IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社テクノメデイカの特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-採血管自動準備装置 図1
  • 特許-採血管自動準備装置 図2
  • 特許-採血管自動準備装置 図3
  • 特許-採血管自動準備装置 図4
  • 特許-採血管自動準備装置 図5
  • 特許-採血管自動準備装置 図6
  • 特許-採血管自動準備装置 図7
  • 特許-採血管自動準備装置 図8
  • 特許-採血管自動準備装置 図9
  • 特許-採血管自動準備装置 図10
  • 特許-採血管自動準備装置 図11
  • 特許-採血管自動準備装置 図12
  • 特許-採血管自動準備装置 図13
  • 特許-採血管自動準備装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】採血管自動準備装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/154 20060101AFI20231204BHJP
   B65C 3/02 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
A61B5/154 300
B65C3/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019182514
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2021058243
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591086854
【氏名又は名称】株式会社テクノメデイカ
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】白石 典之
(72)【発明者】
【氏名】森 浩之
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-33675(JP,A)
【文献】特開2009-77794(JP,A)
【文献】特開2005-65990(JP,A)
【文献】特開2012-251883(JP,A)
【文献】特開平7-300119(JP,A)
【文献】特開平7-76332(JP,A)
【文献】国際公開第2018/188182(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/154
B65C 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医師からの採血オーダーに基づいて、患者の検査に必要な採血管を選択して取り出し、取り出した採血管に患者に関する情報を印字したラベルを貼り付けると共に、ラベル貼付け後の採血管を患者単位で回収するように構成された採血管自動準備装置であって、
上下に重ねて配置された複数の採血管収納ケースと、
採血管収納ケースに沿って上下に延びるように配置された縦搬送手段と、
縦搬送手段と直交する方向に水平に延びる横搬送手段と、
横搬送手段の両側に配置された、一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段と、
前記一対のラベル貼付手段からラベル貼付後の採血管を患者単位で収容する採血管回収手段と、
前記横搬送手段上にある採血管を、両側にある一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段の何れか一方に振り分ける振分搬送手段と
前記各手段の動作を制御する制御装置と
を備えている
ことを特徴とする採血管自動準備装置。
【請求項2】
前記横搬送手段が、水平に延びる搬送コンベアを備え、
前記一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段が、前記搬送コンベアの両側に配置され、
前記振分搬送手段が、前記搬送コンベアの上方に配置され、搬送コンベア上にある採血管を何れか一方のラベル貼付手段に振り分ける
ことを特徴とする請求項1に記載の採血管自動準備装置。
【請求項3】
縦搬送手段又は横搬送手段に、採血管の方向を検知する方向検知手段が設けられ、
方向検知手段による検知結果に基づいて、前記ラベル貼付手段において採血管の位置を調整する位置決め手段が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の採血管自動準備装置。
【請求項4】
採血管回収手段がトレイであり、
空トレイを供給するトレイ供給手段と、
採血管回収済のトレイを集積するトレイ集積手段と、
空トレイ供給手段から空のトレイをラベル貼付け後の採血管回収位置へ移送し、採血管回収後のトレイをトレイ集積手段に移送するトレイコンベアと
を備えている
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の採血管自動準備装置。
【請求項5】
採血管回収後のトレイに、対応する患者の採血指示書を印字して排出する単票印刷手段を
さらに備えている
ことを特徴とする請求項4に記載の採血管自動準備装置。
【請求項6】
採血管自動準備装置が、
採血管供給機構と、採血管回収機構とを並べて配置して成り、
採血管収容ケース及び縦搬送手段が、採血管供給機構に設けられ、
前記ラベル貼付手段、ラベル印刷手段、採血管回収手段及び振分搬送手段が前記採血管回収機構に設けられ、
前記横搬送手段が、採血管供給機構から採血管回収機構に跨って配置されている
