(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1347 20060101AFI20231204BHJP
G02F 1/13363 20060101ALI20231204BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
G02F1/1347
G02F1/13363
G02F1/13 505
(21)【出願番号】P 2019206161
(22)【出願日】2019-11-14
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松島 寿治
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-361917(JP,A)
【文献】国際公開第2008/133043(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/018212(WO,A1)
【文献】特開2019-003181(JP,A)
【文献】特開2006-209021(JP,A)
【文献】特開2008-102459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0139584(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102789103(CN,A)
【文献】特開2020-118965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13,1/137-1/141,1/133,1/1333
G02F 1/1334,1/1339-1/1341,1/1347
G02F 1/1335,1/13363
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
助手席の前方に設けられた車両用表示装置であって、
表示パネルと、
視野角制御パネルと、
前記視野角制御パネルと前記表示パネルとの間に設けられた偏光軸回転素子と、を備え、
前記表示パネルは、第1偏光成分を変調する第1液晶層を備え、
運転席及び前記助手席は、第1方向に並び、
前記視野角制御パネルは、
前記第1方向に並んだ複数の第1透明電極と、前記複数の第1透明電極と向かい合う第2透明電極と、ツイスト配向した液晶分子を含む第2液晶層
と、を備え、
前記第2液晶層は、前記複数の第1透明電極と前記第2透明電極との間に設けられ、
前記複数の第1透明電極のうち、前記運転席側に位置する前記第1透明電極の印加電圧は、前記助手席側に位置する前記第1透明電極の印加電圧より高く、
前記第2液晶層の厚さ方向におけるほぼ中央の液晶分子は、その長軸が前記第1方向に沿うように配向し、
前記視野角制御パネルを透過した第2偏光成分の第2偏光軸は、前記第1偏光成分の第1偏光軸とは異なり、
前記偏光軸回転素子は、前記第2偏光軸が前記第1偏光軸に整合するように前記第2偏光軸を回転させる、車両用表示装置。
【請求項2】
前記偏光軸回転素子は、前記第2偏光成分に1/2波長の位相差を付与するように構成され、前記第1偏光軸の方位と前記第2偏光軸の方位との中間の方位に進相軸を有している、請求項
1に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置及び車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の表示装置において、所定のコントラスト比が得られる視野角を可変する要求がある。例えば、自動車等の車両に搭載される表示装置では、助手席側から表示画像が視認できる一方で、運転席側からは運転中などの場合に表示画像が視認不可とするような視野角制御が求められる。
このような視野角を制御する用途において、ツイストネマティック液晶素子を使用する技術がいくつか提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-195388号公報
【文献】特開2004-133334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、視野角を制御することが可能な表示装置及び車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の表示装置は、
表示パネルと、視野角制御パネルと、前記視野角制御パネルと前記表示パネルとの間に設けられた偏光軸回転素子と、を備え、前記表示パネルは、第1偏光成分を変調する第1液晶層を備え、前記視野角制御パネルは、ツイスト配向した液晶分子を含む第2液晶層を備え、前記視野角制御パネルを透過した第2偏光成分の第2偏光軸は、前記第1偏光成分の第1偏光軸とは異なり、前記偏光軸回転素子は、前記第2偏光軸が前記第1偏光軸に整合するように前記第2偏光軸を回転させるものである。
