(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】スマート便座カバー用のスプレー洗浄部材と、そのスプレー洗浄部材組み立て方法
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
E03D9/08 F
E03D9/08 Z
(21)【出願番号】P 2022531446
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2020087370
(87)【国際公開番号】W WO2021179413
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】202010162776.9
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522209882
【氏名又は名称】厦▲メェン▼科牧智能技▲シゥー▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】KOMOO INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】A601-A607 Floor No. 55 of Wanghai Road, Xiamen Software Park Phase II, Siming District Xiamen, Fujian 361000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】リン シャオファ
(72)【発明者】
【氏名】リン シャオシャン
(72)【発明者】
【氏名】リン シャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン グアンイォン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ヅゥーフゥア
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-0762656(KR,B1)
【文献】特開2011-043005(JP,A)
【文献】特許第6551717(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0202139(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107178029(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドウェイが設けられたベースと、第1のモーターと係合するラックを有するノズルと、ノズルをベースに沿ってスライドさせる第1のモーターと、を備えるスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材であって、
前記ノズルの噴射口から離れた一端に設けられ、且つトランスミッション構造によりノズルを変位させる第1のモーターと、
第1のモーターの出力シャフトとの間で回転しないように結合する駆動ギアと、それぞれコンベヤーベルト、ノズル上のラックと噛合するデュアルトランスミッションギアと、駆動ギア及びデュアルトランスミッションギアの周りに設けられる前記コンベヤーベルトと、を備えるトランスミッション構造と、
を有し、前記第1のモーターは前記駆動ギアの回転を駆動し、且つコンベヤーベルトを介してデュアルトランスミッションギアと連動して動作し、ベースのスライドウェイに沿ってノズルを移動さ
せ、
給水給気部材と、スイッチ体と、セルフ洗浄コネクタを有する分水ユニットを更に備え、
前記ノズルにはいくつかの水路が設けられ、各前記水路の給水口とスイッチ体の水出口は交互に開通し、前記給水給気部材とスイッチ体は第1のホースにより連通し、前記セルフ洗浄コネクタとノズルの1つの水路は第2のホースにより連通し、ここで、第1のホースの湾曲部位は第2のホースの湾曲部位の外側に位置する、
ことを特徴とするスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材。
【請求項2】
前記ベースには、前記第1、第2のホースの一部を置くために供される収容キャビティが設けられ、前記収容キャビティの幅は、最大直径を有する1つのホースの外径以上、2つのホースの外径の和未満である、
ことを特徴とする請求項
