(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】システムおよびプログラム等
(51)【国際特許分類】
G01S 7/38 20060101AFI20231204BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20231204BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
G01S7/38
G01C21/26 B
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2020051958
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】片桐 康晴
(72)【発明者】
【氏名】小林 典仙
(72)【発明者】
【氏名】福原 直毅
(72)【発明者】
【氏名】大嶌 博昭
(72)【発明者】
【氏名】松田 直紀
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-046976(JP,A)
【文献】特開2017-096728(JP,A)
【文献】特開2019-158544(JP,A)
【文献】米国特許第07397415(US,B1)
【文献】特開2015-161540(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0006922(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0266853(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - G01S 7/42
G01S 13/00 - G01S 13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の速度を測定するレーダー波の周波数を含む所定の周波数範囲のマイクロ波を受信可能なマイクロ波受信手段と、
マイクロ波受信手段を制御する機能と、マイクロ波受信手段によってマイクロ波を受信した場合に警報を発するための制御を行う機能を備える制御手段とを備え、
前記制御手段は、マイクロ波受信手段ではない他手段からの入力情報に基づいて前記マイクロ波受信手段で受信した電波に基づく警報を抑制する機能を備え、
前記他手段として、前記車両から誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観を撮影可能な撮像手段を備え、当該撮像手段によって撮像された映像中に予め記憶した誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものがあるとき、前記警報を抑制する制御を行うこと
を特徴とするシステム。
【請求項2】
前記撮像手段は前記車両の前方を撮影可能に設置されており、当該撮像手段によって撮像された映像中の誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものの位置に基づき、前記警報の抑制の態様を変更すること
を特徴とする請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記マイクロ波受信手段の受信感度の限定、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の特性、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の周波数、前記マイクロ波受信手段の受信した位置の特
性の少なくともいずれか1つに基づいて、前記マイクロ波受信手段で受信した電波に基づく警報を抑制する機能を備えること
を特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれかに記載のシステムの制御手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシステムおよびプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波を走行する車両に向けて出射し、当該車両からの反射波のドップラー遷移の量に基づき当該車両の走行速度を測定する速度測定システム(レーダー)が知られている。この速度測定システムから出射されるマイクロ波を受信したときに警報を発するレーダー探知機があり、うっかり速度を出してしまっている運転者に対して警報を発することで安全運転に寄与するシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムには、様々な問題があった。
そこで、本発明は従来よりも優れた特性を有するシステム及びプログラム等を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正又は分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)車両の速度を測定するレーダー波の周波数を含む所定の周波数範囲のマイクロ波を受信可能なマイクロ波受信手段と、マイクロ波受信手段を制御する機能と、マイクロ波受信手段によってマイクロ波を受信した場合に警報を発するための制御を行う機能を備える制御手段とを備え、前記制御手段は、前記マイクロ波受信手段の受信感度の限定、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の特性、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の周波数、前記マイクロ波受信手段の受信した位置の特性、マイクロ波受信手段ではない他手段からの入力情報の少なくともいずれか1つに基づいて、前記マイクロ波受信手段で受信した電波に基づく警報を抑制する機能を備えるシステムとするとよい。
【0007】
このようにすれば、ユーザにとって従来よりも優れたシステムを提供することができる。例えば、近時問題となっている新しい誤警報源に本システムを設置した車両が接近したとき、従来よりも、誤警報を低減させることができる。速度測定システムから出射されるマイクロ波と同様の周波数範囲には、自動販売機が人感等のために出射するマイクロ波や、車両が前後の他の車両との関係を把握するために出射するマイクロ波などがあり、これらの受信に基づく警報を発してしまうなどの問題が大きくなってきているが、こうした問題をより低減すること等ができる。
【0008】
特に前記マイクロ波受信手段の受信感度の限定、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の特性、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の周波数、前記マイクロ波受信手段の受信した位置の特性、マイクロ波受信手段ではない他手段からの入力情報に基づく警報の抑制は、自動販売機または車両が前後の他の車両との関係を把握するために出射するマイクロ波の少なくともいずれか一方を検出するために行う構成とするとよい。従来の自動ドア等に比べ、自動販売機は無人での販売をするためのものであるから速度取締が行われやすい郊外にも多数設置されている。また、前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両はそれ自体が移動するため、どこで検出されるかが不定であるという従来にはない特性がある。このようにすれば、自販機やこうした車両のせいで常に警報が鳴るので、やかましい、本来の警報がわからないといった問題を軽減できる。また、自販機やこうした車両のせいで常に警報が鳴るので、警報をしない設定に切り替えてしまい本来の速度取締のレーダーの警報がされなくなるといった課題も解決できる。こうした、本来の利用の妨げになる自販機や当該車両からのマイクロ波に基づく誤警報は回避しつつ本来の警報はきちんとすることが可能となる。
