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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】ロックピンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 35/04 20060101AFI20231201BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H01R35/04 T
H01R43/00 Z
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031805
(22)【出願日】2022-03-02
(65)【公開番号】P2022136014
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】17/192,608
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522049118
【氏名又は名称】アメリカン フルカワ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ジェレ ウェイド
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト カストロ パディージャ
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-541756(JP,A)
【文献】特開2004-178861(JP,A)
【文献】実開平03-039284(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 35/04
B60R 16/027
H01R 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングロールコネクタアセンブリであって、
ロールステータと、
ロールロータであって、前記ロールステータ内に入れ子式に回転可能に結合され、当該ロールロータと前記ロールステータとの間で相対的な回転を許容するロールロータと、
前記ロールロータと動作可能に係合するロックピンと、
前記ロックピンから延在するアームと、
を備え、
前記ロックピンは、前記ロールロータとの動作可能な係合から解除可能であり、
前記アームは、前記ロックピンが前記ロールロータと結合している時に前記ロールステータと動作可能に係合して前記ロールロータと前記ロールステータとの間の相対的な回転を防止し、
ロックピン支持体が、前記ロールロータに結合しており、
前記ロックピンは、前記ロックピン支持体に解除可能に係合して解除可能に結合し、
前記ロックピンは、スナップフィット構成によって前記ロックピン支持体に解除可能に係合して解除可能に結合し、
前記ロールステータは、前記ロールロータと前記ロールステータとの間の相対的な回転を防止するべく、前記ロックピンの前記アームを受け入れて係合するためのスロットを規定しており、
前記ロックピン支持体は、前記スナップフィット構成の雌部を規定しており、
前記ロックピンは、前記スナップフィット構成の雄部として構成された端部を有しており、
前記ロックピン支持体は、
前記ロックピンの前記雄部を受け入れるように構成されたロックピン開口部を規定するベースと、
前記ベースから半径方向内側に前記ロックピン開口部内へと延在する複数の歯と、
を有しており、
前記複数の歯は、前記ロックピンの前記雄部に解除可能に係合して解除可能に結合するように構成されている
ことを特徴とするステアリングロールアセンブリ。
【請求項2】
前記ベースは、
上端と、
前記上端から離間した底端と、
少なくとも部分的に前記ロックピン開口部を規定し、前記上端と前記底端との間に位置している内面と、
を有しており、
前記複数の歯の各々は、前記内面に接触するベースインタフェース端部を有しており、
前記複数の歯の各々は、前記ベースインタフェース端部から、前記上端に向かう方向に、タブ端部まで上向きに延在しており、
前記タブ端部は、前記ロックピンの前記雄部に解除可能に係合可能であり且つ解除可能に結合可能である
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項3】
前記ロックピンの前記雄部は、
雄端部と、
前記雄端部から離間したフレア縁部と、
前記フレア縁部に隣接して、前記フレア縁部と前記雄端部との間に位置する係合部と、
を有しており、
前記フレア縁部は、前記ロックピンが前記ロックピン支持体に係合及び結合する時、前記複数の歯の前記タブ端部上に係合及びリセットするように構成されており、
前記複数の歯は、前記ロックピンが前記ロックピン支持体に解除可能に係合及び解除可能に結合する時、前記係合部に対して解除可能に係合及び解除可能に結合する
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の歯の前記タブ端部は、歯開口部を規定しており、
前記歯開口部は、前記ロックピン開口部よりもサイズが小さい
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項5】
前記ロックピンの前記雄部は、前記係合部から前記雄端部までのテーパを規定するフレア部を有している