1に記載のスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材。
【請求項3】
前記第1のホースの長さは第2のホースの長さより大きい、
ことを特徴とする請求項
2に記載のスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材。
【請求項4】
前記ノズル上に設けられ、且つ前記ノズルに対して変位するようにスイッチ体を駆動する第2のモーターを更に備え、前記第2のモーターの導電線と前記第1、第2のホースは交差しないように並列に配置され、且つ前記第1のホースの湾曲部位の外側に位置する、
ことを特徴とする請求項
3に記載のスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材。
【請求項5】
前記導電線長さを制限するハーネス構造を更に備え、前記ハーネス構造は、ワイヤーバックル及び収容溝を有し、前記収容溝は前記ベースの底部に形成され、前記ワイヤーバックルは導電線に設けられて、前記収容溝上に取り付けられ、ワイヤーバックルから第2のモーターの間の前記導電線の長さを調節する、
ことを特徴とする請求項
4に記載のスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材。
【請求項6】
前記給水給気部材は、ベースの底部の中間位置に設けられ、且つ第1のモーターとノズルの噴射口の間に位置する、
ことを特徴とする請求項
1乃至
5のいずれかに記載のスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材。
【請求項7】
前記給水給気部材は、水出口部、水入口部、気体入口部、支持部、接続部及び制限凸起を備え、前記水入口部、気体入口部は、水出口部側に位置し、前記接続部及び接続部に形成された制限凸起は支持部により水出口部の他側に接続され、且つ前記水入口部、気体入口部、支持部及び制限凸起は互いに平行且ついずれも水出口部の軸方向に垂直であり、前記接続部は前記水出口部の軸線に平行であり、ここで、前記給水給気部材は取り付け構造によりベースに取り付けられ、且つ前記支持部を前記コンベヤーベルトに当接させて、前記コンベヤーベルトを締め付ける、
ことを特徴とする請求項
6に記載のスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材。
【請求項8】
取付溝と取付孔はそれぞれ収容キャビティの両側壁に設けられ、前記取付孔は制限凸起を設けるのに供され、ここで、取付溝は水入口部及び気体入口部の取り付けに供され、それは開口及び第1、第2の端を含み、前記開口はベース側壁の底部に設けられ、且つ前記開口と第1、第2の端は三角形の取付溝を構成し、前記第1の端は気体入口部又は水入口部を設けるのに供され、第2の端はそれぞれ水入口部又は気体入口部を設けるのに供される、
ことを特徴とする請求項
7に記載のスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材。
【請求項9】
スプレー洗浄部材組み立て方法であって、
前記スプレー洗浄部材は、ベースと、モーターと、コンベヤーベルトと、ノズルと、給水給気部材と、を備え、前記ベースは前記コンベヤーベルトを設けるのに供される収容キャビティを有し、前記モーターはベースに設けられて、コンベヤーベルトを介してベースに対してノズルをスライドさせ、収容キャビティの両側壁には取付溝と取付孔が設けられ、ここで、取付溝は開口及び第1、第2の端を含み、前記開口はベースの側壁辺縁に設けられ、且つ第1、第2の端と三角形の取付溝を構成し、前記給水給気部材は、水出口部、水入口部、気体入口部、支持部、接続部及び制限凸起を備え、前記水入口部、気体入口部は、水出口部側に位置し、前記接続部及び制限凸起は支持部により水出口部の他側に接続され、且つ前記水入口部、気体入口部、支持部及び制限凸起はそれぞれは互いに平行且ついずれも水出口部の軸方向に垂直であり、前記接続部と水出口部の軸線に平行であり、
前記組み立て方法は、
前記給水給気部材の水入口部、気体入口部は、入水部位が前記第1の端に移動し、気体入口部も前記開口と第2の端の間に位置するまで、順に開口から取付溝に入り、且つ前記水出口部、支持部、接続部及び制限凸起を前記収容キャビティ内に位置させ、
前記水入口部の軸線を中心として前記給水給気部材を軸回転し、前記気体入口部が取付溝の第2の端に入るようにし、且つ前記接続部は弾性変形して制限凸起と連動して取付孔に挿入され、このとき、前記支持部はコンベヤーベルト外壁に当接して、コンベヤーベルトを締め付けることを含む、
