(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】モーターアセンブリを含む装置、およびモーターアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20231204BHJP
H02K 9/06 20060101ALI20231204BHJP
H02M 5/293 20060101ALI20231204BHJP
H02M 5/297 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K9/06 F
H02M5/293 Z
H02M5/297
(21)【出願番号】P 2018547999
(86)(22)【出願日】2017-03-13
(86)【国際出願番号】 US2017022019
(87)【国際公開番号】W WO2017156516
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-03-13
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-06
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505194077
【氏名又は名称】アイティーティー マニュファクチャーリング エンタープライジズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ、ディーン・ピー.
(72)【発明者】
【氏名】プレイフォード、マーク・エー.
(72)【発明者】
【氏名】カーナン、ダニエル・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】エンプリンガム、リー
(72)【発明者】
【氏名】デ・リルロ、リリアナ・ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】タイ、クリストファー・ジェイ.・エフ.
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】山崎 孔徳
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-27903(JP,A)
【文献】特表2011-505786(JP,A)
【文献】特開2014-154745(JP,A)
【文献】国際公開第2011/093200(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/072467(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33 H02K 9/06 H02M 5/293 H02M 5/297
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターアセンブリを含む装置であって、前記装置が、
内側ハブ部分と
エンドプレートの外周部分との間で
前記エンドプレート上に形成された円形の幾何学的形状を有する空間エンベロープ内部に載置されるように実質的に類似する円形の幾何学的形状で構成された電力プレーンを備え、ここにおいて、
前記エンドプレートの前記外周部分は前記エンドプレートの前記空間エンベロープの周りに円周方向に延在する、前記電力プレーンが、少なくとも、
モーターに電力を提供するための少なくとも1つの電力モジュールを有する電力層と、
前記モーターに提供される前記電力を制御するための少なくとも1つの制御電子部品モジュールを有する制御層と、
前記電力層の前記少なくとも1つの電力モジュールと前記制御層の前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールとの間に電気接続経路を提供し、更に、前記電力層と前記制御層との間に断熱を提供する、前記電力層と前記制御層との間の印刷回路基板層と、を有するアセンブリとして構成されている、装置。
【請求項2】
前記電力プレーンが、少なくとも、
前記少なくとも1つの電力モジュール及び前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールを前記印刷回路基板層の両側に載置することを可能にすること、
前記少なくとも1つの電力モジュール及び前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールを共に相互接続するため、かつ入力/出力電力接続部、並びに前記少なくとも1つの電力モジュール及び前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールを相互接続するための前記電気接続経路を提供することと、
前記少なくとも1つの電力モジュー
ルから
、放射される熱を断熱
すること、を行うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電力プレーンが、前記電力層及び前記制御層を載置するための最大の空間を提供するために前記エンドプレートの前記空間エンベロープに適合するように、及び前記モーターローターのシャフトが通過して冷却ファンを駆動することを可能にするように、ドーナツ形の電力プレーン印刷回路基板又はアセンブリとして構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電力層が
、より高い温度の電力モジュールと共に構成され、
前記制御層が
、より低い温度の制御電子部品モジュール及び構成要素、並びに電力品質フィルタ構成要素と共に構成され、
前記印刷回路基板層が、前記制御層を一方の側に載置し、前記電力層をもう一方の側に載置するための構造的な厚さ及び強度を有する材料から構成され、前記材料が、前記電力層と前記制御層との間の熱の伝達を低減させるための断熱を提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記印刷回路基板層が、ガラス繊維を含む積層材料で構築され、該積層材料が、構造強度を提供し、前記電力層の電力半導体を、前記制御層の制御電子部品及び電力品質コンデンサから分離するための断熱材として作用する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電力層が、前記印刷回路基板層の片側において、前記エンドプレートの前記空間エンベロープに取り付けられた、電力プレーンに結合するように構成された、円形の電力モジュール配置を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電力モジュールが、電圧及び周波数を有するAC波形を有するAC入力シグナリングを受信し、前記モーターを駆動するための変換された電圧及び周波数を有する変換されたAC波形を有する変換されたACシグナリングを提供するように、マトリックスコンバータの一部として構成されたマトリックスコンバータ電力モジュールを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記制御層が、電気的ノイズ及び高調波歪みのレベルを低減させるように構成された、少なくとも1つの電力品質フィルタ構成要素を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電力品質フィルタ構成要素が、前記印刷回路基板層に直接取り付けられ、かつ前記マトリックスコンバータ内のマトリックスコンバータ電子部品から放射される歪みの量を低減させるように、前記マトリックスコンバータの物理的に近く又は隣に構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記電力プレーンが、その中に電力品質フィルタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電力プレーンが、内蔵型電力品質フィルタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記電力プレーンが、前記電力層及び前記制御層を、1つの統合した印刷回路基板構成に組み合わせるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記電力プレーンが、電流センサ、少なくとも1つのゲートドライバ、電源、クランプ回路、電力半導体モジュール、及び電力品質コンデンサ、のうちの2つ以上の組み合わせを備え、
前記電気接続経路が、入力/出力電力接続部と、前記電流センサ、前記少なくとも1つのゲートドライバ、前記電源、前記クランプ回路、前記電力半導体モジュール、及び前記電力品質コンデンサのうちの前記2つ以上の組み合わせとを相互接続するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、前記エンドプレートを備え、
前記内側ハブ部分が、前記モーターローターのシャフトを受容するように構成され、 前記外周部分が、前記少なくとも1つの電力モジュール及び前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールによって発生する前記エンドプレートの熱を放散させるように構成された熱フィンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、ヒートシンクとして利用されるように構成された、モーターケースを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記装置が、回転デバイス又はポンプを駆動するためのモーターアセンブリである
、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
回転デバイス又はポンプを駆動するためのモーターアセンブリであって、
モーターのシャフトを受容する内側ハブ部分と、外周部分との間でドーナツ状の幾何学的形状を有し、形成される空間エンベロープを伴って構成される、エンドプレートであって、前記外周部分が、前記空間エンベロープの周りに円周方向に延在し、熱を前記エンドプレートから放散されるように構成された熱フィンを有する、エンドプレートと、
前記空間エンベロープの前記ドーナツ状の幾何学的形状に類似するドーナツ状の幾何学的形状で構成され、かつ前記空間エンベロープ内部に載置される、電力プレーンと、を備え、前記電力プレーンが、少なくとも、
前記モーターに電力を提供するための少なくとも1つの電力モジュールを有する電力層と、
前記モーターに提供される前記電力を制御するための少なくとも1つの制御電子部品モジュールを有する制御層と、
前記電力層の前記少なくとも1つの電力モジュールと前記制御層の前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールとの間の電気接続経路を提供し、更に、前記電力層と前記制御層との間の断熱を提供する、前記電力層と前記制御層との間の印刷回路基板層と、を有するアセンブリとして構成されている、モーターアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2016年3月11日に出願された仮特許出願第62/307,037号に対する利益を主張するものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本出願は、可変周波数駆動の電子部品の電力密度を増加させ、かつ可変速度電子部品をモーターアセンブリの内部に設置する目的で、可変周波数駆動の電子部品の高温に対する感度を低減させるための技法に関し、より具体的には、例えば特殊設計された中央プレート及びエンドプレートを使用して、可変周波数駆動の電子部品の高温に対する感度を低減させるための技法に関する。
