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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】シアシニング化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20231201BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20231201BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20231201BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20231201BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/73
A61K8/25
A61K8/81
A61Q19/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022569566
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 US2021032105
(87)【国際公開番号】W WO2021231658
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】63/025,800
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウィルソン エー.
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-273790(JP,A)
【文献】特開2000-016941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品組成物であって、
第1のゼータ電位を有する、カラギーナンである第1の活性成分と、
第2のゼータ電位を有する、ケイ酸リチウムマグネシウムナトリウムである第2の活性成分と、
第3のゼータ電位を有する、ポリクオタニウム-6である第3の活性成分と、
を含み、
前記化粧品組成物が、20~25℃の室温で1~10N/mの低せん断で100,000センチストークス(cSt)~500,000cStの範囲の粘度を示し、
前記化粧品組成物が、80~120N/mの高せん断でミスト形態を示す、
化粧品組成物。
【請求項2】
前記化粧品組成物が、1つ又は複数のノズルを介して単一のデバイスを通して送達される、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記化粧品組成物が、せん断応力下で単一のデバイスを通して送達される、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、及び前記第3の活性成分が、せん断感受性材料である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記化粧品組成物のゼータ電位が-10~-70ミリボルト(mV)である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記化粧品組成物が、高せん断及び低せん断で単一のデバイスの1つ又は複数のノズルを介して送達される、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
増粘剤を更に含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
フィルム形成剤を更に含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
カチオン性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、シアシニング(shear-thinning)化粧品組成物に関し、より詳細には、バランスのとれたゼータ電位を有するシアシニング化粧品組成物に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
クリーム、ゲル、ローション、又は他の粘性のある粘稠度を有する組成物は、より粘性の低い形態で分配するという課題を経験し得る。連続相又は経時的な粘度の低下を伴う、本質的にチキソトリピックなシアシニング組成物の作製は困難であり得る。せん断応力下で分配される場合、従来のシアシニング組成物は、噴出するか、又はノズル若しくはオリフィスの周囲に蓄積を生成すること等によって、大雑把に分配され得る。したがって、従来の粘性組成物は、微細なミストとして分配するのに十分な連続相を達成する能力を欠いている。
【0003】
本開示の実施形態は、一般に、第1のゼータ電位を有する第1の活性成分と、第2のゼータ電位を有する第2の活性成分と、第3のゼータ電位を有する第3の活性成分と、を含み得る化粧品組成物を提供する。第1のゼータ電位と第2のゼータ電位との第1の比は、約1:2であり得る。第1のゼータ電位と第3のゼータ電位との第2の比は、約1:2であり得る。第2のゼータ電位と第3のゼータ電位との第3の比は、約1:1であり得る。第1の活性成分、第2の活性成分、第3の活性成分、及び他の成分の組み合わせは、単一のデバイスを通して、その元の形態で、微細なミストとして送達され得る。
【0004】
