(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】光経路制御部材及びこれを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/167 20190101AFI20231201BHJP
【FI】
G02F1/167
(21)【出願番号】P 2022562375
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(86)【国際出願番号】 KR2021004249
(87)【国際公開番号】W WO2021210834
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045338
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0055057
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0041154
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】イ,インヘ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,チャンミ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョンソク
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-033074(JP,A)
【文献】特開2009-128915(JP,A)
【文献】特開2011-048001(JP,A)
【文献】特開2018-025682(JP,A)
【文献】特開2004-258615(JP,A)
【文献】特表2007-505340(JP,A)
【文献】特表2016-511447(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0139765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/15-1/19
G02F 1/133,1/1333,1/1334
G02F 1/1339-1/1341,1/1347
G02F 1/1335,1/13363
G02F 1/136-1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板上に配置される第1電極と、
前記第1基板上に配置される第2基板と、
前記第2基板の下部に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される光変換部と、を含み、
前記光変換部は、交互に配置される隔壁部及び収容部を含み、
前記収容部は、分散液及び前記分散液内に分散される光変換粒子を含み、
前記収容部は、電圧の印加の有無に応じて公開モード、プライバシーモードで駆動され、
前記プライバシーモードから前記公開モードに変換される時、第1電圧が印加され、
前記公開モードから前記プライバシーモードに変換される時、第2電圧及び第3電圧が
順次印加され、
前記光変換粒子は、負電荷に帯電され、
前記第1電圧は、正電圧を有し、
前記第2電圧は、負電圧を有し、
前記第3電圧は、負電圧及び正電圧が連続して繰り返すパルス電圧を有する、光経路制御部材。
【請求項2】
第1基板と、
前記第1基板上に配置される第1電極と、
前記第1基板上に配置される第2基板と、
前記第2基板の下部に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間に配置される光変換部と、を含み、
前記光変換部は、交互に配置される隔壁部及び収容部を含み、
前記収容部は、分散液及び前記分散液内に分散される光変換粒子を含み、
前記収容部は、電圧の印加の有無に応じて公開モード、プライバシーモードで駆動され、
前記プライバシーモードから前記公開モードに変換される時、第1電圧が印加され、
前記公開モードから前記プライバシーモードに変換される時、第2電圧及び第3電圧が順次印加され、
前記光変換粒子は、負電荷に帯電され、
前記第1電圧は、正電圧を有し、
前記第2電圧は、負電圧及び正電圧が連続して繰り返すパルス電圧を有し、
前記第3電圧は、負電圧及び正電圧が連続して繰り返すパルス電圧を有し、
前記第3電圧の周期数は、前記第2電圧の周期数より大きい、光経路制御部材。
【請求項3】
前記正電圧は、前記負電圧及び前記正電圧が10回~15回の周期で繰り返される、請求項
1または2に記載の光経路制御部材。
【請求項4】
前記第2電圧の印加時間と前記第3電圧の印加時間とを合わせた総印加時間は、3秒以下である、請求項
3に記載の光経路制御部材。
【請求項5】
前記第3電圧の負電圧の印加時間は、正電圧の印加時間よりも長い、請求項
3または4に記載の光経路制御部材。
【請求項6】
前記第3電圧における前記負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~9:1である、請求項5に記載の光経路制御部材。
【請求項7】
前記第2電圧の大きさは、前記第1電圧の95%~105%の大きさを有し、
前記第3電圧の負電圧及び正電圧の大きさは、前記第1電圧の95%~105%の大きさを有する、請求項
3乃至6のいずれか一項に記載の光経路制御部材。
【請求項8】
前記第3電圧の負電圧及び正電圧の大きさの差は、前記第1電圧及び前記第2電圧の大きさの差の95%~105%である、請求項
3乃至6のいずれか一項に記載の光経路制御部材。
【請求項9】
前記第2電圧の負電圧の印加時間は、正電圧の印加時間よりも長い、請求項
2に記載の光経路制御部材。
【請求項10】
前記第2電圧における前記負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~9:1である、請求項
2に記載の光経路制御部材。
【請求項11】
前記第3電圧の負電圧の印加時間は、正電圧の印加時間よりも長い、請求項
2に記載の光経路制御部材。
【請求項12】
前記第2電圧は、負電圧が印加された後、正電圧が印加される、請求項
2に記載の光経路制御部材。
【請求項13】
前記第2電圧及び前記第3電圧の負電圧及び正電圧の大きさは、前記第1電圧の95%~105%の大きさを有する、請求項
2に記載の光経路制御部材。
【請求項14】
前記第2電圧の負電圧及び正電圧の大きさの差及び前記第3電圧の負電圧及び正電圧の大きさの差は、前記第1電圧及び前記第2電圧の大きさの差の95%~105%である、請求項
2に記載の光経路制御部材。
【請求項15】
前記第2電圧を先に印加した後、前記第3電圧が印加される、請求項
2に記載の光経路制御部材。
【請求項16】
光源を含む表示パネルと、
前記表示パネル上に配置され、請求項1乃至
15のいずれか一項に記載の光経路制御部材を含む、ディスプレイ装置。
【請求項17】
前記表示パネルは、バックライトユニット及び液晶表示パネルを含み、
前記光経路制御部材は、前記バックライトユニットと前記液晶表示パネルとの間に配置され、
前記バックライトユニットから出射される光は、前記第2基板から前記第1基板方向に移動する、請求項
16に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、光経路制御部材及びこれを含むディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遮光フィルムは、光源からの光の伝達を遮断するものであって、携帯電話、ノートパソコン、タブレットPC、車両用ナビゲーション、車両用タッチなどに使用される表示装置であるディスプレイパネルの前面に付着され、ディスプレイが画面を送出する時、光の入射角度に応じて光の視野角を調節して、ユーザが必要な視野角度で鮮明な画質を表現できる目的で使用されている。
【0003】
また、遮光フィルムは、車両や建物の窓などに使用されて、外部光を一部遮蔽して眩しさを防止するか、外部から内部が見えないようにするのにも使用することかできる。
【0004】
即ち、遮光フィルムは、光の移動経路を制御して、特定の方向への光は遮断し、特定の方向への光は透過させる光経路制御部材であり得る。これにより、遮光フィルムによって光の透過角度を制御して、ユーザの視野角を制御することができる。
【0005】
一方、このような遮光フィルムは、周囲環境またはユーザの環境に関係なく常に視野角を制御できる遮光フィルムと、周辺環境またはユーザの環境に応じてユーザが視野角制御をオンオフできるスイッチャブル遮光フィルムとに区分され得る。
【0006】
このようなスイッチャブル遮光フィルムは、パターン部の内部に電圧の印加によって移動できる粒子及びこれを分散させる分散液を充填して粒子の分散及び凝集によりパターン部が光透過部及び光遮断部に転換されて実現され得る。
【0007】
例えば、負電荷に帯電された粒子に定電圧を印加して前記粒子を電極方向に移動させて、パターン部を光透過部として駆動することができ、光遮断部に転換させようとする場合、負電圧を印加して前記粒子を分散液内部に分散させることができる。
【0008】
このとき、光遮断部から光透過部に転換させる時、粒子の分散がうまくいかなかったり、粒子が分散される時間が増加することによって、光経路制御部材の遮蔽特性が低下したり、駆動特性が低下するという問題点がある。
【0009】
したがって、上記のような粒子の分散性の問題を解決できる新しい構造の光経路制御部材が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
実施例は、光透過部及び光光遮断部に転換されるパターン部の駆動特性を向上させることができる光経路制御部材に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施例に係る光経路制御部材は、第1基板と、前記第1基板上に配置される第1電極と、前記第1基板上に配置される第2基板と、前記第2基板の下部に配置される第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される光変換部と、を含み、前記光変換部は、交互に配置される隔壁部及び収容部を含み、前記収容部は、分散液及び前記分散液内に分散される光変換粒子を含み、前記収容部は、電圧の印加の有無に応じて公開モード、プライバシーモードで駆動され、前記プライバシーモードから前記公開モードに変換される時、第1電圧が印加され、前記公開モードから前記プライバシーモードに変換される時、第2電圧及び第3電圧が印加され、前記第2電圧及び前記第3電圧のうち少なくとも一つの電圧は、パルス電圧を含む。
【発明の効果】
【0012】
実施例に係る光経路制御部材は、光経路制御部材が公開モードからプライバシーモードに変換される時、駆動速度及び駆動特性を向上させることができる。
【0013】
詳細には、公開モードからプライバシーモードに変換するために光変換粒子を移動させる時、光変換粒子を均一に分散できるパルス電圧を一定の大きさ、時間、及び周期で印加することにより、プライバシーモードで前記光変換粒子が分散液に均一に分散され得る。
【0014】
これにより、特定の領域に光変換粒子が集中される現象を防止することにより、光経路制御部材の駆動速度及び駆動特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例に係る光経路制御部材の斜視図を示す図である。
【
図2】実施例に係る光経路制御部材の斜視図を示す図である。
【
図3】それぞれの実施例に係る光経路制御部材の第1基板及び第1電極と第2基板及び第2電極の斜視図を示す図である。
【
図4】それぞれの実施例に係る光経路制御部材の第1基板及び第1電極と第2基板及び第2電極の斜視図を示す図である。
【
図5】実施例に係る光経路制御部材にシーリング部が配置されることを説明するための斜視図を示す図である。
【
図6】
図5のA-A’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図7】
