(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】制御装置及びその方法、ならびに水栓
(51)【国際特許分類】
F24H 15/174 20220101AFI20231201BHJP
E03C 1/044 20060101ALI20231201BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20231201BHJP
F24H 15/215 20220101ALI20231201BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20231201BHJP
F24H 15/223 20220101ALI20231201BHJP
F24H 15/238 20220101ALI20231201BHJP
G05D 23/19 20060101ALI20231201BHJP
F24H 15/37 20220101ALI20231201BHJP
F24H 15/315 20220101ALI20231201BHJP
【FI】
F24H15/174
E03C1/044
F24H1/00 A
F24H15/215
F24H15/219
F24H15/223
F24H15/238
G05D23/19 H
F24H15/37
F24H15/315
(21)【出願番号】P 2022536589
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(86)【国際出願番号】 KR2020018364
(87)【国際公開番号】W WO2021125750
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0167432
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0092533
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122704
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0147067
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520383452
【氏名又は名称】ザ エスエル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ソン,キョングン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジョングン
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0138246(US,A1)
【文献】特開2009-079360(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1617659(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0054217(US,A1)
【文献】特開2014-194317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 15/174
E03C 1/044
F24H 1/00
F24H 15/215
F24H 15/219
F24H 15/223
F24H 15/238
G05D 23/19
F24H 15/37
F24H 15/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者により排出水の希望水量及び希望温度が設定される入力手段と、
温水管及び冷水管に設けられて温水及び冷水の水量をそれぞれ測定する第1水量センサ及び第2水量センサと、
前記温水管及び前記冷水管に設けられて温水及び冷水の温度をそれぞれ測定する第1温度センサ及び第2温度センサと、
その内部にヒータを備えて前記温水管から供給される温水を加熱して保存し、使用者による水栓の使用時に加熱された温水を水栓側に供給する加熱水槽と、
前記加熱水槽内の水の温度を測定する第3温度センサと、
前記温水管から供給される温水を前記水栓側に供給する温水直水管と、
前記温水管から供給される温水を、前記加熱水槽と前記温水直水管とに既定の割合によって分配する分配器と、
前記加熱水槽から供給される加熱温水、前記温水直水管から供給される温水、及び前記冷水管から供給される冷水を混合して、使用者から入力された希望水量及び希望温度の排出水を排出管を通じて水栓に供給する電子弁と、
前記電子弁の排出管を通じて供給される排出水の温度を測定する第4温度センサと、
前記加熱水槽内の水の温度に基づいて前記加熱水槽内に備えられているヒータの駆動如何を制御し、前記温水及び冷水の水量と前記第1温度センサないし第4温度センサによって測定された値に基づいて前記
ヒータの駆動如何及び前記電子弁の開放度を制御して、前記排出水の水量及び温度を、使用者により設定された排出水の希望水量及び希望温度に対応して設定される目標水量及び目標温度とする制御器と、を備える水栓制御装置。
【請求項2】
前記制御器は、温水供給地点と水栓とを連結する前記温水管内に存在する残存温水の水量、前記加熱水槽の容量、前記第1温度センサの測定値、前記第3温度センサの測定値、前記残存温水の供給水量、排出水に対して設定された最低供給温度に基づいて水栓に供給するための前記加熱水槽内の温水の加熱温度を算出し、前記算出された加熱温度及び前記第3温度センサの測定値に基づいて前記加熱水槽に備えられているヒータの駆動如何を定めることを特徴とする請求項1に記載の水栓制御装置。
【請求項3】
前記水栓と前記電子弁との間に設けられて前記電子弁から入力された排出水を前記水栓に提供する第2電子弁をさらに備え、
前記制御器は、前記電子弁の排出管を通じて入力された排出水の水量が前記排出水の目標水量に対応するように、前記第2電子弁を制御することを特徴とする請求項1に記載の水栓制御装置。
【請求項4】
前記電子弁は、
前記加熱水槽から供給される加熱温水と、前記温水直水管から供給される温水とが既定の体積比で混合された混合温水を受け入れる第1流入管と、
前記冷水管から供給される冷水を受け入れる第2流入管と、
前記排出水を前記水栓に出力する排出管と、
前記第1流入管から入力される混合温水と前記第2流入管から入力される冷水との混合割合を定めて前記排出管に提供する開閉器と、
前記制御器の制御によって回転するモータと、
前記モータと前記開閉器とを機械的に連結して、前記モータの回転運動に対応して前記開閉器による混合温水と冷水との混合割合を定める駆動モジュールと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の水栓制御装置。
【請求項5】
前記制御器は、前記第1水量センサによって測定された温水供給量、前記第2水量センサによって測定された冷水供給量、前記第1ないし第3温度センサによって測定された測定値、及び前記排出水の目標温度及び目標水量に基づいて温水の供給地点から水栓までの温水配管内の残存温水の水量を算出し、前記残存温水の水量に基づいて前記残存温水が完全に消尽するまで前記第4温度センサによって測定された測定値を排出水の目標温度以上に維持することができないと把握されれば、前記加熱水槽に備えられているヒータを駆動することを特徴とする請求項4に記載の水栓制御装置。
【請求項6】
前記制御器は、前記第4温度センサの測定値と前記排出水の目標温度との差が既定の第2基準誤差より大きければ、前記電子弁を制御して前記加熱温水と前記冷水との混合割合を変更して、前記第4温度センサの測定値と前記排出水の目標温度との差を既定の第2基準誤差以下にすることを特徴とする請求項4に記載の水栓制御装置。
【請求項7】
前記分配器と前記加熱水槽との間には、熱遮断のための遮蔽装置が備えられることを特徴とする請求項4に記載の水栓制御装置。
【請求項8】
前記制御器は、前記第3温度センサによって測定された測定値が既定の基準温度ほど増加する度に前記電子弁を駆動して、前記第1流入管と前記第2流入管とを連通させることで前記加熱水槽内の圧力を解除することを特徴とする請求項4に記載の水栓制御装置。
【請求項9】
前記制御器は、温水供給地点と水栓とを連結する前記温水管内に存在する残存温水の水量、前記加熱水槽の容量、前記第1温度センサの測定値、前記第2温度センサの測定値、前記第3温度センサの測定値、前記残存温水の供給水量、排出水に対して設定された最低供給温度に基づいて水栓に供給するための前記加熱水槽内の温水の加熱温度を算出し、前記算出された加熱温度及び前記第3温度センサの測定値に基づいて前記加熱水槽に備えられているヒータの駆動如何を定めることを特徴とする請求項4に記載の水栓制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動温度調節の可能な水栓制御装置及びその方法、ならびに水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
シンク台や洗面台などに設けられる水栓は、冷温水配管から冷温水がそれぞれ供給されるように形成されている本体と、本体に設けられて水の断続及び冷温水の選択を行うレバーと、で構成される。使用者が、レバーを取って回転または昇降させれば、水を遮断または供給することができ、また供給される水の温度を調節することができる。レバーを開閉させつつ水量を調節すると共に、一つの水栓金具から温水及び冷水が一緒に出る場合、レバーの回転角度を調節することで水の温度を調節する。
【0003】
水栓を通じて供給される温水の温度は、個別供給システムの場合にはボイラーの状態により影響される。例えば、もうボイラーを十分に駆動して温水が確保された状態では水栓を動作させると共に温水が供給されるが、ボイラーの駆動したばかりの時点では、最初には冷水が供給され、段々温水の量が多くなりつつ所定温度に到逹する。一方、中央供給システムの場合には、温水供給源から温水の消費場所までの距離、外部気温、水圧、隣の温水使用如何などに影響される。
【0004】
また、温水給水栓の内部の温度が均一ではない場合、急に高温の水が水栓を通じて供給されるか、または温水供給の途中で水の温度が変わる場合もよく生じる。このような温水の温度の急激な変化で、やや高温のお湯で肌にやけどをすることもあり、供給される水の温度が瞬間的に冷えることで使用者に不快感を与えることもある。さらには、温水の供給水圧が変わる場合にも水の温度が変わるという問題がある。
【0005】
これについて、韓国登録特許第10-1986942号明細書には、自動温度調節の可能な水栓、その制御装置及び方法を提示されている。しかし、該特許に記載されている水栓は、電力が十分に供給される環境で目標とする動作が可能であるという点で限界がある。すなわち、韓国のように、家庭内の最大電力が約5Kwであり、かつ家庭用コンセントの最大電力が約3Kwである場合、50mlの水を1秒間ヒータで暖めれば、約12℃上昇させることができる。このような状況で、温水管内の温水の温度が20℃に低くなっていれば、温水管から秒当たり50mlの温水が出水されるように弁を制御するとしても、1秒の間に温水の温度を32℃まで上昇させることができる。この温度は、使用者の希望する温度より低すぎるため、水栓から得ようとする目標を果たし難くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、自動温度調節の可能な水栓制御装置及びその方法、ならびに水栓を提供する。
【0007】
また、本発明は、温水または冷水の供給水圧が変わっても、排出される温度を一定に維持するように自動調節できる水栓第語装置及びその方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、温水または冷水の供給水圧が変わっても、排出される温度を一定に維持するように自動調節できる水栓を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、自動温度調節の可能な水栓制御装置が提供される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、使用者により排出水の希望水量及び希望温度が設定される入力手段と、温水管及び冷水管に設けられて温水及び冷水の水量をそれぞれ測定する第1水量センサ及び第2水量センサと、前記温水管及び前記冷水管に設けられて温水と冷水の温度をそれぞれ測定する第1温度センサ及び第2温度センサと、その内部にヒータを備えて前記温水管から供給される温水を1次で加熱して保存する加熱水槽と、前記加熱水槽内の水の温度を測定する第3温度センサと、その内部にヒータを備えて前記温水管から供給される温水を2次で加熱して提供する加熱モジュールと、前記温水管から供給される温水を、前記加熱水槽と前記加熱モジュールとに既定の割合で分配する分配器と、前記加熱水槽から出水される1次加熱温水と、前記加熱モジュールから出水される2次加熱温水とが混合された混合温水の温度を測定する第4温度センサと、前記温水及び冷水の排出口に設けられる自動駆動弁モジュールと、前記加熱水槽内の水の温度に基づいて前記加熱水槽内に備えられたヒータの駆動如何を制御し、前記温水及び冷水の水量と記第1ないし第4温度センサによって測定された値に基づいて、前記加熱モジュールの駆動如何及び前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御して、前記排出水の水量及び温度を、使用者により設定された排出水の希望水量及び希望温度に対応して設定される目標水量及び目標温度にする制御器と、を備える水栓制御装置が提供される。
【0011】
望ましくは、前記入力手段は、水栓ノブの作動終了時の水平回転角と垂直回転角のうち少なくとも一つを測定する角度センサである。
【0012】
望ましくは、前記制御器は、前記水栓ノブの最大水平回転角の中間を水平回転基準点と設定し、前記水栓ノブの最下端位置を垂直回転基準点と設定し、前記水平回転基準点及び前記垂直回転基準点を用いて前記水栓ノブの前記水平回転角及び前記垂直回転角を算出する。
【0013】
望ましくは、前記制御器は、前記水栓ノブの停止位置に対応する排出水の目標水量及び目標温度を算出し、前記温水及び冷水の水圧を用いて算出した前記温水と冷水の水量及び前記温水と冷水の温度に基づいて前記第1電子弁及び第2電子弁の開度を制御して、前記排出水の水量及び温度を前記目標水量及び目標温度にする。
【0014】
望ましくは、前記入力手段は、無線通信機能を備えて使用者が設定した排出水の希望水量及び希望温度を前記制御器に伝送する無線制御装置である。
【0015】
望ましくは、前記入力手段は、使用者から排出水の希望水量及び希望温度が入力され、それ自体に備えられている出力装置に表示して、前記制御部に提供する入力パネルである。
【0016】
望ましくは、前記分配器は、前記温水管から供給される温水を、前記加熱水槽と前記加熱モジュールとに1:1ないし1:4の水量比で分配する。
【0017】
望ましくは、前記自動駆動弁モジュールは、前記温水及び冷水の排出口にそれぞれ設けられる第1電子弁及び第2電子弁を備え、前記制御器は、前記混合温水と冷水の水量及び前記第1ないし第4温度センサによって測定された値を用いて、前記排出水の水量及び温度が前記目標水量及び目標温度になるように、前記第1電子弁及び第2電子弁の開放度を制御する。
【0018】
望ましくは、前記自動駆動弁モジュールは、前記温水及び冷水の排出口から供給される温水と冷水とを混合して排出する第3電子弁を備え、前記制御器は、前記温水と冷水の水量及び前記第1ないし第4温度センサによって測定された値に基づいて、前記排出水の水量及び温度が前記目標水量及び目標温度になるように前記第3電子弁を制御する。
【0019】
望ましくは、前記制御器は、前記第1温度センサによって測定された温水温度が前記排出水の目標温度より高い場合、前記排出水の目標水量、前記温水の温度、前記冷水の温度、前記温水の水量及び前記冷水の水量を用いて冷水の増加量を計算し、前記冷水の増加量ほど温水の減少量を設定するが、前記冷水の増加量及び前記温水の減少量を反映して前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御する。
【0020】
望ましくは、前記制御器は、前記第1温度センサによって測定された温水温度が前記排出水の目標温度未満である場合、前記第4温度センサによって測定された温水温度が、前記使用者が設定した排出水の希望温度に対応する排出水の目標温度に到逹するまで前記加熱モジュールを駆動させ、前記自動駆動弁モジュールを制御して冷水が排出されないようにするが、前記温水の水量が前記排出水の目標水量より少なければ、前記自動駆動弁モジュールを制御して温水が全量排出されるようにし、前記温水の水量が前記排出水の目標水量より多ければ、前記排出水の水量が前記排出水の目標水量と等しくなるように前記自動駆動弁モジュールを制御し、前記第1温度センサによって測定された温水温度が前記排出水の目標温度に到逹すれば、前記加熱モジュールの駆動を中断し、前記温水と冷水の水量及び前記第1温度センサ及び第2温度センサによって測定された前記温水と冷水の温度に基づいて前記自動駆動弁モジュールを制御して、前記排出水の水量及び温度を前記目標水量及び目標温度にする。
【0021】
望ましくは、前記制御器は、前記温水の水量と前記冷水の水量とがいずれも増加した場合、前記排出水の水量を維持するように、増加した温水の水量及び冷水の水量ほど前記温水の水量及び前記冷水の水量を低減させるように、前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御し、前記温水の水量が減少した場合、前記排出水温度を維持するように、前記減少した温水の水量ほど前記冷水の水量が減少するように前記自動駆動弁モジュールを制御し、前記冷水の水量が減少した場合、前記排出水温度を維持するように、前記減少した冷水の水量ほど前記温水の水量を低減させるように、前記自動駆動弁モジュールを制御する。
【0022】
望ましくは、前記制御器は、前記温水の水量が減少した場合、前記排出水の水量を維持するように、前記温水の水量が減少したほど冷水の水量が増加するように前記自動駆動弁モジュールを制御し、前記排出水の温度を維持するように、前記排出水温度に相応して前記加熱モジュールを駆動させる。
【0023】
望ましくは、前記制御器は、前記温水または冷水の水圧が変わる場合に、水圧変化量による前記排出水の温度変化量を算出して前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御する。
【0024】
望ましくは、前記加熱モジュールは、前記分配器と、前記加熱水槽から1次加熱温水が出水される地点との間に配置される。
【0025】
望ましくは、前記加熱モジュールは、複数のヒータで構成され、前記分配器に隣接しているヒータから順次にまたは選択的に駆動される。
【0026】
本発明の他の実施形態によれば、その内部にヒータを備えて温水管から供給された温水を1次で加熱して保存する加熱水槽、前記加熱水槽から出水される1次加熱温水と前記温水管から供給される温水とを、設定された割合で混合して提供する混合器、前記混合器から出水される混合温水を提供されて2次で加熱して提供する加熱モジュール、温水及び冷水の吐出口に設けられる自動駆動弁モジュールを制御する水栓制御装置であって、プロセッサと、前記プロセッサに連結されるメモリと、を備え、前記メモリは、前記温水と冷水の水量及び前記第1ないし第5温度センサによって測定された値に基づいて、吐出水の水量及び温度が使用者により設定された吐出水の希望水量及び希望温度に対応して設定される目標水量及び目標温度になるように、前記自動駆動弁モジュールを制御する前記プロセッサによって実行可能なプログラム命令語を保存する水栓制御装置が提供される。
【0027】
本発明の他の実施形態によれば、使用者により吐出水の希望水量及び希望温度が設定される入力手段と、温水管及び冷水管に設けられて温水及び冷水の水量をそれぞれ測定する第1水量センサ及び第2水量センサと、前記温水管及び前記冷水管に設けられて温水及び冷水の温度をそれぞれ測定する第1温度センサ及び第2温度センサと、その内部に加熱器を備えて前記温水管から供給された温水を1次で加熱して保存する加熱水槽と、前記加熱水槽内の水の温度を測定する第3温度センサと、前記加熱水槽から出水される1次加熱温水及び前記温水管から供給される温水を設定された割合で混合して提供する混合器と、前記混合器から出水される混合温水の温度を測定する第4温度センサと、前記混合器から出水される混合温水を提供されて2次で加熱して提供する加熱モジュールと、前記加熱モジュールから出水される2次加熱温水の温度を測定する第5温度センサと、前記温水及び冷水の吐出口に設けられる自動駆動弁モジュールと、前記加熱水槽内の水の温度に基づいて前記加熱水槽内に備えられたヒータの駆動如何を制御し、前記温水と冷水の水量及び前記第1ないし第5温度センサによって測定された値に基づいて、前記加熱モジュールの駆動如何及び前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御して、前記吐出水の水量及び温度を、使用者により設定された吐出水の希望水量及び希望温度に対応して設定される目標水量及び目標温度にする制御器と、を備え、前記制御器は、温水と冷水の水量及び温水と冷水の温度をモニタリングして適応的に前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御するが、(a)前記第4温度センサによって測定された混合温水の温度が前記吐出水の目標温度未満である場合、(a1)前記第5温度センサによって測定された温水の温度が前記吐出水の目標温度に到逹するまで前記加熱モジュールを駆動させ、冷水が吐出されないように前記自動駆動弁モジュールを制御するが、前記温水の水量が前記吐出水の目標水量より少なければ、前記自動駆動弁モジュールを制御して温水が全量吐出されるようにして、前記温水の水量が前記吐出水の目標水量より多ければ前記吐出水の水量が前記吐出水の目標水量と等しくなるように前記自動駆動弁モジュールを制御し、(a2)前記第4温度センサによって測定された温水の温度が前記吐出水の目標温度に到逹すれば、前記加熱モジュールの駆動を中断し、前記温水と冷水の水量及び前記第4温度センサと第2温度センサによって測定された前記混合温水と冷水の温度に基づいて前記自動駆動弁モジュールを制御して、前記吐出水の水量及び温度が前記目標水量及び目標温度になるようにし、(b)前記第4温度センサによって測定された温水温度が前記吐出水の目標温度以上である場合、(b1)前記温水と冷水の水量及び前記混合温水と冷水の温度に基づいて、前記自動駆動弁モジュールを制御して前記吐出水の水量及び温度が前記目標水量及び目標温度になるようにし、(b2)前記吐出水の水量及び温度が前記目標水量及び目標温度になった状態で、前記温水の水量及び前記冷水の水量のうち少なくとも一つが変われば、(b21)温水の水量と前記冷水の水量がいずれも増加した場合、温水の水量及び冷水の水量を低減させて前記吐出水の水量及び温度が前記吐出水の目標水量及び目標温度になるように前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御し、(b22)温水の水量が減少した場合、減少した温水の水量ほど冷水の水量を低減させて、前記吐出水の温度が前記吐出水の目標温度になるように前記自動駆動弁モジュールを制御するか、または、温水の減少量ほど冷水の水量を増加させるように前記自動駆動弁モジュールを制御し、前記加熱モジュールを駆動させて前記温水の温度を高めるように制御し、(b23)冷水の水量が減少した場合、減少した冷水の水量ほど温水の水量を低減させるように前記自動駆動弁モジュールを制御することを特徴とする水栓制御装置が提供される。
【0028】
本発明の他の態様によれば、自動温度調節の可能な水栓制御方法が提供される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、(a)使用者から希望する吐出水の温度及び水量が入力されるステップと、(b)温水管と冷水管内の温水と冷水の水量を測定するステップと、(c)前記温水管と冷水管内の温水と冷水の温度を測定するステップと、(d)前記使用者より希望する吐出水の温度及び水量に対応する吐出水の目標水量及び目標温度が算出されるステップと、(e)前記温水管内の温水を、既定の温度に加熱された温水が保存されている加熱水槽内の温水と混合して混合温水を提供するステップと、(f)前記吐出水の温度及び水量が前記吐出水の目標水量及び目標温度と等しくなるように、前記混合温水と冷水の水量及び温度を用いて前記温水及び冷水の吐出口に設けられている自動駆動弁モジュールを制御するステップと、を含み、(f1)前記混合温水の温度が前記吐出水の目標温度より高ければ、前記吐出水の目標水量、前記混合温水の温度、前記冷水の温度、前記混合温水の水量及び前記冷水の水量を用いて冷水の増加量を計算し、前記冷水の増加量ほど前記混合温水の減少量を設定するが、前記冷水の増加量及び前記混合温水の減少量を反映して前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御し、(f2)前記混合温水の温度が前記吐出水の目標温度未満であれば、前記混合水槽の後端に配置されている加熱モジュールによって前記混合温水を前記排出水の目標温度に到逹するまで加熱し、前記自動駆動弁モジュールを制御して冷水が吐出されないようにするが、前記混合温水の水量が前記吐出水の目標水量より少なければ、前記自動駆動弁モジュールを制御して温水が全量吐出されるようにし、前記温水の水量が前記吐出水の目標水量より多ければ、前記吐出水の水量が前記吐出水の目標水量と等しくなるように前記自動駆動弁モジュールを制御し、(g1)前記混合温水の水量と前記冷水の水量がいずれも増加すれば、前記吐出水の水量を維持するように増加した混合温水の水量及び冷水の水量ほど前記混合温水の水量及び前記冷水の水量を低減させるように前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御し、(g2)前記混合温水の水量が減少すれば、前記吐出水温度を維持するように前記減少した混合温水の水量ほど前記冷水の水量が減少するように前記自動駆動弁モジュールを制御し、(g3)前記冷水の水量が減少すれば、前記吐出水温度を維持するように前記減少した冷水の水量ほど前記混合温水の水量を低減させるように前記自動駆動弁モジュールを制御する。
【0030】
望ましくは、前記混合温水の水量が減少すれば、前記吐出水の水量を維持するように前記混合温水の水量が減少したほど冷水の水量が増加するように前記自動駆動弁モジュールを制御し、前記吐出水の温度が目標温度になるように前記加熱モジュールによって前記混合温水を加熱する。
【0031】
望ましくは、前記混合温水または冷水の水量が変われば、水量変化量による前記吐出水の温度変化量を算出して前記自動駆動弁モジュールの開放度を制御する。
【0032】
