(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】海水中に設置される淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20200101AFI20231201BHJP
A01G 33/00 20060101ALI20231201BHJP
A01K 61/60 20170101ALI20231201BHJP
A01K 61/75 20170101ALI20231201BHJP
B63B 35/44 20060101ALI20231201BHJP
B63B 75/00 20200101ALI20231201BHJP
B65D 88/78 20060101ALI20231201BHJP
B65D 90/00 20060101ALI20231201BHJP
B65D 90/02 20190101ALI20231201BHJP
B65D 90/48 20060101ALI20231201BHJP
E02B 3/06 20060101ALI20231201BHJP
E03B 11/00 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
B63B35/00 Z
A01G33/00
A01K61/60 321
A01K61/75
B63B35/44 Z
B63B75/00
B65D88/78 A
B65D90/00 H
B65D90/02 R
B65D90/02 S
B65D90/48 A
E02B3/06
E03B11/00 Z
(21)【出願番号】P 2023071397
(22)【出願日】2023-04-25
【審査請求日】2023-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】722014044
【氏名又は名称】宮田 邦代
(72)【発明者】
【氏名】宮田 憲明
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207130710(CN,U)
【文献】米国特許第04417877(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0316726(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/00
A01G 33/00
A01K 61/60
A01K 61/75
B63B 35/44
B63B 75/00
B65D 88/78
B65D 90/00
B65D 90/02
B65D 90/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が海水中に設置されている淡水貯水槽であって、
前記淡水貯水槽(1或いは2)は、陸上で製造或いは製作された、円錐型上面部材(11)と、円筒状側面部材(12)と、ジョウゴ型底面部材(13)を備え、
前記円錐型上面部材(11)は、略円形の周縁部から中央へ向かうに従って盛り上がった円錐形をした単独部材或いは複数に分割された部品が接合されてできた複合部材で、中央部に点検口と密閉できる蓋(14)を備え、周縁部と中央部との略中間位置に密閉できる排水口(16)と、密閉できる淡水注入口(15)を備えた円錐型上面部材であって、
前記ジョウゴ型底面部材(13)は、略円形の周縁部から中央へ向かうに従って擂り鉢状に下がった単独部材或いは複数に分割された部品が接合されてできた複合部材で、中央部に底面の通水口(17)を備えたジョウゴ型底面部材であって、
前記円筒状側面部材(12)は、密閉された円筒状の単独部材或いは複数に分割された部品が接合されてできた複合部材で、上端が前記円錐型上面部材に、下端が前記ジョウゴ型底面部材と接合できる円筒状側面部材であって、
前記淡水貯水槽は、前記円錐型上面部材と前記ジョウゴ型底面部材が、前記円筒状側面部材によって接合されて形成された淡水貯水槽であって、
前記淡水貯水槽内は、前記底面の通水口から海水が自由に出入りできるが、海水より比重が軽い淡水を海水の上方に貯水する事ができ、増加した淡水に比例する海水が前記底面の通水口より排出され、淡水が満水に達した後でも、淡水の注入を止める事もできるが止めない事もできる、淡水貯水槽であって、
前記淡水貯水槽が、単独で海水中に設置されている、或いは、前記淡水貯水槽の複数個が、硬質或いは軟質の接続部材類(41)によって連結されて、一体化した、淡水貯水槽集合体(3)となって海水中に設置されている、淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体。
【請求項2】
前記淡水貯水槽(2)の内部であって、前記円錐型上面部材或いは前記円筒状側面部材に、淡水の注入時に渦巻き水流が発生する様に淡水を誘導する、渦巻き水流誘導部材(21)、或いは強制的に渦巻き水流を発生させる、渦巻き水流発生装置(22)の少なくとも1個が備えてられており、
