(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】収納庫用仕切り部材及び収納庫
(51)【国際特許分類】
A47B 96/04 20060101AFI20231204BHJP
【FI】
A47B96/04 B
(21)【出願番号】P 2017178812
(22)【出願日】2017-09-19
【審査請求日】2020-08-20
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】今高 広晃
(72)【発明者】
【氏名】林 俊祐
【合議体】
【審判長】住田 秀弘
【審判官】居島 一仁
【審判官】西田 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-24854(JP,A)
【文献】特開2012-176047(JP,A)
【文献】特開2013-169969(JP,A)
【文献】特開2017-66609(JP,A)
【文献】実開昭63-144043(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 55/00,57/30-57/56
A47B 81/06,96/02,96/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納庫内の棚板の上面に載置され、前記収納庫内の収納空間を複数の収納空間に仕切るための収納庫用仕切り部材であって、
上方に立ち上がるとともに、互いに所定の間隔を空けて左右方向に対向配置された第1側板部及び第2側板部と、
前記第1側板部及び前記第2側板部の下端部から上方に所定の間隔をあけて配置されるとともに、前記第1側板部及び前記第2側板部のそれぞれの上端部を互いに接続する天板部と、
前記天板部から上方かつ前記第1側板部の延長上に立ち上がる立ち上がり部と、
を備え、
前記複数の収納空間は、前記第1側板部と前記第2側板部と前記天板部と前記棚板の上面とにより囲まれ、前面が開口された第1収納空間と、前記天板部の上方かつ前記立ち上がり部の側方に形成された第2収納空間と、前記棚板の上面から上方かつ前記第1側板部及び前記立ち上がり部の側方に形成され、前記第1収納空間及び前記第2収納空間に隣接する第3収納空間とを含み、
前記第2側板部は、前後方向において、前記第1側板部よりも前方に突出しており
、
前記天板部の前方側に切り欠き部が形成されており、
前記切り欠き部は、前後方向について、前記天板部の前端から後方、かつ、前記立ち上がり部の前端よりも前方側に形成され、前記第1収納空間における入出庫作業に利用可能である、
ことを特徴とする収納庫用仕切り部材。
【請求項2】
収納庫内の棚板の上面に載置され、前記収納庫内の収納空間を複数の収納空間に仕切るための収納庫用仕切り部材であって、
上方に立ち上がるとともに、互いに所定の間隔を空けて左右方向に対向配置された第1側板部及び第2側板部と、
前記第1側板部及び前記第2側板部の下端部から上方に所定の間隔をあけて配置されるとともに、前記第1側板部及び前記第2側板部のそれぞれの上端部を互いに接続する天板部と、
前記天板部から上方かつ前記第1側板部の延長上に立ち上がる立ち上がり部と、
電源供給部と、
を備え、
前記複数の収納空間は、前記第1側板部と前記第2側板部と前記天板部と前記棚板の上面とにより囲まれ、前面が開口された第1収納空間と、前記天板部の上方かつ前記立ち上がり部の側方に形成された第2収納空間と、前記棚板の上面から上方かつ前記第1側板部及び前記立ち上がり部の側方に形成され、前記第1収納空間及び前記第2収納空間に隣接する第3収納空間とを含み、
前記第2側板部は、前後方向において、前記第1側板部よりも前方に突出して
いる、
ことを特徴とする収納庫用仕切り部材。
【請求項3】
前記立ち上がり部の前記天板部からの高さは、前記第1側板部の高さ以上の高さに設定されている、
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載の収納庫用仕切り部材。
【請求項4】
前記立ち上がり部は、前記天板部上の前後方向の後方に配置されており、
前記立ち上がり部は、前後方向の後方かつ上方に向かって傾斜する傾斜部を有する、
ことを特徴とする請求項1
から3の何れか1項に記載の収納庫用仕切り部材。
【請求項5】
前記収納庫用仕切り部材を前記収納庫に設置する際の位置を決定するための規制部をさらに備えている、
ことを特徴とする請求項1から
4の何れか1項に記載の収納庫用仕切り部材。
【請求項6】