本発明による水栓制御装置の望ましいさらに他の実施形態は、使用者により排出水の希望水量及び希望温度が設定される入力手段と、温水管及び冷水管に設けられて温水と冷水の水量をそれぞれ測定する第1水量センサ及び第2水量センサと、前記温水管及び前記冷水管に設けられて温水と冷水の温度をそれぞれ測定する第1温度センサ及び第2温度センサと、その内部にヒータを備えて前記温水管から供給される温水を加熱して保存し、使用者による水栓使用の時に加熱された温水を水栓側に供給する加熱水槽と、前記加熱水槽内の水の温度を測定する第3温度センサと、前記温水管から供給される温水を前記水栓側に供給する温水直水管と、前記温水管から供給される温水を前記加熱水槽と前記温水直水管とに既定の割合によって分配する分配器と、前記加熱水槽から供給される加熱温水、前記温水直水管から供給される温水及び前記冷水管から供給される冷水を混合して、使用者から入力された希望水量及び希望温度の排出水を排出管を通じて水栓に供給する電子弁と、前記電子弁の排出管を通じて供給される排出水の温度を測定する第4温度センサと、前記加熱水槽内の水の温度に基づいて前記加熱水槽内に備えられているヒータの駆動如何を制御し、前記温水と冷水の水量及び前記第1温度センサないし第4温度センサによって測定された値に基づいて前記加熱モジュールの駆動如何及び前記電子弁の開放度を制御して、前記排出水の水量及び温度を、使用者により設定された排出水の希望水量及び希望温度に対応して設定される目標水量及び目標温度にする制御器と、を備える。
【0033】
望ましくは、前記電子弁は、その内部に円筒状の収容空間が形成されているハウジングと、前記加熱水槽から供給される加熱温水を受け入れて前記収容空間に提供する第1流入管と、前記温水直水管から供給される温水を受け入れて前記収容空間に提供する第2流入管と、前記冷水管から供給される冷水を受け入れて前記収容空間に提供する第3流入管と、前記排出水を前記水栓に出力する排出管と、前記ハウジングの長手方向に移動自在に前記円筒状の収容空間内に挿入され、前記収容空間内での位置によって前記第1ないし第3流入管のうち1個または2個の流入管の開放度を定める開閉器と、前記制御器の制御によって回転するモータと、前記モータと前記開閉器とを機械的に連結して前記モータの回転運動を前記開閉器の直線運動に変換する回転軸と、を備える。
【0034】
望ましくは、前記水栓と前記電子弁との間に設けられて前記電子弁から入力された排出水を前記水栓に提供する第2電子弁をさらに備え、前記制御器は、前記電子弁の排出管を通じて入力された排出水の水量が前記排出水の目標水量に対応するように前記第2電子弁を制御する。
【0035】
望ましくは、前記開閉器は、前記収容空間内で前記第1流入管と前記第2流入管との開放割合が1:0と0:1との間で定められる第1移動範囲と、前記第2流入管と前記第3流入管との開放割合が1:0と0:1との間で定められる第2移動範囲と、前記第1流入管と前記第3流入管との開放割合が1:0と0:1との間で定められる第3移動範囲内で、前記モータの回転方向及び回転量によってその位置が定められる。
【0036】
望ましくは、前記制御器は、前記第1温度センサないし前記第3温度センサの測定値に基づいて前記モータの回転方向及び回転量を制御して前記開閉器の位置を定めるが、i)前記第1温度センサの測定値と前記第3温度センサの測定値との差が既定の第1基準誤差以下であり、前記目標温度が前記第1温度センサの測定値以上であれば、前記開閉器は前記第1移動範囲内でその位置が定められ、ii)前記第1温度センサの測定値と前記第3温度センサの測定値との差が既定の第1基準誤差以下であり、前記目標温度が前記第1温度センサの測定値より低ければ、前記開閉器は前記第3移動範囲内でその位置が定められ、iii)前記第1温度センサの測定値と前記第3温度センサの測定値との差が既定の第1基準誤差より大きく、前記第3温度センサの測定値が前記第1温度センサの測定値より高ければ、前記目標温度が前記第1温度センサの測定値以上である場合に、前記開閉器は前記第1移動範囲内でその位置が定められ、前記目標温度が前記第1温度センサの測定値より低い場合に、前記開閉器は前記第2移動範囲内でその位置が定められるが、前記目標温度が前記第1温度センサの測定値より高くなる時点から、前記開閉器は前記第3移動範囲内でその位置が定められ、iv)前記第1温度センサの測定値と前記第3温度センサの測定値との差が既定の第1基準誤差より大きく、前記第3温度センサの測定値が前記第1温度センサの測定値より低ければ、前記開閉器は、前記第3移動範囲内でその位置が定められる。
【0037】
望ましくは、前記制御器は、前記第1水量センサによって測定された温水供給量、前記第2水量センサによって測定された冷水供給量、前記第1ないし第3温度センサによって測定された測定値、及び前記排出水の目標温度及び目標水量に基づいて温水の供給地点から水栓までの温水配管内の残存温水の水量を算出し、前記残存温水の水量に基づいて前記残存温水が完全に消尽するまで前記第4温度センサによって測定された測定値が排出水の目標温度以上に維持されることができないと把握されれば、前記加熱水槽に備えられているヒータを駆動する。
【0038】
望ましくは、前記温水直水管にはヒータが備えられ、前記制御器は、前記第1水量センサによって測定された温水供給量、前記第2水量センサによって測定された冷水供給量、前記第1ないし第3温度センサによって測定された測定値、及び前記排出水の目標温度及び目標水量に基づいて温水の供給地点から水栓までの温水配管内の残存温水の水量を算出し、前記残存温水の水量に基づいて前記残存温水が完全に消尽するまで前記第4温度センサによって測定された測定値が排出水の目標温度以上に維持されることができないと把握されれば、前記加熱水槽に備えられているヒータ及び前記温水直水管に設けられているヒータを少なくとも一つ駆動する。
【0039】
望ましくは、前記制御器は、前記第4温度センサの測定値と前記排出水の目標温度との差が既定の第2基準誤差より大きければ、前記電子弁を制御して前記加熱水槽を通じて供給される加熱温水と、前記温水直水管を通じて供給される温水との混合割合、前記加熱水槽を通じて供給される加熱温水と、前記冷水管を通じて供給される冷水との混合割合、または前記温水直水管を通じて供給される温水と、前記冷水管を通じて供給される冷水との混合割合を変更して、前記第4温度センサの測定値と前記排出水の目標温度との差が既定の第2基準誤差以下になるように制御する。
【0040】
望ましくは、前記分配器と前記加熱水槽との間には熱遮断のための遮蔽装置が備えられる。
【0041】
望ましくは、前記遮蔽装置は一方向弁である。
【0042】
望ましくは、前記加熱水槽には前記加熱水槽内の圧力を測定する圧力センサが備えられ、前記制御器は、前記加熱水槽内の圧力が既定の基準圧力に到逹すれば、前記電子弁を駆動して前記第1流入管と前記第3流入管とを連通させることで前記加熱水槽内の圧力を解除する。
【0043】
望ましくは、前記制御器は、前記第3温度センサによって測定された測定値が既定の基準温度ほど増加する度に前記電子弁を駆動して、前記第1流入管と前記第3流入管とを連通させることで前記加熱水槽内の圧力を解除する。
【0044】
望ましくは、前記制御器は、前記第1温度センサないし前記第3温度センサの測定値に基づいて前記モータの回転方向及び回転量を制御して前記開閉器の位置を定めるが、i)前記第1温度センサの測定値と前記第3温度センサの測定値との差が既定の第1基準誤差以下であり、前記目標温度が前記第1温度センサの測定値以上であれば、前記開閉器は前記第1移動範囲内でその位置が定められ、ii)前記第1温度センサの測定値と前記第3温度センサの測定値との差が既定の第1基準誤差以下であり、前記目標温度が前記第1温度センサの測定値より低ければ、前記開閉器は前記第3移動範囲内でその位置が定められ、iii)前記第1温度センサの測定値と前記第3温度センサの測定値との差が既定の第1基準誤差より大きければ、前記第1温度センサの測定値が前記目標温度以上である場合に、前記開閉器は、前記第3移動範囲内でその位置が定められ、前記第1温度センサの測定値が前記目標温度より低い場合に、前記開閉器は、前記第1移動範囲内でその位置が定められる。
【0045】
望ましくは、前記制御器は、温水供給地点と水栓とを連結する前記温水管内に存在する残存温水の水量、前記加熱水槽の容量、前記第1温度センサの測定値、前記第3温度センサの測定値、前記残存温水の供給水量、排出水に対して設定された最低供給温度に基づいて水栓に供給するための前記加熱水槽内の温水の加熱温度を算出し、前記算出された加熱温度及び前記第3温度センサの測定値に基づいて前記加熱水槽に備えられているヒータの駆動如何を定める。
【0046】
望ましくは、前記電子弁は、前記加熱水槽から供給される加熱温水と、前記温水直水管から供給される温水とが既定の体積比で混合された混合温水を受け入れる第1流入管と、前記冷水管から供給される冷水を受け入れる第2流入管と、前記排出水を前記水栓に出力する排出管と、前記第1流入管から入力される混合温水と前記第2流入管から入力される冷水との混合割合を定めて前記排出管に提供する開閉器と、前記制御器の制御によって回転するモータと、前記モータと前記開閉器とを機械的に連結して、前記モータの回転運動に対応して前記開閉器による混合温水と冷水との混合割合を定める駆動モジュールと、を備える。
【0047】
望ましくは、前記水栓と前記電子弁との間に設けられて前記電子弁から入力された排出水を前記水栓に提供する第2電子弁をさらに備え、前記制御器は、前記電子弁の排出管を通じて入力された排出水の水量が前記排出水の目標水量に対応するように前記第2電子弁を制御する。
【0048】
望ましくは、前記制御器は、前記第1水量センサによって測定された温水供給量、前記第2水量センサによって測定された冷水供給量、前記第1ないし第3温度センサによって測定された測定値、及び前記排出水の目標温度及び目標水量に基づいて温水の供給地点から水栓までの温水配管内の残存温水の水量を算出し、前記残存温水の水量に基づいて前記残存温水が完全に消尽するまで前記第4温度センサによって測定された測定値が排出水の目標温度以上に維持されることができないと把握されれば、前記加熱水槽に備えられているヒータを駆動する。
【0049】
望ましくは、前記温水直水管にはヒータが備えられ、前記制御器は、前記第1水量センサによって測定された温水供給量、前記第2水量センサによって測定された冷水供給量、前記第1ないし第3温度センサによって測定された測定値、及び前記排出水の目標温度及び目標水量に基づいて温水の供給地点から水栓までの温水配管内の残存温水の水量を算出し、前記残存温水の水量に基づいて前記残存温水が完全に消尽するまで前記第4温度センサによって測定された測定値が排出水の目標温度以上に維持されることができないと把握されれば、前記加熱水槽に備えられているヒータ及び前記温水直水管に設けられているヒータを少なくとも一つ駆動する。
【0050】
望ましくは、前記制御器は、前記第4温度センサの測定値と前記排出水の目標温度との差が既定の第2基準誤差より大きければ、前記電子弁を制御して前記加熱温水と前記冷水との混合割合を変更して、前記第4温度センサの測定値と前記排出水の目標温度との差が既定の第2基準誤差以下になるように制御する。
【0051】
望ましくは、前記分配器と前記加熱水槽との間には熱遮断のための遮蔽装置が備えられる。
【0052】
望ましくは、前記遮蔽装置は一方向弁である。
【0053】
望ましくは、前記加熱水槽には前記加熱水槽内の圧力を測定する圧力センサが備えられ、前記制御器は、前記加熱水槽内の圧力が既定の基準圧力に到逹すれば、前記電子弁を駆動して前記第1流入管と前記第2流入管とを連通させることで前記加熱水槽内の圧力を解除する。
【0054】
望ましくは、前記制御器は、前記第3温度センサによって測定された測定値が既定の基準温度ほど増加する度に前記電子弁を駆動して、前記第1流入管と前記第2流入管とを連通させることで前記加熱水槽内の圧力を解除する。
【0055】
望ましくは、前記制御器は、温水供給地点と水栓とを連結する前記温水管内に存在する残存温水の水量、前記加熱水槽の容量、前記第1温度センサの測定値、前記第2温度センサの測定値、前記第3温度センサの測定値、前記残存温水の供給水量、排出水に対して設定された最低供給温度に基づいて水栓に供給するための前記加熱水槽内の温水の加熱温度を算出し、前記算出された加熱温度及び前記第3温度センサの測定値に基づいて前記加熱水槽に備えられているヒータの駆動如何を定める。
【0056】
望ましくは、前記電子弁は、前記加熱水槽から加熱温水を受け入れる第1入力配管及び前記温水直水管から残存温水を受け入れる第2入力配管を備え、前記制御器の制御信号によって前記加熱温水と前記残存温水との体積比を1:0から0:1まで混合して出力する第1電子弁と、前記第1電子弁の出力配管から入力される混合温水の排出量を調節して水栓に出力する第2電子弁と、前記冷水管から入力される冷水の排出量を調節して水栓に出力する第3電子弁と、を備える。
【0057】
望ましくは、前記制御器は、前記第1温度センサによって測定された前記温水管から供給される温水の温度が最大供給温度になるまで、前記第1電子弁から出力される混合温水の温度が排出水の目標温度になるように前記第1電子弁の開放割合を制御し、前記水栓に冷水が排出されないように前記第3電子弁を閉鎖するように制御し、前記第2電子弁から前記水栓に供給される混合温水の水量が前記排出水の目標水量になるように前記第2電子弁の開放割合を制御し、前記制御器は、前記第1温度センサによって測定された前記温水管から供給される温水の温度が最大供給温度に到逹すれば、前記加熱水槽から入力される温水が全部出力されるように前記第1電子弁の開放割合を制御し、前記排出水の目標温度及び目標水量に対応して前記第2電子弁及び前記第3電子弁の開放割合を制御する。
【0058】
望ましくは、前記制御器は、前記第1水量センサによって測定された温水供給量、前記第2水量センサによって測定された冷水供給量、前記第1ないし第3温度センサによって測定された測定値、及び前記排出水の目標温度及び目標水量に基づいて温水の供給地点から水栓までの温水配管内の残存温水の水量を算出し、前記残存温水の水量に基づいて前記残存温水が完全に消尽するまで前記第4温度センサによって測定された測定値が排出水の目標温度以上に維持されることができないと把握されれば、前記加熱水槽に備えられているヒータを駆動する。
【0059】
望ましくは、前記温水直水管にはヒータが備えられ、前記制御器は、前記第1水量センサによって測定された温水供給量、前記第2水量センサによって測定された冷水供給量、前記第1ないし第3温度センサによって測定された測定値、及び前記排出水の目標温度及び目標水量に基づいて温水の供給地点から水栓までの温水配管内の残存温水の水量を算出し、前記残存温水の水量に基づいて前記残存温水が完全に消尽するまで前記第4温度センサによって測定された測定値が排出水の目標温度以上に維持されることができないと把握されれば、前記加熱水槽に備えられているヒータ及び前記温水直水管に設けられているヒータを少なくとも一つ駆動する。
【0060】
望ましくは、前記制御器は、前記第4温度センサの測定値と前記排出水の目標温度との差が既定の第2基準誤差より大きければ、前記電子弁を制御して前記加熱温水と前記冷水との混合割合を変更して、前記第4温度センサの測定値と前記排出水の目標温度との差が既定の第2基準誤差以下になるようにする。
【0061】
望ましくは、前記加熱水槽には前記加熱水槽内の圧力を測定する圧力センサが備えられ、前記制御器は、前記加熱水槽内の圧力が既定の基準圧力に到逹すれば、前記電子弁を駆動して前記第1流入管と前記第2流入管とを連通させることで前記加熱水槽内の圧力を解除する。
【0062】
望ましくは、前記制御器は、前記第3温度センサによって測定された測定値が既定の基準温度ほど増加する度に前記電子弁を駆動して、前記第1流入管と前記第2流入管とを連通させることで前記加熱水槽内の圧力を解除する。
【0063】
望ましくは、前記制御器は、温水供給地点と水栓とを連結する前記温水管内に存在する残存温水の水量、前記加熱水槽の容量、前記第1温度センサの測定値、前記第2温度センサの測定値、前記第3温度センサの測定値、前記残存温水の供給水量、排出水に対して設定された最低供給温度に基づいて水栓に供給するための前記加熱水槽内の温水の加熱温度を算出し、前記算出された加熱温度及び前記第3温度センサの測定値に基づいて前記加熱水槽に備えられているヒータの駆動如何を定める。
【発明の効果】
【0064】
本発明の一実施形態による自動温度調節の可能な水栓制御装置及びその方法、ならびに水栓を提供することで、温水または冷水の供給水圧が変わっても、排出される温度を一定に維持するように自動調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】本発明の一実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による水栓ノブの水平回転角及び垂直回転角を説明するために示す図面である。
【
図3】本発明の一実施形態による水栓制御方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による水栓制御装置が弁を制御する方法を説明するフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態による電子弁を示す図面である。
【
図7】本発明の一実施形態による電子弁の主要部品を示す図面である。
【
図8】本発明の一実施形態による電子弁の回転による温水及び冷水の水量制御の例を示す図面である。
【
図9】本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【
図10】本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【
図11】本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【
図12】本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【
図13】水栓が使われない時に、第1温度センサ及び第3温度センサの測定値に基づいて制御器によるヒータの駆動方法を示す図面である。
【
図14】混合温水の最低供給温度、加熱された温水の最高温度、及び温水の温水直水管と加熱水槽とへの分配の割合に基づいて制御器で行われるヒータの駆動方法を示す図面である。
【
図15】水栓が使われる時点に定められた電子弁の開放割合を補正する方法を示すフローチャートである。
【
図16】温水管から供給される温水または冷水管から供給される冷水の流量が変わる場合に電子弁の開放割合を補正する方法を示すフローチャートである。
【
図17】本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【
図18】本実施形態で使われる電子弁の一例を示す図面である。
【
図19】電子弁内に設けられる開閉器の一例を示す図面である。
【
図20】温水のみ供給されるか、または加熱温水のみ供給される状況に対応する電子弁内に設けられる開閉器の位置を示す図面である。
【
図21】加熱温水のみ供給されるか、または冷水のみ供給される状況に対応する電子弁内に設けられる開閉器の位置を示す図面である。
【
図22】冷水のみ供給されるか、冷水と温水とが半分ずつ混合されて供給されるか、または水の供給が遮断される状況に対応する電子弁内に設けられる開閉器の位置を示す図面である。
【
図23】電子弁内に設けられる開閉器の冷水のみ供給される位置と、加熱温水のみ供給される位置との間の距離を示す図面である。
【
図24】電子弁内に設けられる開閉器の最大移動領域を示す図面である。
【
図25】電子弁内の開閉器の初期位置を設定するためのフォトセンサの装着例を示す図面である。
【
図26】
図18に示されている電子弁を採用する場合に、加熱水槽内に設けられているヒータの制御方法を示す図面である。
【
図27】
図17に示されている電子弁と水栓との間に設けられている別途の電子弁によって排出水の排出量を調節して、排出水を目標水量ほど水栓に提供する実施形態を示す図面である。
【
図28】電子弁に採用されるカートリッジの一例を示す図面である。
【
図29】電子弁に採用されるカートリッジの他の例を示す図面である。
【
図30】本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本明細書で使用される単数の表現は、文脈上明らかに別の方法で示さない限り、複数の表現を含んでいる。本明細書で、「構成される」または「含む」などの用語は、明細書上に記載の多くの構成要素、または多くの段階を必ずいずれも含むと解釈されてはいけず、そのうち一部の構成要素または一部の段階は含まれないこともあり、またはさらなる構成要素または段階をさらに含むことができると解釈されねばならない。また、明細書に記載の「…部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアで具現されるか、またはハードウェアとソフトウェアとの結合で具現される。以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0067】
図1は、本発明の一実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【0068】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による水栓制御装置100は、温度及び水量設定手段105、複数の水量センサ110a及び110b、複数の温度センサ120aないし120d、複数の電子弁130a、130b、130c、方向制御弁130d、加熱水槽140、加熱モジュール145、及び制御器150を備える。
【0069】
温度及び水量設定手段105は、使用者により排出水の希望水量及び希望温度が設定される構成要素である。
図1に示されている温度及び水量設定手段105は、通常的な水栓のノブ3に結合されている回転センサである。この回転センサは、水栓ノブ3の水平回転角及び垂直回転角を測定するための構成である。例えば、水栓制御装置100は、水栓ノブ3の以前停止位置(以前作動終了時点の水平及び垂直回転量)と現在移動量(水平及び垂直回転量)に基づいて、水栓ノブ3の停止位置を検出する。
【0070】
図2を参照すれば、水栓ノブ3の水平回転量は、水栓ノブ3が最左側に回転した時の角度を0゜に設定し、最右側に回転した時の角度をθ
Hmax゜に設定すると仮定する。この時、水栓ノブ3が中央に位置する場合に、水栓ノブ3の角度は0.5θ
Hmax゜である。すなわち、水栓ノブ3の水平回転角が0゜ないし90゜である時、水栓ノブ3が中央に位置する場合に、角度は45゜になる。また、水栓ノブ3の垂直回転量は、水栓ノブ3が最下端に位置する時の角度を0゜に設定し、最上端に位置する時の角度をθ
Vmax゜に設定する。例えば、水栓ノブ3の垂直回転量は0゜ないし45゜の範囲で設定される。
【0071】
水栓ノブ3の以前停止位置及び現在移動量に基づいて停止位置を算出すれば、経時的に誤差が益々大きくなるという問題が生じる。よって、水栓制御装置100は、水栓ノブ3の水平回転角は、中間角度(0.5θHmax゜)を水平基準角と設定し、垂直回転角は、水栓ノブ3が最下端に位置している状態である0゜を垂直基準角と設定した後、水栓ノブ3が水平基準角及び垂直基準角に位置すれば、水栓ノブの移動量を初期化する。そして、初期化された水栓ノブ3の移動量に基づいて、水栓ノブ3の垂直及び水平回転量を測定して水栓ノブ3の現在移動量を算出することで、誤差を最小化する。
【0072】
また、水栓制御装置100は、水栓ノブ3が停止した時点から一定時間(例えば、1秒)の経過時点に検出された停止位置を最終位置と確定する。
【0073】
前述したように、水栓制御装置100は、水栓ノブ3の水平回転角及び垂直回転角を測定して、使用者の希望する排出水の温度及び水量を算出する。
【0074】
一方、多様な形態の入力装置が温度及び水量設定手段105として使われる。一例として、温水ノブと冷水ノブとが分離されている場合、温水ノブ及び冷水ノブの回転量を測定して使用者の希望する排出水の温度及び水量を把握する。また、タッチパネルを通じて使用者から希望温度及び水量が入力され、水栓制御装置100に通信モジュールを装着すれば、スマートフォン、無線制御器などを通じて使用者から排出水の希望温度及び水量が入力されることもある。
【0075】
水量センサ110a及び110bは、それぞれ温水管1及び冷水管2内に流れる温水及び冷水の水量を測定する。以下の説明で、温水管1内に設けられている水量センサ110aを第1水量センサと称し、冷水管2内に設けられている水量センサ110bを第2水量センサと称する。一方、温水及び冷水の水量は、水量センサ110a及び110bの代りに圧力センサを用いて測定する。温水管1及び冷水管2に、それぞれ水量センサの代りに圧力センサを備えることで、温水管1及び冷水管2の水圧をそれぞれ測定する。以下、温水管1に設けられている圧力センサを第1圧力センサと称し、冷水管2に設けられている圧力センサを第2圧力センサと称して説明する。第1圧力センサ及び第2圧力センサは、温水管1及び冷水管2内の水圧を測定し、測定された値(以下では、測定値と称する)を制御器150に出力する。
【0076】
温度センサ120aないし120dは、それぞれ温水管1、冷水管2、加熱水槽140、及び水栓と最終的に連結される温水管内に設けられる。
【0077】
第1温度センサ120aは、温水が流入される温水流入口に設けられて、温水管1を通じて供給される温水の温度(以下、「初期温水温度」と称する)を測定する。また、第2温度センサ120bは、冷水管2に設けられて、冷水管2を通じて供給される冷水の温度(以下、「冷水温度」と称する)を測定する。第1温度センサ120a及び第2温度センサ120bによって測定された初期温水温度及び冷水温度は、制御器150に出力される。
【0078】
第3温度センサ120cは、加熱水槽140内の水の温度を測定する。加熱水槽140は、その内部にヒータ140aを備えて温水管1から供給された温水を1次で加熱して保存する。前述したように、家庭内の最大電力が制限されていれば、加熱モジュール145だけでは温水の温度を上昇させることができない場合がある。すなわち、特定の電気製品の最大許容電力が3kWである場合に、3kW容量のヒータを使えば、50mlの温水を秒当り約12℃まで上昇させることができる。この場合、初期温水温度が20℃であれば、加熱モジュール145だけ使う場合に、温水は32℃まで上昇させることができる。よって、使用者が希望温度を40℃に設定した場合には、使用者の希望する温度の排出水を提供することができないという問題がある。また、使用者の希望温度が32℃である場合にも、加熱モジュール145だけで温水の温度を上昇させれば、温水の温度が徐々に上昇するため、排出水の温度が32℃になるまで待ち時間が必要となるという問題がある。
【0079】
このような問題は、加熱水槽140を採用することで解決される。すなわち、水栓が動作しないうちに(使用者が水を使わない間)に加熱水槽140内に設けられているヒータ140a(以下、「第1ヒータ」と称する)を駆動して、加熱水槽140内の水を既定の第1温度(例えば、80℃)に加熱する。もし加熱水槽140内の水の温度が第1温度に到逹すれば、制御器150は、第1ヒータ140aの動作を中止させる。このような状態で、加熱水槽140内の水の温度が既定の第2温度(例えば、40℃)まで下降すれば、制御器150は、再び第1ヒータ140aを駆動して加熱水槽140内の水を既定の第1温度(例えば、80℃)に加熱する動作を繰り返す。第1温度及び第2温度は、温水の最初の流入地点(地域暖房公司によって温水が供給される場合には、中央配管から各宅内に分岐される地点、個別暖房の場合には、宅内に設けられているボイラーの温水の出水地点)から水栓3までの配管内に残存している温水の水量、最初の温水温度、加熱水槽140の容量、温水及び冷水の水量、第1ヒータ140aの容量などによって定められる。この時、排出水の希望温度を保証するためには、第1温度をなるべく高く設定するのが有利であるが、使用者がやけどをする可能性、加熱水槽140の耐熱性能などを考慮すれば、なるべく100℃以下に設定することが望ましい。一方、
図1には、加熱水槽140内に一つのヒータだけ装着されていると図示されているが、加熱水槽140内に複数のヒータが装着されてもよい。
【0080】