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項6】
前記雄端部は、前記ロックピンが前記ロックピン支持体との解除可能な係合及び解除可能な結合から解除される時の当該ロックピンと当該ロックピン支持体との間の係合及び結合を防止するべく、前記歯開口部よりもサイズが大きい
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項7】
前記ロックピン支持体の上端から離れる方向に力が前記ロックピンに加えられる時、前記ロックピンは、前記ロックピン支持体との解除可能な係合及び解除可能な結合から解除される
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項8】
前記ロックピンは、スナップフィット構成によって、前記ロールロータに解除可能に係合及び解除可能に結合する
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項9】
前記ロールロータは、上面を含んでおり、
前記上面は、ロータ凹部を規定している
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項10】
前記ロックピン支持体は、凸部を含んでおり、
前記凸部は、前記ロータ凹部内に配置される時、前記ロールロータに係合及び結合して、前記ロックピン支持体と前記ロールロータとの間のスナップフィット構成を規定する
ことを特徴とする請求項に記載のステアリングロールアセンブリ。
【請求項11】
ステアリングロールアセンブリを組み立てる方法であって、
ステータ凹部を規定するロールステータを提供する工程と、
ロータ凹部を規定する外壁を有するロールロータを提供する工程と、
アームを有すると共に、スナップフィット構成の雄部を規定するロックピンを提供する工程と、
前記スナップフィット構成の雌部を規定するロックピン支持体を提供し、ロックピンアセンブリが凸部を有する工程と、
前記雄部を前記雌部にスナップフィットすることによって前記ロックピンを前記ロックピン支持体に結合する工程と、
前記ロックピンの前記アームを前記ステータ凹部内に配置する工程と、
前記凸部を前記ロータ凹部にスナップロックすることによって前記ロックピン支持体を前記ロールロータに結合する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステアリングアセンブリに関し、より詳細には、ステアリングアセンブリのステアリングロールコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、トラック、SUV、クロスオーバーSUV、ミニバン、または他の適切な車両は、車両のステアリングを容易にするためにステアリングアセンブリを採用している。ステアリングアセンブリは、典型的には、ハンドホイール(ハンドル)と車両のホイールとの間を結合するステアリングコラムを含む。ハンドホイールが回転すると、当該ハンドホイールの相対的な回転がステアリングコラムを介して伝達され、車輪を回転させて車両を操舵する。したがって、運転者がハンドホイールを操作し回転させることで、車両を操縦することができる。
【0003】
ハンドホイールは、車両の電気システムと通信する電子部品を含むのが典型的である。より具体的には、ハンドホイールの電気部品と車両の電気システムとの間に、ワイヤ(電線、配線)が接続されている。しかしながら、これらのワイヤは、ハンドホイールの過回転により、絡まったり切れたりすることがある。そこで、ステアリングコラムには、電子部品のワイヤと電気システムとの間を接続して、当該ワイヤの絡まりや断線を防止するように構成されたステアリングロールコネクタが、典型的に採用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステアリングロールコネクタは、ロールステータと、ロールステータに回転可能に結合されたロールロータと、を含むのが典型的である。また、ロールロータは、電子部品のワイヤと電気システムとの間を電気的に接続する電気コネクタを含み得る。ロールステータとロールロータとの間の相対的な回転は、ワイヤが絡まって断線することを防ぐ。しかしながら、この相対的な回転は、ステアリングシステムの組立時にハンドホイールとステアリングコラムとの間の誤整列を引き起こす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、ステアリングロールコネクタアセンブリは、ロールステータを備える。当該アセンブリは、また、ロールロータであって、前記ロールステータ内に入れ子式に回転可能に結合され、当該ロールロータと前記ロールステータとの間で相対的な回転を許容するロールロータを備える。当該アセンブリは、更に、前記ロールロータと動作可能に係合するロックピンを備え、前記ロックピンは、前記ロールロータとの動作可能な係合から解除可能である。当該アセンブリは、更に、前記ロックピンから延在するアームを備え、前記アームは、前記ロックピンが前記ロールロータと結合している時に前記ロールステータと動作可能に係合して前記ロールロータと前記ロールステータとの間の相対的な回転を防止する。
【0006】
