(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231204BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20231204BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231204BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20231204BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20231204BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/792
A63F13/79
A63F13/822
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2020012715
(22)【出願日】2020-01-29
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397037890
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雄史
(72)【発明者】
【氏名】前田 耕平
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-176510(JP,A)
【文献】特開2018-000364(JP,A)
【文献】特開2019-170950(JP,A)
【文献】[スクフェス新機能]覚醒表示とは?,ラブライブ!スクフェス攻略法まとめ [online],2017年03月05日,<URL:https://web.archive.org/web/20170305042421/http://ラブライブ!攻略法.com/update201607/kakuseihyouji.html>,[2023年10月27日検索]
【文献】見た目装備の設定方法と解放条件,ドラクエウォーク攻略|DQWまとめ [online],2019年10月28日,<URL:https://dqwalk.gorillawiki.jp/entry/mitamesobi>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所有する複数のキャラクタであって、外観を表す外観画像とゲームに使用されるゲーム用パラメータとがそれぞれ対応付けられた複数のキャラクタを管理し、当該複数のキャラクタの中に同じ外観画像が設定されているキャラクタが複数含まれる場合にも、当該外観画像が同じ複数のキャラクタをそれぞれ個別に管理するキャラクタ管理手段と、
前記ユーザが所有する複数の前記キャラクタのうち少なくともいずれかを用いてゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ユーザが所有する前記複数のキャラクタのうち、前記外観画像を変更するための変更可能化条件が満たされている特定キャラクタのうち前記ユーザに指定された特定キャラクタについて、当該特定キャラクタに対応付けて予め設定されている第1画像にするか、当該変更可能化条件を満たしたことによって選択可能となった第2画像にするかを前記ユーザの指示に基づいて選択し、所有するすべての当該指定された特定キャラクタの外観画像を選択された画像に変更する画像変更手段と、
いずれかのキャラクタについて前記変更可能化条件が満たされた場合に、前記ユーザが所有するキャラクタのうち、当該変更可能化条件が満たされたすべての特定キャラクタの前記ゲーム用パラメータを変更するパラメータ変更手段とを備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記キャラクタにはそれぞれ、前記ゲーム用パラメータとして用いられ、前記ゲームの進行状況に応じて変化する基本パラメータが予め設定されており、
前記パラメータ変更手段は、所有するすべての前記特定キャラクタの前記基本パラメータに対し、前記ゲームの進行状況にかかわらず所定の値を加算する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記変更可能化条件を満たした後は、当該変更可能化条件を満たす特定キャラクタの前記外観画像を前記第1画像とするか前記第2画像とするかを任意に変更可能であって、
前記パラメータ変更手段は、前記特定キャラクタの前記外観画像が前記第1画像である場合と前記第2画像である場合とで、前記ゲーム用パラメータを変化させない、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記画像変更手段は、前記特定キャラクタのうち、前記変更可能化条件を満たす前から前記ユーザが所有しているキャラクタに対しても前記外観画像の変更を行い、
前記パラメータ変更手段は、前記特定キャラクタのうち、前記変更可能化条件を満たす前から前記ユーザが所有しているキャラクタに対しても前記ゲーム用パラメータの変更を行う、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記画像変更手段は、前記特定キャラクタのうち、前記変更可能化条件を満たした後に新たにユーザが入手した前記キャラクタに対しても、前記外観画像の変更を行い、
前記パラメータ変更手段は、前記特定キャラクタのうち、前記変更可能化条件を満たした後に前記ユーザが入手した前記キャラクタに対しても、前記ゲーム用パラメータの変更を行う、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理システムは、前記変更可能化条件が満たされた場合に、当該特定キャラクタを所定数当該ユーザに付与する特定キャラクタ付与手段を更に備える、請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記変更可能化条件は、前記ゲームに関連する所定のサブスクリプションサービスに加入している状態において満たすことができる条件であり、
前記変更可能化条件が一旦満たされた前記特定キャラクタについては、前記サブスクリプションサービスから退会した後も、前記画像変更手段による外観画像の変更が可能であり、また、前記パラメータ変更手段による変更後のゲーム用パラメータも維持される、請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
情報処理システムに含まれる少なくとも1つのプロセッサに実行させる情報処理プログラムであって、
前記プロセッサを、
ユーザが所有する複数のキャラクタであって、外観を表す外観画像とゲームに使用されるゲーム用パラメータとがそれぞれ対応付けられた複数のキャラクタを管理し、当該複数のキャラクタの中に同じ外観画像が設定されているキャラクタが複数含まれる場合にも、当該外観画像が同じ複数のキャラクタをそれぞれ個別に管理するキャラクタ管理手段と、
前記ユーザが所有する複数の前記キャラクタのうち少なくともいずれかを用いてゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ユーザが所有する前記複数のキャラクタのうち、前記外観画像を変更するための変更可能化条件が満たされている特定キャラクタのうち前記ユーザに指定された特定キャラクタについて、当該特定キャラクタに対応付けて予め設定されている第1画像にするか、当該変更可能化条件を満たしたことによって選択可能となった第2画像にするかを前記ユーザの指示に基づいて選択し、所有するすべての当該指定された特定キャラクタの外観画像を選択された画像に変更する画像変更手段とを備え、