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の採血管自動準備装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の採血に必要な採血管を全自動的に準備する採血管自動準備装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
採血に用いられる採血管を効率よく確実に自動的に準備するために、上下に重ねて配置された複数の採血管収容ケースを有する採血管収容部と、
各採血管収容ケースから取り出された採血管をラベル印刷及び貼付手段まで移送する移送手段と、
採血管収容部の上方に配置され、移送手段により移送されてきた採血管に対応する患者に関する情報をラベルに印字し、印字済ラベルを前記採血管に貼り付けるラベル印刷及び貼付手段と
を有する採血管自動準備装置ラベル貼付機構を、少なくとも二つ備えた採血管自動準備装置は、
既に提案されている(特許文献1)。
このような採血管自動準備装置には、複数の採血管自動ラベル貼付機構でラベルが貼り付けられた採血管を排出するための採血管排出コンベアが設けられ、各採血管自動ラベル貼付機構で処理されたラベル貼付後の採血管は、前記採血管排出コンベアで排出される。
そして、採血管排出コンベアで排出された採血管は、採血管回収装置によって、患者毎に分けて回収される。
上記した従来の採血管自動準備装置は、複数の採血管自動ラベル貼付機構を備え、各採血管自動ラベル貼付機構が採血管収容部、移送手段及びラベル印刷及び貼付手段を各々備えているので、ラベルへの印刷及びラベルの貼付け速度が速く、結果として全体の処理速度が速いという利点がある。
しかし、上記した従来の採血管自動準備装置の構成では、一つの採血管自動ラベル貼付機構のラベル印刷及び貼付手段が故障すると、故障した採血管自動ラベル貼付機構の採血管収容部に収容された種類の採血管の処理ができなくなるため、別の採血管自動ラベル貼付機構のラベル印刷及び貼付手段が正常に機能していたとしても、装置全体を停止しなければならなかったり、また、故障した採血管自動ラベル貼付機構に収容された採血管については、手でラベルを貼り付けなければならなかったりするという問題があった。
上記した問題点を解決するために、出願人等は、一つの採血管自動ラベル貼付機構のラベル印刷及び貼付手段が故障する等して使用できない状態になっても、別の採血管自動ラベル貼付機構のラベル印刷及び貼付手段が正常に機能していれば、装置全体を停止することなく採血管の処理を続けることができる採血管自動準備装置を提案している(特許文献2)。
【0003】
【文献】特開2005-65990号公報
【文献】特開2009-77794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した特許文献1及び2に係る採血管自動準備装置は、何れも、台紙交換や故障修理等のメンテナンスでアクセスすることが多いラベル印刷及び貼付手段が採血管収容部の上方に配置されているため、メンテナンス性等を考慮すると採血管自動準備装置全体の高さをあまり高くすることが好ましくなく、結果として、採血管収容ケースを設ける数にも制限があるという問題があった。
また、特許文献2における採血管自動準備装置は、一つの採血管自動ラベル貼付機構のラベル印刷及び貼付手段が故障する等して使用できない状態になった時に、別の採血管自動ラベル貼付機構のラベル印刷及び貼付手段に採血管を移し替えるように構成されているものであるが、採血管を移し替えるために通常の移送手段とは異なる機構を設けるため、移送手段の構造が複雑になるという問題があり、構造の複雑化は故障の原因にも繋がり、また、処理速度の低下にもつながる可能性があるので問題である。
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、採血管自動準備装置全体の高さの制限を軽減することができ、かつ、複雑な機構を設けることなく複数のラベル印刷及び貼付手段でラベルの印刷と貼付けを行うことができる採血管自動準備装置を提供することを目的としている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、本発明に係る採血管自動準備装置は、医師からの採血オーダーに基づいて、患者の検査に必要な採血管を選択して取り出し、取り出した採血管に患者に関する情報を印字したラベルを貼り付けると共に、ラベル貼付け後の採血管を患者単位で回収するように構成された採血管自動準備装置であって、上下に重ねて配置された複数の採血管収納ケースと、採血管収納ケースに沿って上下に延びるように配置された縦搬送手段と、縦搬送手段と直交する方向に水平に延びる横搬送手段と、横搬送手段の両側に配置された、一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段と、前記一対のラベル貼付手段からラベル貼付後の採血管を患者単位で収容する採血管回収手段と、前記横搬送手段上にある採血管を、両側にある一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段の何れか一方に振り分ける振分搬送手段と、前記各手段の動作を制御する制御装置とを備えていることを特徴としている。
前記横搬送手段は、水平に延びる搬送コンベアを有し得、その場合、前記一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段は、前記搬送コンベアの両側に配置され、前記振分搬送手段は、前記搬送コンベアの上方に配置され、搬送コンベア上にある採血管を何れか一方のラベル貼付手段に振り分けるように構成され得る。
好ましくは、縦搬送手段又は横搬送手段に、採血管の方向を検知する方向検知手段が設けられ得、方向検知手段による検知結果に基づいて、前記ラベル貼付手段において採血管の位置を調整する位置決め手段が前記ラベル貼付手段に設けられ得る。