図5のB-B’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図8】他の実施例に係る光経路制御部材にシーリング部が配置されることを説明するための斜視図を示す図である。
【
図9】
図8のD-D’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図10】さらに他の実施例に係る光経路制御部材にシーリング部が配置されることを説明するための斜視図を示す図である。
【
図11】
図5のC-C’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図12】
図5のC-C’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図13】実施例に係る光経路制御部材からシーリング部を除く多様な収容部形状を説明するための
図5のC-C’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図14】実施例に係る光経路制御部材からシーリング部を除く多様な収容部形状を説明するための
図5のC-C’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図15】実施例に係る光経路制御部材からシーリング部を除く多様な収容部形状を説明するための
図5のC-C’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図16】実施例に係る光経路制御部材からシーリング部を除く多様な収容部形状を説明するための
図5のC-C’領域を切断した断面図を示す図である。
【
図17】第1実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図18】第1実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図19】第1実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図20】第1実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図21】第3実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図22】第3実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図23】第3実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図24】第3実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図25】第3実施例に係る光経路制御部材の駆動方法を説明するための図である。
【
図26】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図27】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図28】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図29】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図30】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図31】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図32】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図33】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図34】実施例及び比較例に係る電圧の変化を示す図である。
【
図35】実施例に係る光経路制御部材が適用される表示装置の断面図を示す図である。
【
図36】実施例に係る光経路制御部材が適用される表示装置の断面図を示す図である。
【
図37】実施例に係る光経路制御部材が適用されるディスプレイ装置の一実施例を説明するための図を示す図である。
【
図38】実施例に係る光経路制御部材が適用されるディスプレイ装置の一実施例を説明するための図を示す図である。
【
図39】実施例に係る光経路制御部材が適用されるディスプレイ装置の一実施例を説明するための図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。但し、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され得、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間のその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使用することができる。
【0017】
また、本発明の実施例で使用される用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈できるであろう。
【0018】
また、本発明の実施例で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「A及び(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」に記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0019】
また、本発明の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0020】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合のみならず、その構成要素とその他の構成要素との間にある別の構成要素によって「接続」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0021】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されると記載される場合、上(うえ)または下(した)は、二つの構成要素が互いに直接接触される場合のみならず、一つ以上の別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。
【0022】
また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準に上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0023】
以下、図面を参照して、実施例に係る光経路制御部材について説明する。以下で説明する光経路制御部材は、電圧の印加によって移動する電気泳動粒子によって多様なモードで駆動されるスイッチャブル光経路制御部材に関する。
【0024】
図1~
図4を参照すると、実施例に係る光経路制御部材1000は、第1基板110と、第2基板120と、第1電極210と、第2電極220と、光変換部300とを含むことができる。
【0025】
前記第1基板110は、前記第1電極210を支持することができる。前記第1基板110は、リジッド(rigid)またはフレキシブル(flexible)であり得る。
【0026】
また、前記第1基板110は、透明であり得る。例えば、前記第1基板110は、光を透過できる透明基板を含むことができる。
【0027】
前記第1基板110は、ガラス、プラスチック、または延性の高分子フィルムを含むことができる。例えば、延性の高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリカーボネート(Polycabonate、PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer、ABS)、ポリメチルメタアクリルレート(Polymethyl Methacrylate、PMMA)、 ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate、PEN), ポリエーテルスルホン(Polyether Sulfone、PES)、環状オレフィンポリマー(Cyclic Olefin Copolymer、COC)、TAC(Triacetylcellulose)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol、PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide、PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene、PS)のいずれか一つからなることがある。これは一例にすぎず、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0028】
また、前記第1基板110は、柔軟な特性を有するフレキシブル(flexible)基板であり得る。
【0029】
また、前記第1基板110は、カーブド(curved)またはベンデッド(bended)基板であり得る。即ち、前記第1基板110を含む光経路制御部材もフレキシブル、カーブドまたはベンデッド特性を有するように形成され得る。これにより、実施例に係る光経路制御部材は、多様なデザインに変更することができる。
【0030】
前記第1基板110は、第1方向1A、第2方向2A、及び第3方向3Aに延びることができる。
【0031】
詳細には、前記第1基板110は、前記第1基板110が長さまたは幅方向に対応する第1方向1Aと、前記第1方向1Aとは異なる方向に延び、前記第1基板110の長さまたは幅方向に対応する第2方向2Aと、前記第1方向1A及び前記第2方向2Aとは異なる方向に延び、前記第1基板110の厚さ方向に対応する第3方向3Aと、を含むことができる。
【0032】
例えば、前記第1方向1Aは、前記第1基板110の長手方向と定義することができ、前記第2方向2Aは、前記第1方向1Aに垂直な第1基板110の幅方向と定義することができ、前記第3方向3Aは、前記第1基板110の厚さ方向と定義することができる。あるいは、前記第1方向1Aは、前記第1基板110の幅方向と定義することができ、前記第2方向2Aは、前記第1方向1Aに垂直な第1基板110の長手方向と定義することができ、前記第3方向3Aは、前記第1基板110の厚さ方向と定義することができる。
【0033】
以下、説明の便宜上、前記第1方向1Aを前記第1基板110の長手方向として、前記第2方向2Aを第1基板110の幅方向として、前記第3方向3Aを前記第1基板110の厚さ方向として説明する。
【0034】
前記第1電極210は、前記第1基板110の一面上に配置され得る。詳細には、前記第1電極210は、前記第1基板110の上面上に配置され得る。即ち、前記第1電極210は、前記第1基板110と前記第2基板120との間に配置され得る。
【0035】
前記第1電極210は、透明な伝導性物質を含むことができる。例えば、前記第1電極210は、約80%以上の光透過率を有する伝導性物質を含むことができる。一例として、前記第1電極210は、インジウム錫酸化物(indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide)、銅酸化物(copper oxide)、錫酸化物(tin oxide)、亜鉛酸化物(zinc oxide)、チタン酸化物(titanium oxide) などの金属酸化物を含むことができる。
【0036】
前記第1電極210は、0.1μm~0.5μmの厚さを有することができる。
【0037】
または、前記第1電極210は、低抵抗を実現するために多様な金属を含むことができる。例えば、前記第1電極210は、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、金(Au)、チタチウム(Ti)、及びこれらの合金のうち少なくとも一つの金属を含むことができる。