本開示の実施形態は、第1のゼータ電位を有する第1の活性成分と、第2のゼータ電位を有する第2の活性成分と、第3のゼータ電位を有する第3の活性成分と、を含み得る化粧品組成物を提供し得る。第1のゼータ電位と第2のゼータ電位との第1の比は、約1:2であり得る。第1のゼータ電位と第3のゼータ電位との第2の比は、約1:2であり得る。第2のゼータ電位と第3のゼータ電位との第3の比は、約1:1であり得る。第1の活性成分、第2の活性成分、第3の活性成分、及び他の成分の組み合わせは、低せん断及び高せん断の両方の下で1つ又は複数のノズルを有する単一のデバイスを通して送達され得る。
【0005】
前述の概要は、詳細な説明において以下でより詳細に説明される選択された特徴に対する簡単な導入を提供することのみを意図している。他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかであり得る。したがって、この概要は、主要であるか、又は特許請求される主題に不可欠であると考えられる特徴を特定、表現、又は強調することを意図するものではない。更に、この概要は、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして使用されることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
なし
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書で定義される用語は、本発明に関連する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図するものではなく、例示のために特定の例が使用され得る一般的な分類を含む。本明細書における用語は、本発明の特定の実施形態を説明するために使用されるが、それらの使用法は、特許請求の範囲に概説されるものを除き、本発明の範囲を定めるものではない。
【0008】
本明細書で使用する場合、「化粧剤」又は「化粧成分」又は「成分」は、哺乳動物のケラチン組織への局所適用に好適な薬剤又は活性成分を意味する。化粧剤は、対象の皮膚、又は対象の皮膚、身体若しくは毛髪の外観(例えば、色、質感、見た目、感触等)若しくは匂いの洗浄又は強化又は保護を補助する物質であってもよい。化粧剤は、皮膚又は毛髪の下層構造を変化させ得る。
【0009】
本明細書で使用される場合、「予防する」及び「予防すること」という用語は、皮膚若しくは毛髪の状態の再発、拡がり、又は開始の予防を含む。本発明が完全な予防に限定されることは意図されない。
【0010】
「対象」は、任意の哺乳動物、好ましくは、ヒトを指す。
【0011】
本明細書で使用される場合、「局所」という用語は、皮膚上への1つ又は複数の薬剤(例えば、化粧用物質、ビタミン等)の投与を指す。
【0012】
「ゼータ電位」という用語は、ゼータ電位がせん断面における電位であることを指す。
【0013】
実施例及び比較例、又は別様に明示的に示される場合を除き、基材又は反応条件の量又は比率、基材及び/又は使用の物理的特性を示す本明細書における全ての数は、「約」という語によって修飾されるものとして理解されるべきである。全ての量は、特に明記しない限り、最終組成物の重量パーセントとして示される。
【0014】
用語「重量パーセント」は、本明細書において「重量%」として示されてもよい。
【0015】
全ての百分率、部、及び比率は、特に明記しない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。列挙された成分に関連するそのような全ての重量は、活性レベルに基づくため、特に指定のない限り、市販の材料に含まれ得る溶媒又は副生成物を含まない。
【0016】
本開示は、一般に、その元の形態で微細なミストとして分配することができるシアシニング化粧品組成物を提供する。その元の形態は、ゲル、ローション、クリーム、又は別の粘性組成物等の粘性組成物であってもよい。微細ミストは、約1マイクロメートル(μm)未満の粒子を提供し得る液体であり得る。
【0017】
組成物の形態及び他の成分
本発明の好ましい組成物は、単一水相であり、油又はシリコーンを含有しない。本発明の組成物は、典型的には、全組成物の約60重量%~75重量%の水を含んでもよい。この水の量は、Vinysol 2140L及びDaitosol 5000AD等の全ての供給源からの水である。本開示から逸脱することなく、75重量%超又は65重量%未満の水が存在し得ることが理解されるべきである。
【0018】
いくつかの潜在的な成分を除去した後、以下の表1に列挙されるように、化粧品組成物のゼータ電位のバランスをとるために以下の材料を選択した。
【0019】
Merquat(商標)100は、ポリクオタニウム-6(ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの高度に荷電したカチオン性ホモポリマー)の39~44%水溶液であり、Lubrizol Corporationから入手可能である。
【0020】
アクリレートコポリマーは、例えば、Daito Kasei Kogyo Co.からDaitosol(商標)5000ADとして市販されている。Daitosol 5000ADは、アクリレートコポリマーの50%水性混合物である。Daitosol 5000ADは、5.5~7.5のpH、50~100mPa-sの粘度、約-14℃のガラス転移温度(Tg)を有すると報告されている。
【0021】
ポリグリセリル-2イソステアレートは、例えば、Kokyu Alcohol Kogyo Co.,Ltd.からRisorex(商標)PGIS21として市販されている。
【0022】
水溶性紅藻類抽出物は、例えば、KnowdeからGelalg(商標)SPEとして市販されている。
