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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20231201BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20231201BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231201BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1368
G09F9/30 308A
G09F9/00 313
G09F9/00 346D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022168041
(22)【出願日】2022-10-20
(62)【分割の表示】P 2021153814の分割
【原出願日】2010-04-01
(65)【公開番号】P2023011686
(43)【公開日】2023-01-24
【審査請求日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】P 2009093392
(32)【優先日】2009-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】石谷 哲二
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-326259(JP,A)
【文献】特開2006-293000(JP,A)
【文献】特開2002-006293(JP,A)
【文献】特開2002-072179(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0012723(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/1368
G09F 9/00 - 9/46
H10K 50/10 - 50/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するパネルと、透光性を有する部材と、を有し、
前記パネルは、第1のトランジスタ及び表示素子を有する表示領域と、第2のトランジスタを有する走査線駆動回路と、を有し、
前記透光性を有する部材は、平面領域と、前記平面領域の両端より延在する第1の曲面領域及び第2の曲面領域と、を有し、
前記パネルは、前記平面領域、前記第1の曲面領域及び前記第2の曲面領域に沿うように前記透光性を有する部材に接着層を用いて固定されており、
前記パネルの表示領域は、前記平面領域に面する領域、前記第1の曲面領域に面する領域及び前記第2の曲面領域に面する領域を有し、
前記パネルの表示領域の周縁は、前記透光性を有する部材の周縁より内側の領域と重なりを有する電子機器。
【請求項2】
請求項1において、FPC前記パネルに電気的に接続される電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液晶表示装置及び液晶表示装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置は、さまざまな場所や用途で用いられており、それによって要求される特
性や形状も多様化している。よって目的にあった機能性を付与された表示装置の開発が進
められている。
【0003】
例えば、より軽量化を図ってプラスチック基板を用いて液晶パネルを形成することが試み
られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】アキヒコ アサノ、トモアツ キノシタ、2002 SID DIGEST、p1196-1199
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、より多様化する用途に対応でき、利便性が向上した液晶表示装置を提供すること
を目的の一とする。また、工程を複雑化させることなく、目的に適した形状を有する液晶
表示装置を作製することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
液晶表示装置の作製工程において、電極層や素子層の作製後、液晶表示装置の形状を成形
し、高機能化を付加する加工を行う。
【0007】
液晶表示装置の形状は、成形する形状を選択することによって自由に決定することができ
る。よって、さまざまな場所や用途に対応した形状に、多様に液晶表示装置を作製するこ
とができ、利便性の高い液晶表示装置を提供することができる。
【0008】
本明細書で開示する発明の構成の一形態は、少なくとも一部が曲折した保持部材と、一対
の可撓性基板間に液晶材料が封入され保持部材に内接する液晶表示パネルとを有する。
【0009】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、一辺に沿った曲折部を有し該曲折部を挟
んで一方に第1面を他方に第2面を有する保持部材と、一対の可撓性基板間に液晶が封入
され保持部材に内接する液晶表示パネルとを有し、保持部材の第1面に第1表示領域及び
保持部材の第2面に第2表示領域が形成される。
【0010】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、曲折部を有し該曲折部を挟んで一方に第
1面を他方に第2面を有する保持部材と、一対の可撓性基板間に液晶材料が封入され保持
部材に内接する液晶表示パネルとを有し、前記液晶表示パネルは連続する第1の表示領域
、第2の表示領域、及び第3の表示領域を有し、第1の表示領域は保持部材の第1面に面
しており、第2の表示領域は保持部材の第2面に面しており、第3の表示領域は該曲折部
に面している。
【0011】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、少なくとも一部が曲折した第1の基板と
、第1の基板とスペーサを介して嵌合する第2の基板と、スペーサにより形成される第1
の基板と第2の基板との空隙に封入された液晶材料とを有する。
【0012】
本明細書で開示する発明の構成の他の一形態は、少なくとも一部が曲折した第1の基板と
、第1の基板とスペーサを介して嵌合する第2の基板と、スペーサにより形成される第1
の基板と第2の基板との空隙に封入された液晶材料とを有し、曲折した部位を挟んだ一方
の面に第1の表示領域が形成され、他方の面に第2の表示領域が形成される。そして曲折
した面に第3の表示領域が形成される。第1の表示領域と第2の表示領域は概ね平面状で
あっても良く、第1の表示領域が形成する平面と第2の領域が形成する平面は概ね垂直で
あっても良い。
【0013】
また、上記構成の液晶表示パネルの作製方法も本発明の一形態に含まれる。
【0014】
上記構成において、液晶表示装置には保護膜を形成してもよい。保護膜は液晶表示パネル
も外側を覆うように形成されてもよいし、第1の基板及び第2の基板と液晶層との間にそ
れぞれ形成してもよい。
【0015】
また、液晶表示装置にはセンサ部を設けてもよい。例えば、視認側となる保持部材にタッ
チセンサ(タッチパネル)などを設けることができる。
【0016】
また、透過型液晶表示装置の場合は、表示領域に照射できるようにバックライトを設けて
もよい。バックライトは液晶表示装置の形状に合わせて曲折部を有すると好ましい。
【0017】
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を
示すものではない。また、本明細書において発明を特定するための事項として固有の名称
を示すものではない。
【0018】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【発明の効果】
【0019】
液晶表示装置の形状は、成形する形状を選択することによって自由に決定することができ
る。よって、さまざまな場所や用途に対応した形状に、多様に液晶表示装置を作製するこ
とができ、利便性の高い液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図2】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図3】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図4】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図5】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図6】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図7】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図8】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図9】液晶表示装置を説明する図。
