IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日精エー・エス・ビー機械株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-樹脂製容器の製造装置及び製造方法 図1
  • 特許-樹脂製容器の製造装置及び製造方法 図2
  • 特許-樹脂製容器の製造装置及び製造方法 図3
  • 特許-樹脂製容器の製造装置及び製造方法 図4
  • 特許-樹脂製容器の製造装置及び製造方法 図5
  • 特許-樹脂製容器の製造装置及び製造方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】樹脂製容器の製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/68 20060101AFI20231204BHJP
   B29C 49/06 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
B29C49/68
B29C49/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020170384
(22)【出願日】2020-10-08
(62)【分割の表示】P 2020542463の分割
【原出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021000840
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2019015973
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227032
【氏名又は名称】日精エー・エス・ビー機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】土屋 要一
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-330535(JP,A)
【文献】特開2006-346891(JP,A)
【文献】特開2002-172681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00-49/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底中空状のプリフォームを射出成形する射出成形部と、前記射出成形部で成形した前記プリフォームを温度調整する温度調整部と、前記温度調整部で温度調整した前記プリフォームを容器にブロー成形するブロー成形部と、前記プリフォームや前記容器を保持するネック型が設けられた回転盤と、を少なくとも備えた樹脂製容器の製造装置において、
前記回転盤により、前記プリフォームの胴部の外側表面温度が前記プリフォームを構成する材料のガラス転移温度より30℃以上60℃以下だけ高い状態で前記プリフォームを前記温度調整部に搬入させた後、前記温度調整部で搬入された前記プリフォームをブロー成形に適切な所定の温度まで冷却させることを特徴とする、
樹脂製容器の製造装置。
【請求項2】
前記射出成形部は、射出コア型、射出キャビティ型および射出装置を備えており、
前記射出コア型、前記射出キャビティ型および前記ネック型を組み合わせることで形成される成形空間に、前記射出装置より合成樹脂材料を射出して前記プリフォームを射出成形し、次いで、射出成形された前記プリフォームを離型する、
請求項1に記載の樹脂製容器の製造装置。
【請求項3】
前記温度調整部は、温調キャビティ型とエア導入部材とを備えており、
前記エア導入部材は、前記プリフォームのネック部に当接する嵌合コアと前記プリフォームの前記胴部に挿入されるロッド部材とを有しており、
前記エア導入部材からエアを噴出させて前記温調キャビティ型の内壁に前記プリフォームの前記胴部を密着させることで前記プリフォームを外側から温調または冷却し、前記エア導入部材からエアを前記胴部に噴出し続けることで前記プリフォームを内側から冷却する、
請求項1に記載の樹脂製容器の製造装置。
【請求項4】
前記温度調整部は、温調コア型と温調キャビティ型とで前記プリフォームを挟んで圧縮変形させることを特徴とする、
請求項1に記載の樹脂製容器の製造装置。
【請求項5】
合成樹脂材料からなるプリフォームを射出成形部で射出成形し、射出成形した前記プリフォームを温度調整部で温度調整し、温度調整した前記プリフォームをブロー成形する、樹脂製容器の製造方法において、
前記温度調整部に、前記プリフォームを胴部の外側表面温度が前記プリフォームを構成する材料のガラス転移温度より30℃以上60℃以下だけ高い状態で前記プリフォームを搬入させた後、前記温度調整部で前記プリフォームをブロー成形に適切な所定の温度まで冷却させることを特徴とする、