【関連技術の説明】
【0003】
先行技術においては、可変周波数駆動の電子部品が、典型的に、高温に敏感であり、また、モーターアセンブリと組み合わせてそれらの最大定格で動作させた場合に、適切に動作しないこと、又は早期に故障すること、並びに電子部品には、電子部品を過酷な環境及び過剰な熱から保護する、モーターエンベロープ内に含まれる密閉エンクロージャが必要であることが知られている。モーターは、通常、安全な電子的動作よりもはるかに高い温度で動作する。これらの2つのデバイスを組み合わせると、モーターの動作によって作り出される損失(熱)が、高温状態を生じさせ、この状態は、可変周波数駆動の動作に有害である。
【0004】
このことを大局的に見れば、高効率モーターは、94~95%の効率であり得る。したがって、その定格のうちの5~6%が、ワット損失に関して測定される熱損失又は熱によって無駄になる。可変周波数駆動の場合は、96~97%の効率であり得る。したがって、50HPのシステムにおいて、熱損失の算出は、以下の形態をとることができる:50HP×746ワット/HP=37,300ワット、及び37,300ワット×10%=3,730ワットの廃熱。具体的には、4%の全駆動損失は、次のように分けられ、すなわち、
エンドプレートに含まれる電力モジュールにおいて約85%、電力品質フィルタにおいて10%、及びモーターの残部において6%である。
【0005】
これを考慮すれば、当技術分野では、可変周波数駆動の電子部品の高温に対する感度を低減させ、よって、そのような可変周波数駆動のそのような電子部品を最大定格で動作させた場合に、それらの不適切な動作又は早期の故障を排除する、又は大幅に低減するためのより良い方式を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、標準米国電気製造業者協会(NEMA)と同じサイズのエンベロープ、又は同じ電力定格の国際電気標準会議(IEC)定格のモーターの内部に可変周波数駆動の電子部品を設置し、それによって、モーター及び任意のポンプ、又はそれが制御する回転デバイスの可変速度動作を可能にすることである。
【0007】
基本装置
いくつかの実施形態によれば、本発明は、例えば、2つの側を有し、一方の側が中央部分、中間部分、及び外周部分を有する少なくとも1つのプレートを有する、ポンプ又は回転デバイスを駆動するためのモーターアセンブリなどの装置の形態をとることができる。
【0008】
中央部分は、例えばポンプ又は回転デバイスを駆動するモーターの、ローターに対して少なくとも1つのプレートを受容し、配設するための開口部を含むこと、又はそれと共に構成することができる。
【0009】
中間部分は、中央部分の内周と外周部分との間に構成することができ、また、中央部分の内周から延在し、かつ外周部分に向かって外向きに分岐して、中央部分から外周部分へ熱を伝達し、内部の熱伝導能力を可能にする、多数の内部放射状冷却フィンを含むことができる。
【0010】
外周部分は、プレートから離れて外向きに分岐して、周囲空気に熱を伝達し、外部の対流熱能力を可能にする、多数の外部放射状冷却フィンを有する外周面を含むことができる。
【0011】
少なくとも1つのプレートは、本明細書に記載されるものと一致する、ポンプ又は回転デバイスの一部を形成する、中央プレート、エンドプレート、又はそれらの組み合わせとすること、又はその形態をとることができる。
【0012】
中央プレートの実施形態
例えば、少なくとも1つのプレートは、モーターベアリングアセンブリを受容するように構成され、更に、モーターローターのシャフトを受容する開口部と共に構成されたベアリングハウジングフランジ部分を有する、中央プレートを含むこと、又はその形態をとることができる。
【0013】
中央プレートの実施形態はまた、以下の特徴のうちの1つ以上も含むことができる。
【0014】
装置は、例えばローターとローターに配設されたベアリングアセンブリを有するモーターベアリングアセンブリとの組み合わせを有する、ポンプ又は回転デバイスを駆動するためのモーターアセンブリとすること、又はその形態をとることができる。
【0015】
2つの側のうちのもう一方は、いかなる内部又は外部冷却フィンも伴わない対応する中間部分を有する、滑らかな側とすることができる。
【0016】
モーターアセンブリは、中央プレートに対して配設され、かつ伝導、対流、及び放射による全ての形態の熱伝達を含む、熱伝達の速度を低減させるように構成された、断熱層を含むことができる。一例として、断熱層は、雲母で作製することができる。
【0017】
モーターアセンブリは、可変周波数駆動の電子部品を含む電気構成要素を有する、電力プレーンを含むことができ、中央プレートは、滑らかな側が電力プレーンに面するように構成することができる
【0018】
動作中に、熱は、中央プレート及び内部放射状冷却フィンを通したローターからの伝導を介して外部放射状冷却フィンに伝達することができ、次いで、外部放射状冷却フィンからの対流を介して周囲の空気にも伝達することができる。中央プレートは、ベアリングアセンブリを通したローターからの伝導及びモーターの空気チャンバ内に位置付けられた外部放射状冷却フィンを通した対流の両方を介して熱を吸収するように構成することができ、当該熱としては、ローターに直接熱を伝達させ、並びにモーターの空気チャンバの中へ熱を放出させるモーター端部巻線、抵抗、若しくは渦電流のいずれか又は両方によるものを含む、電気的及び機械的損失によってモーターから発生する熱が挙げられる。
【0019】
中央プレートは、モーター端部巻線からステータの外側上の空気流、若しくはローターからベアリングアセンブリを通して環境のいずれかへの、又は両方への熱経路を提供するように構成することができる。
【0020】
モーターアセンブリは、モーターベアリングハウジングの各側に構成された、前方及び後方グリースリテーナを含むことができる。
【0021】
モーターアセンブリは、中央プレートとエンドプレートとの間の熱的接触を最小にするために、中央プレート上に構成された断熱ガスケットアセンブリを含むことができる。
【0022】
一例として、中央プレートは、銅、アルミニウム、又は鋳鉄で作製することができる。
【0023】
中央プレートは、中央プレートヒートシンクから電力プレーンを有する電力コンバータ領域への熱の流れを制限し、かつエンドプレートの一部を形成するエンドプレート電子部品の領域への熱を制限する、外側の断熱層を含むことができる。
【0024】
中央プレートの内部放射状冷却フィンは、中間部分の上に、及びその周りに実質的に一様に、かつ互いに等距離に離間して構成することができる。
【0025】
中央プレートの外部放射状冷却フィンは、外周部分の上に、及びその周りに一様に、かつ互いに等距離に離間して構成することができる。
【0026】
一例として、中央プレートは、内部放射状冷却フィンよりも多い、2倍多いことを含む、外部放射状冷却フィンを有することができる。
【0027】
エンドプレートの実施形態
更なる一例として、少なくとも1つのプレートは、エンドプレートを含むこと、又はその形態をとることができ、中央部分の開口部は、モーターローターのシャフトを受容し、係合するように構成される。
【0028】
エンドプレートの実施形態はまた、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
【0029】
2つの側のうちのもう一方は、いかなる内部又は外部冷却フィンも伴わない対応する中間部分を有する、滑らかな側とすることができる。
【0030】
装置は、可変周波数駆動の電子部品を含む電気構成要素を伴う電力プレーンを有する、モーターアセンブリを含むことができ、エンドプレートは、電子部品ハウジングチャンバと共に構成することができ、電力プレーンは、滑らかな側が電力プレーンに面するように、電子部品ハウジングチャンバ内に構成することができる。
【0031】
モーターアセンブリは、電子部品ハウジングチャンバ内で電力プレーンとエンドプレートの滑らかな側との間に配設された、電子部品モジュールを含むことができる。
【0032】
エンドプレートの外部放射状冷却フィンは、中間部分の上に、及びその周りに実質的に一様に、かつ互いに等距離に離間して構成することができる。
【0033】
エンドプレートの外部放射状冷却フィンは、外周部分の上に、及びその周りに一様に、かつ互いに等距離に離間して構成することができる。
【0034】
電力プレーンの実施形態
例えば、ポンプ又は回転デバイスを駆動するためのモーターアセンブリなどの装置は、空間エンベロープの内側に載置されるような円形の幾何学的形状を有する電力プレーンを含むことができ、当該空間エンベロープは、内側ハブ部分と、エンドプレートの空間エンベロープの周囲に円周方向に延在する外周部分との間でエンドプレートに形成された類似する円形の幾何学的形状を有する。電力プレーンは、
モーターに電力を提供するための少なくとも1つのより高い温度の電力モジュールを有する電力層と、
モーターに提供される電力を制御するための少なくとも1つのより低い温度の制御電子部品モジュールを有する制御層と、
電力プレーンの電力モジュールと制御層の制御電子部品モジュールとの間の電気接続経路を提供し、更に電力層と制御層との間の断熱を提供する、電力層と制御層との間の熱障壁及び印刷回路基板層と、を有する、多層回路基板又はアセンブリとすることができる。
【0035】
電力プレーンの実施形態はまた、以下の特徴のうちの1つ以上も含むことができ、
電力プレーンは、少なくとも、
少なくとも1つの電力モジュール及び少なくとも1つの制御電子部品モジュールを熱障壁の両側に載置することを可能にすること、
少なくとも1つの電力モジュール及び少なくとも1つの制御電子部品モジュールを共に相互接続するための、並びに入力/出力電力接続部及び少なくとも1つの電力モジュール及び少なくとも1つの制御電子部品モジュールを相互接続するための電気接続経路を提供すること、並びに
少なくとも1つの電力モジュール、少なくとも1つの制御電子部品モジュール、及びモーターのシャフトのうちの1つ以上から放射される熱を、より高い空気流がある電力プレーンの外径へ断熱及び/又は方向付けること、を行うように構成することができる。
【0036】
電力プレーンは、電力層及び制御層を載置するための最大の空間を提供するためにエンドプレートの空間エンベロープに適合するように、及びモーターローターのシャフトが通過して冷却ファンを駆動することを可能にするように、ドーナツ形の電力プレーン印刷回路基板又はアセンブリとして構成することができる。
【0037】
