置の充電方法の模式的なフローチャートを示す。該電力変換装置は充電パイルと駆動用バッテリーとの間に電力変換を行うことに用いられ、該電力変換装置は制御ユニットと、電力ユニットとを備える。
【0187】
以上の図3に示される充電方法200に戻って参照し、図11は本願の実施例に係る充電方法200の別の模式的なフローチャートを示す。
【0188】
図11に示されるように、上記ステップ210は、制御ユニットはバッテリー温度を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを取得するステップ211を含んでもよい。
【0189】
上記ステップ220は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニットは電力ユニットの充電モードをパルス充電モードに設定するステップ221を含んでもよい。
【0190】
具体的には、本ステップにおいて、パルス充電モードにおいて、制御ユニットは電力ユニットの実行を制御し、これにより電力ユニットはパルス電圧又はパルス電流を生成することができる。
【0191】
選択肢として、制御ユニットは電力ユニットのソフトウェアプログラム及び/又はハードウェア回路を制御することにより、電力ユニットの実行状態を制御し、これにより電力ユニットは充電パイルから受信した直流電流をパルス電流に変換することができる。
【0192】
一例として、図2に示される電力変換装置110では、制御ユニットは、第2リレーK2及び第3リレーK3がオンになるように制御し、且つ第1リレーK1がオフになるように制御して、電力変換モジュールが充電パイル120と駆動用バッテリー131との間に接続されることを実現し、これにより電力変換モジュールは実行され、充電パイルから受信した直流電流をパルス電流に変換する。
【0193】
上記ステップ230は、パルス充電モードにおいて、電力ユニットは充電パイルの充電電力を変換して駆動用バッテリーを充電するステップ231を含んでもよい。
【0194】
具体的には、本ステップにおいて、電力変換装置の電力ユニットは、充電パイルの充電電力の変換を実現し、且つ変換後の充電電力を駆動用バッテリーに出力して駆動用バッテリーを充電することに用いられる。パルス充電モードにおいて、電力変換装置によって変換された充電電力はパルス充電電圧又はパルス充電電流である。
【0195】
具体的には、本願の実施例では、電力変換装置は制御ユニットと電力ユニットとの相互協働によってパルス充電モードで駆動用バッテリーを充電することを実現する。具体的な技術案は以上の図3における関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0196】
同様に、以上の図5に示される方法200に対して、上記ステップ240は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは電力ユニットの充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えるステップ241を含んでもよい。
【0197】
具体的には、本ステップにおいて、直流充電モードにおいて、制御ユニットは電力ユニットの実行を制御し、これにより電力ユニットは定電圧又は定電流を出力することができる。
【0198】
一例として、制御ユニットは電力ユニットのソフトウェアプログラム及び/又はハードウェア回路を制御することにより、電力ユニットの各機能モジュールの実行状態を制御することができ、これにより電力ユニットは充電パイルから受信した直流電流を駆動用バッテリーに直接出力することができる。
【0199】
例えば、図2に示される電力変換装置110では、制御ユニットは、第2リレーK2及び第3リレーK3がオフになるように制御し、且つ第1リレーK1がオンになるように制御して、充電パイル120と駆動用バッテリー131との間の直接電気的接続を実現することができ、これにより電力ユニット111は充電パイル120から受信した直流電流を駆動用バッテリー131に直接出力することができる。
【0200】
さらに、図2に示される電力変換装置110では、制御ユニットはさらに電力変換モジュールを制御して実行を停止して、充電モードの切り替え過程における信頼性及び柔軟性をさらに強化することができる。
【0201】
上記ステップ250は、直流充電モードにおいて、電力ユニットは充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに伝送するステップ251を含んでもよい。
【0202】
同様に、以上の図4及び図6に示される方法300に対して、上記ステップ310は、制御ユニットはバッテリー温度及びバッテリー電圧を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを取得するステップ311を含んでもよい。
【0203】
上記ステップ320は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニットは電力ユニットの充電モードをパルス充電モードに設定するステップ321を含んでもよい。
【0204】
上記ステップ330は、パルス充電モードにおいて、電力ユニットは充電パイルの充電電力を変換して駆動用バッテリーを充電するステップ331を含んでもよい。
