(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】表示ユニット及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/302 20060101AFI20231201BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231201BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/00 335E
G09F9/33
(21)【出願番号】P 2022581047
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(86)【国際出願番号】 JP2021004773
(87)【国際公開番号】W WO2022172324
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】切通 聡
(72)【発明者】
【氏名】財部 裕一郎
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-111288(JP,A)
【文献】特開2009-230096(JP,A)
【文献】国際公開第2018/138892(WO,A1)
【文献】特開平10-161569(JP,A)
【文献】特開平10-254386(JP,A)
【文献】特開2003-255862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の実装面に配置され、正方格子の3つの格子点に画素を有し、前記正方格子の残りの格子点に画素を有さない複数の画素群と、
前記画素の列の方向に沿って延びる庇部と、を備え、
前記画素群は、画素として、前記正方格子の格子点の1つに位置する第1発光素子と、前記第1発光素子が位置する前記正方格子の格子点に隣り合う2つの前記正方格子の格子点のそれぞれに位置する第2発光素子とを有し、
前記第1発光素子と前記第2発光素子のうちの一方は、赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能であり、前記第1発光素子と前記第2発光素子のうちの他方は、白色光のみを放射
し、
設置した状態において、赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能である前記第1発光素子又は前記第2発光素子の鉛直上方に位置する前記庇部の前記実装面からの高さが、白色光のみを放射する前記第1発光素子又は前記第2発光素子の鉛直上方に位置する前記庇部の前記実装面からの高さよりも、高い、
表示ユニット。
【請求項2】
設置した状態において、前記正方格子の辺が鉛直方向に対して45°傾斜している、
請求項1に記載の表示ユニット。
【請求項3】
設置した状態において、前記第1発光素子の鉛直上方に位置する前記庇部と前記第2発光素子の鉛直上方に位置する前記庇部は、それぞれ、前記第1発光素子の前記実装面からの高さと前記第2発光素子の前記実装面からの高さに応じた、前記実装面からの高さを有する、
請求項
1又は2に記載の表示ユニット。
【請求項4】
前記第1発光素子が実装された位置と前記第2発光素子が実装された位置に形成され、前記第1発光素子と前記第2発光素子のそれぞれを挿入される複数の開口部を有し、前記実装面に配置されるマスク板を、備える、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の表示ユニット。
【請求項5】
前記第1発光素子を挿入される前記開口部と前記第2発光素子を挿入される前記開口部は、それぞれ、前記第1発光素子の大きさと前記第2発光素子の大きさに応じた大きさを有する、
請求項
4に記載の表示ユニット。
【請求項6】
前記第1発光素子を挿入される前記開口部と前記第1発光素子との間の隙間の大きさと、前記第2発光素子を挿入される前記開口部と前記第2発光素子との間の隙間の大きさとが、等しい、
請求項
4又は
5に記載の表示ユニット。
【請求項7】
白色光のみを放射する前記第1発光素子又は前記第2発光素子は、放射光を集光するレンズ部を有する、
請求項1から
6のいずれか1項に記載の表示ユニット。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか1項に記載の表示ユニットを複数組み合わされた、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示ユニット及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)素子が配置された表示装置が知られている。例えば、特許文献1は、2×2の4画素からなる基本格子(正方格子)の4画素の内、少なくとも1つの画素にRGBの3原色を含む3in1発光素子を割り当て、残りの画素に単色の発光素子を割り当てたパターンの基本格子を格子状に繰り返して配列した画像表示装置を、開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、正方格子の4つの格子点のそれぞれに発光素子が割り当てられている。したがって、特許文献1の発光素子の配列を用いて、大型・高精細の画像表示装置を作製すると、発光素子の数が非常に多くなる。これにより、画像表示装置の製造コストが上昇する。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、画質の低下を抑えると共に、発光素子の数を削減して製造コストを低減できる、表示ユニット及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
