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特許7395507外科用リニアステープラのための発射レバーアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-01
(45)【発行日】2023-12-11
(54)【発明の名称】外科用リニアステープラのための発射レバーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20231204BHJP
   A61B 17/115 20060101ALI20231204BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/115
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020563833
(86)(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2019050360
(87)【国際公開番号】W WO2019155304
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】15/889,388
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・ザ・サード・チェスター・オー
(72)【発明者】
【氏名】ストークス・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ・ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】コービン・マシュー・エス
(72)【発明者】
【氏名】ウィン・キャロル・ジェイ
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103190938(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0084113(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0222616(US,A1)
【文献】特表2016-534796(JP,A)
【文献】特表2014-518523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)ハンドルアセンブリであって、
(i)第1の側面と、
(ii)第2の側面と、
(iii)第1のアームと、
(iv)第2のアームであって、近位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結するように構成されている、第2のアームと、
(v)遠位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結されたラッチレバーと、を備える、ハンドルアセンブリ、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)前記第1のアームから遠位に延在する第1のジョーと、
(ii)前記第2のアームから遠位に延在する第2のジョーであって、前記第2のジョーが、開放構成と、部分的閉鎖構成と、完全閉鎖構成との間で前記第1のジョーに対して枢動するように構成され、前記ラッチレバーが、前記第2のアーム又は前記第2のジョーと係合して、前記第2のジョーを前記部分的閉鎖構成から前記完全閉鎖構成に向かって枢動させるように構成されている、第2のジョーと、を備える、エンドエフェクタ、及び
(c)前記完全閉鎖構成において前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に捕捉された組織を切断するように構成された発射アセンブリであって、
(i)前記ハンドルアセンブリ及び前記エンドエフェクタに対して摺動可能な作動ビームと、
(ii)前記作動ビームに連結された近位本体であって、前記第1のアーム又は前記第2のアームのいずれかの内部に摺動可能に収容される、近位本体と、
(iii)第1の側方に延在する位置と第1の非突出位置との間で移動するように構成された、前記第1の側面に関連付けられる第1のレバーであって、前記第1の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記作動ビーム及び前記近位本体を駆動するように構成されている、第1のレバーと、
(iv)第2の側方に延在する位置と第2の非突出位置との間で移動するように構成された、前記第2の側面に関連付けられる第2のレバーであって、前記第2の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記作動ビーム及び前記近位本体を駆動するように構成されている、第2のレバーと、を備える、発射アセンブリ、を備え、
前記第1のアームが、前記作動ビームを収容する発射チャネルを画定し、前記第1のアームは、前記第1の非突出位置にある前記第1のレバーを受容するように構成された第1のレバーチャネルを更に画定する、装置。
【請求項2】
前記近位本体が、第1のポスト及び第2のポストを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のレバーは、枢動コネクタ及び把持コネクタを備え、前記枢動コネクタは、前記近位本体が近位位置にある間に、前記第1のレバーを前記第1のポストと枢動可能に連結するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記把持コネクタが、前記第1の側方に延在する位置において前記第2のポストと連結するように構成され、前記把持コネクタが、前記第1の非突出位置において前記第2のポストと分離するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のレバーが、前記第2のレバーとは独立して前記作動ビームを駆動するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のアームが、前記第1の側面の上部スロットと、前記第2の側面の下部スロットとを画定し、前記把持コネクタが、前記第1の側方に延在する位置と前記第1の非突出位置との間で移動するときに、前記第1の側面の前記上部スロットを通るように最初に構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記近位本体が、前記第1の側方に延在する位置にある前記第1のレバーの一部分を受容するように構成された回転ロックポケットを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のレバーが、スナップ嵌め接続を介して前記第1の非突出位置に選択的にロックするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のレバー及び前記第2のレバーが、前記ハンドルアセンブリに対して前記近位本体と一緒に作動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記近位本体が横方向チャネルを画定し、前記第1のレバー及び前記第2のレバーが、リンケージアームによって互いに接続されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記近位本体が横方向チャネルを画定し、前記第1のレバー及び前記第2のレバーは、摺動連結アームによって互いに接続されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のレバーが第1のカムスロットを画定し、前記第1のレバーは、第1のピン及び前記第1のカムスロットを介して前記摺動連結アームと連結される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2のレバーが第2のカムスロットを画定し、前記第2のレバーは、第2のピン及び前記第2のカムスロットを介して前記摺動連結アームと連結される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のレバーはまた、前記第1のレバーを前記第1の側方に延在する位置に回転でロックするように構成されたロックスロットを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のアームが、前記第2の非突出位置にある前記第2のレバーを受容するように構成された第2のレバーチャネルを更に画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のレバーが前記第1のレバーチャネルに受容されたとき、前記第1のレバーが前記第1のアームの側方に露出しないように、前記第1のレバーチャネルは前記第1のレバーチャネルの外側の壁部に隣接して前記第1のアームの側方壁部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
装置であって、
(a)ハンドルアセンブリであって、
(i)第1の側面と、
(ii)第2の側面と、
(iii)第1のアームと、
(iv)第2のアームであって、近位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結するように構成されている、第2のアームと、
(v)遠位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結されたラッチレバーと、を備える、ハンドルアセンブリ、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)前記第1のアームから遠位に延在する第1のジョーと、
(ii)前記第2のアームから遠位に延在する第2のジョーであって、前記第2のジョーが、開放構成と、部分的閉鎖構成と、完全閉鎖構成との間で前記第1のジョーに対して枢動するように構成され、前記ラッチレバーが、前記第2のアーム又は前記第2のジョーと係合して、前記第2のジョーを前記部分的閉鎖構成から前記完全閉鎖構成に向かって枢動させるように構成されている、第2のジョーと、を備える、エンドエフェクタ、及び
(c)前記完全閉鎖構成において前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に捕捉された組織を切断するように構成された発射アセンブリであって、
(i)前記ハンドルアセンブリ及び前記エンドエフェクタに対して摺動可能な作動ビームと、
(ii)第1の側方に延在する位置と第1の非突出位置との間で枢動するように構成された、前記第1の側面と関連付けられる第1のレバーであって、前記第1の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記作動ビームを駆動するように構成されている、第1のレバーと、
(iii)第2の側方に延在する位置と第2の非突出位置との間で枢動するように構成された、前記第2の側面と関連付けられて構成される第2のレバーであって、前記第2の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記作動ビームを駆動するように構成されている、第2のレバーと、を備える、発射アセンブリ、を備え、
前記第1のアームが、前記作動ビームを収容する発射チャネルを画定し、前記第1のアームは、前記第1の非突出位置にある前記第1のレバーを受容するように構成された第1のレバーチャネルを更に画定する、装置。
【請求項18】
前記第1のアームが、前記第1の側面に関連付けられた上部スロットを画定し、前記第1のアームは、前記第2の側面に関連付けられた下部スロットを画定し、前記第1のレバーは、前記上部スロットと摺動可能に連結され、前記第2のレバーは、前記下部スロットと摺動可能に連結されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記上部スロットが、前記第1の側方に延在する位置にある前記第1のレバーの回転ロック本体を受容するように構成された枢動ロック窓を更に画定する、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
胃腸吻合などの一部の外科手術では、組織の1つ以上の層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通るようステープルを駆動し、組織層の切断された端部の近くで、切断された組織層同士を実質的にシールすることが所望され得る。このような手術で使用され得る1つのこのような器具が、リニアカッティングステープラである。リニアカッティングステープラは、一般に、第1のジョーと、第2のジョーと、第1のジョーを第2のジョーに対してクランプするためのレバーと、第1のジョー又は第2のジョーのいずれかに関連するアンビルと、ステープルアンビルと対向するジョーと関連付けられたステープルカートリッジと、リニアカッティングステープラの残りの部分に対して移動可能な発射アセンブリと、を含む。第1のジョー及び第2のジョーは、ジョー間の組織を把持するために互いに対して枢動することができる。ステープルは、発射アセンブリの一部がステープルカートリッジを介して作動し、ステープルをステープルカートリッジの外に、組織を介して、アンビルに対して駆動できる一方で、またステープルカートリッジとステープルアンビルとの間で捕捉された組織も切断するようにステープルカートリッジに配置される。
【0002】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者(ら)以前には、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にこの技術を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下のある特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでよりよく理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
図1】例示の外科用ステープリング器具の斜視図である。
図2図1の外科用ステープル器具の分解斜視図である。
図3図1の外科用ステープル器具の分解立面図である。
図4図1の外科用ステープル器具のステープルカートリッジアセンブリの斜視図である。
図5図4のステープルカートリッジアセンブリの分解図である。
図6図5の線6-6に沿って得られた、図4のステープルカートリッジアセンブリの斜視断面図である。
図7図1の外科用ステープル留め器具のステープルスレッドアセンブリの斜視図である。
図8図7のステープルスレッドアセンブリの斜視図である。
図9図1の外科用ステープル留め器具のアンビルアセンブリの斜視図である。