電力層は、より高い温度の電力モジュールと共に構成することができ、制御層は、より低い温度の制御電子部品モジュール、及び構成要素、及び電力品質フィルタ構成要素と共に構成することができ、熱障壁及び印刷回路基板層は、制御層を一方の側に載置し、電力層をもう一方の側に載置するために、構造的な厚さ及び強度を有する材料から構成することができ、当該材料は、電力層と制御層との間の熱の伝達を低減させるための断熱を提供するように構成される。
【0038】
熱障壁及び印刷回路基板層は、ガラス繊維を含む積層材料で構築することができ、当該積層材料は、構造強度を提供し、電力層のより熱い電力半導体を、制御層のより冷たい敏感な制御電子部品及び電力品質コンデンサから分離するための断熱材として作用する。
【0039】
電力層は、熱障壁及び印刷回路基板層の片側において、例えばエンドプレートの中間部分に取り付けられた、電力プレーンの低インダクタンス入力及び統合された出力接続部に結合するように構成された、円形の電力モジュール配置を含むことができる。
【0040】
少なくとも1つの電力モジュールは、電圧及び周波数を有するAC波形を有するAC入力シグナリングを受信し、モーターを駆動するための変換された電圧及び周波数を有する変換されたAC波形を有する変換されたACシグナリングを提供するように、マトリックスコンバータの一部として構成されたマトリックスコンバータ電力モジュールを含むことができる。
【0041】
制御層は、電気的ノイズ及び高調波歪みのレベルを低減させるように構成された、少なくとも1つの電力品質フィルタ構成要素を含むことができる。
【0042】
少なくとも1つの電力品質フィルタ構成要素は、熱障壁及び印刷回路基板層に直接取り付けることができ、また、マトリックスコンバータ内のマトリックスコンバータ電子部品から放射される歪みの量を低減させるように、マトリックスコンバータの物理的に近く又は隣に構成することができる。
【0043】
少なくとも1つの電力モジュールは、電力半導体モジュールを含むことができ、少なくとも1つの制御電子部品モジュールは、電力品質コンデンサを含むことができ、電力プレーンは、スイッチング応力及び電磁干渉を低減させるために、電力半導体モジュールと電力品質コンデンサとの間に構成された低インダクタンス及び抵抗入力を含むことができる。
【0044】
電力プレーンは、その中に統合された1つ以上のコンパクトな電力品質フィルタを含むことができる。
【0045】
電力プレーンは、最小の高調波歪みを生じさせ、可変速度駆動を大部分の電力品質異常から保護するように構成された、内蔵型電力品質フィルタを含むことができる。
【0046】
電力プレーンは、組み立てを容易にし、かつサイズをコンパクトにするために、電力及び制御回路又は回路構成の両方を、1つの統合した印刷回路基板構成に組み合わせるように構成することができる。
【0047】
電力プレーンは、電流センサ、少なくとも1つのゲートドライバ、電源、クランプ回路、電力半導体モジュール、及び電力品質コンデンサ、のうちの1つ以上の組み合わせを含むことができ、電気接続経路は、入力/出力電力接続部と、電流センサ、少なくとも1つのゲートドライバ、電源、クランプ回路、電力半導体モジュール、及び電力品質コンデンサのうちの1つ以上の組み合わせとを相互接続するように構成することができる。
【0048】
モーターアセンブリは、エンドプレートを含むことができ、内側ハブ部分は、モーターローターのシャフトを受容するように構成することができ、外周部分は、少なくとも1つの電力モジュール及び少なくとも1つの制御電子部品モジュールによって発生するエンドプレートの熱から離れて放散させるように構成された、熱フィンを含むことができる。
【0049】
モーターアセンブリは、電力プレーンのコンパクトなサイズ及び熱的に最適化された動作を可能にするために、ヒートシンクとして利用されるように構成された、モーターケーシングを含むことができる。
【0050】
モーターアセンブリは、例えば電力プレーンがその中に配設されたエンドプレートを有する、回転デバイス又はポンプを含むこと、又はその形態をとることができる。
【0051】
利点
全体的に、本発明は、可変速度電子部品をモーターアセンブリの内部に設置する目的で、可変周波数電子部品の電力密度を増加させ、かつ可変周波数駆動の電子部品の高温に対する感度を低減させ、よって、それらを最大定格で動作させた場合に、そのような可変周波数駆動のそのような電子部品の不適切な動作又は尚早な故障を排除する、又は大幅に低減させるためのより良好な方式を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図面は、以下の図を含むが、必ずしも一定の比率で描画されているわけではない。
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、例えばポンプ又は回転デバイスを駆動するためのモーターアセンブリの形態の、装置の分解図である。
【
図2A】例えば
図1に類似する、又は示されるような、モーターアセンブリの一部の断面図である。
【
図2B】例えば
図1に類似する、又は示されるような、モーターアセンブリの一部の断面図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態による中央プレートを示し、本発明のいくつかの実施形態による、例えば
図1又は
図2に示されるモーターアセンブリにおいて構成するための、中央プレートのモーター側の斜視図を示す
図3A、及び
図3Aに示される中央プレートの電力プレーン側の斜視図を示す
図3Bを含む。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態によるエンドプレートを示し、本発明のいくつかの実施形態による、例えば
図1又は
図2に示されるモーターアセンブリにおいて構成するための、エンドプレートのファン側の斜視図を示す。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態によるエンドプレートを示し、本発明のいくつかの実施形態による、例えば
図1又は
図2に示されるモーターアセンブリにおいて構成するための、
図4Aに示されるエンドプレートの中央プレート側の斜視図を示す。
【
図5A】例えば全て本発明のいくつかの実施形態による、ラベルを付して識別したモーターフレーム、中央プレート、エンドプレート、端子ボックス、及びファンを有するモーターアセンブリの写真を示す。
【
図5B】例えば全て本発明のいくつかの実施形態による、ラベルを付して識別した端子ボックスの部分的な分解図を含むモーターアセンブリの斜視図を示す。
【
図5C】例えば全て本発明のいくつかの実施形態による、ラベルを付して識別したモーター及び中央プレートの組み合わせ、エンドプレート、ファン、並びにシュラウドの部分的な分解図を含むモーターアセンブリの斜視図を示す。
【
図5D】例えば全て本発明のいくつかの実施形態による、ラベルを付して識別した自己内蔵型駆動モジュールアセンブリの分解図を示す。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、例えば電力プレーンの電力機能のいくつかの部分を実施するための双方向スイッチの図を示す
図6Aを含み、また、本発明のいくつかの実施形態による、電力機能のいくつかの部品を実装するための双方向スイッチ電力モジュールの一実施例の写真を示す
図6Bも含む。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、例えば主電源、コントローラ、ゲートドライブ層、クランプコンデンサ(CC)、及び入力フィルタコンデンサ(IFC)の一実施例と共に構成された、マトリックスコンバータがその中に配設された電力プレーンを有するモーターエンドプレートの写真を示す。
【
図8】40HPのEMD(別名「可変周波数又は速度駆動)の入力電圧及び電流波形の典型的なグラフを示す。
【
図9】例えば本発明のいくつかの実施形態に従って動作させたときに、内側ハブ部分から離れて外周部分に向かって流れる熱を表す矢印を含む、内側ハブ部分と外周部分との間でその中に形成された空間エンベロープを有する、エンドプレートの上面図を示す
図9Aを含み、また、本発明のいくつかの実施形態に従って動作させたときに、内側ハブ部分から離れてエンドプレートの外周部分に向かって流れる熱を表す対応する矢印を有する、
図9Aのエンドプレートの側断面図を示す
図9Bを含む。
【
図10A】本発明のいくつかの実施形態による、1つの可能なクランプ抵抗器の実現形態の一例を有するエンドプレートの写真である。
【
図10B】本発明のいくつかの実施形態による、例えば3つのシャント抵抗器及びゲートドライバ接続部への接続部の一例を含む、ドーナツ形の電力プレーン印刷回路基板層の写真である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態による、例えばポンプ又は回転デバイスを駆動するためのモーターアセンブリの形態の、装置の分解図である。
【
図12A】例えば
図11に類似する、又は示されるような、モーターアセンブリの一部の断面図である。
【
図12B】例えば
図11に類似する、又は示されるような、モーターアセンブリの一部の断面図である。
【
図13A(1)】本発明のいくつかの実施形態による中央プレートを示し、本発明のいくつかの実施形態による、例えば
図11又は
図12A及び12Bに示されるモーターアセンブリにおいて構成するための、中央プレートのモーター側の斜視図を示す。
【
図13A(2)】本発明のいくつかの実施形態による中央プレートを示し、本発明のいくつかの実施形態による、例えば
図11又は
図12A及び12Bに示されるモーターアセンブリにおいて構成するための、中央プレートのモーター側の斜視図を示す
図3A(1)に示される中央プレートの電力プレーン側の斜視図を示す。
【
図13B】本発明のいくつかの実施形態による、例えば
図11又は
図12A及び12Bに示されるモーターアセンブリにおいて構成するための、中央プレートの一方の側の写真を示す。
【
図14】本発明のいくつかの実施形態によるエンドプレートを示し、本発明のいくつかの実施形態による、例えば
図11又は
図12A及び12B示されるモーターアセンブリデバイスにおいて構成するための、エンドプレートのファン側の斜視図を示す
図14A、及び
図14Aに示されるエンドプレートの中央プレート側の斜視図を示す
図14Bを含む。
【
図15】例えば本発明のいくつかの実施形態による、ラベルを付して識別したモーターフレーム、中央プレート、エンドプレート、及びファンを有するモーターアセンブリの写真を示す。
【
図16】本発明のいくつかの実施形態による、その中に配設され、プリント回路基板(PCB)及びマトリックスコンバータと共に構成された電力プレーンを有する、モーターエンドプレートの写真を示す。
【
図17】Aは、例えば本発明のいくつかの実施形態に従って動作させたときに、内側ハブ部分から離れて外周部分に向かって流れる熱を表す矢印を含む、内側ハブ部分と外周部分との間でその中に形成された空間エンベロープを有する、エンドプレートの上面図を示し、Bは、本発明のいくつかの実施形態に従って動作させたときに、内側ハブ部分から離れてエンドプレートの外周部分に向かって流れる熱を表す対応する矢印を有する、Aのエンドプレートの側断面図を示す。
【