ことを特徴とするスプレー洗浄部材組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用具の分野に関連し、特に、スマート便座カバー用のスプレー洗浄部材及びスプレー洗浄部材の組み立て方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
今日、インテリジェンスの普及に伴い、スマート便座カバーは各家庭や公共の場所等でも広範に使用されている。
【0003】
従来のスマート便座カバーの機能は徐々に改善されてるが、細部にはまだ不足がある。例えば、従来のスマート便座カバーは全体の体積が大きく、特に厚みが大きく、全体的な美観に欠け、使用に不便であり、そして、多くのスペースを占有する。具体的な理由は、スマート便座カバーの全体の高さがノズルの高さに依存すること、スマート便座カバー内部から出入りするノズルの伸縮はモーターで駆動する必要があり、モーターのギアがノズルのラックと噛合して、シェルに対してノズルをスライドさせる。上記の構造により、モーターはノズルを変位させるために、水出口口の近くに設けられる必要がある。したがって、ノズルの全体の高さとモーターのサイズで構成される高さは、スマート便座カバーの最も基本的な高さあるため、従来のスマート便座カバーは非常に厚く、美観に欠ける。さらに、スマート便座カバーのモーターはノズルの噴射口の近くにあるため、湿気によって損傷しやすく、寿命に深刻な影響を及ぼす可能性がある。以上をまとめると、従来のスマート便座カバーのスプレー洗浄部材にはまだ改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
以下は本文に詳細に記載している主題の概要であるが、この概要は、請求項の保護範囲を限定することを意図したものではない。
【0005】
本願の実施例は、スライドウェイが設けられるベースと、第1のモーターとメッシュするラックを有するノズルと、ベースに沿って前記ノズルをスライドする第1のモーターと、を備えるスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材であって、前記ノズルの噴射口から離れた一端に設けられ、且つトランスミッション構造によりノズルを変位させる第1のモーターと、第1のモーターの出力シャフトとの間で回転しないように結合する駆動ギアと、それぞれコンベヤーベルト、ノズル上のラックと噛合するデュアルトランスミッションギア(dual transmission gear)と、駆動ギア及びデュアルトランスミッションギアの周りに設けられるコンベヤーベルトと、を備えるトランスミッション構造と、を備え、ここで、前記第1のモーターは前記駆動ギアの回転を駆動し、且つデュアルトランスミッションギアと連動してコンベヤーベルトを駆動し、ベースのスライドウェイに沿って前記ノズルを移動させる、スマート便座カバー用のスプレー洗浄部材を提供する。
【0006】
更には、給水給気部材と、スイッチ体と、セルフ洗浄コネクタと、を有する分水ユニットを更に備え、前記ノズルにはいくつかの水路が設けられ、各前記水路の給水口とスイッチ体の水出口は交互に開通し、前記給水給気部材とスイッチ体は第1のホース(hose)により連通し、前記セルフ洗浄コネクタとノズルの1つの水路は第2のホースにより連通し、ここで、第1のホースの湾曲部位は第2のホースの湾曲部位の外側に位置する。
【0007】
更には、前記ベースには、前記第1、第2のホースの一部を置くために供される収容キャビティが設けられ、前記収容キャビティの幅は、最大直径を有する1つのホースの外径以上、2つのホースの外径の和未満である。
【0008】
更には、前記第1のホースの長さは第2のホースの長さより大きい。
【0009】
更には、前記ノズル上に設けられ、且つ前記ノズルに対して変位するようにスイッチ体を駆動する第2のモーターを更に備え、前記第2のモーターの導電線と前記第1、第2のホースは交差しないように並列に配置され、且つ前記第1のホースの湾曲部位の外側に位置する。
【0010】
更には、前記導電線の長さを制限するハーネス構造を更に備え、前記ハーネス構造は、ワイヤーバックル及び収容溝を有し、前記収容溝は前記ベースの底部に形成され、前記ワイヤーバックルは導電線にスライド可能に設けられて、前記収容溝上に取り付けられ、ワイヤーバックルから第2のモーターの間の前記導電線の長さを調節する。
【0011】