図10A図1の外科用ステープル留め器具の断面側面図を示し、第1の部分及び第2の部分は互いに取り外され、第2の部分のアームカバーが、例示の目的のために第1の部分から取り外されて示されている。
図10B図10Aの第1の部分及び第2の部分が開放位置で互いに連結されている、図1の外科用器具の断面側面図である。
図10C図10Aの第1の部分及び第2の部分が、部分閉鎖位置で互いに連結されている、図1の外科用器具の断面側面図である。
図10D図10Aの第1の部分及び第2の部分が完全閉鎖位置で互いに連結されている、図1の外科用器具の断面側面図である。
図11A】発射アセンブリが発射前位置にある、図1の外科用器具の斜視図である。
図11B図11Aの発射アセンブリが発射位置にある、図1の外科用器具の斜視図である。
図12図1の外科用ステープル留め器具に容易に組み込まれ得る、代替的な第1の位置及び発射アセンブリの代替的な近位端の斜視図である。
図13図12の発射アセンブリの別の斜視図である。
図14図12の発射アセンブリの分解斜視図である。
図15図12の発射アセンブリの作動ビームの近位本体の斜視図である。
図16図15の作動ビームの近位本体の別の斜視図である。
図17図12の発射アセンブリの第1のレバーの斜視図である。
図18図17の第1のレバーの底面図である。
図19図12の発射アセンブリの第2のレバーの斜視図である。
図20A図12の線20-20に沿って得られた、組み立てられた図12の発射アセンブリの断面斜視図であり、図17の第1のレバーは、図12の第1の部分の近位端内の初期の挿入のために整列され、遠位キャップが第1の部分から分離されている。
図20B図12の線20-20に沿って得られた、組み立てられた図12の発射アセンブリの断面斜視図であり、図17の第1のレバーは、図12の第1の部分の近位端内に初期に挿入され、図20Aの遠位キャップが第1の部分から分離されている。
図20C図12の線20-20に沿って得られた、組み立てられた図12の発射アセンブリの断面斜視図であり、図17の第1のレバーは、図15の作動ビームの近位本体と最初に枢動可能に連結されており、図20Aの遠位キャップが図12の第1の部分から分離されている。
図20D図12の線20-20に沿って得られた、完全に組み立てられた図12の発射アセンブリの断面斜視図であり、図17の第1のレバーは、図15の作動ビームの近位本体と枢動可能に連結されており、図20Aの遠位キャップが図12の第1の部分と連結されている。
図21図17の第1のレバーがロック解除された側方位置にある、図10の発射アセンブリの斜視図である。
図22A図17の第1のレバーが別のロック解除された側方位置にある、図21の線22-22に沿って得られた、図12の発射アセンブリの断面斜視図である。
図22B図17の第1のレバーがロック位置にある、図21の線22-22に沿って得られた、図12の発射アセンブリの断面斜視図である。
図23A図17の第1のレバー及び図19の第2のレバーが両方ともロックされた発射前の構成にある、図12の線23-23に沿って得られた図12の発射アセンブリの断面斜視図である。
図23B図17の第1のレバーが側方に延在する発射前の構成にある、図12の線23-23に沿って得られた、図12の発射アセンブリの断面斜視図である。
図23C図17の第1のレバーが側方に延在する発射構成にある、図12の線23-23に沿って得られた、図12の発射アセンブリの断面斜視図である。
図24A図17の第1のレバー及び図19の第2のレバーが両方ともロックされた発射前の構成にある、図12の線24-24に沿って得られた図12の発射アセンブリの断面斜視図である。
図24B図17の第1のレバーが側方に延在する発射前の構成にある、図12の線24-24に沿って得られた、図12の発射アセンブリの断面斜視図である。
図24C図17の第1のレバーが側方に延在する発射構成にある、図12の線24-24に沿って得られた、図12の発射アセンブリの断面斜視図である。
図25図1の外科用ステープル留め器具の代わりに使用され得る代替の例示的な外科用ステープル留め器具の斜視図である。
図26A】第1及び第2のレバーが両方とも、完全に近位の発射前の構成にある、図25の外科用ステープル留め器具の発射アセンブリの平面図である。
図26B図26Aの第1のレバーが側方に延在する発射前の構成にある、図26Aの発射アセンブリの平面図である。
図26C図26Aの第2のレバーが側方に延在する発射前の構成にある、図26Aの発射アセンブリの平面図である。
図27図26Aの発射アセンブリに容易に組み込まれ得る代替のレバーの平面図である。
図28図1又は図25の外科用ステープル留め器具のいずれかに容易に組み込まれ得る代替の発射アセンブリの斜視図である。
図29図1又は図25の外科用ステープル留め器具のいずれかに容易に組み込まれ得る代替の第1の部分の内部で発射構成に向かって遠位に部分的に作動された図28の発射アセンブリの斜視図である。
図30A】第1のレバーが完全に近位の発射前の構成にあり、第2のレバーは、側方に延在する発射前の構成にある、図1又は図25の外科用ステープル留め器具のいずれかに容易に組み込まれ得る、代替の発射アセンブリの平面図である。
図30B】第1のレバーが側方に延在する発射前の構成にあり、第2のレバーが完全に近位の発射前の構成にある、図30Aの発射アセンブリの平面図である。
図31A】発射レバーが中立構成にある、図1又は図25の外科用ステープル留め器具のいずれかに容易に組み込まれ得る、代替の発射アセンブリの平面図である。
図31B図31Aの発射レバーが第1の発射構成にある、図31Aの発射アセンブリの平面図である。
図31C図31Aの発射レバーが第2の発射構成にある、図31Aの発射アセンブリの平面図である。
図32図1又は図25の外科用ステープル留め器具いずれかに容易に組み込まれ得る代替の発射アセンブリの分解斜視図である。
図33A図32の発射アセンブリの斜視図である。発射レバーが第1の側方構成にある。
図33B図33Aの発射レバーが第2の側方構成にある、図32の発射アセンブリの斜視図である。
【0004】
図面は、いかなる方法でも限定することを意図しておらず、本技術の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の様々な方法で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、示される厳密な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0006】
本開示の明瞭さのために、「近位」、「遠位」、「上」、及び「下」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義する。用語「近位」とは、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。用語「遠位」とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。よって、「近位」、「遠位」、「上」、及び「下」という用語は、相対的な用語であり、本明細書に記載の発明を不必要に制限することは意図されない。
【0007】
I.例示のリニアカッティングステープラの概説
図1は、胃腸吻合などの任意の好適な処置に使用され得る例示的な外科用リニアカッティングステープラ(100)を示す。リニアカッティングステープラ(100)は、ステープルカートリッジチャネル(122)を有する第1の部分(102)と、アンビルチャネル(130)を有する第2の部分(104)と、第1の部分(102)のカートリッジチャネル(122)と選択的に連結し得るステープルカートリッジアセンブリ(150)と、発射アセンブリ(200)と、を含む。以下でより詳細に説明するように、第1の部分(102)及びステープルカートリッジアセンブリ(150)は、第2の部分(104)と枢動可能に連結して、エンドエフェクタ(120)の対向する半分の間に捕捉された組織をクランプ、切断、及びステープル留めすることができるエンドエフェクタ(120)を形成し得る。
【0008】
図3~6にて最もよく見られるように、発射アセンブリ(200)は、作動ビーム(202)と、ステープルカートリッジアセンブリ(150)の内部に収容されたステープルスレッドアセンブリ(160)と、アクチュエータ(204)(「発射ノブ」とも呼ばれる)と、枢動アーム(206)と、を含む。作動ビーム(202)は遠位端(201)から近位端(203)へと延びている。作動ビーム(202)は、第1の部分(102)の内部に摺動可能に収容される。枢動アーム(206)はアクチュエータ(204)を作動ビーム(202)の遠位端(201)と接続する。アクチュエータ(204)及び枢動アーム(206)は、作動ビーム(202)(図11Aに示される)のいずれかの側面へ、近位位置(図1に示される)から枢動してもよく、それによって、操作者が、部分(102、104)が適切に連結され、エンドエフェクタ(120)が完全閉鎖位置にあるときに、発射アセンブリ(200)を器具(100)の第1の面(116)又は第2の面(117)のいずれかから作動させることができる。器具(100)が適切に連結され、エンドエフェクタ(120)が完全閉鎖位置にあるとき、第1の部分(102)及び第2の部分(104)は、アクチュエータ(204)の並進に適応するように寸法決めされたスロット(118)を画定することを理解されたい。本実施例では、以下でより詳細に説明されるように、作動ビーム(202)は、ステープルカートリッジアセンブリ(150)が第1の部分(102)と好適に連結されているときに、ステープルスレッドアセンブリ(160)と連結するように動作可能であり、これにより、アクチュエータ(204)は、器具(100)の第1の面(116)又は第2の面(117)に沿って摺動してもよい。これにより、作動ビーム(202)及びステープルスレッドアセンブリ(160)を、カートリッジアセンブリ(150)を通って遠位に駆動して、器具(100)を発射する。
【0009】
本実施例では、アクチュエータ(204)は、作動ビーム(202)を駆動するために器具(100)のいずれかの面(116、117)に枢動するように構成されているが、これは、アクチュエータ(204)が、本明細書の教示を鑑みることで当業者に明らかな任意の手段を介して、第1の部分(102)又は第2の部分(104)と摺動可能に連結することができるので、単に任意選択のものである。一実施例では、アクチュエータ(204)は、エンドエフェクタ(120)が完全閉鎖位置にあるときにアクチュエータ(204)が枢動し得ないように、第1の面(116)又は第2の面(117)と厳密に関連付けられてもよい。別の例では、器具(100)が2つのアクチュエータ(204)を含んでもよいように、第1の面(116)及び第2の面(117)の両方に位置付けられたアクチュエータ(204)が存在してもよい。
【0010】
図3に見られるように、第1の部分(102)は、第1の近位フレーム(110)と、ステープルカートリッジチャネル(122)と、ラッチレバー(180)と、を含む。第1の近位フレーム(110)は、近位端(103)からステープルカートリッジチャネル(122)内へ遠位に延在する。本実施例では、第1の近位フレーム(110)及びステープルカートリッジチャネル(122)は、一体構造を有する細長いカートリッジチャネル部材を画定するように一体的に形成される。ラッチレバー(180)は、ピン(182)を介してステープルカートリッジチャネル(122)又は第1の近位フレーム(110)のいずれかに枢動可能に連結される。第1の近位フレーム(110)は、操作者が好適な処置を行う間に操作者が器具(100)を制御することができるように、十分なグリップを促進するように構成されたハンドルカバー(108)と連結されてもよい。ハンドルカバー(108)は、本明細書の教示を鑑みた当業者に明らかであるように、任意の好適な手段によって第1の近位フレーム(110)と連結してよい。あるいは、ハンドルカバー(108)は、第1の近位フレーム(110)と一体的に連結されてもよく、又は更には省略されてもよい。
【0011】
第1の近位フレーム(110)は、発射アセンブリ(200)の作動ビーム(202)を摺動可能に収容するチャネルを画定する。近位端(103)は、1つ以上の側方ピン又は突起部(111)を含む。突起部(111)は、第1及び第2の部分(102、104)を最初に枢動可能に連結するために、第2の部分(104)の溝(115)を受容するように構成されている。本実施例では、突起部(111)は、ポスト(107)を介して第1の近位フレーム(110)の残りの部分から隆起しているが、これは単に任意選択のものである。例えば、突起部(111)は、第1の近位フレーム(110)の側壁を横切って側方に延在する単一のピンを含んでもよい。当然ながら、本明細書の教示を鑑みた当業者に明らかであるように、任意の好適な手段の最初に枢動で連結する第1の部分(102)及び第2の部分(104)が使用され得る。
【0012】
簡潔に上述したように、ステープルカートリッジチャネル(122)は、第1の近位フレーム(110)から遠位に延在する。図2にて見られるように、ステープルカートリッジチャネル(122)は、ステープルカートリッジアセンブリ(150)と選択的に連結及び分離するように寸法決めされる。ステープルカートリッジチャネル(122)は、底壁(126)と、底壁(126)の対向する端部から延在する2つの対向する側壁(124)と、を含む。壁(124、126)は、図4にて見られるように、ステープルカートリッジアセンブリ(150)の少なくとも一部を受容するように寸法決めされる。更に、側壁(124)は、ステープルカートリッジアセンブリ(150)の近位端によって画定される連結切欠き(140)を受容するように構成された、内側に延在する側方突出部(図示せず)を含む。連結切欠き(140)は、操作者がステープルカートリッジアセンブリ(150)をステープルカートリッジチャネル(122)に選択的に取り付ける及び取り外すことができるように、側壁(124)の内向きに延在する側方突出部(図示せず)とスナップ嵌め又は圧入するように寸法決めされてもよい。連結切欠き(140)及び内向きに延在する側方突出部(図示せず)を使用して、ステープルカートリッジアセンブリ(150)をステープルカートリッジチャネル(122)と選択的に連結させるが、本明細書の教示を鑑みた当業者に明らかであるように、任意の他の好適な連結手段を使用することができる。ステープルカートリッジチャネル(122)の側壁(124)はまた、ノッチ又は凹部(127)をそれぞれ画定するサイドフランジ(128)を含む。凹部(127)は、エンドエフェクタ(120)が第1の部分(102)に対して完全閉鎖位置にあるように(図10Dに示すように)第2の部分(104)が枢動するときに、第2の部分(104)のラッチ突起部(131)を受容するように寸法決めされる。
