(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】デバイス決定方法及び装置、電子機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20231201BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
H04Q9/00 331B
H04M1/00 R
(21)【出願番号】P 2022134963
(22)【出願日】2022-08-26
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】202210438564.8
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】王 子寒
(72)【発明者】
【氏名】鄭 成
(72)【発明者】
【氏名】孫 少浦
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111212182(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0213449(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用されるデバイス決定方法であって、
前記端末に超広帯域UWBモジュールが設けられ、前記方法は、
前記
超広帯域UWBモジュールを介してターゲットデバイスの第1の方向における第1のAOAと第2の方向における第2のAOAを決定するステップであって、前記第1の方向と前記第2の方向とが垂直であるステップと、
前記第1のAOAと前記第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内にある場合、端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況を取得するステップと、
前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含
み、
前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する前記ステップは、
前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定するステップと、
前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLos伝送である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とするデバイス決定方法。
【請求項2】
前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLos伝送である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する前記ステップは、
前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいて、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLosであるターゲット確率を決定するステップと、
前記ターゲット確率
が確率閾値未満である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
テストデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて、前記テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定するステップと、
複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいてテスト確率を決定するステップと、
各テスト角度において統計して得られたテスト確率に基づいて前記確率閾値を決定するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する前記ステップは、
前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と受信信号強度インジケータRSSIとの間の第1の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合に対応する第1のRSSIを決定するステップであって、前記第1の
予め設定された関係式は
、角度が比較的小さい場合の前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離に対応するRSSIと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離に対応するRSSIとを区別するステップと、
前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のRSSIを決定するステップと、
前記第2のRSSIが前記第1のRSSIより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
電磁波モジュールがテストデバイスに正対する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第1の関係、及び電磁波モジュールが前記テストデバイスに背向する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第2の関係を統計するステップと、
前記第1の関係と前記第2の関係に基づいて前記第1の予め設定された関係式を決定するステップであって、前記第1の予め設定された関係式が、少なくとも前記第1の関係と前記第2の関係を区別するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の予め設定された関係式は、
Y(d)=-98-10*ln((d+100)/2000)を含み、
Y(d)が第1のRSSIであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である、
ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する前記ステップは、
前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と信号対雑音比SNRとの間の第2の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第2の距離である場合に対応する第1のSNRを決定するステップであって、前記第2の
予め設定された関係式が
、角度が比較的小さい場合の前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離に対応するSNRと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離に対応するSNRとを区別するステップと、
前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離が第2の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のSNRを決定するステップと、
前記第2のSNRが前記第1のSNRより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第3の関係を統計して、複数のテスト角度に対応する前記第3の関係を得るステップと、
複数の前記第3の関係に基づいて前記第2の予め設定された関係式を決定するステップであって、前記第2の予め設定された関係式が、少なくと
も角度が比較的小さい前記第3の関係と、前記角度が比較的大きい前記第3の関係とを区別するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の予め設定された関係式は、
Z(d)=45-18/400*dを含み、
Z(d)が第1のSNRであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である、
ことを特徴とする請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
端末に適用されるデバイス決定装置であって、
前記端末に超広帯域UWBモジュールが設けられ、前記装置は、
前記
超広帯域UWBモジュールを介してターゲットデバイスの第1の方向における第1のAOAと第2の方向における第2のAOAを決定するように構成される角度決定モジュールであって、前記第1の方向と前記第2の方向とが垂直である角度決定モジュールと、
前記第1のAOAと前記第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内にある場合、端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況を取得するように構成される取得モジュールと、
前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成されるデバイス決定モジュールと、を含
み、
前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定し、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLosである場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成される、
ことを特徴とするデバイス決定装置。
【請求項11】
前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいて、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLosであるターゲット確率を決定し、前記ターゲット確率
が確率閾値未満である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成される、
ことを特徴とする請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
テストデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて、前記テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定し、複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいてテスト確率を決定し、各テスト角度において統計して得られたテスト確率に基づいて前記確率閾値を決定するように構成される第1のテストモジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と距離相関値との間の第1の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合に対応する第1のRSSIを決定し、前記第1の
予め設定された関係式は
、角度が比較的小さい場合の前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離に対応するRSSIと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離に対応するRSSIとを区別し、
前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のRSSIを決定し、
前記第2のRSSIが前記第1のRSSIより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成される、
ことを特徴とする請求項
10に記載の装置。
【請求項14】
