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特許7395372液化ガスを保管容器に充填する方法及び装置
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  • 特許-液化ガスを保管容器に充填する方法及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】液化ガスを保管容器に充填する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/02 20060101AFI20231204BHJP
【FI】
F17C5/02 Z
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020013650
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2020125847
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】1900911
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・アリディエール
(72)【発明者】
【氏名】アイン・タオ・ティエウ
(72)【発明者】
【氏名】トマ・フェイヤー
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0263610(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027136(US,A1)
【文献】特表2001-512815(JP,A)
【文献】特表2014-502706(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第03041624(FR,A1)
【文献】中国特許出願公開第105135208(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0330571(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00-13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスのタンク(10)によって液化ガスを保管容器(2)に充填するための方法であって、
圧力差によって前記タンク(10)から前記保管容器(2)へと液化ガスを移送する移送ステップと、ここで、前記保管容器(2)は、前記移送ステップの前には、前記タンク(10)の内部圧力よりも高い内部圧力を有しており、
前記タンク(10)のために前記保管容器(2)中の圧力の下降を確実にするように、前記移送ステップに先立って、圧力の均一化によって、前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通にするステップと、
加圧装置(3、6)を使用して、前記タンク(10)中の圧力を増加させるステップと、を備え、
前記タンク(10)と前記保管容器(2)とを流体連通にする前記ステップは、前記タンク(10)のために前記保管容器(2)の圧力を所定のレベルに下げ、前記保管容器(2)中の圧力は、前記タンク(10)の圧力と等しいか、又は、0.5から5バールの間の、とりわけ、0.5から1バールの間の所定の限定した値だけ、前記タンク(10)の圧力を超えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記タンク(10)と前記保管容器(2)との間のこの流体連通がさえぎられるステップの間、前記加圧装置(3、6)を介して、前記タンク10中の圧力を増加させるステップは、前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通にするステップと同時に、及び/又は、前記タンク(10)と前記保管容器(2)とを流体連通にするステップの後に、実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タンク(10)中の圧力を増加させるステップは、前記タンク(10)の圧力を所定のレベルまで増加させ、前記タンク(10)中の圧力は、0.5から5バールの間の、とりわけ、1から2バールの間の所定の値だけ、前記保管容器(2)中の圧力を超えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