【0038】
図3を参照すると、前記第1電極210は、前記第1基板110の一面の前面上に配置され得る。詳細には、前記第1電極210は、前記第1基板110の一面上に面電極として配置され得る。しかし、実施例はこれに限定されず、前記第1電極210は、メッシュまたはストライプ状などの一定のパターンを有する複数のパターン電極として形成され得る。
【0039】
例えば、前記第1電極210は、複数の伝導性パターンを含むことができる。詳細には、前記第1電極210は、互いに交差する複数のメッシュ線及び前記メッシュ線によって形成される複数のメッシュ開口部を含むことができる。
【0040】
これにより、前記第1電極210が金属を含んでも、外部から前記第1電極が視認されず、視認性が向上し得る。また、前記開口部によって光透過率が増加して、実施例に係る光経路制御部材の輝度が向上し得る。
【0041】
前記第2基板120は、前記第1基板110上に配置され得る。詳細には、前記第2基板120は、前記第1基板110上の第1電極210上に配置され得る。
【0042】
前記第2基板120は、光を透過できる物質を含むことができる。前記第2基板120は、透明な物質を含むことができる。前記第2基板120は、前述した前記第1基板110と同一または類似の物質を含むことができる。
【0043】
例えば、前記第2基板120は、ガラス、プラスチックまたは延性の高分子フィルムを含むことができる。例えば、延性の高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリカーボネート(Polycabonate、PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer、ABS)、ポリメチルメタアクリルレート(Polymethyl Methacrylate、PMMA)、 ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate、PEN), ポリエーテルスルホン(Polyether Sulfone、PES)、環状オレフィンポリマー(Cyclic Olefin Copolymer、COC)、TAC(Triacetylcellulose)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol、PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide、PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene、PS)のうちいずれか一つからなることができる。これは一例にすぎず、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0044】
また、前記第2基板120は、柔軟な特性を有するフレキシブル(flexible)基板であり得る。
【0045】
また、前記第2基板120は、カーブド(curved)またはベンデッド(bended)基板であり得る。即ち、前記第2基板120を含む光経路制御部材もフレキシブル、カーブドまたはベンデッド特性を有するように形成され得る。これにより、実施例に係る光経路制御部材は、多様なデザインに変更することができる。
【0046】
前記第2基板120も、前述した前記第1基板110と同様に、第1方向1A、第2方向2A、及び第3方向3Aに延びることができる。
【0047】
詳細には、前記第2基板120は、前記第2基板120の長さまたは幅方向に対応する第1方向1Aと、前記第1方向1Aとは異なる方向に延び、前記第2基板120の長さまたは幅方向に対応する第2方向2Aと、前記第1方向1A及び前記第2方向2Aとは異なる方向に延び、前記第2基板120の厚さ方向に対応する第3方向3Aと、を含むことができる。
【0048】
例えば、前記第1方向1Aは、前記第2基板120の長手方向と定義することができ、前記第2方向2Aは、前記第1方向1Aに垂直な第2基板 120の幅方向と定義することができ、前記第3方向3Aは、前記第2基板120の厚さ方向と定義することができる。
【0049】
または、前記第1方向1Aは、前記第2基板120の幅方向と定義することができ、前記第2方向2Aは、前記第1方向1Aに垂直な第2基板120の長手方向と定義することができ、前記第3方向3Aは、前記第2基板120の厚さ方向と定義することができる。
【0050】
以下、説明の便宜上、前記第1方向1Aを前記第2基板120の長手方向として、前記第2方向2Aを前記第2基板120の幅方向として、前記3方向3Aを前記第2基板120の厚さ方向として説明する。
【0051】
前記第2電極220は、前記第2基板120の一面上に配置され得る。詳細には、前記第2電極220は、前記第2基板120の下部面上に配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記第2基板120と前記第1基板110が互いに対向する前記第2基板120の一面上に配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記第1基板110上の前記第1電極210と対向して配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記第1電極210と前記第2基板120との間に配置され得る。
【0052】
前記第2基板120は、前述した前記第1基板110と同一または類似の物質を含むことができる。
【0053】
前記第2電極220は、透明な伝導性物質を含むことができる。例えば、前記第2電極220は、約80%以上の光透過率を有する伝導性物質を含むことができる。一例として、前記第1電極210は、インジウム錫酸化物(indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide)、銅酸化物(copper oxide)、錫酸化物(tin oxide)、亜鉛酸化物(zinc oxide)、チタン酸化物(titanium oxide)などの金属酸化物を含むことができる。
【0054】
前記第2電極220は、0.1μm~0.5μmの厚さを有することができる。
【0055】
または、前記第2電極220は、低抵抗を実現するために多様な金属を含むことができる。例えば、前記第1電極220は、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、金(Au)、チタチウム(Ti)、及びこれらの合金のうち少なくとも一つの金属を含むことができる。
【0056】
図4を参照すると、前記第1電極210は、前記第1基板110の一面の前面上に配置され得る。詳細には、前記第1電極210は、前記第1基板110の一面上に面電極として配置され得る。しかし、実施例はこれに限定されず、前記第1電極210は、メッシュまたはストライプ状などの一定のパターンを有する複数のパターン電極として形成され得る。
【0057】
例えば、前記第2電極220は、複数の伝導性パターンを含むことができる。詳細には、前記第2電極220は、互いに交差する複数のメッシュ線及び前記メッシュ線によって形成される複数のメッシュ開口部を含むことができる。
【0058】
これにより、前記第2電極220が金属を含んでも、外部から前記第2電極が視認されず、視認性が向上し得る。また、前記開口部によって光透過率が増加して、実施例に係る光経路制御部材の輝度が向上し得る。
【0059】
前記第1基板110と前記第2基板120は、互いに対応するサイズを有することができる。前記第1基板110と前記第2基板120は、互いに同一または類似のサイズを有することができる。
【0060】
詳細には、前記第1基板110の第1方向1Aに延びる第1長さは、前記第2基板120の第1方向1Aに延びる第2長さL2と互いに同一または類似のサイズを有することができる。
【0061】
例えば、前記第1長さと前記第2長さは、300mm~400mmのサイズを有することができる。
【0062】
また、前記第1基板110の第2方向2Aに延びる第1幅は、前記第2基板120の第2方向に延びる第2幅と互いに同一または類似のサイズを有することができる。
【0063】
例えば、前記第1幅と前記第2幅は、150mm~200mmのサイズを有することができる。
【0064】
また、前記第1基板110の第3方向3Aに延びる第1厚さは、前記第2基板120の第3方向に延びる第2厚さと互いに同一または類似のサイズを有することができる。
【0065】
例えば、前記第1厚さ及び前記第2厚さは、30μm~200μmのサイズを有することができる。
【0066】
または、前記第1基板110と前記第2基板120は、互いに異なるサイズを有することができる。
【0067】
詳細には、前記第1基板110の第1方向1Aに延びる第1長さは、前記第2基板120の第1方向1Aに延びる第2長さL2と300mm~400mmのサイズ範囲内で同一または類似の長さを有することができる。
【0068】
また、前記第1基板110の第2方向2Aに延びる第1幅は、前記第2基板120の第2方向に延びる第2幅と150mm~200mmのサイズの範囲内で互いに異なるサイズを有することができる。
【0069】
例えば、前記第2基板120の第2方向に延びる第2幅は、前記第1基板110の第2方向2Aに延びる第1幅のサイズよりも小さくてもよい。
【0070】
図1を参照すると、前記第1基板110と前記第2基板120は、互いにずれて配置され得る。
【0071】
詳細には、前記第1基板110と前記第2基板120は、前記第1方向1Aに互いに交差する位置に配置され得る。詳細には、前記第1基板110と前記第2基板120は、それぞれ基板の側面が互いにずれるように配置され得る。
【0072】
これにより、前記第1基板110は、前記第1方向1Aの一方向に突出して配置され得、前記第2基板120は、前記第1方向1Aの他方向に突出して配置され得る。
【0073】
即ち、前記第1基板110は、前記第1方向1Aの一方向に突出する第1突出部を含むことができ、前記第2基板は、前記第1方向1Aの他方向に突出する第2突出部を含むことができる。
【0074】
これにより、光経路制御部材1000は、前記第1基板110上で前記第1電極210が露出する領域と、前記第2基板120の下部で前記第2電極220が露出する領域とを含むことができる。
【0075】
即ち、前記第1基板110上に配置される前記第1電極210は、前記第1突出部で露出し、前記第2基板120の下部に配置される第2電極220は、前記第2突出部で露出し得る。
【0076】
前記突出部で露出する前記第1電極210及び前記第2電極220は、後述するパッド部などを介して外部の印刷回路基板と連結され得る。
【0077】
または、
図2を参照すると、前記第1基板110と前記第2基板120は、互いに対応する位置に配置され得る。詳細には、前記第1基板110と前記第2基板120は、それぞれの側面が互いに対応するように配置され得る。
【0078】
これにより、前記第1基板110は、前記第1方向1Aの一方向に突出して配置され得、前記第2基板120も前記第1方向1Aの一方向、即ち、前記第1基板110と同一の方向に突出して配置され得る。
【0079】
即ち、前記第1基板110は、前記第1方向1Aの一方向に突出する第1突出部を含むことができ、前記第2基板も前記第1方向1Aの一方向に突出する第2突出部を含むことができる。
【0080】
即ち、前記第1突出部と前記第2突出部は、同一の方向に突出することがある。
【0081】
これにより、前記光経路制御部材1000は、前記第1基板110上で第1電極210が露出する領域と、前記第2基板120の下部で第2電極220が露出する領域とを含むことができる。
【0082】
即ち、前記第1基板110上に配置される前記第1電極210は、前記第1突出部で露出し、前記第2基板120の下部に配置される前記第2電極220は、前記第2突出部で露出し得る。
【0083】