いずれかのキャラクタについて前記変更可能化条件が満たされた場合に、前記ユーザが所有するキャラクタのうち、当該変更可能化条件が満たされたすべての特定キャラクタの前記ゲーム用パラメータが変更される、情報処理プログラム。
【請求項9】
少なくとも1のプロセッサを含む情報処理装置であって、
ユーザが所有する複数のキャラクタであって、外観を表す外観画像とゲームに使用されるゲーム用パラメータとがそれぞれ対応付けられた複数のキャラクタを管理し、当該複数のキャラクタの中に同じ外観画像が設定されているキャラクタが複数含まれる場合にも、当該外観画像が同じ複数のキャラクタをそれぞれ個別に管理するキャラクタ管理手段と、
前記ユーザが所有する複数の前記キャラクタのうち少なくともいずれかを用いてゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ユーザが所有する前記複数のキャラクタのうち、前記外観画像を変更するための変更可能化条件が満たされている特定キャラクタのうち前記ユーザに指定された特定キャラクタについて、当該特定キャラクタに対応付けて予め設定されている第1画像にするか、当該変更可能化条件を満たしたことによって選択可能となった第2画像にするかを前記ユーザの指示に基づいて選択し、所有するすべての当該指定された特定キャラクタの外観画像を選択された画像に変更する画像変更手段とを備え、
前記変更可能化条件が満たされた場合に、当該外観画像の変更が可能となったキャラクタすべての前記ゲーム用パラメータが変更される、情報処理装置。
【請求項10】
情報処理システムを制御する少なくとも1つのプロセッサが実行する情報処理方法であって、
前記プロセッサに、
ユーザが所有する複数のキャラクタであって、外観を表す外観画像とゲームに使用されるゲーム用パラメータとがそれぞれ対応付けられた複数のキャラクタを管理させ、当該複数のキャラクタの中に同じ外観画像が設定されているキャラクタが複数含まれる場合にも、当該外観画像が同じ複数のキャラクタをそれぞれ個別に管理させ、
前記ユーザが所有する複数の前記キャラクタのうち少なくともいずれかを用いてゲームを実行させ、
前記ユーザが所有する前記複数のキャラクタのうち、前記外観画像を変更するための変更可能化条件が満たされている特定キャラクタのうち前記ユーザに指定された特定キャラクタについて、当該特定キャラクタに対応付けて予め設定されている第1画像にするか、当該変更可能化条件を満たしたことによって選択可能となった第2画像にするかを前記ユーザの指示に基づいて選択し、所有するすべての当該指定された特定キャラクタの外観画像を選択された画像に変更させ、
いずれかのキャラクタについて前記変更可能化条件が満たされた場合に、前記ユーザが所有するキャラクタのうち、当該変更可能化条件が満たされたすべての特定キャラクタの前記ゲーム用パラメータを変更させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが所有する複数のキャラクタを用いてゲームを進めるゲーム処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタの外観を示す画像やゲーム内で用いるパラメータが、所定のキャラクタに対応づけられているゲームが知られている。また、このようなキャラクタをユーザが複数体所有し、これらキャラクタを使ってゲームを進行させるようなゲームも知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】任天堂株式会社、”ファイアーエムブレムヒーローズ”、[online]、[令和2年1月15日検索]、インターネット(URL:https://fire-emblem-heroes.com/ja/system/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームに登場するキャラクタには、その外観画像や戦闘における強さ等を示すパラメータが対応づけられている。これにより、各キャラクタに個性が与えられ、また、ユーザが各キャラクタに対して愛着を持ちやすくすることもできる。この点に関して、さらにゲームの興趣性を高めるべく、このようなキャラクタに対応づけられている各種情報(外観画像やパラメータ)を変更することについて、改良の余地があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、キャラクタに対応づけられている各種情報の変更に関して、ユーザの自由度を向上させることが可能な情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
構成例の一例は、キャラクタ管理手段と、ゲーム実行手段と、画像変更手段と、パラメータ変更手段とを備える、情報処理システムである。キャラクタ管理手段は、ユーザが所有する複数のキャラクタであって、外観を表す外観画像とゲームに使用されるゲーム用パラメータとがそれぞれ対応付けられた複数のキャラクタを管理し、当該複数のキャラクタの中に同じ外観画像が設定されているキャラクタが複数含まれる場合にも、当該外観画像が同じ複数のキャラクタをそれぞれ個別に管理する。ゲーム実行手段は、ユーザが所有する複数のキャラクタのうち少なくともいずれかを用いてゲームを実行する。画像変更手段は、ユーザが所有する複数のキャラクタのうち、外観画像を変更するための変更可能化条件が満たされている特定キャラクタのうちユーザに指定された特定キャラクタについて、当該特定キャラクタに対応付けて予め設定されている第1画像にするか、当該変更可能化条件を満たしたことによって選択可能となった第2画像にするかをユーザの指示に基づいて選択し、所有するすべての当該指定された特定キャラクタの外観画像を選択された画像に変更する。パラメータ変更手段は、いずれかのキャラクタについて変更可能化条件が満たされた場合に、ユーザが所有するキャラクタのうち、当該変更可能化条件が満たされたすべての特定キャラクタのゲーム用パラメータを変更する。
【0008】
上記構成例によれば、所定の条件を満たすことで、同じ外観画像が設定されている複数のキャラクタ全ての外観を変更可能な状態としつつ、当該キャラクタのゲーム用パラメータを変更できる。更に、その後に当該キャラクタの外観が変更されているか否かにかかわらず、この変更内容を維持することができる。これにより、キャラクタに対応づけられている各種情報の変更についての自由度を向上させることができる。
【0009】
他の構成例として、キャラクタにはそれぞれ、ゲーム用パラメータとして用いられ、ゲームの進行状況に応じて変化する基本パラメータが予め設定されており、パラメータ変更手段は、所有する全ての特定キャラクタの基本パラメータに対し、前記ゲームの進行状況にかかわらず所定の値を加算してもよい。
【0010】
他の構成例として、変更可能化条件を満たした後は、当該変更可能化条件を満たす特定キャラクタの外観画像を第1画像とするか第2画像とするかを任意に変更可能であって、パラメータ変更手段は、特定キャラクタの外観画像が第1画像である場合と第2画像である場合とで、ゲーム用パラメータを変化させないようにしてもよい。
【0011】
上記構成例によれば、ユーザは、ゲーム用パラメータのことを気にせずにキャラクタの外観画像を自由に変更することができ、外観変更に関する自由度を高めることができる。