通にするステップは、前記タンク(10)の下部及び/又は上部に接続されている一端と前記保管容器(2)の下部及び/又は上部に接続されている別の端とを有する少なくとも1つの移送パイプ(8、9)を介して実行されることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通にするステップは、前記タンク(10)の上部に接続されている一端と前記保管容器(2)の上部に接続されている一端とを有する少なくとも1つの移送パイプ(9)を介して実行されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記タンク(10)を加圧するための前記加圧装置(3、6)は、タンク(10)加圧回路(3)を備え、前記加圧回路(3)は、前記タンク(10)に接続されている流体吸引第1端(4)と前記タンク(10)に接続されている流体リターン第2端(5)との間に、流体加熱部材(6)と、前記加圧回路(3)中の流体の循環を制御するための1つ以上の加熱弁(7、19)のセットとを備えることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
圧力差を使用して、液化ガスを保管容器(2)移送するように意図されている、液化ガスのタンク(10)を備える、液化ガスの保管容器(2)を充填するための装置であって、
前記装置、タンク(10)の加圧回路(3)を備え、前記加圧回路(3)は、前記タンク(10)に接続されている流体吸引第1端(4)と前記タンク(10)に接続されている流体リターン第2端(5)との間に、流体加熱部材(6)と、前記加圧回路(3)中の流体の循環を制御するための1つ以上の加熱弁(7、19)のセットとを備え、
前記装置、前記タンク(10)に接続されている第1端と前記保管容器(2)に接続されるように意図されている第2端とを備える流体移送パイプ(8、9)であって、前記流体移送パイプ(8、9)中の流体の循環を制御するための1つ以上の移送弁(11、12、13、14、15)のセットを備える少なくとも1つの流体移送パイプ(8、9)をさらに備え、
前記装置、前記タンク(10)中の及び/又は前記保管容器(2)中の圧力を測定するための1つ以上のセンサ(16、17)のセットを備える装置において、
前記装置は、前記タンクの上端に接続されている第1端と前記保管容器(2)の上端に接続されるように意図されている別の端とを有する流体移送パイプ(9)を備えること、及び前記1つ以上の移送弁のセットの少なくとも一部を制御するように構成されている電子制御及びデータ処理及び記憶部材(18)を備えることを特徴とし、
前記電子制御及びデータ処理及び記憶部材(18)
記保管容器(2)中の圧力が前記タンク(10)中の圧力よりも高いとき、前記タンク(10)から前記保管容器(2)への流体の移送に先立って、
記保管容器(2)と前記タンク(10)との間の圧力を均一化することにより、流体の移送を確実にするために、前記1つ以上の移送弁のセットの開放を実行し、
記保管容器(2)と前記タンク(10)との間の流体の移送の後に又は間に、前記タンク(10)中の圧力を増加させるために、前記1つ以上の加熱弁のセットの開放を実行し、
その後、圧力差を使用して前記タンク(10)から前記保管容器(2)への液化ガスの移送を確実にするために、前記1つ以上の加熱弁のセットの閉鎖と、前記1つ以上の移送弁のセットの開放と、
を実行するように構成されていることを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガスを保管容器に充填するための方法及び装置に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、液化ガスのタンクによって液化ガスを保管容器に充填する方法に関し、本方法は、圧力差によって、タンクから保管容器に液化ガスを移送するステップを備えており、この方法において、保管容器は、移送ステップより前に、タンクの内部圧力よりも高い内部圧力を有している。
【背景技術】
【0003】
一般的に、液化水素は、圧力の差によって設備に送り出される。典型的に、充填されることになる保管容器は、3から13バールの間の圧力であり、送出タンク中に含まれる液体は、0.3バールから13バールの間の圧力である。
【0004】
(ポンプを使用することなく)圧力差によってこの移送を達成するために、多くのケースでは、まず、充填されることになる固定された保管容器の圧力よりも典型的に1バールだけより高い圧力に、送出セミトレーラーのタンクを加圧することが必要である。