このような加熱水槽140内に設けられている第1ヒータ140aは、水栓が動作しないうちに駆動されるように制御され、温水の最初の流入地点から水栓3までの配管内に残存している温水の水量、最初の温水温度、冷水温度、加熱水槽140の容量、使用者が設定した排出水の希望温度及び水量、温水及び冷水の水量、第1ヒータ140aの容量、加熱モジュール145に設けられている第2ヒータ140bの容量などによって第1ヒータ140aの駆動如何が定められる。さらには、第1ヒータ140aの容量は、基本的に加熱水槽140の容量及び最初の温水温度によって定められる。例えば、加熱水槽140の容量が1lである時、20℃の温水を10分間加熱して80℃に上昇させるためには、第1ヒータ140aの容量は503Wであればよい。このように第1温度に加熱された1次加熱温水は加熱水槽140内に保存され、制御器150は、使用者による水栓3の動作に対応して第1電子弁130aを制御して、1次加熱温水が加熱水槽140から水栓3に供給されるようにする。
【0081】
このような第1電子弁130aは、水栓3が使われない時には、加熱水槽140内の加熱された温水の熱が第2電子弁130bの方に伝達されることを防止するために閉鎖される。そして、第1電子弁130aは、水栓3が使われる時点に加熱水槽140内の加熱された温水が第2電子弁130bの方に流れるように制御される。この時、第1電子弁130aの開放度によって、温水管1を通じて供給された温水が加熱水槽140と加熱モジュール145とに分配される分配比が変わる。すなわち、第1電子弁130aを完全に開放すれば、温水管1を通じて供給された温水が加熱水槽140と加熱モジュール145とに1:1に分配される。制御器150による第1電子弁130aのさらに詳細な制御動作は後述する。
【0082】
一方、温水管1から加熱水槽140に分岐される配管の内径と、温水管1から加熱モジュール145に分岐される配管の内径とを適当に定めることで、温水の分配割合を設定することができる。この時、温水管1から流入される温水の加熱水槽140と加熱モジュール145とへの分配割合は、1:1ないし1:4の範囲になるように設定することが望ましい。この場合、加熱水槽140内の加熱された温水の熱が温水管1及び加熱モジュール145の方に伝達することを防止するために、加熱水槽140の温水流入口側に、温水管1から加熱水槽140の方のみに温水が流れるようにする方向制御弁130dを設けることが望ましい。但し、加熱水槽140の温水流入口側に方向制御弁130dを設ける場合に、加熱水槽140の温水流出口、加熱モジュール145及び温水管1への配管が連通されていて、持続的に加熱水槽140から熱が伝達されるという問題がある。これは、結果的に加熱水槽140内に設けられている第1ヒータ140aによって、温水管1内の残存温水と加熱水槽140内に供給された温水、及び加熱モジュール145内の温水などが全部加熱されることで、エネルギー無駄使いの要因として作用する恐れがある。よって、この場合、加熱モジュール145の出水地点にも方向制御弁を設けることが望ましい。一方、このような問題は、温水管1に連結されている配管の加熱水槽140及び加熱モジュール145の分岐地点の前端部に方向制御弁を設けることで解決される。このような構成によれば、方向制御弁及び第1電子弁130aによって加熱水槽140及び加熱モジュール145が温水管1から熱的に遮断されるようになって、加熱水槽140内に設けられている第1ヒータ140aは、加熱水槽140内に供給された温水及び加熱モジュール145内の温水のみを加熱する。
【0083】
これとは異なって、温水管1を通じて供給される温水が加熱水槽140と加熱モジュール145とに分岐される地点に第4電子弁(図示せず)を設けて、加熱水槽140と加熱モジュール145とに既定の割合(例えば、加熱水槽140と加熱モジュール145とに分配される温水の体積比を1:2と設定)で温水を分配する。この分配割合は、温水の最初流入地点から水栓3までの配管内に残存する温水の水量、最初の温水温度、加熱水槽140の容量、使用者が設定した排出水の希望温度及び水量、温水及び冷水の水量、第1ヒータ140aの容量、加熱モジュール145に設けられている第2ヒータ140bの容量などによって定められる。この時、第4電子弁は選択的に適用される構成要素である。
【0084】
一方、第4電子弁は、水栓3が使われない時には、温水管1を通じて供給される温水が全量加熱モジュール145に流入されるように制御される。そして第4電子弁は、水栓3が使われる時点に温水管1を通じて供給される温水が、加熱水槽140と加熱モジュール145とに既定の割合で分配されるように制御される。これによって、使用者が水栓3を使わない場合、加熱水槽140内の加熱された温水の熱が温水管1及び加熱モジュール145の方に伝達されることを防止する。
【0085】
加熱モジュール145は、流入された温水を2次で加熱して2次加熱温水を第2電子弁130bの方に供給する。
図1には、加熱モジュール145に備えられる第2ヒータ140bが一つであると図示されているが、加熱モジュール145に複数のヒータが設けられてもよい。第2ヒータ140bが複数である場合、制御器150は、給水管に沿って複数の第2ヒータ140bを順次にまたは選択的に駆動して温度を高めるように制御する。また、複数の第2ヒータ140bは、一つの装置に区切られた形態に構成されてもよく、分離されている複数の加熱モジュール145内にそれぞれ装着されてもよい。複数の第2ヒータ140bが備えられる場合に、温水の流入地点に近いヒータから順次に駆動して温水の温度を順次に上昇させることが望ましい。これを通じて温水に対する精密な温度制御が可能になるという利点がある。例えば、使用者が設定した希望温度及び希望水量に対応して要求される水栓に出水される温水の温度が44℃であると仮定する時、温水管を通じて秒当たり90mlで流入される温水の加熱水槽140と加熱モジュール145とに分配される体積比が1:2、加熱水槽140から出水される1次加熱温水の温度が43℃、そして加熱モジュール145に流入される温水の温度が40℃であれば、加熱モジュール145は、流入される温水の温度を44.5℃まで上昇させねばならない。もし加熱モジュール145にそれぞれ1kW及び0.5kW容量の2つのヒータが備えられていれば、1kWのヒータは60mlを秒当り約3.3℃上昇させることができ、0.5kWのヒータは60mlを秒当り約1.65℃上昇させることができる。よって、1kWのヒータは前記の条件が維持される間に駆動され続き、0.5kWのヒータは3秒駆動後に1秒駆動中止を繰り返すように制御される。もし前記のような条件で使用者が設定した希望温度及び希望水量に対応して要求される水栓に出水される温水の温度が43.2℃であると仮定すれば、1kWのヒータのみ駆動させればよい。
【0086】
さらに、
図1には、加熱モジュール145から出水される2次加熱温水が加熱水槽140から出水される1次加熱温水と混合された後、水栓3に出水される位置に加熱モジュール145が配置されている。しかし、加熱モジュール145は、温水管1から温水が流入される地点と温水が加熱水槽140と加熱モジュール145とに分岐される地点との間、または温水が加熱水槽140と加熱モジュール145とに分岐される地点と加熱水槽140との間、または加熱水槽140から1次加熱温水が出水される地点と第2電子弁130bとの間に位置してもよい。加熱モジュール145に備えられている第2ヒータ140bによる温水の加熱時間(すなわち、加熱モジュール145に流入された温水の温度を、第2ヒータ140bによって目標とする温度まで上昇させるために必要な時間)を鑑みれば、加熱モジュール145は、
図1で加熱水槽140から出水される1次加熱温水と、加熱モジュール145を通過した2次加熱温水とが混合される地点から温水管1の方に偏って設けられることが望ましい。一方、第4温度センサ120dは、加熱水槽140から出水される1次加熱温水と、加熱モジュール145から出水される2次加熱温水とが混合された混合温水の温度を測定して制御器150に提供する。
【0087】
第2電子弁130b及び第3電子弁130cは、それぞれ混合温水が水栓3に供給される地点及び冷水が水栓3に供給される地点に設けられて、制御器150からの制御信号によって混合温水及び冷水の供給量を調節する。
図1には、混合温水と冷水の水栓3への供給地点に第2電子弁130bと第3電子弁130cがそれぞれ設けられていると図示されているが、一つの温度調節用電子弁によって混合温水と冷水が水栓3に供給されてもよい。この場合、温度調節用電子弁は、制御器150の制御によって駆動されて混合温水と冷水との混合比を調節することで、水栓3から排出される排出水の温度を希望温度と一致させる。一方、温度調節用電子弁によって混合温水と冷水との混合比を調節する場合に、該電子弁の後端に水量調節用電子弁をさらに設けて、制御器150の制御によって排出水の水量を希望水量と一致させることができる。
【0088】
これとは異なって、温度調節用電子弁の後端に水量調節用電子弁をさらに設けず、物理的な水栓に装着されているノブを用いて使用者が直接水量を調節してもよい。物理的な水栓に装着されているノブによって水量を調節する構成を採用すれば、停電の時または故障の時に補助バッテリーによって温度調節用電子弁を混合温水と冷水とが1:1に混合されるように駆動することで、水の使用が可能になるという利点がある。この時、物理的な水栓には、排出水の水量のみ調節するカートリッジが装着される。さらに、制御器150は、水栓ノブに装着されている回転センサによって検出された左右回転量に基づいて排出水の希望温度を把握するか、または別途に設けられている希望温度設定手段を通じて使用者により排出水の希望温度が設定されることができる。
【0089】
このように温度調節用電子弁を採用する場合に、前述したように、加熱水槽140及び加熱モジュール145を温水管1から熱的に遮断するために、温水管1に連結されている配管の加熱水槽140と加熱モジュール145との分岐地点の前端部に方向制御弁を設ける。この時、温度調節用電子弁は、混合温水を完全に遮断する位置に制御されてこそ、加熱水槽140及び加熱モジュール145が冷水管2からも熱的に遮断される。
【0090】
制御器150は、温水及び冷水の水量及び前記第1ないし第4温度センサによって測定された値に基づいて水栓3から排出される排出水の水量及び温度が、使用者により設定された排出水の希望水量及び希望温度に対応して設定される排出水の目標水量及び目標温度になるように、第1ヒータ140a及び第2ヒータ140bの駆動如何と、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放度とを制御する。以下では、制御器150による第1ヒータ140a、第2ヒータ140b、第2電子弁130b、及び第3電子弁130cの制御動作について詳細に説明する。
【0091】
先ず、温度及び水量設定手段105が通常的な水栓のノブ3に結合された回転センサに具現される場合を説明する。この場合、制御器150は、回転センサによって測定された水栓ノブ3の水平回転角及び垂直回転角に基づいて使用者の希望する排出水の希望温度及び希望水量を定める。
【0092】
このために、制御器150は、
図1には示されてはいないが、メモリ及びプロセッサを備える。メモリには、以下で説明する水栓制御方法を行うための命令語が保存される。また、プロセッサは、メモリに保存された命令語を実行する。
【0093】
図3は、本発明の一実施形態による水栓制御方法の実行過程を示すフローチャートである。
【0094】
先ず、制御器150は、第3温度センサ120cから周期的に入力される加熱水槽140内の水の温度に基づいて第1ヒータ140aを駆動して、加熱水槽140内の水の温度が既定の温度範囲内になるように制御する(S300)。一例として、制御器150は、水栓3が動作しないうち(使用者が水を使わない間)に加熱水槽140内に設けられている第1ヒータ140aを駆動して、加熱水槽140内の水を既定の第1温度(例えば、80℃)に加熱する。もし加熱水槽140内の水の温度が第1温度に到逹すれば、制御器150は、第1ヒータ140aの動作を中止させる。このような状態で、加熱水槽140内の水の温度が既定の第2温度(例えば、40℃)まで下降すれば、制御器150は、再び第1ヒータ140aを駆動して加熱水槽140内の水を既定の第1温度(例えば、80℃)に加熱する動作を繰り返す。このような加熱水槽140内に設けられている第1ヒータ140aは、基本的に水栓3が動作しないうちに駆動されるように制御されることが望ましいが、必要な時(例えば、温水の供給水量が過度に少なくて温水の温度をさらに高く上昇させる必要がある場合など)には水栓3が動作するうちにも駆動される。
【0095】
一方、第1ヒータ140aの駆動如何は、第1温度センサ120a及び第3温度センサ120cによって測定された値に基づいて定められてもよい。例えば、加熱水槽140の断熱性能に優れて第3温度センサ120cによって測定された水の温度が45℃である一方、第1温度センサ120aによって測定された温水の温度(実質的に温水管1内の温水の温度と同一)は30℃でありうる。この場合、温水の供給地点から加熱水槽140との間の配管に残存する残存温水の水量によって、後で使用者が水栓3を作動させる時に使用者の設定した希望温度で排出水を供給し難い恐れもある。例えば、第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が30℃であり、加熱水槽140の容量が2000mlであり、残存温水の水量が6000mlであり、温水の供給水量が60ml/秒であり、温水管1を通じて供給された温水が加熱水槽140と加熱モジュール145とにそれぞれ20ml/秒と40ml/秒とに分配されれば、残存温水及び加熱水槽140内の温水は全部100秒後に消尽される。
【0096】
第1ヒータ140a及び第2ヒータ140bを駆動しない場合に、残存温水と加熱水槽140内の温水が完全に消尽するまでの100秒の間に、第2電子弁130bに供給される温水の温度は35℃になる。よって、使用者の希望する排出水の希望温度が35℃を超過する場合には対応しなくなるという問題がある。このような状況を防止するために、制御器150は、優先的に温水管1内の残存温水の水量を把握して保有する必要がある。残存温水の水量は、水栓3の動作時点から第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が最大供給温度に到逹する時点までの所要時間及び温水の最大供給水量に基づいて把握される。例えば、温水の最大供給水量が80ml/秒であり、水栓3の動作時点から第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が最大供給温度に到逹する時点までの所要時間が80秒であれば、残存温水の水量は6400mlである。
【0097】
このような状態で、第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が30℃であり、加熱水槽140の容量が2000mlであり、使用者が設定した排出水の希望温度及び希望水量がそれぞれ42℃及び60ml/秒であり、温水管1を通じて供給された温水が加熱水槽140及び加熱モジュール145にそれぞれ20ml/秒及び40ml/秒で分配されれば、残存温水は約106.7秒に消尽し、加熱水槽140内の温水は100秒が経過する時点に消尽する。よって、加熱水槽140内の温水が消尽する時点が残存温水が完全に消尽する時点とほぼ等しいため、第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が最大供給温度に到逹するまでかかる106.7秒の間に、使用者が設定した希望温度及び希望水量で排出水を供給するための加熱水槽140内の温水温度を次の数式(1)によって求めることができる。
【0098】
【数1】
ここで、T
tは、排出水の希望温度、Q
tは、排出水の希望水量(温水の供給水量と同一)、T
hは、加熱水槽140内の温水温度、Q
haは、加熱水槽140に分配される温水の水量、そしてT
lは、温水管1から供給される温水温度である。
【0099】
よって、第1温度センサ120aによって測定された温水の温度が最大供給温度に到逹するまでかかる106.7秒の間に使用者が設定した希望温度及び希望水量で排出水を供給するためには、加熱水槽140内の温水温度は最小66℃にならねばならない。結果的に、加熱水槽140内に設けられている第1ヒータ140aは、既定の第2温度(例えば、40℃)より高い場合にも駆動される。勿論、加熱モジュール145によってさらに温水温度を高めることができるため、加熱水槽140内に設けられている第1ヒータ140aの駆動温度は、加熱モジュール145の容量に対応する温度ほど低く設定されてもよい。
【0100】
制御器150は、第1温度センサ120aによって測定された温水管1内の温水温度、第3温度センサ120cによって測定された加熱水槽140内の水の温度、温水の供給地点から加熱水槽140との間の配管に残存する残存温水の水量、加熱水槽140の容量などに基づいて第1ヒータ140aの駆動如何を定める。この時、加熱水槽140の容量を増加させるにつれて第1ヒータ140aによる水の加熱時間も増加する点に鑑みれば、加熱水槽140の容量は、1lないし3lの間で適当に定められることが望ましい。また、加熱水槽140の容量を過度に増加させずに第1ヒータ140aの駆動時間を最小化するためには、温水の供給地点から加熱水槽140との間の配管に残存する残存温水が消尽するまでは、排出水の目標温度及び目標水量を、使用者の設定した希望温度及び希望水量とは相異なって設定する方法を採用してもよい。例えば、使用者が設定した希望温度及び希望水量がそれぞれ45℃及び80ml/秒であるとしても、温水の供給地点から加熱水槽140との間の配管に残存する残存温水が消尽するまでは、排出水の目標温度及び目標水量を最大40℃及び60ml/秒に制限することができる。このような制限値は、加熱水槽140の容量、第1ヒータ140aの容量、残存温水の水量などに基づいて定められる。
【0101】
次いで、制御器150は、温度及び水量設定手段105を通じて使用者から希望する排出水の希望温度及び希望水量が入力される(S310)。温度及び水量設定手段105が通常的な水栓3のノブに結合された回転センサである場合に、制御器150は、回転センサから入力されたノブの回転量(水平回転量及び垂直回転量のうち少なくとも一つの値)に基づいて排出水の希望温度及び希望水量を算出する。次いで、制御器150は、使用者から入力された排出水の希望温度及び希望水量に対応する排出水の目標温度及び目標水量を定める(S320)。例えば、排出水の目標温度は、数式(2)を用いて算出される。
【0102】
【数2】
ここで、Tは、排出水の目標温度を示し、T
Hは、温水の供給温度を示し、T
Lは、冷水の供給温度を示し、Q
Hmaxは、温水の最大供給水量を示し、Q
Lmaxは、冷水の最大供給水量を示し、θ
Hは、水平回転角を示し、θ
Hmaxは、水栓ノブの最大水平回転角を示す。
【0103】
排出水の目標水量を供給するための温水及び冷水の目標水量は、数式(3)及び(4)を用いて算出される。
【0104】
【数3】
ここで、Q
Hは、温水の目標水量を示し、θ
Vは、水栓ノブの垂直回転角を示し、θ
Vmaxは、水栓ノブの最大垂直回転角を示す。
【0105】
【0106】
数式(3)及び数式(4)を用いて、温水の目標水量及び冷水の目標水量をそれぞれ算出した後、これを合算して、水栓ノブ3を通じて排出される排出水の目標水量を最終的に導出する。以上のように、数式(2)ないし(4)に基づいて説明した排出水の目標温度及び目標水量の決定方法において、温水の供給温度(数式(2)でTH)は、加熱水槽140内の第1ヒータ140a及び加熱モジュール145内の第2ヒータ140bが駆動されない場合には、温水管1を通じて供給される温水の温度であり、加熱水槽140内の第1ヒータ140a及び加熱モジュール145内の第2ヒータ140bのうち一つまたは全てが駆動される場合には、第4温度センサ120dによって測定された混合温水の温度である。
【0107】
一般的に、排出水の目標温度及び目標水量は、使用者から入力された排出水の希望温度及び希望水量と等しく設定される。しかし、前述したように、水栓3の動作初期には、使用者の希望する希望温度及び希望水量を供給することができない場合があり、この場合には、排出水の目標温度及び目標水量は、使用者から入力された排出水の希望温度及び希望水量とは相異なって定められる。次いで、制御器150は、第1電子弁130aを開放して加熱水槽140内に保存されている1次加熱温水を出水させる(S330)。
【0108】
次いで、制御器150は、第1温度センサ120aによって測定された温水管1から供給される温水の温度、第2温度センサ120bによって測定された冷水管2から供給される冷水の温度、第1水量センサ110aによって測定された温水管1から供給される温水の水量、第2水量センサ110bによって測定された冷水管2から供給される冷水の水量、第3温度センサ120cによって測定された加熱水槽140内の温水の温度、加熱水槽140の容量及び第4温度センサ120dによって測定された混合温水の温度に基づいて、加熱モジュール145に備えられている第2ヒータ140bの駆動如何を定める(S340)。第2ヒータ140bは、水栓3の動作初期に排出水の目標温度を高めようとする時、水栓3の動作の中に温水管1から供給される温水の水量が減少する時などの場合に駆動される。
【0109】
次いで、制御器150は、第1温度センサ120aによって測定された温水管1から供給される温水の温度、第2温度センサ120bによって測定された冷水管2から供給される冷水の温度、第1水量センサ110aによって測定された温水管1から供給される温水の水量、第2水量センサ110bによって測定された冷水管2から供給される冷水の水量、第3温度センサ120cによって測定された加熱水槽140内の温水の温度、第4温度センサ120dによって測定された混合温水の温度、排出水の目標温度及び目標水量に基づいて、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放如何及び開放度を制御する(S350)。
【0110】
先ず、2400ml容量の加熱水槽140内の水が第1ヒータ140aによって80℃に加熱されて維持されている場合に、制御器150による第2電子弁130b及び第3電子弁130cの制御動作を説明する。以下の説明で、温水の供給地点から加熱水槽140との間の配管に残存する残存温水が6400mlであり、第1電子弁130aが温水管1から供給された温水を加熱水槽140と加熱モジュール145とに分配するように制御され、第1温度センサ120a及び第2温度センサ120bによって測定された温水及び冷水の温度がそれぞれ30℃及び20℃であり、温水及び冷水の最大供給水量がそれぞれ80ml/秒及び100ml/秒であり、温水の最大供給温度が60℃であると仮定する。
【0111】
使用者が設定した排出水の希望温度及び希望水量がそれぞれ42℃及び60ml/秒であれば、制御器150は、残存温水が消尽するまで加熱水槽140内の1次加熱温水と加熱モジュール145による2次加熱温水とを混合した混合温水の温度が、使用者が設定した排出水の希望温度に到逹するかどうかを確認する。もし到逹することができると確認されれば、制御器150は、使用者が設定した排出水の希望温度及び希望水量を排出水の目標温度及び目標水量と設定する。これとは異なって、到逹することができないと確認されれば、排出水の目標温度を使用者が設定した排出水の希望温度より低く設定するか、または排出水の目標水量を使用者が設定した排出水の目標水量より小さく設定する。
【0112】
前記の例で、加熱水槽140内の1次加熱温水が秒当たり20mlで排出されれば、2400mlの1次加熱温水が完全に消尽するまで120秒がかかり、これは、残存温水が完全に消尽するまでかかる106.7秒より長い。この時、第2電子弁130bに供給される混合温水の温度は46.67℃である。よって、第2電子弁130bのみを開放すれば、使用者の希望温度より高い温度の排出水が出水されるため、第2電子弁130bを制御して混合温水の水量を低減させると同時に、第3電子弁130cを制御して減少する混合温水の水量ほど冷水を供給することで、水栓3から排出される排出水の温度を目標温度である42℃にせねばならない。この時、水栓3で混合温水及び冷水をそれぞれ49.5ml/秒及び10.5ml/秒で供給すれば、排出水の温度は42℃になる。この場合、温水管1から加熱水槽140に供給される温水の量は16.5ml/秒であり、加熱モジュール145に供給される温水の量は33ml/秒である。よって、第1電子弁130aは、加熱水槽140から16.5ml/秒の1次加熱温水が出水されるように開放される。このような状況で第1電子弁130aが完全に開放された時、加熱水槽140から24.75ml/秒の1次加熱温水が出水されることに鑑みれば、第1電子弁130aは、完全開放の時に対して約66.7%開放される。第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放度は数式(5)及び数式(6)を用いて算出される。
【0113】
【数5】
ここで、O
θHは、水栓3を通じて排出される排出水の目標温度が目標供給温度である時、温水の最大供給水量対比水栓ノブ105の水平回転量による第2電子弁130bの開放の割合を示す。
【0114】
【数6】
ここで、O
θLは、水栓3を通じて排出される排出水の目標温度が目標供給温度である時、冷水の最大供給水量対比水栓ノブ105の水平回転量による第3電子弁130cの開放の割合を示す。O
θH及びO
θLは、弁の完全開放の時に1に設定される。
【0115】
数式(5)及び(6)によれば、第2電子弁130b及び第3電子弁130cは、完全開放に対してそれぞれ61.9%及び10.5%開放される。一方、このような変更によって、残存温水の消尽時間及び加熱水槽140内の1次加熱温水の消尽時間はそれぞれ129秒及び145秒に増加し、加熱水槽140内の1次加熱温水の消尽時間が残存温水の消尽時間より長くなるため、制御器150は、安定的に使用者の希望する温度及び水量で排出水を提供することができるようになる。
【0116】
以上で説明したように、水栓3の作動時点(すなわち、使用者が水栓を使う時点)から温水管1及び冷水管2を通じて供給される温水及び冷水の温度及び水量がそれぞれ最大供給温度及び最大供給水量に到逹するまで、安定的に使用者の希望する温度及び水量で排出水を供給することができる。さらに、加熱水槽140内の温水の温度が第1設定温度(例えば、80℃)に到逹しない場合、残存温水の温度が過度に低くなる時には、排出水の目標温度及び目標水量を使用者の希望温度及び希望水量より低く設定して対応する。
【0117】
次いで、制御器150は、温水管1を通じて供給される温水の水量及び冷水管2を通じて供給される冷水の水量の変化如何を把握する(S360)。このような制御器150の動作は、水栓3の作動時点から水栓3の作動が終わる時点まで持続する。温水管1を通じて供給される温水の水量及び冷水管2を通じて供給される冷水の水量が変わる状況は、第1使用先で温水及び冷水を使っている時、第2使用先で温水または冷水を使う場合に発生する。すなわち、一定の水圧で宅内に供給された温水及び冷水は主温水管及び主冷水管からそれぞれの使用先に分岐され、複数の使用先で温水及び冷水を使えば、水圧の変化によってそれぞれの使用先で温水及び冷水の水量が変わる。
【0118】
図4及び
図5は、本発明の一実施形態による温水及び冷水の水量変化による、第2電子弁及び第3電子弁の制御方法を示すフローチャートである。以下では、水栓制御装置100が、温水及び冷水の水量変化をモニタリングした後、温水及び冷水の水量変化によって、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開度を制御する方法について説明する。