【0009】
「抑制」は、例えば、警報を行わないようにしてもよいが、警報を抑制しない場合に比べて認識しにくい態様で行うようにするとよい。例えば、警報を音によって行う構成をとする場合には警報を抑制しない場合に比べて小さくするとよい。例えば警報を画面表示によって行う構成とする場合には警報の表示の大きさを警報を抑制しない場合に比べ目立たない態様(例えば小さく表示するなど)とするとよい。音と表示とで警報を行う場合には例えば警報を抑制しない場合には音と表示の双方で警報を行う一方、警報を抑制する場合には音での警報は行わず表示の警報は行うように制御するとよい。警報の抑制としては、感度落とす、キャンセルとしてもよいし、警報内容を変えるようにしてもよい。例えば、誤警報源(例えば自販機等)があることを報知するようにしてもよい。
「抑制」は、マイクロ波受信手段の感度を落とすように制御してもよい。
「警報」はレーダー波の検出を報知する警報とするとよい。
【0010】
自販機等と本来の警報対象物を、別の方法と組み合わせて識別する構成とするとよい。特にマイクロ波受信手段ではない他手段からの入力情報にもとづいて識別する構成とするとよい。
「他手段」は、自動販売機または前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両を検知するための手段とするとよい。
【0011】
「他手段」としては、例えば、撮像手段(例えばカメラ等)等を備えるとよい。他手段からの入力情報としては、例えば、車両で撮影した映像情報とするとよく、特に、車両の周囲を撮影した映像情報とするとよい。マイクロ波受信手段ではない他手段からの入力情報に基づく警報の抑制の制御としては、例えば、車両で撮影した映像中に誤警報源の映像が存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合に警報の抑制を行うとよい。誤警報源としては自動販売機または前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両とするとよい。特に後述する(9)(10)のように構成するとよい。
【0012】
「他手段」としては、例えば、誤警報源となるマイクロ波を出射する装置が備えるマイクロ波以外の電波を検知する電波検知手段(例えば、マイクロ波を発する自動販売機が備えるWiFi and/or Bluetoothの電波を探知するモジュール等)を備えるとよい。他手段からの入力情報としては、例えば、WiFiのSSIDや、Blutoothのビーコン情報とするとよい。マイクロ波受信手段ではない他手段からの入力情報に基づく警報の抑制の制御としては、例えば、誤警報源となるマイクロ波を出射する装置が備えるマイクロ波以外の電波を検知する電波検知手段が、当該電波を検知したか否かを判定し、検知したと判定した場合に警報の抑制を行うとよい。誤警報源としては自動販売機または前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両とするとよい。特に後述する(11)のように構成するとよい。
【0013】
(2)前記制御手段は、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の特性に基づいて前記マイクロ波受信手段で受信した電波に基づく警報を抑制する機能を備え、 前記電波の特性は電波の変調方式であり、当該電波の変調方式がFSK変調でない場合にはマイクロ波受信手段で受信した電波に基づく警報を抑制する機能を備えるとよい。
【0014】
このようにすれば、例えば自動販売機の発する無変調のマイクロ波による警報を抑制できる。このようにすれば、自車両または他車両が発するStepFM変調されたマイクロ波による警報を抑制できる。「FSK変調でない場合」としては、特に、無変調またはStepFM変調の少なくともいずれかを備えるとよく、特に両方を備えると優れた効果を発揮する。
【0015】
(3)前記制御手段は、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の周波数に基づく警報を抑制する機能を備え、前記所定の周波数範囲には自動販売機が発するマイクロ波の周波数及び他の車両が発するマイクロ波の周波数が含まれるとともに、前記電波の周波数が、特定の速度測定装置が発する周波数の範囲から逸脱するときには、警報を抑制する機能を備えるとよい。
【0016】
このようにすれば、速度測定装置の周波数範囲から逸脱したマイクロ波に基づく警報を抑制できる。特に、マイクロ波受信手段または制御手段に、マイクロ波受信手段の受信周波数を所定の周波数範囲内で走査(スイープ)する機能を備える場合に優れた効果を発揮する。「電波の周波数」は走査のための制御値に対応する周波数としてもよいし、周波数カウンタを備えて受信した電波の周波数を測定するようにしてもよい。速度測定装置の周波数範囲と重ならないが、所定の周波数範囲内にはある誤警報源からのマイクロ波に対して特に有用である。
【0017】
(4)前記制御手段は、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の周波数に基づく警報を抑制する機能と、前記マイクロ波受信手段の受信周波数を走査させる機能とを備え、当該受信周波数の走査は、前記電波の周波数が、異なる機種の速度測定装置が発するそれぞれの周波数の範囲が含まれる範囲を走査するとともに、前記異なる機種のうちすべての機種の周波数の範囲から逸脱する範囲は飛ばして走査する機能を備えるとよい。
このようにすれば、速度測定装置の周波数範囲から逸脱したマイクロ波に基づく警報を抑制できる。
【0018】
(5) 自動販売機の位置情報を記憶する記憶手段と、 前記制御手段は、当該車両の現在位置を取得する機能と、前記マイクロ波受信手段の受信した位置の特性に基づく警報を抑制する機能とを備え、前記マイクロ波受信手段の受信した位置の特性として前記記憶手段に記憶された自動販売機の位置に接近した場合に警報を抑制する機能を備えるとよい。
このようにすれば、自動販売機の発するマイクロ波による誤警報を抑制することができる。
【0019】
例えば、自動販売機の場所は、自動販売機の販売促進用のアプリ等の上で公開されているので、その位置を記憶しておき、当該位置に接近した状態でマイクロ波が受信された状態にあるときには警報を抑制する構成とするとよい。
【0020】
(6) 前記制御手段は、当該車両の現在位置を取得する機能と、前記マイクロ波受信手段の受信感度の限定及び前記マイクロ波受信手段の受信した位置の特性に基づく警報を抑制する機能とを備え、前記マイクロ波受信手段の受信した位置の特性として前記記憶手段に記憶された自動販売機の位置に接近した場合に前記受信感度の限定として受信感度を下げる機能を備える構成とするとよい。
このようにすれば、自動販売機の発するマイクロ波による誤警報を抑制することができる。
【0021】
例えば、自動販売機の場所は、自動販売機の販売促進用のアプリ等の上で公開されているので、その位置を記憶しておき、当該位置に接近した状態でマイクロ波が受信された状態にあるときにはマイクロ波の受信感度を下げるように制御する構成とするとよい。
(7)前記自動販売機の位置は、道路沿線に設置された自動販売機の位置とするとよい。
このようにすれば、道路沿線以外に設置された自動販売機の位置に接近しているとして警報が抑制されてしまうことを予防できる。
【0022】
記憶手段に道路沿線に設置された自動販売機の位置のみを記憶するようにしてもよいし、自動販売機の位置に近づいても道路沿線の自動販売機でない位置の場合には「接近した場合」としないように制御してもよい。
(8) 前記自動販売機の位置が当該車両の進行方向の右側であるか左側であるかによって、抑制の度合いに違いをもたせる制御を行うとよい。
このようにすれば、より的確に警報の抑制及び警報を行うことができる。
【0023】
