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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】シールド掘進機の制御システム
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/093 20060101AFI20231204BHJP
   E21D 9/12 20060101ALI20231204BHJP
   E21D 9/087 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
E21D9/093 Z
E21D9/093 F
E21D9/12 J
E21D9/087 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020092173
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021188294
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大林 信彦
(72)【発明者】
【氏名】中川 雅由
(72)【発明者】
【氏名】本田 和之
(72)【発明者】
【氏名】紀伊 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】吉迫 和生
(72)【発明者】
【氏名】永谷 英基
(72)【発明者】
【氏名】坂根 英之
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-137758(JP,A)
【文献】特開平06-129183(JP,A)
【文献】特開2019-143388(JP,A)
【文献】特開平06-073978(JP,A)
【文献】特開2002-147170(JP,A)
【文献】実開平04-108691(JP,U)
【文献】特開2019-143385(JP,A)
【文献】特開2007-162407(JP,A)
【文献】特開昭52-128633(JP,A)
【文献】特開2006-257642(JP,A)
【文献】米国特許第04167289(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/093
E21D 9/12
E21D 9/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、
掘進に関連する関連情報を取得し、前記シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、
前記シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、前記カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、前記チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、前記シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、
前記制御部は、前記シールド掘進機が前記カッタヘッドを回転し、前記土砂搬出装置により土砂を搬出し、前記推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、前記関連情報として地盤の変化を検出する地盤検出器の検出値を取得し、前記地盤検出器の検出値に地盤沈下を示す異常がある場合には、前記土砂搬出装置による土砂の搬出を停止した後、前記チャンバ内の圧力が予め設定された基準範囲内となるか、または、前記推進装置であるシールドジャッキの伸長量が所定の伸長量に達したら、前記推進装置の推進作動及び前記カッタヘッドの回転を停止する、
シールド掘進機の制御システム。
【請求項2】
地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、
掘進に関連する関連情報を取得し、前記シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、
前記シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、前記カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、前記チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、前記シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、
前記制御部は、前記シールド掘進機が前記カッタヘッドを回転し、前記土砂搬出装置により土砂を搬出し、前記推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、前記関連情報として地盤の変化を検出する地盤検出器の検出値を取得し、前記地盤検出器の検出値に地盤隆起を示す異常がある場合には、前記推進装置の推進作動を停止した後、隆起の進行の停止が確認されてから、前記土砂搬出装置による土砂の搬出及び前記カッタヘッドの回転を停止する、
シールド掘進機の制御システム。
【請求項3】
地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、
掘進に関連する関連情報を取得し、前記シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、
前記シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、前記カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、前記チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、前記シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、
前記制御部は、前記シールド掘進機が前記カッタヘッドを回転し、前記土砂搬出装置により土砂を搬出し、前記推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、前記関連情報として排土不良を検出する排土検出器の検出値を取得し、前記排土検出器の検出値が排土不良を示す異常がある場合には、前記推進装置の推進作動を停止した後、前記土砂搬出装置による土砂の搬出を継続し、所定時間が経過しても排土不良を示す状態が解消しないときは、前記カッタヘッドの回転及び前記土砂搬出装置による土砂の搬出を停止する、
シールド掘進機の制御システム。
【請求項4】
地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、
掘進に関連する関連情報を取得し、前記シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、
前記シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、前記カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、前記チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、前記シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、
