(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1335 20060101AFI20231204BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20231204BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20231204BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20231204BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20231204BHJP
G09F 9/35 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
G02F1/1335
G02F1/1368
H05B33/14 A
H05B33/02
G09F9/30 339
G09F9/30 339Z
G09F9/30 349A
G09F9/30 365
G09F9/35
(21)【出願番号】P 2020010966
(22)【出願日】2020-01-27
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲戸川 博人
【審査官】廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110515243(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0235398(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109285466(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0384121(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02F 1/1368
H10K 50/10
H05B 33/02
G09F 9/30
G09F 9/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と、
前記撮像装置に重畳する表示部を有する液晶パネルと、を備え、
前記液晶パネルは、
複数の信号線と、
複数の走査線と、
複数のトランジスタと、
前記撮像装置と重畳する第1画素と、
前記第1画素に設けられた開口部と、
前記第1画素に隣接する第2画素と、
前記第2画素に隣接する第3画素と、
を備え、
前記複数のトランジスタはそれぞれ、前記複数の信号線のうちの1つ及び前記複数の走査線のうちの1つに電気的に接続され、
前記第2画素及び前記第3画素はそれぞれ、前記複数のトランジスタのうちの1つを有し、
前記信号線のうちの1つを介して前記第2画素のトランジスタに印加される画像信号は、前記信号線のうちの1つを介して前記第3画素のトランジスタに印加される画像信号より大きく、
前記第3画素は、少なくとも第1色、第2色、第3色の着色層を有し、
前記第2画素は、前記着色層を有さない、又は透明樹脂層を有する、電子機器。
【請求項2】
さらに遮光層を備え、
前記開口部は前記遮光層に設けられている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1画素に設けられた開口部は、複数の開口部を有する、請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2画素の大きさは前記第3画素より大きい、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記液晶パネルを照明する照明装置をさらに備え、
前記照明装置は、光源を有し、
前記撮像装置による撮影期間では、前記光源の輝度が非撮影期間より小さく、かつ、前記第2画素のトランジスタに印加される画像信号は、前記第3画素のトランジスタに印加される画像信号より大きい、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記液晶パネルは、複数の前記第2画素を有し、
前記複数の第2画素それぞれのトランジスタは、同一の信号線及び同一の走査線に電気的に接続されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記複数の第2画素は、前記開口部と同心円に配置されている、請求項
6に記載の電子機器。
【請求項8】
撮像装置と、
前記撮像装置に重畳する表示部を有する液晶パネルと、
前記液晶パネルの内部あるいは重畳して設けられ、被写体の近接又は接触を検出するセンサと、を備え、
前記液晶パネルは、
複数の信号線と、
複数の走査線と、
複数のトランジスタと、
前記撮像装置と重畳する第1画素と、
前記第1画素に設けられた開口部と、
前記第1画素に隣接する第2画素と、
前記第2画素に隣接する第3画素と、を備え、
前記複数のトランジスタはそれぞれ、前記複数の信号線のうちの1つ及び前記複数の走査線のうちの1つに電気的に接続され、
前記第2画素及び前記第3画素はそれぞれ、前記複数のトランジスタのうちの1つを有し、
前記第3画素は、少なくとも第1色、第2色、第3色の着色層を有し、
前記第2画素は、前記着色層を有さない、又は透明樹脂層を有し、
前記センサが被写体の近接又は接触を検出すると、前記第2画素のトランジスタに、前記第3画素のトランジスタより大きい画像信号が印加される電子機器。
【請求項9】
さらに遮光層を備え、
前記開口部は前記遮光層に設けられている、請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第1画素に設けられた開口部は、複数の開口部を有する、請求項8又は9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第2画素の大きさは前記第3画素より大きい、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
撮像装置と、
前記撮像装置に重畳する表示部を有する有機ELパネルと、を備え、
前記有機ELパネルは、
複数の信号線と、
複数の走査線と、
複数のトランジスタと、
前記撮像装置と重畳する第1画素と、
前記第1画素に設けられた開口部と、
前記第1画素に隣接する第2画素と、
前記第2画素に隣接する第3画素と、を備え、
前記複数のトランジスタはそれぞれ、前記複数の信号線のうちの1つ及び前記複数の走査線のうちの1つに電気的に接続され、
前記第2画素及び前記第3画素はそれぞれ、前記複数のトランジスタのうちの1つを有し、
前記信号線のうちの1つを介して前記第2画素のトランジスタに印加される画像信号は、前記信号線のうちの1つを介して前記第3画素のトランジスタに印加される画像信号より大きく、
前記第3画素は、少なくとも第1色、第2色、第3色の着色層を有し、
前記第2画素は、透明樹脂層を有する、電子機器。
【請求項13】
前記撮像装置による撮影期間では、前記第3画素のトランジスタに印加される画像信号の発光デューティ比は、前記第2画素のトランジスタに印加される画像信号の発光デューティ比より小さい、請求項
12に記載の電子機器。
【請求項14】
撮像装置と、
前記撮像装置に重畳する表示部を有する有機ELパネルと、
前記有機ELパネルの内部あるいは重畳して設けられ、被写体の近接又は接触を検出するセンサと、を備え、
前記有機ELパネルは、
複数の信号線と、
複数の走査線と、
複数のトランジスタと、
前記撮像装置と重畳する第1画素と、
前記第1画素に設けられた開口部と、
前記第1画素に隣接する第2画素と、
前記第2画素に隣接する第3画素と、を備え、
前記複数のトランジスタはそれぞれ、前記複数の信号線のうちの1つ及び前記複数の走査線のうちの1つに電気的に接続され、
前記第2画素及び前記第3画素はそれぞれ、前記複数のトランジスタのうちの1つを有し、
前記第3画素は、少なくとも第1色、第2色、第3色の着色層を有し、
前記第2画素は、透明樹脂層を有し、
前記センサが被写体の近接又は接触を検出すると、前記第2画素のトランジスタに、前記第3画素のトランジスタより大きい画像信号が印加される、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示部及び撮像素子を同一面側に備えたスマートフォン等の電子機器が広く実用化されている。このような電子機器では、撮像素子が表示部の外側に設けられており、撮像素子を設置するためのスペースを確保する一方で、表示部の外側の額縁幅を縮小する要望が高まっている。
また、当該撮像素子にて鮮明な写真を撮影可能とすることが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、鮮明な画像を撮影することが可能な電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る電子機器は、撮像装置と、前記撮像装置に重畳する表示部を有する液晶パネルと、を備え、前記液晶パネルは、前記撮像装置と重畳する第1画素と、前記第1画素に設けられた開口部と、前記第1画素に隣接する第2画素と、前記第2画素に隣接する第3画素と、を備え、前記第3画素は、少なくとも第1色、第2色、第3色の着色層を有し、前記第2画素は、前記着色層を有さない、又は透明樹脂層を有する。
【0006】
また、一実施形態に係る電子機器は、撮像装置と、前記撮像装置に重畳する表示部を有する有機ELパネルと、を備え、前記有機ELパネルは、前記撮像装置と重畳する第1画素と、前記第1画素に設けられた開口部と、前記第1画素に隣接する第2画素と、前記第2画素に隣接する第3画素と、を備え、前記第3画素は、少なくとも第1色、第2色、第3色の着色層を有し、前記第2画素は、透明樹脂層を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態1の電子機器100の一構成例を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した電子機器100の撮像装置1周辺の断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した液晶パネルPNLの一構成例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した液晶パネルPNLの拡大平面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した画素PPX、画素BPX、画素LPX、及び画素PXの拡大平面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示したA-B線に沿った液晶素子LCDの断面図である。
【
図7】
図7(A)(B)は、
図5に示したC-D線に沿った液晶素子LCDの断面図である。
【
図8】
図8は、
図5に示したE-F線に沿った液晶素子LCDの断面図である。
【
図9】
図9は、
図5に示したG-H線に沿った液晶素子LCDの断面図である。
【
図10】
図10は、開口部POPの他の構成例を示す平面図である。
【
図11】
図11は、副画素LSPの他の構成例を示す平面図である。
【
図13】
図13は、画素LPX及び画素PXにおいて、印加される電圧に対する輝度の関係性を示す図である。
【
図14】
図14は、液晶パネルPNLの他の構成例を示す図である。
【
図15】
図15は、液晶パネルPNLの他の構成例を示す図である。
【
図17】
図17は、画素レイアウトの他の構成例を示す平面図である。
【
図18】
図18は、
図17に示した画素PPX、画素BPX、画素LPX、及び副画素SP1を示す平面図である。
【
図19】
図19は、本実施形態における画素レイアウトの他の構成例を示す平面図である。
【
図20】
図20は、実施形態2の電子機器100の構成を示す斜視図である。
【
図21】
図21は、表示パネルDSPの回路構成を示す平面図である。
【
図22】
図22は、表示パネルDSPの回路構成を示す平面図である。
【
図23】
図23は、
図20に示した表示パネルDSPの表示部DAを示す断面を示す模式図である。
【
図24】
図24は、有機EL素子OLEDにおけるリセット動作、オフセットキャンセル動作、書き込み動作及び発光動作に関する各種信号の出力例を示すタイミングチャートである。
【
図27】
図27は、画素LPXの他の構成例を示す断面図である。
【
図28】
図28は、他の構成例の電圧Vsigを示す図である。
【
図29】
図29は、表示パネルDSPの他の構成例を示す図である。
【
図30】
図30は、表示パネルDSPの他の構成例を示す図である。
【
図32】
図32は、画素LPXの走査線G(制御配線SSG)に印加される画素制御信号SGの出力例を示すタイミングチャートである。
【
図33】
図33は本実施形態の画素回路PCの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る電子機器について詳細に説明する。
【0009】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。