前記渦巻き水流誘導部材或いは前記渦巻き水流発生装置によって発生した横方向に動く渦巻き水流が、縦方向の水の動きを抑制して汽水域帯の混合水量が増加するのを防ぎ、淡水に混入する不純物を中央に集めて積極的に排除するのを促進し、浄化されて安定した状態の淡水を貯水する事ができる、請求項1に記載されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体。
【請求項3】
前記淡水貯水槽(2)の内部に、前記底面の通水口の内径より大きな略球体であって、暈比重が淡水よりは重く海水より軽くて汽水域の混合水域で浮かぶ浮力部材に、付着貝類を幼生段階でそぎ落とす突起部(23-3)と、水中位置計測装置の少なくとも一部(23-4)を備えた、中間浮力部材B(23)が挿入されており、前記中間浮力部材Bの水中位置を計測する事によって、淡水の貯水量が計測できる、請求項1に記載されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体。
【請求項4】
前記上面部材の点検口にある密閉できる蓋(14)の内側に、比重が淡水よりも軽い不純物を捕獲する、浮遊物捕獲装置(18)が備えられている、請求項1に記載されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体。
【請求項5】
前記淡水貯水槽或いは淡水貯水槽集合体が、単独或いは複数の外部浮力部材D(24)によって吊り下げられている、或いは複数の前記淡水貯水槽が、単独の外部浮力部材D(24)によって吊り下げられている、請求項1に記載されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体。
【請求項6】
前記淡水貯水槽の前記側面部材の外側に、略水平方向に広がるフランジ装置(35)が接続されており、前記フランジ装置の上面に、天然鉱物、或いは産業廃棄物、或いは有機物、或いは人工物が設置されている、請求項1記載されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体。
【請求項7】
海水中に設置されている前記淡水貯水槽或いは前記淡水貯水槽集合体を構成する、前記円錐型上面部材の単独部材或いは前記円錐型上面部材が複数に分割された部品或いは前記部品が接合されてできた複合部材、或いは前記円筒状側面部材の単独部材或いは前記円筒状側面部材が複数に分割された部品或いは前記部品が接合されてできた複合部材、或いは前記ジョウゴ型底面部材の単独部材或いは前記ジョウゴ型底面部材が複数に分割された部品或いは前記部品が接合されてできた複合部材、或いは渦巻き水流誘導部材、或いは渦巻き水流発生装置、或いは中間浮力部材B、或いは浮遊物捕獲装置、或いは外部浮力部材D、或いはフランジ装置、或いは硬質或いは軟質の接続部材類は、何れも前記淡水貯水槽或いは淡水貯水槽集合体を構成する物品として、陸上で製造或いは製作されている、請求項1~6のいずれか一項に記載されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体。
【請求項8】
前記淡水貯水槽或いは前記淡水貯水槽集合体(3)が、魚礁として利用されている、或いは釣り堀公園が併設されている、或いは前記淡水貯水槽集合体の内側に定置網(44)の少なくとも一部が形成されている或いは隣接して設置されている、或いは前記淡水貯水槽集合体の少なくとも一部がネット類で取り囲まれて稚魚の生育場(45)として利用されている、或いは前記淡水貯水槽集合体間或いは外側にロープ或いはネット類が張られて海藻の養殖場として利用されている、或いは前記淡水貯水槽集合体の上方の水面に波浪発電装置が併設されている、或いは淡水貯水槽集合体(3)の上空に、太陽光発電装置(43)が設置されている、或いは建築物が設置されている、或いは桟橋部材が施設されている、請求項1~6のいずれか一項に記載されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一部が海水中に設置されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体に関する。
詳しくは、立方体の底面が解放されている水槽でありながら、海水と淡水の比重差を利用する事によって、海水と淡水が混合されるのを最小限に止めて、海水中に設置されている淡水貯水槽であって、淡水の一定量が確保されて利用する事が出来る、海水中に設置されている淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体に係るものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化によって気象の変化が極端化し、集中豪雨災害と極度な干ばつが世界中で頻発し、急激な乾燥地が拡大して農業生産が困難になった地域が拡大しており、同時に、増大する世界人口に対する食糧危機が叫ばれており、農業生産を拡充する事が危急の課題となっている。