表示ユニットは、基板と、基板の実装面に配置され、正方格子の3つの格子点に画素を有し正方格子の残りの格子点に画素を有さない複数の画素群と、画素の列の方向に沿って延びる庇部と、を備える。画素群は、画素として、正方格子の格子点の1つに位置する第1発光素子と、第1発光素子が位置する正方格子の格子点に隣り合う2つの正方格子の格子点のそれぞれに位置する第2発光素子とを有する。第1発光素子と第2発光素子のうちの一方は、赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能である。第1発光素子と第2発光素子のうちの他方は、白色光のみを放射する。設置した状態において、赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能である第1発光素子又は第2発光素子の鉛直上方に位置する庇部の実装面からの高さが、白色光のみを放射する第1発光素子又は第2発光素子の鉛直上方に位置する庇部の実装面からの高さよりも、高い。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、発光素子が正方格子の残り1つの格子点に配置されないので、画質の低下を抑えると共に、発光素子の数を削減して製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1に係る表示ユニットの正面を示す模式図
【
図4】実施形態1に係る表示ユニットの解像度を示す図
【
図6】実施形態2に係る表示ユニットの正面を示す模式図
【
図8】実施形態2に係る表示ユニットの解像度を示す図
【
図9】実施形態3に係る表示ユニットの正面を示す模式図
【
図12】
図9に示す表示ユニットをE-E線で矢視した断面図
【
図13】
図9に示す表示ユニットをF-F線で矢視した断面図
【
図14】実施形態4に係る表示ユニットの正面を示す模式図
【
図17】
図14に示す表示ユニットをJ-J線で矢視した断面図
【
図18】
図14に示す表示ユニットをK-K線で矢視した断面図
【
図19】実施形態5に係る表示ユニットの正面を示す模式図
【
図21】実施形態5に係る開口部と第1発光素子の大きさを示す模式図
【
図22】実施形態5に係る開口部と第2発光素子の大きさを示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る表示ユニットと表示装置について、図面を参照して説明する。
【0010】
<実施形態1>
図1~
図5を参照して、実施形態1に係る表示ユニット10について説明する。理解を容易にするために、表示ユニット10が野外で表示ユニット10の正面を地面に対して垂直に設置されたと仮定し、鉛直方向をY軸方向と、地面と表示ユニット10の正面とに平行な方向をX軸方向と、X軸方向とY軸方向とに垂直な正面方向をZ軸方向として説明する。また、表示ユニット10を設置すると+Y方向が上向きとなるので、+Y方向を上方又は鉛直上方とも記載する。これらの規定は他の実施形態においても同様である。
【0011】
表示ユニット10は、
図1に示すように、基板20と、基板20の実装面20aに配置される複数の画素群30とを備える。画素群30は、画素として、正方格子30aの格子点Aに位置する第1発光素子32と、第1発光素子32が位置する正方格子30aの格子点Aに隣り合う2つの正方格子30aの格子点B、Cのそれぞれに位置する第2発光素子34とを有する。第1発光素子32は赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能である。第2発光素子は白色光のみを放射する。ここで、赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能とは、赤色光と緑色光と青色光の放射光強度を独立に調整できることを意味する。
表示ユニット10は、競技場、ビルの壁面等の野外に設置される。
【0012】
基板20は、画素群30が配置される実装面20aを有する。基板20は、絶縁性の樹脂から作製される。絶縁性の樹脂は、例えば、ガラス繊維を混入させたエポキシ樹脂である。基板20は、図示しない、配線と駆動IC(IC:Integrated Circuit)とを備える。基板20の駆動ICは、基板20の配線を介して、第1発光素子32と第2発光素子34に電力を供給して、第1発光素子32と第2発光素子34とを駆動する。表示ユニット10の外部の電源から、電力が基板20の駆動ICに供給される。
【0013】
画素群30は、
図1、
図2に示すように、正方格子30aの3つの格子点A、B、Cに画素を有し、正方格子30aの残りの格子点Dに画素を有さない。表示ユニット10を平面視した場合、画素の中心のそれぞれが格子点A、B、Cのそれぞれに位置している。表示ユニット10を設置した状態において、画素群30は、格子点Aと格子点Bとがなす辺を上方、すなわち+Y方向に向けて基板20の実装面20aにマトリクス状に配置される。
【0014】
本実施形態では、理解を容易にするために、
図2に示すように、X方向に並ぶ格子点Aと格子点Bとの間隔と、X方向に並ぶ格子点Cと格子点Dとの間隔とをx1とする。また、Y方向に並ぶ格子点Aと格子点Cとの間隔と、Y方向に並ぶ格子点Bと格子点Dとの間隔とをy1とする。さらに、画素群30は、
図1に示すように、X方向に正方格子30aの間隔をx1として等間隔に配列し、Y方向に正方格子30aの間隔をy1として等間隔に配列している。
【0015】
間隔x1と間隔y1は、表示ユニット10又は画素群30の画素ピッチに相当する。また、格子点A~Dは正方格子30aの格子点であるので、間隔x1と間隔y1は等しい。
【0016】
