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  • 特許-来客数予測システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】来客数予測システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20231204BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20231204BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/02
G01C21/26 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019156334
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021033898
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】蛸井 宏和
(72)【発明者】
【氏名】糸永 勝悟
(72)【発明者】
【氏名】照内 啓太
(72)【発明者】
【氏名】神田 征司
(72)【発明者】
【氏名】佐敷 敦
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-117378(JP,A)
【文献】特開2005-208848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両による店舗への来客数を予測するための来客数予測システムであり、
車両の現在地および目的地を車両データとして収集するデータ収集手段と、
前記現在地および前記目的地に基づいて、前記目的地に対する前記車両の到着時間を算出する時間予測手段と、
前記目的地が前記店舗である場合に、前記車両における前記店舗の利用希望者が予約をしない場合であっても、前記目的地として前記店舗が設定された後、ただちに、前記車両の到着および到着時間を、前記店舗に通知する通知手段とを備えることを特徴とする、来客数予測システム。
【請求項2】
前記データ収集手段は、前記車両の乗員数がデータとして自動入力される乗員数取得装置を備え、前記車両データが、前記車両の乗員数を含む、請求項1に記載の来客数予測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来客数予測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、飲食店、美容施設、宿泊施設、レジャー施設などの各種店舗では、店舗の業務を効率化するため、利用希望者の入力によって予約を受け付ける予約管理システムが使用されている。
【0003】
また、予約管理システムとしては、予約処理の円滑化を図るため、自動車のカーナビゲーション装置と連動させることが、提案されている。
【0004】
より具体的には、例えば、飲食店の予約要求を車両から受信する受信部と、車両の位置情報および受信部によって受信された予約要求の少なくともいずれか一方に基づいて、飲食店の予約に関する予約処理を行う予約処理部とを備える予約管理装置が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
このような予約管理装置では、車両のカーナビゲーション装置が目的地周辺の飲食店を検索し、搭乗者が希望する予約条件情報を作成し、予約管理装置へ送信することによって、飲食店への予約が確定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-041339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、予約管理装置では、利用希望者が予約条件情報を作成および送信する必要があるため、操作が煩雑である。その結果、利用希望者が予約することなく来店する場合があり、客数予測の精度が十分ではなく、より精度よく来客数を予測することが要求される。
【0008】
本発明は、精度よく来客数を予測できる来客数予測システムである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明[1]は、車両による店舗への来客数を予測するための来客数予測システムであり、車両の現在地および目的地を車両データとして収集するデータ収集手段と、前記現在地および前記目的地に基づいて、前記目的地に対する前記車両の到着および到着時間を算出する時間予測手段と、前記目的地が前記店舗である場合に、前記車両の到着および到着時間を、前記店舗に通知する通知手段とを備える、来客数予測システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の来客数予測システムでは、車両の現在地および目的地を車両データとして収集し、目的地が所定の店舗である場合に、車両の到着および到着時間を店舗に通知する。
【0011】
そのため、本発明の来客数予測システムでは、店舗の利用希望者が予約をしない場合であっても、車両による店舗への来客数を、精度よく予測できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の来客数予測システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.来客数予測システムの全体構成
図1において、来客数予測システム1は、車両としての自動車10によって店舗11に来客する人数(来客数)を予測するためのシステムである。
【0014】
来客数予測システム1は、例えば、運営に関わるリソース(従業員数、空席数、在庫状況など)を精度良く管理するため、店舗11に導入される。
【0015】