【0005】
この加圧は、従来は、加圧ヒーターとして知られている装置を使用して実行された。冷液は、重力下でタンクから引き抜かれ、タンクの底に置かれた交換器、典型的には大気交換機中で蒸発される。したがって、装置は、低い位置にホットスポットを備えている。熱サイホン効果による流れが生じ、生成された熱ガスは、その後自然とタンクに戻る。これは、タンクを加圧させる。加圧するスピードは、典型的には熱交換器のサイズとパイプの直径に依存する。
【0006】
しかしながら、この装置は欠点を有している。このように、加圧するために必要とされる時間は、比較的長いかもしれない。さらに、熱サイホン流の原動力は、液柱の先端、及び、液体と気体との間の密度差に依存することから、タンクが空又はほぼ空であるとき、この装置は機能しない。そのうえ、加圧は、達成するのにさらに長くかかる。さらに、この加圧は、設備に熱をもたらす。これは、結果として液化ガスの加熱となり、物流中での蒸発により、ガス損失の量を最終的に増加させる。
【0007】
本発明の1つの目的は、先行技術の上述した不利益のうちのすべて又はそのいくつかを克服することである。
【発明の概要】
【0008】
この目的のために、上記のプリアンブルにおけるその所定の包括的定義にしたがう他の点において、本発明にしたがう方法は、移送ステップに先立って、タンクのために保管容器中の圧力の下降を確実にするように、タンクと保管容器を流体連通に置くステップと、加圧装置を使用して、タンク中の圧力を増加させるステップとを備えているという点で本質的に特徴付けられる。
【0009】
さらに、本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:
-タンクと保管容器との間のこの流体連通がさえぎられるステップの間、加圧装置を介して、タンク中の圧力を増加させるステップは、タンクと保管容器を流体連通に置くステップと同時に、及び/又は、タンクを流体連通に置くステップの後に、実行される、
-タンクと保管容器を流体連通に置くステップは、タンクのために保管容器の圧力を決定したレベルに下げ、保管容器中の圧力は、タンクの圧力と等しい、又は、0.5から5バールの間の、とりわけ、0.5から1バールの間の所定の限定値だけ、タンクの圧力を超える、
-タンク中の圧力を増加させるステップは、タンク中の圧力を所定のレベルまで増加させ、タンク中の圧力は、0.5から5バールの間の、とりわけ、1から2バールの間の所定の値だけ、保管容器中の圧力を超える、
-タンクと保管容器を流体連通に置くステップは、タンクの下部及び/又は上部に接続されている一端と保管容器の下部及び/又は上部に接続されている別の端とを有する少なくとも1つの移送パイプを介して実行される、
-タンクと保管容器を流体連通に置くステップは、タンクの上部に接続されている一端と保管容器の上部に接続されている一端とを有する少なくとも1つの移送パイプを介して実行される、
-タンクを加圧するための装置は、タンク加圧回路を備え、タンク加圧回路は、タンクに接続されている流体吸引第1端とタンクに接続されている流体リターン第2端との間に、流体加熱部材と、加圧回路中の流体の循環を制御するための1つ以上の加熱弁のセットとを備える。
【0010】
本発明は、圧力差によって、液化ガスを保管容器移送するように意図されている液化ガスのタンクを備える、液化ガス保管容器を充填するための装置にも関し、本装置は、タンク加圧回路を備え、タンク加圧回路は、タンクに接続されている流体吸引第1端とタンクに接続されている流体リターン第2端との間に、流体加熱部材と、加圧回路中の流体の循環を制御するための1つ以上の加熱弁のセットとを備え、本装置は、タンクに接続されている第1端と保管容器に接続されるように意図されている第2端とを有する少なくとも1つの流体移送パイプであって、移送パイプ中の流体の循環を制御するための1つ以上の移送弁のセットを有する少なくとも1つの流体移送パイプを備え、本装置は、タンク中の及び/又は保管容器中の圧力を測定するための1つ以上のセンサのセットを備え、本装置は、タンクの上端に接続されている第1端と保管容器の上端に接続されるように意図されている別の端とを有する流体移送パイプをさらに備えている。
【0011】
