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特許7395073通信装置、制御回路、記憶媒体および通信障害要因推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-30
(45)【発行日】2023-12-08
(54)【発明の名称】通信装置、制御回路、記憶媒体および通信障害要因推定方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/04 20220101AFI20231201BHJP
【FI】
H04L43/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023543420
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 JP2021043282
(87)【国際公開番号】W WO2023095268
(87)【国際公開日】2023-06-01
【審査請求日】2023-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】大賀 正夫
(72)【発明者】
【氏名】松永 亮
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-109744(JP,A)
【文献】特開2021-40221(JP,A)
【文献】国際公開第2021/111494(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置が基地局を経由して移動機と通信を行う通信システムにおける前記通信装置であって、
時刻情報を取得する時刻同期部と、
前記移動機と前記通信装置との間の通信品質を測定し、得られた第1の通信品質情報に前記時刻情報を付与して第2の通信品質情報を生成する通信品質測定部と、
前記通信システムのサービスエリア内の第1の環境情報を収集し、前記第1の環境情報に前記時刻情報を付与して第2の環境情報を生成する環境情報収集部と、
前記第2の通信品質情報と前記第2の環境情報とを前記時刻情報を用いて関連付け、ログ情報として管理するログ情報管理部と、
前記ログ情報から、規定された通信品質を満たさない劣化時間を抽出し、前記劣化時間に該当する前記第2の通信品質情報を関連付け、第1の評価結果を生成する通信品質評価部と、
前記劣化時間に関連する時間帯の前記ログ情報に含まれる前記第2の環境情報の差分から環境変化を抽出し、第2の評価結果を生成する環境情報評価部と、
前記第1の評価結果および前記第2の評価結果に基づいて、前記劣化時間における前記通信品質の障害要因を推定する通信障害要因推定部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信品質測定部は、前記通信品質として、前記移動機に接続される機器から送信されるイーサネットパケットの前記移動機から前記通信装置までの前記通信システムでのパケット単位またはアプリケーション単位の通信遅延量および揺らぎ量を測定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記環境情報収集部は、前記第1の環境情報として、前記通信装置または前記基地局または前記移動機に接続された計測機器で撮影された映像情報を収集する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信品質評価部は、前記第2の通信品質情報で示される通信品質の変動量を計算し、サービス要求品質の許容範囲が規定された評価指標情報に基づいて、前記変動量が許容範囲か否かの評価を行う、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信障害要因推定部は、前記劣化時間に関連する前記時間帯で環境変化が抽出された場合、前記障害要因は外部要因による電波環境の変動と判断し、前記劣化時間に関連する前記時間帯で環境変化が抽出されなかった場合、前記障害要因は前記通信システムが備えるいずれかの装置と判断する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信障害要因推定部は、前記通信品質が段階的に変化している場合、複数の前記障害要因を推定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項7】
通信装置が基地局を経由して移動機と通信を行う通信システムにおける前記通信装置を制御するための制御回路であって、
時刻情報を取得、
前記移動機と前記通信装置との間の通信品質を測定し、得られた第1の通信品質情報に前記時刻情報を付与して第2の通信品質情報を生成、
前記通信システムのサービスエリア内の第1の環境情報を収集し、前記第1の環境情報に前記時刻情報を付与して第2の環境情報を生成、