本実施形態の車両用表示装置は、
助手席の前方に設けられた車両用表示装置であって、表示パネルと、視野角制御パネルと、前記視野角制御パネルと前記表示パネルとの間に設けられた偏光軸回転素子と、を備え、前記表示パネルは、第1偏光成分を変調する第1液晶層を備え、運転席及び前記助手席は、第1方向に並び、前記視野角制御パネルは、ツイスト配向した液晶分子を含む第2液晶層を備え、前記第2液晶層の厚さ方向におけるほぼ中央の液晶分子は、その長軸が前記第1方向に沿うように配向し、前記視野角制御パネルを透過した第2偏光成分の第2偏光軸は、前記第1偏光成分の第1偏光軸とは異なり、前記偏光軸回転素子は、前記第2偏光軸が前記第1偏光軸に整合するように前記第2偏光軸を回転させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した表示装置DSPの一構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、表示装置DSPを構成する各光学要素の軸角度を説明するための図である。
【
図4】
図4は、視野角制御パネル1の一構成例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、液晶分子LM2の配向状態を示す図である。
【
図6】
図6は、
図5の(B)に示した配向状態の視野角制御パネル1における視野角特性を示す図である。
【
図7】
図7は、視野角制御パネル1におけるオフ時及びオン時の視野角特性を示す図である。
【
図8】
図8は、表示パネルPNLにおける画素レイアウトの一例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、表示パネルPNLの一構成例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施形態の表示装置DSPの他の構成例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図10に示した表示装置DSPにおけるオン時の視野角制御パネル1における視野角特性を示す図である。
【
図12】
図12は、視野角制御パネル1におけるオフ時及びオン時の視野角特性を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態の表示装置DSPの他の構成例を示す図である。
【
図14】
図14は、視野角制御パネル2の一構成例を説明するための図である。
【
図16】
図16は、
図15に示した表示装置DSPに適用可能な視野角制御パネル1の一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す図である。
表示装置DSPは、照明装置ILと、視野角制御パネル1と、偏光軸回転素子100と、表示パネルPNLと、第1乃至第4偏光板POL1乃至POL4と、を備えている。偏光軸回転素子100は、視野角制御パネル1と表示パネルPNLとの間に設けられている。視野角制御パネル1は、照明装置ILと偏光軸回転素子100との間に設けられている。第1偏光板POL1は、表示パネルPNLの前面側(あるいは、表示装置DSPを観察する観察位置側)に設けられている。第2偏光板POL2は、偏光軸回転素子100と表示パネルPNLとの間に設けられている。第3偏光板POL3は、視野角制御パネル1と偏光軸回転素子100との間に設けられている。第4偏光板POL4は、視野角制御パネル1の背面側(あるいは、照明装置ILと視野角制御パネル1との間)に設けられている。
【0009】
図2は、
図1に示した表示装置DSPの一構成例を示す断面図である。ここに示す第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で互いに交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、例えば表示装置DSPに含まれる基板に平行な方向に相当し、また、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。
【0010】
表示パネルPNLは、例えば液晶パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、第1液晶層LC1と、を備えている。第1液晶層LC1は、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持され、シールSE1によって封止されている。ここで説明する表示パネルPNLは、一例として、基板主面に沿った電界によって液晶分子の配向状態を制御するものである。なお、本実施形態の表示パネルPNLは、図示した例に限らず、基板主面の法線に沿った電界によって液晶分子の配向状態を制御するものであってもよい。ここでの基板主面とは、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に相当する。