樹脂製容器の製造方法。
【請求項6】
前記射出成形部は、射出コア型、射出キャビティ型およびネック型を組み合わせることで形成される成形空間に合成樹脂材料を射出して前記プリフォームを射出成形し、次いで、射出成形された前記プリフォームを離型する、
請求項5に記載の樹脂製容器の製造方法。
【請求項7】
前記温度調整部は、前記プリフォームのネック部に当接するエア導入部材からエアを噴出させ温調キャビティ型の内壁に前記プリフォームの前記胴部を密着させることで前記プリフォームを外側から温調または冷却し、前記エア導入部材からエアを前記胴部に噴出し続けることで前記プリフォームを内側から冷却する、
請求項5に記載の樹脂製容器の製造方法。
【請求項8】
前記温度調整部は、温調コア型と温調キャビティ型とで前記プリフォームを挟んで圧縮変形させることを特徴とする、
請求項5に樹脂製容器の製造方法。
【請求項9】
有底中空状のプリフォームを射出成形する射出成形部と、前記射出成形部で成形した前記プリフォームをブロー成形するブロー成形部を少なくとも有する次工程部と、を備えた樹脂製容器の製造装置において、
前記プリフォームが前記射出成形部から離型されてから4秒以上8秒以下だけ経過するまでに、前記プリフォームの胴部の外側表面温度を、離型時の外側表面温度または射出キャビティ型の温度に対して80℃以上上昇させてから、前記プリフォームを前記次工程部に搬送させることを特徴とする、
樹脂製容器の製造装置。
【請求項10】
有底中空状のプリフォームを射出成形する射出成形部と、前記射出成形部で成形した前記プリフォームをブロー成形するブロー成形部を少なくとも有する次工程部とを備えた、樹脂製容器の製造方法において、
前記プリフォームが前記射出成形部から離型されてから4秒以上8秒以下だけ経過するまでに、前記プリフォームの外側表面温度を離型時の外側表面温度に対して80℃以上上昇させ、
前記プリフォームを前次工程部に搬送させることを特徴とする、
樹脂製容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットパリソン式ブロー成形法による樹脂製容器の製造装置および製造方法に関する。具体的には、製造時間を短縮させても外観や物性が良質な樹脂製容器の製造を可能にする、ホットパリソン式ブロー成形法による樹脂製容器の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリフォームを射出成形する射出成形部と、射出成形部で成形したプリフォームを温度調整する温度調整部と、温度調整部で温度調整したプリフォームをブロー成形するブロー成形部とを備えたブロー成形装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のブロー成形装置は、射出成形部及びブロー成形部のみを主に備えた従来のブロー成形装置(例えば、特許文献2参照)に温度調節部を追加したものである。射出成形部で成形された直後のプリフォームは、ブロー成形に適した温度分布を備えていないため、射出成形部とブロー成形部との間により積極的にプリフォームの温度調整が可能な温度調整部を設けることにより、プリフォームをブロー成形に適した温度まで温度調整することを可能にしていた。なお、この温度調整部は、加熱ポット型(加熱ブロック)や加熱ロッドを用い、プリフォームを非接触で加熱して、温度調整する方式になっている。
【0003】
また、底部のみが厚く形成された容器(化粧品容器)をブロー成形する場合の温度調整方法も存在する。具体的には、この種の容器のプリフォームに対してブロー成形に適した温度分布を有するように温度調整するための温度調整部として、プリフォームの底部及び底部に連続する胴部の下部の外周面を冷却ポットで機械的に密着して確実に冷却し、底部に連続する胴部の下部を除く胴部を加熱ブロックにより所定の温度に昇温させることにより、ブロー成形を行った際に所望の厚さを有する底部と、均一で薄肉に延伸された壁部を有する胴部とを備えた、容器を製造するためのブロー成形装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、プリフォームを射出成形部の外に温度調整部でも冷却することで、成形サイクル時間を規定する射出成形時間の短縮を図ったブロー成形装置も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-315973号公報
【文献】国際公開第2017/098673号
【文献】国際公開第2013/012067号
