(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23B 50/12 20060101AFI20231204BHJP
F23K 3/16 20060101ALI20231204BHJP
F24B 1/16 20210101ALI20231204BHJP
F24B 13/04 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
F23B50/12
F23K3/16
F24B1/16
F24B13/04 D
(21)【出願番号】P 2023134108
(22)【出願日】2023-08-21
【審査請求日】2023-08-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521124043
【氏名又は名称】▲高▼松 隆士
(73)【特許権者】
【識別番号】500328079
【氏名又は名称】▲高▼松 六男
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 隆士
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 六男
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第2454400(US,A)
【文献】米国特許第4606282(US,A)
【文献】国際公開第2013/126021(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2886953(EP,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2015-0003285(KR,U)
【文献】特開昭56-157705(JP,A)
【文献】登録実用新案第3209488(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23B 10/00 - 99/00
F23K 1/00 - 3/22
F24B 1/00 - 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形燃料を燃焼させる燃焼室を有する燃焼装置であって、
鉛直方向で前記燃焼室より上に設けられ、かつ、前記燃焼室へ供給する前記固形燃料を収容する主収容室と、
前記燃焼室と前記主収容室とを接続して設けられ、前記燃焼室で発生する燃焼ガスを前記主収容室へ排出し、かつ、前記主収容室に収容されている前記固形燃料を前記燃焼室へ供給する通路と、
鉛直方向で前記通路より上において前記主収容室へ接続され、かつ、前記主収容室の燃焼ガスを屋外へ排出する排気通路と、
を有する、燃焼装置。
【請求項2】
請求項1記載の燃焼装置であって、
鉛直方向で前記通路と前記排気通路との間において前記主収容室へ接続され、かつ、前記主収容室へ供給する前記固形燃料を収容する副収容室が、更に設けられている、燃焼装置。
【請求項3】
請求項2記載の燃焼装置であって、
前記副収容室に収容されている前記固形燃料を、前記主収容室へ供給する供給口と、
前記供給口を開閉する調整板と、
が設けられている、燃焼装置。
【請求項4】
請求項3記載の燃焼装置であって、
前記調整板は、前記主収容室に収容されている前記固形燃料のうち最も上に位置する前記固形燃料に接触されていると前記供給口を閉じ、
前記調整板は、前記主収容室に収容されている前記固形燃料のうち最も上に位置する前記固形燃料から離れると前記供給口を開く、燃焼装置。
【請求項5】
請求項2記載の燃焼装置であって、
前記主収容室を有し、かつ、鉛直方向に沿って延ばされた主収容管と、
前記副収容室を有し、かつ、前記主収容管の外面から突出して設けられた副収容管と、
を有する、燃焼装置。
【請求項6】
請求項5記載の燃焼装置であって、
鉛直方向に対して垂直な平面における前記主収容管の平面視で、前記主収容管の外面から前記副収容管が複数突出して設けられ、
鉛直方向に対して垂直な平面における前記主収容管の平面視で、前記主収容管は、複数の前記副収容管の中心に配置されている、燃焼装置。
【請求項7】
請求項1記載の燃焼装置であって、
前記燃焼室へ空気を供給する通気路と、
前記通気路から前記燃焼室へ供給される空気の流量を調整する流量調整バルブと、