【0010】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
<実施形態1>
図1は、本実施形態の電子機器100の一構成例を示す分解斜視図である。
電子機器100は、液晶パネルPNLと、照明装置ILと、撮像装置1と、を備えている。
【0011】
照明装置ILは、導光板LG1と、光源EM1と、ケースCSと、を備えている。当該照明装置ILは、例えば、
図1において破線で簡略化して示す液晶パネルPNLを照明するものである。
【0012】
導光板LG1は、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面と平行な平板状に形成されている。導光板LG1は液晶パネルPNLに対向している。導光板LG1は、側面SAと、側面SAの反対側の側面SBと、開口部OP1と、を有している。側面SA及びSBはそれぞれ第1方向Xに沿って延出している。例えば、側面SA及びSBは、第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面と平行な面である。
【0013】
開口部OP1は、導光板LG1を第3方向Zに沿って貫通した貫通孔である。開口部OP1は、第2方向Yにおいて、側面SA及びSBとの間に位置し、側面SAよりも側面SBに近接している。なお、開口部OP1は、側面SBから側面SAに向かって窪んだ凹部あるいはノッチであってもよい。
【0014】
複数の光源EM1は、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。光源EM1の各々は、配線基板F1に実装され、配線基板F1と電気的に接続されている。光源EM1は、例えば、発光ダイオード(LED)であり、白色の照明光を出射する。光源EM1から出射される照明光は、側面SAから導光板LG1へ入射し、側面SAから側面SBに向かって進行する。
【0015】
ケースCSは、導光板LG1及び光源EM1を収容している。ケースCSは、側壁W1乃至W4と、底板BPと、開口部OP2と、突部PPと、を有している。側壁W1及びW2は、第1方向Xに沿って延出し、互いに対向している。側壁W3及びW4は、第2方向Yに沿って延出し、互いに対向している。
【0016】
開口部OP2は、第3方向Zにおいて、開口部OP1に重畳している。突部PPは、第3方向Zに沿って底板BPから液晶パネルPNLに向かって突出し、開口部OP2を囲むように設けられている。
【0017】
撮像装置1は、第3方向Zにおいて、開口部OP2に重畳するように設けられている。撮像装置1は、配線基板F2に実装され、配線基板F2と電気的に接続されている。
【0018】
液晶パネルPNLは、導光板LG1に重畳するとともに、開口部OP1において、撮像装置1に重畳している。
【0019】
図2は、
図1に示した電子機器100の撮像装置1周辺の断面図である。
なお
図2に示す光学系2、カラーフィルタCF、遮光層BMA、遮光層BMの位置関係については、ここでは述べず詳細は後述する。
【0020】
図2に示すように、照明装置ILは、さらに、反射シートRS、拡散シートSS、並びにプリズムシートPS1及びPS2を備えている。
【0021】
反射シートRS、導光板LG1、拡散シートSS、プリズムシートPS1、及び、プリズムシートPS2は、第3方向Zに沿ってこの順に配置され、ケースCSに収容されている。ケースCSは、金属製のケースCS1と、樹脂製の台座CS2とを備えている。台座CS2は、ケースCS1とともに突部PPを形成している。拡散シートSS、プリズムシートPS1、及びプリズムシートPS2の各々は、開口部OP1に重畳する貫通孔を有している。反射シートRSは、開口部OP1に重畳する貫通孔を有している。突部PPは、開口部OP1の内側に位置している。
【0022】
偏光板PL1、液晶パネルPNL、偏光板PL2、及び、カバーガラスCGは、第3方向Zに沿ってこの順に配置され、第3方向Zに沿って進行する光に対して、光学的なスイッチ機能を備えた液晶素子LCDを構成している。粘着テープTP1は、照明装置ILと液晶素子LCDとを接着している。本実施形態において、粘着テープTP1は、偏光板PL1と突部PP、及び、偏光板PL1とプリズムシートPS2とを接着している。
【0023】
液晶パネルPNLは、基板主面に沿った横電界を利用する表示モード、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの構成を備えていてもよい。ここでの基板主面とは、X-Y平面に平行な面である。
液晶パネルPNLは、画素を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む非表示部NDAと、を備えている。液晶パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、シールSEと、を備えている。シールSEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着するとともに、液晶層LCを封止している。
【0024】
以下、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の主要部について説明する。第1基板SUB1は、絶縁基板10と、配向膜AL1と、を備えている。第2基板SUB2は、絶縁基板20と、カラーフィルタCFと、遮光層BMAと、透明層OCと、配向膜AL2と、を備えている。
【0025】
絶縁基板10及び絶縁基板20は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの透明基板である。配向膜AL1及びAL2は、液晶層LCに接している。
【0026】
カラーフィルタCF、遮光層BMA、及び、透明層OCは、第3方向Zにおいて絶縁基板20と液晶層LCとの間に位置している。なお、図示した例では、カラーフィルタCFは、第2基板SUB2に設けられたが、第1基板SUB1に設けられてもよい。
カラーフィルタCFの詳細については、ここでは省略するが、カラーフィルタCFは、例えば、赤画素に配置される赤カラーフィルタ、緑画素に配置される緑カラーフィルタ、及び、青画素に配置される青カラーフィルタを備えている。また、カラーフィルタCFは、白画素に配置される透明樹脂層を備えている場合もある。透明層OCは、カラーフィルタCF及び遮光層BMAを覆っている。透明層OCは、例えば、透明な有機絶縁層である。
【0027】
遮光層BMAは、非表示部NDAに位置している。表示部DAと非表示部NDAとの境界Lは、例えば、遮光層BMAの内端(表示部DA側の端部)によって規定される。シールSEは、遮光層BMAと重畳する位置に設けられている。
【0028】
配向膜AL1及びAL2は、表示部DA及び非表示部NDAにわたって設けられている。
【0029】
撮像装置1は、ケースCSの開口部OP2に重畳するように設けられ、突部PPに囲また内側に位置している。撮像装置1は、第3方向Zにおいて、カバーガラスCG、偏光板PL2、液晶パネルPNL、及び、偏光板PL1に重畳している。
【0030】
なお、撮像装置1のうち、一部、或いは、すべては、第3方向Zにおいて、液晶パネルPNLの表示部DAと重畳している。つまり、液晶パネルPNLと撮像装置1とを有する電子機器100において、電子機器100の使用者からみて、撮像装置1が液晶パネルPNLの奥側に設けられていればよい。
【0031】
撮像装置1は、例えば、少なくとも一つのレンズを含む光学系2と、イメージセンサ(撮像素子)3と、ケース4と、を備えている。ケース4は、光学系2及びイメージセンサ3を収容している。光学系2は、液晶パネルPNLとイメージセンサ3との間に位置している。イメージセンサ3は、カバーガラスCG、偏光板PL2、液晶パネルPNL、及び、偏光板PL1を介して受光する。
【0032】
例えば、撮像装置1は、カバーガラスCG、偏光板PL2、表示部DA、偏光板PL1、及び、導光板LG2を介して透過した可視光(例えば、400nm~700nmの範囲の光)を受光する。偏光板PL1の吸収軸及び偏光板PL2の吸収軸が互いに直交している場合、液晶素子LCDの液晶層LCを透過する光の波長をλとした時、液晶層LCのリタデーションがほぼゼロまたはλに相当する場合、液晶素子LCDの透過率が最小となる。
【0033】
このため、撮像装置1で撮影する際には、液晶層LCのリタデーションは、ゼロより大きくλより小さく設定される。リタデーションが約λ/2の場合には、液晶素子LCDの透過率は最大となる。
【0034】
偏光板PL1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2は、絶縁基板20に接着されている。偏光板PL2は、透明接着層ADによって、カバーガラスCGに接着されている。偏光板PL1及びPL2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。
【0035】
また、液晶層LCが外部からの電界等の影響を受けないようにするため、偏光板PL2と絶縁基板20との間に透明導電膜を設ける場合がある。透明導電膜は、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明な酸化物導電体からなる。赤外線の透過率が問題とならない可視光用のカメラ1と重畳する箇所では、透明導電膜を形成してもよい。
【0036】
また、偏光板PL1または偏光板PL2に、超複屈折フィルムを備えることも可能である。超複屈折フィルムは、直線偏光が入射したときに透過光を非偏光化(自然光化)することが知られており、被写体に偏光を発するものが含まれていても違和感なく撮影が可能となる。
【0037】
例えば、撮像装置1の被写体に電子機器100等が映り込んだ場合に、電子機器100からは直線偏光が出射されているので、偏光板PL1及び偏光板PL2と、被写体となっている電子機器100の偏光板との角度との関係で、撮像装置1に入射する被写体の電子機器100の明るさが変化し、撮影時に違和感を生ずるおそれがある。しかしながら、偏光板PL1及び偏光板PL2に超複屈折フィルムを備えることで、違和感を生じさせる明るさの変化を抑えることが可能である。
【0038】
図3は、
図2に示した液晶パネルPNLの一構成例を示す平面図である。
図3において、液晶層LC及びシールSEは、異なる斜線で示している。撮像装置1の光学系2の外形を破線で示している。
【0039】
図3に示すように、表示部DAは、ノッチを含まない略四角形の領域であるが、4つの角が丸みを有していてもよく、四角形以外の多角形や円形であってもよい。表示部DAは、シールSEで囲まれた内側に位置している。
【0040】
液晶パネルPNLは、第1方向Xに沿って延出した一対の短辺E11及びE12と、第2方向Yに沿って延出した一対の長辺E13及びE14と、を有している。液晶パネルPNLは、表示部DAにおいて、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。表示部DAにおける各画素PXは、同一の回路構成を有している。
【0041】
図3において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えばトランジスタ、より具体的には薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gには、スイッチング素子SWを制御するための制御信号が供給される。
【0042】
信号線Sには、制御信号とは異なる信号として、映像信号が供給される。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動されている。容量CPは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0043】
配線基板5は、第1基板SUB1の延出部Exに実装され、電気的に接続されている。ICチップ6は、配線基板5に実装され、配線基板5に電気的に接続されている。なお、ICチップ6は、延出部Exに実装され、延出部Exに電気的に接続されていてもよい。ICチップ6は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。配線基板5は、折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。
【0044】
第1基板SUB1において、金属配線Mは、ICチップ6に電気的に接続されている。金属配線Mは、表示部DAと短辺E11との間、表示部DAと長辺E14との間、及び、表示部DAと短辺E12との間に延出し、光学系2に重畳している。図示した例では、シールSEは金属配線Mに重畳している。
【0045】
図4は、
図3に示した液晶パネルPNLの拡大平面図である。
図4に示すように、表示部DAは、光学系2に重畳する領域A1を有している。
【0046】
画素PXは、副画素SP1乃至SP3を備えている。いずれの画素PXにおいても、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3は、同様に配列されている。第1方向Xにおいて、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3は、この順に繰り返し並んでいる。