【文献】特開平05-185493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術によるブロー成形装置では、射出成形後の冷却時間を短く設定した場合、温度調整部で偏温除去や均温度化を十分に行うことができず、偏肉や白化(白濁化、材料がPET(ポリエチレンテレフタレート)等のブロー成形時に結晶化し易い熱可塑性樹脂の場合に発生する)を良好に抑制した高品質な容器を製造することは、未だ確立できていなかった。
【0006】
本発明は、成形サイクル時間が短縮化されたホットパリソン式ブロー成形法であっても良好な品質の容器を製造することのできる樹脂製容器の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プリフォームを射出成形する射出成形部と、前記射出成形部で成形した前記プリフォームを温度調整する温度調整部とを備え、前記温度調整部で温度調整した前記プリフォームをブロー成形する、樹脂製容器の製造装置において、前記プリフォームの外側表面温度が前記プリフォームのガラス転移温度より30℃以上60℃以下だけ高い状態で前記プリフォームを前記温度調整部に挿入し、前記温度調整部にてブロー成形に適切な所定の温度まで前記プリフォームを冷却させることを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記温度調整部は、温調コア型と温調キャビティ型とで前記プリフォームを挟んで圧縮変形させてもよい。前記温度調整部は、前記プリフォームの内側に空気を循環させてもよい。
【0009】
また、本発明は、プリフォームを射出成形し、射出成形した前記プリフォームを温度調整部で温度調整し、温度調整した前記プリフォームをブロー成形する、樹脂製容器の製造方法において、前記プリフォームの外側表面温度が前記プリフォームのガラス転移温度より30℃以上60℃以下だけ高い状態で前記プリフォームを前記温度調整部に挿入し、前記温度調整部にてブロー成形に適切な所定の温度まで前記プリフォームを冷却させることを特徴とする。
【0010】
この場合において、前記温度調整部は、温調コア型と温調キャビティ型とで前記プリフォームを挟んで圧縮変形させてもよい。前記温度調整部は、前記プリフォームの内側に空気を循環させてもよい。
【0011】
さらに、本発明は、プリフォームを射出成形する射出成形部と、前記射出成形部で成形した前記プリフォームをブロー成形するブロー成形部とを備えた、樹脂製容器の製造装置において、前記プリフォームが前記射出成形部から離型されてから4秒以上8秒以下だけ経過するまでに、前記プリフォームの外側表面温度を離型時の外側表面温度に対して80℃以上上昇させてから、前記プリフォームを前記ブロー成形部に挿入することを特徴とする。
【0012】
さらにまた、本発明は、プリフォームを射出成形する射出成形部と、前記射出成形部で成形した前記プリフォームをブロー成形するブロー成形部とを備えた、樹脂製容器の製造方法において、前記プリフォームが前記射出成形部から離型されてから4秒以上8秒以下だけ経過するまでに、前記プリフォームの外側表面温度を離型時の外側表面温度に対して80℃以上上昇させ、前記プリフォームを前記ブロー成形部に挿入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、成形サイクル時間が短縮化されたホットパリソン式ブロー成形法であっても良好な品質の容器を製造することのできる樹脂製容器の製造装置および製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るブロー成形装置(射出成形部、温度調整部、ブロー成形部、取出し部を有する)の斜視図を示す。
図2】前記射出成形部で射出成形されているプリフォームの正面から見た拡大断面図を示す。
図3】前記温度調整部の概略図を示す。
図4】前記温度調整部の別形態の図を示す。
図5】プリフォームがブロー成形部でブロー成形されている様子の断面図を示す。
図6】プリフォームを温度調整したときの温度分布のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るブロー成形装置(射出成形部、温度調整部、ブロー成形部、取出し部を有する)の斜視図を示し、図2は、射出成形部で射出成形されているプリフォームの正面から見た拡大断面図を示し、図3は、温度調整部を正面から見た断面図を示し、図4は、温度調整部で温度調整されているプリフォームを正面から見た拡大断面図を示し、図5は、プリフォームがブロー成形部でブロー成形されている様子の断面図を示している。
【0016】
ブロー成形装置(樹脂製容器の製造装置)100は、図1に示すように、射出成形部10と、温度調整部20と、ブロー成形部30と、取出部40とを備えており、プリフォーム1を射出成形した後に、ブロー成形して容器1aを製造するための装置である。
【0017】