が設けられている、燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固形燃料を燃焼室で燃焼させる燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固形燃料を燃焼室で燃焼させる燃焼装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている燃焼装置は、固形燃料収納体と、燃焼室と、排気装置と、を有する。固形燃料収納体は、植物由来の固形燃料を収容し、かつ、下端に通気性の燃料保持部材を有する。燃焼室は、固形燃料収納体の下部に設けられている。排気装置は、燃焼室へ連通されている。また、固形燃料収納体には、外気吸入口が設けられている。燃料保持部材は、網状あるいは目皿状で通気性がある。さらに、燃料保持部材は、固形燃料が落下せず、固形燃料の灰が落下する機能を備えている。燃焼室には灰受皿が設けられている。固形燃料収納体の上端に外気吸入口が設けられ、外気吸入口を覆う蓋体が設けられている。
【0003】
燃焼室は、第1燃焼室及び第2燃焼室を有し、第1燃焼室は、固形燃料収納体の下部に設けられている。第2燃焼室は、第1燃焼室からほぼ水平に延ばされている。排気装置は、第2燃焼室に接続された煙突である。固形燃料から発生した可燃性ガスである気体が固形燃料収納体から第2燃焼室へと排出され、第2燃焼室を経て排気装置から外部に排出される。固形燃料の燃焼が継続されると、固形燃料収納体内に満タンに投入した固形燃料が下方から順次燃焼し、燃焼が完了すると灰となって燃料保持部材から落下し、灰受皿に収容される。下の固形燃料が無くなると、上の固形燃料が降下して燃焼を継続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、特許文献1に記載されている燃焼装置において、固形燃料収納体と排気装置とが水平方向に間隔を置いて配置され、かつ、固形燃料収納体と排気装置との間に第2燃焼質が配置されているため、燃焼装置の構造が複雑である、という課題を認識した。
【0006】
本開示の目的は、構造を簡略化できる燃焼装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、固形燃料を燃焼させる燃焼室を有する燃焼装置であって、鉛直方向で前記燃焼室より上に設けられ、かつ、前記燃焼室へ供給する前記固形燃料を収容する主収容室と、前記燃焼室と前記主収容室とを接続して設けられ、前記燃焼室で発生する燃焼ガスを前記主収容室へ排出し、かつ、前記主収容室に収容されている前記固形燃料を前記燃焼室へ供給する通路と、鉛直方向で前記通路より上において前記主収容室へ接続され、かつ、前記主収容室の燃焼ガスを屋外へ排出する排気通路と、を有する燃焼装置を構成した。
【発明の効果】
【0008】
本開示の燃焼装置は、固形燃料を収容する主収容室が、燃焼室で発生する燃焼ガスを排出する経路としての役割を兼ねる。したがって、燃焼装置の構造が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】燃焼装置の具体例である暖房装置の正面断面図である。
【
図2】暖房装置の一部を拡大した正面断面図である。
【
図3】鉛直方向に対して垂直な平面における暖房装置の平面図である。
【
図4】副収容室の炭団が、主収容室へ供給される第1例を示す正面断面図である。
【
図5】副収容室の炭団が、主収容室へ供給される第2例を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(概要)
本開示における燃焼装置は、燃焼室で固形燃料を燃焼させるものである。燃焼装置の具体例は、暖房装置である。暖房装置は、対象空間の温度低下を抑制すること、対象空間の温度を所定の温度範囲に保持すること、等に用いることができる。対象空間は、例えば、建物、例えば、ビニールハウスの内部、または、家屋の内部、等を含む。さらに、本開示における燃焼装置は、固形燃料を収容する収容室を有し、収容室の固形燃料を燃焼室へ供給することができる。
【0011】
(具体例)
本実施形態は、暖房装置のいくつかの具体例を、図面を参照して説明するものである。
図1のように、暖房装置10は、例えば、家屋11の内部12に設けられる。暖房装置10は、支持台13、燃焼室14、主収容室15、副収容室40,41を有する。支持台13は、例えば、耐熱煉瓦、耐熱ブロック、等で構成されており、支持台13の上面は、略平坦である。支持台13は、使用場所60へ置かれる。支持台13の上に装置本体18が載せられている。