【0013】
簡潔に上述したように、ラッチレバー(180)は、ピボットピン(182)を介して第1の部分(102)の残りの部分に枢動可能に連結される。ラッチレバー(180)は、近位延在アーム(184)及び遠位ラッチ本体(188)を含む。近位延在アーム(184)がステープルカートリッジチャネル(122)に向かって遠位ラッチ本体(188)を枢動させるように、ピン(182)を中心に第1の近位フレーム(110)に向かって枢動でき、遠位ラッチ本体(188)が第2の部分(104)と係合し、第2の部分(104)を第1の部分(102)に向かって枢動させて、エンドエフェクタ(120)を部分的閉鎖位置(図10Cに示すように)から完全閉鎖位置(図10Dに示すように)まで移行させることができる。
【0014】
近位延在アーム(184)は、操作者が好適な処置を行う間に操作者がアーム(184)を把持し得るように、十分なグリップを促進するために近位延在アーム(186)と連結されてもよい。連結アーム(186)は、本明細書の教示を鑑みる当業者に明らかなように、任意の好適な手段によって近位延在アーム(184)と連結し得る。あるいは、アームカバー(186)は、近位延在アーム(184)と一体的に連結されてもよく、又は更には省略されてもよい。
【0015】
遠位ラッチ本体(188)は、一対のフック(189)を含む。遠位ラッチ本体(188)はまた、フック(189)に対して近位に位置する対応する一対のラッチ切欠き(185)を画定する。以下でより詳細に説明するように、各フック(189)は、第2の部分(104)の個々のラッチ突起部(131)と最初に接触し、次いで捕捉するように寸法決めされ、これにより、遠位ラッチ本体(188)は、各ラッチ突起部(131)の少なくとも一部の周囲に巻き付いて、第2の部分(104)を第1の部分(102)に向かって更に枢動させることができる。また、以下で更に詳細に説明するように、各ラッチ切欠き(185)は、エンドエフェクタ(120)が第1の部分(102)に対して閉鎖位置にあるときに、それぞれのラッチ突起部(131)を受容するように寸法決めされる。
【0016】
図4~6にて最もよく見られるように、ステープルカートリッジアセンブリ(150)は、各々がそれぞれのステープル(171)を駆動するように構成されたカートリッジ本体(152)、パン(154)、及び複数のステープルドライバ(168)を含む。カートリッジ本体(152)は、複数のステープル空洞(151)、スロット(156)、及び連結切欠き(140)を画定する。ステープルドライバ(168)及びそれぞれのステープル(171)は、対応するステープル空洞(151)の内部に摺動可能に収容される。第1の部分(102)及び第2の部分(104)が一緒に連結されると、ステープルカートリッジアセンブリ(150)及びステープルカートリッジチャネル(122)は、エンドエフェクタ(120)の一部を形成する。以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジアセンブリ(150)は、ステープルスレッドアセンブリ(160)がカートリッジアセンブリ(150)を通って作動し得て、エンドエフェクタ(120)の2つの半体の間に捕捉された組織を同時に切断及びステープル留めするために、発射アセンブリ(200)のステープルスレッドアセンブリ(160)を収容又は受容するように構成される。
【0017】
上述したように、カートリッジ本体(152)の連結切欠き(140)は、ステープルカートリッジチャネル(122)の側壁(124)の内側に延在する側方突出部(図示せず)とスナップ嵌めするように寸法決めされてもよく、これにより、操作者は、ステープルカートリッジアセンブリ(150)をステープルカートリッジチャネル(122)に選択的に取り付け、取り外すことができる。カートリッジ本体(152)は、遠位ノーズ(153)を含む。ステープルカートリッジアセンブリ(150)がカートリッジチャネル(122)と適切に連結されているとき、遠位ノーズ(153)は、カートリッジチャネル(122)から遠位に延在して非外傷性先端部を提供することができる。
【0018】
更に、カートリッジ本体(152)は、ステープルデッキ(158)を含む。ステープルデッキ(158)は、ステープル空洞(151)を部分的に画定し、ステープル空洞(151)は、カートリッジ本体(152)の内部からステープルデッキ(158)の開放端部に向かって延在する。ステープル空洞(151)はそれぞれ、対応するステープルドライバ(168)及びステープル(171)を収容する。同様に、ステープルデッキ(158)は、カートリッジ本体(152)の内部からステープルデッキ(158)の開放端部に向かって延在するスロット(156)を部分的に画定する。スロット(156)は、ステープルスレッドアセンブリ(160)がカートリッジ本体(152)を通って遠位方向に摺動する際に切断部材(164)が組織を切断し得るように、スレッド本体(162)の一部及びステープルスレッドアセンブリ(160)の切断部材(164)を摺動可能に受容するように寸法決めされる。
【0019】
パン(154)は、可撓性アーム(155)を含んでもよい。可撓性アーム(155)は、パン(154)がスナップ嵌め又は圧入の関係でカートリッジ本体(152)と連結することができるように、カートリッジ本体(152)と係合するよう構成され得る。パン(154)は、ステープルドライバ(168)及びステープル(171)がそれぞれのステープル空洞(151)内に挿入された後、カートリッジ本体(152)と連結することができる。したがって、パン(154)は、ステープルドライバ(168)の床として機能し得る。
【0020】
本実施例では、カートリッジ本体(152)は、ステープルカートリッジアセンブリ(150)の近位端付近に位置するスレッドアセンブリハウジング(170)を含む。スレッドアセンブリハウジング(170)は、発射アセンブリ(200)のステープルスレッドアセンブリ(160)を最初に収容するように構成されている。スレッドアセンブリハウジング(170)は、遠位に面する開口部を有する空洞(174)を画定する本体(172)を含む。本体(172)及び空洞(174)は、発射前にスレッドアセンブリ(160)の切断部材(164)を収容するように寸法決めされ、したがって、切断部材(164)のためのシースとして作用する。発射されると、切断部材(164)は、空洞(174)の遠位に面する開口部を介してスレッドアセンブリハウジング(170)から出ることができる。
【0021】
図7及び図8で最もよく見えるように、スレッドアセンブリ(160)は、スレッド本体(162)及び切断部材(164)を含む。切断部材(164)は、切断縁部(165)と、ロックアーム(166)とを含む。スレッド本体(162)は、切欠き(161)及びスロット(163)を画定する。スロット(163)は、切断部材(164)及びスレッド本体(162)が一緒に作動し得るように、切断部材(164)の一部を受容するように寸法決めされる。切断部材(164)は、スロット(163)との推論された嵌合を介して、接着剤の使用によって、スレッド本体(162)と連結することができ、又は任意の他の好適な方法が、本明細書の教示を鑑みる当業者に明らかである。あるいは、切断部材(164)は、本明細書の教示を鑑みる当業者に明らかであるように、一体的な接続、溶接などの任意の好適な方法によって、スレッド本体(162)と連結してもよい。切欠き(161)は、ステープルカートリッジアセンブリ(150)がステープルカートリッジチャネル(122)に適切に取り付けられたときに、作動ビーム(202)の遠位端(201)と連結するように寸法決めされる。したがって、適切に連結されると、作動ビーム(202)は、スレッドアセンブリ(160)をカートリッジ本体(152)を通って長手方向に駆動することができる。作動ビーム(202)は、例示的な使用中にスレッドアセンブリ(160)と連結されるため、作動ビーム(202)はまた、カートリッジ本体(152)によって画定されるスロット(156)内で摺動するように寸法決めされることを理解されたい。
【0022】
スレッド本体(162)はまた、カートリッジ本体(152)のステープル空洞(151)を通るそれぞれの細長い溝(図示せず)の内部で長手方向に摺動するように寸法決めされた複数のカム表面(167)を含む。具体的には、カム表面(167)は、ステープルドライバ(168)をステープルデッキ(158)に向かって作動させるために、ステープル空洞(151)内で、ステープルドライバ(168)の傾斜面(169)に対して係合及びカムするように構成されている。次いで、ステープルドライバ(168)は、対応するステープル(171)をステープル空洞(151)を通ってステープルデッキ(158)から離れるように駆動する。
【0023】
上述したように、ステープルスレッドアセンブリ(160)は、ステープルカートリッジアセンブリ(150)がステープルカートリッジチャネル(122)と好適に連結されたときに、発射アセンブリ(200)の残りの部分と連結するように構成される。本実施例では、発射アセンブリ(200)のステープルスレッドアセンブリ(160)は、カートリッジアセンブリ(150)と関連付けられ、カートリッジアセンブリ(150)が使用され廃棄された後に、ステープルスレッドアセンブリ(160)も同様にするようにする。したがって、追加のカートリッジアセンブリ(150)がステープルカートリッジチャネル(122)内に装填されるとき、新しいステープルスレッドアセンブリ(160)が存在する。ただし、これは単に任意選択的である。例えば、ステープルスレッドアセンブリ(160)は、同じステープルスレッドアセンブリ(160)が複数のステープルカートリッジアセンブリ(150)と共に複数回使用され得るように、発射アセンブリ(200)の残りの部分に固定されるか、ないしは別の方法で連結されてもよい。このような例では、カートリッジ本体(152)は、スレッドアセンブリハウジング(170)を必要としない。ステープルスレッドアセンブリ(160)がステープルカートリッジアセンブリ(150)、ステープルカートリッジチャネル(122)、又は第1の近位フレーム(110)のいずれかに組み込まれ得る様々な方法が、本明細書を鑑みる当業者に明らかである。
【0024】
図2及び図3に示されるように、器具(100)の第2の部分(104)は、第2の近位フレーム(114)と、アンビルチャネル(130)と、ラッチ突起部(131)と、アンビルプレート(134)と、を含む。第2の近位フレーム(114)は、アンビルチャネル(130)において溝(115)を画定する近位端から延在する。本実施例では、第2の近位フレーム(114)及びアンビルチャネル(130)は、一体構造を有する細長いアンビルチャネル部材を画定するように一体的に形成される。第2の近位フレーム(114)は、操作者が好適な処置を行う間に操作者が器具(100)を制御することができるように、十分なグリップを促進するように構成されたハンドルカバー(112)と連結されてもよい。ハンドルカバー(112)と第2の近位フレーム(114)は、本明細書の教示を鑑みた当業者に明らかであるように、任意の好適な手段によって互いに連結されてもよい。あるいは、ハンドルカバー(112)は、第2の近位フレーム(114)と一体的に連結されてもよく、又は更には省略されてもよい。第2の近位フレーム(114)はまた、エンドエフェクタ(120)が完全閉鎖位置にあるとき(図10Dに示すように)発射アセンブリ(200)の諸部分が第1の部分(102)及び第2の部分(104)に対して作動することを可能にするように構成されたチャネルを画定してもよい。
【0025】
第2の部分(104)は、遠位ノーズ(139)で遠位に終端する。遠位ノーズ(139)は、非外傷性先端部を設けるために、アンビルチャネル(130)から遠位に延在してもよい。図9に示すように、アンビルプレート(134)の近位端は、第1の部分(102)及び第2の部分(104)が互いに向かって枢動するとき、スレッドアセンブリハウジング(170)を受容するように寸法決めされた凹部(179)を画定する。以下でより詳細に説明するように、ラッチ突起部(131)は、アンビルチャネル(130)から側方に離れる方向に延在し、遠位ラッチ本体(180)と相互作用して、アンビルプレート(134)をステープルカートリッジアセンブリ(150)に向かって引き寄せるように寸法決めされる。
【0026】
アンビルプレート(134)は、複数のステープル成形ポケット(132)及びスロット(133)を画定する。ステープル成形ポケット(132)は、アンビルチャネル(130)がステープルカートリッジチャネル(122)に向かって完全閉鎖位置へと枢動されるときに、各ステープル成形ポケット(132)が対応するステープル空洞(151)と整列するように、アンビルプレート(134)に沿って位置付けられる(図1図10D、及び図11A図11Bに示すように)。したがって、スレッド本体(162)のカム表面(167)が、上記の説明に従ってステープルドライバ(168)を作動させると、ステープル(171)は、ステープル空洞(151)を通ってステープルデッキ(158)から離れるように、組織を通って、かつ対応するステープル成形ポケット(132)に対して駆動され、これにより、ステープル(171)は、略「U」字形から略「B」字形に変換されて、適切に組織をステープル留めするようにする。スロット(133)は、アンビルチャネル(130)が完全閉鎖位置へと枢動されるとき、スロット(133)は、ステープルカートリッジアセンブリ(150)のスロット(156)と側方に整列するように寸法決めされる(図1図10D、及び図11A図11Bに示すように)。スロット(133)は、例示的な使用中に切断部材(164)がアンビル表面(134)とステープルデッキ(158)との間に捕捉された組織を切断することができるように、ステープルスレッドアセンブリ(160)がステープルカートリッジアセンブリ(150)を通して駆動される際に、切断部材(164)の一部を摺動可能に受容するように寸法決めされる。
【0027】
図9で最もよく分かるように、本実施例の器具(100)の第2の部分(104)は、ステープル高調整機構(136)を更に含む。調整機構(136)は、例えば1つ以上のカム特徴部(図示せず)を介してアンビルプレート(134)と動作可能に連結され、一対の使用者が係合可能な突起部(138)を含む。調節機構(136)は、アンビルチャネル(130)に対して、アンビルプレート(134)をアンビルチャネル(130)に対して上げるか下げるために、2つ以上の長手方向位置の間で選択的に移動可能であり、それによって、第1及び第2の器具部分(102、104)が完全閉鎖位置で一緒に連結されるときに、アンビルプレート(134)とステープルデッキ(158)との間の間隙距離(又は「組織間隙」)を調節する。より厚い厚さの組織をステープル留めするために、より長い間隙距離、したがってより高いステープルの高さを、設けてもよい。同様に、より薄い厚さの組織をステープル留めするために、より短い間隙距離、したがってより低いステープルの高さを設けてもよい。ステープル高調整機構(136)は単に任意選択のものであり、他の実施例では省略されてもよいことが理解されるであろう。器具(100)のいくつかの変形形態では、アンビルプレート(134)の形態で示されるアンビル表面は、アンビルチャネル(130)に対して固定されてもよい。例えば、アンビル表面は、アンビルチャネル(130)と一体的に形成されてもよい。