図17C】本発明のいくつかの実施形態による、例えば電力プレーンに載置された、円形の電力モジュール配置、電力プレーンの低インダクタンス入力及び統合された出力接続部、低温電子部品構成要素、並びに電力品質フィルタコンデンサを含む、空間エンベロープに配設された種々のモジュール及び構成要素を有する、
図17のBのエンドプレートの側断面図を示す。
【
図18A】全て本発明のいくつかの実施形態による、モーターアセンブリの一部を形成する、電力モジュールのレイアウトを示す。
【
図18B】本発明のいくつかの実施形態による、例えばゲートドライバ電源、クランプ回路制御、入力フィルタコンデンサ、クランプコンデンサ、及び制御カードがそこに組み立てられた電力プレーン回路基板を有する、エンドプレートに配設されたマトリックスコンバータの最終アセンブリの写真を示す。
【0053】
図面は、可能な実現形態の実施例を含み、本発明の範囲は、図面に示される実現形態に限定することを意図しない。例えば、本発明の範囲は、本明細書において全体として開示される基礎となる発明の趣旨の範囲内で構成することができる、図面に示されるもの以外の、又はそれに加えて、他の実現形態を含むことを意図し、また、実施形態は、それらを使用することを想定している。
【発明を実施するための形態】
【0054】
基本装置10
図1及び
図11は、例えばポンプ又は回転デバイス(図示せず)を駆動するためのモーターアセンブリ10を含むこと、又はその形態をとることができる、概して10、10’として示される装置を示す。モーターアセンブリ10は、ステータJ(
図2A、2B、
図12A、12Bを参照されたい)がその中に配設されたモーターフレームMFを有するモーターMと、モーターMに結合されたローターRと、ベアリングハウジングフランジ部分A(
図2A、2B、
図12A、12Bを参照されたい)を有する中央プレートEと、ベアリングアセンブリBAを有する、概してHとして示される後方モーターベアリングアセンブリと、前方B及び後方Cグリースリテーナと、ファンFと、統合した断熱層Gと、ガスケットアセンブリGA(
図11)と、エンドプレートDと、電力プレーンP(
図2A、2B、11、12A、12B)と、シュラウドSと、を含む。モーターフレームMFはまた、例えば
図1及び
図11に示されるように、端子ボックスTBを含む。電力プレーンPは、モーターMの動作を制御するように構成された、例えば可変周波数駆動を含む、電子部品を含むように構成することができ、概モーターは、ポンプ又は他の回転デバイスを駆動するために使用される。電力プレーンPは、例えば、
図6~
図10B、並びに
図16、
図17C、
図18A、及び18Bに示されものと関連して、更に詳細に説明される。
【0055】
一例として、及び本発明のいくつかの実施形態によれば、モーターアセンブリ10は、例えば
図3~
図4に関して下に記載されるものと一致する、新しい独特な中央プレートE、エンドプレートD、又はこれらの組み合わせを特徴とすること、又はそれらと共に構成することができる。
【0056】
図3及び
図13:中央プレートE
例えば、
図3及び
図13は、中央プレートE、E’、E’’を示し、各中央プレートは、2つの側S
1、S
2を有し、モーター側S
1は、中央部分E
1、中間部分E
2、及び外周部分E
3を有する。
【0057】
中間部分E
2は、
図3A及び
図13A(1)に示されるものと一致して、中央部分E
1の内周E
1’と外周部分E
3との間に構成することができる。中間部分E
2は、多数の内部放射状冷却フィンE
2’を含むことができ、概冷却フィンは、中央部分E
1の内周E
1’の一部から延在し、外周部分E
3に向かって外向きに(例えば、互いに離れて)分岐して、中央部分E
1から外周部分E
3へ熱を伝達し、内部熱伝導能力を可能にする。
【0058】
外周部分E3は、多数の外部の放射状冷却フィンE3’’を有する外周面E3’を含むことができ、概冷却フィンは、外周部分E3から離れて分岐して、熱を周囲空気に伝達し、外部熱対流を可能にする。
【0059】
中央部分E
1は、モーターベアリングアセンブリHを受容するように構成され、更にローターRを受容し、係合するための開口部Oと共に構成される、ベアリングハウジングフランジ部分A(
図1~
図2A、2B、
図11、
図12A、12Bを参照されたい)を含むことができる。モーターアセンブリ10は、ローターRと、ローターRに配設されたモーターベアリングアセンブリH(
図1~
図2A、2B、
図11、
図12A、12B)との組み合わせを含むことができる。
【0060】
図3B、
図13A(2)は、例えばいかなる冷却フィンも有しない対応する中間部分E
2,2を有する滑らかな側とすることができる、2つの側のうちの電力プレーン側S
2を示す。
【0061】
モーターアセンブリ10は、中央プレートE及びエンドプレートDに対して配設され、また、伝導、対流、及び放射による全ての形態の熱伝達を含む、熱伝達の速度を低減させるように構成される断熱材TI(
図1)又は断熱層G(
図12A~12B)を含むことができる。
【0062】
図13Bは、概してE’’として示される中央プレートの代替の実施形態を示す。
図13A、13Bの類似する要素は、類似する参照ラベルによってラベルが付される。一例として、
図13A、13Bにおける中央プレートE’及びE’’の1つの違いは、中央プレートE’が、例えば
図3Aにも示される、ベアリングハウジングフランジ部分Aを含み、一方で、中央プレートE’’がそれを含まないことである。実施形態が想定され、本発明の範囲は、そのようなベアリングハウジングフランジ部分Aを有する中央プレート、並びにそれを有しない実施形態を含むことを意図する。
【0063】
図3に示されるものと一致して、内部放射状冷却フィンE
2’は、中間部分E
2上に、かつその周りに実質的に一様に、かつ互いに等距離に離間して構成することができる。外部放射状冷却フィンE
3’’は、外周部分E
3上に、かつその周りに実質的に一様に、かつ互いに等距離に離間して構成することができる。一例として、及び
図3に示されるものと一致して、中央プレートEは、例えば2倍を超えることを含む、内部放射状冷却フィンE
2’よりも多くの外部放射状冷却フィンE
3’’と共に構成することができる。
図3Aにおいて、中央プレートEは、実質的に一様に、かつ互いに等距離に離間される(例えば、
図13A(1)の中央プレートEの36枚と比較して)30枚の内部放射状冷却フィンE
2’によって示される。
図3Aにおいて、中央プレートE(1)は、実質的に一様に、かつ互いに等距離に離間される(例えば、
図13A(1)の中央プレートEの94枚と比較して)48枚の外部放射状冷却フィンE
3’’によって示される。しかしながら、実施形態の範囲は、内部放射状冷却フィンE
2’の数、外部放射状冷却フィンE
3’’の数、又は内部放射状冷却フィンE
2’の数と外部放射状冷却フィンE
3’’の数との数値的な関係に限定されることを意図しない。例えば、実施形態が想定され、本発明の範囲は、内部放射冷却フィンE
2’の数及び外部放射状冷却フィンE
3’’の数が
図3に示される数よりも多い又は少ない実現携帯を含むことを意図する。同じく実施形態が想定され、本発明の範囲は、内部放射状冷却フィンE
2’の数と外部放射冷却フィンE
3’’の数との数値的な関係が、
図3に示される関係と異なる実現形態を含むことを意図する。
【0064】
図3及び
図13A(1)において、中央プレートE’及びE’は、それ自体が基礎となる本発明の一部を形成することができない他の特徴を含むことができ、当該特徴としては、例えば中央プレートE’及びE’’を、モーターフレームMF(
図1及び
図11)などのモーターアセンブリのいくつかの他の部分に結合するために、ファスナ(図示せず)を受容するための開口E
5’と共に構成された外側保持部材E
5が挙げられ、並びに、中央プレートE’及びE’’を、モーターフレームMF(
図1及び
図11)などのモーターアセンブリのいくつかの他の部分に結合するために、ファスナ(図示せず)を受容するための開口E
6’と共に構成された2つ又は3つの外側保持部材E
6が挙げられる。
【0065】
実際には、本明細書に記載される本発明による中央プレートの実施形態は、複数の高度にエンジニアリングされた要素を有するシステムからなる。
【0066】
一例として、モーターアセンブリ10は、熱効率を改善するように特別に設計されたモーターケーシングと共に構成することができ、以下の要素からなる:
1)モーターエンドプレートとも呼ばれ、知られている中央プレートEは、銅、アルミニウム、又は鋳鉄で作製することができ、中央プレートEには、後方モーターベアリング又はベアリングハウジングHが組み込まれる。中央プレートEは、ポンプの非駆動端部ベアリング、モーターのステータS、及びローターRから離れるように熱を伝導し、同時に、電力プレーンPの一部を形成する電子部品を断熱するように最適化することができる。本発明による革新的な構成は、
図1及び
図11に示されるように、ベアリングハウジングフランジ部分Aを中央プレートE又はE’の内部に配置しており、そのため、中央プレートE又はE’は、効果的に、ローターRのための構造的支持体になる。
2)特別なヒートシンクフィンE
2’、E
3’’は、低可聴ノイズ用に、及び表面積を増加させるように設計することができ、より高い熱効率を可能にする。
3)円形設計の独特な幾何学的形状を実施して、最適化された空間及び製造の容易さを提供することができる。
4)円形の幾何学的形状を実施して、電力電子モジュール(
図1及び
図11)及び電子部品(
図2及び
図12A)の構成を可能にすることができ、これにより、ローター/シャフトRが通過して、冷却ファンF(
図1及び
図11)に給電することを可能にする。
【0067】
中央プレートE又はE’は、以下のうちの1つ以上を含むことができる:
中央プレートE又はE’は、後方モーターベアリングHを収容するように構成することができる;
中央プレートE又はE’は、電力プレーン構成要素Pに対して構成することができる;
中央プレートE又はE’は、ベアリングオイル/グリースチューブと共に構成又は組み込むことができる。
【0068】
中央プレートE又はE’は、熱を軸方向に対して半径方向に再方向付けすることができるように構成することができる。中央プレートE又はE’はまた、放射状冷却フィンE2’を使用して、熱をモーターMのモーター端部巻線から中央プレートE又はE’の外周部分若しくは縁部E3へ再方向付けするように構成することができる。
【0069】
中央プレートE又はE’は、モーター端部巻線からステータJの外側上の空気流への熱経路を提供するように構成することができる。
【0070】
中央プレートE又はE’は、ベアリングアセンブリHを通した環境へのローターRの熱経路を提供するように構成することができる。
【0071】
中央プレートE又はE’は、ローターRのための構造的支持体を作成し、提供するように構成することができる。
【0072】
前方B及び後方Cグリースリテーナもまた、中央プレートE又はE’と併せて使用することができる。
【0073】
この中央プレートE又はE’の外側上の統合した断熱層Gは、中央プレートヒートシンクから電力コンバータ領域への熱の流れを制限し、また、エンドプレートの電子部品領域への熱を制限する。