【0119】
先ず、制御器150は、温水の水量だけ減少したと把握されれば(S400)、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放度の変更だけで排出水を使用者の希望する温度及び水量で提供することができるかどうかを判断する(S405)。もし第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放度の変更だけで排出水を使用者の希望する温度及び水量で提供することができると判断されれば、制御器150は、第1電子弁130a、第2電子弁130b、及び第3電子弁130cを選択的に制御して、排出水の温度及び水量を使用者の希望する希望温度及び希望水量に対応する目標温度及び目標水量になるように調節する(S410)。
【0120】
図3を参照して説明した例と等しい条件、すなわち、2400ml容量の加熱水槽140内に80℃に加熱された1次加熱温水が保存されており、残存温水が6400mlであり、第1温度センサ120a及び第2温度センサ120bによって測定された温水及び冷水の温度がそれぞれ30℃及び20℃であり、温水及び冷水の最大供給水量がそれぞれ80ml/秒及び100ml/秒であり、温水の最大供給温度が60℃であると仮定する。この時、使用者が設定した排出水の希望温度及び希望水量がそれぞれ42℃及び60ml/秒であれば、水栓3で混合温水及び冷水をそれぞれ49.5ml/秒及び10.5ml/秒で供給すれば、排出水の温度及び水量はそれぞれ42℃及び60ml/秒になる。この時、温水管1から加熱水槽140に供給される温水の量は16.5ml/秒であり、加熱モジュール145に供給される温水の量は33ml/秒である。すなわち、第1電子弁130aは、完全開放に対して66.7%開放される。
【0121】
このような状況で、温水管1を通じて供給される温水の水量が60ml/秒に減少すれば、第2電子弁130bを通じて供給される混合温水は、温水管1を通じて供給される温水の水量の61.9%である37.1ml/秒になる。この時、加熱水槽140から出水される1次加熱温水の量及び加熱モジュール145から出水される温水の量は、それぞれ12.4ml/秒及び24.7ml/秒である。よって、第2電子弁130b及び第3電子弁130cを制御して温水及び冷水の水量を変更しなければ、排出水の温度及び水量はそれぞれ40.8℃及び47.6ml/秒に減少する。よって、排出水の温度及び水量を維持するためには、第1ないし第3電子弁130a、130b、130cを選択的に制御して加熱水槽140から出水される1次加熱温水の量、混合温水の量及び冷水の量を変更せねばならない。
【0122】
先ず、第3電子弁130cの開放度を変更しない場合について説明する。この場合、第2電子弁130bをさらに開放すれば、混合温水を40ml/秒で出水させることができる。すなわち、第2電子弁130bを完全開放に対して82.5%開放すれば、混合温水が49.5ml/秒で出水される。この時、混合温水の温度が46.7℃になるように第1電子弁130aを制御すれば、使用者の希望する42℃の排出水を60ml/秒の量で供給することができる。よって、第1電子弁130aを完全開放に対して66.7%開放すれば、加熱水槽140から1次加熱温水が16.5ml/秒で出水され、この時、混合温水の温度が46.7℃になる。このように、第1電子弁130a及び第2電子弁130bの開放量を調節することで排出水の温度及び水量を維持することができる。
【0123】
次いで、第2電子弁130bの開放度を変更せずに、第3電子弁130cだけさらに開放して混合温水の減少量に対応して冷水の量を増加させる方法を考慮することができる。この場合、冷水は22.9ml/秒で供給されねばならず、よって、第3電子弁130cは完全開放に対して22.9%開放される。この時、混合温水の温度は55.6℃にならねばならない。よって、加熱水槽140から1次加熱温水が19ml/秒で出水されれば、使用者の希望する42℃の排出水を60ml/秒の量で供給することができる。ところで、混合温水が37.1ml/秒で供給される状況で加熱水槽140から出水される1次加熱温水の最大量は、第1電子弁130aを完全開放する時に18.6mL/秒である。よって、この場合、第3電子弁130cのみを開放すれば、使用者の希望する温度及び水量で排出水を供給することができない状況が発生する。結果的に制御器150は、混合温水の最大供給量を基準として第3電子弁130cのみを開放して、使用者の希望する温度及び水量で排出水を供給することができると確認された場合に、このような動作を行う。勿論、第1電子弁130a、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放度をいずれも変更して排出水の温度及び水量を維持することができる。しかし、この場合、3つの電子弁130a、130b、130cの開放度をいずれも変更せねばならないという点で、前述した2つの制御方法がさらに効率的である。
【0124】
結果的に、加熱モジュール145に備えられている第2ヒータ140bを駆動しなくても、第1電子弁130a、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放度を選択的に調節することで、温水管1から供給される温水の水量が減少しても使用者の希望する温度及び水量の排出水を持続的に提供することができる。勿論、第2ヒータ140bを駆動する場合には、第2ヒータ140bの容量に対応して加熱水槽140に保存されている1次加熱温水の消費量を低減させることができる。
【0125】
一方、残存温水及び加熱水槽140内の1次加熱温水が完全に消尽すれば、加熱水槽140内の温水の温度及び加熱モジュール145内の温水の温度は最大供給温度(例えば、60℃)になる。このような状態を定常状態であるとすれば、制御器150は、温水管1から温水が流入される地点に設けられている第1温度センサ120a及び冷水管2から冷水が流入される地点に設けられている第2温度センサ120bによって測定された値が最大供給温度に到逹したかどうかを把握して、定常状態の到達如何を把握することもできる。この時、第1電子弁130aの開放如何と関係なく第2電子弁130bの方に同一量及び同一温度の温水が供給される。よって、制御器150は、第1電子弁130aを閉鎖して温水管1から供給される温水をすべて加熱モジュール145の方に流せることが望ましい。このような状態で使用者の設定した希望温度及び希望水量である42℃及び60ml/秒で排出水を供給するためには、混合温水が33ml/秒で供給され、冷水が27ml/秒で供給されるように第2電子弁130b及び第3電子弁130cが制御される。よって、第2電子弁130b及び第3電子弁130cはそれぞれ完全開放に対して約41.3%及び27%開放される。このように排出水が供給されている状態で、温水管1を通じて供給される温水の水量が60ml/秒に減少すれば、混合温水は第2電子弁130bの方に24.8ml/秒で出水される。よって、排出水の温度及び水量は、それぞれ39.2℃及び51.8ml/秒に減少する。
【0126】
このように定常状態に到逹した後で温水の水量が減少する場合、前述したように第3電子弁130cの開放度を変更せずに、第2電子弁130bをさらに開放すれば、混合温水の水量を33ml/秒にすることができる。すなわち、第2電子弁130bの開放度を完全開放に対して55%開放すれば、混合温水が33ml/秒で供給され、よって、排出水の温度及び水量を維持することができる。しかし、この場合には第2電子弁130bの開放度を変更せずに、第3電子弁130cをさらに開放すれば、排出水の水量は維持されるが温度は36.9℃に低くなるという問題がある。
【0127】
次いで、温水の水量だけ減少した状況で、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放度の変更だけでは排出水を使用者の希望する温度及び水量で提供することができないと判断されれば、制御器150は、加熱モジュール145に備えられている第2ヒータ140bを駆動する時に使用者の希望する温度及び水量で排出水を供給することができるかどうかを確認する(S415)。勿論、加熱水槽140に備えられている第1ヒータ140aを共に駆動すれば、排出水の温度をさらに高めることができるが、第1ヒータ140aの容量が第2ヒータ140bの容量より大きくないため、以下では第2ヒータ140bを駆動することに基づいて説明する。もし、第2ヒータ140bを駆動する時に使用者の希望する温度及び水量で排出水を供給することができると確認されれば、制御器150は、第2ヒータ140bを駆動し、第1電子弁130a、第2電子弁130b、及び第3電子弁130cを選択的に制御して、排出水の温度及び水量を使用者の希望する希望温度及び希望水量に対応する目標温度及び目標水量になるように調節する(S420)。この時、温水管1から加熱モジュール145に供給された水は、流れる状態で第2ヒータ140bによって加熱され、第2ヒータ140bによる温度増加量は次の数式(7)によって計算される。
【0128】
【数7】
ここで、ΔTは、昇温量、Pは、第2ヒータ140bの容量(KW)、cは、水の比熱(4.18KJ/(Kg℃))、ρは、水の密度(1Kg/L)、tは、昇温時間(分)、αは、安全率(1.2と仮定)、そしてqは、流量(L/min)である。
【0129】
加熱モジュール145が、内径2cm及び長さ20cmの管の内部に外径1cm及び長さ18cmのカートリッジヒータが装着されて構成されていれば、加熱モジュール145の内部には約49mlの水が収容されることができる。よって、加熱モジュール145に30℃の温水が20ml/秒の水量で供給されれば、約2.5秒後に昇温した水が出水される。この時、カートリッジヒータの容量が1KWであれば、数式(7)によって加熱モジュール145から出水される2次加熱温水の温度は約10℃昇温した40℃になる。さらに、このような2つの加熱モジュールを連結して一つの加熱モジュールを構成すれば、20ml/秒の水量で加熱モジュール145に流入される温水の温度を約20℃昇温させることができる。一方、加熱モジュール145に流入される温水の水量が2倍増加すれば(すなわち、40ml/秒)、温水は約1.2秒後に10℃昇温する。これに基づいて加熱モジュール145が管状に製作される時、一定の遅延時間を経た後の昇温量は、数式(7)による昇温量の瞬間変化率であるため、加熱時間に関係ない数式(8)を導出することができる。
【0130】
【数8】
ここで、ΔTは、昇温量、Pは、第2ヒータ140bの容量(KW)、cは、水の比熱(4.18KJ/(Kg℃))、ρは、水の密度(1Kg/L)、αは、安全率(1.2と仮定)、そしてqは、流量(L/min)である。
【0131】
前記の例と同じ状況で、水栓3の使用時点から60秒が経過した時点で温水管1から供給される温水の水量が30ml/秒に減少すれば、第2電子弁130bを最大限開放しても30ml/秒の混合温水のみを供給可能になる。よって、使用者の希望する60ml/秒の排出水を提供しようとすれば、冷水の水量を30ml/秒で増加させねばならない。この場合、混合温水の温度は64℃にならねばならず、このために加熱水槽140から20.4ml/秒の1次加熱温水が出水されねばならず、加熱モジュール145から9.6ml/秒の温水が出水されなければならない。しかし、加熱水槽140から出水され得る1次加熱温水の最大量は、温水管1から供給される温水の半分である15ml/秒であるため、このような条件に合わせられなくなる。よって、加熱モジュール145に備えられている第2ヒータ140bを駆動して、加熱モジュール140で秒当たり15mlの水量に流入される温水を2次加熱する必要がある。
【0132】
もし、第2ヒータ140bの容量が1.5kWである時、数式(8)によって15ml/秒で供給される温水を約20℃昇温させることができる。勿論、ヒータの効率が100%ではなく80%であれば、昇温させられる温度は約16℃である。よって、第2ヒータ140bを駆動すれば、加熱モジュール140から50℃の2次加熱温水が15ml/秒の水量に出水され、混合温水の温度は、最大65℃まで高めることができる。よって、第2ヒータ140bを駆動することで、温水管1から供給される温水の水量が減少しても、使用者の希望する温度及び水量の排出水を持続的に提供することができる。もし、温水管1から供給される温水の水量が過度に減少すれば、第1ヒータ140a及び第2ヒータ140bをいずれも駆動しても使用者の希望する温度及び水量で排出水を供給することができない状況があり得、この場合、1ヒータ140a及び第2ヒータ140bをいずれも駆動して排出水の温度を使用者の希望する温度にするが、排出水の水量を低減させるように第2電子弁130b及び第3電子弁130cを制御する(S425)。
【0133】
一方、残存温水及び加熱水槽140内の1次加熱温水が完全に消尽すれば、加熱水槽140内の温水の温度及び加熱モジュール145内の温水の温度は最大供給温度(例えば、60℃)になる。このような状況で、温水管1から供給される温水の水量が30ml/秒に減少すれば、第2電子弁130bを最大限開放しても60℃の混合温水を30ml/秒の水量で供給可能になる。よって、使用者の希望する60ml/秒の排出水を提供しようとすれば、冷水の水量を30ml/秒で増加させねばならない。この場合、混合温水の温度は40℃になり、よって、使用者の希望する温度の排出水を提供することができなくなる。この場合、第2ヒータ140bを駆動して加熱モジュール145を通じて供給される温水の温度を68℃に昇温させることで、使用者の希望する温度の排出水を提供可能になる。この時、第2ヒータ140bの駆動時間を適当に調節することで温水の温度を8℃昇温させることができる。
【0134】
次いで、冷水の水量だけ減少したと把握されれば(S430)、第3電子弁130cの開放度を変更して使用者の希望する温度及び水量で排出水を供給する(S435)。
【0135】
図3を参照して説明した例と等しい条件で、使用者が設定した排出水の希望温度及び希望水量がそれぞれ42℃及び60ml/秒であれば、水栓3で混合温水及び冷水をそれぞれ49.5ml/秒及び10.5ml/秒で供給すれば、排出水の温度及び水量はそれぞれ42℃及び60ml/秒になる。よって、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放量は、それぞれ最大開放量に対して61.9%及び10.5%である。このような状況で、冷水の水量が100ml/秒から80ml/秒に減少すれば、冷水の供給量を10.5ml/秒に維持するために、第3電子弁130cの開放度を最大開放量に対して13.1%に変更する。もし、残存温水及び加熱水槽140内の1次加熱温水が完全に消尽すれば、加熱水槽140内の温水の温度及び加熱モジュール145内の温水の温度は最大供給温度(例えば、60℃)になる。この時、混合温水及び冷水の供給量は、それぞれ33ml/秒及び27ml/秒になり、第2電子弁130b及び第3電子弁130cの開放量は、それぞれ最大開放量に対して41.3%及び27%である。このような状況で、冷水管2から供給される冷水の水量が80ml/秒に減少すれば、冷水の供給量を27ml/秒に維持するために第3電子弁130cの開放度を最大開放量に対して33.8%に変更する。冷水の供給量だけ減少した場合に、前述したような第3電子弁130cの制御を通じて使用者の希望する温度の排出水を提供可能になる。
【0136】
次いで、温水及び冷水の水量がいずれも減少したと把握されれば(S440)、S400ステップないしS425ステップによる温水の水量減少に対応する第1電子弁ないし第3電子弁130a、130b、130cの選択的制御及び第1ヒータ140a及び第2ヒータ140bの選択的駆動を通じて温水の減少量に対応する制御を行った後、S430ステップ及びS435ステップによる冷水の減少量に対応する第3電子弁130cを制御すれば、使用者の希望する温度の排出水を提供可能になる(S445)。
【0137】
温水及び冷水の水量は二つの場合に増加する。第一に、特定の使用先で温水及び冷水が最大供給水量に供給されている時、他の使用先で温水または冷水を使うことで該使用先への温水または冷水の供給量が減少した状態で、他の使用先で温水または冷水の使用を終了すれば、該使用先への温水または冷水の供給量が増加する。第二に、他の使用先で温水または冷水を使っているため、特定の使用先で温水または冷水を使えば、最大供給水量に及ばない水量で温水または冷水が供給される。このような状態で、他の使用先で温水または冷水の使用を終了すれば、該使用先への温水または冷水の供給量が増加する。
【0138】
もし、温水の水量のみ増加すれば(S450)、制御器150は、第1電子弁130aないし第3電子弁130cの開放度を選択的に変更して使用者の希望する温度及び水量の排出水を供給する(S455)。
【0139】
図3を参照して説明した例と等しい条件、すなわち、2400ml容量の加熱水槽140内に80℃に加熱された1次加熱温水が保存されており、残存温水が6400mlであり、第1温度センサ120a及び第2温度センサ120bによって測定された温水及び冷水の温度がそれぞれ30℃及び20℃であり、温水及び冷水の最大供給水量がそれぞれ80ml/秒及び100ml/秒であり、温水の最大供給温度が60℃であると仮定する。そして加熱水槽140内に1次加熱温水が残存する場合に、温水管1を通じて60ml/秒の水量で温水が供給され、冷水管2を通じて100ml/秒の水量で冷水が供給されれば、使用者の希望する42℃の排出水を60ml/秒の量で供給するためには、第1電子弁130a、第2電子弁130b及び第3電子弁130cをそれぞれ完全開放に対して55%、82.5%及び10.5%開放するか、または63.3%、61.9%及び22.9%開放せねばならない。
【0140】
このような状況で、温水管1から供給される温水の水量が80ml/秒に増加すれば、水栓3に供給される混合温水の水量が49.5ml/秒から66ml/秒に増加するか、または37.1ml/秒から49.5ml/秒に増加する。よって、それぞれの場合に、第2電子弁130bまたは第3電子弁130cの開放度を調節して排出水の水量を60mlにせねばならない。
【0141】
先ず、第2電子弁130bの開放量を低減させる方法について説明する。混合温水の供給量を49.5ml/秒に低減させるためには、第2電子弁130bの開放度を完全開放に対して82.5%から61.9%に低減させねばならず、混合温水の供給量を37.1ml/秒に低減させるためには、第2電子弁130bの開放度を完全開放に対して61.9%から46.4%に低減させねばならない。それぞれの場合に冷水の供給量は、それぞれ10.5ml/秒及び22.9ml/秒である。そして、これによって混合温水がそれぞれ46.7℃及び55.6℃にならねばならず、よって、第1電子弁130aの開放度を、それぞれの場合に完全開放に対してそれぞれ41.3%及び47.5%になるように調節せねばならない。このように温水管1に供給される温水の水量が増加すれば、第1電子弁130a及び第2電子弁130bの開放量を低減させることで、使用者の希望する温度及び水量の排出水を供給することができる。
【0142】
次いで、第3電子弁130cの開放量を低減させる方法について説明する。先ず、混合温水の増加量が16.5ml/秒である場合に冷水の供給量は10.5ml/秒であるため、この場合には、希望するほど冷水を低減させられない。よって、この場合には第3電子弁130cを完全に閉じ、水栓3に供給される混合温水の水量が60mlになるように第2電子弁130bの開放度を調節する。よって、第2電子弁130bは完全開放に対して75%開放せねばならない。この時、水栓3に供給される混合温水の温度は使用者の希望する温度である42℃にならねばならず、よって第1電子弁130aは完全開放に対して36%開放すれば、混合温水の温度が42℃になる。一方、混合温水の増加量が12.4ml/秒である場合には、冷水の供給量が22.9ml/秒であるため、この場合には、冷水の供給量を12.4ml/秒ほど低減させることで、排出水の水量を使用者の希望する水量に制御することができる。この時、第3電子弁130cは、水栓3で10.5ml/秒の水量で冷水を供給するために完全開放に対して10.5%開放される。このような状況で、使用者の希望する42℃の温度で排出水を供給するためには、水栓3に供給される混合温水の温度は46.7℃にならねばならず、よって第1電子弁130aは、完全開放に対して41.3%開放されるように制御される。以上のように、第1電子弁130a、第2電子弁130b及び第3電子弁130cを選択的に制御することで、温水管1から供給される温水の水量が増加する場合にも、使用者の希望する温度及び水量の排出水を提供することができる。
【0143】
これとは異なって、冷水の水量のみ増加すれば(S460)、制御器150は、第3電子弁130cの開放量を低減させて使用者の希望する温度及び水量の排出水を供給する(S465)。使用者の希望する温度及び水量で排出水を供給している状態で、冷水の水量が100ml/秒から120ml/秒に増加する場合を仮定する。すなわち、第3電子弁130cは、完全開放に対して10.5%開放されて水栓3で10.5ml/秒の水量で冷水を供給している状態で冷水の水量が120mlに増加すれば、第3電子弁130cの開放量を完全開放に対して8.75%に低減させて、水栓3に供給される冷水の水量を10.5mlにすることができる。
【0144】
一方、水栓3に供給される温水及び冷水の水量がいずれも増加すれば、温水のみ増加した場合の制御方法を行った後、第3電子弁130cの開放量を完全開放に対して冷水の増加量ほど低減させられるほどに制御すれば、使用者の希望する温度及び水量で排出水を持続的に供給することができる(S470)。
【0145】
以上の説明で制御器150は、温水管1及び冷水管2に位置しているそれぞれの水量センサ110a及び110bによって温水及び冷水の水量を算出する。これとは異なって、温水及び冷水の水量は、水量センサの代りに圧力センサを用いて測定されてもよい。
【0146】
例えば、水圧による水量は、数式(9)及び数式(10)を用いて導出される。
【0147】
【数9】
ここで、Pは、水圧(1000g/cm
2)を示し、Vは、流速(cm/s)を示し、gは、重力加速度(9.8m/s
2)を示す。
【0148】
【数10】
ここで、Qは、体積水量を示し、Aは、配管の断面積を示す。
【0149】
数式(9)及び(10)によって数式(11)が導出される。
【0150】
【数11】
ここで、K=0.6597d
2(dは配管の内径)であるため、水圧は水量の二乗に比例するということが分かる。
【0151】
例えば、配管の内径が15mmであり、水圧が0.5kg/cm2である時、水量は470ml/秒になる。
【0152】
よって、第1圧力センサ及び第2圧力センサによって測定された水圧がそれぞれAkg/cm2及びBkg/cm2であり、AがBより小さな場合、温水及び冷水の水量比はA:B/Aになる。これより、温水及び冷水の水量と水量比とを算出する。
【0153】
一方、以上で説明したような、温水及び冷水の水量変化、温水及び冷水の水圧変化などによる弁の制御時、それぞれの変化に即刻で対応する場合に、過度に弁の開度を調節せねばならない問題が発生する恐れがある。これを防止するために、水栓ノブの回転量による排出水の温度が定常状態に到逹した後、温水及び冷水の温度が変わるか、または水量が変化しても、その変化による排出水の温度が定常状態の排出水の温度に比べて既定の基準変化量(例えば、±3℃)より大きいか、または温水及び冷水の水量変化量が既定の基準変化量(例えば、±10%の水量変化)より大きい場合に限って弁を制御することが望ましい。
【0154】
一方、本発明による水栓制御装置は、季節別または使用者別に排出水の目標温度を異なって設定する。例えば、同じ使用者が30℃の排出水を夏にはちょっと熱いと感じる一方、冬にはちょっと冷たいと感じることがある。よって、使用者にやさしい制御のために、排出水の目標温度を季節に応じて適応的に設定することが望ましい。例えば、水栓ノブの水平回転量に対する排出水の目標温度を、夏には10%低減させ、冬には10%増加させる。勿論、このような制御は、季節に基づいてのみ行われるものではなく、屋外の温度または水栓のある場所の温度に基づいて行われてもよい。例えば、水栓のある場所の温度が、特定の設定温度(例えば、30℃)より低ければ、水栓ノブの水平回転量に対する排出水の目標温度を10%増加させ、設定温度以上であれば、排出水の目標温度を10%増加させる。
【0155】
このような制御は、別途の入力装置を通じて使用者から水栓ノブの回転情報が入力されるか、または排出水の目標温度及び水量が直接入力される場合にも、同様に適用される。さらに、別途の入力装置を通じて使用者から水栓ノブの回転情報が入力されるか、または排出水の目標温度及び水量が直接入力される場合に、使用者別に排出水の目標温度を異なって設定してもよい。すなわち、それぞれの使用者別に好む排出水の温度及び水量を決めて分析することで、同じ水栓ノブの回転量に対する排出水の目標温度及び目標水量を使用者別に異なって制御することができる。この時、入力装置がスマートフォンである場合には、スマートフォンから使用者の情報を自動で提供されることで、使用者に関する情報を容易に把握することができる。これとは異なって、制御パネルが入力装置として使われる場合には、制御パネルを通じて使用者を設定する。
【0156】
本発明による水栓制御装置100は、水栓ノブの代りに水栓ノブの垂直及び水平回転量に対応する情報を、別途の入力装置を通じて使用者から入力される。さらに、水栓ノブの垂直及び水平回転量に対応する情報の代りに、使用者の希望する排出水の温度及び水量が、使用者から入力されてもよい。この時、別途の入力装置は、スマートフォン、入力装置及び出力装置を備える制御パネルなどになる。スマートフォンが入力装置として使われる場合、スマートフォンには、本発明による水栓制御装置100を制御するためのアプリが設けられることが望ましい。制御パネルの出力装置には、冷水の温度、温水の温度、冷水の水量、温水の水量、排出水の温度、排出水の水量などが使用者の選択または設定状態によって選択的に表示される。また、制御パネルの入力装置は、タッチスクリーン、音声認識装置、ボタン入力装置などの形態を持つ。この場合、本発明による水栓制御装置100は、入力装置及び出力装置とデータを送受信するための通信部を備え、ブルートゥースモジュール、ワイファイモジュールなどを含む有線または無線通信の可能な装置が、通信部として採択される。
【0157】
図6及び
図7は、混合温水及び冷水の水栓3への供給地点に、一つの電子弁によって混合温水及び冷水が水栓3に供給される場合に使われる電子弁の例を示す図面である。
【0158】
図6及び
図7を参照すれば、本発明の一実施形態による電子弁500は、上部ケース510、温度調節部520、連結部530、及び下部ケース540で構成される。
【0159】
上部ケース510は、その内部に空間が形成されて温度調節部520及び連結部530を収容する。上部ケース510は円筒状であり、上側の直径が下側の直径より小さく形成される。上部ケース510の上側に形成されている小径の円筒内に温度調節部520の上部モジュールが挿入されて回転自在に固定される。この時、温度調節部520の上部モジュールの外面と、上部ケース510の上側に形成されている小径の円筒の内面とが当接するため、温度調節部520の上部モジュールの外面には外周面に沿って複数の溝が形成されて、上部ケース510の上側に形成されている小径の円筒の内面との摩擦面を縮めると同時に、温度調節部520の円滑な回転を保証する。さらに、温度調節部520の上部モジュールの外面に外周面に沿って複数のリング軸受を設ければ、上部ケース510の上側に形成されている小径の円筒の内面との摩擦をさらに低減させることができる。温度調節部520の下部モジュールは、その上面が上部ケース510の上側の内面と当接する。このような温度調節部520の下部モジュールは、その上面に、上部ケース510の上側の内面との摩擦を低減させるために、外周面に沿って複数の溝が形成されるか、または複数のリング軸受が設けられることが望ましい。