前記第1収納空間は、ノート型パーソナルコンピュータを収納可能な大きさを有する、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の収納庫用仕切り部材。
【請求項7】
前記天板部の前方側に切り欠き部が形成されており、
前記電源供給部と前記切り欠き部とは、互いに近接して配置されている、
ことを特徴とする請求項
2に記載の収納庫用仕切り部材。
【請求項8】
前記収納庫が、前記収納庫内の収納空間において左右のいずれか一方側を支点にして開閉可能な扉を備える場合に、前記立ち上がり部は、前記支点側に配置される前記第1側板部の延長上に設けられる、
ことを特徴とする請求項1から
7の何れか1項に記載の収納庫用仕切り部材。
【請求項9】
前記収納庫が、前記収納庫内の収納空間において左右のいずれか一方側を支点にして開閉可能な扉を備える場合に、前記立ち上がり部は、前記支点側に配置される前記第1側板部の延長上に設けられ、
前記支点とは反対の前記扉の開閉側に配置される前記第2側板部側に電源供給部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の収納庫用仕切り部材。
【請求項10】
前記収納庫が、前記収納庫内の収納空間において左右のいずれか一方側を支点にして開閉可能な扉を備える場合に、前記立ち上がり部は、前記支点側に配置される前記第1側板部の延長上に設けられ、
前記電源供給部は、前記支点とは反対の前記扉の開閉側に配置される前記第2側板部側に設けられている、
ことを特徴とする請求項
2に記載の収納庫用仕切り部材。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1項に記載の収納庫用仕切り部材を備えていることを特徴とする収納庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納庫用仕切り部材及び収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書類等の収納物を収納する収納庫において、収納空間を有効利用するために収納空間を仕切るための仕切り部材が用いられている(例えば特許文献1参照)。例えば、収納空間に棚板等の仕切り部材を設置して収納空間を上下に分割し、それぞれの収納空間に収納物を収納することにより、収納空間の利用効率を高めている。
【0003】
近年では、収納庫の利用態様が多様化しており、例えばオフィス等において、従業員毎に割り当てられた扉付き収納庫(個人用ロッカー)には、業務で使用するPC(ノート型パーソナルコンピュータ)、ファイルボックス、各種の書類、文具等の小物類など、多様な収納物を収納する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の仕切り部材では、上述した多様な収納物を効率よく収納すること困難であり、また一旦収納した収納物を取り出し難いという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、収納庫の収納効率及び利便性を高めることができる収納庫用仕切り部材及び収納庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る収納庫用仕切り部材は、収納庫における収納空間を仕切るための収納庫用仕切り部材であって、上方に立ち上がるとともに、互いに所定の間隔を空けて対向配置された第1側板部及び第2側板部と、前記第1側板部及び前記第2側板部の下端部から上方に所定の間隔をあけて配置されるとともに、前記第1側板部及び前記第2側板部を互いに接続する天板部と、前記天板部から上方に立ち上がる立ち上がり部と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、収納庫用仕切り部材を収納庫に設置した場合に、1つの収納空間を複数の収納空間に仕切ることができるとともに、立ち上がり部が収納物の転倒を防ぐことができる。よって、収納庫の収納効率及び利便性を高めることができる。
【0009】
ここで本発明に係る収納庫用仕切り部材では、前記立ち上がり部は、前記第1側板部の延長上に配置されてもよい。
【0010】
また本発明に係る収納庫用仕切り部材では、前記立ち上がり部は、前記天板部上の後方に配置されてもよい。
【0011】
また本発明に係る収納庫用仕切り部材では、前記収納庫用仕切り部材を前記収納庫に設置する際の位置を決定するための規制部をさらに備えてもよい。
【0012】
また本発明に係る収納庫用仕切り部材では、前記天板部の前方側に切り欠き部が形成されてもよい。
【0013】
