(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】多構成要素トップシート
(51)【国際特許分類】
A61F 13/511 20060101AFI20231204BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20231204BHJP
A61F 13/512 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
A61F13/511 400
A61F13/511 100
A61F13/511 300
A61F13/511 500
A61F13/15 210
A61F13/512 200
A61F13/512 300
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019123047
(22)【出願日】2019-07-01
(62)【分割の表示】P 2016572374の分割
【原出願日】2015-03-02
【審査請求日】2019-07-30
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2014-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】エイミー、リン、タリー
(72)【発明者】
【氏名】テレサ、リン、ガリエ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ、クリストファー、ドブリン
(72)【発明者】
【氏名】オラフ、エリク、アレクサンダー、イゼル
(72)【発明者】
【氏名】ポール、トーマス、ワイスマン
(72)【発明者】
【氏名】シャロン、アン、ヤング
(72)【発明者】
【氏名】マイク、パードン
【合議体】
【審判長】筑波 茂樹
【審判官】内田 博之
【審判官】八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-276519(JP,A)
【文献】特開平4-187146(JP,A)
【文献】特表2008-522772(JP,A)
【文献】特表2002-512082(JP,A)
【文献】国際公開第2013/099625(WO,A1)
【文献】特開2002-369839(JP,A)
【文献】国際公開第2013/091150(WO,A1)
【文献】特開平10-75976(JP,A)
【文献】特開昭63-196701(JP,A)
【文献】特表平5-507865(JP,A)
【文献】特開2000-201974(JP,A)
【文献】特表2011-529775(JP,A)
【文献】特表2013-536742(JP,A)
【文献】特開2005-67190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
多構成要素トップシートと、
バックシートと、
少なくとも部分的に前記バックシートと前記トップシートとの間に配置された吸収性コアであって、当該吸収性コアが吸収性材料を含み、当該吸収性材料が、前記吸収性材料の重量で少なくとも80%の超吸収性ポリマーを含む、吸収性コアと、を備え、
前記多構成要素トップシートは、
a)第1の別個の基材、
b)第2の別個の基材、及び
c)第3の別個の基材、を含み、
前記第2の別個の基材が、少なくとも部分的に前記第1の別個の基材と前記第3の別個の基材との間に配置され、
前記第2の別個の基材が、前記第1の別個の基材及び前記第3の別個の基材に接合され、
前記
多構成要素トップシートが、前記トップシートの全範囲の80%以上に基材の単一層を有し、前記トップシートの全範囲の20%以下に基材の二重層を有し、
第1の二重層範囲は、前記第1の別個の基材と前記第2の別個の基材とのオーバーラップから形成され、
第2の二重層範囲は、前記第2の別個の基材と前記第3の別個の基材とのオーバーラップから形成され、
前記第1の二重層範囲及び
前記第2の二重層範囲が、共に、前記
多構成要素トップシートの二重層を形成し、
前記第2の別個の基材が複数の凹部及び突出部を含み、前記複数の凹部及び突出部が、共に、前記第2の別個の基材の第1の側面上の第1の3次元表面と、前記
第2の別個の基材の第2の側面上の第2の3次元表面とを形成し、前記突出部の大部分が、突出部高さ試験に従って、500μm~4000μmのz方向の高さを有し、前記凹部の大部分が、隣接する突出部の上部表面から最も遠位の位置において孔を画定し、前記凹部の大部分が、凹部高さ試験に従って、500μm~2000μmのz方向の高さを有し、
前記
第1の別個の基材、前記第2の別個の基材及び前記第3の別個の基材
の各々は、坪量試験に従って、30gs
m以上の坪量を有し、
前記
第2の別個の基材は、疎水性の不織布材料を含む第1の層と、親水性の不織布材料を含む第2の層とを備え
、前記第1の層は着用者対面層であり、前記第2の層は前記第1の層の下にある、吸収性物品。
【請求項2】
前記第2の別個の基材が、全体的な基材の高さ試験に従って、1000μm~6000μmの全体的なz方向の高さを有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第2の別個の基材の前記孔の大部分が、孔面積試験に従って、0.5mm
2~3.0mm
2の孔面積を有する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記第2の別個の基材が、記述的分析粗度試験に従って、3.1~3.5の幾何学的粗度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第1の別個の基材及び前記第2の別個の基材が、記述的分析粗度試験に従って、幾何学的粗度における15%以上の相違を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
4つの孔が各突出部の周囲に形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
4つの突出部が各孔の周囲に形成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記第1の別個の基材が、前記トップシートの長手方向軸線に関して前記第3の別個の基材と対向し、前記第1の別個の基材及び第3の別個の基材が、両方とも前記第2の別個の基材とは異なる色である、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記第1の別個の基材が、前記第3の別個の基材と同一の材料から形成され、前記第1の別個の基材の第2の横方向縁部は、前記トップシートの長手方向軸線に関して、前記第3の別個の基材の第1の横方向縁部と実質的に対称的である、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記第2の別個の基材が、第1の横方向縁部及び第2の横方向縁部を有し、前記第2の別個の基材の前記第1の横方向縁部及び第2の横方向縁部が非直線状である、請求項1~9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記第2の別個の基材は第1の横方向縁部及び第2の横方向縁部を含み、前記第2の別個の基材の前記第1の横方向縁部及び
前記第2の横方向縁部が弓形部分を含み、前記第1の横方向縁部及び第2の横方向縁部が、前記トップシートの長手方向軸線に関して互いに対称的である、請求項1~
10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記第1の別個の基材と前記第2の別個の基材との前記オーバーラップが、前記第1の別個の基材の身体対面側に接触している、前記第2の別個の基材の衣類対面側を含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記第1の別個の基材と前記第2の別個の基材との前記オーバーラップが、前記第1の別個の基材の衣類対面側に接触している、前記第2の別個の基材の身体対面側を含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記第1の別個の基材と前記第2の別個の基材との前記オーバーラップ内に、少なくとも1つの弾性体が配置されている、請求項1~
13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記吸収性コアは吸収性材料を含み、当該吸収性材料は、前記吸収性材料の重量で少なくとも90%の超吸収性ポリマーを含む、
請求項1~
14のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項16】
前記吸収性物品が、湿度試験に従って、70%未満の相対湿度と、6,500g/m
2日未満のWVTR値とを有する、請求項1~
15のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項17】
前記吸収性物品が、湿度試験に従って、60%未満の相対湿度と、14,500g/m
2日未満のWVTR値とを有する、請求項1~
16のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項18】
複数の、請求項1~
17のいずれか一項に記載の吸収性物品を含むパッケージであって、前記パッケージが、バッグ内スタック高さ試験に従って、80mm未満のバッグ内スタック高さを有する、パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して多構成要素トップシートに関し、より詳細には吸収性物品用の多構成要素トップシート、及び/又は多構成要素トップシートを含む吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
乳児用の使い捨ておむつ、よちよち歩きの幼児用のトレーニングパンツ、成人失禁用下着、及び/又は生理用ナプキンなど、個人衛生用の吸収性物品が、身体排出物、特に大量の尿、水様便及び/又は月経分泌物(全体で「流体」)を吸収及び収容するように設計されている。これらの吸収性物品は、例えば、トップシート、バックシート、及び所望であれば他の層(例えば、獲得層、分配層など)の中でトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアなど、異なる機能を提供するいくつかの層を含み得る。
【0003】
トップシートは一般に液体透過性であり、身体から分泌された流体を受容し、流体を獲得システム、分配システム、及び/又は吸収性コアに向かって指向させる補助をするように構成されている。一般に、トップシートは、トップシートに適用される表面処理によって親水性であるようにされているため、流体はトップシートに誘引された後、下にある獲得システム、分配システム、及び/又は吸収性コア内に流れ得る。トップシートの重要な品質の1つは、流体が吸収性物品に吸収され得る前に、流体がトップシート上に溜まることを低減する能力である。換言すれば、トップシートの1つの設計基準は、流体が吸収性物品に吸収される前にトップシート上で費やす時間量を低減することである。流体がトップシートの表面にあまりに長時間留まる場合、着用者は乾燥した感触を得ない場合があり、皮膚の不快感が増す場合がある。
【0004】
流体がトップシート上に長時間滞在することによる、例えば排尿中のぬれた皮膚感覚の問題を解決するために、有孔トップシートが使用されて急速な流体浸透を可能にする。有孔トップシートは一般に、トップシート上の流体の保留状態(pendency)が低下されているが、トップシートは尚、3次元基材を提供することにより更に改善され得、3次元基材は、例えば排尿中の皮膚/流体接触を更に低減し、及び/又は皮膚/流体接触時間を短縮する。
【0005】
更に、3次元基材、又は他の改善された有孔トップシート材料は伝統的なトップシート材料と比較した場合、相対的に高価であり得る。したがって、3次元基材をトップシート材料として使用する利益を得ることを可能にすると共に、そのような材料の使用による費用の追加を抑えることへの興味が継続している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は概して、一部は、吸収性物品のトップシートに適用され、又はトップシートの一部若しくは全部を形成し、又は吸収性物品の他の部分を形成することができる、3次元基材に関する。3次元基材は、液体透過性基材であってもよい。本開示の3次元基材は、第1のz方向の高さを有する第1の要素と、第2のz方向の高さを有する少なくとも第2の要素とを提供することにより、流体/皮膚接触及び/又は流体/皮膚接触時間を低減することができる。これらの基材は、孔も含み得る。第1のz方向の高さは、概して第2のz方向の高さよりも高い。そのような構造は、複数の高さを有する基材を形成する。これらの3次元基材は、例えば排尿中、流体が基材上に受容され、第2のz方向の高さ(より低い)を有する第2の要素中に、及び/又は孔内に及び孔を通して移動させて、少なくとも皮膚と接触する流体の量を低減し、及び/又は少なくとも流体/皮膚接触時間を短縮することができる。換言すれば、第1のz方向の高さ(より高い)を有する第1の要素は、流体が重力によって第2のz方向の高さ(より低い高さ)を有する第2の要素中に、及び/又は孔内に及び孔を通して移動する間、皮膚と接触し得る。情報及び確信に基づいて、そのような3次元構造は、皮膚上の流体の量を低減し、着用者に、より乾燥した、より心地よい感触を与え、及び/又は流体/皮膚接触の保留状態を低減する。第1のz方向の高さ(より高い)を有する第1の要素は、基材が流体を獲得及び/又は分配システム及び/又は吸収性コアに流す間、基本的に皮膚と流体との間のスペーサを提供する役割を果たす。
【0007】
一実施形態では、吸収性物品用の多構成要素トップシートは、第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び第3の別個の基材、を含み、第2の別個の基材は、少なくとも部分的に第1の別個の基材と第3の別個の基材との間に配置され、第2の別個の基材は、第1の別個の基材及び第3の別個の基材に接合され、トップシートは、トップシートの全範囲の約80%以上に基材の単一層を有し、トップシートの全範囲の約20%以下に基材の二重層を有し、第1の二重層範囲は、第1の別個の基材と第2の別個の基材とのオーバーラップから形成され、第2の二重層範囲は、第2の別個の基材と第3の別個の基材とのオーバーラップから形成され、第1の二重層範囲及び第2の二重層範囲は、共に、基材の二重層を形成し、第2の別個の基材は、複数の凹部及び突出部を含み、複数の凹部及び突出部は、共に、第2の別個の基材の第1の側面上の第1の3次元表面と、基材の第2の側面上の第2の3次元表面とを形成し、突出部の大部分は、突出部高さ試験に従って、約500μm~約4000μmのz寸法の高さを有し、凹部の大部分は、隣接する突出部の上部表面から最も遠位の位置に孔を画定し、凹部の大部分は、凹部高さ試験に従って、約500μm~約2000μmのz方向の高さを有する。
【0008】
別の実施形態では、吸収性物品用の多構成要素トップシートは、第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び第3の別個の基材、を含み、第2の別個の基材は、少なくとも部分的に第1の別個の基材と第3の別個の基材との間に配置され、第2の別個の基材は、第1の別個の基材及び第3の別個の基材に接合され、トップシートは、トップシートの全範囲の少なくとも85%以上に基材の単一層を有し、トップシートの全範囲の15%以下に基材の二重層を有し、第1の二重層範囲は、第1の別個の基材と第2の別個の基材とのオーバーラップから形成され、第2の二重層範囲は、第2の別個の基材と第3の別個の基材とのオーバーラップから形成され、第1の二重層範囲及び第2の二重層範囲は、共に、基材の二重層を形成し、第2の別個の基材は、複数の凹部及び突出部を含み、複数の凹部及び突出部は、共に、第2の別個の基材の第1の側面上の第1の3次元表面と、基材の第2の側面上の第2の3次元表面とを形成し、突出部の大部分は、突出部高さ試験に従って、約500μm~約4000μmのz寸法の高さを有し、凹部の大部分は、隣接する突出部の上部表面から最も遠位の位置に孔を画定し、凹部の大部分は、凹部高さ試験に従って、約500μm~約2000μmのz方向の高さを有する。
【0009】
別の実施形態では、吸収性物品は、吸収性物品用の多構成要素トップシート、バックシート、及び少なくとも部分的にバックシートとトップシートとの間に配置された吸収性コアを含み、トップシートは、第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び第3の別個の基材、を含み、第2の別個の基材は、少なくとも部分的に第1の別個の基材と第3の別個の基材との間に配置され、第2の別個の基材は、第1の別個の基材及び第3の別個の基材に接合され、トップシートは、トップシートの全範囲の少なくとも80%に基材の単一層を有し、トップシートの全範囲の20%以下に基材の二重層を有し、第1の二重層範囲は、第1の別個の基材と第2の別個の基材とのオーバーラップから形成され、第2の二重層範囲は、第2の別個の基材と第3の別個の基材とのオーバーラップから形成され、第1の二重層範囲及び第2の二重層範囲は、共に、基材の二重層を形成し、第2の別個の基材は、複数の凹部及び突出部を含み、複数の凹部及び突出部は、共に、第2の別個の基材の第1の側面上の第1の3次元表面と、基材の第2の側面上の第2の3次元表面とを形成し、突出部の大部分は、突出部高さ試験に従って、約500μm~約4000μmのz寸法の高さを有し、凹部の大部分は、隣接する突出部の上部表面から最も遠位の位置に孔を画定し、凹部の大部分は、凹部高さ試験に従って、約500μm~約2000μmのz方向の高さを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の非限定的な形態の以下の説明文を添付図面と併せて参照することで、本開示の上記の特徴及び他の特徴並びに利点、並びにそれらを実現する方法がより明らかとなり、また本開示自体のより深い理解が得られるであろう。
【
図1】本開示による、いくつかの層が部分的に除去されている、吸収性物品の、見る人の方に向いた着用者対面表面の平面図である。
【
図2】本開示による、
図1の2-2線周囲で切り取った吸収性物品の断面図である。
【
図3】本開示による、吸収性物品に流体が充填されている、
図2の2-2線周囲で切り取った吸収性物品の断面図である。
【
図4】本開示による、いくつかの層が部分的に除去されている、別の吸収性物品の、見る人の方に向いた着用者対面表面の平面図である。
【
図5】本開示による、
図4の5-5線周囲で切り取った、吸収性物品の断面図である。
【
図6】本開示による、いくつかの層が部分的に除去されている、
図4の吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
【
図7】本開示による、
図6の7-7線周囲で切り取った吸収性コアの断面図である。
【
図8】本開示による、
図6の8-8線周囲で切り取った、吸収性コアの断面図である。
【
図9】本開示による、層のいくつかが切り取られている生理用ナプキンである吸収性物品の、見る人の方に向いた着用者対面表面の平面図である。
【
図10】本開示による、3次元液体透過性基材を含む吸収性物品の、見る人の方に向いた着用者対面表面の平面図である。
【
図12】本開示による、
図10の液体透過性基材の一部の拡大平面図である。
【
図13】本開示による、
図10の液体透過性基材の一部の別の拡大平面図である。
【
図14】本開示による、吸収性物品用のトップシート上に配置され及び/又はトップシートに接合された3次元液体透過性基材の概略図である。
【
図15】本開示による、吸収性物品用のトップシート上に配置され及び/又はトップシートに接合された3次元液体透過性基材の別の概略図である。
【
図16】本開示による、吸収性物品用のトップシート上に配置され及び/又はトップシートに接合された3次元液体透過性基材の別の概略図である。
【
図17】本開示による、3次元液体透過性基材の一部の、見る人の方に向いた着用者対面表面の正面図である。
【
図18】本開示による、
図17の3次元液体透過性基材の一部の正面斜視図である。
【
図19】本開示による、3次元液体透過性基材の一部の、見る人の方に向いた着用者対面表面の別の正面図である。
【
図20】本開示による、
図19の液体透過性基材の一部の正面斜視図である。
【
図21】本開示による、3次元液体透過性基材の一部の、見る人の方に向いた着用者対面表面の背面図である。
【
図22】本開示による、
図21の3次元液体透過性基材の一部の背面斜視図である。
【
図23】本開示による、3次元液体透過性基材の一部の、見る人の方に向いた着用者対面表面の別の背面図である。
【
図24】本開示による、
図23の液体透過性基材の一部の背面斜視図である。
【
図25】本開示による液体透過性基材の断面図である。
【
図26】本開示の基材の形成プロセスの一例の概略図である。
【
図27】本開示による、第1のロール及び第2のロールの部分の噛み合い係合の図である。
【
図28】本開示による第1のロールの一部の図である。
【
図29】本開示による第2のロールの一部の図である。
【
図30】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図31】
図30の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図32】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図33】
図32の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図34】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図35】
図34の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図36】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図37】
図36の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図38】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図39】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図40】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図41】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図42】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図43】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図44】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図45】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図46】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図47】
図46の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図48】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図49】
図48の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図50】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図51】
図50の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図52】
図50の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図53】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図54】
図53の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図55】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図56】
図55の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図57】
図55の多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図58】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図59】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図60】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図61】本開示による多構成要素トップシートの概略平面図である。
【
図62】本開示による多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図63】本開示による多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図64】本開示による多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図65】本開示による多構成要素トップシートの概略断面図である。