【0160】
温度調節部520の上部モジュールの上面には、線形モータ(図示せず)が結合される結合溝が形成されており、線形モータの回転に対応して温度調節部520が回転する。温度調節部520の上部モジュールの上側には係止突起525が形成され、上部ケース510の内面の対応する地点には複数のストッパが設けられる。係止突起525及びストッパによって温度調節部520は、上部ケース510に対して一定の角度の範囲内で回転する。また、
図6に示されたように、温度調節部520の下部モジュールの下面には、切られたドーナツ状の複数の流路521及び522が形成されている。このような複数の流路521及び522のうち第1流路521は、温度調節部520の回転状態によって連結部530に形成されている温水流入口531と温水流出口533との間の温水のフローを統制し、第2流路522は、温度調節部520の回転状態によって連結部530に形成されている冷水流入口532と冷水流出口534との間の冷水のフローを統制する。このような連結部530に対する温度調節部520の回転量による温水と冷水との混合比の調節例が
図8に図示されている。
【0161】
図8を参照すれば、温水調節部520の下面に形成されている流路521及び522と連結部530に形成されている温水流入口531、冷水流入口532、温水流出口533及び冷水流出口534が互いに対称の状態にある時(
図8の(a))、温水流入口531及び冷水流入口532は等しく半分ずつ開かれる。よって、温水流入口531及び冷水流入口532を通じてそれぞれ40mL/秒及び80mL/秒の水量で温水及び冷水が流入されれば、温水流出口532及び冷水流出口534にそれぞれ20mL/秒及び40ml/秒で温水及び冷水が出水される。一方、温度調節部520に連結されている線形モータが時計回り方向に30゜回転すれば(
図8の(b))、温水流入口531に流入された温水は全量温水流出口533に出水され、冷水流入口532と冷水流出口534との間には流路が形成されないため、冷水流出口534に冷水が出水されない。逆に、温度調節部520に連結されている線形モータが逆時計回り方向に30゜回転すれば(
図8の(c))、冷水流入口532に流入された冷水は全量冷水流出口534に出水され、温水流入口531と温水流出口533との間には流路が形成されないため、温水流出口533に温水が出水されない。また、温度調節部520に連結されている線形モータが時計回り方向に12゜回転すれば(
図8の(d))、温水流入口531に流入された温水の約90%が温水流出口533に出水され、冷水流入口532に流入された冷水の約10%が冷水流出口534に出水される。これとは異なって、温度調節部520に連結されている線形モータが逆時計回り方向に12゜回転すれば(
図8の(e))、温水流入口531に流入された温水の約10%が温水流出口533に出水され、冷水流入口532に流入された冷水の約90%が冷水流出口534に出水される。このように、温度調節部520の回転方向及び回転量を調節することで、温水と冷水との混合比を調節することができる。このような温度調節部520の回転方向及び回転量は制御器150によって制御される。
【0162】
連結部530は下部ケース540と結合される。このために、連結部530の下面の外周部分に挿入部535-1及び535-2が形成されており、それぞれの挿入部535-1及び535-2は、下部ケース540の上面の対応する位置に形成された結合溝に挿入されて、連結部530を下部ケース540に固定させる。一方、連結部530の上面の中央には突起が形成されて、温度調節部520の下面に形成された突起収容溝に結合される。これによって、温度調節部520は、連結部530の上面に形成された突起を中心軸として回転する。このような連結部530は、温度調節部520と回転自在に密着するが、温水及び冷水の漏れを防止するために摩擦系数が小さくて弾性の高い材質(例えば、テフロン)で製作される。
【0163】
下部ケース540は上部ケース510と結合される。このために、下部ケース540の上面の外周面には締結突起549-1及び549-2が形成されており、それぞれの締結突起549-1及び549-2は、上部ケース510の側面に対応する位置に形成された結合溝515に挿入される。下部ケース540の上面には、連結部530に形成された温水流入口531、冷水流入口532、温水流出口533、及び冷水流出口534に対応する温水流入口545、冷水流入口546、温水流出口547、及び冷水流出口548が形成されている。この時、漏れを防止するために温水流入口545、冷水流入口546、温水流出口547、及び冷水流出口548には、それぞれ外周にゴムリングが挿入される。また下部ケースの下面には、温水流入管541、冷水流入管542、温水流出管543、冷水流出管544が装着されており、それぞれの管は、下部ケース540の内部に形成された流路を通じて対応する温水流入口545、冷水流入口546、温水流出口547、及び冷水流出口548と連通される。
【0164】
以下では、第2電子弁130b及び第3電子弁130cを除去し、
図6ないし
図8を参照して説明した電子弁(以下、「第4電子弁」という)を装着して水栓を制御する方法について説明する。この時、混合温水が出水される配管は第4電子弁500の温水流入管541と連結され、冷水が出水される配管は第4電子弁500の冷水流入管542と連結される。また、第4電子弁500の温水流出管543は水栓3の温水管と連結され、冷水流出管544は水栓3の冷水管と連結される。
【0165】
先ず、温度調節部520の回転量によって温水流入管541及び冷水流入管542にそれぞれ流入された温水及び冷水が、温水流出管543及び冷水流出管544にどれ位の水量で出水されるかを調べる。温度調節部520に連結された線形モータが時計回り方向に30゜回転すれば、温水流入口531に流入された温水は全量温水流出口533に出水され、温度調節部520に連結された線形モータが逆時計回り方向に30゜回転すれば、冷水流入口532に流入された冷水は全量冷水流出口534に出水されると設定する。そして温度調節部520に連結された線形モータが時計回り方向に30゜回転した状態を0゜と設定すれば、温度調節部520に連結された線形モータが逆時計回り方向に30゜回転した状態は60゜となる。この時、温水流入管541にxml/秒の水量で温水が流入され、冷水流入管542にyml/秒の水量で冷水が流入されれば、温水流出管543及び冷水流出管544に出水される温水及び冷水の水量は、次の数式(12)によって得られる。
【0166】
【数12】
ここで、Xは、温水流出管543に出水される温水の水量、Yは、冷水流出管544に出水される冷水の水量、そしてkは、温度調節部520の回転量である。
【0167】
このような条件で、温水流出管543及び冷水流出管544に出水される温水及び冷水の温度がそれぞれa℃及びb℃であれば、これを混合した混合数の温度Tは、次の数式(13)によって求めることができる。
【0168】
【数13】
一方、第4電子弁500は、温水と冷水との混合比を調節して混合水の温度のみを調節する機能のみを行うため、第4電子弁500の後端に水量調節手段が備えられねばならない。このような水量調節手段としては、
図1を参照して説明した第1電子弁130aが採用される。また、通常の水栓に適用されるカートリッジを水量調節手段として使うことができ、この時、カートリッジは、水栓ノブの水平回転量に対応して温水と冷水との混合比を調節する機能は除去され、水栓ノブの垂直回転量に対応して温水及び冷水が混合された混合水の水量のみを調節する機能だけ行う。
【0169】
例えば、2400ml容量の加熱水槽140内の水が第1ヒータ140aによって80℃に加熱されて維持されている場合に、制御器150による第4電子弁500の制御動作を説明する。以下の説明で、温水の供給地点から加熱水槽140との間の配管に残存する残存温水が6400mlであり、第1電子弁130aが温水管1から供給された温水を加熱水槽140と加熱モジュール145とに分配するように制御され、第1温度センサ120a及び第2温度センサ120bによって測定された温水及び冷水の温度がそれぞれ30℃及び20℃であり、温水及び冷水の最大供給水量がそれぞれ80ml/秒及び100ml/秒であり、温水の最大供給温度が60℃であると仮定する。
【0170】
使用者が設定した排出水の希望温度及び希望水量がそれぞれ42℃及び60ml/秒であれば、制御器150は、残存温水が消尽するまで加熱水槽140内の1次加熱温水と加熱モジュール145による2次加熱温水とを混合した混合温水の温度が、使用者が設定した排出水の希望温度に到逹するかどうかを確認する。もし到逹することができると確認されれば、制御器150は、使用者が設定した排出水の希望温度及び希望水量を排出水の目標温度及び目標水量と設定する。これとは異なって、到逹することができないと確認されれば、排出水の目標温度を使用者が設定した排出水の希望温度より低く設定するか、または排出水の目標水量を使用者が設定した排出水の目標水量より小さく設定する。
【0171】
前記の例で、残存温水が完全に消尽するまでかかる時間は106.7秒であり、よって加熱水槽140内の1次加熱温水は106.7秒より遅く消尽すれば良い。よって、加熱水槽140から最大秒当たり22mlで排出されれば、2400mlの1次加熱温水が完全に消尽するまで109秒がかかる。この時、第4電子弁500に供給される混合温水の温度は43.75℃であり、数式(12)及び数式(13)によって第4電子弁500の温度調節部520の回転量を求めることができる。この場合、第4電子弁500の温度調節部520の回転量は0.2゜と算出される。この時、温水流出管543及び冷水流出管544に出水される温水及び冷水の水量は、それぞれ79.7ml/秒及び0.33ml/秒になる。よって、第4電子弁500の後端に設けられている水量制御手段は、温度が42℃で水量が80.03ml/秒である混合水を、使用者が設定した水量である60ml/秒で出水するように制御する。
【0172】
もし、残存温水及び加熱水槽140内の1次加熱温水が完全に消尽して定常状態に到逹すれば、加熱水槽140内の温水の温度及び加熱モジュール145内の温水の温度は最大供給温度(例えば、60℃)になる。この場合、第4電子弁500の温度調節部520の回転量を23.7゜に設定すれば、温水流出管543及び冷水流出管544に出水される温水及び冷水の水量は、それぞれ48.4ml/秒及び39.5ml/秒になる。よって、第4電子弁500の後端に設けられている水量制御手段は、温度が42℃で水量が887.9ml/秒である混合水を、使用者が設定した水量である60ml/秒で出水するように制御する。
【0173】
定常状態に到逹する前及び到逹した後で、水栓3の使用中に温水の水量と冷水の水量のうち少なくとも一つが増加または減少すれば、それによる第4電子弁500の回転量制御方法は、
図3及び
図4を参照して説明した事項及び数式(12)及び数式(13)を参照すれば得られるということは、当業者ならば明らかである。
【0174】
一方、以上の説明で弁の開放量について温水、冷水、混合温水、混合水などの水量が線形的に対応すると記述した。しかし、弁の開放量が一定のレベル以下に少なくなれば、水量は非線形的に変わる。例えば、弁の開放量が50%であれば、流入される水量の半分が弁を通じて供給されるが、弁の開放量が10%であれば、流入される水量の10%より小さな水量が弁を通じて供給される。よって、このような差に鑑みて弁の開放量を定めることが望ましい。さらに、このような差によって発生する排出水の温度及び水量が既定の誤差範囲(例えば、温度は±2℃、水量は±5ml/秒)内であれば、このような差を考慮しないように設定してもよい。
【0175】
一方、水栓3が、カートリッジの備えられている一般的な水栓である場合に、ノブの垂直及び水平回転量に対応してカートリッジによる温水と冷水との混合比及び混合水の水量が最終的に水栓3によって変更される。この場合、近似的には、次のような数式によって第2電子弁130b及び第3電子弁130cを制御すれば、目標温度及び目標水量で排出水を供給することができる。
【0176】
調整された温水の水量:QH0
調整された冷水の水量:QL0
水栓ノブの水平回転角:θH
水栓ノブの最大水平回転角:θHmax
θH/θHmax≧0.5であれば、第3電子弁はそのまま維持し、第2電子弁をθHmax/(2θH)の割合ほどさらに開放することでQH0の排出量を増加させて、水栓を通じて最終的に混じる温水の量が変わらないようにし、θH/θHmax<0.5であれば、第2電子弁はそのまま維持し、第3電子弁をθHmax/(2(θHmax-θH))の割合ほどさらに開放することでQL0の排出量を増加させて、最終的に水栓を通じて混じる冷水の量が変わらないようにする。
【0177】
一方、加熱水槽140及び加熱モジュール145が温水管1及び第2電子弁130b(または温度調節用電子弁)に対して密閉されているため、加熱水槽140内の水が加熱されるにつれて体積が膨脹して加熱水槽140、加熱モジュール145、温水管1と第2電子弁130bとの間の配管に過度に大きい圧力が加えられる。これは、装置の破損を引き起こすことができるため、圧力を適正レベル(例えば、温水供給水圧の1.5倍)以下に低める必要がある。このために第2電子弁130bが使われる場合には、加熱水槽140と温水管1とを連結するバイパス管を設け、バイパス管に加熱水槽140から温水管1のみに水を流せる一方向弁を設けることが望ましい。この時、一方向弁としては、第1基準圧力(例えば、温水供給水圧の1.2倍)より高い圧力が加えられる時に開放される弁を採用することができる。勿論、バイパス管を設ける代わりに加熱水槽140内の圧力が第1基準圧力に到逹すれば、第2電子弁130bを開放して加熱水槽140内の圧力を第1基準圧力以下に低めてもよい。さらには、温度調節用電子弁が採用される場合にも、バイパス管を設けて加熱水槽140内の圧力を低めてもよい。しかし、この場合には、温度調節用電子弁を調節して混合温水を冷水管2に供給させることで、加熱水槽140内の圧力を適正レベル以下に低めることができる。このために、加熱水槽140内には圧力センサが設けられねばならず、制御器150は、圧力センサから入力される値に基づいて第2電子弁130bまたは温度調節用電子弁を制御する。もし圧力センサから入力される値が適正レベルに到逹すれば、制御器150は、加熱水槽140内に装着されているヒータ140aの駆動を停止させることで加熱水槽140内の水の体積がさらに大きくなることを防止することによって、加熱水槽140内の圧力が増加することを防止する。
【0178】
一方、第2電子弁130b及び第3電子弁130cを用いて混合温水及び冷水の排出量を調節する構成である場合に、停電または故障の時に水の使用が不可能になる。このような状況に備えて温水管1及び冷水管2が本発明による装置と連結されるそれぞれの地点に3方向弁を設け、正常な状況である場合には、温水管1から供給される温水と、冷水管2から供給される冷水とを本発明による装置に向かせるが、停電または故障の時には、使用者が直接3方向弁それぞれに装着されたノブを調節して、温水管1から供給される温水と冷水管2から供給される冷水とがバイパス管を通じて水栓に供給されるように構成する。この時、3方向弁のノブが使用者によって停電または故障の時の位置に変わった状態で、使用者が同じ方向に3方向弁のノブをさらに回転させれば、温水及び冷水の排出量を調節可能に構成することができる。このような構成は、温度調節用電子弁を採用する場合にも同様に適用される。これとは異なって、温度調節用電子弁を採用するものの、水量調節は水栓に装着されているノブによって行われる場合には、3方向弁及びバイパス管を設けずに停電または故障の時に補助バッテリーによって制御器150及び温度調節用電子弁に電源を供給して、温度調節用電子弁を混合温水と冷水とが1:1に混合される位置に駆動させることで持続的に水を使用することができるように構成してもよい。
【0179】
図9ないし
図12は、本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【0180】
図9を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置200は、温度及び水量設定手段3a、複数の水量センサ210a及び210b、複数の温度センサ220aないし220d、方向制御弁230、温水直水管240、加熱水槽250、ヒータ255、電子弁260、及び制御器270を備える。
【0181】
温度及び水量設定手段3aは、使用者により排出水の希望温度及び希望水量が設定される構成要素である。
図9に示されている温度及び水量設定手段3aは、通常的な水栓3のノブに結合されている回転角測定センサである。このような回転角測定センサは、水栓ノブの水平及び垂直回転角を測定するための構成である。しかし、
図2を参照して説明した実施形態とは異なって、本実施形態では、温度及び水量設定手段3aでは水栓ノブの水平回転角のみを測定して制御器270に提供する。制御器270は、温度及び水量設定手段3aから入力された水栓ノブの水平回転方向及び回転量に基づいて使用者の希望する希望温度を算出する。このような温度及び水量設定手段3aによる水栓ノブの水平回転角測定動作は、
図2を参照して説明した水栓ノブの水平回転角測定動作と等しい。一方、本実施形態で排出水の希望水量は、使用者による水栓ノブの垂直回転量によって物理的に調節される。よって、水栓3内には、水栓ノブの垂直回転量に対応して水の排出量のみを調節するための水量調節用カートリッジが設けられる。このような水量調節用カートリッジは、電子弁260から水栓3に使用者が設定した希望温度で供給される排出水の排出量を、水栓ノブの垂直回転量に対応して調節する。
【0182】
これとは異なって、水栓ノブは、垂直方向のみに動作して使用者が物理的に排出水の希望水量を設定するように構成し、排出水の希望温度は別途に入力されるように構成することができる。このような実施形態は、
図10に図示されている。
図10を参照すれば、排出水の希望温度は、水栓ノブと別途に設けられている温度設定装置280によって使用者から入力される。温度設定装置280は、回転ノブ、押しボタンなどで構成される。温度設定装置280を通じて使用者より入力された排出水の希望温度は制御器270に入力される。水栓ノブによる排出水の水量調節は、
図9を参照して説明した通りである。
【0183】
水量センサ210a及び210bは、それぞれ温水管1及び冷水管2から水栓制御装置200に供給される温水及び冷水の水量を測定する。以下の説明で、温水管1から供給される温水の水量を測定する水量センサ210aを第1水量センサと称し、冷水管2から供給される冷水の水量を測定する水量センサ210bを第2水量センサと称する。一方、温水及び冷水の水量は、水量センサ210a及び210bの代りに圧力センサを用いて測定する。水量センサの代りに圧力センサを備えることで、温水管1及び冷水管2から供給される温水及び冷水の水圧をそれぞれ測定する。このような圧力センサによって測定された温水及び冷水の水圧を温水及び冷水の水量に変換する過程は、
図1を参照して説明した通りである。
【0184】
温度センサ220aないし220dは、それぞれ温水管1と連結される配管、冷水管2と連結される配管、加熱水槽250内及び電子弁260から水栓3との間に連結された配管内に設けられる。
【0185】
第1温度センサ220aは、温水が流入される温水流入口に設けられて、温水管1を通じて供給される温水の温度を測定する。温水の使用直後には温水管1内の温度数温度と加熱水槽250内の温水温度とが等しくなる。よって、第1温度センサ220a及び第3温度センサ220cによって測定された測定値が等しい温度を示す。しかし、温水の使用が終わった時点から経時的に温水管1内の温水の温度は次第に低くなり、第1温度センサ220aによって測定された温水の温度も次第に低くなる。この時、方向制御弁230が温水管1側と加熱水槽250との間の熱伝逹を完璧に遮断する場合には、第1温度センサ220aによって測定された温水の温度は、温水管1内の温水の温度と等しい。しかし、実際には、方向制御弁230を基準として温水管1側と加熱水槽250との間の熱伝逹が完璧に遮断されないため、第1温度センサ220aによって測定された温水の温度と温水管1内の温水の温度とは差がある。
【0186】
本発明による水栓制御装置200は、第1温度センサ220aによって測定された温水の温度と、温水管1内の温水の温度との差が大きくないという前題下で、第1温度センサ220aによって測定された温水の温度を温水管1内の温水の温度と設定する。しかし、第1温度センサ220aによって測定された温水の温度と温水管1内の温水の温度との差が大きい場合には、これを反映する必要がある。このために、制御器270は、温水使用が開始された時点に第1温度センサ220aによって測定された温水の温度と、温水使用が開始された時点以後に一定時間の間隔(例えば、10ms)で第1温度センサ220aによって測定された温水の温度との差値が既定の第1基準値(例えば、2℃)より大きくなる時点に、第1温度センサ220aによって測定された温水の温度を温水管1内の温水の温度に変更する。
【0187】
また、第2温度センサ220bは、冷水が流入される冷水流入口に設けられて冷水管2を通じて供給される冷水の温度を測定する。第3温度センサ220cは、加熱水槽250内に設けられて加熱水槽250に供給された温水の温度を測定する。温水の使用が終わった時点から相当な時間が経過すれば、温水管1内の温水と加熱水槽250内の温水はいずれも温度が低下して同じ温度になる。これとは異なって、温水の使用が終わった直後には、温水管1内の温水と加熱水槽250内の温水はいずれも最大供給温度(例えば、60℃)になる。一方、加熱水槽250内に設けられているヒータ255が動作するにつれて、第3温度センサ220cによって測定された加熱水槽250内の温水の温度は上昇する。第4温度センサ220dは、電子弁260から水栓3との間に連結された配管内に設けられて電子弁260から水栓3に供給される排出水の温度を出力する。第1温度センサ220aないし第4温度センサ220dによって測定された測定値は、制御器270に入力される。
【0188】
温水管1を通じて水栓制御装置200に供給された温水は、温水直水管240と加熱水槽250とに分岐される。温水管1から流入される温水の温水直水管240と加熱水槽250とへの分配割合は、1:1ないし1:4の範囲になるように設定することが望ましい。このような分配割合は、温水直水管240の管径、形態、長さなどによって調節される。さらには、温水管1を通じて水栓制御装置200に供給された温水の分岐地点に分配割合の調節可能な3-way弁を適用してもよく、この時、3-way弁の分配割合は手動に調節されるか、または制御器270から入力される制御信号によって自動に調節される。方向制御弁230は温水の分岐地点以前に設けられ、温水管1から供給される温水が温水管1の方に逆流することを防止する機能と、加熱水槽250から温水管1の方への熱伝逹を防止するかまたは最小化する機能を行う。
【0189】
以上の説明で、方向制御弁230は温水の分岐地点以前に設けられるが、これとは異なって、加熱水槽250の温水流入口と温水流出口とにそれぞれ方向制御弁が設けられることもある。このような実施形態は、
図11に図示されている。
図11を参照すれば、第1方向制御弁230aは加熱水槽250の温水流入口に設けられ、第2方向制御弁230bは加熱水槽250の温水流入口に設けられる。このように構成することで、加熱水槽250を他の構成要素から熱的に遮断する。この時、第1方向制御弁230aは、水を温水管1から加熱水槽250の方向のみに流せるが、加熱水槽250内の圧力が一定の第1基準圧力(例えば、5bar)より高くなれば、加熱水槽250内の水を排出して加熱水槽250内の第2基準圧力(例えば、2bar)以下に低める安全弁でもある。
【0190】
一方、
図10に示されている排出水の希望温度及び希望水量設定方式と、
図11に示されている方向制御弁の設置方式とを結合した構成は
図12に図示されている。
図12を参照すれば、排出水の希望温度は別途に設けられている温度設定装置280を通じて使用者から入力され、方向制御弁230a及び230bは、加熱水槽250の温水流入口及び温水流出口にそれぞれ設けられる。
【0191】
加熱水槽250は、一定量(例えば、1.8l)の水を保存可能な容量に製作され、その内部にヒータ255及び第3温度センサ220cが設けられる。水栓が動作しないうちに(使用者が水を使わない間)に加熱水槽250内に設けられているヒータ255を駆動して、加熱水槽250内の水を既定の第1温度(例えば、80℃)に加熱する。もし加熱水槽250内の水の温度が第1温度に到逹すれば、制御器270は、ヒータ255の動作を中止させる。このような状態で、加熱水槽250内の水の温度が既定の第2温度(例えば、40℃)まで下降すれば、制御器270は、再びヒータ255を駆動して加熱水槽250内の水を既定の第1温度(例えば、80℃)に加熱する動作を繰り返す。
【0192】
第1温度、第2温度及びヒータ255の駆動如何は、温水の最初の流入地点(中央暖房の場合には中央配管から各宅内に分岐される地点、個別暖房の場合には、宅内に設けられているボイラーの温水の出水地点)から水栓3までの配管内に残存している温水の水量、最初の温水温度、加熱水槽250の容量、温水及び冷水の水量、ヒータ255の容量などによって定められる。この時、排出水の希望温度を保証するためには、第1温度をなるべく高く設定することが有利ではあるが、使用者がやけどをする可能性、加熱水槽250の耐熱性能などを考慮すれば、なるべく90℃以下(例えば、75℃)に設定することが望ましい。一方、
図9には、加熱水槽250内に一つのヒータだけ装着されていると図示されているが、加熱水槽250内に複数のヒータが装着されてもよい。さらには、ヒータ255の容量は、基本的に加熱水槽250の容量及び温水管1内の残存温水の最低温度によって定められる。例えば、加熱水槽250の容量が1.8lである時、20℃の温水を10分間加熱して80℃に上昇させるためには、ヒータ255の容量は940W(ヒータの安全率を1.25に設定)であればよい。このように、第1温度に加熱された加熱温水は加熱水槽250内に保存され、制御器270は、使用者による水栓3の動作に対応して電子弁260を制御して、加熱水槽250から供給される加熱温水と温水直水管240を通じて供給される温水とが混合された混合温水を水栓3に供給する。
【0193】
一方、前述したように第3温度センサ220cによって測定された温度だけでヒータ255の駆動如何を定めれば、安定的な温水の供給は可能であるが、電力消費量が増加するという問題がある。このような問題に鑑みて水栓3が使われない時、制御器270は、第1温度センサ220a及び第3温度センサ220cの測定値に基づいてヒータ255の駆動如何を定めれば、電力消費量を最適化することができる。
図13は、水栓3が使われない時、第1温度センサ220a及び第3温度センサ220cの測定値に基づいて制御器270によるヒータ255の駆動方法を示す図面である。
【0194】