また本発明に係る収納庫用仕切り部材では、前記収納庫用仕切り部材が前記収納庫内に設置された場合、前記収納庫用仕切り部材は、前記収納庫内の空間を、前記第1側板部と前記第2側板部と前記天板部とで囲まれた第1収納空間と、前記天板部の上方に形成された第2収納空間と、前記第1側板部及び前記立ち上がり部の側方に形成され、前記第1収納空間及び前記第2収納空間に隣り合う第3収納空間と、に仕切ってもよい。
【0014】
また本発明に係る収納庫用仕切り部材では、前記第1側板部と前記第2側板部と前記天板部とで囲まれた空間は、ノート型パーソナルコンピュータを収納可能な大きさを有してもよい。
【0015】
また本発明に係る収納庫用仕切り部材では、電源供給部をさらに備えてもよい。
【0016】
また本発明に係る収納庫用仕切り部材では、前記電源供給部と前記切り欠き部とは、互いに近接して配置されてもよい。
【0017】
また本発明に係る収納庫は、上記収納庫用仕切り部材を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る収納庫用仕切り部材及び収納庫によれば、収納庫の収納効率及び利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係る収納装置の概略構成を示す図であり、(a)は収納装置の正面図を示し、(b)は収納装置の右側面図を示している。
【
図2】
図1において、扉を省略した収納装置の概略構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る仕切り部材の右前方斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る仕切り部材の左前方斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る仕切り部材の平面図である。
【
図6】本実施形態に係る仕切り部材の背面斜視図である。
【
図7】本実施形態に係る仕切り部材の一部(嵌合部)を拡大した平面図である。
【
図8】本実施形態に係る仕切り部材の他の構成を示す右前方斜視図である。
【
図9】本実施形態に係る仕切り部材の他の構成を示す右前方斜視図である。
【
図10】本実施形態に係る収納装置の他の構成を示す正面図である。
【
図11】本実施形態に係る仕切り部材の他の構成を示す平面図である。
【
図12】本実施形態に係る仕切り部材の他の構成を示す背面斜視図である。
【
図13】本実施形態に係る仕切り部材の他の構成を示す右前方斜視図である。
【
図14】本実施形態に係る仕切り部材の他の構成を示す右前方斜視図である。
【
図15】本実施形態に係る仕切り部材の他の構成を示す右前方斜視図である。
【
図16】本実施形態に係る仕切り部材の他の構成を示す左後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
図1は、本実施形態に係る収納装置1の概略構成を示す図であり、
図1(a)は収納装置1の正面図を示し、
図1(b)は収納装置1の右側面図を示している。
図1に示す収納装置1は、6個の収納庫10を含んでいる。尚、収納装置1に含まれる収納庫10の数は限定されず、1個でもよいし複数個でもよい。収納装置1は、例えば、オフィスに設置され、従業員(ユーザ)ごとに1個の収納庫10が割り当てられる。各ユーザは、業務で使用するノート型パーソナルコンピュータ(ノートパソコン)、ファイルボックス、各種の書類、文具等の小物類など、多様な収納物を、収納庫10に収納する。収納庫10は、鍵付きの扉20を備えている。尚、扉20は省略されてもよい。
図1に示す収納庫10では、扉20の右端にヒンジ部(図示せず)が設けられており、扉20は、右側を支点にして左側が開閉可能な構成となっている。尚、各図において、収納庫10の左右(幅)方向をX方向、前後(奥行)方向をY方向、上下(高さ)方向をZ方向とする。
【0021】
図2には、説明の便宜上、扉20を省略した収納装置1の構成を示している。各収納庫10は、互いに同一の構成を有している。以下では、1個の収納庫10を例に挙げて説明する。収納庫10は、底板2(棚板)と、側板3,4と、上板5と、背面側の後板(図示せず)とを備えている。収納庫10には、底板2と側板3,4と上板5と後板とで囲まれた1つの収納空間Sが形成されている。本発明に係る仕切り部材100(収納庫用仕切り部材)が収納庫10内に設置された場合、収納空間Sは、複数の収納空間に分割される。すなわち、仕切り部材100は、収納空間Sを複数の収納空間に仕切るための構成を有している。
【0022】
具体的には、仕切り部材100は、収納庫10内の底板2に載置され、扉20のヒンジ部とは反対側(