前記制御部は、前記シールド掘進機が前記カッタヘッドを回転し、前記土砂搬出装置により土砂を搬出し、前記推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、前記関連情報として線形逸脱を検出する線形逸脱検出器の検出値を取得し、前記線形逸脱検出器の検出値に修正困難を示す異常がある場合には、前記推進装置の推進作動、前記土砂搬出装置による土砂の搬出及び前記カッタヘッドの回転を停止することにより前記シールド掘進機を停止させる、
シールド掘進機の制御システム。
【請求項5】
地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、
掘進に関連する関連情報を取得し、前記シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、
前記シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、前記カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、前記チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、前記シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、
前記制御部は、前記シールド掘進機が前記カッタヘッドを回転し、前記土砂搬出装置により土砂を搬出し、前記推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、前記関連情報としてテールクリアランスを検出するクリアランス検出器の検出値を取得し、前記クリアランス検出器の検出値にクリアランス低下を示す異常がある場合には、前記推進装置の推進作動を停止した後、前記土砂搬出装置及び前記カッタヘッドを停止する、
シールド掘進機の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予め設定された掘進ルートに沿ってシールド掘進機を自動運転により掘進させるシールド掘進機の制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06-129183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシールド掘進機では、何らかの異常が検出されると各機器を停止し、シールド掘進機による掘進が速やかに停止される。検出された異常が、例えば、地盤の沈下である場合、シールド掘進機を速やかに停止させると、カッタヘッドの後方に設けられるチャンバ内の圧力が比較的低い状態でシールド掘進機が停止することになるため、さらなる地盤の沈下を招くおそれがある。
【0005】
本発明は、シールド掘進機が掘進している際に何らかの異常が生じた場合には、シールド掘進機の運転を適切に停止させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、掘進に関連する関連情報を取得し、シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、制御部は、シールド掘進機がカッタヘッドを回転し、土砂搬出装置により土砂を搬出し、推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、関連情報として地盤の変化を検出する地盤検出器の検出値を取得し、地盤検出器の検出値に地盤沈下を示す異常がある場合には、土砂搬出装置による土砂の搬出を停止した後、チャンバ内の圧力が予め設定された基準範囲内となるか、または、推進装置であるシールドジャッキの伸長量が所定の伸長量に達したら、推進装置の推進作動及びカッタヘッドの回転を停止する。
また、本発明は、地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、掘進に関連する関連情報を取得し、シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、制御部は、シールド掘進機がカッタヘッドを回転し、土砂搬出装置により土砂を搬出し、推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、関連情報として地盤の変化を検出する地盤検出器の検出値を取得し、地盤検出器の検出値に地盤隆起を示す異常がある場合には、推進装置の推進作動を停止した後、隆起の進行の停止が確認されてから、土砂搬出装置による土砂の搬出及びカッタヘッドの回転を停止する。
また、本発明は、地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、掘進に関連する関連情報を取得し、シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、制御部は、シールド掘進機がカッタヘッドを回転し、土砂搬出装置により土砂を搬出し、推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、関連情報として排土不良を検出する排土検出器の検出値を取得し、排土検出器の検出値が排土不良を示す異常がある場合には、推進装置の推進作動を停止した後、所定時間が経過しても排土不良を示す状態が解消しないときは、カッタヘッドの回転及び土砂搬出装置による土砂の搬出を停止する。
また、本発明は、地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、掘進に関連する関連情報を取得し、シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、制御部は、シールド掘進機がカッタヘッドを回転し、土砂搬出装置により土砂を搬出し、推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、関連情報として線形逸脱を検出する線形逸脱検出器の検出値を取得し、線形逸脱検出器の検出値に修正困難を示す異常がある場合には、推進装置の推進作動、土砂搬出装置による土砂の搬出及びカッタヘッドの回転を停止することによりシールド掘進機を停止させる。
また、本発明は、地盤を掘削して前進するシールド掘進機の制御システムであって、掘進に関連する関連情報を取得し、シールド掘進機に設けられた機器の作動を制御する制御部を備え、シールド掘進機は、回転駆動されることにより地盤を掘削するカッタヘッドと、カッタヘッドの後方に画成されるチャンバと、チャンバ内に滞留した掘削土砂を搬出する土砂搬出装置と、シールド掘進機を前進させる推進装置と、を有し、制御部は、シールド掘進機がカッタヘッドを回転し、土砂搬出装置により土砂を搬出し、推進装置を推進作動させて地山を掘進中に、関連情報としてテールクリアランスを検出するクリアランス検出器の検出値を取得し、クリアランス検出器の検出値にクリアランス低下を示す異常がある場合には、推進装置の推進作動を停止した後、土砂搬出装置及びカッタヘッドを停止する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シールド掘進機が掘進している際に何らかの異常が生じた場合、シールド掘進機の運転を適切に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る制御システムにより制御されるシールド掘進機の構成を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る制御システムの全体を模式的に示した模式図である。