好ましくは、採血管回収手段はトレイであり得、その場合、空トレイを供給するトレイ供給手段と、採血管回収済のトレイを集積するトレイ集積手段と、空トレイ供給手段から空のトレイをラベル貼付け後の採血管回収位置へ移送し、採血管回収後のトレイをトレイ集積手段に移送するトレイコンベアとが設けられ得る。
また、採血管回収後のトレイに、対応する患者の採血指示書を印字して排出する単票印刷手段をさらに設けてもよい。
また、採血管自動準備装置を、採血管供給機構と、採血管回収機構とを並べて配置して構成し、前記採血管供給機構に採血管収容ケース及び縦搬送手段を設け、前記採血管回収機構に前記ラベル貼付手段、ラベル印刷手段、採血管回収手段及び振分搬送手段を設け、前記横搬送手段を、採血管供給機構から採血管回収機構に跨って配置してもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る採血管自動準備装置は、医師からの採血オーダーに基づいて、患者の検査に必要な採血管を選択して取り出し、取り出した採血管に患者に関する情報を印字したラベルを貼り付けると共に、ラベル貼付け後の採血管を患者単位で回収するように構成された採血管自動準備装置であって、上下に重ねて配置された複数の採血管収納ケースと、採血管収納ケースに沿って上下に延びるように配置された縦搬送手段と、縦搬送手段と直交する方向に水平に延びる横搬送手段と、横搬送手段の両側に配置された、一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段と、前記一対のラベル貼付手段からラベル貼付後の採血管を患者単位で収容する採血管回収手段と、前記横搬送手段上にある採血管を、両側にある一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段の何れか一方に振り分ける振分搬送手段と、前記各手段の動作を制御する制御装置とを備えていることを特徴としているので、採血管収納ケースの上方にラベル貼付手段及びラベル印刷手段が設けられていた従来の採血管自動準備装置に比べて、採血管収容ケースの積み重ね方向の高さに対する制限が軽減し、その結果、採血管収容ケースを積み重ねる数を多くすることが可能になり、結果として、処理できる採血管の種類を増やすことが可能になる。
また、横搬送手段の両側に一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段を配置すると共に、前記横搬送手段上にある採血管を、両側にある一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段の何れか一方に振り分ける振分搬送手段を設けることで、一対のラベル印刷手段及びラベル貼付手段で交互にラベル印刷及びラベル貼付けを行うことが可能になるため、処理速度が速く、また、何れか一方のラベル印刷手段に台紙交換等が必要になった場合でも、他方のラベル印刷手段及びラベル貼付手段でラベルに印刷及び貼付を行うことができるので直ちに装置全体を停止する必要がなくなる。
さらに、縦搬送手段又は横搬送手段に、採血管の方向を検知する方向検知手段を設け、方向検知手段による検知結果に基づいて、前記ラベル貼付手段において採血管の位置を調整する位置決め手段を前記ラベル貼付手段に設けることにより、採血管収容ケースに収容する採血管の向きを一方向に合わせる必要がなくなる。
また、採血管自動準備装置を、採血管供給機構と、採血管回収機構とを並べて配置して構成し、前記採血管供給機構に採血管収容ケース及び縦搬送手段を設け、前記採血管回収機構に前記ラベル貼付手段、ラベル印刷手段、採血管回収手段及び振分搬送手段を設け、前記横搬送手段を、採血管供給機構から採血管回収機構に跨って配置することにより、他の手段に比べてメンテナンスが頻繁に必要なラベル印刷手段及びラベル貼付手段を採血管回収機構に集めることができ、それにより、アクセスが容易になりメンテナスが行いやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る採血管自動準備装置の一実施例を左斜め前方から見た斜視図である。
図2図1に示した採血管自動準備装置の内部構造を示す概略右側面図である。
図3図1に示した採血管自動準備装置の内部構造を示す概略左側面図である。
図4図1に示した採血管自動準備装置の内部構造を示す概略上面図である。
図5図1に示した採血管自動準備装置の内部構造を示す上側部分の概略左側面図である。
図6】縦搬送手段30の構造を示す概略図である。
図7】方向検知手段40及び横搬送手段50の構造を示す概略図である。
図8】横搬送手段50及び振分搬送手段60の構造を示す概略図である。
図9】ラベル印刷手段及びラベル貼付手段の構造を示す概略図である。
図10】トレイ搬送手段110、トレイ供給手段120、トレイ集積手段140及び単票印刷手段130の構造を示す概略図である。
図11】採血管収納ケースから採血管ラックに採血管を取り出す流れを説明する図である。
図12】採血管ラックから方向検知手段に採血管を搬送する流れを説明する図である。
図13】方向検知手段から横搬送手段に採血管を搬送する流れを説明する図である。
図14】横搬送手段から振分搬送手段を介してトレイに採血管を搬送する流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面に示す一実施例を参照して、本発明に係る採血管自動準備装置の実施の形態について説明していく。
図1は、本発明に係る採血管自動準備装置の一実施例を左斜め前方から見た斜視図を、図2は、図1に示した採血管自動準備装置の内部構造を示す概略右側面図を、図3は、図1に示した採血管自動準備装置の内部構造を示す概略左側面図を各々示している。