【0028】
外科用リニアカッティングステープラ(100)は、2011年3月15日発行の「Surgical Stapling Instrument with Cutting Member Arrangement」と題された米国特許第7,905,381号;2011年6月7日発行の「Surgical Stapler with Apparatus for Adjusting Staple Height」と題された米国特許第7,954,686号;2013年1月8日発行の「Surgical Stapler Having A Closure Mechanism」と題された米国特許第8,348,129号;及び2014年7月29日発行の「Linear Cutting and Stapling Device with Selectively Disengagable Cutting Member」と題された米国特許第8,789,740号の1つ以上の教示に従って更に構成され、動作可能であってもよい。これらの参考文献のそれぞれの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
図10A図11Bは、器具(100)の例示的な使用を示す。詳細には、図10A~10Dは、第1の部分(102)と第2の部分(104)との例示的な連結を示し、エンドエフェクタ(120)が開放位置(図10B)から部分的閉鎖位置(図10C)に移行し、最後に完全閉鎖位置(図10D)へと移行するようにする、第1の部分(102)と第2の部分(104)との枢動を示す。図11A図11Bは、エンドエフェクタ(120)が完全閉鎖位置にあるときの器具(100)の例示的な発射を示す。
【0030】
図10Aは、第2の部分(204)から完全に取り外された第1の部分(102)を示す。更に、ステープルカートリッジアセンブリ(150)は、上の説明に従ってステープルカートリッジチャネル(122)に好適に取り付けられる。この時点では、胃腸吻合中などの処置の最中の操作者は、組織の内腔がアンビルプレート(134)及びカートリッジアセンブリ(150)の両方と適切に関連付けられるように、第2の部分(104)及びカートリッジアセンブリ(150)の各遠位ノーズ(139、153)の上に、及びそれを越えて、組織の内腔を配置することを望む場合がある。この時点では、操作者は、第1の部分(102)を第2の部分(104)と最初に枢動可能に連結する準備において、第2の部分(104)の溝(115)を第1の部分(102)の対応する側方突出部(111)と整列させることができる。
【0031】
次に、図10Bに示すように、操作者は、第1の部分(102)及び第2の部分(104)が枢動可能に連結されるが、エンドエフェクタ(120)が開放位置にあるように、側方突出部(111)を対応する溝(115)に挿入することができる。第1の部分(102)及び第2の部分(104)は、側方突出部(111)によって画定される軸を中心に互いに対して枢動することができる。この時点では、ラッチレバー(180)は、第2の部分(104)のいずれの部分とも接触していない。加えて、ラッチレバー(180)は、近位延在アーム(184)が第1の近位フレーム(110)から離れるように枢動するように、開放位置にある。
【0032】
次に、図10Cに示すように、操作者は、最初にアンビルチャネル(130)及びアンビルプレート(134)をカートリッジチャネル(122)及びステープルカートリッジアセンブリ(150)に向かって枢動させ、フック(189)が最初にラッチ突起部(131)に接触するようにラッチレバー(180)を部分的に枢動させることができる。この時点では、エンドエフェクタ(120)は、部分的閉鎖位置にある。図10C図10D間で最もよく示されるように、フック(189)が最初にラッチ突起部(131)に接触した後、操作者は、近位延在アーム(184)を第1の近位フレーム(110)に向かって更に回転させて、遠位ラッチ本体(188)が、ラッチ突起部(131)を、遠位ラッチ本体(188)の表面に沿ってラッチ切欠き(185)に向けて駆動することができる。ラッチ突起部(131)がラッチ切欠き(185)に向かって駆動されると、アンビルチャネル(130)及びアンビルプレート(134)は、エンドエフェクタ(120)が閉鎖位置にあるように、カートリッジチャネル(122)及びステープルカートリッジアセンブリ(150)に向かって更に回転する。更に、ラッチ突起部(131)はまた、各ラッチ突起部(131)がそれぞれのラッチ切欠き(185)と凹部(127)との組み合わせによって包囲され、エンドエフェクタ(120)を閉鎖位置に効果的にラッチするように、ステープルカートリッジチャネル(122)の凹部(127)に向かって駆動される。ラッチ切欠き(185)及び凹部(127)は、エンドエフェクタ(120)は完全閉鎖位置にある間に、ラッチ突起部(131)とインターフェースするように寸法決めされてもよく、その結果、ラッチ突起部(131)及び枢動ピン(182)が、器具(100)の長手方向軸と実質的に垂直である垂直軸(VA)に沿って延在する。これは、好適な使用中の閉鎖力の強化に対して機械的な利点を提供し得る。
【0033】
図11A図11Bは、完全閉鎖位置にあるエンドエフェクタ(120)を有する器具(100)の例示的な発射を示す。図11Aで最も良く見えるように、操作者は、アクチュエータ(204)を器具(100)のいずれかの面(116、117)に枢動させることができる。本実施例では、アクチュエータ(204)は、器具(100)の第2の面(117)に枢動されている。次に、操作者は、作動ビーム(202)及びスレッド(160)が発射されるように、アクチュエータ(204)をスロット(118)内のエンドエフェクタ(120)に向かって遠位に押すことができ、それにより上記の説明に従って、ステープル留めデッキ(158)とアンビルプレート(134)との間に捕捉された組織をステープル留め及び切断する。器具(100)が発射されると、操作者はアクチュエータ(204)を図11Aに示す位置に近位に引いて戻し、次いでアクチュエータ(204)を図1に示す位置に戻すように回転させ、したがって、発射ストロークを完了することができる。次いで、操作者は、近位延在アーム(184)が第1の近位フレーム(110)から離れるようにラッチレバー(180)を枢動して、エンドエフェクタ(120)を完全閉鎖位置から部分的閉鎖位置へと開放することができる。操作者は、ラッチレバー(180)を更に枢動させて、遠位ラッチ本体(188)がラッチ突起部(131)をもはや捕捉しないようにしてもよい。次いで、操作者は、所望であれば、第1の部分(102)及び第2の部分(104)を互いに分離し、ステープルカートリッジアセンブリ(150)を交換することができる。
【0034】
II.二面発射レバーを有する例示的なリニアカッティングステープラ
上述したように、アクチュエータ(204)は、枢動アーム(206)を介して作動ビーム(202)の遠位端(201)に枢動可能に連結されてもよい。したがって、操作者は、発射アセンブリ(100)を作動させるために、図1に示すように、アクチュエータ(204)を完全近位位置から第1の面(116)又は第2の面(117)のいずれかに枢動させることができる。しかし、枢動アーム(206)はアクチュエータ(204)を作動ビーム(202)に接続するので、作動ビーム(202)を並進させるためにアクチュエータ(204)を押す力は、枢動アーム(206)が、発射中に枢動アーム(206)に付与された力に起因して、破断又はスナップ留めすることを惹起できる。アクチュエータ(204)は、発射中に作動ビーム(202)から側方にオフセットされるので、枢動アーム(206)の中の曲げモーメントが誘導でき、これはまた、発射中に枢動アーム(206)の破断又はスナップにつながり得る。枢動アーム(206)は、器具の側面(116、117)のいずれかに枢動するように寸法決めされるため、枢動アーム(206)が器具(100)の反対の側面(116、117)に向かって回転することを妨げ得るため、例示的な使用の間に破断するのを防ぐべく枢動アーム(206)を1つの側面(116、117)で構造的に補強することが困難であり得る。
【0035】
あるいは、上述したように、アクチュエータ(204)は、器具の1つの側面(116、117)に厳密に限定されてもよく、それにより、アクチュエータ(204)を作動ビーム(202)に接続するアーム又はビームを構造的に強化することができる。しかし、器具の一方の面に限定された単一のアクチュエータ(204)を有することにより、操作者が発射中に器具(100)の第1の部分(102)及び第2の部分(104)を把持し得る方法の総計を制限し得る。例えば、場合によっては、操作者は、アクチュエータ(204)が摺動可能に連結されているのと反対側にある器具(100)の側面(116、117)で、発射アセンブリ(200)を作動させることが、より好都合であることを見出すことができる。
【0036】
あるいは、同様に上述したように、器具(100)は、作動ビーム(202)の近位端(201)に取り付けられた2つのアクチュエータ(204)を有してもよく、1つのアクチュエータ(204)は第1の面(116)に位置し、他方のアクチュエータ(204)は第2の面(117)に位置する。しかし、両方のアクチュエータ(204)が作動ビーム(202)の近位端(201)に取り付けられているため、操作者が作動ビーム(202)を発射するために第1の手で1つのアクチュエータ(204)を把持すると、器具(100)の他方の側面に位置するアクチュエータ(204)もまた、作動ビーム(202)と共に移動する。把持されていないアクチュエータ(204)の並進は、操作者が第2の手で器具(100)の第1及び第2の部分(102、104)にある把持部と干渉し得る。例えば、把持されていないアクチュエータ(204)は、第1及び第2の部分(102、104)を制御する第2の手の掌に対して摺動することができる。
【0037】
したがって、望ましいことに、1つのアクチュエータが他方のアクチュエータと比較してリニアステープラの反対の面からアクセス可能である一対のアクチュエータを有する発射アセンブリを設けることができる。加えて、上の説明に従って、例示的な使用中、把持されたアクチュエータが作動ビームを駆動する間に、把持されていないアクチュエータが近位位置に留まるようにすることが望ましい場合がある。あるいは、1つのアクチュエータが各々の側面からアクセス可能であり、両方のアクチュエータが作動ビームに連結される、一対のアクチュエータを有する発射アセンブリを設けることが望ましい場合がある。しかし、上記の例とは異なり、把持されていないアクチュエータが、作動ビームに向かって側方内側に延在して、例示的な使用中に第1及び第2の部分(102、104)の把持を妨げないように、非突出の外形を設けることが更に望ましい場合がある。
【0038】
A.独立した作動の両面発射レバーの例示的な発射アセンブリ
図12図14は、各々上述した発射アセンブリ(200)と第1の部分(102)の近位端(103)の代わりとなる、器具(100)に容易に組み込まれ得る例示的な代替的発射アセンブリ(300)と、例示的な代替の第1の部分(350)の例示的な代替的な近位端(352)とを示す。第1の部分(350)は、第1の近位フレーム(351)及び近位キャップ(370)を含み、一方で発射アセンブリは、第1のレバー(310)(すなわち、アクチュエータ又は発射ノブ)と、第2のレバー(320)(すなわち、アクチュエータ又は発射ノブ)と、ステープルスレッドアセンブリ(342)内に遠位に延在する作動ビーム(330)と、を含む。
【0039】
以下により詳細に記載されるように、第1のレバー(310)及び第2のレバー(320)は、第1の部分(350)の反対の面に関連付けられる。第1のレバー(310)及び第2のレバー(320)は、完全近位位置(図12図13図23A、及び図24Aに示すように)から、互いに独立して発射前の側方位置(図23B及び図24Bに示されるように)に枢動するように構成されている。更に、以下でより詳細に説明するように、第1のレバー(310)及び第2のレバー(320)は、互いに独立して発射前の側方位置と発射済み位置との間で長手方向に作動するように構成され、上記の説明に従って、作動ビーム(330)及びステープルスレッドアセンブリ(342)を駆動して、エンドエフェクタ(120)間に捕捉された組織をステープル留め及び切断する。加えて、側方位置に対して枢動しないレバー(310、320)は、作動ビーム(330)の発射中、完全近位位置に留まることができる。レバー(310、320)はまた、レバー(310、320)のスナップを防止するのを助けるために、構造的に強化されてもよい。したがって、操作者は、レバー(310、320)を使用して作動ビーム(330)を発射できる一方で、他のレバー(310、320)は、妨害されない位置に留まる。
【0040】
近位キャップ(370)は、停止ブロック(374)及びロック突出部(374)を含む。以下でより詳細に説明するように、停止ブロック(374)は、レバー(310、320)が発射アセンブリ(300)及び第1の部分(350)が適切に組み立てられた後に第1の部分(350)と切り離され得ないように、第1及び第2のレバー(310、320)の遠位並進を防止するように寸法決めされる。また、以下で更に詳細に説明するように、ロック突出部(374)は、レバー(310、320)が完全近位位置にあるときに、レバー(310、320)の第1の部分(350)に対する望ましくない移動又は偶発的な移動を防止するために、レバー(310、320)の選択された部分と相互作用するように構成される。
【0041】
第1の近位フレーム(351)は、上記の第1の近位フレーム(110)と実質的に類似していてもよく、違いは以下で詳述される。したがって、第1の近位フレーム(351)は、一体構造の細長いカートリッジチャネル部材を画定するために、ステープルカートリッジチャネル(122)内に遠位に延在し得る。上述の第1の近位フレーム(110)と同様に、第1の近位フレーム(351)は、発射アセンブリ(300)の作動ビーム(330)を摺動可能に収容するチャネル(358)を画定する。チャネル(358)は、近位キャップ(370)の停止ブロック(372)を受容するように寸法決めされた開放近位端(359)で終端する。示されていないが、近位端(352)は、第2の部分(104)と最初に枢動可能に連結するために、1つ以上の側方ピンを含んでもよい。