図3】本発明の実施形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る制御システムにより制御されるシールド掘進機の変形例の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る制御システム1により制御されるシールド掘進機100について説明する。シールド掘進機100は、地山(地盤)に掘削坑を掘削し、掘削坑の内壁を覆うように後述のセグメントリング112を組み立てることによってシールドトンネルTを構築するものである。図1は、シールド掘進機100の構成を示す断面図である。なお、以下では、シールド掘進機100が進む方向である切羽側を「前方」とし、その反対の方向である坑口側を「後方」として説明する。
【0011】
図1に示すように、シールド掘進機100は、泥土圧シールド工法に用いられる泥土圧式シールド掘進機であり、中折れ機構を有する。シールド掘進機100は、円筒状の前胴部10と、円筒状の後胴部30と、前胴部10と後胴部30とを屈曲可能に連結する中折れ部40と、を有する。
【0012】
前胴部10は、円筒状の外殻(スキンプレート)11と、外殻11の前方端部に配置され外殻11により回転自在に支持されるカッタヘッド20と、外殻11内に設けられカッタヘッド20の後方に離間して配置される隔壁12と、を有する。
【0013】
隔壁12には、回転ドラム13が回転軸C1を中心に回転自在に支持されている。回転ドラム13には、連結ロッド13aを介してカッタヘッド20が連結されている。このため、カッタヘッド20は、回転ドラム13とともに回転軸C1を中心に回転可能である。なお、回転軸C1は、外殻11の中心軸とほぼ一致している。
【0014】
回転ドラム13は、減速機構(不図示)を介してモータ14(カッタ駆動装置)に連結されており、モータ14によって回転駆動される。カッタヘッド20が地山に押し付けられた状態においてモータ14により回転ドラム13が回転駆動されると、カッタヘッド20が回転し地山が掘削される。
【0015】
カッタヘッド20は、外殻11の外径と略等しい大きさの外径を有する円盤状部材であり、掘削方向前方に設けられ切羽面と対向する掘削面21と、掘削面21の外縁に形成された外周面22と、を有する。
【0016】
掘削面21には、切羽面に向かって突出する複数のカッタビット21aが回転軸C1を中心として放射状に並べて配置されるとともに、カッタビット21aにより掘削された土砂をチャンバ15内へと導くための開口部(不図示)が複数開口している。
【0017】
また、カッタヘッド20には、外周面22から出没可能なコピーカッタ24が周方向に間隔をあけて複数配置される。コピーカッタ24は、アクチュエータ(不図示)によって、カッタヘッド20の回転軸C1を中心として放射方向に外周面22から出没自在に設けられる。
【0018】
カッタヘッド20の後方であるカッタヘッド20と隔壁12との間には、これらと外殻11及び回転ドラム13によりチャンバ15が画成される。チャンバ15内には、カッタヘッド20による掘削で生じた掘削土砂が滞留する。シールド掘進機100は、チャンバ15内に滞留した掘削土砂をシールド掘進機100の後方へと搬出するためにスクリューコンベヤ50(土砂搬出装置)をさらに備える。
【0019】
スクリューコンベヤ50は、円筒状のケース51と、ケース51の内部に組み込まれるオーガ52と、を有し、オーガ52を回転させることによって、チャンバ15内の掘削土砂を隔壁12の後方へと搬出する。
【0020】
後胴部30は、円筒状の外殻(スキンプレート)31と、外殻31の内部に設けられ各種装置を支持する支持フレーム32と、セグメントリング112を組み立てるエレクタ33と、シールド掘進機100を前進させる複数のシールドジャッキ34(推進装置)と、カッタヘッド20により掘削された掘削坑110の内周面とセグメントリング112の外周面との間にグラウト材を注入する裏込め注入装置35と、を有する。
【0021】
エレクタ33は、円弧形状のセグメントピース113を把持可能であるとともに外殻31の内周面に沿って移動可能に構成される。複数のセグメントピース113がエレクタ33によって外殻31の内周面に沿って組み立てられることにより、円筒状のセグメントリング112が構築される。軸方向において隣り合うように組み立てられたセグメントリング112は互いに連結された状態となる。
【0022】
外殻31の内周面には、外殻31とセグメントリング112との間の隙間をシールする環状のテールシール31aが軸方向に所定の間隔をあけて複数設けられる。テールシール31aは、外殻31とセグメントリング112との間の隙間を通じて土砂や水がシールド掘進機100内に侵入することを防止するために設けられる。
【0023】
裏込め注入装置35は、シールド掘進機100が通過した後に、掘削坑110の内周面とセグメントリング112の外周面との間に生じる間隙にグラウト材を注入する装置である。グラウト材は、セメント系材料からなり、例えば、外殻31の内部に形成された図示しない注入通路を通じて、外殻31の端面において開口する注入口から間隙へと注入される。なお、注入通路及び注入口は、セグメントリング112に設けられていてもよい。注入量は裏込め注入量計(不図示)により常時計測され、注入圧は裏込め注入圧計(不図示)によって常時計測されており、シールド掘進機100が所定距離の掘進した際に注入されたグラウト材の量が所定の適正範囲内であるか否かや注入圧が地下水圧等に対して適切な大きさとなっているか否かが、シールド掘進機100が掘進している間、常時監視される。
【0024】
外殻31の前方端部の内側には、複数のシールドジャッキ34が、周方向に所定の間隔をあけて配置される。シールドジャッキ34は、シリンダ34aとロッド34bとにより構成される油圧ジャッキである。シリンダ34aは外殻31に固定されており、シリンダ34aから突出したロッド34bの先端部に設けられた押圧部34cは、外殻31の内側で組み立てられたセグメントリング112の側面に当接する。
【0025】
この状態でシールドジャッキ34を伸長作動させると、セグメントリング112から得られる反力により、カッタヘッド20は地山に押し付けられることになる。このように、シールド掘進機100は、シールドジャッキ34が既設のセグメントリング112を押圧することで得られる反力を、前方へ掘進するための推進力としている。
【0026】
中折れ部40は、前胴部10の後端部に設けられた前胴接続部41と、後胴部30の前端部に設けられた後胴接続部42と、前胴部10と後胴部30との間に設けられる複数の中折れジャッキ43と、を有する。
【0027】
前胴接続部41は円環状であり、その内周面は、前胴部10の中心軸上に中心点を有する球面の一部を構成するように凹状に形成されている。後胴接続部42は円環状であり、その外周面が、後胴部30の中心軸上に中心点を有する球面の一部を構成するように凸状の形成されている。前胴接続部41の内周面には、前胴接続部41と後胴接続部42との間の隙間からシールド掘進機100の内部に水等が侵入することを防止するために、後胴接続部42の外周面に接するシール部が設けられる。
【0028】
中折れジャッキ43は、シールドジャッキ34と干渉しないように、周方向に所定の間隔をあけて複数配置される。中折れジャッキ43は、シリンダ43aとロッド43bとにより構成される油圧ジャッキである。中折れジャッキ43のロッド43bは、自在継手を介して後胴部30の前部に固定され、中折れジャッキ43のシリンダ43aは、自在継手を介して前胴部10の後部に固定される。