図面に示すように、この採血管自動準備装置は、左右に並べて配置された採血管供給機構1及び採血管回収機構2を備えている。図1において符号3は、タッチパネルで構成され得る表示及び操作パネルを示している。この採血管自動準備装置は、採血管供給機構1に収容された複数種類の採血管4の中から患者の採血に使用する採血管を自動的に選択して取り出し、採血管回収機構2において取り出した採血管に患者に関する情報が印字及び/又は記憶されたラベルを貼り付けて、患者単位でトレイ5に回収することができるように構成されている。
【0009】
採血管供給機構1は、上下に重ねて配置された複数、図示実施例では8つの採血管収納ケース10を備えている。採血管収納ケース10は、各々が同一種類の採血管4を収容しており、図示実施例では、8つの採血管収納ケース10に別々の種類の採血管4を収容することにより8種類の採血管を処理することができる。図2に示すように、各採血管収納ケース10は、内部に収容された採血管4が後方に集まるように、後方に向けて下向きに傾けて配置されている。各採血管収納ケース10は、その後端に供給ローラ11を備え、採血管供給手段としてのプッシャ21によって収容されている採血管4を押し上げて前記供給ローラ11に採血管4を一本ずつ供給するように構成されている。
採血管供給機構1は、採血管収納ケース10の後方に採血管収納ケース10に沿って配置された縦搬送手段30を備えている。縦搬送手段30は、採血管収納ケース10に沿って上下方向にのびるレーン31と、レーン31に沿って上下に動かされる採血管ラック32と、レーン31の上端付近に設けられ、採血管4を採血管ラック32から方向検知手段40に移し替える搬送切替板33とを備えている。
前記方向検知手段40は、搬送中の採血管4の方向を検知する手段であり、方向検知後に採血管4を横搬送手段50に供給する。
前記横搬送手段50は、採血管供給機構1から採血管回収機構2に採血管を搬送するように、採血管供給機構1から採血管回収機構2に跨って水平に配置されている。
図3に示すように、採血管回収機構2は、横搬送手段50の両側に一対のラベル印刷手段80;100及びラベル貼付手段70;90を備えており、かつ、横搬送手段50の上方に、搬送されてきた採血管4を前記一対のラベル貼付手段70;90の何れかに振り分ける振分搬送手段60を備えている。
また、採血管回収機構2は、前記一対のラベル貼付手段70;90の下方に、ラベル貼付後の採血管4を回収するトレイ5を搬送するためのトレイ搬送手段110を備えている。このトレイ搬送手段110は、横搬送手段50と直交する方向に、即ち、図示実施例では、前後方向に水平に配置され、トレイ5を、トレイ供給手段120から、一対のラベル貼付手段70;90の間に位置する採血管回収位置へ、また、採血管回収位置からトレイ集積手段140へ移送する。さらに、採血管回収機構2は、前方に、採血指示書や手貼ラベルを印字して排出する単票印刷手段130を備え、この単票印刷手段130は、印刷した採血指示書や手貼ラベルを、トレイ集積手段140へ採血管回収後のトレイ5を集積する位置で、採血指示書や手貼ラベルをトレイ5に排出するようにレイアウトされている。
【0010】
以下、各手段の構成について詳細に説明していく。
図6(a)は縦搬送手段30の構造を示す概略斜視図、図6(b)は図6(a)に対応する部分の概略側面図である。
上述したように、縦搬送手段30は、採血管収納ケース10に沿って上下方向に配置されたレーン31、レーン31に沿って移動可能に構成された採血管ラック32及びレーン31の上部に配置された搬送切替板33を備えている。
図6(a)に示すように、搬送切替板33は、平行に配置された複数(図示実施例では4枚)のプレート33aを備え、採血管ラック32には前記プレート33aが通過可能な溝32aを備えており、搬送切替板33と採血管ラック32は、採血管ラック32が上昇及び下降する際に、前記プレート33aが前記溝32aを通過するように部分的にオーバーラップするように配置されている。
また、搬送切替板33は、回転軸33bを中心に回動可能に構成されている。図中、符号34はストッパを、符号35はばねを各々示しており、搬送切替板33は、前記ばね35の作用によって、通常は、図6に示すストッパ34に係止する位置にある。
上記したように構成された縦搬送手段30によれば、採血管ラック32が供給ローラ11から採血管を受け取ると、採血管ラック32は上方に移動され、採血管ラック32の上方への移動に伴い、採血管ラック32に収容された採血管4によってプレート33aに係止する。採血管ラック32をさらに上昇させると、プレート33aが採血管4に押されて搬送切替板33全体がばね35の力に抗して回動し、採血管ラック32が完全に搬送切替板33を通過すると、搬送切替板33はばね35の作用でストッパ34に係止する位置に復帰する。この状態で、採血管ラック32を下降させると、搬送切替板33のプレート33aが採血管ラック32の溝32aを通過する時に、採血管ラック32に収容された採血管4がプレート33aによって方向検知手段40に向けて案内される。
【0011】
図7は、方向検知手段40及び横搬送手段50の構造を概略的に示す図であり、図7(a)は概略斜視図を、図7(b)は図7(a)を右方向から見た概略側面図を示している。
図面に示すように、方向検知手段40は、前記搬送切替板33によって供給される採血管4を受け取る方向検知台41と、方向検知台41に供給された採血管4を両側から挟み込んで採血管の方向を検知する方向検知センサ42と、方向検知台41から排出される採血管4を、横搬送手段50における搬送コンベア51上に案内する方向検知排出ガイド43とを備えている。
前記方向検知センサ42は、採血管4の頭部は侵入できないが、底部は侵入できる寸法のガイドを備えたスイッチが、左右一対のアーム42aの先端に取り付けられており、方向検知台41に採血管4が供給されると、前記アーム42aが、採血管4に向けて動かされる。これにより、何れか一方のセンサ42のスイッチが押され、採血管4の方向が検知される。方向検知後、前記アーム42aが採血管から離れる方向に動かされ、次いで、方向検知台41が回転軸41aを中心に回動され、採血管4は、方向検知排出ガイド43を介して横搬送手段50に排出される。