更には、前記給水給気部材は、ベースの底部の中間位置に設けられ、且つ第1のモーターとノズルの噴射口の間に位置する。
【0012】
更には、前記給水給気部材は、水出口部、水入口部、気体入口部、支持部、接続部及び制限凸起を備え、前記水入口部と気体入口部は、水出口部側に位置し、前記接続部及び接続部に形成された制限凸起は支持部により水出口部の他側に接続され、且つ前記水入口部、気体入口部、支持部及び制限凸起は互いに平行且ついずれも水出口部の軸方向に垂直であり、前記接続部は前記水出口部の軸線に平行であり、ここで、前記給水給気部材は取り付け構造によりベースに取り付けられ、且つ前記支持部を前記コンベヤーベルトに当接させて、前記コンベヤーベルトを締め付ける。
【0013】
更には、前記取り付け構造は、取付溝と取付孔を備え、前記取付溝と取付孔はそれぞれ収容キャビティの両側壁に設けられ、前記取付孔は制限凸起を設けるのに供され、ここで、取付溝は水入口部及び気体入口部の取り付けに供され、それは開口及び第1、第2の端を含み、前記開口はベース側壁の底部に設けられ、且つ前記開口と第1、第2の端は三角形の取付溝を構成し、前記第1の端は気体入口部又は水入口部を設けるのに供され、第2の端はそれぞれ水入口部又は気体入口部を設けるのに供される。
【0014】
また、本願の実施例は、更に、スプレー洗浄部材組み立て方法を提供する。前記スプレー洗浄部材は、ベースと、モーターと、コンベヤーベルトと、ノズルと、給水給気部材と、を備え、前記ベースは前記コンベヤーベルトを設けるのに供される収容キャビティを有し、前記モーターはベースに設けられて、コンベヤーベルトを介してベースに対してノズルをスライドさせ、収容キャビティの両側壁には取付溝と取付孔が設けられ、ここで、取付溝は開口及び第1、第2の端を含み、前記開口はベースの側壁辺縁に設けられ、且つ第1、第2の端と三角形の取付溝を構成し、前記給水給気部材は、水出口部、水入口部、気体入口部、支持部、接続部及び制限凸起を備え、前記水入口部と気体入口部は、水出口部側に位置し、前記接続部及び制限凸起は支持部により水出口部の他側に接続され、且つ前記水入口部、気体入口部、支持部及び制限凸起はそれぞれは互いに平行且ついずれも水出口部の軸方向に垂直であり、前記接続部と水出口部は軸線に平行であり、前記組み立て方法は、前記給水給気部材の水入口部と気体入口部は、水入口部が前記第1の端に移動し、気体入口部も前記開口と第2の端の間に位置するまで、順に開口から取付溝に入り、且つ前記水出口部、支持部、接続部及び制限凸起を前記収容キャビティ内に位置させ、前記水入口部の軸線を中心として前記給水給気部材を回転させることにより、前記気体入口部を取付溝の第2の端に挿入させ、且つ前記接続部は弾性変形して制限凸起と連動して取付孔に挿入され、このとき、前記支持部はコンベヤーベルト外壁に当接して、コンベヤーベルトを締め付ける、ことを含む。
【0015】
上記の本発明に対する記載より分かるように、従来技術に対して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0016】
1、本技術的試案が提供するスマート便座のスプレー洗浄部材及びスプレー洗浄部材の組み立て方法は、その構造が簡単で、製造に便利且つ実現も容易であり、第1のモーターはベースの後側に設けられ、トランスミッション構造を通してノズルを駆動し、ベースに対してノズルをスライドさせ、この設計は、第1のモーターに好ましい保護作用を奏するだけでなく、便座カバーの厚さの設計に際して、ノズルの高さを満足すればしさえよく、全体の厚さも大幅に削減することができ、占用スペースが小さく美しいスマート便座カバー実現することができる。
【0017】
2、本発明は、ノズルに複数の洗浄機能を持たせる分水ユニットが更に設けられ、分水ユニットのスイッチ体と給水給気部材は第1のホースを用いて連結され、且つ第1のホースの湾曲部位は第2のホースの湾曲部位の外側に位置して(即ち、2つの管は上下に配置される)、ベースの体積を削減する(即ち、ベースの幅を削減する)ことができ、このようにしてスプレー洗浄部材全体の体積を削減し、更にスマート便座の厚さを削減する効果を実現することができる。
【0018】
3、本発明に記載のベースの収容キャビティの幅は、最大直径を有する1つのホースの外径以上、2つのホースの外径の和未満であり、且つ第1のホースの長さは第2のホースの長さより大きい。具体的には、前記ノズルの移動過程において、第1、第2のホースはノズルの伸展又は湾曲に伴って、前記構造により2つのホースがノズルに伴いスライドするとき、2つのホースは湾曲又は伸展方向においてノズルの方向と一致して、第1、第2のホースの湾曲又は伸展はいずれも相対位置を維持するので、第1、第2のホースがもつれないようにすることができ、ホースが相互に交差しないようにすることで、移動をスムーズにして、ホースが交差してスプレー洗浄部材の正常動作に影響することを防止することができる。