例えば道路の進行方向の両側の自動販売機からの電波を受信可能な感度に制御したときには両側にある自動販売機で抑制の制御を行い、左側の自動販売機からの電波しか受信しない程度の感度に制御しているときには左側にある自動販売機の位置では抑制の制御を行い、左側にある自動販売機の位置では抑制の制御を行わないようにする構成とするとよい。
【0024】
(9)前記制御手段は、マイクロ波受信手段ではない他手段からの入力情報に基づいて前記マイクロ波受信手段で受信した電波に基づく警報を抑制する機能を備え、前記他手段として、前記車両から誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観を撮影可能な撮像手段を備え、当該撮像手段によって撮像された映像中に予め記憶した誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものがあるとき、前記警報を抑制する制御を行うとよい。
このようにすれば、より的確に警報の抑制及び警報を行うことができる。
誤警報源としては、特に自動販売機または前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両の少なくともいずれか一方を備えるとよい。
【0025】
「予め記憶した誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観」としては、マイクロ波を発する特定の自動販売機の外観、マイクロ波を発する特定の車両の外観の少なくともいずれか一方を備えるとよい。前記特定の自動販売機以外のマイクロ波を発しない自動販売機の外観、前記特定の車両以外のマイクロ波を発しない車両の外観の少なくともいずれか一方は、前記映像中から検出しない構成としたり、前記映像中に検出されても警報を抑制しない構成とするとよい。
【0026】
「当該撮像手段によって撮像された映像中に予め記憶した誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものがあるとき、前記警報を抑制する制御」としては、例えば、映像中に誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものがあるとき、警報しないようにしたり、マイクロ波受信手段の感度落とすようにしたりするとよい。例えば、カメラで自販機を撮影しているときには警報しないand/or感度落とすようにするとよい。
【0027】
(10) 前記撮像手段は前記車両の前方を撮影可能に設置されており、当該撮像手段によって撮像された映像中の誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものの位置に基づき、前記警報の抑制の態様を変更する構成とするとよい。
このようにすれば、より的確に警報の抑制及び警報を行うことができる。
【0028】
「前記撮像手段によって当該撮像手段によって撮像された映像中の誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものの位置に基づき、前記警報の抑制の態様を変更する構成」としては、例えば、当該撮像手段によって撮像された映像中の誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものの位置が車両の前方左側に相当する位置である場合に、車両の前方左側に相当する位置である場合よりも大きく抑制をする構成とするとよい。大きく抑制する構成としては、例えば感度大きく下げるようにするとよい。左に自動販売機がある時の方が自販機に近く右側に自動販売機がある場合よりも誤警報の低減の要請が大きいことを発明者らは見出したものであり、このようにすればより効果的に誤警報を抑制できる。
【0029】
(11)前記制御手段は、マイクロ波受信手段ではない他手段からの入力情報に基づいて前記マイクロ波受信手段で受信した電波に基づく警報を抑制する機能を備え、前記他手段として、誤警報源となるマイクロ波を出射する装置が出射するマイクロ波以外の電波を検知する電波検知手段を備え、 前記電波検知手段によって、誤警報源となるマイクロ波を出射する装置が出射するマイクロ波以外の電波を検知したとき、前記警報を抑制する制御を行うとよい。
このようにすれば、より的確に警報の抑制及び警報を行うことができる。
誤警報源としては、特に自動販売機または前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両の少なくともいずれか一方を備えるとよい。
【0030】
電波検知手段としては、例えば、マイクロ波を発する自動販売機が備えるWiFi and/or Bluetoothの電波を探知するモジュール等とするとよい。
【0031】
「前記電波検知手段によって、誤警報源となるマイクロ波を出射する装置が出射するマイクロ波以外の電波を検知したとき、前記警報を抑制する制御」としては、例えば、マイクロ波を発する自動販売機が備えるWiFiモジュールから発せられるSSIDの一覧を予め記憶しておき、マイクロ波を受信したときに、当該一覧に含まれるSSIDのWiFi電波も受信したときには、警報を抑制するようにするとよい。
【0032】
「前記電波検知手段によって、誤警報源となるマイクロ波を出射する装置が出射するマイクロ波以外の電波を検知したとき、前記警報を抑制する制御」としては、例えば、マイクロ波を発する自動販売機が備えるBluetoothモジュールから発せられるビーコン情報の一覧を予め記憶しておき、マイクロ波を受信したときに、当該一覧に含まれるビーコン情報のBluetooth電波も受信したときには、警報を抑制するようにするとよい。特に、誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の同一機種で同一の情報をマイクロ波以外の電波で出射するものがあるとき、その同一の情報を一覧等に記憶しておくとよい。
【0033】
例えばスマホとCoke ON自販機間の接続はBluetoothによる無線で行われる。スタンプの付与処理のためにはインターネット接続が必要となるが、その際、自販機は客のスマホを経由してインターネット通信を行う。このような目的のための電波を探知する電波検知手段とするとよい。電波検知手段が検知した電波に含まれる、警報対象物以外の物から発せられる固有の情報(例えば自販機IDなど)を受信したとき警報を抑制するようにしてもよい。例えば、固有の情報を受信したら上記電波を受信しても警報しないand/or感度落とすようにするとよい。。警報の抑制としては、感度落とす、キャンセルとしてもよいし、警報内容変えるようにしてもよい。例えば、自販機があることを報知するようにしてもよい。
【0034】
(12)前記制御手段は、前記マイクロ波受信手段の受信した電波の特性に基づいて前記マイクロ波受信手段で受信した電波に基づく警報を抑制する機能を備え、前記マイクロ波受信手段または前記制御手段の少なくともいずれか一方はSDR(ソフトウェア無線機)を備え、前記制御手段は前記電波の特定として前記SDRによって生成したウォーターフォール画像の特徴情報と予め記憶した誤警報源がない場合の車両の速度を測定する前記レーダー波のウォーターフォール画像の特徴情報とに基づいて前記警報の抑制を行うか否かを決定する構成とするとよい。
このようにすれば、より的確に警報の抑制及び警報を行うことができる。
【0035】
ウォーターフォール画像は、マイクロ波受信手段によって受信するマイクロ波の周波数を一方の軸に(例えば当該周波数帯域の下限の周波数を一方の軸の一方端、当該周波数帯域の上限の周波数を一方の軸の他方端とし)、時間軸を他方の軸として、当該周波数における当該時間の所定の信号特性(例えば信号強度)を所定の色(相対的に弱いときが第一の色(例えば青色)、相対的に強いときが(第一の色とは異なる第二の色(例えば赤色)として両者間をグラデーションさせるもの)として描画するとよい。このときダイナミックレンジが広く得られようにそれぞれの色と対応するそれぞれの信号特性(例えば信号強度)
との関係を設定するとよい。
【0036】