前記第2の通信品質情報と前記第2の環境情報とを前記時刻情報を用いて関連付け、ログ情報として管理、
前記ログ情報から、規定された通信品質を満たさない劣化時間を抽出し、前記劣化時間に該当する前記第2の通信品質情報を関連付け、第1の評価結果を生成、
前記劣化時間に関連する時間帯の前記ログ情報に含まれる前記第2の環境情報の差分から環境変化を抽出し、第2の評価結果を生成、
前記第1の評価結果および前記第2の評価結果に基づいて、前記劣化時間における前記通信品質の障害要因を推定、
を前記通信装置に実施させることを特徴とする制御回路。
【請求項8】
通信装置が基地局を経由して移動機と通信を行う通信システムにおける前記通信装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記プログラムは、
時刻情報を取得、
前記移動機と前記通信装置との間の通信品質を測定し、得られた第1の通信品質情報に前記時刻情報を付与して第2の通信品質情報を生成、
前記通信システムのサービスエリア内の第1の環境情報を収集し、前記第1の環境情報に前記時刻情報を付与して第2の環境情報を生成、
前記第2の通信品質情報と前記第2の環境情報とを前記時刻情報を用いて関連付け、ログ情報として管理、
前記ログ情報から、規定された通信品質を満たさない劣化時間を抽出し、前記劣化時間に該当する前記第2の通信品質情報を関連付け、第1の評価結果を生成、
前記劣化時間に関連する時間帯の前記ログ情報に含まれる前記第2の環境情報の差分から環境変化を抽出し、第2の評価結果を生成、
前記第1の評価結果および前記第2の評価結果に基づいて、前記劣化時間における前記通信品質の障害要因を推定、
を前記通信装置に実施させることを特徴とする記憶媒体。
【請求項9】
通信装置が基地局を経由して移動機と通信を行う通信システムにおける前記通信装置の通信障害要因推定方法であって、
時刻同期部が、時刻情報を取得する第1のステップと、
通信品質測定部が、前記移動機と前記通信装置との間の通信品質を測定し、得られた第1の通信品質情報に前記時刻情報を付与して第2の通信品質情報を生成する第2のステップと、
環境情報収集部が、前記通信システムのサービスエリア内の第1の環境情報を収集し、前記第1の環境情報に前記時刻情報を付与して第2の環境情報を生成する第3のステップと、
ログ情報管理部が、前記第2の通信品質情報と前記第2の環境情報とを前記時刻情報を用いて関連付け、ログ情報として管理する第4のステップと、
通信品質評価部が、前記ログ情報から、規定された通信品質を満たさない劣化時間を抽出し、前記劣化時間に該当する前記第2の通信品質情報を関連付け、第1の評価結果を生成する第5のステップと、
環境情報評価部が、前記劣化時間に関連する時間帯の前記ログ情報に含まれる前記第2の環境情報の差分から環境変化を抽出し、第2の評価結果を生成する第6のステップと、
通信障害要因推定部が、前記第1の評価結果および前記第2の評価結果に基づいて、前記劣化時間における前記通信品質の障害要因を推定する第7のステップと、
を含むことを特徴とする通信障害要因推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信ネットワークにおける通信装置、制御回路、記憶媒体および通信障害要因推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格化が進められる第5世代移動通信(以下、5Gと称する。)システムについては、高信頼、低遅延性を活かした産業用途での活用が検討されており、産業用イーサネット(登録商標)などで高精度に時刻同期した通信を提供するTSC(Time Sensitive Communication)への対応が期待されている。これまで工場内のLAN(Local Area Network)などの有線接続における通信環境を前提としてきた産業用機器に影響を与えず、TSN(Time Sensitive Networking)プロトコルに対応するためには、電波環境の変化、移動機の移動などによって発生する移動通信ネットワーク内での産業用プロトコルによるイーサネットパケットの伝送遅延、揺らぎなどを低減し、さらに産業用機器と通信するための制御情報を高信頼に伝送する必要がある。TSNプロトコルとは、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)で規格化されたIEEE802.1AS、IEEE802.1Qbvなどである。産業用プロトコルとは、例えば、CC(Control & Communication)-Link IE(Industrial Ethernet(登録商標)) TSNなどである。そのため、産業用ネットワークへの適用を想定した5Gシステムの高信頼、低遅延化技術の標準化が進められている。
【0003】