店舗11としては、特に制限されず、例えば、飲食店舗(例えば、レストランなど)、美容施設の店舗(例えば、美容院など)、宿泊施設(例えば、ホテルなど)、レジャー施設(例えば、遊園地など)などが挙げられる。
【0016】
来客数予測システム1は、自動車10の車両データを収集するデータ収集手段としてのデータ収集ユニット2と、自動車10の目的地への到着時間を算出する時間予測手段としての時間予測ユニット3と、自動車10の到着および到着時間を店舗11に通知する通知手段としての通知ユニット4とを備えている。
【0017】
データ収集ユニット2は、自動車10の現在地および目的地を、車両データとして収集するユニットである。データ収集ユニット2は、例えば、カーナビゲーション装置21および車両データサーバ23を備えている。
【0018】
カーナビゲーション装置21は、例えば、GPS装置(図示せず)を備えており、自動車10の現在地を検出可能としている。また、カーナビゲーション装置21には、自動車10を目的地が入力可能とされる。これにより、カーナビゲーション装置21は、自動車10の現在地および目的地を、車両データとして取得可能としている。
【0019】
車両データサーバ23は、自動車10の現在地および目的地を、車両データとして記憶可能な装置である。車両データサーバ23は、カーナビゲーション装置21と通信可能に設備されている(図1破線矢印参照。)。すなわち、車両データサーバ23は、カーナビゲーション装置21により収集された車両データ(自動車10の現在地および目的地)を受信および記憶可能としている。
【0020】
時間予測ユニット3は、目的地に対する自動車10の到着時間を算出するユニットである。時間予測ユニット3は、データ処理部31を備えている。
【0021】
データ処理部31は、車両データサーバ23に電気的に接続されている(図1破線矢印参照。)。これにより、データ処理部31は、車両データサーバ23から車両データを受信可能としている。
【0022】
また、データ処理部31は、自動車10の現在地および目的地に基づいて、自動車10の目的地への到着時間を予測するプログラムを有している。このプログラムによって、データ処理部31は、自動車10の目的地への到着時間を算出可能としている。
【0023】
データ処理部31により算出された到着時間は、車両データ(現在地および目的地)とともに、通知ユニット4に入力される。
【0024】
また、データ処理部31により算出された到着時間は、必要に応じて、カーナビゲーション装置21にも入力され、自動車10の乗員に通知される。
【0025】
通知ユニット4は、自動車10の到着および到着時間を、店舗11に通知するユニットである。
【0026】
より具体的には、通知ユニット4は、来客数予測システム1を利用する店舗11のデータが登録される店舗データサーバ40と、その店舗11のデータと自動車10の目的地とを対比し、目的地に一致する店舗11を選択する照会部41と、目的地と一致する店舗11に自動車10の到着および到着時間を通知する通知部42とを備えている。
【0027】
店舗データサーバ40は、来客数予測システム1を利用する店舗11の店舗データ(店名、住所、席数など)を記憶するデータサーバである。店舗データサーバ40には、同一の来客数予測システム1を共用する店舗11の一覧が、データベースとして登録されている。
【0028】
照会部41は、自動車10の到着および到着時間を通知する対象(店舗11)を選択するために、備えられている。
【0029】
より具体的には、照会部41は、店舗データサーバ40および車両データサーバ23に電気的に接続されている(図1破線矢印参照。)。これにより、照会部41は、自動車10の車両データ(現在地および目的地)と、店舗データサーバ40に登録されている店舗データとを対比可能としている。
【0030】
そして、照会部41は、店舗データサーバ40に登録されている店舗11の一覧から、自動車10の目的地と一致する店舗11を選択するプログラムを、有している。このプログラムは、自動車10の目的地と一致する店舗11が店舗データサーバ40に登録されている場合に、その店舗11を選択し、その店舗11に自動車10の到着および到着時間を通知すると決定する。一方、このプログラムは、自動車10の目的地と一致する店舗11が店舗データサーバ40に登録されていない場合、自動車10の到着および到着時間を通知する対象を選択せず、待機状態に戻る。
【0031】
通知部42は、店舗11に対して自動車10の到着および到着時間を通知するために備えられている。つまり、通知部42は、自動車10の目的地と一致する店舗11が、照会部41により選択された場合に、その店舗11に対して、自動車10の到着および到着時間をアナウンス可能としている。
【0032】
より具体的には、通知部42は、店舗11の内部に備えられており、照会部41に無線通信などにより接続されている(図1破線矢印参照。)。これにより、通知部42は、照会部41の判断(通知の要否)に応じて、自動車10の到着および到着時間を、照会部41から受信可能としている。
【0033】
また、通知部42は、図示しないが、例えば、画像表示装置、音声発生装置などの出力装置を備えており、例えば、画像表示、音声アナウンスなどによって、自動車10の到着および到着時間を、店舗11に通知可能としている。
【0034】
これにより、店舗11において、自動車10による来客数が予測可能とされる。
【0035】
なお、来客数予測システム1において、車両データサーバ23、データ処理部31、店舗データサーバ40および照会部41は、互いに電気的に接続され、例えば、同一の管理施設8内に配置される。
【0036】
2.来客数予測システムによる管理
上記の来客数予測システム1は、例えば、複数の店舗11に共用される。各店舗11の店舗データは、例えば、店舗データサーバ40にデータベースとして登録される。
【0037】