図13を参照すれば、本発明による水栓制御装置200に電源が供給されれば、制御器270は、周期的に第1温度センサ220a及び第3温度センサによって測定された温水管1内の温水温度と、加熱水槽250内の温水温度を把握する(S1300)。先ず、制御器270は、第1温度センサ220aの測定値T1が第1基準温度V1より低いかどうかを確認する(S1305)。もし第1温度センサ220aの測定値T1が第1基準温度V1以上であれば、制御器270はヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第1温度センサ220aの測定値T1が第1基準温度V1より低ければ、制御器270は、第1温度センサ220aの測定値T1が第2基準温度V2より低いかどうかを確認する(S1310)。もし第1温度センサ220aの測定値T1が第2基準温度V2以上であれば、制御器270は、第3温度センサ220cの測定値T3が第5基準温度V5より低いかどうかを確認する(S1330)。S1330ステップで、第3温度センサ220cの測定値T3が第5基準温度V5以上であれば、制御器270は、ヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第5基準温度V5より低ければ、制御器270はヒータをターンオンする(S1350)。そして制御器270は、ヒータ255がターンオンされた状態で、第3温度センサ220cの測定値T3が第9基準温度V9以上になれば、ヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第9基準温度V9より低ければ、ヒータ255をオン状態に維持する(S1350)。
【0195】
S1310ステップで、第1温度センサ220aの測定値T1が第2基準温度V2より低いと確認されれば、制御器270は、第1温度センサ220aの測定値T1が第3基準温度V3より低いかどうかを確認する(S1315)。もし第1温度センサ220aの測定値T1が第3基準温度V3以上であれば、制御器270は、第3温度センサ220cの測定値T3が第6基準温度V6より低いかどうかを確認する(S1335)。S1335ステップで、第3温度センサ220cの測定値T3が第6基準温度V6以上であれば、制御器270は、ヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第6基準温度V6より低ければ、制御器270はヒータをターンオンする(S1360)。そして制御器270は、ヒータ255がターンオンされた状態で、第3温度センサ220cの測定値T3が第10基準温度V10以上になれば、ヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第10基準温度V10より低ければ、ヒータ255をオン状態に維持する(S1360)。
【0196】
S1315ステップで、第1温度センサ220aの測定値T1が第3基準温度V3より低いと確認されれば、制御器270は、第1温度センサ220aの測定値T1が第4基準温度V4より低いかどうかを確認する(S1320)。もし第1温度センサ220aの測定値T1が第4基準温度V4以上であれば、制御器270は、第3温度センサ220cの測定値T3が第7基準温度V7より低いかどうかを確認する(S1340)。S1340ステップで、第3温度センサ220cの測定値T3が第7基準温度V7以上であれば、制御器270は、ヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第7基準温度V7より低ければ、制御器270はヒータをターンオンする(S1370)。そして制御器270は、ヒータ255がターンオンされた状態で、第3温度センサ220cの測定値T3が第11基準温度V11以上になれば、ヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第11基準温度V11より低ければ、ヒータ255をオン状態に維持する(S1370)。
【0197】
S1320ステップで、第1温度センサ220aの測定値T1が第4基準温度V4より低いと確認されれば、制御器270は、第3温度センサ220aの測定値T3が第8基準温度V8より低いかどうかを確認する(S1345)。S1345ステップで、第3温度センサ220cの測定値T3が第8基準温度V8以上であれば、制御器270は、ヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第8基準温度V8より低ければ、制御器270はヒータをターンオンする(S1380)。そして制御器270は、ヒータ255がターンオンされた状態で、第3温度センサ220cの測定値T3が第12基準温度V12以上になれば、ヒータ255をターンオフする(S1325)。これとは異なって、第3温度センサ220cの測定値T3が第12基準温度V12より低ければ、ヒータ255をオン状態に維持する(S1370)。
【0198】
以上の説明でそれぞれの基準温度は、次の表に記載したように設定される。このような基準温度は、加熱水槽250の容量、温水管1内の残存温水の容量、ヒータ255の容量、加熱水槽250に対して設定された温水の最大加熱温度、温水管1内の残存温水の温度、冷水管2内の冷水の温度などによって変更される。
【0199】
【表1】
以上で説明したように、温水管1内の残存温水及び加熱水槽250内の加熱された温水の冷却程度によって能動的にヒータ255のオンオプを制御すれば、次の使用者が水栓3を使う時、即刻で使用者の希望する温度の排出水を提供することができると同時に、ヒータ255を駆動するためにかかる電力を低減させることができる。
図13を参照して説明したように、本発明による水栓制御装置200が使われない時、第1温度センサ220a及び第3温度センサ220cの値について予め設定された基準温度に基づいてヒータ255のオンオプを制御することができる。これとは異なって、温水直水管240を通じて供給される残存温水と加熱水槽250から供給される加熱された温水とが混合された混合温水の最低供給温度、加熱水槽250内の加熱された温水の最高温度、及び温水管1を通じて供給される温水の温水直水管240と加熱水槽250とへの分配の割合に基づいてヒータ255の駆動如何を制御することができる。
【0200】
図14は、このような方法によって制御器270で行われるヒータ255の駆動方法を示す図面である。
【0201】
図14を参照すれば、制御器270は、第1水量センサ210a及び第2水量センサ210bから入力される流量値に基づいて水栓3の使用如何を把握する(S1400)。この時、制御器270は、第1水量センサ210aと第2水量センサ210bのうち少なくとも一つから入力された測定値が0より大きいか、または一定の流量以上であれば、水栓3が使用中であると判断する。次いで、水栓3が使用中ではないと判断されれば(S1405)、制御器270は、次の数式(14)によって加熱水槽250内の温水の目標加熱温度を算出する(S1410)。
【0202】
【数14】
ここで、T
3,targetは、加熱水槽250内の温水の目標加熱温度、T
4,targetは、混合温水の目標供給温度、T
1は、温水管1内の残存温水の温度、そしてkは、温水管1から温水直水管240と加熱水槽250とに分配される残存温水の分配の割合である。一例として、数式(15)で、kは0.6(すなわち、温水直水管240と加熱水槽250とへの分配の割合は6:4)に設定され、T
4,targetは45℃に設定される。
【0203】
次いで、制御器270は、加熱水槽250内の温水の目標加熱温度(T3,target)と、第3温度センサ220cによって測定された加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)とを比べる(S1415)。もし、加熱水槽250内の温水の目標加熱温度(T3,target)が加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)より低ければ、制御器270は、ヒータ255をターンオンする(S1420)。これとは異なって、加熱水槽250内の温水の目標加熱温度(T3,target)が加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)より高いかまたは同一であれば、ヒータ255をターンオフする(S1430)。ヒータ255を駆動した後で、制御器270は、第3温度センサ220cによって測定された加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)と加熱水槽250内の温水の最大加熱温度(T3,max)とを比べる(S1425)。もし、加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)が加熱水槽250内の温水の最大加熱温度(T3,max)より高いかまたは同一であれば、ヒータ255をターンオフする(S1430)。これとは異なって、加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)が加熱水槽250内の温水の最大加熱温度(T3,max)より低ければ、S1415ステップに進む。
【0204】
以上で説明した方法によって、制御器270は、水栓3が使われない間に加熱水槽250に設けられているヒータ255の駆動如何を適当に制御することで、電力消費を最小化しながら以後の使用者による水栓3の使用時に、安定的に温水を供給することができる。
【0205】
一方、
図13及び
図14を参照して説明したように、本発明による水栓制御装置200が使われない時、ヒータ255を適当にオンオプさせて加熱水槽250内の温水の温度を調節することで、使用者が水栓3を使う時に即刻で使用者の希望する温度の排出水を提供することができる。しかし、温水管1内の残存温水の温度が過度に低くなる状況、本発明による水栓制御装置200が設けられている環境で温水管1内の残存温水の水量が加熱水槽250の容量に比べて多くなる状況などでは、温水管1内の残存温水が完全に消尽する前に、本発明による水栓制御装置200で提供できる温水の温度が使用者の希望する排出水の温度より低くなる恐れがある。この場合、制御器270は水栓3が使用中である場合にもヒータ255を駆動して加熱水槽250内の温水を加熱することで、使用者の希望する排出水の温度を保証することができる。
【0206】
例えば、加熱水槽250の容量が2l、ヒータ255の容量が1.5kW、温水管1から供給される温水の流量が100ml/s、加熱水槽250と温水直水管240との間の温水分配倍率が1:1、温水管1を通じて供給される温水の温度が20℃、使用者の希望する排出水の温度が38℃である時、加熱水槽250内の温水温度が50℃であれば、加熱水槽250から50℃の温水が50ml/sの流量で排出され、温水直水管240を通じて20℃の温水が50ml/sの流量で排出され、電子弁260に35℃の温水が100ml/sの流量で供給される。よって、電子弁260を制御して温水100%を水栓3に供給するとしても、使用者の希望する排出水の温度である38℃より低い温度の温水が供給されるという問題がある。この場合、1.5kW容量のヒータ255を駆動すれば、加熱水槽250内の温水を約6℃昇温させることができ、よって使用者の希望する38℃の温水を供給することができる。
【0207】
以上で説明したような、本発明による水栓制御装置200が使用中である状況でヒータ255を駆動するかどうかは、温水管1内の残存温水の容量(すなわち、地域暖房公社によって温水が供給される場合には、中央配管から各宅内に分岐される地点、個別暖房の場合には、宅内に設けられているボイラーの温水出水地点から供給温度の温水が供給されるまで温水管1内に残っている冷却した温水の容量)、残存温水の温度、加熱水槽250の容量、ヒータ255の容量、温水管1から供給される温水の流量、加熱水槽250と温水直水管240との間の温水分配倍率、使用者の希望する排出水の温度が38℃である時の加熱水槽250内の温水及び水量などによって定められる。もし本発明による水栓制御装置200が使用中である状況でヒータ255を駆動させても、使用者の希望する排出水の温度を保証することができないと判断されれば、制御器270は、ヒータ255を駆動させると同時に残存温水の温度及び水量、加熱水槽250の容量と加熱水槽250内の温水温度、加熱水槽250と温水直水管240との間の温水分配倍率、ヒータ255の容量などに基づいて、排出水の温度及び水量を使用者の希望する排出水の温度及び水量より低く設定して水栓3に供給する。
【0208】
電子弁260は、水栓3が使われない時には加熱水槽250内の加熱された温水の熱が水栓3の方に伝達されることを防止するために、温水管の方を閉鎖する位置に制御される。そして、制御器270は、水栓3が使われる時点に電子弁260を制御して、加熱水槽250から出水される加熱された温水と温水直水管240を通じて供給される温水とが混合された混合温水と、冷水管2から供給された冷水との混合比を調節して水栓3に提供する。例えば、使用者の希望する排出水の温度及び水量がそれぞれ40℃及び80ml/s、混合温水の温度及び水量がそれぞれ47℃及び100ml/s、冷水の供給温度及び水量がそれぞれ20℃及び120ml/sであれば、制御器270は、次の数式(15)によって電子弁260の回転量を調節して混合温水及び冷水の混合比を調節する。
【0209】
【数15】
ここで、Kは、電子弁260の回転量(K=0.5であれば、混合温水及び冷水が半分ずつ混合され、0≦K<0.5であれば、混合温水が冷水に対して0から半分まで混合され、0.5<k≦1であれば、冷水が混合温水に対して0から半分まで混合される)、T
Oは、排出水の希望温度、T
Hは、混合温水の温度、T
Lは、冷水の温度、Q
Hは、混合温水の供給水量、Q
Lは、冷水の供給水量である。この時、Q
H及びQ
Lは、本発明による水栓制御装置200が設けられる場所で測定された温水管1及び冷水管2を通じて供給される最大供給水量と設定される。
【0210】
前記の例によるそれぞれの値を数式(15)に代入すれば、Kは0.282になる。よって、電子弁260は、排出水の水量に対して混合温水及び冷水がそれぞれ28.2%及び71.8%含まれるように制御される。結果的に、混合温水及び冷水はそれぞれ22.56ml/s及び57.44ml/sが電子弁260を通じて水栓3に供給され、最終的に水栓3を通じて使用者の希望する40℃の温度及び80ml/sの水量で温水が出水される。
【0211】
一方、制御器270は、水栓3が使われる時点に次の数式(16)を用いて電子弁260を制御することもある。
【0212】
【数16】
ここで、M
Oは、水栓3が使われる時点での電子弁260の最初開放割合(0≦MO≦1)、T
reqは、使用者の希望排出水温度、Q
Cmaxは、冷水の最大供給水量、Q
Hmaxは、温水の最大供給水量、T
1、T
2及びT
3は、それぞれ第1ないし第3温度センサの測定値(温水温度、冷水温度、加熱水槽250内の温水温度)、kは、0ないし1の値を持つ定数である。Q
Hmax及びQ
Cmaxは、本発明による水栓制御装置200が設けられる場所で測定された温水管1及び冷水管2を通じて供給される最大供給水量と設定される。
【0213】
数式(16)で、MO=0であれば、温水と冷水との混合割合は0:1、M0=1であれば、温水と冷水との混合割合は1:0、そしてMO=0.5であれば、温水と冷水との混合比が1:1であり、この時、電子弁260を駆動するステップモータは中央に位置する。この時、制御器270は、M0>1であれば、M0=1と見なして温水供給の割合が最大(冷水遮断)になるように電子弁260を制御し、M0<0であれば、M0=0と見なして冷水供給の割合が最大(温水遮断)になるように電子弁260を制御する。また、kは、混合温水のうち温水直水管240を通じて供給された残存温水の流量比である。混合温水の流量が100ml/sである時、加熱水槽250から供給された加熱温水及び温水直水管240を通じて供給された残存温水の水量がそれぞれ40ml/s及び60ml/sであれば、kは0.6と計算される。
【0214】
以上で説明したように、制御器270は、数式(15)及び数式(16)によって水栓3が使われる時点で電子弁260の最初開放割合を定めることで、使用者の希望する温度及び流量で排出水を供給することができる。しかし、温度センサ220a、220b、220cの測定誤差、水量センサ210a及び210bの測定誤差などによって、水栓3が使われる時点で定められた電子弁260の最初開放割合によって供給された排出水の温度及び流量が、使用者の希望する温度及び流量と異なり得る。例えば、数式(15)及び数式(16)で温水及び冷水の流量は、電子弁260が動作して水栓3を通じて排出水が排出され始めた以後に測定される。よって、数式(15)で混合温水及び冷水の供給水量と、数式(16)で温水及び冷水の最大供給水量とは、水栓3が使われる時点によって変わりうる。例えば、本発明による水栓制御装置200が設けられる場所に対して、冷水管2を通じて供給される冷水の最大供給水量が120ml/sに設定された時、他の場所での冷水の使用によって、水栓3が使われる時点に冷水管2を通じて供給される冷水の供給水量は80ml/sに変わりうる。この場合、数式(15)または数式(16)によって計算された電子弁260の開放割合によって電子弁260を制御すれば、排出水の温度は使用者の希望する温度より高くなる。このような問題は、温水管1及び冷水管2と隣接する位置に圧力センサ(図示せず)を設けることで解決される。すなわち、温水管1及び冷水管2と隣接する位置に設けられている圧力センサによって測定された値に基づいて、数式(11)によって水栓3が使われる直前の温水流量及び冷水流量を把握することができ、この値を数式(16)の温水及び冷水の最大供給水量と設定すれば、排出水の温度は使用者の希望する温度になりうる。以下では、圧力センサが設けられない場合に、水栓3が使われる時点に定められた電子弁260の開放割合を補正する方法について説明する。
【0215】
図15は、水栓3が使われる時点に定められた電子弁260の開放割合を補正する方法を示すフローチャートである。
【0216】
図15を参照すれば、水栓3の使用によって数式(15)または数式(16)によって電子弁260の初期制御が完了すれば(S1500)、制御器270は、第4温度センサ220dによって測定された排出水の現在温度(T
4,cur)と、使用者が設定した排出水の希望温度(T
4,target)との差の絶対値が基準温度Trefより小さいかどうかを確認する(S1505)。もし、排出水の現在温度(T
4,cur)と排出水の希望温度(T
4,target)との差の絶対値が基準温度Trefより小さければ、制御器270は、電子弁260の開放割合に対する補正なしに終了する。これとは異なって、排出水の現在温度(T
4,cur)と排出水の希望温度(T
4,target)との差の絶対値が基準温度Trefより大きいかまたは同一であれば、制御器270は、排出水の現在温度(T
4,cur)と排出水の希望温度(T
4,target)とを比べる(S1510)。もし排出水の現在温度(T
4,cur)が排出水の希望温度(T
4,target)より低ければ、制御器270は、排出水の現在温度(T
4,cur)と排出水の希望温度(T
4,target)との差の絶対値に一定の補正定数(α)を掛けた値を、数式(15)によって得られたKまたは数式(16)によって得られたMOに加えた値を、新たな電子弁260の開放割合と定めて、電子弁260を制御する(S1520)。これとは異なって、排出水の現在温度(T
4,cur)が排出水の希望温度(T
4,target)より高いかまたは同一であれば、制御器270は、排出水の現在温度(T
4,cur)と排出水の希望温度(T
4,target)との差の絶対値に一定の補正定数(α)を掛けた値を、数式(15)によって得られたKまたは数式(16)によって得られたMOから減算した値を、新たな電子弁260の開放割合と定めて、電子弁260を制御する(S1525)。次いで、制御器270は、排出水の現在温度(T
4,cur)と排出水の希望温度(T
4,target)との差の絶対値が基準温度Trefより小さくなるまで、S1505ステップないしS1520ステップを繰り返して行う。
【0217】
図15を参照して説明した水栓3が使われる時点に定められた電子弁260の開放割合を補正する方法は、水栓3が使われる時点から既定の第1時間(例えば、1秒)内に行われて、排出水の現在温度(T
4,cur)と排出水の希望温度(T
4,target)との差の絶対値を基準温度(T
ref)より小さくすることが望ましい。また、補正定数(α)は実験的に定められ(例えば、
【0218】
【数17】
本発明による水栓制御装置200が設けられた環境によって変わり得る。
【0219】
以上で説明したように、水栓3が使われる時点に電子弁260に対する1次制御が完了すれば、制御器270は、温水管1から供給される温水の温度または流量の変化、冷水管2から供給される冷水の温度または流量の変化などによる2次制御を行う。2次制御が行われる場合は、i)他の水使用先での温水または冷水の使用によって温水管1から供給される温水または冷水管2から供給される冷水の流量が変わる場合、ii)温水管1内の残存温水の使用によって電子弁260に供給される混合温水の温度が持続的に下降する場合、iii)温水管1内の残存温水が全部使われるにつれて、温水管1から最大供給温度の温水が供給されて、電子弁260に供給される混合温水の温度が持続的に上昇する場合などがある。このうち、混合温水の温度が上昇または下降する場合には、
図15を参照して説明した電子弁260の開放割合を補正する方法によって、排出水の温度を使用者が設定した希望温度に近接するように制御することができる。よって、以下では、他の水使用先での温水または冷水の使用によって温水管1から供給される温水または冷水管2から供給される冷水の流量が変わる場合に、電子弁260の開放割合を補正する方法について説明する。
【0220】
図16は、温水管1から供給される温水または冷水管2から供給される冷水の流量が変わる場合に電子弁260の開放割合を補正する方法を示すフローチャートである。
【0221】
図16を参照すれば、水栓3を使用することで数式(15)または数式(16)によって電子弁260の初期制御が完了するか、または
図15を参照して説明した電子弁260の開放割合を補正する方法によって排出水の温度を、使用者が設定した希望温度に近接するように制御すれば(S1600)、制御器270は、第1水量センサ210aによって測定された温水管1から供給される温水の現在流量QHcurと以前流量QHoldとの差値QHDと、第2水量センサ210bによって測定された冷水管2から供給される冷水の現在流量QCcurと以前流量QColdとの差値QCDとを比べる(S1610)。もし、冷水の現在流量QCcurと以前流量との差値QColdが、温水の現在流量QHcurと以前流量QHoldとの差値QColdより大きければ、制御器270は、温水の現在流量QHcurと以前流量QHoldとの差値QColdに一定の補正定数(β)を掛けた値を、数式(15)によって得られたKまたは数式(16)によって得られたMOに加えた値を、新たな電子弁260の開放割合と定めて、電子弁260を制御する(S1620)。これとは異なって、冷水の現在流量QCcurと以前流量との差値QColdが温水の現在流量QHcurと以前流量QHoldとの差値QColdより小さければ、制御器270は、温水の現在流量QHcurと以前流量QHoldとの差値QColdに一定の補正定数(β)を掛けた値を、数式(15)によって得られたKまたは数式(16)によって得られたMOに加えた値を、新たな電子弁260の開放割合と定めて、電子弁260を制御する(S1630)。これとは異なって、冷水の現在流量QCcurと以前流量との差値QColdが温水の現在流量QHcurと以前流量QHoldとの差値QColdと等しければ、制御器270は、電子弁260の開放割合をそのまま維持する。そして制御器270は、冷水の現在流量QCcurと以前流量との差値QColdと、温水の現在流量QHcurと以前流量QHoldとの差値QColdとが、既定の基準値より小さくなるまでS1610ステップないしS1630ステップを繰り返して行う。
【0222】
一方、
図9及び
図10を参照して説明した実施形態は、加熱水槽250が温水管1及び電子弁260に対して密閉されているため、加熱水槽250内の水が加熱されるにつれて体積が膨脹して、加熱水槽250、温水直水管240、温水管1と電子弁260との間の配管に過度に大きい圧力が加えられる。さらに、
図11及び
図12を参照して説明した実施形態は、加熱水槽250が密閉されているため、加熱水槽250内の水が加熱されるにつれて体積が膨脹して、加熱水槽250に過度に大きい圧力が加えられる。これは、装置の破損を引き起こすことができるため、圧力を適正レベル(例えば、温水供給水圧の1.5倍)以下に低める必要がある。このために加熱水槽250に圧力センサ(図示せず)を装着し、制御器270は、圧力センサによって測定された加熱水槽250内の圧力が第1基準圧力(例えば、5bar)以上であれば、電子弁260の開放割合を制御して(例えば、数式(15)の場合にK=0.5、数式(16)の場合にM
O=0.5)、混合温水を冷水管の方に流せる。そして、加熱水槽250内の圧力または加熱水槽250を含む閉空間内の圧力が第2基準圧力(例えば、2bar)に到逹すれば、制御器270は、電子弁260の開放割合を制御して(例えば、K=0またはM
O=0)、混合温水の冷水管2の方への排出を遮断する。このような制御器270による圧力緩和動作は、使用者の水栓3の使用と関係なく本発明による水栓制御装置200が設けられた以後に持続的に行われる。
【0223】
さらに、制御器270は、加熱水槽250に設けられている第3温度センサ220cによって測定された値に基づいて圧力緩和動作を行うこともできる。この場合、加熱水槽250に圧力センサを装着する必要がなく、制御器270は、加熱水槽250に設けられている第3温度センサ220cによって測定された加熱水槽250内の水の温度の増加量に対応する圧力増加量を算出し、圧力増加量に対応する加熱水槽250内の圧力が第1基準圧力(例えば、5bar)以上であれば、電子弁260の開放割合を制御して(例えば、数式(15)の場合にK=0.5、数式(16)の場合にMO=0.5)、混合温水を冷水管の方に流せる。そして、加熱水槽250に設けられている第3温度センサ220cによって測定された加熱水槽250内の水の温度の減少量が既定の基準減少量に到逹すれば、制御器270は、電子弁260の開放割合を制御して(例えば、K=0またはMO=0)混合温水の冷水管2の方への排出を遮断する。加熱水槽250内の温度増加量及び温度減少量に対応する圧力増加量及び圧力減少量は、実験的に測定されて制御器270に保存される。このような制御器270による圧力緩和動作は、使用者の水栓3の使用と関係なく本発明による水栓制御装置200が設けられた以後に持続的に行われる。
【0224】
図17は、本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【0225】
図17を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置200は、温度及び水量設定手段3a、複数の水量センサ210a及び210b、複数の温度センサ220aないし220d、方向制御弁230、温水直水管240、加熱水槽250、ヒータ255、電子弁260、及び制御器270を備える。
【0226】
温度及び水量設定手段3a、複数の水量センサ210a及び210b、複数の温度センサ220aないし220d、複数の方向制御弁230a及び230b、温水直水管240、加熱水槽250及びヒータ255の機能及び動作は、
図11を参照して説明した実施形態と等しい。複数の方向制御弁230a及び230bのうち、第2方向制御弁230bは省略されてもよい。また、加熱水槽250の入口側及び出口側に設けられている複数の方向制御弁230a及び230bを除去し、