一方で、産業用ネットワークの無線化では、ある通信装置と特定の場所に設置された産業用機器との間の無線通信において、新たに設置された周辺機器、レイアウトの変化、人の移動による電波の遮断などの外部要因によって電波環境の特性が変動することがある。この場合、適切なサービス要求品質を確保できない状況では生産設備が停止してしまうが、要因の特定が難しいという課題があった。このような課題の解決方法として、特許文献1には、無線機能を備えた基地局が、無線通信を行うデバイスまたは基地局が測定した現在の通信品質情報と、カメラまたはセンサーなどで得られた映像などの周辺環境情報とを用いた機械学習によって通信品質のモデルを生成し、未来の通信品質を予測することで通信品質低下を回避する技術が開示されている。これによって、人または車などの外部要因に影響を受ける無線通信を行うデバイスと基地局との間の通信品質を事前に予測することが可能となり、外部要因によるサービス要求品質の低下を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2020/217457号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術によれば、外部環境の変化が、長期間に及ぶ他の機器の移動、追設、機器入替による材質の変化、レイアウトの変化など周辺環境の累積した変化によるものであった場合、このような累積した変化に起因する通信障害要因の推定に寄与しない、という問題があった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、産業用プロトコルを用いた無線通信ネットワークにおいて外部要因による通信障害要因の推定精度を向上可能な通信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、通信装置が基地局を経由して移動機と通信を行う通信システムにおける通信装置である。通信装置は、時刻情報を取得する時刻同期部と、移動機と通信装置との間の通信品質を測定し、得られた第1の通信品質情報に時刻情報を付与して第2の通信品質情報を生成する通信品質測定部と、通信システムのサービスエリア内の第1の環境情報を収集し、第1の環境情報に時刻情報を付与して第2の環境情報を生成する環境情報収集部と、第2の通信品質情報と第2の環境情報とを時刻情報を用いて関連付け、ログ情報として管理するログ情報管理部と、ログ情報から、規定された通信品質を満たさない劣化時間を抽出し、劣化時間に該当する第2の通信品質情報を関連付け、第1の評価結果を生成する通信品質評価部と、劣化時間に関連する時間帯のログ情報に含まれる第2の環境情報の差分から環境変化を抽出し、第2の評価結果を生成する環境情報評価部と、第1の評価結果および第2の評価結果に基づいて、劣化時間における通信品質の障害要因を推定する通信障害要因推定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る通信装置は、産業用プロトコルを用いた無線通信ネットワークにおいて外部要因による通信障害要因の推定精度を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示す図
図2】本実施の形態に係る通信装置の構成例を示すブロック図
図3】本実施の形態に係る通信装置が備える通信品質測定部で得られた第2の通信品質情報である通信遅延量に対する通信品質評価部の評価の例を示す図
図4】本実施の形態に係る通信装置が保持する管理テーブルの例を示す図
図5】本実施の形態に係る通信装置が備える通信障害要因推定部の解析結果の例を示す図
図6】本実施の形態に係る通信装置が備える通信障害要因推定処理部の動作を示すフローチャート
図7】本実施の形態に係る通信装置を実現する処理回路をプロセッサおよびメモリで実現する場合の処理回路の構成例を示す図
図8】本実施の形態に係る通信装置を実現する処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路の構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施の形態に係る通信装置、制御回路、記憶媒体および通信障害要因推定方法を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、無線通信ネットワークとして5Gシステムを前提とするが、無線通信ネットワークは5Gシステムに限定されない。
【0011】
実施の形態.