画素群30は、画素として、正方格子30aの格子点Aに基板20の実装面20aに実装された第1発光素子32を有する。また、画素群30は、画素として、正方格子30aの格子点Aに隣り合う2つの正方格子30aの格子点B、Cのそれぞれに、基板20の実装面20aに実装された第2発光素子34を有する。画素群30では、発光素子は正方格子30aの格子点Dに配置されない。
【0017】
画素群30の第1発光素子32は、表示ユニット10の正面側に配置される平らな面から、赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能である。第1発光素子32は、例えば、3in1型の表面実装型LED素子である。画素群30の第2発光素子34は、表示ユニット10の正面側に配置される平らな面から、白色光のみを放射する。第2発光素子34は、例えば、白色光のみを放射する表面実装型LED素子である。本明細書では、第1発光素子32と第2発光素子34の表示ユニット10の正面側に配置される平らな面を上面と、第1発光素子32と第2発光素子34の実装面20aに垂直な面を側面とする。
本実施形態では、白色光のみを放射する第2発光素子34が、表示ユニット10の解像度を担保する。赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能である第1発光素子32が、色を表現する役割を担う。
【0018】
表示ユニット10の解像度について説明する。本実施形態では、表示ユニット10に入力される画像信号のX方向の標本化周波数とY方向の標本化周波数のそれぞれが、X方向の画素ピッチx1とY方向の画素ピッチy1のそれぞれに対応していると、仮定する。
【0019】
まず、第1発光素子32の配列による解像度を説明する。第1発光素子32は、
図3に示すように、X方向にピッチ2×x1で、Y方向にピッチ2×y1で配列されている。したがって、標本化の定理により、第1発光素子32の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、X方向でR1x=1/(4×x1)と、Y方向でR1y=1/(4×y1)となる。第1発光素子32の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、第1発光素子32の配列による解像度に相当する。本明細書では、
図4に示すように、解像度を、XY平面を用いて表す。
図4では、第1発光素子32の配列による解像度は、四角形R1の領域で表される。
図4は、四角形の領域が広いほど高解像度であることを示している。
【0020】
次に、第2発光素子34の配列による解像度を説明する。第2発光素子34は、
図3に示すように、X軸方向に対して45°方向にピッチ√2×x1、又はY軸方向に対して45°方向にピッチ√2×y1で配列されている。標本化の定理により、第2発光素子34の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、X軸方向に対して45°方向又はY軸方向に対して45°方向で、1/(2√2×x1)又は1/(2√2×y1)となる。したがって、第2発光素子34の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、X方向でR2x=1/(2×x1)と、Y方向でR2y=1/(2×y1)となる。
図4では、第2発光素子34の配列による解像度は、四角形R2の領域で表される。
【0021】
ここで、比較例の表示ユニットの解像度を説明する。比較例の表示ユニットは、第1発光素子32が対角に位置する格子点A、Dのそれぞれに配置され、第2発光素子34が対角に位置する格子点B、Cのそれぞれに配置された画素群を備える。比較例の画素群は、画素群30の格子点Dに第1発光素子32を加えた画素群に相当する。比較例の表示ユニットは、画素群を除き、表示ユニット10と同様である。
【0022】
比較例の表示ユニットでは、第1発光素子32は、表示ユニット10の第2発光素子34と同様に、X軸方向に対して45°方向にピッチ√2×x1、又はY軸方向に対して45°方向にピッチ√2×y1で配列されている。したがって、比較例において、第1発光素子32の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、
図5に示すように、X軸方向に対して45°方向又はY軸方向に対して45°方向で、1/(2√2×x1)又は1/(2√2×y1)となる。また、比較例の第1発光素子32の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、X方向で1/(2×x1)と、Y方向で1/(2×y1)となる。比較例の第2発光素子34の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、比較例の第1発光素子32の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数と同様である。
【0023】
表示ユニット10の解像度と比較例の表示ユニットの解像度とを比較すると、表示ユニット10の色を表現する役割を担う第1発光素子32の解像度は、比較例の表示ユニットの第1発光素子32の解像度に比べて低い。しかしながら、人間の視覚は、明暗の変化に比べて、色の変化に対して鈍感であるので、表示ユニット10の第1発光素子32の解像度の低下は、観察者により認識される画質にほとんど影響しない。すなわち、表示ユニット10では、画質の低下は十分に抑えられている。
【0024】
