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  • 特許-行先登録装置及び行先登録方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】行先登録装置及び行先登録方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/50 20060101AFI20231201BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20231201BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
B66B1/50 Z
B66B3/00 L
B66B1/14 L
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022551066
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2020036427
(87)【国際公開番号】W WO2022064658
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 高広
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】涌田 理人
(72)【発明者】
【氏名】高星 知和
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-142686(JP,A)
【文献】特開2013-124166(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105923479(CN,A)
【文献】特開2011-162307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗客による操作を受け付けて行先階を登録する行先登録装置であって、
前記エレベータの乗カゴの混雑度を判定する判定部と、
前記行先階を指定する操作を非接触で検知する操作検知部と、
前記非接触での検知について、距離に関する閾値を前記混雑度に応じて変更する閾値変更部と、
前記距離に関する閾値を満たす検知結果が得られた場合に、前記行先階を登録する登録部と
を備えたことを特徴とする行先登録装置。
【請求項2】
前記閾値変更部は、前記混雑度が所定の閾値以上である場合の前記距離に関する閾値を、前記混雑度が前記所定の閾値未満である場合の前記距離に関する閾値よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の行先登録装置。
【請求項3】
前記閾値変更部は、前記混雑度に応じて、前記非接触での検知についての時間に関する閾値をさらに変更することを特徴とする請求項2に記載の行先登録装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記乗カゴに設けられた荷重センサの出力に基づいて前記混雑度を判定することを特徴とする請求項3に記載の行先登録装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記乗カゴ内を撮像して得られた画像に基づいて前記混雑度を判定することを特徴とする請求項3に記載の行先登録装置。
【請求項6】
前記操作検知部は、前記行先階の候補となる階床ごとに対応づけて設けられ、
前記登録部は、いずれかの操作検知部が前記距離に関する閾値よりも近くに所在する物体を検知した場合に、当該操作検知部に対応づけられた階床を前記行先階として登録する
ことを特徴とする請求項3に記載の行先登録装置。
【請求項7】
前記登録部は、前記行先階の登録後も所定時間以上にわたって前記操作検知部が前記距離に関する閾値よりも近くに所在する物体を検知した状態を継続したときに、前記行先階の登録を解除することを特徴とする請求項6に記載の行先登録装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記階床ごとに対応づけて設けられた複数の前記操作検知部による検知結果に基づいて、前記混雑度を判定することを特徴とする請求項6に記載の行先登録装置。
【請求項9】
エレベータの乗客による操作を受け付けて行先階を登録する行先登録方法であって、
前記エレベータの乗カゴの混雑度を判定する判定ステップと、
前記行先階を指定する操作を非接触で検知する操作検知ステップと、
前記非接触での検知について、距離に関する閾値を前記混雑度に応じて変更する閾値変更ステップと、
前記距離に関する閾値を満たす検知結果が得られた場合に、前記行先階を登録する登録ステップと