【0023】
ケイ酸リチウムマグネシウムナトリウムは、例えば、Eckart AmericaからLaponite-XLG XR(商標)として市販されている。
【0024】
残りの成分は、ゼータ電位を提供しなくてもよく、又は約0の無視できるゼータ電位を提供してもよいことを理解されるべきである。したがって、残りの成分は、化粧品組成物のゼータ電位に影響を与えない。
【0025】
成分の組み合わせは、1超のゼータ電位を提供し得る。例えば、Gelalg SPE等の第1の活性成分は、第1のゼータ電位を有する。第1のゼータ電位は、Laponite XLG XR等の第2の活性成分の第2のゼータ電位の約半分に等しくてもよい。言い換えれば、第1のゼータ電位と第2のゼータ電位との間の比は、約1:2であり得る。第1のゼータ電位はまた、ポリクオタニウム-6等の第3の活性成分の第3のゼータ電位の約半分に等しくてもよい。第1のゼータ電位は、約+24.34mVであってもよい。第2のゼータ電位は、約+50.23mVであってもよい。第3ゼータ電位は、約+51.10mVであってもよい。言い換えれば、第1のゼータ電位と第3のゼータ電位との間の比は、約1:2であり得る。本開示から逸脱することなく、第1のゼータ電位は+24.34mVより小さくても大きくてもよいことを理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、第2のゼータ電位は+50.23mVより小さくても大きくてもよいことも理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、第3のゼータ電位は+24.34mVよりも小さくても大きくてもよいことを更に理解されるべきである。化粧品組成物のゼータ電位は、-40~-50mVであってもよい。
【0026】
ヒト皮膚のゼータ電位は、典型的には約-25mVである。-25mVより大きいゼータ電位を有する組成物は、使用者又はヒトの皮膚に最良に付着し得るか、又は使用者又はヒトの皮膚に最も有効な適用を提供し得る。ゼータ電位の大きさは、分散物中の粒子間の静電反発又は静電引力の程度を示す。より大きい程、粒子が懸濁液中に留まり、より大きな安定性を提供する可能性がより高いことを示し得る。一般に、ゼータ電位が高い程、コロイド系のより高い安定性を提供し得る。より高い表面電荷が粒子の電荷に対抗する時、反発力は引力よりも大きくなり得る。2つの原子間の安定状態は、互いに反発する力と同等の力で互いに引力を提供することを理解されるべきである。
【0027】
いくつかの実施形態では、成分のゼータ電位の比は、約1:1~約1:10、最も好ましくは13:1~約15:1の範囲であってもよい。
【0028】
組成物ゼータ電位は、化粧品組成物の粘度を低下させ、ゼータ電位は、約-5ミリボルト~約-90ミリボルト、好ましくは約-46ミリボルト(mV)、より好ましくは約-10~-70ミリボルト(mV)の範囲である。
【0029】
第1の活性成分、第2の活性成分、及び第3の活性成分の組み合わせは、約20~25℃の室温で約1~10ニュートン/平方メートル(N/m)の範囲の高せん断及び低せん断で単一デバイスの1つ又は複数のノズルを通して送達される。約20~25℃で約80から120N/mの高せん断で約100,000cSt~約500,000cStの範囲の粘度。例えば、ローションは約1~10N/mの低せん断を示してもよく、ミストは約80~120N/mの高せん断を示してもよい。ゼータ電位測定。
【0030】
第1の活性成分、第2の活性成分、及び第3の活性成分の組み合わせは、約0センチストークス(cSt)~1500万cSt、好ましくは約0センチストークス(cSt)~500万cStの範囲の粘度を有する。
【0031】
ゼータ電位は、コロイド分散液、すなわちクリーム及びローションの安定性の重要な指標である。ゼータ電位は、粒子間の静電又は電荷反発/引力の大きさを測定し、組成物の安定性に影響を及ぼすことが知られている基本的なパラメータの1つである。換言すれば、ゼータ電位は、せん断面における電位である。ゼータ電位の測定は、分散、凝集、及び/又は凝結の原因への洞察を提供し、分散液、エマルジョン、及び懸濁液の製剤を改善するために適用され得る。
【0032】
概して、ヒト皮膚のゼータ電位は、典型的には約-25mVである。本発明による組成物は、-25mVより大きいゼータ電位を含む。ゼータ電位を有するそのような組成物は、使用者又はヒトの皮膚に最もよく接着するか、又は最も効果的な適用を提供し得る。ゼータ電位の大きさは、分散物中の粒子間の静電反発又は静電引力の程度を示す。より大きい程、粒子が懸濁液中に留まり、より大きな安定性を提供する可能性がより高いことを示し得る。一般に、ゼータ電位が高い程、コロイド系のより高い安定性を提供し得る。より高い表面電荷が粒子の電荷に対抗する時、反発力は引力よりも大きくなり得る。2つの原子間の安定状態は、互いに反発する力と同等の力で互いに引力を提供することを理解されるべきである。
【0033】
本発明のシアシニング組成物は、擬塑性であってもよく、流体の非ニュートン挙動を提供してもよい。化粧品組成物は、本開示から逸脱することなく、フィルム形成剤及び/又は包括的若しくは排他的な色若しくは着色剤を有する局所製剤を提供し得ることも理解されるべきである。化粧品組成物は、均一な被覆を皮膚に送達するための噴霧器を提供し得るセッティングプライマーであってもよいことが更に理解されるべきである。スプレーの出力は、最適な結果を達成するために微細なミストを送達するように設計され得ることが理解されるべきである。本開示のシアシニング化粧品組成物又は高粘度を有する擬塑性体は、本開示から逸脱することなく任意の角度で噴霧し得ることも理解されるべきである。