【0074】
最小にされた熱的接触を、ガスケットアセンブリGAの一部を形成する断熱ガスケットGを介して、中央プレートE又はE’とエンドプレートDとの間で実施することができる。
【0075】
中央プレート:動作理論
中央プレートE又はE’は、例えば
図1及び
図11に示されるものと一致して、内部及び外部のヒートシンクフィンE
2’、E
3’’を伴う円形の幾何学的形状を組み込む、独特な設計によって構成される。内部フィンE
2’は、中央プレートE又はE’の内周E
1’に沿って位置付けられ、ローターベアリングハウジングHのための空間を中央に残している。外部フィンE
3’’は、例えば
図1及び
図11に示されるものと一致して、中央プレートE又はE’の外径/円周全体にわたって広がり、外部対流能力を可能にする。
【0076】
中央プレートE又はE’はまた、例えば
図2に示されるように、滑らかで、かついかなるフィンも有しない、中央プレートEの電子部品側の薄い断熱層Gを特徴とする。この薄い断熱層Gは、電力電子モジュール及び電子部品のための種々の構成を可能にし、一方で、それでもシャフト/ローターRが通過して冷却ファンFに給電することを可能にする。この設計の主機能は、3つの部分からなる。中央プレートE又はE’は、モーターM及びモーターのローターRのための構造的支持体、非駆動端部のためのヒートシンク、及び例えばエンドプレートDの一部を形成する、電子部品チャンバのための断熱材として作用する。
【0077】
熱伝導体は、通常、それらのより高いレベルの熱伝導率及び熱を吸収する能力のため、金属で作製される。したがって、一例として、中央プレートE又はE’は、アルミニウム、銅、又は鋳鉄のいずれかで作製することができる。これらの金属は、より高いレベルの熱伝導率、良好な構造剛性を有し、また、他の新材料と比較して、コスト効率的である。
【0078】
動作中に、中央プレートE又はE’は、伝導及び対流を通してその機能を達成するが、伝導は、互いに接触している固体間の熱の伝達として理解され、対流は、固体と流体と間の熱伝達として理解される。伝導は、ベアリングハウジングHを通してシャフト/ローターRと中央プレートE又はE’との間で生じ、一方で、対流は、ヒートシンクフィンE2’、E3’’と空気との間で生じる。
【0079】
動作中には、例えば要素E3’’のような、空冷式のヒートシンクが冷却機構として作用することができる。この冷却機構は、接触している対象物から熱を伝導し、対流を通して熱を空気へ伝達する。適切に機能するために、ヒートシンクは、周囲温度よりも熱くなるはずであり、効率的な熱伝達を確実にするように接触表面積を最大にしなければならない。本モーターケース設計の状況において、中央プレートE又はE’は、モーターMの電気的及び機械的損失により発生する熱を外側の周囲空気に伝導する。
【0080】
ローターRからの損失は、例えばローターRに位置付けられたアルミニウムバーを通しての、電流の流れによって生じる電気的損失(例えば、抵抗及び渦電流)に起因し得る。これらの損失は、ローターRに、熱をモーターの空気チャンバの中へ放出させ、並びにシャフト/ローターRに直接伝導させる。中央プレートE又はE’は、ベアリングアセンブリHを通したシャフト/ローターRから中央プレートE又はE’への伝導を通して、及びモーターの内部空気チャンバに位置付けられたヒートシンクフィンE2’又はE3’’を通した対流を介して、の両方によってこの熱を吸収する。
【0081】
断熱材Gの目的は、2つの固体/流体の間の熱伝達速度を低減させることである。当業者が認識するように、断熱材は、伝導、対流、及び放射である、又はその形態をとることができる、全ての形態の熱伝達を低減させる。断熱材は、通常、熱を拒絶するそれらの能力のため、熱伝導率に対して高い抵抗を有する材料で作製される。したがって、断熱層は、雲母、ガラス繊維、熱可塑性物質、又は低いレベルの熱伝導率及び良好な構造剛性を有するいくつかの安価な材料、のうちのいずれかで作製される。
【0082】
この設計は、例えば
図2に示されるように、中央プレートE又はE’に取り付けられる追加的な層を通して、中央プレートE又はE’に組み込まれる。この断熱層Gは、電力プレーンPの一部を形成する電子部品構成要素のための断熱材として作用する、雲母又はいくつかの他の最適な断熱材で構成することができる。断熱は、ヒートシンクフィンE
2’又はE
3’’に向かって熱を再方向付けするために、モーターMに起因する損失からの障壁として作用する。中央プレートE又はE’はまた、ベアリングハウジングHも収容し、これが次に、ローター及びモーターシャフトRを支持する。
【0083】
中央プレートE又はE’の全体的な設計は、同時に多数の機能を提供する斬新な要素にする。中央プレートEは、モーターMの非駆動端部を機械的に支持し、また、中央プレートE又はE’の中央に含まれるシャフトベアリングの取り付けにより、ローターRが回転することを可能にする。中央プレートE又はE’は、モーターの熱をモーター本体の外側に効率的に伝導し、モーターMが効果的な温度で確実に動作することを可能にする。第3に、断熱材Gは、電子部品をモーターの高い温度から断熱し、また、構成要素が、それらの最大定格未満の温度で動作することを可能にする。
【0084】
利点
本発明の利点は、以下のうちの1つ以上を含むことができる:
1)先行技術において現在生成されるよりも高い電力レベルで、埋め込み型電子部品のモーター駆動装置(例えば、可変周波数駆動装置)の製造を可能にする。
2)先行技術において現在生成されるよりも高い電力レベルで、現在の産業用モーターと同じフットプリントの可変速モーターの製造を可能にする。
3)内部ヒートシンクフィンE2’及び外部ヒートシンクE3’の両方を介して、中央プレートEは、モーター巻線の熱及び非駆動端部ベアリングの熱の両方のための熱伝導経路を提供する。
4)統合した断熱を介して、中央プレートE又はE’は、モーターからの熱が敏感な電子部品まで通過することを防止する障壁を提供する。
5)そのコンパクトなサイズのため、中央プレートE又はE’は、例えば、マトリックスコンバータを、腐食物、湿気を含む危険な場所、更にはクラス1、ディビジョン2の危険な場所に設置するように設計することを可能にする。
【0085】
図4及び
図14:エンドプレートD、D’
図4は、2つの側を有するエンドプレートD、D’、中央部分D
1、中間部分D
2、外周部分D
3を有するファン側FSの形態の少なくとも1つのプレートを示す。
【0086】
中央部分D
1は、ローターR(
図1及び
図11)に対してエンドプレートD、D’を受容し、配設するように、開口部Oと共に構成することができる。
【0087】
中間部分D2は、中央部分D1の内周D1’と外周部分D3との間に構成することができる。中間部分D2は、中央部分D1の内周D1’から延在し、かつ外周部分D3に向かって外向きに分岐して、中央部分D1から外周部分D3へ熱を伝達し、内部の熱伝導能力を可能にする、内部放射状冷却フィンD2’を含むことができる。
【0088】
外周部分D
3は、エンドプレートDから離れて外向きに分岐して、周囲空気に熱を伝達し、外部の対流熱能力を可能にする、外部放射状冷却フィンD
3’’を有する外周面D
3’(
図4B及び
図14Bにあるとおりに最良に示される)を含むことができる。
【0089】
図4B及び
図14Bは、例えばいかなる冷却フィンも伴わない対応する中間部分D
2,2を有する滑らかな側とすることができ、2つの側のうちの中央プレート側MPSを示す。
【0090】
電力プレーンPは、可変周波数駆動の電子部品を含む電気構成要素を含むことができ、エンドプレートD、D’は、例えば
図2に示されるように、滑らかな側MPSが電力プレーンPに面するように構成することができる。電子部品モジュールEMは、例えば
図2Aに示されるように、電力プレーンPと滑らかな側MPSとの間に配設することができる。
【0091】
図4及び
図14に示されるものと一致して、内部放射状冷却フィンD
2’は、中間部分D
2上に、及びその周りに実質的に一様に、かつ互いに等距離に離間して構成することができる。外部放射状冷却フィンD
3’’は、外周部分E
3上に、及びその周りに実質的に一様に、かつ互いに等距離に離間して構成することができる。一例として、及び
図4に示されるものと一致して、エンドプレートD、D’は、
図4A及び
図14Aに示されるように、内部放射冷却フィンD
2’が、外部放射状冷却フィンD
3’’に向かって延在し、外向きに分岐して、そこに接続するように構成することができる。しかしながら、実施形態の範囲は、内部放射状冷却フィンD
2’の数、外部放射状冷却フィンD
3’’の数、又は内部放射状冷却フィンD
2’と外部放射状冷却フィンD
3’’との数値的又は物理的関係に限定することを意図しない。例えば、実施形態が想定され、本発明の範囲は、内部放射冷却フィンD
2’の数及び外部放射状冷却フィンD
3’’の数が
図4A及び
図14Aに示される数よりも多い又は少ない実現形態を含むことを意図する。同じく実施形態が想定され、本発明の範囲は、
図4A及び
図14Aに示される数と比較したときに、例えば、内部放射冷却フィンD
2’及び外部放射状冷却フィンD
3’’が接続されない場合、並びに内部放射冷却フィンD
2’の数が外部放射状冷却フィンD
3’’の数よりも多い又は少ない場合を含む、内部放射冷却フィンD
2’の数及び外部放射状冷却フィンD
3’’の数が
図4及び
図14に示される数と異なる実現形態を含むことを意図する。
【0092】
図4及び
図14において、エンドプレートD、D’は、それ自体が基礎となる本発明の一部を形成することができない他の特徴を含むことができ、当該特徴としては、例えばエンドプレートD、D’を、モーターフレームMF(
図1及び
図11)などのモーターアセンブリのいくつかの他の部分に結合するために、ファスナ(図示せず)を受容するための開口D
5’と共に構成された外側保持部材D
5が挙げられ、並びに、エンドプレートD、D’を、モーターフレームMF(
図1及び
図11)などのモーターアセンブリのいくつかの他の部分に結合するために、ファスナ(図示せず)を受容するための開口D
6’と共に構成された2つ又は3つの外側保持部材D
6が挙げられる。
【0093】
上に記載したものに加えて、及び更なる例として、モーターアセンブリ10の複数の他の高度にエンジニアリングされた要素はまた、エンドプレートD、D’も含むことができ、また、電子部品を含み、かつ熱効率を改善するように特別に設計されたモーターケーシングはまた、以下も含むことができる:
モーターエンドプレートD、D’は、例えば、アルミニウムなどの金属で作製することができる。エンドプレートD、D’は、例えば中央プレートEとエンドプレートD、D’との間の熱的接触を最小にするために断熱ガスケットGAを有することによって、エンドプレートエンベロープ内部に含まれる電子部品P及び/又はEMから離れるように熱を伝導するように最適化することができる。
【0094】
特別なヒートシンクフィンD2’、D3’’は、低可聴ノイズ用に、表面積を増加させるように設計することができ、より高い熱効率を可能にする。
【0095】
円形設計の独特な幾何学的形状を実施して、最適化された空間及び製造の容易さを提供することができる。
【0096】