【0029】
このように前胴部10と後胴部30とに連結された中折れジャッキ43を適宜伸縮させることによって、後胴部30に対する前胴部10の方向を任意の方向に屈曲させることができる。
【0030】
上記構成のシールド掘進機100は、カッタヘッド20を回転し、スクリューコンベヤ50(土砂搬出装置)により土砂を搬出し、シールドジャッキ34(推進装置)を伸長(推進作動)させて地山を掘進する。地山には掘削坑110が掘削されるとともに、掘削坑110の内周面に沿ってセグメントリング112が順次組み立てられることによってシールドトンネルTが構築される。更に、裏込め注入装置35によりシールド掘進機100が通過した後に、掘削坑110の内周面とセグメントリング112の外周面との間に生じる間隙にグラウト材が注入される。
【0031】
また、このようにシールドトンネルTを構築している間のシールド掘進機100の状態を把握するために、シールド掘進機100には、種々の検出器が設けられている。
【0032】
具体的には、前胴部10内には、チャンバ15内の圧力を検出する土圧計61と、カッタヘッド20の回転時のトルクを測定するカッタトルク計60、シールド掘進機100の現在位置を検出する位置検出器62と、が設けられる。土圧計61は、隔壁12に設けられた図示しない測定孔を通じてチャンバ15内の圧力を検出する圧力センサであり、周方向に所定の間隔をあけて複数配置される。位置検出器62は、シールド掘進機100の方位角を検出可能なジャイロコンパスやシールド掘進機100のピッチング角を検出可能なピッチング角度センサを有し、その検出値からシールド掘進機100の現在位置が演算される。なお、演算されたシールド掘進機100の現在位置と計画線形とを比較することによって、計画線形からシールド掘進機100が逸脱しているか否かを把握することが可能である。
【0033】
また、スクリューコンベヤ50には、スクリューコンベヤ50によって搬出される土砂の圧力を検出する搬出土圧計63が設けられる。搬出土圧計63は、ケース51に設けられた図示しない測定孔を通じてケース51内の圧力を検出する圧力センサである。なお、搬出土圧計63に代えて、または、搬出土圧計63に加えて、スクリューコンベヤ50によって搬出される土砂の重量を検出する重量計や搬出される土砂の排泥量を検出する流量計が設けられてもよい。
【0034】
また、各シールドジャッキ34には、シールドジャッキ34の伸長量を検出するストロークセンサ64が設けられる。ストロークセンサ64は、シリンダ34aに取り付けられ、シリンダ34aに対するロッド34bの進退量を検出する。また、シールドジャッキ34がセグメントを押圧する押圧力を検出するジャッキ圧力計66が設けられている。この押圧力は、具体的には、シールドジャッキ34の油圧シリンダの油圧回路に設けられた圧力計により測定可能である。
【0035】
また、各シールドジャッキ34の押圧部34cには、後胴部30の外殻31と、セグメントリング112と、の間のクリアランスであるテールクリアランスを計測するクリアランスセンサ65(クリアランス検出器)が設けられる。
【0036】
クリアランスセンサ65は、押圧部34cに固定される計測部と、計測部からセグメントリング112に向かって延び、セグメントリング112の内周面に接触する棒状の接触子を有し、計測部に対する接触子の変位を例えば計測部に内蔵された回転角センサにより検出することによって、外殻31とセグメントリング112との間の距離を計測する。なお、クリアランスセンサ65としては、レーザを用いた非接触変位計が用いられてもよい。また、クリアランスセンサ65に代えて、または、クリアランスセンサ65に加えて、外殻31とセグメントリング112との間の距離に応じて変化するテールシール31aに作用する荷重を検出する荷重センサが設けられてもよい。
【0037】
シールド掘進機100に設けられたこれらの検出器により検出されたデータは、図2及び図3に示されるように、地上に配置される制御システム1の制御部70へと無線または有線により送信される。図2は、上記構成のシールド掘進機100を制御する制御システム1全体を模式的に示した模式図であり、図3は、制御システム1の構成を示すブロック図である。なお、制御部70は、シールド掘進機100の後続台車に配置されてもよい。
【0038】
制御部70は、オペレータの指令及び各検出器で検出された検出値に応じてシールド掘進機100の駆動を制御するものであり、例えば、オペレータにより入力された計画線形に沿ってシールド掘進機100を自動で掘進させる自動運転や、オペレータの操作に従ってシールド掘進機100を掘進させる手動運転を行う。制御部70には、オペレータが操作するキーボードや操作レバーといった入力装置72と、シールド掘進機100の駆動状態や各検出器の検出値が表示される表示装置73と、が接続されている。
【0039】
制御部70は、具体的には、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは制御部70に接続された装置や検出器との情報の入出力に使用される。制御部70は、複数のマイクロコンピュータで構成されていてもよい。なお、動作回路としては、CPUに代えてまたはCPUとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0040】
制御部70は、シールド掘進機100に設けられた上述のカッタトルク計60や土圧計61、位置検出器62、搬出土圧計63、ストロークセンサ64、クリアランスセンサ65、ジャッキ圧力計66といった検出器により検出されたデータを掘進に関連する関連情報として取得する情報取得部70aと、入力装置72を介してオペレータにより入力された指令及び情報取得部70aで取得された情報に基づいてシールド掘進機100に設けられたカッタヘッド20やエレクタ33、シールドジャッキ34、裏込め注入装置35、中折れジャッキ43、スクリューコンベヤ50といったシールド掘進機100を掘進させる際に駆動される各機器の作動を制御する機器制御部70bと、を有する。なお、これら情報取得部70a等は、制御部70の各機能を、仮想的なユニットとして示したものであり、物理的に存在することを意味するものではない。
【0041】
また、制御部70の情報取得部70aは、シールド掘進機100に設けられた上述の検出器により検出されたデータ以外に、地中の状態変化を検出する地中検出器67(地盤検出器)と、地表面の状態変化を検出する地表面検出器68(地盤検出器)と、から送信されたデータを掘進に関連する関連情報として取得する。
【0042】
地中検出器67は、地盤に形成されたボーリング孔内に埋設された光ファイバケーブル等の線状検出部67aを有し、地滑り等によって地中に生じた歪みや傾斜を検出する。埋設される線状検出部67aは、光ファイバケーブルに限定されず、歪等を計測可能な電線であってもよいし、複数の歪みセンサや傾斜センサ、加速度センサが線状に連結されたものであってもよい。地中検出器67は、シールド掘進機100が掘進する計画線上やその周辺に複数設けられ、各地中検出器67により検出された検出値は、無線または有線により制御部70へと随時送信される。
【0043】
地表面検出器68は、地上に設置されたGPS受信センサであり、グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System)から現在の位置情報を受信する。地表面検出器68により検出された検出値の時間変化から、地表面検出器68が設置された地表面において隆起や沈下といった状態の変化が生じているか否かを把握することが可能である。地表面検出器68は、地中検出器67と同様に、シールド掘進機100が掘進する計画線上やその周辺に複数設けられ、各地表面検出器68により検出された検出値は、無線または有線により制御部70へと随時送信される。