【0012】
他の構成例として、画像変更手段は、特定キャラクタのうち、変更可能化条件を満たす前からユーザが所有しているキャラクタに対しても外観画像の変更を行い、パラメータ変更手段は、特定キャラクタのうち、変更可能化条件を満たす前からユーザが所有しているキャラクタに対してもゲーム用パラメータの変更を行ってもよい。
【0013】
上記構成例によれば、以前から所有しているキャラクタについて、新たに変更可能化条件が設定された場合、ユーザが当該変更可能化条件を満たすことへのモチベーションを与えることができる。
【0014】
他の構成例として、画像変更手段は、特定キャラクタのうち、変更可能化条件を満たした後に新たにユーザが入手したキャラクタに対しても、外観画像の変更を行い、パラメータ変更手段は、特定キャラクタのうち、変更可能化条件を満たした後にユーザが入手したキャラクタに対しても、ゲーム用パラメータの変更を行ってもよい。
【0015】
他の構成例として、情報処理システムは、変更可能化条件が満たされた場合に、当該特定キャラクタを所定数当該ユーザに付与する特定キャラクタ付与手段を更に備えていてもよい。
【0016】
上記構成例によれば、外観変更が可能になったキャラクタをユーザが所有していない場合でも、当該キャラクタ自体をユーザに付与することができる。これにより、変更可能化条件を満たすことで、ユーザに、外観変更を試す機会を即時に提供することができる。
【0017】
他の構成例として、変更可能化条件は、ゲームに関連する所定のサブスクリプションサービスに加入している状態において満たすことができる条件であり、変更可能化条件が一旦満たされた特定キャラクタについては、サブスクリプションサービスから退会した後も、画像変更手段による外観画像の変更が可能であり、また、パラメータ変更手段による変更後のゲーム用パラメータも維持されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本実施形態によれば、所定の条件を満たすことで所定のキャラクタの外観を自由に変更可能な状態にすることができる。更に、当該条件を満たすことで当該キャラクタのゲーム用パラメータを変更できるが、その後に外観が変更されているか否かにかかわらず、この変更内容を維持することができる。これにより、キャラクタに対応づけられている各種情報を変更することについて、ユーザの自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態の一例である情報処理システムの全体像を示す模式図
【
図2】サーバ101のハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】情報処理端末102のハードウェア構成を示すブロック図
【
図8】サーバ101のメモリ112に記憶されるデータの一例
【
図9】キャラクタマスタデータ402のデータ構成の一例
【
図10】衣装スキンマスタデータ403のデータ構成の一例
【
図12】所有キャラクタデータ533のデータ構成の一例
【
図13】情報処理端末102のメモリ122に記憶されるデータの一例
【
図17】外観選択画面処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体像を示す模式図である。本実施形態の情報処理システム100は、サーバ101と、複数の情報処理端末102とを含む。サーバ101と情報処理端末102とは、インターネット103を介して通信可能に構成されている。本実施形態では、このような構成で、情報処理が実行されるが、以下では、当該情報処理の一例として、ゲーム処理を例として説明する。具体的には、情報処理端末102上にゲームプログラムがインストールされ、必要に応じてサーバ101と通信を行いながら実行されるゲーム処理を例示する。
【0021】
[サーバのハードウェア構成]
次に、上記サーバ101のハードウェア構成について説明する。
図2は、サーバ101のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ101は、プロセッサ部111と、メモリ112と、通信部113とを少なくとも備えている。プロセッサ部111は、サーバ101を制御するための各種プログラムを実行する。メモリ112には、プロセッサ部111によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。通信部113は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記情報処理端末102または他のサーバ(図示せず)との間で所定のデータを送受信する。
【0022】
[情報処理端末のハードウェア構成]
図3は、本実施形態に係るゲーム処理が実行される情報処理端末102のハードウェア構成を示すブロック図である。ここで、本実施形態では、情報処理端末102として、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスや、据置型ゲーム装置や携帯型のゲーム装置や、パーソナルコンピュータ等を想定している。本実施形態の説明では、表示画面とタッチパネルを一体型の態様で備えている情報処理端末(例えばスマートフォン)を一例として説明する。そのため、主に、入力操作は、タッチパネルへの入力となっている。但し、他の実施形態では、入力操作については、情報処理端末と無線あるいは有線で接続された物理的なコントローラを用いる形態でもよいし、例えば、情報処理端末と一体となるよう構成された入力装置を用いる形態でもよい。
【0023】
図3において、情報処理端末102は、プロセッサ121と、メモリ122と、操作部123と、表示部124と、通信部125とを備えている。プロセッサ121は、後述するゲーム処理を実行したり、情報処理端末102の全体的な動作を制御するためのシステムプログラム(図示せず)を実行したりすることで、情報処理端末102の動作を制御する。なお、プロセッサ121は、単一のプロセッサを搭載してもよいし、複数のプロセッサを搭載するようにしてもよい。メモリ122は、プロセッサ121によって実行される各種プログラムおよび当該プログラムで利用される各種データが格納される。メモリ122は、例えば、フラッシュEEPROMやハードディスク装置である。操作部123は、ユーザからの操作を受け付けるための入力装置であり、本実施形態では、主にタッチパネルを想定する。他の実施形態では、各種ポインティングデバイスや、各種押下式のボタンや、アナログスティック等であってもよい。表示部124は、典型的には液晶表示装置である。通信部125は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記サーバ101との間で所定のデータを送受信する。
【0024】
[本実施形態のゲーム処理の概要]
本実施形態は、ゲームに登場するキャラクタの外観を変更する処理に関する。本実施形態では、所定条件を満たすことで、キャラクタの外観を変更できる「スキン」が付与される。更に、これと同時に、対応するキャラクタのステータスを、ゲームを有利に進めることができるように変更するものである(例えば攻撃力を上昇させる等)。
【0025】