【0034】
残りの成分は、ゼータ電位を提供しなくてもよく、又は約0の無視できるゼータ電位を提供してもよいことを理解されるべきである。したがって、残りの成分は、化粧品組成物のゼータ電位に影響を与えない。
【0035】
製剤
本発明の一態様によれば、化粧剤を含む製剤は、哺乳動物のケラチン組織、ヒトの皮膚、顔又は毛髪に適用され得る。化粧剤を含む製剤は、様々な形態のものであり得る。例えば、このような形態のいくつかの非限定的な例としては、溶液、懸濁液、ローション、クリーム、ゲル、エマルジョン、懸濁液、トナー、軟膏、洗浄剤、角質除去剤、液体シャンプー及びヘアコンディショナー、ペースト、発泡体、粉末、ムース、シェービングクリーム、ヒドロゲル、フィルム形成製品、顔及び皮膚用マスクなどが挙げられる。
【0036】
紫外線への曝露は、角質層の過度のスケーリング及び質感変化をもたらし得る。したがって、本発明の化粧剤は、場合により日焼け止め活性物質を含有してもよい。本明細書で使用される場合、「日焼け止め活性物質」は、日焼け止め剤及び物理的日焼け止めの両方を含む。好適な日焼け止め活性物質は、有機又は無機であってもよい。
【0037】
本明細書で有用な無機日焼け止め剤としては、以下の金属酸化物、約15nm~約100nmの平均一次粒径を有する二酸化チタン、約15nm~約150nmの平均一次粒径を有する酸化亜鉛、約15nm~約150nmの平均一次粒径を有する酸化ジルコニウム、約15nm~約500nmの平均一次粒径を有する酸化鉄、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用される場合、無機日焼け止め剤は、化粧剤の約0.1重量%~約20重量%、好ましくは約0.5重量%~約10重量%、より好ましくは約1重量%~約5重量%の量で存在する。
【0038】
多種多様な従来の有機日焼け止め活性物質が、本明細書での使用に好適である。Sagarin,et al.,at Chapter VIII,pages 189 et seq.,of Cosmetics Science and Technology(1972)は、多数の好適な活性物質を開示している。具体的な好適な日焼け止め活性物質としては、例えば、p-アミノ安息香酸、その塩及びその誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸);アントラニル酸(すなわち、o-アミノ-ベンゾアート、メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル、及びシクロヘキセニルエステル);サリチレート(アミル、フェニル、オクチル、ベンジル、メンチル、グリセリル、及びジ-プロピレングリコールエステル);ケイ皮酸誘導体(メンチル及びベンジルエステル、α-フェニルシンナモニトリル;ブチルシンナモイルピルベート;ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセト-ウンベリフェロン);トリヒドロキシ-ケイ皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチン、並びにグルコシド、エスクリン及びダフニン);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザルアセトン及びベンザルアセトフェノン、ナフトールスルホネート(2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸及び2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸のナトリウム塩);ジヒドロキシナフトエ酸及びその塩;o-及びp-ヒドロキシビフェニルジスルホネート;クマリン誘導体(7-ヒドロキシ、7-メチル、3-フェニル);ジアゾール類(2-アセチル-3-ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトオキサゾール、各種アリールベンゾチアゾール類);キニーネ塩(重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩、及びタンニン酸塩);キノリン誘導体(8-ヒドロキシキノリン塩、2-フェニルキノリン);ヒドロキシ又はメトキシ置換ベンゾフェノン;尿酸及びビオ尿酸;タンニン酸及びその誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);(ブチルカルボトール)(6-プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン類(オキシベンゼン、スリソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレゾルシノール、2,2,4,4-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン;4-イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;エトクリレン;オクトクリレン;[3-(4’-メチルベンジリデンボマン-2-オン)、テレフタリリデンジカンファースルホン酸及び4-イソプロピル-ジ-ベンゾイルメタンが挙げられる。