「予め記憶した誤警報源がない場合の車両の速度を測定する前記レーダー波のウォーターフォール画像の特徴情報」としては、予め定めた時間範囲の誤警報源がない場合の車両の速度を測定する前記レーダー波のウォーターフォール画像を警報対象、前記予め定めた時間範囲の誤警報源がある場合のウォーターフォール画像を非警報対象として、機械学習した学習済みモデルとするとよい。機械学習は特にディープラーニング(DL)で行うとよく、特にCNNで行うとよく、当該学習済みモデルはディープラーニングによって学習されたモデル(特に例えばCNNの構成もの)とするとよい。例えば、SDR waterfall + DL(CNN等)で構成するとよい。
【0037】
「前記SDRによって生成したウォーターフォール画像の特徴情報と予め記憶した誤警報源がない場合の車両の速度を測定する前記レーダー波のウォーターフォール画像の特徴情報とに基づいて前記警報の抑制を行うか否かを決定する構成」としては、マイクロ波を受信した場合であって、予め定めた時間範囲の誤警報源がない場合の車両の速度を測定する前記レーダー波のウォーターフォール画像を警報対象、前記予め定めた時間範囲の誤警報源がある場合のウォーターフォール画像を非警報対象として、機械学習した学習済みモデルを用いて推論した結果が、警報対象であると判定される場合(例えば警報対象である確率が所定のしきい値以上の場合)に警報の抑制を行わずに警報を行い、当該推論した結果が、非警報対象であると判定される場合(例えば非警報対象である確率が所定のしきい値以上の場合)警報の抑制を行うようにするとよい。
(13)(1)から(12)のいずれかに記載のシステムの制御手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとするとよい。
【0038】
上述した(1)から(12)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全て又は一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(12)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、従来よりも優れたシステム等を提供できる。
【0040】
なお、本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」「~可能である」などといった記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明に係る装置の好適な一実施形態であるレーダー探知機能を有するナビゲーション装置の構成を示す図である。
【
図4】マイクロ波受信警報機能設定画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を提供した一つの実施形態であり、以下の記載に基づいて本願発明の内容が限定して解釈されるものではない。
【0043】
図1は、本発明に係るシステムを搭載したレーダー探知機能を備えるナビゲーション装置の好適な一実施形態の外観図を示しており、
図2は、その機能ブロック図を示しており、
図3は表示形態の一例を示している。
図1に示すように、ナビゲーション装置は、持ち運び可能な携帯型の装置本体2と、それを保持する取付部材たるクレードル3とを備える。装置本体2をクレードル3に装着することで、車載用のナビゲーション装置として機能し、クレードル3から取り外すことで内蔵されたバッテリによる駆動で携帯型のナビゲーション装置(PND)として機能する。もちろん、このように装置本体2がクレードル3から簡単に着脱できる構成を採らなくてもよい。
【0044】
装置本体2は、クレードル3に対して着脱自在に取り付けられる。装置本体2は、扁平な矩形状のケース本体4を備えている。そのケース本体4の前面には、表示部5が配置され、その表示部5上には表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル8を備え、前面の両サイドには警報ランプ9を備えている。クレードル3は、装置本体2を保持するクレードル本体6と、車室内の所定の位置(ダッシュボード等)において、クレードル本体6を任意の姿勢で指示する台座部7と、を備えている。台座部7は、底面に設けた吸盤にて、ダッシュボードなどの上に吸着して固定される。台座部7とクレードル本体6とは、ボールジョイント等の連結機構を介して所定の角度範囲内で回転可能に連結される。ボールジョイントであるため、台座部7とクレードル本体6は、相対的に三次元方向の任意の角度範囲内で回転移動し、ジョイント部分における摩擦抵抗により任意の角度位置でその位置をとどめる。よって、クレードル本体6に取り付けられた装置本体2も、ダッシュボード上において任意の姿勢で配置することができる。
【0045】
さらにケース本体4の一方の側面には、SDメモリカード用スロット部21を備え、そのSDメモリカード用スロット部21に地図データなどが記録されたSDメモリカード22を挿入可能としている。また、ケース本体4のSDメモリカード用スロット部21を設けた側面には、DCジャック10を設けている。DCジャック10は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
【0046】
一方、SDメモリカード用スロット部21とは反対側の側面には、電源スイッチや、USB接続部23を設けている。このUSB接続部23のコネクタにUSBケーブルの一端を差し込み他端をパソコンと接続すれば、ソフトウェアアプリケーションのバージョンアップなどを行なうことができる。また、このUSB接続部23のコネクタには、通常の運転時には、ドライブレコーダ26と接続するUSBケーブルを差し込むことで、ドライブレコーダ26で撮影した映像データを制御部18が取得することができる。ドライブレコーダ26は例えばフロントガラスの上部に前方を撮影領域とするようにそのカメラの方向を向けて設置するとよい。
【0047】
ケース本体4の内部には、以下の各機器・部品を配置している。ケース本体4の背面側内部には、マイクロ波受信器11を配置している。マイクロ波受信器11は、車両の速度を測定するレーダー波の周波数を含む所定の所定周波数帯★のマイクロ波を受信するもので、その設定された所定の周波数範囲のマイクロ波を受信した場合に、その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には、その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は、たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。
【0048】
また、ケース本体4の上面側内部には、GPS信号を受信し現在位置を求めるGPS受信器12を配置している。ケース本体4の前面側内部には、赤外線通信機14を配置している。赤外線通信機14は携帯電話機15等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。さらに、ケース本体4内には、スピーカ20も内蔵されている。
【0049】
更に、本実施形態の装置は、無線受信器13とリモコン受信器16を備えている。無線受信器13は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、リモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。無線受信器13は、飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は、例えば、緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯である。
【0050】
更に、本実施形態の装置は、Bluetoothの無線信号の送受信によりBluetoothでの通信を行うためのBluetoothモジュール24、WiFiの無線信号の送受信によりWiFiでの通信を行うためのWiFiモジュール25を備える。