【0003】
また、大量の雨が集中する事で災害が発生する降水地帯も増加しており、この降雨地域から乾燥地域へ、大量の水を安価に運ぶ技術が強く求められている。
【0004】
そこで、例えば特許文献1及び特許文献2には、海水中に設置する淡水貯水槽ではあるが、いずれも閉鎖された空間に貯水するシステムであり、本願の解放された貯水槽とは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭62-039484号公報
【文献】特開2006-161533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2に記載された貯水槽は、海水中に設置された貯水槽ではあるが、いずれも閉鎖された空間内に貯水するシステムであって、海水とは隔離された環境である。
【0007】
本発明は、以上の点を鑑み創案されたものであり、河川から海へ流れ出る直前の淡水を活用して、近くの海水中に淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体を設置する事を課題とする。
【0008】
その淡水貯水槽の複数個を連結させて大集団が結成されれば、新たな魚礁として利用されて、或いは津波避難タワーを併設し、或いは浮き桟橋として利用する事も課題とする。
【0009】
また本発明は、タンカーにて輸送される淡水を受け入れる乾燥地域の海岸に、同じ構造の淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体を設置する事をも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、少なくとも一部が海水中に設置されている淡水貯水槽であって、前記淡水貯水槽(1或いは2)は、陸上で製造或いは製作された、円錐型上面部材(11)と、円筒状側面部材(12)と、ジョウゴ型底面部材(13)を備え、前記円錐型上面部材(11)は、略円形の周縁部から中央へ向かうに従って盛り上がった円錐形をした単独部材或いは複数に分割された部品が接合されてできた複合部材で、中央部に点検口と密閉できる蓋(14)を備え、周縁部と中央部との略中間位置に密閉できる排水口(16)と、密閉できる淡水注入口(15)を備えた円錐型上面部材であって、前記ジョウゴ型底面部材(13)は、略円形の周縁部から中央へ向かうに従って擂り鉢状に下がった単独部材或いは複数に分割された部品が接合されてできた複合部材で、中央部に底面の通水口(17)を備えたジョウゴ型底面部材であって、前記円筒状側面部材(12)は、密閉された円筒状の単独部材或いは複数に分割された部品が接合されてできた複合部材で、上端が前記円錐型上面部材に、下端が前記ジョウゴ型底面部材と接合できる円筒状側面部材であって、前記淡水貯水槽は、前記円錐型上面部材と前記ジョウゴ型底面部材が、前記円筒状側面部材によって接合されて形成された淡水貯水槽であって、前記淡水貯水槽内は、前記底面の通水口から海水が自由に出入りできるが、海水より比重が軽い淡水を海水の上方に貯水する事ができ、増加した淡水に比例する海水が前記底面の通水口より排出され、淡水が満水に達した後でも、淡水の注入を止める事もできるが止めない事もできる、淡水貯水槽であって、前記淡水貯水槽が、単独で海水中に設置されている、或いは、前記淡水貯水槽の複数個が、硬質或いは軟質の接続部材類(41)によって連結されて、一体化した、淡水貯水槽集合体(3)となって海水中に設置されている、淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体、を備える。
【0011】
本発明は、緩やかに流れる河川の下流域において、潮が満ちるに従って海水が層状になって淡水層の下に侵入し、薄い汽水域帯を挟み、同一地点で淡水魚と海水魚が共存している状態から考案した発明であって、淡水と海水の比重差を利用する事によって、底面の一部が解放されて海水が自由に出入りできる構造でありながら、海水中に設置した淡水貯水槽に安定した淡水が確保される淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体を提供する。
【0012】
この淡水貯水槽は、側面部材を縦方向に延長して縦長の淡水貯水槽を形成し、接続補強枠を追加して淡水貯水槽積層体を形成して、流動する海水の圧力に耐えうる強度を獲得し、この淡水貯水槽積層体を縦横に拡大させ、軟質の接続部材類で連結する事によって、流動する海水の圧力を柔軟に受け流し、安定した大規模な淡水貯水槽集合体となって大量の淡水を保管する事が目的であって、その淡水を輸出する事により、乾燥で苦しむ大地では農業生産が発展し、綺麗な飲料水となって人々の喉を潤し、ひいては日本国に利益となって帰って来る事を目指しています。
【0013】