【0011】
第1基板SUB1は、第2基板SUB2の前面側に位置している。第1基板SUB1は、絶縁基板10と、配向膜AL1と、を備えている。配向膜AL1は、第1液晶層LC1に接触している。第2基板SUB2は、絶縁基板20と、絶縁膜21と、共通電極CEと、複数の画素電極PEと、配向膜AL2と、を備えている。共通電極CEは、絶縁基板20と絶縁膜21との間に設けられている。複数の画素電極PEは、絶縁膜21と配向膜AL2との間に設けられている。画像を表示する表示領域DAにおいて、複数の画素電極PEは、絶縁膜21を介して1つの共通電極CEに重畳している。画素電極PE及び共通電極CEは、第1液晶層LC1に電圧を印加するように制御される。配向膜AL2は、第1液晶層LC1に接触している。
ここでは、表示パネルPNLについて、主要部のみを簡素化して図示しているが、第1基板SUB1は、さらに、遮光層、カラーフィルタ層、オーバーコート層、スペーサなどを備えている。また、第2基板SUB2は、複数の走査線、複数の信号線、各画素電極PEと電気的に接続されるスイッチング素子、各種絶縁膜などを備えている。
【0012】
視野角制御パネル1は、例えば液晶パネルであり、第3基板SUB3と、第4基板SUB4と、第2液晶層LC2と、を備えている。第2液晶層LC2は、第3基板SUB3と第4基板SUB4との間に保持され、シールSE2によって封止されている。第2液晶層LC2は、後述するように、ツイスト配向した液晶分子を含んでいる。
第3基板SUB3は、第4基板SUB4の前面側に位置している。第3基板SUB3は、絶縁基板30と、第1透明電極TE1と、配向膜AL3と、を備えている。第1透明電極TE1は、視野角を制御するための有効領域AAにおいて、絶縁基板30と配向膜AL3との間に設けられている。配向膜AL3は、第2液晶層LC2に接触している。第4基板SUB4は、絶縁基板40と、第2透明電極TE2と、配向膜AL4と、を備えている。第2透明電極TE2は、有効領域AAにおいて、絶縁基板40と配向膜AL4との間に設けられている。配向膜AL4は、第2液晶層LC2に接触している。第2液晶層LC2は、後述するように、直線偏光である偏光成分の偏光軸を回転させる旋光能を有している。
第1透明電極TE1は、第2液晶層LC2を介して第2透明電極TE2に重畳している。第1透明電極TE1及び第2透明電極TE2は、第2液晶層LC2に電圧を印加するように制御される。第1透明電極TE1及び第2透明電極TE2の各々は、例えば単一のシート状電極であるが、第1方向X及び第2方向Yの少なくとも一方に沿って複数個に分割された電極であってもよい。
【0013】
表示パネルPNLと視野角制御パネル1との関係に着目すると、第1液晶層LC1は第2液晶層LC2に重畳し、表示領域DAは有効領域AAに重畳し、複数の画素電極PEは第1透明電極TE1及び第2透明電極TE2に重畳している。
【0014】
絶縁基板10、20、30、40は、例えばガラス基板や樹脂基板などの透明基板である。例えば、絶縁基板10及び20がガラス基板であり、絶縁基板30及び40が樹脂基板であってもよい。また、絶縁基板10及び40がガラス基板であり、絶縁基板20及び30が樹脂基板であってもよい。
共通電極CE、画素電極PE、第1透明電極TE1、及び、第2透明電極TE2は、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。配向膜AL1乃至AL4は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜である。
【0015】
第1偏光板POL1は絶縁基板10に接着され、第2偏光板POL2は絶縁基板20に接着され、第3偏光板POL3は絶縁基板30に接着され、第4偏光板POL4は絶縁基板40に接着されている。
【0016】
このような表示装置DSPにおいて、照明装置ILから出射される照明光(自然光)は、第3方向Zに沿って進行し、視野角制御パネル1を透過し後に、表示パネルPNLを照明する。
より具体的には、表示パネルPNLは、第2偏光板POL2を透過した第1偏光成分によって照明され、第1液晶層LC1において第1偏光成分を変調する。
照明装置ILから出射された照明光が自然光である場合、第4偏光板POL4を透過した偏光成分が視野角制御パネル1を透過する。視野角制御パネル1は、第2液晶層LC2において、第4偏光板POL4を透過した偏光成分の偏光軸を回転させ、第2偏光成分を透過する。
【0017】
視野角制御パネル1を透過した第2偏光成分は、第1偏光成分とは異なる。例えば、第1偏光成分及び第2偏光成分の各々は、X-Y平面に偏光軸を有する直線偏光である。X-Y平面において、第1偏光成分は第1方向Xに対して所定の角度をなす方位に第1偏光軸を有し、また、第2偏光成分は第1方向Xに対して第1偏光軸とは異なる方位に第2偏光軸を有している。