さらに、表示ユニット10では、第1発光素子32が画素群30の格子点Dに配置されていないので、表示ユニット10の第1発光素子32の数は、比較例の表示ユニットの第1発光素子32の数に比べて非常に少ない。したがって、表示ユニット10では、発光素子の数を削減して製造コストを低減できる。表示ユニット10では、赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能で、高価な第1発光素子32の数が少ないので、製造コストを更に低減できる。
【0025】
以上のように、表示ユニット10では、正方格子30aの格子点Aに第1発光素子32が配置され、正方格子30aの格子点B、Cのそれぞれに第2発光素子34が配置され、正方格子30aの格子点Dに発光素子が配置されないので、発光素子の数を削減して製造コストを低減できる。さらに、表示ユニット10の画質の低下を抑制できる。
【0026】
<実施形態2>
図6~
図8を参照して、実施形態2に係る表示ユニット11を説明する。
実施形態1の表示ユニット10では、画素群30は、正方格子30aの格子点Aと格子点Bとがなす辺を+Y方向に向けて基板20の実装面20aにマトリクス状に配置されている。画素群30は、正方格子30aの辺を、Y軸方向、すなわち鉛直方向に対して45°傾斜した状態で基板20の実装面20aに配置されてもよい。
【0027】
図6に示すように、表示ユニット11は、実施形態1の表示ユニット10と同様に、基板20と、基板20の実装面20aに配置される複数の画素群30とを備える。表示ユニット11の画素群30は、正方格子30aの辺をY軸方向に対して45°傾け、格子点Aを+Y方向に向けた状態で、基板20の実装面20aに千鳥配列で配置されている。表示ユニット11の画素群30の配列は、表示ユニット10の画素群30の配列を、平面視で左回りに45°回転させた配列に相当する。表示ユニット11は、画素群30の配置を除き、表示ユニット10と同様である。
【0028】
表示ユニット11の第1発光素子32は、
図7に示すように、Y軸方向に対して45°方向にピッチ2×y1で配列されている。したがって、標本化の定理により、表示ユニット11の第1発光素子32の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、
図8に示すように、Y軸に対して45°方向で1/(4×y1)となり、X方向で1/(2√2×x1)と、Y方向で1/(2√2×y1)となる。
図8では、表示ユニット11の第1発光素子32の配列による解像度は、四角形R3の領域で表される。
【0029】
表示ユニット11の第2発光素子34は、
図7に示すように、X方向にピッチ√2×x1で、Y方向にピッチ√2×y1で配列されている。したがって、標本化の定理により、表示ユニット11の第2発光素子34の配列によって復元可能な画像信号の最大周波数は、
図8に示すように、X方向で1/(2√2×x1)と、Y方向で1/(2√2×y1)となる。
図8では、表示ユニット11の第2発光素子34の配列による解像度は、四角形R4の領域で表される。
【0030】
本実施形態においても、表示ユニット11の色を表現する役割を担う第1発光素子32の解像度は、比較例の表示ユニットの第1発光素子32の解像度に比べて低い。しかしながら、人間の視覚は、明暗の変化に比べて、色の変化に対して鈍感であるので、表示ユニット11の第1発光素子32の解像度の低下は、観察者により認識される画質にほとんど影響しない。さらに、表示ユニット11の第1発光素子32の数は、比較例の表示ユニットの第1発光素子32の数に比べて非常に少ない。したがって、表示ユニット11では、画質の低下を抑えると共に、発光素子の数を削減して製造コストを低減できる。
【0031】
以上のように、表示ユニット11においても、正方格子30aの格子点Aに第1発光素子32が配置され、正方格子30aの格子点B、Cのそれぞれに第2発光素子34が配置され、正方格子30aの格子点Dに発光素子が配置されないので、画質の低下を抑えると共に製造コストを低減できる。また、表示ユニット11では、
図6に示すように、同種の発光素子がX軸方向とY軸方向に並ぶので、表示ユニット11は、正面から外れた位置に位置する観察者に対しても綺麗な表示を実現できる。
【0032】
<実施形態3>
図9~
図13を参照して、実施形態3に係る表示ユニット12を説明する。
図9に示すように、表示ユニット12は、実施形態1の表示ユニット10と同様に、基板20と、基板20の実装面20aに配置される複数の画素群30とを備える。表示ユニット12は、外光50を遮る第1庇部42と第2庇部44とを更に備える。外光50は、太陽光と照明とを含む、表示ユニット12の周囲から表示ユニット12に入射する光を意味する。外光50を遮るとは、第1発光素子32と第2発光素子34と基板20の実装面20aへの外光50の入射を抑制することを意味する。表示ユニット12の基板20と画素群30は、表示ユニット10の基板20と画素群30と同様である。
【0033】
第1庇部42は、X軸方向に延びる黒色の板である。第1庇部42は、例えば、黒色の樹脂から射出成形によって作製される。第1庇部42は、基板20の実装面20aの上に設けられる。第1庇部42は、例えば、基板20の実装面20aに対向する面からネジ止めされることによって、基板20の実装面20aに固定される。第1庇部42は、表示ユニット12を設置した状態において、X軸方向に延びる第1発光素子32と第2発光素子34の列の鉛直上方、すなわちX軸方向に延びる第1発光素子32と第2発光素子34の列の+Y方向側に配置される。
【0034】
第1庇部42は、