他の可能性ある特定の特徴にしたがうと、本装置は、弁のセットの少なくとも一部分を制御するように構成されている、電子制御及びデータ処理及び記憶部材を備え、電子制御部材は、保管容器中の圧力がタンク中の圧力よりも高いとき、タンクから保管容器への流体の移送に先立って、保管容器とタンクとの間の圧力の移送を確実にするために、1つ以上の移送弁のセットの開放を実行し、保管容器とタンクとの間の圧力の移送の後に又は間に、タンク中の圧力を増加させるために、1つ以上の加熱弁のセットの開放を実行し、その後、1つ以上の加熱弁のセットの閉鎖を、圧力差によって、タンクから保管容器への液化ガスの移送を確実にするために、前記1つ以上の移送弁のセットの開放を実行するように構成されている。
【0012】
本発明は、特許請求の範囲内の上記又は下記特徴の任意の組合せを備える、任意の代替装置又は方法に関することもできる。
【0013】
他の異なる特徴及び利点は、図を参照して下記説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明にしたがう装置の構造と動作の一例を図示した概略及び部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1]中に描写されている設備1は、液化ガス保管容器2に充填するための装置を備えている。保管容器2は、例えば、液化水素を含む、固定された、断熱二重壁真空保管容器である。
【0016】
設備1は、例えば、セミトレーラーによって運ばれ、圧力差によって液化ガスを保管容器2に移送するように意図されている、液化ガス(例えば、液化水素)のタンク10を備えている。
【0017】
タンク10は、加圧ヒーター、すなわち、上記で言及したようなタンク10を加圧するための回路3を備えている。この加圧回路3は、タンク10(とりわけ底部)に接続されている流体吸引第1端4とタンク10(とりわけ最上部)に接続されている流体リターン第2端5との間に、流体加熱部材6(底部中に位置付けられている大気熱交換器又はこれに類するもの)と1つ以上の加熱弁7、19のセットとを備えている。例えば、加圧回路3は、(熱サイホン効果によって)前記加圧回路3中の流体の循環を制御するための、好ましくは、制御される又は自動の加熱弁7と、(好ましくは手動で制御される)遮断弁19とを備えている。
【0018】
装置1は、少なくとも1つの流体移送パイプ(この例では、2つのパイプ、8、9)をさらに備え、それぞれは、タンク10に接続されている第1の端と保管容器2に接続されるように意図されている少なくとも1つの第2の端とを備えている。移送パイプ8、9は、適切な回路によって保管容器2の下端及び/又は上端に並行して接続されてもよい。
【0019】
装置、とりわけ各移送パイプ8、9は、移送パイプ8、9中の流体の循環を制御するための移送弁11、12、13、14、15のセットを備えている。例えば、タンク10の下端に接続されている第1の移送パイプ8は、それぞれが自動安全遮断弁と手動動作遮断弁からなってもよい直列の2つの弁11を備えている。
【0020】
同様に、(タンク10の最上部に接続されている)第2の移送パイプ9は、それぞれが例えば自動安全遮断弁と手動動作遮断弁からなってもよい直列の2つの弁15を備えていてもよい。
【0021】
各移送パイプ8、9は、それが保管容器の上端と及び/又は下端と通じることを可能にする、保管容器2の回路に接続されることになる柔軟な端を有していてもよい。保管容器の回路は、制御されてもよい弁12、13、14のセット、又は、手動で動作する弁を有利に備えていてもよい。タンク10と保管容器2は、従来の換気/保護弁装置を備えていてもよい。
【0022】
したがって、送出オペレータは、移動型タンク10の移送パイプ8、9を保管容器2の回路に接続してもよい。保管容器2中の圧力がタンク10中の圧力よりも高く、圧力差による移送を阻む場合、タンク10の及び保管容器10の圧力を均一化するために、オペレータは、(タンク10の及び保管容器2の上部に通じて配置されている)弁14及び15、並びに/あるいは、(タンク10の及び保管容器2の下部に通じて配置されている)弁13及び11を開いてもよい。別の非限定的オプションにしたがうと、オペレータは、(保管容器2の上部に接続する)弁14を開き、(弁15を開くことにより)タンクの上部に接続されているライン9、及び/又は、(弁11及び13を開くことにより)タンクの下部に接続されているライン8を使用してもよい。
【0023】
タンク10内の圧力が保管容器の圧力に達する又は近づく(例えば、5バール以下の圧力差、及び、とりわけ例えば0.5から1バール間の差)とき、移送弁11、15を閉じることができる。
【0024】
その後、オペレータは、加熱ループをアクティブ化させることにより、タンク10中の圧力を増加させるために、加熱弁7、19を開くことができる。
【0025】