しかし、海水中に淡水が勢いよく注入されたならば、それが淡水貯水槽の内部であっても、即座に海水と混合されて分厚い汽水域帯が生まれ淡水の貯水量は激減する。
従って請求項2に記載した渦巻き水流誘導部材(21)が、円錐型上面部材(11)の内側にある淡水注入口(15)に接続されて、外部から淡水が注入される度に横方向の渦巻き水流を発生させるが、淡水の注入が止まった時或いは不十分な時に、強制的に渦巻き水流を発生させる渦巻き水流発生装置(22)を備え、発生した渦巻き水流が次第に下方へ伝播して淡水貯水槽全体の水が横方向に運動する事によって、淡水と海水が混合する縦方向の動きを抑制して、汽水域帯が薄い状態を維持する事ができる。
【0014】
また請求項3に示す中間浮力部材B(23)は、円筒型の底面の通水口(17)の内径より大きな略球体(
図4)であって、暈比重が、淡水より重く海水よりは軽くて汽水域の混合水域で浮かんでいる中間浮力部材であって、球体表面(23-1)(
図5)に、複数の半球形の凹部(23-2)を備え、凹部周囲に円形リング(23-3)が球体表面より突出した状態で装着され、凹部の底に水中位置計測装置(23-4)の一部が装着されている事により、中間浮力部材B(23)の水中位置を計測する事によって、淡水の貯水量を計測する事ができる。
さらに、中間浮力部材B(23)は、渦巻き水流によって横方向に移動し、淡水の注入と排水に伴って汽水域帯(34)が上下動する事によって縦方向へも移動する事になって内壁全面を網羅し、突出した円形リング(23-3)が、淡水貯水槽の内壁に付着する付着貝類を幼生段階で排除する事ができる機能を備えている。
さらに加えて、中間浮力部材B(23)は、淡水が排水される事によって貯水槽内の淡水量が急激に減少する時に、外部の海水が、円筒型の通水口から縦方向に侵入して汽水域帯に影響を及ぼす事を避けるため、中間浮力部材B(23)を所定数量存在させ、縦方向から侵入してくる海水の障害物となって、侵入した海水を拡散させる事によって汽水域帯の混合水量を維持する機能をも備えている。
【0015】
中間浮力部材B(23)の所定数量とは、貯水槽の内径に一列の並列状態で並ぶ事ができる中間浮力部材Bの数を1と定め、その0.6倍から2.8倍までの数を所定数量と定めるが、最も適する数量は、1.0倍前後が好ましい。
【0016】
淡水貯水槽或いは淡水貯水槽集合体が、単独或いは複数の外部浮力部材D(24)によって吊り下げられ、或いは複数の淡水貯水槽が、単独の外部浮力部材D(24)によって吊り下げられる事によって、複数の淡水貯水槽の上面を均一の高さに設置する事が容易になり、淡水貯水槽の集合体に淡水を注入させる際に或いは排出させる際に、作業工程が一層簡単になる。
【0017】
淡水貯水槽の側面部材の外側に、略水平方向に広がるフランジ装置(35)が接続されて、前記フランジ装置の上面に、天然鉱物、或いは産業廃棄物、或いは有機物、或いは人工物が設置される事によって、水生生物が繁殖しやすい環境を提供し、或いはこれらの淡水貯水槽を大集合させ、硬質或いは軟質の接続部材類によって一体化させて淡水貯水槽集合体を形成し、漁業資源の増殖を計るなど様々な用途に利用できる。
【0018】
淡水貯水槽(2)は、ジョウゴ型底面部材の底面の通水口(17)によって淡水も海水も自由に出入りできる開放的な構造であるが為に、淡水貯水槽にかかる外圧と内圧が常に均衡しており、よって外圧或いは内圧に備える為の強固な隔壁が不要になり、よって規格化された小さな部品に分割する事が可能となり、規格化された側面部品を縦方向に幾重にも接続する事によって、より深く大きな容量の淡水貯水槽が可能になり、よって横幅も規格化されているが故に、並列的に淡水貯水槽を連結する事が容易になって、大容量の巨大な淡水貯水槽が簡単に作れる事になる、従って、淡水貯水槽の複数個が硬質或いは軟質の接続部材類(41)によって連結される事によって、淡水の注水と排水が、制御されたシステム化が可能となって、一体化された淡水貯水槽集合体(3)となっている。
【0019】
前記淡水貯水槽或いは前記淡水貯水槽集合体を構成する、前記円錐型上面部材の単独部材或いは前記円錐型上面部材が複数に分割された部品或いは前記部品が接合されてできた複合部材、或いは前記円筒状側面部材の単独部材或いは前記円筒状側面部材が複数に分割された部品或いは前記部品が接合されてできた複合部材、或いは前記ジョウゴ型底面部材の単独部材或いは前記ジョウゴ型底面部材が複数に分割された部品或いは前記部品が接合されてできた複合部材、或いは前記渦巻き水流誘導部材、或いは前記渦巻き水流発生装置、或いは前記中間浮力部材B、或いは前記浮遊物捕獲装置、或いは前記外部浮力部材D、或いは前記フランジ装置、或いは硬質或いは軟質の接続部材類の全ては、陸上で製作されて海水中に設置される物であるから、前記物体が、海水中に設置される淡水貯水槽或いは淡水貯水槽集合体を構成する部品として陸上で製作されている事は、本発明の権利範囲である。
【0020】