【0051】
本実施形態のナビゲーション装置は、車両の前方を撮影するためにフロントガラス上部に設置されたドライブレコーダと接続ケーブルを介して接続し、ドライブレコーダの撮影した映像情報に基づき警報の抑制を行う制御を制御部18が実行する機能を備える。
【0052】
本実施形態のナビゲーション装置は、ナビゲーション機能に加え、車両速度測定装置その他の交通監視ポイント等の目標物を検出する目標物検出装置としての目標物検出機能も備えている。これらのナビゲーション機能並びに目標物検出機能を含むすべての機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0053】
すなわち、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信器12、マイクロ波受信器11、無線受信器13、タッチパネル8、リモコン受信器16等)を制御し、上記の各種の入力機器から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ9,スピーカ20等)を制御して所定の情報・警報・メッセージを出力する。この所定の処理が、上記の各機能を実行するためのものであり、必要に応じてデータベース19や、SDメモリカード22にアクセスする。
【0054】
ここでデータベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物や地図その他の目標物検出やナビゲーションを行うために必要な情報、自動販売機の位置情報のリスト、自動販売機が発するBluetoothビーコン情報のリスト、自動販売機が発するWiFiのSSID情報のリストが登録されており、その後に追加されたデータ等は、所定の処理を経て更新することができる。この更新ための処理は、例えば、追加データが格納されたSDメモリカードをSDメモリカード用スロット21に装着すると共に、そのSDメモリカードからデータベース19に転送することで行うことがある。また、このデータ更新は、赤外線通信機7を用いたり、USB端子23を介して接続されるパソコンその他の外部機器を用いたりすることで行うことができる。
【0055】
目標物検出機能を実現するための制御部18は、以下のような動作をする。すなわち、制御部18は、マイクロ波受信器11がマイクロ波を受信した場合、予め定めた警報を出力する制御を行う(マイクロ波警報)。この警報としては、スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(車両速度測定装置の検出等)を知らせるための音声の出力や、表示部5を用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。
【0056】
また、制御部18は、無線受信器13が所望の無線を受信した場合、予め定めた警報(無線警報)を出力する。この警報としては、スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(緊急車両の接近等)を知らせるための音声の出力や、表示部5の用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。この無線の受信に伴う警報と、上記のマイクロ波の受信に伴う警報の形態は、異なるようにすると良い。
【0057】
さらに、制御部18は、GPS受信器12によって検出した現在位置と、データベース19に記憶している交通監視ポイント等の目標物の位置が、所定の位置関係にあるとき、所定の警報を出力する(GPS警報)。そのため、データベース19には、検出対象の目標物に関する情報(経度・緯度を含む目標物の位置情報や目標物の種別情報等)や、事故多発地帯や交通取締り情報などのより注意を持って安全に運転するための交通安全情報や、ランドマークや運転に有益な各種の情報がある。各情報は、具体的な情報の種類(目標物の種類,交通取り締まりの種類,事故多発地帯,ランドマークの名称等)と位置情報とを関連づけて登録されている。
【0058】
警報を発する際の目標物までの距離は、目標物の種類ごとに変えることができる。警報の態様としては、上記と同様に、スピーカ20を用いた音声等による警報と、表示部5を用いた警報等がある。
図3は、表示部5による警報の一例を示している。本実施形態では、本装置がナビゲーション装置であるので、地図データを有していることから、基本画面として、制御部18は、現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。そして、表示部5に、現在表示中の画面(ここでは現在位置周辺の地図)に重ねて警告画面70を表示する。
図3は、地
図50を表示している際に、現在位置と交通監視ポイントの一つである速度測定装置の一種であるLHシステムとの距離が500mになった場合の警告画面70の表示例を示している。さらに、「500m先LHシステムです」といった警報種類と距離を示す警告音声をスピーカ20から出力する処理を行う。
【0059】
一方、ナビゲーション機能を実現するため制御部18は、以下のような動作をする。まず、データベース19は、ナビゲーション用の道路ネットワーク情報を記憶している。このデータベース19に格納するナビゲーションのための情報は、出荷時において全国についてのすべての情報を格納しておいても良いし、地図データ等は、地方毎にSDメモリカード22に格納したものを提供するようにし、ユーザは必要な地図データ等が格納されたSDメモリカードを用意し、それをSDメモリカード用スロット21に装着して使用するようにしても良い。なお、SDメモリカード22に格納された地図データ等は、データベース19に転送して格納しても良いし、制御部18がSDメモリカード22にアクセスし、そこから読み出して使用するようにしても良い。
【0060】
制御部18は、データベース19から現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。この制御部18は、この道路ネットワーク情報を利用してある位置から別の位置に至るルート(経路)を検索することができる。また、データベース19は、電話番号とその電話番号の住宅・会社・施設等の位置情報及び名称とを対応づけて記憶した電話番号データベースと、住所とその住所の位置情報とを対応づけて記憶した住所データベースを備える。またデータベース19には、速度測定装置等の交通監視ポイントの位置情報がその種類とともに記憶されている。
また、制御部18は、一般的なナビゲーション装置の処理を行う機能を有する。
【0061】
例えば、表示部5に現在位置周辺の地図を随時表示し、目的地設定ボタンを表示する。制御部18は、タッチパネル8によって、目的地設定ボタンの表示位置に対応する位置の押下を検出した場合に、目的地設定処理を行う。目的地設定処理では、目的地設定メニューを表示部5に表示し、目的地の設定方法の選択をユーザに促す。目的地設定メニューは、目的地の設定方法の選択をユーザに促す電話番号検索ボタンと住所検索ボタンとを有する。電話番号検索ボタンが押下されたことを検出した場合には、電話番号の入力画面を表示し、入力された電話番号に対応する位置情報をデータベース19から取得する。住所検索ボタンが押下されたことを検出した場合には、住所の選択入力画面を表示し、入力された住所に対応する位置情報をデータベース19から取得する。そして、取得した位置情報を目的地の位置情報として設定し、現在位置から目的地までの推奨経路を、データベース19に記憶している道路ネットワーク情報に基づいて求める。道路ネットワーク情報としては既存のカーナビゲーションシステムと同様のデータを有する。例えば、分岐点等においた点を結んだ複数の道路のリンクを備え、道路リンクにはそのID、一方通行であるか否か、始点と終点の各緯度経度の座標(各ノード)と始点・終点にそれぞれについて接続される道路リンクのIDのリスト、その道路リンクが高速道路であるか一般道路であるなどの道路の種類等の情報を備える。推奨経路の算出方法としては例えばダイクストラ法など公知の手法を用いることができる。
