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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20231201BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022509836
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2020013046
(87)【国際公開番号】W WO2021192043
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷹巣 浩二郎
(72)【発明者】
【氏名】桑原 真人
(72)【発明者】
【氏名】萩原 正己
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/054876(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/054171(WO,A1)
【文献】特開2020-170213(JP,A)
【文献】特開2018-190103(JP,A)
【文献】特開2018-160051(JP,A)
【文献】特開2019-180226(JP,A)
【文献】窪野 薫,台湾EVベンチャーが電池システムを外販、クルマ・建機・船へ,[online],2019年05月23日,[2020年9月3日検索], インターネット<URL:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/02189/?ST=nxt_thmdm_5G>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを共用可能な電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの利用計画情報を作成する情報処理装置であって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間又は前記各工程に要する電力量と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数と、前記バッテリの充電の時期とを含むバッテリの利用計画情報を作成する作成手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、前記利用計画情報に基づいて、前記利用計画情報に即した充電器の予測数を決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、必要なバッテリ数の時間的な推移を示す情報をさらに作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリを用いることができるか判定し、できない場合には、前記着目工程では新たなバッテリを用いるとして前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、前記着目工程で用いる新たなバッテリの数の前記一連の作業にわたる総数を、必要な前記バッテリの数として前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリをそのまま用いても当該着目工程を完了できるか判定し、完了できる場合には、前記着目工程では前記使いかけバッテリをそのまま用いるとして前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリを用いることができ、かつ、当該バッテリの充電を前記着目工程までに完了できるか判定し、完了できる場合には、前記先行する工程の完了時に前記使いかけバッテリの再充電を開始し、かつ、前記着目工程では、前記再充電されたバッテリを用いるとして前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記入力手段は、必要なバッテリの数を少なくするバッテリ数優先か、或いはバッテリ交換の回数を少なくする効率優先か、いずれを優先するかの優先設定をさらに受け付け、
前記作成手段は、前記優先設定に応じて、バッテリ数優先の場合には、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリをそのまま用い、効率優先の場合には、前記着目工程で用いるバッテリとして、充電済みバッテリを用いるとして前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
バッテリを共用する電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの貸し出し料金を見積もる情報処理装置であって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間と、前記バッテリの貸し出し単価とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間又は前記各工程に要する電力量と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数を決定し、前記バッテリの数と前記貸し出し単価とに基づいて、前記貸し出し料金の見積もり情報を作成する作成手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置であって、
前記入力手段は、必要なバッテリの数を少なくするバッテリ数優先か、或いはバッテリ交換の回数を少なくする効率優先か、いずれを優先するかの優先設定をさらに受け付け、
前記作成手段は、前記優先設定に応じて、バッテリ数優先の場合には、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリをそのまま用い、効率優先の場合には、前記着目工程で用いるバッテリとして、充電済みバッテリを用いるとして利用計画情報を作成し、前記利用計画情報に基づいて、貸し出し料金の見積もり情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段はさらに、前記貸し出し料金に、前記利用計画情報の提供の対価を加算して前記見積もり情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
バッテリを共用する電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの利用計画情報を作成するためのコンピュータプログラムであって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数と、前記バッテリの充電の時期とを含むバッテリの利用計画情報を作成する作成手段と
してコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