【0012】
装置本体18は、熱伝導性を有する金属材料、例えば、鉄製であり、かつ、箱形状に構成されている。装置本体18の内部に、支持部材19が設けられており、支持部材19は、燃焼室14と灰回収室20とを区画している。重力の作用方向、つまり、鉛直方向において支持部材19の上に燃焼室14が形成され、鉛直方向において支持部材19の下に灰回収室20が形成されている。支持部材19は、例えば、金網製であり、装置本体18の内部に、略水平に設けられている。支持部材19は、燃焼室14で燃焼される固形燃料、例えば、炭団21を支持する。炭団21は、木を伐採して、その木片のチップを焼いて木炭とし、木炭を更に破砕し、かつ、加圧及び接着して製造したものである。
【0013】
燃焼室14は、支持部材19で支持された炭団21が燃焼する空間である。装置本体18は、通路22を有し、主収容室15は、通路22を介して燃焼室14へつながっている。通路22は、鉛直方向で燃焼室14と主収容室15との間に配置されている。通路22は、燃焼室14で発生する燃料ガスを主収容室15へ排出する役割と、主収容室15内の炭団21を燃焼室14へ供給する役割と、を果たす。空気供給管23が、装置本体18へ接続されている。空気供給管23は、例えば金属製であり、空気供給管23の内部に通気路24が設けられている。内部12の空気は、通気路24を通って燃焼室14へ供給される。流量調整バルブ25が空気供給管23に設けられている。流量調整バルブ25は、通気路24から燃焼室14へ供給される空気の流量を調整するためのバルブである。利用者は、流量調整バルブ25を手動操作して、燃焼室14へ供給される空気の流量を調整できる。
【0014】
図2のように、装置本体18は、扉26及び開口部27を有し、扉26は装置本体18に対し蝶番を介して作動可能に取り付けられている。利用者は、扉26を作動させて開口部27を開閉することができる。扉26は、例えば、耐熱ガラス製であり、利用者は、扉26が開口部27を閉じている状態において、内部12から、扉26を通して燃焼室14を目視できる。開口部27は、燃焼室14につながっており、利用者は、点火された炭団21を開口部27から燃焼室14へ入れることができる。
【0015】
灰回収室20は、燃焼室14で炭団21が燃焼して生成された灰28がたまる空間である。装置本体18は、扉29及び取り出し口30を有し、扉29は装置本体18に対し蝶番を介して作動可能に取り付けられている。利用者が扉29を作動させると、取り出し口30を開閉できる。扉29は、例えば、金属製であり、利用者は、扉29を操作して取り出し口30を開き、かつ、灰回収室20の灰28を取り出し口30から取り出すことができる。
【0016】
主収容管31が、装置本体18の上に設けられている。主収容管31は、例えば、鋳鉄製であり、鉛直方向に沿って略直線状に延ばされている。つまり、主収容管31の中心を通る仮想線A1は、略鉛直方向に沿って配置されている。主収容管31内に主収容室15が設けられ、主収容室15は通路22を介して燃焼室14へつながっている。主収容室15は、鉛直方向で燃焼室14より上に設けられている。
図3のように、暖房装置10を真上から平面視した場合において、主収容管31の断面形状は、例えば、四角形であり、4つの壁32,33,34,35を有する。壁32と壁33とが平行に配置され、壁34と壁35とが平行に配置されている。
図1のように、主収容管31の上端に投入口36が設けられ、投入口36は、主収容室15につながっている。
【0017】
図1に示す使用場所60から投入口36までの鉛直方向の高さの最大値は、例えば、150cmに設定される。また、投入口36を開閉する蓋37が設けられている。利用者は、蓋37を操作して投入口36を開き、炭団21を主収容室15へ入れることができる。複数の炭団21が主収容室15へ入れられると、複数の炭団21は、鉛直方向に沿って1列に積み重ねられた状態で静止する。主収容室15において、最も低い位置にある炭団21は、燃焼室14内にある炭団21の上に載る。
【0018】
副収容管38,39が、主収容管31の外面からそれぞれ突出して設けられている。副収容管38,39は、例えば、鋳鉄製である。副収容管38に副収容室40が設けられ、副収容管39内に副収容室41が設けられている。副収容室40は、供給口42から主収容室15へつながっている。副収容室41は、供給口43から主収容室15へつながっている。
【0019】