【
図69】本開示による吸収性物品のパッケージの側面図である。外側表面は、明確にする目的で透明に図示されている。
【
図70】本明細書に詳述した湿度試験に使用したマネキンの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に開示した3次元基材の構造、機能、製造、及び使用の原理についての総合的な理解を提供するために、本開示の種々の非限定的な形態がこれから記載される。これらの非限定的な実施形態の1つ以上の実施例を、添付の図面に示す。当業者であれば、本明細書に記載され、かつ添付の図面に示される3次元基材は、非限定的な例の形態であり、本開示の種々の非限定的な形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの非限定的な形態に関して図示又は説明される特徴は、他の非限定的な形態の特徴と組み合わせることができる。そのような修正及び変形は本開示の範囲に含まれることが意図されている。
【0012】
序論
本明細書で使用する場合、用語「吸収性物品」は、乳児用おむつ、小児用おむつ、又は成人用おむつ、成人失禁用製品、トレーニングパンツ、生理用ナプキンなど、着用者の身体に対して、又は着用者の身体に近接して配置されて、身体から排泄された様々な流体(尿、月経分泌物、及び/又は水様便)又は身体排出物(一般に、固体便)を吸収し収容する使い捨て装置を指す。典型的には、これらの吸収性物品は、トップシートと、バックシートと、吸収性コアと、場合により獲得システム及び/又は分配システム(1つ又は数個の層を含み得る)と、典型的には他の構成要素と、を含み、通常、吸収性コアがバックシートと獲得及び/又は分配システムとの間、又はトップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に配置される。本開示の、3次元液体透過性基材を含む吸収性物品について、以下の説明にて、及び図にて、テープ付きおむつの1つ以上の構成要素の形態で更に説明することにする。しかし、説明におけるいかなる内容も、特許請求の範囲を制限するものとみなされるべきではない。したがって、本開示は、吸収性物品の任意の好適な形態に適用する(例えば、おむつ、トレーニングパンツ、成人失禁用製品、生理用ナプキンなど)。
【0013】
本明細書で使用される用語「不織布ウェブ」は、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により結合された、方向性を有した、又はランダムに配向された繊維から作られたシート、ウェブ、又はバットを意味し、紙、及び更なるニードル加工の有無を問わず、結束糸若しくはフィラメントを組み込んだ織り製品、編み製品、タフト加工品、ステッチ結合製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品は含まない。繊維は、天然由来のものであっても若しくは人工起源のものであってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントであっても、又はその場で形成されたものであってもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mm超の範囲の直径を有してもよく、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの無撚糸束(トウ)、及び連続フィラメントの撚糸束(ヤーン)などのいくつかの異なる形態によって提供され得る。不織布ウェブは、メルトブロー法、スパンボンド法、溶媒紡糸法、電界紡糸法、カーディング法、及びエアレイイング法などの多くのプロセスによって形成することができる。不織布ウェブの坪量は、通常は、グラム/平方メートル(g/m2又はgsm)で表される。
【0014】
本明細書で使用される用語「接合された」、「結合された」、又は「取り付けられた」には、ある要素を他の要素に直接取り付けることによって、その要素がその別の要素に直接固定される構成、及びある要素を中間部材(1つ又は複数)に取り付けてから、その中間部材を他の要素に取り付けることによって、その要素がその別の要素に間接的に固定される構成が包含される。
【0015】
本明細書で使用される用語「機械方向」又は「MD」は、基材が製造される際の基材の移動方向と実質的に平行な方向である。「横断方向」又は「CD」は、MDに実質的に垂直であり、かつ基材によって一般的に画定された平面における方向である。
【0016】
本明細書で使用される用語「親水性」は、The American Chemical Society Publication「Contact Angle,Wettability,and Adhesion」(Robert F.Gould編集、1964年に著作権取得)により、90°以下の接触角を有する材料を指す。
【0017】
本明細書で使用される用語「疎水性」は、The American Chemical Society Publication「Contact Angle,Wettability,and Adhesion」(Robert F.Gould編集、1964年に著作権取得)により、90°以上の接触角を有する材料又は層を指す。
【0018】
吸収性物品の概説
おむつ20の形態の吸収性物品の例を、
図1~3に示す。
図1は、例示的なおむつ20の平らに広げられた状態の平面図であり、構造の一部を切り取り、おむつ20の構造をより明瞭に示している。
図1のおむつ20の衣類対面表面が、見る人の方に向いている。このおむつ20は、吸収性物品の1つ以上の構成要素として使用され得る、本開示の3次元基材としての単なる説明を目的として示されている。
【0019】
吸収性物品20は、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート25、トップシート24とバックシート25との間に少なくとも部分的に中間に配置された吸収性コア28、及びバリアレッグカフ34を含み得る。また、吸収性物品は、獲得及び/又は分配システム(「ADS」)50を含むことができ、表示した例は、分配層54及び獲得層52を含むが、これらは以下に更に詳細に記述する。また、吸収性物品は、典型的には、トップシート及び/又はバックシートを通して吸収性物品のシャーシと接合し、おむつのシャーシに実質的に平面である、弾性体33を含む弾性ガスケットカフ32を含んでもよい。
【0020】
この図はまた、タブ42を含む締着システムなどの典型的なテープ付きおむつ構成要素を示し、タブ42は、物品の後縁部に向かって取り付けられ、物品の前方でランディングゾーン44と協働する。吸収性物品はまた、例えば、後側弾性腰部機構、前側弾性腰部機構、横方向バリアカフ(1つ又は複数)、及び/又はローションアプリケーションなど、図示されていない他の典型的な要素を含んでもよい。
【0021】
また、吸収性物品20は、前側腰部縁部10と、前側腰部縁部10に長手方向に対向する後側腰部縁部12と、第1の側縁部3と、第1の側縁部3に横方向に対向する第2の側縁部4と、を含む。前側腰部縁部10は、着用されるときにユーザーの前方に向かって配置されるように意図された物品の縁部であり、後側腰部縁部12はその反対側の縁部である。この吸収性物品は、物品を平らに置き、
図1のように上から見ると、前側腰部縁部10の側面中間点から物品の後側腰部縁部12の側面中間点へと延在し、かつ、長手方向軸線80に対して、物品を実質的に対称である2つの半分に分割している長手方向軸線80を有し得る。また、吸収性物品は、第1の側縁部3の長手方向中間点から第2の側縁部4の長手方向中間点まで延在する横方向軸線90を有してもよい。物品の長さLは、前側腰部縁部10から後側腰部縁部12へと長手方向軸線80に沿って測定され得る。物品の幅Wは、第1の側縁部3から第2の側縁部4へと横方向軸線90に沿って測定され得る。本物品は、物品20の前縁部10から始まるLの5分の2(2/5)の距離に長手方向軸上に配置されたポイントとして本明細書で定義される股部ポイントCを含んでもよい。物品は、前側腰部領域5と、後側腰部領域6と、股部領域7と、を含み得る。前側腰部領域5、後側腰部領域6、及び股部領域7は、それぞれ、吸収性物品の長手方向の長さLの1/3を画定する。
【0022】
トップシート24、バックシート25、吸収性コア28、及び他の物品構成要素は、種々の構成にて、例えば、特に糊剤接着又は熱エンボス加工によって組み立てられ得る。吸収性物品の構成の例は、概して、米国特許第3,860,003号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に記載されている。
【0023】
吸収性コア28は、吸収性材料と、超吸収性ポリマーを封入するコアラップとの少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%からなる吸収性材料を含んでもよい。コアラップは、典型的には、2つの材料、基材、又はコアの上面に不織布材料16及び底面に不織布材料16’を含み得る。コアは、4つのチャネル26、26’、及び27、27’として
図1に示す1つ以上のチャネルを含んでもよい。チャネル26、26’、27、及び27’は、任意の機構である。代わりに、コアは、いずれのチャネルも有さなくてもよく、又は任意の数のチャネルを有してもよい。
【0024】
吸収性物品の例のこれら及び他の構成要素を、これから更に詳細に考察する。
【0025】
トップシート
本開示では、トップシート(着用者の皮膚と接触し、流体を受容する吸収性物品の一部)は、3次元基材(1つ又は複数)が着用者の皮膚と接触するように、本明細書に記載した3次元基材の1つ以上の一部又は全部から形成されてもよく、並びに/又は、トップシート上に配置され及び/若しくはトップシートに接合された1つ以上の3次元基材を有してもよい。トップシートの他の部分(3次元基材以外の)も、着用者の皮膚と接触し得る。典型的なトップシートを下記に記載するが、このトップシート24、又はその一部は、本明細書に記載した3次元基材で置き換えられ得ることが理解されるであろう。あるいは、本明細書に記載したように、3次元基材は、典型的なトップシート24の上部のストリップ又はパッチとして配置されてもよい。
【0026】
トップシート24は、着用者の肌に接触する吸収性物品の一部であってもよい。トップシート24は、当該技術分野で既知のように、バックシート25、コア28、及び/又は他のいずれかの層に接合させることができる。通常、トップシート24及びバックシート25は、いくつかの箇所(例えば、吸収性物品の外周又はその近く)で互いに直接接合し、他の箇所では、物品20の1つ以上の他の要素へこれらを直接接合することにより、共に間接的に接合している。
【0027】
トップシート24は、着用者の皮膚に対して順応性があり、柔らかい感触であり、非刺激性であってよい。更に、トップシート24の一部又は全部は、液体透過性であり、液体がその厚さを通して容易に透過し得る。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、あるいは天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維若しくはフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布若しくは不織布材料などの幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシート24が繊維を含む場合、その繊維は、スパンボンド処理、カーディング処理、湿式処理、メルトブロー処理、水流交絡処理されてよく、又は当該技術分野において既知の別の方法で処理されてよい。スパンボンドポリプロピレンのウェブを含む好適なトップシート(親水性界面活性剤で局所的に処理)は、Charlotte,NCのPolymer Group,Inc.によりP-10の名称で製造されている。
【0028】
トップシート24の任意の部分は、概して当該技術分野において開示されているローション及び/又はスキンケア組成物でコーティングされ得る。トップシート24はまた、抗菌剤を含むか、又は抗菌剤にて処理されてもよく、その一部の例はPCT国際公開第95/24173号に開示されている。更に、トップシート24、バックシート25、又はトップシート若しくはバックシートのいずれかの部分には、より布に近い外観を持たせるためにエンボス加工及び/又はつや消し仕上げを施してもよい。
【0029】
トップシート24は、トップシート24を通した流体の浸透を容易にする1つ以上の孔を含んでもよい。少なくとも主要な孔のサイズは、所望の流体封入性能を達成するために重要である。主要な孔が小さ過ぎると、流体は、例えば、流体源と孔の位置の位置合わせがよくないことが原因で、又は孔より大きい直径を有する糞便の塊が原因で、孔を通過しない場合がある。孔が大き過ぎると、物品からの「再湿潤」により汚染される可能性のある皮膚範囲が増加する。典型的には、おむつの表面の孔の総面積は、約10cm2~約50cm2、又は約15cm2~35cm2の面積を有してもよい。有孔トップシートの例が、BBA NONWOVENS SIMPSONVILLEに譲渡された米国特許第6632504号に開示されている。典型的なおむつのトップシートは、約10gsm~約50gsm、約12~約30gsmの坪量を有するが、他の坪量は、本開示の範囲内である。
【0030】
バックシート
バックシート25は、概して、吸収性コア28の衣類対面表面に隣接して位置付けられ、その中に吸収して封じ込められた流体及び身体排出物がベッドシーツ及び下着などの物品を汚すのを防止する又は少なくとも阻害する、吸収性物品20の部分である。バックシート25は、典型的には、流体(例えば、尿)に対して不透過性であるか、又は少なくとも実質的に不透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムであるか、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Tredegar Corporation(Richmond,VAを拠点とする)によって製造され、CPC2フィルムの商標で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気が吸収性物品20から逃れるのを可能にする一方で、流体がバックシート25を通り抜けるのを防止するか又は少なくとも阻害する通気性材料を挙げることができる。例示的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルム被覆された不織布ウェブなど複合材料、日本のMitsui Toatsu Co.により、名称ESPOIR NOで製造され、Tredegar Corporation(Richmond,VA)によって、名称EXAIREで販売されているような微孔性フィルム、及びHYTEL blend P18-3097の商品名にて、Clopay Corporation(Cincinnati,OH)により製造されているようなモノリシックフィルムを挙げることができる。
【0031】
バックシート25は、当該技術分野において既知のいずれかの付着方法によって、トップシート24、吸収性コア28、及び/又は吸収性物品20の他のいずれかの要素に接合されてよい。好適な取り付け方法は、トップシート24を物品20の他の要素に接合するための方法に関して上記で説明される。
【0032】
外側カバー23は、バックシート25の少なくとも一部又は全部を覆って、吸収性物品の柔らかい衣類対面表面を形成することができる。外側カバー23は、1つ以上の不織布材料から形成することができる。外側カバー23は、一例として、
図2に破線で示されている。外側カバー23は、機械的結合、接着剤結合、又は他の好適な取り付け方法によってバックシート25の少なくとも一部に接合されてもよい。
【0033】
吸収性コア
本明細書で使用される用語「吸収性コア」は、吸収能力の大半を有し、吸収性材料とその吸収性材料を封入するコアラップ又はコアバッグとを含む、吸収性物品の構成要素を指す。用語「吸収性コア」は、獲得及び/若しくは分配システム、又はコアラップ若しくはコアバッグの一体部分ではないか、又はコアラップ若しくはコアバッグ内に配置されない、物品のいかなる他の構成要素も含まない。吸収性コアは、コアラップ、述べたような吸収性材料(例えば、超吸収性ポリマー)、及び糊剤を含み、又はそれらから本質的になり、又はそれらからなっていてもよい。
【0034】
吸収性コア28は、多量の超吸収性ポリマー(本明細書では「SAP」と略す)がコアラップ内に封入された吸収性材料を含んでもよい。SAP含有量は、コアラップに含まれる吸収性材料の70重量%~100重量%、又は少なくとも70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、又は100重量%を示してもよい。コアラップは、吸収性コア内のSAPの百分率を評価する目的では吸収性材料とは見なされない。コアはまた、SAPを有し又は有さないエアフェルト又はセルロース繊維を含んでもよい。
【0035】
「吸収性材料」とは、SAP、セルロース系繊維、及び合成繊維など、何らかの吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味する。典型的には、吸収性コアの作製に使用される糊剤は、吸収特性を有さず又は殆ど有さず、吸収性材料とは見なされない。SAP含有量は、コアラップ内に含まれる吸収性材料の80重量%超、例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、更には100重量%以下となり得る。これにより、典型的には40%~60%のSAPと高含量のセルロース繊維とを含む従来のコアと比較して、相対的に薄いコアが得られる。従来のコアも、本開示の範囲内である。吸収性材料は、特に、15%重量パーセント未満、若しくは10%重量パーセント未満の天然セルロース、若しくは合成繊維、5%重量パーセント未満、3%重量パーセント未満、2%重量パーセント未満、1%重量パーセント未満の天然、セルロース、及び/若しくは合成繊維を含み、又は更には天然セルロース、及び/若しくは合成繊維を実質的に含まない場合がある。
【0036】
図4及び
図5の吸収性物品20の吸収性コア28の例は、
図6~8に単独で示されている。吸収性コア28は、前側部280と、後側部282と、前側部280と後側部282とを結合する2つの長手方向側部284、286とを含むことができる。吸収性コア28はまた、概して平面である上面及び概して平面である底面を含み得る。コアの前側部280は、吸収性物品の前側腰部縁部10に向けて配置されるように意図されるコアの側部である。コア28は、
図1においてのように平面図で上から見て、吸収性物品20の長手方向軸線80に実質的に対応する長手方向軸線80’を有してもよい。特定の吸収性物品では、前側にてより高い吸収性が要求され得るのに従って、吸収性材料は、後側部282に向かうよりも前側部280に向かって、より多くの量が分配されてもよい。コアの前側部280及び後側部282は、コアの長手方向側部284、286よりも短くてよい。コアラップは、吸収性コア28の側部284、286に沿って少なくとも部分的に封止され得る2つの不織布材料、基材、積層体、又は他の材料16、16’によって形成されてもよい。コアラップは、吸収性コアラップから漏出する吸収性材料が実質的にないように、その前側部280、後側部282、及び2つの長手方向側部284、286に沿って少なくとも部分的に封止され得る。第1の材料、基材、又は不織布16は、
図7に示すように、コアラップを形成するために、第2の材料、基材、又は不織布16’を少なくとも部分的に取り囲み得る。第1の材料16は、第1の側縁部284及び第2の側縁部286に近接する第2の材料16’の一部を取り囲み得る。
【0037】
吸収性コアは、特にコアラップが2つ以上の基材から作製されている場合、例えば、コアラップ内のSAPを不動化するのを助けるために、及び/又はコアラップの一体化を確実にするために、接着剤を更に含んでもよい。接着剤は、例えば、H.B.Fullerにより供給されるホットメルト接着剤であってもよい。コアラップは、吸収性材料を内部に収容するのに厳密に必要となるよりも大きい範囲へと延在してもよい。
【0038】
様々なコア設計を有する比較的多量のSAPを含有するコアは、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開出願第95/11652号(Tanzer)、米国特許公開第2008/0312622A1号(Hundorf)、及び国際公開出願第2012/052172号(Van Malderen)に開示されている。
【0039】
吸収性材料は、コアラップ内に存在する連続層であってもよい。あるいは、吸収性材料は、コアラップ内に封入された吸収性材料の個別のポケット又はストライプからなってもよい。第1の事例において、吸収性材料は例えば、吸収性材料の単一の連続層を適用することによって得られてもよい。吸収性材料の、特にSAPの連続層はまた、不連続的な吸収性材料の塗布パターンを有する2つの吸収性層を組み合わせることによって取得されてもよく、結果として得られる層は、例えば米国特許出願公開第2008/0312622A1号(Hundorf)に開示されているように、吸収性の粒状ポリマー材料範囲の全体にわたって実質的に連続的に分布している。吸収性コア28は、第1の吸収層と、第2の吸収層と、を含み得る。第1の吸収層は、第1の材料16及び100%又はそれ未満のSAPであり得る吸収性材料の第1の層61を含んでもよい。第2の吸収層は、第2の材料16’及び100%又はそれ未満のSAPであり得る吸収性材料の第2の層62を含んでもよい。吸収性コア28はまた、吸収性材料61、62の各層をそれぞれ対応する材料16又は16’に、少なくとも部分的に結合する繊維性の熱可塑性接着剤材料51を含み得る。一例として、これは
図7及び
図8に例示されているが、ここで、第1及び第2のSAP層は、横断ストライプつまり「ランド範囲」として適用されており、これらは、組み合される前に、それぞれの基材上の所望の吸収性材料堆積範囲と同じ幅を有するものである。ストライプ(複数)は、コア80の長手方向軸線に沿って所定の側断面秤量を提供するように、異なる量の吸収性材料(SAP)を含んでもよい。第1の材料16及び第2の材料16’はコアラップを形成し得る。
【0040】
繊維状の熱可塑性接着剤材料51は、ランド範囲において少なくとも部分的に吸収性材料61、62に接触してもよく、また接合範囲において少なくとも部分的に材料16、16’に接触してもよい。これによって、それ自体は本質的に、長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的薄い2次元構造である、熱可塑性接着剤材料51の繊維層に、本質的に3次元の構造が付与される。それにより、繊維状の熱可塑性接着剤材料は、ランド範囲において吸収性材料を被覆するキャビティを提供でき、それにより、SAPが100%又はそれ未満であり得るこの吸収性材料を動かないようにする。
【0041】
繊維層に使用される熱可塑性接着剤は、エラストマー特性を有してもよく、これにより、SAPが膨潤するにつれてSAP層上に繊維により形成されたウェブが延伸することができる。これらの種類のエラストマーホットメルト接着剤は、1988年3月15日出願の米国特許第4,731,066号(Korpman)に、より詳細に記載されている。熱可塑性接着剤材料は、繊維として塗布されてもよい。
【0042】
超吸収性ポリマー(SAP)
本明細書で使用される「超吸収性ポリマー」(「SAP」)は、遠心分離保水容量(CRC)試験(EDANA法WSP 241.2-05E)を使用して測定したとき、0.9%生理食塩水溶液を、重量の少なくとも10倍吸収可能な架橋ポリマー材料である吸収性材料を指す。使用されるSAPは、20g/g超、24g/g超、20~50g/g、20~40g/g、又は24~30g/gのCRC値を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1g/gの増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。本開示で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収できる種々の水膨潤性ポリマーを挙げることができる。
【0043】
超吸収性ポリマーは、乾燥状態において流動性があるように、粒子形態であってもよい。粒子状吸収性ポリマー材料は、ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーから形成され得る。しかしながら、澱粉系の粒子状吸収性ポリマー材料も使用でき、更に、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、及びポリアクリロニトリルの澱粉グラフトコポリマーも使用できる。
【0044】
SAPは多くの形状であり得る。用語「粒子」は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、並びに超吸収性ポリマー粒子の、当業者に既知の他の形状及び形態を指す。SAP粒子は、繊維の形状、すなわち細長い針状の超吸収性ポリマー粒子であってもよい。また、繊維は、織られている長いフィラメントの形態であってもよい。SAPは、球状粒子であってもよい。吸収性コアは、1種以上のSAPを含み得る。
【0045】