図1は、本実施の形態に係る無線通信ネットワーク10の構成例を示す図である。無線通信ネットワーク10は、産業用プロトコルを用いた無線通信を行うネットワークである。無線通信ネットワーク10は、通信システム1と、機器6a,6bと、カメラ7a~7cと、センサー8a~8cと、を備える。以降の説明において、機器6a,6bを区別しない場合は機器6と称し、カメラ7a~7cを区別しない場合はカメラ7と称し、センサー8a~8cを区別しない場合はセンサー8と称することがある。また、カメラ7およびセンサー8をまとめて計測機器と称することがある。無線通信ネットワーク10は、通信システム1に、複数の機器6、複数のカメラ7、および複数のセンサー8が接続されるネットワークである。なお、図1の例では、通信システム1に、2つの機器6、3つのカメラ7、および3つのセンサー8が接続されているが、一例であり、これらに限定されない。複数の機器6は、本実施の形態では産業用機器を想定しているが、産業用機器以外の機器が含まれていてもよい。
【0012】
図1に示すように、通信システム1は、通信装置2と、表示装置3と、基地局4と、移動機5a,5bと、を備える。以降の説明において、移動機5a,5bを区別しない場合は移動機5と称することがある。図1の例では、通信装置2に1つの基地局4が接続されているが、通信装置2は、配下に複数の基地局4と接続することが可能である。また、図1の例では、基地局4に2つの移動機5が接続されているが、基地局4は、配下に3つ以上、すなわち複数の移動機5と接続することが可能である。通信システム1は、通信装置2が基地局4を経由して移動機5と通信を行うシステムである。また、通信システム1は、通信装置2、1つ以上の基地局4、および1つ以上の移動機5によって、産業用機器などの機器6に対して無線通信サービスを提供するシステムである。通信システム1では、基地局4から送信される無線信号によって、機器6に提供する無線通信サービスのサービスエリアが形成される。通信システム1において、通信装置2と基地局4とは有線接続され、基地局4とサービスエリア内の移動機5とは無線信号によって無線接続されている。
【0013】
通信装置2は、移動機5の呼制御、認証処理、および位置管理を行う装置であり、基地局4の通信を制御する。また、通信装置2は、機器6に接続される移動機5が基地局4および通信装置2を経由して他の機器6と通信を行う際にデータを転送するゲートウェイ装置であり、機器6間の通信を提供する。通信装置2は、機器6と有線接続される。
【0014】
表示装置3は、通信システム1で通信障害が発生した場合に通信装置2で推定された障害要因などを表示する。なお、表示装置3は、通信システム1の外部にあってもよい。
【0015】
基地局4は、通信システム1において、通信装置2と有線通信を行い、移動機5と無線通信を行う。基地局4は、図1の例では1つのカメラ7、および1つのセンサー8と接続されているが、複数のカメラ7、および複数のセンサー8と接続可能である。
【0016】
移動機5は、通信システム1において、基地局4と無線通信を行う。移動機5は、図1の例では1つの機器6のみが接続されているが、LAN接続によって複数の機器6との接続が可能である。また、移動機5は、図1の例では1つのカメラ7、および1つのセンサー8と接続されているが、複数のカメラ7、および複数のセンサー8と接続可能である。
【0017】
通信システム1が備える通信装置2の構成および動作について説明する。図2は、本実施の形態に係る通信装置2の構成例を示すブロック図である。通信装置2は、通信部21,22と、データ通信サービス部23と、装置管理部24と、通信障害要因推定処理部25と、を備える。
【0018】
通信部21は、基地局4と接続するRJ(Registered Jack)45などのコネクタを備え、Ethernet回線、光回線などと接続可能な物理インタフェースである。通信部21は、基地局4とデータ通信サービス部23との間のデータ通信を仲介する。また、通信部21は、カメラ7およびセンサー8と接続するためのコネクタを備え、Ethernet回線、シリアル回線などと接続可能な物理インタフェースである。
【0019】
通信部22は、機器6と接続するRJ45などのコネクタを備え、Ethernet回線、光回線などと接続可能な物理インタフェースである。
【0020】
データ通信サービス部23は、通信システム1内のデータ伝送処理、および外部の機器6と接続するためにEthernet通信など接続する媒体に対応したプロトコル変換処理などを行う。なお、データ通信サービス部23は、通信装置2と移動機5との間の通信における通信品質について、いくつかの項目、例えば、後述する通信障害要因推定処理部25の通信品質測定部251で測定しない項目の測定を行ってもよい。
【0021】
装置管理部24は、通信装置2における制御上の各種の設定、管理などを行う。装置管理部24は、管理インタフェース部241と、電源部242と、メモリ243と、時刻管理部244と、装置管理部245と、を備える。
【0022】
管理インタフェース部241は、通信装置2を管理する図示しない管理サーバと通信を行い、管理サーバから通信装置2の設定情報などを取得する。電源部242は、通信装置2内の各構成に電源を供給する。メモリ243は、通信装置2が動作するための装置パラメータ、サービスを提供するための制御パラメータ、通信障害要因を推定するための設定情報などを格納する記憶部である。また、メモリ243は、後述する通信障害要因推定処理部25のログ情報管理部254が管理するログ情報を格納してもよい。時刻管理部244は、後述する通信障害要因推定処理部25の時刻同期部253から取得した時刻情報を管理する。装置管理部245は、通信装置2の稼働状態などの装置状態を管理する。