【0019】
4、本発明は第2のモーターを採用して分水ユニット中のスイッチ体を駆動し、スイッチ体とノズルのいずれかの水路を対応させることにより前記水出口路を開通する。前記第2のモーターの導電線と第1、第2のホースは交差しないように並列に配置され、且つ第1のホースの湾曲部位の外側に位置し、この設置により導電線が第2のモーターにおいてノズルに伴いスライドするとき、導電線も第1、第2のホースと平行を維持して且つ相対位置を維持するようにし、第1、第2のホースと導電線に交差、もつれ現象が発生することを防止する。
【0020】
5、本発明は、ハーネス構造を更に備え、ワイヤーバックルから第2のモーターの間の導電線の長さをハーネス構造により調節して、導電線が過度に長くなるか、過度に短くなるとき、第1、第2のホースともつれ現象が発生することを防止する。
【0021】
6、本発明の給水給気部材は、ベースの底部の間の位置に設けられ、且つ第1のモーターとノズルの噴射口の間に位置することで、第1、第2のホースの長さが最も短くなり、給水給気部材がノズルの噴射口に近づくと、第1、第2のホースが過度に長くなりすぎ、第1のモーターに近づくと、第1、第2のホースがノズルの動作に伴いアーチ状になり、占用スペースが大きくなる。
【0022】
7、本発明の給水給気部材は、ベース上に設けられ、且つコンベヤーベルト付近に位置して、取り付け構造により給水給気部材の取り付け・固定を実現する場合でも、コンベヤーベルトを支持してコンベヤーベルトを締め付けることができ、このデザインは、コンパクトで巧妙なレイアウトであるだけでなく、第1のモーターとノズルの間の有効な回転を確保し、スマートで正確な制御を実現するという、一石二鳥の機能を実現する。
【0023】
8、本発明のベースの収容キャビティのキャビティ壁上には取付溝と取付孔が設けられ、且つ前記取付溝は三角形の構造を呈し、給水給気部材の水入口部、気体入口部を順に三角形の取付溝の入口から設置して、給水給気部材を回転し、給水給気部材の制限凸起と取付孔を係合させる。制限凸起は取付孔により固定され、水入口部と気体入口部はそれぞれ三角取付溝の両端(第1、第2の端)に入り、給水給気部材全体をベースにしっかりと取り付け、これと同時に、給水給気部材を回転する過程において、支持部もこれに付随してコンベヤーベルトの外部に当接し、コンベヤーベルトを締め付ける作用を奏する。
【0024】
9、本発明に記載のスプレー洗浄部材の取り付け方法は簡易で、いかなる工具も必要とせず、素手で取り付けを実現できるほか、全体の取り付けコストが低く、効率が高く、且つメンテナンスと交換が容易で、安定性に優れ、特に、取り付け後にコンベヤーベルトに安定して当接し、締め付け機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施例の技術的試案をより明瞭に説明するために、以下、実施例の記載において用いる必要がある図面を簡単に紹介する。
【
図1】
図1は本発明の実施例に記載のスプレー洗浄部材の立体分解構造の概略図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例に記載のスプレー洗浄部材立体構造の概略図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例に記載のスプレー洗浄部材の作動状態の概略図一である。
【
図4】
図4は本発明の実施例に記載のスプレー洗浄部材の作動状態の概略図二である。
【
図5】
図5は本発明の実施例に記載のスプレー洗浄部材中のトランスミッション構造部分の断面図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例に記載のスプレー洗浄部材の底面図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例に記載の給水給気部材の立体構造の概略図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例に記載のハーネス構造を示す構造の概略図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例に記載の給水給気部材の取り付け概略図一である。