【0018】
偏光軸回転素子100は、視野角制御パネル1から表示パネルPNLに向かう光の偏光軸を回転させるものである。例えば、偏光軸回転素子100は、自身を透過する直線偏光に1/2波長の位相差を付与するように構成された光学シート(位相差板)である。このような偏光軸回転素子100は、単一の光学シートであってもよいし、多層の光学シートであってもよい。また、偏光軸回転素子100は、偏光軸を回転させる機能を発現できるものであればよく、光学シートに限らず、ツイストネマティック液晶素子などの旋光能を有する素子であってもよい。
【0019】
このような偏光軸回転素子100において、視野角制御パネル1を透過した第2偏光成分の第2偏光軸は、第1偏光軸に整合するように回転する。このため、視野角制御パネル1を透過した照明光の第2偏光板POL2での吸収が抑制され、表示パネルPNLに到達する照明光の輝度の低下を抑制することができる。
【0020】
図3は、表示装置DSPを構成する各光学要素の軸角度を説明するための図である。ここでは、X-Y平面内において、第1方向X(X軸)を基準の方位とし、第1方向Xに対して反時計回りの角度を正の角度とする。
【0021】
第1偏光板POL1は、互いにほぼ直交する第1吸収軸A1及び第1透過軸T1を有している。第2偏光板POL2は、互いにほぼ直交する第2吸収軸A2及び第2透過軸T2を有している。偏光軸回転素子100は、進相軸Fを有している。第3偏光板POL3は、第3透過軸T3を有している。第4偏光板POL4は、第4透過軸T4を有している。
なお、図示を省略するが、偏光軸回転素子100の遅相軸は、X-Y平面において進相軸Fにほぼ直交している。また、第3偏光板POL3の吸収軸は第3透過軸T3にほぼ直交し、第4偏光板POL4の吸収軸は第4透過軸T4にほぼ直交している。
【0022】
第1吸収軸A1は、第1方向Xにほぼ平行であり、0°の方位に位置している。第1透過軸T1は、90°の方位に位置している。第2吸収軸A2は、第1吸収軸A1にほぼ直交し、90°の方位に位置している。第2透過軸T2は、第1透過軸T1にほぼ直交し、0°の方位に位置している。第3透過軸T3は、45°の方位に位置している。第4透過軸T4は、第3透過軸T3とほぼ直交し、135°の方位に位置している。上記の通り、第2透過軸T2は、第3透過軸T3とは異なる方位に位置している。
【0023】
このような表示装置DSPにおいて、第3方向Zに沿って光が進行する場合、第4偏光板POL4を透過した直線偏光は第4透過軸T4に沿った偏光軸を有し、視野角制御パネル1を経て第3偏光板POL3を透過した直線偏光(第2偏光成分)は第3透過軸T3に沿った第2偏光軸を有している。つまり、第2偏光軸は、X軸に対して45°の方位に位置している。第2偏光板POL2を透過した直線偏光(第1偏光成分)は、第2透過軸T2に沿った第1偏光軸を有している。つまり、第1偏光軸は、0°の方位(X軸方向)に位置している。
偏光軸回転素子100の進相軸Fは、第1偏光軸の方位と第2偏光軸の方位との中間の方位に位置している。あるいは、進相軸Fは、第3透過軸T3と第2透過軸T2との中間の方位に位置している。つまり、進相軸Fは、22.5°の方位に位置している。偏光軸回転素子100は、上記の通り、1/2波長板に相当するため、入射光の偏光軸が進相軸に対してθ°の方位に位置している場合、偏光軸を2*θ°回転させる機能を有している。したがって、第3偏光板POL3を透過した第2偏光成分が偏光軸回転素子100を透過した際に、第2偏光軸が第1偏光軸に整合するように回転する。つまり、第2偏光成分は、偏光軸回転素子100において第1偏光成分に変換される。偏光軸回転素子100を透過した第1偏光成分は、第2偏光板POL2でほとんど吸収されることなく、表示パネルPNLを照明する。
【0024】
表示パネルPNLを照明する第1偏光成分は、第1液晶層LC1において適宜変調され、その少なくとも一部が第1偏光板POL1を透過する。第1偏光板POL1を透過した直線偏光は、第1透過軸T1に沿った偏光軸を有している。つまり、第1偏光板POL1を透過した直線偏光の偏光軸は、90°の方位に位置している。このため、偏光サングラスを介して表示装置DSPを観察した場合であっても、表示画像を視認することができる。
【0025】
図4は、視野角制御パネル1の一構成例を説明するための図である。ここでは、配向膜AL3と配向膜AL4との間の第2液晶層LC2に電圧が印加されていないオフ時の液晶分子LM2の配向状態を示している。