図10】液晶表示モジュールを説明する図。
図11】液晶表示装置の作製方法を説明する図。
図12】液晶表示モジュールを説明する図。
図13】液晶表示装置に適用できる半導体素子を説明する図。
図14】液晶表示装置に適用した携帯電話機の例を説明する図。
図15】液晶表示装置に適用した携帯電話機の例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下の説明に限定されず、趣
旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者
であれば容易に理解される。従って、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。なお、以下に説明する構成において、同一部分又は同様な機能を有す
る部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
(実施の形態1)
液晶表示装置を、図1乃至図3を用いて説明する。
【0023】
図1乃至図3は液晶表示装置の作製方法を示す断面図である。
【0024】
液晶表示装置は、少なくとも液晶層と、液晶層を挟持する一対の基板と、液晶層に電圧を
印加する電極層とを有している。また、半導体素子が設けられても良く、好適には薄膜ト
ランジスタが用いられる。アクティブマトリクス型の液晶表示装置の場合、各画素ごとに
駆動用の薄膜トランジスタが設けられる。
【0025】
本実施の形態では、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の例を示すが、パッシブマト
リクス型の液晶表示装置にも本実施の形態は適応できる。
【0026】
本実施の形態では、液晶表示装置の作製工程において、電極層や素子層の作製後、液晶表
示装置の形状を成形し、高機能化を付加する加工を行う。
【0027】
作製基板100上に素子層101を形成する(図1(A)参照。)。素子層101は薄膜
トランジスタを含む。次に素子層101を、支持基板102に転置する(図1(B)参照
。)。
【0028】
液晶表示装置の形状の型となる第1の支持体111を用い、第1の支持体111に第1の
基板110を、第1の支持体111の曲面にそって設ける(図1(C)参照。)。第1の
基板110は第1の支持体111に固着されればよく、接着層などで貼り付ければよい。
この工程により、第1の基板110は曲折した領域と平面状の領域を有する形に成形され
る。
【0029】
素子層101と第1の基板110とが対向するように、支持基板102と第1の支持体1
11とを配置し、素子層101を矢印の方向に第1の基板110側に転置する(図1(D
)参照。)。すなわち、支持体111と接触する表面に対して反対側の表面へ、素子層1
01を支持基板102から転置する。
【0030】
作製基板100は、素子層101の作製工程に合わせて作製基板を適宜選択すればよい。
例えば、作製基板100としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック
基板、表面に絶縁層が形成された金属基板などを用いることができる。また、処理温度に
耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0031】
第2の基板120にスペーサ121を形成する(図2(A)参照。)。スペーサ121は
他の作製基板に形成し、第2の基板120に転置してもよい。
【0032】
支持基板102、第1の基板110、第2の基板120は可撓性を有する基板(可撓性基
板)を用いる。しかし、形状を加工され固定された後の第1の基板110及び第2の基板
120は可撓性を有する必要はない。支持基板102、第1の基板110、第2の基板1
20として、アラミド樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリエーテルサ
ルフォン(PES)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリイミド(P
I)樹脂などを用いることができる。
【0033】
次に、スペーサ121が形成されていない面と、少なくとも一部に曲面を有する第2の支
持体123の内側とが対向するように、スペーサ121が設けられた第2の基板120及
び第2の支持体123を配置する(図2(B)参照。)。第2の支持体123はU字状の
形状でも良い。
【0034】
第2の基板120を矢印の方向に第2の支持体123の内側に接着することによって、第
2の支持体123と同様な形状に、スペーサ121を有する第2の基板120が成形され
る(図2(C)参照。)。この工程により、第2の基板120は曲折した領域と平面状の
領域が形成される。
【0035】
素子層101及び第1の基板110が設けられた第1の支持体111と、スペーサ121
及び第2の基板120が設けられた第2の支持体123とを、素子層101とスペーサ1
21とが対向するように配置する(図3(A)参照。)。
【0036】
第1の支持体111及び第2の支持体123を、矢印の方向に嵌合させ(組み合わせ)、
第1の基板110と、第2の基板120とを液晶層125並びに素子層101を挟持して
シール材124によって貼り合わせる(図3(B)参照。)。上記貼り合わせの工程は減
圧下で行ってもよい。
【0037】
シール材124としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂
を用いるのが好ましい。代表的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミン樹脂などを用
いることができる。また、光(代表的には紫外線)重合開始剤、熱硬化剤、フィラー、カ
ップリング剤を含んでもよい。
【0038】
液晶層125は、空隙に液晶材料を封入して形成する。液晶層125は、第1の基板11
0と第2の基板120とを貼り合わせる前に滴下するディスペンサ法(滴下法)を用いて
もよいし、第1の基板110と第2の基板120とを貼り合わせてから毛細管現象を用い
て液晶を注入する注入法を用いることができる。液晶材料としては特に限定はなく、種々
の材料を用いることができる。また、液晶材料としてブルー相を示す材料を用いると配向
膜を不要とすることができる。
【0039】
第1の支持体111及び第2の支持体123を除去し、第1の支持体111及び第2の支
持体123の形状を反映して曲部を有する液晶表示パネル150を作製することができる
図3(C)参照。)。
【0040】
また、本実施の形態では図示しないが、カラーフィルタ(着色層)、ブラックマトリクス
(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適
宜設ける。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源と
してバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
【0041】
第1の基板110及び第2の基板120を、第1の支持体111及び第2の支持体123
によって形状を変化させる際、その形状を固定させるために加熱処理や光照射処理などの
固定処理を行ってもよい。また、加熱処理によって基板の形状を変形させ、変形を保持さ
せたまま冷却することによって、基板の形状を固定させてもよい。
【0042】
素子層101は、直接支持基板102や、第1の基板110に形成してもよい。例えば、
印刷法などを用いて電極層を支持基板102や第1の基板110に直接形成すればよい。
【0043】
本実施の形態のように作製基板100より素子層101を他の基板へ転置する方法は、特
に限定されず種々の方法を用いることができる。例えば作製基板100と素子層101と
の間に剥離層を形成すればよい。
【0044】
剥離層は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、タングステ
ン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、
ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウ
ム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム
(Ir)、珪素(Si)から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は前