円形の幾何学的形状を実施して、電力電子モジュール及び電子部品(
図2及び
図17C)の構成を可能にすることができ、これにより、シャフトRが通過して、冷却ファンFに給電することを可能にする。
【0097】
エンドプレート:動作理論
エンドプレートD、D’の設計は、円形の幾何学的形状を組み込むが、これは、概してD
7として示される電子部品ハウジングチャンバを中央プレート側に形成し、エンドプレートDのファン側にヒートシンクフィンD
2’、D
3’’を形成することからなる。(
図4Bに示されるように、電子部品ハウジングチャンバD
7は、中央部分D
1とエンドプレートD、D’の外周部分D
3との間のくり抜かれた中間部分として形成される。)この設計は、電子部品構成要素P、EM(
図2)を、エンドプレートDの電子部品ハウジングチャンバD
7内部に含むことを可能にし、また、ヒートシンクフィンD
2’、D
3’’による十分な冷却を提供する。電子部品ハウジングチャンバD
7は、エンドプレートD、D’の一方の滑らかな中央プレート側に統合され、内径は、
図4Bに示されるようにくり抜かれ、電力電子モジュール及び印刷回路基板のための空間を設置することを可能にする。ヒートシンクフィンD
2’、D
3’’は、モーターシャフトの中心又は中央部分D
1から延在し、外側軸表面から外向きに、横断して延在する放射状の配置で、エンドプレートD、D’のファン側に形成される。ヒートシンクフィンD
2’、D
3’’は、「中央プレート」E、E’と呼ばれるベアリング支持プレートに構築したものと同じ基本パターンを共有する(
図3及び
図13)。エンドプレートD、D’はまた、冷却ファンF(
図1~
図2)に給電するために、シャフト/ローターRが通過することを可能にするように、中央に空間も有する。エンドプレートD、D’の機能は、2つの部分からなり、すなわち、電子部品から放射する廃熱のためのヒートシンクとして作用すること、及び電子部品構成要素を適所に載置し、過酷な環境から保護することを可能にするように密閉されたエンクロージャとして作用することである。
【0098】
エンドプレートD、D’は、伝導及び対流の両方を通して機能する。当業者が認識するように、及び上に記載したものに一致して、伝導は、互いに接触している固体間の熱の伝達であり、対流は、固体と流体と間の熱伝達である。伝導は、エンドプレートD、D’の内面に載置された電力モジュール、例えばEMに起因して生じる。電子部品印刷回路基板及び構成要素は、動作している間に廃熱を生じる。この熱は、エンドプレートのヒートシンク特性によって吸収される。次いで、全ての熱が、フィンD2’、D3’’及び冷却ファンFを通した対流によって放出される。対流は、主に、ヒートシンクフィンD2’、D3’’と周囲空気との間に生じる。
【0099】
熱伝導体として、この設計は、金属で構築されたときに最良に機能することができる。これは、それらのより高いレベル熱伝導率及び熱を吸収する能力に起因する。したがって、エンドプレートD、D’は、典型的に、アルミニウムのような金属で作製される。一例として、この材料は、その構造剛性、熱を伝導する能力が極めて良好であること、及び他の考慮事項を通じたコスト効果を理由に選択したが、本発明の範囲は、現在知られている、又は将来開発される他のタイプ又は種類の金属を含むことを意図する。
【0100】
エンドプレートD、D’は、
図1~
図2及び
図5に示されるように、中央プレートE、E’と冷却ファンFとの間に載置することができる。中央プレートE、E’とエンドプレートD、D’と間の熱的接触は、
図2に示されるように、断熱材Gを通して制限される。これは、モーター及びベアリングに起因する廃熱から電子部品を遮蔽する。エンドプレートD、D’は、全体として、構成要素のエンクロージャとして作用し、また、それらを過酷な環境及び過剰な熱の両方から保護する。
【0101】
熱から電子部品を遮蔽することに加えて、この設計はまた、その熱を周囲空気に排出し、実行可能な動作温度を維持することも可能である。この機能は、ヒートシンクフィンD2’、D3’’及び冷却ファンFの両方によって達成される。フィンD2’、D3’’は、エンドプレートD、D’の広大な表面積に沿って広がるので、それらは、電力モジュール及び空気チャンバからエンドプレートチャンバの外側へ熱を伝導する能力を有する。エンドプレートチャンバの外側に出ると、熱は、対流によって除去される。冷却ファンFは、エンドプレートD、D’の金属(例えば、アルミニウム)製フィンの表面全体を通じて適切な気流を提供し、また、構成要素の温度をそれらの最大定格未満に維持することを支援する。
【0102】
ヒートシンクフィンD2’、D3’’は、冷却機構として作用する。この冷却機構は、接触している対象物から熱を伝導し、対流を通して熱を空気へ伝達する。適切に機能するために、ヒートシンクフィンD2’、D3’’は、周囲温度よりも熱くなるはずであり、効率的な熱伝達を確実にするように接触表面積を最大にしなければならない。エンドプレートD、D’に関して、それは、可変周波数駆動(VFD)の電力モジュール及び空気チャンバの両方から発生する熱を吸収し、それを外側の周囲空気に伝達する。
【0103】
全体的に、エンドプレートD、D’の設計は、動作中に多数の機能を提供することを可能にする。第1には、全ての電子部品を含むための保護エンクロージャを提供する。第2には、構成要素の損失によって発生する熱を除去するためのヒートシンクとして作用し、それによって、構成要素を過剰な温度から保護する。エンドプレートD、D’の独特な幾何学的形状は、これらの構成要素を、普通は危険な領域と評価される標準的な電気モーターと同じエンベロープに配置することを可能にする。最後に、ヒートシンクフィンD2’、D3’’及び冷却ファンFは、エンドプレートD、D’の全体にわたる熱の分配を取り扱う際に支援する。全てのこれらの特徴によって、エンドプレートD、D’は、電子部品が、動作中にスムーズに動くことを可能にし、また、それらの温度を最大定格未満に維持することを可能にする。
【0104】
利点:
本発明の利点としは、以下を挙げることができる。
外部ヒートシンクフィンD2’、D3’’を介して、エンドプレートD、D’が、電力モジュールの熱のための熱伝導経路を提供する。
【0105】
電子的な可変速度駆動装置を、現在の電気モーターMのフットプリント内に含むことを可能にする。
【0106】
コンパクトなサイズのため、電力電子部品を、腐食剤又は湿気を含む危険な場所に設置することを可能にする
【0107】
現在生成されるよりも高い電力レベルでの、埋め込み型電子モーター駆動装置の製造を可能にする
【0108】
電力電子部品は、モーターエンドプレートD、D’内に収容され、また、中央プレートE、E’の間に密閉される。
【0109】
エンドプレートD、D’の設計は、モーターからの簡単な取り外し、並びに電力及び通信接続の容易な接続解除を可能にする。
【0110】
エンドプレート/中央プレートの組み合わせ設計は、IP66保護を有するものとする。通過する全てのワイヤ/ケーブルが密閉され、中央プレートEからモーターM、エンドプレートD、D’から中央プレートE、E’、エンドプレート電力電子部品における静的シールが外径(OD)及び内径(ID)において密閉される。シャフト/中央プレートにおける動的密閉。
【0111】
図5A~5D
図5A及び5Bは、その上に配設された主端子ボックスTBを有するモーターアセンブリ10を示し、これは、示されるように、モーター、モーター駆動装置、駆動装置インターフェース、及び外部電力ワイヤ、並びにその中に配設された電力インダクタPIを有する端子ボックスハウジングのための密閉された接合点を提供する。主端子ボックスTBは、端子ボックスカバーTBCと、端子ボックスガスケットTBGと、端子ボックスカバーを端子ボックスハウジングTBHに固定するための端子ボックスネジと、を含む。
【0112】
図5Cは、モーターアセンブリを分解図で示し、エンドプレート(D)のモーターフレーム(MF)への電気的及び機械的接続の簡潔さを例示する。
図5Cはまた、エンドプレート(D)が、
図5Dに示されるように、完成した自己内蔵型駆動モジュールであることも示し、これは、古いエンドプレートが壊れた場合に、適切な環境におけるサービスに対する移植性、又は新しいエンドプレート(D)駆動モジュールへの素早い交換を提供し、これは、モーターアセンブリ技術に独特である、モーターアセンブリ設計全体の「プラグアンドプレイ」スタイルを提供する。一例として、
図5Cは、(例えば、具体的に示されるものよりも多い又はより少ないワイヤとすることができる)端子ボックスコネクタワイヤCW、コネクタカバーCC、コネクタハードウェアCH、塵埃シールDS、及びエンドプレート載置ハードウェアMHを示す。
【0113】
図5Dは、自己内蔵型駆動モジュールアセンブリを示し、例えば、エンドプレートDと、端子ボックスTBと、ワイヤチャネルWCと、コネクタカバーCCと、コネクタカバーハードウェアCCHと、電子部品モジュールEM(
図7及び10Bも参照されたい)と、エンドプレートカバーガスケット/断熱材GIと、エンドプレートカバーECと、エンドプレートカバーハードウェアECHと、を含む。
【0114】
要約すれば、
図5C及び5Dに示されるものと一致して、エンドプレートDを分解するための過程は、以下のとおりである。
1)シュラウドハードウェア(図示せず)及びシュラウドS(
図5C)を取り外す、
2)ファン止めねじ/ハードウェア(図示せず)及びファンF(
図5C)を取り外す、
3)コネクタカバーハードウェアCCH及びコネクタカバーCCを取り外す、
4)端子ボックスコネクタワイヤTBCWからエンドプレートコネクタ(図示せず)を接続解除する、
5)エンドプレート載置ハードウェアECH及び自己内蔵型駆動エンドプレート(D)モジュールEMを取り外す。
【0115】
自己内蔵型駆動エンドプレート(D)モジュールEMを交換することができ、エンドプレートDは、同じ工程を使用して再度組み立てることができる。
【0116】
図6~
図10B:電力プレーンP
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示される本発明は、例えばポンプ又は回転デバイスを駆動するためにモーターアセンブリを動作させるための、例えば電力及び制御機能を提供するように構成された電力プレーンPを有する、又はその形態の、システム又は装置からなることができる。電力プレーンPは、以下のように、複数の高度に設計された要素を特徴とする:
一例として、電力プレーンPは、空間エンベロープSE(
図5D及び9B)の内側に載置される円形の幾何学的形状を有することができ、当該空間エンベロープは、内側ハブ部分D
1と、エンドプレートD、D’の空間エンベロープSE(別名、電子部品ハウジングチャンバD
7(
図4B、
図5D、及び
図14Bを参照されたい))の周りに円周方向に延在する外周部分D
3との間でエンドプレートD、D’(例えば、
図1、
図4、
図9、
図11、
図14を参照されたい)に形成された類似する円形の幾何学的形状を有する。電力プレーンPは、例えば、電力層、制御層及び熱障壁、並びに印刷回路基板層P(1)を有する、多層回路基板又はアセンブリとすることができる。電力層は、例えばポンプ又は回転デバイスの、モーターMに電力を提供するための、円形の電力モジュールP/CM(例えば、