本発明の幾つかの実施形態によれば、ロックピン支持体が、前記ロールロータに結合しており、前記ロックピンは、前記ロックピン支持体に解除可能に係合して解除可能に結合する。
【0007】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロックピンは、スナップフィット構成によって前記ロックピン支持体に解除可能に係合して解除可能に結合し、前記ロールステータは、前記ロールロータと前記ロールステータとの間の相対的な回転を防止するべく、前記ロックピンの前記アームを受け入れて係合するためのスロットを規定する。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロックピン支持体は、前記スナップフィット構成の雌部を規定し、前記ロックピンは、前記スナップフィット構成の雄部として構成された端部を有する。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロックピン支持体は、前記ロックピンの前記雄部を受け入れるように構成されたロックピン開口部を規定するベースを有する。前記ロックピン支持体は、また、前記ベースから半径方向内側に前記ロックピン開口部内へと延在する複数の歯を有し、当該複数の歯は、前記ロックピンの前記雄部に解除可能に係合して解除可能に結合するように構成される。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ベースは、上端と、前記上端から離間した底端と、少なくとも部分的に前記ロックピン開口部を規定し、前記上端と前記底端との間に位置している内面と、を有する。前記複数の歯の各々は、前記内面に接触するベースインタフェース端部を有する。前記複数の歯の各々は、前記ベースインタフェース端部から、前記上端に向かう方向に、タブ端部まで上向きに延在しており、前記タブ端部は、前記ロックピンの前記雄部に解除可能に係合可能であり且つ解除可能に結合可能である。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロックピンの前記雄部は、雄端部を有する。前記雄部は、また、前記雄端部から離間したフレア縁部を有し、前記フレア縁部は、前記ロックピンが前記ロックピン支持体に係合及び結合する時、前記複数の歯の前記タブ端部上に係合及びリセットするように構成される。前記雄部は、更に、前記フレア縁部に隣接して前記フレア縁部と前記雄端部との間に位置する係合部を有し、前記複数の歯は、前記ロックピンが前記ロックピン支持体に解除可能に係合及び解除可能に結合する時、前記係合部に対して解除可能に係合及び解除可能に結合する。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記複数の歯の前記タブ端部は、歯開口部を規定し、前記歯開口部は、前記ロックピン開口部よりもサイズが小さい。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロックピンの前記雄部は、前記係合部から前記雄端部までのテーパを規定するフレア部を有する。
【0014】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記雄端部は、前記ロックピンが前記ロックピン支持体との解除可能な係合及び解除可能な結合から解除される時の当該ロックピンと当該ロックピン支持体との間の係合及び結合を防止するべく、前記歯開口部よりもサイズが大きい。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロックピン支持体の上端から離れる方向に力が前記ロックピンに加えられる時、前記ロックピンは、前記ロックピン支持体との解除可能な係合及び解除可能な結合から解除される。
【0016】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロックピンは、スナップフィット構成によって、前記ロールロータに解除可能に係合及び解除可能に結合する。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロールロータは、上面を含んでおり、前記上面は、ロータ凹部を規定する。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記ロックピン支持体は、凸部を含んでおり、前記凸部は、前記ロータ凹部内に配置される時、前記ロールロータに係合及び結合して、前記ロックピン支持体と前記ロールロータとの間のスナップフィット構成を規定する。
【0019】
本発明の他の一態様によれば、ステアリングロールアセンブリを組み立てる方法が提供される。本方法は、ステータ凹部を規定するロールステータを提供する工程を備える。本方法は、また、ロータ凹部を規定する外壁を有するロールロータを提供する工程を備える。本方法は、更に、アームを有すると共に、スナップフィット構成の雄部を規定するロックピンを提供する工程を備える。本方法は、更に、前記スナップフィット構成の雌部を規定すると共に、凸部を有するロックピン支持体を提供する工程を備える。本方法は、また、前記雄部を前記雌部にスナップフィットすることによって前記ロックピンを前記ロックピン支持体に結合する工程を備える。本方法は、更に、前記ロックピンの前記アームを前記ステータ凹部内に配置する工程を備える。本方法は、更に、前記凸部を前記ロータ凹部にスナップロックすることによって前記ロックピン支持体を前記ロールロータに結合する工程を備える。