電磁波モジュールがテストデバイスに正対する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第1の関係、及び電磁波モジュールが前記テストデバイスに背向する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第2の関係を統計し、前記第1の関係と前記第2の関係に基づいて前記第1の予め設定された関係式を決定するように構成される第2のテストモジュールであって、前記第1の予め設定された関係式が、少なくとも前記第1の関係と前記第2の関係を区別する第2のテストモジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項
13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の予め設定された関係式は、
Y(d)=-98-10*ln((d+100)/2000)を含み、
Y(d)が第1のRSSIであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である、
ことを特徴とする請求項
14に記載の装置。
【請求項16】
前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と信号対雑音比SNRとの間の第2の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第2の距離である場合に対応する第1のSNRを決定し、前記第2の
予め設定された関係式が
、角度が比較的小さい場合の前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離に対応するSNRと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離に対応するSNRとを区別し、
前記ターゲット
デバイスから前記端末までの距離が第2の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のSNRを決定し、
前記第2のSNRが前記第1のSNRより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成される、
ことを特徴とする請求項
10に記載の装置。
【請求項17】
複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第3の関係を統計して、複数のテスト角度に対応する前記第3の関係を得て、
複数の前記第3の関係に基づいて前記第2の予め設定された関係式を決定するように構成される第3のテストモジュールであって、前記第2の予め設定された関係式が、少なくと
も角度が比較的小さい前記第3の関係と、前記角度が比較的大きい前記第3の関係とを区別する第3のテストモジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項
16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の予め設定された関係式は、
Z(d)=45-18/400*dを含み、
Z(d)が第1のSNRであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である、
ことを特徴とする請求項
17に記載の装置。
【請求項19】
電子機器であって、
プロセッサと、
プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリと、を含み、
前記プロセッサは、請求項1~
9のいずれかに記載の方法を実現するように構成される。
【請求項20】
コンピュータプログラムが含まれるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
当該
コンピュータプログラムはプロセッサによって実行される場合、請求項1~
9のいずれかに記載の方法のステップを実現する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術の分野に関し、特にデバイス決定方法、デバイス決定装置、電子機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
超広帯域UWB(Ultra Wide Band)を用いて位置決めするシーンでは、ターゲットデバイスの位置を決定した後、ターゲットデバイスの位置が特定の条件を満たす場合、ターゲットデバイスを選択してターゲットデバイスを制御することができる。
【0003】
例えば、携帯電話のUWBモジュールを用いてターゲットデバイスを位置決めした後、位置決め結果に基づいてターゲットデバイスがUWBモジュールの真正面にあると決定すると、位置決めするターゲットデバイスを選択しターゲットデバイスに制御信号を送信して、ターゲットデバイスの制御を実現することができる。
【0004】
現在、ターゲットデバイスがUWBモジュールの真正面にあると決定する方式は、ターゲットデバイスの到達角AOA(Angle of Arrival)に基づいて決定することができ、例えば、UWBモジュールを介してターゲットデバイスの水平方向のAOAと垂直方向のAOAを決定することができ、この2つのAOAが特定の条件を満たす場合、ターゲットデバイスがUWBモジュールの真正面にあると決定することができる。
【0005】
しかしながら、UWB技術自体のいくつかの問題のため、真正面にあるデバイス決定する際、例えば90°(左方または右方)と180°(真後ろ)にあるデバイスを真正面と判定するなど、大角度方向におけるデバイスを真正面と判定する可能性もあり、これによってその後に誤ったデバイスが選択されたことをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、関連技術の不足を解決するために、デバイス決定方法、デバイス決定装置、電子機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施例の第1の態様によれば、前記UWBモジュールを介してターゲットデバイスの第1の方向における第1の到達角AOAと第2の方向における第2のAOAを決定するステップであって、前記第1の方向と前記第2の方向とが垂直であるステップと、前記第1のAOAと前記第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内にある場合、端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況を取得するステップと、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む超広帯域UWBモジュールが設けられた端末に適用されるデバイス決定方法を提案する。
【0008】
選択的に、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する前記ステップは、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定するステップと、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLos伝送である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む。
【0009】
選択的に、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLos伝送である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する前記ステップは、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいて、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLosであるターゲット確率を決定するステップと、前記ターゲット確率が前記確率閾値未満である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む。
【0010】
選択的に、前記方法は、テストデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて、前記テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定するステップと、複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいてテスト確率を決定するステップと、各テスト角度において統計して得られたテスト確率に基づいて前記確率閾値を決定するステップと、をさらに含む。
【0011】
選択的に、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する前記ステップは、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と距離相関値との間の第1の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合に対応する第1のRSSIを決定するステップであって、前記第1の関係式は、前記角度が比較的小さい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するRSSIと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するRSSIとを区別するステップと、前記ターゲットから前記端末までの距離が第1の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のRSSIを決定するステップと、前記第2のRSSIが前記第1のRSSIより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む。
【0012】
選択的に、前記方法は、電磁波モジュールがテストデバイスに正対する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第1の関係、及び電磁波モジュールが前記テストデバイスに背向する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第2の関係を統計するステップと、前記第1の関係と前記第2の関係に基づいて前記第1の予め設定された関係式を決定するステップであって、前記第1の予め設定された関係式が、少なくとも前記第1の関係と前記第2の関係を区別するステップと、をさらに含む。
【0013】
選択的に、前記第1の予め設定された関係式は、Y(d)=-98-10*ln((d+100)/2000)を含み、Y(d)が第1のRSSIであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である。
【0014】
選択的に、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する前記ステップは、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と信号対雑音比SNRとの間の第2の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第2の距離である場合に対応する第1のSNRを決定するステップであって、前記第2の関係式が、前記角度が比較的小さい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するSNRと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するSNRとを区別するステップと、前記ターゲットから前記端末までの距離が第2の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のSNRを決定するステップと、前記第2のSNRが前記第1のSNRより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む。
【0015】