図2では左側)の側板4に当接するように設置される。仕切り部材100により、収納空間Sは、第1収納空間S1と、第2収納空間S2と、第3収納空間S3とに仕切られる。例えば、第1収納空間S1には、A4サイズ相当のノートパソコンPCが収納され、第2収納空間S2には、A4横置き型のファイルボックスBが収納され、第3収納空間S3には、A4縦置きき型のファイルFが収納される。以下、仕切り部材100の具体的な構成について説明する。
【0023】
図3~
図6は、本実施形態に係る仕切り部材100の構成を示す図である。
図3は仕切り部材100の右前方斜視図であり、
図4は仕切り部材100の左前方斜視図であり、
図5は仕切り部材100の平面図であり、
図6は仕切り部材100の裏面斜視図である。
【0024】
仕切り部材100は、上方(Z方向)に立ち上がるとともに、互いに所定の間隔を空けて対向配置された、右側板部102(第1側板部)及び左側板部103(第2側板部)と、上方(Z方向)に立ち上がるとともに、右側板部102の後端部と左側板部103の後端部とを互いに接続する後板部108と、右側板部102、左側板部103及び後板部108の下端部から上方(Z方向)に所定の間隔をあけて配置されるとともに、右側板部102、左側板部103及び後板部108の上端部を互いに接続する天板部101と、天板部101から上方(Z方向)に立ち上がる立ち上がり部110と、を備えている。立ち上がり部110は、右側板部102の延長上であって、天板部101のY方向の後方側に配置されている。立ち上がり部110の前端は、Y方向の後方かつ上方に向かって傾斜する傾斜部110aを有している。天板部101の前方左側には、Y方向の後方に向かって切り欠かれた切り欠き部101a(
図5参照)が形成されている。右側板部102と左側板部103と後板部108と天板部101とで囲まれた空間(開口部140)が形成され、仕切り部材100が収納庫10に設置された場合、開口部140は第1収納空間S1(
図2参照)を形成する。
【0025】
図6に示すように、左側板部103は、上方(Z方向)に立ち上がるとともに、互いに所定の間隔を空けて対向配置された、内板部104及び外板部105と、上方(Z方向)に立ち上がるとともに、内板部104の後端部と外板部105の後端部とを互いに接続する後板部106と、内板部104の前端部と外板部105の前端部とを互いに接続する前板部107と、を備えている。内板部104の上端部及び外板部105の上端部は、それぞれ、天板部101の裏面に接続されている。
【0026】
左側板部103は、さらに、前板部107に嵌合部130(規制部)を備え、前方上面(天板部101)に電源供給部120を備えている。嵌合部130は、収納庫10の側板4(
図2参照)に嵌合される。具体的には、
図7に示すように、嵌合部130は、前板部107から前方に突出する突起状に形成されており、収納庫10の側板4の折り曲げ部に形成された溝部4a(スリット)に嵌め込まれる。これにより、仕切り部材100が収納庫10内で固定され、横方向の移動が規制される。すなわち、嵌合部130(規制部)は、仕切り部材100を収納庫10に設置する際の位置を決定するための位置決め部として機能し、また仕切り部材100を収納庫10に固定するための固定部として機能する。電源供給部120は、天板部101に形成された開口部に挿入固定される。電源供給部120は、切り欠き部101aに近接して配置されている。電源供給部120は、例えば、第1収納空間S1に収納されたノートパソコンPCに接続されたケーブルのプラグが接続され、当該ケーブルを介してノートパソコンPCに電源を供給する。内板部104と外板部105と後板部106と前板部107とこれらに接続される天板部101とにより囲まれた空間は、電源供給部120に電源を供給するための電源ケーブルを収納するケーブル収納部109を構成する。
【0027】
図5等に示すように、仕切り部材100の左側前端部には切り欠き部105aが形成されており、仕切り部材100の左側後端部には切り欠き部108aが形成されている。また
図6に示すように、右側板部102の後端部には切り欠き部102aが形成されており、左側板部103の内板部104の後端部には切り欠き部104aが形成されており、左側板部103の後板部106の右端部には切り欠き部106aが形成されている。これらの切り欠き部により、例えば、収納庫10において、電源供給部120に接続され、ケーブル収納部109に収納された電源ケーブルを、仕切り部材100の外側へ、左右及び後方の何れの方向にも引き回す(配線する)ことができる。尚、収納庫10の底板2、側板3,4及び上板5には、必要に応じて、電源ケーブルを引き回す(配線する)ための開口部(貫通孔)が形成されていることが好ましい。
【0028】