図10に示すように、基板20の実装面20aから上端までの高さが異なる段差を、上面42aに有している。第1庇部42のX軸方向の長さL2は、基板20のX軸方向の長さL1と等しい。また、第1庇部42のY軸方向の長さD1は、正方格子30aの間隔y1よりも狭く設定される。第1庇部42の実装面20aから上端までの高さH1、H2については、後述する。第1庇部42の実装面20aから上端までの高さは、第1庇部42のZ軸方向の長さを指す。また、第1庇部42の表示ユニット12の正面側に配置される面を上面42aと、第1庇部42の実装面20aに垂直な面を側面とする。
【0035】
第2庇部44は、
図11に示すように、X軸方向に延びる黒色の板である。第2庇部44は、例えば、黒色の樹脂から射出成形によって作製される。第2庇部44は、第1庇部42と同様に、基板20の実装面20aに対向する面からネジ止めされることによって、基板20の実装面20aの上に設けられる。第2庇部44は、表示ユニット12を設置した状態において、X軸方向に延びる第2発光素子34の列の鉛直上方、すなわちX軸方向に延びる第2発光素子34の列の+Y方向側に配置される。
【0036】
第2庇部44のX軸方向の長さL3は、基板20のX軸方向の長さL1と等しい。また、第2庇部44のY軸方向の長さD2は、正方格子30aの間隔y1よりも狭く設定される。第2庇部44の基板20の実装面20aから上端までの高さH3については、後述する。第2庇部44の基板20の実装面20aから上端までの高さH3は、第2庇部44のZ軸方向の長さを指す。また、第2庇部44の表示ユニット12の正面側に配置される面を上面と、第2庇部44の実装面20aに垂直な面を側面とする。
本実施形態では、第1庇部42と第2庇部44は、Y軸方向に等間隔で配列されている。
【0037】
第1庇部42の高さH1、H2について説明する。本実施形態では、第1発光素子32の基板20の実装面20aから上端までの高さH4が、第2発光素子34の基板20の実装面20aから上端までの高さH5よりも高いと仮定する。第1発光素子32の基板20の実装面20aから上端までの高さH4は、第1発光素子32のZ軸方向の長さを指す。第2発光素子34の基板20の実装面20aから上端までの高さH5は、第2発光素子34のZ軸方向の長さを指す。
【0038】
図9に示すように、第1庇部42の実装面20aから上端までの高さが高い部分43aは、表示ユニット12を設置した状態において、第1発光素子32の鉛直上方に位置している。また、第1庇部42の実装面20aから上端までの高さが低い部分43bは、表示ユニット12を設置した状態において、第2発光素子34の鉛直上方に位置している。
【0039】
第1庇部42の部分43aの高さH1は、
図12に示すように、第1発光素子32の高さH4と、第1発光素子32と第1庇部42の部分43aとの距離とに応じて設定される。具体的には、表示ユニット12を設置した状態において、第1庇部42が鉛直上方に対して入射角θよりも小さい入射角の外光50を遮る場合、第1発光素子の高さH4と、第1発光素子32の第1庇部42側の側面32aと第1庇部42の部分43aの第1発光素子32側の側面42cとの距離L4から、第1庇部42の部分43aの高さH1はH1=H4+L4×tanθに設定される。
【0040】
第1庇部42の部分43bの高さH2は、
図13に示すように、第2発光素子34の高さH5と、第2発光素子34と第1庇部42の部分43bとの距離とに応じて設定される。具体的には、表示ユニット12を設置した状態において、鉛直上方に対して入射角θよりも小さい外光50を遮る場合、第2発光素子34の高さH5と、第2発光素子34の第1庇部42側の側面34aと第1庇部42の部分43bの第2発光素子34側の側面42cとの距離L5から、第1庇部42の部分43bの高さH2はH2=H5+L5×tanθに設定される。
【0041】
次に、第2庇部44の高さH3について説明する。第2庇部44の高さH3は、
図12に示すように、第2発光素子34の高さH5と、第2発光素子34と第2庇部44との距離とに応じて設定される。具体的には、表示ユニット12を設置した状態において、第2庇部44が鉛直上方に対して入射角θよりも小さい外光50を遮る場合、第2発光素子34の高さH5と、第2発光素子34の第2庇部44側の側面34aと第2庇部44の第2発光素子34側の側面44cとの距離L6から、第2庇部44の高さH3はH3=H5+L6×tanθに設定される。
本実施形態では、第1発光素子32の高さH4が第2発光素子34の高さH5よりも高い。したがって、距離L4と距離L5と距離L6が等しければ、第1庇部42の部分43aの高さH1は、第1庇部42の部分43bの高さH2又は第2庇部44の高さH3よりも、第1発光素子32の高さH4と第2発光素子34の高さH5との差分だけ高く設定される。
【0042】
本実施形態では、第1庇部42の高さH1、H2と第2庇部44の高さH3が、第1発光素子32の高さH4と第2発光素子34の高さH5と、第1発光素子32と第1庇部42との距離L4と、第2発光素子34と第1庇部42又は第2庇部44との距離L5、L6とに応じて設定される。これにより、第1発光素子32と第2発光素子34と基板20の実装面20aに入射する外光50を表示ユニット12全体に渡って均一に遮ることができる。外光50を均一に遮ることにより、表示ユニット12はムラのない表示を実現できる。さらに、第1庇部42の高さH1、H2と第2庇部44の高さH3を、第1発光素子32の高さH4と第2発光素子34の高さH5のそれぞれに適した高さに設定できるので、表示ユニット12は、第1発光素子32と第2発光素子34による外光50の反射をより効果的に抑制して、コントラストの高い表示を実現できる。
【0043】