バッテリを共用する電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの貸し出し料金を見積もるためのコンピュータプログラムであって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間と、前記バッテリの貸し出し単価とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間又は前記各工程に要する電力量と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数を決定し、前記バッテリの数前記貸し出し単価とに基づいて、前記貸し出し料金の見積もり情報を作成する作成手段と
してコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設業や造園業、製造業などにおいては、複数種類の作業機による連携した作業現場が存在する(例えば特許文献1参照)。またバッテリ性能の向上に合わせて、騒音や排出物などの環境への付加が小さい電動の作業機が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2015/065251A1
【文献】EP2857587B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電動の作業機は通常、作業機の種類ごとに使用するバッテリ(すなわち電池)の形状や仕様が異なり、同種の作業機の間に限ってバッテリを共有できる。このため、バッテリ利用を効率化する試みは従来されてこなかった。
【0005】
さらに、作業機の種類によらずバッテリを共通化することで、異機種の作業機間でバッテリを共有でき、バッテリの一層効率的に利用可能になることが期待できる。
【0006】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、電動の作業機を用いた作業予定に基づいて、効率的なバッテリの利用計画を提供することを目的とする。さらに、その利用計画に基づいてバッテリをレンタルした場合の予算の見積もりを高精度に行うことを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、第一の側面によれば、バッテリを共用可能な電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの利用計画情報を作成する情報処理装置であって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間又は前記各工程に要する電力量と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数と、前記バッテリの充電の時期とを含むバッテリの利用計画情報を作成する作成手段と
を有することを特徴とする情報処理装置が提供される。
【0008】
また第二の側面によれば、バッテリを共用可能な電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの貸し出し料金を見積もる情報処理装置であって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間と、前記バッテリの貸し出し単価とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間又は前記各工程に要する電力量と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数を決定し、前記バッテリの数と前記貸し出し単価とに基づいて、前記貸し出し料金の見積もり情報を作成する作成手段と
を有することを特徴とする情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電動の作業機を用いた作業予定に基づいて、効率的なバッテリの利用計画を提供できる。さらに、その利用計画に基づいてバッテリをレンタルした場合の予算の見積もりを高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】実施形態に係るバッテリのレンタルシステムの概略を示す図。
図1B】実施形態に係る作業機の例を示す図。
図1C】実施形態に係る作業機の構成例を示す図。
図2】実施形態に係るバッテリの利用計画決定のための情報処理装置の一例を示すブロック図。
図3】実施形態に係るバッテリの利用計画決定の手順のフローチャート。
図4】実施形態に係るバッテリの利用計画決定の手順のフローチャート。
図5】実施形態に係るバッテリの利用計画決定の手順のフローチャート。
図6A】実施形態に係るバッテリ利用計画情報の一例を示す図。
図6B】実施形態に係るバッテリ利用計画情報の一例を示す図。
図7】実施形態に係る対価の見積もり又は課金の手順のフローチャート。
図8】実施形態の変形例に係る、実情と計画との乖離を警告する手順のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
(第1実施形態)
●システムの概略
本実施形態では、建設業を例として説明する。図1Aにそのビジネスモデルの一例を示す。建設業者は電動の作業機の駆動に必要なバッテリや、必要に応じて充電器をレンタル業者からレンタルする。ここで作業機に使用されるバッテリ(すなわち電池)は同じ形態かつ同じ仕様であり、複数種類の作業機で共用できる。レンタル時に、建設業者はレンタルの予算の見積もりをレンタル業者に依頼するが、バッテリの見積もりについては、レンタル業者からサービス提供業者に再依頼される。サービス提供業者は依頼に応じてバッテリの利用計画(あるいは利用スケジュール)を作成し、作成した利用計画及び見積もった予算をレンタル業者に提供する。レンタル業者はそのバッテリ利用計画と見積金額とを建設業者に提案する。それらサービスの対価として、建設業者はレンタル業者にレンタル料を支払い、レンタル業者はサービス提供業者にサービスの対価を例えば月額の利用料として支払う。サービス提供者が提供する情報処理装置をレンタル業者が購入あるいは貸与されることで、バッテリの利用計画および見積もりの作成をレンタル業者が行うと共に、レンタル業者はサービス提供業者にサービスの対価を例えば月額の利用料として支払う携帯であっても良い。本実施形態では、サービス提供業者によるバッテリの利用計画および見積もりの作成を中心として説明する。なおサービス提供業者はバッテリの販売を行う販売会社、或いは製造販売を行う製造会社であってよい。またサービス提供業者は独立しておらず、レンタル業者がサービス提供業者を兼ねていてもよい。この場合にはバッテリ利用計画情報の作成サービスに対する対価は発生しなくともよい。なお本実施形態ではサービス提供業者はそれ自身の情報処理装置を用意しているが、たとえばクラウドサーバーを用いてウエブアプリケーションとしてサービスを提供してもよい。その場合には、レンタル業者はクライアントとなり、ウエブブラウザを通してサービスの提供を受けてよい。
【0013】
図1Bは建設作業の一例として土間コンクリート施工の各工程で利用される作業機の例を示す。この例では、一連の作業は、掘削工程、突き固め工程、コンクリートの流し込み工程、仕上げ工程を含む。ただし電動作業機を用いない配筋などの工程は省いた。それぞれの工程において、掘削には掘削機(ショベルカー)、突き固めにはランマーなどの締固め用機械、流し込みにはコンクリートバイブレータ、仕上げにはスクレーパやトロウエルなどが用いられる。なおこれら作業機は一例であり、このほかにもコンクリートを破砕するブレーカや芝刈り機、散水機、ブロア、バキューム吸引機、照明機器(ライト)などがある。