図3のように、副収容管38は、壁33から突出され、副収容管39は、壁32から突出されている。暖房装置10を真上から平面視すると、主収容管31は、副収容管38と副収容管39との間に配置されている。また、
図1のように暖房装置10を正面視すると、鉛直方向で供給口42は供給口43より下に配置されている。
【0020】
副収容管38の上端に投入口44が設けられ、投入口44を開閉する蓋45が設けられている。利用者は、投入口44を開いて球形状の炭団21を投入口44から副収容室40へ入れることができる。複数の炭団21は、副収容室40内へ1列に収容される。暖房装置10を正面視すると、投入口44は、鉛直方向で供給口42より上に設けられている。つまり、暖房装置10を正面視すると、副収容管38の中心を通る仮想線A2は、主収容管31の仮想線A1に対して傾斜されている。仮想線A1と仮想線A2との間の角度は、副収容室40内の炭団21が自重で主収容室15へ向けて移動できる値に設計される。
【0021】
副収容管39の上端に投入口46が設けられ、投入口46を開閉する蓋47が設けられている。利用者は、投入口46を開いて炭団21を投入口46から副収容室41へ入れることができる。複数の炭団21は、副収容室41内で1列に収容される。暖房装置10を正面視すると、投入口46は、鉛直方向で供給口43より上に設けられている。つまり、暖房装置10を正面視すると、副収容管39の中心を通る仮想線A3は、主収容管31の仮想線A1に対して傾斜されている。仮想線A1と仮想線A3との間の角度は、副収容室41内の炭団21が自重で主収容室15へ向けて移動できる値に設計される。さらに、仮想線A2に対して垂直な平面における副収容管38の内面形状は、例えば、円形である。また、仮想線A3に対して垂直な平面における副収容管39の内面形状は、例えば、円形である。
【0022】
図2のように、供給口42には調整板(開閉板)48が設けられている。調整板48は、例えば、金属製であり、副収容室40に収容されている炭団21を、主収容室15へ供給するタイミングを定める。調整板48は、副収容管38から吊り下げられている。調整板48の形状及び寸法は、調整板48が自重で真下へ垂下されている状態で、炭団21が調整板48と副収容管38の内面との間を通過することを阻止できるように設計されている。調整板48は、副収容室40内の炭団21により、主収容室15へ向けて押される。調整板48は、
図2において反時計回りに付勢されている。
【0023】
供給口43には調整板(開閉板)49が設けられている。調整板49は、例えば、金属製であり、副収容室41に収容されている炭団21を、主収容室15へ供給するタイミングを定める。調整板49は、副収容管39から吊り下げられている。調整板49の形状及び寸法は、調整板49が自重で真下へ垂下されている状態で、炭団21が調整板49と副収容管39の内面との間を通過することを阻止できるように設計されている。調整板49は、副収容室41内の炭団21により、主収容室15へ向けて押される。調整板49は、
図2において時計回りに付勢されている。
【0024】
さらに、ガス排出管50が、主収容管31へ接続されている。ガス排出管50は、排気通路51を有し、排気通路51は、排気口52を介して主収容室15へつながっている。排気口52は、鉛直方向で通路22より上に設けられている。具体的に説明すると、排気口52は、鉛直方向で投入口36と供給口43との間に配置されている。言い換えると、鉛直方向で排気口52と通路22との間に、供給口42,43が設けられている。ガス排出管50は、例えば、耐熱性を有する金属製である。ガス排出管50は、蛇腹53を有しており、ガス排出管50の長手方向の一部は、略水平方向に延ばされ、かつ、家屋11の壁により支持されている。また、ガス排出管50の長手方向の一部は、屋外54に配置されている。
【0025】
さらに、屋外54に煙突55が設けられ、煙突55がガス排出管50の端部へ接続されている。煙突55は、略鉛直方向に延ばされた部位を有し、かつ、排気通路56を有する。排気通路56は、排気通路51及び屋外54へつながっている。
【0026】
(使用例)
使用者は、点火した1個の炭団21を開口部27から燃焼室14へ入れ、かつ、その炭団21を支持部材19へ載せる。空気が通気路24を通って燃焼室14へ供給される。したがって、燃焼室14にある炭団21の燃焼が促進される。また、燃焼室14にある炭団21の熱は、主収容室15内で最も低位置にある炭団21へ伝達され、かつ、その炭団21が燃焼する。
【0027】