選択的に、前記方法は、複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第3の関係を統計して、複数のテスト角度に対応する前記第3の関係を得るステップと、複数の前記第3の関係に基づいて前記第2の予め設定された関係式を決定するステップであって、前記第2の予め設定された関係式が、少なくとも前記角度が比較的小さい前記第3の関係と、前記角度が比較的大きい前記第3の関係とを区別するステップと、をさらに含む。
【0016】
選択的に、前記第2の予め設定された関係式は、Z(d)=45-18/400*dを含み、Z(d)が第1のSNRであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である。
【0017】
本開示の実施例の第2の態様によれば、前記UWBモジュールを介してターゲットデバイスの第1の方向における第1の到達角AOAと第2の方向における第2のAOAを決定するように構成される角度決定モジュールと、前記第1のAOAと前記第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内にある場合、端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況を取得するように構成される取得モジュールと、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成されるデバイス決定モジュールと、を含む超広帯域UWBモジュールが設けられた端末に適用されるデバイス決定装置を提案する。
【0018】
選択的に、前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定し、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLosである場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成される。
【0019】
選択的に、前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいて、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLosであるターゲット確率を決定し、前記ターゲット確率が前記確率閾値未満である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成される。
【0020】
選択的に、前記装置は、テストデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて、前記テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定し、複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいてテスト確率を決定し、各テスト角度において統計して得られたテスト確率に基づいて前記確率閾値を決定するように構成される第1のテストモジュールをさらに含む。
【0021】
選択的に、前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と距離相関値との間の第1の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合に対応する第1のRSSIを決定するように構成され、前記第1の関係式は、前記角度が比較的小さい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するRSSIと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するRSSIとを区別する。
【0022】
前記ターゲットから前記端末までの距離が第1の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のRSSIを決定する。
【0023】
前記第2のRSSIが前記第1のRSSIより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0024】
選択的に、前記装置は、電磁波モジュールがテストデバイスに正対する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第1の関係、及び電磁波モジュールが前記テストデバイスに背向する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第2の関係を統計し、前記第1の関係と前記第2の関係に基づいて前記第1の予め設定された関係式を決定するように構成される第2のテストモジュールであって、前記第1の予め設定された関係式が、少なくとも前記第1の関係と前記第2の関係を区別する第2のテストモジュールをさらに含む。
【0025】
選択的に、前記第1の予め設定された関係式は、Y(d)=-98-10*ln((d+100)/2000)を含み、Y(d)が第1のRSSIであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である。
【0026】
選択的に、前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と信号対雑音比SNRとの間の第2の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第2の距離である場合に対応する第1のSNRを決定するように構成され、前記第2の関係式が、前記角度が比較的小さい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するSNRと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するSNRとを区別する。
【0027】
前記ターゲットから前記端末までの距離が第2の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のSNRを決定する。
【0028】
前記第2のSNRが前記第1のSNRより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0029】
選択的に、前記装置は、複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第3の関係を統計して、複数のテスト角度に対応する前記第3の関係を得て、
複数の前記第3の関係に基づいて前記第2の予め設定された関係式を決定するように構成される第3のテストモジュールであって、前記第2の予め設定された関係式が、少なくとも前記角度が比較的小さい前記第3の関係と、前記角度が比較的大きい前記第3の関係とを区別する第3のテストモジュールをさらに含む。
【0030】
選択的に、前記第2の予め設定された関係式は、Z(d)=45-18/400*dを含み、Z(d)が第1のSNRであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である。
【0031】
本開示の実施例の第3の態様によれば、電子機器を提案し、前記電子機器は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリと、を含み、ここで、前記プロセッサは、上記の方法を実現するように構成される。
【0032】
本開示の第4の様態によれば、コンピュータプログラムが含まれるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案し、当該プログラムはプロセッサによって実行される場合、上記方法のステップを実現する。
【発明の効果】
【0033】
本開示の実施例によって提供される技術案は、以下の有益な効果を含むことができる。
【0034】
本開示の実施例によれば、ターゲットデバイスの第1のAOAと第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内であると決定する場合、さらに定端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況を決定し、信号の状況に基づいてターゲットデバイスと端末との間の角度が第2の予め設定された角度範囲内であると決定する場合、ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定することができる。
【0035】
信号の状況に基づいてターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的小さいと決定する場合、ターゲットデバイスがUWBモジュールに正対しているデバイスであると決定することができ、これによってターゲットデバイスを選択すべきデバイスとして決定する。信号の状況に基づいてターゲットデバイスと端末との間の角度が比較的大きいと決定する場合、UWBモジュールに正対しているデバイスではなく、ターゲットデバイスが端末90°方向または180°方向にあるデバイスであると決定することができ、これによってターゲットデバイスを選択すべきデバイスとして決定することはない。
【0036】
これにより、端末90°方向または180°方向にあるデバイスを選択すべきデバイスとして誤判定することを回避することができ、UWBモジュールに正対しているデバイスを正確に選択することに有利であり、ユーザが選択すべきデバイスの後続の制御を正確に行うことを容易にする。
【0037】
なお、上記一般的な説明及び後文の詳細な説明は、単なる例示的及び解釈的なものであり、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明において使用する必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明の図面は本開示の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本開示の実施例に係るデバイス決定方法の概略フローチャートである。
【
図2】本開示の実施例に係る適用シーンの概略図である。
【
図3】本開示の実施例に係るデバイス決定方法の概略フローチャートである。
【
図4A】本開示の実施例に係るチャネルインパルス応答の概略図である。
【
図4B】本開示の実施例に係る別のチャネルインパルス応答の概略図である。
【
図5】本開示の実施例に係る別のデバイス決定方法の概略フローチャートである。
【
図6】本開示の実施例に係る別のデバイス決定方法の概略フローチャートである。
【
図7】本開示の実施例に係る第1の関係と第2の関係の概略図である。
【
図8】本開示の実施例に係る別のデバイス決定方法の概略フローチャートである。
【
図9】本開示の実施例に係る複数の第3の関係の概略図である。
【
図10】本開示の実施例に係るデバイス決定装置の概略ブロック図である。
【
図11】本開示の実施例に係るデバイス決定のための装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本開示の実施例の図面と併せて、本開示の実施例における技術案に対して、明確且つ完全に説明するが、説明された実施例は、全ての実施例ではなく、本開示の一部の実施例にすぎないことは明らかである。本開示の実施例に基づいて、当業者は、創造的な労働がなされていない前提で取得される他のすべての実施例は、本開示の保護の範囲に属する。
【0040】
本開示の実施例に使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものにすぎず、本開示の実施例を制限することを意図していない。本開示の実施例と添付の特許請求の範囲に使用される単数形の「一」と「当該」も、文脈において他の意味を明確に示さない限り、複数形を含むことを意図する。なお、本明細書で使用される用語の「及び/又は」とは、1つ又は複数の関連する列挙項目の任意の組み合わせ又とは全ての可能な組み合わせを指す。
【0041】
