(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】濾過機構及び導電材料を生産するための設備
(51)【国際特許分類】
C25D 21/06 20060101AFI20231201BHJP
B01D 29/11 20060101ALI20231201BHJP
C25D 17/12 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
C25D21/06
B01D29/10 510B
B01D29/10 530A
C25D17/12 A
(21)【出願番号】P 2022559419
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2021140949
(87)【国際公開番号】W WO2022199168
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】202120611024.6
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盧毅
(72)【発明者】
【氏名】劉蕭松
(72)【発明者】
【氏名】李克強
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105780097(CN,A)
【文献】登録実用新案第3029750(JP,U)
【文献】特開2018-012862(JP,A)
【文献】中国実用新案第217709747(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 21/06
B01D 29/11
C25D 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電材料を生産するための濾過機構であって、
電気めっき材料を収容するための収容キャビティ及
び開口を含む濾過本体と、
前記電気めっき材料を前記濾過本体内にシールするように前記開口を覆うために用いられ且つ前記濾過本体に接続される蓋体と、
前記蓋体と前記濾過本体との接続強度を高めるように前記蓋体に設置される
重力部材と、
を含
み、
前記開口は、前記濾過本体の頂部に位置し、前記蓋体は、頂蓋及び側蓋を含み、前記頂蓋は、前記開口を覆うように前記濾過本体の頂部に設置され、前記側蓋は、前記頂蓋に接続され且つ前記濾過本体の一方の側に設置され、前記側蓋に前記重力部材が設置され、
前記重力部材は、その重力作用を利用して前記側蓋および前記頂蓋を重力方向に沿って引き下げ、前記頂蓋および前記側蓋の浮き上がりを防止するように構成される、濾過機構。
【請求項2】
前記側蓋内に前記
重力部材を収容するためのキャビティが設置される、請求項
1に記載の濾過機構。
【請求項3】
前記蓋体は対向する両端を有し、そのうちの一端は前記濾過本体に可動に接続され、他端に前記
重力部材が設置される、請求項
1又は
2に記載の濾過機構。
【請求項4】
前記
重力部材は前記開口の長手方向に沿って伸び、前記蓋体は前記開口の長手方向にいずれも前記
重力部材が設置される、請求項
1から
3のいずれか1項に記載の濾過機構。
【請求項5】
前記蓋体の前記
重力部材が設置される端は
面ファスナを介して前記濾過本体に接続される、請求項
3に記載の濾過機構。
【請求項6】
前記
面ファスナは
、フックテープ及
びループテープを含み、前記
重力部材は、前記
フックテープと前記
ループテープとの貼り合わせ面を支持して前記
フックテープと前記
ループテープとの接続強度を高めるように前記貼り合わせ面の外側に設置される、請求項
5に記載の濾過機構。
【請求項7】
前記濾過機構は固定コンポーネントをさらに含み、前記側蓋と前記濾過本体との間は前記固定コンポーネントを介して接続される、請求項
1から
6のいずれか1項に記載の濾過機構。
【請求項8】
前記濾過機構は導電本体をさらに含み、前記電気めっき材料は前記導電本体内に設置され、前記濾過本体及び前記蓋体は前記導電本体を覆うために用いられる、請求項1から
7のいずれか1項に記載の濾過機構。
【請求項9】
導電材料を生産するための設備であって、請求項1から
8のいずれか1項に記載の濾過機構を含む、導電材料を生産するための設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年03月25日に提出された名称が「濾過機構及び導電材料を生産するための設備」である中国特許出願第202120611024.6号の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【0002】
本出願は、電池生産技術分野に関し、特に濾過機構及び導電材料を生産するための設備に関する。
【背景技術】
【0003】