【0023】
通信障害要因推定処理部25は、通信システム1で通信障害が発生した場合に通信障害の要因を推定する。通信障害要因推定処理部25は、通信品質測定部251と、環境情報収集部252と、時刻同期部253と、ログ情報管理部254と、通信品質評価部255と、環境情報評価部256と、通信障害要因推定部257と、を備える。
【0024】
通信品質測定部251は、通信システム1の内部の通信についての通信品質を測定する。通信品質は、例えば、通信システム1内の通信遅延量、通信遅延量の変動量である揺らぎ量などである。通信品質測定部251は、例えば、移動機5と通信装置2との間の通信品質として、移動機5に接続される機器6から送信されるイーサネットパケットの移動機5から通信装置2までの通信システム1内でのパケット単位またはアプリケーション単位の通信遅延量および揺らぎ量を測定する。具体的には、通信品質測定部251は、通信システム1の送信端となる移動機5からの出力時刻と受信端となる通信装置2での入力時刻との差分から、通信システム1の内部での通信遅延量を測定する。また、通信品質測定部251は、測定した通信遅延量からパケットの揺らぎ量を計算する。
【0025】
通信品質測定部251は、測定した通信遅延量および計算した揺らぎ量を第1の通信品質情報とし、第1の通信品質情報に時刻同期部253が保有する時刻情報を付与して第2の通信品質情報を生成する。通信品質測定部251は、生成した第2の通信品質情報をログ情報管理部254に格納する。なお、通信品質測定部251は、通信装置2から移動機5の方向の通信品質について、移動機5で通信品質が測定されている場合、移動機5から通信品質の情報を収集してもよい。移動機5で測定される通信品質とは、例えば、移動機5における基地局4からの無線信号の受信電力である。また、通信品質測定部251は、データ通信サービス部23が通信システム1の内部での通信品質を測定している場合、データ通信サービス部23から通信品質の情報を収集してもよい。
【0026】
環境情報収集部252は、通信システム1のサービスエリア内の第1の環境情報を収集する。具体的には、環境情報収集部252は、基地局4から送信される無線信号によって形成される通信システム1のサービスエリアに設置されたカメラ7およびセンサー8から、第1の環境情報として映像情報を収集する。環境情報収集部252は、第1の環境情報として、通信装置2または基地局4または移動機5に接続された計測機器であるカメラ7およびセンサー8で撮影された映像情報を収集する。環境情報収集部252は、収集した映像情報、すなわち第1の環境情報に時刻同期部253が保有する時刻情報を付与して第2の環境情報を生成する。環境情報収集部252は、生成した第2の環境情報をログ情報管理部254に格納する。
【0027】
環境情報収集部252は、ログ情報管理部254に格納する映像情報が複数の映像情報からなるファイル構成の場合、映像情報に付与する時刻情報について、ファイル先頭の映像情報に付与する時刻情報を時刻同期部253から取得し、以降の映像情報に付与する時刻情報をフレームレートから算出してもよい。本実施の形態では、第1の環境情報として映像情報を想定しているが、第1の環境情報は映像情報に限定されない。例えば、前述の計測機器が人体などを検出可能な温度センサーの場合、第1の環境情報は温度分布図などであってもよい。
【0028】
時刻同期部253は、IEEE802.1AS、IEEE1588v2などの時刻同期プロトコルを利用して、通信部21経由で図示しない上位の時刻同期サーバと通信を行い、時刻同期を行う。時刻同期部253は、上位の時刻同期サーバから通信システム1で使用する統一した時刻情報を取得する。時刻同期部253は、通信品質測定部251、環境情報収集部252、ログ情報管理部254など、ログ情報の関連付けを高精度に行うための情報として、取得した時刻情報を各構成に提供する。時刻同期部253は、通信部21経由で、通信システム1が備える基地局4、移動機5などに、取得した時刻情報を提供する。
【0029】
ログ情報管理部254は、通信品質測定部251から取得した第2の通信品質情報と環境情報収集部252から取得した第2の環境情報とを、時刻同期部253から取得した時刻情報を用いて関連付け、ログ情報として管理する。ログ情報管理部254は、ログ情報を、ログ情報管理部254が備えるデータベースに格納する。ログ情報管理部254は、ログ情報を、装置管理部24のメモリ243に格納してもよい。なお、通信品質測定部251および環境情報収集部252とログ情報管理部254との間の情報の受け渡しについて、通信品質測定部251が第2の通信品質情報を装置管理部24のメモリ243に格納し、環境情報収集部252が第2の環境情報を装置管理部24のメモリ243に格納した場合、ログ情報管理部254は、装置管理部24のメモリ243から第2の通信品質情報および第2の環境情報を読み出してもよい。