前記突出部で露出する前記第1電極210及び前記第2電極220は、後述する連結部などを介して外部の印刷回路基板と連結され得る。
【0084】
前記光変換部300は、前記第1基板110と前記第2基板120との間に配置され得る。詳細には、前記光変換部300は、前記第1電極210と前記第2電極220との間に配置され得る。
【0085】
前記光変換部300と前記第1基板110との間、または前記光変換部300と前記第2基板120との間のうち少なくとも一つの間には、接着層またはバッファ層が配置され得、前記接着層及び/またはバッファ層によって前記第1基板110、前記第2基板120、及び前記光変換部300が接着され得る。
【0086】
前記光変換部300は、複数の隔壁部及び収容部を含むことができる。前記収容部には、電圧の印加によって移動する光変換粒子が配置され得、前記光変換粒子によって光経路制御部材の光透過特性が変化し得る。
【0087】
前記光経路制御部材は、シーリング部を含むことができる。
【0088】
図5~
図10を参照すると、前記光経路制御部材の外面には、シーリング部500が配置され得る。
【0089】
図5~
図7を参照すると、前記シーリング部500は、前記光経路制御部材の外面を覆って配置され得る。詳細には、前記シーリング部500は、前記光経路制御部材の外面を部分的に覆って配置され得る。即ち、前記シーリング部500は、前記第1基板110から前記第2基板120方向に延びて前記光経路制御部材の外面を部分的に覆って配置され得る。
【0090】
前記光経路制御部材1000は、複数の側面を含むことができる。より詳細には、前記光経路制御部材1000は、前記第1方向1Aに延びて互いに対向する側面と、前記第2方向2Aに延びて互いに対向する側面とを含むことができる。
【0091】
前記シーリング部500は、前記第1方向1Aに延びる前記光経路制御部材の側面を囲んで配置され得る。例えば、前記シーリング部500は、前記光変換部300で光変換粒子が配置される収容部320が露出する前記光経路制御部材の側面を囲んで配置され得る。
【0092】
詳細には、前記収容部320は、前記第1基板110及び前記第2基板120を基準に、前記光変換部300で前記第2方向2Aに延びて配置され得る。即ち、複数の収容部320は、互いに離隔して前記第2方向2Aに延びて配置され得る。
【0093】
これにより、前記光変換部300の前記第1方向1Aの両側面方向には、前記収容部320が露出し得る。前記シーリング部500は、前記光変換部300で露出する前記収容部320を覆って配置されて、露出する収容部の内部の光変換粒子を保護することができる。
【0094】
即ち、前記シーリング部500は、前記光変換部300の側面の一部、前記第1基板110の下部面の一部、及び前記第2基板120の上部面の一部に配置され得る。言い換えれば、前記シーリング部500は、前記露光する光変換部の収容部を囲みながら前記光変換部300の側面の一部、前記第1基板110の下部面の一部、及び前記第2基板120の上部面の一部に配置され得る。
【0095】
前記シーリング部500は、300cP以上の粘度を有する樹脂物質を含むことができる。
【0096】
前記シーリング部500は、第1シーリング部510及び第2シーリング部520を含むことができる。
【0097】
詳細には、前記第1シーリング部510は、前記光変換部300の前記第1方向の一側面上に配置され、前記第2シーリング部520は、前記光変換部の前記第1方向の他側面上に配置され得る。
【0098】
前記第1シーリング部510と前記第2シーリング部520は、互いに離隔して配置され得る。
【0099】
または、前記第1シーリング部510と前記第2シーリング部520は、一体に形成され得る。例えば、前記第1シーリング部510と前記第2シーリング部520は、前記第1基板110または前記第2基板120の前記第1方向の両端から前記第2方向に延びながら互いに接触することがある。
【0100】
前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520は、互いに対向して配置され得る。前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520は、前記光変換部300の前記第1方向1Aの両側面にそれぞれ配置され得る。
【0101】
詳細には、
図6を参照すると、前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520は、前記第1基板110の下部面及び前記第1方向の側面、前記第1電極210の前記第1方向の側面、バッファ層410の前記第1方向の側面、前記収容部320の前記第1方向の側面、接着層420の前記第1方向の側面、前記第2電極220の前記第1方向の側面、及び前記第2基板120の上部面及び前記第1方向の側面に沿って延びて、前記光経路制御部材の外周面を部分的に囲んで配置され得る。
【0102】
また、
図7を参照すると、前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520は、前記第1方向に延びる前記光変換部300の両側面に部分的に配置され得る。即ち、前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520は、前記第1方向に延びる前記光変換部300の両側面で両端に配置される隔壁部310を部分的に覆って配置され得る。即ち、前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520の前記第1方向に延びる長さは、それぞれ前記第1方向に延びる前記光変換部300の両側面の長さよりも小さくてもよい。
【0103】
これにより、前記第1基板110及び前記第2基板120には、前記シーリング部500が配置される領域と配置されない領域が定義され得る。
【0104】
詳細には、前記第1基板110の下部及び前記第2基板120の上部のそれぞれには、前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520が配置される第1領域と、前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520が配置されず、前記第1基板110の下部または前記第2基板120の上部が露出する第2領域とが定義され得る。
【0105】
このとき、前記第1領域のサイズは、前記第2領域のサイズよりも大きくてもよい。詳細には、前記第1領域の面積は、前記第1基板110または前記第2基板120の全体面積に対して10%以下であり得る。
【0106】
詳細には、前記第1領域の面積は、前記第1基板110または前記第2基板120の全体面積に対して1%~10%であり得る。より詳細には、前記第1基板110または前記第2基板120の全体面積に対して3%~7%であり得る。
【0107】
前記第1領域の面積が前記第1基板110または前記第2基板120の全体面積に対して10%を超える場合、前記第1基板110または前記第2基板120で透過または入射する光の透過率が、前記シーリング部によって減少して、光経路制御部材の全体的な輝度が減少することがある。
【0108】
また、前記第1領域の面積が前記第1基板110または前記第2基板120の全体面積に対して1%未満の場合、前記第1基板110または前記第2基板120と接触されるシーリング部の面積が減少して、シーリング部の接着特性が低下して脱膜することがあるので、光経路制御部材の信頼性が低下し得る。
【0109】
図8及び
図9を参照すると、前記シーリング部500は、前記第1方向に延びる前記光変換部300の両側面の長さよりも大きい長さで配置され得る。即ち、前記シーリング部500は、前記第1方向に延びる前記光変換部300の両側面を全体的に覆って配置され得る。
【0110】
詳細には、
図8及び
図9を参照すると、前記第1シーリング部510及び前記第2シーリング部520は、前記第1基板110の下部面及び前記第1方向に延びる側面、前記第1電極210の前記第1方向に延びる側面、前記バッファ層410の前記第1方向に延びる側面、前記収容部320の前記第1方向に延びる側面、前記接着層420の前記第1方向に延びる側面、前記第2電極220の前記第1方向に延びる側面、及び前記第2基板120の上部面及び前記第1方向に延びる側面に沿って延びて、前記光経路制御部材の外周面を部分的に囲んで配置され得る。
【0112】
また、
図10を参照すると、前記シーリング部500は、前記第1方向1Aに延びる前記光経路制御部材の側面と前記第2方向2Aに延びる前記光経路制御部材の側面とを囲んで配置され得る。
【0113】
これにより、前記光変換部300の第2方向の側面のうち少なくとも一つの側面も前記シーリング部500によって全体的に囲まれ得る。
【0114】
これにより、実施例に係る光経路制御部材は、前記光変換部300の外側面をシーリング部500によって全体的に封止され得る。即ち、前記光変換部300の第2方向の側面から収容部の内部に浸透できる水分、空気などの不純物の浸透を防止することができる。
【0115】
即ち、光経路制御部材の製造工程中の前記光変換部300の第2方向の側面の厚さは、公差によって互いに異なることがあり、第2方向の側面のいずれか一つの側面の幅が小さい幅に形成されて、収容部の内部に浸透できる不純物が隔壁部を介して収容部の内部に浸透することがある。
【0116】
実施例に係る光経路制御部材は、前記光変換部の第2方向の側面にもシーリング部を配置することによって、このような隔壁部のサイズによる不純物の浸透を効果的に防止することができる。
【0117】
一方、
図5~
図10においては、シーリング部が光経路部材の外面に配置されていることを示したが、実施例はこれに限定されず、光変換部300の上面に配置され得る。
【0118】
例えば、前記光変換部300は、分散液が充填されない収容部領域を含み、前記シーリング部は、前記光変換部300上で分散液が充填されない収容部領域を埋め、前記接着層420、前記第2電極220、及び前記第2基板120の第1方向の側面及び前記第2基板120の上面を部分的に覆って配置され得る。
【0119】
即ち、大面積の光経路制御部材を切断して複数の光経路制御部材を製造する場合、
図5~
図7のようにシーリング部が形成され得、小面積の光経路制御部材を製造する場合、前記シーリング部は、前記光変換部300上で分散液が充填されない収容部領域を埋めて配置され得る。
【0120】
図11及び
図12を参照すると、前記光変換部300は、隔壁部310と収容部320とを含むことができる。
【0121】
前記隔壁部310は、収容部を区画する隔壁領域と定義することができる。即ち、前記隔壁部310は、複数の収容部を区画する隔壁領域として光を透過することができる。また、前記収容部320は、電圧の印加によって光遮断部及び光透過部に転換される領域と義することができる。
【0122】
前記隔壁部310と前記収容部320は、互いに交互に配置され得る。前記隔壁部310と前記収容部320は、互いに異なる幅に配置され得る。例えば、前記隔壁部310の幅は、前記収容部320の幅よりも大きくてもよい。
【0123】
前記隔壁部310と前記収容部320は、互いに交互に配置され得る。詳細には、前記隔壁部310と前記収容部320は、互いに交互に配置され得る。即ち、それぞれの隔壁部310は、互いに隣接する前記収容部320の間に配置され、それぞれの収容部320は、互いに隣接する前記隔壁部310の間に配置され得る。
【0124】
前記隔壁部310は、透明な物質を含むことができる。前記隔壁部310は、光を透過できる物質を含むことができる。
【0125】
前記隔壁部310は、樹脂物質を含むことができる。例えば、前記隔壁部310は、光硬化性樹脂物質を含むことができる。一例として、前記隔壁部310は、UV樹脂または透明なフォトレジスト樹脂を含むことができる。あるいは、前記隔壁部310は、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂などを含むことができる。
【0126】
前記隔壁部310は、前記第1基板110または前記第2基板120のうちいずれか一つの基板に入射する光を他の基板方向に透過させることができる。