【0044】
機器制御部70bは、このように情報取得部70aにより取得された掘進に関連する関連情報を常時監視し、これらの関連情報に基づいて、シールド掘進機100に設けられた各機器の作動を制御し、例えば、情報取得部70aで取得された関連情報に異常状態を示す情報が含まれている場合には、シールド掘進機100が自動運転中か手動運転中かに関わらず、シールド掘進機100の運転を停止させる。
【0045】
ここで、何らかの異常が検出された場合、シールド掘進機100に設けられた各機器を即座に停止し、シールド掘進機100による掘進を速やかに停止させることが考えられる。しかしながら、検出された異常が、例えば、地盤の沈下である場合、シールド掘進機100を速やかに停止させると、カッタヘッド20の後方に設けられるチャンバ15内の圧力が比較的低い状態でシールド掘進機100が停止することになる。このため、さらなる地盤の沈下を招くおそれがあるとともに、掘進を再開するには、チャンバ15内の圧力を所定の圧力まで上昇させる必要があることから、掘進を再開するまでに時間や労力がかかってしまうおそれがある。例えば、シールド掘進機100の運転が、予め定められた手順(シーケンス制御・フィードバック制御)により、または、自動運転ソフトウエアにより実行されている場合、異常が検出された場合には最低限の処置を講じて速やかにシールド掘進機100の運転を停止して、その後、有人により異常状態の除去を講じることが必要となる。
【0046】
このような再開に時間や労力を要する状態を回避するために、本実施形態では、何らかの異常が検出された場合、検出される異常を複数の種別に区分して、発生した異常状態、すなわち、区分された異常種別に応じて、シールド掘進機100に設けられた各機器の作動を適切に制御してから、シールド掘進機100の運転を停止している。
【0047】
以下に、制御システム1の制御部70において、各種の異常が検出された場合に行われる制御について説明する。以下、説明する異常状態とは、異常状態を解消しない限りシールド掘進機100による掘進を継続することが困難な状態、または、掘進を継続すると異常状態の回復が更に困難となる状態をいう。
【0048】
まず、異常状態として、地盤の変化が検出された場合について、シールド掘進機100に設けられた機器の作動を制御する機器制御部70bの各機器の停止動作を説明する。
【0049】
地盤の変化が生じたか否かは、上述の検出器のうち、主に、地盤検出器としての地中検出器67及び地表面検出器68で検出された検出値に基づいて判定される。具体的には、機器制御部70bは、地中検出器67及び地表面検出器68の検出値に所定値以上の変化があった場合、地中検出器67及び地表面検出器68が設けられている地点において、地盤の変化(地盤変状)が生じたと判定する。さらに、機器制御部70bは、検出値の時間的変化から地盤の変化が沈下であるのか隆起であるのかを判定する。
【0050】
地盤の沈下が生じている場合、チャンバ15内の圧力が低下しているおそれがあることから、機器制御部70bは、シールド掘進機100を停止させるにあたって、チャンバ15内の圧力を上昇させるために、まず、スクリューコンベヤ50を停止し、チャンバ15内からの掘削土砂の搬出を停止する。そしてその後、土圧計61により検出されるチャンバ15内の圧力が予め設定された基準範囲内となるように、シールドジャッキ34を伸長(推進作動)させる。チャンバ15内の圧力が基準範囲内となるか、シールドジャッキ34の伸長量が所定の伸長量に達すると、機器制御部70bは、シールドジャッキ34の伸長(推進作動)を停止するとともにカッタヘッド20の回転を停止し、シールド掘進機100を停止させる。また、シールドジャッキ34の伸長の停止、カッタヘッド20の回転の停止とともに、裏込め注入装置35によるグラウト材の注入を停止する。これによりグラウト材の注入が、地盤の沈下に対して悪影響を与えることを防止できる。
【0051】
このように、地盤の沈下が生じている場合、地盤の沈下が抑制されるようにチャンバ15内の圧力を上昇させてから、シールド掘進機100は停止される。このため、シールド掘進機100を停止した後、さらに地盤の沈下が生じてしまうことを抑制することができる。また、掘進を再開する際に、チャンバ15内の圧力を上昇させる必要がないことから、速やかに掘進を再開することが可能である。
【0052】
一方、地盤の隆起が生じている場合、進行速度に対して、カッタヘッド20による掘削やスクリューコンベヤ50による掘削土砂の搬出が追い付いていないおそれがある。このため、機器制御部70bは、シールド掘進機100を停止させるにあたって、地盤の隆起を抑制するために、まず、シールドジャッキ34の伸長を停止し、シールド掘進機100の進行を停止させる。そしてその後、地表面の隆起の進行が止まるように、カッタヘッド20の回転駆動による掘削とスクリューコンベヤ50による搬出とを継続させる。地表面検出器68により検出される検出値に基づき地表面の隆起の進行が停止したと判定されると、機器制御部70bは、カッタヘッド20の回転を停止するとともにスクリューコンベヤ50の駆動を停止し、シールド掘進機100を停止させる。また、シールドジャッキ34の伸長の停止とともに、裏込め注入装置35によるグラウト材の注入を停止する。これによりグラウト材の注入が、地盤の隆起に対して悪影響を与えることを防止できる。
【0053】
このように、地盤の隆起が生じている場合、隆起の進行が停止するように、ある程度、掘削と掘削土砂の搬出とを行ってから、シールド掘進機100は停止される。このため、地盤が隆起したままの状態となってしまうことが回避される。また、シールド掘進機100を停止した後、隆起した分の地盤の荷重によりチャンバ15内の圧力が上昇してしまうことも回避されることから、掘進を再開する際に、チャンバ15内の圧力を低下させる必要がない。この結果、速やかに掘進を再開することができる。
【0054】
続いて、異常状態として、掘進不能が検出された場合について説明する。
【0055】
シールド掘進機100の掘進不能状態の一つである排土不良状態は、上述の検出器のうち、主に、排土状態を検出可能な排土検出器としての土圧計61、搬出土圧計63及びストロークセンサ64で検出された検出値に基づいて判定される。具体的には、機器制御部70bは、シールドジャッキ34の伸長量を検出するストロークセンサ64で検出された検出値が目標ストローク量に達せず、土圧計61または搬出土圧計63で検出された検出値が所定の値より大きい場合、排土不良により掘進不能状態になったと判定する。また、搬出土圧計63に代えて、または、搬出土圧計63に加えて、搬出土砂の重量計や搬出される土砂の排泥量を検出する流量計が設けられている場合は、重量計や流量計の検出値が所定の値より小さくなったときに、排土不良による掘進不能となったと判定してもよい。
【0056】