これらのうち、2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート(PARSOL MCXとして市販されている)、4,4-t-ブチルメトキシジベンゾイル-メタン(PARSOL 1789として市販されている)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル-p-アミノ安息香酸、ジガロイルトリオレエート、2,2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、エチル-4-(ビス(ヒドロキシプロピル))アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-エチルヘキシルサリチレート、グリセリル-p-アミノベンゾエート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルサリチレート、メチルアントラニレート、p-ジメチル-アミノ安息香酸又はアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ジメチル-アミノ-ベンゾエート、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、2-(p-ジメチルアミノフェニル)-5-スルンベンゾオキサゾ酸(sulfonicbenzoxazoic acid)、オクトクリレン及びこれらの化合物の混合物が好ましい。
【0039】
本発明において有用な化粧剤において有用なより好ましい有機日焼け止め活性物質は、2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート、ブチルメトキシジベンゾイル-メタン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾ-フェノン、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、オクチルジメチル-p-アミノ安息香酸、オクトクリレン、及びそれらの混合物である。
【0040】
また、1990年6月26日にSabatelliに発行された米国特許第4,937,370号、及び1991年3月12日にSabatelli及びSpirnakに発行された米国特許第4,999,186号に開示されているような日焼け止め活性物質も、化粧剤において特に有用である。そこに開示されている日焼け止め剤は、単一粒子中に、異なる紫外線吸収スペクトルを示す2つの別個の発色団部分を有する。発色団部分の一方は主にUVB放射線範囲で吸収し、他方はUVA放射線範囲で強く吸収する。
【0041】
このクラスの日焼け止め剤の好ましいメンバーは、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンの4-N,N-(2-エチルヘキシル)メチル-アミノ安息香酸エステル;4-ヒドロキシジベンゾイルメタンとのN,N-ジ-(2-エチルヘキシル)-4-アミノ安息香酸エステル;4-ヒドロキシジベンゾイルメタンとの4-N,N-(2-エチルヘキシル)メチル-アミノ安息香酸エステル;2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノンの4-N,N-(2-エチルヘキシル)メチル-アミノ安息香酸エステル;4-(2-ヒドロキシエトキシ)ジベンゾイルメタンの4-N,N-(2-エチルヘキシル)-メチルアミノ安息香酸エステル;2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノンのN,N-ジ-(2-エチルヘキシル)-4-アミノ安息香酸エステル;及び4-(2-ヒドロキシエトキシ)ジベンゾイルメタンのN,N-ジ-(2-エチルヘキシル)-4-アミノ安息香酸エステル、並びにこれらの混合物である。
【0042】
特に好ましい日焼け止め活性物質としては、4,4’-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、及びオクトクリレンが挙げられる。安全かつ有効な量の有機日焼け止め活性物質が使用され、典型的には化粧剤の約1重量%~約20重量%、より典型的には約2重量%~約10重量%である。正確な量は、選択された1つ又は複数の日焼け止め剤及び所望の日焼け防止指数(SPF)に依存して変化する。
【0043】
更に、局所化粧剤は、従来の化粧用補助剤及び添加剤、例えば防腐剤、酸化防止剤、脂肪物質、油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、皮膚軟化剤、乳化剤、日焼け止め剤、消泡剤、界面活性剤(カチオン性界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性若しくは両性ポリマー又はそれらの混合物を含む)、噴射剤、酸性化剤又は塩基性剤、染料、色素/着色剤、研磨剤、皮膚感覚剤、収斂剤、顔料若しくはナノ顔料又は可燃性顔料、例えば、限定されないが、酸化鉄、金属酸化物又は化粧品組成物に典型的に配合される任意の他の成分を含有し得る。本発明の化粧品組成物における使用に好適であり、スキンケア産業において従来から使用されているこのような化粧品成分は、例えば、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition(1992)に記載されているが、これらに限定されない。
【0044】
本発明の化粧剤は、限定されるものではないが、ローション、乳液、クリーム及びオイル、エマルジョン中のオイル、水性物質、ゲル、ヒドロゲル、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、染毛剤、ヘアカラー、染毛用処理前及び後の薬剤及び枝毛用コーティング剤等の形態で存在していてもよい。