射出成形部10、温度調整部20、ブロー成形部30、及び取出部40は、上から見たときに正方形の4つの辺を形成するような配列で配置されている。これらの上方には、射出成形部10で成形されたプリフォーム1のネック部3(図2参照)を保持するネック型50(図3参照)が設けられた不図示の回転盤が設けられている。この回転盤は、上方から見たときに正方形の4つの辺を形成するような配列で4組のネック型50が配置されている。これにより、回転盤が射出成形部10、温度調整部20、ブロー成形部30、及び取出部40上で垂直軸を中心に反時計回りに90度ずつ回転することにより、4組のネック型50の各々は、射出成形部10、温度調整部20、ブロー成形部30、及び取出部40を等しい時間で順次移動して、ネック型50に保持されたプリフォーム1に対して各工程が等しい時間だけ実施されるようになっている。
【0018】
射出成形部10は、射出コア型11、射出キャビティ型12、及び不図示の射出装置を備え、プリフォーム1を射出成形するように設けられている。
プリフォーム1は、図2に示すように、解放側のネック部3及び閉鎖側の貯留部(本体部)2を有して有底状(有底中空状)に形成されている。プリフォーム1は、ブロー成形されることにより容器1a(図5参照)となるものであり、ブロー成形後の容器1aを図中上下方向および左右方向に縮めて厚肉にしたような形状を有している。貯留部2は、解放側のネック部3に連なる胴部2aと、閉鎖側に位置して胴部2aに連なる底部2bとから構成されている。射出コア型11、射出キャビティ型12には、チラーに接続されて低温(例えば5℃以上20℃以下)の冷媒が流通する流路(不図示)が形成されている。
【0019】
プリフォーム1を射出成形する際には、射出コア型11、射出キャビティ型12、及びネック型50が組み合わされてプリフォーム1に対応する空間を規定する。このとき、射出コア型11でプリフォーム1の貯留部2及びネック部3の内面形状を成形し、射出キャビティ型12で貯留部2の外面形状を成形するとともに、ネック型50でネック部3の外面形状を成形する。
【0020】
射出成形部10は、熱可塑性の合成樹脂等材料(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル系樹脂)を高温で加熱して溶かし、溶かした材料を不図示の射出装置により射出コア型11と射出キャビティ型12及びネック型50とで画定される成形空間(キャビティ)の間に射出して充填させ、射出した材料のうち型面(キャビティ面)に近い部分の材料を融点(例えばPETの場合は約255℃)よりも低い温度まで冷やして固めることにより貯留部2に表面層(スキン層)を形成し、プリフォーム1を成形するようになっている。このとき、プリフォーム1の貯留部2の内部層(コア層)は融点以下かつガラス転移点温度以上の温度に保ち(例えば150℃以上230℃以下)、貯留部2がブロー成形部30で延伸可能な熱量(保有熱)を有するように調整する。なお、本発明では成形サイクル時間、つまり、プリフォーム1の成形時間を従来よりも短縮化させている。具体的には、プリフォームの射出成形時間を構成する射出時間(充填時間)と冷却時間のうち、冷却時間を従来法より著しく短く設定している。例えば、冷却時間は、射出時間の2/3以下、好ましくは1/2以下、更に好ましくは1/3以下に設定される。
【0021】
射出コア型11は、プリフォーム1の貯留部2(より具体的には胴部2a)に対応する部分の横方向断面がネック部3に対応する部分の横方向断面よりも小さく形成されている。これにより、射出成形されたプリフォーム1の内側は、ネック部3よりも貯留部2の方がプリフォーム1の軸心Zに垂直な方向の内部空間面積が小さく形成されている。
【0022】
また、射出コア型11は、プリフォーム1の底部2bと対応する型面(キャビティ面)上の位置に近付く程、横方向断面が漸次的に小さく形成されている。これにより、射出成形されたプリフォーム1の内側は、プリフォーム1の軸心Zに垂直な方向に広がる内部空間面積は、プリフォーム1の底部2bに近付く程、漸次的に小さくなるように形成されている。
【0023】
射出成形部10で射出成形された後にある程度(貯留部2の内外表面に表面層が形成されて外形が維持できる程度)固まったプリフォーム1は、ネック型50に保持されたまま射出キャビティ型12および射出コア型から引き抜かれ(離型され)、図1に示すように、回転盤が上面視で反時計回りに90度回転することにより温度調整部20に搬送される。このプリフォーム1は従来法よりも高温な状態で射出成形部10にて離型されるため、貯留部2の表面層は薄く形成される一方、内部層は厚く形成されて従来法よりも高い保有熱が維持されている。
【0024】
温度調整部20は、射出成形部10の隣に配置されており、図3および図4に示すように、温調コア型21またはエア導入出部材21aの何れか一方及び温調キャビティ型22を備えている。