【
図10】
図10は本発明の実施例に記載の給水給気部材の取り付け概略図二である。
【
図11】
図11は本発明の実施例に記載の給水給気部材の取り付け概略図三である。
【実施形態】
【0026】
以下、本発明の実施例中の図を組み合わせ、本発明の実施例中の技術的試案について明瞭、全方位的に記載する。
【0027】
図1から
図5を参照すると、本発明に記載のスマート便座カバー用のスプレー洗浄部材は、前記スプレー洗浄部材がスマート便座カバー上に設けられており、駆動装置によりノズル1がスマート便座カバーの本体内から便座本体まで伸び、噴射によって洗浄水で臀部を洗浄する。従来のスマート便座カバーの厚さは厚すぎ、重量は重すぎ、且つ占用スペースが大きく、全体的に見て、厚く重い視覚効果を与え、当然ながら美しいとは言えない。厚さが厚くなりすぎる1つの重要な原因は、ノズル1がスマート便座カバーから伸びる位置に駆動モーターが設けられ、駆動モーターの体積にノズル1の体積を加えたものがスマート便座カバーが最初に確保する必要のある基本的厚さであり、この厚さを基礎として、ノズル1が取り付けられたシート本体に対してカバーを裏返す場合、より多くのスペースが必要となるので、カバー全体は高さを更に高くする必要があり(少なくともシート本体の高さと同じにする必要があり)、これが、従来のスマート便座カバーの全体の厚さの主な原因の一つである。一方で、本発明が提供するスプレー洗浄部材は、前記欠陥を有効に解決することができる。
【0028】
前記スプレー洗浄部材は、主に、ノズル1、ベース2、第1のモーター3、第2のモーター4、駆動ギア51、デュアルトランスミッションギア52、コンベヤーベルト53、給水給気部材6、スイッチ体71、セルフ洗浄コネクタ72、ハーネス構造73、殺菌ユニット8及びスプリング9の部材を含む。
【0029】
前記ベース2には、スライドウェイ2A、ベース2の端部に形成されたガイド部20及び収容キャビティ21が設けられる。前記収容キャビティ21はベース2の両側壁からなり、且つ両側壁には供給水給気部材6を取り付けるのに供される取付溝22及び組み立て孔23が対応して設けられる。
【0030】
第1のモーター3は、ベース2上且つノズル1の噴射口から離れた一端に設けられ、トランスミッション構造5を介してノズル1をベース2に沿ってスライドさせ、且つガイド部20を通って往復運動するように設けられる。
【0031】
図5に示す通り、トランスミッション構造5は、駆動ギア51、デュアルトランスミッションギア52及びコンベヤーベルト53を含む。前記駆動ギア51は、第1のモーター3の出力シャフトの間で回転しないように結合する。前記デュアルトランスミッションギア52は、それぞれコンベヤーベルト53及びノズル1上の歯と結合する。説明しておくべき点として、ノズル1はその軸方向に沿ってラックが設けられ、前記ラックはデュアルトランスミッションギア52と噛合する。本発明に記載のデュアルトランスミッションギア52は、第1段ギアプレート521及び第2段ギアプレート522を含み、第1段、第2段ギアプレート521、522は同軸に設けられ、且つシャフトを介して収容キャビティ21内に設けられ、第1段ギアプレート521はノズル1のラックとメッシュし、第2段ギアプレート522はコンベヤーベルト53を介して駆動ギア51と協働して動力の送信を実現する。
【0032】
ここで、前記第1のモーター3は前記駆動ギア51の回転を駆動し、且つコンベヤーベルト53によりデュアルトランスミッションギア52と連動して動作し、前記ノズル1をベース2のスライドウェイ2Aに沿って移動させる。本発明は、第1のモーター3はベース2の後側(即ち、ノズル1の水出口から遠い位置)に配置されるので、便座カバーの全体の厚みはノズル1の高さを満足するだけでよいことを考慮すればよく、軽く、薄いスマート便座カバーを簡単に実現することができる。
【0033】
厚みを低減するということを前提に、全体的な機能の実現を確実にすることも必要であり、本発明には、水給気部材6、スイッチ体71及びセルフ洗浄コネクタ72を有する分水ユニットが更に設けられる。
【0034】
前記ノズル1には、いくつかの水路10(いくつかの水路10は、臀部洗浄、ビデ洗浄、セルフ洗浄、強化洗浄等の機能的水路を含む)が設けられ、各前記水路10の水入口とスイッチ体71の水出口は交互に開通する。説明しておくべき点として、前記スイッチ体71は、ノズル1上に設けられた第2のモーター4により、ノズル1に対する前記スイッチ体71の移動を実現し、前記第2のモーター4とスイッチ体71には同様にギア・ラック構造が採用されて、回転が実現される。