本開示の実施例では、第1、第2、第3などの用語を使用して様々な情報を説明する可能性があるが、これらの情報は、これらの用語に限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、単に同じタイプの情報を区別するために使用される。例えば、本開示の実施例の範囲から逸脱しない限り、第1の関係は第2の関係と呼ぶことができ、同様に、第2の関係は第1の関係と呼ぶこともできる。文脈によっては、ここで使用される単語「もし」は、「……のとき」又は「……の場合」又は「決定に応答する」として解釈することができる。
【0042】
簡潔さと理解を容易にするために、本明細書で大きさ関係を特徴付ける場合、「より大きい」または「より小さい」、「より高い」または「より低い」という用語を使う。しかしながら、当業者であれば、「より大きい」という用語は「以上」という意味も含み、「より小さい」は「以下」という意味も含み、「より高い」というは「以上」という意味を含み、「より低い」は「以下」という意味も含む。
【0043】
図1は、本開示の実施例に係るデバイス決定方法の概略フローチャートである。本実施例に係るデバイス決定方法は、端末実行に適用することができ、前記端末は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、センサ、モノのインターネットデバイスなどの通信装置を含むがこれらに限定されない。前記端末は、ネットワークデバイスと通信することができ、前記ネットワークデバイスは4G、5G、6Gなどの通信システム中のネットワークデバイス、例えば、基地局、コアネットワークなどを含むがこれらに限定されない。
【0044】
一実施例では、前記端末には超広帯域UWBモジュールが設けられることができ、UWBモジュールは、UWB信号を送信することによって位置決め機能を実現することができ、例えば、ターゲットデバイスの第1の方向における第1の到達角AOAと第2の方向における第2のAOAを決定することができる。
【0045】
一実施例では、携帯電話内のUWBモジュールを例として、UWBモジュールは、携帯電話の背面、例えば携帯電話の裏蓋の内部に設けられることができ、携帯電話の裏蓋からUWB信号を外部に送信することができる。UWBモジュールは、位置決め機能を実現するために、直角に分布している少なくとも3つのアンテナを含むことができる1つ以上のアンテナまたはアンテナアレイを含むことができる。
【0046】
なお、UWBモジュール内のアンテナまたはアンテナアレイは、携帯電話の裏蓋に設けられてもよく、他の位置に設けられてもよい、例えば多重化された携帯電話のベゼルなど、具体的に、必要に応じて設けられることができる。本開示の実施例は、主に、UWBモジュール内のアンテナまたはアンテナアレイが携帯電話の裏蓋内に設けられる場合を、例示的に説明する。
【0047】
図1に示すように、前記デバイス決定方法は以下のステップS101~S103を含むことができる。
【0048】
ステップS101において、前記UWBモジュールを介してターゲットデバイスの第1の方向における第1の到達角AOAと第2の方向における第2のAOAを決定し、第1の方向と第2の方向とが垂直であり、例えば第1の方向は水平方向であり、第2の方向は鉛直方向である。
【0049】
ステップS102において、前記第1のAOAと前記第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内にある場合、端末(主にUWBモジュールを指す)とターゲットデバイスとの間の信号の状況を取得する。例えば、信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスと前記端末(主にUWBモジュールを指す)との間の角度が第2の予め設定された角度範囲内であるか否かを判断することができる。
【0050】
ステップS103において、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。例えば信号の状況に基づいてターゲットデバイスと端末との間の角度が第2の予め設定された角度範囲内であると決定する場合、ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0051】
一実施例では、端末は、UWBモジュールを介してUWB信号を送信することができ、これによってターゲットデバイスの第1の方向における第1のAOAと第2の方向における第2のAOAを決定することができ、さらに第1のAOAと第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内であるか否かを決定することができる。
【0052】
例えば第1の予め設定された角度範囲が±20°以内であり、第1のAOAが-20°~20°の間であり、第2のAOAが-20°~20°である場合、第1のAOAと第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内であると決定することができる。この場合、一般的に、ターゲットデバイスがUWBモジュールの真正面にあると考えられることができ、例えばUWBモジュールが携帯電話の裏蓋内にある場合、ターゲットデバイスがUWBモジュールの真正面にあるとは、ターゲットデバイスが携帯電話の背面に正対する方向にあることを指す。
【0053】
図2は、本開示の実施例に係る適用シーンの概略図である。
【0054】
図2に示すように、例えば室内のシーンでは、ユーザは携帯電話で室内のデバイスを制御し、まず、デバイスを位置決めすることができ、ターゲットデバイスが携帯電話内のUWBモジュールの真正面にあると決定する場合、ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定することができ、さらに、ユーザが制御命令を入力できるように、携帯電話の画面にターゲットデバイスの操作ポップアップウィンドウを提示することができ、さらにユーザから入力された制御命令に基づいてターゲットデバイスに制御信号を送信し(予めターゲットデバイスと通信接続を確立してもよく、またはターゲットデバイスが選択されたデバイスであると決定した後にターゲットデバイスと通信接続を確立してもよい)、ターゲットデバイスの制御を実現する。
【0055】
例えば、
図2に示す室内のシーンでは、テレビ、加湿器、ステレオ、エアコンなどのデバイスが存在し、ユーザは中心位置に位置し、ユーザがテレビを制御する必要がある場合、携帯電話内のUWBモジュールをテレビに向けることができ、例えばUWBモジュールが携帯電話の裏蓋内にある場合、携帯電話の裏蓋をテレビに向けることができ、これによってまずテレビを選択してから、テレビを制御する。
【0056】
UWBモジュールを介してテレビの第1のAOAと第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内であり、例えば、第1のAOAが-20°~20°の間であり、第2のAOAが-20°~20°の間であると決定することができる。しかしながら、UWB技術自体のいくつかの問題のため、大角度方向におけるデバイスの第1のAOAと第2のAOAを第1の予め設定された角度範囲内であるとも判定する可能性があり、例えば、90°方向にある加湿器とステレオ、及び、180°方向にあるエアコンは、第1のAOAと第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内であると判定される可能性もある。その場合、携帯電話は実際に真正面にあるテレビを選択すべきデバイスと判定するだけでなく、大角度方向におけるデバイスを選択すべきデバイスとも誤判定する。
【0057】
本開示の実施例によれば、ターゲットデバイスの第1のAOAと第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内であると決定する場合、ターゲットデバイスと端末との間の信号の状況をさらに決定することができ、さらに信号の状況に基づいてターゲットデバイスと端末との間の角度が比較的小さいか否か、例えば第2の予め設定された角度範囲内であるか否かを判断する。第2の予め設定された角度範囲は設定に基づいて、例えば-60°~60°または90°と180°以外の角度に設定することができる。
【0058】
信号の状況に基づいてターゲットデバイスと端末との間の角度が比較的小さいと判断する場合、例えばターゲットデバイスと前記端末との間の角度が第2の予め設定された角度範囲内である場合、ターゲットデバイスがUWBモジュールに正対しているデバイスであると決定することができ、これによってターゲットデバイスを選択すべきデバイスとして決定する。信号の状況に基づいてターゲットデバイスと端末との間の角度が比較的大きいと判断する場合、例えばターゲットデバイスと端末との間の角度が第2の予め設定された角度範囲内ではない場合、ターゲットデバイスが、UWBモジュールに正対しているデバイスではなく、端末90°方向または180°方向におけるデバイスであると決定することができ、これによってターゲットデバイスを選択すべきデバイスとして決定することはない。
【0059】
これにより、端末90°方向または180°方向におけるデバイスを選択すべきデバイスに誤判定することを回避することができ、UWBモジュールに正対しているデバイスを正確に選択することに有利であり、ユーザが選択すべきデバイスの後続の制御を正確に行うことを容易にする。
【0060】
一実施例では、前記本開示の実施例の信号の状況は、以下の状況のうちの少なくとも1つに基づいて特徴付けることができる。
【0061】
前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波が見通し内伝送であるか否か。例えば、具体的に、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波が非見通し内NLos(Non Line of sight)伝送であるターゲット確率が確率閾値より小さいか否かであってもよい。
前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2の受信信号強度インジケータRSSI(Received Signal Strength Indication)が第1のRSSIより大きいか否か。
前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2の信号対雑音比SNR(Signal-Noise Ratio)が第1のSNRより大きいか否か。
【0062】
なお、信号の状況は、上記の3つの特徴付け方式に限定されない。以下、いくつかの実施例を通して主に上記3つの方式に対して例示的な説明する。
【0063】
図3は、本開示の実施例に係るデバイス決定方法の概略フローチャートである。
図3に示すように、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップは、以下のステップS301~S302を含む。
【0064】
ステップS301において、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos(Line of sight)伝送であると決定する。
【0065】
ステップS302において、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLos伝送である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0066】
一実施例では、無線通信システムでは、電磁波(例えばUWB信号、パルス信号灯)の伝播方式は主に2つに分けられ、1つは見通し内Los伝送であり、もう1つは非見通し内NLos伝送である。
【0067】
Los伝送の場合、電磁波は、端末から送信されたターゲットデバイスまでの間に遮蔽されず、ターゲットデバイスに直接伝送することができ、この場合、端末がターゲットデバイスによって反射された電磁波を受信した時間遅延は相対的に短く、エネルギー損失は相対的に小さい。
【0068】
NLos伝送の場合、電磁波は、端末からターゲットデバイスまでの間に障害物で遮蔽され、障害物を通過したり、障害物反射を経てターゲットデバイスに伝送したりすることができ、この場合、端末がターゲットデバイスによって反射された電磁波を受信した時間遅延は相対的に長く、エネルギー損失は相対的に大きい。
【0069】