射出成形部10から搬送されてきたプリフォーム1は、温調キャビティ型22上に取り付けられた芯出しリング60にネック型50が当接するまで回転盤と共に下がって温調キャビティ型22内に差し込まれる。プリフォーム1が温調キャビティ型22内に差し込まれると、プリフォーム1のネック部3に形成された上側開口を通して温調コア型21またはエア導入出部材21aがプリフォーム1内に差し込まれる。なお、温調コア型21を用いる場合は、温調コア型21がプリフォーム1内に差し込まれた後に、温調コア型21と共にプリフォーム1が温調キャビティ型22に差し込まれてもよい。
【0025】
温調コア型21及び温調キャビティ型22は、内部に形成された流路内を冷媒(温調媒体)が流れていることにより、10℃以上90℃以下、より好ましくは60℃以上80℃以下に冷却されている。エア導入出部材21aは所定温度の冷却用圧縮空気を貯留部2に流通させる。射出成形部10で従来よりも高温状態で離型されて温度調整部20に搬送されたプリフォーム1は、ブロー成形するには温度が高過ぎ、搬送時の放冷で解消できなかった偏温も有する。温調コア型21と温調キャビティ型22への接触、または、外表面を温調キャビティ型22に当接させつつ内表面にエア導入出部材21aからの圧縮空気を吹き当てることで、プリフォーム1は冷却されてブロー成形に適した温度に温度調整される。
【0026】
図3は、プリフォーム1の貯留部2を、温調キャビティ型22と温調コア型21で冷却する例である。温調コア型21は、温調コア型21を温調キャビティ型22に挿入した際にネック部3に接触しないようにくびれ部23aが形成されている。
【0027】
また、本実施形態に係る温調コア型21は、射出成形部10のテーパー形状に形成された射出コア型11よりも小さな角度のテーパー形状を有している。これにより、プリフォーム1を射出成形部10から取り外し(離型)または成形し易い形状からブロー成形し易い所望形状へ圧縮変形させることができる。
【0028】
温度調整部20は、図3に示すように、温調コア型21がプリフォーム1の貯留部2の内表面の略全体に接して押圧すると共に、温調キャビティ型22がプリフォーム1の貯留部2の外表面の略全体に接して押圧するように設けられている。これにより、プリフォーム1が射出成形部10で離型された後に不規則的に収縮変形していても、温調コア型21と温調キャビティ型22との間にプリフォーム1の貯留部2を挟んでプリフォーム1の形状を修正することができる。また、温度調整部20は、プリフォーム1を温調コア型21と温調キャビティ型22とで圧力をかけながら挟むと共に冷却させることで、射出成形時の一次形状のプリフォーム1から最終的な容器1aへのブロー成形に適した二次形状のプリフォーム1へと強制的に圧縮変形させながら内外同時に温度調整を行っても良い。
【0029】
なお、本実施形態では、プリフォーム1の貯留部2を温調コア型21と温調キャビティ型22とで圧力をかけて挟みながら冷却しているが、これに限らず、図4に示すように、温調キャビティ型22とエア導入出部材61とを備えた代替的な温度調整部を用いてプリフォーム1を冷却してもよい。
【0030】
図4は、プリフォーム1の貯留部2を、温調キャビティ型22とエア導入出部材61で冷却する例である。同図中、エア導入部材61は、中空で内部にエア流通孔が設けられたロッド部材62と、嵌合コア(温調用ブローコア部材)63とから構成されている。
【0031】
ロッド部材62は、嵌合コア63の内部に上下動可能に収容されている。ロッド部材62の先端にはエアを噴出または吸引可能な内方流通口62aが設けられている。エアの温度はプリフォーム1や容器1aの肉厚に応じ、例えば約0℃以上約20℃以下(常温)の範囲内で適宜設定される。
【0032】
嵌合コア63は、エア導入部材61がプリフォーム1に挿入されると(気密可能に当接されると)、ネック部3に嵌る(密接する)ように構成されている。これにより、プリフォーム1の内部のエアがネック部3から嵌合コア63の外側に漏れることを防止できる。ロッド部材62と嵌合コア63との間の隙間は、プリフォーム1に対しエアを給排するためのエア流通経路である。嵌合コア63の先端とロッド部材62とが形成する隙間が、エアを噴出または吸引可能な第一の外方流通口64を構成する。内方流通口62aおよび外方流通口64は、それぞれ送風口および排出口となり得る。
【0033】
プリフォーム1を温度調整する際には、まず、プリフォーム1を温調キャビティ型22のプリフォーム形状の空間内に収容する。続いて、キャビティ型22に収容されたプリフォーム1の内部にエア導入部材61を挿入する(気密可能に当接する)。次に、第一の内方流通口62aを閉栓した状態でエア導入部材61の外方流通口64からプリフォーム1の内部にエアを送り、プリフォーム1の貯留部2をキャビティ型22の内壁に密着させる予備ブローを行う。
【0034】