淡水貯水槽(2)或いは淡水貯水槽集合体(3)が、魚礁として利用されている、或いは釣り堀公園が併設されている、或いは前記淡水貯水槽集合体の内側に定置網の少なくとも一部が形成されている或いは隣接して設置されている、或いは前記淡水貯水槽集合体の少なくとも一部がネット類で取り囲まれて稚魚の生育場として利用されている、或いは前記淡水貯水槽集合体の内側或いは外側にロープ或いはネット類が張られて海藻の養殖場に利用されている、或いは津波の避難タワーに接続されている、或いは波浪発電装置が併設されている、或いは洋上風力発電所に接続されている、或いは淡水貯水槽集合体(3)の上空に、太陽光発電装置が設置されている、或いは建築物が設置されている、或いは桟橋部材が施設されて海上桟橋として利用されている事により、多くのメリットが期待できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の最大の特徴は、底面の通水口によって解放された淡水貯水槽を海水中に設置する事にある。
即ち、淡水貯水槽内に海水が自由に出入りできる開放的な構造でありながら、淡水が安定した状態で貯水できる事にあって、そこに数々のメリットが生まれる。
【0022】
第1は、淡水貯水槽内には、淡水も海水も自由に出入りできるが故に、淡水貯水槽にかかる外圧と内圧が常に均衡しており、故に大きな水圧に耐える頑強な隔壁が不要になり、よって規格化された小さな部品に分割する事が可能となります。
上面部材も底面部材も、そして側面部材も、それぞれ4分割或いは6分割した小型部品に分割して製造すれば、工場での大量生産がより容易になって製造単価が削減され、現地で船上にて組み立てる事によって、運搬から設置に至る経費も削減でき、陸上での製造から運搬及び設置に至るまでの全工程での産業が新たに発生する事になり、雇用が生まれ、産業の発展に大きく寄与する事が出来ます。
【0023】
第2は、規格化された側面部品を幾重にも縦方向に接続する事によって、より深く大きな容量の淡水貯水槽が可能になり、深くなった縦方向は、硬質の補強枠を接続する事によって流動する海水の圧力に耐えうる強度を獲得し、規格化された部品によって横幅も統一されているが故に並列的に淡水貯水槽を連結する事が容易になっており、軟質の接続部材類を採用する事によって柔軟性を獲得し、流動する海水の圧力を柔軟に受け流す事によって淡水貯水槽集合体の安定が確保され、大容量の巨大淡水貯水槽が簡単に作れる事になって効率的で巨大化した淡水貯水槽集合体が実現し、よって貯水された淡水は、単位当たりの単価が格段に安くなり、淡水の需要拡大に寄与することが出来ます。
【0024】
第3は、淡水貯水槽或いは淡水貯水槽集合体を設置する地域は、大型機械が搬入できない僻地の河川から都市近郊の河川に至るまでの全国各地の河川下流の沿岸海域であって、設置現場では、工場で製造された部品を船上で組み立て設置すれば完成です。
従って現地では、大型機械の搬入や道路建設などに伴う自然破壊や、環境問題からも解放されます。
【0025】
また、淡水貯水槽或いは淡水貯水槽集合体を設置する場所は、河川の河口域に限定される事ではありません。
大きな河川の河口域は、都市が栄えて港が整備され、工場や倉庫が建ち並び物流が栄えて客船や貨物船が往来しており、大規模な淡水貯水槽を設置する場所がありません。
この様な港や施設から遠く離れた場所でも、外海でも岬の向こう側でも可能です。
河川下流域で採取した淡水を加圧し、注水パイプさえ延長すれば、地下を潜り、山を越えて、海は潜って、淡水は自由自在に自ら移動します。
【0026】
第4は、利用する淡水が、従来は利用される事なく海へ流れ出ていた河川の最下流域の淡水か、或いはその伏流水であって、たとえ下流域の河川水とは言え、世界的に見れば日本の河川は清らかな淡水であって、天が与えてくれた枯渇しない永遠の資源であるにも拘わらず、誰にも認められずに、見捨てられて、ただ海に消えていました。
本発明は、この見捨てられていた淡水を、資源として生かす事にあります。
【0027】
その時、底面部材の中央部にある底面の通水口は、大雨時には土砂が混入した淡水が浸入する公算は日常的にあり、その土砂が混入した淡水は、緩やかな渦巻き水流によって徐々に分離した土砂が中央に集まり、比重が重い不純物は底面の開口部から排出され、比重が軽い不純物は上面の点検口の密閉できる蓋の裏側に設置された浮遊物捕獲装置に撤収されて、貯水されている間に浄化され、綺麗な淡水となって貯水されます。
【0028】
第5は、河川から取水する淡水が河川全体のほんの一部分であっても、長期間にわたって取り続ければ周辺海域に何らかのデメリットが生まれる可能性も予想されます。
その解消策として、淡水貯水槽の側面の外側にフランジ装置を設置し、そのフランジ装置に製鉄所から出る製鉄スラグ等の産業廃棄物を設置する事によって、海藻が生育する環境を提供し、定期的に底面から淡水をアンダーフローさせる事によって海藻の成長を促進させ、よって淡水貯水槽集合体は多くの魚が集まる魚礁となって、漁業者にとって大きなメリットが生まれる事になるでしょう。