【0127】
例えば、
図11及び
図12においては、前記第1基板110の下部に配置される光源によって前記第1基板110から光が出射して、前記第2基板120方向に光が入射することができる。この時、前記隔壁部310は前記光を透過し、透過した光は、前記第2基板120方向に移動し得る。
【0128】
前記収容部320は、分散液320a及び光変換粒子320bを含むことができる。詳細には、前記収容部320には、前記分散液320aが注入されて充填され、前記分散液320a内には、複数の光変換粒子320bが分散され得る。
【0129】
前記分散液320aは、前記光変換粒子320bを分散させる物質であり得る。前記分散液320aは、透明な物質を含むことができる。前記分散液320aは、非極性溶媒を含むことができる。また、前記分散液320aは、光を透過できる物質を含むことができる。例えば、前記分散液320aは、ハロカーボン(Halocarbon)系オイル、パラフィン系オイル及びイソプロピルアルコールのうち少なくとも一つの物質を含むことができる。
【0130】
前記光変換粒子320bは、前記分散液320a内に分散して配置され得る。詳細には、前記複数の光変換粒子320bは、前記分散液320a内で互いに離隔して配置され得る。
【0131】
前記光変換粒子320bは、光を吸収することができる物質を含むことができる。即ち、前記光変換粒子320bは、光吸収粒子であり得る。前記光変換粒子320bは、色を有することができる。例えば、前記光変換粒子320bは、ブラック系列の色を有することができる。一例として、前記光変換粒子320bは、カーボンブラック粒子を含むことができる。
【0132】
前記光変換粒子320bは、表面が帯電されて極性を有することができる。例えば、前記光変換粒子320bは、表面が負(-)電荷に帯電され得る。これにより、電圧の印加によって、光変換粒子320bは、前記第1電極210または前記第2電極220方向に移動し得る。
【0133】
前記収容部320は、前記光変換粒子320bによって光透過率が変化し得る。詳細には、前記収容部320は、前記光変換粒子320bによって光透過率が変化して、光遮断部及び光透過部に転換され得る。即ち、前記収容部320は、前記分散液320a内部に配置される前記光変換粒子320bの分散及び凝集によって、前記収容部320を通過する光透過率を変化させることができる。
【0134】
例えば、実施例に係る光経路部材は、前記第1電極210及び前記第2電極220に印加される電圧によって第1モードから第2モードまたは第2モードから第1モードに変換され得る。
【0135】
詳細には、実施例に係る光経路制御部材は、第1モードにおいては、前記収容部320が光遮断部となり、前記収容部320によって特定角度の光が遮断され得る。即ち、外部から眺めるユーザの視野角が狭くなって、前記光経路制御部材は、プライバシーモードで駆動され得る。
【0136】
また、実施例に係る光経路制御部材は、第2モードにおいては、前記収容部320が光透過部となり、実施例に係る光経路制御部材は、前記隔壁部310及び前記収容部320ですべて光が透過することがある。即ち、外部から眺めるユーザの視野角が広くなって、前記光経路制御部材は、公開モードで駆動され得る。
【0137】
前記第1モードから第2モードへの切り替え、即ち、前記収容部320が光遮断部から光透過部に変換されることは、前記収容部320の光変換粒子320bの移動によって実現され得る。即ち、光変換粒子320bは、表面に電荷を有しており、電荷の特性に応じて電圧の印加によって第1電極または第2電極方向に移動し得る。即ち、前記光変換粒子320bは、電気泳動粒子であり得る。
【0138】
詳細には、前記収容部320は、前記第1電極210及び前記第2電極220と電気的に連結され得る。
【0139】
このとき、外部から光経路制御部材に電圧が印加されない場合、前記収容部320の前記光変換粒子320bは、前記分散液320a内に均一に分散され、これにより、前記収容部は、前記光変換粒子320bによって光が遮断され得る。これにより、前記第1モードにおいては、前記収容部320は、光遮断部として駆動され得る。
【0140】
または、外部から光経路制御部材に電圧が印加される場合、前記光変換粒子320bが移動し得る。例えば、前記第1電極210及び前記第2電極220を介して伝達される電圧によって、前記光変換粒子320bが前記収容部320の一端または他端方向に移動し得る 。即ち、前記光変換粒子320bは、前記第1電極または前記第2電極方向に移動し得る。
【0141】
詳細には、第1電極210及び/または第2電極220に電圧を印加する場合、前記第1電極210及び前記第2電極220の間で電界(Eletric Field)が形成され、負電荷に帯電された状態の光変換粒子320bは、分散液320aを媒質として前記第1電極210及び前記第2電極220のうち正極の電極方向に移動し得る。
【0142】
即ち、前記第1電極210及び/または前記第2電極220に電圧が印加される場合、
図11に示すように、前記光変換粒子320bは、前記分散液320a内で第1電極210方向に移動し得る。即ち、前記光変換粒子320bが一方向に移動し、前記収容部320は、光透過部として駆動され得る。
【0143】
または、前記第1電極210及び/または前記第2電極220に電圧が印加されない場合、
図12に示すように、前記光変換粒子320bは、前記分散液320a内に均一に分散されて、前記収容部320は、光遮断部として駆動され得る。
【0144】
これにより、実施例に係る光経路制御部材は、ユーザの周辺環境などに応じて二つのモードで駆動され得る。即ち、ユーザが特定の視野度のみで光透過を望む場合、前記収容部を光遮断部として駆動し、または、ユーザが広い視野角及び高い輝度を要求する環境においては、電圧を印加して前記収容部を光透過部として駆動することができる。
【0145】
したがって、実施例に係る光経路制御部材は、ユーザの要求に応じて二つのモードで実現可能であるので、ユーザの環境などに応じて拘束されず、光経路部材を適用することができる。
【0146】
一方、前記収容部は、駆動特性などを考慮して他の形状に配置され得る。
【0147】
図13及び
図14を参照すると、他の実施例に係る光経路制御部材は、
図11及び
図12とは異なり、収容部320の両端がバッファ層410及び接着層420と接触して配置され得る。
【0148】
例えば、前記収容部320の下部は、前記バッファ層410と接触して配置され、前記収容部320の上部は、前記接着層420と接触して配置され得る。
【0149】
これにより、前記収容部320と前記第1電極210との間の距離が減少して、前記第1電極210から印加される電圧が前記収容部320に円滑に伝達され得る。
【0150】
これにより、前記収容部320内部の光変換粒子320bの移動速度を向上させることができるので、光経路制御部材の駆動特性を向上させることができる。
【0151】
また、
図15及び
図16を参照すると、実施例に係る光経路制御部材は、
図11及び
図12とは異なり、前記収容部320が一定の傾斜角度θを有して配置され得る。
【0152】
詳細には、
図15及び
図16を参照すると、前記収容部320は、前記第1基板110に対して0°超過~90°未満の傾斜角度θを有して配置され得る。詳細には、前記収容部320は、前記第1基板110の一面に対して0°超過~90°未満の傾斜角度θを有して上部方向に延びることができる。
【0153】
これにより、前記光経路部材が表示パネルと共に使用される時、表示パネルのパターンと光経路部材の収容部320との重畳現象によるモアレを緩和して、ユーザの視認性を向上させることができる。
【0154】
一方、実施例に係る光経路制御部材は、印加される電圧の大きさ及び時間を制御して、光変換粒子の移動特性を向上させることができる。
【0155】
以下、光変換粒子の移動特性を向上させることができる光経路制御部材に印加される電圧の大きさ及び時間について具体的に説明する。
【0156】
実施例に係る光経路制御部材は、第1モード(プライバシーモード)、第2モード(公開モード)、第1モード(プライバシーモード)に変換する時、印加される電圧の特性を多様に変化させて、第2モードから第1モードに変換される時、光経路制御部材の光遮蔽特性を向上させることができ、光経路制御部材の駆動速度を向上させることができる。
【0157】
電圧が印加されていない状態の光経路制御部材は、第1モードを維持する。続いて、前記第1電極210または前記第2電極220に正電圧を有する第1電圧を印加すると、前記光変換粒子320bが移動して第2モードに変換され得る。以下の説明においては、説明の便宜上、前記第1電極210に第1電圧を印加する場合を中心に説明する。
【0158】
詳細には、前記第1電極210に正電圧を有する第1電圧を印加すると、負電荷を有する前記光変換粒子320bは、前記第1電極210方向に移動して、前記収容部 320で前記第1電極210方向に凝集され得る。これにより、前記光経路制御部材は、前記第1モードから前記第2モードに変換され得る。
【0159】
続いて、前記第1電極210に負電圧を有する第2電圧を印加すると、負電荷を有する前記光変換粒子320bが前記収容部320の内部で前記第1電極210と反対方向に移動して前記分散液320a内部に再び分散され得る。これにより、前記光経路制御部材は、前記第2モードから前記第1モードに変換され得る。
【0160】
実施例に係る光経路制御部材は、第2モード(公開モード)から第1モード(プライバシーモード)に変換する時、前記光変換粒子320bを前記分散液320a内部で均一に分散することができる駆動方法を提供する。
【0161】
まず、第1実施例に係る光経路制御部材の駆動方法について説明する。
【0162】
第1実施例に係る光経路制御部材は、第2モード(公開モード)から第1モード(プライバシーモード)に変換する時、負電圧を有する第2電圧及びパルス電圧を有する第3電圧を共に印加することができる。詳細には、第2電圧を先に印加した後、次いで第3電圧を印加することができる。
【0163】
前記第2電圧は、前記光変換粒子320bを移動させることができる。詳細には、前記第2電圧の印加により、前記光変換粒子320bは、前記第1電極210から離れる方向に移動し得る。
【0164】
前記第2電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさと同一であるか類似することがある。ここで、前記第1電圧の大きさ及び前記第2電圧の大きさは、電圧の絶対値の大きさと定義することができる。
【0165】
詳細には、前記第2電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して50%~150%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して70%~130%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して80%~120%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して90%~110%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して95%~105%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して99%~101%の大きさを有することができる。
【0166】
例えば、前記第2電圧の大きさは、約+35V~-45Vの大きさを有することができる。
【0167】
前記第3電圧は、正電圧と負電圧を繰り返すパルス電圧を有することができる。前記第3電圧は、前記光変換粒子320bを分散させることができる。詳細には、前記第3電圧の印加により、前記光変換粒子320bは、前記分散液320a内部で前記第1電極210方向及び前記第2電極220方向に繰り返し移動しながら、前記分散液320a内部に均一に分散され得る。
【0168】
