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  • 特許-臀部洗浄装置 図1
  • 特許-臀部洗浄装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】臀部洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 35/00 20060101AFI20231204BHJP
   A61G 9/02 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
A61H35/00 Q
A61G9/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023156579
(22)【出願日】2023-09-21
【審査請求日】2023-09-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591223404
【氏名又は名称】株式会社トラバース
(74)【代理人】
【識別番号】100160990
【弁理士】
【氏名又は名称】亀崎 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克彦
【審査官】五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-122639(JP,U)
【文献】特開2006-014919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 35/00
A61G 9/02
A47K 7/00- 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水及び空気を混合した洗浄水によって、前記洗浄水を湧き出させる湧出部を有する座面に腰掛けた使用者の臀部を洗浄することを特徴とする
臀部洗浄装置。
【請求項2】
前記座面を有し、上部が開口している洗浄槽を備えていることを特徴とする
請求項1に記載の臀部洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄槽は、前記座面に腰掛けた使用者の足の裏が接地する底に、汚水を排出する汚水排出部を有していることを特徴とする
請求項2に記載の臀部洗浄装置。
【請求項4】
前記座面の下方に設けられ、前記洗浄水を生成するための洗浄水生成槽を備え、
前記洗浄水生成槽は、
該洗浄水生成槽に水を流入させる水流入部と、
該洗浄水生成槽に空気を流入させる空気流入部と、を有していることを特徴とする
請求項1~3のいずれかに記載の臀部洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄水生成槽は、該洗浄水生成槽の底に設けられ、前記洗浄水を排出する洗浄水排出部を有していることを特徴とする
請求項4に記載の臀部洗浄装置。
【請求項6】
前記座面は、前記洗浄水生成槽を開閉するための上蓋であることを特徴とする
請求項4に記載の臀部洗浄装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臀部洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、臥床患者の下半身に取付けて、陰部を洗浄水で洗浄し、洗浄した汚水を排出することができる臥床患者の陰部洗浄時の排水受け装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3060230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような排水受け装置では、臥床患者の臀部に取付けるだけなので、洗浄水を噴出させる強さに限りがあり、洗浄力が十分ではないおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、洗浄力を向上させた臀部洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、水及び空気を混合した洗浄水によって、前記洗浄水を湧き出させる湧出部(例えば、後述する湧出部211)を有する座面(例えば、後述する座面21)に腰掛けた使用者の臀部を洗浄することを特徴とする臀部洗浄装置(例えば、後述する臀部洗浄装置1)である。
【0007】
(2)本発明はまた、前記座面を有し、上部が開口している洗浄槽(例えば、後述する洗浄槽2)を備えていることを特徴とする上記(1)に記載の臀部洗浄装置である。
【0008】
(3)本発明はまた、前記洗浄槽は、前記座面に腰掛けた使用者の足の裏が接地する底(例えば、後述する底22)に、汚水を排出する汚水排出部(例えば、後述する汚水排出部24)を有していることを特徴とする上記(2)に記載の臀部洗浄装置である。
【0009】