【0045】
本発明の化粧剤の製剤タイプは、溶液系、可溶性系、エマルジョン系、ゲル系、粉末分散系、又は水油二相系を含む任意のタイプのものであってよい。
【0046】
添加剤として好適であり得る従来の化粧用補助剤は、例えば、共乳化剤、脂質及びワックス、安定剤、増粘剤、生物原性剤、フィルム形成剤、芳香剤、染料、真珠光沢剤、防腐剤、顔料、電解質(例えば硫酸マグネシウム)、並びにpH調節剤である。共乳化剤は、好ましくは、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル、又は部分的にエステル化されたグリセリドなどの既知のW/O乳化剤、及び更にはO/W乳化剤である。脂質の典型的な例は、グリセリドであり、とりわけ、蜜蝋、パラフィンワックス、又は微結晶ワックスなどの親水化されたものと組み合わせて言及され得るワックスがある。
【0047】
ステアリン酸マグネシウム、アルミニウム、及び/又は亜鉛などの脂肪酸の金属塩を用いることができる。好適な増粘剤は、例えば、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、多糖類、より具体的には、キサンタンガム、グアー-グアー、寒天、アルギネート及びチロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、並びに更には脂肪族アルコール、モノグリセリド及び脂肪酸、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドンである。
【0048】
例えば、生体活性植物抽出物、タンパク質加水分解物及びビタミン複合体が理解される。慣例的なフィルム形成剤は、例えば、ハイドロコロイド、例えば、キトサン、微結晶キトサン、又は四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー、アクリル酸系のポリマー、四級セルロース誘導体、及び同様の化合物である。
【0049】
好適な防腐剤は、例えば、ホルムアルデヒド溶液、p-ヒドロキシ安息香酸、又はソルビン酸である。例えば、エチレングリコールジステアリン酸エステルなどの真珠光沢剤には、コールジステアレート(coldistearate)があるが、(複数の)脂肪酸及び脂肪酸も考慮される。
【0050】
美容目的に好適な染料、及び認可された物質を使用することができる。このような染料は、通常、全混合物に基づいて0.001~0.1重量%の濃度で使用される。酸化防止剤の追加の含有が一般に好ましい。したがって、化粧品用途及び/又は皮膚科学用途に適した又は通例の全ての酸化防止剤を、好ましい酸化防止剤として使用することができる。
【0051】
したがって、本発明の日焼け止め組成物は、例えば油中水型クリーム、水中油型クリーム及びローション、エアロゾールフォームクリーム、ゲル、油、グリースペンシル、ダスティングパウダー、スプレー、又はヒドロアルコール性ローションとして、液体、ペースト、又は固体形態であり得る。
【0052】
使用
本発明の別の態様は、化粧品目的のための使用であり、化粧用途、例えば、限定されないが、皮膚の老化の徴候を予防及び/又は治療し、皮膚を紫外線から保護することを含む。
【0053】
他の用途には、光度の低下、顔色の放射輝度の低下、皮膚の表面の障害、及び/又は皮膚の粒子の障害を予防及び/又は治療すること、並びに/あるいは皮膚の生体機械的特性を維持及び/又は改善すること、並びに/あるいは線維芽細胞のエネルギー機構を刺激すること、毛髪を改善すること、毛髪の質感を改善すること、皮膚の放射輝度を改善すること、皮膚をUV放射から保護すること、日焼け止めとして作用すること、皮膚の障害、小じわ、しわ、老化、又はデパフを治療することも含まれる。
【0054】
本発明による組成物は、せん断を容易にするために1つ又は複数のノズルを有するデバイスによって送達されてもよい。デバイスは、単一のデバイスであってもよく、微細スプレー又は微細ミストとしての分配を容易にし得る。
【0055】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正が行われ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内である全てのそのような変更及び修正を対象とすることが意図される。
【0056】
実施例
【0057】
【表1】
アクリレート/VAコポリマー/EDTA二ナトリウムの60%水性混合物
ポリクオタニウム-6
アクリレートコポリマーの50%水性混合物
イソステアリン酸ポリグリセリル-2
カラギーナンの90%水性混合物
ケイ酸リチウムマグネシウムナトリウム
ヒアルロン酸ナトリウム
ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン
【0058】
【表2】
アクリレート/VAコポリマー/EDTA二ナトリウムの60%水性混合物
ポリクオタニウム-6
アクリレートコポリマーの50%水性混合物
イソステアリン酸ポリグリセリル-2
カラギーナンの90%水性混合物
ケイ酸リチウムマグネシウムナトリウム
ヒアルロン酸ナトリウム
ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン
【0059】
レオロジープロファイル
シアシニング化粧品組成物は、約20~25℃の室温で約1~10ニュートン/平方メートル(N/m)の低せん断で約100,000センチストークス(cSt)~約500,000cStの範囲の粘度を提供し得るレオロジープロフィールをもたらし得る。約20~25℃で約80から120N/mの高せん断で約100,000cSt~約500,000cStの範囲の粘度。例えば、ローションは約1~10N/mの低せん断を示してもよく、ミストは約80~120N/mの高せん断を示してもよい。