以下、本実施形態で実行されるゲーム処理の概要について説明する。本実施形態では上記のようなキャラクタが登場するゲームとして、シミュレーションロールプレイングゲーム(以下、SRPG)を想定する。このゲームでは、プレイヤが操作する「自軍」とコンピュータが操作する「敵軍」との間で、ターン制のシミュレーションゲーム方式にて戦闘が行われる(以下、ゲーム内においてこの方式でゲームを進行させる場面をSLGパートと呼ぶ)。また、本ゲームでは、ユーザが所有する「キャラクタ」をSLGパートにおける「駒」として用いる。ユーザは、所定数のマスで構成されたマップ上で各キャラクタを動かし、敵軍のキャラクタと戦わせる。また、各キャラクタ同士が1対1で戦うときは、戦闘シーン演出として、戦闘アニメーションも表示され得る。なお、これらキャラクタの入手方法としては、ゲームのシナリオの進行度が所定値に達する等、所定条件を満たすことで入手できる。また、所定の抽選処理を実行することでも入手可能である。更に、後述するような「衣装」を購入することで入手することも可能となっている。
【0026】
ここで、本ゲームでは、上記SLGパートで「自軍」として編成できる上記キャラクタとして、「同じ」キャラクタを編成することが可能である。一例として、ゲーム内の登場キャラクタとして、「タナカ」、「スズキ」、「サトウ」という名称のキャラクタがいる場合を想定する。ユーザは、これらキャラクタをそれぞれ複数体入手することができ、例えば「タナカ」を3体、「スズキ」を5体、「サトウ」を8体所有する、ということも可能となっている。そして、SLGパートに出撃させる「自軍」の部隊として、例えば「タナカ」を2体、「スズキ」を2体、「サトウ」を3体、編成に組み込むといったことも可能である。なお、ユーザが所有するこれらキャラクタは、名称としては同じキャラクタではあるが、内部的な処理では、それぞれに個別の識別IDが割り当てられ、「駒」単位で管理されることになる。以下の説明では、「タナカ」や「スズキ」のような同じ名称のキャラクタのことを「同名キャラクタ」と呼ぶ。また、SLGパートにおける1つ1つの駒としてのキャラクタを指す場合は「個別キャラクタ」と呼ぶ。
【0027】
また、各個別キャラクタには成長要素が設けられており、戦闘を繰り返すことで経験値を稼ぎ、「レベルアップ」することができる。レベルアップにより、各個別キャラクタに設定されているパラメータ(主にSLGパートに関するもの)も上昇する。なお、当該パラメータについては、少なくとも初期値として、同名キャラクタ単位で共通の値が設定されているものとする。例えば、レベル1の「タナカ」および「スズキ」とではパラメータ値は異なるが、レベル1の「タナカ」を3体持っている場合、この3体のパラメータは同じ値である。
【0028】
ここで、上記キャラクタには、同名キャラクタ単位でそれぞれ外観画像が予め設定されている(「第1画像」の一例)。この外観画像として、本例では、「全身画像」、「一覧用画像」、「駒画像」、「戦闘アニメ画像」が含まれているものとする(つまり、これらを総称して外観画像と呼ぶ)。「全身画像」は、例えばキャラクタの詳細を確認する画面で表示される画像であり、そのキャラクタの全身を示した画像である(他のゲームでは「立ち絵」等と呼ばれることもある)。「一覧用画像」は、キャラクタを一覧表示する場合(後述の
図5等)に用いられる画像で、例えばキャラクタの顔部分だけの画像である。「駒画像」は、SLGパートにおける駒として表示される画像であり、例えば二頭身にデフォルメされた画像等である。「戦闘アニメ」画像は、上記戦闘アニメーションにて表示するための画像である。このように、各キャラクタの外観を示すための各種画像が設定されており、基本的には、同名キャラクタの間では同じ画像が設定されている。
【0029】
なお、本実施形態では、上記キャラクタとして、人間のキャラクタを想定している。他の実施形態では、上記キャラクタとして、人間以外をモチーフにしたものを用いてもよい。例えば、動物、ロボット、モンスター等を上記のキャラクタとして扱ってもよい。更には、無生物(例えば武器や乗り物、各種道具等)を擬人化したものを、ここでいうキャラクタとして扱ってもよい。つまり、ゲーム内でユーザに使用され得るコンテンツであれば、どのようなものでもよい。
【0030】
ここで、本実施形態では、ユーザは、所定の条件を満たすことで、上記キャラクタの外観を変更することができる「衣装スキン」と呼ばれるデータを入手することができる。具体的には、本ゲームでは、ユーザが所定のサブスクリプションサービス(例えば月額料金制のサービス)に加入している状態のとき、当該ユーザは、上記「衣装スキン」を購入することができる。つまり、サブスクリプションサービスの加入によって衣装スキンの購入権利を得ることができる(なお、退会後は、再加入するまでは当該購入権利は失われる)。また、各衣装スキンの購入可能回数は1度きりであり、例えば同じ衣装スキンを複数回繰り返して購入することはできない。なお、この衣装スキンは、例えば、キャラクタが(デフォルト設定の衣装から)別の衣装に着替えたものを表現した画像であって、予め設定されている外観画像とは異なる外観の画像である(「第2画像」の一例)。そして、当該衣装スキンを購入することで、この時点でユーザが所有しているキャラクタであって、その衣装スキンに対応する同名キャラクタ(以下、スキン対応キャラクタと呼ぶ)の全ての外観画像が一律に変更される。つまり、衣装スキンの購入前から所有しているスキン対応キャラクタの全てに対して、外観画像の変更(および後述するパラメータの上昇)が行われる。また、各キャラクタに音声が設定されている場合、例えば戦闘アニメにおいて発する音声が設定されているような場合は、画像のみならずこのような音声についても変更するようにしてもよい。
【0031】
図4に、上記衣装スキンを購入するための画面の一例を示す。ユーザが所定のサブスクリプションサービスに加入することで、このような「衣装スキン」の購入画面を表示することが可能となる。この画面では、購入可能な「衣装スキン」がそのスキン対応キャラクタが判別できる態様で表示されている。
図4の例では、スキン対応キャラクタの顔画像、キャラクタ名、衣装スキン自体の名称、および購入価格が含まれるアイコン画像が3つ表示されている。この中からユーザが所望の衣装スキンを選択することで、図示は省略するが所定の購入確認画面が表示される。そして、ユーザが購入操作を行うことで、当該衣装スキンがユーザに付与されることになる。また、当該購入のタイミングに合わせて、スキン対応キャラクタの外観画像の変更処理も行われる。
【0032】
なお、当該購入の時点において、購入した衣装スキンにかかるスキン対応キャラクタを1体、ユーザに付与する処理も行われる。つまり、ユーザが未所有のキャラクタの「衣装スキン」を購入することで、対応するキャラクタ自体も入手することが可能となっている。なお、他の実施形態では、当該スキン対応キャラクタを複数付与してもよい。
【0033】
ここで、本実施形態では、上記衣装スキンの購入と同時に、スキン対応キャラクタのパラメータを上昇させることができる。具体的には、所定値が現在のパラメータに上乗せされる。一例として、本例では、全てのパラメータが+1されるものとする。ここで、このパラメータ変更の対象は、「同名キャラクタ」全てとなっている。例えば、スキン対応キャラクタが「タナカ」であり、ユーザがタナカを3体所有している場合を想定する。この3体の「タナカ」を「タナカA」「タナカB」「タナカC」とすると、これら全てについて、その外観画像が変更されるとともに、所定値が現在のパラメータに+1が上乗せされる。例えば、タナカAがレベル5、タナカBがレベル3、タナカCがレベル1の状態を想定する。上記のように、キャラクタには成長要素があるため、この3体の「タナカ」はそれぞれHPや攻撃力に差があり、例えば攻撃力について、タナカAは10、タナカBは8、タナカCは5であるとする。この状態で、上記衣装スキンを購入すると、同名キャラクタ全てにパラメータの変更(攻撃力+1)が適用され、その結果、攻撃力は、タナカAは11、タナカBは9、タナカCは6、として扱われることになる。