【0062】
また例えば、推奨経路に基づいてルート案内を行う。すなわちGPS受信器12によって取得された現在位置が、推奨経路上の分岐点に所定距離まで接近したときに推奨ルートの方向を案内するルート案内機能を有する。例えば推奨経路が現在位置から300m先で右折方向となるときに「300m先右折です」とスピーカ20から音声を出力するとともに、地図上に右矢印を表示する処理を行う。
【0063】
さらに本ナビゲーション装置の制御部18は、マイクロ波受信器11の受信感度の限定、マイクロ波受信器11の受信した電波の特性、マイクロ波受信器11の受信した電波の周波数、マイクロ波受信器11の受信した位置の特性、USB接続部23を介して接続されたドライブレコーダ26から受信した映像データ、Bluetoothモジュール24で受信した自動販売機が発するBluetoothビーコン信号、WiFiモジュール25で受信した自動販売機が発するWiFiのSSID情報の少なくともいずれか1つに基づいて、マイクロ波受信器11で受信したマイクロ波に基づく警報を抑制する機能を備える。
【0064】
いずれの抑制を行うかは
図4に示すマイクロ波受信警報機能設定画面で行う。
図4のマイクロ波警報抑制機能設定画面は、地図画面上の所定領域への2秒間の連続タッチがタッチパネル8から検出されたときに表示させる。所定領域は、地図画面を縦方向に3等分・横方向に4等分した領域のうち左下の1つの領域に当たる部分としている。なお地図画面は、本装置の起動処理が完了したときに表示されるデフォルトの画面である。また、各種の設定画面で5分間操作がないとき、戻るボタンが押されたとき、設定完了ボタンが押されたときにも、地図画面を表示する状態へ遷移する。
【0065】
マイクロ波受信警報機能設定画面は
図4に示すように、最上部に本設定画面のタイトルである「マイクロ波受信警報機能設定画面」の文字列の表示を備え、その下に警報抑制制御の対象項目の設定欄である「警報抑制対象項目」のタイトル文字列の表示と後述する7項目のチェックボックス及びその項目名の文字列を備え、さらにその下に警報抑制方法の設定欄である「警報抑制方法」のタイトルと後述する3項目のラジオボタン及びその項目名の文字列を備える。その下には左側に「キャンセル」と文字列を表示したキャンセルボタン、その右側に「設定」と文字列を表示した設定ボタンを備える。地図画面からマイクロ波受信警報機能設定画面へ切り替える際には、現在のマイクロ波受信警報機能設定の内容をデータベース19から読み出して各チェックボックスとラジオボタンの表示状態に反映させる。ユーザがチェックボックスやラジオボタンの状態を変化させた後、キャンセルボタンが押されたことをタッチパネル8から検出したときにはチェックボックスやラジオボタンの状態を変化を反映させずに従前の設定のまま地図画面の表示に戻る。設定ボタンが押されたことをタッチパネル8から検出したときには設定ボタンへのタッチ検出時のチェックボックス及びラジオボタンの状態を新たな設定としてデータベース19に記憶するとともに警報の抑制処理に利用する。すなわち、チェックボックスにチェックが入っているとデータベース19に記憶されている項目の抑制処理をマイクロ波警報処理時にマルチタスクで行う。すべての項目にチェックが入っていない状態であるときには警報処理時には抑制処理を行わずにマイクロ波受信器11によってマイクロ波を受信したときにはマイクロ波警報を行う。
【0066】
「警報抑制対象項目」の7項目としては、上から順に、「マイクロ波の受信感度の限定での抑制」、「マイクロ波の受信した電波の特性での抑制」、「マイクロ波の受信した電波の周波数での抑制」、「マイクロ波の受信した位置の特性での抑制」、「ドライブレコーダから受信した映像データによる抑制」、「自動販売機が発するBluetoothビーコン信号での抑制」、「自動販売機が発するWiFiのSSID情報での抑制」のそれぞれの項目名の表示とそれぞれの項目名の左側にチェックをオンオフ切り替え表示可能なチェックボックスを備える。
【0067】
「警報抑制方法」の3項目としては、上から順に、「抑制時に音声警報を行わない」「抑制時にすべての警報を行わない」「抑制時にすべての警報を行わなわず抑制項目を表示する」の項目とこれら3項目のうちいずれか1の項目を選択可能なラジオボタンを備えている。以下「抑制する」と抑制処理について記載した箇所では、このラジオボタンの設定状態を記憶したデータベース19の情報により、これら3項目のうちいずれの抑制を行うかを決定してその項目に記載の抑制を行う。例えば、「抑制時に音声警報を行わない」が選択されている状態の場合には抑制処理としてスピーカ20への音声出力をミュートさせる処理を行う。その結果、マイクロ波受信器11でマイクロ波を受信している信号が制御部18に入力されたとしてもマイクロ波警報の音声警報がなされなくなる。これにより画面への警報だけがなされることとなる。「抑制時にすべての警報を行わない」が選択されている状態の場合には、抑制処理として、スピーカ20への音声出力をミュートさせる処理とともに、表示部5への警報画面の表示を取りやめる処理を行う。その結果、例えば、抑制処理が開始されるよりも後にマイクロ波の受信が開始され抑制処理が終了するよりも前にマイクロ波の受信が終了した場合にはこのマイクロ波の受信期間においては全く警報がなされないこととなる。マイクロ波が受信した後、その受信中に、抑制処理が開始された場合には、一旦警報がなされるが、抑制処理が開始されると警報がなされなくなることになる。「抑制時にすべての警報を行わなわず抑制項目を表示する」が選択されている状態の場合には、抑制処理として、スピーカ20への音声出力をミュートさせる処理とともに、表示部5への警報画面の表示を取りやめ、抑制を行った項目名の末尾に「中」を付加した文字列を地図画面上に重ねて表示する処理を行う。例えば、「ドライブレコーダから受信した映像データによる抑制」の抑制処理を行った場合には、「ドライブレコーダから受信した映像データによる抑制中」という文字列を地図の前面に表示する。7項目のチェックボックスのうち複数の項目にチェックがある場合、それぞれの項目の抑制処理による抑制のタイミングが異なることがありうるが、それぞれの抑制処理はマルチタスクで行われるため、それぞれの抑制処理における抑制が実行されているとき当該抑制の内容をそれぞれ表示する。そのためそれぞれの抑制処理での抑制時に文字列の表示する位置を予め異なる位置に定めている。本実施形態では、
図4の7項目の項目名の表示位置及び表示内容で、
図3の地図上の位置及び表示内容として地図や警報画面よりも優先した最前面に重ねて表示するようにしているが、例えば
図3で例示している警報画面内に現在抑制中の警報の表示位置を調整して表示する警報抑制内容表示位置調整処理を行うようにしてもよい。
【0068】
(1)制御部18は、データベース19に、
図4のマイクロ波受信警報機能設定画面において「マイクロ波の受信感度の限定での抑制」の項目にチェックがあると記憶されている場合には、受信感度レベルを当該項目にチェックがない場合に比べ下げる信号をマイクロ波受信器11に送る。マイクロ波受信器11はこの信号を受けた場合、受信感度を低減させる。
【0069】
(2)制御部18は、データベース19に、
図4のマイクロ波受信警報機能設定画面において「マイクロ波の受信した電波の特性での抑制」の項目にチェックがあると記憶されている場合には、マイクロ波受信器11から制御部18に入力される受信信号の変調方式がFSK変調であるか否かを判定し、FSK変調である場合にはマイクロ波警報を抑制せず、FSK変調でない場合にはマイクロ波警報を抑制する。FSK変調であるか否かは、例えば、特開2017-96728に開示される構成など公知の構成で判定することができる。
【0070】
このようにすれば、例えば自動販売機の発する無変調のマイクロ波による警報を抑制でき、自車両または他車両が発するStepFM変調されたマイクロ波による警報も抑制できる。