このため、燃焼室14にある炭団21が燃焼して発生する燃焼ガスは、空気よりも比重が小さいため、通路22を通って主収容室15へ排出される。また、主収容室15内の炭団21のうち、最も低位置の炭団21で発生する燃焼ガスは、主収容室15内を上昇する。そして、燃焼ガスは、主収容室15内を上昇して排気通路51へ流れ込む。排気通路51へ流れ込んだ燃焼ガスは、排気通路56を通って屋外54へ排出される。ここで、排気口52は、鉛直方向で投入口36より下に配置されている。したがって、主収容室15内で最も温度が高い箇所にある燃焼ガスが、煙突55から屋外54へ排出されることを防止できる。
【0028】
また、燃焼室14内にある炭団21を含む複数個の炭団21が燃焼して生じる熱は、装置本体18を介して内部12の空気へ伝達される。したがって、内部12の温度が低下すること、または、内部12の温度を所定温度の範囲に保持すること、ができる。さらに、燃焼室14にある炭団21の燃焼により灰が生成され、その灰は、支持部材19の隙間を通って灰回収室20へ自重で落下する。燃焼室14にある炭団21の体積が低下すると、主収容室15内にある炭団21は、自重で下へ移動する。そして、燃焼室14にある炭団21のうち、最も低い位置にある炭団21が、燃焼室14へ移動、もしくは、落下する。
【0029】
このように、主収容室15内へ鉛直方向に沿って積まれた複数の炭団21は、下に位置するものから順次、自重で燃焼室14へ移動する。したがって、燃焼室14で炭団21が燃焼されている継続時間を増加させることができる。また、複数の副収容管38,39を設けているため、暖房装置10の高さの最大値が増加することを抑制できる。さらに、使用者は、扉29を開き、灰回収室20にたまっている灰28を、取り出し口30から取り出すことができる。
【0030】
ところで、主収容室15にある炭団21のうち、最も上に位置する炭団21が、
図2のように、調整板49より上に位置していると、調整板49が主収容室15にある炭団21に接触しており、調整板49は停止している。つまり、調整板49は供給口43を閉じており、副収容室41の炭団21は、副収容室41で停止されている。また、主収容室15にある炭団21のうち、最も上に位置する炭団21が、調整板48より上に位置していると、調整板48が主収容室15にある炭団21に接触しており、調整板48は停止している。つまり、調整板48は供給口42を閉じており、副収容室40の炭団21は、副収容室40で停止されている。
【0031】
そして、主収容室15に収容されている炭団21が、順次、下へ移動して、
図4のように、主収容室15にある炭団21のうち、最も上に位置する炭団21が、調整板49の下端より下へ移動すると、調整板49が、最も上に位置する炭団21から離れる。このため、調整板49が、副収容室41に収容されている炭団21に押されて、時計回りに作動する。すると、供給口43が開き、副収容室41に収容されている炭団21は、重力で副収容室41内を移動し、供給口43を通って主収容室15へ供給される。したがって、燃焼室14で炭団21が燃焼される継続時間を、一層、増加させることができる。
【0032】
さらに、主収容室15にある炭団21が下へ移動して、
図5のように、主収容室15にある炭団21のうち、最も上に位置する炭団21が、調整板48の下端より下へ移動すると、調整板48が、最も上に位置する炭団21から離れる。このため、調整板48が、副収容室40にある炭団21に押されて、反時計回りに作動する。すると、供給口42が開き、副収容室40に収容されている炭団21は、重力で副収容室40内を移動し、供給口42を通って主収容室15へ供給される。したがって、燃焼室14で炭団21が燃焼される継続時間を、一層、増加させることができる。
【0033】
さらに、鉛直方向に対して垂直な平面における暖房装置10の平面視である
図3において、主収容管31が支持台13の上に設けられ、主収容管31は、副収容管38と副収容管39との間に配置されている。つまり、主収容管31は、副収容管38,39の中心に配置されている。このため、暖房装置10の重心が、仮想線A1の所定位置に設定される。したがって、暖房装置10の静的バランスを確保でき、暖房装置10が、
図1において左方向または右方向の何れか一方へ傾くことを抑制できる。
【0034】