【0014】
図1Cは電動式の作業機110の構成の一例を示すブロック図である。駆動モータ111は、バッテリ113から供給される電力により動作し、作業部112を駆動する。作業部112は作業機の種類に応じた固有の作用を生じる機構である。制御部114は作業機110の動作を制御する。通信部115はオプションであってよいが、所定の管理センタ(たとえばレンタル業者の事業所)などに置かれたコンピュータなどに状態を送信することなどができる。このほか、電源スイッチや作業の開始及び停止、出力の制限などのためのスイッチ類を設けてもよい。ここでバッテリ113は交換式であり、使用し尽くしたバッテリを準備された予備バッテリと交換することで、作業機110は作業を継続することができる。交換されたバッテリは、近隣の充電ステーション、あるいは貸与された充電器を用いて再充電されることで再度利用され得る。
【0015】
電力の消費は作業機の種類やその負荷に応じて概ね決まるので、適正な負荷で使用されることを前提とすれば、満充電状態のバッテリの持続時間は作業機の機種に応じて決めることができる。作業機を用いた工程の所要時間は、施工面積や用いる作業機の数により、工事のスケジュール策定の段階で概ね決めることができる。逆に、施工面積や用いる作業機の数により工程の所要時間が決まるともいえる。なお本実施形態では、作業機のバッテリはすべて共通であるものとして説明するが、そうでない場合であっても、バッテリが共通の作業機の範囲で本実施形態を適用可能である。たとえば共有されるバッテリが複数種類ある場合でも、それぞれの種類のバッテリを用いる作業機のグループごとに本実施形態を適用すればよい。
【0016】
●情報処理装置の構成
図2にサービス提供業者の情報処理装置101のブロック図を示す。ファイル格納部21は例えばハードディスクなどの不揮発性のストレージであり、データファイルやプログラムファイルが格納される。本例ではデータの例として、予め作成され、格納されている作業機情報211およびバッテリ情報212と、建設業者又はレンタル業者から知らされる作業予定情報213およびオプション情報214と、サービス提供業者が作成した利用計画情報215とが含まれる。またプログラムとしては、CPU22により実行されることで、後述する図3図5(および変形例の図7)に示したフローチャートの手順を実現する利用計画作成プログラム219がある。CPU22は、データやプログラムをメモリ23にロードし、プログラムを実行してデータ処理などを行う。入力部24は例えば操作者が情報を入力するために使用するキーボードやポインティングデバイス、タッチパネルなどを含む。通信部25は外部の装置、例えばレンタル業者のコンピュータなどに対して情報を送信したり、あるいはデータを受信したりする。このように、情報処理装置101は一般的な構成のコンピュータであってよいが、有するデータやプログラムは本実施形態に固有のものである。
【0017】
次にそれぞれのデータについて説明する。作業機情報211は、作業機の種類ごとの情報であり、ここでは特にバッテリに関する情報を含む。たとえば作業機1台当たりの必要なバッテリ数、満充電のバッテリの持続時間などを含む。これらは作業機の種類ごとに予め決まっており、作業機の製造メーカにより提供される情報であってよい。
【0018】
バッテリ情報212は使用するバッテリに関する情報である。たとえば空のバッテリを満充電にするまでの所要時間などである。なお空でないバッテリの充電所要時間については、空の状態から満充電までの所要時間に対して線形に推定可能であることを前提とするが、線形でない場合に、充電開始時の充電状態に応じた充電所要時間の分布をバッテリ情報212として有してもよい。バッテリ情報212はバッテリの製造メーカにより提供される情報であってよい。バッテリ情報212にはさらに、バッテリの貸し出し単価や、貸し出しを受ける場合には充電器の貸し出し単価を含めてもよい。
【0019】
作業予定情報213は作業機を利用する一連の作業(以下プロジェクトとも呼ぶ。)に関する予定の情報である。プロジェクトは一般的には複数の工程から構成され、それぞれの工程の所要時間と、それぞれの工程で用いる作業機の種類及び台数を含む。オプション情報214は、建設業者等の施工業者により選択される情報であり、本例では、バッテリ利用計画の作成にあたり、作業効率優先(効率優先)かまたはコスト優先(バッテリ数優先)か、いずれを選択する情報(優先設定とも呼ぶ)を含む。作業予定情報213およびオプション情報214は、施工業者またはレンタル業者により、プロジェクトごとに入力される。入力は手作業で行ってもよいし、通信により受信してもよい。なお各工程の所要時間に代えて、各工程で消費する電力量を用いてもよい。
【0020】
利用計画情報215は作成されたバッテリの利用計画を示す情報を含む。バッテリの利用計画には、バッテリの数や(貸与する場合は充電器の数)、作業機ごとに装着するバッテリやバッテリ交換の時期(タイミングあるいは時刻)、バッテリごとの充電開始時期や充電終了時期などに関する情報が含まれる。これらの情報は単に情報として作成され格納されるだけではなく、表示や印刷物として出力されて、レンタル業者や施工業者に提示されてよい。利用計画情報215にはさらに、利用計画に基づいた予算の見積もり金額が含まれてよい。金額は、貸し出すバッテリの数(および貸し出す場合は充電器の数)に、それぞれの貸出期間と単価とを乗じ、その総和を求めればよい。
【0021】
●利用計画情報の例
図6A及び図6Bに利用計画情報215の一例を示す。図6A及び図6Bにおいて、利用計画情報215には、バッテリ利用予定情報61(図6A)とバッテリ再充電予定情報62(図6B)とが含まれる。それぞれの情報には、プロジェクトIDが付される。プロジェクトIDはプロジェクトごとに固有であり、一つのプロジェクトに関するバッテリ利用予定情報61とバッテリ再充電予定情報62には同じIDが付与される。バッテリ利用予定情報61は、プロジェクトに含まれた工程及び各工程の作業機ごとのバッテリの利用予定が含まれる。図6Aでは横方向に作業機ID、縦方向に工程IDが配置され、その交点が、ひとつの工程におけるひとつの作業機に関する利用予定を示す。バッテリ利用予定には、作業を開始する際に装着する初期装着バッテリの指定と、作業途中の交換予想時刻とを示す情報が含まれる。
【0022】
初期装着バッテリとしては、未使用バッテリか再充電バッテリ、あるいは前工程の作業機による使いかけバッテリのいずれかが指定される。前工程の作業機による使いかけバッテリが指定される場合には工程と作業機のIDが指定される。ここで未使用バッテリとは、着目プロジェクトにおいて未だ使用されていない満充電バッテリであり、後述する図3の手順で未使用バッテリの使用が指定された場合には、そのバッテリは新たにレンタルする必要がある。すなわちレンタルする総バッテリ数が増加する。再充電バッテリとは、着目プロジェクトにおいて使用され、満充電されたバッテリであり、レンタルする総バッテリ数は変わらない。
【0023】