記元素を主成分とする化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。珪素を含む
層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。なお、ここでは、塗
布法は、スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法を含む。
【0045】
剥離層が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステ
ンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化
窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンと
モリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステ
ンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
【0046】
剥離層が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又
はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、
モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒
化酸化物を形成する。
【0047】
剥離層として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成
する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁層を形成
することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成
されることを活用してもよい。さらには、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、
酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸
化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ処理や加熱処理は、酸素、窒素、一酸化二
窒素単体、あるいは前記ガスとその他のガスとの混合気体雰囲気下で行ってもよい。これ
は、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様で
あり、タングステンを含む層を形成後、その上層に窒化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸
化珪素層を形成するとよい。
【0048】
なお、他の基板への転置工程は、基板と素子層の間に剥離層を形成し、剥離層と素子層と
の間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して、当該素子層を剥離
する方法、耐熱性の高い基板と素子層の間に水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の
照射またはエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該素子層を剥離する
方法、基板と素子層の間に剥離層を形成し、剥離層と素子層との間に金属酸化膜を設け、
当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、剥離層の一部を溶液やNF、BrF、Cl
等のハロゲンを含むガスによりエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化膜に
おいて剥離する方法、素子層が形成された基板を機械的に削除又は溶液やNF、BrF
、ClF等のハロゲンを含むガスによるエッチングで除去する方法等を適宜用いるこ
とができる。また、剥離層として窒素、酸素や水素等を含む膜(例えば、水素を含む非晶
質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用い、剥離層にレーザ光を照射して
剥離層内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放出させ素子層と基板との剥離を促進
する方法を用いてもよい。
【0049】
上記剥離方法を組み合わすことでより容易に転置工程を行うことができる。つまり、レー
ザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフやメスなどを用い
て素子層の一部を機械的に削除するなど、剥離層と素子層とを剥離しやすい状態にしてか
ら、物理的な力(機械等による)によって剥離を行うこともできる。
【0050】
また、剥離層と素子層との界面に液体を浸透させて基板から素子層を剥離してもよい。
【0051】
液晶表示パネル150の形状は、第1の支持体111及び第2の支持体123の形状を選
択することによって自由に決定することができる。よって、さまざまな場所や用途に対応
した形状に、多様に液晶表示装置を作製することができ、利便性の高い液晶表示装置を提
供することができる。
【0052】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1において、保護膜を有する液晶表示装置の作製方法の例
図4乃至図6に示す。従って、他は実施の形態1と同様に行うことができ、実施の形態
1と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略する。
【0053】
図4乃至図6は液晶表示装置の作製方法を示す断面図である。
【0054】
本実施の形態では、液晶表示装置の作製工程において、電極層や素子層の作製後、液晶表
示装置の形状を成形し、高機能化を付加する加工を行う。また、さらに保護膜を設け、液
晶表示装置の信頼性を向上させる。
【0055】
作製基板100上に素子層101を形成する(図4(A)参照。)。本実施の形態では、
素子層101にスペーサを含んで形成する。素子層101は薄膜トランジスタを含む。次
に素子層101を、支持基板102に転置する(図4(B)参照。)。
【0056】
液晶表示装置の形状の型となる第1の支持体111を用い、第1の支持体111に第1の
基板110を、第1の支持体111の曲面にそって設ける。第1の基板110は第1の支
持体111に固着されればよく、接着層などで貼り付ければよい。
【0057】
第1の支持体111上に固着された第1の基板110上に保護膜103を形成する(図4
(C)参照。)。保護膜103を、第1の支持体111の形状にそって曲げた後の第1の
基板110を覆うように形成する。保護膜103形成後に第1の基板110の形状加工は
行わないので、第1の基板110の形状加工による保護膜103の破損などの不良を防ぐ
ことができる。よって、緻密な保護膜103によって第1の基板110からの水分や他の
不純物などを遮断し、素子層や液晶層の汚染を防ぐ高い効果が得られる。
【0058】
保護膜103と第1の基板110とが、支持基板102と第1の支持体111とに挟まれ
るように支持基板102と第1の支持体111とを配置し、素子層101を矢印の方向に
保護膜103及び第1の基板110側に転置する(図4(D)参照。)。
【0059】
次に、第2の基板120及び少なくとも一部に曲面を有する第2の支持体123を配置す
る(図5(A)参照。)。
【0060】
第2の基板120を矢印の方向に第2の支持体123の内側に接着することによって、第
2の支持体123と同様な形状に、第2の基板120が成形される(図5(B)参照。)
【0061】
第2の支持体123上に固着された第2の基板120上に保護膜122を形成する(図5
(C)参照。)。保護膜122を、第2の支持体123の形状にそって曲げた後の第2の
基板120を覆うように形成する。保護膜122形成後に第2の基板120の形状加工は
行わないので、第2の基板120の形状加工による保護膜122の破損などの不良を防ぐ
ことができる。よって、緻密な保護膜122によって第2の基板120からの水分や他の
不純物などを遮断し、素子層や液晶層の汚染を防ぐ高い効果が得られる。
【0062】
保護膜103及び保護膜122は無機絶縁性材料を用いてスパッタ法により形成すること
ができる。無機絶縁性材料としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニ
ウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウムなどを用いることができる。
【0063】