大部分の吸収性物品の場合、着用者からの液体放出は、特におむつの場合、主に吸収性物品の前半部にて生じる。物品の前半部(前縁部と、前側腰部縁部10又は後側腰部縁部12からLの半分の距離に位置する横断線と、の間の領域によって定義される)はしたがって、コアの吸収能力の大部分を備え得る。したがって、SAPの少なくとも60%、又はSAPの少なくとも65%、70%、75%、80%、若しくは85%が吸収性物品の前半部に存在し得る一方、残りのSAPは吸収性物品の後半部に配設されてもよい。あるいは、SAPの分配は、コアを通して一定でなくてもよいか、又は他の適した分配を有し得る。
【0046】
吸収性コアに存在するSAPの合計量はまた、想定されるユーザーに応じて変動してもよい。新生児用のおむつは、乳児用、小児用、又は成人失禁用おむつほどSAPが必要でない場合がある。コア中のSAPの量は、約5~60g又は5~50gであってもよく、特定した範囲内の全ての0.1μmの増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。SAPの堆積範囲8(又は複数存在する場合は「少なくとも1つの」)内の平均SAP坪量は、少なくとも50g/m2、100g/m2、200g/m2、300g/m2、400g/m2、500g/m2、又はそれ以上であり得る。この平均坪量を算出するために、吸収性材料の堆積範囲8に存在するチャネルの範囲(例えば、26、26’、27、27’)は吸収性材料の堆積面積から推定される。
【0047】
コアラップ
コアラップは、吸収性材料の周りで折り重ねられた単一の基材、材料、若しくは不織布から作製されてもよく、又は互いに付着される2つ(又はそれ以上)の基材、材料、若しくは不織布を含んでもよい。典型的な取り付けは、いわゆるCラップ及び/又はサンドイッチラップである。Cラップにおいて、例えば、
図2及び
図7に示すように、一方の基材の長手縁部及び/又は横断縁部が他方の基材に折り重ねられて、フラップを形成する。これらのフラップは次いで、典型的には糊剤接着によって、他方の基材の外部表面に結合される。
【0048】
コアラップは、吸収性材料を受容及び包含するのに好適な任意の材料によって形成され得る。従来のコアを生産するのに使用される典型的な基材材料、特に紙、ティッシュ、フィルム、織布若しくは不織布、又はこれらのいずれかの積層体又は複合体を用いることができる。
【0049】
基材はまた、空気透過性(液体又は流体透過性であることに加えて)であってもよい。したがって、本明細書において有用なフィルムは、微小孔を含み得る。
【0050】
コアラップは、コアから漏出する吸収性材料が実質的にないように、吸収性コアの全側部に沿って、少なくとも部分的に封止され得る。「吸収性材料が実質的にない」は、コアラップから漏出する吸収性材料が5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は約0重量%であることを意味する。「封止」という用語は、広義に理解されるべきである。コアラップの縁部全体に沿って封止は、連続的である必要はないが、線上に離間配置された一連の封止点によって形成されるなど、コアラップの部分又は全体に沿って不連続であってもよい。封止は、糊剤接着及び/又は熱結合によって形成され得る。
【0051】
コアラップが2つの基材16、16’によって形成される場合は、4つの封止を使用して、吸収性材料60をコアラップ内に封入し得る。例えば、第1の基材16は、コアの一面に(図では上面として示される)配置されていてもよく、コアの反対の底面を少なくとも部分的に包み込むようにコアの長手方向の縁部の周りに延在する。第2の基材16’は、第1の基材16の包み込まれたフラップと吸収性材料60との間に存在してもよい。強力な封止をもたらすために、第1の基材16のフラップを第2の基材16’に糊剤接着してもよい。このいわゆるCラップ構造は、サンドイッチ封止と比較して、湿潤負荷状態(wet loaded state)での耐破裂性を向上させるなどの利益を提供することができる。コアラップの前側及び後側も、その後、第1の基材及び第2の基材を互いに糊剤接着することによって封止されてもよく、コアの周辺部の全体にわたる吸収性材料の完全な封入をもたらし得る。コアの前側及び後側については、第1の基材及び第2の基材が延在し、及び実質的に平面の方向で共に接合され得ることで、これらの縁部に対していわゆるサンドイッチ構成体を形成し得る。いわゆるサンドイッチ構成体では、第1の基材及び第2の基材はまた、コアの全側部上で外向きに延在することができ、また、典型的には糊剤接着及び/又は熱/圧力結合によって、コアの周辺部の全体又は部分に沿って平坦に又は実質的に平坦に封止され得る。一例において、第1の基材及び第2の基材のどちらも特定の形状を有する必要がないため、製造を簡易にするため矩形に切断されてもよいが、その他の形状も本開示の範囲内である。
【0052】
また、コアラップは、小包ラップにおいて見られるように吸収性材料を封入し得、及びコアの前側及び後側並びに一方の長手方向封止部に沿って封止され得る単一の基材によって形成されてもよい。
【0053】
SAP堆積範囲
吸収性コアの上面から見られるように、吸収性材料の堆積範囲8は、コアラップ内の吸収性材料60によって形成される層の外周によって画定され得る。吸収性材料の堆積範囲8は、様々な形状、特に、いわゆる「犬の骨」又は「アワーグラス」形状を有してもよく、この形状は、コアの中央又は「股部」領域に向かうその幅に沿って先細りしていることが示されている。このように、吸収性材料の堆積範囲8は、
図1に示すように、吸収性物品の股部領域内に置かれるように意図されたコアの範囲において、比較的狭い幅を有し得る。これにより、更に良好な着用感がもたらされ得る。また、吸収性材料堆積範囲8は、例えば、
図4~
図6に示す通り、略矩形であってもよいが、「T」、「Y」「砂時計」、は「犬の骨」形状など他の堆積範囲も、本開示の範囲内である。吸収性材料は、比較的高速でSAPを比較的正確に堆積させ得る任意の好適な技術を使用して堆積させることができる。
【0054】
チャネル
吸収性材料の堆積範囲8は、少なくとも1つのチャネル26を備えてもよく、物品80の長手方向(すなわち、長手方向ベクター要素を有する)に少なくとも部分的に配向されている。他のチャネルは、少なくとも一部横方向(すなわち、側部ベクトル要素を有する)又は任意の他の方向に配向されてもよい。以下で複数形の「チャネル(channels)」は、「少なくとも1つのチャネル」を意味するために用いられる。チャネルは、物品の長手軸80上に突き出る、物品の長さLの少なくとも10%である長さL’を有してもよい。チャネルは、様々な方式で形成され得る。例えば、チャネルは、吸収性材料、特にSAPを実質的に含有しない又は含有しないものとなり得る吸収性材料堆積範囲8内のゾーンによって形成されてもよい。それに加えてあるいはそれに代わって、チャネル(1つ又は複数)はまた、吸収性材料の堆積範囲8を介して、コアラップの上面をコアラップの底面に連続的に又は不連続的に結合することによって形成されてもよい。チャネルは連続的であってよいが、チャネルが断続的であり得ることも考えられる。獲得-分配システム若しくは層50、又は物品の別の層がまたチャネルを含んでよく、そのチャネルは、吸収性コアのチャネルと対応していても、対応していなくてもよい。
【0055】
いくつかの場合、長手方向に延在する2つのチャネル26、26’を有する
図1に示すように、チャネルは吸収性物品の股部ポイントC又は横方向軸線60と少なくとも同じ長手方向の高さに存在し得る。チャネルはまた、股部領域7から延在してもよく、又は物品の前側腰部領域5及び/若しくは後側腰部領域6に存在してもよい。
【0056】
吸収性コア28はまた、2つ超のチャネル、例えば少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つ以上のチャネルを含んでもよい。短いチャネルも、
図1の一対のチャネル27、27’によって表される通り、物品の前側に向かって、例えば、コアの後側腰部領域6又は前側腰部領域5内に存在し得る。チャネルは、長手方向軸線80に対して対称的に配置されたか、又は別の方法にて配置された一対又は複数対のチャネルを含んでもよい。
【0057】
チャネルは、吸収性材料の堆積範囲が矩形である場合、チャネルが非矩形(形状)のコアを使う利点が少なくなるまでコアの可撓性を向上させ得るため、吸収性コア内において特に有用であり得る。無論、チャネルは、ある形状を有する堆積範囲を有するSAPの層にも存在してもよい。
【0058】
チャネルは、完全に長手方向に配向され、長手方向軸線に平行であってもよく、又は完全に横断方向に配向され、横方向軸線に平行であってもよいが、湾曲した少なくとも一部分も有してもよい。
【0059】
流体漏出の危険性を低減するために、長手方向の主要チャネルは、吸収性材料の堆積範囲8の縁部のいずれかに達するまでは延在していなくてもよく、また、このため、コアの吸収性材料の堆積範囲8内に完全に包囲されてもよい。チャネルと吸収性材料の堆積範囲8の最も近い縁部との間の最小距離は、少なくとも5mmであってよい。
【0060】
チャネルは、それらの長さの少なくとも一部に沿って幅Wcを有し得るが、この幅Wcは、例えば、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、最大で例えば20mm、16mm、又は12mmである。チャネル(1つ又は複数)の幅は、実質的にチャネルの全長にわたって一定であってもよく、又はその長さに沿って変動してもよい。チャネルが、吸収性材料の堆積範囲8内の吸収性材料非含有ゾーンによって形成される場合、チャネルの幅は、材料非含有ゾーンの幅であると見なされ、チャネル内にコアラップが存在する可能性は無視される。チャネルが吸収性材料非存在ゾーンによって形成されるのではなく、例えば主として、吸収性材料ゾーンを通じたコアラップの結合によって形成される場合、チャネルの幅はこの結合部の幅となる。
【0061】
チャネルの少なくとも一部又は全てが耐久性チャネルであってもよく、それの意味するところは、それらの一体性が、乾燥状態及び湿潤状態の両方で少なくとも部分的に保たれるということである。耐久性チャネルは、例えば、接着材料の繊維性層、又はチャネルの壁内の吸収性材料と基材との粘着を補助する構成糊剤など、1つ又は複数の接着材料を提供することにより得られてもよい。耐久性チャネルはまた、コアラップの上側と下側(例えば、第1の基材16と第2の基材16’)及び/又はトップシート24をバックシート25に、チャネルを介して互いに結合することによって形成されてもよい。典型的には、チャネルを介してコアラップの両側又はトップシート及びバックシートを結合するために接着剤が使用され得るが、圧力結合、超音波結合、熱結合、又はそれらの組み合わせなど、他の既知のプロセスによって結合され得る。コアラップ又はトップシート24及びバックシート25は、チャネルに沿って連続して結合され得るか、又は断続的に結合され得る。チャネルは有利にも、吸収性材料が流体で完全に充填されるとき、少なくともトップシート及び/又はバックシートを通じて依然として視認可能であるか、又は視認可能となり得る。これは、SAPを実質的に含まないチャネルを作製することによって得られ得る(SAPは膨張せず、湿潤したときに接近することのないほど十分な大きさであるので)。更に、チャネルによる、コアラップとそれ自体との結合又はトップシートとバックシートとの結合は、有利になり得る。
【0062】
バリアレッグカフ
吸収性物品は、一対のバリアレッグカフ34を備えてもよい。それぞれのバリアレッグカフは、物品に結合される一つの材料によって形成することができるため、吸収性物品の着用者対面表面から上方向に延在することができ、また、着用者の胴及び脚の接合部近位で流体及び他の身体排出物の改良された封じ込めをもたらすことができる。バリアレッグカフは、トップシート24及び/又はバックシート25に直接的に又は間接的に接合される近位縁64及び自由末端縁66とによって範囲を定められ、着用者の皮膚と接触し、封止を形成することが意図される。バリアレッグカフ34は、少なくとも部分的に、吸収性物品の前側腰部縁部10と後側腰部縁部12との間に長手方向軸80の反対側の側面に延在し、少なくとも、股部ポイント(C)又は股部領域のレベルで存在する。バリアレッグカフは、近位縁64で、糊剤接着、融合結合、又は他の適した結合プロセスの組み合わせによってなされ得る結合65によって物品のシャーシと接合され得る。近位縁部64での接着部65は、連続的又は断続的であってもよい。レッグカフの隆起区間に最も近い結合65は、レッグカフの立ち上がり区間の近位縁64の範囲を定める。
【0063】
バリアレッグカフは、トップシート24若しくはバックシート25と一体であるか、又は物品のシャーシに接合された別個の材料であってもよい。各バリアレッグカフ34は、より良好な封止を提供するように、自由末端縁66に近接して1つ、2つ、又はそれ以上の弾性ストリング35を含み得る。
【0064】
バリアレッグカフ34に加えて、物品は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート24及び/又はバックシート25に接合されたガスケットカフ32を含んでもよく、バリアレッグカフ34に対して外側に配置されてもよい。ガスケットカフ32は、着用者の大腿部の周りにより優れた封止をもたらすことができる。各ガスケットレッグカフは、脚部開口部範囲のトップシート24とバックシート25との間の吸収性物品のシャーシに1つ又は複数の弾性ストリング又は弾性要素33を含み得る。バリアレッグカフ及び/又はガスケットカフの全て又は一部は、ローション又は他のスキンケア組成物で処理してもよい。
【0065】
獲得-分配システム
本開示の吸収性物品は、獲得-分配層又はシステム50(「ADS」)を含んでもよい。ADSの1つの機能は、効率的な方式で流体の1つ以上を迅速に獲得し、それを吸収性コアに効率的に分配することである。ADSは、1つ、2つ、又はそれ以上の層を含んでもよく、それらの層は一体の層を形成してもよく、あるいは互いに付着され得る個別の層として残っていてもよい。一例において、ADSは2つの層、つまり、吸収性コアとトップシートとの間に配置される分配層54と獲得層52とを含み得るが、本開示は、そのように限定されない。
【0066】
ADSは流体の獲得及び分配を緩慢にし得るために、SAPを含み得る。好適なADSは、例えば、国際出願公開第2000/59430号(Daley)、同第95/10996号(Richards)、米国特許第5,700,254号(McDowall)、及び国際出願公開第02/067809号(Graef)に記載されている。
【0067】
一例において、ADSは設けられなくてもよく、又は例えば分配層のみ若しくは獲得層のみなど、ADSの層の1つのみが設けられてもよい。本開示の3次元液体透過性基材の1つがトップシートの一部若しくは全部として使用された場合、又はトップシート上に配置された場合、1つのみのADSの層が存在するか、又はADSの層が存在しないと液体透過性基材の乾燥性能が改善され得る。このことは、流体(例えば、尿)が液体透過性基材を通して吸収性コア28内及び/又ADSの1つの層内に直接逃れることが容易に可能であるという事実による。
【0068】
分配層
ADSの分配層は、少なくとも50重量%の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は捲縮されるか、撚り合わされるか、若しくはカールされてもよく、又は捲縮、撚り合わせ、及びカールを含むそれらの組み合わせであってもよい。この種類の材料は、米国特許出願公開第2008/0312622 A1号(Hundorf)に開示されている。架橋セルロース繊維は、製品パッケージ内の圧縮に対して、又は例えば、着用者の重量下での使用状況下において、第1の吸収性層に対して、高い復元力、及びそれ故高い耐性を付与する。これにより、コアに、高い空隙容積、透過性、及び液体吸収作用が付与されるので、漏れが減り、乾燥状態が改善され得る。
【0069】
本開示の架橋セルロース繊維を含む分配層は、他の繊維を含んでもよいが、この層は、有利にも、層の重量に対して、少なくとも50%、又は60%、又は70%、又は80%、又は90%、又は更には100%以下の架橋セルロース繊維(架橋剤を含む)を含んでもよい。このような架橋セルロース繊維の混合層の例は、約70重量%の化学架橋セルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)繊維、及び約20重量%の未処理のパルプ繊維を含み得る。別の例では、架橋セルロース繊維の層は、化学架橋セルロース繊維を約70重量%、リヨセル繊維を約20重量%、及びPET繊維を約10重量%含んでもよい。尚別の例では、層は、化学架橋セルロース繊維を約68重量%、未処理のパルプ繊維を約16重量%、及びPET繊維を約16重量%含んでもよい。更なる別の例では、架橋セルロース繊維の層は、化学架橋セルロース繊維を約90重量%~約100重量%含んでもよい。
【0070】
獲得層
ADS 50は、獲得層52を含んでもよい。獲得層は、分配層54とトップシート24との間に配設されてもよい。獲得層52は、スパンボンド、メルトブローン、及び更にスパンボンドされた層、又はそれとは代わりに、カーディングを施されたステープル繊維の化学接合された不織布を含む、親水性SMS若しくはSMMS材料など、不織布材料であってもよく、又はそれを含んでもよい。不織布材料は、ラテックス接着されてもよい。
【0071】
上述した第1の獲得層に加えて、更なる獲得層が使用されてもよい。例えば、ティッシュ層が、第1の獲得層と分配層との間に置かれてもよい。ティッシュは、上述した獲得層と比較して、毛管現象による分配特性を向上させ得る。
【0072】
締結システム
吸収性物品は締結システムを含んでもよい。この締結システムは、テープ付きおむつでは典型的であるように、吸収性物品の周囲に横方向の張力を与えて、着用者において吸収性物品を保持するために使用され得る。トレーニングパンツ物品の腰部領域は既に結合されているので、この締結システムはこれらの物品の場合は必須ではない可能性がある。締結システムは、例えば、テープタブ、フックとループの締結要素、タブ及びスロットのような係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、及び/又は雌雄同体締結要素などの締結具を含んでよいが、他の適したいかなる締結機構もまた、本開示の範囲内である。通常、ランディング区域44は、締結具が取り外し可能に取り付けられるように、前側腰部領域5の衣類対面表面に設けられる。
【0073】
前側耳部及び後側耳部
吸収性物品は、前側耳部46及び後側耳部40を含んでよい。耳部は、サイドパネルとして、トップシート24及び/又はバックシート26から形成されるなど、シャーシの一体部分であってもよい。あるいは、
図1に表すように、耳部は、糊剤接着、熱エンボス加工、及び/又は圧力結合により付着される分離型要素であってもよい。後側耳部40は、ランディングゾーン44にタブ42の付着が簡易に行えて、かつ着用者の腰部周りにテープ付きおむつを適所に維持できるように伸縮可能であってもよい。また、後側耳部40は、最初に吸収性物品を着用者に対して適合するようにフィットさせ、こうした弾性のある耳部は、吸収性物品の側部を拡張及び収縮させることができるため、吸収性物品が流体又は他の身体排出物を含んだときに、相当後でも着用している間中このフィット感を維持することによって、より快適かつ体に巻き付くようなフィット感を提供するために、弾性又は伸長可能であってもよい。
【0074】
弾性腰部機構
吸収性物品はまた、改善したフィット性及び封じ込めを提供する上で役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構(図示せず)を含み得る。弾性腰部機構は、一般に、弾性的に伸縮して、着用者の腰部に動的にフィットするように意図される。この弾性腰部機構は、吸収性コア28の少なくとも一方の腰部縁部から少なくとも長手方向に外側に延在してもよく、吸収性物品の末端縁部の少なくとも一部を概ね形成する。使い捨ておむつは、2つの弾性腰部機構を有するように構成され得るが、一方は、前側腰部領域に配置され、他方は、後側腰部領域に配置される。
【0075】
各層同士の関係
典型的には、隣接する層及び構成要素は、層の表面の全体若しくは一部へのスロットコーティング若しくは吹き付けによる接着剤コーティング、又は熱結合、圧力結合、若しくはそれらの組み合わせなど、従来の結合法を用いて互いに接合され得る。この結合は、明確にかつ読みやすくするために、図には示されていないが(トップシート24とのレッグカフ65の隆起要素間の結合を除く)、物品の層同士の結合は、別段に除外されない限り、存在すると見なされるべきである。接着剤は、バックシート25とコアラップとの間で、種々の層の接着性を改善するために使用され得る。糊剤は、当該技術分野で既知の任意の適したホットメルト糊剤であってよい。
【0076】
生理用ナプキン
本開示の3次元基材は、生理用ナプキンのトップシートの一部を形成し、又はトップシートを形成し、又は2次トップシートの一部若しくは全部を形成し、又はトップシートの少なくとも一部上に配置され若しくは一部に接合されてもよい。
図9を参照すると、吸収性物品は、生理用ナプキン300を含んでもよい。生理用ナプキン300は、液体透過性トップシート314と、液体不透過性又は実質的に液体不透過性のバックシート316と、吸収性コア308と、を含み得る。吸収性コア308は、吸収性コア28に関して本明細書で説明する特徴部のいずれか又は全てを有し得、いくつかの形態では、先に開示した獲得-分配システムの代わりに2次トップシートを有し得る。また、生理用ナプキン300はまた、生理用ナプキン300の長手方向軸線380に対して外向きに延在する羽根320を含んでもよい。生理用ナプキン300はまた、横方向軸線390をも含み得る。羽根320は、トップシート314、バックシート316、及び/又は吸収性コア308に接合されていてもよい。生理用ナプキン300はまた、前縁部322と、前縁部322と長手方向で対向する後縁部324と、第1の側縁部326と、第1の側縁部326と長手方向で対向する第2の側縁部328と、を含み得る。長手方向軸線380は、前縁部322の中点から後縁部324の中点まで延在し得る。横軸390は、第1の側縁部326の中点から第2の側縁部328の中点まで延在し得る。生理用ナプキン300は、当該技術分野において一般に既知の通り、例えば2次トップシート319などの、生理用ナプキンに一般的に見出される追加の特徴部を備えてもよい。
【0077】
3次元基材
本開示の3次元液体透過性基材は、第1のz方向の高さを有する第1の要素(例えば、突出部)と、第2のz方向の高さを有する少なくとも第2の要素(例えば、ランド範囲)と、を有する基材を含んでもよい。基材はまた、複数の孔を有してもよい。基材はまた、少なくとも第3のz方向の高さを有する少なくとも第3の要素を有してもよい。このような構造に起因して、流体は、着用者の皮膚から離れるように急速に移動し、主に第1のz方向の高さを有する第1の要素を着用者の皮膚と接触した状態で残留させることにより、着用者はより乾燥した感触を受けることができる。流体は、重力を介して又は毛細管勾配を介して、第2のz方向の高さを有する第2の要素内に、及び/又は孔内に若しくは孔を通して流れ、それにより吸収性物品中に吸収され得る。本開示の3次元基材を提供することによって、流体/皮膚接触と、流体がi着用者の皮膚と接触する時間とが低減され得る。更に、第1のz方向の高さを有する第1の要素は、流体が吸収性物品中に吸収されている間、流体と、着用者の皮膚との間のスペーサとして機能することができる。
【0078】
図10~13を参照すると、3次元液体透過性基材400(本明細書では、3次元基材又は液体透過性基材の両方で称される)は、吸収性物品402上に図示されている。
図10は、着用者対面表面が見る人の方に向いている、吸収性物品402の平面図である。
図11は、着用者対面表面が見る人の方に向いている、吸収性物品402の斜視図である。
図12は、着用者対面表面が見る人の方に向いている、吸収性物品上の液体透過性基材400の一部の平面図である。
図13は、着用者対面表面が見る人の方に向いている、吸収性物品402上の液体透過性基材400の一部の別の平面図である。
【0079】
一形態において、本明細書に記載した液体透過性基材400、又は他の液体透過性基材は、吸収性物品402のトップシート上に配置され及び/又はトップシートに接合されたパッチ又はストリップを含んでもよい。パッチ又はストリップは、トップシートに結合され、トップシートに接着剤で取り付けられ、トップシートに冷間溶接され、トップシートに超音波結合され、及び/又は別様にトップシートに接合されていてもよい。あるいは、本開示の液体透過性基材は、トップシート(例えば、トップシート24)を含み、又はトップシートの全部を形成し、又はトップシートの一部を形成してもよい。また、トップシート24は、本開示の液体透過性基材のうちの1つ以上のみからなっていてもよい。任意の様々な構成において、本開示の液体透過性基材は、吸収性物品の着用者対面表面の少なくとも一部を形成し、少なくとも部分的に着用者の皮膚と接触することが意図されている。
【0080】
図14~16を参照すると、液体透過性基材400、又は本明細書に記載した他の液体透過性基材は、トップシート24に接合されたパッチ又はストリップ形態にあり、横断機械方向の幅W1を有してもよく、一方、トップシート24は、横断機械方向の幅W2を有してもよい。W1は、幅W2よりも小さく、又は幅W2と同一であり、又は幅W2と実質的に同一であり、又は幅W2よりも大きくてもよい(図示されず)。幅W1はまた、液体透過性基材の長手方向の長さを通して変動し又は一定であってもよい。