前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさと同一であるか類似することがある。ここで、前記第3電圧の前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、電圧の絶対値の大きさと定義することができる。
【0169】
また、前記第3電圧の前記正電圧と前記負電圧の大きさは、互いに同一であるかまたは異なることがある。
【0170】
詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して25%~150%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して50%~130%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して80%から120%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して90%~110%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して95%~105%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して99%~101%の大きさを有することができる。
【0171】
例えば、前記第1電圧が+35V~+45Vの大きさを有する場合、前記第3電圧の正電圧は、+10V~+65Vの大きさを有することができ、前記負電圧は-10V~-65Vの大きさを有することができる。
【0172】
また、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と第2電圧の大きさの差と同一であるか類似することがある。
【0173】
詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の大きさの差に対して50%~150%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の大きさの差に対して70%~130%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の大きさの差に対して80%~120%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の大きさの差に対して90%~110%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の大きさの差に対して95%~105%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の大きさの差に対して99%~101%の大きさを有することができる。
【0174】
前記第3電圧は、負電圧及び正電圧が繰り返される一定数の周期で繰り返されることがある。例えば、前記第3電圧は、前記負電圧及び前記正電圧が約10回~15回の周期で繰り返されることがある。
【0175】
前記第2電圧と前記第3電圧は、それぞれ一定の時間で印加され得る。詳細には、前記第2電圧の印加時間と前記第3電圧の印加時間とを合わせた総印加時間は、3秒以下であり得る。前記第2電圧の印加時間と前記第3電圧の印加時間とを合わせた総印加時間が3秒を超える場合、前記光経路制御部材の第2モードから第1モードに変換される時間が増加して、光経路制御部材の全体的な駆動速度が低下することがある。
【0176】
例えば、前記第2電圧の印加時間と前記第3電圧の印加時間は、総印加時間が3秒以内である範囲で互いに同一であるか、またはある電圧の印加時間が大きく印加され得る。好ましくは、前記光変換粒子を分散させる前記第3電圧の印加時間を前記第2電圧の印加時間よりも大きくすることができる。
【0177】
図17~
図20は、第1実施例に係る電圧の印加による光変換粒子の移動を説明するための図である。
【0178】
図17を参照すると、前記第1電圧を印加する場合、前記光変換粒子320bは、前記第1電極210方向に移動し得る。
【0179】
続いて、
図18を参照すると、前記第2電圧を印加する場合、前記光変換粒子320bは、矢印方向のように前記第1電極210の反対方向に移動し得る。即ち、前記光変換粒子320bは、前記第2電極220方向に移動し得る。
【0180】
続いて、
図19を参照すると、前記第3電圧を印加する場合、前記光変換粒子320bは、矢印方向のように前記第1電極210及び前記第2電極220方向への移動が繰り返されながら、前記分散液320aに分散され得る。
【0181】
続いて、
図20を参照すると、パルス電圧の終端である0Vが印加される場合、前記光変換粒子320bは、前記分散液320aに均一に分散され得る。
【0182】
以下、第2実施例に係る光経路制御部材の駆動方法について説明する。
【0183】
第2実施例に係る光経路制御部材は、第2モード(公開モード)から第1モード(プライバシーモード)に変換する時、負電圧を有する第2電圧及びパルス電圧を有する第3電圧を共に印加することができる。詳細には、第2電圧を先に印加した後、次いで第3電圧を印加することができる。
【0184】
前記第2実施例に係る光経路制御部材の駆動方法は、第3電圧の駆動方法が異なることを除いて、第1実施例に係る光経路制御部材の駆動方法と同一であり得る。
【0185】
第2実施例に係る光経路制御部材の駆動方法は、パルス電圧を有する第3電圧における正電圧と負電圧の印加時間を異なるようにすることができる。
【0186】
詳細には、第2実施例においては、前記第3電圧における負電圧の印加時間を前記正電圧の印加時間よりもさらに長くすることができる。
【0187】
例えば、前記第3電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~9:1であり得る。詳細には、前記第3電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~7:1であり得る。より詳細には、前記第3電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~5:1であり得る。より詳細には、前記第3電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~3:1であり得る。
【0188】
前記第3電圧における前記負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間とを異なるようにすることにより、多様な環境で前記光変換粒子を均一に分散させることができる。即ち、光変換粒子を移動させる第2電圧の大きさが所望の大きさよりも小さく印加されるか、または第2電圧の印加時間が所望の時間よりも小さく印加される場合、第3電圧の負電圧の時間を正電圧の時間よりも大きくして、前記光変換粒子を前記分散液内部に均一に分散させることができる。
【0189】
以下、第3実施例に係る光経路制御部材の駆動方法について説明する。
【0190】
第3実施例に係る光経路制御部材は、第2モード(公開モード)から第1モード(プライバシーモード)に変換する時、パルス電圧を有する第2電圧及びパルス電圧を有する第3電圧を共に印加することができる。詳細には、第2電圧を先に印加した後、次いで第3電圧を印加することができる。即ち、第3実施例に係る光経路制御部材は、前述した第1、第2実施例とは異なり、第2電圧もパルス電圧を有することができる。
【0191】
前記第2電圧は、正電圧及び負電圧を繰り返すパルス電圧を有することができる。前記第2電圧は、前記光変換粒子320bを移動及び分散させることができる。詳細には、前記第2電圧の負電圧の印加により、前記光変換粒子320bは、前記分散液320a内部で前記第1電極210方向に移動し、前記第2電圧の負電圧及び正電圧印加により、前記第1電極210及び前記第2電極220方向に繰り返し移動しながら前記分散液320a内部に均一に分散され得る。
【0192】
即ち、前記第2電圧は、前記負電圧が先に印加され、続いて正電圧と負電圧が繰り返されるパルス電圧であり得る。
【0193】
前記第2電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさと同一であるか類似することがある。また、前記第2電圧の初期負電圧の大きさは、前記第1電圧の正電圧の大きさと同一であるか類似することがある。ここで、前記第2電圧の前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、電圧の絶対値の大きさと定義することができる。
【0194】
また、前記第2電圧の前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、互いに同一であるか、または異なることがある。
【0195】
詳細には、前記第2電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して25%~150%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して50%から130%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して80%~120%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して90%~110%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して95%~105%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して99%から101%の大きさを有することができる。
【0196】
例えば、前記第1電圧が+35V~+45Vの大きさを有する時、前記第2電圧の前記正電圧は、+10V~+65Vの大きさを有し、前記負電圧は、-10V~-65Vの大きさを有することができる。
【0197】
また、前記第2電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差と同一であるか類似することがある。
【0198】
詳細には、前記第2電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して50%~150%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して70%から130%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して80%から120%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して90%から110%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して95%から105%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第2電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して99%~101%の大きさを有することができる。
【0199】
前記第2電圧は、負電圧及び正電圧が繰り返される一定数の周期で繰り返されることがある。例えば、前記第2電圧は、前記負電圧及び前記正電圧が約3回~5回の周期で繰り返されることがある。
【0200】
前記第2電圧の負電圧の印加時間と正電圧の印加時間とは、異なることがある。
【0201】
前記第2電圧における負電圧の印加時間を前記正電圧の印加時間よりもさらに長くすることができる。
【0202】
例えば、前記第2電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間とは、1:1超過~9:1であり得る。詳細には、前記第2電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間とは、1:1超過~8:1であり得る。より詳細には、前記第2電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間とは、1:1超過~7:1であり得る。