交換予想時刻は絶対的な時刻であってもよいが、プロジェクトの最初の工程を開始する時刻を基準とした相対時刻であってもよい。これにより最初の工程の開始時刻の変動に影響を受けなくなる。相対時刻とした場合には、たとえば最初の工程を開始したタイミングの通知を最初の工程の作業者または作業機から受信し、その時刻を基準時刻としてよい。これは他の時刻についても同様である。なお工程の途中でバッテリの交換が不要な場合には、交換予想時刻は空欄となる。また着目工程で使用されない作業機の欄は空欄となる。
【0024】
各工程の情報として、工程の開始予定時刻、完了予定時刻が含まれる。これらの情報はレンタル業者あるいは施工業者から取得した情報であってよい。また各工程の情報として、使いかけバッテリ数とバッテリごとの残量(本例では満充電状態に対する率で示す)がある。ただしこれらはバッテリの利用計画を作成するうえで必要な情報であり、処理途中で変動し、あるいは意味がない値になる場合もあり、レンタル業者などの顧客に提供しなくともよい。使いかけバッテリ数は、着目工程で使用されたバッテリ数であり、次の工程で使用されたりあるいは充電がスケジュールされたりすると、その数だけ減算される。すなわちプロジェクト終了時には、最終工程を除いてすべてゼロになるはずの値である。バッテリごとの残量は、着目工程で使用されたバッテリの残量であり、充電所要時間を推定する際に用いられる。バッテリ残量は例えば、満充電状態のバッテリの持続時間に対する残存時間(=持続時間-使用時間)の比として決定してよい。
【0025】
バッテリ再充電予定情報62には、プロジェクトIDと総バッテリ数と充電器数とが記録され、さらにバッテリごとの充電予定(時期及び/又は所要時間)が記録される。たとえば充電予定としてバッテリの充電開始時刻(予測)とその終了時刻(予測)が記録される。また充電済みのバッテリが使用される作業機とその使用開始時刻も記録される。図6Bのバッテリ再充電予定情報62では、横方向が対象バッテリ、縦方向がそれぞれのバッテリの再充電予定を示す。以上のように、バッテリ利用計画情報が作成され、バッテリの利用予定と充電予定とが決定され、顧客に提示される。
【0026】
●バッテリ利用計画情報の作成手順
バッテリ利用計画情報の作成手順の説明の前に、図2でも簡単に説明した各種パラメータについて説明する。入力される作業予定情報213には以下の情報がある。
1.工程の順序:プロジェクトを構成する工程iを定義し、各工程について以下の情報が含まれる。
1.1.工程iにおいて使用する作業機j(これを作業機ijと呼ぶ)の機種情報および必要な台数。なお機種ごとの必要バッテリ数についても入力情報としてもよいが、機種情報ごとに予め情報処理装置101に有していてもよい。
1.2.工程iにおける作業機ijの作業時間twij。これは工程iの所要時間と等しいと仮定してもよい。その場合には工程iの所要時間であってよい。
【0027】
このほかに必要な情報は作業機情報211、バッテリ情報212、オプション情報214に含まれるが、個々のパラメータを定義しておく。これらの情報はバッテリメーカーやバッテリのレンタル業者から提供される。
2.1.作業機の機種ごとの搭載バッテリ数nij。
2.2.作業機ijの満充電からのバッテリ持続時間tdij。なおこの持続時間は、新しいバッテリと、多少劣化したバッテリとで変えてもよい。たとえば劣化したバッテリについては、新しいバッテリの80パーセント程度とするなど、短くしてもよい。また、バッテリごとの区別を避けるために、すべてのバッテリについて新品のバッテリの最大持続時間に所定割合(例えば80%)を乗じた値を最大持続時間としておいてもよい。そのようにバッテリ性能にマージンを持たせることで、予測のずれを防止できる。
2.3.バッテリの空状態から満充電状態までの充電の所要時間tc。これも持続時間と同様にバッテリ間の個体差による誤差を吸収すべく、新品のバッテリに要する時間としてよい。
2.4.効率優先かコスト優先化を示す優先情報。
【0028】
以上の入力情報を用いて、図4図5の手順でバッテリ利用計画情報を作成する。説明したようにこの手順は情報処理装置101のCPU22により実行される。
【0029】
バッテリ利用計画情報の作成のために図3の手順が実行される。まず工程の順序と、各工程の所要時間および必要な作業機ijの入力を受け付ける(S301)。ここで工程の所要時間は当該工程における各作業機の作業時間に相当するものとしている。すなわち工程iが同じであれば、作業機ijによる作業時間twijは等しい。もちろん個別の作業機ごとの作業時間が入力されたならそれを用いてよい。また工程の順序とは、各工程について順序を示す添え字iを定めればよい。同様に各工程の作業機についても順に添え字jを定めればよい。ijが作業機を特定するIDとなる。
【0030】
次に変数を初期化する。具体的には、総バッテリ数Nb、充電器数Ncに0を、着目工程iとして最初の工程を示す1を設定する(S303)。次に初期化の続きとして着目作業機jに便宜的に順序を付し最初に着目する作業機jに1を設定する(S305)。なお工程と作業機とを同時に特定するために、工程iの作業機jを作業機ijと呼ぶことにする。
【0031】
初期化が終了したなら、着目工程iにおける作業機jすなわち作業機ijのバッテリ利用予定情報61とバッテリ再充電予定情報62とを作成する(S307)。この手順については図4を参照して後で説明する。
【0032】
作業機ijについてバッテリ利用予定情報61とバッテリ再充電予定情報62とを作成したなら、工程iの全作業機についてS307の処理を終了したか判定する(S309)。終了した場合、すなわち工程iの全作業機についてバッテリ利用予定情報61とバッテリ再充電予定情報62とを作成したなら、プロジェクトの全工程についてS307を終了したか判定する(S311)。全工程について完了していれば必要な充電器の数を決定し(S313)、処理を終了する。S313の手順については図5で説明する。
【0033】
一方S309において、工程iにおける未処理の作業機が残っていれば、着目作業機jを次の着目作業機j+1とする(S315)。その後、新たな着目作業機についてS307を繰り返し実行する。またS311において未処理の工程が残っていれば、着目工程iの前段の工程i-1の使用済みバッテリが残っているか判定する(S317)。ここでの判定は、バッテリ利用予定情報61の工程i-1に対応する使いかけバッテリ数を参照すればよい。着目工程iの前段の工程i-1の使用済みバッテリが残っている場合には、その使用済みバッテリの充電をスケジュールする(S319)。なお着目工程iに前段の工程がない場合にはS317での判定結果は否とする。本実施形態では、最終工程を除く或る工程で使用したバッテリは、次の工程で使用されるか、あるいは充電される。そのため、次の工程で使用される可能性があるために充電のスケジュールがされなかったバッテリについては、S319において充電のスケジュールを設定する。ここでのスケジュールは、工程i-1の終了時刻を充電開始時刻とするように遡って設定される。具体的には、対象バッテリの残量に基づいて充電所要時間を予測し、その時間を充電開始時刻に加算して充電終了時刻とする。そして求めた充電開始時刻と終了時刻とを対象バッテリに関連付けてバッテリ再充電予定情報62に記録する。その後、工程iの使いかけバッテリの数を0にして(S320)、着目工程iを次の工程i+1に進めてS305に戻る。なお残量が不明なバッテリがあったなら、充電所要時間は空の状態から満充電までの所要時間としてよい。