【0047】
上記カラーフィルタCFは、着色層CFR,CFG,CFBを備えている。副画素SP1は、第1色の着色層CFRを備えている。副画素SP2は、第2色の着色層CFGを備えている。副画素SP3は、第3色の着色層CFBを備えている。第1色の着色層CFR、第2色の着色層CFG、第3色の着色層CFBは互いに異なる色である。
【0048】
本実施形態においては、第1色は赤色(R)であり、第2色は緑色(G)であり、第3色は青色(B)でる。但し、第1色、第2色、及び、第3色に関しては、例示的に示したものであり、種々変形可能である。第1色、第2色、第3色のうちの何れかの色が赤色であり、別の色が緑色であり、残りの色が青色であればよい。また、一部の第3色が、例えば、白色(W)であってもよい。
【0049】
画素PPXは、開口部OP1に対向しており、光学系2の中心OXに重畳している。画素PPXは、着色層無しに構成されている。なお、カラーフィルタCFが透明樹脂層を有している場合、画素PPXは、透明樹脂層(着色層CFWとする)を備えていてもよい。
【0050】
遮光層BMは、画素PPXの一部に重畳している。
図4において、画素PPX以外の画素PXと重畳する遮光層BMの図示を省略している。遮光層BMは、
図2に示した非表示部NDAの遮光層BMAと一体的に形成されている。遮光層BMは、開口部POPを有している。図示した例では、開口部POPの中心は光学系2の中心OXに重畳している。平面視において、開口部POPと光学系2とは、同心円である。開口部POPは円形に形成されている。開口部POPは真円に形成されることが望ましい。
【0051】
なお、画素PPXは、表示に用いられないこともあり得るため、厳密には画素という呼称は正しくないが、本明細書では表示に寄与する画素と並んで、同じ透明導電膜を有する電極や、透明導電膜を有してなくても画素と同じ遮光層BMに形成された開口を含めて画素と呼ぶ。
【0052】
本実施形態において、第1方向Xにおける長さを幅とすると、画素PPXの幅は画素PXの幅と略同等である。開口部POPの直径と画素PPXの幅とは略同等である。
図4においては、光学系2の直径は、開口部POPの直径の略5倍に相当する。一例として、光学系2の直径は約3000μm、開口部POPの直径は約600μmである。
【0053】
画素PPXに隣接して、遮光用の画素BPXが設けられている。ただし画素PPXに隣接する画素LPXの数は上記に限定されない。あるいは、画素PPXと隣接する方向の反対側に、画素BPXを隣接してさらなる画素BPXを設けてもよい。すなわち画素BPXは、複数行及び複数列配置してもよい。
【0054】
画素BPXは、副画素BSP1乃至BSP3を備えている。画素PXと同様に、いずれの画素BPXにおいても、副画素BSP1、副画素BSP2、及び、副画素BSP3は、同様に配列されている。
【0055】
副画素BSP1乃至BSP3は、遮光層BMが構成されている。これにより、副画素BSPでは光学系2からの光が遮光される。
【0056】
画素BPXに隣接して、照明用の画素LPXが設けられている。画素BPXに隣接する画素LPXの数は上記に限定されず、例えば第1方向X及び第2方向Yそれぞれに1個ずつ、すなわち4個の画素LPXを設けてもよい。あるいは、画素BPXと隣接していない側にさらなる画素LPXを設けてもよい。すなわち画素LPXは、複数行及び複数列配置してもよい。
【0057】
画素LPXは、副画素LSP1乃至LSP3を備えている。画素PXと同様に、いずれの画素LPXにおいても、副画素LSP1、副画素LSP2、及び、副画素LSP3は、同様に配列されている。
【0058】
副画素LSP1乃至LSP3は、着色層無しに構成されている。あるいは、副画素LSP1乃至LSP3は、カラーフィルタCFの代わりに透明樹脂層(着色層CFW)を有していてもよい。いずれの場合でも、副画素LSPを通る光は白色光となる。
【0059】
本実施形態では開口部POPを有する画素PPXの周辺に、着色層無し又は透明樹脂層を有する画素LPXを設けている。開口部POPの周辺からは、画素LPXから被写体に対して白色の照明光が照射される。これにより撮像装置1で撮像される被写体の照度が高くなり、撮像装置1にて鮮明な写真を撮影することが可能となる。
【0060】
図5は、
図4に示した画素PPX、画素BPX、画素LPX、及び画素PXの拡大平面図である。
図5に示すように、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2と実質的に同一である。
【0061】
走査線G1乃至G4それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線S1乃至S4は、それぞれ第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。走査線G及び信号線Sは、それぞれ、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成されている。
【0062】
走査線G及び信号線Sは、それぞれ、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい、なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0063】
画素PXは、走査線G4と走査線G5との間、及び、信号線S1と信号線S4との間に位置している。各副画素SPにおいて、半導体層SCは走査線Gと2回交差し、スイッチング素子SWはダブルゲート構造のTFT(薄膜トランジスタ)で構成されている。なお、スイッチング素子SWは、半導体層SCが走査線Gと1回交差しているシングルゲート構造のTFTで構成されていてもよい。半導体層SCは、接続位置P1で信号線Sに接続され、接続位置P2で画素電極PEに接続されている。接続位置P2においては、中継電極が画素電極PEと半導体層SCとの間に介在するが、
図5においては中継電極の図示を省略している。
【0064】
画素電極PEは、複数の線状電極BRと、隣り合う線状電極BRの間のスリットSLとを有している。図示した例では、線状電極BRは、方向D1に沿って延出している。画素電極PEは2本の線状電極BRと1つのスリットSLとを有しているが、線状電極BR及びスリットSLの数はこの例に限らない。
【0065】
各副画素SPは、半導体層SCが接続された信号線S及び走査線Gによって制御される。例えば、副画素SP1は走査線G5及び信号線S3によって制御され、副画素SP2は走査線G5及び信号線S2によって制御され、副画素SP3は走査線G5及び信号線S1によって制御されている。
【0066】
画素LPXは、走査線G3と走査線G4との間、及び、信号線S1と信号線S4との間に位置している。
図5における各副画素LSPの構成は、上記副画素SPの構成と同様である。ただし各副画素LSPでは、副画素LSP1は走査線G4及び信号線S3によって制御され、副画素LSP2は走査線G4及び信号線S2によって制御され、副画素LSP3は走査線G4及び信号線S1によって制御される。また各副画素LSPの線状電極BR及びスリットSLは、方向D2に沿って延出している。
【0067】
画素BPXは、走査線G2と走査線G3との間、及び、信号線S1と信号線S4との間に位置している。
図5における各副画素BSPの構成は、上記副画素BSPの構成と同様である。ただし各副画素BSPでは、副画素BSP1は走査線G3及び信号線S3によって制御され、副画素LSP2は走査線G3及び信号線S2によって制御され、副画素LSP3は走査線G3及び信号線S1によって制御される。
なお
図4に示すように画素BPXは遮光層BMに覆われているため、画素BPXからの光は遮光され、表示には寄与しない。換言すると画素BPXは走査線及び信号線から信号が入力されても黒を表示する。
画素BPXは、信号を入力せず常にオフ状態で黒を表示してもよいし、オン状態であってもよい。また半導体層SCを設けない、すなわちスイッチング素子SWを設けず、走査線G及び信号線Sで制御しなくてもよい。スイッチング素子SWを設けない場合でも、画素BPXは遮光層BMにより黒を表示する。
【0068】
画素PPXは、走査線G1と走査線G2との間、信号線S1と信号線S4との間に位置している。画素PPXは、画素電極PPEを備えている。画素電極PPEは、複数の線状電極PBRと、スリットPSLとを有している。図示した例では、線状電極PBRは、方向D2に沿って延出している。画素電極PPEは6本の線状電極PBRと5つのスリットPSLとを有しているが、線状電極PBR及びスリットPSLの数はこの例に限らない。
【0069】
信号線S2は、平面視において、画素電極PPEと走査線G1との間、画素電極PPEと信号線S1との間、及び、画素電極PPEと走査線G2との間に延出している。信号線S3は、平面視において、画素電極PPEと走査線G1との間、画素電極PPEと信号線S4との間、及び、画素電極PPEと走査線G2との間に延出している。信号線S2及びS3は、開口部POPを迂回して延出している。本実施形態において、信号線S2及びS3は、平面視において、画素電極PPEから離間している。
【0070】
金属配線Mは、信号線S1に重畳し、信号線S1に沿って延出している。金属配線Mは、平面視において信号線S2と交差し、コンタクトホールPCHを介して画素電極PPEと接続している。画素電極PPEは、走査線G及び信号線Sと接続していない。画素PPXは、金属配線Mによって制御されている。
【0071】
遮光層BMは、走査線G1乃至G4、信号線S1乃至S4、各副画素LSP及び各副画素SPの半導体層SCに重畳している。遮光層BMは、副画素LSP1に位置する開口部LOP1、副画素LSP2に位置する開口部LOP2、副画素LSP3に位置するLOP3、並びに、副画素SP1に位置する開口部OPR、副画素SP2に位置する開口部OPG、副画素SP3に位置する開口部OPBを有している。
遮光層BMは、副画素BSP1乃至副画素BSP3を覆っている。
また、遮光層BMの開口部POPは、画素電極PPEに重畳している。
【0072】
開口部OPRに
図4に示した第1色の着色層CFRが重畳し、開口部OPGに第2色の着色層CFGが重畳し、開口部OPBは、第3色の着色層CFBが重畳している。
一方、開口部LOP1、開口部LOP2、開口部LOP3には、上述のように着色層(カラーフィルタCF)は設けられない。あるいは、開口部LOP1、開口部LOP2、開口部LOP3には、透明樹脂層(着色層CFW)が設けられる。
【0073】
図6は、
図5に示したA-B線に沿った液晶素子LCDの断面図である。ここでは、偏光板PL1と偏光板PL2との間に、横電界を利用する表示モードに対応した液晶パネルPNLを備えた液晶素子LCDについて説明する。
【0074】
図6に示すように、第1基板SUB1は、絶縁基板10と配向膜AL1との間に、絶縁層11乃至15、信号線S1及びS2、共通電極CE、金属配線M、及び、画素電極PPEを備えている。絶縁層11は、絶縁基板10の上に位置している。絶縁層12は、絶縁層11の上に位置している。なお、
図5に示した走査線G、半導体層SCは、例えば、絶縁基板10と絶縁層11との間、または、絶縁層11と絶縁層12との間に位置している。信号線S1及びS2は、絶縁層12の上に位置し、絶縁層13によって覆われている。
【0075】
金属配線Mは、絶縁層13の上に位置し、絶縁層14によって覆われている。共通電極CEは、絶縁層14の上に位置し、絶縁層15によって覆われている。画素電極PPEは絶縁層15の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。コンタクトホールPCHは、絶縁層14及び15を貫通している。画素電極PPEは、絶縁層15を介して、共通電極CEと対向している。共通電極CE及び画素電極PPEは、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
【0076】
第2基板SUB2において、遮光層BMは、金属配線Mの直上、及び、画素電極PPEの直上に位置している。カラーフィルタCFは、信号線S1の直上に位置している。
【0077】
画素PPXにおいて遮光層BMは透明層OCに接している。画素BPXにおいて、遮光層BMは透明層OCに接している。画素LPXにおいて遮光層BMは透明層OCに接し、あるいはカラーフィルタCFの位置に配置される透明樹脂層に接している。画素PXにおいて遮光層BMはカラーフィルタCFに接している。絶縁基板20は、開口部POPにおいて、透明層OCと接している。なお画素PPX、画素BPX、画素LPX、画素PXの断面構造の詳細については後述する。
【0078】
駆動部DR1は、金属配線Mに対して電圧を印加して、液晶素子LCDの画素PPXにおける透過率を制御する。液晶素子LCDの透過率は、液晶層LCに印加される電圧の大きさに応じて制御される。なお駆動部DR1はICチップ6と電気的に接続されている。
【0079】
例えば、画素PPXにおいて、金属配線Mを介して液晶層LCに電圧が印加されていないオフ状態では、液晶層LCに含まれる液晶分子LMは、配向膜AL1及びAL2の間で所定の方向に初期配向している。すなわち、画素PPXは最小透過率となり、黒を表示する。つまり、液晶素子LCDは、画素PPXにおいて、遮光機能を発揮する。