【0034】
なお、本実施形態では、衣装スキン毎に定義されている値を個別キャラクタの現在のパラメータに「追加(上乗せ/底上げ)」するという形式でパラメータを上昇させる。但し、パラメータの上昇手法はこれに限らず、他の実施形態では、例えば、衣装スキンにパラメータの上昇割合や上昇倍率を定義してもよい。そして、個別キャラクタの現在のパラメータを当該上昇割合や倍率に基づいて上昇させることで、パラメータを上昇させるようにしてもよい。一例を挙げると、現在のパラメータの10%分上昇させることや、現在のパラメータを1.5倍上昇させる、等である。
【0035】
また、本実施形態では、上記衣装スキン購入と同時にスキン対応キャラクタの外観画像が変更されるが、その後、ユーザ操作に基づき、個別キャラクタ単位で、元の外観画像に戻すことも可能となっている。つまり、衣装スキンを「外す」ことも可能となっている。ここで、本実施形態では、衣装スキンを外して元の外観画像に戻したとしても、上述したパラメータ上昇の効果は失われない。例えば、上記タナカAの外観画像を元に戻しても、攻撃力+1の効果は失われずに維持される。
【0036】
図5に、衣装スキンを変更するための画面である外観選択画面の一例を示す。例えば、ユーザが所定のゲームメニューから「衣装変更」ボタン(図示は省略)を選択すると、
図5に示すような画面が表示される。この画面では、ユーザが所有している個別キャラクタの顔画像(以下、アイコン画像)301が一覧表示される。ここで、各アイコン画像には、衣装スキンを設定(着用)しているか否かを示すための表示も含まれる。具体的には、衣装スキンを設定している状態(外観が変更されている状態)では、アイコンの左上部分に着用マーク302が表示される(もちろん、アイコン画像自体もデフォルトの画像から変更されている)。衣装スキンを設定していない状態(外観が変更されていない状態)では、この着用マーク302は表示されない。これにより、この一覧画像において、衣装スキンの着用状態を把握させやすくしている。
【0037】
上記画面で、衣装スキンを変更したい個別キャラクタのアイコン画像を選択すると、
図6に示すような画面が表示される。この画面では、その個別キャラクタの全身画像311(
図6では衣装スキン設定中の状態)と、外観切り替えボタン312、戻るボタン313と決定ボタン314とが表示されている。その他、キャラクタ名称や衣装スキンの名称も表示されている。外観切り替えボタン312を操作することで、設定したい外観画像を切り替えることができる。当該切り替え操作を行うと、例えば、
図7で示すような、購入した衣装スキンを設定していない場合の(デフォルトの)全身画像が表示される。ユーザは、全身画像311で外観を確認しながら変更したい外観画像を選び、決定ボタン314を操作することで、外観画像の変更を確定することができる。なお、上述したように、このような操作で外観画像を変更しても、衣装スキンの購入に伴うパラメータの上昇効果は維持されたままである。
【0038】
なお、上記のような衣装スキン購入後に更に同名キャラクタを入手する場合は、本実施形態では、上記の外観変更とパラメータ上昇効果が適用された状態で入手することになる。例えば、「タナカ」について衣装スキンを購入後、所定の抽選処理で更に「タナカ」を入手した場合、入手時の演出等は、上記外観が変更された画像が用いられることになる。また、パラメータ上昇効果も適用された状態で入手することになる。
【0039】
また、購入した衣装スキンについては、仮にその後に上記サブスクリプションサービスを退会したとしても、削除等されることはなく、有効なまま維持される。
【0040】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図8~
図17を参照して、本実施形態におけるゲーム処理についてより詳細に説明する。なお、以下の説明では、主に上記衣装スキンの購入・変更に関する処理について説明し、その他のゲーム処理の説明は割愛する。
【0041】
[使用データについて]
まず、本ゲーム処理にて用いられる各種データに関して説明する。まず、サーバ101で用いられるデータに関して説明する。図8は、サーバ101のメモリ112に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。サーバ101のメモリ112には、サーバ側プログラム401、キャラクタマスタデータ402、衣装スキンマスタデータ403、ユーザデータベース404等が記憶されている。
【0042】
サーバ側プログラム401は、本実施形態におけるゲーム処理を実行するためのプログラムである。例えば、ユーザのログイン処理や、ゲーム処理に必要な各種データを適宜情報処理端末102に送信するための処理を実行するためのプログラムである。
【0043】
キャラクタマスタデータ402は、本ゲームに登場する全てのキャラクタの基本的な情報を定義したデータである。
図9に、キャラクタマスタデータ402のデータ構成の一例を示す。
図9で示すキャラクタマスタデータ402は、キャラクタID511、基本パラメータ情報512、基本画像データ513等の項目を有するテーブル形式のデータである。キャラクタID511は、上記同名キャラクタ単位でのキャラクタを一意に識別するためのIDである。基本パラメータ情報512は、同名キャラクタのパラメータ(ヒットポイントや攻撃力等)の初期値(例えばレベル1の時点の値)を示す情報である。また、レベルアップに伴うパラメータの上昇内容(上昇幅、成長テーブル等)を定義した情報も含まれる。換言すれば、上記衣装スキンによるパラメータ変化を適用していない場合における同名キャラクタのパラメータを示す情報である。基本画像データ513は、その同名キャラクタの基本的な(初期値としての)外観画像を示すデータである。
【0044】
図8に戻り、次に、衣装スキンマスタデータ403は、本ゲームで用いられる上記衣装スキンの内容について定義したデータである。
図10に、衣装スキンマスタデータ403のデータ構成の一例を示す。衣装スキンマスタデータ403は、衣装ID521、対応キャラクタID522、変更値情報523、衣装画像データ524を少なくとも有するテーブル形式のデータである。衣装ID521は、各衣装スキンを一意に識別するためのIDである。対応キャラクタID522は、その衣装スキンによって外観画像を変更できる同名キャラクタを特定するための情報である。上記キャラクタマスタデータ402のいずれかのキャラクタID511がここに指定され得る。変更値情報523は、その衣装スキンによって変化させるパラメータの変化内容を定義した情報である。本実施形態では、上記基本パラメータ情報512に基づくパラメータ値に当該変更値情報523で示される値を追加するという形でパラメータの変更が行われる。そのため、当該変更値情報523には、例えば、「全パラメータ+1」等を示す情報が定義される。衣装画像データ524は、当該衣装スキンにかかる外観画像の画像データである。
【0045】
なお、上記キャラクタマスタデータ402や衣装スキンマスタデータ403は、例えばゲームの運営者によって、そのデータ内容(新キャラクタや新衣装)が適宜追加され得るものである。例えば、ゲーム開始時点では「タナカ」の衣装スキンのみ提供されている状態であっても、その後に、「スズキ」の衣装スキンが新たに提供されることもあり得る。換言すれば、衣装スキンを入手するための条件(本例では、サブスクリプションサービス加入状態において、衣装スキンを購入すること)は追加され得るものであるといえる。