導電材料の生産過程において、電気めっき材料を導電材料の表面に電気めっきする必要があり、具体的には、可溶性金属を導電材料に電気めっきする。しかし、電解過程において、導電材料がひっかかれるという問題はしばしば現れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために、電解過程において、導電材料がしばしばひっかかれるという従来の技術における技術課題を解決するために、濾過機構及び導電材料を生産するための設備を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、発明者は、導電材料を生産するための濾過機構を提供し、前記濾過機構は、
電気めっき材料を収容するための収容キャビティ及び前記濾過本体に設置される開口を含む濾過本体と、
前記電気めっき材料を前記濾過本体内にシールするように前記開口を覆うために用いられ且つ前記濾過本体に接続される蓋体と、
前記蓋体と前記濾過本体との接続強度を高めるように前記蓋体に設置される耐力部材とを含む。
【0006】
従来の技術と区別し、本出願の技術案は、前記蓋体と前記濾過本体との接続強度を高めるように前記蓋体に耐力部材が設置される。これにより、濾過機構の蓋体の浮き上がりを効果的に防止し、蓋体が導電材料を擦ることを防止し、導電材料の生産歩留まり、生産効率を高めることができる。
【0007】
本出願の一つの実施の形態として、前記開口は前記濾過本体の頂部に位置し、前記蓋体は頂蓋及び側蓋を含み、前記頂蓋は前記開口を覆うように前記濾過本体の頂部に設置され、前記側蓋は前記頂蓋に接続され且つ前記濾過本体の一方側に設置され、前記側蓋に前記耐力部材が設置される。
【0008】
このように、頂蓋が開口を覆うことによって、側蓋は頂蓋に接続され、側蓋に耐力部材が設置され、耐力部材の重力作用によって側蓋が頂蓋を重力方向に沿って引き下げてもよく、それにより頂蓋、側蓋が上へ浮き上がって、導電材料を擦る(ひっかく)ことを防止する。
【0009】
本出願の一つの実施の形態として、前記側蓋内に前記耐力部材を収容するためのキャビティが設置される。
【0010】
この時、側蓋内に耐力部材を置くためのキャビティが設置され、耐力部材をキャビティ内に直接置いてもよく、耐力部材の取り外しを容易にする。
【0011】
本出願の一つの実施の形態として、前記蓋体は対向する両端を有し、そのうちの一端は前記濾過本体に可動に接続され、他端に前記耐力部材が設置される。
【0012】
この時、蓋体が容易に開くように、蓋体の一端は濾過本体に可動に接続され、他端に前記耐力部材が設置され、それにより蓋体全体を引き下げ、蓋体の浮き上がりを効果的に防止することができる。
【0013】
本出願の一つの実施の形態として、前記耐力部材は前記開口の長手方向に沿って伸び、前記蓋体は前記開口の長手方向にいずれも前記耐力部材が設置される。
【0014】
このように、蓋体の開口の長手方向にいずれも耐力部材が設置され、それによって蓋体の開口の長手方向でのいずれの箇所の浮き上がりを防止する。
【0015】
本出願の一つの実施の形態として、前記蓋体の前記耐力部材が設置される端はマジックテープ(登録商標)を介して前記濾過本体に接続される。
【0016】
このように、蓋体はマジックテープを介して濾過本体に固定されてもよく、耐力部材の上で、さらなる固定が追加されており、蓋体の浮き上がりをさらに防止することができる。
【0017】
本出願の一つの実施の形態として、前記マジックテープはマジックテープの子テープ及びマジックテープの親テープを含み、前記耐力部材は、前記マジックテープの子テープと前記マジックテープの親テープとの貼り合わせ面を支持して前記マジックテープの子テープと前記マジックテープの親テープとの接続強度を高めるように前記貼り合わせ面の外側に設置される。
【0018】
このように、耐力部材が前記マジックテープの子テープと前記マジックテープの親テープとの貼り合わせ面の外側に設置され、それによって貼り合わせ面を支持し、マジックテープ全体の接着効果を高め、マジックテープの密着を確保することができ、貼り付け平坦度が高く、貼り合わせ面が受けた力が均一になり、それによりマジックテープの子テープとマジックテープの親テープとの接続強度を高め、蓋体は浮き上がりが発生しにくい。
【0019】
本出願の一つの実施の形態として、前記濾過機構は固定コンポーネントをさらに含み、前記側蓋と前記濾過本体との間は前記固定コンポーネントを介して接続される。
【0020】
このように、固定コンポーネントをさらに設置することによって、蓋体と濾過本体との間の一部が離れても、二重に保証する作用を果たすことができ、固定コンポーネントは依然として、蓋体が浮き上がって、導電材料を擦ることがないように確保することができる。
【0021】
本出願の一つの実施の形態として、前記濾過機構は導電本体をさらに含み、前記電気めっき材料は前記導電本体内に設置され、前記濾過本体と前記蓋体は前記導電本体を覆うために用いられる。
【0022】