【0080】
一方、液晶層LCに金属配線Mを介して電圧が印加されたオン状態では、液晶分子LMは、画素電極PPEと共通電極CEとの間に形成された電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。液晶素子LCDは、オン状態の画素PPXにおいて、最大透過率の場合に、白を表示する、あるいは、透明状態となる。つまり、液晶素子LCDは、画素PPXにおいて、透光機能を発揮する。
【0081】
図7(A)及び(B)、
図8、並びに
図9は、それぞれ
図5に示した画素LPX、画素PX及び画素BPXを含む液晶素子LCDの断面図である。
図7(A)及び(B)は、
図5に示したC-D線に沿った液晶素子LCDの断面図である。
図8は、
図5に示したE-F線に沿った液晶素子LCDの断面図である。
図9は、
図5に示したG-H線に沿った液晶素子LCDの断面図である。ここでは、絶縁層12乃至14、及び、信号線Sの図示を省略している。
【0082】
図7(A)及び(B)に示すように、第1基板SUB1において、画素電極PEは絶縁層15の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PEは、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
【0083】
図7(A)に示すように、画素LPXでは、第2基板SUB2において、画素電極PEに対向する位置には、着色層は配置されていない。
図7(B)に示すように、第2基板SUB2において、画素電極PEに対向して、着色層の代わりに透明樹脂層である着色層CFWが設けられている。
【0084】
液晶素子LCDを駆動する駆動部DR2は、例えば、
図3に示した走査線Gと電気的に接続された走査線駆動回路、及び、信号線Sと電気的に接続された信号線駆動回路を含んでいる。駆動部DR2は、表示部DAの各画素LPXに対して、照射光を照射するための必要な信号を出力し、液晶素子LCDの透過率を制御する。なお駆動部DR2はICチップ6と電気的に接続されている。
【0085】
液晶層LCに電圧が印加されていないオフ状態では、
図1に示した光源EM1から画素LPXに導光された光は、偏光板PL1及び偏光板PL2によって吸収される。このため、液晶素子LCDは、オフ状態の画素LPXにおいて、照射光は照射されない。
【0086】
一方、液晶層LCに電圧が印加されたオン状態では、画素LPXに導光された光の一部は、偏光板PL1及びPL2を透過する。このため、液晶素子LCDは、オン状態の画素LPXにおいて、白色の照射光が照射される。
図8に示すように、画素PXでは、第2基板SUB2において、第2色の着色層CFGが、画素電極PEに対向して設けられている。第1色の着色層CFR及び第3色の着色層CFBも、それぞれ図示しない他の画素電極PEと対向している。
【0087】
駆動部DR2は、表示部DAの各画素PXに対して、画像表示に必要な信号を出力し、液晶素子LCDの透過率を制御する。液晶層LCに電圧が印加されていないオフ状態では、
図1に示した光源EM1から画素PXに導光された光は、偏光板PL1及び偏光板PL2によって吸収される。このため、液晶素子LCDは、オフ状態の画素PXにおいて、黒を表示する。
一方、液晶層LCに電圧が印加されたオン状態では、画素PXに導光された光の一部は、偏光板PL1及びPL2を透過する。このため、液晶素子LCDは、オン状態の画素PXにおいて、カラーフィルタCFに応じた色を表示する。
上記の例は、オフ状態で黒を表示する所謂ノーマリーブラックモードに相当するが、オン状態で黒を表示する(オフ状態で白を表示する)ノーマリーホワイトモードが適用されてもよい。
【0088】
図9に示すように、画素BPXでは、第2基板SUB2において、画素電極PEに対向する位置には、遮光層BMが配置されている。このように画素BPXは遮光層BMで覆われているので、常に黒表示である。
【0089】
なお遮光用の画素BPXは、上述のようにどんな信号が入力されても黒を表示する。すなわち、画素BPXに画素PXと同じ信号を入力した場合においても黒を表示する。よって、画素BPXを独立に制御せず、画素PXと同じ信号で画素BPXを制御してもよい。
【0090】
このような液晶素子LCDは、画素PPXにおいて透光し、光学系2に重畳するその他の画素BPX並びに画素PXにおいて遮光することにより、カメラ1に入射する光量を調整するピンホールとして機能することができる。開口部POPの直径に応じて、光学系2における収差の影響を低減することができ、鮮鋭度を向上することができ、さらには、焦点深度を大きくすることができる。カメラ1と被写体の距離が数cmの場合にカメラ1の解像力が向上し、被写体と至近距離における鮮明な写真を撮影することができる。
【0091】
被写体とカメラ1が近接した撮影の一例として、指紋認証のために指紋を撮影することができる。さらに、赤外線カメラも併設して、静脈の撮影を行うようにしてもよい。
【0092】
上述した電子機器は、開口部POPを有する画素PPXの周辺に、着色層無し又は透明樹脂層を有する画素LPXを有する。開口部の周辺から被写体に対して、画素LPXを介して白色の照射光が照射される。これにより撮像装置1で撮像される被写体の照度を高くすることができ、撮像装置1にて鮮明な写真を撮影することが可能となる。
【0093】
<構成例1>
次に本実施形態の他の構成例について説明する。
図10は、本実施形態における開口部POPの他の構成例を示す平面図である。
図10に示した構成例では、
図4に示した構成例と比較して、複数の開口部POP2を備えるという点で異なっている。
【0094】
平面視において、
図10に示す画素PPXは、開口部POPとして、画素PPX内で均等に配置された複数の開口部POP2を有している。1つの開口部POP2は円形に形成されている。開口部POP2は真円に形成されることが望ましい。開口部POP2の直径は、
図4に示す開口部POPの直径より小さい。
また開口部POP2は、必ずしも光学系2の中心OXに重畳していなくてもよいが、中心OXに対して、点対称の位置に配置されることが好ましい。
【0095】
複数の開口部POP2を設けることにより、撮像装置1の受光面に入射する光の光量が増大し、より鮮明な写真を撮影することが可能となる。
【0096】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0097】
<構成例2>
図11は、本実施形態における副画素LSPの他の構成例を示す平面図である。
図11に示した構成例では、
図5に示した構成例と比較して、画素LPXの副画素LSPが、画素PXの副画素SPより大きいという点で異なっている。
【0098】
図11に示す画素LPXは、1つの副画素LSPを有している。画素LPXは、走査線G3と走査線G4との間、及び、信号線S1と信号線S4との間に位置している。画素LPX(副画素LSP)は、走査線G4及び信号線S3によって制御される。
【0099】
図11に示す画素LPXは、5本の線状電極BRと4つのスリットSLとを有しているが、線状電極BR及びスリットSLの数はこの例に限らない。
【0100】
図11に示す画素LPX(副画素LSP)は、画素PXの副画素SPと比較して、例えば第1方向Xにおける幅が約2.5倍であり、開口部LOPの大きさも開口部OPと比較して約2.5倍となる。
【0101】
図11に示す画素LPXでは、第1方向Xにおける長さが長い例について説明したが、第2方向Yおける長さを長くしてもよい。さらに第1方向X及び第2方向Yの両方における長さを長くしてもよい。
【0102】
また本構成例では、画素LPXから被写体に照射される照射光が単色光であってもよい。
図12に画素LPXの断面図を示す。
【0103】
図12に示す画素LPXは、カラーフィルタCFとして単色、例えば青色の着色層CFBを有する。この場合画素LPXから被写体に照射される照射光は青色光となる。ただし、着色層の色は青色に限定されず、撮像装置1の感度に応じて、その他の色、例えば赤色や緑色等を選択すればよい。
【0104】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0105】
<構成例3>
図13は、本実施形態における画素LPX及び画素PXにおいて、印加される電圧に対する輝度の関係性を示す図である。
図13に示した構成例では、
図3で示した構成例と比較して、画素LPXに印加される電圧が画素PXに印加される電圧より大きいという点で異なっている。
【0106】
本構成例において、画素LPXに印加される電圧及び画素PXに印加される電圧とは、それぞれ画素LPXの信号線S及び画素PXの信号線Sに印加される電圧Vsig、つまり画像信号である。また、画素PXは、電圧Vsigが電圧V0の時にオフ状態(輝度L0)、すなわち黒を表示し、電圧Vsigが最大電圧である電圧V1の時最大透過率に対する輝度L1、すなわち白を表示する。換言すると、本構成例の液晶素子LCDは、所謂ノーマリーブラックモードで駆動する。
【0107】
一方、画素LPXに、画素PXに印加される電圧V1より大きい電圧V2を印加することにより、画素PXの輝度L1よりも高い輝度L2を得ることが可能となる。これにより、撮像装置1で撮像される被写体の照度をより高くすることができる。
【0108】
もし画素PXに電圧V2を印加しても、表示可能な階調を超えてしまう。しかしながら、画素LPXは照明用であり表示には寄与しないので、最大表示階調を超える電圧V2を印加することが可能である。これにより、より明るい照明光を得ることが可能である。
【0109】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0110】
<構成例4>
図14は、本実施形態の液晶パネルPNLの他の構成例を示す図である。
図14に示した構成例では、
図3で示した構成例と比較して、被写体撮影期間に光源EM1の照射光の輝度を上げ、かつ、画素PXに印加される電圧を画素LPXより小さくするという点で異なっている。
【0111】
図14(A)及び(B)は、それぞれ被写体非撮影期間(表示のみ)及び被写体撮影期間の液晶パネルPNLの構成を示す。
図14(A)に示すように、光源EM1から輝度Li1の照射光が液晶パネルPNLの導光板LG1に入射する。画素PXは、駆動部DR2から信号線Sを介して印加される電圧V3に応じて、入射光を変調し輝度L3の光を出射することにより画像表示を行う。
【0112】
図14(A)において、画素LPXには駆動部DR2から電圧は印加されず、オフ状態である。
【0113】
図14(B)に示すように、光源EM1から輝度Li2の照射光が液晶パネルPNLの導光板LG1に入射する。このとき輝度Li2は非撮影期間の輝度Li1より大きい。
【0114】
駆動部DR2は、信号線Sを介して、画素PXに電圧V4、及び画素LPXに電圧V5を印加する。このとき電圧V4は電圧V3より小さい。また電圧V5は、非撮影期間に画素PXに印加される電圧V3と等しい。画素PXは、電圧V4に応じて入射光を変調し、輝度L4の光を出射することにより画像表示を行う。画素LPXは、電圧V5(=電圧V3)に応じて入射光を変調し、輝度L5の光を出射する。電圧V4は電圧V5より小さいため、輝度L4は輝度L5より小さくなる。換言すると、撮影期間に画素LPXを介して被写体に照射される照射光は、画素PXより表示される画像の輝度より大きくなる。
【0115】
しかしながら、非撮影期間と撮影期間に表示される画像の輝度が変化することは好ましくない。そのため、画素PXにおける被写体非撮影期間の輝度L3と被写体撮影期間の輝度L4が等しくなるように、駆動部DR2は電圧V4の大きさを決定する。
【0116】
なお本構成例では、被写体非撮影期間に画素LPXをオフ状態にする例について述べたが、これに限定されない。非撮影期間であっても、画素PXと同様に電圧V3を印加してオン状態としてもよい。
【0117】
例えば、画素LPXとして着色層(カラーフィルタCF)を有する画素である場合、画素PXと同様に画素LPXを用いて画像を表示することが可能である。
【0118】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0119】
<構成例5>
図15は、本実施形態の液晶パネルPNLの他の構成例を示す図である。
図15に示す構成例では、
図13及び
図14に示した構成例と比較して、液晶パネルPNLが被写体の近接又は接触を検出するセンサを有し、被写体が近接又は接触した場合のみ画素LPXの輝度を上げるという点で異なっている。
【0120】
図15は、被写体の近接又は接触を検出するセンサSENを有する液晶パネルPNLの構成を示す。センサSENは、例えば静電容量方式タッチセンサ、光学式タッチセンサ、又は電磁誘導方式タッチセンサである。センサSENは、液晶パネルPNLの内部に設けられていてもよいし、液晶パネルPNLの外側に配置され、画素PX、画素LPX、及び画素PPXに重畳するセンサであってもよい。
【0121】
センサSENが、被写体FNGの被写体の近接又は接触を検出すると、上述のように駆動部DR2は、画素LPXの輝度が画素PXの輝度より大きくなるように、電圧Vsigを印加する。
【0122】