【0071】
(3)制御部18は、マイクロ波受信器11の受信周波数をスイープ制御する機能を備えている。スイープする周波数範囲には自動販売機が発するマイクロ波の周波数及び他の車両が発するマイクロ波の周波数が含まれる範囲としている。データベース19に、
図4のマイクロ波受信警報機能設定画面において「マイクロ波の受信した電波の周波数での抑制」の項目にチェックがあると記憶されている場合には、制御部18が、マイクロ波受信器11に対して設定する受信周波数が、予めデータベース19に記憶された特定の速度測定装置が発する周波数の範囲から逸脱するときには、警報を抑制する。すなわち、スイープ周波数a-b間の内側にある特定の速度測定装置が発する周波数の範囲p-q間でマイクロ波を受信したときは警報の抑制を行わず、a-p間、q-b間でマイクロ波を受信したときには警報を抑制する。
【0072】
このようにすれば、速度測定装置の周波数範囲から逸脱したマイクロ波に基づく警報を抑制できる。特に、本実施形態のように、マイクロ波受信器11または制御部18に、マイクロ波受信器11の受信周波数を所定の周波数範囲内で走査(スイープ)する機能を備える場合に優れた効果を発揮する。すなわちスイープ範囲は変わらず、さまざまなタイミング制御などを変更することなく、容易に警報の抑制を行うことができる。このようにすれば、特定の速度測定装置の周波数範囲と重ならないが、所定の周波数範囲内にはある誤警報源からのマイクロ波に対して特に有用である。なお、受信周波数は走査のための制御値に対応する周波数としてもよいし、周波数カウンタを備えて受信した電波の周波数を別途測定するようにしてもよい。また受信周波数の走査(スイープ)は、電波の周波数が、異なる機種の速度測定装置が発するそれぞれの周波数の範囲が含まれる範囲を走査するとともに、その異なる機種のうちすべての機種の周波数の範囲から逸脱する範囲は飛ばして走査する機能を備えてもよい。このようにすれば、速度測定装置の周波数範囲から逸脱したマイクロ波に基づく警報を抑制できる。
【0073】
(4)制御部18は、データベース19に、
図4のマイクロ波受信警報機能設定画面において「マイクロ波の受信した位置の特性での抑制」項目にチェックがあると記憶されている場合には、データベース19に記憶された自動販売機の位置情報のリスト中のいずれかの位置に、GPS受信器12から取得した車両の現在位置が接近した場合に警報を抑制する。
【0074】
このようにすれば、自動販売機の発するマイクロ波による誤警報を抑制することができる。例えば、自動販売機の場所は、自動販売機の販売促進用のアプリ等の上で公開されているので、その位置を記憶しておき、当該位置に接近した状態でマイクロ波が受信された状態にあるときには警報を抑制する構成とする。
【0075】
さらに制御部18は、この抑制の際にマイクロ波受信器11の受信感度を下げる制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、自動販売機の発するマイクロ波による誤警報を抑制することができる。なお、この抑制におけるマイクロ波受信器11の受信感度を下げる制御は、「マイクロ波の受信感度の限定での抑制」の項目にチェックがあると記憶されている場合の抑制に加えてさらにマイクロ波受信器11の受信感度を下げる制御を行うようにするとよい。
【0076】
なお、自動販売機の場所は、自動販売機の販売促進用のアプリ等の上で公開されているので、その位置を記憶しておき、当該位置に接近した状態でマイクロ波が受信された状態にあるときにはマイクロ波の受信感度を下げるように制御する構成とするとよい。なお、データベース19に記憶する自動販売機の位置は、道路沿線に設置された自動販売機の位置のみとし、その他の位置は入れないようにするとよい。このようにすれば、道路沿線以外に設置された自動販売機の位置に接近しているとして警報が抑制されてしまうことを予防できる。なおデータベース19には道路沿線に設置されているかいなかに関わらず自動販売機の位置を記憶するようにし、自動販売機の位置に接近しても道路ネットワークデータの位置情報との接近関係が遠いなど道路沿線の自動販売機でない位置の場合には「接近した場合」としないように制御してもよい。
【0077】
また、さらにデータベース19に記憶された自動販売機の位置が当該車両の進行方向の右側であるか左側であるかによって、抑制の度合いに違いをもたせる制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、より的確に警報の抑制及び警報を行うことができる。例えば道路の進行方向の両側の自動販売機からの電波を受信可能な感度に制御したときには両側にある自動販売機で抑制の制御を行い、左側の自動販売機からの電波しか受信しない程度の感度に制御しているときには左側にある自動販売機の位置では抑制の制御を行い、左側にある自動販売機の位置では抑制の制御を行わないようにする構成とするとよい。
【0078】
(5)制御部18は、データベース19に、
図4のマイクロ波受信警報機能設定画面において「ドライブレコーダから受信した映像データによる抑制」の項目にチェックがあると記憶されている場合には、ドライブレコーダ26から送信された映像データをUSB接続部23を介して受信し、受信した映像データに含まれる誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものがあると判定したとき、マイクロ波警報を抑制する。
【0079】
誤警報源としては自動販売機及び前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両の特徴情報(CNNによる該当の自動販売機及び該当の車両を含むドライブレコーダ映像を用いて学習した学習済みモデル)をデータベース19に記憶しており、当該学習済みモデルをRAM上に読み出して、受信した映像データを当該学習済みモデルに入力して推論を実行し、当該推論結果として、当該映像データに、当該自動販売機が存在する確率と、当該車両が存在する確率を得る。当該自動販売機が存在する確率が所定値以上(例えば80%以上)の確率の場合には当該自動販売機の外観の特徴に該当するものがあると判定し、当該車両に該当する確率が所定値以上(例えば80%以上)の確率の場合には当該車両の外観の特徴に該当するものがあると判定する。
【0080】
なお制御部18は、さらにドライブレコーダ26によって撮像された映像中の誤警報源となるマイクロ波を出射する装置の外観の特徴に該当するものの位置が車両の前方左側に相当する位置である場合に、車両の前方左側に相当する位置である場合よりも大きく抑制してもよい。大きく抑制する構成としては、例えば感度大きく下げるようにするとよい。左に自動販売機がある時の方が自販機に近く右側に自動販売機がある場合よりも誤警報の低減の要請が大きいことを発明者らは見出したものであり、このようにすればより効果的に誤警報を抑制できる。
【0081】
(6)制御部18は、データベース19に、
図4のマイクロ波受信警報機能設定画面において「自動販売機が発するBluetoothビーコン信号での抑制」の項目にチェックがあると記憶されている場合には、Bluetoothモジュール24によってBluetoothビーコン信号が受信されたときそのBluetoothビーコン信号が予めデータベース19に記憶されたリスト中のいずれかに該当するか否かを判定し、該当する場合にはマイクロ波警報を抑制する制御を行う。
【0082】
(7)制御部18は、データベース19に、
図4のマイクロ波受信警報機能設定画面において「自動販売機が発するWiFiのSSID情報での抑制」の項目にチェックがあると記憶されている場合には、WiFiモジュール25によってSSIDが受信されたときそのSSIDが予めデータベース19に記憶されたリスト中のいずれかに該当するか否かを判定し、該当する場合にはマイクロ波警報を抑制する制御を行う。
上記(6)(7)のようにすれば、より的確に警報の抑制及び警報を行うことができる。