【0205】
上記ステップ340は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上であり、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは電力ユニットの充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えるステップ341を含んでもよい。
【0206】
上記ステップ350は、直流充電モードにおいて、電力ユニットは充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに伝送するステップ351を含んでもよい。
【0207】
具体的には、本願の実施例では、電力変換装置は制御ユニットと電力ユニットとの相互協働によってパルス充電モードを直流充電モードに切り替えて駆動用バッテリーを充電することを実現する。具体的な技術案は以上の図4図6における関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0208】
図7に示される充電方法400に戻って参照し、図12は本願の実施例に係る充電方法400の別の模式的なフローチャートを示す。
【0209】
図12に示されるように、上記ステップ410は、バッテリー管理システムBMSは制御ユニットに、バッテリー温度及びバッテリー荷電状態を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを送信するステップ4101を含んでもよい。
【0210】
選択肢として、バッテリー管理システムBMSはさらに制御ユニットに駆動用バッテリーのバッテリー電圧などの他のパラメータを送信することができる。
【0211】
選択肢として、本願の実施例では、駆動用バッテリーのバッテリー温度は動力蓄電池状態パケット(BSM)を介して制御ユニットに送信することができ、駆動用バッテリーのバッテリー荷電状態SOC、バッテリー電圧などのパラメータはバッテリー充電状態パケット(BCS)を介して制御ユニットに送信することができる。
【0212】
上記ステップ421は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニットは状態パラメータに基づいてパルス充電情報を決定するステップ4211を含んでもよい。
【0213】
具体的には、該ステップにおいて、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニットがバッテリー温度及びSOCに基づいて共同で決定したパルス充電情報は、駆動用バッテリーの現在の温度に適応できるだけでなく、駆動用バッテリーのSOCにも適応できる。
【0214】
又は、該ステップの別の実施形態では、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニットはバッテリー温度及びSOCに基づいてパルス充電情報を共同で決定する。
【0215】
上記ステップ422は、制御ユニットは電力ユニットにパルス充電情報を送信するステップ4221を含んでもよい。
【0216】
選択肢として、制御ユニットがバッテリー温度及びSOCに基づいてパルス充電情報を決定することは、複数の実現方式があり、一例として、バッテリー温度、SOC及びパルス充電情報のマッピング関係を決定し、該マッピング関係に基づいて、具体的なパルス充電情報を決定することができ、該マッピング関係は、大量の実験データをフィッティングして得られたマッピング関係であってもよく、信頼度及び正確性が高い。また、他の例では、さらに大量の実験データに基づいて専用のニューラルネットワークモデルをトレーニングすることができ、該ニューラルネットワークモデルは入力されたバッテリー温度及びSOCに基づいてパルス充電情報を出力することができる。
【0217】
ステップ4222において、電力ユニットはパルス充電情報に基づいて第1直流充電情報を決定する。
【0218】
具体的には、電力ユニットはパルス充電情報に基づいて該パルス充電情報に対応する第1直流充電情報を決定することができ、該第1直流充電情報は、充電要求電圧、充電要求電流及び充電要求モードのうちの少なくとも1つを含んでもよい。充電要求モードは定電流モード又は定電圧モードであってもよい。
【0219】
ステップ4223において、電力ユニットは制御ユニットに第1直流充電情報を送信する。
【0220】
上記ステップ423は、制御ユニットは充電パイルに第1直流充電情報を送信するステップ4231を含んでもよい。
【0221】
具体的には、制御ユニットは電力ユニットから受信した第1直流充電情報を充電パイルに転送する。
【0222】
選択肢として、いくつかの実施形態では、第1直流充電情報はBMSの充電要求として充電パイルに送信することができる。選択肢として、該制御ユニットはバッテリー充電要求(BCL)パケットを介して該第1直流充電情報を送信することができる。又は、他の実施形態では、該第1直流充電情報は他のパケットを介して充電パイルに送信することもでき、本願の実施例は該パケットのタイプ及び送信方式を具体的に限定しない。
【0223】
上記ステップ431は、充電パイルは電力ユニットに直流電流を出力するステップ4311を含んでもよい。