仕切り部材100の開口部140は、例えば、高さ(Z方向)及び幅(X方向)がA4サイズ相当のノートパソコンを収納可能な寸法に設定されている。例えば、開口部140は、高さが略50mm、幅が略240mm、奥行が略370mmに設定されている。また、立ち上がり部110は、例えば、天板部101からの高さが、右側板部102の高さと同じ高さかそれ以上の高さに設定されている。
【0029】
上記構成を有する仕切り部材100を収納庫10に設置することにより、
図2に示すように、収納空間Sを、第1収納空間S1と第2収納空間S2と第3収納空間S3とに仕切ることができる。第1収納空間S1は、収納庫10の底板2と右側板部102と左側板部103と天板部101とにより形成され、第2収納空間S2は、天板部101と立ち上がり部110と収納庫10の側板4と収納庫10の上板5とにより形成され、第3収納空間S3は、収納庫10の底板2と右側板部102と立ち上がり部110と収納庫10の側板3と収納庫10の上板5とにより形成される。第2収納空間S2と第3収納空間S3との間には、立ち上がり部110が配置されるため、第2収納空間S2及び第3収納空間S3のそれぞれの収納物が隣の収納空間へ倒れ込むこと(転倒)を防ぐことができる。すなわち、立ち上がり部110は、いわゆるブックエンド(本立て)として機能する。
【0030】
本実施形態に係る仕切り部材100によれば、収納庫10において、各収納空間に適した収納物を効率よく収納することができる。よって、収納庫10の収納効率を高めることができる。また仕切り部材100は、収納庫10の扉20が開閉される側(ここでは左側)に配置されるため、使用頻度の高いノートパソコンPC及びファイルボックスBを、扉20の開閉側に収納することができる。このため、ノートパソコンPC及びファイルボックスBの入出庫作業を容易に行うことができる。
【0031】
また、天板部101には切り欠き部101aが形成されているため、特に、収納庫10に収納されたノートパソコンPCをユーザが手で掴み易くなり、またノートパソコンPCを収納する際にはユーザの手が天板部101に触れずに収納することができるため、入出庫作業を容易に行うことができる。また、例えば、収納物が、第1収納空間S1に収納された際に天板部101に覆われてしまうような大きさの収納物(例えば、ノートパソコンPC)である場合、ノートパソコンPCの側面の端子差込口が切り欠き部101aから視認し易くなり、電源供給を行い易くなる。さらに、電源供給部120と切り欠き部101aとが互いに近接して配置されているため、天板部101が配線の邪魔にならず、電源供給を行い易くなる。
【0032】
また、立ち上がり部110は、天板部101上の後方に形成され、かつ傾斜部110aを有するため、扉20のヒンジ部側となる第3収納空間S3の収納物(例えば、ファイルF)であっても、入出庫作業をスムーズに行うことができる。すなわち、立ち上がり部110は、第2収納空間S2と第3収納空間S3とを仕切る機能と、それぞれの収納空間に収納物を収納する際の収納作業(入庫作業)を容易にする機能と、それぞれの収納空間に収納された収納物を取り出す際の取り出し作業(出庫作業)を容易にする機能とを兼ね備えている。さらに、仕切り部材100は電源供給部120を備えているため、ノートパソコンPCを、収納庫10に収納した状態で充電を行うことができる。よって、収納庫10の利便性を高めることができる。尚、電源供給部120は、ノートパソコンPCに限定されず、電源を必要とする様々な収納物(例えば、スマートフォン等の携帯端末)に対して電源を供給してもよい。
【0033】
本発明の仕切り部材100は、上記構成に限定されず、以下に示す構成であってもよい。
【0034】
例えば、収納庫10の扉20が、左側を支点にして右側が開閉可能な構成の場合、仕切り部材100は、左右の構成が反転した構成であってもよい。すなわち、この構成では、立ち上がり部110が左側板部103(第1側板部)の延長上に配置され、嵌合部130及び電源供給部120が右側板部102(第2側板部)に設けられ、切り欠き部101aが天板部101の前方右側に形成される。上記構成を有する仕切り部材100は、収納庫10内において、右側の側板3(
図2参照)に当接するように設置される。
【0035】
また例えば、
図8に示すように、仕切り部材100は、立ち上がり部110(
図3参照)が省略された構成であってもよい。この場合、右側板部102がブックエンド(本立て)として機能する。ここで、ブックエンドとしての機能を高めるために、
図9に示すように、右側板部102及び左側板部103の高さを高くしてもよい。例えば、右側板部102及び左側板部103の高さ(開口部140の高さ)を、A4横置き型のファイルボックスBを収納可能な高さに設定してもよい。この場合、