タンク10内の圧力が保管容器2の圧力を(例えば、0.5から5バールだけ、とりわけ1から2バールだけ)十分に超えるとき、加熱弁7、19を閉じることができる。圧力差によって保管容器を充填することを可能にするために、移送弁11、15、12、13、14のうちのすべて又はいくつかを、その後、開くことができる。この充填は、保管容器中の圧力を増加させるために、(開いた弁13に対応する)底部から、及び/又は、保管容器2中の圧力を減少させるために、(開いた弁14に対応する)最上部から、保管容器2に供給することにあってもよい。
【0026】
有利なことに、(加熱ループをアクティブ化する)タンク10中の圧力の増加は、(弁11、15並びに14及び/又は13が開いた)タンク10中と保管容器2中の圧力の均一化の動作の間でさえ開始できることに留意すべきである。これは、タンク10の加圧をさらに加速させることを可能にする。
【0027】
タンク10及び/又は保管容器2は、1つ以上の圧力測定センサ16、17のセットを備えていてもよい。
【0028】
設備(例えば、移動型タンク10又は外部制御ユニット)は、弁のすべて又はいくつかを制御するように構成されている電子制御及びデータ処理及び記憶部材18を備えていてもよい。この電子制御部材18は、マイクロプロセッサ、コンピュータ、又は、他の何らかの適切な装置を備えていてもよい。
【0029】
この制御部材18は、装置の弁又は他のコンポーネントのすべてまたいくつかを制御してもよく、とりわけ充填又は停止するための命令とともに、前述の圧力測定を受け取ってもよい。
【0030】
この制御部材18は、上記で説明した手動動作のすべて又はいくつかを自動化又は制御してもよい。
【0031】
したがって、充填タンク10が同じように充填するために保管容器2に接続されるようになり、保管容器2中の圧力がタンク10中の圧力よりも高いとき、タンク10から保管容器2への流体の移送より前に、保管容器2とタンク10との間の圧力の移送を確実にするために、制御部材18は、1つ以上の移送弁11、15及び14のセットの開放を実行するように構成されてもよい。
【0032】
すでに述べたように、この目的は、タンク10のために保管容器中の圧力を下げることである。
【0033】
決定した圧力の均一化が達成されるとき、保管容器2とタンク10を分離するために、これらの弁は再度閉じられる。この構成では(又は、この圧力移送の終了前でも)、タンク10の加圧をアクティブ化できる(上記で説明したように、タンク10中の圧力を増加させるために、加熱弁7、19のセットを開く)。
【0034】
タンク10中の圧力が保管容器2中の圧力を上回る十分な値に達するとき、加圧は中断されることができ、圧力差によるタンクから保管容器への液体の移送を実行できる。
【0035】
したがって、本方法及び装置は、送出タンク10をより迅速に加圧するために、保管容器2中の圧力を使用することを可能にする。あるケースでは、推定される時間節約は、送出毎に多くて30分から、いくつかの連続する送出のケースでは、とりわけ2時間に達するかもしれない。
【0036】
したがって、タンク10は、比較的冷たいガスで加圧される。したがって、タンク10へのエネルギー追加は、限定的である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 液化ガスのタンク(10)によって液化ガスを保管容器(2)に充填するための方法であって、
圧力差によって前記タンク(10)から前記保管容器(2)へと液化ガスを移送する移送ステップと、ここで、前記保管容器(2)は、前記移送ステップの前には、前記タンク(10)の内部圧力よりも高い内部圧力を有しており、
前記タンク(10)のために前記保管容器(2)中の圧力の下降を確実にするように、前記移送ステップに先立って、圧力の均一化によって、前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通に置くステップと、
加圧装置(3、6)を使用して、前記タンク(10)中の圧力を増加させるステップと、を備える、方法。