【0224】
上記ステップ432は、制御ユニットは電力ユニットに出力開始メッセージを送信するステップ4321を含んでもよい。
【0225】
具体的には、該出力開始メッセージは、電力ユニットに実行を開始するように指示して、後続のステップ4322を実現することに用いられる。
【0226】
ステップ4322において、電力ユニットは直流電流をパルス電流に変換する。
【0227】
上記ステップ433は、電力ユニットは駆動用バッテリーにパルス電流を出力するステップ4331を含んでもよい。
【0228】
具体的には、本願の実施例の具体的な実施形態は以上の図7に示される充電方法400の関連する説明を参照すればよいが、簡潔にするために、ここでは詳細な説明を省略する。
【0229】
図8に示される充電方法500に戻って参照し、図13は本願の実施例に係る充電方法500の別の模式的なフローチャートを示す。
【0230】
図13に示されるように、上記ステップ510は、バッテリー管理システムBMSは制御ユニットに、バッテリー温度及びバッテリー荷電状態を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを送信するステップ5101を含んでもよい。
【0231】
上記ステップ521は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニットは充電パイルに充電禁止メッセージを送信するステップ5211を含んでもよい。
選択肢として、該ステップの他の実施形態では、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニットは充電パイルに充電禁止メッセージを送信する。
【0232】
選択肢として、該ステップ5211の前に、制御ユニットは充電パイルにバッテリー充電要求パケット(BCL)を送信することができ、具体的には、該要求パケットにおいて、要求電圧は駆動用バッテリーの総電圧であってもよく、要求電流は充電パイルの出力可能な最小電流、例えば10Aの電流値に設定される。
【0233】
上記ステップ522は、制御ユニットは入力端子と出力端子との電圧差を取得し、電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断するステップ5221を含んでもよい。
【0234】
選択肢として、本ステップにおいて、制御ユニットは、電力ユニッの充電モードを直流充電モードからパルス充電モードに切り替えることを実現する過程において、リレーの開閉制御に関し、電力ユニットの入力端子と出力端子との圧力差が大きすぎると、リレーが損傷しやすくなり、電力変換装置の通常の動作に影響する。従って、リレーを保護し及び電力変換装置の性能を確保するために、リレーの開閉を制御する前に、制御ユニットはさらに電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差を取得し、該電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断することができ、該電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、制御ユニットは後続の動作を実行する。該電圧差が第3予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは電力ユニットを制御して出力を停止し、又は、電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さくなるまで所定期間待機することができる。
【0235】
選択肢として、いくつかの実施形態では、制御ユニットは電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差を直接検出することができ、又は、別のいくつかの実施形態では、制御ユニットは駆動用バッテリーによって送信された電圧値及び充電パイルによって送信された電圧値を受信し、該駆動用バッテリーによって送信された電圧値を電力ユニットの出力端子の電圧として、該充電パイルによって送信された電圧値を電力ユニットの入力端子の電圧とすることができる。
【0236】
具体的には、電力ユニットの充電モードを直流充電モードからパルス充電モードに切り替える場合には、電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置のリレーの状態が変化し、例えば、図2における第2リレーK2及び第3リレーK3がオンになり、電力ユニット及び充電パイルを駆動用バッテリーと電気的に接続する。
【0237】
上記ステップ523は以下のステップを含んでもよい。
【0238】
ステップ5231において、制御ユニットは電力ユニットに予備充電命令を送信する。
【0239】
ステップ5232において、電力ユニットは予備充電を行う。
【0240】
ステップ5233において、電力ユニットは制御ユニットにその予備充電状態を送信する。
【0241】
ステップ5234において、制御ユニットは電力ユニットの予備充電が成功したかどうかを判断する。
【0242】
充電パイルは直流電流の出力を停止し、且つ第2リレーK2及び第3リレーK3がオンになると、制御ユニットは電力ユニットに予備充電命令を送信する。電力ユニットは該予備充電命令に基づいて予備充電を開始し、該予備充電は、電力ユニットのコンデンサの充電を含む。