そして、上記の来客数予測システム1では、まず、データ収集ユニット2が、自動車10の現在地および目的地を車両データとして収集する。
【0038】
より具体的には、自動車10の現在地は、カーナビゲーション装置21のGPS装置(図示せず)により測定され、車両データサーバ23に送信される。また、自動車10の目的地は、例えば、自動車10の運転者などによりカーナビゲーション装置21に入力され、車両データサーバ23に送信される。
【0039】
これにより、自動車10の現在地および目的地を含む車両データが、車両データサーバ23に記憶される。
【0040】
次いで、この来客数予測システム1では、時間予測ユニット3が、目的地に対する自動車10の到着および到着時間を算出する。
【0041】
すなわち、車両データサーバ23に記憶された車両データ(現在地および目的地)が、時間予測ユニット3のデータ処理部31に入力される。また、必要に応じて、自動車10の周辺地域における渋滞状況、混雑状況、事故状況などが、データ処理部31に入力される。
【0042】
そして、データ処理部31は、自動車10の車両データ(現在地および目的地)に基づいて、目的地に対する自動車10の到着および到着時間を、所定のプログラムにより算出する。
【0043】
次いで、算出された到着および到着時間は、自動車10の車両データとともに、データ処理部31から通知ユニット4の照会部41に送信される。なお、自動車10の到着および到着時間は、必要に応じて、カーナビゲーション装置21にも送信され、自動車10の乗員に通知される。
【0044】
そして、照会部41は、所定のプログラムに従い、自動車10の車両データ(現在地、目的地、到着時間)と、店舗データサーバ40に登録されている店舗データとを対比する。
【0045】
このとき、自動車10の目的地と一致する店舗11が、店舗データサーバ40に登録されていない場合、照会部41は、自動車10の到着および到着時間を通知する対象を選択せず、待機状態に戻る。
【0046】
一方、自動車10の目的地と一致する店舗11が、店舗データサーバ40に登録されている場合、照会部41は、自動車10の目的地と一致する店舗11を選択して、その店舗11に対して、自動車10の到着および到着時間を通知すると決定する。
【0047】
自動車10の到着および到着時間を通知する店舗11(目的地と一致する店舗11)が選択されると、照会部41は、データ処理部31から自動車10の車両データ(現在地および目的地)と、目的地への到着および到着時間を、通知部42に送信する。
【0048】
通知部42は、自動車10の到着および到着時間を受信し、画像表示装置、音声発生装置などの出力装置によって、自動車10の到着予定時刻を店舗11に通知する。
【0049】
これにより、店舗11は、自動車10による来客数および来店予定時刻を知得することができ、また、得られた情報に基づいて、店舗11を管理できる。
【0050】
より具体的には、到着および到着時間は、例えば、店舗11の経営者、従業員などに通知される。これにより、店舗11において、自動車10による来客数が予測される。
【0051】
そして、店舗11では、予測された来客数および到着および到着時間が、精度良く店舗11を管理するために、利用される。
【0052】
なお、店舗11の管理としては、例えば、空席の確保、駐車スペースの確保、従業員の確保、店内の掃除、休憩のタイミング、在庫の管理などが挙げられる。
【0053】
3.作用・効果
上記の来客数予測システム1では、自動車10の現在地および目的地を車両データとして収集し、店舗11が目的地として設定された場合に、その到着および到着時間を店舗に通知する。
【0054】
そのため、店舗11の利用希望者が予約をしない場合であっても、自動車10による店舗11への来客数を、精度よく予測できる。
【0055】
4.変形例
上記の来客数予測システム1では、自動車10の来店の有無を予測しているが、より正確に来客数を予測するため、例えば、車両データに、自動車10の乗員数を含めることができる。
【0056】
より具体的には、この実施形態では、データ収集ユニット2が、自動車10の乗員数をデータとして取得するための乗員数取得装置22を備えている。
【0057】
乗員数取得装置22は、自動車10の乗員数をデータとして取得できれば、特に制限されず、例えば、自動車10の乗員数が手動入力される装置であってもよく、また、重量センサなどによって自動車10の乗員数が予測および自動入力される装置であってもよい。
【0058】
乗員数取得装置22は、上記カーナビゲーション装置21と一体的に備えられていてもよく、また、別体として備えられていてもよい。図1において、乗員数取得装置22は、カーナビゲーション装置21と一体的に備えられている。
【0059】
データ収集ユニット2が、乗員数取得装置22を備えていれば、来客数予測システム1は、より精度よく来客数を予測できる。
【0060】
また、上記の実施形態では、予測された来客数および到着および到着時間が、店舗11の管理(空席の確保など)に利用されるが、例えば、十分な空席が確保できない場合などには、カーナビゲーション装置21を介して、自動車10の乗員に対し、満席情報および待ち時間を通知してもよい。
【0061】
また、例えば、十分な駐車スペースを確保できない場合などには、必要に応じて、カーナビゲーション装置21を介して、自動車10の乗員に対して、店舗11の近隣の駐車場を案内することもできる。
【0062】
また、カーナビゲーション装置21が、時間測定ユニット3を備えていてもよい。つまり、カーナビゲーション装置21が、到着時間を予測してもよい。このような場合、到着時間は、車両データとして、現在地および目的地とともに、データサーバ23に送信される。
【符号の説明】
【0063】
1 来客数予測システム
2 データ収集ユニット
3 時間予測ユニット
4 通知ユニット
10 自動車
図1