(4)本発明はまた、前記座面の下方に設けられ、前記洗浄水を生成するための洗浄水生成槽(例えば、後述する洗浄水生成槽3)を備え、前記洗浄水生成槽は、該洗浄水生成槽に水を流入させる水流入部(例えば、後述する水流入部31)と、該洗浄水生成槽に空気を流入させる空気流入部(例えば、後述する空気流入部32)と、を有していることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の臀部洗浄装置である。
【0010】
(5)本発明はまた、前記洗浄水生成槽は、該洗浄水生成槽の底に設けられ、前記洗浄水を排出する洗浄水排出部(例えば、後述する洗浄水排出部33)を有していることを特徴とする上記(4)に記載の臀部洗浄装置である。
【0011】
(6)本発明はまた、前記座面は、前記洗浄水生成槽を開閉するための上蓋であることを特徴とする上記(4)に記載の臀部洗浄装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記(1)~(6)に記載の臀部洗浄装置によれば、洗浄力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る臀部洗浄装置の概略図である。
図2】座面の平面図である。
図3】座面を取り外した状態の洗浄水生成槽の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る臀部洗浄装置について詳細に説明する。
【0015】
まず、図1図3を用いて、臀部洗浄装置1の構成について説明する。図1は、臀部洗浄装置1の概略図である。図2は、座面21の平面図である。図3は、座面21を取り外した状態の洗浄水生成槽3の平面図である。
【0016】
図1に示す臀部洗浄装置1は、介助の必要な病人や高齢者等の使用者を座面21に座らせて、水及び空気を混合した洗浄水によって、使用者の臀部を洗浄するための装置である。具体的に、臀部洗浄装置1は、洗浄槽2と、洗浄水生成槽3と、エアポンプ4と、コントローラ5と、を備えている。
【0017】
洗浄槽2は、座面21に腰掛けた使用者の腰よりも高い位置において上部が開口している。具体的に、洗浄槽2は、使用者が腰掛ける座面21と、座面21に腰掛けた使用者の足の裏が接地する底22と、当該洗浄槽2に使用者が出入りするための扉23と、を有している。
【0018】
図1及び図2に示す座面21は、洗浄水生成槽3を開閉するための上蓋であり、かつ、洗浄水を湧き出させる湧出部211を有している板面である。湧出部211は、座面21に形成されている複数の小孔であり、洗浄水を下方から上方に通す流路である。座面21に形成されている複数の小孔は、例えば、丸孔及び十字孔である。
【0019】
図1に戻って説明する。扉23は、開き戸である。この扉23は、水密に閉じられることで、ロックすることを可能とする。また、扉23は、ロックを解除してから開かれることで、使用者が洗浄槽2に出入りすることを可能とする。
【0020】
洗浄槽2は、底22に、汚水(臀部を洗浄した後の汚物を含んでいる洗浄水)を排出する汚水排出部24を有している。汚水排出部24は、洗浄槽2の中の汚水を外に排出する。
【0021】
洗浄水生成槽3は、座面21の下方に設けられ、洗浄水を生成するための槽である。具体的に、洗浄水生成槽3は、水流入部31と、空気流入部32と、洗浄水排出部33と、を有している。
【0022】
水流入部31は、洗浄水生成槽3の内壁から水平に延びている直管であり、当該直管の先端が斜め上方に向くように斜めにカットされている。この水流入部31は、コントローラ5の制御下において、水道管(図示省略)から供給される水を洗浄水生成槽3に流入させる。水流入部31を介して洗浄水生成槽3に流入する水の量は、洗浄水排出部33を介して洗浄水生成槽3から排出される水の量よりも多くなるように、かつ、座面21の湧出部211を介して洗浄槽2に湧き出る勢いに応じて適宜設定される。
【0023】
空気流入部32は、洗浄水生成槽3の内壁における水流入部31よりも高い位置から水平に延びている直管321と、当該直管321の先端から2つに枝分かれしてから互いに繋がる円管322と、からなり、円管322の上面に複数の空気孔322aが形成されている。円管322は、上面視で、洗浄水排出部33と重ならないように、かつ、当該円管322の中心に洗浄水排出部33が位置するように配置されている。空気流入部32は、コントローラ5の制御下において、エアポンプ4によって供給される空気を洗浄水生成槽3に流入させる。洗浄水排出部33は、洗浄水生成槽3の底に設けられ、洗浄水生成槽3の中の洗浄水を外に排出する。空気流入部32を介して洗浄水生成槽3に流入する空気の量は、座面21の湧出部211を介して洗浄槽2に湧き出る勢いに応じて適宜設定される。
【0024】
エアポンプ4は、空気流入部32を介して洗浄水生成槽3に接続されている。このエアポンプ4は、コントローラ5の制御下で動作して、空気流入部32を介して洗浄水生成槽3に空気を流入させる。
【0025】