図14~16を尚参照すると、パッチ又はストリップ形態の液体透過性基材400、又は本明細書に記載した他の液体透過性基材は、機械方向の長さL1を有してもよく、一方、トップシート24は、機械方向の長さL2を有してもよい。L1は、長さL2よりも短く、又は長さL2と同一であり、又は長さL2と実質的に同一であり、又は長さL2よりも長くてもよい(図示されず)。長さL1は、液体透過性基材の幅W1を横切って変動し又は一定であってもよい。
図14~16に図示されていないが、トップシート24及び液体透過性基材の長さ及び幅は、同一又は実質的に同一であってもよい。
【0081】
液体透過性基材400のパッチ又はストリップは
図14~16で矩形として図示されているが、本開示の液体透過性基材はまた、前方/後方プロファイル形状(即ち、前方がより広く、後方がより広く、及び/又は股部がより狭い)、正方形、卵形、又は他の好適な形状などの任意の他の好適な形状を有してもよい。液体透過性基材400の側縁部404及び/又は末端縁部406は、それらから切り取られた1つ以上の弓形部分、デザイン、及び/又は形状を有して、液体透過性基材400に美的に心地よい外観を提供してもよい。一方の側縁部404は、トップシート24の長手方向軸線408に関して、他方の側縁部404と対称又は非対称であってもよい。同様に、一方の末端縁部406は、トップシート24の横方向軸線410に関して、他方の側縁部406と対称又は非対称であってもよい。
【0082】
液体透過性基材400は、1つ以上の層を含んでもよい。1つを超える層が設けられる場合、層は、機械的結合、接着剤結合、圧力結合、熱結合、両方の層を通して加熱気体を通過させること、又は接合して多層基材400を形成する他の方法により、一緒に接合され若しくは互いに取り付けられてもよい。あるいは、層は、第1のタイプ及び第2のタイプのステープル繊維のための第1及び第2のカーディング操作などの、続く繊維横たえ工程、又は添加物を含む高分子フィラメントの、2つの続くスパンレイ(spunlaying)のビームにて形成される。第1の層は、1つ以上の疎水性材料を含んでもよく、又は完全に疎水性であってもよく、第2の層は、1つ以上の親水性材料を含んでもよく、又は完全に親水性であってもよい。一方の層が疎水性材料を含み、他方の層が親水性材料を含むことに代わって、一方の層が、他方の層を構成する材料よりも疎水性又は親水性が高い材料を含んでもよい(例えば、両方の層が親水性であるが、一方の層がより親水性が高く、又は両方の層が疎水性であるが、一方の層がより疎水性が高い)。第1の層は、疎水性層を含んでもよく、第2の層は、親水性層を含んでもよく、又はその逆であってもよい。第1の層は、吸収性物品の着用者対面表面の一部又は全部として使用されてもよい。あるいは、第2の層が、吸収性物品の着用者対面表面の一部又は全部として使用されてもよい。
【0083】
第1の層(即ち、着用者対面層)が疎水性材料からなることの根本的理由は、2要素からなることである。第1に、液体透過性基材が有孔の場合、疎水性層は親水性の第2の層ほど液体を保持しないため、着用者の皮膚と直接接触する流体(例えば、尿)は比較的少ないであろう。第2に、第1の層及び第2の層内の突出部(下記に記載)は、一般に、液体透過性基材の衣類対面側上にADS又はコアと直接接触しない中空部分又はアーチを形成し、したがって流体は中空アーチ内に捕捉され得る。ADS又はコアに対する中空アーチの良好な接続性がない場合、液体透過性基材はより多量の流体を保持し、着用者はよりぬれた感触を有し得る。しかしながら、疎水性の第1の層を有する場合、中空アーチ内に逃れる任意の液体は、殆どが衣類対面、又は液体透過性基材の下方に向いた親水性側上に存在し、それにより第1の疎水性層をより乾燥した状態で残留させる。原則的に、このことは、第1の層から第2の層への親水性又は毛細管勾配(例えば、同一の親水性特性(即ち、液体との接触角)を有する第2の層中のより微細な繊維)により達成することができる。基材内の孔は、第1の疎水性層にもかかわらず、初期の及び急速な流体の流れ(染み通り(strike-through))を可能にする重要な役割を果たし得る。したがって、第1の疎水性層は、突起、中空アーチ、及び孔と協力して働いて、液体透過性基材の着用者対面表面上の湿潤を低減する。別の場合では、第2の層は、着用者対面表面の一部として使用されてもよい。
【0084】
第1の層は、複数の第1の繊維及び/又はフィラメント(本明細書で以後、繊維と称する)を含んでもよい。複数の第1の繊維は、同一の、又は実質的に同一の、又は異なるサイズ、形状、組成、デニール、繊維直径、繊維の長さ、及び/又は重量の繊維を含んでもよい。第2の層は、複数の第2の繊維を含んでもよい。複数の第2の繊維は、同一の、又は実質的に同一の、又は異なるサイズ、形状、組成、デニール、繊維の直径、繊維の長さ、及び/又は重量の繊維を含んでもよい。複数の第1の繊維は、複数の第2の繊維と同一、又は実質的に同一、又は異なっていてもよい。追加の層は、同一又は異なる構成を有してもよい。
【0085】
第1の層及び/又は第2の層は、シース及びコアを有する2成分繊維を含んでもよい。シースはポリエチレンを含んでもよく、コアはポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでもよい。シース及びコアは、当該技術分野において既知の任意の他の好適な材料も含み得る。シース及びコアは、それぞれ、繊維の重量に基づいて繊維の約50%を構成してもよいが、他の変更物(例えば、シース60%、コア40%;シース30%、コア70%など)も本発明の範囲内に含まれる。第1の層及び/又は第2の層を構成している2成分繊維又は他の繊維は、約0.5~約6、約0.75~約4、約1.0~約4、約1.5~約4、約1.5~約3、約1.5~約2.5の範囲内、又は約2のデニールを有してもよく、特定した範囲内の全ての0.1デニールの増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に含む。デニールは、9000メートルの繊維の長さ当たりの質量(単位グラム)として定義される。別の場合では、第1の層の繊維のデニールは、約1.5デニール~約6デニール又は約2デニール~約4デニールの範囲内であってもよく、第2の層の繊維のデニールは、約1.2デニール~約3デニール又は約1.5デニール~約3デニールの範囲内であってもよく、特定した範囲内の全ての0.1デニールの増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。特定の場合、第1の層の繊維は、特定の吸収性物品中で使用されている特定の獲得及び/又は分配システムに少なくとも部分的に応じて、第2の層の繊維のデニールよりも少なくとも0.5デニール、少なくとも1デニール、少なくとも1.5デニール、又は少なくとも2デニール大きくてもよい。第2の層の繊維のデニールよりも大きいデニールを有する第1の層の繊維を提供することにより、液体透過性基材中に細孔勾配が設けられる。この細孔勾配は、より良好な乾燥状態、及び/又は液体透過性基材中の獲得を提供することができる。第1の層中のより大きいデニールを有する繊維は、第2の層中のより小さいデニールを有する繊維よりも大きい細孔を提供し、それにより層の間に細孔勾配をもたらす。
【0086】
複数の第1の繊維及び第2の繊維はまた、例えば、ポリ乳酸、熱可塑性澱粉含有持続性樹脂、他の持続性樹脂、バイオ-PE、バイオ-PP、及びバイオ-PET、ビスコース繊維、レーヨン繊維、又は他の好適な不織布繊維などの、PET以外の、ポリプロピレン繊維、他のポリオレフィン、他のポリエステルなどの任意の他の好適なタイプの繊維を含んでもよい。これらの繊維は、任意の好適なデニール若しくはデニール範囲、及び/又は繊維の長さ若しくは繊維の長さ範囲を有してもよい。複数の第1の繊維及び第2の繊維が同一又は実質的に同一である場合、複数の第2の繊維は、界面活性剤などの親水性薬剤で処理されて、複数の第2の繊維を親水性、又は少なくとも、より低い疎水性としてもよい。複数の第1の繊維は、それらの天然の疎水性状態に留まるように、界面活性剤で処理されなくてもよく、又は複数の第1の繊維は、界面活性剤で処理されて、疎水性が低下されてもよい。
【0087】
第1の層は、約10gsm~約25gsmの範囲の坪量を有してもよい。第2の層は、約10gsm~約45gsmの範囲の坪量を有してもよい。基材(第1の層及び第2の層の両方)の坪量は、例えば、約20gsm~約70gsm、約20gsm~約60gsm、約25gsm~約50gsm、約30gsm~約40gsmの範囲、約30gsm、約35gsm、又は約40gsmであってもよい。
【0088】
一形態では、基材の坪量は、約30gsm~約40gsm又は約35gsmであってもよい。そのような例では、第1の層は、約10gsm~約20gsmの範囲内、又は約15gsmの坪量を有してもよく、第2の層は、約15gsm~約25gsmの範囲内、又は約20gsmの坪量を有してもよい。別の例では、基材の坪量は、約20gsmであってもよい。そのような例では、第1の層は、約10gsmの坪量を有してもよく、第2の層は、約10gsmの坪量を有してもよい。尚別の例では、基材の坪量は、約60gsmであってもよい。そのような例では、第1の層は、約24gsmの坪量を有してもよく、第2の層は、36gsmの坪量を有してもよい。第1の層及び第2の層、並びに基材に関する全ての他の好適な坪量範囲は、本開示の範囲内に含まれる。したがって、層及び基材の坪量は、特定の製品の必要条件のために設計されてもよい。
【0089】
上記に特定した坪量の範囲内の全ての0.1gsmの増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を本明細書に明確に列挙する。
【0090】
いくつかの場合、第2の層と比較して第1の層がより大きい坪量を有することが望ましい可能性がある。例えば、第1の層の坪量は、第2の層の坪量の少なくとも約1~約4倍、少なくとも約1~約3.5倍、約1.5~約3倍、約1.5倍間~約3倍、約2倍、約2.5倍間、又は約3倍であってもよい。いくつかの場合、例えば、第1の層の坪量は、約20gsm~約30gsmの範囲内であってもよく、第2の層の坪量は、約10gsm~約20gsmの範囲内であってもよい。上記に特定した坪量の範囲内の全ての0.1gsmの増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を本明細書に明確に列挙する。第1の層(疎水性)に第2の層(親水性)よりも大きい坪量を提供することにより、親水性材料よりも多量の疎水性材料が液体透過性基材中に提供される。情報及び確信に基づいて、液体透過性基材中の、より多量の疎水性材料と、より少量の親水性材料とによって、より良好な獲得及び/又は乾燥が提供される。親水性層の表面張力は、液体透過性基材が1つ以上の流出物を受容した後、少なくとも親水性層(第2の層)が疎水性層(第1の層)を汚染する(また疎水性層をより親水性とする)ことを阻害するまで低減されてもよい。
【0091】
本開示の液体透過性基材はまた、バックシート25の少なくとも一部に接合される外側カバー23の一部又は全部を形成してもよい。別の場合では、外側カバー23は、本開示の液体透過性基材に外観が同一、又は類似したパターン(例えば、エンボス加工パターン、印刷パターン)及び/又は3次元構造を含んでもよい。一般に、着用者対面表面上の液体透過性基材の少なくとも一部の外観は、外側カバー23又は吸収性物品の他の部分と少なくとも一部に一致し、又は実質的に一致してもよい。
【0092】
図17は、3次元液体透過性基材の、見る人の方に向いた着用者対面表面の一部の正面図である。
図18は、
図17の3次元液体透過性基材の一部の正面斜視図である。
図19は、3次元液体透過性基材の、見る人の方に向いた着用者対面表面の一部の別の正面図である。
図20は、
図19の液体透過性基材の一部の正面斜視図である。
図21は、3次元液体透過性基材の、見る人の方に向いた着用者対面表面の一部の背面図である。
図22は、
図21の3次元液体透過性基材の一部の背面斜視図である。
図23は、3次元液体透過性基材の、見る人の方に向いた着用者対面表面の一部の別の背面図である。
図24は、
図23の液体透過性基材の一部の背面斜視図である。
図25は、液体透過性基材の断面図である。
【0093】
概して
図17~25を参照すると、液体透過性基材400は、第1の層及び第2の層、又は2つを超える層若しくは1つの層を含んでもよい。基材400は、複数のランド範囲412、複数の凹部414、及び複数の突出部416を含んでもよい。上述したように、複数の突出部416は、第1のz方向の高さを有する第1の要素を形成してもよく、ランド範囲412は、第2のz方向の高さを有する第2の要素を形成してもよい。複数のランド範囲412、複数の凹部414、及び複数の突出部416は、共に、基材400の第1の側面418上に第1の3次元表面を形成してもよい。複数のランド範囲412、複数の凹部414、及び複数の突出部416はまた、基材400の第2の側面420上に第2の3次元表面を形成してもよい。突出部416は、液体透過性基材400の着用者対面表面上で略ドーム形状であってもよく、基材400の衣類対面表面上で中空アーチ形状であってもよい。凹部414の全部又は大部分(即ち、50%超、又は75%超)、又は実質的に全部は、隣接する突出部416の上部ピーク425から最も遠位の位置において、その中に孔422を画定してもよい。孔422の大部分又は全部の周辺部423は、基材400の最も深い部分又は平面を形成してもよい一方、突出部416の大部分又は全部の上部ピーク425(即ち、最も高い部分)は、基材400の最高部分又は平面を形成してもよい。別の場合では、基材は、凹部414内に孔を有さなくてもよく、突出部416の上部ピーク425から最も遠位の、凹部414の部分は、基材400の最も低い部分又は平面を形成してもよい。孔422は、基材400の第1の層及び第2の層を通して延在してもよい。
【0094】
ランド範囲412は、(1)隣接する突出部416と、(2)隣接する凹部414及び/又は隣接する孔422と、の間に配置されてもよい。ランド範囲412はまた、凹部414及び/又は孔の大部分又は全部の少なくとも一部又は全部、並びに突出部416の少なくとも大部分又は全部を包囲してもよい。ランド範囲412は、孔422の少なくとも大部分の周辺部の平面と、突出部416の上部ピーク425の少なくとも大部分の平面との間に位置してもよい。
【0095】
突出部416は、液体透過性基材400の横方向軸線424と略平行な方向において、凹部414及び/又は孔422と交互に配置されてもよい。横方向軸線424は、
図14~16に図示した横方向軸線410と略平行である。突出部416はまた、液体透過性基材400の長手方向軸線426と略平行な方向において、凹部414及び/又は孔422と交互に配置されてもよい。長手方向軸線426は、
図14~16に図示した長手方向軸線408と略平行である。そのような構成では、横方向軸線424と略平行な方向において、又は長手方向軸線426と略平行な方向において、突出部416と凹部414及び/又は孔422とは、交互に配置される(即ち、突出部、凹部及び/又は孔、突出部、凹部及び/又は孔)。この特徴は、隣接する凹部414及び/又は孔422の殆ど又は全部の間に柔らかい突出部ピーク425が存在することで、基材400により良好な柔らかさを提供する。この特徴はまた、突出部416が本質的に皮膚と流体との間のスペーサを形成するため、着用者の皮膚をランド範囲412及び/又は凹部414内の流体から離して維持することを助ける。
【0096】
2つ以上の隣接する突出部416は、横方向軸線424に略平行な方向、又は長手方向軸線426に略平行な方向において、凹部414及び/又は孔422、並びに1つ以上のランド範囲412によって互いに分離されていてもよい。2つ以上の隣接する凹部414及び/又は孔422は、横方向軸線424に略平行な方向、又は長手方向軸線426に略平行な方向において、突出部416及び1つ以上のランド範囲412よって分離されていてもよい。ランド範囲412は、孔422及び突出部416を完全に包囲してもよい。ランド範囲412は、一緒になって、基材400を通して概ね連続するグリッドを形成してもよい一方、突出部416及び凹部414及び/又は孔422は、基材を通して別個の要素であってもよい。
【0097】
いくつかの場合、2つ以上の、例えば4つの突出部416は、凹部414及び/又は孔422の少なくとも大部分、実質的に全部、又は全部の周囲に配置されてもよい(これは突出部416と凹部414及び/又は孔422との間のランド範囲412は含まない)。2つ以上の、例えば4つの凹部414及び/又は孔422は、突出部416の少なくとも大部分、実質的に全部、又は全部の周囲に配置されてもよい(これは凹部414及び/又は孔422と突出部416との間のランド範囲412は含まない)。突出部416、凹部414、孔422、及びランド範囲422は全て、基材の第1の層及び第2の層の部分から形成されてもよい。基材に2つを超える層が設けられる場合、突出部416、凹部414、孔422、及びランド範囲422は全て、基材の第1の層、第2の層、及び第3の層の部分から形成されてもよい。特定の基材中に3つを超える層が設けられる場合も同じであり得る。別の場合では、ランド範囲422は、第1の層内のみに形成されてもよい。
【0098】
孔422及び/又は凹部414は、共に基材400内に第1の線を形成する、孔及び/又は凹部414の第1の組と、共に基材400内に第2の線を形成する、孔422及び/又は凹部414の第2の組と、を含んでもよい。第1の線は、第2の線と略平行であり又は第2の線に略直交してもよい。第1の線はまた、第2の線と鋭角又は鈍角を形成してもよい。突出部416は、基材400に第1の線を共に形成する、突出部416の第1の組と、基材400に第2の線を共に形成する、突出部416の第2の組と、を含んでもよい。第1の線は、第2の線と略平行であり又は第2の線に略直交してもよい。第1の線はまた、第2の線と鋭角又は鈍角を形成してもよい。
【0099】
基材400は、横方向軸線424に関して略対称的であり、及び/又は長手方向軸線426に関して略対称的であってもよい。別の場合では、基材は、横方向軸線424及び/又は長手方向軸線426に関して対称的でなくてもよい。
【0100】
一形態において、基材400は、横方向軸線424に平行な方向に延在する、交互する孔422及び突出部416を含む第1の線と、横方向軸線424に略平行な方向に延在する、交互する孔422及び突出部416を含む第2の隣接する線と、を含んでもよい。線は、孔422及び突出部416の中心を通って延びるであろう。例えば、
図17、線A及びBを参照されたい。線Cが長手方向軸線426に略平行な方向に引かれ、線A及びBと交差する場合、孔422は線A及びCの交差点に位置し、突出部416は、線B及びCの交差点に位置するであろう。
図18に図示するように、線A及びBが長手方向軸線426に平行な方向に引かれ、線Cが横方向軸線424に略平行な方向に引かれた場合も同じである。線が異なる位置に引かれた場合、線A及びCの交差点は、突出部416を有してもよく、線B及びCの交差点は、孔422を有してもよい。重要な点は、孔の列と、突出部の列とがジグザグ配列であることである。孔及び突出部をこの方法でジグザグ配列することにより、柔らかい突出部又は突出部頂上が2つの孔の間に存在するため、基材400の着用者対面表面に、より良好な柔らかさを達成することができる。
【0101】
3次元基材のパラメータ
突出部416の全部又は大部分は、約300μm~約6000μm、約500μm~約5000μm、約500μm~約4000μm、約300μm~約3000μm、約500μm~約3000μm、約500μm~約2000μm、約750μm~約1500μm、約800μm~約1400μm、約900μm~約1300μm、約1000μm~約1300μm、約1100μm~約1200μmの範囲内、約1165、約1166、約1167、又は約1150μm~約1200μmのz方向の高さを有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての1μm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。突出部416のz方向の高さは、本明細書に記載した突出部高さ試験に従って測定される。
【0102】
凹部414の全部又は大部分は、約200μm~約3000μm、約300μm~約2000μm、約100μm~約2000μm、約500μm~約2000μm、約500μm~約1500μm、約700μm~約1300μm、約800μm~約1200μm、約900μm~約1100μm、約900μm~約1000μm、約970μm、又は約950μm~約1000μmの範囲内のz方向の高さを有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての1μm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。凹部416のz方向の高さは、本明細書に記載した凹部高さ試験に従って測定される。
【0103】
基材400、又はその一部は、約500μm~約6000μm、約750μm~約4000μm、約1000μm~約6000μm、約1500μm~約6000μm、約1000μm~約3000μm、約1500μm~約2500μm、約1750μm~約2300μm、約1900μm~約2300μm、約2000μm~約2300μm、約2100μm~約2250μmの範囲、約2136μm、又は約2135μmの全体的なz方向の高さを有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての1μm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。基材400、又はその一部の全体的なz方向の高さは、本明細書に記載した全体的な基材の高さ試験に従って測定される。
【0104】
孔422の大部分又は全部は、約0.4mm2~約10mm2、約0.5mm2~約8mm2、約0.5mm2~約3mm2、約0.5mm2~約4mm2、約0.5mm2~約5mm2、約0.7mm2~約6mm2、約0.7mm2~約3mm2、約0.8mm2~約2mm2、約0.9mm2~約1.4mm2の範囲、約1mm2、約1.1mm2、約1.2mm2、約1.23mm2、約1.3mm2、又は約1.4mm2の有効孔面積を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1mm2増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。孔の有効孔面積は、本明細書に記載した孔試験に従って測定される。
【0105】
孔422の大部分又は全部は、約0.5mm~約4mm、約0.8mm~約3mm、約1mm~約2mm、約1.2mm~約1.8mm、約1.4mm~約1.6mmの範囲内、約1.49、又は約1.5mmのフェレ径(孔の長さ)を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1mm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。孔のフェレ径は、本明細書に記載した孔試験に従って測定される。
【0106】
孔422の大部分又は全部は、約0.5mm~約4mm、約0.7mm~約3mm、約0.8mm~約2mm、約0.9mm~約1.3mm、約1mm~約1.2mmの範囲内、約1mm、約1.1mm、約1.11mm、約1.2mm、又は約1.3mmの最小フェレ径(孔の幅)を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1mm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。孔の最小フェレ径は、本明細書に記載した孔試験に従って測定される。
【0107】
孔422の大部分又は全部は、約0.3~約2.5、約0.5~約2、約0.8~約1.6、約1~約1.5、約1.1~約1.5の範囲内、約1.2、約1.3、約1.35、約1.4、又は約1.5の、最小フェレ径に対するフェレ径の比を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。フェレ径比は、孔のフェレ径を孔の最小フェレ径で除算することにより計算される。
【0108】
突出部を横切って測定される、隣接する孔の大部分又は全部の、横方向軸線中心-中心の平均孔間隔は、約2mm~約20mm、約2mm~約15mm、約3mm~約12mm、約3mm~約10mm、約3mm~約8mm、約3mm~約7mm、約4mm~約6mm、約5mm~約6mmの範囲内、約4mm、約4.8mm、約4.9mm、約5.0mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、又は約5.9mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、又は約10mmであり、上記に特定した範囲内の全ての0.1mm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。隣接する孔の横方向軸線中心-中心の平均間隔は、本明細書に記載した平均孔間隔試験(横方向軸線孔間隔)に従って測定される。
【0109】
突出部を横切って測定される、隣接する孔の大部分又は全部の、長手方向軸線中心-中心の平均孔間隔は、約2mm~約20mm、約2mm~約15mm、約3mm~約12mm、約3mm~約10mm、約3mm~約8mm、約3mm~約7mm、約4mm~約6mm、約5mm~約6mmの範囲内、約4mm、約4.8mm、約4.9mm、約5.0mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、又は約5.9mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、又は約10mmであり、上記に特定した範囲内の全ての0.1mm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。隣接する孔の長手方向軸線中心-中心の平均間隔は、本明細書に記載した平均孔間隔試験(長手方向軸線の孔間隔)に従って測定される。