【0046】
また、本実施形態では、1つの同名キャラクタにつき、衣装スキンは最大で1つだけ提供される場合を想定して説明するが、他の実施形態では、1つの同名キャラクタに対して、複数種類の衣装スキンが提供されるような構成としてもよい。この場合、衣装スキン毎に上記パラメータを変更する内容を異ならせてもよいし、その変更内容を共通にしてもよい。
【0047】
図8に戻り、次に、ユーザデータベース404は、本実施形態にかかるゲームをプレイする各ユーザに関するデータの集合となるデータベースである。本実施形態では、ユーザデータベース404は、後述するユーザデータ405が1レコードとして構成されるデータベースである。情報処理端末102では、ログイン処理が行われた後、そのユーザに対応したユーザデータ405をサーバ101から取得する処理等が行われる。
【0048】
図11を用いて、ユーザデータ405のデータ構成について説明する。
図11で示すユーザデータ405は、ユーザID531、加入状態データ532、所有キャラクタデータ533、所有スキンデータ534、進行状況データ535等で構成されている。ユーザID531は、各ユーザを一意に識別するためのIDである。加入状態データ532は、そのユーザが、上述したサブスクリプションサービスに加入しているか否かを示す情報である。なお、本実施形態では、月額料金制のサブスクリプションサービスを想定する。
【0049】
所有キャラクタデータ533は、そのユーザが所有している上記個別キャラクタを示すデータである。
図12は、所有キャラクタデータ533のデータ構成の一例を示す図である。所有キャラクタデータ533は、所有番号551、キャラクタID552、レベル情報553、現在外観情報554、パラメータ変更フラグ555等の項目を有するテーブル形式のデータである。所有番号551は、そのユーザが所有する個別キャラクタ一意に識別するための番号である。例えば、個別キャラクタの入手順に割り当てられる番号である。キャラクタID552は、どの同名キャラクタであるかを示す情報であり、上記キャラクタマスタデータ402におけるキャラクタID511と対応するものである。レベル情報553は、その個別キャラクタの現在のレベルを示すデータである。現在外観情報554は、その個別キャラクタの現在の外観画像がどの画像であるかを示すための情報である。換言すれば、衣装スキンを購入している同名キャラクタの場合に、購入した衣装スキンの画像にしているのか、初期値の外観画像にしているのかを示す情報である。パラメータ変更フラグ555は、上記衣装スキンの購入によるパラメータの変更が適用される状態か否かを示す情報である。初期値は「オフ」が設定され、衣装スキンの購入により「オン」が設定される。当該フラグが「オン」の個別キャラクタは、例えば上記SLGパート等において、衣装スキンによるパラメータ上昇が適用された状態で扱われることになる。
【0050】
図11に戻り、所有スキンデータ534は、そのユーザが購入済みの衣装スキンを特定するための情報である。例えば、購入した衣装スキンに対応する上記衣装ID521が記憶され得る。
【0051】
進行状況データ535は、そのユーザのゲームの進行状況を示すためのデータである。例えば、ストーリーモードでどこまで進んでいるか等を示すデータである、このデータに基づいて、ユーザは、前回中断したゲームを、その続きから再開することが可能となる。
【0052】
その他、図示は省略するが、ログイン処理に用いられるユーザのプロフィール情報等、ユーザ個々に関する情報もユーザデータ405に含まれる。
【0053】
次に、情報処理端末102のメモリに記憶される各種データについて説明する。
図13は、情報処理端末102のメモリ122に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。情報処理端末102のメモリ122には、端末側ゲームプログラム601、端末側ユーザデータ602、操作データ603、上記キャラクタマスタデータ402、上記衣装スキンマスタデータ403等が記憶される。
【0054】
端末側ゲームプログラム601は、本実施形態に係るゲーム処理を実行するためのプログラムである。
【0055】
端末側ユーザデータ602は、当該情報処理端末102を用いて本ゲーム処理をプレイするユーザに対応するユーザデータ405がメモリ122にコピーされたものである。そのデータ構成は、上記
図11で示したデータ構成と同じものであるため、説明は省略する。なお、ゲームプレイ中は、当該データが所定のタイミングで更新され、また、所定のタイミングでサーバ101に送信される。サーバ101では、当該送信された端末側ユーザデータ602に基づき、ユーザデータ405を適宜更新する処理が行われる。
【0056】
操作データ603は、ユーザが操作部123に対して行った操作内容を示すデータであり、所定の周期で生成される。
【0057】
キャラクタマスタデータ402および衣装スキンマスタデータ403は、本ゲームの開始時に上記サーバ101からメモリ122にコピーされたデータである。
【0058】
その他、メモリ122には、本処理で用いられる各種の作業用データ等も適宜格納される。
【0059】
[プロセッサ121が実行する処理の詳細]
次に、本実施形態にかかるゲーム処理の詳細を説明する。なお、ここでは、主に情報処理端末102における処理を説明する。具体的には、上記衣装スキンを購入するための「衣装購入処理」と、購入後に個別キャラクタの外観画像を変更するための「外観変更処理」について説明し、その他のゲーム処理の詳細は割愛する。また、サーバ101における処理については、必要に応じて適宜説明を加える。また、これらの処理に先立って、ユーザデータ405がサーバ101から取得され、端末側ユーザデータ602としてメモリ122に格納されている状態であるとする。
【0060】
[衣装購入処理]
まず、衣装購入処理について説明する。
図14は、当該衣装購入処理の詳細を示すフローチャートである。当該処理は、例えば、所定のゲームメニュー内に表示されている「衣装購入」ボタン(図示は省略)をユーザが選択操作することで、開始される。
【0061】
まず、ステップS1で、プロセッサ121は、加入状態データ532を参照して、ユーザが上記サブスクリプションサービスに加入している状態であるか否かを判定する。当該判定の結果、加入していない場合は(ステップS1でNO)、ステップS2で、プロセッサ121は、サブスクリプションサービスに加入していないため、衣装購入ができない旨のメッセージを表示し、当該衣装購入処理を終了する。なお、この際、サブスクリプションサービス加入のための画面に遷移するボタン等も併せて表示するようにしてもよい。
【0062】
一方、サブスクリプションサービスに加入している場合は(ステップS1でYES)、次に、ステップS3で、プロセッサ121は、衣装スキンマスタデータ403に基づき、上記
図4で示したような(購入できる)衣装スキンの一覧画面を生成して表示する。そして、ユーザの操作を待ち受ける。
【0063】
次に、ステップS4で、プロセッサ121は、操作データ603を取得し、続くステップS5で、プロセッサは、操作データ603に基づき、いずれかのスキンの購入操作が行われたか否かを判定する。購入操作が行われていた場合は(ステップS5でYES)、ステップS6で、プロセッサ121は、所定の決済処理を実行する。次に、ステップS8で、プロセッサ121は、当該スキン対応キャラクタを一体、ユーザに付与する処理を実行する。すなわち、プロセッサ121は、所有キャラクタデータ533にスキン対応キャラクタにかかるデータを1体分追加する処理を行う。