【0060】
ゼータ電位測定
実施例3:電位(以下、「ゼータ電位」)
ゼータ電位は、コロイド分散液、すなわちクリーム及びローションの安定性の重要な指標である。ゼータ電位は、粒子間の静電又は電荷反発/引力の大きさを測定し、組成物の安定性に影響を及ぼすことが知られている基本的なパラメータの1つである。換言すれば、ゼータ電位は、せん断面における電位である。ゼータ電位の測定は、分散、凝集、及び/又は凝結の原因への洞察を提供し、分散液、エマルジョン、及び懸濁液の製剤を改善するために適用され得る。
【0061】
以下の実施例は、微細なミストとして及びその元の形態の両方で分配することができるシアシニング化粧品組成物の各成分のゼータ電位を含み、限定することを意図しない。元の形態は、ゲル、クリーム、ローション等を含み得るが、これらに限定されないことを理解されるべきである。微細なミストは、約1μm未満の粒子を提供し得ることを理解されるべきである。
【0062】
【表3】
ゼータ電位は最小であるか又は無視できるほどであり、それによって製法I及びIIのゼータ電位に影響を与えないことが理解されるべきである。
【0063】
成分の組み合わせは、第1のゼータ電位を有するGelalg SPE等の第1の活性成分を提供し得る。第1のゼータ電位は、Laponite XLG XR等の第2の活性成分の第2のゼータ電位の約半分に等しくてもよい。言い換えれば、第1のゼータ電位と第2のゼータ電位との間の比は、約1:2であり得る。第1のゼータ電位はまた、ポリクオタニウム-6等の第3の活性成分の第3のゼータ電位の約半分に等しくてもよい。第1のゼータ電位は、約+24.34mVであってもよい。第2のゼータ電位は、約+50.23mVであってもよい。第3ゼータ電位は、約+51.10mVであってもよい。言い換えれば、第1のゼータ電位と第3のゼータ電位との間の比は、約1:2であり得る。本開示から逸脱することなく、第1のゼータ電位は+24.34mVより小さくても大きくてもよいことを理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、第2のゼータ電位は+50.23mVより小さくても大きくてもよいことも理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、第3のゼータ電位は+24.34mVよりも小さくても大きくてもよいことを更に理解されるべきである。化粧品組成物のゼータ電位は、-40~-50mVであってもよい。皮膚のゼータ電位
【0064】
ヒト皮膚のゼータ電位は、典型的には約-25mVである。-25mVより大きいゼータ電位を有する組成物は、使用者又はヒトの皮膚に最良に付着し得るか、又は使用者又はヒトの皮膚に最も有効な適用を提供し得る。ゼータ電位の大きさは、分散物中の粒子間の静電反発又は静電引力の程度を示す。より大きい程、粒子が懸濁液中に留まり、より大きな安定性を提供する可能性がより高いことを示し得る。一般に、高いゼータ電位が高い程、コロイド系のより高い安定性を提供し得る。より高い表面電荷が粒子の電荷に対抗する時、反発力は引力よりも大きくなり得る。2つの原子間の安定状態は、互いに反発する力と同等の力で互いに引力を提供することを理解されるべきである。
【0065】
上記の製法I及びII中の各活性成分のゼータ電位を、以下に示す手順を用いて測定した。
【0066】
1.約49.8グラムの蒸留水及び約0.2グラムの活性成分を2オンス容器に入れた。
2.容器を蓋で覆い、室温で約30分間超音波処理した。
3.キャピラリーセルを反転させ、超音波処理したサンプルをそのシリンジからキャピラリーセルにゆっくり注入して、Uチューブを約50%をわずかに超えて充填した。
4.気泡はセル内に形成されなかった。
5.セルを直立させ、試料が電極又は金金属の上部に配置されるまでゆっくりと注入を続け、気泡がセル内にないことを確実にするために再び監視した。必要に応じて、気泡を除去するためにセルを穏やかにタップした。
6.セルの内側の両方の電極を試料中に完全に浸漬した。
7.各ポートにセルストッパを挿入した。
8.セルを装置に装填し、セルの三角形をナノ粒子の前面に向けた。
9.セルが停止するまで、セルをホルダーに装填又は押し込んだ。
10.測定チャンバの蓋を閉じてセルを覆った。
11.ナノ粒子及びコンピュータの電源を入れた。
12.標準的な操作手順(SOP)に従って、測定及び試験を完了した。
【0067】
粒径範囲は、約0.3ナノメートル~約-10マイクロメートルであり得ることを理解されるべきである。ゼータ電位は、約61ミリボルト(mV)以上で優れた安定性;約40mV~60mVで良好な安定性;約30mV~40mVで中程度の安定性;約10~30mVで初期安定性;及び約0~5mVで急速な凝固又は凝集をもたらし得ることを理解されるべきである。
【0068】
シアシニング組成物は、擬塑性であってもよく、流体の非ニュートン挙動を提供してもよいことを理解されたい。化粧品組成物は、本開示から逸脱することなく、フィルム形成剤及び/又は包括的若しくは排他的な色若しくは着色剤を有する局所製剤を提供し得ることも理解されるべきである。化粧品組成物は、均一な被覆を皮膚に送達するための噴霧器を提供し得るセッティングプライマーであってもよいことが更に理解されるべきである。スプレーの出力は、最適な結果を達成するために微細なミストを送達するように設計され得ることが理解されるべきである。本開示のシアシニング化粧品組成物又は高粘度を有する擬塑性体は、本開示から逸脱することなく任意の角度で噴霧し得ることも理解されるべきである。