【0020】
これら及び他の利点及び特徴は、図面と関連する以下の説明から、より明らかになる。
【0021】
本発明とみなされる主題は、特許請求の範囲において、特に指摘され、明確に請求される。本発明の前記及び他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて理解される以下の詳細な説明から、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、ロックピンないしロックピン支持体無しで示された、ステアリングロールコネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【0023】
図2図2は、図4のA線に沿った、ステアリングロールコネクタの断面図である。
【0024】
図3図3は、ロックピン及びロックピン支持体の一実施形態を示す斜視図である。
【0025】
図4図4は、図3のロックピン及びロックピン支持体を含むステアリングロールコネクタを示す斜視図である。
【0026】
図5図5は、ステアリングロールコネクタと、ステアリングロールコネクタから取り外された状態の図3のロックピン及びロックピン支持体と、を示す斜視図である。
【0027】
図6図6は、ロックピンの一実施形態を示す斜視図である。
【0028】
図7図7は、図6のロックピンを含むステアリングロールコネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【0029】
図8図8は、図7のB線に沿った、ステアリングロールコネクタの断面図であり、図6のロックピンがツールと共に設置される状態を示している。
【0030】
図9図9は、図6のロックピンと図8のツールとを示す正面図である。
図10図10は、図6のロックピンと図8のツールとを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図は、必ずしも縮尺通りではなく、特定の構成要素の詳細を示すために、幾つかの特徴が誇張または最小化されている場合があることをご了承頂きたい。したがって、本明細書に開示されている特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に、本発明を様々に採用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0032】
以下の開示は、本発明の様々な実施形態に向けられている。これらの実施形態の1または複数は、好ましい場合があるが、開示された実施形態は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。更に、当業者であれば、以下の説明が広範な適用を有し、任意の実施形態の議論は、当該実施形態を例示することのみを意図しており、特許請求の範囲を含む本開示の範囲が当該実施形態に限定されることを示唆することを意図していない、ということをご理解頂きたい。
【0033】
一般に、車両は、運転者による車両の操舵を容易にするために、ステアリングアセンブリを採用している。ステアリングアセンブリは、ハンドホイールと車両の車輪との間を結合するステアリングコラム(ステアリングシャフトを含み得る)を含むことが典型的である。ハンドホイールが回転すると、当該ハンドホイールの相対的な回転が、ステアリングコラムを介して車両の車輪に伝達される。したがって、運転者は、ハンドホイールを操作し回転させることで、車両を操縦することができる。
【0034】
ハンドホイールは、車両の電気システムと通信する電子部品を含むことが典型的である。より具体的には、ワイヤは、ハンドホイールの電気部品と車両の電気システムとの間を接続する。ハンドホイールの過回転によるワイヤの絡まりや破損を防止するために、ハンドホイールの電気部品と車両の電気システムとの間を接続するべく、ステアリングロールコネクタが使用され得る。
【0035】
図面を参照すると、本開示のステアリングロールコネクタ20が図示されている。ステアリングロールコネクタ20は、ロールステータ22と、ロールステータ22内に入り子式に嵌められ回転可能に結合されたロールロータ24、124と、を含む。ロールステータ22とロールロータ24、124との間の入り子式の関係は、ロールロータ24、124とロールステータ22との間の相対的な回転を容易にする。幾つかの実施形態では、ロールステータ22が雌型シート26(図2)を規定し得て、ロールロータ24、124が雄型シート28(図2)を規定し得る。雌雄のシート26、28は互いに係合し得て、ロールステータ22とロールロータ24、124との間の相対的な回転を促進するように構成され得る。
【0036】