予備ブローが終了すると、内方流通口62aを開栓し、該内方流通口62aからエアをプリフォーム1内に導入しつつ、外方流通口64を介してプリフォーム1の外部にエアを排出する冷却ブロー(クーリングブロー)を行う。このように、予備ブローと冷却ブローとでは、エアの流れる方向を逆に設定するのが好ましい。この時、内方流通口62aからエアが噴出し続けているため、プリフォーム1は内部を流れるエアの対流により、内側から冷却される。また、プリフォーム1はキャビティ型22と接触し続けるため、外側からブロー成形に適した温度以下にならないように温度調整または冷却され、さらに、射出成形時に生じた偏温も低減される。なお、キャビティ型22がプリフォーム形状の空間を有しているため、プリフォーム1の形状は大きく変化しない。一定時間冷却されたプリフォーム1は、ブロー成形部30へ移動させる。
【0035】
なお、エア導入部材61のエアの流通方向は適宜変えることができる。例えば、図4に示すように、冷却ブローにおいて、外方流通口64からエアを送り、内方流通口62aからロッド部材62の内部を通って排出するようにしてもよい。この際の予備ブローは、外方流通口64を閉栓させた状態で、内方流通口62aからプリフォーム1の内部にエアを送るのが好ましい。プリフォーム1の下方側(貯留部2の底部側)の冷却効果を上げたい場合は、内方流通口62aから外方流通口64の方向へエアを流す。プリフォーム1の上方側(貯留部2の上側)の冷却効果を上げたい場合は、外方流通口64から内方流通口62aの方向にエアを流す。なお、プリフォーム1の特定部分を集中的に冷却して容器1aの特定部分の肉厚を大きくさせたい場合等には、予備ブローと冷却ブローとのエアの送風方向を同じに設定しても構わない。
【0036】
PET材料は120℃から200℃程度の温度帯で徐冷すると結晶化による白化や白濁が生じてしまうので、射出成形部10にて高温状態で離型されたプリフォーム1から透明度の高い容器1a(図5参照)を製造するためには、プリフォーム1を結晶化する温度帯以下まで急冷する必要がある。このとき、厚肉な壁部5を貯留部2、特に胴部2bに有するプリフォーム1の場合は、壁部5の中央まで十分に冷却するのは従来困難であった。しかしながら、図3に示すような温度調整方法では、プリフォーム1の壁部5が厚肉であっても圧縮変形させ、図4に示すような温度調整方法では、プリフォーム1内に冷却空気を送風させているため、変温除去や均温化および冷却化の効率を大幅に高められる。また、全体的にブロー成形に適した温度分布になるため、最終的な形態である容器1aの肉厚の偏りを防止することができる。
【0037】
温度調整部20で温度調整されたプリフォーム1は、ネック型50に保持されたまま温調キャビティ型22から引き抜かれ、図1に示すように、回転盤がさらに反時計回りに90度回転してブロー成形部30に搬送される。
【0038】
ブロー成形部30は、図1に示すように、温度調整部20の隣に配置されており、ブロー型31と不図示のエアー吹込部とを備えている。
ブロー型31は、容器1aの形状に対応する型面が内側に形成されており、温度調整部20の温調キャビティ型22よりもかなり大きな型面になっている。
【0039】
エアー吹込部は、ブロー型31内に差し込まれたプリフォーム1内に空気を充填するように設けられている。
ブロー成形部30に搬送されたプリフォーム1は、ブロー型31内に差し込まれ、エアー吹込部がプリフォーム1のネック部3の開口に接続され、エアー吹込部がプリフォーム1内に空気を吹き込ませると、図5に示すように、貯留部2の外面全体がブロー型31の型面に密着して押し付けられるまでプリフォーム1の貯留部2が膨らまされ、容器1aが成形されるようになっている。
【0040】
ブロー成形部30でブロー成形されたプリフォーム1(容器1a)は、ネック型50に保持されたままブロー型31から引き抜かれ、図1に示すように、回転盤がさらに反時計回りに90度回転して取出部40に搬送される。
【0041】
取出部40は、図1に示すように、ブロー成形部30と射出成形部10との間に配置されている。取出部40では、ネック型50が開いて容器1aを保持しなくなることにより容器1aが落下し、ブロー成形装置100から容器1aが取り出されるようになっている。
【0042】
本実施形態に係るブロー成形装置100は、プリフォーム1の外形を維持できる程度までしか冷却されていない高温状態でプリフォーム1を射出キャビティ型12から離型するようになっている。すなわち、射出成形部10において離型されたプリフォーム1の胴部2aの外側表面温度(胴部2aの外周面における表面層の温度)が胴部2aの内側表面温度(胴部2aの内周面における表面層の温度)より高くなる前に、例えば外側表面温度がプリフォーム1のガラス転移温度より30℃以上60℃以下だけ高い温度で、プリフォーム1を温度調整部20に挿入(搬入)している。温度調整部20は、挿入されたプリフォーム1を温度調整部20に挿入(搬入)された時点の温度から15℃以上30℃以下だけ外表面温度を低下させるように、表面層を介して内部層を冷却させるようになっている。なお、PET製のプリフォーム1のガラス転移温度は例えば約75℃である。