【0243】
電力ユニットの予備充電過程において、電力ユニットは制御ユニットにその予備充電状態をリアルタイムに送信し、制御ユニットは該予備充電状態に基づいて電力ユニットの予備充電が成功したかどうかを判断し、成功した場合、制御ユニットは後続の操作を実行し、成功しなかった場合、電力ユニットを制御して出力を停止する。
【0244】
さらに、予備充電が成功した場合、制御ユニットは図2における第1リレーK1がオフになるように制御して、充電パイルと駆動用バッテリーとの間の直流接続を切断する。
【0245】
上記ステップ524は、制御ユニットは状態パラメータに基づいてパルス充電情報を決定するステップ5241を含んでもよい。
【0246】
上記ステップ525は以下のステップを含んでもよい。
【0247】
ステップ5251において、制御ユニットは電力ユニットにパルス充電情報を送信する。
【0248】
ステップ5252において、電力ユニットはパルス充電情報に基づいて第1直流充電情報を決定する。
【0249】
ステップ5253において、電力ユニットは制御ユニットに第1直流充電情報を送信する。
【0250】
上記ステップ526は、制御ユニットは充電パイルに第1直流充電情報を送信するステップ5261を含んでもよい。
【0251】
上記ステップ531は、充電パイルは電力ユニットに直流電流を出力するステップ5311を含んでもよい。
【0252】
上記ステップ532は、制御ユニットは電力ユニットに出力開始メッセージを送信するステップ5321と、電力ユニットは直流電流をパルス電流に変換するステップ5322と、を含んでもよい。
【0253】
上記ステップ533は、電力ユニットは駆動用バッテリーにパルス電流を出力するステップ5331を含んでもよい。
【0254】
具体的には、本願の実施例の具体的な実施形態は以上の図8に示される充電方法500の関連する説明を参照すればよいが、簡潔にするために、ここでは詳細な説明を省略する。
図9に示される充電方法600に戻って参照し、図14は本願の実施例に係る充電方法600の別の模式的なフローチャートを示す。
【0255】
図14に示されるように、上記ステップ611は、バッテリー管理システムBMSは制御ユニットに駆動用バッテリーの第2直流充電情報を送信するステップ6111を含んでもよい。
選択肢として、いくつかの実施形態では、バッテリー管理システムBMSはバッテリー充電要求(BCL)パケットを介して制御ユニットに駆動用バッテリーの第2直流充電情報を送信することができる。
【0256】
又は、他のいくつかの実施形態では、該第1直流充電情報は他のパケットを介して制御ユニットに送信することもでき、本願の実施例は該パケットのタイプ及び送信方式を具体的に限定しない。
上記ステップ612は、バッテリー管理システムBMSは制御ユニットに、バッテリー温度及びバッテリー荷電状態を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを送信するステップ6121を含んでもよい。
【0257】
選択肢として、該バッテリー管理システムBMSはさらに制御ユニットに駆動用バッテリーのバッテリー電圧などの他のパラメータを送信することができる。
【0258】
上記ステップ621は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは電力ユニットに出力禁止メッセージを送信するステップ6211を含んでもよい。
【0259】
具体的には、本ステップにおいて、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは電力ユニットに出力禁止メッセージを送信して、電力ユニットを制御してパルス電流の出力を停止する。
【0260】
選択肢として、本ステップの別の実施形態では、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは、電力ユニットに出力禁止メッセージを送信して、電力ユニットを制御して駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止する。
【0261】
選択肢として、該出力禁止メッセージは複数のタイプ、例えば、出力一時停止メッセージ及び出力停止メッセージを含んでもよく、出力一時停止メッセージはパルス電流の出力を一時的に停止するように電力ユニットに指示することに用いられ、電力ユニットは、該状態で、出力開始メッセージを受信した場合、パルス電流の出力を回復することができる。しかしながら、出力停止メッセージは、電源オフ及びリリーフ過程を実行するように電力ユニットのコンデンサに指示することに用いられ、電力ユニットは休止状態に入る。
【0262】
選択肢として、該出力禁止メッセージと、以上の制御ユニットが電力ユニットに送信した出力開始メッセージは同じタイプのパケットを介して運ばれる。一例として、該パケットにおいて、出力開始メッセージは「1」として表され、出力禁止メッセージにおいて、出力一時停止メッセージは「2」として表され、出力停止メッセージは「3」として表される。
【0263】
上記ステップ622は、制御ユニットは充電パイルに該第2直流充電情報を送信するステップ6221を含んでもよい。