【0034】
以上の手順により、全工程の全作業機に着目して、必要なバッテリ数やバッテリの利用スケジュール、再充電スケジュールを含むバッテリ利用計画情報を作成することができる。作成したバッテリ利用計画情報は、レンタル業者や施工業者等のコンピュータなどに送信され、あるいは印刷物として提供されてよい。また見積もりや課金のために利用されてもよい。
【0035】
図4を参照してS307の詳細を説明する。まず使いかけのバッテリが足りているか判定する(S401)。たとえば作業機ijが必要な装着バッテリ数がnとすると、先行する工程で使用されて再充電されていない使いかけバッテリの数がnに足りているか判定する。この判定は、バッテリ利用予定情報61に含まれた、前工程である工程i-1に対応する使いかけバッテリ数とnとを比較して判定できる。前工程がない場合には当然使いかけバッテリ数は0である。なお本実施形態では、複数のバッテリを使用する作業機では、残量が同水準のバッテリを使用するものとしている。したがって一つを使いかけバッテリとし、一つを再充電バッテリとするなどといった運用は行わない。すなわちS401で判定する使いかけバッテリの数とは、残量が同水準のバッテリであるものとする。
【0036】
使いかけバッテリ数が足りていると判定した場合には、優先情報を参照して、作業効率優先かコスト優先かを判定する(S403)。作業効率優先の場合には、途中でバッテリ交換の必要がない場合を除いて、各工程の開始時には未使用バッテリまたは再充電バッテリを装着させる。こうすることで、バッテリ交換に伴う時間の損失や、電圧低下に伴う作業機の動作レベルの低下などによる作業効率の低下を防止する。一方、コスト優先の場合には、前段の工程の使いかけバッテリがある限りそれを着目工程でも使用する。
【0037】
S403で作業効率優先と判定した場合には、使いかけバッテリをそのまま用いたとしても着目工程iの完了までバッテリの交換が不要か判定する(S405)。この判定では、バッテリ利用予定情報61に含まれた、前工程である工程i-1に対応する使いかけバッテリのバッテリ残量と、工程iの所要時間と、満充電時の作業機ijのバッテリ持続時間とを参照し、その残量で作業機ijが工程iの完了まで動作できるかを判定すればよい。なおバッテリ持続時間はバッテリ残量が減るほど線形に減少するものとして判定してよい。たとえば、工程iの所要時間twij≦作業機ijのバッテリ持続時間tdij×バッテリ残量(率)であれば交換不要と判定される。
【0038】
S403でコスト優先と判定された場合、またはS405で交換不要と判定された場合には、作業機ijには工程i-1における使いかけバッテリを装着するものとしてスケジュールを作成する(S407)。すなわち、バッテリ利用予定情報61における作業機ijの初期装着バッテリとして、工程i-1の作業機j(すなわち作業機i-1j)の使いかけバッテリを記録する。一つの工程で複数の作業機が使用される可能性もあるので、その場合にはバッテリを特定するために、バッテリIDも記録すればよい。
【0039】
工程iで再利用されるとしてスケジュールされた使いかけバッテリは、工程iにおいては他の作業機によって使用できないものとして、バッテリ利用予定情報61を更新する(S409)。具体的には。工程i-1の使いかけバッテリ数から、作業機ijで使用するバッテリ数を減算する。さらに、作業機ijで使用されたバッテリについて、バッテリ残量に関する情報を削除する。
【0040】
次に、再度優先情報をテストし、作業効率優先であるか否かを判定する(S411)。作業効率優先であれば、工程i完了時点での作業機ijのバッテリに関する情報を、バッテリ利用予定情報61に記録する。具体的には、作業機ijが利用するバッテリ1つ当たりの残量を求める。そして工程iについて、例えばバッテリIDと関連付けて残量を記録し、併せて工程iの使いかけバッテリの数に、作業機ijが使用するとしたバッテリの数量を加算する。ここで図4の処理は終了する。
【0041】
一方S401で使いかけバッテリの数が、作業機ijには足りないと判定した場合、または、S405で、使いかけバッテリを使用すると工程iの完了までバッテリが持たないと判定した場合にはS415に分岐する。ここでは、作業機ijには再充電バッテリまたは未使用バッテリを装着するものとしてスケジュールするが、再充電バッテリが有る場合には再充電バッテリを優先的にスケジュールする(S415)。具体的には、バッテリ再充電予定情報62を参照して、充電完了時刻が工程iの開始時刻よりも早く、かつ、使用予定が記録されていないバッテリが、工程iで利用可能な再充電バッテリである。該当するバッテリが有れば、それを作業機ijの初期装着バッテリとしてバッテリ利用予定情報61に記録する。また該当するバッテリに関連して、その使用予定時刻と作業機ijのIDとをバッテリ再充電予定情報62に記録する。利用可能な再充電バッテリが足りなければ、未使用バッテリを作業機ijの初期装着バッテリとしてバッテリ利用予定情報61に記録する。
【0042】
次に、作業機ijに装着するバッテリのうち、未使用バッテリの数を総バッテリ数Nbに加算する(S419)。最終的な未使用バッテリの数が、レンタルすべきバッテリの数となる。
【0043】
S415で作業機ijに装着するとスケジュールしたバッテリについて、その残量と作業機ijのバッテリ持続時間tdijと工程iの所要時間Tiから、次のバッテリ交換時期を計算する(S421)。たとえば、バッテリ交換時期は、工程iの開始時刻に、バッテリ持続時間tdij×残量(%)を加算して求めてよい。
【0044】
バッテリ交換時期を予測したなら、予測したバッテリ交換時期が、工程iの完了時刻より後であるか、すなわち工程iの完了までバッテリの交換が不要であるか判定する(S423)。不要であればS425に分岐して、工程i完了時点における作業機ijのバッテリ残量を求めてバッテリ利用予定情報61に記録する。
【0045】
一方、S423で工程iの途中でバッテリの交換が必要と判定した場合には、作業機ijで交換される使用済みバッテリの再充電をスケジュールする(S425)。ここでのスケジュールは、S421で予測したバッテリ交換時期を充電開始時刻とし、その時刻に空の状態から満充電までの充電所要時間を加算して充電終了時刻とする。そして求めた充電開始時刻と終了時刻とを対象バッテリに関連付けてバッテリ再充電予定情報62に記録する。その後、S415に分岐し、作業機ijに再装着するバッテリについて利用計画をスケジュールする。
【0046】
以上の手順により、1つのプロジェクトのためのバッテリ利用計画情報が作成される。上記手順では、優先情報としてコスト優先が指定されていると、バッテリは交換が必要となるまでできる限り使用されるので、その総数を抑制できる。逆に作業効率優先であると、各工程の開始時には満充電のバッテリを使用するので、バッテリ交換の回数を抑制でき、また作業機の能力低下を抑制できる。作成されたバッテリ利用計画情報には、各作業機に装着するバッテリの指定と、交換予想時刻と、バッテリの充電開始時刻と終了時刻、再充電済みバッテリの利用予定、用意すべき総バッテリ数を含む。これら情報に基づいて、図5の手順により、必要な充電器の数Ncを決定する。