【0042】
第1の近位フレーム(351)は、プラットフォーム(368)と、第1の面(354)と、第2の面(356)と、を含む。プラットフォーム(368)は、発射アセンブリ(300)が作動されている間に第1及び第2のレバー(310、320)を摺動可能に支持するように寸法決めされる。しかし、プラットフォーム(368)は単に任意のものであることを理解されたい。器具(100)が第1の部分(102)を有し、第2の部分(103)は、アクチュエータ(204)の並進に適応するスロット(118)を協働するように画定しているが、第1の近位フレーム(351)の第1の面(354)は、上部スロット(360)を画定し、第1の近位フレーム(351)の第2の面(356)は、下部スロット(362)を画定する。上部スロット(360)及び下部スロット(362)は、第1のレバー(310)及び第2のレバー(320)をそれぞれ摺動可能に収容する。上部スロット(360)及び下部スロット(362)は、作動ビーム(330)が上記の説明に従って発射ストロークを完了し得るように、第1の近位フレーム(351)に沿って適切な距離を遠位に延在することを理解されたい。
【0043】
以下でより詳細に説明するように、上部スロット(360)及び下部スロット(362)は、第1のレバー(310)及び第2のレバー(320)が作動ビーム(330)と適切に連結できるように、互いに垂直にオフセットされる。上部スロット(360)及び下部スロット(362)の両方は、初期連結窓(364)及び枢動ロック窓(366)を画定する。以下で更に詳細に説明するように、初期連結窓(364)は、レバー(310、320)を作動ビーム(330)と最初に枢動可能にかつ摺動可能に連結するために、レバー(310、320)の一部分を受容するように寸法決めされる。枢動ロック窓(366)は、レバー(310、320)が側方に延在する位置へと枢動するときにレバー(310、320)の一部分を受容するように寸法決めされる。
【0044】
図15図16は、作動ビーム(330)の例示的な近位端を示す。作動ビーム(330)は、第1の部分(350)のチャネル(358)内に摺動可能に収容される。作動ビーム(330)及びステープルスレッドアセンブリ(342)は、それぞれ、上述した作動ビーム(202)及びステープルスレッドアセンブリ(160)と実質的に同様であり得、違いは以下で詳述されることを理解されたい。したがって、作動ビーム(330)は、上述の作動ビーム(202)の遠位端(201)と実質的に同様である遠位端(340)に向かって第1の部分(250)のチャネル(358)を通って遠位に延在するビーム部分(344)を含む。したがって、作動ビーム(330)の遠位端(340)は、ステープルスレッドアセンブリ(342)と選択的に連結するように構成されてもよい。あるいは、作動ビーム(330)の遠位端は、ステープルアセンブリ(342)を含み得る。いくつかの図では、明確にするために、ビーム部分(344)及びステープルスレッドアセンブリ(342)は省略されていることを理解されたい。
【0045】
図15図16に最もよく見られるように、作動ビーム(330)の近位端は、第1及び第2の回転ロックポケット(334、335)を画定する近位本体(332)と、本体(332)から離れるように延在する枢動ポスト(336)と、本体(332)から離れるように延在する把持ポスト(338)と、を含む。第1及び第2の回転ロックポケット(334、335)は、作動ビーム(330)が発射前の近位位置にあるときに、各々上部スロット(360)及び下部スロット(362)の枢動ロック窓(366)と位置合わせするように寸法決めされる(図12図13図20A図20D図23A図23B、及び図24A図24Bに示すように)。第1及び第2の回転ロックポケット(334、335)は、枢動ポスト(336)と好適に関連付けられたときに互いに垂直にオフセットされたレバー(310、320)のそれぞれの部分を受容するために、互いにまた垂直にオフセットされる。また、以下で更に詳細に説明するように、枢動ロック窓(366)及びロックポケット(334、335)は、レバー(310、320)が側方の、発射前の位置へと枢動するとき、レバー(310、320)の一部をそれぞれ受容するように寸法決めされる。レバー(310、320)のいずれかが側方位置にあり、遠位に作動されると、そのレバー(310、320)は、作動ビーム(330)及び第1の近位フレーム(310)に対して側方に延在する位置に制限される。また、以下で更に詳細に説明するように、枢動ポスト(336)及び把持ポスト(338)は、レバー(310、320)が、上述の説明に従って発射ストロークを通して作動ビーム(330)を駆動することができるように、レバー(310、320)と相互作用するように構成される。
【0046】
図17図18は第1のレバー(310)を示し、対して図19は第2のレバー(320)を示す。第1のレバー(310)は、第1の近位フレーム(351)の第1の面(354)に関連付けられ、一方、第2のレバー(320)は、第1の近位フレーム(351)の第2の面(356)と関連付けられる。第1のレバー(310)は、把持本体(312)と、回転ロック本体(314)と、枢動半体スリーブ(316)と、発射半体スリーブ(318)と、を含む。第1のレバー(310)の把持本体(312)はまた、ロック凹部(311)と開放端部(317)とを部分的に画定する傾斜面(313)を含み、これは、ロック突出部(374)と相互作用してレバー(310)を完全近位位置に選択的にロックするように構成されている。
【0047】
枢動半体スリーブ(316)は、作動ビーム(330)が近位位置にあるとき、又は第1のレバー(310)が発射ストロークを通して作動ビーム(330)を駆動しているときに、枢動ポスト(336)と枢動可能に連結するように寸法決めされる。発射半体スリーブ(318)は、第1のレバー(310)が側方位置に枢動されるときに、把持ポスト(338)をグリップするように寸法決めされる。第1のレバー(310)の発射半体スリーブ(318)と作動ビーム(330)の把持ポスト(338)との間の相互作用は、例示的な使用中にレバー(310)がスナップするのを防止するのを助けることができる追加的な構造的な支えを提供し得る。枢動半体スリーブ(316)及び発射半体スリーブ(318)は、上部スロット(360)内に挿入されるように寸法決めされる。例示的な使用中に、発射半体スリーブ(318)は上部スロット(360)の内外に枢動するように寸法決めされているが、枢動半体スリーブ(316)は異なる。適切に組み立てられると、停止ブロック(372)は、枢動半体スリーブ(316)が初期連結窓(364)と長手方向に整列されないように、初期連結窓(364)と長手方向に整列される。上部スロット(360)の全ての他の部分は、最初に、初期連結窓(364)が半体スリーブ(316)を通って移動するために枢動するには小さすぎることを予期する。したがって、停止ブロック(372)が適切に組み立てられると、上部スロット(360)及び枢動半体スリーブ(316)により、第1のレバー(310)はチャネル(358)内に拘束される。
【0048】
回転ロック本体(314)及び把持本体(312)は、回転ロックチャネル(315)を協働するように画定する。回転ロック本体(314)は、第1のレバー(310)が完全近位位置(図23A及び図24Aに示されるように)から枢動され、側方に延在する発射前の位置(図23B及び図24Bに示されるように)に入るとき、上部スロット(360)の枢動ロック窓(366)を通って第1の回転ロックポケット(334)に挿入されるように寸法決めされる。回転ロック本体(314)は、レバー(310)が側方に延在する位置にあるときにレバー(310)を回転してロックし、遠位に作動させるように構成されている(図23C及び図24Cに示されるように)。具体的には、回転ロック本体(314)は、第1の面(354)の内面と第1の回転ロックポケット(334)との間に限定される。換言すれば、レバー(310)が側方に延在する位置にある間に遠位に作動されると、回転ロックチャネル(315)は、第1の近位フレーム(351)の第1の面(354)を受容し得る。したがって、レバー(310)は、レバー(310)が側方に延在する位置で遠位に作動されるとき、枢動ポスト(336)の周りを枢動しないことがある。加えて、側方に延在する位置にある間にレバー(310)が遠位に作動されると、回転ロック本体(314)はまた、例示的な使用中にレバー(310)がスナップを防止するのを助けるために、構造的支持を与えることができる。
【0049】
第2のレバー(320)は、第1のレバー(310)と実質的に同様であり、違いは以下に詳述される。したがって、第2のレバー(320)は、把持本体(322)と、回転ロック本体(324)と、枢動半体スリーブ(326)と、発射半体スリーブ(328)と、を含み、これらは上述の把持本体(312)、回転ロック本体(314)、枢動半体スリーブ(316)、及び発射半体スリーブ(318)各々と実質的に同様である。第2のレバー(320)の把持本体(322)はまた、ロック凹部(321)及び開放端部(327)を部分的に画定する傾斜面(323)を含み、これらは各々上記の傾斜面(313)、ロック凹部(311)、及び開放端部(317)と実質的に同様である。加えて、把持本体(322)及び回転ロック本体(314)は、上述の回転ロックチャネル(315)と実質的に同様の回転ロックチャネル(325)を画定する。
【0050】
第2のレバー(320)は、回転ロック本体(324)、枢動半体スリーブ(326)、及び発射半体スリーブ(328)が、下部スロット(362)を通って嵌合するために、把持本体(322)の底部に位置し、一方で、回転ロック本体(314)、枢動半体スリーブ(316)、及び発射半体スリーブ(318)は、上部スロット(360)を通って嵌合するために、把持本体(312)の上部に位置する点で、第1のレバー(310)と異なる。この垂直の位置のずれは、作動ビーム(330)が近位の発射前の位置にあるとき、枢動半体スリーブ(316、326)両方が枢動ポスト(336)と連結することを可能にする。加えて、垂直の位置のずれは、所望であれば、第1のレバー(310)及び第2のレバー(320)の両方が、枢動ポスト(336)及び把持ポスト(338)を同時に把持することを可能にする。したがって、所望であれば、操作者は、操作者が発射アセンブリ(300)を駆動するためにレバー(310、320)の両方を作動させることができるように、レバー(310、320)両方を完全近位位置から側方に延在する位置に枢動させることができる。
【0051】
図20A図20Dは、第1のレバー(310)を第1の部分(350)及び作動ビーム(330)に取り付ける例示的な組み立てプロセスを示す。第2のレバー(320)が上部スロット(360)ではなく下部スロット(362)と関連付けられていることを除き、第2のレバー(320)は、実質的に同様の方法で第1の部分(350)と組み立てられてもよいことを理解されたい。図20Aは、第1の近位フレーム(351)から取り外された近位キャップ(370)及び第1のレバー(310)を示す。枢動半体スリーブ(316)は、初期連結窓(364)と好適に整列される。近位キャップ(370)が第1の近位フレーム(351)から取り外されるため、停止ブロック(372)は、初期連結窓(364)からの側方アクセスを現在妨害しない。したがって、図20Bで最も良く見えるように、枢動半体スリーブ(316)は、初期連結窓(364)を介してチャネル(358)に挿入されてもよい。次に、図20Cに示すように、レバー(310)は近位方向に並進することができ、これにより、枢動半体スリーブ(316)は、作動ビーム(330)の枢動ポスト(336)と枢動可能に連結する。次に、図20Dに示すように、係止ブロック(372)が初期連結窓(364)を妨害するように、開放近位端(359)内に停止ブロック(372)を挿入することによって、近位キャップ(370)が第1の近位フレーム(351)と連結され得る。この時点では、第1のレバー(310)は、枢動ポスト(336)と枢動可能に連結され、一方で、上部スロット(360)を介して、第1の近位フレーム(351)と摺動可能に連結されている。
【0052】
上述したように、第1のレバー(310)は、ロック凹部(311)及び開放端部(317)を部分的に画定する傾斜面(313)を含み、一方で第2のレバー(320)は、ロック凹部(321)及び開放端部(327)を部分的に画定する傾斜面(323)を含む。ロック凹部(311、321)、開放端部(317、327)、及び傾斜面(313、323)は、ロック突出部(374)と相互作用して、レバー(310、320)が、例示的な使用中にレバー(310、320)が偶発的に枢動するか、完全近位位置から離れるように作動するのを防ぐように、完全近位位置で選択的にロックするよう構成されている。図21図22Bは、第1のレバー(310)を完全近位位置に選択的にロックするための、ロック凹部(311)、傾斜面(313)、及び開放端部(317)の例示的な使用を示す。しかし、第2のレバー(320)は、実質的に同様の方法で操作することができることを理解されたい。
【0053】
図22Aに示されるように、開放端部(317)は、レバー(310)が完全近位位置に向かって枢動するときに、ロック突出部(374)を受容するように寸法決めされ、これにより、ロック突出部(374)は傾斜面(313)に対してバットすることができる。図21は、ロック突出部(374)が開口部内にないときに第1の部分的に側方に延在する位置まで枢動された第1のレバー(310)を示す。図22Bに最もよく示されるように、操作者は更に、レバー(310)を完全近位位置に向かって枢動させてもよく、そのようなロック突出部(374)は、もはや傾斜面(313)に当接していないが、ロック凹部(311)内に収容され、第1のレバー(310)を効果的に係止する。ロック突出部(374)とロック凹部(311)との間の相互作用は、第1のレバー(310)が偶発的に枢動又は完全近位位置から離れるように作動することを防止するのに役立ち得る。第1のレバー(310)が完全近位位置にロックされると、突出部(374)がロック凹部(311)内に収容されることにより、第1のレバー(310)は遠位に並進せずともよい。しかし、操作者が第1のレバー(310)を側方に延在する位置に枢動させることを望む場合、操作者は、第1のレバー(310)を側方外側に枢動させて、突出部(374)が傾斜面(313)に対して乗り上げて、第1のレバー(310)をロック突出部(374)から「ロック解除」するよう駆り立てることができる。換言すれば、第1のレバー(310)は、図22Bに示される「ロック」位置と、スナップ嵌め又は締まり嵌め機構を介して、図21に示される「ロック解除」位置との間で枢動することができる。本実施例では、ロック凹部(311)及びロック突出部(374)は、ロック位置とロック解除位置との間でレバー(310)を移行させるために使用されているが、本明細書の教示を鑑みる当業者に明らかであるように、任意の他の好適な手段を使用することができる。