【0035】
前記給水給気部材6とスイッチ体71は第1のホースAにより連通する。説明しておくべき点として、前記給水給気部材6は第1のモーター3とガイド部20の間に設けられ、このような第1のホースAに必要となる長さは最も短く、第1のホースAの長さを合理的にレイアウトすることにより、ノズル1部材の全体の体積を削減する効果が達成される。
【0036】
前記給水給気部材6は、水入口部61、気体入口部62、水出口部63、支持部64、接続部65及び制限凸起66を含む。前記水入口部61、気体入口部62は水出口部63側に位置する。制限凸起66、接続部65は支持部64を介して水出口部63の他側に接続され、且つ前記水入口部61、気体入口部62、支持部64及び制限凸起66は互いに平行且ついずれも水出口部63の軸方向に垂直である。前記接続部65は水出口部63の軸線に平行である。説明しておくべき点として、前記第1のホースAの一端は水出口部63に接続され、他端はスイッチ体71に接続される。前記給水給気部材6は取り付け構造によりベース2に設けられ、且つ給水給気部材6の支持部64を前記コンベヤーベルト53に当接させて、前記コンベヤーベルト53を締め付ける。
【0037】
前記セルフ洗浄コネクタ72はガイド部20の下方に設けられ、且つ第2のホースBを介してノズル1の1つの水路10Aに連結し、即ち、ノズル1の外壁を洗浄する必要があるとき、スイッチ体71とノズル1のうちの1つの水路10Aが開通し、水流は第2のホースBを通ってセルフ洗浄コネクタ72に流れ、セルフ洗浄コネクタ72がノズル1の外壁に噴射して洗浄する。
【0038】
ここで、前記第1のホースAの湾曲部位は、第2のホースBの湾曲部位の外側に位置する(つまり、第1のホースの湾曲部位はホース、第2のホースの湾曲部位の輪郭によって大まかに定義される円の中心から、第2のホース湾曲部位よりもホースさらに離れているホースことを指す)。ここでの第1、第2のホースA、Bは湾曲可能なゴム管である。本発明は、第1のホースAを第2のホースBの上方に設け、ノズル1の部材の体積を更に削減する。
【0039】
第1、第2のホースA、Bがノズル1に伴って変位するとき、両ホースがもつれることを防止するために、本発明は、前記収容キャビティ21の幅が1つのホースの外径より大きく、2つのホースの外径の和未満となるようにし、且つ前記第1のホースAの長さが第2のホースBの長さより大きくなるよう設置しており、このレイアウトは、コンパクト、巧妙であるほか、ノズル1の回転に干渉しないと同時に、押圧により両ホースの水流がスムーズでなくなる等の問題が発生しない。また、第2のホースBの外壁には、更に第2のホースBの過度な湾曲を防止するスプリング9が設けられており、第2のホースBは、湾曲過程において第1のホースAの内径範囲に位置し、過度な湾曲を生じやすいので、スプリング9を設けることにより、第2のホースBが過度に湾曲しないよう確保するだけでなく、仮に第1、第2のホースA、Bが接触したとしても、第1、第2のホースA、Bの摩擦及び干渉を低減することができる。
【0040】
また、
図1~3、6、7に示す通り、本発明の第2のモーター4の導電線40は、第1、第2のホースA、Bと平行に設けられ、且つ第1のホースAの外側に位置する。この設置により、第2のモーター4がノズル1に伴って動き導電線40がスライドするとき、導電線40は第1、第2のホースA、Bと平行且つ相対位置を維持することができ、第1、第2のホースA、Bと導電線40に交差し、もつれ現象が発生することを防止できる。より具体的には、更にハーネス構造73を設けることにより、もつれの防止を実現することができる。前記ハーネス構造73は、ワイヤーバックル731及び収容溝732を含み、前記収容溝732は前記ベース2の底部に形成される。前記ワイヤーバックル731のスライドカバーは導電線40に設けられ、前記収容溝732上に設けられて、ワイヤーバックル731から第2のモーター4の間の前記導電線40の距離を調節する。
【0041】
前記給水給気部材6は、取り付け構造によりベース2の底部に設けられ、且つ第1のモーター3とノズル1噴射口の間に位置し、且つ給水給気部材6の支持部64を前記コンベヤーベルト53に当接させて、前記コンベヤーベルト53を締め付ける。具体的には、前記取り付け構造は、ベース2の収容キャビティ21の両側壁に設けられた取付溝22及び取付孔23を含む。
【0042】