【0047】
●充電器数の決定
図5において、着目バッテリ番号kに1を設定して初期化し、また充電器数Ncを0で初期化する(S501)。また着目充電予定番号mに1を設定して初期化する(S502)。着目バッテリ番号および着目充電予定番号は、バッテリ再充電予定情報62におけるバッテリと予定とで特定される充電予定の欄を指定するための番号である。
【0048】
次に、着目充電予定mにおける着目バッテリkの充電期間と重複する他のバッテリを、バッテリ再充電予定情報62から検索する(S503)。ここでは着目バッテリの1つの充電期間に着目し、その期間と充電期間が重複するバッテリの数を求める。1つのバッテリを充電するためには、充電機会が何回あっても充電器は1つでよい。そこで1つのバッテリについては最大で1をカウントすれば十分である。このようにして求めた該当するバッテリ数Bkmを保存しておく(S505)。
【0049】
次にバッテリ再充電予定情報62における全充電予定に着目して処理を終えたか判定し(S509)、終えていなければ着目充電予定を次に進めて(S515)、S503から繰り返す。終えていればバッテリ再充電予定情報62における全バッテリに着目して処理を終えたか判定し(S511)、終えていなければ着目バッテリを次に進めて(S517)、S502から繰り返す。このようにして、バッテリ再充電予定情報62におけるバッテリ番号と充電予定番号で特定されるすべての充電予定の欄について、その欄と充電予定が重複する着目バッテリ以外のバッテリの数をそれぞれ求めて記憶しておく。なお着目した欄に充電予定がなければ、その欄については処理をスキップして次の欄に着目してよい。
【0050】
最後に、保存されたk×m個(最大)のBkmのうち、最大のBkmの値に1を加算した値を、予測された必要な充電器数としてバッテリ再充電予定情報62に記録する。このように、本実施形態では、1つの充電期間に並列して充電されるバッテリの数のうちの最大値に、基準となる充電期間のための値1を加算した値を充電器の数として決めている。これはすなわち、充電予定時間を時間軸上に配置し、最も重複が多い時期の充電予定の数を、必要な充電器の数とすることに相当する。
【0051】
さて、図3図5で説明した手順により図6Aおよび図6Bに示すバッテリ利用計画情報が得られる。この情報は、この表のままであってもよいが、表に記載された各種イベントを時間軸にそって配置したグラフィカルな形式に変換することで、一層見やすいものとなる。このような情報を顧客に提供することでサービス提供業者は対価を得る。なお提供される情報は、施工業者等の顧客に指定された情報に限ってもよい。また情報の形式も顧客に指定された形式としてもよい。またレンタル業者は機材のレンタルに対する対価を得る。なお以下の説明では課金という用語を用いるが、利用計画の時点では、レンタルについては課金ではなくこれまで用いてきたように見積もりといってよい。また利用計画の作成サービスについては、文字通り課金であってよい。
【0052】
●課金処理
図7にレンタル代金の課金処理(あるいは見積もり処理)の手順の一例を示す。この手順ではまず、貸し出す総バッテリ数にバッテリの貸し出し単価(料金/単位期間・1台)を乗じた値と、充電器も貸し出す場合には充電器数に充電器の貸し出し単価を乗じた値を加えた値にレンタル期間を乗じて総額を求める(S701)。この総額はバッテリ数を反映しているので、換言すれば優先情報の設定すなわち作業効率優先かコスト優先化を反映する。そしてバッテリ利用計画情報の提供サービスに対する料金も加算するか判定する(S703)。S703の判定基準には様々ない基準があり得る。たとえばレンタル業者がサービスを提供しているとS703の条件に該当するものと判定してよい。またレンタル業者がサービスを提供していても、そのサービスが定額サービスであれば、S703の条件に該当しないものと判定してよい。このように、S703では、レンタル料とサービス提供料とを合算するか否かを判定する。
【0053】
サービスの対価も合算する場合には、バッテリ利用計画情報の提供に対する対価を、S701で求めた総額に加算する(S705)。こうして求めた金額(課金金額あるいは見積もり金額)は、相手先の情報に関連付けて記憶するとともに、相手先に送信する(S707)。この送信は、作成されたバッテリ利用計画情報とともに送信されてよい。
【0054】
なお本実施形態では、未使用バッテリの使用時期をバッテリ利用予定情報61から知ることができる。そのため、未使用バッテリが必要となる時期を特定できる。これにより、プロジェクトの開始時に必要なすべてのバッテリを提供しなくとも、バッテリ利用予定情報61に従って、未使用バッテリ必要な時期(例えば工程の開始時刻)に必要な量を、施工業者に提供することができる。これは充電時期をバッテリ再利用予定情報62から特定可能な充電器についても同様である。このため、バッテリや充電器といったレンタル機材のレンタル期間をより短縮することもできる。さらに、複数の施工業者に対してレンタル行うことが通常であれば、レンタル業者が用意するレンタル機材の数を抑制することもできる。
【0055】
●実施例
以下に具体的な実施例を示す。
建設業者は、レンタル業者へ、バッテリおよび充電器のレンタルを依頼する。その際、建設業者は、作業予定の内容として以下の内容をレンタル業者へ伝える。伝える内容は以下のような情報である。
作業予定内容
-午前中に、作業現場Aにて、ランマー(地固め機)2台を使用する。そのランマーは、それぞれ10分/回×2回使用する。
【0056】
-その後、午後に、作業現場Bへ移動し、作業現場Bでは、ショベルカー1台とバルーン型ライト1台を使用する。ショベルカーは、30分×2回使用し、バルーンライトは、30分×1回使用する。
【0057】
-各作業機に必要な出力。あるいは各作業機の出力は事前のデータに基づき算出されても良い。
【0058】
レンタル業者は、上記作業予定内容を、パソコンに入力する。パソコンは、その入力内容に基づいて、必要なバッテリは2つ、充電器は1つであり、2つのバッテリのうち1つのバッテリを午前の作業終了後に満充電させ午後のショベルカーに使用し、残りの1つのバッテリは充電することなく午後のバルーンライトに使用するとの利用計画を作成する。この利用計画は図3図5の手順で作成される。なお充電不要の計画が作成された場合は、充電器のレンタルは不要となる。また、レンタル業者のパソコンには、予め、バッテリメーカーから提供された以下のバッテリの持続時間と充電所要時間が記憶されている。例えばバッテリは、満充電時で、30分間、1kW以上の出力が可能、バッテリは、90分で、0%から100%まで充電可能などの情報である。
レンタル業者は、上記利用計画に基づき、建設業者へバッテリ等をレンタルする。
【0059】
●本実施形態の効果