【0264】
上記ステップ631は、充電パイルは電力ユニットを介して駆動用バッテリーに直流電流を出力するステップ6311を含んでもよい。
【0265】
具体的には、本ステップにおいて、電力ユニットの第1リレーK1がオンになり、且つ第2リレーK2及び第3リレーK3がオフになり、充電パイルと駆動用バッテリーとの間の直接電気的接続を実現し、これにより充電パイルが電力ユニットを介して駆動用バッテリーに直流電流を出力することを実現する。
【0266】
図10に示される充電方法600に戻って参照し、図15は本願の実施例に係る充電方法700の別の模式的なフローチャートを示す。
【0267】
図15に示されるように、上記ステップ711は、バッテリー管理システムBMSは電力変換装置に駆動用バッテリーの第2直流充電情報を送信するステップ7111を含んでもよい。
【0268】
上記ステップ712は、バッテリー管理システムBMSは制御ユニットに、バッテリー温度及びバッテリー荷電状態を含む駆動用バッテリーのバッテリー状態パラメータを送信するステップ7121を含んでもよい。
【0269】
選択肢として、該バッテリー管理システムBMSはさらに制御ユニットに駆動用バッテリーのバッテリー電圧などの他のパラメータを送信することができる。
【0270】
上記ステップ721は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは充電パイルに充電禁止メッセージを送信するステップ7211を含んでもよい。
【0271】
選択肢として、該ステップの他の実施形態では、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは充電パイルに充電禁止メッセージを送信する。
【0272】
選択肢として、該ステップ7211の前に、制御ユニットは充電パイルにバッテリー充電要求パケット(BCL)を送信することができ、具体的には、該要求パケットにおいて、要求電圧は駆動用バッテリーの総電圧であってもよく、要求電流は充電パイルの出力可能な最小電流、例えば10Aの電流値に設定される。
【0273】
上記ステップ722は、制御ユニットは電力ユニットに出力禁止メッセージを送信するステップ7221を含んでもよい。
【0274】
具体的には、制御ユニットは電力ユニットに出力禁止メッセージを送信して、該電力ユニットを制御してパルス電流の出力を停止する。
【0275】
選択肢として、本ステップにおける関連する技術案は以上の図14におけるステップ6211の関連する説明を参照すればよいが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0276】
上記ステップ723は、制御ユニットは電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差を取得し、電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さいかどうかを判断するステップ7231を含んでもよい。
【0277】
電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、制御ユニットは後続の動作を継続的に実行し、電圧差が第4予め設定された閾値以上である場合、制御ユニットは電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さくなるまで継続的に待機することができ、この場合、制御ユニットの待機時間が所定の閾値よりも大きい場合、制御ユニットは電力ユニットに充電停止メッセージを送信して、電力ユニットのコンデンサに電源オフ及びリリーフを実行させることができる。
【0278】
具体的には、電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、電力変換装置のリレーの状態が変化し、例えば、図2における第1リレーK1がオンになり、第2リレーK2及び第3リレーK3がオフになり、電力ユニットと充電パイルとの電気的接続、及び電力ユニットと駆動用バッテリーとの電気的接続を切断し、且つ充電パイルと駆動用バッテリーとを直接電気的に接続する。
【0279】
さらに、電力ユニットの入力端子と出力端子との電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さく、且つ第1リレーK1がオンになる場合、下記ステップ7241を実行する。
【0280】
上記ステップ724は、制御ユニットは充電パイルに該第2直流充電情報及び充電許可メッセージを送信するステップ7241を含んでもよい。
【0281】
上記ステップ731は、充電パイルは電力ユニットを介して駆動用バッテリーに直流電流を出力するステップ7311を含んでもよい
【0282】
説明する必要があるように、本願では、電力変換装置を実行本体とする充電方法を提供することに加えて、充電パイル及びBMSを実行本体とする充電方法を提供する。具体的には、充電パイル及びBMSを実行本体とする充電方法は、以上の各方法の実施例の関連する説明を対応して参照すればよいが、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0283】