前記取付溝22及び取付孔23は、それぞれ収容キャビティ21の両側壁に設けられる。前記取付孔23は制限凸起66の取り付けに供される。ここで、取付溝22は水入口部61及び気体入口部62の取り付けに供される。前記取付溝22は開口221及び第1、第2の端222、223を含む。前記開口221はベース2の側壁辺縁に設けられ、且つ前記開口221と第1、第2の端222、223は三角形の取付溝22を構成する。前記第1、第2の端222、223はそれぞれ水入口部61と気体入口部62の取り付けに供される。
【0043】
前記ノズル1部材の組み立て方法は以下の通りである:(
図1~8に示す通り)。
【0044】
一、ベース2のシュートに対応してノズル1を取り付け、ノズル1をシュートに沿ってスライドさせ、且つノズル1の噴射口はガイド部20に対して変位する。
【0045】
二、第1のモーター3をベース2の側壁に固定し、且つその出力シャフトは駆動ギア51との間で回転しないように結合する。
【0046】
三、ピンまたはシャフトにより、デュアルトランスミッションギア52を前記収容キャビティ21内に固定することにより、第1段ギアプレート521とノズル1を噛合させ、第2段ギアプレート522はコンベヤーベルト53を介して駆動ギア51と協働する。
【0047】
四、セルフ洗浄コネクタ72をガイド部20の下方に固定し、水出口をノズル1に対して位置合わせし、更にスプリング9が設けられた第2のホースBを収容キャビティ21から取り付け、第2のホースBの両端をそれぞれノズル1、セルフ洗浄コネクタ72に接続する。
【0048】
五、第2のモーター4をノズル1に固定し、且つギアトランスミッションアセンブリをスイッチ体71に結合することにより、ノズル1に対してスイッチ体71を変位させ、更に第1のホースAの一端はスイッチ体71に接続され、他端は給水給気部材6の水出口部63に接続される。
【0049】
六、前記給水給気部材6の水入口部61、気体入口部62を、ベース2の側壁辺縁の開口221から順に取り付け、この場合、水入口部61が前記第1の端222まで変位し、気体入口部62も前記開口221と第2の端223の間に変位するまで、水入口部61を先に取付溝22に取り付け、その後気体入口部62を取付溝22に取り付け(
図9に示す通り)、且つ前記水出口部63、支持部64、接続部65及び制限凸起66が前記収容キャビティ21内に位置する。説明しておくべき点として、このとき、支持部64はコンベヤーベルト53にまだ当接しておらず、また制限凸起66も取付孔23に取り付けられていない(
図10に示す通り)。
【0050】
七、第1の端222に位置する前記水入口部61の軸線を軸として(
図11に示す通り)、前記給水給気部材6を回転させ、前記気体入口部62を取付溝22の第2の端223に取り付け、且つ前記接続部65を弾性変形させて、制限凸起66と連動して取付孔23に挿入され、これと同時に、前記支持部64は、一定の角度で回転した後、コンベヤーベルト53の外壁に当接して、コンベヤーベルト53を締め付ける。更に、第1のホースAを収容キャビティ21内且つ第2のホースBの上方に位置させる。
【0051】
八、ワイヤーバックル731を介して第2のモーター4の導電線40の長さを調節し(この長さが指すのは、第2のモーター4からワイヤーバックル731の長さである)、それを第1のホースAの上方に設けた後、ワイヤーバックル731をフック部に取り付けて、最終的に、導電線40、第1のホースA、第2のホースBを上から下に順に排列し、且つ動作過程において相対位置を維持し、もつれが発生しないようにする。
【0052】
九、前記紫外線殺菌灯8をガイド部20上に設け、ノズル1部材全体の取り付けを完了する。
【0053】
実際に使用する場合、第1のモーター3が信号を受信して起動した後、駆動ギア51、コンベヤーベルト53及びデュアルトランスミッションギア52の回転により、ベース2に対してノズル1をスライドさせる。この動作過程において、ノズル1の動作は、第1、第2のホースA、B及び導電線40の形状を変形させる。水流及び気体は給水給気部材6を介して進入し、第1のホースAを介してスイッチ体71に伝送されて、スイッチ体71は対応する水路10に対応するように第2のモーター4の制御を受けて変位し、水流及び気体はこれにより開通した水流から噴出し、最終的に、臀部洗浄、ビデ洗浄、セルフ洗浄、強化洗浄等の機能を実現する。
【0054】
以上の明細書及び実施例の記載は、本発明の保護範囲を解釈するために用いられるが、本発明の保護範囲を限定するものではない。