配向膜AL4の配向処理方向AD4は、配向膜AL3の配向処理方向AD3にほぼ直交している。なお、配向処理とは、ラビング処理であってもよいし、光配向処理であってもよい。但し、第2液晶層LC2に電圧が印加されたオン時に、液晶分子LM2を一様に且つスムースに駆動する観点では、配向膜AL4の近傍の液晶分子LMA、及び、配向膜AL3の近傍の液晶分子LMBが比較的大きなプレチルト角を有していることが望ましく、これを実現するためには、配向処理としてはラビング処理が好適である。また、オフ時の液晶分子LMA及びLMBが比較的大きなプレチルト角を有するように制御されるのであれば、光配向処理を適用してもよい。
【0026】
図4に示す構成例では、配向処理方向AD4は第4透過軸T4とほぼ平行であり、配向処理方向AD3は第3透過軸T3とほぼ平行である。つまり、配向処理方向AD4は135°の方位に位置し、配向処理方向AD3は45°の方位に位置している。第2液晶層LC2において、第3方向Zに沿って並んだ液晶分子LM2は、ツイスト配向している。第2液晶層LC2にはカイラル剤が添加されており、液晶分子LM2は、第4基板SUB4から第3基板SUB3に向かって反時計回りにツイスト配向するように構成されている。
【0027】
第4偏光板POL4及び第4基板SUB4に近接する側の液晶分子LMAは、第4透過軸T4に沿った方位に配向している。あるいは、液晶分子LMAは、その長軸が配向処理方向AD4に沿うように配向している。つまり、液晶分子LMAは、135°の方位に配向している。しかも、液晶分子LMAは、配向処理方向AD4を示す矢印の先端側の端部が第4基板SUB4から離間するように傾斜している。
第3偏光板POL3及び第3基板SUB3に近接する側の液晶分子LMBは、第3透過軸T3に沿った方位に配向している。あるいは、液晶分子LMBは、その長軸が配向処理方向AD3に沿うように配向している。つまり、液晶分子LMBは、45°の方位に配向している。しかも、液晶分子LMBは、配向処理方向AD3を示す矢印の先端側の端部が第3基板SUB3から離間するように傾斜している(あるいは、配向処理方向AD3を示す矢印の後端側の端部が第3基板SUB3に近接するように傾斜している)。
第2液晶層LC2の第3方向(厚さ方向)Zにおけるほぼ中央の液晶分子LMCは、その長軸が第1方向Xに沿うように配向している。液晶分子LMCの長軸は、
図3に示した第1偏光板POL1の第1吸収軸A1とほぼ平行である。
【0028】
なお、配向処理方向AD3を示す矢印、及び、配向処理方向AD4を示す矢印の少なくとも一方が逆向きであってもよい。また、配向処理方向AD4及び第4透過軸T4が45°の方位に位置し、配向処理方向AD3及び第3透過軸T3が135°の方位に位置していてもよい。また、液晶分子LMCが第1方向Xに沿うように配向していれば、第3方向Zに並ぶ液晶分子LM2は、時計回りにツイスト配向していてもよい。
【0029】
上記の構成例では、照明装置ILから出射された照明光が自然光である場合について説明したが、照明光が配向処理方向AD4とほぼ平行な偏光軸を有する直線偏光である場合、第4偏光板POL4を省略してもよい。また、自然光である照明光のうち、特定の直線偏光(例えばp波)を透過する一方で他の直線偏光(例えばs波)を反射する反射型偏光フィルムが設けられてもよい。また、照明光が配向処理方向AD4とは異なる方位の偏光軸を有する直線偏光である場合、第4偏光板POL4の代わりに偏光軸回転素子100と同様の1/2波長板を設けることが望ましい。また、視野角制御パネル1を透過した光が第2偏光成分と同様の偏光度を有する直線偏光である場合には、第3偏光板POL3を省略してもよい。
【0030】
図5は、液晶分子LM2の配向状態を示す図である。
図5の(A)は、第2液晶層LC2に電圧が印加されていないオフ時における液晶分子LM2の配向状態を示している。液晶分子LMCの長軸LXは、第1方向Xに平行であり、且つ、X-Y平面とほぼ平行である。
図4等を参照して説明したように、視野角制御パネル1を挟む第4偏光板POL4と第3偏光板POL3とがクロスニコルの関係で配置されている場合、オフ時には、最大の透過率が得られる。
図5の(B)は、第2液晶層LC2に電圧が印加されたオン時における液晶分子LM2の配向状態を示している。第2液晶層LC2に印加される電圧が上昇するにしたがって、透過率は低下する。最小の透過率が得られる時に第2液晶層LC2に印加される電圧を最大電圧とすると、
図5の(B)は、最大電圧の約1/2の電圧が第2液晶層LC2に印加された時の配向状態を示している。このとき、液晶分子LMCの長軸LXは、第1方向Xに平行であり、且つ、X-Y平面に対して傾斜している。
このようなオン時の視野角制御パネルは、第3方向Zに対して図の右側(第1方向Xを示す矢印の先端側)に観察位置を傾けた場合と、第3方向Zに対して図の左側(第1方向Xを示す矢印の後端側)に観察位置を傾けた場合とで、その透過率に非対称性を有している。この点について、以下に説明する。
【0031】
図6は、