素子層101、保護膜103及び第1の基板110が設けられた第1の支持体111と、
保護膜122及び第2の基板120が設けられた第2の支持体123とを、素子層101
と保護膜122とが対向するように配置する(図6(A)参照。)。
【0064】
第1の支持体111及び第2の支持体123を、矢印の方向に組み合わせ、素子層101
、保護膜103及び第1の基板110と、保護膜122及び第2の基板120とを液晶層
125を挟持してシール材124によって貼り合わせる(図6(B)参照。)。
【0065】
本実施の形態では素子層101にスペーサを形成する例を示すが、保護膜122上に球状
スペーサを散布してもよい。
【0066】
液晶層125は、第1の基板110と第2の基板120とを貼り合わせる前に滴下するデ
ィスペンサ法(滴下法)を用いてもよいし、第1の基板110と第2の基板120とを貼
り合わせてから毛細管現象を用いて液晶を注入する注入法を用いることができる。
【0067】
第1の支持体111及び第2の支持体123を除去し、第1の支持体111及び第2の支
持体123の形状を反映して曲部を有する液晶表示パネル150を作製することができる
図6(C)参照。)。
【0068】
液晶表示パネル150の形状は、第1の支持体111及び第2の支持体123の形状を選
択することによって自由に決定することができる。よって、さまざまな場所や用途に対応
した形状に、多様に液晶表示装置を作製することができ、利便性の高い液晶表示装置を提
供することができる。
【0069】
また、保護膜を設けることによって、素子層や液晶層への不純物の汚染を防止することが
でき、液晶表示装置の信頼性を向上させることができる。
【0070】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2において、液晶表示装置の作製方法の
他の例を図7及び図8に示す。従って、他は実施の形態1と同様に行うことができ、実施
の形態1と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略する
【0071】
図7及び図8は液晶表示装置の作製方法を示す断面図である。
【0072】
本実施の形態では、液晶表示装置の作製工程において、液晶層を挟持して一対の基板を貼
り合わせた後、液晶表示装置の形状を成形し、高機能化を付加する加工を行う。
【0073】
作製基板100上に素子層101を形成する(図7(A)参照。)。素子層101は薄膜
トランジスタを含む。次に素子層101を、支持基板102に転置する(図7(B)参照
。)。
【0074】
支持基板102より、第1の基板110に素子層101を転置する(図7(C)参照。)
【0075】
第2の基板120にスペーサ121とシール材124を形成する。スペーサ121は他の
作製基板に形成し、第2の基板120に転置してもよい。
【0076】
次に、スペーサ121及びシール材124が形成された面と、素子層101とが対向する
ように、スペーサ121が設けられた第2の基板120及び第1の基板110を配置する
図7(D)参照。)。
【0077】
液晶層125を間に挟持して第1の基板110及び第2の基板120を貼り合わせる(図
7(E)参照。)。以上の工程で、可撓性の液晶表示パネル155が形成される。
【0078】
液晶層125を挟持して対向する第1の基板110及び第2の基板120の構造体である
可撓性の液晶表示パネル155の形状を加工して、屈曲させ、曲部を有する液晶表示パネ
ル150を形成する(図7(F)参照。)。形状の加工は実施の形態1のような支持体1
11や支持体123を用いて行ってもよい。
【0079】
また、透光性の保持部材を用いて該保持部材に液晶表示パネル155を貼り付けて、液晶
表示パネル155の形状を加工、及び固定してもよい。
【0080】
図8(A)は、図7(E)で作製した可撓性の液晶表示パネル155を透光性の保持部材
127に貼り付けて、その形状が曲部を有するように加工し、固定する例である。保持部
材127は、一辺に沿った曲折部を有し該曲折部を挟んで一方に第1面を他方に第2面を
有しており、保持部材127に液晶表示パネル155を内接するように設けることで、保
持部材127の第1面に第1表示領域及び保持部材127の第2面に第2表示領域を形成
することができる。また、第1表示領域と第2表示領域に挟まれた、保持部材127の曲
部面に第3の表示領域が形成される。液晶表示パネル155と保持部材127は、透光性
の接着層を用いて固定してもよい。
【0081】
図7(F)で示す液晶表示パネル150にさらに保護膜を形成してもよい。
【0082】
液晶表示パネル150を覆うように保護膜126を形成する(図8(B)参照。)。
【0083】
保護膜126は、曲部を有する形状に加工された液晶表示パネル150に対して形成する
ので、液晶表示パネル150の形状加工による保護膜126の破損などの形状不良を防ぐ
ことができる。よって、緻密な保護膜126によって外部からの水分や他の不純物などを
遮断し、液晶表示パネル150の汚染を防ぐ高い効果が得られる。
【0084】
保護膜126は無機絶縁性材料を用いてスパッタ法により形成することができる。無機絶
縁性材料としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミ
ニウム、酸化窒化アルミニウムなどを用いることができる。
【0085】
液晶表示パネル150の形状は、保持部材127の形状を選択することによって自由に決
定することができる。よって、さまざまな場所や用途に対応した形状に、多様に液晶表示
装置を作製することができ、利便性の高い液晶表示装置を提供することができる。
【0086】
また、保護膜を設けることによって、素子層や液晶層への不純物の汚染を防止することが
でき、液晶表示装置の信頼性を向上させることができる。
【0087】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至3において、他の光学系部材を有する液晶表示装置
の例を図9に示す。従って、他は実施の形態1乃至3と同様に行うことができ、実施の形
態1乃至3と同一部分又は同様な機能を有する部分、及び工程の繰り返しの説明は省略す
る。
【0088】
実施の形態1乃至3に示す液晶表示装置に、光学系部材を設置することができる。光学系
部材としては、バックライト、サイドライトなどの光源、光学フィルム(偏光フィルム、
位相差フィルム、反射防止フィルムなど)を用いることができる。
【0089】
光学フィルムは、第1のフィルム及び第2のフィルムの外側(液晶層と反対側)に設けて
もよいし、内側(液晶層との間)に設けてもよい。
【0090】
バックライトの光源として冷陰極管や発光ダイオード(LED)などを用いることができ
る。複数のLED光源、または複数のエレクトロルミネセンス(EL)光源などを用いて
面光源を構成してもよい。面光源として、3種類以上のLEDを用いてもよいし、白色発
光のLEDを用いてもよい。
【0091】
図9(A)(B)に、バックライトを備えた液晶表示装置の例を示す。なお実施の形態1
乃至3で示した液晶表示パネル150を液晶表示装置ともいう。バックライトは第1の基
板110の曲折した領域と平面状の領域によって形成された凹部に配置される。
【0092】
図9(A)はバックライト130を備えた液晶表示パネル150であり、バックライト1
30は光源として冷陰極管131aを有する。冷陰極管131aは、筐体132に配置さ
れ、液晶表示パネルの形状に沿うように曲部を有している。
【0093】
図9(B)もバックライト130を備えた液晶表示パネル150であり、バックライト1
30は光源としてLED131bを有する。LED131bは、筐体132に配置され、
液晶表示パネルの形状に沿うように曲部を有している。
【0094】
図9(A)(B)のバックライト130において、導光部材(部品)を備えてもよく、拡
散部材(フィルム)、反射部材(フィルム)などを設けてもよい。筐体132は、光源か
らの光を透過する領域に透光部を有する。
【0095】
本実施の形態に示すように、曲部を有する液晶表示装置の形状に合わせて、光学部材の形
状も曲部を有するように成形、及び配置される。
【0096】
液晶表示装置の形状は、成形する形状を選択することによって自由に決定することができ
る。よって、さまざまな場所や用途に対応した形状に、多様に液晶表示装置を作製するこ
とができ、利便性の高い液晶表示装置を提供することができる。
【0097】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1乃至4において、大型の基板に複数の液晶表示装置の素
子層を作製する例(所謂多面取り)、を図11に示す。従って、他は実施の形態1乃至4
と同様に行うことができ、実施の形態1乃至4と同一部分又は同様な機能を有する部分、
及び工程の繰り返しの説明は省略する。