この時、導電材料に電気めっき層を形成する過程は、電気めっき材料を通電させる必要があるが、そのまま電気めっき材料に形成されて通電させると、高い通電効果を達成することができない。従って、電気めっき材料を導電本体内に設置することによって、導電本体は不溶性金属、耐電気耐腐食で、導電本体を通電させ、電解効果を効果的に高めることができる。
【0023】
上記目的を実現するために、発明者は、さらに導電材料を生産するための設備を提供し、上記提供されたいずれか1項に記載の濾過機構を含む。
【0024】
従来の技術と区別し、本出願の技術案は、導電材料を生産する過程において、濾過機構の蓋体の浮き上がりを効果的に防止し、蓋体が導電材料を擦ることを防止し、導電材料の生産歩留まり、生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、理解すべきこととして、以下の図面は本出願のいくつかの実施例だけを示し、従って範囲を限定するものではなく、当業者にとっては、創造的な労力を払わない前提で、さらにこれらの図面に基づいて他の関連する図面を入手することができる。
【0026】
【
図1】発明を実施するための形態に記載の電池を生産するための設備の構造概略図である。
【
図2】発明を実施するための形態に記載の電池を生産するための設備の別の概略図である。
【
図3】発明を実施するための形態に記載の濾過機構の構造概略図である。
【
図4】発明を実施するための形態に記載の濾過機構のオン状態の構造概略図である。
【
図6】発明を実施するための形態に記載の濾過機構の断面概略図である。
【0027】
図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
技術案の技術内容、構造特徴、実現する目的及び効果を詳細に説明するために、以下では、具体的な実施例を結びつけ且つ図面を参照しながら詳しく説明する。
【0029】
本出願の記述において、特に明確に規定、限定されていない限り、用語「第一」、「第二」は、記述のためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は示唆するものとして理解されるべきではなく、特に規定、限定されていない限り、用語「複数」は、二つ又は二つ以上を意味し、用語「接続」、「固定」などは、いずれも広い意味で理解すべきであり、例えば、「接続」は固定接続であってもよく、さらに取り外す可能な接続であってもよく、又は一体接続であってもよく、又は電気接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて上記用語の本実施例での具体的な意味を理解することができる。
【0030】
本明細書の記述において、理解すべきこととして、本出願の実施例に記述された「上」、「下」、「左」、「右」などの方位語は図面に示す視点から記述され、本出願の実施例を限定するものとして理解すべきではない。なお、コンテキストにおいて、さらに理解すべきこととして、一つの素子が別の素子の「上」又は「下」に接続されることが言及される場合、それは別の素子の「上」又は「下」に直接接続されてもよく、中間素子を介して別の素子の「上」又は「下」に間接に接続されてもよい。
【0031】
発明者は、電気めっきを実施する過程において、電気めっきした後の導電材料8の表面にすり傷がしばしば発生し、機械をオフにして検査する必要があることに気付き、最初は案内輪3によるひっかき傷と考えられ、案内輪3を改良した後、導電材料8の表面にすり傷が発生するという問題はまた現れる。発明者は、さらに研究した結果、導電材料8の表面のすり傷については、濾過機構1が電解液で洗われて、濾過機構1の図における矢印zで示す方向での浮き上がりが発生して、導電材料8のすり傷を引き起こすためであることを見出した。さらに、濾過機構1の浮き上がりが、導電材料8を擦ることにより導電材料8が使用できないという問題を防止するために、本出願は導電材料を生産する設備を提案した。
【0032】
以下では、具体的な実施例によって本出願に提案された導電材料を生産する設備を紹介する。そのうち、図における矢印xで示す方向は濾過本体11の開口112の長手方向であり、図における矢印yで示す方向は濾過本体11の開口112の幅方向であり、図における矢印zで示す方向は濾過本体11の高さ方向である。
図1及び
図2を参照しながら、本実施例は導電材料を生産するための設備に関し、それは濾過機構1、電気めっき材料2、案内輪3、アノードリード4、カソードリード5、カソード導電装置6、電源7及び導電材料8を含む。本実施例では、電気めっき材料2は可溶性金属であり、可溶性金属を電解した後、導電材料8に付着する。可溶性金属自体が不純物を含有するため、不純物が電解液内に入ると、電気めっきの品質に容易に影響する。電解過程において、可溶性金属の不純物が電解液内に流れ込むことを防止するために、本実施例では、濾過機構1を電気めっき材料2に嵌めることによって、濾過機構1は電気めっき材料2が電解する時、電気めっき材料2に対して濾過作用を果たすことができ、電気めっき材料2の電解で生成した不純物を濾過機構1内に残す。