【0030】
通信品質評価部255は、ログ情報から、規定された通信品質を満たさない劣化時間を抽出し、劣化時間に該当する第2の通信品質情報を関連付け、第1の評価結果を生成して通信障害要因推定部257に出力する。具体的には、通信品質評価部255は、ログ情報管理部254が管理するログ情報から、通信品質測定部251で生成された第2の通信品質情報を取得し、移動機5単位またはサービス単位で、第2の通信品質情報で示される通信品質である通信遅延量、揺らぎ量などの変動量を計算する。通信品質評価部255は、サービス要求品質の許容範囲が規定された評価指標情報に基づいて、計算した変動量が許容範囲か否かの評価を行い、サービス要求品質を満たさない時間帯を劣化時間として抽出する。通信品質評価部255は、ログ情報管理部254が管理しているログ情報から劣化時間に該当する時間帯の第2の通信品質情報を抽出して関連付けを行い、第1の評価結果として通信障害要因推定部257に出力する。また、通信品質評価部255は、第1の評価結果を環境情報評価部256に出力する。
【0031】
図3は、本実施の形態に係る通信装置2が備える通信品質測定部251で得られた第2の通信品質情報である通信遅延量に対する通信品質評価部255の評価の例を示す図である。図3において、横軸は時間を示し、縦軸は通信遅延量を示す。通信品質評価部255は、通信品質の段階的な変化を捉えるため、前述の評価指標情報として、通信品質の変化状態を評価する複数のサービス要求品質劣化閾値、およびサービス要求品質を満たさないことを判断するサービス要求品質超過閾値の評価閾値を用いる。
【0032】
通信品質評価部255は、通信遅延量がサービス要求品質劣化閾値を超過した場合、通信品質の変化点を検出し、サービス劣化時刻および通信品質の劣化度合いを、評価結果としてサービス要求品質の変化時刻の管理テーブルに登録する。サービス劣化時刻は、通信遅延量がサービス要求品質劣化閾値を超過した時刻である。通信品質の劣化度合いは、サービス劣化時刻における通信遅延量である。通信品質評価部255は、通信遅延量がサービス要求品質劣化閾値を超過した状態が継続する期間である劣化時間も評価結果として、管理テーブルに登録してもよい。管理テーブルは、通信障害要因推定部257が保持していてもよいし、通信品質評価部255が保持していてもよい。通信品質評価部255は、管理テーブルが通信障害要因推定部257に保持されている場合、管理テーブルへの登録をもって、通信障害要因推定部257への第1の評価結果の出力としてもよい。通信品質評価部255は、通信遅延量がサービス要求品質超過閾値を超えた場合、評価の対象、すなわち評価指標情報の対象となるサービスの継続が困難であるため通信装置2の内部または通信装置2の外部の装置に対して、サービス状態の劣化通知を送信する。
【0033】
環境情報評価部256は、劣化時間に関連する時間帯のログ情報に含まれる第2の環境情報の差分から環境変化を抽出し、第2の評価結果を生成して通信障害要因推定部257に出力する。具体的には、環境情報評価部256は、通信品質評価部255から取得した第1の評価結果に基づいて、通信品質が劣化した状態にある劣化時間に関連する第2の環境情報を、ログ情報管理部254が管理するログ情報から取得する。関連する第2の環境情報には、例えば、通信遅延量がサービス要求品質劣化閾値を超過した状態が継続する劣化時間の第2の環境情報の他、通信品質が劣化するサービス劣化時刻よりも前の規定された期間の第2の環境情報も含む。
【0034】
環境情報評価部256は、取得した第2の環境情報を用いて、時刻が古い第2の環境情報から通信品質の変化点、すなわち通信品質が劣化した時点における第2の環境情報の差分の抽出を行う。本実施の形態において、第2の環境情報は、前述のように映像情報を想定している。差分を抽出する方法については様々な手段が存在するが、本実施の形態では特に限定されない。環境情報評価部256は、抽出した差分に基づいて、通信システム1のサービスエリアにおける環境変化を抽出する。環境情報評価部256は、抽出した環境変化の情報を第2の評価結果として通信障害要因推定部257に出力する。なお、環境情報評価部256は、ログ情報管理部254から取得した第2の環境情報である映像情報も評価結果に含めて通信障害要因推定部257に出力してもよい。
【0035】