センサSENが、被写体FNGの被写体の近接又は接触を検出しない場合においては、画素LPXは
図14(A)と同様に駆動される。すなわち駆動部DR2は、画素LPXに電圧は印加せずオフ状態とする。あるいは、駆動部DR2は、画素LPXに画素PXと同様の電圧を印加して、通常の表示を行う。
【0123】
センサSENを設けることにより、被写体FNGの被写体の近接又は接触時のみ、画素LPXから高輝度の照明光を出射することができる。つまり被写体FNGの近接又は接触しない状態での画像表示において、画素LPXから高輝度の照明光が出射されない。これにより液晶パネルPNLの視認性がより向上する。
【0124】
なお本構成例にでは、撮像装置1に代えて、光電変換素子等の受光素子を設けてもよい。受光素子を設けた場合であっても、画素LPXの輝度が大きくなるので、受光素子の感度が上昇する。
【0125】
<構成例6>
図16は、本実施形態の画素LPXの他の構成例を示す図である。
図16に示す構成例では、
図5に示した構成例と比較して、複数の画素LPXを同一信号線及び同一走査線で駆動するという点で異なっている。
【0126】
図16に示す信号線Sは、円形状の信号線SL1と線状の信号線SL2を有している。信号線SL1は、平面視において開口部POPと同心円状に配置されている。
図16に示す走査線Gは、円形状の走査線GL1と線状の走査線GL2を有している。走査線GL1は、平面視において開口部POPと同心円状に配置されている。すなわち走査線GL1と信号線SL1は同心円状に配置される。走査線GL1及びGL2、並びに、信号線SL1及びGL2は、それぞれ他の走査線G及び他の信号線Sに接続されておらず、駆動部DR2により独立に駆動される。
【0127】
複数の画素LPXのそれぞれは、開口部POPと同心円状に配置されている。信号線SL1及び走査線GL1は、複数の画素LPXと電気的に接続されている。これにより当該複数の画素LPXを同時に駆動することが可能である。
【0128】
なお
図16に示す走査線G及び信号線S、並びに、複数の画素LPXは円形状に配置されているが、形状はこれに限定されず、例えば四角形状に配置してもよい。
また開口部POPと同心円状に配置された複数の画素LPXに隣接して、画素PPXとは反対側にさらなる複数の画素LPXを配置してもよい。さらに配置された画素LPXは、信号線SL1及び走査線GL1とは別の信号線S及び走査線Gにより駆動される。換言すると、複数の画素LPXは、開口部POPに対して同心円状に、二重あるいはそれ以上配置してもよい。
【0129】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0130】
<構成例7>
図17は、本実施形態における画素レイアウトの他の構成例を示す平面図である。
図17に示す構成例は、透明樹脂層である着色層CFWを有する副画素SP4を有している点で、
図4に示す構成例と異なっている。
【0131】
図17に示す構成例では、第1方向Xにおいて、副画素SP1及びSP4が繰り返し並べられ、他方で副画素SP2及び副画素SP3が繰り返し並べられている。第2方向Yにおいて、副画素SP1及びSP2が繰り返し並べられ、他方で副画素SP3及びSP4が繰り返し並べられている。そして、同一種類の副画素が第1方向X及び第2方向Yに連続して並ぶことがないように、副画素SP1乃至SP4は、配列されている。
【0132】
図17に示す構成例において、画素PPXが位置する画素PXにおいて、画素PXは、副画素SP4無しに形成されている。画素PPXは、画素PXのうち、本来、副画素SP4が配置される領域を専有している。換言すると、画素PPXは副画素SP1つ分の領域を占有している。
【0133】
画素PPXに隣接して、遮光用の画素BPXが設けられている。なお本構成例において、画素BPXは副画素SP1つ分の領域を占有しているので、画素BPXを副画素BSPとも称する。画素BPXには、上述と同様遮光層BMによって覆われている。
【0134】
なお画素BPXは、画素PPXと隣接する方向の反対側に、画素BPXと隣接してさらなる画素BPXを設けてもよい。すなわち画素BPX(副画素BSP)は、複数行及び複数列配置してもよい。
【0135】
画素BPXに隣接して、照明用の画素LPXが設けられている。なお本構成例において、画素LPXは副画素SP1つ分の領域を占有しているので、画素LPXを副画素LSPとも称する。画素LPXには、上述と同様カラーフィルタCFが設けられない、あるいは透明樹脂層(着色層CFW)が設けられている。
【0136】
なお画素LPXは、画素BPXと隣接する方向の反対側に、画素LPXを隣接してさらなる画素LPXを設けてもよい。すなわち画素LPX(副画素LSP)は、複数行及び複数列配置してもよい。
【0137】
図18は、
図17に示した画素PPX、画素BPX、画素LPX、及び副画素SP1を示す平面図である。
図17に示すように、画素BPXの画素電極PEは信号線S2と信号線S3との間、画素LPXの画素電極PEは信号線S3と信号線S4との間、副画素SP1の画素電極PEは信号線S4と信号線S5との間に位置している。画素BPX、画素LPX、及び副画素SP1の画素電極PEは、走査線G1と走査線G2との間に位置している。画素電極PPEは信号線S1と信号線S2との間、及び、走査線G1と走査線G2との間に位置している。
【0138】
図示した例では、画素電極PE1は4本の線状電極BRと3つのスリットSLを有し、画素電極PPEは4本の線状電極PBRと3つのスリットPSLを有している。
【0139】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0140】
<構成例8>
図19は、本実施形態における画素レイアウトの他の構成例を示す平面図である。
図19に示す構成例は、照明用の画素LPXを有さないという点で、
図17に示す構成例と異なっている。
【0141】
図19に示すように、画素PPXに隣接して画素PX(副画素SP)が設けられている。本構成例において、画素PPXの周辺の副画素SPから出射する光により、撮像装置1で撮像される被写体の照度をより高くすることができる。
【0142】
また本構成例において、画素PPX及び画素PXとの間に、遮光用の画素BPX(副画素BSP)を設けてもよい。
【0143】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0144】
<実施形態2>
図20は、本実施形態の電子機器100の構成を示す斜視図である。本実施形態においては、表示装置が有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro-Luminescence)表示装
置である場合について説明する。
【0145】
電子機器100は、撮像装置1と、表示パネルDSPと、配線基板PB1と、配線基板PB2と、支持部材SUSと、を備えている。表示パネルDSPは、平板状の第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向配置された平板状の偏光板POLと、を備えている。本実施形態において、表示パネルDSPは、有機ELパネルである。
【0146】
表示パネルDSPは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む非表示部NDAと、を備えている。表示パネルDSPは、表示部DAにおいて、画素PPX及び複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yに並べられ、マトリクス状に設けられている。画素PPXは、
図1と同様、撮像装置1の光学系2の中心OXに重畳している。
【0147】
第1基板SUB1は、偏光板POLと重なる領域よりも外側に位置したパッド領域MTを有している。
【0148】
配線基板PB1は、非表示部NDAにおいて、パッド領域MTの上方に実装されている。図示した例では、配線基板PB1の第1方向Xに平行な側縁の長さは、第1基板SUB1及び偏光板POLの第1方向Xに平行な側縁の長さに比べて小さいが、同等であってもよい。表示パネルDSP及び配線基板PB1は、互いに電気的に接続されている。配線基板PB2は、配線基板PB1の下方に配置されている。配線基板PB1及び配線基板PB2は、例えば可撓性を有するフレキシブル基板である。なお
図20では2つの配線基板PB1及びPB2を示したが、配線基板は1つだけであってもよい。
【0149】
図20に示される電子機器100は、筐体に収容される際に折り曲げられる領域である折り曲げ領域BAを有している。
【0150】
支持部材SUSは、表示パネルDSPの下方に位置し第1基板SUB1に貼り付けられている。なお、支持部材SUSは、第3方向Zに折り曲げ領域BAと重なる位置には配置されていない。なお電子機器100を折り曲げる必要がない場合は、折り曲げ領域BA及び支持部材SUSを設けなくてもよい。
【0151】
また配線基板PB1及びPB2は、硬質材料によって形成されたリジッド部及びフレキシブル部を備えたリジッドフレキシブル基板であってもよい。また2つの配線基板PB1及びPB2を設けず、1つの配線基板を設けてもよい。
【0152】
図21は、表示パネルDSPの回路構成を示す平面図である。
図21に示すように、表示パネルDSPは、第1絶縁基板110と、第1絶縁基板110の上に配置された複数の有機EL素子OLED、各種の配線、ゲートドライバGD1,GD2、及び選択回路SDと、を有している。
【0153】
複数の有機EL素子OLEDは、表示部DAにてマトリクス状に配列されている。本実施形態において、有機EL素子OLEDは、第1色を呈する有機EL素子OLED1、第2色を呈する有機EL素子OLED2、及び第3色を呈する有機EL素子OLED3、第4色を呈する有機EL素子OLED4を含んでいる。ここでは、第1色は赤色であり、第2色は緑色であり、第3色は青色であり、第4色は白色である。
【0154】
有機EL素子OLEDは、発光素子と、有機発光層に駆動電流を供給し有機発光層を駆動するための画素回路と、を含んでいる。上記画素回路は、後述する駆動トランジスタ及び各種のスイッチング素子などを含んでいる。
【0155】
上記各種の配線は、表示部DAにて延在し、非表示部NDAに引き出されている。
図21には、各種の配線の一部として、複数本の制御配線SSGと、複数本の画像信号線VLと、を例示している。ゲートドライバGD1,GD2、及び選択回路SDは、非表示部NDAに位置している。表示部DAにおいて、制御配線SSG及び画像信号線VLは、有機EL素子OLEDに電気的に接続されている。制御配線SSGは、非表示部NDAにてゲートドライバGD1,GD2に電気的に接続されている。画像信号線VLは、非表示部NDAにて選択回路SDに電気的に接続されている。
ゲートドライバGD1,GD2、及び選択回路SDには、パネルドライバPDVから各種の信号や電圧が与えられる。
【0156】
次に、
図22を参照して、表示パネルDSPの回路構成について説明する。上記した複数の有機EL素子OLEDは、同様に構成されている。そこで、
図22においては、複数の有機EL素子OLEDのうちの1つの有機EL素子OLEDを代表して説明する。
【0157】
図22に示すように、有機EL素子OLEDは、発光素子ELMと、発光素子ELMに駆動電流を供給する画素回路PCと、を有している。画素回路PCは、後述する画素電極PEに電気的に接続されている。画素回路PCは、複数の素子として、駆動トランジスタDRT、画素トランジスタSST、出力トランジスタBCT、保持容量Cs及び補助容量Cadを含んでいる。なお出力トランジスタBCTは、後述するように複数の有機EL素子OLEDで共有してもよい。
【0158】
図22に示す出力トランジスタBCTは、有機EL素子OLEDに対して1つ配置されている。ゲートドライバGD1は、リセットトランジスタRSTを含んでいる。
図22において、各トランジスタは、NchTFTである。また、
図22に示す素子容量Cledは、発光素子ELMの内部容量であり、陽極と陰極との間の容量である。
【0159】
なお、リセットトランジスタRST、画素トランジスタSST、及び出力トランジスタBCTは、それぞれトランジスタで構成されていなくともよい。リセットトランジスタRST、画素トランジスタSST、及び出力トランジスタBCTは、それぞれ、リセットスイッチ、画素スイッチ、及び出力スイッチとして機能するものであればよい。
【0160】
以下の説明においては、トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方を第1電極、他方を第2電極とする。また、容量素子の一方の電極を第1電極、他方の電極を第2電極とする。
【0161】
駆動トランジスタDRT、画素電極PE、及び発光素子ELMは、第1電源線VDDLと第2電源線VSSLとの間で直列に接続されている。第1電源線VDDLは定電位に保持され、第2電源線VSSLは第1電源線VDDLの電位と異なる定電位に保持されている。本実施形態において、第1電源線VDDLの電位PVDDは、第2電源線VSSLの電位PVSSより高い。
【0162】