図10に示すように、第1収納空間S1には、A4横置き型のファイルボックスBが収納され、第2収納空間S2には、A4サイズ相当のノートパソコンPCが収納され、第3収納空間S3には、A4縦置きき型のファイルFが収納される。尚、
図8に示す構成では、収納庫10における仕切り部材100の横方向の移動を確実に抑制するために、嵌合部130を複数個所(例えば、上下2個所)設けることが好ましい。上記構成においても、収納庫10の収納効率及び利便性を高めることができる。
【0036】
また例えば、仕切り部材100は、電源供給部120(
図3及び
図8参照)が省略されてもよい。電源供給部120を省略する場合、
図11に示すように天板部101に形成された開口部にキャップ120aを装着してもよいし、天板部101に開口部を形成しない構成としてもよい。
【0037】
また例えば、仕切り部材100の天板部101は、右側板部102、左側板部103及び後板部108の下端部と上端部との間に設けられてもよい。この構成によれば、例えば右側板部102が天板部101より上方に立ち上がるため、立ち上がり部110が省略された場合でも、立ち上がり部110として機能することができる。
【0038】
また、上記各形態において、仕切り部材は、樹脂材料で形成されてもよいし、金属材料で形成されてもよい。また、仕切り部材は、透明樹脂材料で形成されてもよく、これによりユーザは収納物を視認し易くなる。
【0039】
また、仕切り部材100を収納庫10に固定(嵌合)するための規制部(嵌合部130)の位置は、前板部107(
図6参照)に限定されない。例えば、
図12に示すように、嵌合部131が、右側板部102に設けられてもよいし、嵌合部132,133が、後板部108に設けられてもよい。また、
図13に示すように、固定部134が右側板部102からX方向に延在するように設けられてもよい。仕切り部材100は、
図6に示す嵌合部130と、
図12に示す嵌合部131,132,133と、
図13に示す固定部134とを合わせた4つの規制部のうち、何れか1つの規制部が設けられてもよいし、複数の規制部が組み合わされて設けられてもよい。また、収納庫10の底板2には、嵌合部131,132,133を嵌合(受容)するための開口孔(差し込み孔)が嵌合部の数に応じて形成されてもよいし、固定部134を固定するためのネジ(ボルト、ナット)やファスナー等を通す貫通孔が形成されてもよい。
【0040】
また、電源供給部120が設けられる位置は、天板部101の前方上面(
図5参照)に限定されず、
図14に示すように天板部101の後方上面であってもよいし、
図15に示すように天板部101の前方裏面であってもよい。
図14に示す構成では、仕切り部材100の後方裏側に、仕切り板で仕切られたケーブル収納部109が形成され、ケーブル収納部109に収納された電源ケーブルを、
図14に示す配線経路に従って、仕切り部材100の外側へ引き回す(配線する)ことができる。また
図15に示す構成では、仕切り部材100の前方裏面から後方裏面にケーブル収納部109が形成され、ケーブル収納部109に収納された電源ケーブルを、
図15に示す配線経路に従って、仕切り部材100の外側へ引き回す(配線する)ことができる。尚、上下方向に並べられた収納庫10において、各種ケーブルを、
図16に示すような配線経路に従って配線を容易にするために、
図16に示すように、仕切り部材100の左側板部103の後側が、
図12に示す構成よりもさらに切り欠かれてもよい。
【0041】
また、上記各形態において、仕切り部材は、幅方向(X方向)、奥行方向(Y方向)及び高さ方向(Z方向)の少なくとも何れかの方向に伸縮可能な構成であってもよい。この構成の場合、収納物の大きさに応じて収納空間S1,S2,S3の大きさを調整すればよい。尚、伸縮を可能とする機構は、周知の技術を適用することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0043】
1 収納装置、10 収納庫、20 扉、2 底板、3,4 側板、4a 溝部、5 上板、100 仕切り部材、101 天板部、101a 切り欠き部、102 右側板部(第1側板部又は第2側板部)、103 左側板部(第1側板部又は第2側板部)、104 内板部、105 外板部、106 後板部、107 前板部、108 後板部、109 ケーブル収納部、110 立ち上がり部、110a 傾斜部、120 電源供給部、130,131,132,133,134 嵌合部、140 開口部、S 収納空間、S1 第1収納空間、S2 第2収納空間、S3 第3収納空間。