【0054】
図23A図24Cは、発射アセンブリ(300)の例示的な使用を示す。図23A及び図24Aは、近位、発射前の位置の両方の第1及び第2のレバー(310、320)を示す。この時点では、レバー(310、320)の両方が、上記の説明に従って「ロック位置」にあることを理解されたい。次に、エンドエフェクタ(120)が上記の説明に従って組織を適切に把持した後、操作者は、エンドエフェクタ(120)間に捕捉された組織をステープル留め及び切断することを望む場合がある。したがって、図23A図23B図24A図24Bとの間に示されるように、操作者は、レバー(310)を近位の発射前の位置から側方に延在する発射前位置に枢動させて、把持半体スリーブ(318)が上部スロット(360)を介してチャネル(358)内に延在して、把持ポスト(338)に連結されて、回転ロック本体(314)が枢動ロック窓(366)を通って第1の回転ロックポケット(334)に挿入される。第1のレバー(310)は、図23B及び図24Bに示されるように、側方の発射前位置へと枢動され、第2のレバー(320)は、「ロックされた」近位の発射前の位置に留まることができることを理解されたい。本実施例では、操作者は、発射アセンブリ(300)を作動させるために第1のレバー(310)を使用するが、操作者はまた、第2のレバー(320)を使用してもよく、又は更には所望であればレバー(310、320)両方を使用してもよいことを理解されたい。
【0055】
次に、図23C及び図24Cに示すように、操作者は、上の説明に従ってエンドエフェクタ(120)間に捕捉された組織をステープル留め及び切断するために、レバー(310)及び作動ビーム(330)を遠位に作動させてもよい。第2のレバー(320)は、本実施例における発射プロセス中に、近位の発射前の位置に留まることを理解されたい。したがって、第2のレバー(320)は、例示的な使用中、器具(100)を把持する操作者を妨げられない。また、作動ビーム(330)が遠位に前進している間、第2のレバー(220)の把持半体スリーブ(228)は、もはや把持ポスト(338)と連結されないことも理解されたい。しかし、ひとたび作動ビーム(330)が発射サイクルを完了し、近位位置へと戻るように作動されると、把持ポスト(338)及び把持半体スリーブ(228)は回復し得る。
【0056】
B.非突出の外形の二面発射レバーを有する例示的な発射アセンブリ
図25は、上述のリニアカッティングステープル(100)の交換に使用され得る、代替の例示的なリニアカッティングステープラ(400)を示す。ステープラ(400)は、第1の部分(402)と、第2の部分(404)と、エンドエフェクタ(420)と、を含み、上述の第1の部分(102)、第2の部分(104)、及びエンドエフェクタ(120)と実質的に同様であり、以下に詳述する相違点を有する。したがって、ステープラ(400)は、上記の第1の面(116)、第2の面(117)、及びスロット(118)と実質的に同様であるスロット(418)を画定する第1の面(416)及び第2の面(417)を有する。更に、器具(400)は、近位端(403)と、アンビル(430)と、ステープルカートリッジチャネル(422)と、ステープルカートリッジアセンブリ(450)と、ステープルデッキ(458)と、ラッチレバー(480)と、アームカバー(486)と、を有し、これらはそれぞれ上述した近位端(103)、アンビル(130)、ステープルカートリッジチャネル(122)、ステープルカートリッジアセンブリ(150)、ステープルデッキ(158)、ラッチレバー(180)、及びアームカバー(186)と実質的に同様である。
【0057】
本実施例におけるステープラ(400)は、近位本体(503)と、作動ビーム(502)と、ステープルスレッドアセンブリ(501)と、を備える発射アセンブリ(500)を有する。作動ビーム(5020及びステープルスレッドアセンブリ(501)は、上述の作動ビーム(202)及びステープルスレッドアセンブリ(160)と実質的に同様であり得る。しかし、近位本体(503)は、摺動連結アーム(506)を摺動可能に収容する横方向チャネル(505)を画定する。摺動連結アーム(506)は、第1のピン(508)及び第2のピン(509)を含む。第1のピン(508)は、第1の面(416)に位置する第1のレバー(510)と関連付けられ、一方、第2のピン(509)は、第2の面(417)に位置する第2のレバー(514)と関連付けられる。以下でより詳細に説明するように、第1のレバー(510)及び第2のレバー(514)は、両方とも近位本体(503)及び作動ビーム(502)と連結されており、これにより、例示的な使用中に両方のレバー(510、520)が作動ビーム(502)及びステープルスレッドアセンブリ(501)と共に作動する。しかし、以下でまた更に詳細に説明するように、第1のレバー(510)及び第2のレバー(514)は、それぞれピン(508、509)と枢動可能に連結され、1つのレバー(510、514)が側方に延在する位置へと枢動されるときに、他方のレバー(510、514)は、上の説明による発射ストローク中に非突出位置へと内側に枢動され、内側に枢動されたレバー(510、514)が器具(400)を把持する操作者を妨げないようにする。
【0058】
具体的には、各レバー(510、520)は、カムスロット(512、516)を画定し、ピン(508、509)をそれぞれ収容する。カムスロット(512、516)は、それぞれのレバーが側方に延在する位置に枢動されると、ピン(508、509)と接触するように構成される。例えば、図26Aは、近位の発射前の位置にある第1のレバー(510)及び第2のレバー(514)の両者を示す。図26Bに示すように、操作者は、発射アセンブリ(500)を作動させるために第2のレバー(514)を作動させる準備において、第2のレバー(514)を側方に延在する位置に枢動させることができる。第2のレバー(514)が側方に延在する位置へと枢動すると、カムスロット(516)はピン(509)と接触し、それによってピン(509)を近位本体(503)から側方に離れるように押す。結果として、摺動連結アーム(506)は、近位本体(503)の横方向チャネル(505)内で摺動し、それによってピン(508)を近位本体(503)に向かって摺動させる。これにより、ピン(508)は、発射中にレバー(510)を近位本体(503)に向かって非突出の外形に回転させるために、カムスロット(512)と接触する。したがって、使用者が、上記の説明に従って第2のレバー(514)を作動させて発射アセンブリ(500)を作動させると、第1のレバー(510)は器具(400)の把持を妨げない場合がある。
【0059】
図26Cに示すように、操作者は、第2のレバー(510)を作動させて発射アセンブリ(500)を作動させる準備において、第1のレバー(510)を側方に延在する位置に枢動させることができる。第1のレバー(510)が側方に延在する位置へと枢動すると、カムスロット(512)はピン(508)と接触し、それによってピン(508)を近位本体(503)から離れるように側方に押す。結果として、摺動連結アーム(506)は、近位本体(503)の横方向チャネル(505)内で摺動し、それによってピン(509)を近位本体(503)に向かって摺動させる。これにより、ピン(509)は、発射中にレバー(514)を近位本体(503)に向かって非突出の外形にレバー(514)を回転させるために、カムスロット(516)と接触する。したがって、使用者が、上記の説明に従って第1のレバー(510)を作動させて発射アセンブリ(500)を作動させると、第2のレバー(514)は器具(400)の把持を妨げられない。
【0060】
図27は、上述したレバー(510、514)の代わりに、発射アセンブリ(500)に容易に組み込まれ得る代替レバー(518)を示す。本実施例における代替レバー(518)は、上述のレバー(510、514)と実質的に同様であり得る。ただし、このレバー(518)がカムスロット(520)及びロックスロット(522)を画定し、一方で、摺動連結アーム(506)が代替ピン(507)を有することを除いてのことである。代替レバー(518)は、上記のレバー(510、514)と実質的に同様に動作し得る。それは、側方に延在する位置へと枢動すると、カムスロット(520)がピン(507)と相互作用して、上述の摺動連結アーム(506)を作動させる点においてである。しかし、レバー(518)は、いったん側方に延在する位置へと枢動すると、ピン(507)がロックスロット(522)に入ることができ、それによって例示的な使用中にレバー(518)の角度位置をロックするのを助ける。
【0061】
図28図29は、代替の第1のポーション(562)と共に使用され得る代替の発射アセンブリ(530)を示す。発射アセンブリ(530)及び第1の部分(562)は、それぞれ上述の発射アセンブリ(500)及び第1の部分(402)の代わりに、器具(400)に容易に組み込むことができる。発射アセンブリ(530)は、第1の発射レバー(540)と、第2の発射レバー(550)と、を含み、近位本体(533)と、作動ビーム(532)と、ステープルスレッドアセンブリ(531)と、を含む。作動している近位本体(533)、ビーム(532)、及びステープルスレッドアセンブリ(531)は、各々上述した近位本体(503)、作動ビーム(502)、及びステープルスレッドアセンブリ(501)と実質的に同様であってもよい。
【0062】
近位本体(533)は、摺動連結アーム(536)を摺動可能に収容する横方向チャネル(535)を画定する。摺動連結アーム(536)は、反対側のピン穴(537)を画定し、各々ピン(538)を受容するように構成されている。第1のレバー(540)及び第2のレバー(550)はそれぞれ同様に、ピン(538)を再生するように寸法決めされたピン穴(546、556)を画定する。したがって、ピン(538)はレバー(550、540)を摺動連結アーム(536)と連結する。レバー(540、550)はそれぞれ、それぞれのレバー(540、550)が側方に延在する位置にあるときに摺動連結アーム(536)の一部分を受容するように寸法決めされた受容スロット(542、552)を画定する。加えて、各レバー(540、550)は、それぞれカム本体(544、554)を含む。それぞれのレバー(540、550)が側方に延在する位置へと枢動されると、カム本体(544)は第1の部分(562)の適切な要素に当接でき、それによって、摺動連結アーム(536)を横方向チャネル(535)内で並進させ、レバー(540、550)を引っ張り、側方に延在する位置へ、非突出位置へと枢動しない。図29で最も良く見えるように、第1の部分(562)は、作動ビーム(532)、第1のレバーチャネル(564)、及び第2のレバーチャネル(568)を摺動可能に受容する発射チャネル(562)を画定する。側方に延在する位置へと回転させないレバー(550)は、発射アセンブリ(530)の作動中に、レバーチャネル(568)内に完全に収容され得る。図29で最も良く見えるように、側方に延在する位置にあるレバー(540)は、発射アセンブリ(530)の作動中に発射チャネル(566)内にカム本体(544)のみを有してもよい。
【0063】
図30A図30Bは、上記の器具(400)に容易に組み込むことができる、代替的な発射アセンブリ(570)を示す。発射アセンブリ(570)は、近位本体(573)と、作動ビーム(572)と、ステープルスレッドアセンブリ(571)と、第1の発射レバー(580)と、第2の発射レバー(586)と、接続端部(594、592)を介して各発射レバー(580、586)に連結されたリンケージアーム(590)と、を含む。近位本体(573)は、発射レバー(586、582)の連結スリーブ(588、582)と枢動可能に連結された枢動ポスト(574、575)を含む。したがって、レバー(586、582)の作動は、近位本体(573)、作動ビーム(572)、及びステープルスレッドアセンブリ(571)を駆動する。加えて、例示的な使用中、両方のレバー(580、586)は、作動ビーム(572)及びステープルスレッドアセンブリ(571)と共に作動する。しかし、第1のレバー(580)及び第2のレバー(586)は、ポスト(574、575)と枢動可能に連結されて、1つのレバー(580、586)が側方に延在する位置へと枢動されるときに、他方のレバー(580、586)が、上記の説明による発射ストローク中に、内側枢動レバー(580、586)が器具(400)を把持する操作者を妨げないように、非突出位置へと内側に枢動される。図30A図30Bに最もよく見られるように、1つのレバー(580、586)が側方に延出する外向きの位置へと枢動するとき、リンケージアーム(590)は、他方のレバー(580、586)を非突出位置へと回転させる。各レバー(580、586)は、レバー(580、586)が図30A図30Bに示される位置の間で互いに対して枢動するとき、互いに当接するように寸法決めされた、輪郭形成された接触本体(584、858)を有する。
【0064】
図31A図31Cは、上記の器具(400)に容易に組み込むことができる、代替的な発射アセンブリ(600)を示す。発射アセンブリ(600)は、近位適合レバー保持本体(603)と、作動ビーム(602)と、ステープルスレッドアセンブリ(601)と、発射レバー(612)と、を含む。作動ビーム(602)及びステープルスレッドアセンブリ(601)は、上述の作動ビーム(502)及びステープルスレッドアセンブリ(501)と実質的に同様である。以下により詳細に記載されるように、発射レバー(510)は、発射レバー(510)が器具(400)の両面(416、417)からアクセス可能であり得るように、近位適合レバー保持本体(603)内で側方に摺動するように構成される。近位本体(603)は、第1の面適合チャンバと、中間適合チャンバ(609)と、第2の面適合チャンバ(610)とを有する横方向チャネル(606)を画定する。近位本体(603)は、弾性材料から作製される。各適合チャンバ(608、609、610)は、発射レバー(612)の中間突出部(618)を収容するように構成される。
【0065】
発射レバー(612)は、第1の側面(614)と、第2の側面(616)と、中間突出部と、を含む。図31A~31Cで最も良く見られるように、発射レバー(612)は、横方向チャネル(606)内で中間位置から(図31A)、第1の側方位置(図31B)、及び第2の側方位置(図31C)の内部で摺動してもよい。以下でより詳細に説明するように、操作者は、発射アセンブリ(600)を作動させるために、第1の側面(614)又は第2の側面(616)にアクセスするために、それぞれの位置の間でレバー(612)を押す及び/又は引くことができる。