【0069】
代わりに、別段の指定がない限り、かかる各寸法は、列挙された値及びその値を取り囲む機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0070】
本特許文書で使用される特定の単語及び語句の定義を記載することが有利であり得る。「含む(including)」及び「含む(comprise)」という用語、並びにそれらの派生語は、限定することなく、包含を意味する。「又は」という用語は、包括的であり、及び/又はを意味する。「関連する」及び「それに関連する」という語句、並びにそれらの派生語は、含む(include)、~内に含まれる(be included within)、~と相互接続する(interconnect with)、含む(contain)、~内に含まれる(be contained within)、~に又は~と接続する(connect to or with)、~と通信可能である(be communicable with)、~と協同する(cooperate with)、インターリーブ、並置、~に近接する(be proximate to)、~に又は~と結合される(be bound to or with)、有する、~の特質を有する(have a property of)などを意味し得る。
【0071】
本開示は特定の実施形態及び一般に関連する方法を記載してきたが、これらの実施形態及び方法の、改変及び並べ替えが当業者には明らかであろう。したがって、例示的な実施形態の上記の説明は、本開示を定義又は制約しない。以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、及び回は煙も可能である。
本開示の態様として、以下のものを挙げることができる。
[1]
化粧品組成物であって、
第1のゼータ電位を有する第1の活性成分と、
第2のゼータ電位を有する第2の活性成分と、
第3のゼータ電位を有する第3の活性成分と、
を含み、
前記第1のゼータ電位と前記第2のゼータ電位との第1の比は、約1:2であり、
前記第1のゼータ電位と前記第3のゼータ電位との第2の比は、約1:2であり、
前記第2のゼータ電位と前記第3のゼータ電位との第3の比は、約1:1であり、
前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、前記第3の活性成分、及び他の成分の組み合わせは、単一のデバイスを通して、その元の形態で、微細なミストとして送達される、
化粧品組成物。
[2]
前記化粧品組成物が、1つ又は複数のノズルを介して前記単一のデバイスを通して送達される、態様1に記載の化粧品組成物。
[3]
前記化粧品組成物が、せん断応力下で前記単一のデバイスを通して送達される、態様1に記載の化粧品組成物。
[4]
前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、及び前記第3の活性成分が、せん断感受性材料である、態様1に記載の化粧品組成物。
[5]
組成物のゼータ電位が前記化粧品組成物の粘度を低下させる、態様1に記載の化粧品組成物。
[6]
前記組成物のゼータ電位が約-46ミリボルト(mV)である、態様5に記載の化粧品組成物。
[7]
前記組成物のゼータ電位が約-10~-70ミリボルト(mV)である、態様5に記載の化粧品組成物。
[8]
前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、及び前記第3の活性成分の組み合わせが、高せん断及び低せん断で前記単一のデバイスの1つ又は複数のノズルを介して送達される、態様1に記載の化粧品組成物。
[9]
前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、及び前記第3の活性成分の組み合わせが、約0センチストークス(cSt)~500万cStの範囲の粘度を有する、態様1に記載の化粧品組成物。
[10]
増粘剤を更に含む、態様1に記載の化粧品組成物。
[11]
フィルム形成剤を更に含む、態様1に記載の化粧品組成物。
[12]
カチオン性界面活性剤を更に含む、態様1に記載の化粧品組成物。
[13]
化粧品組成物であって、
第1のゼータ電位を有する第1の活性成分と、
第2のゼータ電位を有する第2の活性成分と、
第3のゼータ電位を有する第3の活性成分と、
を含み、
前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、前記第3の活性成分、及び他の成分の組み合わせが、低せん断及び高せん断の両方の下で1つ又は複数のノズルを有する単一のデバイスを通して送達される、
化粧品組成物。
[14]
増粘剤、フィルム形成剤、及びカチオン性界面活性剤を更に含む、態様13に記載の化粧品組成物。
[15]
前記第1のゼータ電位と前記第2のゼータ電位との第1の比が、約1:2であり、
前記第1のゼータ電位と前記第3のゼータ電位との第2の比が、約1:2であり、
前記第2のゼータ電位と前記第3のゼータ電位との第3の比が、約1:1である、
態様13に記載の化粧品組成物。
[16]
前記化粧品組成物が、前記単一のデバイスを通して送達され、微細なミストとして分配される、態様13に記載の化粧品組成物。
[17]
前記第1の活性成分、前記第2の活性成分、及び前記第3の活性成分の組み合わせが、約0センチストークス(cSt)~500万cStの範囲の粘度を有する、態様13に記載の化粧品組成物。