以上は、図3図15を参照して本願に係る充電方法の具体的な実施例を説明し、以下、図16図18を参照して本願に係る充電装置の具体的な実施例を説明し、理解できるように、下記各実施例における関連する説明は上記各実施例を参照すればよく、簡潔にするために、詳細な説明を省略する。
【0284】
図16は本願の一実施例に係る電力変換装置800の模式的な構造図を示す。図16に示されるように、該電力変換装置800は、受信モジュール810と、送信モジュール820と、処理モジュール830とを備える。
【0285】
本願の一実施例では、受信モジュール810は、バッテリー温度を含む駆動用バッテリーの状態パラメータを受信することに用いられ、処理モジュール830は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられ、パルス電圧又はパルス電流を出力する充電モードである該パルス充電モードにおいて、処理モジュール830は充電パイルの充電電力を変換して駆動用バッテリーを充電することに用いられる。
【0286】
選択肢として、処理モジュール830はさらに、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、前記充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることに用いられ、定電圧又は定電流を出力する充電モードである直流充電モードにおいて、処理モジュール830は充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに伝送して駆動用バッテリーを充電する。
【0287】
選択肢として、状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、処理モジュール830は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられる。
【0288】
選択肢として、状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、処理モジュール830は、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上であり、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることに用いられる。
【0289】
処理モジュール830は充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられる過程において、選択肢として、状態パラメータはバッテリー荷電状態をさらに含み、送信モジュール820は充電パイルに、パルス充電情報に基づいて処理モジュール830によって決定される第1直流充電情報を送信することに用いられ、パルス充電情報は、パルス電流情報、パルス電圧情報、パルス方向情報、パルス周波数情報及びパルス時間情報のうちの少なくとも1つを含み、パルス充電情報はバッテリー温度及びバッテリー荷電状態に基づいて処理モジュール830によって決定され、パルス充電モードにおいて、処理モジュール830は駆動用バッテリーに、パルス充電情報に基づいて直流電流を変換して生成されるパルス電流を出力することに用いられ、直流電流は充電パイルが第1直流充電情報に基づいて処理モジュール830に出力した直流電流である。
【0290】
選択肢として、処理モジュール830は充電モードをパルス充電モードに設定する前に、送信モジュール820はさらに充電パイルに、処理モジュール830への直流電流の出力を停止するように充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信することに用いられる。
選択肢として、送信モジュール820は充電パイルに充電禁止メッセージを送信することに用いられた後に、処理モジュール830はさらに予備充電を行うことに用いられる。
【0291】
選択肢として、処理モジュール830はその入力端子と出力端子との電圧差を取得することに用いられ、電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、処理モジュール830は予備充電を行う。
【0292】
処理モジュール830は充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることに用いられる過程において、選択肢として、処理モジュール830は駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止することに用いられ、受信モジュール810はさらに駆動用バッテリーの第2直流充電情報を受信することに用いられ、送信モジュール820はさらに充電パイルに第2直流充電情報を送信することに用いられ、処理モジュール830は充電パイルが第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を駆動用バッテリーに出力して駆動用バッテリーを充電することに用いられる。
【0293】
選択肢として、処理モジュール830は駆動用バッテリーへのパルス電流の出力を停止することに用いられる前に、送信モジュール820はさらに充電パイルに、電力変換装置への直流電流の出力を停止するように充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信することに用いられる。