コントローラ5は、操作部51を備えている。このコントローラ5は、操作部51の操作による入力信号に応じて、臀部洗浄装置1を制御する。
【0026】
次に、図1及び図2を用いて、臀部洗浄装置1の作用について説明する。
【0027】
使用者は、扉23を開閉して洗浄槽2に入り、少なくとも下半身が裸の状態で座面21に腰掛けることで臀部洗浄装置1を使用する。少なくとも下半身が裸の使用者が座面21に腰掛けた状態で、コントローラ5の操作部51を操作することで、臀部の洗浄が開始される。
【0028】
具体的に、水流入部31を介して洗浄水生成槽3に水が流入すると共に、空気流入部32を介して洗浄水生成槽3に空気が流入する。
【0029】
水流入部31を介して洗浄水生成槽3に流入する水の量は、洗浄水排出部33を介して洗浄水生成槽3から排出される水の量よりも多く、水流入部31から洗浄水生成槽3に流入した水は、洗浄水生成槽3に溜まって、空気流入部32から洗浄水生成槽3に流入した空気と混合することとなり、さらに、座面21の湧出部211を介して洗浄水として洗浄槽2に湧き出る。
【0030】
座面21の湧出部211を介して洗浄槽2に湧き出た洗浄水によって、臀部が洗浄される。臀部を洗浄した後の汚物を含んでいる洗浄水(汚水)は、洗浄槽2の底22に設けられている汚水排出部24を介して、外に排出される。
【0031】
以上説明したように、臀部洗浄装置1は、水及び空気を混合した洗浄水によって、洗浄水を湧き出させる湧出部211を有する座面21に腰掛けた使用者の臀部を洗浄する。
【0032】
また、臀部洗浄装置1は、座面21を有し、上部が開口している洗浄槽2を備えている。
【0033】
また、臀部洗浄装置1において、洗浄槽2は、座面21に腰掛けた使用者の足の裏が接地する底22に、汚水を排出する汚水排出部24を有している。
【0034】
また、臀部洗浄装置1は、座面の下方に設けられ、洗浄水を生成するための洗浄水生成槽3を備え、洗浄水生成槽3は、当該洗浄水生成槽3に水を流入させる水流入部31と、当該洗浄水生成槽3に空気を流入させる空気流入部32と、を有している。
【0035】
また、臀部洗浄装置1において、洗浄水生成槽3は、当該洗浄水生成槽3の底に設けられ、洗浄水を排出する洗浄水排出部33を有している。
【0036】
また、臀部洗浄装置1において、座面21は、洗浄水生成槽3を開閉するための上蓋である。
【0037】
このような本発明の実施形態に係る臀部洗浄装置1によれば、洗浄力を向上させることができる。
【0038】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。すなわち、各構成の位置・大きさ・長さ・数量・形状・材質などは適宜変更できる。
【0039】
例えば、上記実施形態では、座面21が、湧出部211として多数の小孔が形成されている板面である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、座面が板状の網であってもよい。なお、座面が板状の網であれば、座面は、洗浄水を湧き出させる湧出部を有していることになる。
【0040】
また、上記実施形態では、座面21に形成されている複数の小孔が、丸孔及び十字孔である場合を例に説明したが、本発明において、小孔の形状は問わない。
【0041】
また、上記実施形態では、湧出部211が、座面21に形成されている複数の小孔である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、座面21に形成されている複数のスリットであってもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、座面21の湧出部211から湧き出る洗浄水によって臀部を洗浄する場合を例に説明したが、本発明はこれに加え、側方から噴出する洗浄水又は水によって、使用者の腰回りを洗浄するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 臀部洗浄装置
2 洗浄槽
21 座面
211 湧出部
22 底
23 扉
24 汚水排出部
3 洗浄水生成槽
31 水流入部
32 空気流入部
321 直管
322 円管
322a 空気孔
33 洗浄水排出部
4 エアポンプ
5 コントローラ
【要約】
【課題】洗浄力を向上させた臀部洗浄装置を提供する。
【解決手段】臀部洗浄装置1は、水及び空気を混合した洗浄水によって、洗浄水を湧き出させる湧出部211を有する座面21に腰掛けた使用者の臀部を洗浄する。臀部洗浄装置1は、座面21を有し、上部が開口している洗浄槽2を備えている。洗浄槽2は、座面21に腰掛けた使用者の足の裏が接地する底22に、汚水を排出する汚水排出部24を有している。臀部洗浄装置1は、座面21の下方に設けられ、洗浄水を生成するための洗浄水生成槽3を備え、洗浄水生成槽3は、当該洗浄水生成槽3に水を流入させる水流入部31と、当該洗浄水生成槽3に空気を流入させる空気流入部32と、を有している。
【選択図】図1
図1
図2
図3