研究により、Los伝送とNLos伝送という2つ場合は、本開示の実施例で考慮されている2つの場合に対応し、すなわち、ターゲットデバイスから前記端末までの間の角度が比較的大きくて比較的大きい。
【0070】
ターゲットデバイスと端末との間の角度が比較的小さい、例えば、端末のUWBモジュールがターゲットデバイスに正対する場合、一般的にUWBモジュールとターゲットデバイスとの間に遮蔽されず、UWBモジュールターゲットデバイスに直接伝送することができるため、Los伝送の場合に属する。
【0071】
ターゲットデバイスと端末との間の角度が比較的大きく、例えば、ターゲットデバイスがUWBモジュールの180°方向、すなわちUWBモジュールが背向する方向にある場合、UWBモジュールとターゲットデバイスとの間に障害物として遮蔽するユーザが存在する。例えば、ターゲットデバイスがUWBモジュールの90°方向、すなわちUWBモジュールの左方または右方にある場合、UWBモジュールとターゲットデバイスとの間に障害物として遮蔽するユーザの手が存在する。その場合、UWBモジュールからターゲットデバイスへの伝送は、NLos伝送の場合に属する。
【0072】
そのため、本実施例は、ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送であるかまたはLos伝送であるかに基づいて、ターゲットデバイスとの前記端末との間の角度が比較的小さいか否かを判断し、例えば、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLos伝送であると決定する場合、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的小さいか否か、例えば第2の予め設定された角度範囲内であるかまたは第2の予め設定された角度範囲内ではないかを決定することができ、これによって前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0073】
ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送であるかまたはLos伝送であるかについては、本実施例は、チャネルインパルス応答に基づいて判断することができる。
【0074】
図4Aは、本開示の実施例に係るチャネルインパルス応答の概略図である。
図4Bは、本開示の実施例に係る別のチャネルインパルス応答の概略図である。
【0075】
一実施例では、端末には、電磁波を送信するための電磁波モジュールが設けられていてもよく、パルス信号を送信することを例として、電磁波モジュールは、端末の裏蓋内に設けられ、パルス信号を送信するために使用することができる(パルス信号を送信する方向とUWBモジュールがUWB信号を送信する方向とは同じであってもよい)、ターゲットデバイスによって反射されたパルス信号を受信し、チャネルインパルス応答CIR(Channel Impulse Response)として、さらにCIRを分析する。
【0076】
本開示のすべての実施例では、電磁波モジュールとターゲットデバイスとの間の関係と、UWBモジュールとターゲットデバイスとの間の関係は同じであってもよい。
【0077】
図4Aと
図4Bでは、縦軸はCIRのエネルギー振幅を表し、横軸はCIRを受信した時間を表す。一般的に、主にパルス信号伝送の2つのパスPath1とPath2を分析し、CIR時間遅延が最も短いパスを第1のパスと呼び、CIR エネルギーが最も高いパスをメインパスと呼ぶ。
【0078】
図4Aに示すように、Path1のエネルギーが最も高く、時間遅延が最も短いため、Path1は第1のパスでありメインパスでもある。分析から分かるように、Los伝送シーンでは、端末とターゲットデバイスとの間に障害物がないため、一般的に、ターゲットデバイスから端末に対して送信されたパルス信号のCIRは、
図4Aに示す場合を満たす。
【0079】
図4Bに示すように、Path1の時間遅延が最も短いため、Path1は第1のパスであり、Path2のエネルギーが最も高いため、Path2はメインパスである。分析から分かるように、NLos伝送のシーンでは、端末とターゲットデバイスとの間に障害物があるため、一般的にターゲットデバイスから端末に対して送信されたパルス信号のCIRは、
図4Bに示す場合を満たす。
【0080】
そのため、Path1が第1のパスである場合、Amp_Path1でPath1のCIRのエネルギー振幅を表し、Amp_Path2でPath2のCIRのエネルギー振幅を表し、Amp_Path1>Amp_Path2である場合、端末とターゲットデバイスとの間の電磁波の伝送はLos伝送である。Amp_Path1≦Amp_Path2である場合、端末とターゲットデバイスとの間の電磁波の伝送はNLos伝送である。
【0081】
そのため、本実施例は、ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定する。
【0082】
選択的に、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLos伝送である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップは、
前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回(例えば、100~1000回)統計された結果に基づいて、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLosであるターゲット確率を決定するステップと、
前記ターゲット確率が前記確率閾値未満である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップと、を含む。
【0083】
1回の反射結果のみに基づいて伝送シーンがNLos伝送またはLos伝送であると決定するには大きな誤差が存在する可能性があるため、本実施例は、ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという結果を複数回統計し、複数回統計された結果に基づいてターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLosであるターゲット確率として決定し、さらにターゲット確率と確率閾値との間の関係に基づいて、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的小さいか否か、例えば第2の予め設定された角度範囲内であるか、または第2の予め設定された角度範囲内ではないかを決定する。
【0084】
第1の関係が、ターゲット確率が確率閾値未満であることである場合、端末とターゲットデバイスとの間がLos伝送である確率が高いと決定することができるため、UWBモジュールがターゲットデバイスに正対する場合に属する確率が高く、これによって端末間の角度が比較的小さく、例えば、第2の予め設定された角度範囲内であると判断する。
【0085】
第1の関係が、ターゲット確率が確率閾値以上であることである場合、端末とターゲットデバイスとの間がNLos伝送である確率が高いと決定することができるため、UWBモジュールがターゲットデバイスに正対していない確率が高く、ターゲットデバイスはUWBモジュール90°または180°方向にあり、これによって端末間の角度が比較的大きい、例えば第2の予め設定された角度範囲内ではないと判断する。
【0086】
図5は、本開示の実施例に係る別のデバイス決定方法の概略フローチャートである。
図5に示すように、前記方法は、以下のステップS501~ステップS503をさらに含む。
【0087】
ステップS501において、テストデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて、前記テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定する。
【0088】
ステップS502において、複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいてテスト確率を決定する。
【0089】
ステップS503において、各テスト角度において統計して得られたテスト確率に基づいて前記確率閾値を決定する。
【0090】
一実施例では、確率閾値は必要に応じて設定することができ、1つまたは複数設定することができる。例えば複数設定する場合、端末の環境に基づいて対応する確率閾値を選択することができる。
【0091】
一実施例では、テストデバイスを対象とすることができ、端末とテストデバイスとの間でNLos伝送またはLos伝送であるかを決定し、例えばテストデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいてテストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定する。
【0092】
その後、電磁波モジュールとターゲットデバイスとの間のテスト角度を調整することができ、例えば-180°から180°まで、毎回30°を調整する。角度を調整するたびに、電磁波を複数回送信し、テストデバイスで毎回反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという結果を統計して、テストデバイスと端末との間の伝送がNLos伝送であると判断されたテスト確率を決定する。これによって各角度に対応するテスト確率を得て、さらに各テスト角度において統計して得られたテスト確率に基づいて確率閾値を決定する。
【0093】
例えば各角度に対応するテスト確率は表1に示すとおりである。
【表1】
【0094】
表1の分析から分かるように、-60°~60°の小角度範囲内で、端末とテストデバイスとの間の伝送がNLos伝送であると判定されたテスト確率は0であり、-90°~-180°と90°~180°の大角度範囲内である場合にのみ、端末とテストデバイスとの間の伝送はNLos伝送であると判定される可能性がある。さらに-90°~-180°と90°~180°に対応するテスト確率区間で1つの確率を決定することができ、例えば、80%を確率閾値として決定することができる。
【0095】
これにより、ターゲットデバイスと端末との間の伝送シーンを分析することによってターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的小さいかまたは比較的大きいかを決定することができ、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的大きい場合、ターゲットデバイスを選択すべきデバイスとすることを回避することに有利である。
【0096】
図6は、本開示の実施例に係る別のデバイス決定方法の概略フローチャートである。
図6に示すように、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップは以下のステップS601~S603を含む。
【0097】
ステップS601において、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と受信信号強度インジケータRSSIとの間の第1の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合に対応する第1のRSSIを決定し、前記第1の関係式は、前記角度が比較的小さい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するRSSIと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するRSSIとを区別する。
【0098】
ステップS602において、前記ターゲットから前記端末までの距離が第1の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のRSSIを決定する。
【0099】
ステップS603において、前記第2のRSSIが前記第1のRSSIより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0100】