【0294】
選択肢として、処理モジュール830はその入力端子と出力端子との電圧差を取得することに用いられ、電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、処理モジュール830は充電パイルが第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を駆動用バッテリーに出力して駆動用バッテリーを充電することに用いられる。
【0295】
選択肢として、上記駆動用バッテリーの状態パラメータは駆動用バッテリーのバッテリー管理システムが取得したパラメータである。
【0296】
図17は本願の別の実施例に係る電力変換装置900の模式図を示す。図8に示されるように、該電力変換装置900は、制御ユニット910と、電力ユニット920とを備える。選択肢として、該制御ユニット910は図2に示される制御ユニット112であってもよく、該電力ユニット920は図2に示される電力ユニット111であってもよく、図2に示される電力変換モジュール、第1リレーK1、第2リレーK2及び第3リレーK3を備えてもよい。
【0297】
選択肢として、以下の駆動用バッテリー、バッテリー管理システムBMS及び充電パイルは図2に示される駆動用バッテリー131、BMS 132及び充電パイル120に対応してもよい。
【0298】
具体的には、本願の実施例に係る電力変換装置900では、制御ユニット910は、駆動用バッテリーのバッテリー温度を含む駆動用バッテリーの状態パラメータを取得することに用いられ、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニット910は電力ユニット920の充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられ、パルス電圧又はパルス電流を用いる充電モードである該パルス充電モードにおいて、電力ユニット920は駆動用バッテリーに対して、充電パイルの充電電力を変換して駆動用バッテリーを充電する。
【0299】
選択肢として、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上である場合、制御ユニット910はさらに電力ユニット920の充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることに用いられ、定電圧又は定電流を用いる充電モードである該直流充電モードにおいて、電力ユニット920は充電パイルの充電電力を駆動用バッテリーに伝送して駆動用バッテリーを充電することに用いられる。
【0300】
選択肢として、制御ユニット910が取得した駆動用バッテリーの状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、バッテリー温度が第1予め設定された閾値よりも低く、且つバッテリー電圧が第2予め設定された閾値よりも低い場合、制御ユニット910は電力ユニット920の充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられる。
【0301】
選択肢として、制御ユニット910が取得した駆動用バッテリーの状態パラメータはバッテリー電圧をさらに含み、バッテリー温度が第1予め設定された閾値以上であり、又はバッテリー電圧が第2予め設定された閾値以上である場合、制御ユニット910は電力ユニット920の充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることに用いられる。
【0302】
制御ユニット910は電力ユニット920の充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられる過程において、選択肢として、状態パラメータはバッテリー荷電状態をさらに含み、制御ユニット910はバッテリー温度及びバッテリー荷電状態に基づいてパルス充電情報を決定して電力ユニット920に送信することに用いられ、パルス充電情報は、パルス電流、パルス電圧、パルス方向、パルス周波数及びパルス時間のうちの少なくとも1つを含み、電力ユニット920はパルス充電情報に基づいてパルス充電情報に対応する第1直流充電情報を決定して制御ユニット910に送信することに用いられ、制御ユニット910は充電パイルに第1直流充電情報を送信し、且つ電力ユニット920を制御して駆動用バッテリーにパルス電流を出力することに用いられ、パルス電流はパルス充電情報に基づいて直流電流を変換して生成され、直流電流は充電パイルが第1直流充電情報に基づいて電力ユニット920に出力した直流電流である。
【0303】
選択肢として、制御ユニット910は電力ユニット920の充電モードをパルス充電モードに設定することに用いられる前に、制御ユニット910はさらに充電パイルに、電力ユニット920への直流電流の出力を停止するように充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信することに用いられる。
【0304】
選択肢として、制御ユニット910は充電パイルに充電禁止メッセージを送信することに用いられた後に、制御ユニット910はさらに電力ユニット920に予備充電命令を送信することに用いられ、電力ユニット920は予備充電命令に基づいて予備充電を行うことに用いられる。