【0098】
上記実施の形態において、作製基板100上に素子層101を形成し、作製基板100か
ら可撓性基板である支持基板102へ素子層101を転置する。
【0099】
大型の作製基板より、複数の素子層を支持基板へ転置する方法を図11に示す。図11
A2)(B2)(C2)は平面図であり、図11(A1)(B1)(C1)は、図11
A2)(B2)(C2)それぞれにおける線X-Yの断面図である。
【0100】
大型の作製基板180に、素子層101a、101b、101cを形成する(図11(A
1)(A2)参照。)。
【0101】
支持基板182を素子層101a、101b、101cと対向して配置し、作製基板18
0より矢印の方向へ素子層101a、101b、101cを支持基板182へ転置する(
図11(B1)(B2)参照。)。
【0102】
支持基板182を各素子層101a、素子層101b、素子層101cごとに支持基板1
02a、支持基板102b、支持基板102cに分断する(図11(C1)(C2)参照
。)。分断手段としては物理的に分断することができれば特に限定はなく、ダイサー、ス
クライバー等を用いてもよいし、レーザ光を照射することによって分断してもよい。
【0103】
各パネル毎に支持基板102(102a、102b、102c)上に形成された素子層1
01(101a、101b、101c)をそれぞれ用いて液晶表示装置を作製する。後の
工程は、実施の形態1乃至4と同様に行えばよい。
【0104】
このように、大型基板を用いて一度に複数の液晶表示装置に用いることのできる素子層の
転置工程を行うと、生産性を向上させることができる。
(実施の形態6)
本明細書に開示する発明は、パッシブマトリクス型の液晶表示装置でもアクティブマトリ
クス型の液晶表示装置にも適用することができる。
【0105】
薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用いて表
示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。また、薄膜トランジスタを駆動回
路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成す
ることができる。
【0106】
液晶表示装置は表示素子として液晶素子(液晶表示素子ともいう)を含む。
【0107】
また、液晶表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントロ
ーラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。本実施の形態では、液晶表
示装置のモジュールを図10及び図12に示す。
【0108】
なお、本明細書中における液晶表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしく
は光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible
printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated B
onding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が
取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモ
ジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集
積回路)が直接実装されたモジュールも全て液晶表示装置に含むものとする。
【0109】
液晶表示装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図10及び図
12を用いて説明する。図10及び図12は、液晶表示パネル4000にFPC4018
が取り付けられた液晶表示モジュールの例であり、第1の基板4001上に形成された薄
膜トランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、第2の基板4006との
間にシール材4005によって封止している。図10(A)(B)は液晶表示モジュール
の斜視図、図12は、図10(A)のM-Nにおける断面図に相当する。
【0110】
また、図10(B)の液晶表示モジュールは、透光性の保持部材4040に液晶表示パネ
ル4000を固定する例である。液晶表示パネル4000は透光性の保持部材4040に
内接して設けられている。
【0111】
図10(A)(B)に示すように、表示領域として機能する画素部4002は、側面と底
面を有するように曲折する液晶表示パネルの側面及び底面に連続的に設けられており、底
面に第1の表示領域、側面に第2の表示領域を設けることができる。
【0112】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲む
ようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回
路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査
線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006
とによって、液晶層4008と共に封止されている。
【0113】
また、シール材によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単
結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003はTAB方法によ
って実装されている。
【0114】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4
002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0115】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、
ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。
【0116】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、
薄膜トランジスタを複数有しており、図12では、画素部4002に含まれる薄膜トラン
ジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ4011とを例
示している。薄膜トランジスタ4010、4011上には絶縁層4020、4021が設
けられている。なお、絶縁膜4023は下地膜として機能する絶縁膜である。
【0117】
薄膜トランジスタ4010、4011は、特に限定されず様々な薄膜トランジスタを適用
することができる。図12では、薄膜トランジスタ4010、4011として、ボトムゲ
ート構造の逆スタガ薄膜トランジスタを用いる例を示す。薄膜トランジスタ4010、4
011はチャネルエッチ型を示すが、半導体層上にチャネル保護膜を設けたチャネル保護
型の逆スタガ薄膜トランジスタを用いてもよい。
【0118】
また、第1の基板4001上に画素電極層4030が設けられ、画素電極層4030は、
薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。液晶素子4013は、画素電極層
4030、対向電極層4031、及び液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟
持するように配向膜として機能する絶縁膜4032、4033が設けられている。対向電
極層4031は第2の基板4006側に設けられ、画素電極層4030と対向電極層40
31とは液晶層4008を介して積層する構成となっている。
【0119】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性を有するプラスチック
などを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass-R
einforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィル
ム、ポリエステルフィルム、またはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、
アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用
いることもできる。
【0120】
また4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、