図5の(B)に示した配向状態の視野角制御パネル1における視野角特性を示す図である。ここに示す視野角特性は、以下の条件でシミュレーションした結果に相当する。その条件とは、照明装置ILからの照明光は自然光であり、視野角制御パネル1が第3偏光板POL3と第4偏光板POL4とで挟持され、第1偏光板POL1、第2偏光板POL2、及び、表示パネルPNLは設けず、第2液晶層LC2の駆動電圧は2.5Vであり、透過光の波長は550nmである。
【0032】
図中の0°の方位は上記の第1方向Xの矢印の先端側に相当し、180°の方位は第1方向Xの矢印の後端側に相当し、90°の方位は第2方向Yの矢印の先端側に相当し、270°の方位は第2方向Yの矢印の後端側に相当する。また、同心円の中心は視野角制御パネル1の法線方向(第3方向)に相当し、法線方向を中心とした同心円はそれぞれ法線に対する傾き角度が20°、40°、60°、80°に相当する。ここに示す特性図は、各方位について等透過率の領域を結ぶことで得られたものである。
【0033】
図示したように、観察位置が0°の方位に傾斜した場合には、比較的高い透過率が得られるのに対して、観察位置が180°の方位に傾斜した場合には、急激に透過率が低下し、傾き角度が30°を超えると、透過率は3%以下となる。
【0034】
図7は、視野角制御パネル1におけるオフ時及びオン時の視野角特性を示す図である。図の横軸は、
図6の0°-180°方位に沿った視野角を示し、0°の方位を正の角度とし、180°の方位を負の角度としている。図の縦軸は、透過率を示している。
【0035】
図中のAは、オフ時(
図5の(A)に示す配向状態)の視野角特性に相当する。オフ時には、観察位置が図の左側に傾斜した場合であっても、観察位置が図の右側に傾斜した場合であってもほぼ対称な透過率が得られ、-40°から+40°の範囲に亘って約25%以上の透過率が得られる。
図中のBは、オン時(
図5の(B)に示す配向状態)の視野角特性に相当する。オン時には、観察位置が図の右側に傾斜した場合、0°から+50°の範囲に亘って約20%以上の透過率が得られる。一方で、観察位置が図の左側に傾斜した場合、30°以上の範囲において透過率が約3%以下となり、40°以上の範囲において透過率が約1%以下となり、ほぼ遮光状態となる。本実施形態では、上記のような視野角特性を有する視野角制御パネル1を利用して、表示装置DSPの視野角が制御される。
【0036】
図8は、表示パネルPNLにおける画素レイアウトの一例を示す平面図である。ここでは、説明に必要な構成のみを図示している。第2基板SUB2は、複数の走査線Gと、複数の信号線Sと、を備えている。複数の走査線Gは、それぞれ第1方向Xに沿って直線的に延出し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。複数の信号線Sは、それぞれ概ね第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。
複数の画素電極PE1は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE1は、共通電極CEに重畳する帯電極Pa1を有している。帯電極Pa1は、第1方向X及び第2方向Yとは異なる方向D1に沿って延出している。複数の画素電極PE2は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE2は、共通電極CEに重畳する帯電極Pa2を有している。帯電極Pa2は、方向D1とは異なる方向D2に沿って延出している。なお、帯電極Pa1及びPa2の本数は、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0037】
図9は、表示パネルPNLの一構成例を説明するための図である。ここでは、配向膜AL1と配向膜AL2との間の第1液晶層LC1に電圧が印加されていないオフ時の液晶分子LM1の配向状態を示している。
配向膜AL1の配向処理方向AD1、及び、配向膜AL2の配向処理方向AD2は、ほぼ平行であり、互いに逆向きである。配向処理方向AD1及び配向処理方向AD2は、例えば第1透過軸T1とほぼ平行である。つまり、配向処理方向AD2を示す矢印の先端は90°の方位に位置し、配向処理方向AD1を示す矢印の先端は180°の方位に位置している。第1液晶層LC1において、第3方向Zに沿って並んだ液晶分子LM1は、ホモジニアス配向している。これらの液晶分子LM1は、その長軸が第2方向Yに沿うように配向している。
【0038】
なお、偏光軸回転素子100を透過した光が第1偏光成分と同様の偏光度を有する直線偏光である場合には、第2偏光板POL2を省略してもよい。また、配向処理方向AD1及び配向処理方向AD2は、第1透過軸T1とほぼ直交していてもよい。また、第2透過軸T2が90°の方位に位置し、第1透過軸T1が0°の方位に位置していてもよいが、上記の通り、偏光サングラスを介して表示画像を視認する観点では、図示したように、第1透過軸T1が90°の方位に位置し、第2透過軸T2が0°の方位に位置していることが望ましい。