【0064】
次に、
図15のステップS9で、プロセッサ121は、今回購入された衣装スキンにかかるデータを所有スキンデータ534に追加する。次に、ステップS10で、プロセッサ121は、ユーザが所有するスキン対応キャラクタの全てについて、その外観画像を衣装スキンのものにするための設定を行う。具体的には、プロセッサ121は、今回購入された衣装スキンのスキン対応キャラクタにかかる(同名)キャラクタIDを特定する。そして、所有キャラクタデータ533のうち、当該特定されたキャラクタIDのデータを割り出し、その現在外観情報554に今回購入された衣装スキンを指定する。
【0065】
次に、ステップS11で、プロセッサ121は、今回購入された衣装スキンに対応する各個別キャラクタのパラメータを上昇させる処理を実行する。具体的には、プロセッサ121は、上記特定されたキャラクタIDのデータにおけるパラメータ変更フラグ555に「オン」を設定する。これにより、上記SLGパートにおいて、個別キャラクタのパラメータは、衣装スキンに設定されているパラメータ変更値が反映された状態で扱われることになる。その後、上記ステップS3に戻り、処理が繰り返される。
【0066】
図14に戻り、一方、上記ステップS5の判定の結果、購入操作が行われていない場合は(ステップS5でNO)、ステップS12で、プロセッサ121は、購入キャンセル操作、すなわち、当該
衣装購
入処理を終了するための操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、購入キャンセル操作が行われていない場合は(ステップS12でNO)、上記ステップS3に戻り、処理が繰り返される。購入キャンセル操作が行われている場合は、当該
衣装購
入処理を終了する。
【0067】
[外観変更処理]
次に、上記外観変更処理の詳細について説明する。
図16は、当該外観変更処理の詳細を示すフローチャートである。当該処理は、例えば、所定のゲームメニュー内に表示されている「衣装変更」ボタン(図示は省略)をユーザが選択操作することで、開始される。
【0068】
まず、ステップS21で、プロセッサ121は、上記
図5で示したようなキャラクタの一覧画面を、所有キャラクタデータ533に基づいて生成し、表示部124に表示する。
【0069】
次に、ステップS22で、プロセッサ121は、操作データ603を取得し、続くステップS23で、当該操作データ603に基づいて、いずれかのキャラクタの選択を確定する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、キャラクタ選択の確定操作が行われた場合は(ステップS23でYES)、ステップS24で、プロセッサ121は、外観選択画面処理を実行し、その後、上記ステップS21に戻る。この処理は、上記
図6~
図7を用いて説明したような外観画像の選択と決定を行うための処理である。
【0070】
図17は、上記外観選択画面処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS31で、プロセッサ121は、上記
図6(あるいは
図7)で示したような画面を生成して表示部124に表示する。具体的には、プロセッサ121は、まず、上記処理で選択されたキャラクタの現在の外観画像を上記現在外観情報554に基づいて判別する。更に、現在設定されている外観に応じた、キャラクタの全身画像のデータを適宜読み出す。そして、上記
図6で示したような画面を生成して表示する。
【0071】
次に、ステップS32で、プロセッサ121は、操作データ603を取得し、続くステップS33で、当該操作データ603に基づき、外観を切り替える操作が行われたか否かを判定する。具体的には、上記
図6における外観切り替えボタン312が操作されたか否かを判定する。操作されていた場合は(ステップS33でYES)、ステップS34で、プロセッサ121は、当該画面で表示するキャラクタの全身画像を変更する処理を実行する。例えば、現在の外観画像が衣装スキンの画像であれば、デフォルトの外観画像(全身画像)に変更する処理が行われる。その後、ステップS31に戻り、処理が繰り返される(全身画像が変更されているため、戻った後のステップS31の処理では、変更後の全身画像が表示されることになる)。
【0072】
一方、上記ステップS33の判定の結果、外観切り替えボタン312の操作が行われていない場合は(ステップS33でNO)、ステップS35で、プロセッサ121は、操作データ603に基づき、外観変更を確定するための操作が行われたか否かを判定する。具体的には、
図6の決定ボタン314が操作されたか否かを判定する。当該判定の結果、決定ボタン314が操作された場合は(ステップS35でYES)、ステップS36で、プロセッサ121は、外観画像の変更を確定する処理を行う。具体的には、プロセッサ121は、変更確定指定されたキャラクタと同じキャラクタID552のキャラクタ全てに対して、変更確定指示がなされた外観画像が指定されるように上記現在外観情報554の内容を変更する。これにより、外観画像の変更が同名キャラクタ全てに対して反映される。なお、ここで変更されるのは、外観画像だけとなるため、上述のように衣装スキン購入によるパラメータの上昇は、外観の変更内容にかかわらず維持されることになる。その後、外観選択画面処理は終了する。
【0073】
一方、上記ステップS35の判定の結果、変更確定操作が行われていない場合は(ステップS35でNO)、ステップS37で、プロセッサ121は、操作データ603に基づき、外観選択画面処理を終了するための操作が行われたか否かを判定する。具体的には、
図6の戻るボタン313が操作されたか否かを判定する。当該判定の結果、戻るボタン313の操作もされていない場合は(ステップS37でNO)、上記ステップS31に戻り、処理が繰り返される。戻るボタン313が操作された場合は(ステップS37でYES)、プロセッサ121は、外観選択画面処理を終了する。
【0074】
図16に戻り、上記ステップS23の判定の結果、キャラクタ選択の確定操作が行われていない場合は(ステップS23でNO)、ステップS25で、プロセッサ121は、操作データ603に基づき、外観変更処理を終了するための操作(終了指示)が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、終了指示が行われていない場合は(ステップS25でNO)、上記ステップS21に戻り、処理が繰り返される。一方、終了指示が行われている場合は(ステップS25でYES)、プロセッサ121は、外観変更処理を終了する。
【0075】
以上で、本実施形態にかかるゲーム処理の詳細説明を終了する。
【0076】
このように、本実施形態では、所定条件を満たすことでキャラクタの外観を変更可能な衣装スキンを入手でき、この入手と同時にスキン対応キャラクタのパラメータを上昇させることができる。更に、その後にスキン対応キャラクタの外観画像を元に戻したとしても、パラメータ上昇の効果は失わせずに、そのまま維持させることができる。これにより、キャラクタの外観変更についての自由度をユーザに提供しつつ、そのキャラクタのゲーム内性能を向上させることもできる。そのため、例えば、愛着のある特定のキャラクタについて上記のような衣装スキンが提供されれば、その見た目を適宜変更して楽しみながら、そのキャラクタの性能向上もできる。その結果、このような愛着のあるキャラクタをゲーム内で長く使い続けることへのモチベーションをユーザに与えることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0077】