通信障害要因推定部257は、第1の評価結果および第2の評価結果に基づいて、劣化時間における通信品質の障害要因を推定する。通信障害要因推定部257は、サービス要求品質を満たさない時間帯の第2の通信品質情報および環境変化の情報を関連付け、通信システム1の稼働からの通信品質の段階的な変化と事物の変化とを時系列に結合して推定した通信品質の障害要因の情報を、表示装置3に出力する。具体的には、通信障害要因推定部257は、通信品質評価部255から第1の評価結果を取得し、環境情報評価部256から第2の評価結果を取得する。通信障害要因推定部257は、第1の評価結果および第2の評価結果を時系列にして通信品質が変化した時点に着目し、通信品質が劣化した要因が、通信システム1のいずれかの装置に起因する問題であるか、または外部要因による電波環境の変動に起因する問題であるかを判断する。
【0036】
通信障害要因推定部257は、例えば、劣化時間に関連する時間帯で環境変化が抽出された場合、障害要因は外部要因による電波環境の変動と判断する。通信障害要因推定部257は、例えば、劣化時間に関連する時間帯で環境変化が抽出されなかった場合、障害要因は通信システム1が備えるいずれかの装置と判断する。環境変化が抽出された場合とは、例えば、基地局4と移動機5との間に人などが移動してきて基地局4と移動機5との間の通信経路が遮蔽された場合である。通信障害要因推定部257は、当該推定結果を、サービス劣化時刻と通信品質の劣化度合いとを登録したサービス要求品質の変化時刻の管理テーブルに登録する。通信障害要因推定部257は、当該推定結果を含む管理テーブルの内容を表示装置3に表示する。
【0037】
図4は、本実施の形態に係る通信装置2が保持する管理テーブルの例を示す図である。図4において、時刻は、前述のサービス劣化時刻を示す。アプリは、評価の対象のサービスを示す。性能劣化は、複数のサービス要求品質劣化閾値およびサービス要求品質超過閾値の評価閾値に基づくサービスの劣化の状態を示す。外部環境変化は、通信障害要因推定部257が通信品質の劣化要因が外部要因による電波環境の変動に起因する問題と判断した場合に映像情報の差分から推定される要因を示す。
【0038】
図5は、本実施の形態に係る通信装置2が備える通信障害要因推定部257の解析結果の例を示す図である。図5(a)は時間t0での解析結果を示し、図5(b)は時間t1での解析結果を示している。なお、時間t1は時間t0以降とする。図5(a)は、通信品質の劣化要因が、新たに設置された機器6が要因であることを示している。図5(b)は、通信品質の劣化要因が、図5(a)の要因に加えて、作業員によって通信経路が遮蔽されたことを示している。通信障害要因推定部257は、図5(a)および図5(b)に示す解析結果を表示装置3に表示する。
【0039】
本実施の形態では、通信障害要因推定部257は、図5(b)に示すように、通信品質の劣化の要因として、複数の事物の設置、複数の事物の移動などが関連する場合においても、サービス劣化時刻の前後の映像情報の差分などの情報を用いることで、要因となる候補を複数挙げることが可能となる。すなわち、通信障害要因推定部257は、通信品質が段階的に変化している場合、複数の障害要因を推定することができる。これにより、表示装置3の表示内容を確認した通信システム1のユーザなどは、当該事物の必要性に応じて、電波環境の改善を図るために事物の撤去、事物の移動などの対策を行うことができる。
【0040】
通信障害要因推定処理部25の動作を、フローチャートを用いて説明する。図6は、本実施の形態に係る通信装置2が備える通信障害要因推定処理部25の動作を示すフローチャートである。通信障害要因推定処理部25において、時刻同期部253は、上位の時刻同期サーバから通信システム1で使用する統一した時刻情報を取得する(ステップS1)。通信品質測定部251は、測定した第1の通信品質情報に、時刻同期部253が保有する時刻情報を付与して第2の通信品質情報を生成する(ステップS2)。環境情報収集部252は、収集した第1の環境情報に時刻同期部253が保有する時刻情報を付与して第2の環境情報を生成する(ステップS3)。ログ情報管理部254は、第2の通信品質情報と第2の環境情報とを時刻情報を用いて関連付け、ログ情報として管理する(ステップS4)。通信品質評価部255は、ログ情報から、規定された通信品質を満たさない劣化時間を抽出し、劣化時間に該当する第2の通信品質情報を関連付け、第1の評価結果として出力する(ステップS5)。環境情報評価部256は、劣化時間に関連する時間帯のログ情報に含まれる第2の環境情報の差分から環境変化を抽出し、第2の評価結果として通信障害要因推定部257に出力する(ステップS6)。通信障害要因推定部257は、第1の評価結果および第2の評価結果に基づいて、劣化時間における通信品質の障害要因を推定する(ステップS7)。
【0041】
つづいて、通信装置2のハードウェア構成について説明する。通信装置2において、通信部21,22は、前述のように物理インタフェースなどにより実現される。データ通信サービス部23、装置管理部24、および通信障害要因推定処理部25は、処理回路により実現される。処理回路は、プログラムを格納するメモリ、およびメモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。処理回路は制御回路とも呼ばれる。