以上のように、表示ユニット12は、第1発光素子32の高さH4と第2発光素子34の高さH5と、第1発光素子32又は第2発光素子34との距離とに応じた高さを有する第1庇部42と第2庇部44を備えるので、均一に外光50を遮り、ムラのない表示を実現できる。さらに、表示ユニット12は、コントラストの高い表示を実現できる。表示ユニット12は、実施形態1の表示ユニット10と同様に、画質の低下を抑えると共に製造コストを低減できる。
【0044】
<実施形態4>
図14~
図18を参照して、実施形態4に係る表示ユニット13を説明する。
図14に示すように、表示ユニット13は、実施形態2の表示ユニット11と同様に、基板20と、基板20の実装面20aに配置される複数の画素群30とを備える。また、表示ユニット13は、基板20の実装面20aに、外光50を遮る第3庇部46と第4庇部48とを備える。表示ユニット13の基板20と画素群30は、表示ユニット11の基板20と画素群30と同様である。本実施形態においても、第3庇部46と第4庇部48の表示ユニット13の正面側に配置される面を上面と、第3庇部46と第4庇部48の実装面20aに垂直な面を側面とする。また、第3庇部46の基板20の実装面20aから上端までの高さH6は第3庇部46のZ軸方向の長さを、第4庇部48の基板20の実装面20aから上端までの高さH7は第4庇部48のZ軸方向の長さを指す。
【0045】
第3庇部46は、
図15に示すように、X軸方向に延びる黒色の板である。また、第4庇部48は、
図16に示すように、X軸方向に延びる黒色の板である。第3庇部46と第4庇部48は、第2庇部44と同様に、黒色の樹脂から射出成形によって作製される。
図14に示すように、第3庇部46は、表示ユニット13を設置した状態において、X軸方向に延びる第1発光素子32の列の鉛直上方に配置される。第4庇部48は、表示ユニット13を設置した状態において、X軸方向に延びる第2発光素子34の列の鉛直上方に配置される。
第3庇部46と第4庇部48は、第2庇部44と同様に、基板20の実装面20aに対向する面からネジ止めされることによって、基板20の実装面20aの上に設けられる。
【0046】
第3庇部46のX軸方向の長さL7と第4庇部48のX軸方向の長さL8は、基板20のX軸方向の長さL1と等しい。また、第3庇部46のY軸方向の長さD3と第4庇部48のY軸方向の長さD4は、正方格子30aの間隔y1よりも狭く設定される。第3庇部46の高さH6と第4庇部48の高さH7については、後述する。
【0047】
第3庇部46の高さH6と第4庇部48の高さH7を説明する。本実施形態においても、第1発光素子32の高さH4が、第2発光素子34の高さH5よりも高いと仮定する。
【0048】
第3庇部46の高さH6は、
図17に示すように、第1発光素子32の高さH4と、第1発光素子32と第3庇部46との距離とに応じて設定される。具体的には、表示ユニット13を設置した状態において、第3庇部46が鉛直上方に対して入射角φよりも小さい外光50を遮る場合、第1発光素子32の高さH4と、第1発光素子32の第3庇部46側の側面32aと第3庇部46の第1発光素子32側の側面46cとの距離L9から、第3庇部46の高さH6はH6=H4+L9×tanφに設定される。
【0049】
第4庇部48の高さH7は、
図18に示すように、第2発光素子34の高さH5と、第2発光素子34と第4庇部48との距離とに応じて設定される。具体的には、表示ユニット13を設置した状態において、第4庇部48が鉛直上方に対して入射角φよりも小さい外光50を遮る場合、第2発光素子34の高さH5と、第2発光素子34の第4庇部48側の側面34aと第4庇部48の第2発光素子34側の側面48cとの距離L10から、第4庇部48の高さH7はH7=H5+L10×tanφに設定される。
本実施形態においても、第1発光素子32の高さH4が第2発光素子34の高さH5よりも高い。したがって、距離L9と距離L10が等しければ、第3庇部46の高さH6は、第4庇部48の高さH7よりも、第1発光素子32の高さH4と第2発光素子34の高さH5との差分だけ高く設定される。
【0050】
第3庇部46の高さH6と第4庇部48の高さH7が、第1発光素子32の高さH4と第2発光素子34の高さH5と、第1発光素子32又は第2発光素子34との距離とに応じた高さに設定されるので、表示ユニット13は、実施形態3の表示ユニット12と同様に、ムラのない表示を実現できる。また、表示ユニット13は、実施形態3の表示ユニット12と同様に、コントラストの高い表示を実現できる。さらに、第3庇部46と第4庇部48は、上面に、実施形態3の第1庇部42の上面42aに設けられている段差を有していないので、表示ユニット13は、ざらつき感のない滑らかな表示を実現できる。
【0051】
以上のように、表示ユニット13は、均一に外光を遮り、ムラのない表示を実現できる。また、表示ユニット13はコントラストの高い表示を実現できる。さらに、第3庇部46と第4庇部48が上面に段差を有していないので、表示ユニット13はざらつき感のない滑らかな表示を実現できる。表示ユニット13は、実施形態2の表示ユニット11と同様に、画質の低下を抑えると共に製造コストを低減できる。
【0052】
<実施形態5>
図19~
図22を参照して、実施形態5に係る表示ユニット14を説明する。
図19に示すように、表示ユニット14は、実施形態2の表示ユニット11と同様に、基板20と、基板20の実装面20aに配置される複数の画素群30とを備える。表示ユニット14は、外光50を遮るマスク板60を更に備える。マスク板60は、
図19、
図20に示すように、第1発光素子32と第2発光素子34のそれぞれを挿入される複数の開口部62と開口部64とを有する。表示ユニット14の基板20と画素群30は、表示ユニット11の基板20と画素群30と同様である。
【0053】
マスク板60は黒色の板である。マスク板60は、例えば、黒色の樹脂から射出成形によって作製される。