液晶層4008の膜厚(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のス
ペーサを用いていても良い。
【0121】
なお図12は透過型液晶表示装置の例であるが、半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0122】
また、図12の液晶表示装置では、基板の外側に偏光フィルム4040a、4040bを
設ける例を示すが、偏光フィルムは基板の内側に設けてもよい。偏光フィルムの材料や作
製工程条件によって適宜設定すればよい。また、ブラックマトリクスとして機能する遮光
層を設けてもよい。
【0123】
絶縁層4020は薄膜トランジスタの保護膜として機能する。
【0124】
なお、保護膜(絶縁層4020)は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚
染不純物の侵入を防ぐためのものであり、緻密な膜が好ましい。保護膜(絶縁層4020
)は、スパッタ法を用いて、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜
、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、又は窒化酸化ア
ルミニウム膜の単層、又は積層で形成すればよい。
【0125】
また、平坦化絶縁膜として機能する絶縁層4021は、ポリイミド、アクリル樹脂、ベン
ゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いる
ことができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low-k材料)、シロキサン
系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる
。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層を形成しても
よい。
【0126】
絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、スピンコ
ート法、ディッピング法、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印
刷、オフセット印刷等)、ロールコーティング、カーテンコーティング、ナイフコーティ
ング等を用いることができる。絶縁層4021を材料液を用いて形成する場合、ベークす
る工程で同時に、半導体層のアニール(200℃~400℃)を行ってもよい。絶縁層の
焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく液晶表示装置を作製することが可
能となる。
【0127】
本明細書において、液晶表示装置は光源の光を透過することによって表示を行う透過型の
液晶表示装置(又は半透過型の液晶表示装置)の場合、少なくとも画素領域において光を
透過させる必要がある。よって光が透過する画素領域に存在する基板、他絶縁膜、導電膜
などの薄膜はすべて可視光の波長領域の光に対して透光性とする。
【0128】
液晶層に電圧を印加する電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などという)にお
いては、電極層が設けられる場所、及び電極層のパターン構造によって透光性、反射性を
選択すればよい。
【0129】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物
、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、
酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、
インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する
導電性材料を用いることができる。
【0130】
また、画素電極層4030、対向電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(M
o)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)
、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(
Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又は
その合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる
【0131】
また、画素電極層4030、対向電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマー
ともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、
いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリンまたは
その誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しく
はこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0132】
また、薄膜トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、ゲート線またはソース
線に対して、駆動回路保護用の保護回路を同一基板上に設けることが好ましい。保護回路
は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0133】
図12では、接続端子電極4015が、画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、
端子電極4016は、薄膜トランジスタ4010、4011のソース電極層及びドレイン
電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0134】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介し
て電気的に接続されている。
【0135】
また図10(A)(B)においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、FPC40
18に実装する例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成
して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形
成して実装しても良い。
【0136】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0137】
(実施の形態7)
本明細書で開示する液晶表示装置が有する薄膜トランジスタは特に限定されない。よって
薄膜トランジスタの構造や用いる半導体材料は種々の用いることができる。
【0138】
薄膜トランジスタの構造の例を、図13を用いて説明する。図13は、実施の形態6にお
ける薄膜トランジスタ4010に用いることのできる薄膜トランジスタの例であり、図1
3は図12と対応している。
【0139】
図13(A)乃至(D)において、第1の基板4001上に絶縁膜4023が形成され、
絶縁膜4023上に薄膜トランジスタ4010a、410b、4010c、4010dが
設けられている。薄膜トランジスタ4010a、410b、4010c、4010d上に
絶縁層4020、絶縁層4021が形成され、薄膜トランジスタ4010a、410b、
4010c、4010dと電気的に接続する画素電極層4030が設けられている。
【0140】
薄膜トランジスタ4010aは、図12における薄膜トランジスタ4010において、ソ
ース電極層及びドレイン電極層として機能する配線層405a、405bと半導体層40
3とがn+層を介さずに接する構成である。
【0141】
薄膜トランジスタ4010aは逆スタガ型の薄膜トランジスタであり、絶縁表面を有する
基板である第1の基板4001、絶縁膜4023上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁
層402、半導体層403、ソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層40
5a、405bを含む。
【0142】
薄膜トランジスタ4010bはボトムゲート型の薄膜トランジスタであり、絶縁表面を有
する基板である第1の基板4001、絶縁膜4023上に、ゲート電極層401、ゲート