【0029】
第6は、この淡水貯水槽或いは淡水貯水槽集合体は、定置網を隣接させて設置する事もあれば、淡水貯水槽集合体の内側に定置網を設置して集まった魚類を誘導して定期的に捕獲する事ができ、或いは、淡水貯水槽集合体の一部をネットで囲って、海藻を食べつくして磯焼けの原因となる魚類から海藻を守り、稚魚を狙う大型魚類が侵入できない環境を提供する事で、沢山の稚魚が安心して暮らせる天然の育成場となって、中長期的な水産資源の増加にも寄与します。
【0030】
第7は、沿岸部に巨大な淡水貯水槽集合体が確保される事は、地元に淡水ダムが出現する事であって、地元自治体の新たな水道用水の水源となり、或いは渇水期の灌漑用水となって利用できるので、節水制限の必要がない水に恵まれた地域に生まれ変わります。
【0031】
また巨大津波の襲来が予想されている地域においては、津波対策が肝要ですが、津波エネルギーの伝達方法が横波運動によって伝達される事から、一定の深さがある海域での津波波動は縦方向に振動するだけで海水は横方向に移動しない、との学説があります。
従って、水深の浅い湾内ではなく、一定以上の深さがある海域に設置する事が重要であって、津波の避難タワーを併設して安全を確保する事も重要である。
【0032】
第8は、地球規模の異常気象によって干ばつに苦しむ地域が拡大しており、そこでは、何よりも清らかな淡水が欲しいのです。
巨大な淡水貯水槽集合体は、桟橋部材を設置するだけで大型タンカーの積み出し港となり、受け入れ地の沿岸部に同設備を設置すれば、其処は荷下ろし港になると同時に、パイプ輸送で農地まで届く淡水が出現する事であって、食糧増産に大きく寄与する事ができます。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】は、淡水貯水槽(1)の外観を表わしており、点検口と密閉できる蓋(14)と密閉できる排水口(16)と密閉できる注水口(15)を備えた単独の円錐型上面部材(11)或いは複合部材からなる円錐型上面部材(11)と、単独の円筒状側面部材(12)或いは複合部材からなる円筒状側面部材(12)と、中央部に円筒型の底面の通水口(17)を備えた単独のジョウゴ型底面部材(13)或いは複合部材からなるジョウゴ型底面部材(13)からなる略円筒体であって、側面に2段のフランジ装置(35)が設置された状態を表わした淡水貯水槽の外観を表わした。
【0034】
【
図2】は、本発明の根幹をなす淡水貯水槽(2)の断面図であって、緩い円錐型上面部材(11)に点検口と密閉できる蓋(14)と浮遊物捕獲装置(18)と密閉できる排水口(16)と密閉できる淡水注水口(15)を備えた円錐型上面部材(11)と、中央に円筒型の底面の通水口(17)を備えてジョウゴ型底面部材(13)とが、円筒状側面部材(12)によって接続されている断面図であって、円筒状側面部材(12)の外側にフランジ装置(35)が接続され、炭水貯水槽内に淡水(31)と海水(32)が共存し、その中間の汽水域帯(34)に中間浮力部材B(23)が浮かんでいる状態を表わした断面図である。
【0035】
【
図3】は、円錐型上面部材(11)の内側に設置した渦巻き水流誘導部材(21)と、円筒状側面部材(12)に接続する渦巻き水流発生装置(22)を表した略図であるが、いずれも同じ円周部を持つ事から、上面と側面を同一円内に記載した。
【0036】
【
図4】は、球形の中間浮力部材B(23)の外観と、中間浮力部材B(23)の側面(23-1)を拡大して表わした断面図であって、半球形の凹部(23-2)と、円形リング(23-3)と、水中位置計測装置の一部(23-4)を表わした断面図である。
【0037】
【
図5】は、淡水貯水槽(1)の単体が、大規模な淡水貯水槽集合体(3)にまで拡大する過程を表わした説明図である。
【0038】
【
図6】は、外部浮力部材D(24)から吊り下げられた淡水貯水槽(2)が、接続部材類(41)によって連結され一体化した淡水貯水槽集合体(3)となっており、その上空に太陽光発電装置(43)が取り付けられている断面図である。
【0039】
【
図7】は、淡水貯水槽集合体(3)の内側に定置網(44)と、稚魚の成育場(45)が設置されている様子を表した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の基となる海水中に設置された淡水貯水槽の実施の形態について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【実施例】
【0041】
図1は、淡水貯水槽(1)の外観であって、全体が海水中に設置された略円筒型をしており、密閉できる淡水注入口(15)と排水口(16)が取り付けられた円錐型上面部材(11)と、中央部に円筒型の底面の通水口(17)を持ったジョウゴ型底面部材(13)が、側面部材(12)によって接合された円筒型の概略図である。
【0042】