以上説明した本実施形態では、精度の高いバッテリの利用計画を提供できる。それによって過不足のない適切な数のレンタル機材、たとえばバッテリや充電器を用意し、レンタルすることが可能となる。さらに、優先情報を指定することで、作業効率とコストのいずれを優先するかに応じた計画を作成することができる。さらに、作成した情報は、バッテリや充電器などのレンタル機材の必要数の時間的な推移を示す情報でもあるので、機材の手配をより柔軟化でき、またレンタルコストの低減に役立つ。また、このように有用なバッテリの利用計画を提供することで、その提供業務を収益事業化することも可能となる。
【0060】
●変形例
建設業者は、自ら所有するパソコンに作業予定の内容として以下の内容を入力する。すなわち、本変形例では、施工業者が自らバッテリ利用計画情報を作成する。ただし、処理を実行するのは施工業者のコンピュータであってもよいが、クラウドにより提供されるウエブアプリケーションであってもよい。
【0061】
作業予定内容
午前中に、作業現場Aにて、ランマー(地固め機)2台を使用する。そのランマーは、それぞれ10分/回×2回使用する。
その後、午後に、作業現場Bへ移動し、作業現場Bでは、ショベルカー1台とバルーン型ライト1台を使用する。ショベルカーは、30分×2回使用し、バルーンライトは、30分×1回使用する。(各作業機に必要な出力も必要に応じて入力する)
建設業者のパソコンは、その入力内容に基づいて、必要なバッテリは2つ、充電器は1つであり、2つのバッテリのうち1つのバッテリを午前の作業終了後に満充電させ午後のショベルカーに使用し、残りの1つのバッテリは充電することなく午後のバルーンライトに使用するとの利用計画を作成する。
(充電不要の計画が作成された場合は、充電器のレンタルは不要となる)
尚、前記パソコンには、予め、バッテリメーカーから提供された以下のバッテリの持続時間と充電所要時間が記憶されている。
バッテリは、満充電時で、30分間、1kW以上の出力が可能、
バッテリは、90分で、0%から100%まで充電可能。
建設業者は、このように作成した上記利用計画に基づき、作業計画を作成する。
【0062】
●変形例2
上記実施例または変形例記載の内容に基づき作成された利用計画に基づき作成された作業計画に基づき、建設業者は作業を行う。その作業中には、バッテリから定期的にあるいは常時、少なくとも残容量に関する情報が建設業者のパソコンに発信され、パソコンは、その残容量に基づき、利用計画に差異が生じることを表示しても良い。それにより、建設業者は、想定以上の使い方に基づく、利用計画との差異を早期に把握し、作業計画を見直すことができる。
また、少なくとも残容量に関する情報は、レンタル業者のパソコンに発信され、レンタル業者のパソコンは、その残容量に基づき、利用計画に差異が生じることを表示しても良い。それにより、レンタル業者は、想定以上の使い方に基づく、利用計画との差異を早期に把握し、追加のバッテリの準備あるいは提供を計画することができる。
【0063】
また、少なくとも残容量に関する情報は、バッテリメーカーのパソコンに発信されても良い。それにより、バッテリメーカーは、想定以上の使い方に基づき、システムの利用計画の設計見直しへ反映させたり、あるいは、バッテリの異常(故障)を検知したりすることができる。
【0064】
図8に本変形例の、作業機による処理手順の一例を示す。この手順は作業機から受信したバッテリ残量情報に応じてCPU22により実行される。まず受信したバッテリ残量と、送信元の作業機のスケジュールとから、バッテリ切れの時刻を予測する。送信元の作業機は、送信者のアドレス等の情報から特定可能であるとする。作業機が特定されればバッテリの持続時間も特定でき、その持続時間と現在のバッテリ残量とから、バッテリ切れ時刻すなわちバッテリ交換時期を予測できる。
【0065】
次に予測したバッテリ切れ時刻と、スケジュール上の当該作業機のバッテリ交換時期とを比較する(S803)。バッテリ交換がスケジュールされていない作業機については、当該工程の終了時刻と比較すればよい。そして比較の結果S801で予測したバッテリ切れの予測時刻の方が早いか判定し(S805)、早い場合にはバッテリ切れ警告を出力する(S807)。この警告の出力先は予め登録された送信先であってよい。たとえば、バッテリ残量の送信元の作業機や施工業者のコンピュータ、レンタル業者のコンピュータなどであってよい。またサービス提供業者の端末に表示出力してもよい。
【0066】
●変形例2の効果
変形例2によれば、実施形態の効果に加えて、スケジュールと比較して実際の運用での差異を管理者や作業者に対して通知することができる。特にその差異が、計画よりも多くの機材、たとえばバッテリを必要とするような場合に通知されることで、事前に必要な記載を手配することができる。
【0067】
(実施形態のまとめ)
(1)本発明の第1の態様によれば、バッテリを共用可能な電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの利用計画情報を作成する情報処理装置であって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間又は前記各工程に要する電力量と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数と、前記バッテリの充電の時期とを含むバッテリの利用計画情報を作成する作成手段と
を有することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、適切なバッテリの利用計画情報を作成することができ、バッテリ利用の効率化と低コスト化を図ることができる。
【0068】
(2)本発明の第2の態様によれば、(1)に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、前記利用計画情報に基づいて、前記利用計画情報に即した充電器の予測数を決定することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、バッテリのみならず充電器について適切な利用計画情報を作成することができる。
【0069】
(3)本発明の第3の態様によれば、(1)に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、必要なバッテリ数の時間的な推移を示す情報をさらに作成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、バッテリ数と充電器数の時間的推移を把握でき、バッテリ及び充電器の利用をより効率的に行うことができる。
【0070】
(4)本発明の第4の態様によれば、(1)乃至(3)のいずれかの情報処理装置であって、
前記作成手段は、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリを用いることができるか判定し、できない場合には、前記着目工程では新たなバッテリを用いるとして前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、工程ごとに先行する工程の使いかけバッテリの利用可否を参照してバッテリをスケジュールすることで、バッテリの効率的な利用を図ることができる。
【0071】