駆動トランジスタDRTの第1電極は、発光素子ELMの陽極、保持容量Cs、及び補助容量Cadに電気的に接続されている。駆動トランジスタDRTは、発光素子ELMへの電流値を制御するように構成されている。駆動トランジスタDRTの第2電極は、出力トランジスタBCTの第1電極に電気的に接続されている。
【0163】
画素トランジスタSSTの第1電極は、駆動トランジスタDRTのゲート電極、及び保持容量Csの第2電極に電気的に接続されている。画素トランジスタSSTの第2電極は、画像信号線VLに電気的に接続されている。
【0164】
出力トランジスタBCTの第2電極は、第1電源線VDDLに電気的に接続されている。また、発光素子の陰極は、第2電源線VSSLに電気的に接続されている。
【0165】
リセットトランジスタRSTはゲートドライバGD1に設けられ、当該リセットトランジスタRSTの第1電極は、リセット配線SVに電気的に接続されている。当該リセットトランジスタRSTの第2電極は、リセット電源線RLに電気的に接続されている。
【0166】
画像信号線VLには、画像信号である電圧Vsigが供給され、リセット電源線RLはリセット電源電位Vrstに設定される。なお、電圧Vsigは、有機EL素子OLEDに書き込まれる信号である。
【0167】
出力トランジスタBCTのゲート電極は、制御配線SBGに電気的に接続されている。この制御配線SBGには、出力制御信号BGが供給される。
画素トランジスタSSTのゲート電極は、制御配線SSGに電気的に接続されている。この制御配線SSGには、画素制御信号SGが供給される。
リセットトランジスタRSTのゲート電極は、制御配線SRGに電気的に接続されている。この制御配線SRGには、リセット制御信号RGが供給される。
【0168】
図22においては、上記の全てのトランジスタがNchTFTであるものとして説明したが、例えば駆動トランジスタDRT以外のトランジスタはPchTFTであってもよく、NchTFT及びPchTFTが混在していてもよい。
また、駆動トランジスタDRTがPchTFTであってもよい。その場合、本実施形態
とは逆向きに、発光素子ELMに電流が流れるように構成されていればよい。何れの場合においても、補助容量Cadは、発光素子ELMの電極のうち駆動トランジスタDRT側の第1電極に結合されていればよい。
【0169】
なお、
図22において説明した回路構成は一例であり、他の構成であっても構わない。例えば
図22において説明した回路構成のうちの一部が省略されていてもよいし、他の構成が追加されても構わない。
【0170】
図23は、
図20に示した表示パネルDSPの表示部DAを示す断面を示す模式図である。
図23に示すように、第1基板SUB1は、第1絶縁基板110、トランジスタTr1、トランジスタTr2、トランジスタTr3、トランジスタTr4、光反射層RFL、有機EL素子OLED1、有機EL素子OLED2、有機EL素子OLED3、有機EL素子OLED4、封止層SLI、支持部材SUSなどを備えている。
【0171】
第1絶縁基板110は、有機絶縁材料を用いて形成され、例えば、ポリイミドを用いて形成される。このため、第1絶縁基板110を、有機絶縁基板(樹脂基板)と称した方が適当な場合があり得る。又は、第1絶縁基板110を、絶縁層、有機絶縁層、又は樹脂層と称した方が適当な場合があり得る。第1絶縁基板110は、第1面110Aと、第1面110Aとは反対側の第2面110Bとを有している。第1絶縁基板110は、第1絶縁膜111によって覆われている。
【0172】
トランジスタTr1,Tr2,Tr3は、第1絶縁膜111の上方に形成されている。図示した例では、トランジスタTr1,Tr2,Tr3,Tr4は、トップゲート型の薄膜トランジスタで構成されているが、ボトムゲート型の薄膜トランジスタで構成されていてもよい。なお
図22において、トランジスタTr1乃至Tr4は、
図21の駆動トランジスタDRTに相当する。
トランジスタTr1、Tr2、Tr3,Tr4は、同一構成であるため、以下、トランジスタTr1に注目してその構造をより詳細に説明する。トランジスタTr1は、第1絶縁膜111の上に形成された半導体層SCを備えている。半導体層SCは、第2絶縁膜112によって覆われている。また、第2絶縁膜112は、第1絶縁膜111の上にも配置されている。
【0173】
トランジスタTr1のゲート電極WGは、第2絶縁膜112の上に形成され、半導体層SCの直上に位置している。ゲート電極WGは、第3絶縁膜113によって覆われている。また、第3絶縁膜113は、第2絶縁膜112の上にも配置されている。
このような第1絶縁膜111、第2絶縁膜112、及び、第3絶縁膜113は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物等の無機系材料によって形成されている。
【0174】
トランジスタTr1のソース電極WS及びドレイン電極WDは、第3絶縁膜113の上に形成されている。ソース電極WS及びドレイン電極WDは、それぞれ第2絶縁膜112及び第3絶縁膜113を貫通するコンタクトホールを通して半導体層SCと電気的に接続されている。トランジスタTr1は、第4絶縁膜114によって覆われている。第4絶縁膜114は、第3絶縁膜113の上にも配置されている。このような第4絶縁膜114は、例えば、透明な樹脂等の有機系材料によって形成されている。
【0175】
光反射層RFLは、第4絶縁膜114の上に配置されている。光反射層RFLは、アルミニウムや銀等の光反射率の高い金属材料で形成される。なお、光反射層RFLの表面(つまり、偏光板POL側の面)は、平坦面であってもよいし、光散乱性を付与するための凹凸面であってもよい。
【0176】
有機EL層OL1乃至OL4は、第4絶縁膜114の上に形成されている。図示した例では、有機EL層OL1はトランジスタTr1と電気的に接続され、有機EL層OL2はトランジスタTr2と電気的に接続され、有機EL層OL3はトランジスタTr3と電気的に接続され、有機EL層OL1はトランジスタTr4と電気的に接続されている。有機EL層OL1有機EL層OL1乃至OL4は、何れも偏光板POLの側に向かって光を放射するいわゆるトップエミッションタイプとして構成されている。
なお
図23では、有機EL層OL1及びトランジスタTr1を合わせて有機EL素子OLED1、有機EL層OL2及びトランジスタTr2を合わせて有機EL素子OLED2、有機EL層OL3及びトランジスタTr3を合わせて有機EL素子OLED3、有機EL層OL4及びトランジスタTr4を合わせて有機EL素子OLED4とする。また有機EL素子OLED1乃至OLED4を特に区別する必要がない場合は、単に有機EL素子OLEDと呼ぶ。
【0177】
有機EL層OL1乃至OL4の有機発光層ORGは、白色光を放射する。放射された光は、有機EL層OL1乃至OL4上に設けられたカラーフィルタCFを通り、偏光板POLの側に向かって光を放射する。
【0178】
カラーフィルタCFは、第1色の着色層CFR、第2色の着色層CFG、第3色の着色層CFB、第4色の着色層CFWを有している。本実施形態においては、第1色は赤色(R)であり、第2色は緑色(G)であり、第3色は青色(B)、第4色は白色(W)である。
【0179】
有機EL層OL1乃至OL4から放射された白色光は、着色層CFR、着色層CFG、着色層CFB、透明樹脂層である着色層CFWを通り、それぞれ赤色光、緑色光、青色光、白色光として上方に出射される。
【0180】
撮像装置1に対向する画素PPX及び照明用の画素LPXは、透明樹脂層である着色層CFWを有する構成、すなわち有機EL素子OLED4と同様の構成を有している。
【0181】
有機EL層OL1は、光反射層RFLの上に形成された画素電極PE1を備えている。画素電極PE1は、トランジスタTr1のドレイン電極WDとコンタクトし、トランジスタTr1と電気的に接続されている。同様に、有機EL層OL2はトランジスタTr2と電気的に接続された画素電極PE2を備え、有機EL層OL3はトランジスタTr3と電気的に接続された画素電極PE3を備え、有機EL層OL4はトランジスタTr4と電気的に接続された画素電極PE4を備えている。画素電極PE1,PE2,PE3,PE4は、例えば、ITOやIZO等の透明な導電材料によって形成されている。
【0182】
第4絶縁膜114及び画素電極PEの上には、隔壁絶縁層BKが設けられている。隔壁絶縁層BKには、画素電極PEに対応した位置に開口部が設けられているか、或いは、画素電極PEが形成する列又は行に対応した位置にスリットが設けられている。ここでは、一例として、隔壁絶縁層BKは、画素電極PEに対応した位置に開口部を有している。
【0183】
有機EL層OL1乃至OL4は、さらに、有機発光層ORG及び共通電極CEを備えている。画素電極PE及び共通電極CEのうち、一方が陽極であり、他方が陰極である。有機発光層ORGは、画素電極PE1乃至PE4上にそれぞれ位置している。また有機発光層ORGは、隣り合う隔壁絶縁層BKとの間に位置している。上述のように有機発光層ORGは、白色光を発光する有機発光層である。
上述の発光素子ELMは、画素電極PPE、有機発光層ORG,及び共通電極CEに相当する。
【0184】
共通電極CEは、有機発光層ORG及び隔壁絶縁層BKの上に位置している。共通電極CEは、例えば、ITOやIZO等の透明な導電材料によって形成されている。図示した例では、有機EL層OL1乃至OL4は、それぞれ隔壁絶縁層BKによって区画されている。なお、図示しないが、有機EL層OL1乃至OL4は、透明な封止膜によって封止されていることが望ましい。
【0185】
なお、
図23と異なり、有機EL素子OLEDは、第1絶縁基板110の側に向かって光を放射するいわゆるボトムエミッションタイプとして構成されてもよい。この場合、光反射層RFLの位置など、種々調整される。
【0186】
封止層SLIは、有機EL層OL1乃至OL4の上を覆っている。封止層SLIは、第1絶縁基板110と封止層SLIとの間に配置された部材を封止するように形成されている。封止層SLIは、有機EL層OL1乃至OL4への酸素や水分の侵入を抑制し、有機EL層OL1乃至OL4の劣化を抑制する。なお、封止層SLIは、無機膜と有機膜の積層体から構成されていてもよい。
【0187】
封止層SLI上には、着色層CFR、着色層CFG、着色層CFB、及び着色層CFW、並びに、遮光層BMBが設けられている。遮光層BMBは、トランジスタTr1乃至Tr4の上方に設けられている。着色層CFRは、隣り合う遮光層BMBとの間で、有機EL素子OLED1の有機発光層ORG上に設けられている。着色層CFGは、隣り合う遮光層BMBとの間で、有機EL素子OLED2の有機発光層ORG上に設けられている。着色層CFBは、隣り合う遮光層BMBとの間で、有機EL素子OLED3の有機発光層ORG上に設けられている。着色層CFWは、隣り合う遮光層BMBとの間で、有機EL素子OLED4の有機発光層ORG上に設けられている。
【0188】
なお図示しないが、着色層CFRの端部と遮光層BMBの端部、着色層CFGと遮光層BMBの端部、着色層CFBと遮光層BMBの端部、及び着色層CFWと遮光層BMBの端部は、第3方向Zにおいてそれぞれ重畳していてもよい。
【0189】
画素PPX及び画素LPXは、上述したように透明樹脂層である着色層CFWを有する構成である。画素PPXの着色層CFWは、上述した開口部POPに相当する。本実施形態の開口部POPは、画素PPXに隣接する有機EL素子OLEDの遮光層BMB間に設けられた開口部であるといえる。
【0190】
また
図10と同様に、画素PPXは開口部POPとして、画素PPX内で均等に配置された複数の開口部POPを有していてもよい。
【0191】
着色層CFR、着色層CFG、着色層CFB、及び着色層CFW、並びに、遮光層BMB上には、第5絶縁膜115が設けられる。例えば、第5絶縁膜115としては、ポリイミド、アクリル等の樹脂材料によって形成されている。また、酸化シリコン層などの無機材料によって形成されていてもよい。
【0192】
偏光板POLは、第5絶縁膜115の上方に配置されている。本実施形態において、偏光板POLは、第5絶縁膜115に接着層AD5によって接着されている。但し、本実施形態とは異なり、第5絶縁膜115と偏光板POLとの間に、樹脂層や光学フィルムが設けられていてもよい。また、偏光板POLの上方に、光学フィルムやガラス基板などの部材が設けられていてもよい。
【0193】
このような表示パネルDSPにおいては、有機EL素子OLED1乃至OLED4のそれぞれが発光した際、それぞれの放射光は、偏光板POLなどを透過して外部に出射される。これにより、カラー表示が実現される。
なお、
図21に示した画素PXは、例えば、カラー画像を構成する最小単位であり、上記の有機EL素子OLED1乃至OLED4を備えている。
【0194】
なお
図23には白色光を照射する有機EL素子OLED4を設ける構成について述べたが、これに限定されない。本実施形態の表示パネルDSPは、有機EL素子OLED4を設けず、有機EL素子OLED1乃至OLED3だけ有していてもよい。すなわち、本実施形態の表示パネルDSPは、RGBの有機EL素子OLEDで構成される表示パネルであってもよい。
【0195】
ただし有機EL素子OLED1乃至OLED3を有する表示パネルであっても、画素PPX及び画素LPXは、透明樹脂層である着色層CFWが設けられた有機EL素子である。