排土不良により掘進不能になっている場合、進行速度に対して、スクリューコンベヤ50による掘削土砂の搬出が追い付いていないおそれがある。このため、機器制御部70bは、シールド掘進機100を停止させるにあたって、まず、シールドジャッキ34の伸長を停止し、シールド掘進機100の進行を停止させる。そして、スクリューコンベヤ50によるチャンバ15内の掘削土砂の搬出を継続させる。そしてその後、土圧計61及び搬出土圧計63により検出される検出値が低下し、ある程度、チャンバ15内の掘削土砂が搬出されたと判定されるか、スクリューコンベヤ50の駆動が所定時間経過しても土圧計61及び搬出土圧計63により検出される検出値が変化しない、つまり異常状態が解消しない場合、機器制御部70bは、カッタヘッド20の回転を停止するとともにスクリューコンベヤ50の駆動を停止し、シールド掘進機100を停止させる。また、シールドジャッキ34の伸長の停止とともに、裏込め注入装置35によるグラウト材の注入を停止する。これによりグラウト材の注入が、排土不良に対して悪影響を与えることを防止できる。
【0057】
このように、排土不良により掘進不能になっている場合、ある程度、掘削土砂の搬出を行ってから、シールド掘進機100は停止される。このため、チャンバ15及びスクリューコンベヤ50内の圧力が上昇してしまうことが回避されることから、掘進を再開する際に、チャンバ15内の圧力を低下させる必要がない。この結果、速やかに掘進を再開することができる。なお、スクリューコンベヤ50の駆動を所定時間継続しても土圧計61及び搬出土圧計63により検出される検出値が変化しない場合は、スクリューコンベヤ50等の土砂搬出経路に異常があると考えられることから、土砂搬出経路に異常が生じたと表示装置73を介してオペレータに報知される。
【0058】
シールド掘進機100の掘進不能状態の一つである地中障害物との衝突・接触は、上述の検出器のうち、例えば、障害検出器としてのシールドジャッキ34のストロークセンサ64、ジャッキ圧力計66、カッタトルク計60で検出された検出値に基づいて判定される。具体的には、ジャッキ圧力計66の検出値が所定の値以上であるにも関わらず、ストロークセンサ64の検出値であるシールドジャッキ34の伸長量が大きくならず、変化しない場合や、カッタトルク計60の検出値であるカッタヘッド20の回転時のトルクが所定の値以上となった場合、地中障害物との衝突・接触による掘進不能となったと判定する。なお、ストロークセンサ64、ジャッキ圧力計66及びカッタトルク計60の各検出値の組み合わせにより、地中障害物との衝突・接触による掘進不能となったか否かが判定されてもよい。
【0059】
地中障害物との衝突・接触を原因としてシールド掘進機100が掘進不能となっている場合の、シールド掘進機100に設けられた機器の作動を制御する機器制御部70bの各機器の停止動作は、排土不良により掘進不能になっている場合と同様である。
【0060】
次に、異常状態として、線形逸脱が検出された場合について説明する。
【0061】
シールド掘進機100が線形逸脱状態となったか否かは、上述の検出器のうち、主に、線形逸脱検出器としての位置検出器62で検出された検出値に基づいて判定される。具体的には、機器制御部70bは、位置検出器62で検出された検出値から演算されるシールド掘進機100の現在位置と、オペレータにより入力された計画線形と、を比較し、計画線形に対する現在位置のずれ度合が、修正困難な度合となるおそれがある場合、線形逸脱となったと判定する。
【0062】
線形逸脱となっている場合、直ちに進行方向を修正するために、シールド掘進機100を停止させる必要がある。このため、機器制御部70bは、他の検出器の検出状況に関わらず、カッタヘッド20の回転、シールドジャッキ34の伸長及びスクリューコンベヤ50の駆動(土砂の排出)をほぼ同時に停止し、シールド掘進機100を停止させる。また、裏込め注入装置35によるグラウト材の注入も同時に停止する。
【0063】
このように、線形逸脱となっている場合には、比較的速やかにシールド掘進機100を停止させることによって、シールド掘進機100を計画線上に復帰できる可能性を高めることができる。
【0064】
次に、異常状態として、セグメントリング112が損傷するおそれがあることが検出された場合について説明する。
【0065】
セグメントリング112が損傷するおそれがあるか否かは、上述の検出器のうち、主に、クリアランス検出器としてのクリアランスセンサ65で検出された検出値に基づいて判定される。具体的には、機器制御部70bは、クリアランスセンサ65で検出される外殻31とセグメントリング112との間のテールクリアランスの大きさが所定の基準値以下となった場合、クリアランス低下によって外殻31がセグメントリング112に接触しセグメントリング112が損傷するおそれがあると判定する。また、クリアランスセンサ65に代えて、または、クリアランスセンサ65に加えて、テールシール31aに作用する荷重を検出する荷重センサが設けられている場合、荷重センサにより検出される荷重が所定値よりも大きくなったときに、セグメントリング112が損傷するおそれがあると判定してもよい。
【0066】
セグメントリング112が損傷するおそれがある場合、中折れジャッキ43を含む中折れ部40に異常が生じていることや計画線形に誤りがあるおそれがある。このため、機器制御部70bは、シールド掘進機100を停止させるにあたって、セグメントリング112が損傷してしまうことを防止するために、まず、シールドジャッキ34の伸長を停止し、シールド掘進機100の進行を停止させる。
【0067】
そしてその後、土圧計61により検出されるチャンバ15内の圧力及び搬出土圧計63により検出されるスクリューコンベヤ50内の圧力が正常の範囲内または正常の範囲よりも低い場合には、カッタヘッド20の回転及びスクリューコンベヤ50の駆動をほぼ同時に停止し、シールド掘進機100を停止させる。一方、チャンバ15内の圧力及びスクリューコンベヤ50内の圧力が正常の範囲よりも高い場合には、これらの圧力が正常の範囲内となるように、カッタヘッド20の回転及びスクリューコンベヤ50を駆動し、掘削土砂を搬出した後、カッタヘッド20の回転及びスクリューコンベヤ50の駆動をほぼ同時に停止し、シールド掘進機100を停止させる。
【0068】
このように、セグメントリング112が損傷するおそれがある場合、チャンバ15内の圧力及びスクリューコンベヤ50内の圧力が正常の範囲内にあることを確認した後、シールド掘進機100は比較的速やかに停止される。このため、セグメントリング112が損傷してしまうことを防止することができるとともに、掘進を再開する際に、チャンバ15内の圧力やスクリューコンベヤ50内の圧力を正常の範囲内に調整する必要がないことから、速やかに掘進を再開することが可能である。
【0069】
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0070】
本実施形態では、シールド掘進機100の掘進を制御する制御システム1の制御部70において、取得された関連情報、例えば、カッタトルク計60や土圧計61、位置検出器62、搬出土圧計63、ストロークセンサ64、クリアランスセンサ65、ジャッキ圧力計66、地中検出器67、地表面検出器68により検出された検出値に異常状態を示す情報が含まれている場合には、異常状態に応じて、カッタヘッド20やシールドジャッキ34、スクリューコンベヤ50といったシールド掘進機100に設けられた機器の作動を制御し、シールド掘進機100の運転を停止させる。
【0071】
このように、シールド掘進機100が掘進している際に、何らかの異常が生じた場合、シールド掘進機100の掘進は、自動運転中か手動運転中かに関わらず、発生した異常に応じて制御部70が各機器の作動を適切に制御することによって自動的に停止される。このように、シールド掘進機100の各機器を適切に作動させてからシールド掘進機100の掘進を停止させることによって、異常状態がさらに進行してしまうことを抑制し、比較的安全な状態でシールド掘進機100を停止させることができるとともに、停止させた後、シールド掘進機100による掘進を円滑に再開することができる。