【0203】
前記第3電圧は、正電圧と負電圧を繰り返すパルス電圧を有することができる。前記第3電圧は、前記光変換粒子320bを分散させることができる。詳細には、前記第3電圧の印加により、前記光変換粒子320bは、前記分散液320a内部で前記第1電極210方向及び前記第2電極220方向に繰り返し移動しながら、前記分散液320a内部に均一に分散され得る。
【0204】
前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさと同一であるか類似することがある。ここで、前記第3電圧の前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、電圧の絶対値の大きさと定義することができる。
【0205】
また、前記第3電圧の前記正電圧と前記負電圧の大きさは、互いに同一であるか、または異なることがある。
【0206】
詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して25%~150%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して50%~130%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して80%から120%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して90%~110%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して95%~105%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記正電圧及び前記負電圧の大きさは、前記第1電圧の大きさに対して99%~101%の大きさを有することができる。
【0207】
例えば、前記第1電圧が+35V~+45Vの大きさを有する時、前記第3電圧の前記正電圧は、+10V~+65Vの大きさを有し、前記負電圧は、-10V~-65Vの大きさを有することができる。
【0208】
また、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差と同一であるか類似することがある。
【0209】
詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して50%~150%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して70%~130%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して80%~120%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して90%から110%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と前記第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して95%から105%の大きさを有することができる。より詳細には、前記第3電圧における前記負電圧と前記正電圧の大きさの差は、前記第1電圧と第2電圧の初期電圧の大きさの差に対して99%から101%の大きさを有することができる。
【0210】
前記第3電圧は、負電圧と正電圧が繰り返される一定数の周期で繰り返されることがある。前記第3電圧の周期数は、前記第2電圧の周期数とは異なることがある。詳細には、前記第3電圧の周期数は、前記第2電圧の周期数よりも大きくてもよい。
【0211】
例えば、前記第3電圧は、前記負電圧及び前記正電圧が約7回~13回の周期で繰り返されることがある。
【0212】
前記第2電圧と前記第3電圧は、それぞれ一定の時間で印加され得る。詳細には、前記第2電圧の印加時間と前記第3電圧の印加時間とを合わせた総印加時間は、3秒以下であり得る。前記第2電圧の印加時間と前記第3電圧の印加時間とを合わせた総印加時間が3秒を超える場合、前記光経路制御部材の第2モードから第1モードに変換される時間が増加して、光経路制御部材の全体的な駆動速度が低下することがある。
【0213】
例えば、前記第2電圧の印加時間と前記第3電圧の印加時間は、総印加時間が3秒以内である範囲で互いに同一であるか、またはある電圧の印加時間が大きく印加され得る。好ましくは、前記光変換粒子を分散させる前記第3電圧の印加時間を前記第2電圧の印加時間よりも大きくすることができる。
【0214】
図21~
図25は、第3実施例に係る電圧の印加による光変換粒子の移動を説明するための図である。
【0215】
図21を参照すると、前記第1電圧を印加する場合、前記光変換粒子320bは、前記第1電極210方向に移動し得る。
【0216】
続いて、
図22及び
図23を参照すると、前記第2電圧を印加する場合、前記光変換粒子320bは、
図22の矢印方向のように前記第1電極210の反対方向に移動し得る。即ち、前記光変換粒子320bは、前記第2電極220方向に移動し得る。また、
図23を参照すると、前記光変換粒子320bは、矢印方向のように前記第1電極210及び前記第2電極220方向への移動が繰り返されながら、前記分散液320aに分散され得る。
【0217】
続いて、
図24を参照すると、前記第3電圧を印加する場合、前記光変換粒子320bは、矢印方向のように前記第1電極210及び前記第2電極220方向への移動が再び繰り返されながら、前記分散液320aに分散され得る。
【0218】
続いて、
図25を参照すると、パルス電圧の終端である0Vが印加される場合、前記光変換粒子320bは、前記分散液320aに均一に分散され得る。
【0219】
以下、第4実施例に係る光経路制御部材の駆動方法について説明する。
【0220】
第4実施例に係る光経路制御部材は、第2モード(公開モード)から第1モード(プライバシーモード)に変換する時、負電圧を有する第2電圧及びパルス電圧を有する第3電圧を共に印加することができる。詳細には、第2電圧を先に印加した後、次いで第3電圧を印加することができる。
【0221】
前記第4実施例に係る光経路制御部材の駆動方法は、第3電圧の駆動方法が異なることを除いて、第3実施例に係る光経路制御部材の駆動方法と同一であり得る。
【0222】
第4実施例に係る光経路制御部材の駆動方法は、パルス電圧を有する第3電圧において正電圧と負電圧の印加時間を異なるようにすることができる。
【0223】
詳細には、第4実施例においては、前記第3電圧における負電圧の印加時間を前記正電圧の印加時間よりもさらに長くすることができる。
【0224】
例えば、前記第3電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~9:1であり得る。詳細には、前記第3電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~7:1であり得る。より詳細には、前記第3電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~5:1であり得る。より詳細には、前記第3電圧における負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間との比は、1:1超過~3:1であり得る。
【0225】
前記第3電圧における前記負電圧の印加時間と前記正電圧の印加時間とを異なるようにすることにより、多様な環境で前記光変換粒子を均一に分散させることができる。即ち、光変換粒子を移動させる第2電圧の大きさが所望の大きさよりも小さく印加されるか、または第2電圧の印加時間が所望の時間よりも小さく印加される場合、第3電圧の負電圧の時間を正電圧の時間よりも大きくして、前記光変換粒子を前記分散液の内部に均一に分散させることができる。
【0226】
実施例に係る光経路制御部材は、第2モード(公開モード)から第1モード(プライバシーモード)に変換する時、光変換粒子の分散性を向上させて、第1モードにおける遮蔽特性を向上させることができる。
【0227】
即ち、パルス電圧を印加することによって前記光変換粒子を分散させる段階が含まれるので、前記第2モードで前記光変換粒子が分散液内部にさらに均一に分散されるため、前記光経路制御部材の第1モードにおける光透過率を減少させることがある。
【0228】
これにより、前記光経路制御部材の駆動特性及び駆動速度を向上させることができる。
【0229】
以下、実施例及び比較例に係る光経路制御部材の透過率の測定を通じて本発明をより詳細に説明する。このような実施例は、本発明をより詳細に説明するために例示として提示したものにすぎない。したがって、本発明がこのような実施例に限定されるものではない。
【0230】
一方、以下で説明する光経路制御部材の光透過率は、光経路制御部材が配置されていない状態における光源から出射される光の輝度(A)と光源上に光経路制御部材を配置し、前記光源から前記経路制御部材を介して45°の角度で出射される光の輝度(B)を測定した後、(B/A)* 100をして測定された光透過率と定義することができる。
【0231】
また、以下で説明する光経路制御部材に印加されるパルス電圧は、オシロスコープ装置のオン/オフ電圧を確認して測定することができる。即ち、オシロスコープ装置を用いて両電極に電圧測定端子を噛み、両電極の電圧印加パターンを測定した。
【0232】
実施例1
電圧が印加されていない最初モードにおける第1光透過率を測定した。
【0233】
続いて、電圧が印加されていない最初モードの光経路制御部材に+40Vの電圧を印加して光経路制御部材を公開モードに変換した。
【0234】
続いて、-40Vの電圧を1.4秒の時間で印加し、-20V及び-10Vの負電圧及び正電圧を有するパルス電圧を1.6秒間13周期数だけ繰り返した後、電圧を0Vに調整して光経路制御部材をプライバシーモードに変換した。
【0235】
前記光経路制御部材がプライバシーモードに完全に切り替えられると、前記光経路制御部材に別の電圧を印加しなかった。
【0236】
続いて、プライバシーモードにおける第2光透過率を測定した。
【0237】
続いて、前記第2光透過率と前記第1光透過率との差を測定した。
【0238】
実施例2
-20V及び+20Vの負電圧及び正電圧を有するパルス電圧を1.6秒間13周期数だけ繰り返した後、電圧を0Vに調整して光経路制御部材をプライバシーモードに変換したことを除いて、実施例1と同様に前記第2光透過率と前記第1光透過率との差を測定した。
【0239】
実施例3
-40Vの電圧を1.6秒の時間で印加し、-20V及び+20Vの負電圧及び正電圧を有するパルス電圧を1.4秒間12周期数だけ繰り返した後、電圧を0Vに調整して光経路制御部材をプライバシーモードに変換したことを除いて、実施例1と同様に前記第2光透過率と前記第1光透過率との差を測定した。
【0240】
実施例4
-40Vの電圧を1.6秒の時間で印加し、-40V及び+40Vの負電圧及び正電圧を有するパルス電圧を1.4秒間12周期数だけ繰り返した後、電圧を0Vに調整して光経路制御部材をプライバシーモードに変換したことを除いて、実施例1と同様に前記第2光透過率と前記第1光透過率との差を測定した。
【0241】
実施例5
電圧が印加されていない最初モードにおける第1光透過率を測定した。
【0242】
続いて、電圧が印加されていない最初モードの光経路制御部材に-40V及び+40の負電圧及び正電圧を有するパルス電圧を印加した。
【0243】
このとき、-40Vの負電圧と+40の正電圧の印加時間の比率は、7:1の比率とし、パルス電圧は4周期数で繰り返した。
【0244】
-40V及び+40Vの負電圧及び正電圧を有するパルス電圧を1.1秒間9周期数だけ繰り返した後、電圧を0Vに調整して光経路制御部材をプライバシーモードに変換した。
【0245】
続いて、プライバシーモードにおける第2光透過率を測定した。