図2は、本発明の根幹をなす淡水貯水槽(2)の断面図であって、緩い円錐型上面部材(11)に点検口と密閉できる蓋(14)があり、その蓋には浮遊物捕獲装置(18)が取り付けられて淡水より軽い浮遊物を回収する機能が備えられており、さらに密閉できる排水口(16)と密閉できる淡水注水口(15)が備えられ、中央に円筒型の底面の通水口(17)があるジョウゴ型底面部材(13)とを、円筒状側面部材(12)で繋いだ断面図であって、円筒状側面部材(12)の外側にフランジ装置(35)が接続され、淡水貯水槽内では淡水(31)と海水(32)が共存し、その中間の汽水域帯(34)に中間浮力部材B(23)が浮かんでいる状態を表わした断面図であって、本発明の基本形である。
【0043】
図3は、上面部材と側面部材が同じ円形である事から同一円周内に図示した。
即ち、上面部材の渦巻き水流誘導部材(21)は、水平方向から入ってきた水流を生かして渦巻き水流を作り出すために誘導する部材であって、
側面部材に取り付けた渦巻き水流発生装置(22)は、先の渦巻き水流誘導部材(21)で造り出す水流が弱い時に、或いは淡水の注入が止まった時に強制的に渦巻き水流を作り出す為の装置であって、両方とも汽水域の混合水量を少なくする効果がある。
【0044】
図4は、淡水と海水が出合う汽水域に浮かんでいる球体の中間浮力部材B(23)の全体像と、側面を拡大してその詳細を表示した。
淡水も海水も水温や溶解物質などによって僅かではあるが誤差が生じる、従って淡水よりも軽い素材で造られた本体と、比重が海水より重い円形リング(23-3)を調整する事によって汽水域(34)帯で浮かぶ中間浮力部材B(23)を製作し、水中位置を計測するセンサーの一部を追加装着した。
【0045】
この中間浮力部材B(23)は、先の渦巻き水流に乗って横方向に移動し、淡水の注入と排水によって上下動する為に淡水貯水槽内全体を駆け巡る事になる。
従って、本願の淡水貯水槽が淡水も海水も自由に出入りできる構造である事から、貯水槽内にフジツボ・亀の手貝・牡蠣などの貝類が付着する公算が大きく、中間浮力部材B(23)の円形リング(23-3)が、これら貝類を幼生段階でそぎ落とす効果がある。
【0046】
淡水貯水槽に貯水された淡水を排出する時は、淡水の減少量に相当する海水が、円筒型の底面通水口から縦方向から侵入して来るために汽水域帯に影響を与えます。
従ってその防御策として、先の渦巻き水流発生装置による横方向の渦巻き水流に加えて、中間浮力部材B(23)を所定数量入れられている事により、縦方向からの海水の障害物となって、汽水域帯を守る役目を担っています。
【0047】
図5は、淡水貯水槽の側面部材を縦方向に次々と接続した深い淡水貯水槽積層体(4)が形成され、この淡水貯水槽積層体の外側を硬質の接続部材類の接続補強枠(42)で補強して流動する海水の圧力に耐えうる強度を確保し、それを並列状に並べて軟質の接続部材類(41)によって接続する事によって流動する海水の圧力を受け流し、さらに並列状に並べた淡水貯水槽を縦横に拡大させる事によって、大規模な淡水貯水槽集合体(3)へと拡大してゆく行程を表わした。
【0048】
図6は、前記の淡水貯水槽(2)の複数個を、硬質或いは軟質の接続部材類(41)によって結合させて設置した淡水貯水槽(2)の大集団を形成しており、その一部を表わした立面図であって、側面部材(12)を積み重ねる事によって深く容量が大きい貯水槽になり、複数個の淡水貯水槽(2)が外部浮力部材D(24)によって吊り下げられ、さらにその上空に太陽光発電装置(43)が取り付けられている様子を表わした立面図である。
【0049】
図7は、この淡水貯水槽の複数個が一体化した淡水貯水槽集合体(3)の内側に定置網(44)を設置する事によって、魚礁に集まる魚群を誘導して捕獲する事ができる。
同時に一部をネット類(45)で囲み、大型魚類が侵入できない環境を造って稚魚の生育場(46)とする事で、中長期的な魚類全般の増殖を図る取り組みである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
日本には四季があり、台風が襲来し、一年を通じて膨大な雨が降ります、大量の雪も降ります、その水その雪は、毎年毎年追加される大切な永遠の資源なのに、今までは誰にも惜しまれず、廃棄物として海の中に消えていたのです、消えて無くなっていたのです。
淡水は、陸上の生命体にとっては「代替品が無い永遠の必需品」です。
世界には、乾燥に苦しむ国や地域が沢山存在しています、清らかな淡水が無いのです、その地域の人達にとって日本の淡水は、「代替品が無い貴重品・命の水」なのです。
従って本発明は、この消えていた淡水を有用な水資源として蘇らせる取り組みであって、廃棄され海に消える寸前の淡水を、乾燥に苦しむ人達に届ける為に、有用な資源として蘇らせる取り組みであって、その水がもたらす恩恵は計り知れないほどの価値を生むものと思っております。