【0012】
横搬送手段50は、搬送コンベア51と、搬送コンベア51の両側に配置された一対の側面ガイド52と、前記搬送コンベア51を駆動するコンベアモータ53とを備えている。図示実施例では、搬送コンベア51は、採血管供給機構1から採血管回収機構2に跨って水平に配置された一本のコンベアから成るが、これは必ずしも一本のコンベアで構成される必要はなく、例えば、採血管供給機構1及び採血管回収機構2にそれぞれコンベアを設け、採血管供給機構1及び採血管回収機構2を並べて配置した時に、一本の連続する搬送コンベア51を構成するように構成してもよい。また、さらに処理可能な採血管の種類を増やすために採血管供給機構1を二つ並べて配置する場合、全ての採血管供給機構1及び採血管回収機構2に跨るように一本の搬送コンベア51を設けてもよく、各機構にそれぞれコンベアを設けて並べて配置した時に一本の連続する搬送コンベア51を構成するように構成してもよい。
前記側面ガイド52は、図7(a)に示すように切欠き部分を有し、該切欠き部分に対応する位置に一対の一対の排出ガイド54が設けられており、この切欠き部分の上方に振分搬送手段60が設けられている。横搬送手段50は、方向検知手段40から採血管4が供給されると、コンベアモータ53が搬送コンベア51を駆動して採血管4を、切欠き部分に対応する位置、即ち、振分搬送手段60に対応する位置まで搬送する。
【0013】
図8は、振分搬送手段60の構造を示す図であり、図8(a)は斜視図を、図8(b)は図8(a)を採血管自動準備装置における左側から見た図を、図8(c)は振分搬送手段60に対応する部分を採血管自動準備装置における前方から見た図を各々示している。
振分搬送手段60は、搬送コンベア51の側面ガイド52と連続するように搬送コンベア51の両側をガイドする振分ガイド61と、該振分ガイド61を左右に回動する振分モータ62及びラックギヤ63を備えている。
前記振分ガイド61は、回転軸61aを中心に回動するように構成され、前記ラックギヤ63に固定されてる。ラックギヤ63は、振分モータ62の出力軸と噛合し、振分モータ62の回転方向に応じて移動する。これにより、搬送コンベア51が振分ガイド61の位置まで採血管4を搬送した後に、振分モータ62を左右何れかに駆動すると、ラックギヤ63を介して振分ガイド61が回動して、採血管4を、左右何れかに排出する。
【0014】
図9は、一対のラベル印刷手段80;100及びラベル貼付手段70;90の構造を示す図であり、図9(a)は斜視図を、図9(b)は図9(a)を採血管自動準備装置における左側から見た図を各々示している。
図3に示されているように、一対のラベル印刷手段80;100及びラベル貼付手段70;90は、横搬送手段50及び振分搬送手段60の両側に対称に配置されており、振分搬送手段60によって排出された採血管が、後述する加圧台71;91の何れかで受けられるように配置されている。尚、一対のラベル印刷手段80;100及びラベル貼付手段70;90は、横搬送手段50及び振分搬送手段60の両側に配置されていればよく、必ずしも対称である必要はない。
ラベル印刷手段80;100は、ラベル付き台紙供給ローラ81;101、台紙回収ローラ82;102、印字手段83;103、プラテンローラ84;104、及びラベル剥離板85;105を備え、振分搬送手段60から供給される採血管4に対応する患者に関する情報をラベルに印字して、ラベル剥離板85;105の位置、即ち、ラベル貼付け位置において、ラベル貼付手段70;90に印字済ラベルを供給するように構成されている。尚、印字手段83;103は、方向検知手段40による検知結果に基づいて、ラベルを貼り付けるべき採血管4の向きに応じて印字方向を変更する。
【0015】
ラベル貼付手段70;90は、
ラベル貼付け前の採血管受取位置、加圧準備位置、ラベル貼付位置及びラベル貼付済の採血管排出位置の四つの位置を採ることができるように移動可能に構成された、加圧ローラ71a;91aを有する加圧台71;91と、
ラベル貼付位置にある採血管を回転させる駆動ローラ72;92と、
補助ローラ73;93と、
採血管排出位置における加圧台71;91とゲート76;96との間で採血管の移動をガイドする側面ガイド74;94と、
方向検知手段40によって検知された採血管4の方向に基づいて、加圧準備位置において、印字済ラベルに対する採血管4の位置を調整する位置決めアーム75;95と、
ラベル貼付済採血管排出位置において採血管の排出を制御する排出ゲート76;96と
を備えている。
図9では、加圧台71;91は、何れも、採血管受取位置にある。
上記した構成により、振分搬送手段60によって、例えば、ラベル貼付手段70に採血管が排出されると、図9に示す採血管受取位置において加圧台71が採血管4を受け取る。その後、加圧台71は、採血管4を、加圧準備位置まで押し上げ、この位置で、位置決めアーム75によって、ラベル貼付位置を調整するように採血管4を移動させる。次いで、加圧台71は、採血管をラベル貼付位置まで押し上げ、ラベル貼付位置において、採血管4を、加圧台71の加圧ローラ71a、駆動ローラ72及び補助ローラ73で三点支持する。
次いで、台紙回収ローラ82を駆動して、印字済ラベルをラベル剥離板85で剥離すると共に、駆動ローラ72で採血管4を回転させながら、採血管4に印字済ラベルの貼り付けを行う。
ラベル貼付け後、加圧台71は採血管排出位置まで後退し、それにより、ラベル貼付済採血管が排出ゲート76上に落下する。この状態で排出ゲート76を、軸76aを中心に回動させることにより、ラベル貼付後の採血管4は、下方に位置するトレイ5に排出される。
【0016】