【0066】
中間位置にある間、中間突出部(618)は、中央適合チャンバ(609)内に位置されてもよい。中間適合チャンバ(609)を画定する近位本体(603)の内面は、レバー(612)が近位本体(603)に対して静止したままであるように、中間突出部(618)と係合するように構成されている。この時点では、第1の側面(614)又は第2の側面(616)は、部分的に横方向チャネル(606)内にあってもよい。しかし、近位本体(603)は、十分に適合性があって弾性であるようにし、操作者が所望する場合に、これらが、発射レバー(612)を近位本体(603)のいずれかの側面に摺動させることができ、中間突出部(618)が第2の面適合チャンバ(610)の第1の面適合チャンバ(608)いずれかの内部で摺動するようにする。そのような例では、横方向チャネル(606)を画定する内部又は近位本体(603)は、中間突出部(618)がチャンバ(608、609、610)内で摺動し得るように拡張することができる。中央の製造(618)がいずれかのチャンバ(608、609、610)の内部にあり、操作者がレバー(612)を押す/引くことを停止すると、適合性及び/又は弾性の性質、又は近位本体(603)は、レバー(612)の中間突出部(614)に再係合する。したがって、操作者は、作動ビーム(602)及びステープルスレッドアセンブリ(601)を把持及び発射するために、第1の側面(614)又は第2の側面(616)のいずれかが露出されるように、レバー(612)を側方に押す/引くことができる。
【0067】
図32図33は、器具(400)に容易に組み込むことができる、別の発射アセンブリ(620)を示す。発射アセンブリ(600)は、カムスロット(624)を画定する近位本体(623)と、近位本体(623)に連結された作動ビーム(622)と、作動ビーム(622)と連結されたステープルスレッドアセンブリ(621)と、発射レバー(630)と、を含む。作動ビーム(622)及びステープルスレッドアセンブリ(621)は、上述の作動ビーム(502)及びステープルスレッドアセンブリ(501)と実質的に同様であり得る。以下により詳細に記載されるように、発射レバー(630)の一部分がカムスロット(624)の領域内で摺動可能に連結され、発射レバー(630)が側方に押されるか引かれると、発射レバー(330)が回転する。
【0068】
発射レバー(630)は、第1の発射アーム(632)と、第2の発射アーム(634)と、第1の発射アーム(632)と第2の発射アーム(634)との間に位置するねじり部分(636)と、ねじり部分(636)に隣接する第1の発射アーム(632)と第2の発射アーム(634)の一部に沿って位置する側方突出部(635)と、を含む。ねじり部分(636)は、カムスロット(624)の領域内にあり、操作者が発射レバー(630)を押す又は引くことができ、その結果、ねじり部分(636)及びカムスロット(624)は、発射レバー(630)を近位本体(623)に対して回転させて互いに相互作用することができる。具体的には、発射レバー(630)が図33Aに示される位置にあるとき、第2の発射アーム(634)は、発射アセンブリ(620)を作動させるために把持され得る。発射レバー(630)が図33Bに示される位置にあるとき、第1の発射アーム(632)は、発射アセンブリ(620)を作動させるために把持され得る。したがって、操作者は、操作者が発射レバー(630)を把持することを望む面に向かって発射レバー(630)を押す/引くことができる。側方突出部(635)は、発射レバー(630)が近位本体(623)と会合しないように寸法決めされる。
【0069】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではない。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の種々の教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されないかぎり、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0070】
装置であって、(a)ハンドルアセンブリであって、(i)第1の側面と、(ii)第2の側面と、(iii)第1のアームと、(iv)第2のアームであって、近位枢動ロケーションで第1のアームと枢動可能に連結するように構成されている、第2のアームと、(v)遠位枢動ロケーションで第1のアームと枢動可能に連結されたラッチレバーと、を備える、ハンドルアセンブリ、(b)エンドエフェクタであって、(i)第1のアームから遠位に延在する第1のジョーと、(ii)第2のアームから遠位に延在する第2のジョーであって、第2のジョーが、開放構成と、部分的閉鎖構成と、完全閉鎖構成との間で第1のジョーに対して枢動するように構成され、ラッチレバーが、第2のアーム又は第2のジョーと係合して、第2のジョーを部分的閉鎖構成から完全閉鎖構成に向かって枢動させるように構成されている、第2のジョーと、を備える、エンドエフェクタ、及び(c)完全閉鎖構成において第1のジョーと第2のジョーとの間に捕捉された組織を切断するように構成された発射アセンブリであって、(i)ハンドルアセンブリ及びエンドエフェクタに対して摺動可能な作動ビームと、(ii)作動ビームに連結された近位本体であって、第1のアーム又は第2のアームのいずれかの内部に摺動可能に収容される、近位本体と、(iii)第1の側方に延在する位置と第1の非突出位置との間で移動するように構成された、第1の側面に関連付けられる第1のレバーであって、第1の側方に延在する位置においてハンドルアセンブリに対して作動ビーム及び近位本体を駆動するように構成されている、第1のレバーと、(iv)第2の側方に延在する位置と第2の非突出位置との間で移動するように構成された、第2の側面に関連付けられる第2のレバーであって、第2の側方に延在する位置においてハンドルアセンブリに対して作動ビーム及び近位本体を駆動するように構成されている、第2のレバーと、を備える、発射アセンブリ、を備える、装置。
【実施例2】
【0071】
近位本体が、第1のポスト及び第2のポストを備える、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0072】
第1のレバーは、枢動コネクタ及び把持コネクタを備え、枢動コネクタは、近位本体が近位位置にある間に、第1のレバーを第1のポストと枢動可能に連結するように構成されている、実施例2に記載の装置。
【実施例4】
【0073】
把持コネクタが、第1の側方に延在する位置において第2のポストと連結するように構成され、把持コネクタが、第1の非突出位置において第2のポストと分離するように構成されている、実施例3に記載の装置。
【実施例5】
【0074】
第1のレバーが、第2のレバーとは独立して作動ビームを駆動するように構成されている、実施例4に記載の装置。
【実施例6】
【0075】
第1のアームが、第1の側面の上部スロットと、第2の側面の下部スロットとを画定し、把持コネクタが、第1の側方位置と第1の非突出位置との間で移動するときに、第1の側面の上部スロットを通るように最初に構成されている、実施例4~5のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例7】
【0076】
近位本体が、第1の側方位置にある第1のレバーの一部分を受容するように構成された回転ロックポケットを画定する、実施例1~6のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例8】
【0077】
第1のレバーが、スナップ嵌め接続を介して非突出位置に選択的にロックするように構成されている、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例9】
【0078】
第1のレバー及び第2のレバーが、ハンドルアセンブリに対して近位本体と一緒に作動するように構成されている、実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0079】
近位本体が横方向チャネルを画定し、第1のレバー及び第2のレバーが、リンケージアームによって互いに接続されている、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0080】
近位本体が横方向チャネルを画定し、第1のレバー及び第2のレバーは、摺動連結アームによって互いに接続されている、実施例9~10のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例12】
【0081】
第1のレバーが第1のカムスロットを画定し、第1のレバーは、第1のピン及び第1のカムスロットを介して摺動連結アームと連結される、実施例11に記載の装置。
【実施例13】
【0082】
第2のレバーが第2のカムスロットを画定し、第2のレバーは、第2のピン及び第2のカムスロットを介して摺動連結アームと連結される、実施例12に記載の装置。
【実施例14】
【0083】
第1のレバーはまた、第1のレバーを第1の側方位置に回転でロックするように構成されたロックスロットを画定する、実施例1~13のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例15】
【0084】
第1のハンドルが、作動ビームを収容する発射チャネルを画定し、第1のハンドルは、第1の非突出位置にある第1のレバーを受容するように構成された第1のレバーチャネルを更に画定する、実施例1~14のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例16】
【0085】
第1のハンドルが、第2の非突出位置にある第2のレバーを受容するように構成された第2のレバーチャネルを更に画定する、実施例15に記載の装置。
【実施例17】
【0086】
装置であって、(a)ハンドルアセンブリであって、(i)第1の側面と、(ii)第2の側面と、(iii)第1のアームと、(iv)第2のアームであって、近位枢動ロケーションで第1のアームと枢動可能に連結するように構成されている、第2のアームと、(v)遠位枢動ロケーションで第1のアームと枢動可能に連結されたラッチレバーと、を備える、ハンドルアセンブリ、(b)エンドエフェクタであって、(i)第1のアームから遠位に延在する第1のジョーと、(ii)第2のアームから遠位に延在する第2のジョーであって、第2のジョーが、開放構成と、部分的閉鎖構成と、完全閉鎖構成との間で第1のジョーに対して枢動するように構成され、ラッチレバーが、第2のアーム又は第2のジョーと係合して、第2のジョーを部分的閉鎖構成から完全閉鎖構成に向かって枢動させるように構成されている、第2のジョーと、を備える、エンドエフェクタ、及び(c)完全閉鎖構成において第1のジョーと第2のジョーとの間に捕捉された組織を切断するように構成された発射アセンブリであって、(i)ハンドルアセンブリ及びエンドエフェクタに対して摺動可能な作動ビームと、(ii)第1の側方に延在する位置と第1の非突出位置との間で枢動するように構成された、第1の側面と関連付けられる第1のレバーであって、第1の側方に延在する位置においてハンドルアセンブリに対して作動ビームを駆動するように構成されている、第1のレバーと、(iv)第2の側方に延在する位置と第2の非突出位置との間で枢動するように構成された、第2の側面と関連付けられて構成される第2のレバーであって、第2の側方に延在する位置においてハンドルアセンブリに対して作動ビームを駆動するように構成されている、第2のレバーと、を備える、発射アセンブリ、を備える、装置。
【実施例18】
【0087】
第1のアームが、第1の側面に関連付けられた上部スロットを画定し、第1のアームは、第2の側面に関連付けられた下部スロットを画定し、第1のレバーは、上部スロットと摺動可能に連結され、第2のレバーは、下部スロットと摺動可能に連結されている、実施例17に記載の装置。
【実施例19】
【0088】
上部スロットが、第1の側方に延在する位置にある第1のレバーの回転ロック本体を受容するように構成された枢動ロック窓を更に画定する、実施例18に記載の装置。
【実施例20】
【0089】
装置であって、(a)ハンドルアセンブリであって、(i)第1の側面と、(ii)第2の側面と、(iii)第1のアームと、(iv)第2のアームであって、近位枢動ロケーションで第1のアームと枢動可能に連結するように構成されている、第2のアームと、(v)遠位枢動ロケーションで第1のアームと枢動可能に連結されたラッチレバーと、を備える、ハンドルアセンブリ、(b)エンドエフェクタであって、(i)第1のアームから遠位に延在する第1のジョーと、(ii)第2のアームから遠位に延在する第2のジョーであって、第2のジョーが、開放構成と、部分的閉鎖構成と、完全閉鎖構成との間で第1のジョーに対して枢動するように構成され、ラッチレバーが、第2のアーム又は第2のジョーと係合して、第2のジョーを部分的閉鎖構成から完全閉鎖構成に向かって枢動させるように構成されている、第2のジョーと、を備える、エンドエフェクタ、及び(c)完全閉鎖構成において第1のジョーと第2のジョーとの間に捕捉された組織を切断するように構成された発射アセンブリであって、(i)第1の側方に延在する位置と第1の非突出位置との間で移動するように構成された、第1の側面に関連付けられる第1のレバーであって、第1の側方に延在する位置においてハンドルアセンブリに対して発射アセンブリの選択された部分を駆動するように構成されている、第1のレバーと、(ii)第2の側方に延在する位置と第2の非突出位置との間で移動するように構成された、第2の側面と関連付けられて構成される第2のレバーであって、第2の側方に延在する位置においてハンドルアセンブリに対して発射アセンブリの選択された部分を駆動するように構成されている、第2のレバーと、を備える、発射アセンブリ、を備える、装置。
【0090】
IV.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わされてもよい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例など)、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書における教示を鑑みると、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0091】