【0196】
図24は、有機EL素子OLEDにおけるリセット動作、オフセットキャンセル動作、書き込み動作及び発光動作に関する各種信号の出力例を示すタイミングチャートである。ここでは、主に制御配線SRG、制御配線SBG、制御配線SIG及び制御配線SSGに供給される信号について説明する。
【0197】
なお、有機EL素子OLEDにおけるリセット動作及びオフセットキャンセル動作は、当該有機EL素子OLEDの2行単位で行われるものとする。
図23において、リセット動作及びオフセットキャンセル動作の対象となる2行の有機EL素子OLED(以下、1行目及び2行目の有機EL素子OLEDと表記)に電気的に接続されている制御配線に関し、制御配線SRGに与えられるリセット制御信号をRG12、制御配線SBGに与えられる出力制御信号をBG12として示している。
【0198】
なお、1行目の有機EL素子OLEDに電気的に接続される制御配線SSGに与えられる画素制御信号はSG1、2行目の有機EL素子OLEDに電気的に接続される制御配線SSGに与えられる画素制御信号はSG2、として示している。
【0199】
図24では、1行目~2行目の有機EL素子OLEDに対する各種の信号のタイミングを示しているが、例えば3行目以降の有機EL素子OLEDについても同様である。
【0200】
ここで画像信号の電圧Vsigの書き込み動作について説明する。
図24に示すように、書き込み動作の場合、画素制御信号SGをLレベルからHレベルに切り替える。
【0201】
これによれば、画素トランジスタSSTはオン状態に切り替えられる。この場合、画素トランジスタSSTを通じて画像信号の電圧Vsigが駆動トランジスタDRTのゲート電極に書き込まれる。
【0202】
1行目の有機EL素子OLEDに対する書き込みが完了した後は、同様にして2行目の有機EL素子OLEDに対する書き込みが行われる。2行目の有機EL素子OLEDに対する書き込みが行われる場合、1行目の有機EL素子OLEDについては画素トランジスタSSTをオフ状態とする。
次に、発光素子ELMを発光させる発光動作について説明する。
図24に示すように、発光動作の場合、画素制御信号SGをHレベルからLレベルに切り替える。これにより、画素トランジスタSSTはオフ状態に切り替えられる。この場合、上記した書き込み動作によって書き込まれた駆動トランジスタDRTのゲート電極の電位に応じて当該駆動トランジスタDRTを通り、発光素子ELMに電流が流れ、当該発光素子ELMが点灯(発光)する。
【0203】
図25は、本実施形態における画素レイアウトを示す平面図である。
図25は、実施形態1の
図17の副画素SP1乃至SP4を、有機EL素子OLED1乃至OLED4に置き換えたものと同等である。よって
図25の説明は、
図17の説明を援用し、詳細は省略する。
【0204】
図26は、本実施形態における画素レイアウトを示す別の平面図である。
図26は、有機EL素子OLED1乃至OLED3を有する画素レイアウトを示している。
図26において、第2方向Yに対して時計回りに鋭角θaに交差する方向を方向DXと定義し、方向DXと垂直の方向を方向DYと定義する。
【0205】
図26において、有機EL素子OLED1は方向DX及び方向DYにおいて、有機EL素子OLED2と隣接している。
【0206】
有機EL素子OLED2は、第1方向Xにおいて互いに隣接しており、第2方向Yのおいても互いに隣接している。有機EL素子OLED2のうち、方向DXにおいて有機EL素子OLED1と隣接する有機EL素子OLED2は、方向DYにおいて有機EL素子OLED3と隣接している。有機EL素子OLED2のうち、方向DXにおいて有機EL素子OLED3と隣接する有機EL素子OLED2は、方向DYにおいて有機EL素子OLED1と隣接している。
有機EL素子OLED3は方向DX及び方向DYにおいて、有機EL素子OLED2と隣接している。
【0207】
図26において、画素PPXは、有機EL素子OLED3のうちの1つが配置される領域を専有している。なお画素PPXは有機EL素子OLED3が配置される領域ではなく、有機EL素子OLED1のうちの1つが配置される領域又は有機EL素子OLED2のうちの1つが配置される領域を占有していてもよい。
【0208】
画素BPXは、方向DX及び方向DYにおいて画素PPXに隣接して設けられている。なお
図23において、画素BPXを設けず、画素PPXと隣接して画素LPXを設けてもよい。なお
図26における画素BPXは、1つの有機EL素子OLEDが配置される領域を占有している。
【0209】
画素LPXは、方向DX及び方向DYにおいて画素BPXに隣接して設けられている。画素LPXは、有機EL素子OLED4と同様の構成を有している。すなわち、画素LPXには着色層CFWが設けられており、白色光を出射する。なお
図23における画素LPXは、1つの有機EL素子OLEDが配置される領域を占有している。
【0210】
本実施形態で説明した電子機器は、開口部を有する画素PPXの周辺に、透明樹脂層を有する画素LPXを有する。開口部の周辺から被写体に対して、画素LPXを介して白色の照射光が照射される。これにより撮像装置1で撮像される被写体の照度を高くすることができ、撮像装置1にて鮮明な写真を撮影することが可能となる。
【0211】
<構成例1>
図27は、本実施形態における画素LPXの他の構成例を示す断面図である。
図27に示した構成例では、
図23に示した構成例と比較して、画素LPXが有機EL素子OLEDより大きいという点で異なっている。
【0212】
図27は、画素LPXと画素LPXに隣り合う有機EL素子OLED1の断面構造を示している。
図27では、説明の簡略化のため有機EL素子OLED1の画素電極PE1より下方の構造を省略している。また画素LPXの構成は有機EL素子OLED4と同様である。
【0213】
有機EL素子OLED1及び画素LPXの有機発光層ORGは、隣り合う隔壁絶縁層BKとの間に位置している。
図27に示すように、画素LPXの有機発光層ORGを挟持する隔壁絶縁層BKの間隔は、有機EL素子OLED1の有機発光層ORGを挟持する隔壁絶縁層BKの間隔より長い。これにより、画素LPXの有機発光層ORGの面積比率を、画素LPXの有機発光層ORGより高くすることができる。すなわち画素LPXの大きさは、有機EL素子OLEDより大きくすることが可能である。
【0214】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0215】
<構成例2>
図28は、本実施形態における他の構成例の電圧Vsigを示す図である。
図28に示した構成例では、
図25に示した構成例と比較して、画素LPXに印加される電圧が有機EL素子OLEDに印加される電圧より大きいという点で異なっている。
【0216】
図28は、有機EL素子OLED1乃至OLED3、並びに、画素LPXの出力例を示すタイミングチャートである。有機EL素子OLED1乃至OLED3、並びに、画素LPXには、発光期間PDに画像信号である電圧Vsigが書き込まれる。
有機EL素子OLED1乃至OLED3は、非撮影期間NFD(表示のみ)に電圧Vsigが印加されることにより画像表示を行う。有機EL素子OLED1乃至OLED3は、撮影期間TFDには電圧Vsigは印加されない。
画素LPXは、撮影期間TFDに電圧Vsigが印加されることにより、被写体への照射を行う。画素LPXは、非撮影期間NFDには電圧Vsigは印加されない。
【0217】
本構成例では、実施形態1の構成例3と同様に、有機EL素子OLEDの画素トランジスタSSTに印加される電圧Vsigの電圧Vsig1より、画素LPXの画素トランジスタSSTに印加される電圧Vsigの電圧Vsig2の方が大きい。これにより、画素LPXの駆動トランジスタDRTのソース・ゲート間の電圧Vgsが、有機EL素子OLEDより高くなる。よって駆動トランジスタDRTを通り、発光素子ELMに電流の量が、画素LPXの方が有機EL素子OLEDより多くなる。以上から画素LPXの発光量が大きくなり、撮像装置1で撮像される被写体の照度をより高くすることができる。
【0218】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0219】
<構成例3>
図29は、本実施形態の表示パネルDSPの他の構成例を示す図である。
図29に示す構成例では、
図25に示した構成例と比較して、表示パネルDSPが被写体の近接又は接触を検出するセンサを有し、被写体が近接又は接触した場合のみ画素LPXの輝度を上げるという点で異なっている。
【0220】
図29は、被写体の近接又は接触を検出するセンサSENを有する表示パネルDSPの構成を示す。センサSENは、
図15と同様に例えば静電容量方式タッチセンサ、光学式タッチセンサ、又は電磁誘導方式タッチセンサである。センサSENは、表示パネルDSPの内部に設けられていてもよいし、表示パネルDSPの外側に配置され、有機EL素子OLED、画素LPX、及び画素PPXに重畳するセンサであってもよい。
【0221】
センサSENが、被写体FNGの近接又は接触を検出すると、上述のようにパネルドライバPDVは、画素LPXの輝度(発光量)が画素PXの輝度(発光量)より大きくなるように、電圧Vsigを印加する。
【0222】
センサSENが、被写体FNGの被写体の近接又は接触を検出しない場合においては、パネルドライバPDVは、画素LPXに電圧は印加せずオフ状態とする。あるいは、パネルドライバPDVは、画素LPXに画素PXと同様の電圧を印加して、通常の表示を行う。
【0223】
センサSENを設けることにより、被写体FNGの被写体の近接又は接触時のみ、画素LPXから高輝度の照明光を出射することができる。つまり被写体FNGの被写体の近接又は接触しない状態での画像表示において、画素LPXから高輝度の照明光が出射されない。これにより表示パネルDSPの視認性がより向上する。
【0224】
なお本構成例にでは、撮像装置1に代えて、光電変換素子等の受光素子を設けてもよい。受光素子を設けた場合であっても、画素LPXの輝度が大きくなるので、受光素子の感度が上昇する。
【0225】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0226】
<構成例4>
図30は、本実施形態の表示パネルDSPの他の構成例を示す図である。
図30に示す構成例では、
図28に示した構成例と比較して、有機EL素子OLEDの発光デューティ比を撮影期間の画素LPXより下げるという点で異なっている。
【0227】
図30に示す有機EL素子OLED1乃至OLED3、並びに、画素LPXの出力例を示すタイミングチャートである。
【0228】
非撮影期間NFDにおいて、有機EL素子OLED1乃至OLED3には、発光期間PDに画像信号である電圧Vsig3が書き込まれる。
非撮影期間NFDにおいて、画素LPXには電圧Vsigは印加されない。
【0229】
撮影期間TFDにおいて、画素LPXには、発光期間PDに画像信号である電圧Vsig4が書き込まれる。電圧Vsig4は、電圧Vsig3より大きい。これにより撮影期間に画素LPXを介して被写体に照射される照射光を、有機EL素子OLEDにより表示される画像の輝度より大きくすることができる。
【0230】
撮影期間TFDにおいて、有機EL素子OLED1乃至OLED3には、発光期間PDより短い期間PDEに画像信号である電圧Vsig4が書き込まれる。
【0231】
有機EL素子(有機EL素子OLED及び画素LPX)の発光量は、電圧Vsigの印加期間と電圧の積に相当する。すなわち撮影期間TFDでの有機EL素子OLEDでは、期間PDEと電圧Vsig4の積(
図30の斜線部)が発光量に相当する。なお当該期間PDEは、有機EL素子OLEDの電圧Vsigのパルス幅に相当し、期間PDEを発光期間PDで割ったものが発光デューティ比に相当する。すなわち撮影期間TFDにおいては、有機EL素子OLED1乃至OLED3の発光デューティ比を、画素LPXの発光デューティ比より小さくする。
【0232】
図14と同様、非撮影期間NFDと撮影期間TFDに表示される画像の輝度が変化することは好ましくない。そのため、有機EL素子OLEDにおける被写体非撮影期間の輝度(発光量)と被写体撮影期間の輝度が等しくなるように、パネルドライバPDVは期間PDEの長さを決定する。
図30においては、発光期間PDと電圧Vsig3の積が、期間PDEと電圧Vsig4の積が等しくなるように、期間PDEの長さを決定すればよい。
【0233】
なお本構成例では、電圧Vsigと発光期間PDの両方を変化させる例について説明したが、これに限定されない。非撮影期間NFDと撮影期間TFDでの画像の輝度変化が許容できる範囲であれば、電圧Vsigは一定にして、発光期間のみを変えてもよい。
【0234】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0235】
<構成例5>
図31は、本実施形態の画素LPXの他の構成例を示す図である。
図31に示す構成例では、
図21に示した構成例と比較して、複数の画素LPXを同一信号線及び同一走査線で駆動するという点で異なっている。
【0236】
図31に示す信号線Sは、円形状の信号線SL11,SL12,SL13及び線状の信号線SL21,SL22,SL23を有している。