図17Cを参照されたい)のようなより高い温度の電力モジュールを含む。制御層は、モーターMに提供される電力を制御するための、電力品質フィルタコンデンサIFC(例えば、
図17Cを参照されたい)のようなより低い温度の制御電子部品モジュールを含む。
図10Bの熱障壁及び中で印刷回路基板層P(1)は、電力層と制御層との間に構成され、また、電力プレーンの電力モジュールと制御層の制御電子部品モジュールとの間の電気的接続経路を提供し、更に、電力層と制御層と間の断熱を提供する。
【0117】
一例として、電力プレーンPは、少なくとも、
1)要素P/CMのような電力モジュール(例えば、
図10B及び
図17Cを参照されたい)、及び要素IFCのような制御電子部品モジュール(例えば、
図10B及び
図17Cを参照されたい)を、
図10Bに示される要素P(1)などの熱障壁の両側に載置することを可能にすること、
2)要素P/CMのような電力モジュール及び要素IFCのような制御電子部品モジュールを共に相互接続するための、並びに入力/出力電力接続部(ピーク支持PS(2)に関して、入力位相接続部に関して、及び接続部を有する入力位相ワイヤに関して
図18Aを参照されたい)、及び要素P/CM(例えば、
図17Cを参照されたい)のような電力モジュール、及び要素IFC(例えば、
図17Cを参照されたい)のような制御電子部品モジュールを相互接続するための電気的接続経路(例えば、
図7及び
図18Bの接続部C
1、C
2、C
3、及びゲートドライバ又は層接続部GDCを参照されたい)を提供すること、並びに
3)要素P/CM(例えば、
図17Cを参照されたい)のような電力モジュール、要素IFC(例えば、
図17Cを参照されたい)のような制御電子部品モジュール、及びモーターMのシャフト又はローターRのうちの1つ以上から、例えば
図9A及び9Bに示されるものと一致する、より高い空気流がある電力プレーンの外径へ放射される熱を断熱及び/又は方向付けること、を行うように構成することができる。
【0118】
電力プレーンPは、電力層及び制御層を載置するための最大の空間を提供するためにエンドプレートD、D’の空間エンベロープSEに適合するように、及びシャフト又はローターRが通過して冷却ファンF(
図1及び
図11を参照されたい)に給電することを可能にするように、
図10Bの要素P(1)のようなドーナツ形の電力プレーン印刷回路基板又はアセンブリとして構成することができる。
【0119】
電力層は、例えば要素P/CM(
図17C)のような、より高い温度の電力モジュールの配置によって構成することができる。制御層は、より低い温度の制御電子部品構成要素、及び例えば要素IFC(
図7及び
図17C)のような電力品質フィルタ構成要素の配置で構成することができる。熱障壁及び印刷回路基板層P(1)は、電力層をもう一方の側に載置するために、構造的な厚さ及び強度を有する材料から構成することができる。ガラス繊維材料は、電力層と制御層との間の熱の伝達を低減させるための断熱を提供するように構成される。
【0120】
電力層及び制御層は、例えば
図10B及び
図18Bに示されるように、1つ以上の制御カード、クランプコンデンサ、ゲートドライバ電源、その他を含む、例えば本発明に開示されるものと一致して、本発明の趣旨の範囲内で、他のモジュール又は構成要素を含むことができることを理解されたい。
【0121】
動作理論:
実際には、電力プレーンP(
図1及び
図11を参照されたい)は、エンドプレートD、D’(
図1及び17B)の空間エンベロープSE(例えば、
図17Bを参照されたい)の内側に載置される構成要素である。この構成要素は、同じ円形の幾何学的形状を共有し、これは、シャフト又はローターRが通過して、冷却ファンF(
図1及び
図11)に給電することを可能にする。一例として、円形の幾何学的形状は、例えば本明細書に開示されるものと一致する、ドーナツ形又は円盤状の形態をとることができ、又はそれを特徴とすることができる。これはまた、その構成要素の製造及び設置を容易にすることも可能にする。電力プレーンPは、例えば
図6~
図10Bに関して示され、説明される、複数の要素から成る。要素は、例えば本明細書に開示されるものと一致する、マトリックスコンバータ電力モジュールと、マトリックスコンバータ制御電子部品と、電力品質フィルタコンデンサと、印刷回路基板と、を含むことができる。電力プレーンPの機能は、3つの部分からなる:
(1)電力モジュール及び制御電子部品構成要素を載置することを可能にする斬新な幾何学的形状を提供すること、
(2)電力モジュール及びその上に載置される制御電子部品構成要素を含む、全てのモジュール及び構成要素のための電気接続経路を提供すること、並びに
(3)全ての電子部品電力モジュール、制御電子部品、及びモーターシャフトR(
図1及び
図11)から放射される熱を断熱する/方向付けること。
【0122】
マトリックスコンバータは、例えば
図6に示されるように表される、電力プレーンP上に構成される主システムであり、当該図は、例えば所要の電力機能(
図6A)を実施するためのIGBT技術を使用する、双方向スイッチの図を示す
図6A、更に、所要の電力機能を実施するための双方向スイッチ電力モジュールの一実施例の写真を示す
図6Bを含む。(当業者が認識するように、断熱ゲートバイポーラートランジスタ(IGBT)は、それが開発されたときには主に電子スイッチとして使用され、高効率及び高速スイッチングを組み合わせるようになった、三端子電力半導体デバイスである。例えば、Infineon Technologies AGは、そのようなIGBT技術を使用して種々の製品を流通させた。)
図6Aに示されるこの回路を有する目的は、マトリックスコンバータが、固定電圧及び周波数のAC入力を所望のAC出力波形に変換することを可能にすることである。従来、先行技術において、入力AC電力は、AC出力に合成する前に、DC波形に変換しなければならなかった。本発明のいくつかの実施形態によれば、マトリックスコンバータは、より少ない工程及びより少ない構成要素でこの過程を実行するように構成することができる。電子モジュールの中で、電力品質フィルタIFCを突出した構成要素(
図7を参照されたい)として構成することができる。そのような一事例において、その機能は、例えば
図8に示されるものと一致して、電気的ノイズ及び高調波歪みのレベルを低減させることである。本発明によるいくつかの実施形態において、この電力品質フィルタ構成要素は、好ましくは、できる限りマトリックスコンバータに近付くように、要素P(1)などの印刷回路基板上へ直接取り付けることができる。これは、マトリックスコンバータ電子部品から放射される歪みの量を低減させるためのその能力を大幅に向上させる。電力プレーンPの全体的な幾何学的形状及びサイズは、電力モジュール及び制御電子部品の製造及び取り付けを容易にすることを可能にする。
【0123】
図1及び
図11に示される全体的なモーターアセンブリのこの電力プレーン部分において、熱は、少なくとも2つの供給源、すなわち、電力半導体モジュール及びシャフト又はローターR(
図1及び
図11)から放射される。本明細書に記載されるものと一致して、電力半導体モジュールは、
図17Cに示される円形の電力モジュール配置又は
図18Aに示される電力モジュールレイアウト、
図10Bの電力モジュール及びクランプモジュールレイアウト又は
図10Bの電力/クランピングモジュールのレイアウト、のうちの1つ以上を含むことができる。中央プレートE、E’(例えば、
図1、
図2A、2b、及び
図3、
図11、
図12A、
図12B、
図13を参照されたい)は、上で説明したように、電子部品を保護する断熱層と共に構成することができるが、それでも、シャフト又はローターRからの残留熱が存在する可能性がある。これは、ファン側とモーターアセンブリ(
図1及び
図11)の中央プレート部分のとの温度差に起因する。また、電力プレーンPの半導体が、動作中に、必然的に熱を発生させることも理解されたい。課題は、電子部品を適切に、例えば電子部品の故障点未満で、動作させるように動作温度を維持することである。
【0124】
したがって、断熱及び熱の放散は、電力プレーンPが行わなければならない2つの機能である。以前の関連する断熱は、本明細書に開示される多層回路基板の実現形態を通して達成される。多層回路基板は、一例として、ガラス繊維などの積層材料で構築することができ、その厚さ及び強度を増加させる。ガラス繊維は、断熱用途に使用されている強固かつ軽量な材料であることが知られ、そう理解されている。これは、電力プレーンPが、より熱い電力モジュール、電力品質コンデンサ、及び制御電子部品の間の熱障壁として作用することを可能にする。
【0125】
後者の場合、熱は、エンドプレートD、D’に位置付けられたヒートシンクフィンD
2’及び/又はD
3’’(
図4及び
図14)を通して放散される。ヒートシンクフィンD
2’及び/又はD
3’’は、空冷式であり、また、冷却機構として作用する。それらは、伝導及び対流の熱伝達の2つの形態を通して動作するが、伝導は、互いに接触している固体間の熱の伝達として理解され、一方で、対流は、固体と流体と間の熱伝達として理解される。最初に、熱伝達が印刷回路基板と半導体との間に発生する。次いで、エンドプレートD、D’、そして、ヒートシンクフィンD
2’及び/又はD
3’’の中へ進行する。最後に、対流が熱フィンD
3’’と例えばモーターアセンブリ10(
図1)全体を取り囲む周囲空気との間で生じ、熱を分散させる。適切に機能するために、フィンD
3’’は、熱を吸収するためにより冷たくなければならず、十分な温度まで上昇させて、その熱を周囲空気に拡散させなければならない。電力プレーンPはまた、類似する幾何学的形状をエンドプレートDの中間部分D
2と共有するので、熱は、表面に沿って一様に分配される。
【0126】
この多目的電力プレーンPの全体的な構成は、技術水準に対する重要な貢献をもたらす。エンドプレートD、D’からの空間エンベロープSE(
図4B、
図5D、
図17B)は、全体的な電力プレーンPのための空間を割り当て、また、電力モジュール及び制御電子部品を支持することを可能にする。加えて、電力プレーンPは、エンドプレートDからヒートシンクフィンD
2’及び/又はD
3’’へのアクセスを有し、電子部品を動作可能な温度に冷却することを可能にする。ガラス繊維製の回路基板構造の層又は要素P(1)は、優れた断熱材として作用し、より熱い電力半導体を、敏感な制御電子部品及び電力品質コンデンサから分離する。これらの組み合わせた構成要素は、電力プレーンPが、動作条件を容易にすること、及び制御電子部品の温度を最大温度よりも十分に低く維持することを可能にする。
【0127】
利点
この電力プレーン実施形態の利点としては、以下のうちの1つ以上を挙げることができる。
印刷回路基板層P(1)を、より冷たい制御電子部品に対するより熱い電力モジュールと、電力品質コンデンサ領域との間の熱障壁として作用するように構成することができる。
【0128】
全体的な電力プレーンの実現形態は、例えば
図9に最良に表されるように、より高い空気流があり、かつ制御回路から離れる外径に、熱を方向付けるように構成することができる。
【0129】
全体的なプリント回路基板アセンブリは、例えば