【0110】
突出部416の大部分又は全部は、吸収性物品の横方向軸線に平行な方向で取って、約1,~約15mm、約1mm~約10mm、約1mm~約8mm、約1mm~約6mm、約1.5mm~約6mm、約2mm~約5mmの範囲内の最大断面直径を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1mm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。
【0111】
突出部416の大部分又は全部は、吸収性物品の長手方向軸線に平行な方向で取って、約1mm~約15mm、約1mm~約10mm、約1mm~約8mm、約1mm~約6mm、約1.5mm~約6mm、約2mm~約5mmの範囲内の最大断面直径を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1mm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。
【0112】
本開示の基材は、約1%~約50%、約1%~約40%、約3%~約35%、約5%~約25%、約5%~約20%、約6%~約18%、約5%~約15%の範囲内、約5%、約8%、約9%、約9.5%、約10%、約10.5%、約11%、又は約12%の%有効開放範囲を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1%増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。基材の%有効開放範囲は、本明細書に記載した孔試験に従って測定される。
【0113】
本開示の基材は、約1mm~約50mm、約1mm~約30mm、約2mm~約20mm、約2mm~約15mm、約2mm~約10mm、約3mm~約8mmの範囲内、約4mm、約5mm、約5.42mm、約6mm、又は約7mmの周辺部を有する孔を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1mm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。孔の周辺部は、本明細書に記載した孔試験に従って測定される。
【0114】
本開示の基材400の第1の側面418は、約2~約4.5、約2.5~約4、約3~約4、約3.1~約3.5の範囲内、約3.2、約3.3、約3.31、約3.35、約3.4、又は約3.5の幾何学的粗度値を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。本開示の基材400の第1の側面418の幾何学的粗度値は、本明細書に記載した記述的分析(Descriptive Analysis)粗度試験に従って測定される。本開示の基材400の第1の側面418は、約0.2~約0.4、約0.25~約0.35、約0.27~約0.31の範囲内、約0.27、約0.28、約0.29、約0.30、又は約0.31の摩擦係数値を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.01増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。本開示の基材400の第1の側面418の摩擦係数値は、本明細書に記載した記述的分析粗度試験に従って測定される。本開示の基材400の第1の側面418は、約0.010~約0.025、約0.015~約0.020の範囲内、約0.015、約0.016、約0.017、約0.018、又は約0.019のスリップスティック値を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.001増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。本開示の基材400の第1の側面418の摩擦係数値は、本明細書に記載した記述的分析粗度試験に従って測定される。
【0115】
本開示の基材400の第2の側面420は、約2~約4.0、約2.3~約3.5、約2.5~約3.3、約2.6~約3.1の範囲内、約2.6、約2.7、約2.8、約2.83、約2.9、又は約3.0の幾何学的粗度値を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.1増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。本開示の基材400の第2の側面420の幾何学的粗度値は、本明細書に記載した記述的分析粗度試験に従って測定される。本開示の基材400の第2の側面420は、約0.2~約0.4、約0.25~約0.35、約0.27~約0.31の範囲内、約0.27、約0.28、約0.29、約0.30、又は約0.31の摩擦係数値を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.01増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。本開示の基材400の第2の側面420の摩擦係数値は、本明細書に記載した記述的分析粗度試験に従って測定される。本開示の基材400の第2の側面420は、約0.010~約0.025、約0.011~約0.018の範囲内、約0.012、約0.013、約0.014、約0.015、又は約0.016のスリップスティック値を有してもよく、上記に特定した範囲内の全ての0.001増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。本開示の基材400の第2の側面420の摩擦係数値は、本明細書に記載した記述的分析粗度試験に従って測定される。
【0116】
比
%有効開放範囲に対する突出部の高さ(μm)の比は、約70~約160、約80~約150、約100~約145、約95~約150、約100~約140、約110~約130、約115~約130、約118~約125の範囲内、約120、約121、約122、約122.74、約123、又は約124であってもよく、特定した範囲内の全ての0.1増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。
【0117】
%有効開放範囲に対する全体的な基材高さ(μm)の比は、約125~約350、約150~約300、約175~約275、約200~約250、約215~約235、約220~約230の範囲内、又は約225であってもよく、特定した範囲内の全ての0.1増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。
【0118】
3次元基材の表面(例えば、第1又は第2;418又は420)の幾何学的粗度に対する突出部の高さ(μm)の比は、約250~約600、約300~約500、約325~約450、約325~約425の範囲内、約350、約352、約410、又は約412であってもよく、特定した範囲内の全ての0.1増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。
【0119】
3次元基材の表面(例えば、第1又は第2;418又は420)の幾何学的粗度に対する全体的な基材高さ(μm)の比は、約500~約900、約600~約800の範囲内、約645、約650、約700、約750m、又は約755であってもよく、特定した範囲内の全ての0.1増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。
【0120】
本開示の基材は、1つ以上の色、染料、インク、しるし、パターン、エンボス加工、及び/又は図柄を含んでもよい。色、染料、インク、しるし、パターン、及び/又は図柄は、基材の美的外観を補助し得る。
【0121】
本開示の基材は、ふきん、ぞうきん(湿潤又は乾燥)、化粧落とし基材、ペーパータオル、トイレットペーパー、化粧紙、医療用ガウン、外科用基材、ラップ、濾過基材、又は任意の他の好適な製品などの、任意の好適な製品の一部又は全部として使用されてもよい。
【0122】
3次元基材、又は3次元基材を含む吸収性物品の作製方法
本開示の3次元基材、及び3次元基材を含む吸収性物品は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法により作製されてもよい。詳細には、物品は、手作り又は高速で工業的に生産されてもよい。
【0123】
図26は、本開示の基材の形成プロセスの一例の概略図である。
図27は、第1のロール及び第2のロールの部分の噛み合い係合の図である。
図28は、第1のロールの一部の図である。
図29は、第2のロールの一部の図である。
【0124】
図26~29を参照すると、本開示の基材は、1つ以上の層基材399(非3次元)を噛み合う2つのロール504及び506により形成されたニップ502に通過させて、3次元基材400を形成することにより形成されてもよい。ロール504及び506は、加熱されてもよい。第1のロール504は、基材400内に孔422及び凹部414を形成してもよく(第2のロールと組み合わされて)、第2のロール506は、基材400内に突出部416を形成してもよい(第1のロールと組み合わされて)。第1のロール504は、第1のロール504から径方向外側に延びる複数の円錐形状の突起508を含んでもよい。第1のロール504はまた、第1のロール504の径方向外側表面内に形成された複数の凹部510を含んでもよい。第2のロール506は、第2のロール506から径方向外側に延在する複数のドーム形状の突起512を含んでもよい。第2のロール506はまた、第2のロール506の径方向外側表面内に形成された複数の凹部514を含んでもよい。第1のロール504上の突起508は、第2のロール506上の突起512とは異なるサイズ、形状、高さ、範囲、幅、及び/又は寸法を有してもよい。第1のロール504内に形成されている凹部510は、第2のロール506内に形成されている凹部514とは異なるサイズ、形状、高さ、範囲、幅、及び/又は寸法を有してもよい。第1のロール504内の凹部510は、ドーム形状の突起512を少なくとも部分的に受容するように構成され、それにより基材400内に突出部414を形成することができる。凹部510は、突出部414及び突出部ピーク425を形成している基材の部分が圧縮されないように、又は十分に圧縮されるように、十分深くてもよい。詳細には、ドーム形状の突起512が凹部510内に係合するとき、金属表面の間において径方向に十分な深さの空間が残留するため、突出部内の基材の厚さは、凹部の厚さよりも大きい。この特徴は、突出部を形成している基材の部分を圧縮するのと比較して、より柔らかい感触と、より高い高さとを有する突出部414を提供する。第2のロール506内の凹部514は、円錐形状の突起508を少なくとも部分的に受容するように構成され、それによりに基材400内に凹部414及び孔422を形成することができる。
【0125】
本開示の基材はまた、当該技術分野において既知の任意の他の好適な方法により形成されてもよい。
【0126】
3次元基材を使用した多構成要素トップシート
本明細書に詳述した3次元基材は、伝統的なトップシート材料よりも高価であり得る。したがって、吸収性物品中に、本明細書に詳述した3次元基材の任意の変更物を使用する際、下記に記載するような多構成要素トップシートの適用を用いてもよい。そのような多構成要素トップシートは、本明細書に詳述した3次元基材の変更物の1つ以上と、伝統的なトップシート材料と、を含んでもよい。
【0127】
図30~37は、多構成要素トップシートの実施形態の概略平面図及び断面図を示す。多構成要素トップシート600は、第1の別個の基材610、第2の別個の基材620、及び第3の別個の基材630を含んでもよい。多構成要素トップシート600は、トップシートの全寸法(この場合は、MD又は機械方向)よりも長く延びる長手方向軸線601と、長手方向軸線に直交して延びる横方向軸線602と、を有する。多構成要素トップシート600は、第1の長手方向縁部603、第2の長手方向縁部604、第1の横方向縁部605、及び第2の横方向縁部606により画定される全体的な外側周辺部を有してもよい。第1の別個の基材は、第1の長手方向縁部611、第2の長手方向縁部612、第1の横方向縁部613、及び第2の横方向縁部614により画定される周辺部を有してもよい。第2の別個の基材は、第1の長手方向縁部621、第2の長手方向縁部622、第1の横方向縁部623、及び第2の横方向縁部624により画定される周辺部を有してもよい。第3の別個の基材は、第1の長手方向縁部631、第2の長手方向縁部632、第1の横方向縁部633、及び第2の横方向縁部634により画定される周辺部を有してもよい。
【0128】
図30~37の実施形態に示すように、第2の別個の基材620は、少なくとも部分的に第1の別個の基材610と第3の別個の基材630との間に配置されてもよい。
図30~33は、長手方向(長手方向軸線601と同一の方向に延びる)に沿って、少なくとも部分的に第1の別個の基材610と第3の別個の基材630との間に配置された第2の別個の基材620を示す。
図34~37は、横方向(横方向軸線602と同一の方向に延びる)に沿って、少なくとも部分的に第1の別個の基材610と第3の別個の基材630との間に配置された第2の別個の基材620を示す。
【0129】
いくつかの実施形態では、第1の別個の基材610、第2の別個の基材620、及び/又は第3の別個の基材630の第1の長手方向縁部及び/又は第2の長手方向縁部は、多構成要素トップシート600の長手方向縁部603、604と共通するであろう。いくつかの実施形態では、第1の別個の基材610、第2の別個の基材620、及び/又は第3の別個の基材630の第1の横方向縁部及び/又は第2の横方向縁部は、多構成要素トップシート600の横方向縁部605、606と共通するであろう。
図30及び
図32の非限定的な実施形態では、多構成要素トップシート600の長手方向縁部603は、第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び第3の別個の基材の長手方向縁部611、621、631と共通する。
図30及び
図32において、多構成要素トップシート600の長手方向縁部604は、第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び第3の別個の基材の長手方向縁部612、622、632と共通する。
図30及び
図32において、多構成要素トップシート600の横方向縁部605は、第1の別個の基材610の第1の横方向縁部613と共通する。
図30及び
図32において、多構成要素トップシート600の横方向縁部606は、第3の別個の基材630の第2の横方向縁部634と共通する。
図34及び
図36の非限定的な実施形態では、多構成要素トップシート600の長手方向縁部603は、第1の別個の基材610の第1の長手方向縁部611と共通する。
図34及び
図36において、多構成要素トップシート600の長手方向縁部604は、第3の別個の基材630の第2の長手方向縁部632と共通する。
図34及び
図36において、多構成要素トップシート600の横方向縁部605は、第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び第3の別個の基材の横方向縁部613、623、633と共通する。
図34及び
図36において、多構成要素トップシート600の横方向縁部606は、第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び第3の別個の基材の横方向縁部614、624、634と共通する。
【0130】
図30及び
図32は、本明細書に詳述した多構成要素トップシート600の一実施形態の身体対面側の概略平面図である。
図31及び
図33は、それぞれ、607線周囲で切り取った
図30及び32の断面図を示す。
図30~33に示すように、第2の基材620は、長手方向に沿って、少なくとも部分的に第1の別個の基材610と第3の別個の基材630との間に配置されている。第2の基材620は、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630に接合され、第1の別個の基材と第2の別個の基材との間で、また第2の別個の基材と第3の別個の基材との間で、基材がオーバーラップしている。別個の基材の接合は、機械的結合、水流交絡、エンボス加工、接着剤結合、圧力結合、熱結合を含むが、これらに限定されない当該技術分野において既知の任意の方法により、又は複数の別個の基材を接合する他の方法により行われてもよい。
図30~33の非限定的な実施形態は、機械的結合641、651により接合された基材を示す。
【0131】
第1の別個の基材610と第2の別個の基材620との間のオーバーラップは、平面図から、第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623、第1の別個の基材610の第2の横方向縁部614、第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621、及び第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622からなる周辺部により囲まれる範囲である。この範囲は基材の2つの層(基材の隣接する単一層の間に位置する)を含むため、第1の二重層範囲640と称される。第2の別個の基材620と第3の別個の基材630とのオーバーラップは、平面図から、第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624、第3の別個の基材630の第1の横方向縁部633、第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621、及び第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622からなる周辺部により囲まれる範囲である。この範囲はまた、基材の2つの層(基材の隣接する単一層の間に位置する)を含むため、第2の二重層範囲650と称される。第1の二重層範囲640及び第2の二重層範囲650は合計されて、多構成要素トップシート600の基材の二重層を形成する。非限定的な例として、
図30~33に示す非限定的な実施形態を用いて、第1の二重層範囲640が10cm
2、第2の二重層範囲650が10cm
2の場合、多構成要素トップシート600における基材の二重層は、20cm
2である。
【0132】
図30~33に示す実施形態を尚参照すると、平面図から、基材の二重層ではない、多構成要素トップシート600の範囲は、基材の単一層として定義される。多構成要素トップシート600のこの特定の実施形態における基材の単一層は、合計された3つの単一層の範囲からなる。第1の単一層の範囲は、平面図から、第1の別個の基材610の第1の横方向縁部613、第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623、第1の別個の基材610の第1の長手方向縁部611、及び第1の別個の基材610の第2の長手方向縁部612からなる周辺部により囲まれる範囲である。第2の単一層の範囲は、平面図から、第1の別個の基材610の第2の横方向縁部614、第3の別個の基材630の第1の横方向縁部633、第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621、及び第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622からなる周辺部により囲まれる範囲である。第3の単一層の範囲は、平面図から、第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624、第3の別個の基材630の第2の横方向縁部634、第3の別個の基材630の第1の長手方向縁部631、及び第3の別個の基材630の第2の長手方向縁部632からなる周辺部により囲まれる範囲である。第1の単一の範囲、第2の単一の範囲、及び第3の単一の範囲は、合計されて、多構成要素トップシート600の基材の単一層を形成する。非限定的な例として、
図30~33に示す実施形態を用いて、第1の単一層の範囲が50cm
2、第2の単一層の範囲が100cm
2、第3の単一層の範囲が50cm
2の場合、多構成要素トップシート600における基材の単一層は、200cm
2である。
【0133】
図30~33に示す非限定的な実施形態を尚参照すると、第1の別個の基材610の第1の横方向縁部613と、第1の別個の基材610の第2の横方向縁部614との間の距離は、約20mm~約70mmであってもよい。第3の別個の基材630の第1の横方向縁部633と、第3の別個の基材630の第2の横方向縁部634との間の距離は、約20mm~約70mmであってもよい。第1の別個の基材610の第1の横方向縁部613と、第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623との間の距離は、約16mm~約66mmであってもよい。第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624と、第3の別個の基材630の第2の横方向縁部634との間の距離は、約16mm~約66mmであってもよい。第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623と、第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624との間の距離は、約40mm~約120mmであってもよい。第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623と、第1の別個の基材610の第2の横方向縁部614との間の距離は、約4mm~約24mmであってもよい。第3の別個の基材630の第1の横方向縁部633と、第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624との間の距離は、約4mm~約24mmであってもよい。
【0134】
図30に示すように、多構成要素トップシート600の実施形態の身体対面側の平面図を見下ろすと(また、
図31の断面図に詳細に示されている)、第2の別個の基材620は、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の上方に配置されている。したがって、第1の別個の基材610と第2の別個の基材620との間のオーバーラップは、第1の別個の基材の身体対面側と接触している第2の別個の基材の衣類対面側を含む。同様に、第3の別個の基材630と第2の別個の基材620とのオーバーラップは、第3の別個の基材の身体対面側と接触している第2の別個の基材の衣類対面側を含む。あるいは、
図32に示すように、多構成要素トップシート600の実施形態の身体対面の平面図を見下ろすと(また、
図33の断面図に詳細に示されている)、第2の別個の基材620は、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の下方に配置されている。したがって、第1の別個の基材610と第2の別個の基材620とのオーバーラップは、第1の別個の基材の衣類対面側と接触している第2の別個の基材の身体対面側を含む。同様に、第3の別個の基材630と第2の別個の基材620とのオーバーラップは、第3の別個の基材の衣類対面側と接触している第2の別個の基材の身体対面側を含む。
【0135】
図34及び36は、本明細書に詳述した多構成要素トップシート600の一実施形態の身体対面側の概略平面図である。
図35及び37は、それぞれ、608線周囲で切り取った
図34及び36の断面図を示す。
図34~37に示すように、第2の基材620は、横方向に沿って、少なくとも部分的に第1の別個の基材610と第3の別個の基材630との間に配置されている。第2の基材620は、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630に接合され、第1の別個の基材と第2の別個の基材との間で、また第2の別個の基材と第3の別個の基材との間で、基材がオーバーラップしている。別個の基材の接合は、機械的結合、水流交絡、エンボス加工、接着剤結合、圧力結合、熱結合を含むが、これらに限定されない当該技術分野において既知の任意の方法により、又は複数の別個の基材を接合する他の方法により行われてもよい。
図34~37の非限定的な実施形態は、機械的結合641、651により接合された基材を示す。
【0136】