図10は、トレイ搬送手段110、トレイ供給手段120、トレイ集積手段140及び単票印刷手段130の構造を示す図であり、図10(a)は斜視図を、図10(b)は図10(a)を採血管自動準備装置における左方向から見た図を各々示している。
図3にも示されているように、トレイ搬送手段110は、横搬送手段50の搬送コンベア51と直交する方向に水平に延びる三つのトレイコンベア111,112及び113から成り、トレイコンベア112は、振分搬送手段60の下方の採血管回収位置から、トレイ供給手段120に対応する位置まで延び、トレイコンベア113は、トレイコンベア112と連続するように、トレイ集積手段140に対応する位置に配置され、トレイコンベア111は、トレイコンベア113の反対側でトレイコンベア112と連続するように配置されている。また図10(a)に示すようにトレイコンベア111~113は、何れも一対のコンベアベルトで構成されている。
トレイ供給手段120は、トレイコンベア112の一対のコンベアベルト間に上下に移動可能に構成された供給台121と、前記供給台121を上下に駆動させる供給リンク122と、供給台121の上方に配置されたトレイ供給庫123と、トレイ供給庫123の下端に配置された供給ラッチ124とから成る。
トレイ集積手段140は、トレイコンベア113の一対のコンベアベルト間に上下に移動可能に構成された集積台141と、前記集積台141を上下に駆動させる集積リンク142と、集積台141の上方に配置されたトレイ集積庫143と、トレイ集積庫143の下端に配置された集積ラッチ144とから成る。
単票印刷手段130は、ラベル付台紙供給ローラ131、印字手段132、プラテンローラ133、カッター134及び単票送りローラ135から成り、トレイコンベア113上で待機する採血管回収済のトレイ5に、対応する患者の採血指示書及び必要に応じて対応する患者の患者情報を印字した手貼りラベルを、台紙に貼り付けたままの状態で排出するように構成されている。
トレイコンベア111は、採血管自動準備装置にエラーが生じた時に、不要な採血管を収容したトレイ5を退避させるために使用されるコンベアであり、従って、通常運転時のトレイ5の移送経路からは外れている。
上記したように構成されたトレイ搬送手段110、トレイ供給手段120、トレイ集積手段140及び単票印刷手段130によれば、供給リンク122を介して供給台121を、トレイ供給庫123の最下位置にあるトレイ5の位置まで上昇させた後、供給ラッチ124を駆動して最下位置にあるトレイ5を外し、次のトレイ5を保持し、次いで、供給台121をトレイコンベア112の下方まで下降させると、トレイ5がトレイコンベア112に載せられる。次いで、トレイコンベア112を採血管自動準備装置の後方に向けて駆動し、空のトレイ5を、振分搬送手段60の下方、具体的には、一対のラベル貼付手段70及び90の中間位置にある採血管回収位置まで移送する。この状態で、トレイ5に、患者一人分のラベル貼付済採血管を収容した後、トレイコンベア112を採血管自動準備装置の前方に向けて駆動すると共に、トレイコンベア113を同方向に駆動し、採血管収容済のトレイ5をトレイコンベア113上に完全に載せる。一方で、単票印字手段130においてトレイ5に収容された採血管に対応する患者の採血指示書及び必要に応じて手貼りラベルを印字し、カッター134で台紙を切断して、台紙付きの採血指示書及び必要に応じて手貼りラベルをトレイ5に排出する。次いで、集積リンク142を介して集積台141を上昇させて、採血管及び採血指示書(及び必要に応じて手貼りラベル)を収容したトレイ5を、集積庫143の集積ラッチ144で保持されるまで持ち上げる。トレイ5が集積庫143の集積ラッチ144で保持されると、集積台141がトレイコンベア113の下方まで下げられる。尚、採血管収容済のトレイ5をトレイコンベア113に完全に載せた後、前記供給リンク122、供給台121、供給ラッチ124及びトレイコンベア112を駆動して次の空トレイ5を採血管回収位置まで搬送する。
【0017】
上記したように構成された採血管自動準備装置の各手段は、制御装置200によって動作制御される。具体的には、医師からの採血オーダー等に基づいて、患者の検査に必要な採血管を採血管収納ケース10から取り出し、取り出した採血管を縦搬送手段30及び横搬送手段50で振分搬送手段60へ搬送し、振分搬送手段60において、ラベル貼付手段70又は90の何れかに振り分け、対応するラベル印刷手段80又は100において、対応する患者に関する情報をラベルに印刷して、ラベル貼付手段70又は90で採血管に貼り付け、ラベル貼付後の採血管及び採血指示書(及び必要に応じて手貼ラベル)を患者単位でトレイ5に収容して、トレイ集積手段140に集積するように各手段が制御される。振分搬送手段60における振り分けは、通常時は、ラベル貼付手段70及び90に交互に振り分けることにより処理時間が短縮され、また、何れか一方のラベル印刷手段80又は100等に台紙交換や他のトラブル等が発生した場合には他方のラベル印刷手段のみに振り分けることにより採血管自動準備装置を停止する必要がなくなる。
【0018】
次に、上記したように構成された採血管自動準備装置の作用について、図11図12図13、及び図14を用いて説明していく。
始めに、患者の検査に必要な採血管収納ケース10における供給ローラ11の採血管受取部分を採血管収納ケース10側に向ける(図11(a))。
次いで、プッシャ21を上昇させて採血管収納ケース10に収容されている採血管4を供給ローラ11の採血管受取部分に押し出す(図11(b))。
最後に、供給ローラ11を回転させて採血管4を採血ラック32に排出する。尚、プッシャ21は、採血管4が供給ローラ11の採血管受取部分に入ったことを、不図示の検知手段で検知した後に下降される(図11(c))。