【0033】
本実施例では、導電材料8は電気めっき設備の前後端に設置された案内輪3を介して電気めっき設備を通り、電源7の正極はアノードリード4を介して電気めっき材料2に電気接続され、電源7の負極はカソードリード5を介してカソード導電装置6に電気接続され、それにより一体回路を形成し、電源7が通電すれば、電気めっきを実現することができる。電気めっき過程において、案内輪3が回転するように駆動すれば、導電材料8の進行を制御することができる。案内輪3による導電材料8へのすり傷を防止するために、案内輪3のホイールは軟質材質、例えば、ゴム、プラスチックなどで製造され、案内輪3のホイールに、導電材料8を保護するために緩衝層を設置してもよい。
【0034】
図1に示すように、導電材料8の両面を同時に電気めっきしてもよい。また、
図2に示すように、導電材料8の片面を電気めっきしてもよく、いずれも本実施例の保護範囲に属する。
【0035】
指摘すべきこととして、本実施例では、導電材料8は電池の集電体であり、主に、リチウムイオン電池の上における、金属箔、例えば、銅箔、アルミ箔を指し、一般的にはタブを指してもよい。それにより本実施例では、この設備は主に電池の集電体を生産する電気めっき設備である。しかし、他の実施例では、この設備はさらに他の導電材料8の生産に用いられてもよく、例えば、モーター、ケーブル、電気計器などの電子技術製品の導電材料8の生産に用いられてもよく、また本実施例の保護範囲に属する。
図3から
図6に示すように、本実施例は、濾過機構1にも関する。濾過機構1は、濾過本体11、蓋体12及び耐力部材13を含む。そのうち、濾過本体11は、電気めっき材料を収容するための収容キャビティ111及び濾過本体11に設置される開口112を含む。蓋体12は、電気めっき材料2を濾過本体11内にシールを施すように開口112を覆うために用いられ、且つ濾過本体11に接続される。耐力部材13は、蓋体12と濾過本体11との接続強度を高めるように、蓋体12に設置される。耐力部材13の設置によって濾過機構1の浮き上がりを効果的に防止し、導電材料8の生産歩留まり、生産効率を高めることができる。本実施例では、濾過本体11は長方体構造であり、該当する濾過本体11の開口112は矩形構造であり、蓋体12は矩形蓋体12である。他の実施例では、濾過本体11は、円筒状構造、逆円錐形構造、他の不規則構造などであってもよく、該当する濾過本体11の開口112は、円形構造及び不規則構造であってもよく、いずれも本実施例の保護範囲に属する。
【0036】
本実施例では、濾過本体11は、電気めっき材料2を収容するための収容キャビティ111及び濾過本体11に設置される開口112を含み、蓋体12の一端は、電気めっき材料2を濾過本体11内にシールを施すように濾過本体11に接続され、蓋体12は開口112を覆い、耐力部材13は蓋体12に設置され、蓋体12に濾過本体11の開口112を覆わさせ、蓋体12の図における矢印zで示す方向での浮き上がりを防止し、蓋体12が導電材料を擦ることを効果的に防止し、導電材料の生産歩留まりを高める。
【0037】
選択的に、本実施例では、蓋体12は頂蓋121及び側蓋122を含み、頂蓋121は、開口112を覆うように濾過本体11の頂部に設置され、側蓋122は頂蓋121に接続され、且つ濾過本体11の一方の側に設置され、側蓋122内に耐力部材13が設置される。この時、側蓋122内に耐力部材13が設置され、耐力部材13の重力作用によって側蓋122が頂蓋121を重力方向に沿って引き下げてもよく、それにより頂蓋121、側蓋122が図における矢印zで示す方向へ浮き上がって、導電材料を擦ることを防止する。
【0038】
説明すべきこととして、蓋体12の構造は、一体成形構造であってもよく、耐力部材13は蓋体12に設置され、蓋体12全体を濾過本体11に固定する。蓋体12は別体構造であってもよく、第一の部分は、濾過本体11の頂部、例えば頂蓋121に設置され、第二の部分は、濾過本体11の一方側、例えば側蓋122に設置され、側蓋122は頂蓋121に接続される。耐力部材13は側蓋122に設置され又は側蓋122のみに設置されてもよく、側蓋122と頂蓋121との接続によって、頂蓋121を重力方向に沿って引き下げ、また側蓋122と頂蓋121内にいずれも耐力部材13が設置されてもよく、それにより蓋体12を濾過本体11に固定し、蓋体12の図における矢印zで示す方向での浮き上がりを効果的に防止する。上記した、蓋体12の二つの実施の形態は、いずれも本実施例の保護範囲に属する。
【0039】