[変形例]
なお、上記の処理が適用されるゲームは、上記のようなキャラクタが登場するゲームであればどのようなゲームでもよく、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アクションゲーム、シューティングゲーム、パズルゲーム等についても適用可能である。これらのゲームにおいて、例えばプレイヤが操作するキャラクタの外観を変更可能にするとともに、キャラクタ性能を上昇させるようにすればよい。キャラクタ性能の上昇については、上記のようなパラメータを上昇させることの他、以下のようにしてもよい。例えば、所定のスキル、魔法、技、武装を追加あるいは使用可能とする、パズルにおける思考のための持ち時間を増加させる、等で、ゲームをより有利に進めることができるような調整・変更をキャラクタに対して加えるようにしてもよい。
【0078】
また、ゲーム内において、上記個別キャラクタの上記パラメータの具体的な数値を確認できる画面(以下、ステータス確認画面、図示は省略)を表示可能としておいてもよい。そして、当該ステータス確認画面において、衣装スキンを購入しているか否か、すなわち、衣装スキンがパラメータ変更が適用されている状態であるか否かが判別可能なように表示態様を異ならせてもよい。例えば、衣装スキン未購入のキャラクタについては、「攻撃力10」と表示されるが、衣装スキン購入済みのキャラクタについては、「攻撃力10(+1)」というように表示態様を異ならせてもよい。その他、衣装スキン購入済みのキャラクタについては、上記衣装スキンを購入している(衣装スキンを所有している)ことを示す所定のマーク(例えば鎧のアイコン画像等)をステータス確認画面の所定の位置に表示するようにしてもよい。
【0079】
また、上記の例では、衣装スキンの購入と同時に外観画像の変更設定を行う例を示した。他の実施形態では、購入と同時での外観画像の変更は行わないようにしてもよい。つまり、衣装スキンの購入は、外観画像を変更する権利をユーザが得ることに相当する。
【0080】
また、上記のように、衣装スキンの購入と同時での外観画像の変更を行わない場合、上述したパラメータの変更については、購入と同時にパラメータ変更だけ適用してもよい。あるいは、購入後、最初に衣装スキンに外観変更したタイミングでパラメータ変更を適用するようにしてもよい。後者の場合は、衣装スキンの購入は、パラメータを上昇させる権利を得ることに相当する。
【0081】
また、上記の例では、衣装スキン購入の際にスキン対応キャラクタを1体付与していたが、他の実施形態では、衣装スキン購入の際、その衣装スキンのスキン対応キャラクタをユーザが所持していない場合にのみ付与する構成としてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、衣装スキンの購入によって衣装スキンのデータを入手できるという例を挙げた、この他、データ自体は先に入手できているが、衣装スキンを購入するまでは、当該データの利用が制限されている、という構成にしてもよい。つまり、衣装スキンのデータは所有しているが、その利用はロックされており、「衣装スキンの購入」によって、アンロックされる等である。換言すれば、この場合の「衣装スキンの購入」は、衣装スキンのデータの利用権・使用権を購入する、ということになる。
【0083】
また、衣装スキンの入手方法に関して、上記の例ではサブスクリプションサービスに加入したうえで「購入」する例を示した。他の実施形態では、この他、サブスクリプションサービスに加入の特典として、加入と同時に所定の衣装スキンをユーザに配布するようにしてもよい。また、サブスクリプションサービスに加入中の間は、定期的に(例えば季節毎に)異なる衣装スキンを配布するようにしてもよい。その他、ゲーム内イベントのクリア報酬としてユーザに所定の衣装スキンを付与するようにしてもよい。
【0084】
また、上記の例では、「購入」として所定の料金を支払う場合を想定したものを例示したが、この他、有料アイテムを使用することで、衣装スキンが入手可能としてもよい。
【0085】
また、外観画像を変更する処理に関して、上記の例では、
図5の一覧画面ではユーザが所有する個別キャラクタを表示する例を示した。この他、他の実施形態では、このような一覧画面において、ユーザは所有していないが、衣装スキンが提供されている同名キャラクタのアイコン画像も表示するようにしてもよい。この場合、表示はするが、その表示態様はユーザが所持するキャラクタと異ならせる(例えばグレーアウト表示)ようにし、選択操作は受け付けないようにすればよい。これにより、ユーザが所持していないキャラクタであって、衣装スキンが提供されているキャラクタが存在することをユーザに認識させることできる。これにより、ゲームに対するユーザの興味を高めることも可能となる。
【0086】
また、上記実施形態では、衣装スキン購入と同時にスキン対応キャラクタの外観画像を変更した後、元の外観画像に戻す場合に、個別キャラクタ単位で戻す例を挙げていた。これに限らず、他の実施形態では、所定の衣装スキンに対応するスキン対応キャラクタ全てに対して、元の外観画像に一括で戻すことが可能な構成にしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、情報処理端末102に端末側ユーザデータ602(に含まれる所有キャラクタデータ533)を記憶させる構成を例として、外観画像が同じである複数の同名キャラクタを個別に管理する構成を例示した。他の実施形態では、情報処理端末102に(直接的に)データとして記憶させる構成ではなく、情報処理端末102において、サーバ101から受け取ったデータに基づいて複数の同名キャラクタの外観画像を別々に表示するという構成で、外観画像が同じ複数の同名キャラクタをそれぞれ個別に管理してもよい。
【0088】
また、上記のような処理を実行する主体に関しても、上記のような構成に限らない。例えば、上記情報処理システムにおいて、サーバ101側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ101側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、情報処理端末102で実行される上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該情報処理端末102では一部の処理が実行されてもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、情報処理端末102は、ユーザの操作を示す操作データ505をサーバ101に送り、サーバ101において各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声として情報処理端末102にストリーミング配信されるような構成としてもよい。また、逆に、単体の情報処理装置において、上述したような処理が実行されるような構成としてもいい。
【符号の説明】
【0089】
101 サーバ
102 情報処理端末
111 プロセッサ
112 メモリ
113 通信部
121 プロセッサ
122 メモリ
123 操作部
124 表示部
125 通信部