採血管4が採血管ラック32に収容されると、採血管ラック32がレーン31に沿って上昇させられる(図12(a))。
採血管ラック32が上昇する過程において、搬送切替板33は採血管ラック32に収容された採血管4によって押されて、ばね35の力に抗して回動して退避する(図12(b))。
採血管ラック32が搬送切替板33を通過すると、搬送切替板33はばね35の力でストッパ34と係止する位置に戻される(図12(c))。
次いで採血管ラック32を下降させると、採血管ラック32に収容されている採血管4は、搬送切替板33の上面を滑って方向検知台41に供給される(図12(d))。
方向検知台41に採血管4が供給されると、何れか一方の方向検知センサ42が採血管4の底部に接触するまでアーム42aが内側にスライドして、採血管の方向を検知する(図13(a)。
方向を検知した後、アーム42aは外側に退避し、方向検知台41は回転軸41aを中心に、矢印方向に回転する。これにより、方向検知排出ガイド43と方向検知台41との間に生じた開口部から落下して横搬送手段50に収容される(図13(b))。
採血管4が横搬送手段50の搬送コンベア51上に供給されると、コンベアモータ53を介して搬送コンベア51が駆動され、採血管4が振分ガイド61に納まる位置まで搬送される(図8)。
振分搬送手段60は、採血管4のラベル貼付手段70又は90の何れかに振り分ける。以下の説明では、ラベル貼付手段70に振り分ける例を説明する。
加圧台71が採血管受取位置にある状態で振分ガイド61が矢印方向に振られ、採血管4は加圧台71上に供給される(図14(a))。
次いで、加圧台71は、採血管4を、加圧準備位置まで押し上げ、この位置で、位置決めアーム75によって、ラベル貼付位置を調整するように採血管4をスライドさせる。(図14(b)。
その後、加圧台71は、採血管をラベル貼付位置まで押し上げ、ラベル貼付位置において、その加圧ローラ71aによって、採血管を、駆動ローラ72及び補助ローラ73に押し付けて三つのローラで三点支持し、次いで、駆動ローラ72を回転させて採血管4を回転させる。この状態で、ラベル印刷手段80で印刷したラベルを採血管4と駆動ローラ72の間に差し込み、ラベルを採血管4に貼り付ける(図14(c))。
ラベルの貼り付けが終了した後、加圧台71を採血管排出位置まで下降させると、ラベル貼付済採血管が排出ゲート76上に落下し、そこでトレイ収納を待機する。加圧台71は、再び、採血管受取位置まで上昇され、次の採血管の受け取りを待つ(図14(d))。
一方、トレイ供給手段120は、供給台121を介して供給庫123から空トレイ5を一つ取り出し、トレイコンベア112によって採血管回収位置に空トレイ5を搬送する。採血管回収位置に対応する患者の空トレイ5が到着していることを検知すると、排出ゲート76が開いて採血管4をトレイ5に落下させる(図14(e))。
トレイコンベア112は、患者一人分の採血管を全て収容するまで採血管収容位置に維持され、患者一人分の採血管を全て収容すると、トレイコンベア112及び113によって集積台141上まで搬送される。この位置で、単票印刷手段130によって印刷及びカットされた採血指示書(及び必要に応じて手貼りラベル)を、単票送りローラ135によってトレイ5の上に落下させた後、集積リンク142で集積台141を、トレイ5が集積ラッチ144の上にくるまで上昇させた後、集積台141を下降させる。これにより、患者一人分の採血管4及び採血指示書(及び必要に応じて手貼りラベル)を収容したトレイ5は、集積ラッチ144で係止されて集積庫143に集積される(図10)。
【0019】
上記したように構成された採血管自動準備装置によれば、従来、採血管収納ケース10の上方に配置されていた、ラベル印刷手段及びラベル貼付手段を、採血管収納ケース10からオフセットした位置に配置しているので、ラベル印刷手段及びラベル貼付手段による採血管供給機構1の高さの制限がなくなり、採血管収納ケース10の数を増やすことが可能になり、その結果、より多くの種類の採血管を処理することができるようになるという効果を奏する。
また、ラベル印刷手段及びラベル貼付手段を、横搬送手段50の搬送コンベア51の両側に配置して、振分搬送手段60によって採血管を振り分けることができるように構成しているので、ラベル印刷手段及びラベル貼付手段が採血管収納ケース10の上方に配置されていた従来の採血管自動準備装置に比べてラベル印刷及びラベル貼付けの効率を高めることができ、結果として処理速度が上がるという効果を奏する。
また、振分搬送手段60によって、搬送コンベア51の両側に配置されたラベル印刷手段及びラベル貼付手段の何れか一方に採血管を振り分けることができるように構成しているので、採血管供給機構1が各々、ラベル印刷手段及びラベル貼付手段を備えていた従来の採血管自動準備装置に比べて、ラベル印刷手段及びラベル貼付手段を選択するための構造が簡単になるという効果を奏し、さらに、何れか一方のラベル印刷手段及びラベル貼付手段が、台紙切れ等が原因で作動できない場合であっても、直ちに採血管自動準備装置を止めることなく処理を進めることも可能になる。
さらに、単票印刷手段130を採血管自動準備装置の装置前面に設け、また、ラベル印刷手段80及び100並びにラベル貼付手段70及び90を採血管自動準備装置の側面に設けているので、アクセスがし易く、台紙交換等のメンテナンスが容易になる。
上記した実施例では、ラベル印刷手段がラベルに患者に関する情報を印字するように構成されているが、ラベル印刷手段の構成は本実施例に限定されることなく、例えば、ラベルにRFIDチップ等の記憶媒体が設けられている場合には、患者に関する情報を印字すると共に、ラベルに設けられている記憶媒体に患者に関する情報を記憶させる情報書込機能を有するように構成することもできる。
【符号の説明】
【0020】
1 採血管供給機構
2 採血管回収機構
3 表示及び操作パネル
4 採血管
5 トレイ