本実施例では、蓋体12は別体矩形構造であり、側蓋122の頂端は、頂蓋121にヒンジ接続され、蓋体12は対向する両端を有し、そのうちの一端が濾過本体11に可動に接続され、他端に耐力部材13が設置される。蓋体12の一端が濾過本体11に可動に接続され、それによって蓋体12を容易にオンにし、蓋体12の他端に耐力部材13が設置されて、蓋体12全体を下方に引くことができ、蓋体12の浮き上がりを効果的に防止する。
【0040】
本実施例では、耐力部材13は棒状の板状構造であり、耐力部材13の形状は、側蓋122の矩形形状に適合し、側蓋122の内部に設置されてもよい。他の実施例では、耐力部材13は分割構造、他の棒状構造であってもよく、耐力部材13を側蓋122の外部に直接設置し、側蓋122を濾過本体11の側壁に直接押してもよく、いずれも本実施例の保護範囲に属する。
【0041】
選択的に、濾過本体11が長方体構造であるため、濾過本体11の開口112は矩形構造であり、耐力部材13は開口112の長手方向(図における矢印xで示す方向)に沿って伸び、蓋体12は開口112の長手方向(図における矢印xで示す方向)にいずれも耐力部材13が設置される。蓋体12は開口112の長手方向(図における矢印xで示す方向)にいずれも耐力部材13が設置され、それによって蓋体12の開口112の長手方向(図における矢印xで示す方向)でのいずれの箇所の浮き上がりを防止する。
【0042】
特別な状況で、耐力部材13が設置されても、蓋体12が浮き上がる可能性もあり、蓋体12と濾過本体11との間の接続強度をさらに高めるために、濾過機構はさらに固定コンポーネント15を含み、蓋体12は固定コンポーネント15を介して濾過本体11に接続されてもよく、蓋体12と濾過本体11との間の一部が離れても、二重に保証する作用を果たすことができ、固定コンポーネント15は依然として蓋体12が図における矢印zで示す方向に浮き上がって、導電材料8を擦ることがないように確保することができる。本実施例では、濾過機構1は二つ以上の固定コンポーネント15を含み、二つ以上の固定コンポーネント15は濾過本体11の開口112の長手方向(図における矢印xで示す方向)に沿って並んで設置される。蓋体12と濾過本体11との間の接続強度をさらに高める。
【0043】
図4から
図6に示すように、具体的には、本実施例における固定コンポーネント15は接続部材151及び固定ポイント152を含み、接続部材151は側蓋122に設置され、固定ポイント152は濾過本体11に設置され、接続部材151と固定ポイント152との間は取り外し可能に接続される。本実施例では、接続部材151は側蓋122の底部に設置され、固定ポイント152は対応して濾過本体11の相対位置に設置され、側蓋122は側蓋122と固定ポイント152との組み合わせによって、濾過本体11に接続される。側蓋122の底部に複数の接続部材151が設置され、濾過本体11の側壁にも複数の固定ポイント152が設置される。
【0044】
選択的に、蓋体12と濾過本体11との間の接続強度をさらに高めるために、蓋体12はさらにマジックテープ14を介して濾過本体11に接続されてもよい。理解できるように、蓋体12の耐力部材13が設置される端はマジックテープ14を介して濾過本体11に接続される。蓋体12はマジックテープ14を介して濾過本体11に固定されてもよく、耐力部材13の上で、さらなる固定が追加されており、さらに蓋体12の浮き上がりを防止することができる。
【0045】
他の実施例では、蓋体12は他の取り外し可能な接続方式によって濾過本体11に接続されてもよく、例えば非金属の係合接続、非金属のねじ接続などであり、いずれも本実施例の保護範囲に属する。
【0046】
図6に示すように、本実施例では、マジックテープ14は、マジックテープの子テープ141及びマジックテープの親テープ142を含み、側蓋122はマジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142との組み合わせによって濾過本体11に固定されることを実現する。本実施例では、マジックテープの子テープ141は側蓋122の内側に設置され、マジックテープの親テープ142は濾過本体11の外表面に設置され、他の実施例では、マジックテープの子テープ141は濾過本体11の外表面に設置され、マジックテープの親テープ142は側蓋122の内側に設置される。蓋体12はマジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142との組み合わせによって濾過本体11に固定される。
【0047】
耐力部材13の設置を容易にするために、側蓋122内に耐力部材13を置くためのキャビティ1221が設けられ、耐力部材13をキャビティ1221内に直接置いてもよく、耐力部材13の取り外しを容易にする。他の実施例では、耐力部材13は側蓋122の外側に設置されてもよく、側蓋122を濾過本体11の方向へ押してもよい。当該事項は、また本実施例の保護範囲に属する。
【0048】