【0083】
なお、飲料の自動販売機での購入者のスマホと自動販売機間の接続はBluetoothによる無線で行われる。自動販売機での飲料の購入者へのスマホアプリによるスタンプの付与処理のためにはインターネット接続が必要となるが、その際、自動販売機は客のスマホを経由してインターネット通信を行う。このような目的のためのBluetooth信号であるか否かを判定するとなおよい。なお、制御部18は、当該自動販売機や当該車両から発せられる固有の情報(例えば固有のIDなど)を受信したと判定したとき、警報を抑制するようにしてもよい。
【0084】
(8)上述した実施形態では従来から販売されているレーダー探知機に用いられているマイクロ波受信器11を用いた例で説明したが、マイクロ波受信器11及び制御部18をソフトウェア無線機として構成するようにしてもよい。例えば、マイクロ波受信器11はいわゆるIQ信号を出力する構成のものとし(例えば、マイクロ波受信器11は例えば特開2019-61643に記載されている受信回路と同様のマイクロ波受信器を用いてもよい。)、制御部18はこのIQ信号を制御部18に備えるADコンバータでIQデータとして取り込み、制御部18は、SDRの処理のうち入力したIQデータからいわゆるウォーターフォール画像を生成する。そしてこのウォーターフォール画像の特徴情報と予めデータベース19に記憶した誤警報源がない場合の車両の速度を測定するレーダー波のウォーターフォール画像の特徴情報とに基づいて警報の抑制を行うか否かを決定する。ウォーターフォール画像は、マイクロ波受信器11によって受信するマイクロ波の周波数を一方の軸に(例えば当該周波数帯域の下限の周波数を一方の軸の一方端、当該周波数帯域の上限の周波数を一方の軸の他方端とし)、時間軸を他方の軸として、当該周波数における当該時間の所定の信号特性(例えば信号強度)を所定の色(相対的に弱いときが第一の色(例えば青色)、相対的に強いときが(第一の色とは異なる第二の色(例えば赤色)として両者間をグラデーションさせるもの)として描画するとよい。このときダイナミックレンジが広く得られようにそれぞれの色と対応するそれぞれの信号特性(例えば信号強度)との関係を設定している。
【0085】
なお、予め記憶した誤警報源がない場合の車両の速度を測定するレーダー波のウォーターフォール画像の特徴情報としては、予め定めた時間範囲の誤警報源がない場合の車両の速度を測定するレーダー波のウォーターフォール画像を警報対象、予め定めた時間範囲の誤警報源がある場合のウォーターフォール画像を非警報対象として、機械学習した学習済みモデルとするとよい。機械学習は特にディープラーニング(DL)で行うとよく、特にCNNで行うとよく、当該学習済みモデルはディープラーニングによって学習されたモデル(特に例えばCNNの構成もの)とするとよい。例えば、SDR waterfall + DL(CNN等)で構成するとよい。
【0086】
SDRによって生成したウォーターフォール画像の特徴情報と予め記憶した誤警報源がない場合の車両の速度を測定するレーダー波のウォーターフォール画像の特徴情報とに基づいて警報の抑制を行うか否かを決定する構成としては、マイクロ波を受信した場合であって、予め定めた時間範囲の誤警報源がない場合の車両の速度を測定するレーダー波のウォーターフォール画像を警報対象、予め定めた時間範囲の誤警報源がある場合のウォーターフォール画像を非警報対象として、機械学習した学習済みモデルを用いて推論した結果が、警報対象であると判定される場合(例えば警報対象である確率が所定のしきい値以上の場合)に警報の抑制を行わずに警報を行い、当該推論した結果が、非警報対象であると判定される場合(例えば非警報対象である確率が所定のしきい値以上の場合)警報の抑制を行うようにするとよい。例えばこの抑制処理は、上記(5)で述べた処理と同様の処理とするとよい。
(9)まとめ
【0087】
以上述べた実施形態によれば、ユーザにとって従来よりも優れたレーダー探知機能を提供することができる。例えば、近時問題となっている新しい誤警報源であるマイクロ波を出射する自動販売機や、前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両に本機を設置した車両が接近したとき、従来よりも、誤警報を低減させることができる。速度測定システムから出射されるマイクロ波と同様の周波数範囲には、自動販売機が人感等のために出射するマイクロ波や、車両が前後の他の車両との関係を把握するために出射するマイクロ波などがあり、これらの受信に基づく警報を発してしまうなどの問題が大きくなってきているが、こうした問題をより低減すること等ができる。
【0088】
特に前記マイクロ波受信器11の受信感度の限定、前記マイクロ波受信器11の受信した電波の特性、前記マイクロ波受信器11の受信した電波の周波数、前記マイクロ波受信器11の受信した位置の特性、マイクロ波受信器11ではないドライブレコーダ26、Bluetoothモジュール24、WiFiモジュール25からの入力情報に基づく警報の抑制は、自動販売機または車両が前後の他の車両との関係を把握するために出射するマイクロ波を検出するために行っている。従来の自動ドア等に比べ、自動販売機は無人での販売をするためのものであるから速度取締が行われやすい郊外にも多数設置されている。また、前後の他の車両との関係を把握するためにマイクロ波を出射する車両はそれ自体が移動するため、どこで検出されるかが不定であるという従来にはない特性がある。本実施形態のように構成すれば、自販機やこうした車両のせいで常に警報が鳴るので、やかましい、本来の警報がわからないといった問題を軽減できる。また、自販機やこうした車両のせいで常に警報が鳴るので、警報をしない設定に切り替えてしまい本来の速度取締のレーダーの警報がされなくなるといった課題も解決できる。こうした、本来の利用の妨げになる自販機や当該車両からのマイクロ波に基づ誤警報は回避しつつ本来の警報はきちんとすることが可能となる。
【0089】
本実施形態によれば、警報を行わないようにも設定できるし、画面のみの警報として音声の警報を行わないといった警報を抑制しない場合に比べて認識しにくい態様で行うようにも設定できる。
【0090】
なお、警報の抑制は、警報を音によって行う構成をとする場合には警報を抑制しない場合に比べて小さくするようにしてもよい。例えば警報を画面表示によって行う構成とする場合には警報の表示の大きさを警報を抑制しない場合に比べ目立たない態様(例えば小さく表示するなど)とするようにしてもよい。音と
【0091】
警報の抑制としては、本実施形態のように、感度落とす、キャンセルとしてもよいし、警報内容を変えるようにしてもよいが、例えば、誤警報源(例えば自販機等)があることを表示部5に表示するなどして報知するようにしてもよい。実施形態の(5)(6)(7)のように誤警報源の種類を識別できる構成を備え、識別した誤警報源の種類(「誤警報源の自動販売機を検出中」「誤警報源の車両を検出中」といった表示)をさらに表示部5に表示させるようにするとよい。
【0092】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0093】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0094】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【符号の説明】
【0095】
2 装置本体
3 クレードル
4 ケース本体
5 表示部
6 クレードル本体
7 台座部
8 タッチパネル
9 警報ランプ
11 マイクロ波受信器
12 GPS受信器
13 無線受信器
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
21 SDメモリカード用スロット部
22 SDメモリカード
23 USB接続部
24 Bluetoothモジュール
25 WiFiモジュール
26 ドライブレコーダ