図31に示す走査線Gは、円形状の走査線GL11,GL12,GL13及び線状の走査線GL21,GL22,GL23を有している。
【0237】
なお信号線SL11,SL12,SL13を区別する必要がなければ、単に信号線SL1と呼ぶ。信号線SL21,SL22,SL23を区別する必要がなければ、単に信号線SL2と呼ぶ。走査線GL11,GL12,GL13を区別する必要がなければ、単に走査線GL1と呼ぶ。走査線GL21,GL22,GL23を区別する必要がなければ、単に走査線GL2と呼ぶ。
【0238】
【0239】
円形状の信号線SL11,SL12,SL13は、平面視において開口部POPと同心円状に配置されており、その順に径が大きくなる。円形状の走査線GL11,GL12,GL13は、平面視において開口部POPと同心円状に配置されており、その順に径が大きくなる。すなわち走査線GL1と信号線SL1は同心円状に配置される。
【0240】
線状の信号線SL21は円形状の信号線SL11に電気的に接続されている。線状の信号線SL22は円形状の信号線SL12に電気的に接続されている。線状の信号線SL23は円形状の信号線SL13に電気的に接続されている。
線状の走査線GL21は円形状の走査線GL11に電気的に接続されている。線状の走査線GL22は円形状の走査線GL12に電気的に接続されている。線状の走査線GL23は円形状の走査線GL13に電気的に接続されている。
なお走査線G同士又は信号線S同士が交差する領域は、絶縁層を介して別の配線層に電気的に接続することによって、交差する領域を乗り越えてもよい。
【0241】
走査線GL1,GL2、並びに、信号線SL1,SL2は、それぞれ他の走査線G及び他の信号線Sに電気的に接続されておらず、パネルドライバPDVにより独立に駆動される。
【0242】
複数の画素LPXのそれぞれは、開口部POPと同心円状に配置されている。画素LPXのうち画素LPX1は、信号線SL11及び走査線G11に電気的に接続されている。これにより、複数の画素LPX1を同時に駆動できる。
画素LPXのうち画素LPX2は、信号線SL12及び走査線G12に電気的に接続されている。これにより、複数の画素LPX2を同時に駆動できる。
画素LPXのうち画素LPX3は、信号線SL13及び走査線G13に電気的に接続されている。これにより、複数の画素LPX3を同時に駆動できる。
図31に示すように、複数の画素LPX1、複数の画素LPX2、複数の画素LPX3は、開口部POPに対して同心円状に配置されている。
【0243】
図32は、画素LPXの走査線G(制御配線SSG)に印加される画素制御信号SGの出力例を示すタイミングチャートである。
図32中、画素LPX1、LPX2、LPX3の画素制御信号SGを、それぞれ画素制御信号SG1、SG2、SG3とする。
【0244】
図32に示すように、画素制御信号SG1、SG2、SG3のパルス波形は、同一のタイミングでHレベルからLレベルに切り替わり、同一のタイミングでLレベルからHレベルに切り替わる。このようにパネルドライバPDVは、画素LPX1、LPX2、LPX3の画素制御信号SGを同期して印加する。
【0245】
一方
図24に示すように、有機EL素子OLEDの画素制御信号SGは、行ごとに逐次シフトして印加される。
【0246】
図32に示すように、画素LPXの画素制御信号SGを同一のタイミングで駆動することにより、
図21に示すゲートドライバGD1,GD2に、画素LPXの画素制御信号SGを逐次シフトして印加させるための回路、例えばシフトレジスタを設ける必要がない。よって表示パネルの回路構成をより簡素化することが可能である。
【0247】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
<構成例6>
図33は本実施形態の画素回路PCの他の構成例を示す図である。
図33に示す構成例では、
図22に示した構成例と比較して、いくつかのトランジスタが省略されているという点で異なっている。
【0248】
図33(A)乃至(D)に本構成例における画素LPXの画素回路PCを示す。ただし
図33(A)乃至(D)において、リセットトランジスタRSTの出力信号はリセット信号RSTGで示している。なおリセットトランジスタRSTの出力信号とは、リセット配線SVを介してリセットトランジスタRSTの第1電極から出力される電圧に相当する。
【0249】
図33(A)に示す画素回路PCは、
図22に示す画素回路PCと比較して、出力トランジスタBCTが3つの画素LPXで共有される点で異なっている。
図33(A)において、画像信号線VLに印加される電圧Vsig(画像信号)はHレベルとし、画素制御信号SG並びに出力制御信号BGもHレベルとする。
【0250】
駆動トランジスタDRTのゲート電極の電位もHレベルとなるので、当該駆動トランジスタDRTを通り、発光素子ELMに電流が流れ、当該発光素子ELMが発光する。
【0251】
図33(A)に示す画素回路PCでは、出力トランジスタBCTが3つの画素LPXで共有されているため、1つの画素LPXに含まれるトランジスタの数は2.3個である。
【0252】
図33(B)に示す画素回路PCは、
図22に示す画素回路PCと比較して、出力トランジスタBCT及び素子容量Cledを有さないという点で異なっている。なお素子容量Cledを有さないということは、陰極と陽極との間に機能するだけの容量が発生しないことを意味している。
【0253】
図33(B)において、画像信号である電圧VsigはHレベルとし、画素制御信号SGもHレベルとする。
【0254】
駆動トランジスタDRTのゲート電極の電位もHレベルとなるので、当該駆動トランジスタDRTを通り、発光素子ELMに電流が流れ、当該発光素子ELMが発光する。
【0255】
図33(B)に示す画素回路PCでは、1つの画素LPXに含まれるトランジスタの数は2個である。
【0256】
図33(C)に示す画素回路PCは、
図22に示す画素回路PCと比較して、出力トランジスタBCT、素子容量Cled、及び画素トランジスタSSTを有さないという点で異なっている。
【0257】
図33(C)において、画像信号である電圧VsigはHレベルとする。
【0258】
駆動トランジスタDRTのゲート電極の電位もHレベルとなるので、当該駆動トランジスタDRTを通り、発光素子ELMに電流が流れ、当該発光素子ELMが発光する。このとき、駆動トランジスタDRTが直接第1電源線VDDLに接続されているため、電位PVDDに対応する電流が発光素子ELMに流れる。
【0259】
図33(C)に示す画素回路PCでは、1つの画素LPXに含まれるトランジスタの数は1個である。
【0260】
図33(D)に示す画素回路PCは、
図22に示す画素回路PCと比較して、発光素子ELMに流れる電流を制御する素子を有さないという点で異なっている。
【0261】
図33(D)に示す画素回路PCにおいて、発光素子ELMは外部から入力される信号により制御される。例えば、発光素子ELMはパネルドライバPDVに直接接続され、パネルドライバPDVから直接入力された信号によって制御されていてもよい。あるいはパネルドライバPDVからさらに外部の駆動素子により制御されていてもよい。
【0262】
図33(A)乃至(D)においては、上記の全てのトランジスタがNchTFTであるものとして説明した。しかし
図22と同様に、例えば駆動トランジスタDRT以外のトランジスタはPchTFTであってもよく、NchTFT及びPchTFTが混在していてもよい。
また、駆動トランジスタDRTがPchTFTであってもよい。その場合、本構成例とは逆向きに、発光素子ELMに電流が流れるように構成されていればよい。上述した信号の電位レベルも逆の極性、例えばHレベルであればLレベルに変えればよい。
【0263】
本構成例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0264】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0265】
例えば、実施形態2においては、有機EL素子を用いる表示パネルについて主に説明した。かしながら、本実施形態に係る表示パネルは、有機EL素子に代えてマイクロLED表示パネル等であってもよい。
【0266】
なお上述した実施形態において、画素PPX、画素LPX、画素PXはそれぞれ、第1画素、第2画素、第3画素に相当する。さらに、副画素LSP、副画素SPもそれぞれ、第2画素、第3画素に相当する場合がある。
有機EL素子OLED1乃至OLED4は第3画素に相当する。ただし有機EL素子OLED4のうち画素PPX及び画素LPXとして機能するものは、それぞれ第1画素及び第2画素に相当する。
【符号の説明】
【0267】
1…撮像装置、2…光学系、3…イメージセンサ、4…ケース、5…配線基板、6…ICチップ、10…絶縁基板、11…絶縁層、12…絶縁層、13…絶縁層、14…絶縁層、15…絶縁層、20…絶縁基板、100…電子機器、110…第1絶縁基板、110A…第1面、110B…第2面、111…第1絶縁膜、112…第2絶縁膜、113…第3絶縁膜、114…第4絶縁膜、115…第5絶縁膜、A1…領域、AD…透明接着層、AD5…接着層、AL1…配向膜、AL2…配向膜、BA…領域、BCT…出力トランジスタ、BG…出力制御信号、BK…隔壁絶縁層、BM…遮光層、BMA…遮光層、BMB…遮光層、BP…底板、BPX…画素、BR…線状電極、BSP…副画素、BSP1…副画素、BSP2…副画素、BSP3…副画素、CE…共通電極、CF…カラーフィルタ、CFB…着色層、CFG…着色層、CFR…着色層、CFW…着色層、CG…カバーガラス、CP…容量、CS…ケース、CS1…ケース、CS2…台座、Cad…補助容量、Cled…素子容量、Cs…保持容量、D1…方向、D2…方向、DA…表示部、DR1…駆動部、DR2…駆動部、DRT…駆動トランジスタ、DSP…表示パネル、DX…方向、DY…方向、E11…短辺、E12…短辺、E13…長辺、E14…長辺、ELM…発光素子、EM1…光源、Ex…延出部、F1…配線基板、F2…配線基板、FNG…被写体、G…走査線、G1…走査線、G2…走査線、G3…走査線、G4…走査線、G5…走査線、G11…走査線、G12…走査線、G13…走査線、GD1…ゲートドライバ、GL1…走査線、GL2…走査線、GL11…走査線、GL12…走査線、GL13…走査線、GL21…走査線、GL22…走査線、GL23…走査線、IL…照明装置、L…境界、LC…液晶層、LCD…液晶素子、LG1…導光板、LG2…導光板、LM…液晶分子、LOP…開口部、LOP1…開口部、LOP2…開口部、LOP3…開口部、LPX…画素、LPX1…画素、LPX2…画素、LPX3…画素、LSP…副画素、LSP1…副画素、LSP2…副画素、LSP3…副画素、M…金属配線、MT…パッド領域、NDA…非表示部、NFD…非撮影期間、OC…透明層、OL1…有機EL層、OL2…有機EL層、OL3…有機EL層、OL4…有機EL層、OLED…有機EL素子、OLED1…有機EL素子、OLED2…有機EL素子、OLED3…有機EL素子、OLED4…有機EL素子、OP…開口部、OP1…開口部、OP2…開口部、OPB…開口部、OPG…開口部、OPR…開口部、ORG…有機発光層、OX…中心、P1…接続位置、P2…接続位置、PB1…配線基板、PB2…配線基板、PBR…線状電極、PC…画素回路、PCH…コンタクトホール、PD…発光期間、PDE…期間、PDV…パネルドライバ、PE…画素電極、PE1…画素電極、PE2…画素電極、PE3…画素電極、PE4…画素電極、PL1…偏光板、PL2…偏光板、PNL…液晶パネル、POL…偏光板、POP…開口部、POP2…開口部、PP…突部、PPE…画素電極、PPX…画素、PS1…プリズムシート、PS2…プリズムシート、PSL…スリット、PVDD…電位、PVSS…電位、PX…画素、RFL…光反射層、RG…リセット制御信号、RL…リセット電源線、RS…反射シート、RST…リセットトランジスタ、RSTG…リセット信号、S…信号線、S1…信号線、S2…信号線、S3…信号線、S4…信号線、S5…信号線、SA…側面、SB…側面、SBG…制御配線、SC…半導体層、SD…選択回路、SE…シール、SEN…センサ、SG…画素制御信号、SG1…画素制御信号、SIG…制御配線、SL…スリット、SL1…信号線、SL2…信号線、SL11…信号線、SL12…信号線、SL13…信号線、SL21…信号線、SL22…信号線、SL23…信号線、SLI…封止層、SP…副画素、SP1…副画素、SP2…副画素、SP3…副画素、SP4…副画素、SRG…制御配線、SS…拡散シート、SSG…制御配線、SST…画素トランジスタ、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、SUS…支持部材、SV…リセット配線、SW…スイッチング素子、TFD…撮影期間、TP1…粘着テープ、Tr1…トランジスタ、Tr2…トランジスタ、Tr3…トランジスタ、Tr4…トランジスタ、VDDL…第1電源線、VL…画像信号線、VSSL…第2電源線、Vgs…電圧、Vrst…リセット電源電位、Vsig…電圧、W1…側壁、W3…側壁、WD…ドレイン電極、WG…ゲート電極、WS…ソース電極、X…第1方向、Y…第2方向、Z…第3方向。