その貴重品を、その淡水を、タンカーで運ぶ事で、飲料水で困っている地域では、命の水を提供してくれる大切な国であり、乾燥の大地では農業を発展させる事ができる有難い国となって、世界の食糧危機にとって大きく寄与する事であり、その代償が、莫大な資金となって日本に恩恵をもたらすものと信じています。
【0051】
日本に降る雨は、太陽と日本の地理的・地形的恩恵の賜であり、日本国民全体の財産なので、全国民が享受すべき財産だと思っています。
莫大な資金を投じて河川を管理してきた国、或いは地方自治体が主導権を持って、財政基盤に役立てる事は当然の権利であると思います、同時に流域住民にその恩恵を役立てる事も重要であり、この事業に投資する各種団体にも分配されるべきかとも思っています。
【0052】
この海水中に設置する淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体は、大きな水圧対策から解放されているが為に、規格化された小型部品に分解する事が可能となって、工場での大量生産が可能になり、運搬が簡単になる事で運搬経費が削減され、この部品を船上で組み立てて海中に設置するだけで淡水貯水槽が完成するので、至って簡便、短期間に、安価に、設置することが出来ます。
【0053】
その部品を独立した商品として輸出する事によって、受け入れ地の海域に淡水貯水槽集合体を作ることが出来る結果、タンカー輸送が格段に容易になると同時に、乾燥地域の輸入先では、欲しい時にいつでも利用できる淡水貯水槽集合体がすぐ近くの海中にできる事であって、それは便利で有難い淡水ダムとなる事でしょう。
日本の淡水が、貯水され、運搬される全行程と、受け入れ地に出来る淡水貯水槽集合体を通じた一貫システムが機能する事によって、世界の食料危機にとって、いくらかでも貢献できる事でしょう。
【0054】
設置する地域は、1級河川から小規模河川に至るまで全てが対象であって、それぞれの河川を管轄する国や自治体には、種々の租税や利用料・許可料などの収入が見込まれる他にも、補助金や投資が行われれば、その額に応じた収益が収入源に加わります。
周辺地域では、水道水や灌漑用水が確保され、魚礁となって活躍すれば漁業者にも利益が生まれ、淡水の積み出しやメンテナンス要員として雇用が生まれて地域が活性化し、過疎化対策にも寄与できると思っています。
産業界においては、淡水貯水槽の製造から設置に至るまでの産業が新たに生まれる事であって、資材から設置に至るまでの輸出も加わり、貯水された淡水が販売され、生産された農産物の輸入が加わり、輸出先での恩恵やその対価に至るまでの全工程で、産業界全体に大いなる貢献が出来ると思っています。
これら全ては、「今まで、海に消えて無くなっていた淡水を、有効な資源として蘇らせる」本発明から出発しまたが、その淡水は、日本の財産です。
特定の個人や団体が私物化すべきでない日本国の財産です。
従ってこの淡水を、日本国の財産として、日本国民共通の財産として、コントロールし有効に活用してくれる機構を、河川を管轄する行政機関に託して、本願の締めと致します。
どうぞよろしくお願い致します。
【符号の説明】
【0055】
1 淡水貯水槽イメージ図
2 淡水貯水槽の断面図
3 (一体化された)淡水貯水槽集合体
4 (縦方向に延長された)淡水貯水槽積層体
11 円錐型上面部材(の単独部材或いは複合部材)
12 円筒状側面部材(の単独部材或いは複合部材)
13 ジョウゴ型底面部材(の単独部材或いは複合部材)
14 点検口と密閉できる蓋
15 密閉できる淡水注入口
16 密閉できる排水口
17 (円筒型の)底面の通水口
18 浮遊物捕獲装置
21 渦巻き水流誘導部材
22 渦巻き水流発生装置
23 中間浮力部材B
23-1 (中間浮力部材Bの)球体の側面
23-2 (中間浮力部材Bの)半円形の凹部
23-3 (中間浮力部材Bの)円形リング
23-4 (中間浮力部材Bの)水中位置計測装置の一部
24 外部浮力部材D
31 淡水
32 海水
33 海面
34 汽水域の淡水と海水の混合水
35 フランジ装置と上部の物体
36 海底に設置したアンカー
41 硬質或いは軟質の接続部材類
42 (硬質或いは軟質の接続部材類の)縦方向の接続補強材
43 太陽光発電装置
44 定置網
45 稚魚の生育場
【要約】 (修正有)
【課題】河川下流域の沿岸海域の海水中に、下方に通水口がある淡水貯水槽及び淡水貯水槽集合体を備える。
【解決手段】海水中に設置する略円筒型の淡水貯水槽であって、ジョウゴ型底面部材(13)の底面の通水口(17)から海水も淡水も自由に出入りできる開放的な構造でありながら、淡水と海水の比重差を利用する事で、貯水槽内で穏やかな渦巻き水流を発生させる事で、海水の上方に安定した状態で淡水が貯水できる淡水貯水槽(2)である。
また前記の開放的な構造は、淡水貯水槽にかかる外圧と内圧が常に均衡している為に強固な外壁が不要で、規格化された部品に分割でき、部品構成により縦方向も横方向も連結が容易になり、大規模な淡水貯水槽集合体が可能となり、沿岸海域の海水中に巨大な淡水ダム湖となる淡水貯水槽集合体を提供する。
【選択図】
図2