(5)本発明の第5の態様によれば、(4)に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、前記着目工程で用いる新たなバッテリの数の前記一連の作業にわたる総数を、必要な前記バッテリの数として前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、バッテリ利用計画情報の中で必要な、提供されるべきバッテリの総数をしることができるので、的確なバッテリの提供を行うことができる。
【0072】
(6)本発明の第6の態様によれば、(1)乃至(5)のいずれか記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリをそのまま用いても当該着目工程を完了できるか判定し、完了できる場合には、前記着目工程では前記使いかけバッテリをそのまま用いるとして前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、先行する工程で使用されたバッテリを疎なまま使用することで、バッテリの利用をより効率的に行うことができる。
【0073】
(7)本発明の第7の態様によれば、(1)乃至(6)のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記作成手段は、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリを用いることができ、かつ、当該バッテリの充電を前記着目工程までに完了できるか判定し、完了できる場合には、前記先行する工程の完了時に前記使いかけバッテリの再充電を開始し、かつ、前記着目工程では、前記再充電されたバッテリを用いるとして前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、バッテリの再充電の時期をスケジュールすることができ、再充電によるバッテリのより効率的な利用を図ることができる。
【0074】
(8)本発明の第8の態様によれば、(1)に記載の情報処理装置であって、
前記入力手段は、必要なバッテリの数を少なくするバッテリ数優先か、或いはバッテリ交換の回数を少なくする効率優先か、いずれを優先するかの優先設定をさらに受け付け、
前記作成手段は、前記優先設定に応じて、バッテリ数優先の場合には、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリをそのまま用い、効率優先の場合には、前記着目工程で用いるバッテリとして、充電済みバッテリを用いるとして前記利用計画情報を作成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、効率優先とコスト優先とを指定でき、指定に応じたバッテリの利用計画を作成できる。
【0075】
(9)本発明の第9の態様によれば、バッテリを共用する電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの貸し出し料金を見積もる情報処理装置であって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間と、前記バッテリの貸し出し単価とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間又は前記各工程に要する電力量と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数を決定し、前記バッテリの数と前記貸し出し単価とに基づいて、前記貸し出し料金の見積もり情報を作成する作成手段と
を有することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、バッテリ利用の効率化と低コスト化を図った貸し出し金額の見積もりを作成できる。
【0076】
(10)本発明の第10の態様によれば、(9)に記載の情報処理装置であって、
前記入力手段は、必要なバッテリの数を少なくするバッテリ数優先か、或いはバッテリ交換の回数を少なくする効率優先か、いずれを優先するかの優先設定をさらに受け付け、
前記作成手段は、前記優先設定に応じて、バッテリ数優先の場合には、着目工程で用いるバッテリとして、前記着目工程に先行する工程で用いた使いかけバッテリをそのまま用い、効率優先の場合には、前記着目工程で用いるバッテリとして、充電済みバッテリを用いるとして利用計画情報を作成し、前記利用計画情報に基づいて、貸し出し料金の見積もり情報を作成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、効率優先とコスト優先とを指定でき、指定に応じた見積もりを作成できる。
【0077】
(11)本発明の第11の態様によれば、(10)に記載の情報処理装置であって、
前記作成手段はさらに、前記貸し出し料金に、前記利用計画情報の提供の対価を加算して前記見積もり情報を作成することを特徴とする情報処理装置が提供される。
この構成により、貸し出し金額に加えて、バッテリ利用計画の作成のための対価も課金することができる。
【0078】
(12)本発明の第12の態様によれば、バッテリを共用する電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの利用計画情報を作成するためのコンピュータプログラムであって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数と、前記バッテリの充電の時期とを含むバッテリの利用計画情報を作成する作成手段と
してコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
この構成により、コンピュータを用いて、適切なバッテリの利用計画情報を作成することができ、バッテリ利用の効率化と低コスト化を実現できる。
(13)本発明の第13の態様によれば、
バッテリを共用する電動の作業機により一連の作業に含まれる各工程を実施するためのバッテリの貸し出し料金を見積もるためのコンピュータプログラムであって、
前記作業機の種類ごとに使用するバッテリの数と、前記作業機の種類ごとのバッテリの持続時間と、前記バッテリの充電所要時間と、前記バッテリの貸し出し単価とを記憶する記憶手段と、
前記各工程の順序と、前記各工程に要する時間又は前記各工程に要する電力量と、前記各工程で使用する前記作業機の種類及び数とを含む作業予定を入力情報として受け付ける入力手段と、
前記入力情報に基づいて、前記一連の作業のために必要な前記バッテリの数を決定し、前記バッテリの数前記貸し出し単価とに基づいて、前記貸し出し料金の見積もり情報を作成する作成手段と
してコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
この構成により、コンピュータを用いて、バッテリ利用の効率化と低コスト化を図った貸し出し金額の見積もりを作成できる。
【0079】
本発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
22 CPU、23 メモリ、24 入力部、25 通信部、211 作業機情報、212 バッテリ情報、213 作業予定情報、214 オプション情報、215 利用計画情報、216 利用計画作成プログラム
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8