一実施例では、前記方法は、
電磁波モジュールがテストデバイスに正対する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第1の関係、及び電磁波モジュールが前記テストデバイスに背向する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第2の関係を統計するステップと、
前記第1の関係と前記第2の関係に基づいて前記第1の予め設定された関係式を決定し、前記第1の予め設定された関係式が、少なくとも前記第1の関係と前記第2の関係を区別するステップと、をさらに含む。
【0101】
一実施例では、RSSIの意味は、受信信号強度インジケータであり、受信された信号の強度を測定する。本開示のシーンでは、端末内の電磁波モジュールは、ターゲットデバイスに電磁波信号を送信し、ターゲットデバイスによって反射された電磁波(例えばUWB信号、パルス信号)を受信することができ、受信された電磁波信号のRSSIは、ターゲットデバイスと端末との間の角度、距離などのパラメータに関連する。
【0102】
電磁波モジュールが携帯電話の裏蓋内に設けられていることを再び例にとると、電磁波モジュールは携帯電話の背面に向かって外部に電磁波信号を送信することができ、ターゲットデバイスが携帯電話の背面にある場合、ターゲットデバイスによって反射された電磁波信号が電磁波モジュールに直接送信することができるため、強度は比較的高く、RSSIは比較的大きい。一方、ターゲットデバイスが携帯電話の画面側にある場合、ターゲットデバイスによって反射された電磁波信号は先に画面を通過し、これによってある程度の減衰が生じるため、強度は比較的低く、RSSIは比較的小さい。
【0103】
また、RSSIは、ターゲットデバイスと端末との間の角度に加え、ターゲットデバイスと端末との間の距離も関係する。例えば、ターゲットデバイスと端末の間の距離が大きいほど、信号の減衰が大きくなり、RSSIが比較的小さくなり、ターゲットデバイスと端末の間の距離が小さくなるほど、信号の減衰が小さく、RSSIが比較的大きくなる。
【0104】
そのため、デバイスと端末との間の種々異なる角度に基づいて、RSSIとデバイスと端末との間の距離の関係を決定し、それによって分析することができる。
【0105】
例えば、テストデバイスを対象として、端末とテストデバイスとの間の角度が比較的小さい場合、例えば、第2の予め設定された角度範囲内である場合、例えば、端末内の電磁波モジュールがテストデバイスに正対する場合、テストデバイスで複数回反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第1の関係を統計し、端末とテストデバイスとの間の角度が比較的大きい場合、例えば第2の予め設定された角度範囲内ではない場合、例えば、電磁波モジュールが前記テストデバイスに背向する場合、テストデバイスで複数回反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第2の関係を統計することができる。
【0106】
このようにして決定された第1の関係は、端末内の電磁波モジュールがデバイスに正対する(UWBモジュールもデバイスに正対する)場合、デバイスによって反射された電磁波のRSSIと距離との間の関係を特徴付けることができ、第2の関係は、端末内の電磁波モジュールがデバイスに背向する(UWBモジュールもデバイスに背向する)場合、デバイスによって反射された電磁波のRSSIと距離との間の関係を特徴付けることができる。
【0107】
図7は、本開示の実施例に係る第1の関係と第2の関係の概略図である。
【0108】
例えば、
図7に示すように、横軸は距離、単位がセンチメートル、縦軸がRSSI振幅、単位がdBである。
図7から分かるように、端末内の電磁波モジュールがテストデバイスに正対する場合、テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと距離との間の第1の関係、および端末内の電磁波モジュールがテストデバイスに背向する場合、テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと距離との間の第2の関係には明らかな差異が存在する。そのため、第1の関係と第2の関係に基づいて関係式を決定し、例えば、第1の予め設定された関係式と呼ばれ、2つの第3の関係を区別することができる。
【0109】
例えば、第1の関係と第2の関係との間の複数の境界点を決定し、複数の境界点をフィッティングし、得られたフィッティング関数を第1の予め設定された関係式とすることができる。
【0110】
一実施例では、前記第1の予め設定された関係式は、
Y(d)=-98-10*ln((d+100)/2000)を含み、
Y(d)が第1のRSSIであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である。
【0111】
図7に示すように、第1の予め設定された関係式は、第1の関係と第2の関係とを比較的良好に区別することができる。
【0112】
そのため、ターゲットデバイスと端末との間の距離(例えばUWBモジュールから送信されたUWB信号に基づいて決定することができる)が第1の距離である場合、第1の予め設定された関係式に基づいて第1のRSSIを計算して、ターゲットから端末までの距離が第1の距離である場合、ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のRSSI(実際に測定して得られたRSSI)を計算することができる。さらに第2のRSSIが第1のRSSIより大きいか否かを判断することができる。
【0113】
第2のRSSIが第1のRSSIより大きい場合、第2のRSSIが
図7に示す第1の予め設定された関係式以上であると決定することができ、テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIとターゲットデバイスから端末までの距離との間の関係が第1の関係に属し、第1の関係が、端末内のUWBモジュールがデバイスに正対する場合、デバイスによって反射された電磁波のRSSIとターゲットデバイスから端末までの距離との間の関係を特徴付けるため、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的小さいと決定することができ、例えば、第2の予め設定された角度範囲内であり、例えば、具体的に端末内のUWBモジュールがターゲットデバイスに正対すると決定する。
【0114】
第2のRSSIが第1のRSSIより小さい場合、第2のRSSIが
図7に示す第1の予め設定された関係式以下であると決定することができ、テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIとターゲットデバイスから端末までの距離との間の関係が第2の関係に属し、第2の関係が、端末内のUWBモジュールがデバイスに背向する場合、デバイスによって反射された電磁波のRSSIとターゲットデバイスから端末までの距離との間の関係を特徴付けるため、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的大きいと決定することができ、例えば、第2の予め設定された角度範囲内ではなく、例えば、具体的に端末内のUWBモジュールがターゲットデバイスに背向すると決定する。
【0115】
第2のRSSIが第1のRSSIに等しい場合に対して、必要に応じて上記の2つの場合のうちの1つにまとめることができる。
【0116】
これにより、ターゲットデバイスによって反射された電磁波のRSSIを分析することによってターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的大きいか、または比較的小さいかを決定することができ、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的大きい(第2の予め設定された角度範囲内ではない)場合、ターゲットデバイスを選択すべきデバイスとすることを回避することに有利である。
【0117】
図8は、本開示の実施例に係る別のデバイス決定方法の概略フローチャートである。
図8に示すように、前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するステップは以下のステップS801~803を含む。
【0118】
ステップS801において、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と信号対雑音比SNRとの間の第2の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第2の距離である場合に対応する第1のSNRを決定し、前記第2の関係式が、前記角度が比較的小さい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するSNRと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するSNRとを区別する。
【0119】
ステップS802において、前記ターゲットから前記端末までの距離が第2の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のSNRを決定する。
【0120】
ステップS803において、前記第2のSNRが前記第1のSNRより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0121】
一実施例では、前記方法は、
複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第3の関係を統計して、複数のテスト角度に対応する前記第3の関係を得るステップと、
複数の前記第3の関係に基づいて前記第2の予め設定された関係式を決定し、前記第2の予め設定された関係式が、少なくとも前記角度が比較的小さい前記第3の関係と、前記角度が比較的大きい前記第3の関係とを区別するステップと、をさらに含む。
【0122】
一実施例では、SNRの意味は受信信号の信号対雑音比であり、受信された信号の信号品質を測定する。本開示のシーンでは、端末内の電磁波モジュールは、ターゲットデバイスに電磁波信号を送信し、ターゲットデバイスによって反射された電磁波(例えばUWB信号、パルス信号)を受信することができ、受信された電磁波信号のSNRは、ターゲットデバイスと端末との間の角度、距離などのパラメータに関連する。
【0123】
電磁波モジュールが携帯電話の裏蓋内に設けられていることを例として、電磁波モジュールは携帯電話の背面に向かって外部に電磁波信号を送信することができ、ターゲットデバイスが携帯電話の背面にある場合、ターゲットデバイスによって反射された電磁波信号が電磁波モジュールに直接送信することができるため、強度が比較的高く、端末チップ内部の自動利得調整回路の利得が低下し、ノイズが小さくなるため、SNRは比較的高い。一方、ターゲットデバイスが携帯電話の画面側にある場合、ターゲットデバイスによって反射された電磁波信号は先に画面を通過し、これによってある程度の減衰が生じるため、強度が比較的低く、端末チップ内部の自動利得調整回路の利得が高くなり、ノイズが大きくなり、SNRが比較的低い。
【0124】
また、SNRは、ターゲットデバイスと端末との間の角度だけでなく、ターゲットデバイスと端末との間の距離にも関連する。例えば、ターゲットデバイスと端末との間の距離が大きいほど、信号の減衰が多くなり、SNRが比較的低い。ターゲットデバイスと端末との間の距離が小さいほど、信号の減衰が少なくなり、SNRが比較的高い。
【0125】
そのため、デバイスと端末との間に異なる角度がある場合、SNRとデバイス及び端末との間の距離の関係を決定し、それによって分析することができる。
【0126】
例えば、テストデバイスを対象として、端末とテストデバイスとの間のテスト角度を調整し、各テスト角度で統計テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第3の関係を統計し、複数のテスト角度に対応する第3の関係を得ることができる。