図10に示されている実施形態のように、温水管1を通じて供給された温水が温水直水管240と加熱水槽250とに分岐される地点以前に一つの方向制御弁のみを設けてもよい。
図17に示されている本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置200は、温水直水管240及び加熱水槽250の出口配管が電子弁260に直接連結される。よって、電子弁260は、温水直水管240から供給される温水、加熱水槽250から供給される加熱温水、及び冷水管2から供給される冷水を直接供給されて水栓3に排出水を供給する。これによって、制御器270の制御動作も変わる。以下では、制御器270による電子弁260の制御動作について詳細に説明する。
【0227】
制御器270による電子弁260の制御動作は、基本的に第1ないし第4温度センサ220aないし220dと第1及び第2水量センサ210a及び210bの測定値に基づいて行われる。本実施形態で使われる電子弁260は、3個の入力のうち選択された2個の入力の間の混合比を調節する弁である。
図18には、本実施形態で使われる電子弁260の一例が図示されている。
【0228】
図18を参照すれば、電子弁260は、第1流入管1810、第2流入管1820、第3流入管1830、排出管1840、開閉器1850、ステップモータ1860、回転軸1870、及び防水モジュール1880で構成される。第1流入管ないし第3流入管1810、1820、1830には、それぞれ温水直水管240、加熱水槽250の排出口と連結される配管及び冷水管2が連結される。勿論、状況によって、第1流入管及び第2流入管1810及び1820にそれぞれ加熱水槽250の排出口及び温水直水管240が連結されてもよい。排出管1840には水栓3と連結される配管が連結される。開閉器1850は、その内部が空いている二つのピストンが連結されている形態に製作される。
図19には、開閉器1850の一例が図示されている。
図19を参照すれば、開閉器1850は、同じ形態の第1ピストン1852、第2ピストン1854、及び二つのピストン1852と1854とを連結して固定させる連結モジュール1856で構成される。それぞれのピストン1852及び1854の長手方向の両端には、その内部にねじ山が形成されているドーナツ状の回転軸収容部が、連結部材によってそれぞれのピストン1852及び1854の円筒状ボディに固定される。このような開閉器1850は回転軸1870と結合されて、回転軸1870が回転するにつれて電子弁の内部を往復する。ステップモータ1860は、制御器270の制御信号に対応して時計回り方向及び逆時計回り方向に回転軸1870を回転させる。制御器270によるステップモータ1860の制御方法は後述する。回転軸1870は、その外周面にねじ山が形成されており、ステップモータ1860によって駆動されて開閉器1850を電子弁260の内部で往復運動させる。防水モジュール1880は、電子弁260内の流体がステップモータ1860の方へ流出されないようにする。防水モジュール1880は、電子弁260の外部に露出された回転軸の外周面に付着される複数のOリングと、これを収容するカバーとで構成される。
【0229】
以下で、
図18に示されている電子弁260が採用された場合の制御器270の動作について説明する。
【0230】
制御器270は、第1温度センサないし第3温度センサ220aないし220cの測定値T1、T2、T3及び使用者が設定した希望温度(T4,target)を受け入れる。この時、第3温度センサ220cの測定値T3は、温水管1内の残存温水がすべて使われて、温水管1から最大供給温度(例えば、60℃)の温水が本発明による水栓制御装置200に供給される時点から、加熱水槽250内に温水管1から供給された最大供給温度(例えば、60℃)の温水が満たされるまでの時間の間のみに第1温度センサ220aの測定値T1より低くなる。第1温度センサ220aの測定値T1が第3温度センサ220cの測定値T3より大きいかまたは同一であれば、制御器270は、加熱水槽250から供給される加熱温水と冷水管2から供給される冷水とが混合されて水栓3に排出されるように電子弁260を制御する。また、第1温度センサ220aの測定値T1が第2温度センサ220bの測定値T3と同一であるか、または第1温度センサ220aの測定値T1と第2温度センサ220bの測定値T3との差の絶対値が既定の基準温度(例えば、2℃)より小さければ、制御器270は、温水直水管240から供給される温水と加熱水槽250から供給される加熱温水とが混合されて水栓3に排出されるように電子弁260を制御する。また、使用者が設定した希望温度(T4,target)が第2温度センサ220bの測定値T2より大きいかまたは同一であり、第1温度センサ220aの測定値T1より小さければ、制御器270は、冷水管2から供給される冷水と加熱水槽250から供給される加熱温水とが混合されて水栓3に排出されるように電子弁260を制御する。また、使用者が設定した希望温度(T4,target)が第1温度センサ220aの測定値T1より大きいかまたは同一であり、第3温度センサ220cの測定値T3より小さければ、制御器270は、温水直水管240から供給される温水と加熱水槽250から供給される加熱温水とが混合されて水栓3に排出されるように電子弁260を制御する。この時、電子弁260の開放割合は、数式(15)によって得られるK値または数式(16)によって得られるMO値に基づいて定められる。一例として、定められたK値またはMO値を、電子弁260を駆動するステップモータ1860の特性値、電子弁260に形成された流入管の直径、電子弁260に装着された開閉器1850の長さ、電子弁260に形成された排出管1840と空間的に連通するように選択された流入管などによって算出されたステップ数に変換すればよい。
【0231】
例えば、
図20の(a)に示されているように、制御器270によって電子弁260のステップモータ1860が時計回り方向に駆動すれば、回転軸1870が時計回り方向に回転されて、開閉器1850は、初期位置から第2流入管1820及び第3流入管1830を閉鎖して第1流入管1810を開放する地点(第1位置)に位置する。よって、温水直水管240を通じて供給された温水は、開閉器1850の左側ピストンを順次に通過して排出管1840に流れる。また、
図20の(b)に示されているように、制御器270によって電子弁260のステップモータ1860が逆時計回り方向に駆動すれば、回転軸1870が逆時計回り方向に回転し、開閉器1850は、第1流入管1810及び第3流入管1830を閉鎖して第2流入管1820を開放する地点(第2位置)に位置する。よって、加熱水槽250から供給された加熱温水は、開閉器1850の左側ピストンを通過して排出管1840に流れる。このように開閉器1850を第1位置と第2位置との間に位置させれば、温水と加熱温水との混合比を1:0から0:1まで適当に調節することができる。
【0232】
また、
図21の(a)に示されているように、電子弁260の開閉器1850が第2位置にあれば、加熱水槽250から供給された加熱温水は、開閉器1850の左側ピストンを通過して排出管1840に流れる。そして、制御器270によって電子弁260のステップモータ1860が逆時計回り方向に駆動すれば、
図21の(b)に示されているように、回転軸1870が逆時計回り方向に回転して、開閉器1850は、第1流入管1810及び第2流入管1820を閉鎖して第3流入管1830を開放する地点(第3位置)に位置する。よって、冷水管2を通じて供給された冷水は、開閉器1850の右側ピストン及び左側ピストンを順次に通過して排出管1840に流れる。このように開閉器1850を第2位置と第3位置との間に位置させれば、加熱温水と冷水との混合比を1:0から0:1まで適当に調節することができる。
【0233】
図20を参照して説明した電子弁260の駆動方法で、開閉器1850の初期位置は、冷水が流入される流入管(第3流入管1830)のみ開放させる位置(
図21で第3位置)である。これとは異なって、電子弁260の開閉器1850の初期位置は多様に設定される。
図22の(a)に示されたように、冷水管2を通じて供給された冷水が開閉器1850の左側ピストンを通じて排出管1840に流れる位置を初期位置と設定することができる。また、
図22の(b)に示されたように、温水直水管240から温水が流入される流入管(第1流入管1810)と冷水が流入される流入管(第3流入管1830)とが半分ずつ開放されて、温水直水管240から供給された温水と冷水管2を通じて供給された冷水とが開閉器1850の左側ピストンを通じて排出管1840に流れる位置を初期位置と設定してもよい。また、
図22の(c)に示されたように、開閉器1850の左側ピストンの長さを右側ピストンの長さより長く製作すれば、第1流入管ないし第3流入管1810、1820、1830をいずれも閉鎖する位置を初期位置と設定してもよい。
図22の(b)に示されているように電子弁260の開閉器1850の初期位置を設定すれば、本発明による水栓制御装置200の故障や停電の時に、温水及び冷水が半分ずつ混合された温度の水を使うことができるという利点がある。
図22の(c)に示されているように電子弁260を製作すれば、全体閉鎖機能を具現することができて、排出水の水量調節まで電子的に制御することができるという利点がある。
図22の(c)に示されている電子弁260の場合に、本発明による水栓制御装置200の故障や停電の時に電子弁260の開閉器1850を、冷水のみ供給される位置または冷水と温水とが半分ずつ供給される位置に移動させることが望ましい。このために、本発明による水栓制御装置200には補助バッテリーを搭載して、使用者が緊急使用ボタンを押せば、補助バッテリーの電源が電子弁260に供給されて電子弁260が駆動されるようにすることが望ましい。
【0234】
図20及び
図21を参照して説明した電子弁260の駆動方法で、電子弁260の開放割合であるK値またはMO値は次のように定められる。
図20及び
図21を参照すれば、電子弁260の開閉器1850は、
図20の(a)に示されているように温水のみ供給される位置(第1位置)と、
図21の(b)に示されているように冷水のみ供給される位置(第3位置)との間を往復する。この時、電子弁260の開閉器1850の初期位置は、
図21の(b)に示されているように冷水のみ供給される位置(第3位置)と設定され得る。この時、第1流入管ないし第3流入管1810、1820、1830の内径が5mm、第2流入管1820と第3流入管1830との間が7mm、そして開閉器1850の長さが28mm(左側及び右側ピストンの長さは12mm)であれば、第1位置と第3位置との間の距離は12mmになる。よって、ステップモータ1860が1回転する時に開閉器1850が3mm移動すれば、開閉器1850を第1位置から第3位置まで移動させるためには、ステップモータ1860を逆時計回り方向に4回転駆動すればよい。この時、ステップモータ1860は、分周率によって1回転当たりステップ数が変わり、1回転当たりステップ数が800ステップである時、開閉器1850を第1位置から第3位置まで移動させるためには総3200ステップがかかる。この場合、温水直水管240を通じて供給される温水と、加熱水槽250を通じて供給される加熱温水とを混合することができる位置である、第1位置と第2位置との間の距離は6mmである。よって、開閉器1850を第1位置から第2位置まで移動させるためにはステップモータ1860を逆時計回り方向に2回戦駆動すればよく、この時に必要なステップ数は1600ステップになる。よって、
図20に示されたように、温水直水管240から供給される温水と加熱水槽250から供給される加熱温水とを混合して排出管1840に提供しようとする場合に、次の数式(17)によって得られたステップ数ほどステップモータ1860を駆動する。
【0235】
【数18】
ここで、Sは、開閉器1850を新たな位置に移動させるために必要なステップ数(Sが負数であれば、ステップモータ1860が逆時計回り方向に回転し、正数であれば、ステップモータ1860が時計回り方向に回転)、S
Pは、開閉器1850の直前位置でのステップ数、S
Tは、開閉器1850が選択された二つの流入管の間の距離を移動するために必要なステップ数、そして、M
Rは、K値またはMO値である。
【0236】
数式(17)でS=0は、温水直水管240を通じて供給された温水のみ排出管1840に流れる位置である第1位置を意味する。もし、開閉器1850が
図21の(b)に示されている第3位置にある時、温水直水管240を通じて供給される温水と加熱水槽250を通じて供給される加熱温水とを1:1の体積比で混合して排出しようとすれば、数式(17)によってSは2400になる。よって、制御器270は、電子弁260のステップモータ1860を時計回り方向に2400ステップほど回転させて開閉器1850を800ステップの位置に移動させる。
【0237】
また、
図21に示されたように、冷水管2から供給される冷水と加熱水槽250から供給される加熱温水とを混合して排出管1840に提供しようとする場合に、開閉器1850を第2位置から第3位置まで移動させるために必要なステップ数である1600ステップを定められたK値またはMO値に掛けた後、1600ステップを加えて得られたステップ数ほどステップモータ1860を駆動する。
【0238】
【数19】
ここで、Sは、開閉器1850を新たな位置に移動させるために必要なステップ数(Sが負数であれば、ステップモータ1860が逆時計回り方向に回転し、正数であれば、ステップモータ1860が時計回り方向に回転)、S
Pは、開閉器1850の直前位置でのステップ数、S
Tは、開閉器1850が選択された二つの流入管の間の距離を移動するために必要なステップ数、そして、M
Rは、K値またはMO値である。
【0239】
開閉器1850が温水直水管240を通じて供給される温水と加熱水槽250を通じて供給される加熱温水とを1:1の体積比で混合して排出することができる位置(800ステップの位置)にある時、加熱水槽250を通じて供給される加熱温水と冷水管2を通じて供給される冷水とを1:1の体積比で混合して排出しようとすれば、数式(18)によってSは-1600になる。よって、制御器270は、電子弁260のステップモータ1860を逆時計回り方向に1600ステップほど回転させて開閉器1850を2400ステップの位置に移動させる。
【0240】
一方、数式(15)によって得られるK値または数式(16)によって得られるMO値を使わずに、
図18に示されている電子弁260に連結された3個の流入管のうち選択された2個の流入管の開放割合を定めてもよい。以下では、開閉器1850の初期位置が、
図23の(a)に示されているように、冷水管2を通じて供給された冷水のみ開閉器1850の左側ピストンを通じて排出管1840に流れる位置と設定された場合を挙げて説明する。この時、開閉器1850が電子弁260内で
図23の(a)に示されたような初期位置から、温水直水管240を通じて供給された温水のみ開閉器1850の左側ピストンを通じて排出管1840に流れる位置を過ぎて
図23の(b)に示されたような位置に到逹すれば、加熱水槽250を通じて供給された加熱温水のみ開閉器1850の左側ピストンを通じて排出管1840に流れる。もし、開閉器1850を
図23の(a)に示されたような位置から
図23の(b)に示されたような位置まで移動させるために必要なステップモータ1860の回転数をaとすれば、ステップモータ1860について設定された分周値によって必要なステップ数(S
need)は、次のように定められる。
【0241】
【数20】
ここで、aは、ステップモータの回転数、bは、分周値、そしてcは、分周値が1である時にステップモータを1回転させるために必要なステップ数である。
【0242】
よって、開閉器1850が電子弁260内で移動可能な区間の総長さが
図24に示されているように18mmであり、
図23の(a)に示されたような位置から
図23の(b)に示されたような位置までの長さが14mmであるとする時、ステップモータ1860が1回転する時に開閉器1850が4mm移動すれば、必要なステップモータ1860の回転数は3.5回になる。よって、分周値が1である時にステップモータを1回転させるために必要なステップ数が200である時、16分周を使えば、
図23の(a)に示されたような位置から
図23の(b)に示されたような位置まで開閉器1850を移動させるために必要なステップ数(S
need)は11200になる。そして、
図24の(a)に示されたような位置から
図24の(b)に示されたような位置まで開閉器1850を移動させるために必要なステップ数(S
need)は14400になる。
【0243】
図23の(a)に示されたような位置(すなわち、初期位置)に対するステップ値を0と設定すれば、使用者が設定した希望温度(T
4,target)、第1温度センサ220aの測定値T1、第2温度センサ220bの測定値T2、第3温度センサ220cの測定値T3によるステップモータ1860のステップ値は次のように定められる。
【0244】
もし、希望温度(T4,target)が第1温度センサ220aの測定値T1より小さければ、制御器270は、次の数式(20)によって電子弁260を駆動するステップモータ1860のステップ値を算出する。
【0245】
【数21】
ここで、M
0は、ステップモータ1860のステップ値、ColdMaxFluxは、冷水の最大供給流量、HotMaxFluxは、温水の最大供給流量、Raは、
図24の(a)に示されたような位置から
図24の(b)に示されたような位置まで開閉器1850を移動させるために必要なステップ数(S
need)の半分に当たる値である。
【0246】
よって、冷水の最大供給量が120ml/s、温水の最大供給量が100ml/s、希望温度が30℃、第1温度センサ220aの測定値T1が35℃、第2温度センサ220bの測定値T2が20℃、第3温度センサ220cの測定値T3が60℃であれば、制御器270は、数式(20)によって算出された3953を、電子弁260を駆動するステップモータ1860のステップ値と定める。
【0247】
これとは異なって、希望温度(T4,target)が第1温度センサ220aの測定値T1より大きいかまたは同一であれば、制御器270は、次の数式によって電子弁260を駆動するステップモータ1860のステップ数を算出する。
【0248】
【数22】
ここでM
0は、ステップモータ1860のステップ値である。
【0249】
よって、冷水の最大供給量が120ml/s、温水の最大供給量が100ml/s、希望温度が40℃、第1温度センサ220aの測定値T1が35℃、第2温度センサ220bの測定値T2が20℃、第3温度センサ220cの測定値T3が60℃であれば、制御器270は、数式(21)によって算出された6720を、電子弁260を駆動するステップモータ1860のステップ値と定める。
【0250】
一方、
図18に示されている電子弁260を採用する場合に、加熱水槽250内に設けられているヒータ255の制御は、
図26に示されているように行われることが望ましい。
【0251】
図26を参照すれば、制御器270は、第1水量センサ210a及び第2水量センサ210bから入力される流量値に基づいて水栓3の使用如何を把握する(S2600)。次いで、水栓3が使用中ではないと判断されれば(S2605)、制御器270は、次の数式によって加熱水槽250内の温水の目標加熱温度を算出する(S2610)。
【0252】
【数23】
ここで、T
3,targetは、加熱水槽250内の温水の目標加熱温度、T
4,targetは、混合温水の目標供給温度、T
1は、温水管1内の残存温水の温度、そしてkは、温水管1内の最大残存温水量である。
【0253】
数式(22)でk値は、温水管の長さ及び内径によって変わる。このようなk値は、水栓の使用直後から最大供給温度の温水が到逹する時間に基づいて算出されて、それ自体に備えられているメモリに保存される。すなわち、k値は、水栓の使用開始時点から最大供給温度の温水が到逹するまでかかる時間に、第1水量センサ210aによって測定された温水の水量を掛けて算出される。この時、ヒータ255の頻繁なオン/オフを防止するために、混合温水の目標供給温度に対して一定量の余裕分を設定することが望ましい。例えば、数式(22)によって得られた混合温水の目標供給温度が、設定されている混合温水の目標供給温度と3℃以上の差がある時にヒータ255を駆動するように設定することができる。
【0254】
次いで、制御器270は、加熱水槽250内の温水の目標加熱温度(T3,target)と、第3温度センサ220cによって測定された加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)とを比べる(S2615)。もし、加熱水槽250内の温水の目標加熱温度(T3,target)が加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)より低ければ、制御器270は、ヒータ255をターンオンする(S2620)。これとは異なって、加熱水槽250内の温水の目標加熱温度(T3,target)が加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)より高いかまたは同一であれば、ヒータ255をターンオフする(S2630)。ヒータ255を駆動した後で、制御器270は、第3温度センサ220cによって測定された加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)と加熱水槽250内の温水の最大加熱温度(T3,max)とを比べる(S2625)。もし、加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)が加熱水槽250内の温水の最大加熱温度(T3,max)より高いかまたは同一であれば、ヒータ255をターンオフする(S2630)。これとは異なって、加熱水槽250内の温水の現在温度(T3,tur)が加熱水槽250内の温水の最大加熱温度(T3,max)より低ければ、S2615ステップに進む。
【0255】
以上で説明した方法によって、制御器270は、水栓3が使われない間に加熱水槽250に設けられているヒータ255の駆動如何を適当に制御することで、電力消費を最小化しながら以後の使用者による水栓3の使用時に安定的に温水を供給することができる。
【0256】
一方、本発明による水栓制御装置に電源が供給される時点に、制御器270は、電子弁260内の開閉器1850の位置が分からなくなる。勿論、本発明による水栓制御装置の製造時に、電子弁260内の開閉器1850は初期位置(すなわち、
図23の(a)に示されているように冷水のみ出水される位置)に位置する。この時、
図25に示されたように、電子弁260のボディ及びステップモータ1860にフォトセンサ2510が設けられ、回転軸1880にスリットの形成されている回転板2520が設けられる。回転板2520は、ステップモータ1860の回転軸と共に回転する。フォトセンサ2510は、電子弁260のボディ及びステップモータ1860ではない本発明による水栓制御装置内で、回転板2520のスリットと対向する位置に設けられる。
【0257】
本発明による水栓制御装置の製造時に、電子弁260内の開閉器1850は初期位置(すなわち、
図23の(a)に示されているように冷水のみ出水される位置)に位置するように設定され、このような状態で本発明による水栓制御装置に電源が供給されれば、フォトセンサ2510がターンオンされる。しかし、製造時の電子弁260内の開閉器1850の整列誤差、回転板2520と回転軸1880との整列誤差などによって本発明による水栓制御装置が最初に設けられて電源が供給された時点、本発明による水栓制御装置の電源が遮断された後で再び電源が供給された時点などに電子弁260内の開閉器1850の整列が必要になる。このために制御器270は、ステップモータ1860を時計回り方向に1回転範囲内でフォトセンサ2510がターンオンされるまで回転させる。もし1回転範囲内でフォトセンサ2510がターンオンされなければ、制御器270は、逆時計回り方向に1回転の範囲内でフォトセンサ2510がターンオンされるまでステップモータ1860を回転させる。そして制御器270は、フォトセンサ2510がターンオンされた時点の開閉器1850の位置を初期位置と設定し、ステップモータ1860のステップ値を0と設定する。
【0258】
これとは異なって、ステップモータ1860の時計回り方向の1回転範囲内でフォトセンサ2510がターンオンされれば、制御器270は、再び時計回り方向に1回転範囲内でフォトセンサ2510がターンオンされなくなるまで回転させる。もし二番目の回転でもフォトセンサ2510がターンオンされれば、制御器270は、再び時計回り方向に1回転範囲内でフォトセンサ2510がターンオンされなくなるまで回転させる。このような過程は、フォトセンサ2510がターンオンされなくなるまで繰り返される。
図23及び
図24に示されている電子弁の場合に、電子弁260内で開閉器1850の最大移動距離は18mmであるので、ステップモータ1860が1回転する時に開閉器1850が4mm移動すれば、ステップモータ1860の最大回転数は4.5回になる。よって、ステップモータ1860の時計回り方向の1回転範囲内での回転は、最大4回まで可能である。もし、それぞれの回転時にフォトセンサがターンオンされなければ、制御器270は、逆時計回り方向に1回転の範囲内でフォトセンサ2510がターンオンされるまでステップモータ1860を回転させる。そして制御器270は、フォトセンサ2510がターンオンされた時点の開閉器1850の位置を初期位置と設定し、ステップモータ1860のステップ値を0と設定する。このような開閉器1850の初期位置の設定の手続きは、本発明による水栓制御装置の使用が終わった時点にフォトセンサがターンオンされなければ行われる。
【0259】
図17ないし
図26を参照して説明した多様な実施形態において、温水管1から供給される温水の温度が最大供給温度(例えば、60℃)に供給される時点以後に、本発明による水栓制御装置は、加熱水槽250を通じて供給された加熱温水と冷水管2から供給される冷水とを混合して使用者の希望する温度及び水量の排出水を出水するように、
図18に示されたような3個の流入管及び1個の出水管を持つ電子弁260を制御することが望ましい。このように制御することで、使用者による水の使用が終わった時点に加熱水槽250内に最大供給温度(例えば、60℃)の温水が満たされるようになって電気消費量を低減させられるという利点がある。
【0260】
さらに、
図17ないし
図26を参照して説明した多様な実施形態において、制御器270は、第1温度センサないし前記第3温度センサ220a、220b、220cの測定値に基づいて電子弁260に備えられているモータ1860の回転方向及び回転量を制御して開閉器1850の位置を定める。この時、制御器270は、次のような方法で開閉器1850の位置を定めることが望ましい。
【0261】
i)第1温度センサ220aの測定値と第3温度センサ220cの測定値との差が既定の第1基準誤差(例えば、±1℃)以下であり、排出水の目標温度が第1温度センサ220aの測定値以上であれば、開閉器1850は第1移動範囲内でその位置が定められ、ii)第1温度センサ220aの測定値と第3温度センサ220cの測定値との差が既定の第1基準誤差以下であり、排出水の目標温度が第1温度センサ220aの測定値より低ければ、開閉器1850は第3移動範囲内でその位置が定められ、iii)第1温度センサ220aの測定値と第3温度センサ220cの測定値との差が既定の第1基準誤差より大きくて、第3温度センサ220cの測定値が第1温度センサ220aの測定値より高ければ、排出水の目標温度が第1温度センサ220aの測定値以上である場合に、開閉器1850は第1移動範囲内でその位置が定められ、排出水の目標温度が第1温度センサ220aの測定値より低い場合に、開閉器1850は第2移動範囲内でその位置が定められるが、排出水の目標温度が前記第1温度センサ220aの測定値より高くなる時点から、開閉器1850は第3移動範囲内でその位置が定められ、iv)第1温度センサ220aの測定値と第3温度センサ220cの測定値との差が既定の第1基準誤差より大きくて、第3温度センサ220cの測定値が第1温度センサ220aの測定値より低ければ、開閉器1850は第3移動範囲内でその位置が定められる。