【0042】
図7は、本実施の形態に係る通信装置2を実現する処理回路をプロセッサ91およびメモリ92で実現する場合の処理回路90の構成例を示す図である。図7に示す処理回路90は制御回路であり、プロセッサ91およびメモリ92を備える。処理回路90がプロセッサ91およびメモリ92で構成される場合、処理回路90の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。処理回路90では、メモリ92に記憶されたプログラムをプロセッサ91が読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路90は、通信装置2の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を備える。このプログラムは、処理回路により実現される各機能を通信装置2に実行させるためのプログラムであるともいえる。このプログラムは、プログラムが記憶された記憶媒体により提供されてもよいし、通信媒体など他の手段により提供されてもよい。
【0043】
上記プログラムは、時刻同期部253が、時刻情報を取得する第1のステップと、通信品質測定部251が、移動機5と通信装置2との間の通信品質を測定し、得られた第1の通信品質情報に時刻情報を付与して第2の通信品質情報を生成する第2のステップと、環境情報収集部252が、通信システム1のサービスエリア内の第1の環境情報を収集し、第1の環境情報に時刻情報を付与して第2の環境情報を生成する第3のステップと、ログ情報管理部254が、第2の通信品質情報と第2の環境情報とを時刻情報を用いて関連付け、ログ情報として管理する第4のステップと、通信品質評価部255が、ログ情報から、規定された通信品質を満たさない劣化時間を抽出し、劣化時間に該当する第2の通信品質情報を関連付け、第1の評価結果を生成する第5のステップと、環境情報評価部256が、劣化時間に関連する時間帯のログ情報に含まれる第2の環境情報の差分から環境変化を抽出し、第2の評価結果を生成する第6のステップと、通信障害要因推定部257が、第1の評価結果および第2の評価結果に基づいて、劣化時間における通信品質の障害要因を推定する第7のステップと、を通信装置2に実行させるプログラムであるとも言える。
【0044】
ここで、プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などである。また、メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0045】
図8は、本実施の形態に係る通信装置2を実現する処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路93の構成の一例を示す図である。図8に示す処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路については、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、通信装置2は、移動機5の受信電力、データの通信遅延量、揺らぎ量などの測定結果、および周辺環境情報となる映像情報に通信システム1で管理する時刻を付与し、通信品質の評価結果から得られる時刻と対応付けられる周辺環境情報となる映像情報の差分を抽出した結果から、段階的に変化した通信品質の劣化要因を推定することとした。これにより、通信装置2は、産業用プロトコルを用いた無線通信ネットワーク10において外部要因による通信障害要因の推定精度を向上させることができる。通信装置2は、通信システム1内の特定エリア内における周辺環境の累積した変化に起因する通信障害要因となる事物の変化を推定できる。この結果、通信システム1のユーザは、表示装置3などで通信装置2の解析結果を確認することで、通信システム1内の電波環境を改善することができる。
【0047】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 通信システム、2 通信装置、3 表示装置、4 基地局、5a,5b 移動機、6a,6b 機器、7a,7b,7c カメラ、8a,8b,8c センサー、10 無線通信ネットワーク、21,22 通信部、23 データ通信サービス部、24,245 装置管理部、25 通信障害要因推定処理部、241 管理インタフェース部、242 電源部、243 メモリ、244 時刻管理部、251 通信品質測定部、252 環境情報収集部、253 時刻同期部、254 ログ情報管理部、255 通信品質評価部、256 環境情報評価部、257 通信障害要因推定部。
図1
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図7
図8