【0039】
次に、他の構成例について説明する。
【0040】
図10は、本実施形態の表示装置DSPの他の構成例を示す図である。
図10に示す構成例は、
図1に示した構成例と比較して、第2偏光板POL2及び第3偏光板POL3を省略した点で相違している。なお、第4偏光板POL4の第4透過軸T4、偏光軸回転素子100の進相軸F、及び、第1偏光板POL1の第1透過軸T1の関係性については、
図3を参照して説明したのと同一である。
なお、
図4を参照して説明したのと同様に、照明光が自然光である場合、第4偏光板POL4の代わりに、特定の直線偏光(例えばp波)を透過し他の直線偏光(例えばs波)を反射する反射型偏光フィルムと、1/2波長板と、を設け、反射型偏光フィルムを透過した直線偏光の偏光軸が視野角制御パネル1における配向処理方向AD4の方位に整合するように構成されてもよい。
【0041】
図11は、
図10に示した表示装置DSPにおけるオン時の視野角制御パネル1における視野角特性を示す図である。図示したように、観察位置が0°の方位に傾斜した場合には、比較的高い透過率が得られるのに対して、観察位置が180°の方位に傾斜した場合には、急激に透過率が低下し、傾き角度が30°を超えると、透過率は7%以下となる。
【0042】
図12は、視野角制御パネル1におけるオフ時及びオン時の視野角特性を示す図である。図中のCは、オン時の視野角特性に相当する。オン時には、観察位置が図の右側に傾斜した場合、0°から+50°の範囲に亘って約30%以上の透過率が得られる。一方で、観察位置が図の左側に傾斜した場合、30°以上の範囲において透過率が約7%以下となり、40%以上の範囲において透過率が約1%程度となり、ほぼ遮光状態となる。
図10に示した構成例においても、上記の構成例と同様の効果が得られる。加えて、光学要素の部品点数が削減され、コストが削減される。
【0043】
図13は、本実施形態の表示装置DSPの他の構成例を示す図である。
図13に示す構成例は、
図1に示した構成例と比較して、照明装置ILと第4偏光板POL4との間に、視野角制御パネル2と、第5偏光板POL5、第6偏光板POL6と、が追加された点で相違している。第5偏光板POL5は、視野角制御パネル2と第4偏光板POL4との間に設けられている。第6偏光板POL6は、視野角制御パネル2の背面側(あるいは、照明装置ILと視野角制御パネル2との間)に設けられている。
視野角制御パネル2は、視野角制御パネル1と同様の液晶パネルである。但し、視野角制御パネル2は、視野角制御パネル1と比較して、液晶パネルの作成条件、あるいは、液晶層の駆動電圧が異なっている。視野角制御パネル1と視野角制御パネル2とで駆動電圧が異なる場合、視認を制限できる視野角の角度範囲を上記の構成例より拡大することができる。視野角制御パネル1及び視野角制御パネル2のそれぞれの液晶層におけるリタデーション(Δn・d)を異ならせることで、正面で観察した場合と斜め方向から観察した場合とで輝度変化量を調整することができる(但し、Δnは液晶層の屈折率異方性であり、dは液晶層の厚さである)。また、視野角制御パネル1及び視野角制御パネル2を同時に駆動する場合に限らず、制限する視野角の角度範囲などに応じて視野角制御パネル1及び視野角制御パネル2のいずれか一方を駆動してもよい。
【0044】
図14は、視野角制御パネル2の一構成例を説明するための図である。視野角制御パネル2は、配向膜AL5を備えた第5基板SUB5と、配向膜AL6を備えた第6基板SUB6と、第3液晶層LC3と、を備えている。図示しないが、第5基板SUB5及び第6基板SUB6の各々は、第3液晶層LC3に電圧を印加するための透明電極を備えている。
【0045】
図14では、配向膜AL5と配向膜AL6との間の第3液晶層LC3に電圧が印加されていないオフ時の液晶分子LM3の配向状態を示している。
第5偏光板POL5の第5透過軸T5は、第4偏光板POL4の第4透過軸T4とほぼ平行であり、135°の方位に位置している。第6偏光板POL6の第6透過軸T6は、第5透過軸T5とほぼ直交し、45°の方位に位置している。
【0046】
配向膜AL6の配向処理方向AD6は、配向膜AL5の配向処理方向AD5にほぼ直交している。配向処理方向AD5は、第5透過軸T5とほぼ平行であり、135°の方位に位置している。配向処理方向AD6は、第6透過軸T6とほぼ平行であり、45°の方位に位置している。第3液晶層LC3において、第3方向Zに沿って並んだ液晶分子LM3は、ツイスト配向している。液晶分子LM3は、第6基板SUB6から第5基板SUB5に向かって時計回りにツイスト配向するように構成されている。第3液晶層LC3の第3方向(厚さ方向)Zにおけるほぼ中央の液晶分子LM3は、その長軸が第1方向Xに沿うように配向している。
【0047】
なお、各光学要素の軸角度については上記の構成例に限定されない。
【0048】