【0043】
通常、射出成形部10で十分な冷却時間が与えられて成形されたプリフォーム1は、樹脂の収縮により射出コア型11に強く接触する一方で射出キャビティ型12から離れる傾向があり、温度調整部に搬送されてきたときには、外側表面温度が内側表面温度より高くなっている。また、プリフォーム1の内部層と表面層との温度勾配(熱勾配)は比較的小さい状態になっている。
【0044】
一方、本実施形態に係るブロー成形装置100は、従来技術のものに比べてプリフォーム1が非常に高温のまま温度調整部20に搬送されるようになっている。射出成形部10で内部層の保有熱が従来のものよりも高い状態でプリフォーム1を射出コア型11及び射出キャビティ型12から離型しているため、内部層と表面層との温度勾配は従来よりも大きくなる。そのため、プリフォーム1の内部層と表面層との熱伝達による熱交換を活発化させている。これにより、温度調整部20への搬送中に戻り熱(内部層から表面層への熱量の移動)によりプリフォーム1の外表面温度を一旦上昇させて射出成形部10と温度調整部20との間の短い移送時間(射出成形部10の離型動作時間と射出成形部10から次工程への搬送時間、例えば4.0秒以上12.0秒以下、より好ましくは4.0秒以上8.0秒以下)を利用して内部層と表面層との間の温度差の解消や均温化及び偏温除去を促進させている。つまり、高温離型により、この移送時間の間に、プリフォーム1の表面層の温度が、射出成形型に近い温度(例えば、5.0℃以上20.0℃以下)から110℃以上130℃以下の温度まで急上昇する程度に熱量の移動を促進させ、プリフォーム1の均温化や偏温除去の効果を高めている(移送時間の間に、プリフォーム1の表面層の温度を、射出成形型の設定温度(例えば5.0℃以上20℃以下)に対して110℃以上130℃以下の温度まで急上昇させている)。同時に、この移送時間において、プリフォーム1の外気への放冷を行い、高温離型により生じたプリフォーム1の余分な熱量を放出させて、次工程(温度調整部20やブロー成形部30)において必要となる内部層の冷却時間を短縮させている。このため、温度調整部20におけるプリフォーム1の内部層の冷却効率や内部層と表面層との温度調整効率を高めて短時間で結晶化温度帯域より低下させることができ、短時間で延伸配向に適した温度分布状態のプリフォームの調整が可能になり、透明性や物性の高い容器を短時間で製造可能になっている。さらに、高温離型によりプリフォーム1が次工程までに表面層が高温化して軟化するため、プリフォーム1の表面層に転写した射出コア型や射出キャビティ型に由来する粗さが解消できる。このため、従来技術と比べ、ブロー成形直前におけるプリフォーム1の表面層の粗さを小さくさせることができ、表面粗さが小さく表面光沢に優れた容器1aを製造することができる。
【0045】
以下、射出成形部10で射出成形されたプリフォーム1の温度調整部20における温度調整について具体的に説明する。
図6は、プリフォームを温度調整したときの温度分布のグラフを示す。
図6(a)は、温度調整部で温度調整(冷却)される直前の温度分布を示している。この図において、横軸は肉厚方向の位置を示し、縦軸は温度を示し、温度分布曲線C1は従来技術による離型直後から所定の移送時間(約5秒、具体的には4.0秒以上8.0秒以下)経過した温度調整前の温度分布を示し、温度分布曲線C2は本実施形態による離型直後から所定の移送時間(約5秒、具体的には4.0秒以上8.0秒以下)経過した温度調整前の温度分布を示している。また、図6(a)において、温度分布曲線C1aは従来技術による射出成形部10の離型直後の温度分布を示し、温度分布曲線C2aは本実施形態による射出成形部10の離型直後の温度分布を示している。
【0046】
図6(b)は、温度調整部で温度調整(冷却)された直後の温度分布を示している。この図において、横軸は肉厚方向の位置を示し、縦軸は温度を示し、温度分布曲線C3は従来技術による温度調整後の温度分布を示し、温度分布曲線C4は本実施形態による温度調整前の温度分布を示している。また、破線で示す温度分布曲線C5は、コールドパリソン法でプリフォームを温度調整した直後の温度分布を示している。
【0047】