【0305】
選択肢として、電力ユニット920はその入力端子の電圧と出力端子の電圧を取得して、且つ入力端子の電圧と出力端子の電圧を制御ユニット910に送信することに用いられ、入力端子と出力端子との電圧差が第3予め設定された閾値よりも小さい場合、制御ユニット910は電力ユニット920に予備充電命令を送信することに用いられる。
【0306】
制御ユニット910は電力ユニット920の充電モードをパルス充電モードから直流充電モードに切り替えることに用いられる過程において、選択肢として、制御ユニット910はさらに駆動用バッテリーの第2直流充電情報を取得することに用いられ、第2直流充電情報は駆動用バッテリーの状態パラメータに基づいて決定される直流充電情報であり、制御ユニット910は電力ユニット920を制御してパルス電流の出力を停止することに用いられ、制御ユニット910は、電力ユニット920を制御して、充電パイルが第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を駆動用バッテリーに出力することに用いられる。
【0307】
選択肢として、制御ユニット910は電力ユニット920を制御してパルス電流の出力を停止することに用いられる前に、制御ユニット910はさらに充電パイルに、電力ユニット920への直流電流の出力を停止するように充電パイルに指示するための充電禁止メッセージを送信することに用いられる。
【0308】
選択肢として、制御ユニット910は電力ユニット920の入力端子と出力端子との電圧差を取得することに用いられ、電圧差が第4予め設定された閾値よりも小さい場合、制御ユニット910は、電力ユニット920を制御して、充電パイルが第2直流充電情報に基づいて出力した直流電流を駆動用バッテリーに出力することに用いられる。
【0309】
選択肢として、上記駆動用バッテリーの状態パラメータは駆動用バッテリーのバッテリー管理システムが取得したパラメータである。
【0310】
図18は本願の別の実施例に係る電子機器1000の模式図を示す。図18に示されるように、電子機器1000は、メモリ1010と、プロセッサ1020とを備え、メモリ1010はコンピュータプログラムを記憶することに用いられ、プロセッサ1020は前記コンピュータプログラムを読み取り、前記コンピュータプログラムに基づいて上記本願の様々な実施例の方法を実行することに用いられる。
【0311】
選択肢として、該電子機器1000は充電パイル、BMS及び電力変換装置のうちのいずれか1つ又は複数に用いられてもよい。本願の実施例では、電力変換装置のプロセッサは対応するコンピュータプログラムを読み取り、該コンピュータプログラムに基づいて上記様々な実施例における電力変換装置に対応する充電方法を実行することに加えて、充電パイル又はBMSのプロセッサは対応するコンピュータプログラムを読み取り、該コンピュータプログラムに基づいて上記様々な実施例における充電パイル又はBMSに対応する充電方法を実行することもできる。
【0312】
また、本願の実施例は可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータプログラムを記憶することに用いられ、前記コンピュータプログラムは上記本願の様々な実施例の方法を実行することに用いられる。選択肢として、該コンピュータプログラムは上記電力変換装置、充電パイル及びBMSのうちの1つ又は複数の装置のコンピュータプログラムであってもよい。
【0313】
理解されるように、本明細書の具体的な例は、本願の実施例の範囲を限定するものではなく、当業者が本願の実施例をより良好に理解することに役立つためのものである。
【0314】
さらに理解されるように、本願の様々な実施例では、各過程の番号の大きさは実行順序の前後を意味するものではなく、各過程の実行順序はそれらの機能及び内部論理によって決定されるべきであり、本願の実施例の実施過程を任意に限定するものではない。
【0315】
さらに理解されるように、本明細書に記載の様々な実施形態は、個別に実施されてもよく、又は組み合わせて実施されてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0316】
好適な実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、様々な改良を行い、等価物でその中の部材を置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例に記載されている各技術的特徴を任意の方式で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示されている特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲にある全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0317】
10 充電システム
110 電力変換装置
120 充電パイル
130 電気自動車
140 通信線
150 高電圧線
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