[2] 前記タンク(10)と前記保管容器(2)との間のこの流体連通がさえぎられるステップの間、前記加圧装置(3、6)を介して、前記タンク10中の圧力を増加させるステップは、前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通に置くステップと同時に、及び/又は、前記タンク(10)を流体連通に置くステップの後に、実行されることを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3] 前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通に置くステップは、前記タンク(10)のために前記保管容器(2)の圧力を所定のレベルに下げ、前記保管容器(2)中の圧力は、前記タンク(10)の圧力と等しい、又は、0.5から5バールの間の、とりわけ、0.5から1バールの間の所定の限定した値だけ、前記タンク(10)の圧力を超えることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記タンク(10)中の圧力を増加させるステップは、前記タンク(10)の圧力を所定のレベルまで増加させ、前記タンク(10)中の圧力は、0.5から5バールの間の、とりわけ、1から2バールの間の所定の値だけ、前記保管容器(2)中の圧力を超えることを特徴とする、[1]から[3]のうちのいずれか1項に記載の方法。
[5] 前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通に置くステップは、前記タンク(10)の下部及び/又は上部に接続されている一端と前記保管容器(2)の下部及び/又は上部に接続されている別の端とを有する少なくとも1つの移送パイプ(8、9)を介して実行されることを特徴とする、[1]から[4]のうちのいずれか1項に記載の方法。
[6] 前記タンク(10)と前記保管容器(2)を流体連通に置くステップは、前記タンク(10)の上部に接続されている一端と前記保管容器(2)の上部に接続されている一端とを有する少なくとも1つの移送パイプ(9)を介して実行されることを特徴とする、[4]に記載の方法。
[7] 前記タンク(10)を加圧するための前記加圧装置(3、6)は、タンク(10)加圧回路(3)を備え、前記タンク(10)加圧回路(3)は、前記タンク(10)に接続されている流体吸引第1端(4)と前記タンク(10)に接続されている流体リターン第2端(5)との間に、流体加熱部材(6)と、前記加圧回路(3)中の流体の循環を制御するための1つ以上の加熱弁(7、19)のセットとを備えることを特徴とする、[1]から[6]のうちのいずれか1項に記載の方法。
[8] 圧力差を使用して、液化ガスを保管容器(2)移送するように意図されている、液化ガスのタンク(10)を備える、液化ガス保管容器(2)を充填するための装置であって、
前記装置は、タンク(10)加圧回路(3)を備え、前記タンク(10)加圧回路(3)は、前記タンク(10)に接続されている流体吸引第1端(4)と前記タンク(10)に接続されている流体リターン第2端(5)との間に、流体加熱部材(6)と、前記加圧回路(3)中の流体の循環を制御するための1つ以上の加熱弁(7、19)のセットとを備え、
前記装置は、前記タンク(10)に接続されている第1端と前記液化ガス保管容器(2)に接続されるように意図されている第2端とを備える流体移送パイプ(8、9)であって、前記流体移送パイプ(8、9)中の流体の循環を制御するための1つ以上の移送弁(11、12、13、14、15)のセットを備える少なくとも1つの流体移送パイプ(8、9)を備え、
前記装置は、前記タンク(10)中の及び/又は前記液化ガス保管容器(2)中の圧力を測定するための1つ以上のセンサ(16、17)のセットを備える装置において、
前記装置は、前記タンクの上端に接続されている第1端と前記液化ガス保管容器(2)の上端に接続されるように意図されている別の端とを有する流体移送パイプ(9)を備えること、及び、弁のセットの少なくとも一部分を制御するように構成されている、電子制御及びデータ処理及び記憶部材(18)を備えることを特徴とし、
前記電子制御及びデータ処理及び記憶部材(18)は、前記液化ガス保管容器(2)中の圧力が前記タンク(10)中の圧力よりも高いとき、前記タンク(10)から前記保管容器(2)への流体の移送に先立って、前記液化ガス保管容器(2)と前記タンク(10)との間の圧力を均一化することにより、圧力の移送を確実にするために、1つ以上の移送弁のセットの開放を実行し、
前記液化ガス保管容器(2)と前記タンク(10)との間の圧力の移送の後に又は間に、前記タンク(10)中の前記圧力を増加させるために、1つ以上の加熱弁のセットの開放を実行し、
その後、前記1つ以上の加熱弁のセットの閉鎖を、圧力差を使用して、前記タンク(10)から前記保管容器(2)への液化ガスの移送を確実にするために、前記1つ以上の移送弁のセットの開放を実行するように構成されている、装置。
図1