図15は、表示装置DSPの適用例を示す図である。
図15に示す表示装置DSPは、車両200に搭載された車両用表示装置に相当する。表示装置DSPは、運転席及び助手席の前方に設けられたている。図示した例では、表示装置DSPは、助手席のほぼ正面に位置しているとともに、運転席から見て左斜め前方に位置している。なお、運転席及び助手席は、上記の各構成例で説明した第1方向Xに並んでいるものとする。但し、このような表示装置DSPが
図1に示した構成例を適用して構成された場合、
図6に示した0°の方位(あるいは
図7に示した-80°の方位)が助手席側の方位に相当し、
図6に示した180°の方位(あるいは
図7に示した+80°の方位)が運転席側の方位に相当する。
【0049】
助手席の搭乗者は、表示装置DSPをほぼ正面から観察することになる。このとき、視野角制御パネル1の透過率は、
図7に示した視野角0°付近での透過率となる。つまり、搭乗者は、視野角制御パネル1がオフ時(図中のA)及びオン時(図中のB)のいずれにおいても、表示パネルPNLに表示された画像を視認することができる。
一方、運転席の運転手は、表示装置DSPを斜め方向から観察することになる。このとき、視野角制御パネル1の透過率は、
図7に示した-80°~-40°付近での透過率となる。つまり、運転手は、視野角制御パネル1がオフ時においては、表示パネルPNLに表示された画像を視認できるものの、視野角制御パネル1がオン時においてはほぼ遮光状態となり、表示パネルPNLに表示された画像を視認することができない。
このように、表示装置DSPに対して観察位置が異なる運転手及び搭乗者の視野角を制御することができる。
【0050】
ところで、運転席から見て、表示装置DSPの右側の表示部DARは、表示装置DSPの左側の表示部DALよりも運転席に近接している。図示したように、運転手が表示装置DSPを観察した際、表示部DARを観察する際の視野角θRは、表示部DALを観察する際の視野角θLより小さい。
【0051】
視野角制御パネル1は、表示部DARに重畳する制御領域ARと、表示部DALに重畳する制御領域ALと、を有している。
図7を参照して説明したように、視野角制御パネル1は、オン時において、視野角θが0°に近いほど透過率が高い傾向にある。また、ツイストネマティック液晶素子は、液晶層の駆動電圧が高いほど透過率が低下する特性を有している。このため、表示部DAR及びDALの双方を遮光状態とするためには、制御領域ARにおける液晶層の駆動電圧は、制御領域ALにおける液晶層の駆動電圧より高く設定することが望ましい。
【0052】
図16は、
図15に示した表示装置DSPに適用可能な視野角制御パネル1の一構成例を示す図である。
視野角制御パネル1は、第1透明電極TE1L及びTE1Rを含む複数の第1透明電極TE1と、第2透明電極TE2と、を備えている。複数の第1透明電極TE1は、第1方向Xに並んでいる。第1透明電極TE1Lは、視野角制御パネル1の一端側(助手席に近接する側)に設けられ、表示部DALに重畳している。第1透明電極TE1Rは、視野角制御パネル1の他端側(運転席に近接する側)に設けられ、表示部DARに重畳している。第2透明電極TE2は、第3方向Zにおいて複数の第1透明電極TE1と向かい合っている。
図2を参照して説明したように、第2液晶層LC2は、複数の第1透明電極TE1と第2透明電極TE2との間に設けられている。
【0053】
第2透明電極TE2の電位に対する第1透明電極TE1Rの印加電圧は、第1透明電極TE1Lの印加電圧より高い。つまり、第1透明電極TE1Rに重畳する第2液晶層LC2の駆動電圧は、第1透明電極TE1Lに重畳する第2液晶層LC2の駆動電圧より高い。また、第1方向Xに並んだ複数の第1透明電極TE1のそれぞれの印加電圧ついて、第1透明電極TE1Lから第1透明電極TE1Rに向かって次第に高くなるように制御されている。
これにより、運転席に近接する表示部DAR及び運転席から離間する側の表示部DALの双方において、遮光状態が形成され、運転手は、表示装置DSPの全体に亘って表示画像を視認することができなくなる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、視野角を制御することが可能な表示装置及び車両用表示装置を提供することができる。
【0055】
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0056】
DSP…表示装置
1…視野角制御パネル LC2…第2液晶層
TE1…第1透明電極 TE2…第2透明電極
100…偏光軸回転素子 F…進相軸
PNL…表示パネル LC1…第1液晶層 PE…画素電極 CE…共通電極
POL1…第1偏光板 A1…第1吸収軸 T1…第1透過軸
POL2…第2偏光板 A2…第2吸収軸 T2…第1透過軸
POL3…第3偏光板 T3…第3透過軸
POL4…第4偏光板 T4…第4透過軸