【0072】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0073】
上記実施形態におけるシールド掘進機100は、いわゆる泥土圧式シールド掘進機である。これに代えて、制御システム1により制御されるシールド掘進機200は、図4に示されるような、いわゆる泥水圧式シールド掘進機であってもよい。この場合、シールド掘進機200は、スクリューコンベヤ50に代えて、チャンバ15内に対して泥水を給排することによりチャンバ15内に滞留した掘削土砂をシールド掘進機200の後方へと搬出する給排装置150(土砂搬出装置)を備える。
【0074】
給排装置150は、一端がチャンバ15において開口し、チャンバ15内へ泥水を供給する供給管151aと、供給管151aに設けられチャンバ15に向けて泥水を圧送する供給ポンプ151bと、一端がチャンバ15において開口し、チャンバ15内の掘削土砂と泥水を外部へ排出する排出管152aと、排出管152aに設けられチャンバ15内の掘削土砂と泥水をチャンバ15外へ圧送する排出ポンプ152bと、を有する。給排装置150の供給ポンプ151bと排出ポンプ152bを停止することで、土砂排出装置によるチャンバ内の土砂のチャンバ外への排出を停止することになる。
【0075】
供給管151aには、供給管151a内の圧力を検出する供給圧センサ163a(排土検出器)が設けられ、排出管152aには、排出管152a内の圧力を検出する排出圧センサ163b(排土検出器)が設けられる。また、前胴部10内には、上記実施形態におけるシールド掘進機100に設けられる土圧計61に代えて、チャンバ15内の泥水圧力を検出するチャンバ内圧力計161(排土検出器)が設けられる。なお、供給圧センサ163a及び排出圧センサ163bに代えて、または、これらに加えて、供給管151a及び排出管152a内を流れる泥水の流量を検出する流量計が設けられてもよい。チャンバ内圧力計161や供給圧センサ163a、排出圧センサ163bにより検出された検出値は、掘進に関連する関連情報として、制御システム1の制御部70へと無線または有線により送信される。
【0076】
このようにシールド掘進機200が泥水圧式シールド掘進機である場合も、制御部70は、上記実施形態と同様に、何らかの異常が検出された場合、検出される異常を複数の種別に区分して、発生した異常状態、すなわち、区分された異常種別に応じて、シールド掘進機200に設けられたカッタヘッド20やエレクタ33、シールドジャッキ34、裏込め注入装置35、中折れジャッキ43、給排装置150といったシールド掘進機200を掘進させる際に駆動される各機器の作動を適切に制御してから、シールド掘進機200を停止させる。以下に、泥水圧式シールド工法に用いられる泥水圧シールド機が泥土圧シールド工法に用いられる泥土圧シールド掘進機と異なる点について説明する。
【0077】
異常状態として地盤の変化が検出される場合について、上述の泥土圧式シールド工法に用いられるシールド掘進機100と異なる点を中心に説明する。
【0078】
地盤の沈下が生じている場合、チャンバ15内の圧力が低下しているおそれがあることから、機器制御部70bは、シールド掘進機200を停止させるにあたって、チャンバ15内の圧力を上昇させるために、まず、排出ポンプ152b及び供給ポンプ151bを停止し、チャンバ15内からの掘削土砂の搬出を停止する。続いて、シールドジャッキ34を伸長(推進作動)させ、チャンバ内圧力計161により検出されるチャンバ15内の圧力が予め設定された基準範囲内となるか、あるいは、シールドジャッキ34の伸長量が所定の伸長量に達すると、シールドジャッキ34の伸長を停止する。
【0079】
機器制御部70bは、シールドジャッキ34の伸長を停止、排出ポンプ152b及び供給ポンプ151bを停止するとともにカッタヘッド20の回転を停止し、シールド掘進機200を停止させる。なお、排出ポンプ152bを停止した際に供給ポンプ151bの稼働を継続し、チャンバ15内に泥水を圧送し、チャンバ内圧力計161により検出されるチャンバ15内の圧力が予め設定された基準範囲内となるか、あるいは、所定時間にわたって供給ポンプ151bの稼働を継続させた後、供給ポンプ151bの稼働を停止しても良い。また、シールドジャッキ34の伸長の停止とともに、裏込め注入装置35によるグラウト材の注入を停止する。これによりグラウト材の注入が、地盤の沈下に対して悪影響を与えることを防止できる。
【0080】
このように、地盤の沈下が生じている場合、地盤の沈下が抑制されるようにチャンバ15内の圧力を上昇させてから、シールド掘進機200は停止される。このため、シールド掘進機200を停止した後、さらに地盤の沈下が生じてしまうことを抑制することができる。また、掘進を再開する際に、チャンバ15内の圧力を上昇させる必要がないことから、速やかに掘進を再開することが可能である。
【0081】
一方、地盤の隆起が生じている場合、進行速度に対して、カッタヘッド20による掘削や排出ポンプ152bによる掘削土砂の搬出が追い付いていない、または、チャンバ15内の圧力が過大となっているおそれがある。このため、機器制御部70bは、シールド掘進機200を停止させるにあたって、地盤の隆起を抑制するために、まず、シールドジャッキ34の伸長を停止する。そして、地表面の隆起の進行が止まるように、カッタヘッド20による掘削と供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bによる土砂の搬出を継続させる。地表面検出器68により検出される検出値に基づき地表面の隆起の進行が停止したと判定されるか、または、所定時間にわたって、カッタヘッド20による掘削、供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bの稼働を継続させた後、機器制御部70bは、供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bの稼働を停止するとともにカッタヘッド20の回転を停止して、シールド掘進機200を停止させる。なお、シールドジャッキ34の伸長の停止とともに、裏込め注入装置35によるグラウト材の注入を停止する。これによりグラウト材の注入が、地盤の隆起に対して悪影響を与えることを防止できる。
【0082】
このように、地盤の隆起が生じている場合、隆起の進行が停止するように、ある程度、掘削と掘削土砂の搬出とを行ってから、シールド掘進機200は停止される。このため、地盤が隆起したままの状態となってしまうことが回避される。また、シールド掘進機200を停止した後、隆起した分の地盤の荷重によりチャンバ15内の圧力が上昇してしまうことも回避されることから、掘進を再開する際に、チャンバ15内の圧力を低下させる必要がない。この結果、速やかに掘進を再開することができる。
【0083】
続いて、異常状態として掘進不能が検出された場合について、上述の泥土圧式シールド工法に用いられるシールド掘進機100と異なる点を中心に説明する。
【0084】
具体的には、情報取得部70aは、シールド掘進機200の掘進不能状態の一つである排土不良状態となっているか否かを判定する際、上記実施形態における搬出土圧計63に代えて、供給圧センサ163a及び排出圧センサ163bにより検出された検出値を関連情報として取得し、機器制御部70bは、供給圧センサ163a及び排出圧センサ163bにより検出された検出値、または、チャンバ内圧力計161で検出された検出値に基づいて異常状態の有無を判定する。例えば、機器制御部70bは、供給圧センサ163a及び排出圧センサ163bで検出された検出値が所定の値より大きい場合、または、チャンバ内圧力計161で検出された検出値が所定の値より大きい場合、排土不良により掘進不能状態になったと判定する。そして、機器制御部70bは、上記実施形態におけるスクリューコンベヤ50に代えて、給排装置150の供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bの稼働を、発生した異常状態に応じて適宜制御し、シールド掘進機200を停止させる。