を含むことを特徴とする行先登録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行先登録装置及び行先登録方法の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗客による非接触操作を受け付けて、行先階を登録するため、特開2015-151253号公報(特許文献1)に記載の技術がある。この公報には、「この発明に係るエレベータの操作盤装置においては、エレベータの乗場又は乗りかご内に設置される操作盤に設けられた操作ボタンと、1つの前記操作ボタンにつき2以上の所定の個数ずつが対応して設けられ、それぞれが直線状の検出軸上の物体の有無を非接触で検出するセンサと、1つの前記操作ボタンに対応する前記所定の個数の前記センサが同時に前記検出軸上に物体を検出した場合に、当該操作ボタンについて操作検出状態にあると判定する判定部と、を備え、1つの前記操作ボタンに対応する前記所定の個数の前記センサの前記検出軸同士は、正面視において当該操作ボタンの操作面部の内側となる空間上の1点において互いに交差して配置される構成とする。」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-151253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、検出軸が交差する一点で操作の検出を行う構成を採用し、操作盤から操作の検出が成立する点までの距離は固定である。この場合の距離は、誤操作を防止するために操作盤の近傍に設定され、操作盤への接触も許容される。しかし、近年、感染症対策の観点から、接触によるリスクを低減すべく、操作盤面から十分に離れた位置で行先登録操作を成立させることが求められ、その際にも誤操作を抑制する必要がある。
【0005】
そこで、本発明では、誤操作を防止しつつ離隔した行先登録操作が可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、代表的な本発明の行先登録装置及び行先登録方法の一つは、エレベータの乗客による操作を受け付けて行先階を登録する行先登録装置が、前記エレベータの乗カゴの混雑度を判定し、前記行先階を指定する操作を非接触で検知し、前記非接触での検知について、距離に関する閾値を前記混雑度に応じて変更し、前記距離に関する閾値を満たす検知結果が得られた場合に、前記行先階を登録するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、誤操作を防止しつつ離隔した行先登録操作が可能である。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例における行先登録についての説明図。
図2】一実施例におけるエレベータ管理システムの構成図。
図3】一実施例における行先登録装置40の構成図。
図4】一実施例における行先登録装置40の操作盤面の具体例。
図5】一実施例における行先登録装置40の処理手順を示すフローチャート。
図6】一実施例における操作検知部の出力を混雑度の判定に用いる場合の構成例。
図7】一実施例における変形例における操作検知の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例
【0010】
図1は、実施例における行先登録についての説明図である。図1に示したように、エレベータの乗カゴに乗った乗客は、行先登録装置40を非接触で操作して所望の行先階を指定することができる。行先登録装置40は、赤外線センサや静電容量センサを操作検知部として備えており、距離閾値と時間閾値を用いて乗客の操作を検知する。すなわち、操作検知部が、距離閾値以下の近距離に時間閾値以上の時間継続して物体を検知したときに、行先階を登録する操作であるとして行先階の登録を行う。
【0011】
ここで、行先登録装置40は、乗カゴの混雑度を判定し、距離閾値及び時間閾値を変更する。具体的には、乗カゴが空いていれば、行先登録装置40は、距離閾値を大きく、時間閾値を小さくする。この結果、乗客は、行先登録装置40から十分に離れた位置で行先登録操作を成立させることができ、接触による感染症のリスクを低減できる。
【0012】
一方、距離閾値が大きく、時間閾値が小さいと、誤操作が発生する可能性がある。特に、乗カゴが混雑していれば、乗客の体や荷物が意図せず操作検知部に接近し、行先階を登録する操作であると誤って認識される可能性が高まる。そこで、行先登録装置40は、乗カゴが混雑している場合には、距離閾値を小さく、時間閾値を大きくすることで、誤操作を防止する。
【0013】
このように、行先登録装置40は、乗カゴの混雑度に応じて操作検知に係る距離閾値及び時間閾値を変更することで、誤操作を防止しつつ離隔した行先登録操作を実現している。
【0014】
図2は、エレベータ管理システムの構成図である。図1に示すように、エレベータ管理システムは、運行管理装置10、昇降制御装置30、行先登録装置40及びサービス要求装置50を有する。
【0015】
昇降制御装置30及び行先登録装置40は、エレベータの乗カゴごとに設けられる。昇降制御装置30は、運行管理装置10からの指示を受けて乗カゴの昇降を制御する装置である。行先登録装置40は、乗カゴの中で行先登録操作を受け付ける。
【0016】
サービス要求装置50は、それぞれの階床(フロア)の乗り場ごとに設けられる。ここで、階床とは、エレベータが設置された建造物において、階層を成す床を識別するものである。エレベータの乗カゴは、階層状の床を上下方向に移動し、その際の現在地や行先階は階床により識別される。サービス要求装置50は、行先階の方向(上方向及び/又は下方向)に対応するボタンを備えている。このボタンに対する操作が、乗客からエレベータに対するサービスの要求、すなわち「呼び」である。サービス要求装置50は、ボタン操作を受け付けた場合に、サービス要求の受付を運行管理装置10に通知する。このサービス要求の受付通知には、サービス要求を受け付けた乗り場の階床と行先階の方向が含まれる。
【0017】