更に、本明細書に記載する教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ以上を、以下で説明する教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上と組み合わせることができる;本明細書と同日に出願される米国出願[代理人参照番号END7969USNP]、「Release Mechanism for Linear Surgical Stapler」と題する;本明細書と同日に出願される米国出願[代理人参照番号END7970USNP]、「Lockout Assembly for Linear Surgical Stapler」と題する;本明細書と同日に出願される米国出願[代理人参照番号END7971USNP]、「Features to Align and Close Linear Surgical Stapler」と題する;本明細書と同日に出願される米国出願[代理人参照番号END7972USNP]、「Releasable Coupling Features for Proximal Portions of Linear Surgical Stapler」と題する;本明細書と同日に出願される米国出願[代理人参照番号END7973USNP]、「Firing Lever Assembly for Linear Surgical Stapler」と題する;及び、本明細書と同日に出願される米国出願[代理人参照番号END7974USNP]、「Clamping Mechanism for Linear Surgical Stapler」と題する。これらの出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0092】
参照により本明細書に組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0093】
上記の装置の変形形態は、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。単なる例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込むことができる。
【0094】
上述の変形形態は、1回の使用後に廃棄するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、一方又はその両方の場合において、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の一部の変更例は、再調整用の施設で、又は処置の直前にオペレータのいずれかによって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0095】
単なる例として、本明細書に記載される変形形態は、処置前及び/又は処置後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に配置する。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0096】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0097】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)ハンドルアセンブリであって、
(i)第1の側面と、
(ii)第2の側面と、
(iii)第1のアームと、
(iv)第2のアームであって、近位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結するように構成されている、第2のアームと、
(v)遠位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結されたラッチレバーと、を備える、ハンドルアセンブリ、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)前記第1のアームから遠位に延在する第1のジョーと、
(ii)前記第2のアームから遠位に延在する第2のジョーであって、前記第2のジョーが、開放構成と、部分的閉鎖構成と、完全閉鎖構成との間で前記第1のジョーに対して枢動するように構成され、前記ラッチレバーが、前記第2のアーム又は前記第2のジョーと係合して、前記第2のジョーを前記部分的閉鎖構成から前記完全閉鎖構成に向かって枢動させるように構成されている、第2のジョーと、を備える、エンドエフェクタ、及び
(c)前記完全閉鎖構成において前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に捕捉された組織を切断するように構成された発射アセンブリであって、
(i)前記ハンドルアセンブリ及び前記エンドエフェクタに対して摺動可能な作動ビームと、
(ii)前記作動ビームに連結された近位本体であって、前記第1のアーム又は前記第2のアームのいずれかの内部に摺動可能に収容される、近位本体と、
(iii)第1の側方に延在する位置と第1の非突出位置との間で移動するように構成された、前記第1の側面に関連付けられる第1のレバーであって、前記第1の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記作動ビーム及び前記近位本体を駆動するように構成されている、第1のレバーと、
(iv)第2の側方に延在する位置と第2の非突出位置との間で移動するように構成された、前記第2の側面に関連付けられる第2のレバーであって、前記第2の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記作動ビーム及び前記近位本体を駆動するように構成されている、第2のレバーと、を備える、発射アセンブリ、を備える、装置。
(2) 前記近位本体が、第1のポスト及び第2のポストを備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1のレバーは、枢動コネクタ及び把持コネクタを備え、前記枢動コネクタは、前記近位本体が近位位置にある間に、前記第1のレバーを前記第1のポストと枢動可能に連結するように構成されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記把持コネクタが、前記第1の側方に延在する位置において前記第2のポストと連結するように構成され、前記把持コネクタが、前記第1の非突出位置において前記第2のポストと分離するように構成されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記第1のレバーが、前記第2のレバーとは独立して前記作動ビームを駆動するように構成されている、実施態様4に記載の装置。
【0098】
(6) 前記第1のアームが、前記第1の側面の上部スロットと、前記第2の側面の下部スロットとを画定し、前記把持コネクタが、前記第1の側方位置と前記第1の非突出位置との間で移動するときに、前記第1の側面の前記上部スロットを通るように最初に構成されている、実施態様4に記載の装置。
(7) 前記近位本体が、前記第1の側方位置にある前記第1のレバーの一部分を受容するように構成された回転ロックポケットを画定する、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記第1のレバーが、スナップ嵌め接続を介して前記非突出位置に選択的にロックするように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記第1のレバー及び前記第2のレバーが、前記ハンドルアセンブリに対して前記近位本体と一緒に作動するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記近位本体が横方向チャネルを画定し、前記第1のレバー及び前記第2のレバーが、リンケージアームによって互いに接続されている、実施態様9に記載の装置。
【0099】
(11) 前記近位本体が横方向チャネルを画定し、前記第1のレバー及び前記第2のレバーは、摺動連結アームによって互いに接続されている、実施態様9に記載の装置。
(12) 前記第1のレバーが第1のカムスロットを画定し、前記第1のレバーは、第1のピン及び前記第1のカムスロットを介して前記摺動連結アームと連結される、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記第2のレバーが第2のカムスロットを画定し、前記第2のレバーは、第2のピン及び前記第2のカムスロットを介して前記摺動連結アームと連結される、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記第1のレバーはまた、前記第1のレバーを前記第1の側方位置に回転でロックするように構成されたロックスロットを画定する、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記第1のハンドルが、前記作動ビームを収容する発射チャネルを画定し、前記第1のハンドルは、前記第1の非突出位置にある前記第1のレバーを受容するように構成された第1のレバーチャネルを更に画定する、実施態様1に記載の装置。
【0100】
(16) 前記第1のハンドルが、前記第2の非突出位置にある前記第2のレバーを受容するように構成された第2のレバーチャネルを更に画定する、実施態様15に記載の装置。
(17) 装置であって、
(a)ハンドルアセンブリであって、
(i)第1の側面と、
(ii)第2の側面と、
(iii)第1のアームと、
(iv)第2のアームであって、近位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結するように構成されている、第2のアームと、
(v)遠位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結されたラッチレバーと、を備える、ハンドルアセンブリ、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)前記第1のアームから遠位に延在する第1のジョーと、
(ii)前記第2のアームから遠位に延在する第2のジョーであって、前記第2のジョーが、開放構成と、部分的閉鎖構成と、完全閉鎖構成との間で前記第1のジョーに対して枢動するように構成され、前記ラッチレバーが、前記第2のアーム又は前記第2のジョーと係合して、前記第2のジョーを前記部分的閉鎖構成から前記完全閉鎖構成に向かって枢動させるように構成されている、第2のジョーと、を備える、エンドエフェクタ、及び
(c)前記完全閉鎖構成において前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に捕捉された組織を切断するように構成された発射アセンブリであって、
(i)前記ハンドルアセンブリ及び前記エンドエフェクタに対して摺動可能な作動ビームと、
(ii)第1の側方に延在する位置と第1の非突出位置との間で枢動するように構成された、前記第1の側面と関連付けられる第1のレバーであって、前記第1の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記作動ビームを駆動するように構成されている、第1のレバーと、
(iii)第2の側方に延在する位置と第2の非突出位置との間で枢動するように構成された、前記第2の側面と関連付けられて構成される第2のレバーであって、前記第2の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記作動ビームを駆動するように構成されている、第2のレバーと、を備える、発射アセンブリ、を備える、装置。
(18) 前記第1のアームが、前記第1の側面に関連付けられた上部スロットを画定し、前記第1のアームは、前記第2の側面に関連付けられた下部スロットを画定し、前記第1のレバーは、前記上部スロットと摺動可能に連結され、前記第2のレバーは、前記下部スロットと摺動可能に連結されている、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記上部スロットが、前記第1の側方に延在する位置にある前記第1のレバーの回転ロック本体を受容するように構成された枢動ロック窓を更に画定する、実施態様18に記載の装置。
(20) 装置であって、
(a)ハンドルアセンブリであって、
(i)第1の側面と、
(ii)第2の側面と、
(iii)第1のアームと、
(iv)第2のアームであって、近位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結するように構成されている、第2のアームと、
(v)遠位枢動ロケーションで前記第1のアームと枢動可能に連結されたラッチレバーと、を備える、ハンドルアセンブリ、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)前記第1のアームから遠位に延在する第1のジョーと、
(ii)前記第2のアームから遠位に延在する第2のジョーであって、前記第2のジョーが、開放構成と、部分的閉鎖構成と、完全閉鎖構成との間で前記第1のジョーに対して枢動するように構成され、前記ラッチレバーが、前記第2のアーム又は前記第2のジョーと係合して、前記第2のジョーを前記部分的閉鎖構成から前記完全閉鎖構成に向かって枢動させるように構成されている、第2のジョーと、を備える、エンドエフェクタ、及び
(c)前記完全閉鎖構成において前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に捕捉された組織を切断するように構成された発射アセンブリであって、
(i)第1の側方に延在する位置と第1の非突出位置との間で移動するように構成された、前記第1の側面に関連付けられる第1のレバーであって、前記第1の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記発射アセンブリの選択された部分を駆動するように構成されている、第1のレバーと、
(ii)第2の側方に延在する位置と第2の非突出位置との間で移動するように構成された、前記第2の側面と関連付けられて構成される第2のレバーであって、前記第2の側方に延在する位置において前記ハンドルアセンブリに対して前記発射アセンブリの前記選択された部分を駆動するように構成されている、第2のレバーと、を備える、発射アセンブリ、を備える、装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図21
図22A
図22B
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図24C
図25
図26A
図26B
図26C
図27
図28
図29
図30A
図30B
図31A
図31B
図31C
図32
図33A
図33B