10 採血管収納ケース
11 供給ローラ

20 採血管供給手段
21 プッシャ

30 縦搬送手段
31 レーン
32 採血管ラック
32a 溝
33 搬送切替板
33a プレート
33b 回転軸
34 ストッパ
35 ばね

40 方向検知手段
41 方向検知台
41a 回転軸
42 方向検知センサ
42a アーム
43 方向検知排出ガイド

50 横搬送手段
51 搬送コンベア
52 側面ガイド
53 コンベアモータ
54 排出ガイド

60 振分搬送手段
61 振分ガイド
61a 回転軸
62 振分モータ
63 ラックギヤ

70 ラベル貼付手段
71 加圧台
71a 加圧ローラ
72 駆動ローラ
73 補助ローラ
74 側面ガイド
75 位置決めアーム
76 排出ゲート
76a 軸

80 ラベル印刷手段
81 ラベル付台紙供給ローラ
82 台紙回収ローラ
83 印字手段
84 プラテンローラ
85 ラベル剥離板

90 ラベル貼付手段
91 加圧台
91a 加圧ローラ
92 駆動ローラ
93 補助ローラ
94 側面ガイド
95 位置決めアーム
96 排出ゲート
96a 軸

100 ラベル印刷手段
101 ラベル付台紙供給ローラ
102 台紙回収ローラ
103 印字手段
104 プラテンローラ
105 ラベル分離板

110 トレイ搬送手段
111 トレイコンベア
112 トレイコンベア
113 トレイコンベア

120 トレイ供給手段
121 供給台
122 供給リンク
123 供給庫
124 供給ラッチ

130 単票印刷手段
131 ラベル付台紙供給ローラ
132 印字手段
133 プラテンローラ
134 カッター
135 単票送りローラ

140 トレイ集積手段
141 集積台
142 集積リンク
143 集積庫
144 集積ラッチ

200 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14