【0262】
この時、開閉器1850の第1移動範囲は、加熱水槽250から供給される加熱温水を受け入れて電子弁260に提供する第1流入管1810と、温水直水管240から供給される温水を受け入れて電子弁260に提供する第2流入管1820との開放割合が1:0ないし0:1の間で定められる移動範囲であり、第2移動範囲は、第2流入管1820と、冷水管2から供給される冷水を受け入れて電子弁260に提供する第3流入管1830との開放割合が1:0ないし0:1の間で定められる移動範囲であり、第3移動範囲は、第1流入管1810と第3流入管1830との開放割合が1:0ないし0:1の間で定められる移動範囲である。
【0263】
これとは異なって、
図17ないし
図26を参照して説明した多様な実施形態において、制御器270は、第1温度センサ220aの測定値と排出水の目標温度とを比べて電子弁260に備えられているモータ1860の回転方向及び回転量を制御して開閉器1850の位置を定めてもよい。この時、第1温度センサ220aの測定値が排出水の目標温度以上であれば、制御器270は、第3移動範囲内で開閉器1850の位置を定める。また、第1温度センサ220aの測定値が排出水の目標温度より低ければ、制御器270は第1移動範囲内で開閉器1850の位置を定める。
【0264】
本発明による水栓制御装置の多様な実施形態において、水栓に最大供給温度(例えば、60℃)の温水が到逹するまで排出水の温度が既定の最低供給温度(例えば、40℃)を維持するように、加熱水槽250の容量及び加熱水槽250内の温水の加熱温度が設定される。よって、水栓が動作する間に加熱水槽250から電子弁260に供給される加熱温水は、最大供給温度の温水が加熱水槽250に入力される時点に少なくとも既定の最低供給温度より高い温度に維持される。最大供給温度の温水が加熱水槽250に供給される時点に、温水直水管240にも最大供給温度の温水が供給される。たとえ加熱水槽250内の温水の温度が温水直水管240内の温水の温度より低いとしても、最大供給温度の温水が加熱水槽250に供給されるにつれて、加熱水槽内の温水の温度は益々上昇して温水の最大供給温度に到逹する。よって、第1温度センサ220aの測定値と排出水の目標温度との比較結果のみを用いて電子弁260の開閉器1850の位置を定めることができる。
【0265】
この時、排出水の温度が既定の最低供給温度(例えば、40℃)を維持するように、制御器270は、温水供給地点と水栓とを連結する温水管1内に存在する残存温水の水量、加熱水槽250の容量及び第1温度センサ220aの測定値に基づいて、排出水に対して設定された最低供給温度を水栓に供給するための加熱水槽250内の温水の加熱温度を算出し、算出された加熱温度及び第3温度センサ220cの測定値に基づいて加熱水槽250に備えられているヒータの駆動如何を定める。以下では、残存温水の水量が4l、残存温水の温度が22℃、加熱水槽250の容量が2l、排出水に対して設定された最低供給温度が40℃、残存温水の供給水量が100ml/sである場合を挙げて制御器270によるヒータ駆動方法を説明する。
【0266】
先ず、
図17に示されている実施形態では、加熱水槽250から供給される加熱温水と温水直水管240から供給される温水とが混合された排出水を水栓に提供することができる。例えば、加熱水槽250と温水直水管240とに分配される残存温水の体積比は、電子弁260の開閉器1850の第1移動範囲内での位置によって定められる。例えば、電子弁260の開閉器1850が、第1流入管1810と第2流入管1820との開放割合が1:0になる地点に位置すれば、100ml/sの残存温水は全部加熱水槽250に供給される。これとは異なって、電子弁260の開閉器1850が、第1流入管1810と第2流入管1820との開放割合が1:1になる地点に位置すれば、残存温水は、加熱水槽250及び温水直水管240にそれぞれ50ml/sずつ供給される。
【0267】
一方、加熱水槽250に残存温水が供給されるにつれて、加熱水槽250内の加熱温水の温度は経時的に低くなる。この時、加熱水槽250に残存温水が供給され始めた時点から毎秒経過する度に加熱水槽250内の加熱温水の温度は次の数式によって算出される。
【0268】
【数24】
ここで、T
tは、t秒で加熱水槽250内の加熱温水の温度(℃)、T
t-1は、t-1秒で加熱水槽250内の加熱温水の温度(℃)、T
Rは、残存温水の温度(℃)、Q
Tは、加熱水槽250の容量(ml)、Q
Rは、t秒で加熱水槽250に供給される残存温水の水量(ml/s)である。
【0269】
もし加熱水槽250に供給された残存温水が加熱水槽250内の加熱温水と均一に混合すると仮定すれば、加熱水槽250内の加熱温水の温度は一定の傾きで下降する。すなわち、加熱水槽250内の加熱温水の最初温度をT0、排出水の目標温度をTT、残存温水の温度をTR、温水の供給水量をQTとすれば、加熱水槽250内の加熱温水の温度は次のように定められる。
【0270】
【数25】
数式(24)によれば、温水の供給水量、加熱水槽250内の加熱温水の最初温度及び排出水の目標温度が一定である時、加熱水槽250内の加熱温水の温度の秒当たり下降程度は残存温水の温度に依存するということが分かる。下記の表には、温水の供給水量が100ml/秒、加熱水槽250内の加熱温水の最初温度が60℃、排出水の目標温度が40℃である時、残存温水の温度による加熱水槽250内の加熱温水の温度の秒当たり下降程度が記載されている。
【0271】
【表2】
よって、加熱水槽250に供給された残存温水が加熱水槽250内の加熱温水と均一に混合される条件で、温水の供給水量が100ml/秒、加熱水槽250内の加熱温水の最初温度が60℃、排出水の目標温度が40℃、残存温水の温度が20℃であれば、加熱水槽250内の加熱温水は秒当たり1℃下降し、結果的に水栓の使用時点から20秒が経過した時点に、加熱水槽250内の加熱温水は排出水の目標温度と同じ40℃になる。しかし、本発明による水栓制御装置に適用される加熱水槽250では、その左側の下端に温水管1から供給される温水が入力され、加熱水槽250内で加熱された加熱温水はその右側の上端に出力される。よって、加熱水槽250に供給された残存温水が加熱水槽250内の加熱温水と均一に混合されず、残存温水は、加熱水槽250の左側の下端から徐々に加熱温水と混合される。結果的に、水栓が使われる時点から約10秒が経過した時点まで加熱水槽250から出力される加熱温水の温度は実質的に変わらず、水栓が使われる時点から約10秒が経過した時点以後に一定の値に下降する。次の表には、本発明による水栓制御装置に適用される加熱水槽250の容量が2l、温水管1内の残存温水の水量が4l、加熱水槽250内の加熱温水の最初温度が60℃、残存温水の温度が20℃、排出水の目標温度が40℃である時、水栓の使用時点から温水管1内の残存温水が全部排出される時点まで、残存温水の供給水量による残存温水が全部排出されるまでの所要時間及び加熱水槽250内の加熱温水の温度が記載されている。
【0272】
【表3】
一方、加熱水槽250内の加熱温水の初期値が高いほど、水栓の使用時点から温水管1内の残存温水が全部排出される時点に加熱水槽250内の加熱温水の温度が高く維持される。例えば、加熱水槽250の容量が2l、温水管1内の残存温水の水量が4l、加熱水槽250内の加熱温水の最初温度が70℃、残存温水の温度が20℃、排出水の目標温度が40℃である時、水栓の使用時点以後に温水管1内の残存温水が全部排出される時点に、加熱水槽250内の加熱温水の温度は51.0℃になる。よって、加熱水槽250の容量、温水管1内の残存温水の水量、残存温水の温度、排出水の目標温度によって加熱水槽250内の加熱温水の最初温度を適当に設定することが望ましい。すなわち、加熱水槽250内の加熱温水の最初温度を高く設定すれば、温水管1内の残存温水が全部排出されるまで排出水の目標温度を保証することができるという利点があるが、加熱水槽250内のヒータによる電力消費が増加するという問題がある。よって、制御器270は、排出水の目標温度と残存温水の温度との差値に基づいて加熱水槽250内の加熱温水の秒当たり温度減少値を算出し、加熱水槽250の容量、温水管1内の残存温水の水量、残存温水の温度、残存温水の供給水量及び排出水の目標温度に基づいてヒータを駆動して、加熱水槽250内の加熱温水の初期温度を定める。
【0273】
このために制御器270は、本発明による水栓制御装置が設けられた環境で、温水の供給地点から水栓まで連結される温水管1内の残存温水の水量及び残存温水の温度を測定して、それ自体に備えられているメモリに保存することが望ましい。この時、温水の供給地点から水栓まで連結される温水管1内の残存温水の水量は、水栓の使用が開始された時点から最大供給温度の温水が供給されるまでかかる時間及び温水の供給水量に基づいて算出される。例えば、水栓の使用が開始された時点から最大供給温度の温水が供給されるまでかかる時間が40秒であり、温水の供給水量が100ml/sであれば、温水管1内の残存温水の水量は4lになる。また、残存温水の温度は季節別に差があるため、制御器270は、1週間間隔または1ヶ月間隔で残存温水の温度を測定してメモリに保存することが望ましい。これによって、制御器270は、本発明による水栓制御装置が設けられた環境で残存温水の温度によってヒータの駆動如何を制御することで、加熱水槽250内の温水の初期加熱温度を最適に設定することができる。
【0274】
以上のように、制御器270の制御によって加熱水槽250内の加熱水槽250内の温水が初期加熱温度に到逹した後で使用者の希望する排出水の温度を設定すれば、制御器270は、使用者が設定した希望温度に対応する目標温度を算出する。この時、排出水の目標温度は使用者が設定した希望温度と等しく設定され、使用者が設定した希望温度より一定温度ほど低く(例えば、2℃低い温度)設定されてもよい。次いで、水栓に供給される温水の温度が排出水に対して設定された最低供給温度(例えば、40℃)または排出水の目標温度(例えば、40℃)に到逹する前に温水管1から最大供給温度(例えば、60℃)の温水が供給されれば、温水直水管240は、最大供給温度の温水で満たされる。これとは異なって、加熱水槽250は、温水管1から最大供給温度(例えば、60℃)の温水が供給される直前の温度(例えば、42℃)の温水で満たされる。そして温水管1から最大供給温度の温水が持続的に供給されるにつれて、一定時間が経過すれば、加熱水槽250も最大供給温度の温水で満たされる。よって、制御器270は、温水管1から最大供給温度の温水が供給される時点から電子弁260を制御して、加熱水槽250から入力される温水と冷水管2から入力される冷水とを混合して水栓に提供する。このような制御動作によって水栓の使用が終わった時点に、加熱水槽250は、最大供給温度の温水で満たされてヒータの駆動を最小化することができる。
【0275】
一方、
図18を参照して説明した電子弁260を使う代りに、
図27に示されているカートリッジが採用された電子弁を使ってもよい。
図27を参照すれば、カートリッジは、第1流入管2710、第2流入管2720、第3流入管2730、排出管2740、及び回転ノブ2750で構成される。回転ノブ2750は、
図18を参照して説明したステップモータの回転軸と結合されて、ステップモータの回転に対応して回転する。例えば、ステップモータのステップ数が0ステップから3600ステップほど時計回り方向に回転する時、回転ノブ2750が0゜から360゜に時計回り方向に回転すれば、ステップモータが3600ステップほど回転する度に、回転ノブ2750は一回りずつ回転する。
図17に示されている実施形態で、
図27に示されているカートリッジの第1流入管2710、第2流入管2720及び第3流入管2730に加熱水槽250、温水直水管240及び冷水管2がそれぞれ連結されている場合を挙げて、ステップモータの回転による電子弁の動作について説明する。もし、ステップモータのステップ数が0である時、第1流入管2710に流入された加熱温水のみ排出管2740で全量出水され、ステップモータのステップ数が1200である時、第2流入管2720に流入された残存温水のみ排出管2740に全量出水され、ステップモータのステップ数が2400である時、第3流入管2730に流入された冷水のみ排出管2740に全量出水される。よって、ステップモータのステップ数が0ないし1200の間で変われば、加熱温水と残存温水とが1:0ないし0:1の体積比で混合され、ステップモータのステップ数が1200ないし2400の間で変われば、残存温水と冷水とが1:0ないし0:1の体積比で混合され、ステップモータのステップ数が2400ないし3600の間で変われば、冷水と加熱温水とが1:0ないし0:1の体積比で混合される。このような方法によって
図27に示されているカートリッジが採用された電子弁を使って、加熱温水が入力される第1流入管2710、残存温水が入力される第2流入管2720、及び冷水が入力される第3流入管2730のうち二つの流入管を選択した後、選択された二つの流入管の開放割合を調節することで、
図18に示されている電子弁と同じ効果を得ることができる。
【0276】
一方、
図17に示されている実施形態で、温度及び水量設定手段3aは多様な形態に具現されうる。先ず、温度及び水量設定手段3aは、
図1及び
図2を参照して説明したような水栓及び回転センサ(例えば、ロータリーセンサまたはエンコーダ)で構成される。この場合、水栓ノブの水平回転量によって排出水の目標温度が定められ、水栓ノブの垂直回転量によって排出水の目標水量が定められる。次いで、温度及び水量設定手段3aは、前述したように、水栓ノブの代りに水栓ノブの垂直及び水平回転量に対応する情報を別途の入力装置を通じて使用者から入力される。さらに、水栓ノブの垂直及び水平回転量に対応する情報の代りに、使用者の希望する排出水の温度及び水量が、使用者から入力されてもよい。この時、別途の入力装置は、スマートフォン、入力装置及び出力装置を備える制御パネルなどになる。スマートフォンが入力装置として使われる場合、スマートフォンには、本発明による水栓制御装置100を制御するためのアプリが設けられることが望ましい。制御パネルの出力装置には、冷水の温度、温水の温度、冷水の水量、温水の水量、排出水の温度、排出水の水量などが使用者の選択または設定状態によって選択的に表示される。また、制御パネルの入力装置は、タッチスクリーン、音声認識装置、ボタン入力装置などの形態を持つ。この場合、本発明による水栓制御装置100は、入力装置及び出力装置とデータを送受信するための通信部を備え、ブルートゥースモジュール、ワイファイモジュールなどを含む有線または無線通信の可能な装置が、通信部として採択される。また、温度及び水量設定手段3aは、
図9を参照して説明したような水栓及び回転センサ(例えば、ロータリーセンサまたはエンコーダ)で構成される。この場合、排出水の目標温度は水栓ノブの水平回転量によって定められ、排出水の目標水量は水栓ノブの垂直回転量に連動するカートリッジによって物理的に定められる。この時、制御器270は、第1水量センサ210a及び第2水量センサ210bのうちいずれか一つまたは二つともによって測定された値に基づいて排出水の水量を把握する。これとは異なって、排出水の水量は、水栓ノブと別途に設けられている回転センサ(例えば、ロータリーセンサまたはエンコーダ)の回転量に基づいて定められてもよい。
【0277】
一方、
図17ないし
図27を参照して説明した実施形態で、排出水の水栓への排出は電子的に制御される。例えば、
図17に示されている電子弁260と水栓3との間に設けられている別途の電子弁(図示せず)によって排出水の排出量を調節して、排出水を目標水量ほど水栓に提供することができる。
図27は、
図17に示されている電子弁260と水栓3との間に設けられている別途の電子弁によって排出水の排出量を調節して、排出水を目標水量ほど水栓に提供する実施形態を示す図面である。
図27に示されている本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置2700は、
図17を参照して説明した実施形態の構成と電子弁の数及びそれによる制御動作だけ異なり、構成要素の動作は実質的に等しい。よって、以下では、電子弁の個数変化による制御動作について説明する。
【0278】
図27を参照すれば、
図17に示されている実施形態と比べる時、
図17の電子弁260に当たる第1電子弁260aと水栓3との間に第2電子弁260bが加えられる。第1電子弁260aは、
図17に示されている電子弁260と等しく動作し、第2電子弁260bは、第1電子弁260aの出力配管から排出水を受け入れて出力し、制御器270の制御信号によって第1電子弁260aの出力配管から入力された混合温水の排出量を調節して水栓3またはシャワーヘッド(図示せず)に出力する。
図27に示されている実施形態2700で、温度及び水量設定手段3aは前述したように多様な形態に具現され、加熱水槽250の出水端に設けられている第2方向制御弁230bは除去される。
【0279】
この場合、第2電子弁260bとしては、入力された水の出水量を調節するカートリッジが採用された電子弁が使われる。この時、制御器270は、排出水の目標水量に対応して第2電子弁260bに備えられているステップモータを制御してカートリッジの開閉量を調節することで、水栓またはシャワーヘッドに排出される排出水の水量を目標水量とする。これとは異なって、
図27に示されている第1電子弁260aと水栓3との間に設けられる第2電子弁260bには、
図28または
図29に示されているカートリッジが採用される。もし
図28に示されている電子弁が採用されれば、排出管2740に
図27に示されている第1電子弁260aの出水管が連結され、第1流入管2710には水栓3が連結され、第2流入管2720には移動式シャワーヘッドが連結される。この時、第3流入管2730は遮断される。よって、
図28に示されているカートリッジが採用された第2電子弁260bを使う場合に、制御器270によって第2電子弁260bに備えられているステップモータのステップ数が0であれば、排出水が水栓3に排出され、第2電子弁260bに備えられているステップモータのステップ数が1200であれば、排出水が移動式シャワーヘッドに排出され、2400であれば、排出水はどちらにも排出されない。これとは異なって、
図29に示されている電子弁が採用されれば、排出管2740に
図27に示されている第1電子弁260aの出水管が連結され、第1流入管2810には水栓3が連結され、第2流入管2820には移動式シャワーヘッドが連結され、第3流入管2830には固定式シャワーヘッドが連結されてもよい。この時、第4流入管2840は遮断される。よって、
図29に示されているカートリッジが採用された第2電子弁260bを使う場合、制御器270によって第2電子弁260bに備えられているステップモータのステップ数が0であれば、排出水が水栓3に排出され、第2電子弁260bに備えられているステップモータのステップ数が900であれば、排出水が移動式シャワーヘッドに排出され、第2電子弁260bに備えられているステップモータのステップ数が1800であれば、排出水が固定式シャワーヘッドに排出され、第2電子弁260bに備えられているステップモータのステップ数が2700であれば、排出水はどちらにも排出されない。
【0280】
図30は、本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置の構成を示す図面である。
【0281】
図30を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態による水栓制御装置2900は、
図17を参照して説明した実施形態の構成と電子弁の数及びそれによる制御動作だけ異なり、構成要素の動作は実質的に等しい。よって、以下では、電子弁の個数変化による制御動作について説明する。
【0282】
図30を参照すれば、
図17に示されている実施形態と比べる時、
図17の電子弁260が
図30に示されている実施形態2900では、第1電子弁260a、第2電子弁260b、及び第3電子弁260cに分離される。第1電子弁260aは、加熱水槽250から加熱温水を受け入れる第1入力配管及び温水直水管240から残存温水を受け入れる第2入力配管を備え、制御器270の制御信号によって加熱温水と残存温水との体積比を1:0から0:1まで混合して出力する。第2電子弁260bは、第1電子弁260aの出力配管から混合温水を受け入れて出力し、制御器270の制御信号によって、第1電子弁260aの出力配管から入力された混合温水の排出量を調節して水栓に出力する。第3電子弁260cは、冷水管2から冷水を受け入れて出力し、制御器270の制御信号によって冷水管2から入力された冷水の排出量を調節して水栓に出力する。
図30に示されている実施形態2900で、温度及び水量設定手段3aは、前述したように多様な形態に具現されてもよく、第1電子弁260aと第2電子弁260bとの間に第5温度センサが設けられてもよい。また、加熱水槽250の出水端に設けられている第2方向制御弁230bは除去されてもよい。
【0283】
図30に示されている実施形態2900で、第1温度センサ220aによって測定された残存温水の温度が20℃であり、第2温度センサ220bによって測定された冷水の温度が18℃であり、第3温度センサ220cによって測定された加熱水槽250内の加熱温水の温度が60℃であり、使用者が設定した希望温度に対応する排出水の目標温度が40℃であり、温水管1を通じて供給される温水の水量が100ml/sであり、冷水管2を通じて供給される冷水の水量が120ml/sであり、温水供給地点から水栓との間の温水管1に存在する残存温水の水量が4lであり、加熱水槽250の容量が4lであれば、制御器270の制御動作は次の通りである。この時、加熱水槽250に残存温水が供給されることによって第3温度センサ220cによって測定される加熱水槽250内の温度変化は、水栓が使われる時点から10秒間秒当たり0.1℃ずつ下降し、以後に10秒間秒当たり0.8℃ずつ下降し、その以後には秒当たり0.5℃ずつ下降すると仮定する。加熱水槽250内の温度下降の程度は、加熱水槽250の内部の形態、温水管1から供給される温水の入力位置、加熱水槽250から温水が出力される温水の出力位置、第3温度センサ220cの設置位置などによって変わり、加熱水槽250に残存温水が供給されることによって第3温度センサ220cによって測定される加熱水槽250内の温度変化は実験的に定められる。このような条件で、水栓の使用時点から40秒が経過した時点に、温水供給地点から水栓との間の温水管1に存在する残存温水が完全に消尽し、この時点から最大供給温度(例えば、50℃)の温水が温水管1を通じて水栓に供給される。この時、加熱水槽250に設けられている第3温度センサ220cによって測定される加熱水槽250内の加熱温水の温度は約41℃になる。
【0284】
先ず、第1温度センサ220aによって測定された温水管1から供給される温水の温度が最大供給温度(例えば、50℃)になるまで、制御器270は、第1電子弁260aから出力される混合温水の温度が排出水の目標温度である40℃になるように第1電子弁260aの開放割合を制御する。そして、第1温度センサ220aによって測定された温水管1から供給される温水の温度が最大供給温度(例えば、50℃)になるまで、制御器270は、第1電子弁260aから入力される混合温水が全部水栓3に排出され、冷水は排出されないように第3電子弁260cを閉鎖するように制御する。また制御器270は、第2電子弁260bを制御して第2電子弁260bから水栓に供給される混合温水の水量が排出水の目標水量になるように制御する。
【0285】
次いで、第1温度センサ220aによって測定された温水管1から供給される温水の温度が最大供給温度(例えば、50℃)に到逹すれば、制御器270は、加熱水槽250から入力される温水が全部出力されるように第1電子弁260aを制御する。このような制御動作によって、加熱水槽250は水栓の使用が終わる時点に最大供給温度(例えば、50℃)の温水で満たされて、加熱水槽250内に設けられているヒータ255の駆動を最小化することができる。また、制御器270は、排出水の目標温度及び目標水量に対応して第2電子弁260b及び第3電子弁260cを制御する。以下では、第2電子弁260bに44℃の加熱温水が100ml/sの水量で入力され、第3電子弁260cに18℃の冷水が120ml/sの水量で入力される場合を挙げて説明する。もし、排出水の目標温度及び目標水量がそれぞれ40℃及び60ml/sであれば、第2電子弁260bから水栓3に50.8ml/sの混合温水が供給され、第3電子弁260cから水栓3に9.2ml/sの冷水が供給される。これとは異なって、排出水の目標温度及び目標水量がそれぞれ40℃及び100ml/sであれば、第2電子弁260bから水栓3に84.6ml/sの混合温水が供給され、第3電子弁260cから水栓3に15.4ml/sの冷水が供給される。一方、第2電子弁260bから水栓3に混合温水の最大供給量である100ml/sの混合温水を供給する時、排出水の目標温度である40℃を水栓3に供給するためには、第3電子弁260cから水栓3に18.ml/sの冷水を供給すればよい。よって、該条件で水栓3に供給される排出水の最大供給量は118.2ml/sになる。
【0286】
以上で説明したように、
図30を参照して説明した実施形態の場合に、
図27を参照して説明した実施形態よりは、水栓3を通じて排出される排出水の供給量を増加させることができるという利点がある。一方、
図30を参照して説明した実施形態で、第2電子弁260bから供給される混合温水と第3電子弁260cから供給される冷水とが混合される地点と水栓3との間に排出水を水栓3、シャワーヘッド(図示せず)、及び浴槽(図示せず)に分岐させるダイバータ設けることができる。この時、初期位置が浴槽と設定されたダイバータを使えば、リモートコントロールによって使用者の希望する時間に浴槽に温水を満たす機能を具現することができる。勿論、第2電子弁260bから供給される混合温水と第3電子弁260cから供給される冷水とが混合される地点と水栓3との間に、
図28に示されているカートリッジが採用された電子弁を設けてもよい。この場合、制御器270によって該電子弁に備えられているステップモータのステップ数が0であれば、排出水が水栓に排出され、該電子弁に備えられているステップモータのステップ数が900であれば、排出水が移動式シャワーヘッドに排出され、該電子弁に備えられているステップモータのステップ数が1800であれば、排出水が固定式シャワーヘッドに排出され、該電子弁に備えられているステップモータのステップ数が2700であれば、排出水がどちらにも排出されない。
【0287】
一方、
図1ないし
図16を参照して説明した多様な実施形態に適用された構成要素及び実施形態の駆動方法は、
図17ないし
図30を参照して説明した実施形態にも適用される。一例として、
図1を参照して説明した実施形態で季節別または使用者別に排出水の目標温度を異なって設定する構成が、
図17ないし
図30を参照して説明した実施形態にも適用される。
【0288】
以上、実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できるということを理解できるであろう。