図8のグラフに示されるものと一致して、電力品質コンデンサと電力半導体モジュールとの間の低いインダクタンス及び抵抗入力を提供し、それによって、スイッチング応力及び電磁干渉を低減させる。
【0130】
全体的な電力プレーンの実現形態は、電力プレーンPに統合される独特なコンパクトな電力品質フィルタの配置で構成することができる。
【0131】
全体的な電力プレーンの実現形態は、最小の高調波歪みを生じる内蔵型電力品質フィルタと共に構成することができ、また、可変周波数電子部品を大部分の電力品質異常から保護する。
【0132】
全体的な電力プレーンの実現形態は、最大の空間利用を提供するモーターエンドプレートDの空間エンベロープSEに適合するように、独特なドーナツ形の、例えば要素P(1)のように成形された、電力プレーンプリント回路基板(PCB)と共に、又はそれとして構成することができ、構造及び製造を単純化する。(一例として、
図1及び
図11に示されるもの、並びに
図7、
図16、及び
図18Bに示されるものを参照されたい)
【0133】
ドーナツ形は、モーターのシャフト又はローターR(
図1及び
図11)が通過して、冷却ファンFに給電することを可能にする。
【0134】
全体的な電力プレーンの実現形態は、例えば
図18Bに示されるように、組み立てを容易にし、かつサイズをコンパクトにするために、電力及び制御モジュールの両方、回路、又は構成要素を1つの統合されたプリント回路基板アセンブリに結合する。
【0135】
全体的な電力プレーンの実現形態は、例えば必要とされるワイヤ及びコネクタが制限される場合に、入力/出力電力、電流センサ、ゲートドライバGDPS、クランプ制御回路CC、電力/クランプ半導体モジュール、電力品質コンデンサIFCのための相互接続を提供し、したがって、ロバストで信頼性の高い動作を可能にする。
【0136】
全体的な電力プレーンの実現形態は、市場において、及び電気モーターの空間エンベロープにおいて、現在生じているよりも高い電力レベルでの、埋め込み型電子モーター駆動の製造を可能にする。
【0137】
モーターフレーム又はケーシングMF(
図5A及び
図15)は、電力プレーンP及びマトリックスコンバータ構成のコンパクトなサイズ及び熱的に最適化された動作を可能にするために、ヒートシンクとして効果的に利用される。
【0138】
本発明の範囲
本明細書に別途提示されない限り、本明細書の特定の実施形態に関して説明される特徴、特性、代替物、又は修正物のうちのいずれかはまた、本明細書で説明される任意の他の実施形態と共に適用すること、使用すること、又は組み込むことができることを理解されたい。本明細書の図面は、一定の縮尺で描画されていない。
【0139】
本発明は、その例示的な実施形態に関して説明され、例示されているが、前述の、及び種々の他の追加及び省略を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において、及び本明細書に対して行うことができる。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
モーターアセンブリを含む装置であって、前記装置が、
内側ハブ部分と、エンドプレートの空間エンベロープの周りに円周方向に延在する外周部分との間で前記エンドプレート上に形成された実質的に類似する円形の幾何学的形状を有する前記空間エンベロープの内側に載置されるように円形の幾何学的形状で構成された電力プレーンを備え、前記電力プレーンが、少なくとも、
モーターに電力を提供するための少なくとも1つの電力モジュールを有する電力層と、 前記モーターに提供される前記電力を制御するための少なくとも1つの制御電子部品モジュールを有する制御層と、
前記電力プレーンの前記少なくとも1つの電力モジュールと前記制御層の前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールとの間に電気接続経路を提供し、更に、前記電力層と前記制御層との間に断熱を提供する、前記電力層と前記制御層との間の熱障壁及び印刷回路基板層と、を有する多層回路基板又はアセンブリとして構成されている、装置。
[C2]
前記電力プレーンが、少なくとも、
前記少なくとも1つの電力モジュール及び前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールを熱障壁の両側に載置することを可能にすること、
前記少なくとも1つの電力モジュール及び前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールを共に相互接続するため、かつ入力/出力電力接続部、並びに前記少なくとも1つの電力モジュール及び前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールを相互接続するための前記電気接続経路を提供することと、
前記少なくとも1つの電力モジュール、前記少なくとも1つの制御電子部品モジュール、及び前記モーターのシャフトのうちの1つ以上から、より高い空気流がある前記電力プレーンの外径へ放射される熱を断熱及び/又は方向付けること、を行うように構成されている、C1に記載の装置。
[C3]
前記電力プレーンが、前記電力層及び前記制御層を載置するための最大の空間を提供するために前記エンドプレートの前記空間エンベロープに適合するように、及び前記モーターローターのシャフトが通過して冷却ファンを駆動することを可能にするように、ドーナツ形の電力プレーン印刷回路基板又はアセンブリとして構成されている、C1に記載の装置。
[C4]
前記電力層が、より高い温度の電力モジュールと共に構成され、
前記制御層が、より低い温度の制御電子部品モジュール及び構成要素、並びに電力品質フィルタ構成要素と共に構成され、
前記熱障壁及び印刷回路基板層が、前記制御層を一方の側に載置し、前記電力層をもう一方の側に載置するための構造的な厚さ及び強度を有する材料から構成され、前記材料が、前記電力層と前記制御層との間の熱の伝達を低減させるための断熱を提供するように構成されている、C1に記載の装置。
[C5]
前記熱障壁及び印刷回路基板層が、ガラス繊維を含む積層材料で構築され、該積層材料が、構造強度を提供し、前記電力層のより熱い電力半導体を、前記制御層のより冷たい敏感な制御電子部品及び電力品質コンデンサから分離するための断熱材として作用する、C1に記載の装置。
[C6]
前記電力層が、前記熱障壁及び印刷回路基板層の片側において、例えば前記エンドプレートの中間部分に取り付けられた、電力プレーンの低インダクタンス入力及び統合された出力接続部に結合するように構成された、円形の電力モジュール配置を含む、C1に記載の装置。
[C7]
前記少なくとも1つの電力モジュールが、電圧及び周波数を有するAC波形を有するAC入力シグナリングを受信し、前記モーターを駆動するための変換された電圧及び周波数を有する変換されたAC波形を有する変換されたACシグナリングを提供するように、マトリックスコンバータの一部として構成されたマトリックスコンバータ電力モジュールを備える、C1に記載の装置。
[C8]
前記制御層が、電気的ノイズ及び高調波歪みのレベルを低減させるように構成された、少なくとも1つの電力品質フィルタ構成要素を備える、C7に記載の装置。
[C9]
前記少なくとも1つの電力品質フィルタ構成要素が、前記熱障壁及び印刷回路基板層に直接取り付けられ、かつ前記マトリックスコンバータ内のマトリックスコンバータ電子部品から放射される歪みの量を低減させるように、前記マトリックスコンバータの物理的に近く又は隣に構成されている、C8に記載の装置。
[C10]
前記少なくとも1つの電力モジュールが、電力半導体モジュールを備え、
前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールが、電力品質コンデンサを備え、
前記電力プレーンが、スイッチング応力及び電磁干渉を低減させるために、前記電力半導体モジュールと前記電力品質コンデンサとの間に構成された低インダクタンス及び抵抗入力を備える、C1に記載の装置。
[C11]
前記電力プレーンが、その中に統合されたコンパクトな電力品質フィルタを備える、C1に記載の装置。
[C12]
前記電力プレーンが、最小の高調波歪みを生じさせ、可変速度駆動の電子部品を大部分の電力品質異常から保護するように構成された、内蔵型電力品質フィルタを備える、C1に記載の装置。
[C13]
前記電力プレーンが、組み立てを容易にし、かつサイズをコンパクトにするために、電力及び制御回路又は回路構成の両方を、1つの統合した印刷回路基板構成に組み合わせるように構成されている、C1に記載の装置。
[C14]
前記電力プレーンが、電流センサ、少なくとも1つのゲートドライバ、電源、クランプ回路、電力半導体モジュール、及び電力品質コンデンサ、のうちの1つ以上の組み合わせを備え、
前記電気接続経路が、入力/出力電力接続部と、前記電流センサ、前記少なくとも1つのゲートドライバ、前記電源、前記クランプ回路、前記電力半導体モジュール、及び前記電力品質コンデンサのうちの前記1つ以上の組み合わせとを相互接続するように構成されている、C1に記載の装置。
[C15]
前記装置が、前記エンドプレートを備え、
前記内側ハブ部分が、前記モーターローターのシャフトを受容するように構成され、 前記外周部分が、前記少なくとも1つの電力モジュール及び前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールによって発生する前記エンドプレートの熱から離れて放散させるように構成された、熱フィンを含む、C1に記載の装置。
[C17]
前記装置が、前記電力プレーンのコンパクトなサイズ及び熱的に最適化された動作を可能にするために、ヒートシンクとして利用されるように構成された、モーターケースを備える、C1に記載の装置。
[C18]
前記装置が、回転デバイス又はポンプを駆動するためのモーターアセンブリである、又はその形態をとる、C1に記載の装置。
[C19]
回転デバイス又はポンプを駆動するためのモーターアセンブリであって、
モーターのシャフトを受容する内側ハブ部分と、空間エンベロープの周りに円周方向に延在する周辺部分との間でドーナツ状の幾何学的形状を有し、形成される前記空間エンベロープを伴って構成される、エンドプレートであって、前記外周部分が、前記エンドプレートから離れて放散されるように構成された熱フィンを有する、エンドプレートと、
前記空間エンベロープの前記ドーナツ状の幾何学的形状に類似する対応するドーナツ状の幾何学的形状で構成され、かつ前記空間エンベロープの内部に載置される、電力プレーンと、を備え、前記電力プレーンが、少なくとも、
前記モーターに電力を提供するための少なくとも1つの電力モジュールを有する電力層と、
前記モーターに提供される前記電力を制御するための少なくとも1つの制御電子部品モジュールを有する制御層と、
前記電力プレーンの前記少なくとも1つの電力モジュールと前記制御層の前記少なくとも1つの制御電子部品モジュールとの間の電気接続経路を提供し、更に、前記電力層と前記制御層との間の断熱を提供する、前記電力層と前記制御層との間の熱障壁及び印刷回路基板層と、を有する多層回路基板又はアセンブリとして構成されている、モーターアセンブリ。