第1の別個の基材610と第2の別個の基材620とのオーバーラップは、平面図から、第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623、第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624、第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621、及び第1の別個の基材610の第2の長手方向縁部612からなる周辺部により囲まれる範囲である。この範囲は、基材の2つの層(基材の隣接する単一層の間に位置する)を含むため、多構成要素トップシート600の第1の二重層範囲640と称される。第2の別個の基材620と第3の別個の基材630とのオーバーラップは、平面図から、第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623、第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624、第3の別個の基材630の第1の長手方向縁部631、及び第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622からなる周辺部により囲まれる範囲である。この範囲も、基材の2つの層(基材の隣接する単一層の間に位置する)を含むため、多構成要素トップシート600の第2の二重層範囲650と称される。第1の二重層範囲640及び第2の二重層範囲650は合計されて、多構成要素トップシート600の基材の二重層を形成する。非限定的な例として、
図34~37に示す実施形態を用いて、第1の二重層範囲640が10cm
2、第2の二重層範囲650が10cm
2の場合、多構成要素トップシート600における基材の二重層は、20cm
2である。
【0137】
図34~37に示す実施形態を尚参照すると、平面図から、基材の二重層ではない、多構成要素トップシート600の範囲は、基材の単一層として定義される。多構成要素トップシート600のこの特定の実施形態における基材の単一層は、合計された3つの単一層の範囲からなる。第1の単一層は、平面図から、第1の別個の基材610の第1の横方向縁部613、第1の別個の基材610の第2の横方向縁部614、第1の別個の基材610の第1の長手方向縁部611、及び第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621からなる周辺部により囲まれる範囲である。第2の単一層の範囲は、平面図から、第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623、第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624、第1の別個の基材610の第2の長手方向縁部612、及び第3の別個の基材630の第1の長手方向縁部631からなる周辺部により囲まれる範囲である。第3の単一層の範囲は、平面図から、第3の別個の基材630の第1の横方向縁部633、第3の別個の基材630の第2の横方向縁部634、第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622、及び第3の別個の基材630の第2の長手方向縁部632からなる周辺部により囲まれる範囲である。第1の単一の範囲、第2の単一の範囲、及び第3の単一の範囲は合計されて、多構成要素トップシート600の基材の単一層を形成する。非限定的な例として、
図47~50に示す実施形態を用いて、第1の単一層の範囲が50cm
2、第2の単一層の範囲が100cm
2、第3の単一層の範囲が50cm
2の場合、多構成要素トップシート600における基材の単一層は、200cm
2である。
【0138】
図34~37に示す非限定的な実施形態を尚参照すると、第1の別個の基材610の第1の長手方向縁部611と、第1の別個の基材610の第2の長手方向縁部612との間の距離は、約20mm~約70mmであってもよい。第3の別個の基材630の第1の長手方向縁部631と、第3の別個の基材630の第2の長手方向縁部632との間の距離は、約20mm~約70mmであってもよい。第1の別個の基材610の第1の長手方向縁部611と、第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621との間の距離は、約16mm~約66mmであってもよい。第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622と、第3の別個の基材630の第2の長手方向縁部632との間の距離は、約16mm~約66mmであってもよい。第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621と、第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622との間の距離は、約40mm~約120mmであってもよい。第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621と、第1の別個の基材610の第2の長手方向縁部612との間の距離は、約4mm~約24mmであってもよい。第3の別個の基材630の第1の長手方向縁部631と、第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622との間の距離は、約4mm~約24mmであってもよい。
【0139】
図34に示すように、多構成要素トップシート600の実施形態の身体対面側の平面図を見下ろすと(また、
図35の断面図に詳細に示されている)、第2の別個の基材620は、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の上方に配置されている。したがって、第1の別個の基材610と第2の別個の基材620とのオーバーラップは、第1の別個の基材の身体対面側と接触している第2の別個の基材の衣類対面側を含む。同様に、第3の別個の基材630と第2の別個の基材620とのオーバーラップは、第3の別個の基材の身体対面側と接触している第2の別個の基材の衣類対面側を含む。あるいは、
図36に示すように、多構成要素トップシート600の実施形態の身体対面の平面図を見下ろすと(また、
図37の断面図に詳細に示されている)、第2の別個の基材620は、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の下方に配置されている。したがって、第1の別個の基材610と第2の別個の基材620とのオーバーラップは、第1の別個の基材の衣類対面側と接触している第2の別個の基材の身体対面側を含む。同様に、第3の別個の基材630と第2の別個の基材620とのオーバーラップは、第3の別個の基材の衣類対面側と接触している第2の別個の基材の身体対面側を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、基材の単一層は、多構成要素トップシート600の全範囲の約80%以上からなっていてもよく、基材の二重層は、多構成要素トップシート600の全範囲の約20%以下からなっていてもよい。別の実施形態では、基材の単一層は、多構成要素トップシート600の全範囲の約70%以上、約75%以上、約85%以上、約90%以上、又は約95%以上からなってもよく、基材の二重層は、多構成要素トップシート600の全範囲の約30%以下、約25%以下、約15%以下、約10%以下、又は約5%以下からなってもよい。
【0141】
第1の別個の基材610、第2の別個の基材620、及び/又は第3の別個の基材630は、本明細書に詳述した3次元基材の任意の1つ以上から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の別個の基材620は、本明細書に詳述した3次元基材の実施形態から構成され、第1の別個の基材610と第3の別個の基材630との両方は、P10などの伝統的なトップシート材料から作製されている。P10は、Charlotte,NCのPolymer Group,Incから入手可能な、坪量12gsm又は15gsmのポリプロピレン不織布基材(本明細書に更に詳述した)である。記述的分析粗度試験によれば、P10は、約2.2~約2.8の幾何学的粗度を有し、いくつかの実施形態では、約2.6の幾何学的粗度を有する。いくつかの実施形態では、第1の別個の基材610と第3の別個の基材630との両方は、同一の材料から構成されているが、別の実施形態では、第1の別個の基材及び第2の別個の基材は、異なる材料から構成されていてもよい。
【0142】
上から見た場合、多構成要素トップシート600は、第1の別個の基材610と第2の別個の基材620との間、及び第2の別個の基材と第3の別個の基材630との間に、1つ以上の形状、パターン、又は他の区別される可視境界線を有してもよい。第2の別個の基材620が、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の上方(
図30、31、34、及び35に示すように)又は下方(
図32、33、36、及び37に示すように)のどちらに位置するかに応じて、第1の別個の基材、第2の別個の基材、又は第3の別個の基材の長手方向又は横方向縁部は、可視境界線の形状を決定し得る。例えば、
図43及び44に示す実施形態では、第2の別個の基材620の第1の横方向縁部623の形状又はパターンは、第1の二重層範囲640に隣接する可視境界線を決定し、第2の別個の基材620の第2の横方向縁部624の形状又はパターンは、第2の二重層範囲650に隣接する可視境界線を決定するであろう。
図32及び
図33に示す実施形態では、第1の別個の基材610の第2の横方向縁部614の形状又はパターンは、第1の二重層範囲640に隣接する可視境界線を決定し、第3の別個の基材630の第1の横方向縁部633の形状又はパターンは、第2の二重層範囲650に隣接する可視境界線を決定するであろう。
図34及び
図35に示す実施形態では、第2の別個の基材620の第1の長手方向縁部621の形状又はパターンは、第1の二重層範囲640に隣接する可視境界線を決定し、第2の別個の基材620の第2の長手方向縁部622の形状又はパターンは、第2の二重層範囲650に隣接する可視境界線を決定するであろう。
図36及び
図37に示す実施形態では、第1の別個の基材610の第2の長手方向縁部612の形状又はパターンは、第1の二重層範囲640に隣接する可視境界線を決定し、第3の別個の基材630の第1の長手方向縁部631の形状又はパターンは、第2の二重層範囲650に隣接する可視境界線を決定するであろう。
【0143】
図30~37の非限定的な任意の実施形態では、第2の別個の層620と第1の別個の層610との間、及び第2の別個の層620と第3の別個の層630との間の可視境界線を形成する横方向縁部又は長手方向縁部は、直線状(即ち、真っ直ぐな線)又は非直線状(即ち、真っ直ぐではない線)、及び横方向軸線601又は長手方向軸線602のいずれかに関して対称又は非対称であってもよい。
図30~37は、直線状の、対称的な可視境界線の例である。更なる可視境界線の非限定的な例(第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び/又は第3の別個の基材の長手方向及び/又は横方向縁部の任意の組み合わせに応じて)に関しては、
図38~45を参照されたい。
図38は、非直線状であり、長手方向軸線に関して非対称の可視境界線を有する多構成要素トップシート600を示す。このような可視境界線を達成する1つの方法は、第2の別個の基材620が第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の上方に配置され、第2の別個の基材の第1の横方向縁部623及び第2の横方向縁部624が、非直線状であり、トップシートの長手方向軸線601に関して非対称な、多構成要素トップシート600を有することである。この特定の例では、反復する波が可視境界線を形成している。しかしながら、別の実施形態では、正弦波、のこぎり波、方形波などの全ての種類の波を使用することができる。
図39は、非直線状であり、長手方向軸線に関して対称的な可視境界線を有する多構成要素トップシート600を示す。このような可視境界線を達成する1つの方法は、第2の別個の基材620が第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の上方に配置され、第2の別個の基材の第1の横方向縁部623及び第2の横方向縁部624が、非直線状であり、トップシートの長手方向軸線601に関して対称的な、多構成要素トップシート600を有することである。
図40及び41は、長手方向軸線601に沿って、非直線状であり、対称的な可視境界線を有する多構成要素トップシート600の更なる例である。
【0144】
図42は、非直線状であり、横方向軸線602に関して非対称な可視境界線を有する多構成要素トップシート600を示す。このような可視境界線を達成する1つの方法は、第2の別個の基材620が第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の上方に配置され、第2の別個の基材の第1の長手方向縁部621及び第2の長手方向縁部622が、非直線状であり、トップシートの横方向軸線602に関して非対称な、多構成要素トップシート600を有することである。この特定の例では、反復する波が可視境界線を形成している。しかしながら、別の実施形態では、正弦波、のこぎり波、方形波などの全ての種類の波を使用することができる。
図43は、非直線状であり、横方向軸線に関して対称的な可視境界線を有する多構成要素トップシート600を示す。このような可視境界線を達成する1つの方法は、第2の別個の基材620が第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の上方に配置され、第2の別個の基材の第1の長手方向縁部621及び第2の長手方向縁部622が、非直線状であり、トップシートの横方向軸線602に関して対称的な、多構成要素トップシート600を有することである。
図44及び
図45は、非直線状であり、横方向軸線602に関して対称的な可視境界線を有する、多構成要素トップシート600の更なる例である。これらの特定の実施形態に加えて、直線状及び/又は非直線状、対称的、及び/又は非対称な可視境界線の任意の組み合わせが、本明細書に詳述した多構成要素トップシート600と共に使用され得ることが企図される。
【0145】
多構成要素トップシート600のいくつかの実施形態では、第1の別個の基材610、第2の別個の基材620、及び/又は第3の別個の基材630の間に色の違いがあってもよい。例えば、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630は、第1の色(例えば、紫色、緑色、暗青緑色、青色)であってもよく、第2の別個の基材620は、第2の、白色などの異なる色であってもよい。あるいは、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630は、白色であってもよく、第2の別個の基材620は、異なる色であってもよい。
【0146】
図46~57は、多構成要素トップシート700の実施形態の概略平面図及び断面図を示す。多構成要素トップシート700は、第1の別個の基材710及び第2の別個の基材720、及び場合により、いくつかの実施形態(例えば、
図50~52及び55~57)では、第3の別個の基材730を含んでもよい。多構成要素トップシート700は、トップシートの全寸法(この場合は、MD又は機械方向)よりも長く延びる長手方向軸線701と、長手方向軸線に直交して延びる横方向軸線702と、を有する。多構成要素トップシート700は、第1の長手方向縁部703、第2の長手方向縁部704、第1の横方向縁部705、及び第2の横方向縁部706により画定される全体的な外側周辺部を有してもよい。第1の別個の基材は、第1の長手方向縁部711、第2の長手方向縁部712、第1の横方向縁部713、及び第2の横方向縁部714により画定される外側周辺部を有してもよい。第1の別個の基材は、第1の長手方向縁部715、第2の長手方向縁部716、第1の横方向縁部717、及び第2の横方向縁部718により画定される内側周辺部を有してもよい。第2の別個の基材は、第1の長手方向縁部721、第2の長手方向縁部722、第1の横方向縁部723、及び第2の横方向縁部724により画定される外側周辺部を有してもよい。第2の別個の基材は、第1の長手方向縁部725、第2の長手方向縁部726、第1の横方向縁部727、及び第2の横方向縁部728により画定される内側周辺部を有してもよい。第3の別個の基材730を含む実施形態では、第3の別個の基材は、第1の長手方向縁部731、第2の長手方向縁部732、第1の横方向縁部733、及び第2の横方向縁部734により画定される周辺部を有してもよい。
【0147】
第1の別個の基材710の外側周辺部は、多構成要素トップシート700の全体的な外側周辺部の約80%以上を形成してもよく、第2の別個の基材720の外側周辺部の約80%以上は、第1の別個の基材の一部と接合されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の別個の基材710の外側周辺部は、多構成要素トップシート700の全体的な外側周辺部の約70%以上、約75%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、又は100%からなってもよい。いくつかの実施形態では、第2の別個の基材720の外側周辺部の約70%以上、約75%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、又は100%は、第1の別個の基材710の一部と接合されてもよい。いくつかの実施形態では、第3の別個の基材730の周辺部の約70%以上、約75%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、又は100%は、第2の別個の基材720の一部と接触していてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、第1の別個の基材710、第2の別個の基材720、及び/又は第3の別個の基材730の第1の長手方向縁部及び/又は第2の長手方向縁部は、多構成要素トップシート700の長手方向縁部703、704と共通するであろう。いくつかの実施形態では、第1の別個の基材710、第2の別個の基材720、及び/又は第3の別個の基材730の第1の横方向縁部及び/又は第2の横方向縁部は、多構成要素トップシート700の横方向縁部705、706と共通するであろう。
図46~52の非限定的な実施形態では、多構成要素トップシート700の長手方向縁部703は、第1の別個の基材710の長手方向縁部711と共通する。
図46~52において、多構成要素トップシート700の長手方向縁部704は、第1の別個の基材710の長手方向縁部712と共通する。
図46~52において、多構成要素トップシート700の横方向縁部705は、第1の別個の基材610の横方向縁部713と共通する。
図46~52において、多構成要素トップシート700の横方向縁部706は、第1の別個の基材710の横方向縁部714と共通する。
図53及び
図54の非限定的な実施形態では、多構成要素トップシート700の長手方向縁部703は、第1の別個の基材710の長手方向縁部711と共通する。
図53及び
図54において、多構成要素トップシート700の長手方向縁部704は、第1の別個の基及び第2の別個の基材の長手方向縁部712及び722と共通する。
図53及び54において、多構成要素トップシート700の横方向縁部705は、第1の別個の基材710の横方向縁部713と共通する。
図53及び
図54において、多構成要素トップシート700の横方向縁部706は、第1の別個の基材710の横方向縁部714と共通する。
図55~57の非限定的な実施形態では、多構成要素トップシート700の長手方向縁部703は、第1の別個の基材710の長手方向縁部711と共通する。
図55~57において、多構成要素トップシート700の長手方向縁部704は、第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び第3の別個の基材の長手方向縁部712、722、及び732と共通する。
図55~57において、多構成要素トップシート700の横方向縁部705は、第1の別個の基材710の横方向縁部713と共通する。
図55~57において、多構成要素トップシート700の横方向縁部706は、第1の別個の基材710の横方向縁部714と共通する。
【0149】
図46、48、50、53、及び55は、本明細書に詳述した多構成要素トップシート700の一実施形態の身体対面側の概略平面図である。
図47、49、51、52、54、56、及び57は、それぞれ、707線周囲で切り取った
図46、48、50、53、及び55の断面図を示す。
図46~57に示すように、第2の別個の基材720は、第1の別個の基材710によって包囲され(即ち、4つの側部の全部を完全に包囲され、又は3つの側部を部分的に包囲され)、第1の別個の基材710に接合されてもよく、第1の別個の基材と第2の別個の基材との間で基材がオーバーラップしている。別個の基材の接合は、機械的結合、水流交絡、エンボス加工、接着剤結合、圧力結合、結合を含むが、これらに限定されない当該技術分野において既知の任意の方法よって、又は複数の別個の基材を接合する他の方法によって行われてもよい。
図46~57の非限定的な実施形態は、基材がどのように機械的結合761により接合されているかを示す。特定の実施形態では、第2の別個の基材720は、当該技術分野において既知の任意の方法により(機械的結合、水流交絡、エンボス加工、接着剤結合、圧力結合、熱結合、又は多数の別個の基材を接合する他の方法により)、またいくつかの特定の実施形態では、機械的結合762により、第3の別個の基材730に接合され得る。
【0150】
第1の別個の基材710と第2の別個の基材720とのオーバーラップは、平面図から、第2の別個の基材720の第1の長手方向縁部721、第2の別個の基材720の第2の長手方向縁部722、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723、及び第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724からなる周辺部により囲まれる範囲から、第1の別個の基材710の第1の長手方向縁部715である内側周辺部、第1の別個の基材710の第2の長手方向縁部716である内側周辺部、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部717である内側周辺部、及び第1の別個の基材710の第2の横方向縁部718である内側周辺部により囲まれる範囲を引いたものである。非限定的な例として、
図46~49に示す実施形態を用いて、第2の別個の基材720の外側周辺部により囲まれる範囲は、240cm
2であり、第1の別個の基材710の内側周辺部により囲まれる範囲は、220cm
2であり、多構成要素トップシート700の基材の二重層は、20cm
2である。
【0151】
図46~49及び
図53~54に示す実施形態を尚参照すると、平面図から、基材の二重層ではない、多構成要素トップシート700の範囲は、基材の単一層として定義される。多構成要素トップシート700のこの特定の実施形態における基材の単一層は、合計された2つの単一層の範囲からなる。第1の単一層の範囲は、平面図から、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部713、第1の別個の基材710の第2の横方向縁部714、第1の別個の基材710の第1の長手方向縁部711、及び第1の別個の基材710の第2の長手方向縁部712からなる周辺部により囲まれる範囲から、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723、第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724、第2の別個の基材720の第1の長手方向縁部721、及び第2の別個の基材720の第2の長手方向縁部722により囲まれる範囲を引いたものである。第2の単一層の範囲は、平面図から、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部717である内側周辺部、第1の別個の基材710の第2の横方向縁部718である内側周辺部、第1の別個の基材710の第1の長手方向縁部715である内側周辺部、及び第1の別個の基材710の第2の長手方向縁部716である内側周辺部からなる周辺部により囲まれる範囲である。第1の単一の範囲及び第2の単一の範囲は合計されて、基材の単一層を形成する。非限定的な例として、
図46及び47に示す実施形態を用いて、第1の単一層の範囲が120cm
2であり、第2の単一層の範囲が80cm
2である場合、多構成要素トップシート700の基材の単一層は200cm
2である。
【0152】
ここで第3の別個の基材730を有する多構成要素トップシート700の実施形態(
図50~52及び
図55~57に示す)を参照すると、第1の別個の基材710と第2の別個の基材720とのオーバーラップは、平面図から、第2の別個の基材720の第1の長手方向縁部721、第2の別個の基材720の第2の長手方向縁部722、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723、及び第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724からなる周辺部により囲まれる範囲から、第1の別個の基材710の第1の長手方向縁部715である内側周辺部、第1の別個の基材710の第2の長手方向縁部716である内側周辺部、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部717である内側周辺部、及び第1の別個の基材710の第2の横方向縁部718である内側周辺部からなる周辺部により囲まれる範囲を引いたものである。この範囲は基材の2つの層(基材の隣接する単一層の間に位置する)を含むため、第1の二重層範囲740と称される。第2の別個の基材720と第3の別個の基材730とのオーバーラップは、平面図から、第3の別個の基材730の第1の長手方向縁部731、第3の別個の基材730の第2の長手方向縁部732、第3の別個の基材730の第1の横方向縁部733、及び第3の別個の基材730の第2の横方向縁部734からなる周辺部により囲まれる範囲から、第2の別個の基材720の第1の長手方向縁部725である内側周辺部、第2の別個の基材720の第2の長手方向縁部726である内側周辺部、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部727である内側周辺部、及び第2の別個の基材720の第2の横方向縁部728である内側周辺部からなる周辺部により囲まれる範囲を引いたものである。この範囲はまた、基材の2つの層(基材の隣接する単一層の間に位置する)を含むため、第2の二重層範囲750と称される。第1の二重層範囲740及び第2の二重層範囲750は合計されて、基材の二重層を形成する。非限定的な例として、