図19に示すように、マスク板60のX軸方向の長さL11は基板20のX軸方向の長さL1と等しく、マスク板60のY軸方向の長さL12は基板20のX軸方向の長さL13と等しい。
【0054】
マスク板60は、第1発光素子32が基板20の実装面20aに実装されている位置に開口部62を有する。また、マスク板60は、第2発光素子34が基板20の実装面20aに実装されている位置に開口部64を有する。開口部62、64は矩形状に形成される。開口部62と開口部64のそれぞれには、第1発光素子32と第2発光素子34のそれぞれが挿入される。開口部62、64の平面サイズについては、後述する。平面サイズは、表示ユニット14を平面視した場合の大きさを意味する。
【0055】
マスク板60は、第1発光素子32が開口部62に挿入され、第2発光素子34が開口部64に挿入された状態で、基板20の実装面20aに配置される。マスク板60は、例えば、基板20の実装面20aに対向する面から基板20にネジ止めされる。
【0056】
開口部62、64の平面サイズについて説明する。本実施形態では、第1発光素子32の上面33の平面サイズが、第2発光素子34の上面35の平面サイズよりも大きいと仮定する。また、第1発光素子32の上面33のX軸方向の長さをUL1、第1発光素子32の上面33のY軸方向の長さをUL2とする。第2発光素子34の上面35のX軸方向の長さをUL3、第2発光素子34の上面35のY軸方向の長さをUL4とする。ここでは、UL1>UL3、UL2>UL4である。さらに、開口部62のX軸方向の長さをML1、開口部62のY軸方向の長さをML2とする。開口部64のX軸方向の長さをML3、開口部62のY軸方向の長さをML4とする。
【0057】
開口部62の平面サイズは、第1発光素子32の平面サイズに応じて設定され、第1発光素子32の平面サイズよりもわずかに大きい。例えば、平面視において、開口部62の中心P1と第1発光素子32の上面33の中心P2が一致している場合、
図21に示すように、開口部62と第1発光素子32との間に、X軸方向で長さGL1、Y軸方向で長さGL2の隙間が設けられる。X軸方向の隙間の長さGL1はGL1=(ML1-UL1)/2であり、Y軸方向の隙間の長さGL2はGL2=(ML2-UL2)/2である。隙間の長さGL1、GL2は、例えば、100μm~500μmである。
【0058】
開口部64の平面サイズは、第2発光素子34の平面サイズに応じて設定され、第2発光素子34の平面サイズよりもわずかに大きい。平面視において、開口部64の中心P3と第2発光素子34の上面33の中心P4が一致している場合、
図22に示すように、X軸方向で長さGL3=(ML3-UL3)/2、Y軸方向で長さGL4=(ML4-UL4)/2の隙間が、開口部64と第2発光素子34との間に設けられる。隙間の長さGL3、GL4は、例えば、100μm~500μmである。
本実施形態では、第1発光素子32の上面33の平面サイズが、第2発光素子34の上面35の平面サイズよりも大きい。したがって、開口部62の平面サイズは、開口部64の平面サイズよりも大きく設定される。
【0059】
本実施形態では、開口部62の平面サイズと開口部64の平面サイズのそれぞれを、第1発光素子32の上面33の平面サイズと第2発光素子34の上面35の平面サイズのそれぞれに適したサイズに設定できるので、表示ユニット14は、第1発光素子32と第2発光素子34と実装面20aによる外光50の反射をより効果的に抑制して、コントラストの高い表示を実現できる。また、
図19に示すように、同じ平面サイズの開口部62、64がX軸方向とY軸方向に並ぶので、表示ユニット14は滑らかな表示を実現できる。
【0060】
開口部62におけるX軸方向の隙間の長さGL1と開口部64におけるX軸方向の隙間の長さGL3は等しいことが、好ましい。また、開口部62におけるY軸方向の隙間の長さGL2と開口部64におけるY軸方向の隙間の長さGL4は等しいことが、好ましい。これらにより、表示ユニット14は、より均一でより滑らかな表示を実現できる。
【0061】
以上のように、表示ユニット14では、マスク板60が第1発光素子32の平面サイズと第2発光素子34の平面サイズのそれぞれに応じた平面サイズを有する開口部62と開口部64を有するので、表示ユニット14はコントラストの高い表示を実現できる。また、表示ユニット14では、同じ平面サイズの開口部62、64がX軸方向とY軸方向に並ぶので、表示ユニット14は滑らかな表示を実現できる。さらに、表示ユニット14は、実施形態2の表示ユニット11と同様に、画質の低下を抑えると共に製造コストを低減できる。
【0062】
<実施形態6>
図23を参照して、実施形態6に係る表示装置15を説明する。
複数の表示ユニット10~14を組み合わせることによって、より大型の表示装置15を形成できる。表示装置15は、競技場、ビルの壁面等の野外に設置される。
【0063】
図23に示すように、表示装置15は、例えば、12個の表示ユニット13と、12個の表示ユニット13を収納する筐体80とを備える。
【0064】
12個の表示ユニット13は、4行×3列に配列される。配列された表示ユニット13は、筐体80に収納される。表示ユニット13は、例えば、筐体80にネジ止めされる。筐体80は、例えば、金属製の箱型の筐体である。
【0065】
表示装置15は、表示ユニット13と同様に、ムラのない表示を実現できる。また、表示装置15はコントラストの高い表示を実現できる。さらに、表示装置15は、ざらつき感のない滑らかな表示を実現できる。表示装置15は、画質の低下を抑えると共に製造コストを低減できる。
【0066】
<変形例>