【0127】
決定された複数の第3の関係のうち、第3の関係の一部は端末とテストデバイスとの間の角度が比較的小さく、例えば、第2の予め設定された角度範囲内であり、例えば、端末内の電磁波モジュールがデバイスに正対する(UWBモジュールもデバイスに正対する)場合、デバイスによって反射された電磁波のSNRと距離との間の関係を特徴付けることができる。第3の関係の別の部分は端末とテストデバイスとの間の角度が比較的大きく、例えば、第2の予め設定された角度範囲内ではなく、例えば、端末内の電磁波モジュールがデバイスに背向する(UWBモジュールもデバイスに背向する)場合、デバイスによって反射された電磁波のSNRと距離との間の関係を特徴付けることができる。
【0128】
図9は、本開示の実施例に係る複数の第3の関係の概略図である。
【0129】
例えば、
図9に示すように、横軸が距離であり、単位がセンチメートルであり、縦軸がSNRの振幅であり、単位がdBであり、テスト角度が0°、90°、180°と-90°であることを例とする。
図9から分かるように、角度が比較的小さい場合、例えば、電磁波モジュールとデバイスとの間の角度が0°、-90°である場合の、テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと距離との間の第3の関係と、角度が比較的大きい場合、例えば、電磁波モジュールとデバイスとの間の角度が90°、180°である場合の、テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと距離との間の第3の関係に明らかな差異が存在する。そのため、電磁波モジュールとデバイスとの間の角度が0°、-90°である場合のテストデバイスによって反射された電磁波のSNRと距離との間の第3の関係と、電磁波モジュールとデバイスとの間の角度が90°、180°である場合のテストデバイスによって反射された電磁波のSNRと距離との間の第3の関係に基づいて関係式を決定することができ、例えば、第2の予め設定された関係式と呼ばれ、角度が比較的小さい場合の第3の関係及び角度が比較的大きい場合の前記第3の関係を区別する。
【0130】
例えば、2つの部分の第3の関係間の複数の境界点を決定し、複数の境界点をフィッティングし、得られたフィッティング関数を第2の予め設定された関係式とすることができる。
【0131】
一実施例では、前記第2の予め設定された関係式は、
Z(d)=45-18/400*dを含み、
Z(d)が第1のSNRであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である。
【0132】
図9に示すように、第2の予め設定された関係式は、角度が比較的小さい場合の第3の関係と、角度が比較的大きい場合の第3の関係とを比較的良好に区別することができる。
【0133】
そのため、ターゲットデバイスと端末との間の距離(例えばUWBモジュールから送信されたUWB信号に基づいて決定する)が第2の距離である場合、第2の予め設定された関係式に基づいて第1のSNR及び、ターゲットから端末までの距離が第2の距離である場合、ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のSNR(すなわち、実際に測定して得られたSNR)を計算することができる。さらに第2のSNRが第1のSNRより大きいか否かを判断することができる。
【0134】
第2のSNRが第1のSNRより大きい場合、第2のSNRが
図9に示す第2の予め設定された関係式以上であると決定し、電磁波モジュールとデバイスとの間の角度が0°、-90°である場合に属すると決定することができ、これにより、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的小さく、例えば第2の予め設定された角度範囲内であると決定することができる。
【0135】
第2のSNRが第1のSNRより小さい場合、第2のSNRが
図9に示す第2の予め設定された関係式以下であり、電磁波モジュールとデバイスとの間の角度が90°、180°である場合に属すると決定することができ、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的大きく、例えば第2の予め設定された角度範囲内ではないと決定することができる。
【0136】
第2のSNRが第1のSNRに等しい場合、必要に応じて上記の2つの場合のうちの1つにまとめることができる。
【0137】
これにより、ターゲットデバイスによって反射された電磁波のSNRを分析することによってターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的小さいか、または比較的大きいかを決定することができ、ターゲットデバイスと前記端末との間の角度が比較的大きい(第2の予め設定された角度範囲内ではない)場合、ターゲットデバイスを選択すべきデバイスとすることを回避することに有利である。
【0138】
前記のデバイス決定方法の実施例に対応して、本開示は、デバイス決定装置の実施例をさらに提供する。
【0139】
図10は、本開示の実施例に係るデバイス決定装置の概略ブロック図である。本実施例に示されるデバイス決定装置は、端末に適用されることができ、前記端末は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、センサ、モノのインターネットデバイスなどの通信装置を含むが、これに限定されない。前記端末は、ネットワークデバイスと通信することができ、前記ネットワークデバイスは4G、5G、6Gなどの通信システム中のネットワークデバイス、例えば基地局、コアネットワークなどを含むがこれらに限定されない。
【0140】
一実施例では、前記端末には超広帯域UWBモジュールが設けられることができ、UWBモジュールは、UWB信号を送信することによって位置決め機能を実現することができ、例えば、ターゲットデバイスの第1の方向における第1の到達角AOAと第2の方向における第2のAOAを決定することができる。
【0141】
一実施例では、携帯電話内のUWBモジュールを例として、UWBモジュールは、携帯電話の背面、例えば携帯電話の裏蓋の内部に設けられることができ、携帯電話の裏蓋からUWB信号を外部に送信することができる。UWBモジュールは、1つ以上のアンテナまたはアンテナアレイを含むことができる。ここで、アンテナアレイは、位置決め機能を実現するために、直角をなすように分布している少なくとも3つのアンテナを含むことができる。
【0142】
なお、UWBモジュール内のアンテナまたはアンテナアレイは、携帯電話の裏蓋に設けられてもよく、他の位置に設けられてもよく、例えば多重化された携帯電話のベゼルなど、具体的に、必要に応じて設けられることができる。本開示の実施例は、主に、UWBモジュール内のアンテナまたはアンテナアレイが携帯電話の裏蓋内に設けられる場合を、例示的に説明する。
【0143】
図10に示すように、前記デバイス決定装置は、
前記UWBモジュールを介してターゲットデバイスの第1の方向における第1の到達角AOAと第2の方向における第2のAOAを決定するように構成される角度決定モジュール1001であって、前記第1の方向と前記第2の方向とが垂直である角度決定モジュール1001と、
前記第1のAOAと前記第2のAOAが第1の予め設定された角度範囲内にある場合、端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況を取得するように構成される取得モジュール1002と、
前記端末とターゲットデバイスとの間の信号の状況に基づいて前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成されるデバイス決定モジュール1003と、を含むことができる。
【0144】
一実施例では、前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定し、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がLosである場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成される。
【0145】
一実施例では、前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいて、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波がNLosであるターゲット確率を決定し、前記ターゲット確率が前記確率閾値未満である場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定するように構成される。
【0146】
一実施例では、前記装置は、テストデバイスによって反射された電磁波の第1のパスとメインパスに基づいて、前記テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であると決定し、複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波がNLos伝送またはLos伝送であるという複数回統計された結果に基づいてテスト確率を決定し、各テスト角度において統計して得られたテスト確率に基づいて前記確率閾値を決定するように構成される第1のテストモジュールをさらに含む。
【0147】
一実施例では、前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と距離相関値との間の第1の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第1の距離である場合に対応する第1のRSSIを決定するように構成され、前記第1の関係式は、前記角度が比較的小さい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するRSSIと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するRSSIとを区別する。
【0148】
前記ターゲットから前記端末までの距離が第1の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のRSSIを決定する。
【0149】
前記第2のRSSIが前記第1のRSSIより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0150】
一実施例では、前記装置は、
電磁波モジュールがテストデバイスに正対する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第1の関係、及び電磁波モジュールが前記テストデバイスに背向する場合、前記テストデバイスによって反射された電磁波のRSSIと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第2の関係を統計し、前記第1の関係と前記第2の関係に基づいて前記第1の予め設定された関係式を決定するように構成される第2のテストモジュールであって、前記第1の予め設定された関係式が、少なくとも前記第1の関係と前記第2の関係を区別する第2のテストモジュールをさらに含む。
【0151】
一実施例では、前記第1の予め設定された関係式は、
Y(d)=-98-10*ln((d+100)/2000)を含み、
Y(d)が第1のRSSIであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である。
【0152】
一実施例では、前記取得モジュールは、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離と信号対雑音比SNRとの間の第2の予め設定された関係式に基づいて、前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離が第2の距離である場合に対応する第1のSNRを決定するように構成され、前記第2の関係式が、前記角度が比較的小さい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するSNRと、前記角度が比較的大きい場合の前記ターゲットから前記端末までの距離に対応するSNRとを区別する。