【0085】
排土不良により掘進不能になっている場合、まず、シールドジャッキ34の伸長を停止し、シールド掘進機100の進行を停止させる。一方で、供給ポンプ151bによるチャンバ15内への泥水の圧送、及び、排出ポンプ152bによるチャンバ内の泥水の排出、カッタヘッド20による掘削を継続する。そして、供給圧センサ163a及び排出圧センサ163bにより検出される検出値、または、チャンバ内圧力計161により検出される検出値がある程度低下し、チャンバ15内の掘削土砂が搬出されたと判定されるか、これらセンサにより検出される検出値が所定時間経過しても変化しないか、あるいは、これらセンサにより検出される検出値に関わらずカッタヘッド20による掘削、供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bの稼働を所定時間継続させた後、機器制御部70bは、供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bの稼働を停止するとともに、カッタヘッド20の回転を停止し、シールド掘進機200を停止させる。また、シールドジャッキ34の伸長を停止するともに、裏込め注入装置35によるグラウト材の注入を停止する。これによりグラウト材の注入が、排土不良に対して悪影響を与えることを防止できる。
【0086】
地中障害物との衝突・接触を原因としてシールド掘進機200が掘進不能となっている場合の、シールド掘進機200に設けられた機器の作動を制御する機器制御部70bの各機器の停止動作は、排土不良により掘進不能になっている場合と同様である。
【0087】
次に、異常状態として線形逸脱が検出された場合について、上述の泥土圧式シールド工法に用いられるシールド掘進機100と異なる点を中心に説明する。
【0088】
線形逸脱となっている場合、直ちに進行方向を修正するために、シールド掘進機200を停止させる必要がある。このため、機器制御部70bは、他の検出器の検出状況に関わらず、カッタヘッド20の回転、シールドジャッキ34の伸長及び供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bの稼働をほぼ同時に停止し、シールド掘進機200を停止させる。また、裏込め注入装置35によるグラウト材の注入も同時に停止する。
【0089】
次に、異常状態としてセグメントリング112が損傷するおそれがあることが検出された場合について、上述の泥土圧式シールド工法に用いられるシールド掘進機100と異なる点を中心に説明する。
【0090】
セグメントリング112が損傷するおそれがある場合、中折れジャッキ43を含む中折れ部40に異常が生じていることや計画線形に誤りがあるおそれがある。このため、機器制御部70bは、シールド掘進機200を停止させるにあたって、セグメントリング112が損傷してしまうことを防止するために、まず、シールドジャッキ34の伸長を停止し、シールド掘進機200の進行を停止させる。
【0091】
そして、供給圧センサ163a及び排出圧センサ163bにより検出される圧力、またはチャンバ内圧力計161により検出される圧力が正常の範囲内または正常の範囲よりも低い場合には、カッタヘッド20の回転、及び、供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bの稼働をほぼ同時に停止し、シールド掘進機200を停止させる。一方、供給圧センサ163a及び排出圧センサ163bにより検出される圧力、またはチャンバ内圧力計161により検出される圧力が高い場合には、これらの圧力が正常の範囲内となるように、カッタヘッド20の回転、及び、供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bを稼働して掘削土砂を搬出した後、カッタヘッド20の回転、及び、供給ポンプ151b及び排出ポンプ152bの稼働をほぼ同時に停止し、シールド掘進機200を停止させる。
【0092】
なお、泥水式シールド工法に用いられる泥水式シールド機であるシールド掘進機200では、異常状態に際して、機器制御部70bは、供給ポンプ151bを排出ポンプ152bと同時に、または時間差を定めて連動して停止しても良い。また、チャンバ15を介さないで供給管151aと排出管152aを連結可能なバイパス管153を設けておき、供給ポンプ151b、排出ポンプ152bの停止に代えて、図示しない切換え弁を操作し、泥水の流れをバイパス管153に切替えて、供給管151aと排出管152aを連通させてもよい。これにより、チャンバ15への泥水の流入及びチャンバ15からの泥水の流出を速やかに停止することが可能である。すなわち、土砂排出装置による土砂の排出を停止することになる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0094】
例えば上記実施形態や変形例では、カッタトルク計60や土圧計61、位置検出器62、搬出土圧計63、ストロークセンサ64、クリアランスセンサ65、ジャッキ圧力計66、地中検出器67、地表面検出器68、チャンバ内圧力計161、供給圧センサ163a、排出圧センサ163bにより検出された検出値を、掘進に関連する関連情報として示したが、関連情報は、これらに限定されず、これらの検出器の検出対象となっている物性値と相関性のある物性値を検出した検出値であってもよい。
【0095】
また、上記実施形態や変形例では、地盤の変化や掘進不能、線形逸脱、セグメントリング112の損傷を異常状態として示したが、異常状態は、これらに限定されず、シールド掘進機100,200の掘進中に生じ得る異常であれば、どのような異常であってもよい。
【0096】
また、上記実施形態や変形例では、カッタヘッド20やシールドジャッキ34、裏込め注入装置35、スクリューコンベヤ50、給排装置150をシールド掘進機100,200に設けられた機器として示したが、シールド掘進機100,200に設けられた機器は、これらに限定されず、シールド掘進機100,200に設けられる他の機器であってもよい。
【符号の説明】
【0097】
1・・・制御システム
100,200・・・シールド掘進機
70・・・制御部
15・・・チャンバ
20・・・カッタヘッド
34・・・シールドジャッキ(推進装置)
35・・・裏込め注入装置
50・・・スクリューコンベヤ(土砂搬出装置)
60・・・カッタトルク計(障害検出器)
61・・・土圧計(排土検出器)
62・・・位置検出器(線形逸脱検出器)
63・・・搬出土圧計(排土検出器)
64・・・ストロークセンサ(排土検出器、障害検出器)
65・・・クリアランスセンサ(クリアランス検出器)
66・・・ジャッキ圧力計(障害検出器)
67・・・地中検出器(地盤検出器)
68・・・地表面検出器(地盤検出器)
70a・・・情報取得部
70b・・・機器制御部
112・・・セグメントリング
150・・・給排装置(土砂搬出装置)
161・・・チャンバ内圧力計(排土検出器)
163a・・・供給圧センサ(排土検出器)
163b・・・排出圧センサ(排土検出器)
T・・・シールドトンネル
図1
図2
図3
図4