運行管理装置10は、サービス要求装置50からサービス要求の受付通知を受信すると、各エレベータの現在位置や行先階等を参照し、サービス要求にエレベータを割り当てる。割り当てられたエレベータは、サービス要求元の階床を行先階として登録し、乗り場で待つ乗客を乗せることになる。
【0018】
図3は、行先登録装置40の構成図である。図3に示すように、行先登録装置は、荷重センサ41、操作検知部42、行先階表示部43、混雑度判定部44、閾値変更部45及び登録部46を有する。
【0019】
荷重センサ41は、乗カゴにかかる荷重を検知するセンサである。操作検知部42は、赤外線センサや静電容量センサ等であり、乗客が行先階を指定する操作を非接触で検知するために用られる。行先階表示部43は、行先階の候補となる階床、すなわち乗カゴが停止可能な階床を表示する。
【0020】
行先階表示部43は、行先階の候補となる階床ごとに設けられ、行先階として登録された階床については点灯などを行う。また、操作検知部42も、行先階表示部43ごとに設けられるため、行先階の候補となる階床ごとに対応することになる。
【0021】
混雑度判定部44は、乗カゴの混雑度を判定する処理部である。混雑度判定部44は、荷重センサ41の出力に基づいて、混雑度を判定する。乗カゴに乗客が多いほど、荷重センサ41の出力は大きくなり、混雑度が上がる。混雑度が上がると、乗客の立つ位置や身動きが制限されるので、操作検知部42の近傍に乗客が所在する可能性が上がり、誤検知が増加すると考えられる。
【0022】
閾値変更部45は、混雑度判定部44による判定結果に基づいて、操作の検知に係る距離閾値及び時間閾値を変更する。具体的には、閾値変更部45は、混雑度が所定の閾値以上である場合の距離閾値を、混雑度が所定の閾値未満である場合の距離閾値よりも小さくする。また、閾値変更部45は、混雑度が所定の閾値以上である場合の時間閾値を、混雑度が所定の閾値未満である場合の時間閾値よりも小さくする。
【0023】
登録部46は、閾値変更部45によって設定された距離閾値及び時間閾値を操作検知部42の出力と比較することで、行先階を登録する操作であるか否かを識別する。その結果、行先階を登録する操作であるとの識別結果を得られた場合に、行先階の登録を行う。
【0024】
具体的には、登録部46は、いずれかの操作検知部42が距離閾値よりも近くに所在する物体を検知し、その状態が時間閾値以上継続した場合に、当該操作検知部に対応づけられた階床を前記行先階として登録する。
【0025】
なお、乗客が操作検知部42の近傍によりかかった場合などには、乗客の意図に反する行先階の登録が発生する可能性がある。そこで、登録部46は、行先階の登録後も所定時間以上にわたって操作検知部42が距離閾値よりも近くに所在する物体を検知した状態を継続したときに、行先階の登録を解除する。このときの所定時間を便宜上、解除閾値という。解除閾値は、閾値変更部45に設定される時間閾値よりも十分に大きくする。例えば、時間閾値を1秒以下の範囲で変更し、解除閾値を10秒程度とする。
【0026】
図4は、行先登録装置40の操作盤面の具体例である。図4では、「B1」~「5F」の階床について、それぞれ対応する行先階表示部43及び操作検知部42が設けられている。また、図4では、「4F」が行先階として登録済みであり、「4F」の行先階表示部43が点灯している。
【0027】
図5は、行先登録装置40の処理手順を示すフローチャートである。図5では、混雑度に対する閾値としてN1、N2、N3を用いており、N1<N2<N3である。また、距離閾値として、DS、DM、DLを用いており、DS<DM<DLである。また、時間閾値としてTS、TM、TLを用いており、TS<TM<TLである。行先登録装置40は、図5に示す処理手順を所定の時間閣で繰り返し実行する。
【0028】
まず、行先登録装置40の混雑度判定部44は、荷重センサ41の出力に基づいて、混雑度を判定する(ステップS101)。閾値変更部45は、混雑度がN1よりも小さければ(ステップS102;Yes)、距離閾値をDLに設定し時間閾値をTSに設定する(ステップS103)。
【0029】
混雑度がN1以上N2未満であれば(ステップS102;No、S104;Yes)、閾値変更部45は、距離閾値をDMに設定し時間閾値をTMに設定する(ステップS105)。混雑度がN2以上N3未満であれば(ステップS104;No、S106;Yes)、閾値変更部45は、距離閾値をDSに設定し時間閾値をTLに設定する(ステップS107)。なお、混雑度がN3以上であれば、そのまま処理を終了する。
【0030】
ステップS103、ステップS105又はステップS107の後、登録部46は、各操作検知部42について、操作検知部42が検知した最も近い物体までの距離である検知距離が距離閾値未満であるか否かを判定する(ステップS108)。
【0031】
検知距離が距離閾値未満であれば(ステップS108;Yes)、登録部46は、検知時間を加算する(ステップS110)。検知距離が距離閾値以上であれば(ステップS108;No)、登録部46は、それまでに加算した検知時間をクリアして(ステップS109)、処理を終了する。
【0032】
ステップS110の後、登録部46は、検知時間が時間閾値以上となったか否かを判定する(ステップS111)。検知時間が時間閾値未満であれば(ステップS111;No)、登録部46はそのまま処理を終了する。
【0033】