無論、いくつかの実施例では、耐力部材13は、マジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142との貼り合わせ面を支持して、マジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142との接続強度を高めるようにマジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142との貼り合わせ面の外側に設置されてもよい。耐力部材13は、マジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142との貼り合わせ面の外側に設置されて、マジックテープ14全体の接着効果を高め、マジックテープ14の密着を確保することができ、貼り付け平坦度が高く、貼り合わせ面が受けた力が均一になり、それによりマジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142との接続強度を高め、側蓋122の図における矢印zで示す方向での浮き上がりは発生しにくい。
【0049】
本実施例では、導電材料8に電気めっき層を形成する過程において、電気めっき材料2を通電させる必要があり、電気めっき材料2が通電する過程において、電気めっき材料2が可溶性金属であるため、電気めっき材料2は徐々に溶けて、高い通電効果を達成することができない。従って、本出願の実施例における濾過機構1はさらに導電本体16を含んでもよい。導電本体16は不溶性金属、耐電気耐腐食であり、具体的にはチタニウム、白金などである。導電本体16を通電させれば、電気めっき材料2を間接的に通電させることができる。導電本体16が耐電気腐食の不溶性金属であるため、電気めっき材料2を直接通電させる方式と比較して、本出願における電気めっき材料2が徐々に溶けても、導電本体16は高い導電効果を果たし、電解効果を効果的に高め、電気めっきの有効性を確保することができる。
【0050】
本実施例では、導電本体16の形状は長方体構造であり、濾過本体11と蓋体12の自体は不織布で製造され、濾過本体11と蓋体12は導電本体16の外表面に嵌められる。この時、電気めっき材料2は導電本体16内に設置され、濾過本体11と蓋体12は導電本体16を覆うために用いられ、電源7は導電本体16を通電させる。他の実施例では、導電本体16の形状は円筒状構造、逆円錐形構造、又は他の不規則構造などであってもよく、濾過本体11と蓋体12は導電本体16の形状の調整に応じて調整することができ、いずれも本実施例の保護範囲に属する。
【0051】
使用過程において、複数の電気めっき材料2を導電本体16内に入れ、濾過本体11は導電本体16に嵌められ、蓋体12を閉め、蓋体12の側蓋122はマジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142との組み合わせによって濾過本体11に固定され、さらに固定コンポーネント15を介して側蓋122と濾過本体11を固定して接続し、濾過機構1を形成する。濾過機構1を電解液内に入れ、電源7の正極はアノードリード4を介して電気めっき材料2に電気接続され、電源7の負極はカソードリード5を介してカソード導電装置6に電気接続される。電源7は通電し、導電材料8の電気めっきを行い、電気めっきが終わった後、濾過機構1を電解液から取り出し、固定コンポーネント15、マジックテープの子テープ141とマジックテープの親テープ142を外し、濾過本体11と蓋体12を交換し、電気めっき材料2を改めて入れてから電気めっきを続けることができる。
【0052】
従来の技術と区別して、本実施例は導電材料8の生産過程において、濾過機構1の蓋体12の図における矢印zで示す方向での浮き上がりを効果的に防止し、蓋体12が導電材料8を擦ることを効果的に防止し、導電材料8の生産歩留まりを高めることができる。
【0053】
説明すべきこととして、本明細書では、上記各実施例を既に記述したが、これによって本出願の特許保護範囲を限定するものではない。従って、本出願の革新的な着想に基づき、本明細書の前記実施例に対して行う変更及び修正、又は本出願の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造又はなど等価プロセス変換、以上の技術案を他の関連する技術分野に直接又は間接に応用し、いずれも本出願の特許保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1 濾過機構
11 濾過本体
111 収容キャビティ
112 開口
12 蓋体
121 頂蓋
122 側蓋
1221 キャビティ
13 耐力部材
14 マジックテープ
141 マジックテープの子テープ
142 マジックテープの親テープ
15 固定コンポーネント
151 接続部材
152 固定ポイント
16 導電本体
2 電気めっき材料
3 案内輪
4 アノードリード
5 カソードリード
6 カソード導電装置
7 電源
8 導電材料