【0153】
前記ターゲットから前記端末までの距離が第2の距離である場合、前記ターゲットデバイスによって反射された電磁波の第2のSNRを決定する。
【0154】
前記第2のSNRが前記第1のSNRより大きい場合、前記ターゲットデバイスが選択すべきデバイスであると決定する。
【0155】
一実施例では、前記装置は、
複数のテスト角度の各テスト角度において、テストデバイスによって反射された電磁波のSNRと前記ターゲットデバイスから前記端末までの距離との間の第3の関係を統計して、複数のテスト角度に対応する前記第3の関係を得て、
複数の前記第3の関係に基づいて前記第2の予め設定された関係式を決定するように構成される第3のテストモジュールであって、前記第2の予め設定された関係式が、少なくとも前記角度が比較的小さい前記第3の関係と、前記角度が比較的大きい前記第3の関係とを区別する第3のテストモジュールをさらに含む。
【0156】
一実施例では、前記第1の予め設定された関係式は、
Z(d)=45-18/400*dを含み、
Z(d)が第1のSNRであり、dがターゲットデバイスから端末までの距離である。
【0157】
上記実施例の装置について、各モジュールが操作を実行する具体的な方式は、関連方法の実施例で詳細に説明したが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0158】
装置の実施例にとっては、基本的に方法の実施例に対応するため、関連する点は、方法の実施例の一部を参照して説明すればよい。上記説明された装置の実施例は単なる概略であり、分離部品として説明されるモジュールは、物理的に分離されてもよく、モジュールとして表示された部品は物理モジュールであってもよく、物理モジュールでなくてもよく、すなわち1つの場所に位置してもよく、または複数のネットワークモジュールに分布してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部または全部のモジュールを選択して本開示の技術案を実現することができる。当業者は、創造的な労働を支払わない場合、理解し且つ実施することができる。
【0159】
本開示の実施例は、電子機器をさらに提案し、前記電子機器は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するためのメモリを含み、前記プロセッサは、上記のいずれかの実施例に記載の方法を実現するように構成される。
【0160】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムが含まれるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提案し、当該プログラムはプロセッサによって実行される場合、上記のいずれかの実施例に記載の方法のステップを実現する。
【0161】
図11は、本開示の実施例に係るデバイス決定のための装置1100の概略ブロック図である。例えば、装置1100は、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージングデバイス、ゲームコンソール、タブレットデバイス、医療機器、フィットネス機器、パーソナルデジタルアシスタントなどの電子機器であってもよい。
【0162】
図11を参照して、装置1100は、処理コンポーネント1102、メモリ1104、電源コンポーネント1106、マルチメディアコンポーネント1108、オーディオコンポーネント1110、入力/出力(I/O)のインターフェース1112、センサコンポーネント1114、および通信コンポーネント1116のうち1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。
【0163】
処理コンポーネント1102は、通常、表示、電話の呼び出し、データ通信、カメラ操作、及び記録操作に関連する操作のような装置1100の全体の操作を制御する。処理コンポーネント1102は、上記方法の全てまたは一部のステップを完成するために、命令を実行するための1つまたは複数のプロセッサ1120を含むことができる。また、他のコンポーネントとのインタラクションを容易にするために、処理コンポーネント1102は、1つ又は複数のモジュールを含むことができる。例えば、処理コンポーネント1102は、マルチメディアコンポーネント1108と処理コンポーネント1102とのインタラクションを容易にするために、マルチメディアモジュールを含むことができる。
【0164】
メモリ1104は、装置1100上の操作をサポートするために、様々なタイプのデータを記憶するように配置される。これらのデータの例は、装置1100で操作するためのあらゆるアプリケーションプログラムまたは方法の命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、画像、ビデオなどを含む。メモリ1104は、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスクなどの任意のタイプの揮発性または不揮発性の記憶装置またはそれらの組み合わせによって実現されてもよい。
【0165】
電源コンポーネント1106は、電源管理システム、1つまたは複数の電源、および他の装置1100のために電力を生成し、管理し、割り当てることに関連するコンポーネントを含むことができる。
【0166】
マルチメディアコンポーネント1108は、前記装置1100とユーザとの間の出力インターフェースを提供するスクリーンに含まれる。いくつかの実施例では、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)とタッチパネル(TP)とを含むことができる。スクリーンがタッチパネルを含む場合、スクリーンは、ユーザからの入力信号を受信するように、タッチスクリーンとして実現されることができる。タッチパネルには、タッチ、スライド、タッチパネルのジェスチャーを感知するように、1つまたは複数のタッチセンサが含まれる。前記タッチセンサは、タッチまたはスライド動作の境界を感知するだけでなく、前記タッチまたはスライド操作に関連する持続時間と圧力を検出することもできる。いくつかの実施例では、マルチメディアコンポーネント1108は、1つのフロントカメラおよび/またはバックカメラを含む。装置1100が撮影モードやビデオモードなどの操作モードにある場合、フロントカメラおよび/またはバックカメラは、外部のマルチメディアデータを受信することができる。各フロントカメラおよびバックカメラは、1つの固定的な光学レンズシステムであってもよく、または焦点距離と光学ズーム能力を備えてもよい。
【0167】
オーディオコンポーネント1110は、オーディオ信号を出力および/または入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント1110は、装置1100が呼び出しモード、記録モード、および音声認識モードのような操作モードにある場合、外部オーディオ信号を受信するように構成されるマイクロフォン(MIC)を含む。受信されたオーディオ信号は、さらにメモリ1104に記憶されてもよく、または通信コンポーネント1116を介して送信されてもよい。いくつかの実施例では、オーディオコンポーネント1110は、オーディオ信号を出力するための1つのスピーカをさらに含む。
【0168】
I/Oインターフェース1112は、処理コンポーネント1102と周辺インターフェースモジュールとの間のインターフェースを提供し、上記の周辺インターフェースモジュールはキーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、音量ボタン、スタートボタン、およびロックボタンを含むことができるが、これらに限定されない。センサコンポーネント1114は、装置1100のために様々な態様の状態評価を提供するために、1つまたは複数のセンサを含む。
【0169】
センサコンポーネント1114は、装置1100のために様々な態様の状態評価を提供するために、1つまたは複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント1114は、装置1100のオン/オフ状態、コンポーネントの相対的な位置決めを検出でき、例えば、前記コンポーネントは装置1100のディスプレイおよびキーパッドであり、センサコンポーネント1114は、装置1100または装置1100のコンポーネントの位置変更、ユーザと装置1100との接触が存在または存在しないか、装置1100の方位または加速/減速および装置1100の温度変化を検出することもできる。センサコンポーネント1114は、任意の物理的接触がない場合、付近の物体の存在を検出するように構成される近接センサを含むこともできる。センサコンポーネント1114は、イメージングアプリケーションに使用されるCMOSまたはCCDイメージセンサのような光センサをさらに含むことができる。いくつかの実施例では、当該センサコンポーネント1114は、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサ、または温度センサをさらに含むことができる。
【0170】
通信コンポーネント1116は、装置1100と他の装置との間の有線または無線方式の通信を容易にするように構成される。装置1100は、通信規格に基づく無線ネットワーク、例えばWiFi、2Gもしくは3G、4G LTE、5G NR、またはこれらの組み合わせにアクセスすることができる。例示的な一実施例では、通信コンポーネント1116は、ブロードキャストチャネルを介して外部ブロードキャスト管理システムからのブロードキャスト信号またはブロードキャスト関連情報を受信する。例示的な実施例では、前記通信コンポーネント1116は、短距離通信を容易にするために、近距離通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールでは、無線周波数認識(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(BT)技術、および他の技術に基づいて実現されてもよい。
【0171】
例示的な実施例では、装置1100は、上記のいずれかの実施例に記載の方法を実行するために、専用集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の電子部品のうち1つまたは複数のアプリケーションによって実現されてもよい。
【0172】
例示的な実施例では、命令を含む非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば、命令を含むメモリ1104をさらに提供し、上記命令は、上記方法を完成するために、装置1100のプロセッサ1120によって実行されてもよい。例えば、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体はROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置であっても良い。
【0173】
当業者は、明細書を検討し、かつ、本明細書で開示された発明を実践した後、本開示の他の実施案を容易に想到し得る。本開示は、本開示の任意の変形、用途または適応的変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途または適応的変化は、本開示の一般原理に従い、本開示で開示されていない本技術分野における技術常識または慣用されている技術手段を含む。明細書および実施例は、単なる例として見なされ、本開示の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって指摘される。
【0174】
なお、本開示は、上記に記載され、図面に示されている厳密な構造に限定されず、その範囲から逸脱しない限り、様々な修正や変更を行うことができる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。