以上、複数の実施形態を説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0067】
例えば、第1発光素子32と第2発光素子34はLED素子に限られない。第1発光素子32と第2発光素子34はレーザダイオード(LD:Laser Diode)素子であってもよい。また、LED素子は、表面実装型LED素子に限られず、砲弾型LED素子であってもよい。
【0068】
白色光のみを放射する第2発光素子34は、
図24に示すように、放射光を集光するレンズ部38を備えてもよい。第2発光素子34から放射される白色光を集光することにより、表示ユニット10~14と表示装置15は、高輝度の表示を実現でき、くっきりした文字、画像等を提供できる。
【0069】
赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能である第1発光素子32も、放射光を集光するレンズ部38を備えてもよい。第1発光素子32の放射光が集光され過ぎると、観察者が色分離した画像を認識してしまうので、第1発光素子32と第2発光素子34がレンズ部38を備える場合、第1発光素子32のレンズ部38の曲率は、第2発光素子34のレンズ部38の曲率よりも小さいことが好ましい。
【0070】
実施形態1の表示ユニット10では、画素群30は、格子点Aと格子点Bとがなす辺を上方に向けて配置されている。また、実施形態2の表示ユニット11では、画素群30は、格子点Aを上方に向けて配置されている。画素群30の配置される向きは、任意である。例えば、画素群30は格子点Aを鉛直下方に向けて配置されてもよい。
【0071】
実施形態3と実施形態4では、第1発光素子32の高さH4が第2発光素子34の高さH5よりも高いと仮定したが、第2発光素子34の高さH5が第1発光素子32の高さH4よりも高くともよい。例えば、実施形態4において、第2発光素子34の高さH5が第1発光素子32の高さH4よりも高く、距離L9と距離L10が等しければ、第4庇部48の高さH7は、第3庇部46の高さH6よりも、第2発光素子34の高さH5と第1発光素子32の高さH4との差分だけ高く設定される。
【0072】
実施形態5では、第1発光素子32の上面33の平面サイズが第2発光素子34の上面35の平面サイズよりも大きいと仮定したが、第2発光素子34の上面35の平面サイズが第1発光素子32の上面33の平面サイズよりも大きくともよい。例えば、第2発光素子34の上面35の平面サイズが第1発光素子32の上面33の平面サイズよりも大きい場合、マスク板60の開口部64の平面サイズは、マスク板60の開口部62の平面サイズよりも大きく設定される。
【0073】
実施形態1の表示ユニット10は、実施形態5の表示ユニット14と同様に、マスク板を備えてもよい。
【0074】
また、実施形態3の表示ユニット12と実施形態4の表示ユニット13は、実施形態5の表示ユニット14と同様に、マスク板を備えてもよい。この場合、表示ユニット12の第1庇部42と第2庇部44はマスク板の上に設けられる。第1庇部42と第2庇部44とマスク板は一体に形成されてもよい。また、表示ユニット13の第3庇部46と第4庇部48はマスク板60の上に設けられる。第3庇部46と第4庇部48とマスク板60は、一体に形成されてもよい。
【0075】
実施形態1~実施形態5では、第1発光素子32が赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能であり、第2発光素子34が白色光のみを放射する。表示ユニット10~14では、第2発光素子34が赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能であり、第1発光素子32が白色光のみを放射してもよい。すなわち、第1発光素子32と第2発光素子34のうちの一方が赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能であり、第1発光素子32と第2発光素子34のうちの他方が白色光のみを放射すればよい。第2発光素子34が赤色光と緑色光と青色光とを独立に放射可能であり、第1発光素子32が白色光のみを放射する場合であっても、画質の低下を抑えると共に、発光素子の数を削減して製造コストを低減できる。
【0076】
表示装置15は、表示ユニット13に代えて、表示ユニット10~12、14を備えてもよい。表示装置15を形成する表示ユニット10~14の数と配列は、任意である。表示ユニット10~14と表示装置15は、屋外に限られず、体育館、室内プール等の屋内に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10,11,12,13,14 表示ユニット、15 表示装置、20 基板、20a 実装面、30 画素群、30a 正方格子、32 第1発光素子、32a 第1発光素子の側面、33 第1発光素子の上面、34 第2発光素子、34a 第2発光素子の側面、35 第2発光素子の上面、38 レンズ部、42 第1庇部、42a 第1庇部の上面、42c 第1庇部の側面、43a,43b 第1庇部の部分、44 第2庇部、44c 第2庇部の側面、46 第3庇部、46c 第3庇部の側面、48 第4庇部、48c 第4庇部の側面、50 外光、60 マスク板、62,64 開口部、80 筐体、x1,y1 間隔(画素ピッチ)、A,B,C,D 格子点、D1,D2,D3,D4,L1,L2,L3,L7,L8,L11,L12,L13,ML1,ML2,ML3,ML4,UL1,UL2,UL3,UL4,GL1,GL2,GL3,GL4 長さ、L4,L5,L6,L9,L10 距離、H1,H2,H3,H4,H5,H6,H7 高さ、P1,P2,P3,P4 中心、R1,R2,R3,R4 四角形、θ,φ 入射角