絶縁層402、ソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線層405a、405
b、ソース領域又はドレイン領域として機能するn層404a、404b、及び半導体
層403を含む。また、薄膜トランジスタ4010bを覆い、半導体層403に接する絶
縁膜407が設けられている。n層404a、404bは、半導体層403より低抵抗
な半導体層である。
【0143】
なお、n層404a、404bを、ゲート絶縁層402と配線層405a、405bの
間に設ける構造としてもよい。また、n層をゲート絶縁層及び配線層の間と、配線層と
半導体層の間と両方に設ける構造としてもよい。
【0144】
薄膜トランジスタ4010bは、薄膜トランジスタ4010bを含む領域全てにおいてゲ
ート絶縁層402が存在し、ゲート絶縁層402と絶縁表面を有する基板である第1の基
板4001の間にゲート電極層401が設けられている。ゲート絶縁層402上には配線
層405a、405b、及びn層404a、404bが設けられている。そして、ゲー
ト絶縁層402、配線層405a、405b、及びn層404a、404b上に半導体
層403が設けられている。また、図示しないが、ゲート絶縁層402上には配線層40
5a、405bに加えて配線層を有し、該配線層は半導体層403の外周部より外側に延
在している。
【0145】
薄膜トランジスタ4010cは、薄膜トランジスタ4010bにおいて、ソース電極層及
びドレイン電極層と半導体層とが、n層を介さずに接する構成である。
【0146】
薄膜トランジスタ4010cは、薄膜トランジスタ4010cを含む領域全てにおいてゲ
ート絶縁層402が存在し、ゲート絶縁層402と絶縁表面を有する基板である第1の基
板4001の間にゲート電極層401が設けられている。ゲート絶縁層402上には配線
層405a、405bが設けられている。そして、ゲート絶縁層402、配線層405a
、405b上に半導体層403が設けられている。また、図示しないが、ゲート絶縁層4
02上には配線層405a、405bに加えて配線層を有し、該配線層は半導体層403
の外周部より外側に延在している。
【0147】
薄膜トランジスタ4010dは、トップゲート型の薄膜トランジスタである。薄膜トラン
ジスタ4010dはプラナー型の薄膜トランジスタの例である。絶縁表面を有する基板で
ある第1の基板4001、絶縁膜4023上に、ソース領域又はドレイン領域として機能
するn層404a、404bを含む半導体層403、半導体層403上にゲート絶縁層
402が形成され、ゲート絶縁層402上にゲート電極層401が形成されている。また
層404a、404bと接してソース電極層又はドレイン電極層として機能する配線
層405a、405bが形成されている。n層404a、404bは、半導体層403
より低抵抗な半導体領域である。
【0148】
薄膜トランジスタとしてトップゲート型の順スタガ薄膜トランジスタを用いてもよい。
【0149】
本実施の形態では、シングルゲート構造を説明したが、ダブルゲート構造などのマルチゲ
ート構造でもよい。この場合、半導体層の上方及び下方にゲート電極層を設ける構造でも
良く、半導体層の片側(上方又は下方)にのみ複数ゲート電極層を設ける構造でもよい。
【0150】
半導体層に用いられる半導体材料は特に限定されない。薄膜トランジスタの半導体層に用
いることのできる材料の例を説明する。
【0151】
半導体素子が有する半導体層を形成する材料は、シランやゲルマンに代表される半導体材
料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法で作製される非晶質(アモルファス、以下
「AS」ともいう。)半導体、該非晶質半導体を光エネルギーや熱エネルギーを利用して
結晶化させた多結晶半導体、或いは微結晶(セミアモルファス若しくはマイクロクリスタ
ルとも呼ばれる。以下「SAS」ともいう。)半導体などを用いることができる。半導体
層はスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により成膜することができる
【0152】
微結晶半導体膜は、ギブスの自由エネルギーを考慮すれば非晶質と単結晶の中間的な準安
定状態に属するものである。すなわち、熱力学的に安定な第3の状態を有する半導体であ
って、短距離秩序を持ち格子歪みを有する。柱状または針状結晶が基板表面に対して法線
方向に成長している。微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンは、そのラマンスペク
トルが単結晶シリコンを示す520cm-1よりも低波数側に、シフトしている。即ち、
単結晶シリコンを示す520cm-1とアモルファスシリコンを示す480cm-1の間
に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボ
ンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませて
いる。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格
子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体膜が得られる。
【0153】
この微結晶半導体膜は、周波数が数十MHz~数百MHzの高周波プラズマCVD法、ま
たは周波数が1GHz以上のマイクロ波プラズマCVD装置により形成することができる
。代表的には、SiH、Si、SiHCl、SiHClなどの水素化珪素
や、SiCl、SiFなどのハロゲン化珪素を水素で希釈して形成することができる
。また、水素化珪素及び水素に加え、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ば
れた一種または複数種の希ガス元素で希釈して微結晶半導体膜を形成することができる。
これらのときの水素化珪素に対して水素の流量比を5倍以上200倍以下、好ましくは5
0倍以上150倍以下、更に好ましくは100倍とする。
【0154】
アモルファス半導体としては、代表的には水素化アモルファスシリコン、結晶性半導体と
しては代表的にはポリシリコンなどがあげられる。ポリシリコン(多結晶シリコン)には
、800℃以上のプロセス温度を経て形成されるポリシリコンを主材料として用いた所謂
高温ポリシリコンや、600℃以下のプロセス温度で形成されるポリシリコンを主材料と
して用いた所謂低温ポリシリコン、また結晶化を促進する元素などを用いて、非晶質シリ
コンを結晶化させたポリシリコンなどを含んでいる。もちろん、前述したように、微結晶
半導体又は半導体層の一部に結晶相を含む半導体を用いることもできる。
【0155】
また、半導体の材料としてはシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの単体のほか
GaAs、InP、SiC、ZnSe、GaN、SiGeなどのような化合物半導体も用
いることができる。
【0156】
半導体層に、結晶性半導体膜を用いる場合、その結晶性半導体膜の作製方法は、種々の方
法(レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた
熱結晶化法等)を用いれば良い。また、SASである微結晶半導体をレーザ照射して結晶
化し、結晶性を高めることもできる。結晶化を助長する元素を導入しない場合は、非晶質
半導体膜にレーザ光を照射する前に、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによっ
て非晶質半導体膜の含有水素濃度を1×1020atoms/cm以下にまで放出させ
る。これは水素を多く含んだ非晶質半導体膜にレーザ光を照射すると非晶質半導体膜が破
壊されてしまうからである。
【0157】
結晶化を助長(促進)する元素を用いて非晶質半導体膜を結晶化させる場合、結晶化を助
長する元素としては、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(
Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(I
r)、白金(Pt)、銅(Cu)及び金(Au)などの金属元素から選ばれた一種又は複
数種を用いることができる。非晶質半導体膜への金属元素の導入の仕方としては、当該金
属元素を非晶質半導体膜の表面又はその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく
、例えばスパッタ法、CVD法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、
金属塩の溶液を塗布する方法を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便
であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質
半導体膜の表面の濡れ性を改善し、非晶質半導体膜の表面全体に金属塩の溶液を行き渡ら
せるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン
水又は過酸化水素による処理等により、非晶質半導体膜の表面に酸化膜を成膜することが
望ましい。
【0158】
また、結晶化を促進する元素を用いて結晶化する場合、熱処理(550℃~750℃で3
分~24時間)を行ってもよい。
【0159】
結晶化を助長する元素を結晶性半導体膜から除去、又は低減するため、結晶性半導体膜に
接して、不純物元素を含む半導体膜を形成し、ゲッタリングシンクとして機能させる。不
純物元素としては、n型を付与する不純物元素、p型を付与する不純物元素や希ガス元素
などを用いることができ、例えばリン(P)、窒素(N)、ヒ素(As)、アンチモン(
Sb)、ビスマス(Bi)、ボロン(B)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴ
ン(Ar)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)から選ばれた一種または複数種を用
いることができる。結晶化を促進する元素を含む結晶性半導体膜に、希ガス元素を含む半
導体膜を形成し、熱処理(550℃~750℃で3分~24時間)を行う。結晶性半導体
膜中に含まれる結晶化を促進する元素は、希ガス元素を含む半導体膜中に移動し、結晶性
半導体膜中の結晶化を促進する元素は除去、又は軽減される。その後、ゲッタリングシン
クとなった希ガス元素を含む半導体膜を除去する。
【0160】
非晶質半導体膜の結晶化は、熱処理とレーザ光照射による結晶化を組み合わせてもよく、
熱処理やレーザ光照射を単独で、複数回行っても良い。
【0161】
また、結晶性半導体膜を、直接基板にプラズマ法により形成しても良い。また、プラズマ
法を用いて、結晶性半導体膜を選択的に基板に形成してもよい。
【0162】
また半導体層に、酸化物半導体を用いてもよい。例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ
(SnO)なども用いることができる。ZnOを半導体層に用いる場合、ゲート絶縁層
をY、Al、TiO、それらの積層などを用い、ゲート電極層、ソース電
極層、ドレイン電極層としては、ITO、Au、Tiなどを用いることができる。また、
ZnOにInやGaなどを添加することもできる。
【0163】
酸化物半導体としてInMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を用いることが
できる。なお、Mは、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(M
n)及びコバルト(Co)から選ばれた一の金属元素又は複数の金属元素を示す。例えば
Mとして、Gaの場合があることの他、GaとNi又はGaとFeなど、Ga以外の上記
金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体において、不純物元素として他
の遷移金属、又は遷移金属の酸化物が含まれているものがある。例えば、酸化物半導体層
としてIn-Ga-Zn-O系非単結晶膜を用いることができる。
【0164】
In-Ga-Zn-O系非単結晶膜のかわりに、Mを他の金属元素とする酸化物半導体層
(InMO(ZnO)(m>0))膜を用いてもよい。
【0165】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0166】
(実施の形態8)
本明細書に開示する液晶表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用するこ
とができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョ
ン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカ
メラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯
型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げら
れる。
【0167】
本実施の形態では、本明細書に開示する液晶表示装置を携帯電話機に適用する例を図14
及び図15に示す。
【0168】
図14(C)は、携帯電話機を正面から見た図、図14(D)は携帯電話機を横から見た
図、図14(B)は携帯電話機を縦から見た図、筐体は筐体1411a、1411bから
なり、筐体1411a、1411bの少なくとも表示領域となる領域は透光性の保持部材
である。図14(A)は、筐体1411a及び筐体1411b内の断面図である。筐体1
411aの正面から見た形状は、長い辺と短い辺を有する矩形であり、矩形の角は丸まっ
ていてもよい。本実施の形態では、正面形状である矩形の長い辺と平行な方向を長手方向
と呼び、短い辺と平行な方向を短手方向と呼ぶ。
【0169】
また、筐体1411a、1411bの側面から見た形状も、長い辺と短い辺を有する矩形
であり、矩形の角は丸まっていてもよい。本実施の形態では、側面形状である矩形の長い
辺と平行な方向は長手方向であり、短い辺と平行な方向を奥行方向と呼ぶ。
【0170】
図14(A)~図14(D)で示される携帯電話機は、表示領域1413、操作ボタン1
404、タッチパネル1423を有し、筐体1411a、1411b内に、液晶表示パネ
ル1421、バックライト1424、配線基板1425を含んでいる。タッチパネル14
23は必要に応じて設ければよい。
【0171】
液晶表示パネル1421は実施の形態1乃至7で説明した液晶表示パネル及び液晶表示モ
ジュールを用いればよい。
【0172】
図14(B)(C)に示されるように、液晶表示パネル1421は、筐体1411aの形
状にそって視認側正面領域のみでなく、上面領域及び下面領域の一部も覆うように配置さ
れている。よって携帯電話機の長手方向の上部にも表示領域1413と連続する表示領域
1427を形成することができる。すなわち、携帯電話機の上面にも表示領域1427が
存在している。これにより、例えば携帯電話機を胸ポケットに入れていたとしても、取り
出すことなく表示領域1427を見ることができる。
【0173】
表示領域1413、1427には、メールの有無、着信の有無、日時、電話番号、人名等
が表示できればよい。また必要に応じて、表示領域1427のみ表示し、その他の領域は
表示しないことにより、省エネルギー化を図ることができる。
【0174】
図14(D)の断面図を図15に示す。図15に示すように、筐体1411aに内接して
上面から正面、下面にわたり連続的に液晶表示パネル1421が設けられており、液晶表
示パネル1421の裏側にバックライト1424、液晶表示パネル1421と電気的に接
続する配線基板1425、バッテリー1426が配置されている。また筐体1411aに
外接して視認側にタッチパネル1423が配置されている。
【0175】
本実施の形態の携帯電話機は、縦に置いても横に置いても画像や文字を表示させることが
できる。
【0176】
液晶表示パネル1421を正面領域と上面領域で別々に作製するのではなく、正面の表示
領域1413と上面の表示領域1427の両方に存在するように作製するので、作製コス
トや作製時間を抑制することができる。
【0177】
筐体1411a上には、タッチパネル1423が配置されており、表示領域1413には
タッチパネルのボタン1414が表示される。ボタン1414を指などで接触することに
より、表示領域1413の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、あるい
はメールの作成は、表示領域1413のボタン1414を指などで接触することにより行
うことができる。
【0178】
タッチパネル1423のボタン1414は、必要なときに表示させればよく、ボタン14
14が必要ないときは、表示領域1413全体に画像や文字を表示させることができる。
【0179】
また、携帯電話機の断面形状において上部の長辺も曲率半径を有していてもよい。断面形
状を上部の長辺に曲率半径を有するように形成すると液晶表示パネル1421及びタッチ
パネル1423もそれぞれの断面形状において、上部の長辺に曲率半径が生じる。また筐
体1411aも湾曲する形状となる。すなわち、表示領域1413を正面から見た場合、
手前に向かって丸く突き出していることになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15