検知時間が時間閾値以上であれば(ステップS111;Yes)、登録部46は、検知時間が解除閾値以上となったか否かを判定する(ステップS112)。検知時間が時間閾値以上であれば(ステップS112;Yes)、登録部46は行先階を登録し(ステップS113)、処理を終了する。検知時間が時間閾値未満であれば(ステップS112;No)、登録部46は行先階の登録を解除し(ステップS114)、処理を終了する。
【0034】
(変形例)
これまでの説明では、荷重センサ41の出力を混雑度の判定に用いてきたが、混雑度は、乗カゴにおける乗客の立ち位置や身動きがどの程度制限されるかを示すものであり、荷重に限らず任意の指標を用いて判定することができる。例えば、乗カゴ内を撮像して判定してもよい。このとき乗客の数は少なくても、大きな荷物が載せられているなどの理由で乗客立ち位置や身動きが制限される状態であれば、混雑度が高いと判定する。また、複数の操作検知部42の出力を混雑度の判定に用いてもよい。
【0035】
図6は、操作検知部42の出力を混雑度の判定に用いる場合の構成例である。図6に示した構成では、操作検知部42の出力が混雑度判定部44と登録部46の双方に入力されている。混雑度判定部44は、複数の操作検知部42の出力に基づいて混雑度を判定し、この混雑度に基づいて閾値変更部45による閾値の設定が行われる。したがって、登録部46は、複数の操作検知部42の各々について、その検知出力を他の複数の操作検知部42の検知出力と比較して行先階登録操作を識別することになる。
【0036】
図7は、変形例における操作検知の説明図である。図7では、操作検知部42a、操作検知部42b、操作検知部42cが、それぞれ最も近い物体までの距離である検知距離を出力している。乗客は、操作検知部42bに対応する行先階表示部43bに対して操作を行っているため、操作検知部42bが出力する検知距離は、操作検知部42a及び操作検知部42cが出力する検知距離よりも著しく小さい。また、操作検知部42a及び操作検知部42cが出力する検知距離は、混雑している乗カゴ内では小さくなると考えられる。
【0037】
そこで、混雑度判定部44が、複数の操作検知部42(操作検知部42a、操作検知部42b、操作検知部42c等)の出力を用いて混雑度を判定し、距離閾値を設定すれば、乗客による行先階登録操作を適正に検知することができる。
【0038】
上述してきたように、本発明によれば、エレベータの乗客による操作を受け付けて行先階を登録する行先登録装置40が、前記エレベータの乗カゴの混雑度を判定する判定部としての混雑度判定部44と、前記行先階を指定する操作を非接触で検知する操作検知部42と、前記非接触での検知について、距離に関する閾値を前記混雑度に応じて変更する閾値変更部45と、前記距離に関する閾値を満たす検知結果が得られた場合に、前記行先階を登録する登録部46とを備える。かかる構成及び動作により、誤操作を防止しつつ離隔した行先登録操作が可能となる。
【0039】
また、前記閾値変更部45は、前記混雑度が所定の閾値以上である場合の前記距離に関する閾値を、前記混雑度が前記所定の閾値未満である場合の前記距離に関する閾値よりも小さくするので、混雑しているときには誤操作を防止し、空いているときには操作盤面から十分に離隔して操作を検知することができる。
【0040】
また、前記閾値変更部45は、前記混雑度に応じて、前記非接触での検知についての時間に関する閾値をさらに変更するので、より高精度に誤操作を防止することができる。
また、前記判定部は、前記乗カゴに設けられた荷重センサ41の出力に基づいて前記混雑度を判定するので、乗カゴの既存の設備を有効利用して混雑度を判定することができる。
また、前記判定部は、前記乗カゴ内を撮像して得られた画像に基づいて混雑度を判定してもよい。乗カゴ内の撮像は、例えば防犯目的で設置されたカメラにより行うことができる。
【0041】
また、前記操作検知部42は、前記行先階の候補となる階床ごとに対応づけて設けられ、前記登録部46は、いずれかの操作検知部42が前記距離に関する閾値よりも近くに所在する物体を検知した場合に、当該操作検知部に対応づけられた階床を前記行先階として登録するので、行先階に対する操作を簡易且つ確実に検知することができる。
【0042】
また、前記登録部は、前記行先階の登録後も所定時間以上にわたって前記操作検知部が前記距離に関する閾値よりも近くに所在する物体を検知した状態を継続したときに、前記行先階の登録を解除するので、よりかかりなどによる乗客の意図しない登録を取り消すことができる。
【0043】
また、前記判定部は、前記階床ごとに対応づけて設けられた複数の前記操作検知部42による検知結果に基づいて、前記混雑度を判定することで、より簡易に混雑度を判定することができる。
【0044】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、かかる構成の削除に限らず、構成の置き換えや追加も可能である。
【0045】
例えば、行先階を登録するための物理ボタンをさらに設け、混雑度が所定値以上である場合には非接触による検知を停止して物理ボタンによる行先階登録操作を行わせる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10:運行管理装置、30:昇降制御装置、40:行先登録装置、41:荷重センサ、42:操作検知部、43:行先階表示部、44:混雑度判定部、45:閾値変更部、46:登録部、50:サービス要求装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7