図50~52に示す実施形態を用いて、第1の二重層範囲740が20cm
2であり、第2の二重層範囲750が10cm
2である場合、多構成要素トップシート700の基材の二重層は30cm
2である。
【0153】
図50~52及び55~57を尚参照すると、平面図から、基材の二重層ではない、多構成要素トップシート700の範囲は、基材の単一層として定義される。多構成要素トップシート700のこの特定の実施形態における基材の単一層は、合計された3つの単一層の範囲からなる。第1の単一層の範囲は、平面図から、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部713、第1の別個の基材710の第2の横方向縁部714、第1の別個の基材710の第1の長手方向縁部711、及び第1の別個の基材710の第2の長手方向縁部712からなる周辺部により囲まれる範囲から、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723、第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724、第2の別個の基材720の第1の長手方向縁部721、及び第2の別個の基材720の第2の長手方向縁部722により囲まれる範囲を引いたものである。第2の単一層の範囲は、平面図から、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部717である内側周辺部、第1の別個の基材710の第2の横方向縁部718である内側周辺部、第1の別個の基材710の第1の長手方向縁部715である内側周辺部、及び第1の別個の基材710の第2の長手方向縁部716である内側周辺部からなる周辺部により囲まれる範囲から、第3の別個の基材730の第1の横方向縁部733、第3の別個の基材730の第2の横方向縁部734、第3の別個の基材730の第1の長手方向縁部731、及び第3の別個の基材730の第2の長手方向縁部732からなる周辺部により囲まれる範囲を引いたものである。第3の単一層の範囲は、平面図から、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部727である内側周辺部、第2の別個の基材720の第2の横方向縁部728である内側周辺部、第2の別個の基材720の第1の長手方向縁部725である内側周辺部、及び第2の別個の基材720の第2の長手方向縁部726である内側周辺部からなる周辺部により囲まれる範囲である。第1の単一の範囲、第2の単一の範囲、及び第3の単一の範囲は、合計されて、基材の単一層を形成する。非限定的な例として、
図50~52に示す実施形態を用いて、第1の単一層の範囲が120cm
2であり、第2の単一層の範囲が20cm
2であり、第3の単一層の範囲が50cm
2である場合、多構成要素トップシート700における基材の単一層は、190cm
2である。
【0154】
図46~57に示す非限定的な実施形態を参照すると、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部705と、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部717である内側周辺部との間の距離は、約20mm~約70mmであってもよい。第1の別個の基材710の第2の横方向縁部718である内側周辺部と、第1の別個の基材710の第2の横方向縁部714との間の距離は、約20mm~約70mmであってもよい。第1の別個の基材710の第1の横方向縁部713と、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723との間の距離は、約16mm~約66mmであってもよい。第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724と、第1の別個の基材710の第2の横方向縁部714との間の距離は、約16mm~約66mmであってもよい。第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723と、第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724との間の距離は、約40mm~約120mmであってもよい。第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723と、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部717である内側周辺部との間の距離は、約4mm~約24mmであってもよい。第1の別個の基材710の第2の横方向縁部718である内側周辺部と、第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724との間の距離は、約4mm~約24mmであってもよい。
【0155】
図46に示すように、多構成要素トップシート700の実施形態の身体対面側の平面図を見下ろすと(また、
図47の断面図に詳細に示されている)、第2の別個の基材720は、第1の別個の基材710の上方に配置されている。したがって、第1の別個の基材710と第2の別個の基材720とのオーバーラップは、第1の別個の基材の身体対面側と接触している第2の別個の基材の衣類対面側を含む。あるいは、
図48に示すように、多構成要素トップシート700の実施形態の身体対面側の平面図を見下ろすと(また、
図49の断面図に詳細に示されている)、第2の別個の基材720は、第1の別個の基材710の下方に配置されている。したがって、第1の別個の基材710と第2の別個の基材720とのオーバーラップは、第1の別個の基材の衣類対面側と接触している第2の別個の基材の身体対面側を含む。第3の別個の基材730を含む多構成要素トップシート700の実施形態では、第2の別個の基材720と第3の別個の基材とのオーバーラップは、第2の別個の基材の上方(
図50~52及び55~57)又は下方に位置する第3の別個の基材を有してもよい。
【0156】
いくつかの実施形態では、基材の単一層は、多構成要素トップシート700の全範囲の約75%以上からなっていてもよく、基材の二重層は、多構成要素トップシート700の全範囲の約25%以下からなっていてもよい。別の実施形態では、基材の単一層は、多構成要素トップシート700の全範囲の約65%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、又は約95%以上からなってもよく、基材の二重層は、多構成要素トップシート700の全範囲の約35%以下、約30%以下、約25%以下、約15%以下、約10%以下、又は約5%以下からなってもよい。
【0157】
第1の別個の基材710、第2の別個の基材720、及び/又は場合による第3の別個の基材730は、本明細書に詳述した3次元基材の任意の1つ以上から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の別個の基材720は、本明細書に詳述した3次元基材の実施形態から構成され、第1の別個の基材710は、P10などの伝統的なトップシート材料から作製されている。
【0158】
上から見た場合、多構成要素トップシート700は、第1の別個の基材710と第2の別個の基材720との間に(特定の実施形態では、第2の別個の基材と第3の別個の基材730との間に)、1つ以上の形状、パターン、又は他の区別される可視境界線を有してもよい。第2の別個の基材720が上方(
図46~47、50~52、及び55~57に示す)又は下方(
図48~49及び53~54に示す)のどちらに位置するかに応じて、第1の別個の基材710、第1の別個の基材又は第2の別個の基材の長手方向縁部又は横方向縁部は、可視境界線の形状を決定し得る。例えば、
図46に示す実施形態では、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723の形状又はパターンは、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部717である内側周辺部に隣接する可視境界線を決定し、第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724の形状又はパターンは、第1の別個の基材710の第2の横方向縁部718である内側周辺部に隣接する可視境界線を決定するであろう。
図48に示す実施形態では、第1の別個の基材710の第1の横方向縁部717である内側周辺部の形状又はパターンは、第2の別個の基材720の第1の横方向縁部723に隣接する可視境界線を決定し、第1の別個の基材710の第2の横方向縁部718である内側周辺部の形状又はパターンは、第2の別個の基材720の第2の横方向縁部724に隣接する可視境界線を決定するであろう。
【0159】
図46~57の非限定的な任意の実施形態では、第2の別個の層720と第1の別個の層710との間の(特定の実施形態では、第2の別個の基材と第3の別個の基材730との間の)可視境界線を形成する横方向縁部又は長手方向縁部は、直線状(即ち、真っ直ぐな線)又は非直線状(即ち、真っ直ぐではない線)、横方向軸線701又は長手方向軸線702のいずれかに関して対称又は非対称であってもよい。
図46~52は、直線状の、対称的な可視境界線の例である。更なる可視境界線の非限定的な例(第1の別個の基材、第2の別個の基材、及び/又は第3の別個の基材の長手方向及び/又は横方向縁部の任意の組み合わせに応じて)に関しては、
図58~61を参照されたい。
図58は、非直線状であり、長手方向軸線701に関して非対称である可視境界線を有する多構成要素トップシート700を示す。このような可視境界線を達成する1つの方法は、第2の別個の基材720が第1の別個の基材710の上方に配置され、第2の別個の基材の第1の横方向縁部723及び第2の横方向縁部724が、非直線状であり、トップシートの長手方向軸線70に関して非対称な、多構成要素トップシート700を有することである。この特定の例では、反復する波が可視境界線を形成している。しかしながら、別の実施形態では、正弦波、のこぎり波、方形波などの全ての種類の波を使用することができる。
図59は、非直線状であり、非対称な可視境界線を有する多構成要素トップシート700の別の例である。
図60は、非直線状であり、横方向軸線702に関して対称的な可視境界線を有する多構成要素トップシート700を示す。このような可視境界線を達成する1つの方法は、第2の別個の基材720が第1の別個の基材710の上方に配置され、第2の別個の基材の第1の長手方向縁部721及び第2の長手方向縁部722が、非直線状であり、トップシートの横方向軸線702に関して対称的な、多構成要素トップシート700を有することである。
図61は、非直線状であり、横方向軸線702に関して非対称な可視境界線を有する多構成要素トップシート700の一例である。
【0160】
多構成要素トップシート700のいくつかの実施形態では、第1の別個の基材710及び第2の別個の基材720、及び/又は、存在する場合、第3の別個の基材730の間に色の違いがあってもよい。例えば、第1の別個の基材710は、第1の色(例えば、紫色、緑色、暗青緑色、青色)であってもよく、第2の別個の基材720は、第2の、白色などの異なる色であってもよい。あるいは、第1の別個の基材710は、白色であってもよく、第2の別個の基材720は、異なる色であってもよい。あるいは、第1の別個の基材710及び第2の別個の基材720は、第1の色及び/又は第2の色であってもよく、第3の別個の基材730は、異なる、第3の色であってもよい。
【0161】
多構成要素トップシート600、700のいくつかの実施形態では、第1の別個の基材と第2の別個の基材とのオーバーラップ、及び/又は第2の別個の基材と第3の別個の基材とのオーバーラップ内に1つ以上の弾性体が配置されてもよい。
図62~65に示すように、多構成要素トップシート600は、第1の二重層範囲640及び/又は第2の二重層範囲650内に配置された1つ以上の弾性体660を有してもよい。
図62に示すように、第2の別個の基材620は、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の上部に配置されてもよく、弾性体660は基材の間のオーバーラップ内に位置している。
図64に示すように、第2の別個の基材620は、第1の別個の基材610及び第3の別個の基材630の下方に配置されてもよく、弾性体660は基材の間のオーバーラップ内に位置している。
図63及び65に示すように、第2の別個の基材620の一部は、弾性体660を巻き込み、それによりオーバーラップ領域640、650内に基材の三重奏を形成してもよい。
【0162】
吸収性物品800のいくつかの実施形態では、
図66~68に示すように、多構成要素トップシート600、700は、獲得層、分配層、吸収性層などの追加の吸収性物品要素と組み合わされてもよい。
図66に示す非限定的な一例として、吸収性物品は、第1の別個の基材810、第2の別個の基材820、第3の別個の基材830を含む多構成要素トップシート800を含み、多構成要素トップシートは、分配層850の上方に位置する獲得層840に接合(例えば、機械的結合及び/又は接着剤)されている。獲得層840及び分配層850は、多構成要素トップシートの第2の別個の基材820と同一の横方向幅であってもよく、又は第2の別個の基材よりも広くても若しくは狭くてもよい。
【0163】
図67に示す別の非限定的な例として、吸収性物品は、第1の別個の基材810、第2の別個の基材820、第3の別個の基材830を含む多構成要素トップシート800を含み、多構成要素トップシートは、獲得層840に接合(例えば、機械的結合及び/又は接着剤)され、獲得層840は分配層850に接合(例えば、機械的結合及び/又は接着剤)されている。獲得層840及び分配層850は、多構成要素トップシートの第2の別個の基材820と同一の横方向幅であってもよく、又は第2の別個の基材よりも広くても若しくは狭くてもよい。
【0164】
図68に示す別の非限定的な例として、吸収性物品は、第1の別個の基材810、第2の別個の基材820、第3の別個の基材830を含む多構成要素トップシート800を含み、多構成要素トップシートは、獲得層840に接合(例えば、機械的結合及び/又は接着剤)され、獲得層840は分配層850に接合(例えば、機械的結合及び/又は接着剤)されている。獲得層840及び分配層850は、多構成要素トップシート80の第2の別個の基材820と同一の横方向幅であってもよく、又は第2の別個の基材よりも広くても若しくは狭くてもよい。このような実施形態では、第2の別個の基材820は、第1の別個の基材810及び第3の別個の基材830の上方に位置するが、第2の別個の基材は、第1の別個の基材と第3の別個の基材との間の横方向開放空間内にて獲得層840に接合(例えば、機械的結合860及び/又は接着剤)されている。
【0165】
パッケージ
本開示の吸収性物品は、パッケージ内に配置されてもよい。パッケージは、高分子フィルム及び/又は他の材料を含んでもよい。吸収性物品の特性に関連した図柄又はしるしが、パッケージの外側部分上に形成され、位置付けられ、及び/又は配置されてもよい。各パッケージは、1つ以上の吸収性物品を含んでもよい。吸収性物品は圧縮下で詰められて、パッケージのサイズ又は高さを低減する一方で、尚、パッケージ当たり十分な量の吸収性物品を提供してもよい。吸収性物品を圧縮下で包装することにより、ケア提供者はパッケージを容易に取り扱い及び保管できると共に、製造業者に流通時の節約を提供することができる。
【0166】
したがって、本開示による吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載したバッグ内スタック高さ試験に従って、約95mm未満、約90mm未満、約85mm未満、約85mm未満であるが75mm超、約80mm未満、約78mm未満、又は約76mm未満のバッグ内スタック高さを有してもよい。あるいは、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載したバッグ内スタック高さ試験に従って、約70mm~約95mm、約72mm~約85mm、約72mm~約80mm、又は約74mm~約78mmのバッグ内スタック高さを有してもよく、特定した範囲内の全ての0.1mm増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。バッグ内スタック高さに関する更なる詳細は、2013年11月19日発行の、Weisman et al.に付与された米国特許第8,585,666号に開示されている。
【0167】
相対湿度
特定の理論に束縛されるものではないが、皮膚刺激を低減し、着用者に快適さを提供するために、トップシート、及び/又はバックシートの外側カバー不織布材料上では、より柔らかい材料が望ましいと考えられる。しかしながら、これらの材料がそのような柔らかい利益を達成するためには、典型的には、これらの材料の坪量を増大させることが必要であり得る。より大きい坪量の材料(本開示の液体透過性基材のように)を有することの問題点は、特にトップシート又はその一部として使用される場合、それらが、より小さい坪量の材料と比較して、より大量の水分を皮膚に又は皮膚付近に保持し得ることである。この水分の大部分は、トップシートの高坪量材料を通して、1つ以上の層を含む獲得/分配システムを通して、吸収性コアの重量に基づいて、超吸収性ポリマーと混合された大量のセルロース繊維(例えば、30%以上)を含む従来の吸収性コア中に逃れ得る。従来のコア中の、高い濃度のセルロース繊維は、例えば1回以上の排尿事象後、超吸収性ポリマーが水分を「閉じ込め」るようには、水分を完全に「閉じ込め」ない可能性がある。その代わりに、セルロース繊維は、水分を再びトップシートに向かって上方に蒸発させる。この蒸発により吸収性物品内の水分及び水蒸気分圧が増大し、それによってより多量の水分が着用者の皮膚と接触する。着用者の皮膚と接触する水分を低減するために、本開示は、部分的に、実質的にセルロースを含まない吸収性コア、又はセルロースを含まない吸収性コアを提供する。セルロース繊維を有さない、又は非常に限られたセルロース繊維を有する、又は大多数の超吸収性ポリマーを含む吸収性コアは、水分を吸収性コア内により良好に「閉じ込め」、少なくとも水分及び水蒸気分圧が再びトップシートに向かって上昇し、着用者の皮膚に接触することを阻害する。このことは、吸収性物品が着用者のために、より低い相対湿度の環境を吸収性物品内に提供し、例えば本開示の液体透過性基材が吸収性物品内のトップシートとして使用された場合など、高坪量トップシートと組み合わされた場合であっても、皮膚刺激の低減をもたらすことを可能にする。
【0168】
実質的にセルロースを含まない吸収性コア、又はセルロースを含まない吸収性コアと、高坪量トップシート(例えば、本開示の液体透過性基材)と、場合により、バックシートの高坪量外側カバー不織布とを有する吸収性物品内の相対湿度は、約30%~約75%、約40%~約75%、約45%~約74%、約45%~約73%、約50%~約72%、約50%~約70%、約50%~約68%、約50%~約65%、約60%~約64%の範囲内、76%未満、75%未満、約74%未満、約73%未満、約72%未満、約71%未満、約70%未満、約68%未満、約65%未満、約64%未満、約63%、約62%未満、約60%未満、約58%未満、約56%未満、約55%未満、約54%未満、約53%未満、又は約52%の相対湿度を有してもよく、特定した範囲内の全ての0.1%増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙する。全ての相対湿度測定値は、本明細書の湿度試験に従って取得した。トップシートとして本開示の液体透過性基材を有する2つの吸収性物品の例の相対湿度%と比較した、市販の吸収性物品の相対湿度%の表を、下記の表1に示す。各吸収性物品のバックシートフィルムに関するWVTR値も、下記の表1に示す。より大きい坪量のトップシート(例では約35gsm)を用いた場合であっても、本開示の液体透過性基材を有する吸収性物品は、市販のエアフェルトを含まない製品、即ち小さい坪量のトップシート(約15.5gsm)を有するPampers Cruisersと同一又はそれ以下の相対湿度を達成したことに注目することが重要である。その結果、低い相対湿度の利益は、エアフェルトを含まないコアと大きい坪量のトップシート(例えば、25gsmを超える坪量を有するトップシート)との組み合わせを有する吸収性物品において実現される。
【0169】
【表1】
*(AFF)-吸収性物品が吸収性材料の重量に基づいて少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の超吸収性ポリマーを含む吸収性材料を含む吸収性コアを有することを意味する。これらのコアは、実質的にセルロース繊維を含まず、又は完全にセルロース繊維を含まない。
**(AF/C)-吸収性物品が、超吸収性ポリマーと、吸収性コア中の全吸収性材料の重量に基づいて少なくとも30%のセルロース繊維と、を含む吸収性材料を含む吸収性コアを有することを意味する。
***TSBW-本明細書の坪量試験に従ったトップシート坪量を意味する。
【0170】
WVTR
試験した吸収性物品のバックシートフィルムのWVTR、即ち水蒸気透過率を、上記の表1に示す。WVTR値は、バックシートフィルムなどの材料がどのくらい「通気性を有する」か又は蒸気透過性であるかを特定する。WVTR値が大きくなるほど、材料の通気性又は蒸気透過性が高くなり、その逆も同様である。第1の形態では、本開示の吸収性物品のWVTR値は、本明細書のWVTR試験に従って、7,500g/m2日未満、7,000g/m2日未満、6,500g/m2日未満、6000g/m2日未満、5,800g/m2日未満、5,500g/m2日未満、又は5,450g/m2日未満であってもよい。第1の形態の吸収性物品のバックシートフィルムに関する最小WVTR値は、本明細書のWVTR試験に従って、少なくとも750g/m2日、少なくとも1,000g/m2日、少なくとも1,500g/m2日、少なくとも2,000g/m2日、少なくとも2,500g/m2日、少なくとも3,000g/m2日、又は少なくとも3,500g/m2日であってもよい。本明細書のWVTRの上及び下の数は、同様に本開示に明確に含まれる範囲を形成する(例えば、2,000g/m2日~6,500g/m2日)。第2の形態では、本開示の吸収性物品のWVTR値は、本明細書のWVTR試験に従って、16,000g/m2日未満、15,000g/m2日未満、14,500g/m2日未満、14,000g/m2日未満、13,800g/m2日未満、13,700g/m2日未満、又は13,600g/m2日未満であってもよい。第2の形態の吸収性物品のバックシートフィルムに関する最小WVTR値は、本明細書のWVTR試験に従って、少なくとも7,000g/m2日、少なくとも8,000g/m2、少なくとも9,000g/m2日、少なくとも10,000g/m2日、少なくとも11,000g/m2日、少なくとも12,000g/m2日、又は少なくとも13,000g/m2日であってもよい。本明細書のWVTRの上及び下の数は、同様に明確に本開示に含まれる範囲を形成する(例えば、10,000g/m2日~15,000g/m2日)。
【0171】
トップシートとしての本開示の液体透過性基材と、吸収性材料の重量に基づいて、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%超の吸収性ポリマーを含む吸収性材料を含む吸収性コアと、を含む吸収性物品は、湿度試験に従って、75%未満、74%未満、73%未満、72%未満、70%未満、68%未満、66%未満、65%未満、64%未満、若しくは63%未満の相対湿度、又は約50%~75%、約55%~約70%、約55%~約65%、約58%~約65%、若しくは約60%~約64%の範囲内の相対湿度を有してもよく、特定した範囲内の全ての0.1%増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙し、また本明細書のWVTR試験に従って、7,500g/m2日未満、7,000g/m2日未満、6,500g/m2日未満、6,000g/m2日未満、5,800g/m2日未満、5,600g/m2日未満、又は5,500日未満であるが、750g/m2日超、1,000g/m2日超、1,500g/m2日超、1,750g/m2日、又は2,000g/m2日超のWVTR値を有してもよい。トップシートの液体透過性基材は、30gsm超、約35gsm、約25gsm~約60gsmの範囲内、又は約30gsm~約40gsmの範囲内の坪量を有してもよい。
【0172】