【0246】
続いて、前記第2光透過率と前記第1光透過率との差を測定した。
【0247】
実施例6
-40Vの負電圧と+40Vの正電圧の印加時間の比率は、8:1の比率とし、パルス電圧は3周期で繰り返し、-40V及び+40Vの負電圧及び正電圧を有するパルス電圧を1.6秒間9周期数だけ繰り返した後、電圧を0Vに調整して光経路制御部材をプライバシーモードに変換したことを除いて、実施例5と同様に前記第2光透過率と前記第1光透過率の差を測定した。
【0248】
実施例7
-40Vの負電圧と+40の正電圧の印加時間の比率は、9:1の比とし、パルス電圧は3周期数で繰り返し、-40V及び+40Vの負電圧及び正電圧を有するパルス電圧を1.4秒間10周期数だけ繰り返した後、電圧を0Vに調整して光経路制御部材をプライバシーモードに変換したことを除いて、実施例5と同様に前記第2光透過率と前記第1光透過率の差を測定した。
【0249】
比較例1
電圧が印加されていない最初モードにおける第1光透過率を測定した。
【0250】
続いて、電圧が印加されていない最初モードの光経路制御部材に+40Vの電圧を印加して光経路制御部材を公開モードに変換した。
【0251】
続いて、-40Vの電圧を1.5秒の時間で印加して光経路制御部材をプライバシーモードに変換した。
【0252】
続いて、プライバシーモードにおける第2光透過率を測定した。
【0253】
続いて、前記第2光透過率と前記第1光透過率との差を測定した。
【0254】
比較例2
-40Vの電圧を1.6秒の時間で印加して光経路制御部材をプライバシーモードに変換したことを除いて、比較例1と同様に前記第2光透過率と前記第1光透過率との差を測定した。
【表1】
【0255】
図26~
図34は、実施例及び比較例に係る電圧の変化及びパルス電圧の流れを示す図である。
【0256】
【0257】
表1を参照すると、実施例に係る光経路制御部材は、比較例に係る光経路制御部材と比較して、第2光透過率と第1光透過率との差が小さいことが分かる。即ち、実施例に係る光経路制御部材は、プライバシーモードにおける透過率が最初モードにおける光透過率とほぼ類似することが分かる。
【0258】
即ち、実施例に係る光経路制御部材は、パルス電圧を適宜使用して、公開モードからプライバシーモードに変換する時、約3秒以内の時間で光変換粒子の分散性を均一にしてプライマシーモードにおける光透過率を減少させることができる。
【0259】
即ち、実施例に係る光経路制御部材は、プライバシーモードと最初モードとの光透過率の差を4%以下、詳細には、3%以下、より詳細には、2%以下、さらに詳細には、1%以下に制御することができる。
【0260】
言い換えれば、前記最初モードにおける光透過率と、前記公開モードに変換された後、前記プライバシーモードに変換されたときの光透過率差とは、4%以下、 詳細には、3%以下、より詳細には、2%以下、さらに詳細には、1%以下に制御することができる。
【0261】
即ち、実施例に係る光経路制御部材は、パルス電圧を用いて光経路制御部材の駆動速度及び駆動特性を向上させることができる。
【0262】
以下、
図35~
図39を参照して、実施例に係る光経路制御部材が適用される表示装置及びディスプレイ装置について説明する。
【0263】
図35および
図36を参照すると、実施例に係る光経路制御部材1000は、表示パネル2000上にまたは下部に配置され得る。
【0264】
前記表示パネル2000と前記光経路制御部材1000とは、互いに接着して配置され得る。例えば、前記表示パネル2000と前記光経路制御部材1000は、接着部材1500を介して互いに接着され得る。前記接着部材1500は、透明であり得る。例えば、前記接着部材1500は、光学用透明接着剤物質を含む接着剤または接着層を含むことができる。
【0265】
前記接着部材1500は、離型フィルムを含むことができる。詳細には、前記光経路部材と表示パネルを接着させるとき、離型フィルムを除去した後、前記光経路制御部材および前記表示パネルを接着させることができる。
【0266】
一方、
図35および
図36を参照すると、前記光経路制御部材は、一端または一端及び他端が突出し、突出した部分には、光変換部が配置されないことがある。前記突出領域は、前記第1電極210及び前記第2電極220が露出する電極連結部であって、前記電極連結部を介して外部の印刷回路基板と光経路制御部材とを連結することができる。
【0267】
前記表示パネル2000は、第1' 基板2100及び第2' 基板2200を含むことができる。前記表示パネル2000が液晶表示パネルの場合、前記光経路制御部材は、前記液晶パネルの下部に形成され得る。即ち、前記液晶パネルにおいて、ユーザが眺める面が液晶パネルの上部と定義する時、前記光経路制御部材は、前記液晶パネルの下部に配置され得る。前記表示パネル2000は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)と画素電極を含む第1'基板2100とカラーフィルタ層とを含む第2'基板2200が液晶層を挟んで合着した構造に形成され得る。
【0268】
また、前記表示パネル2000は、薄膜トランジスタ、カラーフィルタ、及びブラック電解質が第1'基板2100に形成され、第2'基板2200が液晶層を挟んで前記第1'基板2100と合着するCOT(color filter on transistor)構造の液晶表示パネルであり得る。即ち、前記第1'基板2100上に薄膜トランジスタを形成し、前記薄膜トランジスタ上に保護膜を形成し、前記保護膜上にカラーフィルタ層を形成することができる。また、前記第1'基板2100には、薄膜トランジスタと接触する画素電極を形成する。このとき、開口率を向上し、マスク工程を簡略化するためにブラック電解質を省略し、共通電極がブラック電解質の役割を兼ねるように形成することもできる。
【0269】
また、前記表示パネル2000が液晶表示パネルの場合、前記表示装置は、前記表示パネル2000の背面で光を提供するバックライトユニット3000をさらに含むことができる。
【0270】
即ち、
図35のように、前記光経路制御部材は、前記液晶パネルの下部及び前記バックライトユニット3000の上部に配置されて、前記光経路制御部材は、前記バックライトユニット3000と前記表示パネル2000との間に配置され得る。
【0271】
また、
図36のように、前記表示パネル2000が有機発光ダイオードパネルの場合、前記光経路制御部材は、前記有機発光ダイオードパネルの上部に形成され得る。即ち、有機発光ダイオードパネルにおいて、使用者が眺める面が前記有機発光ダイオードパネルの上部と定義する時、前記光経路制御部材は、前記有機発光ダイオードパネルの上部に配置され得る。前記表示パネル2000は、別の光源を必要としない自発光素子を含むことができる。前記表示パネル2000は、第1'基板2100上に薄膜トランジスタが形成され、前記薄膜トランジスタと接触する有機発光素子が形成され得る。前記有機発光素子は、正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に形成された有機発光層を含むことができる。また、前記有機発光素子上にインカプセルのための封止基板の役割を果たす第2'基板2200をさらに含むことができる。
【0272】
即ち、前記表示パネル2000または前記バックライトユニット3000から出射される光は、前記光経路制御部材の第2基板120から第1基板110方向に移動することができる。
【0273】
また、図面には示されていないが、前記光経路制御部材1000と前記表示パネル2000との間に偏光板がさらに配置され得る。前記偏光板は、線偏光板または外光反射防止偏光板であり得る。例えば、前記表示パネル2000が液晶表示パネルの場合、前記偏光板は、線偏光板であり得る。また、前記表示パネル2000が有機発光ダイオードパネルの場合、前記偏光板は、外光反射防止偏光板であり得る。
【0274】
また、前記光経路制御部材1000上には、反射防止層またはアンチグレアなどの追加の機能層1300がさらに配置され得る。詳細には、前記機能層1300は、前記光経路制御部材の前記第1基板110の一面と接着され得る。図面には示されていないが、前記機能層1300は、前記光経路制御部材の前記第1基板110と接着層を介して互いに接着され得る。また、前記機能層1300上には、前記機能層を保護する離型フィルムがさらに配置され得る。
【0275】
また、前記表示パネルと光経路制御部材との間にはタッチパネルがさらに配置され得る。
【0276】
図面上には、前記光経路制御部材が前記表示パネルの上部に配置されることが示されたが、実施例はこれに限定されず、前記光制御部材は、光調節が可能な位置、即ち、前記表示パネルの下部、または前記表示パネルの第2基板及び第1基板の間など、多様な位置に配置され得る。
【0277】
また、図面においては、実施例に係る光経路制御部材の光変換部が前記第2基板の外側面と平行または垂直な方向に示されたが、前記光変換部は、前記第2基板の外側面と一定の角度で傾斜して形成することもできる。これにより、前記表示パネルと前記光経路制御部材との間に発生するモアレ現象を減らすことができる。
【0278】
図37~
図39を参照すると、実施例に係る光経路制御部材は、多様なディスプレイ装置に適用され得る。
【0279】
図37~
図39を参照すると、実施例に係る光経路制御部材は、ディスプレイを表示するディスプレイ装置に適用され得る。
【0280】
例えば、
図37のように光経路制御部材に電源が印加される場合、前記収容部が光透過部として機能して、ディスプレイ装置が遮光モードに駆動され得、
図38のように光経路制御部材に電源が印加されない場合には、前記収容部が光遮断部として機能して、ディスプレイ装置が遮光モードに駆動され得る。
【0281】
これにより、ユーザが電源の印加によってディスプレイ装置をプライバシーモードまたは一般モードに容易に駆動することができる。
【0282】
前記バックライトユニットまたは自発光素子から出射される光は、前記第1基板から前記第2基板方向に移動することができる。あるいは、前記バックライトユニットまたは自発光素子から出射される光は、前記第2基板から前記第1基板方向にも移動することができる。
【0283】
また、
図39を参照すると、実施例に係る光経路制御部材が適用されるディスプレイ装置は、車両の内部にも適用され得る。
【0284】
例えば、実施例に係る光経路制御部材を含むディスプレイ装置は、車両の情報及び車両の移動経路を確認する映像を表現することができる。前記ディスプレイ装置は、車両の運転席及び助手席の間に配置され得る。
【0285】
また、実施例に係る光経路制御部材は、車両の速度、エンジン、及び警告信号などを表示する計器盤に適用され得る。
【0286】
また、実施例に係る光経路制御部材は、車両の前面ガラス(FG)または左右の窓ガラスに適用され得る。
【0287】
上述した実施例に説明された特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例において例示された特徴、構造、効果などは実施例が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組合せまたは、変形して実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関係した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0288】
また、以上で実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有した者であれば本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上で例示されていない様々な変形と応用が可能であることが分かるだろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に関係した差異点は、添付した請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。