ロールステータ22は、第1中央開口部30(図2)を規定し得て、ロールロータ24、124は、当該第1中央開口部30と同心に整列し、且つ、当該第1中央開口部30内に入れ子式に位置する第2中央開口部32、132を規定し得る。ロールロータ24、124の第2中央開口部32、132は、ステアリングコラム、またはシャフト(図示せず)を受け入れるように構成されており、ロールロータ24、124は、ステアリングロールコネクタ20をステアリングコラムに結合するように構成されている。ロールロータ24、124は、ステアリングコラムを受け入れて結合するために多くの異なる態様で構成され得て、それらの全てが本発明の範囲内に入ることをご理解頂きたい。幾つかの実施形態では、ロールロータ24、124は、上面(すなわち外壁)34、134を有し得て、電気接続ハウジング36、136が、当該上面34、134と一体的に形成されていてもよいし、当該上面34、134に結合されてもよい。電気接続ハウジング36、136は、ハンドホイールの電気部品と車両の電気システムとの間の接続を容易にするように構成されてもよい。
【0037】
ステアリングロールコネクタ20は、また、ロールロータ24、124と作動可能に係合されるロックピン38、138(図3及び図6)を含み得る。ロックピン38、138のロールロータ24、124への作動可能な係合は、ロックピン38、138がロールロータ24、124と係合し、且つ、その係合から解放可能であることを提供する。より具体的には、ロックピン38、138は、破損することなく、ロールロータ24、124と係合及び係合解除し得る。幾つかの実施形態では、ロックピン38、138は、当該ロックピン38、138から延びるアーム40、140を含み得る。ロックピン38、138がロールロータ24、124に結合する時、アーム40、140がロールロータ24、124と作動可能に係合し得て(すなわち、直接的または間接的に結合し得て)、ロールロータ24、124とロールステータ22との間の相対回転を防止し得る。幾つかの実施形態では、ロールステータ22は、ロックピン38、138のアーム40、140を受け入れるための、1または複数のスロット、あるいはステータ凹部、を規定する外壁42を有し得る。
【0038】
幾つかの実施形態では、ロックピン支持体46、146が、直接的または間接的に、ロールロータ24、124に結合し得る。幾つかの実施形態では、ロックピン支持体46、146は、ロールロータ24、124と一体的に形成されることによって、ロールロータ24、124に結合されている。図7及び図8を参照して、ロックピン支持体146は、ロールロータ124と一体的に形成されることによって、ロールロータ124に結合されている。
【0039】
幾つかの実施形態では、ロックピン支持体46は、スナップフィット(スナップ嵌め)またはスナップロック(スナップ係止)の構成によって、ロールロータ24に結合し得る。より具体的には、図1に最もよく示されているように、ロールロータ24は、雄凸部64を有し得て、それは、上面34、434と一体的に形成され得て、あるいは、上面34、434に結合され得る。雄凸部64は、ロックピン支持体46と係合するように構成された1または複数のクリップ66を有し得て、スナップフィットまたはスナップロックの構成を容易にし得る。図3乃至図5に最もよく示されているように、ロックピン支持体46は、スナップフィットまたはスナップロックの構成を容易にするべく、雄凸部64のクリップ66を受け入れるように構成された、1または複数の雌凹部(またはクリップ)68を規定し得る。スナップフィットまたはスナップロックの構成は、永続的であってもよいし(例えば、ロックピン支持体46及び雄凸部64が、一度結合されると解除不可能であってもよい)、あるいは、解除可能であってもよい(例えば、ロックピン支持体46及び雄凸部64が、結合及び結合解除可能であってもよい)。
【0040】
幾つかの実施形態では、ロックピン38、138は、ロックピン支持体46、146に解除可能に係合及び結合し得る。幾つかの実施形態では、ロックピン支持体46、146の上端から離れる方向に力がロックピン38、138に加えられる時(例えば、ロックピンが手動で引っ張られる時)、ロックピン38、138は、そのロックピン支持体46、146への解除(解放)可能な係合及び結合から解除(解放)される。ロックピン38、138は、スナップフィット構成により、ロックピン支持体46、146に解除可能に係合及び結合し得る。より具体的には、ロックピン支持体46、146は、スナップフィット構成の雌部を規定し得て、ロックピンは、スナップフィット構成の雄部50、150として構成された端部を有し得る。
【0041】
図2乃至図6を参照して、ロックピン支持体46は、ロックピン開口部52を規定するベース48を有し得る。ロックピン開口部52は、ロックピン38の雄部を受け入れるように構成され得る。複数の歯54が、ベース48から、半径方向内側に向けて、ロックピン開口部52内に延在し得て、ロックピン38の雄部に解除可能に係合及び結合するように構成され得る。
【0042】
幾つかの実施形態では、ベース48は、上端56と、当該上端56から離間した底端58と、を有する。ベース48はまた、内面(図示されているが、符号は付されていない)を有し得て、それは、少なくとも部分的にロックピン開口部52を規定し、上端56及び底端58の間に位置している。複数の歯54の各々が、前記内面と接触するベースインタフェース端60(図2参照)を有し得る。ベースインタフェース端60は、直接的または間接的に、前記内面と結合し得る。複数の歯54の各々は、ベースインタフェース端部60から、ベース48の上端に向かう方向に、タブ端部62まで上向きに延在し得る(図2参照)。図3に最もよく示されているように、タブ端部62は、ロックピン38の雄部に解除可能に係合及び結合し得る。