トップシートとしての本開示の液体透過性基材と、吸収性材料の重量に基づいて、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%の超吸収性ポリマーを含む吸収性材料を含む吸収性コアと、を含む吸収性物品は、湿度試験に従って、75%未満、74%未満、73%未満、72%未満、70%未満、68%未満、65%未満、63%未満、60%未満、58%未満、56%未満、55%未満、54%未満、若しくは54%未満の相対湿度、又は約40%~75%、約45%~約70%、約45%~約65%、約48%~約60%、約48%~約56%、又は約50%~約54%の範囲内の相対湿度を有してもよく、特定した範囲内の全ての0.1%増分、及びその中の又はそれにより形成される全範囲を明確に列挙し、また本明細書のWVTR試験に従って、16,000g/m2日未満、15,500g/m2日未満、15,000g/m2日未満、14,500g/m2日未満、14,000g/m2日未満、13,800g/m2日未満、13,600g/m2日未満であるが、8,000g/m2日超、10,000g/m2日超、11,000g/m2日超、12,000g/m2日超、若しくは13,000g/m2日超のWVTR値を有してもよい。トップシートの液体透過性基材は、30gsm超、約35gsm、約25gsm~約60gsmの範囲内、又は約30gsm~約40gsmの範囲内の坪量を有してもよい。
【0173】
試験方法
試験前に2時間掛けて約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で、全サンプルを調整する。
【0174】
孔試験
孔寸法、有効孔面積、及び%有効開放面積の測定を、反射モードにおいて64000dpiの解像度及び8ビットグレースケールで走査可能なフラットベッドスキャナを使用して、生成された画像上で実施する(好適なスキャナは、Epson(米国)のEpson Perfection V750 Proである)。分析は、ImageJ software(National Institutes of Healthspecificallyのv.s.1.46)を使用して実施し、NISTによって認定された定規に対して較正される。試料を取り付けるために鋼製フレーム(100mm2、1.5mm厚、60mm2開口部付き)を使用し、黒のガラスタイル(HunterLab,Reston,VAから販売されるP/N 11-0050-30)を走査画像の背景として使用する。
【0175】
鋼製フレームを取って、内部開口部を取り囲む底面上に両面接着テープを貼る。試料を取得するために、身体対面表面を上向きにして吸収性物品を実験台上に平らに置く。テープの剥離紙を除去し、鋼製フレームを吸収性物品のトップシートに接着する(本明細書に記載した基材は、例えばトップシート上に配置されることによりトップシートの一部のみを形成してもよく-3次元材料がサンプルとなるものである)。かみそりの刃を用いて、フレームの外周部の周りの吸収性物品の下層からトップシートを切り取る。試料の長手方向及び横方向の拡張部が維持されるように、試料を丁寧に取り去る。低温スプレー(Cyto-Freeze,Control Company(Houston TX)など)を使用して、必要であれば、トップシート試料を下層から取り出すことができる。5つの実質的に同様の吸収性物品から取得された5つの複製試験片を分析に備えて準備する。
【0176】
定規を走査装置ベッドに置き、蓋を閉じて、6400dpi及び8ビットのグレースケールの解像度にて反射率モードで定規の50mm×50mmの較正画像を取得する。画像を圧縮前のTIFF書式ファイルとして保存する。蓋を持ち上げて定規を取り除く。較正画像を取得した後、全ての試料を同じ条件下で走査して同じ較正ファイルに基づいて測定する。次に、試料の着用者対面表面を走査装置のガラス面に対向した状態でフレーム付きの試料を走査装置ベッドの中心上に置く。黒のガラスタイルを、試料を覆うフレーム上に置き、蓋を閉じて、走査画像を取得する。同様に、残りの4つの複製試験片を走査する。
【0177】
ImageJ内の較正ファイルを開き、画像化した定規を使用して、較正がその後の試料に適用されるようにスケールをGlobalに設定したまま線形較正を行う。ImageJ内の試料画像を開く。ヒストグラムを見て、孔の暗画素ピークと不織布材料のより明るい画像ピークとの間に位置する最小母集団のグレーレベル値を特定する。画像の閾値を最小グレーレベル値に設定して2値画像を生成する。処理した画像では、孔は黒く、不織布材料は白く見える。
【0178】
分析粒子機能を選択する。最小孔面積排除限界を0.3mm2に、かつ、分析のために、縁部孔を除外するように設定する。有効孔面積、周辺部、フェレ径(孔の長さ)、及び最小フェレ径(孔の幅)を計算するようにソフトウェアを設定する。平均有効孔面積を0.01mm2の位まで、平均周辺部を0.01mmの位まで記録する。再度分析粒子機能を選択するが、今回はそれが有効孔面積を計算するように、縁部孔を含む分析を設定する。有効孔面積(全部及び部分の孔を含む)を合計して、画像内に含まれた総面積(2500mm2)で除算する。%有効開放面積を0.01%の位まで記録する。
【0179】
同様に、残りの4つの試料画像を分析する。5つの複製試験片について、平均有効孔面積を、0.01mm2の位まで、平均孔周辺部を0.01mmの位まで、フェレ径及び最小フェレ径を0.01mmの位まで、及び%有効開放面積を0.01%の位まで計算及び報告する。
【0180】
高さ試験
基材突出部高さ及び全体的な基材の高さを、GFMesstechnik GmbH(Teltow/Berlin,Germany)から市販されているGFM MikroCAD Premium機器を使用して測定する。GFM MikroCAD Premium機器は、以下の主な構成要素を含む。a)直接デジタル制御マイクロミラーを有するDLPプロジェクター;b)少なくとも1600×1200ピクセル解像度を有するCCDカメラ、c)少なくとも60mm×45mmの測定範囲に適合された投影光学、d)少なくとも60mm×45mmの測定範囲に適合された記録光学、e)小さい硬石プレートに基づく低い三脚台、f)青色LED光源、g)ODSCADソフトウェア(バージョン6.2、又は等価物)を実行する測定、制御、及び評価コンピュータ、並びにh)販売元から入手可能な、横方向(x-y)及び垂直方向(z)較正のための較正プレート。
【0181】
GFM MikroCAD Premiumシステムは、デジタルマイクロミラーパターンフリンジ投影技術を用いて、サンプルの表面高さを測定する。分析の結果は、x-y平面内の変位に対する表面高さ(z方向又はz軸)の写像である。そのシステムは、およそ40マイクロメートルx-yピクセル解像度で60×45mmの視野を有する。高さ解像度を、高さ範囲+/-15mmで0.5マイクロメートル/カウントに設定する。全ての試験は、約23±2℃及び約50±2%相対湿度に維持された調整室内で行う。
【0182】
鋼製フレーム(100mm平方、厚さ1.5mm、70mm平方の開口部を有する)を使用して試料を取り付ける。鋼製フレームを取って、内部開口部を取り囲む底面上に両面接着テープを貼る。試料を取得するために、着用者対面表面を上向きにして吸収性物品を作業台上に平らに置く。テープの剥離紙を除去し、鋼製フレームを吸収性物品のトップシートに接着する(本明細書に記載した基材は、例えばトップシート上に配置されることによりトップシートの一部のみを形成してもよく-3次元材料がサンプルとなるものである)。かみそりの刃を用いて、フレームの外周部の周りの吸収性物品の下層からトップシートを切り取る。長手方向及び横方向の拡張部が維持されるように、試料を丁寧に取り去る。低温スプレー(Cyto-Freeze,Control Company(Houston TX)など)を使用して、必要であれば、トップシート試料を下層から取り出すことができる。5つの実質的に同様の吸収性物品から取得された5つの複製試験片を分析に備えて準備する。
【0183】
製造業者の仕様書に従い、販売元から入手可能な較正プレートを使用して、横方向(x-y軸)及び垂直方向(z軸)に対して機器を較正する。
【0184】
鋼プレート及び試料をカメラの真下にてテーブル上に置き、着用者対面表面をカメラの方向に指向させる。試料表面のみが画像内で可視であるように、試料をカメラ視野内の中心に置く。しわが最小限となるように試料を平らにする。
【0185】
機器製造業者の推奨測定手順に従って、試料の高さ画像(z方向)を収集する。以下の操作パラメータを用いて、技術的表面/標準的測定プログラムを選択する:3フレーム遅延を用いた高速画像記録の使用。1)ピクチャー数12を有する16ピクセルストライプ幅、及び2)ピクチャー数8を有する32ピクセルストライプ幅で二重位相シフトを使用する。ピクセル2で開始し、ピクセル512で終了する完全なグレイコード。測定プログラムの選択後、測定システムの焦点合わせ及び輝度調整の実行に関して、機器の製造業者の推奨手順に続けて従う。3D測定を行った後、高さ画像及びカメラ画像ファイルを保存する。
【0186】
高さ画像を、クリップボードを介してソフトウェアの分析部分に取り込む。次いで、各画像に対して以下のフィルタリング手順を行う:1)無効な地点の除去、2)ピーク(小さい局部的隆起)の除去、3)ランクn=5及び5サイクルの材料部分の多項式フィルタリング、材料部分からの30%のピークと30%の谷部の排除。
【0187】
突出部高さ試験
一連の突出部のピークを接続する線を引く。この線は突出部のそれぞれの間に位置する、非有孔ランド範囲を交差する。引いた線に沿って、高さ画像の断面像を生成する。断面線に沿って、突出部のピークと、隣接するランド範囲の谷部との間の、垂直方向の高さ(z方向)の差を測定する。高さを0.1μmの位まで記録する。10個の異なる突出部ピークからランド範囲までの高さの測定値を平均し、この値を0.1μmの位まで報告する。これは、突出部の高さである。
【0188】
凹部高さ試験
全体的な基材の高さから突出部の高さを減算して、凹部の高さを得る。これは、突出部の高さ試験及び全体的な基材の高さ試験からの10個の測定値のそれぞれを用いて行う必要がある。10個の凹部の高さを平均し、この値を0.1μmの位まで報告する。これは、凹部の高さである。
【0189】
全体的な基材の高さ試験
一連の突出部のピークを接続する線を引く。この線は、突出部のそれぞれの間に、かつ凹部内に位置する孔の中心を交差する。引いた線に沿って、高さ画像の断面像を生成する。断面線に沿って、突出部のピークと、隣接する凹部の基部との間の、垂直方向の高さの差を測定する。高さを0.1μmの位まで記録する。10個の異なる突出部ピークから凹部の基部までの高さ測定値を平均し、この値を0.1μmの位まで報告する。これは、全体的な基材の高さである。
【0190】
平均孔間隔試験
横方向軸線孔間隔及び長手方向軸線孔間隔を、反射モードにおいて64000dpiの解像度及び8ビットグレースケールで走査可能なフラットベッドスキャナを使用して、生成された画像上で実施する(好適なスキャナは、Epson Perfection V750 Pro,Epson(USA)である)。分析は、ImageJ software(National Institutes of Healthspecificallyのv.s.1.46)を使用して実施し、NISTによって認定された定規に対して較正される。試料を取り付けるために鋼製フレーム(100mm2、1.5mm厚、60mm2開口部付き)を使用し、黒のガラスタイル(HunterLab,Reston,VAから販売されるP/N11-0050-30)を走査画像の背景として使用する。試験は、約23℃±2C°及び約50%±2%相対湿度で行う。
【0191】
鋼製フレームを取って、内部開口部を取り囲む底面上に両面接着テープを貼る。試料を取得するために、身体対面表面を上向きにして吸収性物品を実験台上に平らに置く。テープの剥離紙を除去し、鋼製フレームを吸収性物品のトップシートに接着する。かみそりの刃を用いて、フレームの外周部の周りの吸収性物品の下層からトップシート(即ち、着用者対面表面の全部又は一部を形成する3次元基材)を切り取る。長手方向及び横方向の拡張部が維持されるように、試料を丁寧に取り去る。低温スプレー(Cyto-Freeze,Control Company(Houston TX)など)を使用して、必要であれば、トップシート試料を下層から取り出すことができる。5つの実質的に同様の吸収性物品から取得された5つの複製試験片を分析に備えて準備する。試験前に約2時間掛けて約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で、サンプルを調整する。
【0192】
定規を走査装置ベッドに置き、蓋を閉じて、6400dpi及び8ビットグレースケールの解像度にて反射率モードで定規の50mm×50mmの較正画像を取得する。画像を圧縮前のTIFF書式ファイルとして保存する。蓋を持ち上げて定規を取り除く。較正画像を取得した後、全ての試料を同じ条件下で走査して同じ較正ファイルに基づいて測定する。次に、試料の着用者対面表面を走査装置のガラス面に対向した状態でフレーム付きの試料を走査装置ベッドのセンター上に置く。黒のガラスタイルを、試料を覆うフレーム上に置き、蓋を閉じて、走査画像を取得する。同様に、残りの4つの複製試験片を走査する。
【0193】
ImageJ内の較正ファイルを開き、画像化した定規を使用して、較正がその後の試料に適用されるようにスケールをGlobalに設定したまま線形較正を行う。ImageJ内の試料画像を開き、以下の測定を行う。
【0194】
横方向軸線孔間隔
1つの孔の中心点から、2つの孔の間に配置されている突出部の反対側の、隣接する孔の中心点までを測定する。測定値は、突出部を横切って、試料の横方向軸線に平行な方向に取得されるであろう。各距離を0.1mmの位まで報告する。試料内で5個の無作為な測定値を取得する。5個の値を平均し、横方向軸線中心-中心間隔の平均を0.1mmの位まで報告する。この手順を、更なる4つのサンプルにて繰り返す。
【0195】
長手方向軸線孔間隔
1つの孔の中心点から、2つの孔の間に配置されている突出部の反対側の、隣接する孔の中心点までを測定する。測定値は、突出部を横切って、試料の長手方向軸線に平行な方向に取得されるであろう。各距離を0.1mmの位まで報告する。試料内で5個の無作為な測定値を取得する。5個の値を平均し、長手方向軸線の中心から中心までの間隔の平均を、0.1mmの位まで報告する。この手順を、更なる4つのサンプルにて繰り返す。
【0196】
坪量試験
3次元基材の秤量は、いくつかの利用可能な技術によって判定され得るが、単純な代表的な技術では、吸収性物品を取ること、存在する恐れがある一切の弾性を除去すること、及び吸収性物品を全長まで伸張させることを伴う。その後、45.6cm2の面積を有する打抜き型を使用して、存在する恐れがある任意の他の層にトップシートを固着するために使用され得る任意の接着剤を可能な限り回避する場所において、おむつ又は吸収性製品のほぼ中心から、トップシートを形成する、トップシート上に配置される、又はトップシートの一部を形成する基材(この方法では「トップシート」)片を切り取り、トップシート層を他の層から除去する(必要であればCyto-freeze,Control-Company(Houston,Tx)など、低温スプレーを使用して)。その後、サンプルを秤量して打抜き型の面積で除算すると、トップシートの坪量が得られる。結果を、5個のサンプルの平均として、0.1グラム/平方メートルの位まで報告する。
【0197】
記述的分析粗度方法
表面幾何学的粗度を、粗度センサ(Kato Tech Co.,Japanから入手可能)を有するKawabata評価システムKES FB4摩擦試験機を使用して測定する。この機器は、表面摩擦及び幾何学的粗度を同時に測定するが、本明細書では、幾何学的粗度(SMD値)のみを報告する。全ての試験は、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%にて行う。サンプルを、約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度にて試験前に約2時間掛けて予備調整する。機器は、製造者の指示にしたがって較正される。
【0198】
吸収性物品を着用者対面表面を上向きにして実験台上に置く。吸収性物品のカフを鋏で切り取って物品を平らに置きやすくする。鋏又は小刀を用いて、吸収性物品の長手方向にて長さ20cm、吸収性物品の横方向にて幅10cmで、トップシートの試料を切り取る。縦方向又は横方向に寸法を歪ませないように試料を取り去る際に注意するべきである。試料は、合計5点の実質的に全く同じ吸収性物品から収集する。
【0199】
KES FB4をオンにする。器具は、使用前に少なくとも10分掛けて暖機させるべきである。機器をSMD感度2×5、試験速度0.1、及び圧縮面積2cmに設定する。粗度コントラクタ(contractor)圧縮(接触力)を0.98N(10gf)に調整する。着用者対面表面を上向きし、縦方向の寸法が機器の試験方向と整合された状態でトップシート試料を試験器上に置く。0.020Nm(20gf/cm)の初期張力で試料を挟持する。試験を開始する。機器は、試料について3回測定を自動的に行うことになる。3つの測定値のそれぞれからMIU(摩擦係数)、MMD(スリップスティック)、及びSMD(Geometrical粗度)値を0.001マイクロメートルの位まで記録する。残りの4つの試料についても同様に繰り返す。
【0200】
摩擦係数を15個の記録値の平均として、0.01の位まで報告する。スリップスティックを15個の記録値の平均として、0.001の位まで報告する。幾何学的粗度を15個の記録値の平均として、0.01マイクロメートルの位まで報告する。
【0201】
バッグ内スタック高さ試験
本開示の吸収性物品のパッケージのバッグ内スタック高さを、以下のように測定する。
【0202】
装置
おもりを加えるための水平摺動プレート(垂直平面で上下に動く水平プレート)を含むおむつパッケージ化万能試験機(Universal Diaper Packaging Tester)(UDPT)(モデル番号M-ROEL;機械番号MK-1071)。これは、吊るしたおもりで相殺されて、水平摺動プレートアセンブリからおむつパッケージに下方への力が加えられていないことを常に確実にする。UDPTは、郵便番号659-0014、日本国兵庫県芦屋市翠ケ丘町7-21-101、松下電器産業(Matsushita Industry)から入手可能である。850g(±0.5g)のおもり。
【0203】
用語の定義
図69に示すように、パッケージ1000は内部空間1002を画定し、複数の吸収性物品1004を含む。吸収性物品は、スタック1006にて存在する。パッケージは、パッケージ幅1008を有する。パッケージ幅1008は、吸収性物品パッケージ1000の同一の圧縮スタック軸線1010に沿った、2つの最高膨出点の間の最大距離として定義される。
バッグ内スタック高さ=(パッケージ幅/1スタック当たりのパッド数)×吸収性物品10枚。
【0204】
装置較正
水平摺動プレートを、その底部が試験機底板に触れるまで引き下げる。
水平摺動スケールの横に位置するデジタルメーターを、ゼロの印に合わせる。
水平摺動プレートを上げて、試験機底板から離す。
【0205】
試験手順
吸収性物品パッケージのサイドパネルの1つを、試験機底板の中央に立ててその幅に沿って置く。
試験されるパッケージに垂直摺動プレート(水平平面で左右に動く垂直プレート)が触れないように、垂直摺動プレートを確実に右に引く。
垂直摺動プレートに、850gのおもりを加える。
水平摺動プレートを、その底部がパッケージの所望の最も高い点に軽く触れるまで、下方にゆっくりと摺動させる。
パッケージの幅をmmで測定する(底板の頂部から、おむつパッケージの頂部までの距離)。
デジタルメーターに示される読み取り値を記録する。
850gのおもりを取り除く。
水平摺動プレートを上げて、おむつパッケージから離す。
吸収性物品パッケージを取り除く。
【0206】
計算/報告
「バッグ内スタック高さ」=(パッケージ幅/1スタック当たりのパッド数)x10、を計算及び報告する。サンプルの識別、即ち、試験される製品の完全な記載(製品のブランド名/サイズ)を報告する。
幅の測定値のそれぞれに関する決定値を1mmの位まで報告する。所定の製品に関して同じパッド数を有する少なくとも5つの吸収性物品パッケージをこの方法で測定し、バッグ内スタック高さの値を合計して、平均及び標準偏差を計算する。
測定されたパッケージの製造日を報告する(パッケージコーディングから得られる)。
試験日及び使用される分析方法を報告する。
【0207】
湿度試験
ASTM D 4910-02に基づく寸法を有する、加熱したマネキン上で、吸収性物品内の相対湿度を測定する。試験は、23℃±2℃、及び50%±2%の相対湿度に厳密に維持された研究室内で行う。温度及び相対湿度の両方を測定するセンサを使用して、加熱した生理食塩水溶液を充填している間、吸収性物品の前側の内部の状態を監視し、相対湿度を4時間記録する。
【0208】
中空の樹脂-成型ハードシェル(hard shell)マネキンを、ASTM D 4910-02に記載され、下記の表2に要約したように、腰部、股関節部、及び大腿部の周囲寸法に作製する。
図31及び32を参照すると、マネキン2000は、迅速開放取付け部品(quick disconnects fittings)2001を用いて両方の脚の底部にて配管されて(右側から入り、左側から出る)、マネキンの内部体積を通して加熱水を循環させる。加熱した循環浴(容積13リットル、温度を±0.5C°まで維持可能)を使用してマネキンの温度を調節する。マネキンの上部から進入し、男性の放尿地点と一致する部位2003から退出する0.318cm(1/8in.)ステンレス鋼送達チューブ2002を内部に配管する。マネキンの上部では、2つの円形固定具2004が取り付けられ、固定具2004からマネキンが、試験中、直立状態にて吊され得る。利便性のため、マネキンは卓上に置かれて吸収性物品を適用された後、試験のために懸垂されてもよい。
【0209】
好適な湿度/温度センサ2005は、Model SHT21、Model EK-H4多重ボックス及びModel EK-H4データロガーソフトウェアとしてSensirionから入手可能である。センサ自体は、Model SF2フィルターキャップによって液体接触から保護される。等価な性能及び同様のサイズを有するセンサで置き換えることができる。センサ2005は、部位2003のおよそ10mm上方においてマネキンの前側に取り付けられ、その細いフラットケーブル(
図31に濃い矢印で示す)は表面に沿って配線され、腰部の上部で退出する。
【0210】
試験前に、吸収性物品を、約23℃±2C°及び約50%±2%の相対湿度で維持された室内で、それらの包装の外部で24時間調整する。センサ2005において温度37℃±2C°に維持されるよう循環浴を設定する。温度が安定した後、調整した吸収性物品をマネキン上に装着し、吸収性物品の腰部がマネキンの腰部の周囲にきちんと合い、カフが着用者上に適合するであろうように位置付けられていることを確実にする。吸収性物品を加熱マネキン上で更に1時間安定化させる。
【0211】
0.9% NaCl(w/v)の合成尿溶液を、おむつへの注入(dosing)に使用する。0.9%生理食塩水溶液のリザーバを、加熱した水浴内で38℃±1C°に加熱する。蠕動ポンプを使用して、下記の表2に規定される、0.9%生理食塩水のサイズ依存性注入量(dose)を、同様に下記の表2に規定される速度で送達チューブ2002を介して導入する。5分間隔で、2つの追加の注入量を同様の方法で送達する。3回の注入が完了した後、相対湿度を4時間監視する。実験全体において、相対湿度(%)データを1読み取り値/分の速度で、0.1%の位まで記録する。相対湿度(%)を4時間の時点で取得した読み取り値として報告し、0.1%の位まで記録する。合計9個の複製おむつを同様にして実験し、それらの平均を1%の位まで報告する。
【0212】
【0213】
水蒸気透過率(WVTR)試験
Mocon法は、WVTRのためのWSP 70.5である。値は、g/m2日の単位で報告する。
【0214】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断りがない限り、このような寸法は、列挙されている値と、その値周辺の機能的に同様の範囲の双方を意味するように意図されている。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0215】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書で開示若しくは請求される任意の実施形態に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは任意の他の参照(単数又は複数)との任意の組み合わせで任意のこのような実施形態を教示、提案、若しくは開示することを認めるものではない。さらに、この文献における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により取り入れられた文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相容れない場合は、この文献においてその用語に割り当てられた意味又は定義に従うものとする。
【0216】
本開示の特定の実施形態が図示及び説明されたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行い得ることは、当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属する全てのこのような変更及び修正を、添付された特許請求の範囲に網羅するものとする。