さらに、使用場所60に囲み要素61を立てて設けることもできる。囲み要素61は、周囲の物体が、暖房装置10に不用意に接触することを防ぐ要素である。囲み要素61は、装置本体18の周囲及び主収容管31の高さ方向の一部を囲むように設けられる。囲み要素61は、暖房装置10の平面視で環状に設けられる。囲み要素61は、暖房装置10の平面視で、略四角形、略円形、略楕円形、等のうちの何れでもよい。囲み要素61は、例えば、金網、柵等で構成することができる。囲み要素61は、暖房装置10の周囲に二重、または三重に設けられていてもよい。
【0035】
(実施形態の効果)
炭団21を燃焼室14へ供給する主収容室15が、燃焼室14で発生する燃焼ガスを煙突55へ排出する経路としての役割を兼ねる。したがって暖房装置10の構造が簡略化される。また、副収容管38,39は、主収容管31から逆向きに突出されている。このため、暖房装置10は、静的バランスを確保でき、かつ、転倒を抑制できる。
【0036】
(その他の説明)
本実施形態で説明された事項の技術的意味の一例は、次の通りである。暖房装置10は、燃焼装置の一例である。燃焼室14は、燃焼室の一例である。主収容室15は、主収容室の一例である。通路22は、通路の一例である。排気通路51は、排気通路の一例である。副収容室40,41は、副収容室の一例である。供給口42,43は、供給口の一例である。調整板48,49は、調整板の一例である。主収容管31は、主収容管の一例である。副収容管38,39は、副収容管の一例である。通気路24は、通気路の一例である。流量調整バルブ25は、流量調整バルブの一例である。炭団21は、固形燃料の一例である。仮想線A1に沿った方向は、鉛直方向の一例である。
【0037】
本実施形態で説明した暖房装置は、図面を用いて説明したものに限定されない。例えば、主収容管及び副収容管は、それぞれの仮想線に対して垂直な平面における断面形状が、四角形、円形、楕円形、等のうちの何れであってもよい。また、暖房装置の正面視で、副収容管は、主収容管の高さ方向に、単数設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。また、鉛直方向に対して垂直な平面における暖房装置の平面視で、副収容管は、主収容管を中心とする円周方向に、複数、例えば、3箇所以上に設けられていてもよい。さらに、暖房装置を真上から見た平面視で、副収容管は、主収容管を中心とする円周方向に放射状に設けられていてもよい。さらに、暖房装置を真上から見た平面視で、支持台の外周形状は、四角形、円形、楕円形、等のうちの何れであってもよい。さらに、主収容管は、鉛直方向に略直線状に立てられた構造の他、蛇行状、螺旋状に設けられていてもよい。
【0038】
また、装置本体、主収容管、副収容管の材質は、耐熱性を有する金属、例えば、鋳鉄、鉄、鋼板、ステンレス、合金鋼等を用いることができる。また、ガス排出管、煙突の材質は、鉄板、鋼板、等を用いることができる。固形燃料は、炭団、豆炭、練炭、等のうちの何れであってもよい。また、固形燃料の形状は、副収容室から主収容室へ向けて自重で移動できるものであればよい。固形燃料が自重で移動は、副収容管内で転動、摺動、落下、等を含む。さらに、固形燃料は、球形状、ラグビーボール形状、円柱形状、等の何れであってもよい。上さらに、燃焼装置は、暖房装置の他、固形燃料を利用する調理器具に適用してもよい。なお、“固形燃料(炭団)が下へ移動”は、“固形燃料(炭団)が下降”と定義することもできる。また、“固形燃料”は、“固体燃料”と定義することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本開示の燃焼装置は、固形燃料を燃焼室で燃焼させる燃焼装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
10…暖房装置、14…燃焼室、15…主収容室、21…炭団、22…通路、24…通気路、25…流量調整バルブ、31…主収容管、38,39…副収容管、40,41…副収容室、42,43…供給口、48,49…調整板、51…排気通路
【要約】
【課題】構造を簡略化できる暖房装置を提供する。
【解決手段】固形燃料を燃焼させる燃焼室14を有する暖房装置10であって、鉛直方向で燃焼室14より上に設けられ、かつ、燃焼室14へ供給する固形燃料を収容する主収容室15と、燃焼室14と主収容室15とを接続して設けられ、燃焼室14で発生する燃焼ガスを主収容室15へ排出し、かつ、主収容室15に収容されている固形燃料を燃焼室14へ供給する通路22と、鉛直方向で通路22より上において主収容室15へ接続され、かつ、主収容室15の燃焼ガスを屋外へ排出する排気通路51と、を有する、暖房装置10を構成した。
【選択図】
図1