【0043】
幾つかの実施形態では、図3に最もよく示されているように、ロックピン38の雄部50が、雄端部70と、当該雄端部70から離間したフレア縁部72と、を有し得る。フレア縁部72は、ロックピン38がロックピン支持体46と係合及び結合する時、複数の歯54のタブ端部62上に係合及びリセットするように構成され得る。雄部50は、また、フレア縁部72に隣接して、フレア縁部72と雄端部70との間に位置する係合部74を有し得る。ロックピン38は、また、係合部74から雄端部70までのテーパを規定するフレア部76を有し得る。ロックピン38がロックピン支持体46を解除可能に係合及び結合する時、複数の歯54は、係合部74に対して解除可能に係合及び結合する(例えば、複数の歯54は、係合部74に対して圧縮されて、係合部74に解放可能に係合及び結合する)。幾つかの実施形態では、複数の歯54のタブ端部62は、(協働して1つの)歯開口部(符号は付されていない)を規定し得て、当該歯開口部は、ロックピン開口部52よりもサイズが小さい。幾つかの実施形態では、ロックピン38がロックピン支持体46から引っ張られる時のロックピン38とロックピン支持体46との間の再係合及び再結合を防止するべく、雄端部70は歯開口部よりもサイズが大きい。
【0044】
幾つかの実施形態では、ロールロータ24、124の上面34、124が、雌凹部ないしロータ凹部(図示せず)を規定し得る。そのような実施形態では、ロックピン支持体46が、1または複数のロック凸部(図示せず)を含み得る。ロック凸部は、ロータ凹部内に配置される時、ロールロータ24、124と係合及び結合し得て、ロックピン支持体46とロールロータ24、124との間のスナップロック構成を規定し得る。
【0045】
幾つかの実施形態では、図6に最もよく示されているように、ロックピン138は、一対のスナップ脚部180を規定し得る。スナップ脚部180は、ロックピン支持体146に解除可能に係合及び結合し得る。幾つかの実施形態では、ロックピン支持体146は、幅及び/または直径を有するロックピン開口部192を規定する棚部(レッジ)190を含み得る。ロックピン支持体146はまた、底部194と、棚部190及び当該底部194の間に規定されるロックピン凹部196と、を含み得る。ロックピン凹部196は、一対のスナップ脚部180を受け入れるように構成され得て、棚部190及び底部194は、一対のスナップ脚部180を当該凹部196内に保持するように構成され得る。幾つかの実施形態では、スナップ脚部180は、ロックピン138からスナップ脚部幅まで外向きに延在し得て、スナップ脚部180は、凹部196内に配置される時、ロックピン支持体146に解除可能に係合及び結合するように構成され得る。更に、スナップ脚部180は、ロックピン138がロックピン支持体146から引っ張られる時のロックピン138とロックピン支持体146との間の係合及び結合を防ぐ。
【0046】
本開示は、ステアリングロールアセンブリ20を組み立てる方法も含む。幾つかの実施形態では、本方法は、雄部50、150をロックピン支持体46、146の雌部にスナップフィットすることによって、ロックピン38をロックピン支持体46、146に結合する工程を含み得る。図3を参照して、ロックピン38は、ロックピン支持体46と結合解除されて図示されており、また、雄部50をロックピン支持体46、146の雌部にスナップフィットすることによってロックピン支持体46に結合されて図示されている。
【0047】
本方法はまた、ステータ凹部44、144にロックピン38、138のアーム40、140を配置する工程を含み得る。図4及び図7を参照して、ステータ凹部44、144内にロックピン38、138のアーム40、140がある。本方法は、ロータ凹部に凸部をスナップロックすることによって、ロールロータ24、124にロックピン支持体46、146を結合する工程を含み得る。
【0048】
幾つかの実施形態では、図8乃至図10に最もよく示されているように、本方法は、スロット幅を有するスロット202を有するツール200を提供し得る。図8に最もよく示されているように、本方法は、ツール200のスロットにロックピン138を配置する工程を含み得る。ここで、スナップ脚部幅が、スロット幅に圧縮される。本方法はまた、スロット202をロックピン開口部192と位置合わせするようにツール200を配置する工程を含み得る。本方法はまた、スロット202内でロックピン138をロックピン開口部192に向かってスライドさせて、スナップ脚180の対をロックピン凹部196内に配置する工程を含み得る。これにより、スナップ脚180の対がスナップ脚部幅に延長してロックピン138を凹部内に保持する。
【0049】
本発明を限られた数の実施形態に関連して詳細に説明してきたが、本発明はそのように開示された実施形態に限定されないことをご理解頂きたい。むしろ、本発明は、先に説明したものではないが、本発明の精神及び範囲に見合った、任意の数の変形、変更、置換、または同等の配置、を組み込むように変更することができる。更に、本発明の様々な実施形態を説明してきたが、本発明の特徴は、説明した実施形態の一部のみを含み得ることもご理解頂きたい。したがって、本発明は、前述の説明によって限定されるものとみなされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10