本実施形態に係るブロー成形装置100では、図6(a)に温度分布曲線C2、C2aで示すように、プリフォーム1の外側表面温度を射出成形部10の離型直後から約5秒の移送時間中に約20℃から約120℃まで約100℃上昇させており、短時間に80℃以上急激に上昇させている。すなわち、本実施形態に係るブロー成形装置100では、図6(a)に温度分布曲線C2で示すように、プリフォーム1の外側表面温度がPET製のプリフォーム1のガラス転移温度である約75℃よりも30℃程度高い状態、すなわち約115℃の状態プリフォーム1を温度調整部20に挿入している。このとき、プリフォーム1の内側表面温度は117℃程度であり、内側表面温度よりも外側表面温度の方が低くなっている。
【0048】
一方、従来技術による温度調整では、温度分布曲線C1、C1aで示されるように、プリフォーム1の外側表面温度は、射出成形部10の離型直後から約5秒の移送時間中に、約20℃から約80℃まで約60℃程度しか上昇させることができない。すなわち、従来技術による温度調整では、射出成形工程を長時間行ってプリフォームをじっくりと冷却しているため、温度分布曲線C1で示すように、プリフォームの外側表面温度が約87℃の状態でプリフォームを温度調整部に挿入している。このとき、内側表面温度よりも外側表面温度の方が高くなっている。
【0049】
本実施形態に係る温度調整部20は、主に温度調整部20でプリフォーム1を温度調整するため、図6(b)に温度分布曲線C4で示すように、温度調整されたプリフォーム1の外側表面温度は85℃程度まで下がっている。このとき、内側表面温度よりも外側表面温度の方が高くなっている。
【0050】
一方、従来技術による温度調整では、プリフォームの壁部の中央に蓄積していた熱がプリフォームの内側表面及び外側表面に伝達されるため、温度分布曲線C3で示すように、温度調整されたプリフォームの外側表面温度は102℃程度まで上がっている。このとき、内側表面温度よりも外側表面温度の方が高くなっている。
【0051】
また、コールドパリソン法で作成したプリフォームの温度調整では、温度分布曲線C5で示すように、常温の状態から温度調整されたプリフォームの外側表面温度は100℃程度まで上がっている。このとき、内側表面温度よりも外側表面温度の方が高くなっており、ホットパリソン法による従来技術による温度調整である温度分布曲線C3と外側表面温度が略同じ程度になっている。
【0052】
本実施形態に係るブロー成形装置100は、プリフォーム1の外側表面温度がプリフォーム1のガラス転移温度より30℃以上60℃以下だけ高い状態でプリフォーム1を温度調整部20に挿入し、温度調整部20にてブロー成形に適切な所定の温度までプリフォーム1を冷却させている。これにより、射出成形工程を短時間で行うことができて成形サイクル時間が短縮化されるとともに、温度調整部20で十分に冷却されるため、ホットパリソン式射出ブロー成形方であっても良好な品質の容器を製造することができる。
【0053】
また、射出成形工程の冷却時間を充填時間の2/3以下、好ましくは1/2以下、更に好ましくは1/3以下に設定した本実施形態の成形条件では、プリフォーム1は射出成形部10で従来技術よりも高温状態で離型される。これにより、射出成形部10から次工程への短い移送時間中(例えば4秒以上12秒以下、より好ましくは4.0秒以上8.0秒以下の間)に、従来技術に比べてプリフォーム1を効率的な均温化させて全体的に温度低下(熱量低下)させることが可能になる。また、次工程(温度調整部20またはブロー成形部30)でのプリフォーム1や容器1aの冷却時間を短縮させることができる。この結果、成形サイクル時間を従来技術より短縮しても、外観不良が抑えられた容器1aを製造することができる。
【0054】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、プリフォーム1を温調コア型21と温調キャビティ型22とで挟み込んで圧縮変形させながら冷却させる温度調整部20を用いているが、これに限定されない。温度調整部にてプリフォームの外側表面温度を15℃以上冷却させることができれば、温調ロッドと温調ポットとの間にプリフォームを配置して、温調ロッドからプリフォームの内側に空気を送風して循環させるタイプの温度調整部を用いても良い。
【0055】
また、上記実施形態では、射出成形されたプリフォーム1は、温度調整部20を用いて冷却されているが、これに限定されない。ブロー成形に適切な所定の温度までプリフォーム1を冷却させることができれば、温度調整部を用いなくてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…プリフォーム
2…貯留部
3…ネック部
4…ゲート
5…壁部
10…射出成形部
11…射出コア型
12…射出キャビティ型
1a…容器
20…温度調整部
21…温調コア型
22…温調キャビティ型
30…ブロー成形部
31…ブロー型
40…取出部
50…ネック型
60…リング
100…ブロー成形装置(樹脂製容器の製造装置)
Z…軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6